説明

画像の秘匿方法および画像形成装置

【課題】 カラー印刷は塗潰すがモノクロ印刷は塗潰さない、又は、カラー印刷を塗潰ししかもモノクロ印刷も塗潰す、を設定可能にする。
【解決手段】 画像を表す第1RGB画像データに基づいて該画像が複製を禁止されている特定画像か識別し、モノクロ画像の複製は許可する設定では、特定画像と識別した第1RGB画像データのR画像データ又はB画像データを塗潰しレベルに変換し、モノクロ画像の複製も禁止する設定では、特定画像と識別した第1RGB画像データのG画像データを塗潰しレベルに変換し、カラー画像出力をするカラーモードでは該変換をした画像データと他の画像データでなる第2RGB画像データを印刷用のCMYK画像データに変換し、モノクロ画像出力をするモノクロモードではG画像データを印刷用のK画像データに変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の秘匿処理に関し、特に、これに限定する意図ではないが、スキャナあるいはデジカメなどの撮像手段によって生成される画像データが、複製が禁止された特定画像を現すものであると塗潰し処理を施す秘匿方法およびそれを実施する画像形成装置に関する。本発明は例えば、原稿スキャナ,パソコン,プリンタ,複写機,ファクシミリ等に実施できる。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2000−232576号公報
【特許文献2】特開2006−262376号公報
【特許文献3】特開2000−175031号公報
【特許文献4】特開2006−287707号公報。
【0003】
例えば複写機において、紙幣や有価証券などの不正偽造防止を目的として、原稿画像が紙幣や有価証券などの画像(特定画像)か識別する判定装置を用い、特定画像と判定した場合は、塗りつぶしなどの秘匿処理を行うことが知られている(例えば特許文献1〜4)。
【0004】
特許文献1は、原稿読取りで得るRGB画像データを均等色空間の画像データに変換してから紙幣認識装置で原稿画像が特定画像かの認識を行い、特定画像と認識すると、色材記録のためのYMCK画像データに対して塗潰し処理を加える画像処理装置を記載している。特許文献2は、原稿画像上の、特定画像であることを表す地紋ドット群を検出すると、原稿画像秘匿のために、YMCK画像データに対してベタ塗りにより塗り潰すが、ベタ塗り色材色を選択可能とすることにより、ベタ塗りに必要な色材として固定の色材のみを用いる場合に比べて、色材使用量の偏りを少なくする画像処理装置を記載している。
【0005】
特許文献3には、スキャナが生成するRGB画像データをYMCK画像データに変換しそれを秘匿処理してからメモリに蓄積し(図1,図2)、あるいはRGB画像データを秘匿処理してからメモリに蓄積しそしてメモリから読み出してYMCK画像データに変換する(図9〜図11)、画像処理装置が記載されている。特許文献4には、スキャナが生成する画像データをメモリ手段に格納し、1原稿の読取りが終了したとき、メモリ手段に格納した画像データを読み出して、特定画像であると塗潰しを施して画像蓄積手段に蓄積するが、メモリ手段に所定ラインの画像データを入力した段階で印刷を開始し、特定画像と判定したときにはそこで塗潰しを施して印刷を行う画像処理装置を記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
いずれも、色材記録のためのYMCK画像データ又は画像読取りのRGB画像データに対して塗潰し処理を加えるが、K画像データに塗潰し処理を加えると、モノクロモードやファクシミリ白黒出力の場合には、塗潰しを要しない白黒(モノクロ)画像も塗潰されてしまう。Y,MおよびC画像データを同時に塗潰し処理する場合も同様である。
【0007】
本発明は、カラー印刷は塗潰すがモノクロ印刷は塗潰さない、又は、カラー印刷を塗潰ししかもモノクロ印刷も塗潰す、を設定可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)画像を表す第1RGB画像データに基づいて該画像が複製を禁止されている特定画像か識別し、モノクロ画像の複製は許可する設定では、特定画像と識別した第1RGB画像データのR画像データ又はB画像データを塗潰しレベルに変換し、モノクロ画像の複製も禁止する設定では、特定画像と識別した第1RGB画像データのG画像データを塗潰しレベルに変換し、カラー画像出力をするカラーモードでは該変換をした画像データと他の画像データでなる第2RGB画像データを印刷用のCMYK画像データに変換し、モノクロ画像出力をするモノクロモードではG画像データを印刷用のK画像データに変換する、画像の秘匿方法。
【発明の効果】
【0009】
一般的に、カラー読取りの場合にはRGB画像データが印刷用のCMYK画像データに変換されるが、モノクロ読取りやファクシミリ送受信では、RGB画像データのG画像データのみが、印刷用のK画像データに変換され、R,B画像データは印刷用のCMYK画像データのいずれにも変換されない。すなわち、カラーモードの場合には、R画像データがM,YおよびK画像データに反映され、B画像データがC,MおよびK画像データに反映される。
【0010】
そこで、RGB画像データのR又はB画像データを塗潰しレベルに変換すると、印刷画像は塗潰されたものとなる。しかし、モノクロモードおよびファクシミリ送受信の場合には、RGB画像データのG画像データのみが印刷用のK画像データに変換され、R,B画像データの塗潰しの影響を受けないので、印刷画像は塗潰されない。
【0011】
RGB画像データのG画像データを塗潰しレベルに変換すると、カラーモードの場合にはG画像データが印刷用のC,MおよびK画像データに反映されるので印刷画像は塗潰されたものとなる。しかも、モノクロモードの場合にも、G画像データ=K画像データが塗潰されたものになるので、印刷画像は塗潰されたものとなる。
【0012】
したがって、モノクロ画像の複製を「許可」する設定ではR又はB画像データを塗潰しに定め、「禁止」する設定ではG画像データに定めることにより、「カラー印刷は塗潰すがモノクロ印刷は塗潰さない」と、「カラー印刷を塗潰ししかもモノクロ印刷も塗潰す」を選択できる。
【0013】
(2)原稿画像を読み取って第1RGB画像データを生成する読取手段(210);
第1RGB画像データが表す画像が複製を禁止されている特定画像か識別する判定手段(2b);
モノクロ画像の複製は許可する設定では、特定画像と識別した第1RGB画像データのR画像データ又はB画像データを塗潰しレベルに変換し、モノクロ画像の複製も禁止する設定では、特定画像と識別した第1RGB画像データのG画像データを塗潰しレベルに変換する塗潰し手段(2c);
カラー画像出力をするカラーモードでは該変換をした画像データと他の画像データでなる第2RGB画像データを印刷用のCMYK画像データに変換し、モノクロ画像出力をするモノクロモードではG画像データを印刷用のK画像データに変換する、色補正手段(27);および、
該色補正手段が変換した印刷用の画像データに基づいて用紙上に画像を形成する作像手段(100);
を備える画像形成装置。
【0014】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素の符号を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
【0015】
