画像を形成する方法
【課題】向上した発光効率を有する、低電力のディスプレイを提供する。
【解決手段】前部および後部反射面の両方を有する光キャビティを利用する、空間光変調のための改良された装置および方法が開示される。光を空間変調するために、前部反射面内に、光透過領域が形成される。
【解決手段】前部および後部反射面の両方を有する光キャビティを利用する、空間光変調のための改良された装置および方法が開示される。光を空間変調するために、前部反射面内に、光透過領域が形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、本発明は、空間光変調の分野に関し、特に、改良されたバックライトを有するディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
機械的光変調器から構築されたディスプレイは、液晶技術に基づくディスプレイの、魅力的な代替選択肢である。機械的光変調器は、映像コンテンツを、良好な視野角と、広範なカラーおよびグレースケールとを伴って表示するために十分高速である。機械的光変調器は、投写型ディスプレイの適用例において成功を収めてきた。機械的光変調器を使用するバックライト付きディスプレイが、輝度と低電力との十分に魅力的な組み合わせであることはまだ示されていない。透過モードで動作させられる場合、10〜20%の範囲内の開口率を有する、多くの機械的光変調器は、バックライトからの利用可能な光のうちの10〜20%を、画像の生成のために、見る人へ提供することができるのみである。メカニカルアパーチャをカラーフィルタと組み合わせた場合、光学的効率は約5%に、すなわち、現在のカラー液晶ディスプレイで得られる効率と変わらない値に減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
向上した発光効率を有する、低電力のディスプレイが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載する装置および方法は、改良された発光効率を有する機械的光変調器を提供し、メカニカルアクチュエータを、携帯型および大面積ディスプレイにおける使用のために魅力的にする。場合によっては、バックライトに結合された機械的変調器の透過率または光学的効率は、40〜60%のレベルまで、あるいは、液晶ディスプレイにおいて典型的である値よりも10倍効率的に、改良される可能性がある。さらに、本明細書に記載する装置および方法は、ディスプレイの輝度を向上し、ディスプレイ適用例における所要電力を減らすために、光変調機構に関係なく、小型の高解像度ディスプレイ内に組み込まれることが可能である。
本明細書に記載する光変調器は、明るく、かつ低電力でありうる携帯型ビデオディスプレイを可能にする。光変調器は、カラーフィルタに依拠する代わりに、タイムシーケンシャルカラー技術(time sequential color techniques)を使用してカラー画像を提供するために、十分高速に切り換えられることが可能である。ディスプレイは、メカニカルシャッタ組立体と、アレイのアドレス指定のために必要な電気的接続との両方を形成するための、わずか3つの機能層を使用して構築されてもよい。
【0005】
一態様では、本発明は、第1の反射面と第2の反射面とを含む、空間光変調器に関する。第1の反射面は、アパーチャ、フィルタ、または液晶成分などの、いくつかの光透過領域を画定する。第2の反射面は、第1の反射面に少なくとも部分的に面し、第1の反射面によって画定される光透過領域の方へ光を反射する。反射面は、反射鏡、誘電体反射鏡、または機能性薄膜であってもよい。一実施形態では、第1の反射面は、第2の反射面に平行、または実質的に平行である。別の実施形態では、反射面は、少なくとも部分的に相互に交差する。第1の反射面と第2の反射面との間の空間は、実質的に透明な光キャビティの領域を画定する。
【0006】
一実施形態では、空間光変調器は、光透過領域を選択的に遮るための、光変調器のアレイを含む。遮ることは、以下に限定されるものではないが、部分的にまたは完全に、光をブロックすること、反射すること、偏向させること、吸収すること、あるいはその他の方法で、光が空間光変調器の意図された見る人に到達するのを妨げることを含んでもよい。一実施形態では、光変調器のアレイは、第1の反射面を含む。光変調器のアレイ内の光変調要素の1つの特徴は、それらが個別に制御可能であるということである。一実施形態では、光変調要素は、MEMSベースのシャッタ組立体であってもよく、任意選択で、双安定な、または変形可能なシャッタであってもよい。シャッタ組立体は、一実装では、1つの方向からシャッタに当たる光を吸収するために第1の膜を使用してコーティングされ、そして、別の方向からシャッタに当たる光を反射するために第2の膜を使用してコーティングされた、シャッタを含む。一実施形態では、シャッタは、1つの位置では、対応する光透過領域を光が通過するのをシャッタが実質的に妨げ、第2の位置では、光透過領域を光が通過するのをシャッタが許可するように、平面内を移動する。別の実施形態では、シャッタは、それらが含まれるシャッタ組立体のアレイによって画定される平面から、少なくとも部分的に、離れて移動する。実質的に平面内にある間、シャッタは、対応する光透過領域を光が通過するのを妨げる。実質的に平面から離れている間、シャッタは、光透過領域を光が通過するのを許可する。別の実施形態では、光変調器のアレイは、複数の液晶セルを含む。
【0007】
別の実施形態では、空間光変調器は、光キャビティ全体にわたって光を分散させるための光ガイドを含む。反射面は、光ガイドの前面および後面上に直接配置されてもよい。あるいは、前部反射面は、光変調器のアレイが上に配置される別個の基板上に配置されてもよい。同様に、第2の反射面は、光ガイドの後ろ側に直接結合されてもよく、または、第3の面に取り付けられてもよい。
【0008】
光変調器のアレイが上に形成される基板は、透明または不透明であってもよい。不透明基板の場合、アパーチャは、光透過領域を形成するために、基板を貫通してエッチングされる。基板は、光ガイドに直接結合されてもよく、または、1つ以上のスペーサまたは支持体を使用して光ガイドから隔てられてもよい。さらなる実施形態では、空間光変調器は、拡散体または輝度強化膜を含む。空間光変調器は、さらに、発光ダイオードなどの光源を含んでもよい。
【0009】
別の態様では、本発明は、画像を形成する方法に関する。方法は、反射型光キャビティ内に光を導入するステップを含む。反射型キャビティは、複数の光透過領域を含み、その光透過領域を通して、光は反射型光キャビティから脱出することが可能である。方法は、さらに、導入された光が、光透過領域のうちの少なくとも1つを通して、反射型光キャビティから脱出することを許可することによって、画像を形成するステップを含む。一実施形態では、光の脱出は、光透過領域を光が通過するのを妨げるか、または光が通過するのを許可する、光変調器のアレイによって調節される。別の実施形態では、方法は、複数の異なるカラー光源を交互に照射することによって、カラー画像を形成するステップを含む。さらなる実施形態では、方法は、遮られていない光透過領域に当たる環境光の少なくとも一部分を反射するステップを含む。
【0010】
さらに別の態様では、本発明は、空間光変調器を製造する方法に関し、第1および第2の対向する側を有する、内部に光が導入されることが可能な、実質的に透明なキャビティを形成するステップを含む。方法は、さらに、第1の反射面を、透明キャビティの第1の側に、第1の反射面が透明キャビティの内部に面するように結合するステップを含む。複数の光透過領域が、第1の反射面内に形成される。さらに、方法は、第2の反射面を、透明キャビティの第2の側に、第2の反射面が透明キャビティの内部に面するように結合するステップを含む。
【0011】
別の態様では、本発明は、環境光を受け入れ、そして、少なくとも1つの基板上に形成されたシャッタを、受け入れた環境光を選択的に反射して画像を形成するように配置することによって、画像を形成する方法に関する。
【0012】
本発明の目的は、ディスプレイのコントラスト比および輝度を増加させるために、機械的光変調器の表面上に、または機械的光変調器の表面を通して光を集中させるための、集光装置のアレイを利用する、ディスプレイのための装置および方法を提供することである。
【0013】
一態様では、本発明は、見る人に画像を表示するためのディスプレイに関する。ディスプレイは、光変調器のアレイと、光変調器のアレイと見る人との間に配置された反射型光ファンネルのアレイとを含む。反射型光ファンネルのアレイは、光変調器のアレイ内の光変調器のうちの各1つの上に、光を集中させる。一実施形態では、光変調器のアレイは、画像を表示するために、見る人の方へ光を選択的に反射させる。別の実施形態では、光変調器のアレイは、画像を表示するために、見る人の方への光を選択的に変調する。
【0014】
別の態様では、本発明は、反射型または透過型光変調器のアレイを形成することによって、ディスプレイを製造する方法に関する。方法は、さらに、実質的に透明な材料のシート内に凹部のアレイを形成することによって、反射型光ファンネルのアレイを形成するステップを含む。各凹部は、上部と、下部と、壁とを有する。反射型光ファンネルのアレイを形成するステップは、さらに、凹部の壁上に反射膜を蒸着し、そして、凹部の下部における光開口部を、凹部の上部の直径よりも小さな直径をその光開口部が有するように形成するステップを含む。あるいは、反射型光ファンネルのアレイは、透明材料内にファンネル形状の物体のアレイを形成し、ファンネル形状の物体の壁の外側に反射膜を使用してコーティングすることによって形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
システムおよび方法は、以下の図面を参照することにより、以下の例示的説明から、より良く理解することができる。
【図1A】本発明の例示的実施形態による、光変調器のアレイの等角投影概念図である。
【図1B】本発明の例示的実施形態による、図1Aの光変調器のアレイ内に含まれるシャッタ組立体の断面図である。
【図1C】本発明の例示的実施形態による、図1Bのシャッタ組立体のシャッタ層の等角図である。
【図1D】図1Aの光変調アレイなどの、光変調アレイのさまざまな機能層の上面図である。
【図2】本発明の例示的実施形態による、空間光変調器内で使用するための光キャビティの断面図である。
【図3A】本発明の例示的実施形態による、代替のシャッタ組立体設計の断面図である。
【図3B】本発明の例示的実施形態による、代替のシャッタ組立体設計の断面図である。
【図3C】本発明の例示的実施形態による、代替のシャッタ組立体設計の断面図である。
【図3D】本発明の例示的実施形態による、代替のシャッタ組立体設計の断面図である。
【図4】本発明の例示的実施形態による、第1のコーティングされたシャッタを有するシャッタ組立体の断面図である。
【図5】本発明の例示的実施形態による、第2のコーティングされたシャッタを有するシャッタ組立体の断面図である。
【図6】本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、弾性アクチュエータを有するシャッタ組立体の断面図である。
【図7】本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、変形シャッタを有するシャッタ組立体の断面図である。
【図8A】本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、不透明基板上に構築されたシャッタ組立体の断面図である。
【図8B】本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、不透明基板上に構築されたシャッタ組立体の断面図である。
【図9】本発明の例示的実施形態による、液晶ベースの空間光変調器の断面図である。
【図10】本発明の例示的実施形態による、第1のシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図11】本発明の例示的実施形態による、第2のシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図12A】本発明の実施形態による、第3、第4、第5、および第6の例示的なシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図12B】本発明の実施形態による、第3、第4、第5、および第6の例示的なシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図12C】本発明の実施形態による、第3、第4、第5、および第6の例示的なシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図12D】本発明の実施形態による、第3、第4、第5、および第6の例示的なシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図13】本発明の例示的実施形態による、第7のシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図14A】本発明の例示的実施形態による、2つの追加の空間光変調器の断面図である。
【図14B】本発明の例示的実施形態による、2つの追加の空間光変調器の断面図である。
【図15】本発明の例示的実施形態による、追加のシャッタ組立体の断面図である。
【図16】本発明の例示的実施形態による、さらなる空間光変調器の断面図である。
【図17】本発明の実施形態による、例示的な半透過型シャッタ組立体である。
【図18】本発明の実施形態による、第2の例示的な半透過型シャッタ組立体である。
【図19】本発明の例示的実施形態による、前部反射型シャッタ組立体の断面図である。
【図20】本発明の例示的実施形態による、光変調アレイのアレイから形成される、より大きな規模のディスプレイの等角図である。
【図21A】ピクセルのアレイをアドレス指定するために、ディスプレイ装置100内に含めるのに適した、アクティブ制御マトリクス2100の概略図である。
【図21B】図21Aの制御マトリクスを含む、ピクセルのアレイの部分の等角図である。
【図22】本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置の概念等角図である。
【図23】本発明の例示的実施形態による、図22のディスプレイ装置の、個々のシャッタおよびピクセル組立体の部分断面図である。
【図24A】本発明の例示的実施形態による、さまざまな作動状態における、図22および図23のディスプレイ装置のシャッタ層の上面図である。
【図24B】本発明の例示的実施形態による、さまざまな作動状態における、図22および図23のディスプレイ装置のシャッタ層の上面図である。
【図25】本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置内にシャッタ組立体を配置するための概念タイリング図を示す、図22〜図24Bのディスプレイ装置のシャッタ層の、図22の等角図に類似した、等角図である。
【図26A】本発明の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図26B】本発明の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図26C】本発明の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図26D】本発明の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図27A】本発明の別の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図27B】本発明の別の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図27C】本発明の別の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図28】本発明の例示的実施形態による、図22〜図27Cのディスプレイ装置の、個々のシャッタおよびピクセル組立体の部分等角断面図である。
【図29】本発明の例示的実施形態による、半透過型ディスプレイとして実装された、図22〜図28のディスプレイ装置の、個々のシャッタおよびピクセル組立体の部分等角断面図である。
【図30】本発明の例示的実施形態による、透過型ディスプレイとして実装された、図22〜図28のディスプレイ装置の、個々のシャッタおよびピクセル組立体の部分等角断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の全体的な理解を提供するために、ここで、光を空間的に変調するための装置および方法を含む、特定の例示的実施形態を説明する。ただし、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、扱われる適用例にとって適切なように適合および修正されてもよいということと、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、他の適切な適用例の中で使用されてもよいということと、そのような他の追加および修正は、本明細書の範囲を逸脱するものではないということが、当業者によって理解されるであろう。
【0017】
図1Aは、本発明の例示的実施形態による、光変調器のアレイ100(「光変調アレイ100」とも呼ばれる)の等角投影概念図である。光変調アレイ100は、行および列内に配置された複数のシャッタ組立体102a〜102d(一般に「シャッタ組立体102」)を含む。一般に、シャッタ組立体102は、開および閉という、2つの状態を有する(ただし、グレースケールを伝えるために、部分的な開きが使用されてもよい)。シャッタ組立体102aおよび102dは、開状態になっており、光の通過を許可している。シャッタ組立体102bおよび102cは、閉状態になっており、光の通過を妨げている。シャッタ組立体102a〜102dの状態を選択的に設定することにより、光変調アレイ100は、ランプ105によって照射される、投射型またはバックライト付きディスプレイで画像104を形成するために利用されてもよい。光変調アレイ100内の、各シャッタ組立体は、画像104内のピクセル106に対応している。代替の実装では、光変調アレイは、各ピクセルについて、3つの色固有シャッタ組立体を含む。ピクセルに対応する色固有シャッタ組立体のうちの1つ以上を選択的に開くことによって、シャッタ組立体は、画像内にカラーピクセルを生成してもよい。
【0018】
各シャッタ組立体102の状態は、パッシブマトリクスアドレス指定方式を使用して制御されてもよい。各シャッタ組立体102は、列電極108と、2つの行電極110a(「行開電極(row open electrode)」)および110b(「行閉電極(row close electrode)」)とによって制御される。光変調アレイ100内で、所与の列内のすべてのシャッタ組立体102は、1つの列電極108を共有する。行内のすべてのシャッタ組立体は、共通の行開電極110aおよび共通の行閉電極110bを共有する。アクティブマトリクスアドレス指定方式もまた可能である。(薄膜トランジスタアレイによってピクセルおよびスイッチングの電圧が制御される)アクティブマトリクスアドレス指定は、印加された電圧が、ビデオフレームの周期全体を通して安定したやり方で維持される必要がある状況において有用である。アクティブマトリクスアドレス指定を使用した実装は、ピクセルにつき1つのみの行電極を使用して構築されることが可能である。
【0019】
パッシブマトリクスアドレス指定方式では、シャッタ組立体102の状態を閉状態から開状態に変えるためには、すなわち、シャッタ組立体102を開くためには、光変調アレイ100は、シャッタ組立体102が配置されている光変調アレイ100の列に対応する列電極108に電位を印加し、そして、シャッタ組立体102が配置されている光変調アレイ100内の行に対応する行開電極110aに、場合によっては反対の極性を有する、第2の電位を印加する。シャッタ組立体102の状態を開状態から閉状態に変えるためには、すなわち、シャッタ組立体102を閉じるためには、光変調アレイ100は、シャッタ組立体102が配置されている光変調アレイ100の列に対応する列電極108に電位を印加し、そして、シャッタ組立体102が配置されている光変調アレイ100内の行に対応する行閉電極110bに、場合によっては反対の極性を有する、第2の電位を印加する。一実装では、シャッタ組立体は、所定のスイッチングしきい値を超える、列電極と、行電極110aまたは110bのうちの1つとに印加される電位の差に応じて状態を変える。
【0020】
画像を形成するためには、一実装では、光変調アレイ100は、各シャッタ組立体102の状態を、一度に一行ずつ、順番に設定する。所与の行について、光変調アレイ100は、最初に、対応する行閉電極110bに電位を印加し、すべての列電極108に電位のパルスを印加することによって、行内の各シャッタ組立体102を閉じる。次に、光変調アレイ100は、行開電極110aに電位を印加し、行内の開かれるべきシャッタ組立体を含む列についての列電極108に電位を印加することによって、光を通過させるべきであるシャッタ組立体102を開く。1つの代替の動作モードでは、シャッタ組立体102の各行を順次閉じる代わりに、光変調アレイ100内のすべての行が、画像104を形成するための適切な位置に設定された後で、光変調アレイ100は、すべての行閉電極110bおよびすべての列電極108に一斉に電位を印加することによって、すべてのシャッタ組立体102を同時に、全体的にリセットする。別の代替の動作モードでは、光変調アレイ100は、シャッタ組立体102のリセットをなしで済ませて、後続の画像104を表示するために状態を変える必要があるシャッタ組立体102の状態のみを変更する。
【0021】
列電極108と、行電極110aおよび110bとに加えて、各シャッタ組立体は、シャッタ112と、アパーチャ114とを含む。画像104内のピクセル106を照明するためには、シャッタは、光が、見る人に向けて、大きな障害は何もなしに、アパーチャ114を通過することを許可するように配置される。ピクセルを点灯されていないままにするためには、シャッタ112は、アパーチャ114を通した光の通過を妨げるように配置される。アパーチャ114は、各シャッタ組立体内の、列電極108などの反射性材料を貫通してエッチングされた領域によって画定される。アパーチャ114は、誘電体材料によって満たされてもよい。
【0022】
図1Bは、シャッタ組立体102の追加の特徴を示す、図1Aのシャッタ組立体102のうちの1つの断面図(図1D内の、以下の線A−A’を参照)である。図1Aおよび図1Bを参照すると、シャッタ組立体102は、光変調アレイ100の他のシャッタ組立体102と共有される、基板116上に構築される。基板116は、最大約2000行および最大約2000列内に配置された、4,000,000ものシャッタ組立体を支持してもよい。
【0023】
上述のように、シャッタ組立体102は、列電極108と、行開電極110aと、行閉電極110bと、シャッタ112と、アパーチャ114とを含む。列電極108は、基板116上に蒸着された、反射性金属の実質的に連続的な層である、列金属層(column metal layer)118から形成される。列金属層118は、光変調アレイ100内のシャッタ組立体102の列についての、列電極108として働く。列金属層118の連続性は、1つの列電極108を、光変調アレイ100の他の列内のシャッタ組立体102の列電極108から、電気的に絶縁するために中断される。上記のとおり、各シャッタ組立体102は、光透過領域を形成するために列金属層118を貫通してエッチングされた、アパーチャ114を含む。
【0024】
シャッタ組立体は、誘電体材料または金属の、1つ以上の間にはさまれた層によって、列金属層118から隔てられた、行金属層(row metal layer)120を含む。行金属層120は、光変調アレイ100内のシャッタ組立体102の行によって共有される、2つの行電極110aおよび110bを形成する。行金属層120は、さらに、列金属層118内の、アパーチャ114の上以外のギャップを通過する光を反射する働きをする。列金属層および行金属層の厚さは、約0.1〜約0.2ミクロンである。(以下で説明する)図1Dに示すような、代替の実装では、シャッタ組立体102内で、行金属層120は、列金属層118の下に配置されてもよい。
【0025】
シャッタ組立体102は、シャッタ112を含む、シャッタ層122と呼ばれる第3の機能層を含む。シャッタ層122は、金属または半導体から形成されてもよい。金属または半導体ビア124が、列金属層118と、行金属層120の行電極110aおよび110bとを、シャッタ層122上のフィーチャに電気的に接続する。シャッタ層122は、潤滑剤、真空、または空気によって行金属層120から隔てられ、それにより、シャッタ112に動きの自由が提供される。
【0026】
図1Cは、本発明の例示的実施形態による、シャッタ層122の等角図である。図1Bおよび図1Cの両方を参照すると、シャッタ層122は、シャッタ112に加えて、4つのシャッタアンカー126と、2つの行アンカー128aおよび128bと、それぞれが2つの対向するコンプライアントビームからなる、2つのアクチュエータ130aおよび130bとを含む。シャッタ112は、遮断部分132と、任意選択で、図1Cに示すような、シャッタアパーチャ134とを含む。開状態では、シャッタ112がアパーチャ114から離れているか、またはシャッタアパーチャ134がアパーチャ134の上に配置されており、それにより、光がシャッタ組立体102を通過することが許可される。閉状態では、遮断部分132がアパーチャの上に配置されており、シャッタ組立体102を通した光の通過が妨げられる。代替の実装では、シャッタ組立体102は追加のアパーチャ114を含んでもよく、シャッタ112は複数のシャッタアパーチャ134を含んでもよい。例えば、シャッタ112は、一連の狭いスロットを有するシャッタアパーチャ134を使用して設計されてもよく、シャッタアパーチャ134の総面積は、図1Cに示す1つのシャッタアパーチャ134の面積と等しくてもよい。そのような実装では、開状態と閉状態との間で動くために、シャッタに要求される移動は、大幅に減らされてもよい。
【0027】
各アクチュエータ130aおよび130bは、2つの対向するコンプライアントビームから形成される。コンプライアントビームの第1のペアである、シャッタアクチュエータビーム135は、シャッタ112の各端を、シャッタ組立体102の各隅に配置されたシャッタアンカー126に、物理的および電気的に接続する。シャッタアンカー126は、さらに、列金属層118に電気的に接続される。コンプライアントビームの第2のペアである、行アクチュエータビーム136aおよび136bは、行アンカー128aおよび128bのそれぞれから伸びる。行アンカー128aは、ビアを介して、行開電極110aに電気的に接続される。行アンカー128bは、ビアを介して、行閉電極110bに電気的に接続される。シャッタアクチュエータビーム135と行アクチュエータビーム136aおよび136bと(総称して「アクチュエータビーム135および136」)は、Au、Cr、またはNiなどの蒸着された金属から、または、多結晶シリコン、またはアモルファスシリコンなどの蒸着された半導体から、または、埋め込み酸化物の上に形成される場合は、単結晶シリコン(シリコンオンインシュレータとしても知られている)から形成される。アクチュエータビーム135および136は、アクチュエータビーム135および136がコンプライアントであるように、幅約1〜約20ミクロンの寸法にパターニングされる。
【0028】
図1Dは、本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ100’のさまざまな機能層の上面図である。光変調アレイ100’は、さまざまな完成段階における12のシャッタ組立体102’a〜102’lを含む。シャッタ組立体102’aおよび102’bは、光変調アレイ100’の列金属層118’のみを含む。シャッタ組立体102’c〜102’fは、光変調アレイ100’の行金属層120’(すなわち、行開電極および行閉電極)のみを含む。シャッタ組立体102’gおよび102’hは、列金属層118’および行金属層120’を含む。図1Bのシャッタ組立体102とは対照的に、列金属層118’は、行金属層120’の上に蒸着される。シャッタ組立体102’i〜lは、シャッタ組立体102’の3つの機能層である、行金属層120’と、列金属層118’と、シャッタ金属層122’とをすべて示す。シャッタ組立体102’iおよび102’kは、閉じられており、これは、シャッタ組立体102’iおよび102’k内に含まれるシャッタアパーチャ134’を通して、列金属層118’が見えることによって示されている。シャッタ組立体102’jおよび102’lは、開状態にあり、これは、シャッタアパーチャ134’内で、列金属層118’内のアパーチャ114’が見えることによって示されている。
【0029】
他の代替実施形態では、シャッタ組立体は、ピクセルにつき、(例えば、1〜10の)複数のアパーチャと、対応するシャッタおよびアクチュエータとを含んでもよい。このシャッタ組立体の状態を変更する際の、作動させられるアクチュエータの数は、印加されるスイッチング電圧に依存してもよく、あるいは、スイッチング電圧の受け入れのために選択される行および列電極の特定の組み合わせに依存してもよい。最小および最大のスイッチング電圧の間の途中のスイッチング電圧を提供することによって、アナログ形式でアパーチャの部分的な開きが可能にされる実装も可能である。これらの代替の実装は、グレースケールを生成する改良された手段を提供する。
【0030】
シャッタ組立体102の作動に関しては、シャッタ組立体102の列電極108への電位の印加に応じて、シャッタアンカー126と、シャッタ112と、シャッタアクチュエータビーム135とが、印加された電位によって、同様に付勢される。行電極110aまたは110bのうちの1つに電圧印加する際には、対応する行アンカー128aまたは128bと、対応する行アクチュエータビーム136aまたは136bも電圧が印加される。結果としてもたらされる、行アクチュエータビーム136aおよび136bと、その対向するシャッタアクチュエータビーム135との間の電位差が、所定のスイッチングしきい値を超えた場合、行アクチュエータビーム136aまたは136bは、その対向するシャッタアクチュエータビーム135を引き寄せ、それにより、シャッタ組立体102の状態を変える。
【0031】
アクチュエータビーム135および136が相互に引き寄せられるにつれて、それらは曲がるか、または形状を変える。アクチュエータビーム135および136の各ペア(すなわち、行アクチュエータビーム134aまたは134bと、その対向するシャッタアクチュエータビーム135)は、平行な形状または曲率を有して相互に引き寄せられるか、または、それらの曲率に反対の符号を有して、安定したやり方で離れたまま維持されるかの、2つの交互の、安定した形態の曲率のうちの1つを有することが可能である。したがって、各ペアは、機械的に双安定である。アクチュエータビーム135および136の各ペアは、1つはシャッタ112が「開」位置、そして第2はシャッタ112が「閉」位置の、2つの位置において安定である。アクチュエータビーム135および136が安定位置のうちの1つに到達したら、シャッタ112をその安定位置に維持するために、列電極108にも、行電極110aまたは110bのいずれにも、いかなる電力も、いかなる印加電圧も印加される必要はない。シャッタ112を安定位置の外に移動させるには、所定のしきい値を超える電圧が印加される必要がある。
【0032】
シャッタ組立体102の開および閉位置の両方がエネルギー的に安定ではあるとはいえ、一方の安定位置は、もう一方の安定位置よりも低いエネルギー状態を有してもよい。一実装では、シャッタ組立体102は、閉位置が、開位置よりも低いエネルギー状態を有するように設計される。すべて黒の画像にも対応する、その最低の応力状態にアレイ全体を戻すためには、したがって、任意のまたはすべてのピクセルに、低いエネルギーのリセットパルスが印加されてもよい。
【0033】
光変調アレイ100およびその構成要素のシャッタ組立体102は、リソグラフィ、エッチング技術(ウェットケミカル、ドライ、およびフォトレジスト除去など)、シリコンの熱酸化、電気めっきおよび無電界めっき、拡散プロセス(ホウ素、リン、ヒ素、およびアンチモンの拡散など)、イオン打ち込み、膜蒸着(蒸発(evaporation)(フィラメント、電子ビーム、フラッシュ、シャドウイング、およびステップカバレージ)、スパッタリング、化学気相蒸着法(CVD)、エピタキシ(気相、液層、および分子線)、電気めっき、スクリーン印刷、およびラミネーションなど)を含む、当業界で周知の標準的なマイクロマシニング技術を使用して形成される。概要については、Jaeger著、Introduction to Microelectronic Fabrication(Addison−Wesley Publishing Co.、Reading Mass. 1988)と、Runyanら著、Semiconductor Integrated Circuit Processing Technology(Addison−Wesley Publishing Co.、Reading Mass. 1990)と、Proceedings of the IEEE Micro Electro Mechanical Systems Conference、1987〜1998と、Rai−Choudhury編、Handbook of Microlithography, Micromachining & Microfabrication(SPIE Optical Engineering Press、Bellingham、Wash. 1997)とを参照されたい。
【0034】