これによれば、モノクロ画像の複製を「許可」する設定では塗潰しをR画像データおよび又はB画像データに行うことで、印刷の際に、カラーモードであれば塗りつぶしが反映された画像を、モノクロモードであれば塗りつぶしの影響を受けない画像を得ることができる。「禁止」する設定では塗潰しをG画像データに行なうことで、カラーモードとモノクロモードのいずれでも、塗潰された画像を得ることができる。このように、「カラー印刷は塗潰すがモノクロ印刷は塗潰さない」と、「カラー印刷を塗潰ししかもモノクロ印刷も塗潰す」を選択できる。
【0016】
(3)画像データを記憶する第1および第2記憶手段(7,8);および、
1つの原稿画像の、前記読取手段が生成する第1RGB画像データを第1記憶手段(7)に格納し、該1つの原稿画像の読取りが終了したとき、第1記憶手段に格納した第1RGB画像データを第1記憶手段から読み出して、特定画像であると前記塗潰し手段(2c)で前記変換を行い、特定画像でないと該変換はしないで、圧縮して第2記憶手段(8)に格納した後、第2記憶手段(8)から読み出して伸張して前記色補正手段(27)に与える制御手段(SYC);
を更に備える、上記(2)に記載の画像形成装置。
【0017】
これによれば、第2記憶手段(8)に格納した画像データを使いまわすことで、リピート印刷の際にも不正な出力を確実に抑止できることができる。
【0018】
(4)前記制御手段(SYC)は、1つの原稿画像の、前記読取手段(210)が生成する第1RGB画像データを第1記憶手段(7)に格納すると共に前記色補正手段(27)で印刷用の画像データ(CMYK,K)に変換して前記作像手段(100)に与え、該1つの原稿画像の読取り中に前記判定手段(2b)が特定画像と識別すると前記色補正手段に与える画像データを、第1RGB画像データから、前記塗潰し手段が前記変換をした画像データに切換える;上記(3)に記載の画像形成装置。
【0019】
これによれば、生産性をあげるために、画像の読取途中から同期して画像を出力する場合でも、印刷途中からでも塗潰しがかかり、不正な出力を抑止することができる。
【0020】
(5)ユーザ入力に応じて、モノクロ画像の複製の禁止又は許可を定める設定手段(SPP);を更に備える上記(2)乃至(4)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
これによれば、特定原稿を検出した場合に、モノクロ画像も塗潰すか否を選択設定できる。
【0021】
(6)前記塗潰し手段(2c)は、前記設定手段(SPP)による設定が前記「禁止」であるときには、G画像データを塗潰しレベルに変換し、前記「許可」であるときには、RおよびB画像データの少なくとも一方を塗潰しレベルに変換する;上記(5)に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【実施例1】
【0023】
図1に、本発明の第1実施例の複合機能フルカラーデジタル複写機A1の外観を示す。図1に示すフルカラー複写機A1は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)230と、操作ボード6と、カラースキャナ210と、カラープリンタ100と、給紙バンク35の各ユニットで構成されている。ステープラ及び作像された用紙を積載可能なトレイ付きのフィニッシャ34と、両面ドライブユニット33と、大容量給紙トレイ36は、プリンタ100に装着されている。
【0024】
機内のネットワークI/F(インターフェース)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されており、パソコンPCおよび複写機A1は、ルータを介してインターネット等の広域通信網に接続することができる。機内のファクシミリコントロールユニットFCUには、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PB×が接続されている。カラープリンタ100のプリント済の用紙は、排紙トレイ108上またはフィニッシャ34に排出される。
【0025】
スキャナ210のコンタクトガラス上に置かれた原稿の画像は、スキャナ210の画像読取り機構によって、画像データに変換される(フラットベッド読取り)。スキャナ210には、自動原稿供給装置ADF230が装着されている。ADF230の原稿トレイに積載された原稿は、スキャナ210の読み取り窓に送り出されてその上を通過し、そして排紙ローラで、原稿トレイの下方の圧板兼用の排紙トレイ上に排出される。原稿の画像は、読み取り窓を通過する際に、スキャナ210によって画像データに変換される(シートスルー読取)。
【0026】
カラープリンタ100は、レーザプリンタである。このレーザプリンタ100は、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットが、転写紙の移動方向(図上で右下から左上方向y)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式のフルカラー画像形成装置である。これらマゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(K)のトナー像形成ユニットは、それぞれ、感光体ドラムを有する感光体ユニットと、現像ユニットとを備えている。また、各トナー像形成部の配置は、各感光体ユニット内の感光体ドラムの回転軸が水平×軸(主走査方向)に平行になるように、且つ、転写紙移動方向y(副走査方向)に所定ピッチの配列となるように、設定されている。
【0027】
また、レーザプリンタ100は、上記トナー像形成ユニットのほか、レーザ走査によるレーザ露光ユニット,給紙カセット,レジストローラ対,転写紙を担持して各トナー像形成部の転写位置を通過するように搬送する転写搬送ベルトを有する転写ベルトユニット,ベルト定着方式の定着ユニット,排紙トレイ,両面ドライブ(面反転)ユニット33等を備えている。また、レーザプリンタ100は、図示していない手差しトレイ、トナー補給容器、廃トナーボトル、なども備えている。
【0028】
レーザ露光ユニットは、レーザ発光器,ポリゴンミラー,f−θレンズ,反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラムの表面にレーザ光を、紙面に垂直な主走査x方向に振り走査しながら照射する。
【0029】
給紙カセットから給送された転写紙は、搬送ガイドで案内されながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対に送られ、レジストローラ対により所定のタイミングで転写搬送ベルトに送出された転写紙は転写搬送ベルトで担持され、各トナー像形成部の転写位置を通過するように搬送される。各トナー像形成部の感光体ドラムに形成されたトナー像が、転写搬送ベルトで担持され搬送される転写紙に転写され、各色トナー像の重ね合わせ即ちカラー画像が形成された転写紙は、定着ユニットに送られる。すなわち転写は、転写紙上にじかにトナー像を転写する直接転写方式である。定着ユニットを通過する時トナー像が転写紙に定着する。トナー像が定着した転写紙は、排紙トレイ,フィニッシャ34又は両面ドライブユニット33に排出又は送給される。
【0030】