より詳細には、(通常は、金属と誘電体とが交互になった)複数の材料層が、基板の上に蒸着されて、スタックを形成する。1つ以上の材料層がスタックに追加された後で、スタックから除去されるべき、またはスタック上に残るべき材料を示すパターンが、スタックの一番上の層に適用される。ウェットおよび/またはドライエッチを含む、さまざまなエッチング技術が、次に、不要な材料を除去するために、パターン付きスタックに適用される。エッチの化学的性質、スタック内の層、およびエッチが適用される時間の長さに基づいて、エッチプロセスは、スタックの1つ以上の層から材料を除去してもよい。製造プロセスは、層形成、パターニング、およびエッチングの、複数回の繰り返しを含んでもよい。
【0035】
プロセスは、さらに、解除ステップを含む。結果としてもたらされる装置内で部品が移動するための自由度を提供するために、犠牲層が、スタック内の、完成した装置内の移動部品を形成する材料に隣接して、間に配置される。エッチによって、犠牲材料のほとんどが除去され、それにより、部品は自由に移動できるようになる。
【0036】
解除の後は、移動部品間で接触時に電荷が移動しないように、移動するシャッタの表面が絶縁される。これは、Al2O3、Cr2O3、TiO2、HfO2、V2O5、Nb2O5、Ta2O5、SiO2、またはSi3N4などの絶縁体の、熱酸化および/またはコンフォーマル化学気相蒸着法によって、あるいは、同様の材料を、原子層蒸着などの技術を使用して蒸着することによって達成されてもよい。絶縁された表面は、接触している表面間の摩擦(スティクション)などの問題を防ぐために、絶縁された表面のフッ素化または水素化などの化学転化プロセスによって、化学的に保護される。
【0037】
図2は、本発明の例示的実施形態による、空間光変調器内で使用するための光キャビティ200の断面である。光キャビティ200は、前部反射面202と後部反射面204とを含む。前部反射面202は、光透過領域206のアレイを含み、光透過領域206を通して、光208は、光キャビティ200を脱出することが可能である。光208は、1つ以上の光源210から光キャビティ200に入る。光206は、光透過領域206のうちの1つを通して反射されるまで、前部および後部反射面202および204の間で反射される。追加の反射面が、光キャビティ200の側面に沿って追加されてもよい。
【0038】
前部および後部反射面202および204は、一実装では、ガラスまたはプラスチック基板上に、金属または半導体を蒸着することによって形成される。他の実装では、反射面202および204は、基板上に積み重ねられる一連の薄膜のうちの1つとして蒸着される誘電体膜の上に、金属または半導体を蒸着することによって形成される。反射面202および204は、約50%を超える反射率を有する。例えば、反射面202および204は、70%、85%、96%、またはそれよりも高い反射率を有してもよい。
【0039】
より滑らかな基板と、よりきめの細かい金属とによって、より高い反射率がもたらされる。滑らかな表面は、ガラス基板を研磨することによって、またはプラスチックを滑らかな壁を有する形態に成型することによって得られてもよい。あるいは、ガラスまたはプラスチックは、液体/空気界面の静置(settling)によって滑らかな表面が形成されるように、注型されてもよい。含有物のない、きめの細かい金属膜は、スパッタリング、蒸発(evaporation)、イオンプレーティング、レーザアブレーション、または化学気相蒸着法を含む、いくつかの蒸着技術によって形成されてもよい。この反射型適用例のための効果的な金属としては、以下に限定されるものではないが、Al、Cr、Au、Ag、Cu、Ni、Ta、Ti、Nd、Nb、Si、Mo、および/またはその合金が挙げられる。
【0040】
あるいは、反射面は、光キャビティ200内の光ガイドと、その上に蒸着される一連の薄膜のうちのいずれかとの間に、低い屈折率の誘電体材料を介在させることによって形成されてもよい。光ガイドと薄膜との間の屈折率の変化は、光ガイド内での内部全反射の条件をもたらし、それにより、十分に低い入射角の入射光は、ほぼ100%の効率で反射されてもよい。
【0041】
代替案では、反射面202および204は、誘電体反射鏡などの、反射鏡から形成されてもよい。誘電体反射鏡は、高い屈折率の材料と低い屈折率の材料とが交互になった誘電体薄膜のスタックとして製造される。屈折率が変化する各界面から、入射光の一部が反射される。誘電体層の厚さを、波長の、いくらかの固定された割合または倍数に制御することによって、そして、複数の平行な界面からの反射を加算することによって、98%を超える反射率を有する最終的な反射面を生成することが可能である。一部の誘電体反射鏡は、99.8%よりも大きな反射率を有する。誘電体反射鏡は、可視域内のあらかじめ指定された範囲の波長を受け入れるように、そして、あらかじめ指定された範囲の入射角を受け入れるように、カスタム設計されてもよい。誘電体膜スタック内の滑らかさを製造者が制御できる限り、これらの条件下での99%を超える反射率が可能である。スタックは、約20〜約500の膜を含んでもよい。
【0042】
別の代替案では、第1および第2の反射面202および204は、別個の構成要素として、光キャビティ200内に含まれる。研磨されたステンレス鋼またはアルミニウムの薄板は、この目的のために十分であってもよい。さらに、プラスチックの連続シートまたはロールの表面上に、反射性金属面または誘電体反射鏡を生成することも可能である。反射性プラスチックのシートは、次に、光キャビティ200内の他の構成要素に取り付けまたは付着されてもよい。
【0043】
光透過領域206は、ピクセルを形成するためにアレイ状に配置され、ピクセルから画像が形成される。例示的実施形態では、光透過領域206は、約100〜約350ミクロンの間隔をおいて配置される。光透過領域は、長円形または長方形の形状で、大きい方の寸法は約50〜約300ミクロン、狭い方の寸法は2〜100ミクロンであるが、他の形状およびサイズが適していてもよい。投射型ディスプレイの場合、ピッチはわずか20ミクロンであってもよく、アパーチャ幅はわずか5ミクロンであってもよい。光透過領域206によって占められる前部反射面202の面積と、前部反射面202の総面積との間の比率は、本明細書では、透過比率(transmissiveness ratio)と呼ばれる。光キャビティ200の例示的実装は、約5%〜約50%の透過比率を有する。通常、そのような低い透過比率を有する空間光変調器は、使用可能な画像を形成するには不十分な光しか放射しない。光キャビティ200からのより大きな光208の放射を確実にするために、前部および後部反射面202および204は、反射された光208が光透過領域206を通過するまで、または、光208が反射によってエネルギーを失うまで、光208を前後に何度も反射する。より高い反射率の表面によって、より多くの光208が光キャビティ200から脱出して画像を形成することがもたらされる。以下の表1は、光透過領域206を通って脱出する、光キャビティ200に導入された光208のパーセンテージを、いくつかの透過比率/反射率のペアについて、(効率に関して)示す。
【0044】
【表1】
【0045】
光キャビティ200が、透過型ディスプレイの基礎を形成するために使用される場合、1つ以上の光源210が、光キャビティ200内に光を導入する。光源(1つ以上)210は、例えば、米国特許第4,897,771号明細書および米国特許第5,005,108号明細書で開示された任意のタイプを含む、任意の適切なタイプであってもよく、これらの開示の全体は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。特に、光源(1つ以上)210は、アーク灯、白熱電球(さらに、色付き、フィルタ付き、または塗装済みであってもよい)、レンズエンドバルブ(lens end bulb)、ラインライト、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、LEDからのチップ(chip from an LED)、ネオン管、蛍光管、遠隔光源から伝達する光ファイバライトパイプ、レーザまたはレーザダイオード、あるいは、任意のその他の適切な光源であってもよい。さらに、光源は、所望の色または白の光出力分布を提供するために、多色LED、または複数色の放射源210の組み合わせであってもよい。例えば、さまざまな色(赤、青、緑)のLED、または複数色のチップを有する1つのLEDなどの、複数の着色光が、各個別の着色光の強度を変化させることによって白色光または任意のその他の着色光出力分布を作成するために使用されてもよい。光キャビティ200から遠ざかるように放射された光208を、光キャビティ200の方へ反射させるための反射器が、光源210に隣接して配置されてもよい。一実装では、1つは赤の光源210、1つは緑の光源210、そして1つは青の光源210の、3つの光源210が、20〜600Hzの範囲内の周波数で交代しながら、光208を光キャビティ200内に順に導入する。100Hzを超えるレートは、一般に、人間の目が検出できるレートよりも速く、したがって、カラー画像が提供される。
【0046】
図3Aは、開位置にあるシャッタ組立体300の線形断面図である。シャッタ組立体300は、約0.3mm〜約2mmの厚さを有する透明基板302上に形成される。基板302は、例えば、ガラスまたはプラスチックで作られてもよい。適切なガラスには、ホウケイ酸ガラス、あるいは、摂氏400度以上の処理温度に耐えることが可能な、その他のガラスが含まれる。基板302のための適切なプラスチックには、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PETF)、あるいは、200℃を超える処理温度に耐えることが可能な、その他の実質的に透明なプラスチックが含まれる。その他の候補となる基板材料には、800℃を超える処理温度に耐えると理解される、石英およびサファイアが含まれる。
【0047】
シャッタ組立体300の、「列金属層」304と呼ばれる、最下層は、図2の光キャビティの前部反射面202として働く。シャッタ組立体300の製造プロセス中に、アパーチャ306が列金属層304を貫通してエッチングされて、図2の光透過領域206などの、光透過領域が形成される。アパーチャ306は、一般に、円形、楕円形、多角形、蛇行形状、または不規則な形であってもよい。アパーチャは、光変調アレイ内の特定のシャッタ組立体300専用の領域の、約5%〜約25%を占める。アパーチャ306における以外は、列金属層304は実質的に連続している。アパーチャ306は、誘電体材料307で満たされる。シャッタ組立体300内に含めるのに適した誘電体の例としては、SiO2、Si3N4、およびAl2O3が挙げられる。
【0048】
次の層は、列金属層304を、上の層に配置される行電極308aおよび308bから分離する、誘電体材料307によって大部分が構成される。誘電体層316の厚さは、0.3〜10ミクロンであってもよい。シャッタ組立体300の最上層は、シャッタアンカー312と、2つの行アンカー313と、2つのアクチュエータと、シャッタ310とを含む。シャッタ組立体300の断面は、行アクチュエータビームが行アンカー313と交わり、シャッタアクチュエータビームがシャッタ310と交わる位置において取られているため(例えば、図1Dの線B−B’を参照されたい)、アクチュエータのビームは図示されていない。シャッタ310が自由に動くことができるように、最上層は、アンカー312によって、下の層の上で支持される。
【0049】
代替の実装では、行電極308aおよび308bは、シャッタ組立体300内の、列金属層304よりも下の層に配置される。別の実装では、シャッタ310およびアクチュエータは、列金属層304、または行電極308aおよび308bの、いずれかよりも下の層に配置されてもよい。
【0050】
図1Bに関連して説明したように、シャッタ組立体内に含まれるアクチュエータは、機械的に双安定であるように設計されてもよい。あるいは、アクチュエータは、1つのみの安定位置を有するように設計されてもよい。すなわち、何らかの形態の作動力の印加がない場合、そのようなアクチュエータは、開または閉のいずれかの、所定の位置に戻る。そのような実装においては、シャッタ組立体300は1つの行電極308を含み、その行電極に電圧ガ印加された場合、アクチュエータは、シャッタ310を押すかまたは引いて、その安定位置から出るようにさせる。
【0051】
図3Bは、本発明の例示的実施形態による、開位置における、第2の代替のシャッタ組立体300’の断面図である。第2のシャッタ組立体300’は、基板302’と、列金属層304’と、アパーチャ306’と、行電極308a’および308b’と、シャッタ310’と、2つのアクチュエータと、シャッタアンカー312’と、2つの行アンカー313’とを含む。シャッタ組立体300’の断面は、行アクチュエータビームが行アンカー313’と交わり、シャッタアクチュエータビームがシャッタ310’と交わる位置において取られているため、アクチュエータのビームは図示されていない。(例えば、図1Dの線B−B’を参照されたい)。
【0052】
シャッタ組立体300’では、列金属層304’内に追加のギャップがエッチングされる。ギャップは、列金属層304’の各部分に異なる電圧が印加されることが可能なように、列金属層304’の異なる部分を電気的に分離する。例えば、列金属層304’と、行電極308a’および308b’との間に、それらのオーバーラップの結果として発生する可能性がある、寄生容量を減らすために、行電極308a’および308b’と、アンカー312’とのすぐ下に位置する、列金属層304’の区画314に、電圧が選択的に印加されてもよい。
【0053】
図3Cは、本発明の例示的実施形態による、別の第3の代替のシャッタ組立体300’’の断面図である。シャッタ組立体300’’は、基板302’’と、列金属層304’’と、アパーチャ306’’と、行電極308a’’および308b’’と、シャッタ310’’と、2つのアクチュエータと、シャッタアンカー312’’と、2つの行アンカー313’’とを含む。シャッタ組立体300’’の断面は、行アクチュエータビームが行アンカー313’’と交わり、シャッタアクチュエータビームがシャッタ310’’と交わる位置において取られているため、アクチュエータのビームは図示されていない。(例えば、図1Dの線B−B’を参照されたい)。シャッタ組立体300’’は、基板302’’上に配置された反射膜316を含む。反射膜316は、シャッタ組立体300’’を組み込んだ光キャビティのための、前部反射面として働く。光透過領域を提供するために反射膜316内に形成されるアパーチャ306’’を除いて、反射膜316は実質的に連続している。誘電体層318が、反射膜316を列金属層304’’から分離する。少なくとも1つの追加の誘電体層318が、列金属層304’’を、2つの行電極308a’’および308b’’から分離する。行電極308a’’および308b’’と、列金属層304’’との間に形成される可能性がある潜在的静電容量を減らすために、第3の代替のシャッタ組立体300’’の製造プロセス中に、列金属層304’’がエッチングされて、行電極308a’’および308b’’の下に配置された金属が除去される。列金属層304’’内に形成されるギャップ320は、誘電体で満たされる。
【0054】
図3Dは、本発明の例示的実施形態による、閉位置における、さらなる代替のシャッタ組立体300’’’の断面図である。第4の代替のシャッタ組立体300’’’は、基板302’’’と、列金属層304’’’と、アパーチャ306’’’と、行電極308a’’’および308b’’’と、シャッタ310’’’と、2つのアクチュエータと、シャッタアンカー312’’’と、2つの行アンカー313’’’とを含む。シャッタ組立体300’’’の断面は、行アクチュエータビームが行アンカー313’’’と交わり、シャッタアクチュエータビームがシャッタ310’’’と交わる位置において取られているため、アクチュエータのビームは図示されていない。(例えば、図1Dの線B−B’を参照されたい)。以前に示したシャッタ組立体102、300、300’、および300’’とは対照的に、第4の代替のシャッタ組立体300’’’の構築において使用された誘電体材料のほとんどは、1つ以上のエッチングステップによって除去される。
【0055】
シャッタ組立体300’’’の移動部品間の、摩擦を減らし、スティクションを防止するために、以前に誘電体材料によって占められていた空間は、潤滑剤によって満たされてもよい。潤滑剤流体は、好ましくは約10センチポアズ未満の粘度と、好ましくは約2.0を超える大きな比誘電率と、約104V/cmを超える誘電破壊強度とを有するように設計される。そのような機械的および電気的特性は、シャッタを開位置と閉位置との間で移動させるために必要な電圧を減らすことにおいて効果的である。一実装では、潤滑剤は、好ましくは約1.5未満の、低い屈折率を有することが好ましい。別の実装では、潤滑剤は、基板302の屈折率に一致する屈折率を有する。適切な潤滑剤としては、以下に限定されるものではないが、脱イオン水、メタノール、エタノール、シリコン油、フッ素化シリコン油、ジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、およびジエチルベンゼンが挙げられる。
【0056】
図4は、本発明の例示的実施形態による、コーティングされたシャッタ402を有するシャッタ組立体400の断面図である。シャッタ組立体400は、図3Aのシャッタ組立体300の全般的構造を有するとして示されている。ただし、シャッタ組立体400は、上記のシャッタ組立体102、300、300’、300’’、または300’’’の、あるいは下記の任意のその他のシャッタ組立体の、いずれの形態を取ってもよい。
【0057】
シャッタ402が閉位置にある場合に、シャッタ組立体400を通して光406を反射させるために、反射膜404が、シャッタ402の底部を覆う。適切な反射膜404としては、以下に限定されるものではないが、Al、Cr、またはNiの滑らかな蒸着が挙げられる。そのような膜404の蒸着は、膜404の厚さが約0.2ミクロンよりも大きい場合、シャッタの、95%またはそれよりも高い反射率を提供する。あるいは、アモルファスまたは多結晶Siは、滑らかな誘電体表面上に蒸着された場合、この適用例において有用であるための十分に高い反射率を提供することが可能である。
【0058】
シャッタ組立体400の上部に当たる環境光410の反射を減らすために、シャッタ402の上部は、光吸収膜408で覆われる。光吸収膜408は、粗い表面または多孔性の表面を作る方法で、Cr、Ni、あるいはAuまたはSiなどの、いくつかの金属の蒸着および/または陽極酸化から形成されてもよい。あるいは、光吸収膜408は、光吸収色素を含む、アクリルまたはビニル樹脂を含んでもよい。シャッタ組立体400の代替の実装では、吸収膜408は、シャッタ組立体400の上面の全体に、または実質的に全体に適用される。
【0059】
図5は、本発明の例示的実施形態による、第2のコーティングされたシャッタ502を有するシャッタ組立体500の断面図である。シャッタ組立体500は、図3Aの第1の代替のシャッタ組立体300の全般的構造を有するとして示されている。ただし、シャッタ組立体は、上記のシャッタ組立体102、300、300’、300’’、および300’’’の、あるいは下記の任意のその他のシャッタ組立体の、いずれの形態を取ってもよい。シャッタ組立体500では、シャッタ502の上部および下部の両方が、光吸収膜408などの、光吸収膜504で覆われる。シャッタ502の底部の光吸収膜504は、閉位置におけるシャッタ502に衝突する光を吸収する。シャッタ組立体500を含む、図2の光キャビティ200などの、光キャビティの場合、光キャビティを出る光の強度は、形成される画像に依存しない。すなわち、光の強度は、開または閉位置にあってもよいシャッタの割合とは無関係である。
【0060】
図6は、本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ102などの、光変調アレイ内で使用するための、弾性的に作動させられるシャッタ組立体600の断面図である。弾性的に作動させられるシャッタ組立体600は、金属列層602と、1つの行電極604と、弾性要素606と、シャッタ608とを含む。弾性要素606は、シャッタ608を、列金属層602内の対応するアパーチャ610から離れた開位置に維持する、復元力を提供する。開位置では、光612がアパーチャ610を通過することが可能である。1つの行電極604へのスイッチング電圧の提供は、弾性要素606の力に対抗し、それにより、シャッタ608を、アパーチャ610上の閉位置に置く。閉位置では、シャッタ608は、光612がアパーチャ610を通して出るのを妨げる。代替の実装では、シャッタ組立体600は、シャッタ608が閉じられた後で、シャッタ608が開くことなしに行電極604が消勢されてもよいように、シャッタ608を閉位置に固定するための、ラッチを含んでもよい。シャッタ608を開くためには、ラッチが解除される。シャッタ組立体600のさらに別の実装では、弾性アクチュエータは、シャッタ608を閉位置に維持する傾向がある。行電極604に電圧を印加すると、シャッタ608は開位置に移動する。
【0061】
図7は、本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、変形可能なシャッタ701を有するシャッタ組立体700の断面図である。シャッタ組立体700は、基板708上に形成された、列金属層702と、1つの行電極704とを含む。変形シャッタ701は、開閉のために、シャッタ組立体700の一方の側から、シャッタ組立体700のもう一方の側へ平行移動する代わりに、行電極704の電圧印加に応じて変形する。変形シャッタ701は、変形シャッタ701が残留応力を保持するように形成され、結果として、変形シャッタ701は、それが含まれている光変調アレイの平面から離れて丸まる傾向を有する。行電極704と列金属層702との間にスイッチング電圧をかけることによって、変形シャッタ701は、基板708の方へ引き寄せられ、それにより、列金属層702内に形成されたアパーチャ710を覆う。変形可能な、または蝶番タイプのアクチュエータは、当業界で、例えば、米国特許第4,564,836号明細書および米国特許第6,731,492号明細書で述べられている。
【0062】
図8Aは、本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、シリコンなどの、不透明基板802を有するシャッタ組立体800の断面図である。不透明基板802は、約200ミクロン〜約1mmの範囲の厚さを有する。シャッタ組立体800は、図3Aのシャッタ組立体300に類似しているが、シャッタ組立体800は、図3〜図7で説明したシャッタ組立体300、300’、300’’、300’’’、400、500、600、または700のうちのいずれかと実質的に同じ形態を取ってもよい。アパーチャ804は、不透明基板802の全体を貫通してエッチングされる。一実装では、アパーチャ804は、プラズマまたはイオンアシストを使用した、CFCl3ガス内などでの、異方性ドライエッチを使用して形成される。シャッタ組立体800は、さらに、
不透明基板802の、列金属層とは反対の側に蒸着された、反射性コーティング810を含んでもよい。
【0063】
図8Bは、本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、不透明基板802’を有する第2のシャッタ組立体800’の断面図である。図8Aのシャッタ組立体800と比較すると、不透明基板800’の下面がエッチングにより除去され、シャッタ組立体800’のアパーチャ804’の下にキャビティ806が形成されている。キャビティ806は、より大きな角度範囲からの光が、アパーチャ804’を通して脱出することを可能にする。より大きな範囲によって、より明るい画像と、より大きな視野角とが提供される。
【0064】
図1および図3〜図8で説明したシャッタ組立体は、作動のために静電力に依存する。以下に限定されるものではないが、電磁アクチュエータ、熱弾性アクチュエータ、圧電アクチュエータ、およびエレクトロスティクション(electrostiction)アクチュエータの使用を含む、いくつかの代替のアクチュエータ強制機構が、シャッタ組立体の設計に盛り込まれてもよい。アパーチャを制御可能に遮るために使用されてもよい、その他のシャッタの動きとしては、以下に限定されるものではないが、スライド、回転、曲げ、旋回、蝶番式開閉、またはフラッピングが挙げられ、すべての動きは、反射面の平面内、またはその平面に対して交差する方向のいずれかである。
【0065】
図9は、液晶ベースの空間光変調器900の断面図である。液晶ベースの空間光変調器900は、液晶セル902のアレイ901を含む。液晶セル902は、液晶分子の層906の両側に、対向する透明電極904のペアを含む。液晶アレイ901の一方の側には、液晶ベースの空間光変調器900は、偏光子908を含む。アレイ901のもう一方の側には、液晶ベースの空間光変調器900は、検光子910を含む。したがって、介入がない場合、偏光子908を通過する光は、検光子910によってフィルタリングされ、ブロックされる。透明電極904間に電圧がかけられると、電極904間の液晶分子906が、結果として生じる電場に整列して、偏光子908を通過する光の向きを、検光子910を通過できるように変える。偏光子908は、複数の光透過領域913を画定する、前部反射面911の上に配置される。アレイ901は、光キャビティ200などの、光キャビティに取り付けられ、カバープレート912を含む。カバープレートについては、図11に関連してさらに詳細に説明する。
【0066】
各液晶セル902は、対応する赤、緑、または青の色固有フィルタを有してもよい。あるいは、色の区別は、図2に関連して上述したように、順に動作する複数のランプによって提供されてもよい。
【0067】
ほとんどの液晶ディスプレイ(LCD)は、1インチ当たり80〜100ドットの解像度を有するように設計され、ピクセル幅は250〜330ミクロンの範囲内である。そのようなLCDディスプレイの場合、アクティブマトリクスまたは薄膜トランジスタ(TFT)のアドレス指定またはスイッチングを使用しても、液晶ディスプレイの透過比率は75〜90%の範囲内である。ただし、所望される画像解像度が1インチ当たり300〜500ドットで、ピクセルの直径はわずか50ミクロンである、高解像度の適用例(例えば、文書ディスプレイまたは投射型ディスプレイの場合)については、TFTアドレス指定のために必要なオーバヘッドによって、得られる透過比率は約30〜50%に制限される可能性がある。したがって、そのような高解像度ディスプレイは、通常、開口率の低下により、それらのより低い解像度の対応物よりも低い発光効率しか得られない。上述のように、光キャビティを使用して液晶ディスプレイを構築することにより、高解像度LCDディスプレイにおいても、より大きな発光効率を達成することが可能となる。
【0068】
図10は、本発明の例示的実施形態による、第1のシャッタベースの空間光変調器1000の断面図である。シャッタベースの空間光変調器1000は、光変調アレイ1002と、光キャビティ1004と、光源1006とを含む。光変調アレイ1002は、図3〜図8で上述したシャッタ組立体300、300’、300’’、300’’’、400、500、600、700、800、または800’のうちのいずれかを含んでもよい。第1のシャッタベースの空間光変調器1000内の、光キャビティ1004は、前面と後面とを有する光ガイド1008から形成される。前部反射面1010は、光ガイド1008の前面上に直接蒸着され、第2の反射面1012は、光ガイド1008の後面上に直接蒸着される。
【0069】
光ガイド1008は、ガラス、あるいは、ポリカーボネートまたはポリエチレンなどの透明プラスチックから形成されてもよい。光ガイド1008の厚さは、約300ミクロン〜約2mmである。光ガイド1008は、光キャビティ1004内に導入された光1014を、前部反射面1010の表面全体にわたって実質的に均一に分散させる。光ガイド1008は、そのような分散を、内部全反射の組によって、および、光散乱要素1016の公平な配置によって達成する。光散乱要素1016は、光1014が、光ガイド1008から出るように、そして、前部反射面1010内に形成された光透過領域1019を通るように、方向を変えるのを助けるために、光ガイド1018の後ろ側の、中または上に形成されてもよい。
【0070】
図11は、本発明の例示的実施形態による、第2のシャッタベースの空間光変調器1100の断面図である。図10の第1のシャッタベースの空間光変調器1000と同様に、第2のシャッタベースの空間光変調器1100は、光変調アレイ1102と、光キャビティ1104と、光源1106とを含む。さらに、第2の空間光変調器は、カバープレート1108を含む。
【0071】
カバープレート1108は、光変調アレイ1102を機械的および環境的損傷から保護することを含む、いくつかの機能を果たす。カバープレート1108は、ポリカーボネートなどの薄い透明プラスチック、またはガラスシートである。カバープレートは、ブラックマトリクス1110とも呼ばれる光吸収性材料を使用してコーティングされ、パターニングされてもよい。ブラックマトリクスは、光吸収色素を含む、厚膜アクリルまたはビニル樹脂として、カバープレート上に蒸着されてもよい。
【0072】
ブラックマトリクス1110は、光キャビティ1104内に形成された光透過領域1116に実質的に隣接して配置された、パターニングされた光透過領域1114内への、入射環境光1112を除く、ほとんどすべての入射環境光1112を吸収する(環境光は、空間光変調器1100の外の、見る人の近くからの光である)。ブラックマトリクス1110は、それにより、空間光変調器1100によって形成される画像のコントラストを増加させる。ブラックマトリクス1110は、さらに、漏洩的または時間連続的なやり方で放射される場合がある、光キャビティ1104から逃げる光を、吸収するために機能してもよい。
【0073】
一実装では、例えばアクリルまたはビニル樹脂の形態の、カラーフィルタが、カバープレート1108上に蒸着される。フィルタは、ブラックマトリクス1110を形成するために使用されるのと類似したやり方で蒸着されてもよいが、ただし、フィルタは、光キャビティ1104の開いているアパーチャの光透過領域1116の上にパターニングされる。樹脂は、赤、緑、または青の色素を使用して交互にドープされてもよい。
【0074】
光変調アレイ1102とカバープレート1108との間の間隔は、100ミクロン未満であり、わずか10ミクロン以下であってもよい。光変調アレイ1102とカバープレート1108とは、場合によっては所定の点を除いて、接触しないことが好ましく、その理由は、接触することによって光変調アレイ1102の動作が妨げられる可能性があるからである。間隔は、光変調アレイ1102内の個々の光変調器の間に配置された、高さ2〜20ミクロンの、リソグラフィで画定されたスペーサまたはポストによって維持されてもよく、または、間隔は、組み合わせられた装置の端の周囲に挿入された、シートメタルスペーサによって維持されてもよい。
【0075】
図12Aは、本発明の例示的実施形態による、第3のシャッタベースの空間光変調器1200の断面図である。第3のシャッタベースの空間光変調器1200は、光キャビティ1202と、光源1204と、光変調アレイ1206とを含む。さらに、第3のシャッタベースの空間光変調器1204は、図11に関連して説明したカバープレート1108などの、カバープレート1207を含む。
【0076】
第3のシャッタベースの空間光変調器1200内の、光キャビティ1202は、光ガイド1208と、光変調アレイ1206の後ろ向き部分とを含む。光変調アレイ1206は、独自の基板1210上に形成される。光ガイド1208および基板1210の両方は、それぞれが、前側と後ろ側とを有する。光変調アレイ1206は、基板1210の前側上に形成される。第2の金属層の形態の、前向きの、後部反射面1212は、光ガイド1208の後ろ側上に蒸着されて、光キャビティ1202の第2の反射面を形成する。あるいは、光キャビティ1202は、光ガイド1208の後ろ側の背後に、光ガイド1208の後ろ側と実質的に向かい合うように配置された、第3の面を含む。そのような実装においては、前向きの、後部反射面1212は、光ガイド1208の後ろ側上に直接蒸着されるのではなく、空間光変調器1200の前方を向いた、第3の面上に蒸着される。光ガイド1208は、図10に関連して説明した光散乱要素1016などの、複数の光散乱要素1209を含む。図10におけるのと同様に、光散乱要素は、光キャビティ全体にわたるより均一な光の分散を作るために、光ガイド1208の後ろ向きの側上に所定のパターンで分散される。
【0077】
一実装では、光ガイド1208と基板1210とは、相互に密着して保持される。それらの界面における反射が回避されるように、それらは類似した屈折率を有する材料で形成されることが好ましい。別の実装では、小さなスタンドオフまたはスペーサ材料が、光ガイド1208と基板1210とを所定の距離だけ離して維持し、それにより、光ガイド1208と基板1210とを相互に光学的に分離する。光ガイド1208と基板1210との間に間隔をあけることにより、結果として、光ガイド1208と基板1210との間にエアギャップ1213が形成される。エアギャップは、光ガイド1208内での、その前向きの面における内部全反射を促進し、それにより、光散乱要素1209のうちのいずれかによって光1214が光変調器アレイ1206のシャッタ組立体の方へ向けられる前に、光ガイド内での光1214の分散が促進される。あるいは、光ガイド1208と基板1210との間のギャップは、真空、1つ以上の選択された気体、または液体によって満たされてもよい。
【0078】
図12Bは、本発明の例示的実施形態による、第4のシャッタベースの空間光変調器1200’の断面図である。図12Aの空間光変調器1200と同様に、第4の空間光変調器1200’は、光キャビティ1202’と、光源1204’と、光変調アレイ1206’と、図11に関連して説明したカバープレート1108などの、カバープレート1207’とを含む。光キャビティ1202’は、光変調アレイ1206’内の後ろ向きの反射面と、光ガイド1208’と、前向きの後部反射面1212’とを含む。第3の空間光変調器1200と同様に、第4の空間光変調器1200’の光変調アレイ1206’は、光ガイド1208’から分離した、基板1210’上に形成される。
【0079】