各トナー像形成ユニットは、前述のように感光体ユニット及び現像ユニットを備えている。感光体ユニットは、感光体ドラムのほか、感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布するブラシローラ,感光体ドラム表面をクリーニングする揺動可能なブレード,感光体ドラム表面に光を照射する除電ランプ,感光体ドラム表面を一様帯電する非接触型の帯電ローラ、等を備えている。各感光体ユニットにおいて、交流電圧が印加された帯電ローラにより一様帯電された感光体ドラムの表面に、レーザ露光ユニットで、プリントデータに基づいて変調されポリゴンミラーで偏向されたレーザ光が走査されながら照射されると、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム上の静電潜像は、現像ユニットで現像されてトナー像となる。転写搬送ベルト上の転写紙が通過する転写位置では、感光体ドラム上のトナー像が転写紙に転写される。トナ−像が転写された後の感光体ドラムの表面は、ブラシローラで所定量の潤滑剤が塗布された後、ブレードでクリーニングされ、除電ランプから照射された光によって除電され、次の静電潜像の形成に備えられる。
【0031】
プリンタ100からフィニッシャ34に送り込まれた用紙は、左上方向に搬送されそして上下逆U字型の搬送路を経て、下向きに搬送方向を切換えてから、設定されているモードに応じて、スタッカ排紙モードのときには排出口から積載降下トレイ34hsに排出される。ソータ排紙モードのときには、ソータトレイ群34stの、そのとき排出中の用紙が割り当てられたソータトレイに排出される。
【0032】
図2に、複合機能複写機A1の画像処理系統のシステム構成を示す。スキャナ210およびプリンタ100は、画像データ処理装置2に接続されている。画像データ処理装置2には、入力画像データ処理2aおよび出力画像データ処理2d、ならびに、特定原稿であるかを識別する地紋検出しょり2bおよび特定画像の塗潰しを行う秘匿処理2cがある。入力画像データ処理2aは、スキャナ210が出力する画像データに対して、スキャナガンマ補正,フィルタ処理および地肌濃度調整(地肌除去)などの、読取り歪を補正する画像処理を施す。出力画像データ処理2dは、色補正(RGB信号のYMCK信号への色変換を含む),変倍,画像加工,プリンタガンマ補正,階調処理などの画質処理をおこなう。加えて、地紋合成(秘匿情報の付加)も行う。
【0033】
本実施例では、地紋検出処理2bが、スキャナ210のCCDが読み取った原稿表面画像の地紋を検出する。
【0034】
システムコントローラSYCにあるバス制御装置3は、画像データ処理装置2とメモリ制御装置4との間の、画像データ転送のためのデータラインの使用割当てを制御し、これらの装置と、システムコントローラSYCの主体であるCPU5との間の通信をおこなう。また、画像データの1次圧縮/伸張も行う。
【0035】
メモリ制御装置4は、アクセス制御,メモリ制御,圧縮/伸張,画像編集,バス制御,ポート制御,ネットワーク制御などの機能を備えている。メモリ制御,圧縮/伸張,画像編集,バス制御,ポート制御,ネットワーク制御は、それぞれDMAC(ダイレクトメモリアクセス制御)を介してアクセス制御に接続される。
【0036】
メモリ制御装置4は、システムコントローラの主体であるCPU5の制御に基づいて、第1記憶手段であるメインメモリ7および第2記憶手段であるHDD8に対する、画像データのアクセス制御,LAN上に接続したパソコンPC等のプリント用データの展開,メインメモリ7,HDD8の有効活用のための画像データの2次圧縮/伸張ならびにパソコンPC,メモリカード等への画像データの転送等もおこなう。バス制御装置3からメモリ制御装置4へ送られた画像データ(1次圧縮データ)は、メモリ制御装置4が、データ圧縮(2次圧縮)して、メインメモリ7又はHDD8に蓄積する。蓄積された画像データは必要に応じて読み出す。読み出した画像データは、伸張(2次伸張)して、1次圧縮データに戻してメモリ制御装置4からバス制御装置3へ戻す。そしてバス制御装置3で本来の画像データに伸張(1次伸張)して、画像データ処理装置2を経てプリンタ12に出力する。
【0037】
メモリ制御装置4にはまた、汎用(市販)の解凍/圧縮機能もあり、ファクシミリ,PCあるいはメディア(メモリカード等)から読み込んだ圧縮データを解凍(伸張)することができ、また、複写機内で生成する面順次,線順次又は点順次の画像データを圧縮することができる。外部入出力コントローラ9およびネットワークI/F10又はメディアI/F11を介して、外部ファクシミリ,ネットワークサーバ,パソコンPC,メモリカード等に転送するときには、この圧縮機能で圧縮してから転送する。メモリ制御装置4には更に、1次圧縮/伸張機能もある。2次伸張機能でメモリ7の2次圧縮データを1次圧縮データに伸張し、そして1次伸張機能で1次圧縮データを画像データに伸張してメモリ7に展開することが出来る。
【0038】
システムコントローラSYCの主体であるCPU5は、HDD8に対するプログラム,制御データ,参照データ,変換テーブル(LUT:ルックアップテーブル)等の、書画情報以外のデータの読み書きを制御し、また各構成部の動作を制御する。
【0039】
操作ボード6は、ユーザの入力に対応して、CPU5がおこなうべき処理を指示する。たとえば、処理の種類(複写,ファクシミリ送信,画像配信,画像読込,プリント等)および処理の枚数等を入力する。すなわち操作ボード6は、操作ボード6に対するユーザの操作に対応して、置数キーの押下の読込みと入力数字データの生成,スタートキーの押下の読込みと、スタート指示の、CPU5への転送,用紙サイズの切換え入力の読取りなど、ユーザの操作読取りおよび表示出力の制御を行う。これにより、画像データ制御情報の入力を行うことができる。
【0040】
メモリ制御装置4のネットワーク制御は、LANおよびインターネットとの接続を制御する。ネットワーク制御は、ネットワークに接続された外部拡張機器に対するデータの送受信を管理する。すなわち、HDD8に格納(セットアップ)したwwwサーバ,FTPサーバ,SMTPサーバ,DHCPサーバおよびその他の、ファイル,メールの送受信に使用するサーバに基づいて、外部入出力コントローラ9を介して、LANおよびインターネットを介するファイル,メールの送受信を行う。また、送信ファイルの生成ならびに受信ファイルのディレクトリへの付加を行う。CPU5は、メモリ制御装置4におけるネットワークインターフェースについて制御を行う。例えば、操作ボード6又はPCからの原稿読み取り&送信のコマンドに対応してメモリ制御装置4に、送信ファイルの生成,送信先のディレクトリの生成および送信を指示する。
【0041】
メモリ制御装置4のアクセス制御は、CPU5によるコマンド制御を実施する。アクセス制御はまた、メモリ7,HDD8を中心に、外部ユニットからのメモリ7,HDD8へのアクセスを管理する。スキャナ1が出力する画像データは、画像データ処理装置2を経て、バス制御装置3を介してメモリ制御装置4に転送され、メモリ制御装置4内に取り込まれる。取り込まれた画像データのメモリアクセスは、CPU5の管理から離れる。すなわち、そのメモリアクセスは、システム制御から独立してダイレクトメモリアクセス制御(DMAC)によりおこなわれる。メモリ7,HDD8へのアクセスについて、アクセス制御は複数ユニットからのアクセス要求の調停をおこなう。そして、メモリ制御装置4のメモリ制御は、メモリ7,HDD8のアクセス動作またはデータの読み出し/書き込みを制御する。
【0042】
ネットワークからメモリ7,HDD8へアクセスする場合、ネットワークからネットワーク制御によりメモリ制御装置4内に取り込まれたデータは、ダイレクトメモリアクセス制御DMACによりメモリ7,HDD8へ転送される。アクセス制御は、複数ジョブでのメモリ7,HDD8へのアクセスの調停をおこなう。メモリ制御は、メモリ7,HDD8に対するデータの読み出し/書き込みをおこなう。シリアルバスからメモリ7,HDD8へアクセスする場合、ポート制御によりポートを介してメモリ制御装置4内に取り込まれたデータは、ダイレクトメモリアクセス制御DMACによりメモリ7,HDD8へ転送される。ネットワークまたは直接接続されたPCからのプリント出力データは、CPU5により、フオントデータを用いてイメージデータに変換されて、メモリ7,HDD8内のメモリエリアに展開される。
【0043】
各外部ユニットとのインターフェースについては、CPU5が管理する。メモリ制御装置4内に取り込まれた後のデータ転送については、それぞれのDMACがメモリアクセスを管理する。この場合、各DMACは、お互いに独立してデータ転送を実行するため、アクセス制御は、メモリ7,HDD8へのアクセスに関するジョブの衝突、または各アクセス要求に対する優先付けをおこなう。
【0044】
図3に、デジタル複写機A1のソフトウェア構成の概略を示す。機器外部からの指示を受け付けると、ユーザインターフェース201で指示を解釈してコントロール202に対して指示を行なう。ローカルUI208は機器に付属の操作部の操作による指示を受け付けるブロックで、通信サーバ207はネットワーク経由の指示を受け付けるブロックである。コントロール202はユーザインターフェース層からの指示を受けると、ユーザI/Fからの指示はパラメータ209に格納し、アクティビティ210でユーザの要求を満たすために必要なアプリケーションロジック203内のコンポーネントから使用するコンポーネントを選択し、使用するコンポーネントにそれぞれ実行を要求する。
【0045】
アプリケーションロジック203は、ユーザの指示を実行するための機能を実現するコンポーネント群である。これらのコンポーネントを複数使用することで、ユーザの要求が実現される。ここでは、入力処理211,加工処理212,出力処理213,データ管理214がそれぞれ図示されているが、その他の機能が追加されていても構わない。アプリケーションロジック203では、コントロール202からの指示に従って、各機能ブロックごとに処理を行なっていく。デバイスは205は、実際に処理を行なうために必要なハードウェアの制御コンポーネント群である。機器によって、ネットワークや電話回線,スキャナなどの接続されているデバイスを制御する。クロスカット206はすべてのブロックから共通に使用される機能ブロックである。例えば、履歴219は履歴を残す必要があるすべてのブロックからアクセスされ、その内容を記録する。
【0046】
図4に、画像データ処理装置2の画像処理機能の概要を示す。画像データ処理装置2には、入力画像データ処理2aおよび出力画像データ処理2dがある。大要では、入力画像データ処理2aは、スキャナ210が出力する読取り画像データ(RGBデータ)の画像品質を良くする読取り補正および秘匿処理を行い、出力画像データ処理2dは、読取り画像データを、プリンタ100の画像表現特性に合致する記録画像データに変換ししかも作像品質をよくする補正、ならびに、秘匿情報の付加(地紋合成31)を行う。
【0047】
入力画像データ処理2aには、画像データの階調特性を校正又は調整するスキャナガンマ補正21a,画像の各部が文字領域か写真領域かの判定(画像特性の検出,像域分離)をする像域分離23a,判定結果に基づいて画像特性(文字/写真)にあわせて鮮鋭化又は平滑化するフィルタ処理22a,地肌濃度調整24aおよび変倍26aがある。像域分離23aは、文字領域の検出および非文字領域の検出をおこない、文字領域でもなく非文字領域でもない領域は地肌領域と検出する。
【0048】
出力画像データ処理2dは、色補正(RGB信号のYMCK信号への色変換を含む)27,変倍28,画像加工29,プリンタガンマ補正30および階調処理32などの画質処理をおこなう。加えて、地紋合成(秘匿情報の付加)31も行う。
【0049】
秘匿処理2cは、地紋検出処理2bが特定画像と認識した画像データに対して、塗潰し処理を適用する。特定画像と認識しなかった画像データに対しては、塗潰し処理を実施しない。秘匿処理2cの内容は図10に示し後述する。
【0050】
図5に、地紋検出処理2bの機能を示す。地紋検出処理2bは、スキャナγ補正21aが出力するR,G,B画像データを2値化して(41)、2値RGB画像データから、地肌領域の黒色画像を抽出する(42)。次に孤立ドット抽出43では、主走査d画素×副走査lライン中にある、黒色画像の孤立画素を検出する。次に位相情報記憶部44が、主走査d画素×副走査lライン中にある孤立画素から、主走査d画素×B数分のBdと副走査lライン×L数分のLlであるBd×Llブロック中の孤立画素の位置関係を記憶する。そしてパターンマッチング45によって、位置情報記憶44が記憶したBd×Llブロック中の孤立画素の位置関係情報と、予め位相情報記憶44に記憶している第1グループの数種の参照パターンの位置関係情報(参照情報)との照合をして、合致する参照パターンを検索する。合致する参照パターンがあると、特定画像との認識が成立したことを表す認識成立情報を生成し、メモリ制御装置4に与える。
【0051】
図6に示す様に、操作ボード6には、液晶タッチパネル79のほかに、テンキー80a,クリア/ストップキー80b,スタートキー80c,初期設定キー80d,モードクリアキー80e,テスト印刷キー80fがある。テスト印刷キー80fは、設定されている印刷部数に関わらず1部だけを印刷し、印刷結果を確認するためのキーである。初期設定キー80dを押す事で、機械の初期状態を任意にカスタマイズする事が可能である。機械が収納している用紙サイズを設定したり、コピー機能のリセットキーを押したときに設定される状態を任意に設定可能である。初期設定キ−80dが操作されると、各種初期値を設定するための「初期値設定」機能ならびに「パスワード登録」機能,「著作権登録/設定」機能および「使用実績の出力」機能等を指定するための選択ボタンが表示される。「初期値設定」機能を用いて、一定時間操作が無いときに優先して選択されるアプリケーション等も選択する事、国際エネルギースター計画に従った低電力への移行時間の設定や、オートオフ/スリープモードへの移行する時間を設定する事が可能である。
【0052】
液晶タッチパネル79には、各種機能キー及び画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示される。液晶タッチパネル79には、「コピー」機能,「スキャナ」(スキャナ配信)機能,「プリント」機能,「ファクシミリ」機能,「蓄積」機能,「編集」機能,「登録」機能およびその他の機能選択用および実行中を表わす機能選択キー80gが表示される。なお、「蓄積」機能は、原稿スキャナ10で読み取った原稿の画像データ,ファクシミリ受信データおよびPCからの書画をHDDの蓄積領域に記憶する機能である。「登録」機能は、HDDの登録領域に記憶する機能であり、HDDの蓄積領域に記憶した書画のうち、多くのユーザが使用する共通性が高い書画や、長期保存したい書画や、特別な管理を設定したい書画をHDDの登録領域に記憶する機能である。
【0053】
液晶タッチパネル79には、機能選択キー80gで指定された機能に定まった入出力画面が表示され、例えば「複写」機能が指定されているときには、図6に示すように、機能キー79a,79bならびに部数及び画像形成装置の状態を示すメッセージが表示される。オペレータが液晶タッチパネル79に表示されたキーにタッチする事で、選択された機能を示すキーが灰色に反転する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えばページ印字の種類等)はキーにタッチする事で詳細機能の設定画面が表示される。このように、液晶タッチパネルは、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行う事が可能である。