第4の空間光変調器1200’では、光ガイド1208’と基板1210’とは、光拡散体1218および輝度強化膜1220によって隔てられる。拡散体1218は、散乱光1214’の光角をランダム化して、均一性を向上し、光源1204または光変調アレイ1206からのゴーストイメージの形成を減らすために役立つ。一実装では、輝度強化膜1220は、薄いプラスチックシートとなるように成型され、狭い円錐状の照射となるように光を注ぎ込むように働く、光学プリズムのアレイを含む。輝度強化膜1220は、光透過領域1222を通って、見る人の方へ斜角で光ガイド1208’を離れる光の方向を変え、したがって、同じ入力電力に対して、光学軸に沿った輝度の明らかな増加がもたらされる。
【0080】
図12Cは、本発明の例示的実施形態による、第5のシャッタベースの空間光変調器1200’’の断面図である。図12Aの空間光変調器1200と同様に、第5の空間光変調器1200’’は、光キャビティ1202’’と、光源1204’’と、光変調アレイ1206’’と、図11に関連して説明したカバープレート1108などの、カバープレート1207’’とを含む。光キャビティ1202’’は、光変調アレイ1206’’内の後ろ向きの反射面と、光ガイド1208’’と、前向きの後部反射面1212’’とを含む。第3の空間光変調器1200と同様に、第5の空間光変調器1200’’の光変調アレイ1206’’は、光ガイド1208’’から分離した、基板1210’’上に形成される。
【0081】
第5の空間光変調器1200’’では、光ガイド1208’’と基板1210’’とは、マイクロレンズアレイ1224によって隔てられる。マイクロレンズアレイ1224は、光透過領域1222’を通って、見る人の方へ斜角で光ガイド1208’’を離れる光1214’’の方向を変え、したがって、同じ入力電力に対して、輝度の明らかな増加がもたらされる。
【0082】
さらに、第5のシャッタベースの空間光変調器1200’’内の光変調アレイ1206’’は、光ガイド1208’’から分離した独自の基板1210’’上に形成されるため、光ガイド1208’’は、成型可能なプラスチックから構成されてもよく、その理由は、光変調アレイ1210’’を構築するために利用可能な製造プロセスを、プラスチックの転移温度が制限することはないからである。したがって、光ガイド1208’’は、光キャビティ1202’’内に光1214’’を導入するために使用される光源1204’’を、実質的に封入するように成型されてもよい。光ガイド1208’’内への光源1204’’の封入は、光ガイド1208’’内への光1214’’の改良された結合を提供する。同様に、散乱要素1209’’は、光ガイド1208’’のためのモールド内に直接組み込まれてもよい。
【0083】
図12Dは、シャッタベースの光変調アレイ1200’’’の第6の例示的実施形態の断面図である。図12Aの空間光変調器1200と同様に、第6の空間光変調器1200’’’は、光キャビティ1202’’’と、光源1204’’’と、光変調アレイ1206’’’と、図11に関連して説明したカバープレート1108などの、カバープレート1207’’’とを含む。光キャビティ1202’’’は、光変調アレイ1206’’’内の後ろ向きの反射面と、光ガイド1208’’’と、前向きの後部反射面1212’’’と、拡散体1218’’’と、輝度強化膜1220’’’とを含む。
【0084】
光変調アレイ1206’’’とカバープレート1207’’’との間の空間は、図3Dに関連して説明した潤滑剤などの、潤滑剤1224で満たされる。カバープレート1207’’’は、エポキシ1225を使用して、シャッタ組立体1206に取り付けられる。エポキシは、好ましくは約200C未満の硬化温度を有さなければならず、好ましくは約50ppm/℃未満の熱膨張係数を有さなければならず、さらに、耐湿性でなければならない。例示的エポキシは、エポキシテクノロジーインク(Epoxy Technology, Inc.)によって販売されている、EPO−TEK B9021−1である。エポキシは、さらに、潤滑剤1224を封じ込める働きもする。
【0085】
シートメタルまたは成型プラスチックの組立体ブラケット1226が、カバープレート1207’’’と、光変調アレイ1206’’’と、光キャビティ1202’’’とを、端の周囲で一緒に保持する。組立体ブラケット1226は、組み合わせられた装置に剛性を追加するために、ネジまたはインデントタブを使用して固定される。一部の実装では、光源1204’’’は、エポキシ埋め込み用樹脂(epoxy potting compound)によって適所に成型される。
【0086】
図13は、本発明の例示的実施形態による、第7のシャッタベースの空間光変調器1300の断面図である。第7のシャッタベースの空間光変調器1300は、光変調アレイ1304が上に形成される基板1302と、光ガイド1306とを含む。光変調アレイ1304は、空間光変調器1300の光キャビティ1310のための前部反射面を含む。反射材料が、後部反射面1308として働くように、光ガイドの後ろ側に蒸着または付着される。光ガイド1306の後ろ側は、光変調アレイ1304内での光の均一な分散を促進するように、光ガイド1308の前側に対して傾けられるか、または形作られる。ただし、後部反射面は1308は、それでもなお、部分的に、前部反射面に面している。
【0087】
図14Aは、本発明の例示的実施形態による、別の空間光変調器1400の断面図である。空間光変調器1400は、光変調アレイ1404が上に形成される基板1402を含む。光変調アレイは、光キャビティの前部反射面1405として働く反射面を含む。空間光変調1400は、さらに、光変調アレイ1404の後ろ側に実質的に面している、後部反射面1406を含む。光源1408は、光変調アレイ1404が上に形成される基板1402と、後部反射面1406との間に形成される、空間内に配置される。空間は、さらに、実質的に透明なプラスチックで満たされてもよく、その中に光源1408が埋め込まれてもよい。
【0088】
図14Bは、図14Aの空間光変調器1400に類似した、別の空間光変調器1400’の断面図である。空間光変調器1400’は、光変調アレイ1404’が上に形成される基板1402’を含む。光変調アレイ1404’は、光キャビティの前部反射面1405として働く反射面を含む。空間光変調1400’は、さらに、後部反射面1406’を含む。後部反射面1406’は、波形であるか、ざらつきがあるか、または、反射面(すなわち、空間光変調器1400’の、後部反射面1406’、および光変調アレイ1404’内に組み込まれた反射面)によって形成される光キャビティ内の光の分散を促進するように形作られる。
【0089】
図15は、本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための別のシャッタ組立体1500の断面図である。シャッタ組立体1500は、基板1509上に構築された、金属列層1502と、2つの行電極1504aおよび1504bと、シャッタ1506とを含む。シャッタ組立体1500は、さらに、1つ以上の光散乱要素1508を含む。上述のシャッタ組立体の他の実装と同様に、アパーチャ1510は、列金属層1502を貫通してエッチングされる。光散乱要素1510は、基板1509の表面の粗面化、コーティング、または処理などによる、基板1509の形状または配置における任意の変化を含んでもよい。例えば、光散乱要素は、約1〜約5ミクロンの寸法を有する、列金属1502のパターニングの残部を含んでもよい。光散乱要素1508は、内部全反射のために基板1508内に閉じ込められた光1512を取り出すのを助ける。そのような閉じ込められた光1512が、散乱要素1508のうちの1つに当たると、光1512の経路の角度が変化する。光1512の経路の角度が十分に鋭くなった場合、光1512は基板1509を出る。シャッタ1506が開位置にある場合、散乱された光1512は、アパーチャ1510を出て、画像の一部として、見る人へ進んでもよい。
【0090】
図16は、本発明の例示的実施形態による、さらに別の空間光変調器1600の断面図である。空間光変調器1600は、光キャビティ1606の内部に面した、基板1604の後面上に形成された、光変調アレイ1602を含む。光変調アレイ1602を構成する、図3〜図8で説明したシャッタ組立体300、300’、300’’、300’’’、400、500、600、700、800、および800’、あるいは、図9で説明した液晶セル902などの、個々の光変調要素1608は、図4および図5を参照して説明したものと比較して、光変調要素1608の、光を反射または吸収する側を、逆にするように修正される。
【0091】
光キャビティ1606は、前部反射面1610および後部反射面1612の両方と、光ガイド1614とを含む。光は、光源1613によって光キャビティ内に導入される。前部反射面1610は、光ガイド1614の前向きの面上に配置されて、高反射率の実質的に連続的な層を提供し、さらに、光透過領域1616を画定する。前部反射面1610は、光変調アレイ1602から、透明なギャップ1618によって隔てられる。ギャップ1618は、好ましくは、光透過領域1616の幅よりも狭く、例えば、約100ミクロン未満である。ギャップ1618の幅は、約10ミクロンの狭さであってもよく、または、さらに狭くてもよい。
【0092】
一実装では、ギャップ1618は、図3Dに関連して説明した潤滑剤などの、潤滑剤1620で満たされてもよい。潤滑剤1620は、光ガイド1614からの光の取り出しを促進するために、光ガイド1614の屈折率に実質的に一致する屈折率を有してもよい。
【0093】
空間光変調器1600は、任意選択で、カバープレートをなしで済ませてもよく、その理由は、シャッタ組立体は、基板1604による環境によって保護されるからである。カバープレートが省略される場合、図11のブラックマトリクス1110などの、ブラックマトリクスが、基板1604の前向きの面に適用されてもよい。
【0094】
図17は、図10〜図15で説明した空間光変調器1000、1100、1200、1300、1400、および1500内に組み込まれてもよい、本発明の例示的実施形態による、半透過型(transflective)シャッタ組立体1700の断面図である。半透過型シャッタ組立体1700は、シャッタ組立体1700の背後に配置された光源によって放射される光1701と、環境光1703との両方から画像を形成する。半透過型シャッタ組立体1700は、金属列層1702と、2つの行電極1704aおよび1704bと、シャッタ1706とを含む。半透過型シャッタ組立体1700は、列金属層1702を貫通してエッチングされたアパーチャ1708を含む。約1〜約5ミクロンの寸法を有する、列金属層1702の部分が、半透過要素(transflection elements)1710として働くように、アパーチャ1708の表面上に残される。光吸収膜1712が、シャッタ1706の上面を覆う。
【0095】
シャッタが閉位置にある間、光吸収膜1712は、シャッタ1706の上面上に当たる環境光1703を吸収する。シャッタ1706が、図17に示すように開位置にある間、半透過型シャッタ組立体1700は、専用光源からの光1701と、反射された環境光1703との両方が、半透過型シャッタ組立体を通過するのを許可することによって、画像の形成に寄与する。半透過要素1710の小さなサイズは、環境光1703の反射の、ある程度ランダムなパターンをもたらす。
【0096】
半透過型シャッタ組立体1700は、ブラックマトリクス1716を含むカバープレート1714を使用して覆われる。ブラックマトリクスは光を吸収し、それにより、覆われていないアパーチャ1708から反射される環境光1703を除き、環境光1703が見る人へ反射されることを実質的に防止する。
【0097】
図18は、図10〜図15で説明した空間光変調器1000、1100、1200、1300、1400、および1500内に組み込まれてもよい、本発明の例示的実施形態による、第2の半透過型(transflective)シャッタ組立体1800の断面図である。半透過型シャッタ組立体1800は、金属列層1802と、2つの行電極1804aおよび1804bと、シャッタ1806とを含む。半透過型シャッタ組立体1800は、列金属層1702を貫通してエッチングされたアパーチャ1808を含む。約5〜約20ミクロンの寸法を有する、列金属層1802の少なくとも一部分が、半透過要素(transflection elements)1810として働くように、アパーチャ1808の表面上に残る。光吸収膜1812が、シャッタ1806の上面を覆う。シャッタが閉位置にある間、光吸収膜1812は、シャッタ1806の上面上に当たる環境光1803を吸収する。シャッタ1806が開位置にある間、半透過要素1810は、アパーチャ1808に当たる環境光1803の部分を、見る人の方へ反射する。半透過要素1810の、半透過要素1710と比較してより大きな寸法によって、見る人の背後からの環境光が、見る人に実質的に直接反射されるような、より鏡のような反射モードがもたらされる。
【0098】
半透過型シャッタ組立体1800は、ブラックマトリクス1816を含むカバープレート1814を使用して覆われる。ブラックマトリクスは光を吸収し、それにより、覆われていないアパーチャ1808から反射される環境光1803を除き、環境光1803が見る人へ反射されることを実質的に防止する。
【0099】
図17および図18の両方を参照すると、アパーチャ1708および1808内に配置された半透過要素1710および1810を使用しても、環境光1703および1803のいくらかの部分は、対応する半透過型シャッタ組立体1700および1800のアパーチャ1708および1808を通過する。半透過型シャッタ組立体1700および1800が、上述のような、光キャビティと光源とを有する空間光変調器内に組み込まれている場合、アパーチャ1708および1808を通過する環境光1703および1803は、光キャビティに入り、光源によって導入される光とともに、再循環させられる。代替の半透過型シャッタ組立体では、列金属内のアパーチャは、少なくとも部分的に、半反射−半透過材料を使用して満たされる。
【0100】
図19は、本発明の例示的実施形態による、前部反射型シャッタ組立体1900の断面図である。前部反射型シャッタ組立体1900は、反射型光変調アレイ内で使用されてもよい。前部反射型シャッタ組立体1900は、環境光1902を、見る人の方へ反射する。したがって、空間光変調器内での前部反射型シャッタ組立体1900のアレイの使用は、多量の環境光1902を有する表示環境内で、専用光源の必要性をなくす。前部反射型シャッタ組立体1900は、図3〜図8のシャッタ組立体300、300’、300’’、300’’’、400、500、600、700、800、または800’と実質的に同じ形態を取ってもよい。ただし、光の通過を許可するアパーチャを含む、シャッタ組立体300、400、500、600、700、または800の列金属層の代わりに、列金属層は、閉じられたシャッタ1904の位置の下の反射面を含む。シャッタ1904の少なくとも前面を含む、反射型シャッタ組立体1900の最前部層には、光吸収膜1908がコーティングされる。したがって、シャッタ1904が閉じられている場合、反射型シャッタ組立体1900に当たる光1902は吸収される。シャッタ1904が開かれている場合、反射型シャッタ組立体1900に当たる光1902の少なくとも一部分は、露出した列金属層1910に反射して、見る人の方へ戻される。あるいは、列金属層1910は吸収膜で覆われてもよく、シャッタ1908の前面は反射膜で覆われてもよい。これにより、シャッタが閉じられている場合のみ、光は見る人の方へ反射される。
【0101】
上述の他のシャッタ組立体および光変調器と同様に、反射型シャッタ組立体1900は、ブラックマトリクス1912が適用されたカバープレート1910を使用して覆われてもよい。ブラックマトリクス1912は、シャッタの開位置に対向していない、カバープレート1910の部分を覆う。
【0102】
図20は、本発明の例示的実施形態による、複数の光変調アレイ2002を含む、空間光変調器2000の等角図である。上述の光変調アレイ2002のいくつかのサイズは、それらを構築するために使用される半導体製造技術によって、ある程度制限される。ただし、光ガイド2004と、反射膜2006とは、大幅により大きな規模で形成されてもよい。1つ以上の光ガイド2004上に配置された、複数の隣接して配置された光変調アレイ2002を含む、空間光変調器は、より大きな画像を生成することが可能であり、それにより、これらの制限は回避される。
【0103】
上述のように、上で開示されたシャッタ組立体内のシャッタ組立体は、アクティブマトリクスによって制御されてもよい。図21Aは、ピクセルのアレイ2140(「アレイ2140」)をアドレス指定するために、ディスプレイ装置100内に含めるのに適した、アクティブ制御マトリクス2100の概念図である。各ピクセル2101は、アクチュエータ2103によって制御される、図1Cのシャッタ組立体122などの、弾性シャッタ組立体2102を含む。各ピクセルは、さらに、アパーチャ穴2154を含むアパーチャ層2150を含む。シャッタ組立体およびそれらを制御する回路の、その他の電気的および機械的構成が、本発明の範囲から逸脱することなしに使用されてもよい。
【0104】
制御マトリクス2100は、シャッタ組立体2102が上に形成される基板2104の表面上に、拡散された、または薄膜蒸着された電気回路として製造される。制御マトリクス2100は、制御マトリクス2100内のピクセル2101の各行についての、走査ライン相互接続2106と、制御マトリクス2100内のピクセル2101の各列についての、データ相互接続2108とを含む。各走査ライン相互接続2106は、書き込み許可電圧源2107を、ピクセル2101の対応する行内のピクセル2101に電気的に接続する。各データ相互接続2108は、データ電圧源(「Vdソース」)2109を、ピクセル2101の対応する列内のピクセル2101に電気的に接続する。制御マトリクス2100内で、データ電圧Vdは、シャッタ組立体2102の作動のために必要なエネルギーの大部分を提供する。したがって、データ電圧源2109は、作動電圧源としても働く。
【0105】
図21Bは、制御マトリクス2100を含む、ピクセルのアレイ2140の部分の等角図である。図21Aおよび図21Bを参照すると、ピクセルのアレイ2140内の、各ピクセル2101について、または各シャッタ組立体について、制御マトリクス2100は、トランジスタ2110とキャパシタ2112とを含む。各トランジスタ2110のゲートは、ピクセル2101が配置されているアレイ2140内の行の走査ライン相互接続2106に電気的に接続される。各トランジスタ2110のソースは、その対応するデータ相互接続2108に電気的に接続される。各シャッタ組立体のアクチュエータ2103は、2つの電極を含む。各トランジスタ2110のドレインは、対応するキャパシタ2112の一方の電極と、対応するアクチュエータ2103の電極のうちの一方とに、並列に、電気的に接続される。キャパシタ2112のもう一方の電極と、シャッタ組立体2102内のアクチュエータ2103のもう一方の電極とは、共通または接地電位に接続される。
【0106】
動作時、画像を形成するために、制御マトリクス2100は、各走査ライン相互接続2106にVweを次々に印加することによって、アレイ2140内の各行を順に書き込み許可する。書き込み許可された行については、行内のピクセル2101のトランジスタ2110のゲートへのVweの印加により、データ相互接続2108を通りトランジスタを通る電流の流れが、シャッタ組立体2102のアクチュエータ2103に電位を印加することが許可される。行が書き込み許可されている間、データ電圧Vdが、データ相続接続2108に選択的に印加される。アナロググレースケールを提供する実装においては、各データ相互接続2108に印加されるデータ電圧は、書き込み許可走査ライン相互接続2106とデータ相互接続2108との交点に配置されたピクセル2101の所望される輝度に関連して、変化させられる。ディジタル制御方式を提供する実装においては、データ電圧は、相対的に低い大きさの電圧(すなわち、接地付近の電圧)であるように、あるいは、Vat(作動しきい値電圧)を満たすかまたは超過するように選択される。データ相互接続2108へのVatの印加に応えて、対応するシャッタ組立体2102内のアクチュエータ2103が作動して、そのシャッタ組立体2102内のシャッタを開く。データ相互接続2108に印加された電圧は、制御マトリクス2100が行にVweを印加するのを停止した後も、ピクセル2101のキャパシタ2112内に蓄積されたままになる。したがって、シャッタ組立体2102が作動するための十分に長い時間、行上の電圧Vweを保持して待つ必要はなく、そのような作動は、書き込み許可電圧が行から除去された後で進行することが可能である。行内のキャパシタ2112内の電圧は、ビデオフレーム全体が書き込まれるまで、そして一部の実装においては、新しいデータが行に書き込まれるまで、実質的に蓄積されたままになる。
【0107】
さまざまな実装において、シャッタ組立体およびそれらに対応するアクチュエータは、双安定にされてもよい。すなわち、シャッタ組立体内のシャッタは、少なくとも2つの平衡位置(例えば、開または閉)に、いずれの位置にそれらを保つためにも、電力はほとんどまたはまったく必要なしに、存在してもよい。より詳細には、シャッタ組立体は、機械的に双安定であってもよい。そのようなシャッタ組立体のシャッタが所定の位置に設定されたら、その位置を維持するために、電気的エネルギーまたは保持電圧は必要とされない。シャッタ組立体の物理要素上の機械的応力が、シャッタを所定の位置に保持してもよい。
【0108】
シャッタ組立体、およびそれらに対応するアクチュエータは、また、電気的に双安定にされてもよい。電気的に双安定なシャッタ組立体においては、シャッタ組立体の作動電圧未満の電圧範囲が存在し、閉じられたアクチュエータ(シャッタは開または閉のいずれか)にこの電圧が印加された場合、たとえ対向する力がシャッタ上に働かされたとしても、アクチュエータは閉じられたままに、そしてシャッタは所定の位置に保持される。対向する力は、スプリングによって働かされてもよく、または、対向する力は、「開」または「閉」アクチュエータなどの、対向するアクチュエータによって働かされてもよい。
【0109】
アレイ2140のピクセル2101は、基板2104上に形成される。アレイには、アレイ2140内の各ピクセル2101のための一組のアパーチャ穴2154を含む、基板上に蒸着されるアパーチャ層2150が含まれる。アパーチャ穴2154は、各ピクセル内のシャッタ組立体2102と位置合わせされる。
【0110】
アレイ2140は、以下のステップのシーケンスで製造されてもよい。第1に、アパーチャ層2150が、透明基板2104上に蒸着されてパターニングされる。次に、薄膜スイッチまたはトランジスタ2110のアレイを含む、制御マトリクスが、キャパシタ2112と、走査ライン相互接続2106またはデータ相互接続2108などの相互接続とともに、アパーチャ層2150の上に製造される。トランジスタ2110およびキャパシタ2112を製造するために使用されるプロセスは、液晶ディスプレイ内で使用するためのアクティブマトリクスアレイを製造するための、当業界で周知のプロセスのうちの代表的なものであってもよい。最後のステップにおいて、微小電子機械(またはMEMS)シャッタ組立体が、薄膜スイッチのアレイの上に形成される。
【0111】
1つの単純な実装では、アパーチャ層2150は、間にはさまれた誘電体層によって、制御マトリクスから電気的に絶縁される。アパーチャ層2150は、その上に製造されるアクティブマトリクスとプロセス互換である薄膜材料からなってもよい(ただし、そのアクティブマトリクスに電気的に接続される必要はない)。アパーチャ穴2154は、一般に、円形、楕円形、多角形、蛇行形状、または不規則な形であってもよい。
【0112】
別の実装では、アパーチャ層2150は、制御マトリクスに電気的に接続される。この接続は、間にはさまれた誘電体層を貫通してエッチングされたビアによって、制御マトリクス内の相互接続がアパーチャ層に電気的に接触するように行われてもよい。アパーチャ層2150は、導電性材料を含む場合、制御マトリクスのための接地面または共通相互接続として働いてもよい。
【0113】
ディスプレイの他の実装では、独立したアパーチャ層が、シーケンスの第1のステップとして製造される必要はない。当業界で一般に知られているように、アパーチャ穴は、その代わりに、アクティブマトリクスまたはパッシブマトリクスの製造において使用されるのと同じ薄膜材料を使用し、そして、同じ処理ステップを使用して、ガラス基板上に直接製造されてもよい。アパーチャ穴の形成に対応するには、マスク設計またはピクセルレイアウトのみを変更する必要がある。
【0114】
別の実装では、アパーチャ層は、処理シーケンスの最後のステップとして製造される。アパーチャ層は、基板に堅く取り付けられるが、シャッタ組立体の自由な平行移動運動のための空間を下に残しながら、シャッタ組立体の上に概して浮遊させられる。
【0115】
図22〜図30は、追加のMEMSベースのディスプレイ装置に関する。特に、図22〜図30のMEMSベースのシャッタ組立体は、光学的集光装置(optical light concentrators)を含む。図22は、本発明の例示的実施形態による、光変調器のアレイA100(「光変調アレイA100」とも呼ばれる)と、集光装置のアレイA150(「集光アレイA150」とも呼ばれる)とを含む、反射型ディスプレイ装置A10の等角投影概念図である。ディスプレイ装置A10は、別法として、半透過型または透過型ディスプレイとして形成されてもよい。そのような実施形態は、図29および図30に関連してさらに説明する。光変調アレイA100は、行および列内に配置された複数のシャッタ組立体A102a〜102u(一般に「シャッタ組立体A102」)を含む(ただし、行および列なしのセグメント化されたディスプレイも、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに使用されてもよい)。一般に、シャッタ組立体A102は、開および閉という、2つの状態を有する(ただし、以下でより詳細に説明するように、例えば、部分的な開きが、グレースケールを伝えるために使用されてもよい)。各シャッタ組立体A102は、対応する露出可能な表面A114を選択的に覆うための、シャッタA112を含む。シャッタ組立体A102a〜c、A102e〜m、およびA102p〜uは、開状態にあり、それらの対応する露出可能な表面A114を、集光アレイA150を通過した光にさらしている。シャッタ組立体A102d、A102n、およびA102oは、閉状態にあり、それらの対応する露出可能な表面A114に、集光アレイA150を通過した光が衝突するのを妨げている。一般に、装置A10は、環境光源A107からの光線を、アレイの、見る人と同じ側で、表面A103の方へ反射して、画像A104を形成するために、シャッタ組立体A102の状態を選択的に設定する(例えば、図7も参照されたい)。あるいは、光源A107は、装置A10の環境光ではなく、組み込まれたフロントライトとして提供されてもよい。
【0116】
本発明の一実施形態では、光変調アレイA100の各シャッタ組立体A102は、画像A104内の画像ピクセルA106に対応してもよい。上述のように、各シャッタ組立体A102は、シャッタA112と、露出可能な表面A114とを含む。一実装では、光源A107に面しているシャッタA112の表面は反射性であり、露出可能な表面A114は光吸収性である。ピクセルを照明するには、表面A103の方へ光を反射するために、シャッタA112は少なくとも部分的に閉じられる。代替の実装では、光源A107に面しているシャッタA112の表面は光を吸収し、露出可能な表面A114は光を反射する。この実装では、ピクセルA106は、シャッタA112が完全に開かれている場合に最も明るく、シャッタA112が完全に閉じられている場合に最も暗い。
【0117】
代替の実装では、ディスプレイ装置A10は、各画像ピクセルA106について、複数のシャッタ組立体A102を使用してもよい。例えば、ディスプレイ装置は、画像ピクセルA106につき3つまたは4つの色固有シャッタ組立体A102を含んでもよい。特定の画像ピクセルA106に対応する色固有シャッタ組立体A102のうちの1つまたは複数を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置は、画像A104内のカラー画像ピクセルA106を生成してもよい。別の例では、ディスプレイ装置A10は、画像A104内のグレースケールを提供するために、画像ピクセルA106につき複数の部分的に開かれた、または閉じられた状態を提供するシャッタ組立体A102を含んでもよい。
【0118】
露出可能な表面A114は、シャッタ組立体A102の所望される実装に応じて、光を反射または吸収する、薄膜、蒸着、または任意のその他の適切な材料から、あるいは、その組み合わせまたは欠如から、さまざまな方法で形成されてもよい。同様に、各シャッタA112は、関連する露出可能な表面A114と組み合わせて、所望どおりに、組立体A102によって光が見る人の方へ適切に反射されるか、または吸収されるように、光をそこから反射するか、または光をその中へ吸収する表面を備えてもよい。そのような材料は、図23に関連してさらに説明する。さらに別の実装では、ディスプレイ装置A10は、光を変調して画像を形成するために、シャッタ組立体A102の代わりに、マイクロミラー、フィルタ、偏光子、液晶変調セル、干渉装置(interferometric devices)、およびその他の適切な装置などの、その他の形態の光変調器を含んでもよい。
【0119】
集光アレイA150は、シャッタA112の位置に応じてシャッタA112または露出可能な表面A114のいずれかの上に衝突する、環境光の割合を増加させるために、光変調器のアレイA100内のそれぞれの光変調器上に光を集中させるための、光学要素のアレイを含む。例えば、反射型光ファンネル、高開口数レンズ、およびその他の非結像の光学装置を含む、さまざまなタイプの光学要素が、集光アレイA150内で提供されてもよい。図22に示す例示的実施形態では、集光アレイA150は、反射型光ファンネルA152のアレイを含む。環境光源A107から放射された光を、シャッタ組立体A102の、ファンネルA152に対応する特定の領域に集中させるために、各ファンネルA152は、それぞれのシャッタ組立体A102と関連付けられる。各反射型ファンネルA152は、好ましくは、表面A103の方に向けられた第1の光開口部A156と、その関連するシャッタ組立体A102の方へ向けられた第2の光開口部A154と、第1の光開口部A156を第2の光開口部A154に接続する壁A158とを含む。
【0120】
第1の光開口部A156は、関連するピクセルA106のサイズに一致するサイズであることが好ましく、第2の光開口部A154は、関連するシャッタ組立体A102の、露出可能な表面A114のサイズに一致するか、またはそれよりもわずかに小さいサイズであることが好ましい。可能な限り、環境光源A107からの環境光の光線が、第1の光開口部A156において、広範な角度からファンネルA152に入り、第2の光開口部A154を通して、シャッタ組立体A102の集中された領域上に反射されるように、壁A158は、高反射性であることが好ましく、第1の光開口部A156は、第2の光開口部A154よりも大きいことが好ましい。これにより、各シャッタ組立体A102によって変調される、利用可能な画像形成光の割合が増加し、それにより、ディスプレイ装置A10のコントラスト比が改良される。さらに、環境光A107の増加された割合が、シャッタ組立体A102の反射性要素(1つまたは複数)上に注ぎ込まれ、集中させられることにより、ディスプレイ装置A10は、増加された輝度および発光効率を提供することが可能となり、バックライトおよび追加の電力の必要はなくなる。
【0121】
壁A158は、直線、曲線、CPC(複合放物面集光器(Compound Parabolic Collector))形状であってもよく、あるいは、環境光A107の光学的に効率的な集中を提供し、高いフィルファクタももたらす、その任意の適切な組み合わせであってもよい。壁A158は、ファンネルの光開口部のサイズおよび形状に応じて、円錐状であってもよく、または、複数の側を含んでもよい。光開口部A154およびA156は、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに、さまざまな形状およびサイズであってもよい。光開口部A156は、六角形であってもよく、光開口部A154は、例えば、円形であってもよい。壁A158は、反射性の内部表面を備えてもよく、または、(図26A〜図27Cに関連して以下でより詳細に説明するように)透明な内部表面と、外部反射性コーティングとを備えてもよい。
【0122】
図23は、ディスプレイ装置A10の追加の特徴を示す、図22の組み合わせられたシャッタ−ファンネル組立体のうちの1つの断面図である。図22および図23を参照すると、ディスプレイ装置A10は、さらに、カバーシートA109とフィルタアレイ層A111とを、見る人と、集光アレイA150との間に含んでもよい。カバーシートA109は、光変調アレイA100を機械的および環境的損傷から保護することを含む、いくつかの機能を果たす。カバーシートA109は、例えば、ポリカーボネートなどの薄い透明プラスチック、またはガラスシートであってもよい。特定の実施形態では、カバーシートは、ブラックマトリクスA120とも呼ばれる光吸収性材料を使用してコーティングされ、パターニングされてもよい。ブラックマトリクスA120は、光吸収色素を含む、厚膜アクリルまたはビニル樹脂として、カバーシートA109上に蒸着されてもよい。ブラックマトリクスA120は、特定の入射環境光を吸収し、それにより、装置A10によって形成される画像A104のコントラストを増加させてもよい。ブラックマトリクスA120は、さらに、漏洩的または時間連続的なやり方で逃げる光を、吸収するために機能してもよい。カバーシートA109の上面A103は、画像A104を見る人に表示してもよい。
【0123】