【0054】
図7に、図2に示すコントロールCSY(にあるCPU5)の、プログラムROMに格納されRAMに展開されるプログラムに基づいた画像処理制御、すなわち操作ボード6に対するユーザの操作またはPCからのコマンドに応答して実行するシステム制御の概要を示す。動作電圧が加わるとCPU5は、出力ポートのクリア,内部メモリ,レジスタの初期化等を行い(ステップ1,2)、そして各部の状態読み取りを行う(ステップ3)。以下では、括弧内にはステップという語を省略して、ステップ番号のみを記す。異常個所があるとそれを操作ボード6のディスプレイで報知し、正常に変わるのを待つ(5)。正常であると、「入力読み取り」(6)で、操作ボード6に対するユーザの操作あるいはPC又はFAXからのコマンド又は受信要求があるのを待つ。
【0055】
ここで、操作ボード6上の「初期設定」キーが操作されると、操作ボード6(にあるCPU)は、「初期設定」(8)を実行する。この「初期設定」(8)において操作ボード6は、その液晶タッチパネル79に、初期設定のメニュー画面を表示する。該メニュー画面にはユーザ登録の項目があり、該ユーザ登録をオペレータが指定すると、A1管理者パスワードの入力画面を表示する。オペレータがA1管理者パスワードを入力すると、操作ボード6は、ユーザ登録入力画面を表示する。この画面上にユーザ名とパスワードを入力して、ユーザ登録することができる。ユーザ登録情報(ユーザ名&パスワード)は、使用者認証装置18の不揮発メモリに書き込まれる。
【0056】
初期設定のメニュー画面には、「秘匿処理の設定」の項目があり、これをオペレータが指定すると、操作ボード6は、秘匿処理の設定画面SPPを、図8に示す液晶タッチパネル79に表示する。秘匿処理の設定画面SPPには、モノクロ画像の複製は、「禁止」と「許可」、との2つの一方を選択する画面があり、ユーザが指定した方が、設定される。すなわち、操作ボード6内の不揮発メモリの初期設定テーブル(メモリの一領域)に書き込まれる(描きこまれる。該テーブル上の秘匿処理設定レジスタのデータが書き換えられる)。この設定データは、秘匿処理2b(図10のS11)において参照される。
操作ボード6の液晶タッチパネル(LCD)79に表示された機能選択キー群の中の「コピー」にユーザがタッチすると、LCD79の表示は、コピーモードの入力画面となり、コントロールCSYのCPU5は、操作ボード6に対するユーザのコピー用入力操作に応答する「コピー」(10)を実行する。
【0057】
機能選択キー群の中の「読み取り」にユーザがタッチすると、LCD79の表示は、原稿画像「読み取り」モードの入力画面となり、CPU5は、操作ボード6に対するユーザの読み取り用入力操作に応答する「読み取り」(12)を実行する。機能選択キー群の中の「印刷」にユーザがタッチすると、LCDの表示は、蓄積画像の「印刷」モードの入力画面となり、CPU5は、操作ボード6に対するユーザの蓄積画像印刷のための入力操作に応答する「印刷」(14)を実行する。機能選択キー群の中の「ファクシミリ」にユーザがタッチすると、LCD79の表示は、スキャナ10に配置した原稿の「ファクシミリ(送信)」モードの入力画面となり、CPU5は、操作ボード6に対するユーザのファクシミリ送信のための入力操作に応答する「ファクシミリ」(16)を実行する。機能選択キー群の中の「蓄積」にユーザがタッチすると、LCD79の表示は、スキャナ10に配置した原稿の画像をHDD5に蓄積(登録)する「蓄積」モードの入力画面となり、CPU5は、操作ボード6に対するユーザの蓄積のための入力操作に応答する「蓄積」(18)を実行する。機能選択キー群の中の「編集」にユーザがタッチすると、LCD79の表示は、HDD5に蓄積した画像を読み出して編集する「編集」モードの入力画面となり、CPU5は、操作ボード6に対するユーザの編集のための入力操作に応答する「編集」(20)を実行する。
【0058】
複合機能複写機A1に接続されたPCには、該PCを操作ボード6と同等の操作端末とししかもPCに接続されたディスプレイに、操作ボード6のディスプレイと同様に読み取り画像を表示するアプリケーションプログラムがインストールされており、ユーザはPCを用いて、操作ボード6を使用するのと同等に、複写機A1を使用することができる。ただし、操作ボード6のディスプレイであるLCD79はタッチ入力方式と2次元カーソル操作入力方式の併用であるが、これらの入力方式にかえてPCでは、キーボードのキー入力が採用されている。PCのアプリケーションプログラムを起動することにより、操作ボード6のLCD79に表示される操作ボード入力画面と同様な入力画面がPCのディスプレイに表示され、該入力画面上の入力ボタンにカーソルをおいてダブルクリックするか、あるいはEnterキーを押すことにより、該入力ボタンに対する入力操作をPCが認識する。PCに対する入力操作に応答して、PCから複写機A1のコントロールCSYにコマンドが送られてくると、コントロールCSYのCPU5は、操作ボード6に対して入力操作があった場合と同様に、コマンド対応の制御に進む(22)。
【0059】
図9に、「コピー」(10)の内容を示す。「コピー」(10)に進むと操作ボード6のLCD(又はPCの使用による場合はPCのディスプレイ)にコピー入力画面を表示し(S1)、表示上にパスワード入力画面を表示してパスワード入力を促す。これに応じてオペレータが使用者認証装置にICカードを挿入し、あるいは操作ボード6にパスワードを入力し、入力したパスワードが登録されたものであると、CPU5は、コピー入力画面に対するオペレータの入力の読み込みと入力対応の複写条件を設定する。オペレータは原稿をADF230(あるいはコンタクトガラス上)にセットし、所望するコピーモード等の設定とコピー開始の入力を操作ボード6(又はPC)に行う(以下ではPCの場合の記述を省略する)。コピー開始の指示の前に、オペレータは、「秘匿情報付加」を指定することができる。
【0060】
スタートキーの押下があると、すなわちスタート指示があると、操作ボード6はオペレータが入力した情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはCPU5に通知される。CPU5はコピー開始の制御コマンドデータに従って、コピー動作プロセスのプログラムを実行し、コピー動作に必要な設定や動作を順に行っていく。以下に動作プロセスを順に記す。
【0061】
1.コピースタートの指示前に、「秘匿情報付加」の指定が操作ボード6に入力された場合に操作ボード6は、セキュリティコード形成のための情報項目(対象領域,パターン,色,警告文字)および各情報項目の指定すべき内容を表す情報入力テーブルをLCDに表示して、各項目の内容指定を促す。なお、内容指定のデフォルトは、どの項目も3(非文字部&文字部,ベタ,青,複写禁止)であるが、初期設定を利用してデフォルトの内容を変更することができる。
【0062】
オペレータが内容指定を変更しあるいは変更しないでOK又はエンターを入力すると、コピースタートが指示されたときにCPU6は、情報入力テーブルの情報内容を表すセキュリティコードを生成し、HDD8から数種の黒ドットパターンを表現する各画像データをメモリ7に読み出し、セキュリティコードの並び(a)〜(h)を中央で2分割して、2行に並べて各ビット「0」の位置には第1ドットパターンを、「1」には第2ドットパターンを割り当てたドットパターン群Acすなわち地紋画像を表す画像データをメモリ7に展開して、それを地紋合成31の内部メモリに書き込む(S6,S7)。
【0063】
2.原稿画像の読み取りを開始して、CCDで読み取ってデジタル変換しそしてシェーディング補正したRGB各8ビットのデジタル画像データは、画像データ処理装置2の入力画像データ処理2aにより、読み取り歪補正処理する。すなわち予め決められた特性に統一するための処理をするとともに、地紋検出処理2bで地紋検出をする(S8,S9)。すなわち、図5に示す地紋検出(特定画像の認識)を行う。
【0064】
3.入力画像データ処理2aが読み取り歪補正処理した、RGB画像データ(第1RGB画像データ)は、メインメモリ7に格納しつつメインメモリ7から読み出して出力画像データ処理2dに出力する(S10,図11のA1,A2)。これを行っている間に地紋検出処理2bが秘匿情報を検出した場合すなわち特定画像と認識した場合は、地紋検出処理2bは、特定画像との認識が成立したことを表す認識成立情報を、メモリ制御装置4に与え、メモリ制御装置4が、この認識成立情報を内部メモリ(レジスタ)に保持するとともに、バス制御装置3を介して、メインメモリ7から読み出して出力画像データ処理2dに出力する第1RGB画像データを秘匿処理2cに出力し、秘匿処理2cが処理したRGB画像データ(第2RGB画像データ)を出力画像データ処理2dに出力するルート(図13のA1,B2)に、画像データ転送を切換える。すなわち、第1RGB画像データの秘匿処理(S11)を開始する。秘匿処理(S11)の内容は、図10を参照して後述する。
【0065】
1原稿の読取りを終えると、すなわち該原稿の第1RGB画像データをメインメモリ7に格納し終えると、CPU5は、メモリ制御装置4を介して、認識成立情報を保持している(メインメモリ7の画像データが特定原稿のものである)ときには、メインメモリ7の第1RGB画像データを秘匿処理2cで第2RGB画像データに変換し、圧縮してHDD8に格納する(S12,図13のA1,B3)。認識成立情報がない場合には、メインメモリ7の第1RGB画像データをそのまま圧縮して、HDD8に格納する(S12,図11のA3)。すなわち秘匿処理(塗潰し)はしない。
【0066】
複数枚の原稿の連続読取りの場合には、各原稿に対して、上述の画像読取りS8〜HDD8への格納S12を行う。リピート印刷が必要(1原稿に付き複数枚の印刷指定)であると、HDD8から、各原稿の画像データを1原稿ごとに読み出して伸張してメインメモリ7に展開してから出力画像データ処理2dに出力する(特定画像でない場合は図12のA4,特定画像の場合は図14のB4)。
【0067】
原稿画像の一枚目の印刷(S16,図11,図13)ならびに2枚目以降の印刷(S16,図12,図14)のいずれにおいても、秘匿情報の付加が指定されている場合には、出力画像データ処理2dの地紋合成31(図4)が、文字領域の検出および非文字領域の検出を行って、地肌領域(文字領域および非文字領域の外領域)の画像データに地紋画像を合成する(S14,S15)。
【0068】
図10を参照する。本実施例では、秘匿処理S11が、図10に示す塗潰し処理を実行する。ここでは、操作パネル6でユーザが設定した、モノクロ画像の複製は、「禁止」か「許可」かに応じて、「禁止」の場合には、秘匿処理2cに、原稿読取りのRGB画像データのG画像データ「G画像データの塗潰し」を設定し(S21,S22)、「許可」であると「R画像データの塗潰し」を設定する(S23)。この設定に応じて、秘匿処理2cが、塗潰しに設定された読取り色画像データ(G又はR画像データ)を塗潰しレベルに変換する(S22,S23)。この実施例では塗潰しレベルは、最大値であるが、塗潰し効果が得られる最大値未満の大きい値であってもよい。
【0069】
入力画像に対する塗潰しをR画像データに対して行なうと、入力画像データ(第1RGB画像データ)と出力画像データ(第2RGB画像データ)との関係(白補正27の入力と出力の関係)は、図15又は図16に示すものとなる。図15はカラーモードの場合を、図16はモノクロモードの場合を示す。ファクシミリ受信印刷の場合は、モノクロモードの画像データ(G画像データ=K画像データ)を受信するので、図16に示すものとなる。
【0070】
カラーモードにおいて、RGB画像データ(第1RGB画像データ)を色補正27で印刷用のCMYK画像データ(記録色データ,色材記録データ)に変換したときの色成分は、R成分がマゼンダとイエローおよびブラックの成分に反映され、G成分がシアンとイエローおよびブラックの成分に反映され、B成分がシアンとマゼンダおよびブラックの成分に反映される。いずれの場合もブラックKの成分に反映されるので、カラーモードでR,G,B画像データのいずれを塗潰しレベルに変換しても、画像が塗潰される。
【0071】
ところが、モノクロモードおよびファクシミリ受信出力では、色補正27では第1RGB画像データのG画像データのみをK画像データとするので、R又はB画像データが塗潰しに設定されていると、モノクロ画像およびファクシミリ受信画像(G画像データ=K画像データ)の塗潰しは行われない。G画像データが塗潰しに設定されていると、図17のように、G信号に対して塗潰し処理を行なうので、カラー画像はもちろん、モノクロ画像およびファクシミリ受信画像の塗潰しが行われる。
【0072】
本実施例では、図8および図10に示すように、モノクロ画像の複製は、「禁止」/「許可」を選択設定できる。「許可」が設定されていると塗潰し対象画像データをR画像データに定めるので、特定画像がカラー画像であると塗潰されるが、モノクロ画像(ファクシミリ受信画像)は塗潰されない。このように、R画像成分のみを塗潰すことにより、出力の形態によらず、白黒出力を行なう場合には、塗潰されない画像を、カラー出力を行なう場合には、塗潰された画像を出力画像として生成することができる。
【0073】
しかし、「禁止」が設定されていると塗潰し対象画像データをG画像データに定めるので、特定画像がカラー画像であると塗潰される、また、モノクロ画像(ファクシミリ受信画像)であっても塗潰される。このようにすることにより、出力画像がカラーであっても白黒であっても塗潰しを反映させることができる。
【0074】
なお、本実施例では、モノクロ画像の複製は、「許可」が設定されているときの塗潰し対象画像データをR画像データに定めているが、B画像データとしてもよく、RおよびB画像データとすることも出来る。
【0075】
ここで、本実施例における動作例として、入力にスキャナ210による原稿読取を、出力にプリンタ100の印刷機能を選択する「コピー」の場合の動作を説明する。図11には、原稿1枚の画像を読取って一枚印刷するまでの画像データの流れA1,A2を示す。ユーザが複写機のスキャナ部に原稿をセットし、コピー機能を選択すると、CPU5は、入力処理としてスキャナ読取り、出力処理として印刷を設定する。カラー変更,変倍、ステープルなどの指定を行った後、ユーザが処理実行を指示すると、CPU5は、読み取った画像を記憶する領域(画像ファイル)をメモリ領域MARに確保し、スキャナ210に読取りを指示する。片面読取りである場合、紙原稿一枚をスキャナで読み取るごとに、ページの画像データとしてRGBデータが1ページずつ作成されていく。生成されたRGB画像データに基づいて、画像が特定画像であるかどうか判定し、その後確保した画像ファイルに読み取ったラインごとに順次保持していく。
【0076】