一実装では、カバーシートA109上に蒸着されてもよいフィルタアレイA111が、例えば、アクリルまたはビニル樹脂、あるいは薄膜誘電体の形態の、カラーフィルタを含んでもよい。フィルタは、ブラックマトリクスA120を形成するために使用されるのと類似したやり方で蒸着されてもよいが、ただし、フィルタは、色固有シャッタ組立体A102のための適切なカラーフィルタを提供するために、集光アレイA150の円錐A152の、第1の光開口部A156または第2の光開口部A154の上にパターニングされる。例えば、ディスプレイ装置A10は、3つ以上の色固有シャッタ組立体A102の、複数のグループ(例えば、赤のシャッタ組立体と、緑のシャッタ組立体と、青のシャッタ組立体とのグループ、赤の組立体と、緑のシャッタ組立体と、青のシャッタ組立体と、白のシャッタ組立体とのグループ、シアンのシャッタ組立体と、マゼンタのシャッタ組立体と、黄のシャッタ組立体とのグループなど。ただし、画像ピクセルを形成するための、シャッタ組立体の、任意のその他の数および/または色の組み合わせが、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに提供されてもよい)を含んでもよく、それにより、グループの色固有シャッタ組立体A102に関連付けられたサブピクセルのそれぞれが画像ピクセルA106を形成してもよい。1つの完全な画像ピクセルを構成するために、4つ以上のカラーサブピクセルが存在してもよい。特定のピクセルに対応するグループ内の、色固有シャッタ組立体A102のうちの1つ以上を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置A10は、さまざまな色の画像ピクセルA106を、画像A104のために生成してもよい。
【0124】
これらのカラーフィルタは、いくつかの方法で作られてもよい。例えば、シャッタと、制御マトリクスのパッシブマトリクスまたはアクティブマトリクス構成要素との製造において使用されるステップに類似した、よく知られているフォトリソグラフィ技術を使用して、選択的吸収性を有する材料が、ディスプレイの表面上にパターニングされてもよい。分散された金属および金属酸化物を有する材料、あるいは、より一般的には、特定の吸収性材料は、感光性であってもよく、フォトレジストのように画定されてもよい。あるいは、そのような吸収性センターが、薄膜の形態で適用されてもよく、続いて、よく知られているフォトリソグラフィおよびエッチプロセスを使用してパターニングされてもよい。さらに、例えば、代表的な赤、青、および緑のピクセル上に干渉フィルタを形成するために、薄膜層の干渉特性に基づく薄膜が、基板上でパターニングされてもよい。カラーフィルタ材料は、さらに、ポリビニルアクリレートなどの樹脂内に分散された、有機染料から形成されてもよい。
【0125】
ファンネルA152の光開口部の高さ、厚さ、形状、および直径は、使用される材料、および適用例によって、さまざまであってもよい。ファンネルA152の壁A158の高さが、光開口部A154とA156との間のサイズの差に比較して小さい場合、壁A158の傾斜は比較的浅く(すなわち、壁A158は、表面A103と実質的に平行であり)、ファンネルA152は、シャッタ組立体A102の反射領域(1つまたは複数)上に最初に光を集中させることなしに、環境光A107のほとんどを見る人の方へ反射することによって、概して再帰反射器のように働く。他方、ファンネルA152の壁A158の高さが、光開口部A154とA156との間のサイズの差に比較して大きい場合、壁A158の傾斜は比較的急であり(すなわち、壁A158は、表面A103に実質的に垂直であり)、壁A158からの、環境光A107の光線の複数の反射により、結果として、光の強度の大幅な損失がもたらされる。好ましい実施形態では、例えば、第1の光開口部A156の直径は、75〜225ミクロンの範囲であってもよく、好ましくは150ミクロンであり、第2の光開口部A154の直径は、25〜75ミクロンの範囲であってもよく、好ましくは50ミクロンであり、円錐A152の高さは、100〜300ミクロンの範囲であってもよく、好ましくは200ミクロンであり、それにより、約3.5〜4の範囲の傾斜がもたらされる。
【0126】
さらに、レンズアレイは、入射環境光をそれぞれのファンネルA152内に集中させ、そしてそれにより、関連するシャッタ組立体A102上に集中させ、それにより、壁A158からの反射回数と、再帰反射経路の可能性との両方を減らすための、レンズA157を備えてもよい(図面をわかりやすくするために、レンズA157は図22に示されていないことに注意されたい)。ファンネルA152の第1の光開口部A156において配置されたレンズA157は、環境光源A107からの傾斜した入射構成を、ファンネルA152内に、そしてしたがって、シャッタ組立体A102の反射領域(1つまたは複数)上に、導いて集中させるのを助けてもよい。アレイA111のカラーフィルタは、例えば、図23に示すように、レンズA157の下側に固定されてもよい。図26に示すように、レンズおよび光ファンネルの構造は、1つの成型プロセス内で一体となって形成されてもよい。
【0127】
カラーフィルタリングは、さらに、ディスプレイ装置A10内の他の位置において行われてもよい。カバーシートA109内に加えて、カラーフィルタアレイA111は、例えば、各反射型光ファンネルA152の第2の光開口部A154において適用されてもよい。この実施形態は、(図26A〜図27Cに関連して以下でより詳細に説明するように)ファンネルA152が硬質な透明光学材料で満たされる実装において、特に好ましい場合がある。フィルタアレイA111は、あるいは、シャッタ組立体A102の反射性領域(1つまたは複数)の近位で適用されてもよい。一般に、フィルタアレイのフィルタA111は、所与のピクセルの、表面A103とシャッタ組立体A102の反射面との間の、光路内の任意の場所に配置されてもよい。
【0128】
反射壁A158は、約50%を超える反射率を有する。例えば、反射壁A158は、70%、85%、A92%,96%、またはより高い反射率を有してもよい。より滑らかな基板と、よりきめの細かい金属とによって、より高い反射率がもたらされる。滑らかな表面は、プラスチックを滑らかな壁を有する形態に成型することによって得られてもよい。含有物のない、きめの細かい金属膜は、スパッタリング、蒸発(evaporation)、イオンプレーティング、レーザアブレーション、または化学気相蒸着法を含む、いくつかの蒸着技術によって形成されてもよい。この反射型適用例のための効果的な金属としては、以下に限定されるものではないが、Al、Cr、Au、Ag、Cu、Ni、Ta、Ti、Nd、Nb、Rh、Si、Mo、および/または、その任意の合金または組み合わせが挙げられる。
【0129】
あるいは、反射壁A158は、誘電体反射鏡などの、反射鏡から形成されてもよい。誘電体反射鏡は、高い屈折率の材料と低い屈折率の材料とが交互になった誘電体薄膜のスタックとして製造される。屈折率が変化する各界面から、入射光の一部が反射される。誘電体層の厚さを、波長の、いくらかの固定された割合または倍数に制御することによって、そして、複数の平行な界面からの反射を加算することによって、98%を超える反射率を有する最終的な反射面を生成することが可能である。一部の誘電体反射鏡は、99.8%よりも大きな反射率を有する。誘電体反射鏡は、可視域内のあらかじめ指定された範囲の波長を受け入れるように、そして、あらかじめ指定された範囲の入射角を受け入れるように、カスタム設計されてもよい。誘電体膜スタック内の滑らかさを製造者が制御できる限り、これらの条件下での99%を超える反射率が可能である。スタックは、例えば、約20〜約500の膜を含んでもよい。
【0130】
各シャッタ組立体A102の状態は、パッシブマトリクスアドレス指定方式を使用して制御されてもよい。各シャッタ組立体A102は、列電極A108と、2つの行電極A110a(「行開電極(row open electrode)」)およびA110b(「行閉電極(row close electrode)」)とによって制御されてもよい。光変調アレイA100内では、所与の列内のすべてのシャッタ組立体A102が1つの列電極A108を共有してもよい。行内のすべてのシャッタ組立体は、共通の行開電極A110aおよび共通の行閉電極A110bを共有してもよい。
【0131】
図21Aおよび図21Bに関連して上述したものに類似した、アクティブマトリクスアドレス指定方式もまた可能である。(薄膜トランジスタアレイまたは金属絶縁体金属(「MIM」)ダイオードのアレイによって、ピクセルおよびスイッチングの電圧が制御される)アクティブマトリクスアドレス指定は、印加された電圧が、ビデオフレームの周期全体を通して安定したやり方で維持される必要がある状況において有用である。アクティブマトリクスアドレス指定を使用した実装は、シャッタ組立体の行につき1つのみの行電極を使用して構築されることが可能である。
【0132】
図22および図23を参照すると、シャッタ組立体A102は、光変調アレイA100の他のシャッタ組立体A102と共有される、ガラス、シリコン、またはプラスチックポリマー基板A116上に構築される。基板A116は、最大約2,000行および最大約2,000列内に配置された、4,000,000ものシャッタ組立体を支持してもよい。例えば、看板適用例のために、複数の基板がアレイ状に配置されてもよい。
【0133】
光変調アレイA100およびその構成要素のシャッタ組立体A102は、リソグラフィ、エッチング技術(ウェットケミカル、ドライ、およびフォトレジスト除去など)、シリコンの熱酸化、電気めっきおよび無電界めっき、拡散プロセス(ホウ素、リン、ヒ素、およびアンチモンの拡散など)、イオン打ち込み、膜蒸着(蒸発(evaporation)(フィラメント、電子ビーム、フラッシュ、シャドウイング、およびステップカバレージ)、スパッタリング、化学気相蒸着法(「CVD」)、エピタキシ(気相、液層、および分子線)、電気めっき、スクリーン印刷、およびラミネーションなど)を含む、当業界で周知の標準的なマイクロマシニング技術を使用して形成される。概要については、Jaeger著、Introduction to Microelectronic Fabrication(Addison−Wesley Publishing Co.、Reading Mass. 1988)と、Runyanら著、Semiconductor Integrated Circuit Processing Technology(Addison−Wesley Publishing Co.、Reading Mass. 1990)と、Proceedings of the IEEE Micro Electro Mechanical Systems Conference、1987〜1998と、Rai−Choudhury編、Handbook of Microlithography, Micromachining & Microfabrication(SPIE Optical Engineering Press、Bellingham、Wash.、1997)とを参照されたい。
【0134】
より詳細には、(通常は、金属と誘電体とが交互になった)複数の材料層が、基板の上に蒸着されて、スタックを形成してもよい。1つ以上の材料層がスタックに追加された後で、スタックから除去されるべき、またはスタック上に残るべき材料を示すパターンが、スタックの一番上の層に適用されてもよい。ウェットおよび/またはドライエッチを含む、さまざまなエッチング技術が、次に、不要な材料を除去するために、パターン付きスタックに適用されてもよい。エッチの化学的性質、スタック内の層、およびエッチが適用される時間の長さに基づいて、エッチプロセスは、スタックの1つ以上の層から材料を除去してもよい。製造プロセスは、層形成、パターニング、およびエッチングの、複数回の繰り返しを含んでもよい。
【0135】
プロセスは、さらに、解除ステップを含んでもよい。結果としてもたらされる装置内で部品が移動するための自由度を提供するために、犠牲層が、スタック内の、完成した装置内の移動部品を形成する材料に隣接して、間に配置されてもよい。エッチまたはその他の一過性フェーズプロセスによって、犠牲材料のほとんどが除去され、それにより、部品は自由に移動できるようになる。
【0136】
解除の後は、移動部品間で接触時に電荷が移動しないように、移動するシャッタの表面が絶縁されてもよい。これは、Al2O3、Cr2O3、TiO2、HfO2、V2O5、Nb2O5、Ta2O5、SiO2、またはSi3N4などの絶縁体の、熱酸化および/またはコンフォーマル化学気相蒸着法によって、あるいは、同様の材料を、原子層蒸着などの技術を使用して蒸着することによって達成されてもよい。絶縁された表面は、接触している表面間の摩擦などの問題を防ぐために、絶縁された表面のフッ素化または水素化などの化学転化プロセスによって、化学的に保護されてもよい。
【0137】
デュアルコンプライアント電極アクチュエータは、シャッタ組立体A102内のシャッタA112を駆動するための、1つの適切なアクチュエータのクラスを構成する。非デュアルコンプライアント電極アクチュエータを含む、多くのその他のさまざまなタイプのアクチュエータが、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに、シャッタ組立体A102内のシャッタA112を駆動するために利用されてもよいことに注意されたい。デュアルコンプライアントビーム電極アクチュエータは、一般に、2つ以上の、少なくとも部分的にコンプライアントなビームから形成される。ビームのうちの少なくとも2つは、電極(本明細書では「ビーム電極」とも呼ばれる)として働く。ビーム電極の両端への電圧の印加に応じて、ビーム電極は、結果としてもたらされる静電力から、相互に引き寄せられる。デュアルコンプライアントビーム電極の両方のビームは、少なくとも部分的に、コンプライアントである。すなわち、ビームのそれぞれの少なくともいくらかの部分は、ビームが寄せ集められるのを助けるために、屈曲および/または湾曲することが可能である。一部の実装では、コンプライアンスは、波形の屈曲部(corrugated flexures)またはピン継手を含めることによって達成される。ビームのいくらかの部分は、実質的に剛性であってもよく、または、所定の位置に固定されてもよい。好ましくは、ビームの全長の少なくとも大部分はコンプライアントである。
【0138】
デュアルコンプライアント電極アクチュエータは、当業界で周知の他のアクチュエータに優る利点を有する。静電コームドライブ(electrostatic comb drives)は、比較的長い距離にわたって作動させるために非常に適しているが、比較的弱い力しか生成できない。平行板または平行ビームアクチュエータは、比較的大きな力を生成できるが、平行板またはビーム間の小さなギャップを必要とし、したがって、比較的小さな距離にわたってのみ作動させられる。R.Legtenbergら(Journal of Microelectromechanical Systems v.6、257頁、1997)は、湾曲した電極アクチュエータの使用により、どのようにして比較的大きな力が生成され、結果として比較的大きな変位がもたらされることが可能であるかを示した。ただし、Legtenbergでは、作動を開始させるために必要な電圧は、やはりかなり大きい。本明細書で示すように、そのような電圧は、両方の電極の移動または屈曲を許可することによって減らすことが可能である。
【0139】
デュアルコンプライアントビーム電極アクチュエータベースのシャッタ組立体では、シャッタは、デュアルコンプライアントビーム電極アクチュエータの少なくとも1つのビームに結合される。アクチュエータ内のビームのうちの一方が、もう一方の方へ引かれると、引かれたビームは、シャッタも移動させる。それにより、シャッタは、第1の位置から第2の位置に移動させられる。位置のうちの1つにおいて、シャッタは、例えば、以下に限定されるものではないが、ブロック、反射、吸収、フィルタリング、偏光、回折、あるいはその他の、光の特性または経路の変更を行うことによって、光路内の光と相互作用する。シャッタは、その干渉特性を向上するために、反射または光吸収膜を使用してコーティングされてもよい。露出可能な表面A114は、例えば、以下に限定されるものではないが、ブロック、反射、吸収、フィルタリング、偏光、回折、あるいはその他の、光の特性または経路の変更を行うことによって、シャッタによって提供される光学効果の方法と相補的な方法で、光路内の光と相互作用する。例えば、一方が吸収性である場合、他方は反射性であり、または、一方がある向きに偏光する場合、他方の表面は、垂直な向きに偏光する。
【0140】
図24Aおよび図24Bは、本発明の例示的実施形態による、それぞれ、完全に開かれた状態および完全に閉じられた状態における、シャッタ組立体A102の平面図である。シャッタ組立体A102は、デュアルコンプライアントビーム電極アクチュエータを、作動のために利用する。図23、図24A,および図24Bを参照すると、シャッタ組立体A102は、見る人と露出可能な表面A114との間の光の光路に出入りする、2つの半遮断シャッタ部分A112aおよびA112bを含むシャッタA112を、制御可能に移動させることによって、光を変調して画像を形成する。シャッタ部分A112aおよびA112bは、閉じられた場合、露出可能な表面114に光が衝突するのを実質的に妨げる。一実施形態では、シャッタ部分A112aおよびA112bがほぼ同じサイズである代わりに、一方のシャッタ部分A112aまたはA112bは、他方のシャッタ部分A112aまたはA112bのサイズよりも大きく、それらは別個に作動させられてもよい。したがって、0個、1個、または両方のシャッタ部分A112aおよびA112を選択的に開くことによって、シャッタ組立体A102は、4レベルのグレースケール(例えば、オフ、3分の1がオン、3分の2がオン、および完全にオン)を提供してもよい。
【0141】
シャッタA112aおよびA112bは、それぞれが、硬い、実質的に平面の物体から形成される。シャッタA112aおよびA112bは、閉じられた位置において、露出可能な表面A114への光路をシャッタA112aおよびA112bが十分に遮るような、規則的な、または不規則な、ほとんどあらゆる形状を取ってもよい。さらに、シャッタA112aおよびA112bは、(図24Aに示すような)開位置において、露出可能な表面A114によって十分な光が吸収または反射されて、それぞれ、ピクセルが暗くまたは明るくされるように、露出可能な表面の幅と調和する幅を有さなければならない。
【0142】
図24Aおよび図24Bに示すように、シャッタA112aおよびA112b(シャッタA112)のそれぞれは、2つのロードビームA208のそれぞれの端に結合される。ロードアンカーA210は、各ロードビームA208の反対側の端で、ロードビームA208を、基板A122に物理的に接続し、そして、ロードビームA208を、基板上に形成されたドライバ回路に電気的に接続する。ロードビームA208と、ロードアンカーA210とは、合わせて、シャッタA112を、基板上に形成された露出可能な表面A114上で支持するための、機械的支持として働く。
【0143】
シャッタ組立体A102は、駆動ビームA212のペアと、駆動ビームA214のペアとを含み、それぞれのうちの一方は、各ロードビームA210のいずれかの側に沿って配置される。駆動ビームA212およびA214と、ロードビームA210とは、合わせて、アクチュエータを形成する。駆動ビームA212は、シャッタ開電極として働き、もう一方の駆動ビームA214は、シャッタ閉電極として働く。駆動ビームA212およびA214の、シャッタA112に最も近い端に配置された、駆動アンカーA216およびA218は、各駆動ビームA212およびA214を、基板A122上に形成された回路に、物理的および電気的に接続する。本実施形態では、駆動ビームA212およびA214のもう一方の端と、全長のほとんどとは、固定されないままであるか、または自由に動くことができる。
【0144】
ロードビームA208と、駆動ビームA212およびA214とは、コンプライアントである。すなわちそれらは、それらの応力を受けない(「静止」)位置または形状から、少なくともいくらかの有用な程度まで、大きな疲労または破損なしに曲げられることが可能なように、十分な柔軟性と弾力性とを有する。ロードビームA208と、駆動ビームA212およびA214とは、一方の端においてのみ固定されるため、ビームA208、A212、およびA214の全長の大部分は、印加される力に応じて、自由に動くこと、曲がること、屈曲すること、または変形することができる。コルゲーション(例えば、ビームA208上のコルゲーションA208a)は、例えば、屈曲部の短縮による軸方向応力に打ち勝つため、および、所与の電圧におけるより大きな偏向を提供するために、提供されてもよい。
【0145】
ディスプレイ装置A10は、制御可能な電圧源から、駆動ビームA212またはA214に、それらの対応する駆動アンカーA216またはA218を経由して電位を印加し、ロードビームA208は接地または何らかの異なる電位に電気的に結合されるようにし、結果としてビームA208、A212、およびA214にわたって電圧がもたらされるようにすることによって、シャッタ組立体A102を作動させる(すなわち、シャッタ組立体A102の状態を変える)。パッシブまたはアクティブマトリクスアレイドライバなどの、制御可能な電圧源は、上述のようなパッシブまたはアクティブマトリクスを経由して、ロードビームA208に電気的に結合される。ディスプレイ装置A10は、さらに、または別法として、シャッタ組立体A102のロードアンカーA210を経由して、ロードビームA208に電位を印加して、電圧を増加してもよい。駆動ビームA212またはA214と、ロードビームA208との間の電位差は、符号または接地電位にかかわらず、ビーム間の静電力を生成し、結果として、移動平面内での横方向のシャッタの移動がもたらされる。
【0146】
シャッタ組立体のタイリングまたはピクセル配置は、正方形アレイの制約に限定される必要はない。高密度のタイリングは、さらに、例えば、矩形、菱面体、または六角形のピクセルアレイを使用して達成されてもよく、これらはすべて、ビデオおよびカラー画像化ディスプレイにおける適用例が見いだされる。
【0147】
図25は、高密度アレイ内の開口率を最大にし、駆動電圧を最小にするための、ピクセルのアレイ内へのシャッタ組立体のタイリングの好ましい方法を示す。図25は、3つの概して矩形のシャッタ組立体A102から画像ピクセルA106を形成するために、基板A122上にタイリングされた、デュアルコンプライアントジッパー電極アクチュエータベースのシャッタ組立体A102のタイリングA400を示す。各ピクセルA106の3つのシャッタ組立体A102は、別個に、または一括して制御されてもよい。
【0148】
好ましくは、シャッタ組立体A102は、フィルファクタを増加するために、なるべく間にむだな領域がないように、接近して詰められる。図25に示すように、シャッタ組立体A102の一部は、一部の隣接するシャッタ組立体A102間のギャップにインターリーブされてもよい。タイリングA400のインターリーブされた配置は、所望される場合は、行および列の正方形配置上にマッピングされてもよい。図示されているように、列A420a、A420b、およびA420cの繰り返しシーケンスは、それぞれが、特定のカラーフィルタA111(例えば、それぞれ、赤い、緑、および青)を有するサブピクセルに関連付けられてもよい。さらに、シャッタ組立体A102の2つのインターリーブされた行が、1つの行電極A430内に含まれる。インターリービングは、ピクセルA106の六角形パッキングを提供するために利用されてもよい。
【0149】
他の代替の実装では、ディスプレイ装置A102は、画像ピクセルA106につき複数の(例えば、1〜10の)対応する露出可能な表面A114と、対応するシャッタA112とを含んでもよい。そのような画像ピクセルA106の状態を変更する際の、作動させられるアクチュエータの数は、印加されるスイッチング電圧に依存してもよく、あるいは、スイッチング電圧の受け入れのために選択される行および列電極の特定の組み合わせに依存してもよい。最小および最大のスイッチング電圧の間の途中のスイッチング電圧を提供することによって、アナログ形式でアパーチャの部分的な開きが可能にされる実装も可能である。これらの代替の実装は、例えば、空間グレースケールを生成する改良された手段を提供する。
【0150】
集光アレイA150のファンネルA152は、例えば、アクリル、イミド、およびアセテートのような、ポリマーの非常に広大なファミリーから、ならびに、プラスチック、ガラス、またはUV硬化エポキシから、微小成型、エンボス、またはインベストメント鋳造されてもよい。微小成型は、フォトリソグラフィ、エッチング、またはエンボス技術などの、サブトラクティブ技術を含んでもよく、この技術では、反転パターンが、硬質材料で作成され、続いて、軟質材料が、表面上で位置合わせされてから押し込まれ、その後、硬化されるか、または固められてもよい。あるいは、ファンネルA152は、架橋結合されることが可能な、または光を利用してその架橋結合が壊されることが可能な、多くのポリマーのうち、例えば、ノバラック(Novalac)またはPMMAまたはポリイミドなどの、感光性材料(photo−imageable material)から製造されてもよい。例えば、Alex Ning,Ph.d.著「Plastic vs.Glass Optics: Factors to Consider (part of SPIE’Precision Plastic Optics’ short course note)」(1998年11月17日)、Julian M. Lippmannら著「Micro Investment Molding:Method for Creating Injection Molded Hollow Parts」(Proceedings of IMECE2005、2005年11月5〜11日)、およびJulian M.Lippmanら著「In−Plane,Hollow Microneedles Via Polymer Investment Molding」(2005年)を参照されたい。
【0151】
一実施形態では、図26A〜図26Dを参照すると、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコンベースのポリマー(「PDMS」)、ポリイミド、または任意のその他の適切な材料から、硬い円錐A152と光学レンズ構造A157とを成型することによって、ファンネルA152のアレイA150が最初に形成されてもよい(例えば、図26Aを参照)。次に、反射壁A158を形成するために、好ましくは、アレイA150の下側から、各円錐A152の外面および底面上に反射層がコーティングされてもよい(例えば、図26Bを参照)。次に、各円錐の第2の光開口部A154を提供するために、円錐A152の底面上にコーティングされた反射層が研磨により除去される(例えば、図26Cを参照)。任意選択で、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコンベースのポリマー(「PDMS」)、ポリイミド、または任意のその他の適切な材料が、円錐A152間のバックフィルA155として、それらが1つの充填されたシートに形成されるように、提供されてもよい(例えば、図26Dを参照)。円錐A152と、レンズA157と、カバーシートA109とが、すべて1つの層内に形成される実施形態では、例えば、各円錐A152の第2の光開口部A154において、フィルタアレイA111が提供されてもよい。
【0152】
あるいは、別の実施形態では、図27A〜図27Cを参照すると、例えば、多くのポリマーのうち、ノバラック(Novalac)またはPMMAまたはポリイミドなどの、感光性材料(photo−imageable material)A155の、例えば、シートA153内に、くぼんだファンネルA152の形態の、凹部のアレイが形成されてもよい(例えば、図27Aを参照)。次に、反射壁A158を形成するために、各凹部の内側上に、反射性材料がコーティングされてもよい(例えば、図27Bを参照)。次に、光開口部(くぼんだファンネルA152の下部における、第2の光開口部A154)を形成するために、シートA153の下部が、研磨により除去されてもよい(例えば、図27Cを参照)。最後に、任意選択で、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコンベースのポリマー(「PDMS」)、ポリイミド、または任意のその他の適切な材料が、円錐A152内のバックフィルA159として、それらが1つの充填されたシートに形成されるように、提供されてもよい(例えば、図27Cの、点線で囲まれた領域を参照)。この方法の代替の実装では、凹部はシートA153の全体を貫通して打ち抜かれて、くぼんだファンネルA152の先端部において反射性材料が集まることが防止され、それにより、第2の光開口部A154を形成するためにいかなる材料を除去する必要もなくなる。
【0153】
図28は、本発明の例示的実施形態による、反射型のディスプレイ装置A1010として装置が実装された場合のディスプレイ装置A10の追加の特徴を示す、組み合わせられた図22のシャッタと、ファンネルと、ピクセルとの組立体のうちの1つの、部分等角断面図である。反射型ディスプレイ装置A1010は、反射型シャッタ組立体A1102のアレイを含む、反射型光変調アレイとともに使用されてもよい。反射型シャッタ組立体A1102は、環境光源A107からの環境光(例えば、一般的な環境光線A702)を、フィルタアレイ層A111およびカバーシートA109を通して、見る人の方へ反射する(図面を簡単にするために、レンズA157を含む、層A111およびシートA109の部分は、図28に示されていないことに注意されたい)。
【0154】
反射型シャッタ組立体A1102は、図22〜図25のシャッタ組立体A102と実質的に同じ形態を取ってもよい。シャッタA1112aおよびA1112bの少なくとも前面を含む、見る人に面した、反射型シャッタ組立体A1102の最前部層には、光吸収膜A1152がコーティングされる。したがって、シャッタA1112が閉じられている場合、ファンネルA152によって反射型シャッタ組立体A1102上に集中させられた光A702は、膜A1152によって吸収される。(図28に示すように)シャッタA1112が少なくとも部分的に開かれている場合、反射型シャッタ組立体A1102上に集中させられた光A702の少なくとも一部分は、層A1118の露出した反射面A1015(すなわち、露出可能な表面A1114)に反射し、ファンネルA152を通して、鏡面反射光線A703として、見る人の方へ戻される。反射面A1015は、約50%を超える反射率を有する。例えば、反射面A1015は、70%、85%、92%,96%、またはより高い反射率を有してもよい。より滑らかな基板と、よりきめの細かい金属とによって、より高い反射率がもたらされる。滑らかな表面は、プラスチックを滑らかな壁を有する形態に成型することによって得られてもよい。含有物のない、きめの細かい金属膜は、スパッタリング、蒸発(evaporation)、イオンプレーティング、レーザアブレーション、または化学気相蒸着法を含む、いくつかの蒸着技術によって形成されてもよい。この反射型適用例のための効果的な金属としては、以下に限定されるものではないが、Al、Cr、Au、Ag、Cu、Ni、Ta、Ti、Nd、Nb、Rh、Si、Mo、および/または、その任意の合金または組み合わせが挙げられる。
【0155】
あるいは、反射面A1015は、誘電体反射鏡などの、反射鏡から形成されてもよい。誘電体反射鏡は、高い屈折率の材料と低い屈折率の材料とが交互になった誘電体薄膜のスタックとして製造される。屈折率が変化する各界面から、入射光の一部が反射される。誘電体層の厚さを、波長の、いくらかの固定された割合または倍数に制御することによって、そして、複数の平行な界面からの反射を加算することによって、98%を超える反射率を有する最終的な反射面を生成することが可能である。一部の誘電体反射鏡は、99.8%よりも大きな反射率を有する。誘電体反射鏡は、可視域内のあらかじめ指定された範囲の波長を受け入れるように、そして、あらかじめ指定された範囲の入射角を受け入れるように、カスタム設計されてもよい。誘電体膜スタック内の滑らかさを製造者が制御できる限り、これらの条件下での99%を超える反射率が可能である。スタックは、例えば、約20〜約500の膜を含んでもよい。あるいは、層A1118は吸収膜で覆われてもよく、シャッタA1112の前面は反射膜で覆われてもよい。これにより、シャッタA1112が少なくとも部分的に閉じられている場合のみ、光は、ファンネルA152を通して、見る人の方へ反射される。
【0156】
反射面A1015は、グレア対策のための拡散性をその上に提供するために、粗面化されてもよい。この粗面化は、機械的、化学的、または蒸着プロセスを含む、いくつかのプロセスのうちの任意の1つによって行われてもよい。反射面の粗面化によって、反射光が散乱させられて、さまざまな角度でファンネルA152内に入り、したがって、散乱光線A703’として、さまざまな角度で見る人の方へ向けられ、それにより、より広い視野角が作られ、鏡面反射の拡散率(ランベルト(Lambertian))が増加する。
【0157】
吸収膜A1152は、例えば、金属膜から形成されてもよい。ほとんどの金属膜は、光の一定の割合を吸収し、残りを反射する。光の吸収において効果的な、いくつかの金属合金としては、以下に限定されるものではないが、MoCr、MoW、MoTi、MoTa、TiW、およびTiCrが挙げられる。上記の合金から、またはNiおよびCrなどの単純金属から形成された、粗面を有する金属膜も、光の吸収において効果的である。そのような膜は、高いガス圧力(20ミリトール(mtorr)を超えるスパッタ雰囲気)内でのスパッタ蒸着によって生成されてもよい。粗い金属膜は、さらに、液体スプレーまたはプラズマスプレーの適用による金属粒子の散布と、それに続く、熱シンタリングステップとによって形成されてもよい。誘電体層A404などの、誘電体層が、次に、金属粒子の剥離または剥落を防止するために追加される。
【0158】
アモルファスまたは多結晶のSi、Ge、CdTe、InGaAsなどの半導体材料、コロイド黒鉛(炭素)、ならびに、SiGeなどの合金も、光の吸収において効果的である。これらの材料は、薄膜を通した光の透過を防止するために、500nmを超える厚さを有する膜内に蒸着されてもよい。以下に限定されるものではないが、CuO、NiO、Cr2O3、AgO、SnO、ZnO、TiO、Ta2O5、MoO3、CrN、TiN、またはTaNを含む、金属酸化物または窒化物も、光の吸収において効果的である。これらの酸化物または窒化物の吸収は、酸化物が非化学量論的なやり方−しばしば、スパッタリングまたは蒸発(evaporation)による−で調整または蒸着される場合、特に、蒸着プロセスによって格子内の酸素の不足がもたらされる場合に、向上する。半導体の場合と同様に、金属酸化物は、膜を通した光の透過を防止するために、500nmを超える厚さに蒸着されるべきである。
【0159】
サーメットと呼ばれる、材料のクラスも、光の吸収において効果的である。サーメットは、通常、酸化物または窒化物のマトリクス内に、小さな金属粒子が浮遊させられた、複合材料である。例としては、Cr2O3マトリクス内のCr粒子、またはSiO2マトリクス内のCr粒子が挙げられる。マトリクス内で浮遊させられるその他の金属粒子は、Ni、Ti、Au、Ag、Mo、Nb、および炭素であってもよい。その他のマトリクス材料としては、TiO2、Ta2O5、Al2O3、およびSi3N4が挙げられる。
【0160】
適切な薄膜材料間での光の相殺的干渉を利用して、多層吸収構造を作成することが可能である。代表的な実装としては、酸化物または窒化物の部分的反射層(partially reflecting layer)を、適切な反射率の金属とともに使用することが挙げられる。酸化物は、例えば、CrO2、TiO2、Al2O3、またはSiO2などの金属酸化物、あるいは、Si3N4のような窒化物であってもよく、金属は、Cr、Mo、Al、Ta、Tiなどの適切な金属であってもよい。一実装では、基板から入る光の吸収のために、金属酸化物の、10〜500nmの範囲の薄層が、最初に、基板A402の表面上に蒸着され、それに続いて、10〜500nmの厚さの金属層が蒸着される。別の実装では、基板と反対の方向から入る光の吸収のために、金属層が最初に蒸着され、続いて、金属酸化物が蒸着される。両方の場合に、二層スタックの吸収率は、酸化物層の厚さが、0.55ミクロンの4分の1を酸化物層の屈折率で割った値に実質的に等しいように選択される場合に、最適化されてもよい。
【0161】
別の実装では、金属層が基板上に蒸着され、それに続いて、計算された厚さの適切な酸化物層が蒸着される。次に、薄い金属が部分的にのみ反射するように、金属の薄層が、酸化物の上に蒸着される(0.02ミクロン未満の厚さ)。金属層からの部分的反射は、基板金属層からの反射と相殺的に干渉し、それにより、ブラックマトリクス効果を発生させる。吸収は、酸化物層の厚さが、0.55ミクロンの4分の1を酸化物層の屈折率で割った値に実質的に等しいように選択される場合に、最大化される。
【0162】
図29は、本発明の例示的実施形態による、半透過型ディスプレイの部分A2010の、部分等角断面図である。半透過型ディスプレイ装置A2010は、反射型ディスプレイ装置A10に類似しているが、半透過型ディスプレイ装置は、反射された環境光と、組み込まれたバックライトA105から放射され、透過させられた光との組み合わせから画像を形成する。半透過型ディスプレイ装置A2010は、半透過型シャッタ組立体A2102のアレイを含む、半透過型光変調アレイとともに使用されて、バックライトA105によって放射される光(例えば、一般的なバックライト光線A801)と、環境光源A107からの環境光(例えば、一般的な環境光線A802)との両方を変調して、画像を形成するために、フィルタアレイ層A111およびカバーシートA109を通して、見る人の方へ向けてもよい(図面を簡単にするために、レンズA157を含む、層A111およびシートA109の部分は、図29に示されていないことに注意されたい)。
【0163】
半透過型シャッタ組立体A2102は、図22〜図25のシャッタ組立体A102と実質的に同じ形態を取ってもよい。ただし、組立体A2102の層A2118は、反射面A2015と、反射面A2015を貫通してエッチングされた1つ以上の透過アパーチャA2018とを、露出可能な表面A2114を共同で形成するために、閉じられたシャッタA2112の位置の下に含む。約2〜約20ミクロンの寸法を有する、反射面A2015の少なくとも一部分は、閉じられたシャッタA2112の下に存続する。シャッタA2112aおよびA2112bの少なくとも前面を含む、見る人に面した、半透過型シャッタ組立体A2102の最前部層には、光吸収膜A2152がコーティングされる。したがって、シャッタA2112が閉じられている場合、ファンネルA152によって半透過型シャッタ組立体A2102上に集中させられた環境光A802は、膜A2152によって吸収される。同様に、シャッタ組立体A2112が閉じられている場合、露出可能な表面A2114内の透過アパーチャA2018を通した光の透過はブロックされる。(図29に示すように)シャッタA2112が少なくとも部分的に開かれている場合、半透過型シャッタ組立体A2102は、バックライトによって放射された光A801の少なくとも一部分が、露出可能な表面A2114内の透過アパーチャA2018を通し、ファンネルA152を通して、見る人の方へ透過することを許可することと、半透過型シャッタ組立体A2102上に集中させられた環境光A802の少なくとも一部分が、露出可能な表面A2114の、露出された反射面(1つ以上)A2015から、ファンネルA152を通して、見る人の方へ反射されることを許可することとの、両方によって、画像の形成に寄与する。露出可能な表面A2114の、露出された反射面(1つ以上)A2015の寸法が、透過アパーチャA2018に比較してより大きければ、環境光源A107からの環境光が、見る人に実質的に直接反射されるような、より鏡のような反射モードがもたらされるようになる。ただし、表面A1015に関して上述したように、反射面(1つ以上)A2015は、グレア対策のため、および、ディスプレイA2010の視野角を広くするための、拡散性をその上に提供するために、粗面化されてもよい。
【0164】
露出可能な表面A2114上の透過アパーチャA2018の間に配置された1つまたは複数の露出された反射面A2015上に、環境光A802を集中させるように設計されたファンネルA152を使用しても、環境光A802のいくらかの部分は、半透過型シャッタ組立体A2102のアパーチャA2018を通過してもよい。半透過型シャッタ組立体A2102が、光キャビティと光源とを有する空間光変調器内に組み込まれている場合、アパーチャA2018を通過する環境光A802は、光キャビティに入り、バックライトA105によって導入される光A801とともに、再循環させられる。代替の半透過型シャッタ組立体では、露出可能な表面内の透過アパーチャは、少なくとも部分的に、半反射−半透過材料を使用して満たされ、あるいは、別法として、露出可能な領域A2114の全体が、半透過半反射材料から形成されて、領域の一部が反射性および透過性として画定されたのと同じ最終的効果が達成されてもよい。
【0165】
図30は、本発明の例示的実施形態による、透過型ディスプレイ装置A3010の部分の、部分等角断面図である。ディスプレイ装置A10およびA2010と同様に、透過型ディスプレイ装置A3010は、シャッタ組立体A3102のアレイと、集光装置のアレイとを含む。以前に説明したディスプレイ装置A10およびA2010とは対照的に、ディスプレイ装置A3010では、光変調器のアレイは、集光装置のアレイと、見る人との間に配置される。透過型シャッタ組立体A3102は、バックライトA105によって放射された光(例えば、一般的なバックライト光線A901)を、見る人に向けて変調する。図面を簡単にするために、カラーフィルタ層A111およびカバーシートA109は、図30に示されていないことに注意されたい。フィルタA111は、ディスプレイ装置A3010内の、バックライトと、ディスプレイ装置A3010の前面との間の、任意の場所に配置されてもよい。
【0166】
透過型シャッタ組立体A3102は、図22〜図25のシャッタ組立体A102と実質的に同じ形態を取ってもよい。ただし、組立体A3102の層A3118は、露出可能な表面A3114を形成するために、閉じられたシャッタA3112の位置の下に、透過面A3018を含む。シャッタA3112aおよびA3112bの少なくとも前面を含む、見る人に面した、透過型シャッタ組立体A3102の最前部層には、光吸収膜A3152がコーティングされる。したがって、シャッタA3112が閉じられている場合、環境光A902は、膜A3152によって吸収され、見る人の方へは反射されない。(図30に示すように)シャッタA3112が少なくとも部分的に開かれている場合、透過型シャッタ組立体A3102は、バックライト光線A901の少なくとも一部分が、透過面A3018(すなわち、露出可能な表面A3114)を通して、見る人の方へ透過することを許可することによって、画像の形成に寄与する。バックライトからの迷光が、変調されずに光変調層を通過することができないように、透過アパーチャA3114の周囲に、追加の遮光領域が適用されてもよい。
【0167】
図示されているように、バックライト光線A901を、第1の光開口部A156から入れ、第2の光開口部A154を通して、透過シャッタ組立体A3102の透過領域(すなわち、露出可能な表面A3114の透過面A3108)上に集中させるための、集光アレイA150のファンネルA152が、シャッタ組立体A3102とバックライトA105との間に提供される。したがって、ディスプレイ装置A3010内で、透過型シャッタ組立体A3102のアレイを、ファンネルA152のそのような構成とともに使用することによって、ディスプレイ装置の変調面(すなわち、露出可能な表面A3114)上に集中させられる、バックライトA105からの画像形成光(すなわち、バックライト光線A901)の割合が増加する。光ファンネルA152のアレイは、さらに、バックライト内での光の再循環を提供するための、バックライトのための前部反射層として働いてもよく、それにより、別個の反射層の必要性をなくしてもよい。表面A3114に達するための伝導性を有さない角度でファンネルに入った光は、出るための伝導性を有する角度に達するような時まで、再循環のために、光ファンネルからバックライト内に反射される。
【0168】
ディスプレイのコントラスト比を最大にするために、利用可能な画像形成光を光変調器のアレイ上に集中させるための、本発明の集光アレイを利用した、ディスプレイのための装置および方法は、反射型光ファンネル(例えば、ファンネルA152)のアレイを利用するものとして説明したが、本発明は、さらに、その他のタイプの光学要素(すなわち、ファンネル以外)の集光アレイを利用した、ディスプレイのための装置および方法にも関することに注意されたい。これは、例えば、以前に説明したディスプレイ装置実施形態で、各反射型光ファンネルA152を、高Fナンバー(高開口数の)レンズに置き換えることによって達成されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態によれば、図23に示すレンズA157に類似した高開口レンズが、アレイA150内の円錐A152なしで利用されてもよい。さらに、本明細書で説明した多くの実装では、レンズA157と光ファンネルA152との両方の利用が開示されているが、多くの実装において、レンズは任意選択である。
【0169】
当業者は、本明細書に記載した実施形態および実施の多くの均等物を、認識するであろうし、あるいは、単なる日常的な実験を使用することによって把握可能であろう。したがって、本発明は、本明細書に記載した実施形態に限定されるものではなく、法律の下で許される限り広く解釈されるべきである、特許請求の範囲から理解されるべきである。
【0170】
本発明は、その精神または本質的特性から逸脱することなしに、他の特定の形態内で実施されてもよい。前述の実施形態は、したがって、本発明を限定するものではなく、すべての点で例示的であると見なされるべきである。
【技術分野】
【0001】
一般に、本発明は、空間光変調の分野に関し、特に、改良されたバックライトを有するディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
機械的光変調器から構築されたディスプレイは、液晶技術に基づくディスプレイの、魅力的な代替選択肢である。機械的光変調器は、映像コンテンツを、良好な視野角と、広範なカラーおよびグレースケールとを伴って表示するために十分高速である。機械的光変調器は、投写型ディスプレイの適用例において成功を収めてきた。機械的光変調器を使用するバックライト付きディスプレイが、輝度と低電力との十分に魅力的な組み合わせであることはまだ示されていない。透過モードで動作させられる場合、10〜20%の範囲内の開口率を有する、多くの機械的光変調器は、バックライトからの利用可能な光のうちの10〜20%を、画像の生成のために、見る人へ提供することができるのみである。メカニカルアパーチャをカラーフィルタと組み合わせた場合、光学的効率は約5%に、すなわち、現在のカラー液晶ディスプレイで得られる効率と変わらない値に減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
向上した発光効率を有する、低電力のディスプレイが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載する装置および方法は、改良された発光効率を有する機械的光変調器を提供し、メカニカルアクチュエータを、携帯型および大面積ディスプレイにおける使用のために魅力的にする。場合によっては、バックライトに結合された機械的変調器の透過率または光学的効率は、40〜60%のレベルまで、あるいは、液晶ディスプレイにおいて典型的である値よりも10倍効率的に、改良される可能性がある。さらに、本明細書に記載する装置および方法は、ディスプレイの輝度を向上し、ディスプレイ適用例における所要電力を減らすために、光変調機構に関係なく、小型の高解像度ディスプレイ内に組み込まれることが可能である。
本明細書に記載する光変調器は、明るく、かつ低電力でありうる携帯型ビデオディスプレイを可能にする。光変調器は、カラーフィルタに依拠する代わりに、タイムシーケンシャルカラー技術(time sequential color techniques)を使用してカラー画像を提供するために、十分高速に切り換えられることが可能である。ディスプレイは、メカニカルシャッタ組立体と、アレイのアドレス指定のために必要な電気的接続との両方を形成するための、わずか3つの機能層を使用して構築されてもよい。
【0005】
一態様では、本発明は、第1の反射面と第2の反射面とを含む、空間光変調器に関する。第1の反射面は、アパーチャ、フィルタ、または液晶成分などの、いくつかの光透過領域を画定する。第2の反射面は、第1の反射面に少なくとも部分的に面し、第1の反射面によって画定される光透過領域の方へ光を反射する。反射面は、反射鏡、誘電体反射鏡、または機能性薄膜であってもよい。一実施形態では、第1の反射面は、第2の反射面に平行、または実質的に平行である。別の実施形態では、反射面は、少なくとも部分的に相互に交差する。第1の反射面と第2の反射面との間の空間は、実質的に透明な光キャビティの領域を画定する。
【0006】
一実施形態では、空間光変調器は、光透過領域を選択的に遮るための、光変調器のアレイを含む。遮ることは、以下に限定されるものではないが、部分的にまたは完全に、光をブロックすること、反射すること、偏向させること、吸収すること、あるいはその他の方法で、光が空間光変調器の意図された見る人に到達するのを妨げることを含んでもよい。一実施形態では、光変調器のアレイは、第1の反射面を含む。光変調器のアレイ内の光変調要素の1つの特徴は、それらが個別に制御可能であるということである。一実施形態では、光変調要素は、MEMSベースのシャッタ組立体であってもよく、任意選択で、双安定な、または変形可能なシャッタであってもよい。シャッタ組立体は、一実装では、1つの方向からシャッタに当たる光を吸収するために第1の膜を使用してコーティングされ、そして、別の方向からシャッタに当たる光を反射するために第2の膜を使用してコーティングされた、シャッタを含む。一実施形態では、シャッタは、1つの位置では、対応する光透過領域を光が通過するのをシャッタが実質的に妨げ、第2の位置では、光透過領域を光が通過するのをシャッタが許可するように、平面内を移動する。別の実施形態では、シャッタは、それらが含まれるシャッタ組立体のアレイによって画定される平面から、少なくとも部分的に、離れて移動する。実質的に平面内にある間、シャッタは、対応する光透過領域を光が通過するのを妨げる。実質的に平面から離れている間、シャッタは、光透過領域を光が通過するのを許可する。別の実施形態では、光変調器のアレイは、複数の液晶セルを含む。
【0007】
別の実施形態では、空間光変調器は、光キャビティ全体にわたって光を分散させるための光ガイドを含む。反射面は、光ガイドの前面および後面上に直接配置されてもよい。あるいは、前部反射面は、光変調器のアレイが上に配置される別個の基板上に配置されてもよい。同様に、第2の反射面は、光ガイドの後ろ側に直接結合されてもよく、または、第3の面に取り付けられてもよい。
【0008】
光変調器のアレイが上に形成される基板は、透明または不透明であってもよい。不透明基板の場合、アパーチャは、光透過領域を形成するために、基板を貫通してエッチングされる。基板は、光ガイドに直接結合されてもよく、または、1つ以上のスペーサまたは支持体を使用して光ガイドから隔てられてもよい。さらなる実施形態では、空間光変調器は、拡散体または輝度強化膜を含む。空間光変調器は、さらに、発光ダイオードなどの光源を含んでもよい。
【0009】
別の態様では、本発明は、画像を形成する方法に関する。方法は、反射型光キャビティ内に光を導入するステップを含む。反射型キャビティは、複数の光透過領域を含み、その光透過領域を通して、光は反射型光キャビティから脱出することが可能である。方法は、さらに、導入された光が、光透過領域のうちの少なくとも1つを通して、反射型光キャビティから脱出することを許可することによって、画像を形成するステップを含む。一実施形態では、光の脱出は、光透過領域を光が通過するのを妨げるか、または光が通過するのを許可する、光変調器のアレイによって調節される。別の実施形態では、方法は、複数の異なるカラー光源を交互に照射することによって、カラー画像を形成するステップを含む。さらなる実施形態では、方法は、遮られていない光透過領域に当たる環境光の少なくとも一部分を反射するステップを含む。
【0010】
さらに別の態様では、本発明は、空間光変調器を製造する方法に関し、第1および第2の対向する側を有する、内部に光が導入されることが可能な、実質的に透明なキャビティを形成するステップを含む。方法は、さらに、第1の反射面を、透明キャビティの第1の側に、第1の反射面が透明キャビティの内部に面するように結合するステップを含む。複数の光透過領域が、第1の反射面内に形成される。さらに、方法は、第2の反射面を、透明キャビティの第2の側に、第2の反射面が透明キャビティの内部に面するように結合するステップを含む。
【0011】
別の態様では、本発明は、環境光を受け入れ、そして、少なくとも1つの基板上に形成されたシャッタを、受け入れた環境光を選択的に反射して画像を形成するように配置することによって、画像を形成する方法に関する。
【0012】
本発明の目的は、ディスプレイのコントラスト比および輝度を増加させるために、機械的光変調器の表面上に、または機械的光変調器の表面を通して光を集中させるための、集光装置のアレイを利用する、ディスプレイのための装置および方法を提供することである。
【0013】
一態様では、本発明は、見る人に画像を表示するためのディスプレイに関する。ディスプレイは、光変調器のアレイと、光変調器のアレイと見る人との間に配置された反射型光ファンネルのアレイとを含む。反射型光ファンネルのアレイは、光変調器のアレイ内の光変調器のうちの各1つの上に、光を集中させる。一実施形態では、光変調器のアレイは、画像を表示するために、見る人の方へ光を選択的に反射させる。別の実施形態では、光変調器のアレイは、画像を表示するために、見る人の方への光を選択的に変調する。
【0014】
別の態様では、本発明は、反射型または透過型光変調器のアレイを形成することによって、ディスプレイを製造する方法に関する。方法は、さらに、実質的に透明な材料のシート内に凹部のアレイを形成することによって、反射型光ファンネルのアレイを形成するステップを含む。各凹部は、上部と、下部と、壁とを有する。反射型光ファンネルのアレイを形成するステップは、さらに、凹部の壁上に反射膜を蒸着し、そして、凹部の下部における光開口部を、凹部の上部の直径よりも小さな直径をその光開口部が有するように形成するステップを含む。あるいは、反射型光ファンネルのアレイは、透明材料内にファンネル形状の物体のアレイを形成し、ファンネル形状の物体の壁の外側に反射膜を使用してコーティングすることによって形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
システムおよび方法は、以下の図面を参照することにより、以下の例示的説明から、より良く理解することができる。
【図1A】本発明の例示的実施形態による、光変調器のアレイの等角投影概念図である。
【図1B】本発明の例示的実施形態による、図1Aの光変調器のアレイ内に含まれるシャッタ組立体の断面図である。
【図1C】本発明の例示的実施形態による、図1Bのシャッタ組立体のシャッタ層の等角図である。
【図1D】図1Aの光変調アレイなどの、光変調アレイのさまざまな機能層の上面図である。
【図2】本発明の例示的実施形態による、空間光変調器内で使用するための光キャビティの断面図である。
【図3A】本発明の例示的実施形態による、代替のシャッタ組立体設計の断面図である。
【図3B】本発明の例示的実施形態による、代替のシャッタ組立体設計の断面図である。
【図3C】本発明の例示的実施形態による、代替のシャッタ組立体設計の断面図である。
【図3D】本発明の例示的実施形態による、代替のシャッタ組立体設計の断面図である。
【図4】本発明の例示的実施形態による、第1のコーティングされたシャッタを有するシャッタ組立体の断面図である。
【図5】本発明の例示的実施形態による、第2のコーティングされたシャッタを有するシャッタ組立体の断面図である。
【図6】本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、弾性アクチュエータを有するシャッタ組立体の断面図である。
【図7】本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、変形シャッタを有するシャッタ組立体の断面図である。
【図8A】本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、不透明基板上に構築されたシャッタ組立体の断面図である。
【図8B】本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、不透明基板上に構築されたシャッタ組立体の断面図である。
【図9】本発明の例示的実施形態による、液晶ベースの空間光変調器の断面図である。
【図10】本発明の例示的実施形態による、第1のシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図11】本発明の例示的実施形態による、第2のシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図12A】本発明の実施形態による、第3、第4、第5、および第6の例示的なシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図12B】本発明の実施形態による、第3、第4、第5、および第6の例示的なシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図12C】本発明の実施形態による、第3、第4、第5、および第6の例示的なシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図12D】本発明の実施形態による、第3、第4、第5、および第6の例示的なシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図13】本発明の例示的実施形態による、第7のシャッタベースの空間光変調器の断面図である。
【図14A】本発明の例示的実施形態による、2つの追加の空間光変調器の断面図である。
【図14B】本発明の例示的実施形態による、2つの追加の空間光変調器の断面図である。
【図15】本発明の例示的実施形態による、追加のシャッタ組立体の断面図である。
【図16】本発明の例示的実施形態による、さらなる空間光変調器の断面図である。
【図17】本発明の実施形態による、例示的な半透過型シャッタ組立体である。
【図18】本発明の実施形態による、第2の例示的な半透過型シャッタ組立体である。
【図19】本発明の例示的実施形態による、前部反射型シャッタ組立体の断面図である。
【図20】本発明の例示的実施形態による、光変調アレイのアレイから形成される、より大きな規模のディスプレイの等角図である。
【図21A】ピクセルのアレイをアドレス指定するために、ディスプレイ装置100内に含めるのに適した、アクティブ制御マトリクス2100の概略図である。
【図21B】図21Aの制御マトリクスを含む、ピクセルのアレイの部分の等角図である。
【図22】本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置の概念等角図である。
【図23】本発明の例示的実施形態による、図22のディスプレイ装置の、個々のシャッタおよびピクセル組立体の部分断面図である。
【図24A】本発明の例示的実施形態による、さまざまな作動状態における、図22および図23のディスプレイ装置のシャッタ層の上面図である。
【図24B】本発明の例示的実施形態による、さまざまな作動状態における、図22および図23のディスプレイ装置のシャッタ層の上面図である。
【図25】本発明の例示的実施形態による、ディスプレイ装置内にシャッタ組立体を配置するための概念タイリング図を示す、図22〜図24Bのディスプレイ装置のシャッタ層の、図22の等角図に類似した、等角図である。
【図26A】本発明の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図26B】本発明の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図26C】本発明の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図26D】本発明の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図27A】本発明の別の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図27B】本発明の別の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図27C】本発明の別の例示的実施形態による、さまざまな製造段階における、図22〜図25のディスプレイ装置の集光子アレイ層の部分断面図である。
【図28】本発明の例示的実施形態による、図22〜図27Cのディスプレイ装置の、個々のシャッタおよびピクセル組立体の部分等角断面図である。
【図29】本発明の例示的実施形態による、半透過型ディスプレイとして実装された、図22〜図28のディスプレイ装置の、個々のシャッタおよびピクセル組立体の部分等角断面図である。
【図30】本発明の例示的実施形態による、透過型ディスプレイとして実装された、図22〜図28のディスプレイ装置の、個々のシャッタおよびピクセル組立体の部分等角断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の全体的な理解を提供するために、ここで、光を空間的に変調するための装置および方法を含む、特定の例示的実施形態を説明する。ただし、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、扱われる適用例にとって適切なように適合および修正されてもよいということと、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、他の適切な適用例の中で使用されてもよいということと、そのような他の追加および修正は、本明細書の範囲を逸脱するものではないということが、当業者によって理解されるであろう。
【0017】
図1Aは、本発明の例示的実施形態による、光変調器のアレイ100(「光変調アレイ100」とも呼ばれる)の等角投影概念図である。光変調アレイ100は、行および列内に配置された複数のシャッタ組立体102a〜102d(一般に「シャッタ組立体102」)を含む。一般に、シャッタ組立体102は、開および閉という、2つの状態を有する(ただし、グレースケールを伝えるために、部分的な開きが使用されてもよい)。シャッタ組立体102aおよび102dは、開状態になっており、光の通過を許可している。シャッタ組立体102bおよび102cは、閉状態になっており、光の通過を妨げている。シャッタ組立体102a〜102dの状態を選択的に設定することにより、光変調アレイ100は、ランプ105によって照射される、投射型またはバックライト付きディスプレイで画像104を形成するために利用されてもよい。光変調アレイ100内の、各シャッタ組立体は、画像104内のピクセル106に対応している。代替の実装では、光変調アレイは、各ピクセルについて、3つの色固有シャッタ組立体を含む。ピクセルに対応する色固有シャッタ組立体のうちの1つ以上を選択的に開くことによって、シャッタ組立体は、画像内にカラーピクセルを生成してもよい。
【0018】
各シャッタ組立体102の状態は、パッシブマトリクスアドレス指定方式を使用して制御されてもよい。各シャッタ組立体102は、列電極108と、2つの行電極110a(「行開電極(row open electrode)」)および110b(「行閉電極(row close electrode)」)とによって制御される。光変調アレイ100内で、所与の列内のすべてのシャッタ組立体102は、1つの列電極108を共有する。行内のすべてのシャッタ組立体は、共通の行開電極110aおよび共通の行閉電極110bを共有する。アクティブマトリクスアドレス指定方式もまた可能である。(薄膜トランジスタアレイによってピクセルおよびスイッチングの電圧が制御される)アクティブマトリクスアドレス指定は、印加された電圧が、ビデオフレームの周期全体を通して安定したやり方で維持される必要がある状況において有用である。アクティブマトリクスアドレス指定を使用した実装は、ピクセルにつき1つのみの行電極を使用して構築されることが可能である。
【0019】
パッシブマトリクスアドレス指定方式では、シャッタ組立体102の状態を閉状態から開状態に変えるためには、すなわち、シャッタ組立体102を開くためには、光変調アレイ100は、シャッタ組立体102が配置されている光変調アレイ100の列に対応する列電極108に電位を印加し、そして、シャッタ組立体102が配置されている光変調アレイ100内の行に対応する行開電極110aに、場合によっては反対の極性を有する、第2の電位を印加する。シャッタ組立体102の状態を開状態から閉状態に変えるためには、すなわち、シャッタ組立体102を閉じるためには、光変調アレイ100は、シャッタ組立体102が配置されている光変調アレイ100の列に対応する列電極108に電位を印加し、そして、シャッタ組立体102が配置されている光変調アレイ100内の行に対応する行閉電極110bに、場合によっては反対の極性を有する、第2の電位を印加する。一実装では、シャッタ組立体は、所定のスイッチングしきい値を超える、列電極と、行電極110aまたは110bのうちの1つとに印加される電位の差に応じて状態を変える。
【0020】
画像を形成するためには、一実装では、光変調アレイ100は、各シャッタ組立体102の状態を、一度に一行ずつ、順番に設定する。所与の行について、光変調アレイ100は、最初に、対応する行閉電極110bに電位を印加し、すべての列電極108に電位のパルスを印加することによって、行内の各シャッタ組立体102を閉じる。次に、光変調アレイ100は、行開電極110aに電位を印加し、行内の開かれるべきシャッタ組立体を含む列についての列電極108に電位を印加することによって、光を通過させるべきであるシャッタ組立体102を開く。1つの代替の動作モードでは、シャッタ組立体102の各行を順次閉じる代わりに、光変調アレイ100内のすべての行が、画像104を形成するための適切な位置に設定された後で、光変調アレイ100は、すべての行閉電極110bおよびすべての列電極108に一斉に電位を印加することによって、すべてのシャッタ組立体102を同時に、全体的にリセットする。別の代替の動作モードでは、光変調アレイ100は、シャッタ組立体102のリセットをなしで済ませて、後続の画像104を表示するために状態を変える必要があるシャッタ組立体102の状態のみを変更する。
【0021】
列電極108と、行電極110aおよび110bとに加えて、各シャッタ組立体は、シャッタ112と、アパーチャ114とを含む。画像104内のピクセル106を照明するためには、シャッタは、光が、見る人に向けて、大きな障害は何もなしに、アパーチャ114を通過することを許可するように配置される。ピクセルを点灯されていないままにするためには、シャッタ112は、アパーチャ114を通した光の通過を妨げるように配置される。アパーチャ114は、各シャッタ組立体内の、列電極108などの反射性材料を貫通してエッチングされた領域によって画定される。アパーチャ114は、誘電体材料によって満たされてもよい。
【0022】
図1Bは、シャッタ組立体102の追加の特徴を示す、図1Aのシャッタ組立体102のうちの1つの断面図(図1D内の、以下の線A−A’を参照)である。図1Aおよび図1Bを参照すると、シャッタ組立体102は、光変調アレイ100の他のシャッタ組立体102と共有される、基板116上に構築される。基板116は、最大約2000行および最大約2000列内に配置された、4,000,000ものシャッタ組立体を支持してもよい。
【0023】