1枚の原稿に対して読取りが開始すると、読み取った画像はメモリ7に保持し(A1)、入力画像データ処理2aが処理した第1RGB画像データは、出力画像データ処理2dで印刷用のCMYK画像データに変換され、転写紙(用紙)に印刷処理を行う(A2)。1原稿の読取りが終了したときにメモリ7からHDD8に格納される。このとき、読取り画像が特定画像と識別されていないと、秘匿処理なしでHDD8に格納される(図11のA3)。読取り画像の加工,編集はHDD8の画像データに対して行われる。
【0077】
リピート印刷が必要であると、図12に示すように、HDD8から画像データを読み出してメインメモリ7に展開してから出力画像データ処理2dに出力する。外部に出力する場合にも、HDD8から画像データを読み出してメインメモリ7に展開してから、外部入出力コントローラ9を介して外部に送出する。
【0078】
一方、読み取った原稿の画像が特定画像と認識されると、画像データの流れは図13に示すものとなる。この読取りが終了したときには、メインメモリ7の画像データは、秘匿処理2cをしてからHDD8に格納される(図13のB3)。リピート印刷が必要であると、図14に示すように、HDD8から画像データを読み出してメインメモリ7に展開してから出力画像データ処理2dに出力する。外部に出力する場合にも、HDD8から画像データを読み出してメインメモリ7に展開してから、外部入出力コントローラ9を介して外部に送出する。
【0079】
一般的にコピー動作などでは、読取から印刷までの所要時間を小さくするために、一枚の原稿の読取が完了しなくても、何ラインか読取が終了したら、読取完了した部分から順次ラインごとに印刷を行なう(図11,図13)。このため、読取画像が特定画像と識別した際にはすでに一部の出力画像が作成されている可能性がある。そのため、入力画像を出力すると同時に塗潰し処理を行なう(図13)。このようにして、読み取った画像が特定画像であっても画像のそのままの印刷を抑制することができる。
【0080】
また、読取り画像はリピート印刷の際に再度利用されるので、特定画像であった場合は、HDD8から読み出して出力画像データ処理2dに出力する画像データも、秘匿処理したものでなければならない。したがって、本実施例では、メインメモリ7から読み出してHDD8に格納するときに、図13のB2,B3の流れで、塗潰し処理する。リピート出力を行なう場合には、リピート2枚目の出力の際に、HDD8から読み出す画像データは、通常の図12で示す画像フローと同一の図14に示すB4の流れとなるが、塗潰し処理が行われているので、出力画像も塗潰し画像となる。3枚目以降のリピート出力には、2枚目出力でメインメモリ7に展開した画像データを繰り返し使用する。このようにすることで、リピート出力においても特定画像に対して塗潰しを行なうことが出来る。
【0081】
前記の例はコピー出力であるが、例えばFAXなどの白黒出力を行なう際には、課金の問題などにより、特定原稿であっても出力画像に塗潰しを反映させたくない場合がある。その場合には、設定画面SPP(図8)で、モノクロ画像の複製は、「許可」を指定すればよい。一方、入力画像としてHDD8に保存された画像は、さまざまな出力に利用されるので、モノクロ出力およびカラーの出力のいずれでも塗潰しが反映されるようにする必要がある。これに対応するためには、設定画面SPP(図8)で、モノクロ画像の複製は、「禁止」を指定すればよい。
【実施例2】
【0082】
図18に、第2実施例の複合機能複写機A1の画像データ処理装置2の機能構成を示す。第2実施例では、秘匿処理2cを出力画像データ処理2dの直前に配置している。図19に、第2実施例の「コピー」(10)の内容を示す。原稿画像の読取りとメインメモリ7への書込みおよび第1枚目の印刷の制御は、図9に示す第1実施例と同様である(S8〜S10,図11のA1,A2)。この読取りを行っている間に地紋検出処理2bが特定画像と認識した場合は、地紋検出処理2bは、特定画像との認識が成立したことを表す認識成立情報を、メモリ制御装置4に与え、メモリ制御装置4が、この認識成立情報を内部メモリ(レジスタ)に保持するとともに、秘匿処理2cに秘匿処理を設定する。すなわち、図10に示す秘匿処理S11と同様に、操作パネル6でユーザが設定した、モノクロ画像の複製は、「禁止」/「許可」に応じて、「禁止」であると、秘匿処理2cに「G画像データの塗潰し」を設定し、「許可」であると「R画像データの塗潰し」を設定する。図18に示す秘匿処理2cは、この設定に対応して、設定された読取り色画像データ(G又はR画像データ)を塗潰しレベルに変換する。色補正27は、カラーモードの印刷設定の場合には秘匿処理2cが出力する第2RGB画像データをYMCK画像データに変換するが、モノクロモードの印刷設定又はファクシミリ受信出力の場合には、G画像データ又はファクシミリ受信画像データをK画像データとする。
【0083】
1原稿の読取りを終えると、すなわち該原稿の第1RGB画像データをメインメモリ7に格納し終えると、CPU5は、メモリ制御装置4を介して、メインメモリ7の第1RGB画像データをそのまま圧縮してHDD8に格納する(S12)。このとき、1原稿宛の画像ファイルの属性情報に、認識成立情報の有無(秘匿処理の要否)情報を加える。
【0084】
複数枚の原稿の連続読取りの場合には、各原稿に対して、画像読取りS8〜HDD8への格納S12を行う。リピート印刷が必要(1原稿に付き複数枚の印刷指定)であると、HDD8から、各原稿の画像データを1原稿ごとに読み出して伸張してメインメモリ7に展開してから出力画像データ処理2dに出力する(図20のA4)。その直前に、メモリ制御装置4は、HDD8上の該原稿の画像ファイルの属性情報の中の秘匿処理の要否情報を参照して、「要」である場合に、モノクロ画像の複製は、「禁止」/「許可」、の設定を参照して、「禁止」であると秘匿処理2cに「G画像データの塗潰し」を設定し、「許可」であると秘匿処理2cに「R画像データの塗潰し」を設定する(S10,S11)。HDD8からメインメモリ7を介して出力される画像データは塗潰し(秘匿処理)のない第1RGB画像データであるが、出力画像データ処理2dに与えられる直前に、秘匿処理2c(図18)によって、特定画像の第1RGB画像データのG又はR画像データが塗潰しレベルに変換される。
【0085】
原稿画像の一枚目および2枚目以降の印刷(S16)のいずれにおいても、秘匿情報の付加が指定されている場合には、出力画像データ処理2dの地紋合成31(図4)が、文字領域の検出および非文字領域の検出を行って、地肌領域(文字領域および非文字領域の外領域)の画像データに地紋画像を合成する(S14,S15)。
【0086】
HDD8の画像データを外部に送出するときにもメモリ制御装置4は、HDD8上の外部に送出する画像ファイルの属性情報の中の秘匿処理の要否情報を参照して、「要」である場合には、モノクロ画像の複製は、「禁止」/「許可」、の設定を参照して、「禁止」であると秘匿処理2cに「G画像データの塗潰し」を設定し、「許可」であると秘匿処理2cに「R画像データの塗潰し」を設定する(S10,S11)。そしてバス制御装置3を介して、HDD8からメインメモリ7を介して出力される画像データを秘匿処理2cを通してから、外部入出力コントローラ9を介して外部に送出する(図20のA6)。秘匿処理の要否情報が「否」である場合には、HDD8からメインメモリ7を介して出力される画像データを、メインメモリ7から直接に外部入出力コントローラ9を介して外部に送出する。
【0087】