上述のように、シャッタ組立体102は、列電極108と、行開電極110aと、行閉電極110bと、シャッタ112と、アパーチャ114とを含む。列電極108は、基板116上に蒸着された、反射性金属の実質的に連続的な層である、列金属層(column metal layer)118から形成される。列金属層118は、光変調アレイ100内のシャッタ組立体102の列についての、列電極108として働く。列金属層118の連続性は、1つの列電極108を、光変調アレイ100の他の列内のシャッタ組立体102の列電極108から、電気的に絶縁するために中断される。上記のとおり、各シャッタ組立体102は、光透過領域を形成するために列金属層118を貫通してエッチングされた、アパーチャ114を含む。
【0024】
シャッタ組立体は、誘電体材料または金属の、1つ以上の間にはさまれた層によって、列金属層118から隔てられた、行金属層(row metal layer)120を含む。行金属層120は、光変調アレイ100内のシャッタ組立体102の行によって共有される、2つの行電極110aおよび110bを形成する。行金属層120は、さらに、列金属層118内の、アパーチャ114の上以外のギャップを通過する光を反射する働きをする。列金属層および行金属層の厚さは、約0.1〜約0.2ミクロンである。(以下で説明する)図1Dに示すような、代替の実装では、シャッタ組立体102内で、行金属層120は、列金属層118の下に配置されてもよい。
【0025】
シャッタ組立体102は、シャッタ112を含む、シャッタ層122と呼ばれる第3の機能層を含む。シャッタ層122は、金属または半導体から形成されてもよい。金属または半導体ビア124が、列金属層118と、行金属層120の行電極110aおよび110bとを、シャッタ層122上のフィーチャに電気的に接続する。シャッタ層122は、潤滑剤、真空、または空気によって行金属層120から隔てられ、それにより、シャッタ112に動きの自由が提供される。
【0026】
図1Cは、本発明の例示的実施形態による、シャッタ層122の等角図である。図1Bおよび図1Cの両方を参照すると、シャッタ層122は、シャッタ112に加えて、4つのシャッタアンカー126と、2つの行アンカー128aおよび128bと、それぞれが2つの対向するコンプライアントビームからなる、2つのアクチュエータ130aおよび130bとを含む。シャッタ112は、遮断部分132と、任意選択で、図1Cに示すような、シャッタアパーチャ134とを含む。開状態では、シャッタ112がアパーチャ114から離れているか、またはシャッタアパーチャ134がアパーチャ134の上に配置されており、それにより、光がシャッタ組立体102を通過することが許可される。閉状態では、遮断部分132がアパーチャの上に配置されており、シャッタ組立体102を通した光の通過が妨げられる。代替の実装では、シャッタ組立体102は追加のアパーチャ114を含んでもよく、シャッタ112は複数のシャッタアパーチャ134を含んでもよい。例えば、シャッタ112は、一連の狭いスロットを有するシャッタアパーチャ134を使用して設計されてもよく、シャッタアパーチャ134の総面積は、図1Cに示す1つのシャッタアパーチャ134の面積と等しくてもよい。そのような実装では、開状態と閉状態との間で動くために、シャッタに要求される移動は、大幅に減らされてもよい。
【0027】
各アクチュエータ130aおよび130bは、2つの対向するコンプライアントビームから形成される。コンプライアントビームの第1のペアである、シャッタアクチュエータビーム135は、シャッタ112の各端を、シャッタ組立体102の各隅に配置されたシャッタアンカー126に、物理的および電気的に接続する。シャッタアンカー126は、さらに、列金属層118に電気的に接続される。コンプライアントビームの第2のペアである、行アクチュエータビーム136aおよび136bは、行アンカー128aおよび128bのそれぞれから伸びる。行アンカー128aは、ビアを介して、行開電極110aに電気的に接続される。行アンカー128bは、ビアを介して、行閉電極110bに電気的に接続される。シャッタアクチュエータビーム135と行アクチュエータビーム136aおよび136bと(総称して「アクチュエータビーム135および136」)は、Au、Cr、またはNiなどの蒸着された金属から、または、多結晶シリコン、またはアモルファスシリコンなどの蒸着された半導体から、または、埋め込み酸化物の上に形成される場合は、単結晶シリコン(シリコンオンインシュレータとしても知られている)から形成される。アクチュエータビーム135および136は、アクチュエータビーム135および136がコンプライアントであるように、幅約1〜約20ミクロンの寸法にパターニングされる。
【0028】
図1Dは、本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ100’のさまざまな機能層の上面図である。光変調アレイ100’は、さまざまな完成段階における12のシャッタ組立体102’a〜102’lを含む。シャッタ組立体102’aおよび102’bは、光変調アレイ100’の列金属層118’のみを含む。シャッタ組立体102’c〜102’fは、光変調アレイ100’の行金属層120’(すなわち、行開電極および行閉電極)のみを含む。シャッタ組立体102’gおよび102’hは、列金属層118’および行金属層120’を含む。図1Bのシャッタ組立体102とは対照的に、列金属層118’は、行金属層120’の上に蒸着される。シャッタ組立体102’i〜lは、シャッタ組立体102’の3つの機能層である、行金属層120’と、列金属層118’と、シャッタ金属層122’とをすべて示す。シャッタ組立体102’iおよび102’kは、閉じられており、これは、シャッタ組立体102’iおよび102’k内に含まれるシャッタアパーチャ134’を通して、列金属層118’が見えることによって示されている。シャッタ組立体102’jおよび102’lは、開状態にあり、これは、シャッタアパーチャ134’内で、列金属層118’内のアパーチャ114’が見えることによって示されている。
【0029】
他の代替実施形態では、シャッタ組立体は、ピクセルにつき、(例えば、1〜10の)複数のアパーチャと、対応するシャッタおよびアクチュエータとを含んでもよい。このシャッタ組立体の状態を変更する際の、作動させられるアクチュエータの数は、印加されるスイッチング電圧に依存してもよく、あるいは、スイッチング電圧の受け入れのために選択される行および列電極の特定の組み合わせに依存してもよい。最小および最大のスイッチング電圧の間の途中のスイッチング電圧を提供することによって、アナログ形式でアパーチャの部分的な開きが可能にされる実装も可能である。これらの代替の実装は、グレースケールを生成する改良された手段を提供する。
【0030】
シャッタ組立体102の作動に関しては、シャッタ組立体102の列電極108への電位の印加に応じて、シャッタアンカー126と、シャッタ112と、シャッタアクチュエータビーム135とが、印加された電位によって、同様に付勢される。行電極110aまたは110bのうちの1つに電圧印加する際には、対応する行アンカー128aまたは128bと、対応する行アクチュエータビーム136aまたは136bも電圧が印加される。結果としてもたらされる、行アクチュエータビーム136aおよび136bと、その対向するシャッタアクチュエータビーム135との間の電位差が、所定のスイッチングしきい値を超えた場合、行アクチュエータビーム136aまたは136bは、その対向するシャッタアクチュエータビーム135を引き寄せ、それにより、シャッタ組立体102の状態を変える。
【0031】
アクチュエータビーム135および136が相互に引き寄せられるにつれて、それらは曲がるか、または形状を変える。アクチュエータビーム135および136の各ペア(すなわち、行アクチュエータビーム134aまたは134bと、その対向するシャッタアクチュエータビーム135)は、平行な形状または曲率を有して相互に引き寄せられるか、または、それらの曲率に反対の符号を有して、安定したやり方で離れたまま維持されるかの、2つの交互の、安定した形態の曲率のうちの1つを有することが可能である。したがって、各ペアは、機械的に双安定である。アクチュエータビーム135および136の各ペアは、1つはシャッタ112が「開」位置、そして第2はシャッタ112が「閉」位置の、2つの位置において安定である。アクチュエータビーム135および136が安定位置のうちの1つに到達したら、シャッタ112をその安定位置に維持するために、列電極108にも、行電極110aまたは110bのいずれにも、いかなる電力も、いかなる印加電圧も印加される必要はない。シャッタ112を安定位置の外に移動させるには、所定のしきい値を超える電圧が印加される必要がある。
【0032】
シャッタ組立体102の開および閉位置の両方がエネルギー的に安定ではあるとはいえ、一方の安定位置は、もう一方の安定位置よりも低いエネルギー状態を有してもよい。一実装では、シャッタ組立体102は、閉位置が、開位置よりも低いエネルギー状態を有するように設計される。すべて黒の画像にも対応する、その最低の応力状態にアレイ全体を戻すためには、したがって、任意のまたはすべてのピクセルに、低いエネルギーのリセットパルスが印加されてもよい。
【0033】
光変調アレイ100およびその構成要素のシャッタ組立体102は、リソグラフィ、エッチング技術(ウェットケミカル、ドライ、およびフォトレジスト除去など)、シリコンの熱酸化、電気めっきおよび無電界めっき、拡散プロセス(ホウ素、リン、ヒ素、およびアンチモンの拡散など)、イオン打ち込み、膜蒸着(蒸発(evaporation)(フィラメント、電子ビーム、フラッシュ、シャドウイング、およびステップカバレージ)、スパッタリング、化学気相蒸着法(CVD)、エピタキシ(気相、液層、および分子線)、電気めっき、スクリーン印刷、およびラミネーションなど)を含む、当業界で周知の標準的なマイクロマシニング技術を使用して形成される。概要については、Jaeger著、Introduction to Microelectronic Fabrication(Addison−Wesley Publishing Co.、Reading Mass. 1988)と、Runyanら著、Semiconductor Integrated Circuit Processing Technology(Addison−Wesley Publishing Co.、Reading Mass. 1990)と、Proceedings of the IEEE Micro Electro Mechanical Systems Conference、1987〜1998と、Rai−Choudhury編、Handbook of Microlithography, Micromachining & Microfabrication(SPIE Optical Engineering Press、Bellingham、Wash. 1997)とを参照されたい。
【0034】
より詳細には、(通常は、金属と誘電体とが交互になった)複数の材料層が、基板の上に蒸着されて、スタックを形成する。1つ以上の材料層がスタックに追加された後で、スタックから除去されるべき、またはスタック上に残るべき材料を示すパターンが、スタックの一番上の層に適用される。ウェットおよび/またはドライエッチを含む、さまざまなエッチング技術が、次に、不要な材料を除去するために、パターン付きスタックに適用される。エッチの化学的性質、スタック内の層、およびエッチが適用される時間の長さに基づいて、エッチプロセスは、スタックの1つ以上の層から材料を除去してもよい。製造プロセスは、層形成、パターニング、およびエッチングの、複数回の繰り返しを含んでもよい。
【0035】
プロセスは、さらに、解除ステップを含む。結果としてもたらされる装置内で部品が移動するための自由度を提供するために、犠牲層が、スタック内の、完成した装置内の移動部品を形成する材料に隣接して、間に配置される。エッチによって、犠牲材料のほとんどが除去され、それにより、部品は自由に移動できるようになる。
【0036】
解除の後は、移動部品間で接触時に電荷が移動しないように、移動するシャッタの表面が絶縁される。これは、Al2O3、Cr2O3、TiO2、HfO2、V2O5、Nb2O5、Ta2O5、SiO2、またはSi3N4などの絶縁体の、熱酸化および/またはコンフォーマル化学気相蒸着法によって、あるいは、同様の材料を、原子層蒸着などの技術を使用して蒸着することによって達成されてもよい。絶縁された表面は、接触している表面間の摩擦(スティクション)などの問題を防ぐために、絶縁された表面のフッ素化または水素化などの化学転化プロセスによって、化学的に保護される。
【0037】
図2は、本発明の例示的実施形態による、空間光変調器内で使用するための光キャビティ200の断面である。光キャビティ200は、前部反射面202と後部反射面204とを含む。前部反射面202は、光透過領域206のアレイを含み、光透過領域206を通して、光208は、光キャビティ200を脱出することが可能である。光208は、1つ以上の光源210から光キャビティ200に入る。光206は、光透過領域206のうちの1つを通して反射されるまで、前部および後部反射面202および204の間で反射される。追加の反射面が、光キャビティ200の側面に沿って追加されてもよい。
【0038】
前部および後部反射面202および204は、一実装では、ガラスまたはプラスチック基板上に、金属または半導体を蒸着することによって形成される。他の実装では、反射面202および204は、基板上に積み重ねられる一連の薄膜のうちの1つとして蒸着される誘電体膜の上に、金属または半導体を蒸着することによって形成される。反射面202および204は、約50%を超える反射率を有する。例えば、反射面202および204は、70%、85%、96%、またはそれよりも高い反射率を有してもよい。
【0039】
より滑らかな基板と、よりきめの細かい金属とによって、より高い反射率がもたらされる。滑らかな表面は、ガラス基板を研磨することによって、またはプラスチックを滑らかな壁を有する形態に成型することによって得られてもよい。あるいは、ガラスまたはプラスチックは、液体/空気界面の静置(settling)によって滑らかな表面が形成されるように、注型されてもよい。含有物のない、きめの細かい金属膜は、スパッタリング、蒸発(evaporation)、イオンプレーティング、レーザアブレーション、または化学気相蒸着法を含む、いくつかの蒸着技術によって形成されてもよい。この反射型適用例のための効果的な金属としては、以下に限定されるものではないが、Al、Cr、Au、Ag、Cu、Ni、Ta、Ti、Nd、Nb、Si、Mo、および/またはその合金が挙げられる。
【0040】
あるいは、反射面は、光キャビティ200内の光ガイドと、その上に蒸着される一連の薄膜のうちのいずれかとの間に、低い屈折率の誘電体材料を介在させることによって形成されてもよい。光ガイドと薄膜との間の屈折率の変化は、光ガイド内での内部全反射の条件をもたらし、それにより、十分に低い入射角の入射光は、ほぼ100%の効率で反射されてもよい。
【0041】
代替案では、反射面202および204は、誘電体反射鏡などの、反射鏡から形成されてもよい。誘電体反射鏡は、高い屈折率の材料と低い屈折率の材料とが交互になった誘電体薄膜のスタックとして製造される。屈折率が変化する各界面から、入射光の一部が反射される。誘電体層の厚さを、波長の、いくらかの固定された割合または倍数に制御することによって、そして、複数の平行な界面からの反射を加算することによって、98%を超える反射率を有する最終的な反射面を生成することが可能である。一部の誘電体反射鏡は、99.8%よりも大きな反射率を有する。誘電体反射鏡は、可視域内のあらかじめ指定された範囲の波長を受け入れるように、そして、あらかじめ指定された範囲の入射角を受け入れるように、カスタム設計されてもよい。誘電体膜スタック内の滑らかさを製造者が制御できる限り、これらの条件下での99%を超える反射率が可能である。スタックは、約20〜約500の膜を含んでもよい。
【0042】
別の代替案では、第1および第2の反射面202および204は、別個の構成要素として、光キャビティ200内に含まれる。研磨されたステンレス鋼またはアルミニウムの薄板は、この目的のために十分であってもよい。さらに、プラスチックの連続シートまたはロールの表面上に、反射性金属面または誘電体反射鏡を生成することも可能である。反射性プラスチックのシートは、次に、光キャビティ200内の他の構成要素に取り付けまたは付着されてもよい。
【0043】
光透過領域206は、ピクセルを形成するためにアレイ状に配置され、ピクセルから画像が形成される。例示的実施形態では、光透過領域206は、約100〜約350ミクロンの間隔をおいて配置される。光透過領域は、長円形または長方形の形状で、大きい方の寸法は約50〜約300ミクロン、狭い方の寸法は2〜100ミクロンであるが、他の形状およびサイズが適していてもよい。投射型ディスプレイの場合、ピッチはわずか20ミクロンであってもよく、アパーチャ幅はわずか5ミクロンであってもよい。光透過領域206によって占められる前部反射面202の面積と、前部反射面202の総面積との間の比率は、本明細書では、透過比率(transmissiveness ratio)と呼ばれる。光キャビティ200の例示的実装は、約5%〜約50%の透過比率を有する。通常、そのような低い透過比率を有する空間光変調器は、使用可能な画像を形成するには不十分な光しか放射しない。光キャビティ200からのより大きな光208の放射を確実にするために、前部および後部反射面202および204は、反射された光208が光透過領域206を通過するまで、または、光208が反射によってエネルギーを失うまで、光208を前後に何度も反射する。より高い反射率の表面によって、より多くの光208が光キャビティ200から脱出して画像を形成することがもたらされる。以下の表1は、光透過領域206を通って脱出する、光キャビティ200に導入された光208のパーセンテージを、いくつかの透過比率/反射率のペアについて、(効率に関して)示す。
【0044】
【表1】
【0045】
光キャビティ200が、透過型ディスプレイの基礎を形成するために使用される場合、1つ以上の光源210が、光キャビティ200内に光を導入する。光源(1つ以上)210は、例えば、米国特許第4,897,771号明細書および米国特許第5,005,108号明細書で開示された任意のタイプを含む、任意の適切なタイプであってもよく、これらの開示の全体は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。特に、光源(1つ以上)210は、アーク灯、白熱電球(さらに、色付き、フィルタ付き、または塗装済みであってもよい)、レンズエンドバルブ(lens end bulb)、ラインライト、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、LEDからのチップ(chip from an LED)、ネオン管、蛍光管、遠隔光源から伝達する光ファイバライトパイプ、レーザまたはレーザダイオード、あるいは、任意のその他の適切な光源であってもよい。さらに、光源は、所望の色または白の光出力分布を提供するために、多色LED、または複数色の放射源210の組み合わせであってもよい。例えば、さまざまな色(赤、青、緑)のLED、または複数色のチップを有する1つのLEDなどの、複数の着色光が、各個別の着色光の強度を変化させることによって白色光または任意のその他の着色光出力分布を作成するために使用されてもよい。光キャビティ200から遠ざかるように放射された光208を、光キャビティ200の方へ反射させるための反射器が、光源210に隣接して配置されてもよい。一実装では、1つは赤の光源210、1つは緑の光源210、そして1つは青の光源210の、3つの光源210が、20〜600Hzの範囲内の周波数で交代しながら、光208を光キャビティ200内に順に導入する。100Hzを超えるレートは、一般に、人間の目が検出できるレートよりも速く、したがって、カラー画像が提供される。
【0046】
図3Aは、開位置にあるシャッタ組立体300の線形断面図である。シャッタ組立体300は、約0.3mm〜約2mmの厚さを有する透明基板302上に形成される。基板302は、例えば、ガラスまたはプラスチックで作られてもよい。適切なガラスには、ホウケイ酸ガラス、あるいは、摂氏400度以上の処理温度に耐えることが可能な、その他のガラスが含まれる。基板302のための適切なプラスチックには、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PETF)、あるいは、200℃を超える処理温度に耐えることが可能な、その他の実質的に透明なプラスチックが含まれる。その他の候補となる基板材料には、800℃を超える処理温度に耐えると理解される、石英およびサファイアが含まれる。
【0047】
シャッタ組立体300の、「列金属層」304と呼ばれる、最下層は、図2の光キャビティの前部反射面202として働く。シャッタ組立体300の製造プロセス中に、アパーチャ306が列金属層304を貫通してエッチングされて、図2の光透過領域206などの、光透過領域が形成される。アパーチャ306は、一般に、円形、楕円形、多角形、蛇行形状、または不規則な形であってもよい。アパーチャは、光変調アレイ内の特定のシャッタ組立体300専用の領域の、約5%〜約25%を占める。アパーチャ306における以外は、列金属層304は実質的に連続している。アパーチャ306は、誘電体材料307で満たされる。シャッタ組立体300内に含めるのに適した誘電体の例としては、SiO2、Si3N4、およびAl2O3が挙げられる。
【0048】
次の層は、列金属層304を、上の層に配置される行電極308aおよび308bから分離する、誘電体材料307によって大部分が構成される。誘電体層316の厚さは、0.3〜10ミクロンであってもよい。シャッタ組立体300の最上層は、シャッタアンカー312と、2つの行アンカー313と、2つのアクチュエータと、シャッタ310とを含む。シャッタ組立体300の断面は、行アクチュエータビームが行アンカー313と交わり、シャッタアクチュエータビームがシャッタ310と交わる位置において取られているため(例えば、図1Dの線B−B’を参照されたい)、アクチュエータのビームは図示されていない。シャッタ310が自由に動くことができるように、最上層は、アンカー312によって、下の層の上で支持される。
【0049】
代替の実装では、行電極308aおよび308bは、シャッタ組立体300内の、列金属層304よりも下の層に配置される。別の実装では、シャッタ310およびアクチュエータは、列金属層304、または行電極308aおよび308bの、いずれかよりも下の層に配置されてもよい。
【0050】
図1Bに関連して説明したように、シャッタ組立体内に含まれるアクチュエータは、機械的に双安定であるように設計されてもよい。あるいは、アクチュエータは、1つのみの安定位置を有するように設計されてもよい。すなわち、何らかの形態の作動力の印加がない場合、そのようなアクチュエータは、開または閉のいずれかの、所定の位置に戻る。そのような実装においては、シャッタ組立体300は1つの行電極308を含み、その行電極に電圧ガ印加された場合、アクチュエータは、シャッタ310を押すかまたは引いて、その安定位置から出るようにさせる。
【0051】
図3Bは、本発明の例示的実施形態による、開位置における、第2の代替のシャッタ組立体300’の断面図である。第2のシャッタ組立体300’は、基板302’と、列金属層304’と、アパーチャ306’と、行電極308a’および308b’と、シャッタ310’と、2つのアクチュエータと、シャッタアンカー312’と、2つの行アンカー313’とを含む。シャッタ組立体300’の断面は、行アクチュエータビームが行アンカー313’と交わり、シャッタアクチュエータビームがシャッタ310’と交わる位置において取られているため、アクチュエータのビームは図示されていない。(例えば、図1Dの線B−B’を参照されたい)。
【0052】
シャッタ組立体300’では、列金属層304’内に追加のギャップがエッチングされる。ギャップは、列金属層304’の各部分に異なる電圧が印加されることが可能なように、列金属層304’の異なる部分を電気的に分離する。例えば、列金属層304’と、行電極308a’および308b’との間に、それらのオーバーラップの結果として発生する可能性がある、寄生容量を減らすために、行電極308a’および308b’と、アンカー312’とのすぐ下に位置する、列金属層304’の区画314に、電圧が選択的に印加されてもよい。
【0053】
図3Cは、本発明の例示的実施形態による、別の第3の代替のシャッタ組立体300’’の断面図である。シャッタ組立体300’’は、基板302’’と、列金属層304’’と、アパーチャ306’’と、行電極308a’’および308b’’と、シャッタ310’’と、2つのアクチュエータと、シャッタアンカー312’’と、2つの行アンカー313’’とを含む。シャッタ組立体300’’の断面は、行アクチュエータビームが行アンカー313’’と交わり、シャッタアクチュエータビームがシャッタ310’’と交わる位置において取られているため、アクチュエータのビームは図示されていない。(例えば、図1Dの線B−B’を参照されたい)。シャッタ組立体300’’は、基板302’’上に配置された反射膜316を含む。反射膜316は、シャッタ組立体300’’を組み込んだ光キャビティのための、前部反射面として働く。光透過領域を提供するために反射膜316内に形成されるアパーチャ306’’を除いて、反射膜316は実質的に連続している。誘電体層318が、反射膜316を列金属層304’’から分離する。少なくとも1つの追加の誘電体層318が、列金属層304’’を、2つの行電極308a’’および308b’’から分離する。行電極308a’’および308b’’と、列金属層304’’との間に形成される可能性がある潜在的静電容量を減らすために、第3の代替のシャッタ組立体300’’の製造プロセス中に、列金属層304’’がエッチングされて、行電極308a’’および308b’’の下に配置された金属が除去される。列金属層304’’内に形成されるギャップ320は、誘電体で満たされる。
【0054】
図3Dは、本発明の例示的実施形態による、閉位置における、さらなる代替のシャッタ組立体300’’’の断面図である。第4の代替のシャッタ組立体300’’’は、基板302’’’と、列金属層304’’’と、アパーチャ306’’’と、行電極308a’’’および308b’’’と、シャッタ310’’’と、2つのアクチュエータと、シャッタアンカー312’’’と、2つの行アンカー313’’’とを含む。シャッタ組立体300’’’の断面は、行アクチュエータビームが行アンカー313’’’と交わり、シャッタアクチュエータビームがシャッタ310’’’と交わる位置において取られているため、アクチュエータのビームは図示されていない。(例えば、図1Dの線B−B’を参照されたい)。以前に示したシャッタ組立体102、300、300’、および300’’とは対照的に、第4の代替のシャッタ組立体300’’’の構築において使用された誘電体材料のほとんどは、1つ以上のエッチングステップによって除去される。
【0055】
シャッタ組立体300’’’の移動部品間の、摩擦を減らし、スティクションを防止するために、以前に誘電体材料によって占められていた空間は、潤滑剤によって満たされてもよい。潤滑剤流体は、好ましくは約10センチポアズ未満の粘度と、好ましくは約2.0を超える大きな比誘電率と、約104V/cmを超える誘電破壊強度とを有するように設計される。そのような機械的および電気的特性は、シャッタを開位置と閉位置との間で移動させるために必要な電圧を減らすことにおいて効果的である。一実装では、潤滑剤は、好ましくは約1.5未満の、低い屈折率を有することが好ましい。別の実装では、潤滑剤は、基板302の屈折率に一致する屈折率を有する。適切な潤滑剤としては、以下に限定されるものではないが、脱イオン水、メタノール、エタノール、シリコン油、フッ素化シリコン油、ジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、およびジエチルベンゼンが挙げられる。
【0056】
図4は、本発明の例示的実施形態による、コーティングされたシャッタ402を有するシャッタ組立体400の断面図である。シャッタ組立体400は、図3Aのシャッタ組立体300の全般的構造を有するとして示されている。ただし、シャッタ組立体400は、上記のシャッタ組立体102、300、300’、300’’、または300’’’の、あるいは下記の任意のその他のシャッタ組立体の、いずれの形態を取ってもよい。
【0057】
シャッタ402が閉位置にある場合に、シャッタ組立体400を通して光406を反射させるために、反射膜404が、シャッタ402の底部を覆う。適切な反射膜404としては、以下に限定されるものではないが、Al、Cr、またはNiの滑らかな蒸着が挙げられる。そのような膜404の蒸着は、膜404の厚さが約0.2ミクロンよりも大きい場合、シャッタの、95%またはそれよりも高い反射率を提供する。あるいは、アモルファスまたは多結晶Siは、滑らかな誘電体表面上に蒸着された場合、この適用例において有用であるための十分に高い反射率を提供することが可能である。
【0058】
シャッタ組立体400の上部に当たる環境光410の反射を減らすために、シャッタ402の上部は、光吸収膜408で覆われる。光吸収膜408は、粗い表面または多孔性の表面を作る方法で、Cr、Ni、あるいはAuまたはSiなどの、いくつかの金属の蒸着および/または陽極酸化から形成されてもよい。あるいは、光吸収膜408は、光吸収色素を含む、アクリルまたはビニル樹脂を含んでもよい。シャッタ組立体400の代替の実装では、吸収膜408は、シャッタ組立体400の上面の全体に、または実質的に全体に適用される。
【0059】
図5は、本発明の例示的実施形態による、第2のコーティングされたシャッタ502を有するシャッタ組立体500の断面図である。シャッタ組立体500は、図3Aの第1の代替のシャッタ組立体300の全般的構造を有するとして示されている。ただし、シャッタ組立体は、上記のシャッタ組立体102、300、300’、300’’、および300’’’の、あるいは下記の任意のその他のシャッタ組立体の、いずれの形態を取ってもよい。シャッタ組立体500では、シャッタ502の上部および下部の両方が、光吸収膜408などの、光吸収膜504で覆われる。シャッタ502の底部の光吸収膜504は、閉位置におけるシャッタ502に衝突する光を吸収する。シャッタ組立体500を含む、図2の光キャビティ200などの、光キャビティの場合、光キャビティを出る光の強度は、形成される画像に依存しない。すなわち、光の強度は、開または閉位置にあってもよいシャッタの割合とは無関係である。
【0060】
図6は、本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ102などの、光変調アレイ内で使用するための、弾性的に作動させられるシャッタ組立体600の断面図である。弾性的に作動させられるシャッタ組立体600は、金属列層602と、1つの行電極604と、弾性要素606と、シャッタ608とを含む。弾性要素606は、シャッタ608を、列金属層602内の対応するアパーチャ610から離れた開位置に維持する、復元力を提供する。開位置では、光612がアパーチャ610を通過することが可能である。1つの行電極604へのスイッチング電圧の提供は、弾性要素606の力に対抗し、それにより、シャッタ608を、アパーチャ610上の閉位置に置く。閉位置では、シャッタ608は、光612がアパーチャ610を通して出るのを妨げる。代替の実装では、シャッタ組立体600は、シャッタ608が閉じられた後で、シャッタ608が開くことなしに行電極604が消勢されてもよいように、シャッタ608を閉位置に固定するための、ラッチを含んでもよい。シャッタ608を開くためには、ラッチが解除される。シャッタ組立体600のさらに別の実装では、弾性アクチュエータは、シャッタ608を閉位置に維持する傾向がある。行電極604に電圧を印加すると、シャッタ608は開位置に移動する。
【0061】
図7は、本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、変形可能なシャッタ701を有するシャッタ組立体700の断面図である。シャッタ組立体700は、基板708上に形成された、列金属層702と、1つの行電極704とを含む。変形シャッタ701は、開閉のために、シャッタ組立体700の一方の側から、シャッタ組立体700のもう一方の側へ平行移動する代わりに、行電極704の電圧印加に応じて変形する。変形シャッタ701は、変形シャッタ701が残留応力を保持するように形成され、結果として、変形シャッタ701は、それが含まれている光変調アレイの平面から離れて丸まる傾向を有する。行電極704と列金属層702との間にスイッチング電圧をかけることによって、変形シャッタ701は、基板708の方へ引き寄せられ、それにより、列金属層702内に形成されたアパーチャ710を覆う。変形可能な、または蝶番タイプのアクチュエータは、当業界で、例えば、米国特許第4,564,836号明細書および米国特許第6,731,492号明細書で述べられている。
【0062】
図8Aは、本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、シリコンなどの、不透明基板802を有するシャッタ組立体800の断面図である。不透明基板802は、約200ミクロン〜約1mmの範囲の厚さを有する。シャッタ組立体800は、図3Aのシャッタ組立体300に類似しているが、シャッタ組立体800は、図3〜図7で説明したシャッタ組立体300、300’、300’’、300’’’、400、500、600、または700のうちのいずれかと実質的に同じ形態を取ってもよい。アパーチャ804は、不透明基板802の全体を貫通してエッチングされる。一実装では、アパーチャ804は、プラズマまたはイオンアシストを使用した、CFCl3ガス内などでの、異方性ドライエッチを使用して形成される。シャッタ組立体800は、さらに、
不透明基板802の、列金属層とは反対の側に蒸着された、反射性コーティング810を含んでもよい。
【0063】
図8Bは、本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための、不透明基板802’を有する第2のシャッタ組立体800’の断面図である。図8Aのシャッタ組立体800と比較すると、不透明基板800’の下面がエッチングにより除去され、シャッタ組立体800’のアパーチャ804’の下にキャビティ806が形成されている。キャビティ806は、より大きな角度範囲からの光が、アパーチャ804’を通して脱出することを可能にする。より大きな範囲によって、より明るい画像と、より大きな視野角とが提供される。
【0064】
図1および図3〜図8で説明したシャッタ組立体は、作動のために静電力に依存する。以下に限定されるものではないが、電磁アクチュエータ、熱弾性アクチュエータ、圧電アクチュエータ、およびエレクトロスティクション(electrostiction)アクチュエータの使用を含む、いくつかの代替のアクチュエータ強制機構が、シャッタ組立体の設計に盛り込まれてもよい。アパーチャを制御可能に遮るために使用されてもよい、その他のシャッタの動きとしては、以下に限定されるものではないが、スライド、回転、曲げ、旋回、蝶番式開閉、またはフラッピングが挙げられ、すべての動きは、反射面の平面内、またはその平面に対して交差する方向のいずれかである。
【0065】
図9は、液晶ベースの空間光変調器900の断面図である。液晶ベースの空間光変調器900は、液晶セル902のアレイ901を含む。液晶セル902は、液晶分子の層906の両側に、対向する透明電極904のペアを含む。液晶アレイ901の一方の側には、液晶ベースの空間光変調器900は、偏光子908を含む。アレイ901のもう一方の側には、液晶ベースの空間光変調器900は、検光子910を含む。したがって、介入がない場合、偏光子908を通過する光は、検光子910によってフィルタリングされ、ブロックされる。透明電極904間に電圧がかけられると、電極904間の液晶分子906が、結果として生じる電場に整列して、偏光子908を通過する光の向きを、検光子910を通過できるように変える。偏光子908は、複数の光透過領域913を画定する、前部反射面911の上に配置される。アレイ901は、光キャビティ200などの、光キャビティに取り付けられ、カバープレート912を含む。カバープレートについては、図11に関連してさらに詳細に説明する。
【0066】
各液晶セル902は、対応する赤、緑、または青の色固有フィルタを有してもよい。あるいは、色の区別は、図2に関連して上述したように、順に動作する複数のランプによって提供されてもよい。
【0067】
ほとんどの液晶ディスプレイ(LCD)は、1インチ当たり80〜100ドットの解像度を有するように設計され、ピクセル幅は250〜330ミクロンの範囲内である。そのようなLCDディスプレイの場合、アクティブマトリクスまたは薄膜トランジスタ(TFT)のアドレス指定またはスイッチングを使用しても、液晶ディスプレイの透過比率は75〜90%の範囲内である。ただし、所望される画像解像度が1インチ当たり300〜500ドットで、ピクセルの直径はわずか50ミクロンである、高解像度の適用例(例えば、文書ディスプレイまたは投射型ディスプレイの場合)については、TFTアドレス指定のために必要なオーバヘッドによって、得られる透過比率は約30〜50%に制限される可能性がある。したがって、そのような高解像度ディスプレイは、通常、開口率の低下により、それらのより低い解像度の対応物よりも低い発光効率しか得られない。上述のように、光キャビティを使用して液晶ディスプレイを構築することにより、高解像度LCDディスプレイにおいても、より大きな発光効率を達成することが可能となる。
【0068】
図10は、本発明の例示的実施形態による、第1のシャッタベースの空間光変調器1000の断面図である。シャッタベースの空間光変調器1000は、光変調アレイ1002と、光キャビティ1004と、光源1006とを含む。光変調アレイ1002は、図3〜図8で上述したシャッタ組立体300、300’、300’’、300’’’、400、500、600、700、800、または800’のうちのいずれかを含んでもよい。第1のシャッタベースの空間光変調器1000内の、光キャビティ1004は、前面と後面とを有する光ガイド1008から形成される。前部反射面1010は、光ガイド1008の前面上に直接蒸着され、第2の反射面1012は、光ガイド1008の後面上に直接蒸着される。
【0069】
光ガイド1008は、ガラス、あるいは、ポリカーボネートまたはポリエチレンなどの透明プラスチックから形成されてもよい。光ガイド1008の厚さは、約300ミクロン〜約2mmである。光ガイド1008は、光キャビティ1004内に導入された光1014を、前部反射面1010の表面全体にわたって実質的に均一に分散させる。光ガイド1008は、そのような分散を、内部全反射の組によって、および、光散乱要素1016の公平な配置によって達成する。光散乱要素1016は、光1014が、光ガイド1008から出るように、そして、前部反射面1010内に形成された光透過領域1019を通るように、方向を変えるのを助けるために、光ガイド1018の後ろ側の、中または上に形成されてもよい。
【0070】
図11は、本発明の例示的実施形態による、第2のシャッタベースの空間光変調器1100の断面図である。図10の第1のシャッタベースの空間光変調器1000と同様に、第2のシャッタベースの空間光変調器1100は、光変調アレイ1102と、光キャビティ1104と、光源1106とを含む。さらに、第2の空間光変調器は、カバープレート1108を含む。
【0071】
カバープレート1108は、光変調アレイ1102を機械的および環境的損傷から保護することを含む、いくつかの機能を果たす。カバープレート1108は、ポリカーボネートなどの薄い透明プラスチック、またはガラスシートである。カバープレートは、ブラックマトリクス1110とも呼ばれる光吸収性材料を使用してコーティングされ、パターニングされてもよい。ブラックマトリクスは、光吸収色素を含む、厚膜アクリルまたはビニル樹脂として、カバープレート上に蒸着されてもよい。
【0072】
ブラックマトリクス1110は、光キャビティ1104内に形成された光透過領域1116に実質的に隣接して配置された、パターニングされた光透過領域1114内への、入射環境光1112を除く、ほとんどすべての入射環境光1112を吸収する(環境光は、空間光変調器1100の外の、見る人の近くからの光である)。ブラックマトリクス1110は、それにより、空間光変調器1100によって形成される画像のコントラストを増加させる。ブラックマトリクス1110は、さらに、漏洩的または時間連続的なやり方で放射される場合がある、光キャビティ1104から逃げる光を、吸収するために機能してもよい。
【0073】
一実装では、例えばアクリルまたはビニル樹脂の形態の、カラーフィルタが、カバープレート1108上に蒸着される。フィルタは、ブラックマトリクス1110を形成するために使用されるのと類似したやり方で蒸着されてもよいが、ただし、フィルタは、光キャビティ1104の開いているアパーチャの光透過領域1116の上にパターニングされる。樹脂は、赤、緑、または青の色素を使用して交互にドープされてもよい。
【0074】
光変調アレイ1102とカバープレート1108との間の間隔は、100ミクロン未満であり、わずか10ミクロン以下であってもよい。光変調アレイ1102とカバープレート1108とは、場合によっては所定の点を除いて、接触しないことが好ましく、その理由は、接触することによって光変調アレイ1102の動作が妨げられる可能性があるからである。間隔は、光変調アレイ1102内の個々の光変調器の間に配置された、高さ2〜20ミクロンの、リソグラフィで画定されたスペーサまたはポストによって維持されてもよく、または、間隔は、組み合わせられた装置の端の周囲に挿入された、シートメタルスペーサによって維持されてもよい。
【0075】
図12Aは、本発明の例示的実施形態による、第3のシャッタベースの空間光変調器1200の断面図である。第3のシャッタベースの空間光変調器1200は、光キャビティ1202と、光源1204と、光変調アレイ1206とを含む。さらに、第3のシャッタベースの空間光変調器1204は、図11に関連して説明したカバープレート1108などの、カバープレート1207を含む。
【0076】
第3のシャッタベースの空間光変調器1200内の、光キャビティ1202は、光ガイド1208と、光変調アレイ1206の後ろ向き部分とを含む。光変調アレイ1206は、独自の基板1210上に形成される。光ガイド1208および基板1210の両方は、それぞれが、前側と後ろ側とを有する。光変調アレイ1206は、基板1210の前側上に形成される。第2の金属層の形態の、前向きの、後部反射面1212は、光ガイド1208の後ろ側上に蒸着されて、光キャビティ1202の第2の反射面を形成する。あるいは、光キャビティ1202は、光ガイド1208の後ろ側の背後に、光ガイド1208の後ろ側と実質的に向かい合うように配置された、第3の面を含む。そのような実装においては、前向きの、後部反射面1212は、光ガイド1208の後ろ側上に直接蒸着されるのではなく、空間光変調器1200の前方を向いた、第3の面上に蒸着される。光ガイド1208は、図10に関連して説明した光散乱要素1016などの、複数の光散乱要素1209を含む。図10におけるのと同様に、光散乱要素は、光キャビティ全体にわたるより均一な光の分散を作るために、光ガイド1208の後ろ向きの側上に所定のパターンで分散される。
【0077】
一実装では、光ガイド1208と基板1210とは、相互に密着して保持される。それらの界面における反射が回避されるように、それらは類似した屈折率を有する材料で形成されることが好ましい。別の実装では、小さなスタンドオフまたはスペーサ材料が、光ガイド1208と基板1210とを所定の距離だけ離して維持し、それにより、光ガイド1208と基板1210とを相互に光学的に分離する。光ガイド1208と基板1210との間に間隔をあけることにより、結果として、光ガイド1208と基板1210との間にエアギャップ1213が形成される。エアギャップは、光ガイド1208内での、その前向きの面における内部全反射を促進し、それにより、光散乱要素1209のうちのいずれかによって光1214が光変調器アレイ1206のシャッタ組立体の方へ向けられる前に、光ガイド内での光1214の分散が促進される。あるいは、光ガイド1208と基板1210との間のギャップは、真空、1つ以上の選択された気体、または液体によって満たされてもよい。
【0078】
図12Bは、本発明の例示的実施形態による、第4のシャッタベースの空間光変調器1200’の断面図である。図12Aの空間光変調器1200と同様に、第4の空間光変調器1200’は、光キャビティ1202’と、光源1204’と、光変調アレイ1206’と、図11に関連して説明したカバープレート1108などの、カバープレート1207’とを含む。光キャビティ1202’は、光変調アレイ1206’内の後ろ向きの反射面と、光ガイド1208’と、前向きの後部反射面1212’とを含む。第3の空間光変調器1200と同様に、第4の空間光変調器1200’の光変調アレイ1206’は、光ガイド1208’から分離した、基板1210’上に形成される。
【0079】
第4の空間光変調器1200’では、光ガイド1208’と基板1210’とは、光拡散体1218および輝度強化膜1220によって隔てられる。拡散体1218は、散乱光1214’の光角をランダム化して、均一性を向上し、光源1204または光変調アレイ1206からのゴーストイメージの形成を減らすために役立つ。一実装では、輝度強化膜1220は、薄いプラスチックシートとなるように成型され、狭い円錐状の照射となるように光を注ぎ込むように働く、光学プリズムのアレイを含む。輝度強化膜1220は、光透過領域1222を通って、見る人の方へ斜角で光ガイド1208’を離れる光の方向を変え、したがって、同じ入力電力に対して、光学軸に沿った輝度の明らかな増加がもたらされる。
【0080】
図12Cは、本発明の例示的実施形態による、第5のシャッタベースの空間光変調器1200’’の断面図である。図12Aの空間光変調器1200と同様に、第5の空間光変調器1200’’は、光キャビティ1202’’と、光源1204’’と、光変調アレイ1206’’と、図11に関連して説明したカバープレート1108などの、カバープレート1207’’とを含む。光キャビティ1202’’は、光変調アレイ1206’’内の後ろ向きの反射面と、光ガイド1208’’と、前向きの後部反射面1212’’とを含む。第3の空間光変調器1200と同様に、第5の空間光変調器1200’’の光変調アレイ1206’’は、光ガイド1208’’から分離した、基板1210’’上に形成される。
【0081】
第5の空間光変調器1200’’では、光ガイド1208’’と基板1210’’とは、マイクロレンズアレイ1224によって隔てられる。マイクロレンズアレイ1224は、光透過領域1222’を通って、見る人の方へ斜角で光ガイド1208’’を離れる光1214’’の方向を変え、したがって、同じ入力電力に対して、輝度の明らかな増加がもたらされる。
【0082】
さらに、第5のシャッタベースの空間光変調器1200’’内の光変調アレイ1206’’は、光ガイド1208’’から分離した独自の基板1210’’上に形成されるため、光ガイド1208’’は、成型可能なプラスチックから構成されてもよく、その理由は、光変調アレイ1210’’を構築するために利用可能な製造プロセスを、プラスチックの転移温度が制限することはないからである。したがって、光ガイド1208’’は、光キャビティ1202’’内に光1214’’を導入するために使用される光源1204’’を、実質的に封入するように成型されてもよい。光ガイド1208’’内への光源1204’’の封入は、光ガイド1208’’内への光1214’’の改良された結合を提供する。同様に、散乱要素1209’’は、光ガイド1208’’のためのモールド内に直接組み込まれてもよい。
【0083】
図12Dは、シャッタベースの光変調アレイ1200’’’の第6の例示的実施形態の断面図である。図12Aの空間光変調器1200と同様に、第6の空間光変調器1200’’’は、光キャビティ1202’’’と、光源1204’’’と、光変調アレイ1206’’’と、図11に関連して説明したカバープレート1108などの、カバープレート1207’’’とを含む。光キャビティ1202’’’は、光変調アレイ1206’’’内の後ろ向きの反射面と、光ガイド1208’’’と、前向きの後部反射面1212’’’と、拡散体1218’’’と、輝度強化膜1220’’’とを含む。
【0084】
光変調アレイ1206’’’とカバープレート1207’’’との間の空間は、図3Dに関連して説明した潤滑剤などの、潤滑剤1224で満たされる。カバープレート1207’’’は、エポキシ1225を使用して、シャッタ組立体1206に取り付けられる。エポキシは、好ましくは約200C未満の硬化温度を有さなければならず、好ましくは約50ppm/℃未満の熱膨張係数を有さなければならず、さらに、耐湿性でなければならない。例示的エポキシは、エポキシテクノロジーインク(Epoxy Technology, Inc.)によって販売されている、EPO−TEK B9021−1である。エポキシは、さらに、潤滑剤1224を封じ込める働きもする。
【0085】
シートメタルまたは成型プラスチックの組立体ブラケット1226が、カバープレート1207’’’と、光変調アレイ1206’’’と、光キャビティ1202’’’とを、端の周囲で一緒に保持する。組立体ブラケット1226は、組み合わせられた装置に剛性を追加するために、ネジまたはインデントタブを使用して固定される。一部の実装では、光源1204’’’は、エポキシ埋め込み用樹脂(epoxy potting compound)によって適所に成型される。
【0086】
図13は、本発明の例示的実施形態による、第7のシャッタベースの空間光変調器1300の断面図である。第7のシャッタベースの空間光変調器1300は、光変調アレイ1304が上に形成される基板1302と、光ガイド1306とを含む。光変調アレイ1304は、空間光変調器1300の光キャビティ1310のための前部反射面を含む。反射材料が、後部反射面1308として働くように、光ガイドの後ろ側に蒸着または付着される。光ガイド1306の後ろ側は、光変調アレイ1304内での光の均一な分散を促進するように、光ガイド1308の前側に対して傾けられるか、または形作られる。ただし、後部反射面は1308は、それでもなお、部分的に、前部反射面に面している。
【0087】
図14Aは、本発明の例示的実施形態による、別の空間光変調器1400の断面図である。空間光変調器1400は、光変調アレイ1404が上に形成される基板1402を含む。光変調アレイは、光キャビティの前部反射面1405として働く反射面を含む。空間光変調1400は、さらに、光変調アレイ1404の後ろ側に実質的に面している、後部反射面1406を含む。光源1408は、光変調アレイ1404が上に形成される基板1402と、後部反射面1406との間に形成される、空間内に配置される。空間は、さらに、実質的に透明なプラスチックで満たされてもよく、その中に光源1408が埋め込まれてもよい。
【0088】
図14Bは、図14Aの空間光変調器1400に類似した、別の空間光変調器1400’の断面図である。空間光変調器1400’は、光変調アレイ1404’が上に形成される基板1402’を含む。光変調アレイ1404’は、光キャビティの前部反射面1405として働く反射面を含む。空間光変調1400’は、さらに、後部反射面1406’を含む。後部反射面1406’は、波形であるか、ざらつきがあるか、または、反射面(すなわち、空間光変調器1400’の、後部反射面1406’、および光変調アレイ1404’内に組み込まれた反射面)によって形成される光キャビティ内の光の分散を促進するように形作られる。
【0089】
図15は、本発明の例示的実施形態による、光変調アレイ内で使用するための別のシャッタ組立体1500の断面図である。シャッタ組立体1500は、基板1509上に構築された、金属列層1502と、2つの行電極1504aおよび1504bと、シャッタ1506とを含む。シャッタ組立体1500は、さらに、1つ以上の光散乱要素1508を含む。上述のシャッタ組立体の他の実装と同様に、アパーチャ1510は、列金属層1502を貫通してエッチングされる。光散乱要素1510は、基板1509の表面の粗面化、コーティング、または処理などによる、基板1509の形状または配置における任意の変化を含んでもよい。例えば、光散乱要素は、約1〜約5ミクロンの寸法を有する、列金属1502のパターニングの残部を含んでもよい。光散乱要素1508は、内部全反射のために基板1508内に閉じ込められた光1512を取り出すのを助ける。そのような閉じ込められた光1512が、散乱要素1508のうちの1つに当たると、光1512の経路の角度が変化する。光1512の経路の角度が十分に鋭くなった場合、光1512は基板1509を出る。シャッタ1506が開位置にある場合、散乱された光1512は、アパーチャ1510を出て、画像の一部として、見る人へ進んでもよい。
【0090】
図16は、本発明の例示的実施形態による、さらに別の空間光変調器1600の断面図である。空間光変調器1600は、光キャビティ1606の内部に面した、基板1604の後面上に形成された、光変調アレイ1602を含む。光変調アレイ1602を構成する、図3〜図8で説明したシャッタ組立体300、300’、300’’、300’’’、400、500、600、700、800、および800’、あるいは、図9で説明した液晶セル902などの、個々の光変調要素1608は、図4および図5を参照して説明したものと比較して、光変調要素1608の、光を反射または吸収する側を、逆にするように修正される。
【0091】
光キャビティ1606は、前部反射面1610および後部反射面1612の両方と、光ガイド1614とを含む。光は、光源1613によって光キャビティ内に導入される。前部反射面1610は、光ガイド1614の前向きの面上に配置されて、高反射率の実質的に連続的な層を提供し、さらに、光透過領域1616を画定する。前部反射面1610は、光変調アレイ1602から、透明なギャップ1618によって隔てられる。ギャップ1618は、好ましくは、光透過領域1616の幅よりも狭く、例えば、約100ミクロン未満である。ギャップ1618の幅は、約10ミクロンの狭さであってもよく、または、さらに狭くてもよい。
【0092】
一実装では、ギャップ1618は、図3Dに関連して説明した潤滑剤などの、潤滑剤1620で満たされてもよい。潤滑剤1620は、光ガイド1614からの光の取り出しを促進するために、光ガイド1614の屈折率に実質的に一致する屈折率を有してもよい。
【0093】
空間光変調器1600は、任意選択で、カバープレートをなしで済ませてもよく、その理由は、シャッタ組立体は、基板1604による環境によって保護されるからである。カバープレートが省略される場合、図11のブラックマトリクス1110などの、ブラックマトリクスが、基板1604の前向きの面に適用されてもよい。
【0094】
図17は、図10〜図15で説明した空間光変調器1000、1100、1200、1300、1400、および1500内に組み込まれてもよい、本発明の例示的実施形態による、半透過型(transflective)シャッタ組立体1700の断面図である。半透過型シャッタ組立体1700は、シャッタ組立体1700の背後に配置された光源によって放射される光1701と、環境光1703との両方から画像を形成する。半透過型シャッタ組立体1700は、金属列層1702と、2つの行電極1704aおよび1704bと、シャッタ1706とを含む。半透過型シャッタ組立体1700は、列金属層1702を貫通してエッチングされたアパーチャ1708を含む。約1〜約5ミクロンの寸法を有する、列金属層1702の部分が、半透過要素(transflection elements)1710として働くように、アパーチャ1708の表面上に残される。光吸収膜1712が、シャッタ1706の上面を覆う。
【0095】
シャッタが閉位置にある間、光吸収膜1712は、シャッタ1706の上面上に当たる環境光1703を吸収する。シャッタ1706が、図17に示すように開位置にある間、半透過型シャッタ組立体1700は、専用光源からの光1701と、反射された環境光1703との両方が、半透過型シャッタ組立体を通過するのを許可することによって、画像の形成に寄与する。半透過要素1710の小さなサイズは、環境光1703の反射の、ある程度ランダムなパターンをもたらす。
【0096】
半透過型シャッタ組立体1700は、ブラックマトリクス1716を含むカバープレート1714を使用して覆われる。ブラックマトリクスは光を吸収し、それにより、覆われていないアパーチャ1708から反射される環境光1703を除き、環境光1703が見る人へ反射されることを実質的に防止する。
【0097】
図18は、図10〜図15で説明した空間光変調器1000、1100、1200、1300、1400、および1500内に組み込まれてもよい、本発明の例示的実施形態による、第2の半透過型(transflective)シャッタ組立体1800の断面図である。半透過型シャッタ組立体1800は、金属列層1802と、2つの行電極1804aおよび1804bと、シャッタ1806とを含む。半透過型シャッタ組立体1800は、列金属層1702を貫通してエッチングされたアパーチャ1808を含む。約5〜約20ミクロンの寸法を有する、列金属層1802の少なくとも一部分が、半透過要素(transflection elements)1810として働くように、アパーチャ1808の表面上に残る。光吸収膜1812が、シャッタ1806の上面を覆う。シャッタが閉位置にある間、光吸収膜1812は、シャッタ1806の上面上に当たる環境光1803を吸収する。シャッタ1806が開位置にある間、半透過要素1810は、アパーチャ1808に当たる環境光1803の部分を、見る人の方へ反射する。半透過要素1810の、半透過要素1710と比較してより大きな寸法によって、見る人の背後からの環境光が、見る人に実質的に直接反射されるような、より鏡のような反射モードがもたらされる。
【0098】
半透過型シャッタ組立体1800は、ブラックマトリクス1816を含むカバープレート1814を使用して覆われる。ブラックマトリクスは光を吸収し、それにより、覆われていないアパーチャ1808から反射される環境光1803を除き、環境光1803が見る人へ反射されることを実質的に防止する。
【0099】
図17および図18の両方を参照すると、アパーチャ1708および1808内に配置された半透過要素1710および1810を使用しても、環境光1703および1803のいくらかの部分は、対応する半透過型シャッタ組立体1700および1800のアパーチャ1708および1808を通過する。半透過型シャッタ組立体1700および1800が、上述のような、光キャビティと光源とを有する空間光変調器内に組み込まれている場合、アパーチャ1708および1808を通過する環境光1703および1803は、光キャビティに入り、光源によって導入される光とともに、再循環させられる。代替の半透過型シャッタ組立体では、列金属内のアパーチャは、少なくとも部分的に、半反射−半透過材料を使用して満たされる。
【0100】
図19は、本発明の例示的実施形態による、前部反射型シャッタ組立体1900の断面図である。前部反射型シャッタ組立体1900は、反射型光変調アレイ内で使用されてもよい。前部反射型シャッタ組立体1900は、環境光1902を、見る人の方へ反射する。したがって、空間光変調器内での前部反射型シャッタ組立体1900のアレイの使用は、多量の環境光1902を有する表示環境内で、専用光源の必要性をなくす。前部反射型シャッタ組立体1900は、図3〜図8のシャッタ組立体300、300’、300’’、300’’’、400、500、600、700、800、または800’と実質的に同じ形態を取ってもよい。ただし、光の通過を許可するアパーチャを含む、シャッタ組立体300、400、500、600、700、または800の列金属層の代わりに、列金属層は、閉じられたシャッタ1904の位置の下の反射面を含む。シャッタ1904の少なくとも前面を含む、反射型シャッタ組立体1900の最前部層には、光吸収膜1908がコーティングされる。したがって、シャッタ1904が閉じられている場合、反射型シャッタ組立体1900に当たる光1902は吸収される。シャッタ1904が開かれている場合、反射型シャッタ組立体1900に当たる光1902の少なくとも一部分は、露出した列金属層1910に反射して、見る人の方へ戻される。あるいは、列金属層1910は吸収膜で覆われてもよく、シャッタ1908の前面は反射膜で覆われてもよい。これにより、シャッタが閉じられている場合のみ、光は見る人の方へ反射される。
【0101】
上述の他のシャッタ組立体および光変調器と同様に、反射型シャッタ組立体1900は、ブラックマトリクス1912が適用されたカバープレート1910を使用して覆われてもよい。ブラックマトリクス1912は、シャッタの開位置に対向していない、カバープレート1910の部分を覆う。
【0102】
図20は、本発明の例示的実施形態による、複数の光変調アレイ2002を含む、空間光変調器2000の等角図である。上述の光変調アレイ2002のいくつかのサイズは、それらを構築するために使用される半導体製造技術によって、ある程度制限される。ただし、光ガイド2004と、反射膜2006とは、大幅により大きな規模で形成されてもよい。1つ以上の光ガイド2004上に配置された、複数の隣接して配置された光変調アレイ2002を含む、空間光変調器は、より大きな画像を生成することが可能であり、それにより、これらの制限は回避される。
【0103】
上述のように、上で開示されたシャッタ組立体内のシャッタ組立体は、アクティブマトリクスによって制御されてもよい。図21Aは、ピクセルのアレイ2140(「アレイ2140」)をアドレス指定するために、ディスプレイ装置100内に含めるのに適した、アクティブ制御マトリクス2100の概念図である。各ピクセル2101は、アクチュエータ2103によって制御される、図1Cのシャッタ組立体122などの、弾性シャッタ組立体2102を含む。各ピクセルは、さらに、アパーチャ穴2154を含むアパーチャ層2150を含む。シャッタ組立体およびそれらを制御する回路の、その他の電気的および機械的構成が、本発明の範囲から逸脱することなしに使用されてもよい。
【0104】
制御マトリクス2100は、シャッタ組立体2102が上に形成される基板2104の表面上に、拡散された、または薄膜蒸着された電気回路として製造される。制御マトリクス2100は、制御マトリクス2100内のピクセル2101の各行についての、走査ライン相互接続2106と、制御マトリクス2100内のピクセル2101の各列についての、データ相互接続2108とを含む。各走査ライン相互接続2106は、書き込み許可電圧源2107を、ピクセル2101の対応する行内のピクセル2101に電気的に接続する。各データ相互接続2108は、データ電圧源(「Vdソース」)2109を、ピクセル2101の対応する列内のピクセル2101に電気的に接続する。制御マトリクス2100内で、データ電圧Vdは、シャッタ組立体2102の作動のために必要なエネルギーの大部分を提供する。したがって、データ電圧源2109は、作動電圧源としても働く。
【0105】
図21Bは、制御マトリクス2100を含む、ピクセルのアレイ2140の部分の等角図である。図21Aおよび図21Bを参照すると、ピクセルのアレイ2140内の、各ピクセル2101について、または各シャッタ組立体について、制御マトリクス2100は、トランジスタ2110とキャパシタ2112とを含む。各トランジスタ2110のゲートは、ピクセル2101が配置されているアレイ2140内の行の走査ライン相互接続2106に電気的に接続される。各トランジスタ2110のソースは、その対応するデータ相互接続2108に電気的に接続される。各シャッタ組立体のアクチュエータ2103は、2つの電極を含む。各トランジスタ2110のドレインは、対応するキャパシタ2112の一方の電極と、対応するアクチュエータ2103の電極のうちの一方とに、並列に、電気的に接続される。キャパシタ2112のもう一方の電極と、シャッタ組立体2102内のアクチュエータ2103のもう一方の電極とは、共通または接地電位に接続される。
【0106】
動作時、画像を形成するために、制御マトリクス2100は、各走査ライン相互接続2106にVweを次々に印加することによって、アレイ2140内の各行を順に書き込み許可する。書き込み許可された行については、行内のピクセル2101のトランジスタ2110のゲートへのVweの印加により、データ相互接続2108を通りトランジスタを通る電流の流れが、シャッタ組立体2102のアクチュエータ2103に電位を印加することが許可される。行が書き込み許可されている間、データ電圧Vdが、データ相続接続2108に選択的に印加される。アナロググレースケールを提供する実装においては、各データ相互接続2108に印加されるデータ電圧は、書き込み許可走査ライン相互接続2106とデータ相互接続2108との交点に配置されたピクセル2101の所望される輝度に関連して、変化させられる。ディジタル制御方式を提供する実装においては、データ電圧は、相対的に低い大きさの電圧(すなわち、接地付近の電圧)であるように、あるいは、Vat(作動しきい値電圧)を満たすかまたは超過するように選択される。データ相互接続2108へのVatの印加に応えて、対応するシャッタ組立体2102内のアクチュエータ2103が作動して、そのシャッタ組立体2102内のシャッタを開く。データ相互接続2108に印加された電圧は、制御マトリクス2100が行にVweを印加するのを停止した後も、ピクセル2101のキャパシタ2112内に蓄積されたままになる。したがって、シャッタ組立体2102が作動するための十分に長い時間、行上の電圧Vweを保持して待つ必要はなく、そのような作動は、書き込み許可電圧が行から除去された後で進行することが可能である。行内のキャパシタ2112内の電圧は、ビデオフレーム全体が書き込まれるまで、そして一部の実装においては、新しいデータが行に書き込まれるまで、実質的に蓄積されたままになる。
【0107】
さまざまな実装において、シャッタ組立体およびそれらに対応するアクチュエータは、双安定にされてもよい。すなわち、シャッタ組立体内のシャッタは、少なくとも2つの平衡位置(例えば、開または閉)に、いずれの位置にそれらを保つためにも、電力はほとんどまたはまったく必要なしに、存在してもよい。より詳細には、シャッタ組立体は、機械的に双安定であってもよい。そのようなシャッタ組立体のシャッタが所定の位置に設定されたら、その位置を維持するために、電気的エネルギーまたは保持電圧は必要とされない。シャッタ組立体の物理要素上の機械的応力が、シャッタを所定の位置に保持してもよい。
【0108】
シャッタ組立体、およびそれらに対応するアクチュエータは、また、電気的に双安定にされてもよい。電気的に双安定なシャッタ組立体においては、シャッタ組立体の作動電圧未満の電圧範囲が存在し、閉じられたアクチュエータ(シャッタは開または閉のいずれか)にこの電圧が印加された場合、たとえ対向する力がシャッタ上に働かされたとしても、アクチュエータは閉じられたままに、そしてシャッタは所定の位置に保持される。対向する力は、スプリングによって働かされてもよく、または、対向する力は、「開」または「閉」アクチュエータなどの、対向するアクチュエータによって働かされてもよい。
【0109】
アレイ2140のピクセル2101は、基板2104上に形成される。アレイには、アレイ2140内の各ピクセル2101のための一組のアパーチャ穴2154を含む、基板上に蒸着されるアパーチャ層2150が含まれる。アパーチャ穴2154は、各ピクセル内のシャッタ組立体2102と位置合わせされる。
【0110】
アレイ2140は、以下のステップのシーケンスで製造されてもよい。第1に、アパーチャ層2150が、透明基板2104上に蒸着されてパターニングされる。次に、薄膜スイッチまたはトランジスタ2110のアレイを含む、制御マトリクスが、キャパシタ2112と、走査ライン相互接続2106またはデータ相互接続2108などの相互接続とともに、アパーチャ層2150の上に製造される。トランジスタ2110およびキャパシタ2112を製造するために使用されるプロセスは、液晶ディスプレイ内で使用するためのアクティブマトリクスアレイを製造するための、当業界で周知のプロセスのうちの代表的なものであってもよい。最後のステップにおいて、微小電子機械(またはMEMS)シャッタ組立体が、薄膜スイッチのアレイの上に形成される。