なお、複写機A1で印刷する場合には画像に秘匿処理を加えるが、外部には、秘匿処理を加えない画像データを、秘匿処理の要否情報とともに送出する態様(図21のA7)もある。また、外部には、送信先の属性(デバイスの種類:画像処理種)に対応して、塗潰しを加えて送出する態様(図20のA6)と秘匿処理を加えないで送出する態様(図21のA7)とを切り換える態様もある。第2実施例のその他のハードウエア又は機能は、第1実施例のものと同様である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1実施例である複合機能フルカラー複写機A1の外観を示す正面図である。
【図2】図1に示す複写機A1の画像処理系統のシステム構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す複写機A1の、システムコントローラSYCおよび図示を省略したプロセスコントローラ、ならびに、作像機器,回路(デバイス)の動作に用いるプログラム(ソフトウエア)の概要を示すブロック図である。
【図4】図2に示す画像データ処理装置2の機能構成の概要を示すブロック図である。
【図5】図4に示す地紋検出処理2bの機能構成の概要を示すブロック図である。
【図6】図1に示す操作ボード6の一部を示す拡大平面図である。
【図7】図2に示すCPU5の、ROMに格納されRAMに展開されたプログラムに基く、制御の概要を示すフローチャートである。
【図8】初期設定メニューにある「秘匿処理の設定」をユーザが指定したときにディスプレイ79に表示される入力画面SPPを示す平面図である。
【図9】図7に示す「コピー」10の内容を示すフローチャートである。
【図10】図9に示す「秘匿処理」S11の内容を示すフローチャートである。
【図11】図2に示す画像処理システムにおける、原稿読取り時の、特定画像と識別されない場合の、画像データの流れを示すブロック図である。
【図12】図2に示す画像処理システムにおける、原稿読取りを終了し、読み取った画像データをHDD8に格納した後の、HDD8から画像データを読み出して印刷するときの、画像データの流れを示すブロック図である。
【図13】図2に示す画像処理システムにおける、原稿読取り時の、特定画像との識別があった場合の、画像データの流れを示すブロック図である。
【図14】特定画像との識別があった原稿読取りを終了し、読み取った画像データをHDD8に格納した後の、HDD8から画像データを読み出して印刷するときの、画像データの流れを示すブロック図である。
【図15】印刷時の色材色を表すCMYK画像データのそれぞれに対して、カラーモードで原稿画像を表すRGB画像データのそれぞれがどのように影響するかを示すブロック図である。
【図16】モノクロモードおよびファクシミリ送受信における、読取り原稿画像を表すRGB画像データと、印刷時の色材色を表すCMYK画像データとの関係を示すブロック図である。
【図17】モノクロモードおよびファクシミリ送受信における、画像塗潰しの場合の読取り原稿画像を表すRGB画像データと、印刷時の色材色を表すCMYK画像データとの関係を示すブロック図である。
【図18】第2実施例の複写機の画像データ処理装置2の構成を示すブロック図である。
【図19】第2実施例の複写機のCPU5による「コピー」制御の概要を示すフローチャートである。
【図20】図18に示す画像処理システムにおける、原稿読取りを終了し、読み取った画像データをHDD8に格納した後の、HDD8から画像データを読み出して印刷するときの、画像データの流れを示すブロック図であり、外部に送出する場合の第1態様のデータの流れを点線矢印A6で示す。
【図21】図18に示す画像処理システムにおける、原稿読取りを終了し、読み取った画像データをHDD8に格納した後の、HDD8から画像データを読み出して印刷するときの、画像データの流れを示すブロック図であり、外部に送出する場合の第2態様のデータの流れを点線矢印A7で示す。
【符号の説明】
【0089】
10:カラー原稿スキャナ 20:操作ボード
30:自動原稿供給装置 34:フィニッシャ
100:カラープリンタ PC:パソコン
PB×:交換器 PN:通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表す第1RGB画像データに基づいて該画像が複製を禁止されている特定画像か識別し、モノクロ画像の複製は許可する設定では、特定画像と識別した第1RGB画像データのR画像データ又はB画像データを塗潰しレベルに変換し、モノクロ画像の複製も禁止する設定では、特定画像と識別した第1RGB画像データのG画像データを塗潰しレベルに変換し、カラー画像出力をするカラーモードでは該変換をした画像データと他の画像データでなる第2RGB画像データを印刷用のCMYK画像データに変換し、モノクロ画像出力をするモノクロモードではG画像データを印刷用のK画像データに変換する、画像の秘匿方法。
【請求項2】
原稿画像を読み取って第1RGB画像データを生成する読取手段;
第1RGB画像データが表す画像が複製を禁止されている特定画像か識別する判定手段;
モノクロ画像の複製は許可する設定では、特定画像と識別した第1RGB画像データのR画像データ又はB画像データを塗潰しレベルに変換し、モノクロ画像の複製も禁止する設定では、特定画像と識別した第1RGB画像データのG画像データを塗潰しレベルに変換する塗潰し手段;
カラー画像出力をするカラーモードでは該変換をした画像データと他の画像データでなる第2RGB画像データを印刷用のCMYK画像データに変換し、モノクロ画像出力をするモノクロモードではG画像データを印刷用のK画像データに変換する、色補正手段;および、
該色補正手段が変換した印刷用の画像データに基づいて用紙上に画像を形成する作像手段;
を備える画像形成装置。
【請求項3】
画像データを記憶する第1および第2記憶手段;および、
1つの原稿画像の、前記読取手段が生成する第1RGB画像データを第1記憶手段に格納し、該1つの原稿画像の読取りが終了したとき、第1記憶手段に格納した第1RGB画像データを第1記憶手段から読み出して、特定画像であると前記塗潰し手段で前記変換を行い、特定画像でないと該変換はしないで、圧縮して第2記憶手段に格納した後、第2記憶手段から読み出して伸張して前記色補正手段に与える制御手段;
を更に備える、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、1つの原稿画像の、前記読取手段が生成する第1RGB画像データを第1記憶手段に格納すると共に前記色補正手段で印刷用の画像データに変換して前記作像手段に与え、該1つの原稿画像の読取り中に前記判定手段が特定画像と識別すると前記色補正手段に与える画像データを、第1RGB画像データから、前記塗潰し手段が前記変換をした画像データに切換える;請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
ユーザ入力に応じて、モノクロ画像の複製の許可又は禁止を定める設定手段;を更に備える請求項2乃至4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記塗潰し手段は、前記設定手段による設定が前記「許可」であるときには、RおよびB画像データの少なくとも一方を塗潰しレベルに変換し、前記「禁止」であるときには、G画像データを塗潰しレベルに変換する;請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2010−62602(P2010−62602A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223065(P2008−223065)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】