【0111】
1つの単純な実装では、アパーチャ層2150は、間にはさまれた誘電体層によって、制御マトリクスから電気的に絶縁される。アパーチャ層2150は、その上に製造されるアクティブマトリクスとプロセス互換である薄膜材料からなってもよい(ただし、そのアクティブマトリクスに電気的に接続される必要はない)。アパーチャ穴2154は、一般に、円形、楕円形、多角形、蛇行形状、または不規則な形であってもよい。
【0112】
別の実装では、アパーチャ層2150は、制御マトリクスに電気的に接続される。この接続は、間にはさまれた誘電体層を貫通してエッチングされたビアによって、制御マトリクス内の相互接続がアパーチャ層に電気的に接触するように行われてもよい。アパーチャ層2150は、導電性材料を含む場合、制御マトリクスのための接地面または共通相互接続として働いてもよい。
【0113】
ディスプレイの他の実装では、独立したアパーチャ層が、シーケンスの第1のステップとして製造される必要はない。当業界で一般に知られているように、アパーチャ穴は、その代わりに、アクティブマトリクスまたはパッシブマトリクスの製造において使用されるのと同じ薄膜材料を使用し、そして、同じ処理ステップを使用して、ガラス基板上に直接製造されてもよい。アパーチャ穴の形成に対応するには、マスク設計またはピクセルレイアウトのみを変更する必要がある。
【0114】
別の実装では、アパーチャ層は、処理シーケンスの最後のステップとして製造される。アパーチャ層は、基板に堅く取り付けられるが、シャッタ組立体の自由な平行移動運動のための空間を下に残しながら、シャッタ組立体の上に概して浮遊させられる。
【0115】
図22〜図30は、追加のMEMSベースのディスプレイ装置に関する。特に、図22〜図30のMEMSベースのシャッタ組立体は、光学的集光装置(optical light concentrators)を含む。図22は、本発明の例示的実施形態による、光変調器のアレイA100(「光変調アレイA100」とも呼ばれる)と、集光装置のアレイA150(「集光アレイA150」とも呼ばれる)とを含む、反射型ディスプレイ装置A10の等角投影概念図である。ディスプレイ装置A10は、別法として、半透過型または透過型ディスプレイとして形成されてもよい。そのような実施形態は、図29および図30に関連してさらに説明する。光変調アレイA100は、行および列内に配置された複数のシャッタ組立体A102a〜102u(一般に「シャッタ組立体A102」)を含む(ただし、行および列なしのセグメント化されたディスプレイも、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに使用されてもよい)。一般に、シャッタ組立体A102は、開および閉という、2つの状態を有する(ただし、以下でより詳細に説明するように、例えば、部分的な開きが、グレースケールを伝えるために使用されてもよい)。各シャッタ組立体A102は、対応する露出可能な表面A114を選択的に覆うための、シャッタA112を含む。シャッタ組立体A102a〜c、A102e〜m、およびA102p〜uは、開状態にあり、それらの対応する露出可能な表面A114を、集光アレイA150を通過した光にさらしている。シャッタ組立体A102d、A102n、およびA102oは、閉状態にあり、それらの対応する露出可能な表面A114に、集光アレイA150を通過した光が衝突するのを妨げている。一般に、装置A10は、環境光源A107からの光線を、アレイの、見る人と同じ側で、表面A103の方へ反射して、画像A104を形成するために、シャッタ組立体A102の状態を選択的に設定する(例えば、図7も参照されたい)。あるいは、光源A107は、装置A10の環境光ではなく、組み込まれたフロントライトとして提供されてもよい。
【0116】
本発明の一実施形態では、光変調アレイA100の各シャッタ組立体A102は、画像A104内の画像ピクセルA106に対応してもよい。上述のように、各シャッタ組立体A102は、シャッタA112と、露出可能な表面A114とを含む。一実装では、光源A107に面しているシャッタA112の表面は反射性であり、露出可能な表面A114は光吸収性である。ピクセルを照明するには、表面A103の方へ光を反射するために、シャッタA112は少なくとも部分的に閉じられる。代替の実装では、光源A107に面しているシャッタA112の表面は光を吸収し、露出可能な表面A114は光を反射する。この実装では、ピクセルA106は、シャッタA112が完全に開かれている場合に最も明るく、シャッタA112が完全に閉じられている場合に最も暗い。
【0117】
代替の実装では、ディスプレイ装置A10は、各画像ピクセルA106について、複数のシャッタ組立体A102を使用してもよい。例えば、ディスプレイ装置は、画像ピクセルA106につき3つまたは4つの色固有シャッタ組立体A102を含んでもよい。特定の画像ピクセルA106に対応する色固有シャッタ組立体A102のうちの1つまたは複数を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置は、画像A104内のカラー画像ピクセルA106を生成してもよい。別の例では、ディスプレイ装置A10は、画像A104内のグレースケールを提供するために、画像ピクセルA106につき複数の部分的に開かれた、または閉じられた状態を提供するシャッタ組立体A102を含んでもよい。
【0118】
露出可能な表面A114は、シャッタ組立体A102の所望される実装に応じて、光を反射または吸収する、薄膜、蒸着、または任意のその他の適切な材料から、あるいは、その組み合わせまたは欠如から、さまざまな方法で形成されてもよい。同様に、各シャッタA112は、関連する露出可能な表面A114と組み合わせて、所望どおりに、組立体A102によって光が見る人の方へ適切に反射されるか、または吸収されるように、光をそこから反射するか、または光をその中へ吸収する表面を備えてもよい。そのような材料は、図23に関連してさらに説明する。さらに別の実装では、ディスプレイ装置A10は、光を変調して画像を形成するために、シャッタ組立体A102の代わりに、マイクロミラー、フィルタ、偏光子、液晶変調セル、干渉装置(interferometric devices)、およびその他の適切な装置などの、その他の形態の光変調器を含んでもよい。
【0119】
集光アレイA150は、シャッタA112の位置に応じてシャッタA112または露出可能な表面A114のいずれかの上に衝突する、環境光の割合を増加させるために、光変調器のアレイA100内のそれぞれの光変調器上に光を集中させるための、光学要素のアレイを含む。例えば、反射型光ファンネル、高開口数レンズ、およびその他の非結像の光学装置を含む、さまざまなタイプの光学要素が、集光アレイA150内で提供されてもよい。図22に示す例示的実施形態では、集光アレイA150は、反射型光ファンネルA152のアレイを含む。環境光源A107から放射された光を、シャッタ組立体A102の、ファンネルA152に対応する特定の領域に集中させるために、各ファンネルA152は、それぞれのシャッタ組立体A102と関連付けられる。各反射型ファンネルA152は、好ましくは、表面A103の方に向けられた第1の光開口部A156と、その関連するシャッタ組立体A102の方へ向けられた第2の光開口部A154と、第1の光開口部A156を第2の光開口部A154に接続する壁A158とを含む。
【0120】
第1の光開口部A156は、関連するピクセルA106のサイズに一致するサイズであることが好ましく、第2の光開口部A154は、関連するシャッタ組立体A102の、露出可能な表面A114のサイズに一致するか、またはそれよりもわずかに小さいサイズであることが好ましい。可能な限り、環境光源A107からの環境光の光線が、第1の光開口部A156において、広範な角度からファンネルA152に入り、第2の光開口部A154を通して、シャッタ組立体A102の集中された領域上に反射されるように、壁A158は、高反射性であることが好ましく、第1の光開口部A156は、第2の光開口部A154よりも大きいことが好ましい。これにより、各シャッタ組立体A102によって変調される、利用可能な画像形成光の割合が増加し、それにより、ディスプレイ装置A10のコントラスト比が改良される。さらに、環境光A107の増加された割合が、シャッタ組立体A102の反射性要素(1つまたは複数)上に注ぎ込まれ、集中させられることにより、ディスプレイ装置A10は、増加された輝度および発光効率を提供することが可能となり、バックライトおよび追加の電力の必要はなくなる。
【0121】
壁A158は、直線、曲線、CPC(複合放物面集光器(Compound Parabolic Collector))形状であってもよく、あるいは、環境光A107の光学的に効率的な集中を提供し、高いフィルファクタももたらす、その任意の適切な組み合わせであってもよい。壁A158は、ファンネルの光開口部のサイズおよび形状に応じて、円錐状であってもよく、または、複数の側を含んでもよい。光開口部A154およびA156は、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに、さまざまな形状およびサイズであってもよい。光開口部A156は、六角形であってもよく、光開口部A154は、例えば、円形であってもよい。壁A158は、反射性の内部表面を備えてもよく、または、(図26A〜図27Cに関連して以下でより詳細に説明するように)透明な内部表面と、外部反射性コーティングとを備えてもよい。
【0122】
図23は、ディスプレイ装置A10の追加の特徴を示す、図22の組み合わせられたシャッタ−ファンネル組立体のうちの1つの断面図である。図22および図23を参照すると、ディスプレイ装置A10は、さらに、カバーシートA109とフィルタアレイ層A111とを、見る人と、集光アレイA150との間に含んでもよい。カバーシートA109は、光変調アレイA100を機械的および環境的損傷から保護することを含む、いくつかの機能を果たす。カバーシートA109は、例えば、ポリカーボネートなどの薄い透明プラスチック、またはガラスシートであってもよい。特定の実施形態では、カバーシートは、ブラックマトリクスA120とも呼ばれる光吸収性材料を使用してコーティングされ、パターニングされてもよい。ブラックマトリクスA120は、光吸収色素を含む、厚膜アクリルまたはビニル樹脂として、カバーシートA109上に蒸着されてもよい。ブラックマトリクスA120は、特定の入射環境光を吸収し、それにより、装置A10によって形成される画像A104のコントラストを増加させてもよい。ブラックマトリクスA120は、さらに、漏洩的または時間連続的なやり方で逃げる光を、吸収するために機能してもよい。カバーシートA109の上面A103は、画像A104を見る人に表示してもよい。
【0123】
一実装では、カバーシートA109上に蒸着されてもよいフィルタアレイA111が、例えば、アクリルまたはビニル樹脂、あるいは薄膜誘電体の形態の、カラーフィルタを含んでもよい。フィルタは、ブラックマトリクスA120を形成するために使用されるのと類似したやり方で蒸着されてもよいが、ただし、フィルタは、色固有シャッタ組立体A102のための適切なカラーフィルタを提供するために、集光アレイA150の円錐A152の、第1の光開口部A156または第2の光開口部A154の上にパターニングされる。例えば、ディスプレイ装置A10は、3つ以上の色固有シャッタ組立体A102の、複数のグループ(例えば、赤のシャッタ組立体と、緑のシャッタ組立体と、青のシャッタ組立体とのグループ、赤の組立体と、緑のシャッタ組立体と、青のシャッタ組立体と、白のシャッタ組立体とのグループ、シアンのシャッタ組立体と、マゼンタのシャッタ組立体と、黄のシャッタ組立体とのグループなど。ただし、画像ピクセルを形成するための、シャッタ組立体の、任意のその他の数および/または色の組み合わせが、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに提供されてもよい)を含んでもよく、それにより、グループの色固有シャッタ組立体A102に関連付けられたサブピクセルのそれぞれが画像ピクセルA106を形成してもよい。1つの完全な画像ピクセルを構成するために、4つ以上のカラーサブピクセルが存在してもよい。特定のピクセルに対応するグループ内の、色固有シャッタ組立体A102のうちの1つ以上を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置A10は、さまざまな色の画像ピクセルA106を、画像A104のために生成してもよい。
【0124】
これらのカラーフィルタは、いくつかの方法で作られてもよい。例えば、シャッタと、制御マトリクスのパッシブマトリクスまたはアクティブマトリクス構成要素との製造において使用されるステップに類似した、よく知られているフォトリソグラフィ技術を使用して、選択的吸収性を有する材料が、ディスプレイの表面上にパターニングされてもよい。分散された金属および金属酸化物を有する材料、あるいは、より一般的には、特定の吸収性材料は、感光性であってもよく、フォトレジストのように画定されてもよい。あるいは、そのような吸収性センターが、薄膜の形態で適用されてもよく、続いて、よく知られているフォトリソグラフィおよびエッチプロセスを使用してパターニングされてもよい。さらに、例えば、代表的な赤、青、および緑のピクセル上に干渉フィルタを形成するために、薄膜層の干渉特性に基づく薄膜が、基板上でパターニングされてもよい。カラーフィルタ材料は、さらに、ポリビニルアクリレートなどの樹脂内に分散された、有機染料から形成されてもよい。
【0125】
ファンネルA152の光開口部の高さ、厚さ、形状、および直径は、使用される材料、および適用例によって、さまざまであってもよい。ファンネルA152の壁A158の高さが、光開口部A154とA156との間のサイズの差に比較して小さい場合、壁A158の傾斜は比較的浅く(すなわち、壁A158は、表面A103と実質的に平行であり)、ファンネルA152は、シャッタ組立体A102の反射領域(1つまたは複数)上に最初に光を集中させることなしに、環境光A107のほとんどを見る人の方へ反射することによって、概して再帰反射器のように働く。他方、ファンネルA152の壁A158の高さが、光開口部A154とA156との間のサイズの差に比較して大きい場合、壁A158の傾斜は比較的急であり(すなわち、壁A158は、表面A103に実質的に垂直であり)、壁A158からの、環境光A107の光線の複数の反射により、結果として、光の強度の大幅な損失がもたらされる。好ましい実施形態では、例えば、第1の光開口部A156の直径は、75〜225ミクロンの範囲であってもよく、好ましくは150ミクロンであり、第2の光開口部A154の直径は、25〜75ミクロンの範囲であってもよく、好ましくは50ミクロンであり、円錐A152の高さは、100〜300ミクロンの範囲であってもよく、好ましくは200ミクロンであり、それにより、約3.5〜4の範囲の傾斜がもたらされる。
【0126】
さらに、レンズアレイは、入射環境光をそれぞれのファンネルA152内に集中させ、そしてそれにより、関連するシャッタ組立体A102上に集中させ、それにより、壁A158からの反射回数と、再帰反射経路の可能性との両方を減らすための、レンズA157を備えてもよい(図面をわかりやすくするために、レンズA157は図22に示されていないことに注意されたい)。ファンネルA152の第1の光開口部A156において配置されたレンズA157は、環境光源A107からの傾斜した入射構成を、ファンネルA152内に、そしてしたがって、シャッタ組立体A102の反射領域(1つまたは複数)上に、導いて集中させるのを助けてもよい。アレイA111のカラーフィルタは、例えば、図23に示すように、レンズA157の下側に固定されてもよい。図26に示すように、レンズおよび光ファンネルの構造は、1つの成型プロセス内で一体となって形成されてもよい。
【0127】
カラーフィルタリングは、さらに、ディスプレイ装置A10内の他の位置において行われてもよい。カバーシートA109内に加えて、カラーフィルタアレイA111は、例えば、各反射型光ファンネルA152の第2の光開口部A154において適用されてもよい。この実施形態は、(図26A〜図27Cに関連して以下でより詳細に説明するように)ファンネルA152が硬質な透明光学材料で満たされる実装において、特に好ましい場合がある。フィルタアレイA111は、あるいは、シャッタ組立体A102の反射性領域(1つまたは複数)の近位で適用されてもよい。一般に、フィルタアレイのフィルタA111は、所与のピクセルの、表面A103とシャッタ組立体A102の反射面との間の、光路内の任意の場所に配置されてもよい。
【0128】
反射壁A158は、約50%を超える反射率を有する。例えば、反射壁A158は、70%、85%、A92%,96%、またはより高い反射率を有してもよい。より滑らかな基板と、よりきめの細かい金属とによって、より高い反射率がもたらされる。滑らかな表面は、プラスチックを滑らかな壁を有する形態に成型することによって得られてもよい。含有物のない、きめの細かい金属膜は、スパッタリング、蒸発(evaporation)、イオンプレーティング、レーザアブレーション、または化学気相蒸着法を含む、いくつかの蒸着技術によって形成されてもよい。この反射型適用例のための効果的な金属としては、以下に限定されるものではないが、Al、Cr、Au、Ag、Cu、Ni、Ta、Ti、Nd、Nb、Rh、Si、Mo、および/または、その任意の合金または組み合わせが挙げられる。
【0129】
あるいは、反射壁A158は、誘電体反射鏡などの、反射鏡から形成されてもよい。誘電体反射鏡は、高い屈折率の材料と低い屈折率の材料とが交互になった誘電体薄膜のスタックとして製造される。屈折率が変化する各界面から、入射光の一部が反射される。誘電体層の厚さを、波長の、いくらかの固定された割合または倍数に制御することによって、そして、複数の平行な界面からの反射を加算することによって、98%を超える反射率を有する最終的な反射面を生成することが可能である。一部の誘電体反射鏡は、99.8%よりも大きな反射率を有する。誘電体反射鏡は、可視域内のあらかじめ指定された範囲の波長を受け入れるように、そして、あらかじめ指定された範囲の入射角を受け入れるように、カスタム設計されてもよい。誘電体膜スタック内の滑らかさを製造者が制御できる限り、これらの条件下での99%を超える反射率が可能である。スタックは、例えば、約20〜約500の膜を含んでもよい。
【0130】
各シャッタ組立体A102の状態は、パッシブマトリクスアドレス指定方式を使用して制御されてもよい。各シャッタ組立体A102は、列電極A108と、2つの行電極A110a(「行開電極(row open electrode)」)およびA110b(「行閉電極(row close electrode)」)とによって制御されてもよい。光変調アレイA100内では、所与の列内のすべてのシャッタ組立体A102が1つの列電極A108を共有してもよい。行内のすべてのシャッタ組立体は、共通の行開電極A110aおよび共通の行閉電極A110bを共有してもよい。
【0131】
図21Aおよび図21Bに関連して上述したものに類似した、アクティブマトリクスアドレス指定方式もまた可能である。(薄膜トランジスタアレイまたは金属絶縁体金属(「MIM」)ダイオードのアレイによって、ピクセルおよびスイッチングの電圧が制御される)アクティブマトリクスアドレス指定は、印加された電圧が、ビデオフレームの周期全体を通して安定したやり方で維持される必要がある状況において有用である。アクティブマトリクスアドレス指定を使用した実装は、シャッタ組立体の行につき1つのみの行電極を使用して構築されることが可能である。
【0132】
図22および図23を参照すると、シャッタ組立体A102は、光変調アレイA100の他のシャッタ組立体A102と共有される、ガラス、シリコン、またはプラスチックポリマー基板A116上に構築される。基板A116は、最大約2,000行および最大約2,000列内に配置された、4,000,000ものシャッタ組立体を支持してもよい。例えば、看板適用例のために、複数の基板がアレイ状に配置されてもよい。
【0133】
光変調アレイA100およびその構成要素のシャッタ組立体A102は、リソグラフィ、エッチング技術(ウェットケミカル、ドライ、およびフォトレジスト除去など)、シリコンの熱酸化、電気めっきおよび無電界めっき、拡散プロセス(ホウ素、リン、ヒ素、およびアンチモンの拡散など)、イオン打ち込み、膜蒸着(蒸発(evaporation)(フィラメント、電子ビーム、フラッシュ、シャドウイング、およびステップカバレージ)、スパッタリング、化学気相蒸着法(「CVD」)、エピタキシ(気相、液層、および分子線)、電気めっき、スクリーン印刷、およびラミネーションなど)を含む、当業界で周知の標準的なマイクロマシニング技術を使用して形成される。概要については、Jaeger著、Introduction to Microelectronic Fabrication(Addison−Wesley Publishing Co.、Reading Mass. 1988)と、Runyanら著、Semiconductor Integrated Circuit Processing Technology(Addison−Wesley Publishing Co.、Reading Mass. 1990)と、Proceedings of the IEEE Micro Electro Mechanical Systems Conference、1987〜1998と、Rai−Choudhury編、Handbook of Microlithography, Micromachining & Microfabrication(SPIE Optical Engineering Press、Bellingham、Wash.、1997)とを参照されたい。
【0134】
より詳細には、(通常は、金属と誘電体とが交互になった)複数の材料層が、基板の上に蒸着されて、スタックを形成してもよい。1つ以上の材料層がスタックに追加された後で、スタックから除去されるべき、またはスタック上に残るべき材料を示すパターンが、スタックの一番上の層に適用されてもよい。ウェットおよび/またはドライエッチを含む、さまざまなエッチング技術が、次に、不要な材料を除去するために、パターン付きスタックに適用されてもよい。エッチの化学的性質、スタック内の層、およびエッチが適用される時間の長さに基づいて、エッチプロセスは、スタックの1つ以上の層から材料を除去してもよい。製造プロセスは、層形成、パターニング、およびエッチングの、複数回の繰り返しを含んでもよい。
【0135】
プロセスは、さらに、解除ステップを含んでもよい。結果としてもたらされる装置内で部品が移動するための自由度を提供するために、犠牲層が、スタック内の、完成した装置内の移動部品を形成する材料に隣接して、間に配置されてもよい。エッチまたはその他の一過性フェーズプロセスによって、犠牲材料のほとんどが除去され、それにより、部品は自由に移動できるようになる。
【0136】
解除の後は、移動部品間で接触時に電荷が移動しないように、移動するシャッタの表面が絶縁されてもよい。これは、Al2O3、Cr2O3、TiO2、HfO2、V2O5、Nb2O5、Ta2O5、SiO2、またはSi3N4などの絶縁体の、熱酸化および/またはコンフォーマル化学気相蒸着法によって、あるいは、同様の材料を、原子層蒸着などの技術を使用して蒸着することによって達成されてもよい。絶縁された表面は、接触している表面間の摩擦などの問題を防ぐために、絶縁された表面のフッ素化または水素化などの化学転化プロセスによって、化学的に保護されてもよい。
【0137】
デュアルコンプライアント電極アクチュエータは、シャッタ組立体A102内のシャッタA112を駆動するための、1つの適切なアクチュエータのクラスを構成する。非デュアルコンプライアント電極アクチュエータを含む、多くのその他のさまざまなタイプのアクチュエータが、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに、シャッタ組立体A102内のシャッタA112を駆動するために利用されてもよいことに注意されたい。デュアルコンプライアントビーム電極アクチュエータは、一般に、2つ以上の、少なくとも部分的にコンプライアントなビームから形成される。ビームのうちの少なくとも2つは、電極(本明細書では「ビーム電極」とも呼ばれる)として働く。ビーム電極の両端への電圧の印加に応じて、ビーム電極は、結果としてもたらされる静電力から、相互に引き寄せられる。デュアルコンプライアントビーム電極の両方のビームは、少なくとも部分的に、コンプライアントである。すなわち、ビームのそれぞれの少なくともいくらかの部分は、ビームが寄せ集められるのを助けるために、屈曲および/または湾曲することが可能である。一部の実装では、コンプライアンスは、波形の屈曲部(corrugated flexures)またはピン継手を含めることによって達成される。ビームのいくらかの部分は、実質的に剛性であってもよく、または、所定の位置に固定されてもよい。好ましくは、ビームの全長の少なくとも大部分はコンプライアントである。
【0138】
デュアルコンプライアント電極アクチュエータは、当業界で周知の他のアクチュエータに優る利点を有する。静電コームドライブ(electrostatic comb drives)は、比較的長い距離にわたって作動させるために非常に適しているが、比較的弱い力しか生成できない。平行板または平行ビームアクチュエータは、比較的大きな力を生成できるが、平行板またはビーム間の小さなギャップを必要とし、したがって、比較的小さな距離にわたってのみ作動させられる。R.Legtenbergら(Journal of Microelectromechanical Systems v.6、257頁、1997)は、湾曲した電極アクチュエータの使用により、どのようにして比較的大きな力が生成され、結果として比較的大きな変位がもたらされることが可能であるかを示した。ただし、Legtenbergでは、作動を開始させるために必要な電圧は、やはりかなり大きい。本明細書で示すように、そのような電圧は、両方の電極の移動または屈曲を許可することによって減らすことが可能である。
【0139】
デュアルコンプライアントビーム電極アクチュエータベースのシャッタ組立体では、シャッタは、デュアルコンプライアントビーム電極アクチュエータの少なくとも1つのビームに結合される。アクチュエータ内のビームのうちの一方が、もう一方の方へ引かれると、引かれたビームは、シャッタも移動させる。それにより、シャッタは、第1の位置から第2の位置に移動させられる。位置のうちの1つにおいて、シャッタは、例えば、以下に限定されるものではないが、ブロック、反射、吸収、フィルタリング、偏光、回折、あるいはその他の、光の特性または経路の変更を行うことによって、光路内の光と相互作用する。シャッタは、その干渉特性を向上するために、反射または光吸収膜を使用してコーティングされてもよい。露出可能な表面A114は、例えば、以下に限定されるものではないが、ブロック、反射、吸収、フィルタリング、偏光、回折、あるいはその他の、光の特性または経路の変更を行うことによって、シャッタによって提供される光学効果の方法と相補的な方法で、光路内の光と相互作用する。例えば、一方が吸収性である場合、他方は反射性であり、または、一方がある向きに偏光する場合、他方の表面は、垂直な向きに偏光する。
【0140】
図24Aおよび図24Bは、本発明の例示的実施形態による、それぞれ、完全に開かれた状態および完全に閉じられた状態における、シャッタ組立体A102の平面図である。シャッタ組立体A102は、デュアルコンプライアントビーム電極アクチュエータを、作動のために利用する。図23、図24A,および図24Bを参照すると、シャッタ組立体A102は、見る人と露出可能な表面A114との間の光の光路に出入りする、2つの半遮断シャッタ部分A112aおよびA112bを含むシャッタA112を、制御可能に移動させることによって、光を変調して画像を形成する。シャッタ部分A112aおよびA112bは、閉じられた場合、露出可能な表面114に光が衝突するのを実質的に妨げる。一実施形態では、シャッタ部分A112aおよびA112bがほぼ同じサイズである代わりに、一方のシャッタ部分A112aまたはA112bは、他方のシャッタ部分A112aまたはA112bのサイズよりも大きく、それらは別個に作動させられてもよい。したがって、0個、1個、または両方のシャッタ部分A112aおよびA112を選択的に開くことによって、シャッタ組立体A102は、4レベルのグレースケール(例えば、オフ、3分の1がオン、3分の2がオン、および完全にオン)を提供してもよい。
【0141】
シャッタA112aおよびA112bは、それぞれが、硬い、実質的に平面の物体から形成される。シャッタA112aおよびA112bは、閉じられた位置において、露出可能な表面A114への光路をシャッタA112aおよびA112bが十分に遮るような、規則的な、または不規則な、ほとんどあらゆる形状を取ってもよい。さらに、シャッタA112aおよびA112bは、(図24Aに示すような)開位置において、露出可能な表面A114によって十分な光が吸収または反射されて、それぞれ、ピクセルが暗くまたは明るくされるように、露出可能な表面の幅と調和する幅を有さなければならない。
【0142】
図24Aおよび図24Bに示すように、シャッタA112aおよびA112b(シャッタA112)のそれぞれは、2つのロードビームA208のそれぞれの端に結合される。ロードアンカーA210は、各ロードビームA208の反対側の端で、ロードビームA208を、基板A122に物理的に接続し、そして、ロードビームA208を、基板上に形成されたドライバ回路に電気的に接続する。ロードビームA208と、ロードアンカーA210とは、合わせて、シャッタA112を、基板上に形成された露出可能な表面A114上で支持するための、機械的支持として働く。
【0143】
シャッタ組立体A102は、駆動ビームA212のペアと、駆動ビームA214のペアとを含み、それぞれのうちの一方は、各ロードビームA210のいずれかの側に沿って配置される。駆動ビームA212およびA214と、ロードビームA210とは、合わせて、アクチュエータを形成する。駆動ビームA212は、シャッタ開電極として働き、もう一方の駆動ビームA214は、シャッタ閉電極として働く。駆動ビームA212およびA214の、シャッタA112に最も近い端に配置された、駆動アンカーA216およびA218は、各駆動ビームA212およびA214を、基板A122上に形成された回路に、物理的および電気的に接続する。本実施形態では、駆動ビームA212およびA214のもう一方の端と、全長のほとんどとは、固定されないままであるか、または自由に動くことができる。
【0144】
ロードビームA208と、駆動ビームA212およびA214とは、コンプライアントである。すなわちそれらは、それらの応力を受けない(「静止」)位置または形状から、少なくともいくらかの有用な程度まで、大きな疲労または破損なしに曲げられることが可能なように、十分な柔軟性と弾力性とを有する。ロードビームA208と、駆動ビームA212およびA214とは、一方の端においてのみ固定されるため、ビームA208、A212、およびA214の全長の大部分は、印加される力に応じて、自由に動くこと、曲がること、屈曲すること、または変形することができる。コルゲーション(例えば、ビームA208上のコルゲーションA208a)は、例えば、屈曲部の短縮による軸方向応力に打ち勝つため、および、所与の電圧におけるより大きな偏向を提供するために、提供されてもよい。
【0145】
ディスプレイ装置A10は、制御可能な電圧源から、駆動ビームA212またはA214に、それらの対応する駆動アンカーA216またはA218を経由して電位を印加し、ロードビームA208は接地または何らかの異なる電位に電気的に結合されるようにし、結果としてビームA208、A212、およびA214にわたって電圧がもたらされるようにすることによって、シャッタ組立体A102を作動させる(すなわち、シャッタ組立体A102の状態を変える)。パッシブまたはアクティブマトリクスアレイドライバなどの、制御可能な電圧源は、上述のようなパッシブまたはアクティブマトリクスを経由して、ロードビームA208に電気的に結合される。ディスプレイ装置A10は、さらに、または別法として、シャッタ組立体A102のロードアンカーA210を経由して、ロードビームA208に電位を印加して、電圧を増加してもよい。駆動ビームA212またはA214と、ロードビームA208との間の電位差は、符号または接地電位にかかわらず、ビーム間の静電力を生成し、結果として、移動平面内での横方向のシャッタの移動がもたらされる。
【0146】
シャッタ組立体のタイリングまたはピクセル配置は、正方形アレイの制約に限定される必要はない。高密度のタイリングは、さらに、例えば、矩形、菱面体、または六角形のピクセルアレイを使用して達成されてもよく、これらはすべて、ビデオおよびカラー画像化ディスプレイにおける適用例が見いだされる。
【0147】
図25は、高密度アレイ内の開口率を最大にし、駆動電圧を最小にするための、ピクセルのアレイ内へのシャッタ組立体のタイリングの好ましい方法を示す。図25は、3つの概して矩形のシャッタ組立体A102から画像ピクセルA106を形成するために、基板A122上にタイリングされた、デュアルコンプライアントジッパー電極アクチュエータベースのシャッタ組立体A102のタイリングA400を示す。各ピクセルA106の3つのシャッタ組立体A102は、別個に、または一括して制御されてもよい。
【0148】
好ましくは、シャッタ組立体A102は、フィルファクタを増加するために、なるべく間にむだな領域がないように、接近して詰められる。図25に示すように、シャッタ組立体A102の一部は、一部の隣接するシャッタ組立体A102間のギャップにインターリーブされてもよい。タイリングA400のインターリーブされた配置は、所望される場合は、行および列の正方形配置上にマッピングされてもよい。図示されているように、列A420a、A420b、およびA420cの繰り返しシーケンスは、それぞれが、特定のカラーフィルタA111(例えば、それぞれ、赤い、緑、および青)を有するサブピクセルに関連付けられてもよい。さらに、シャッタ組立体A102の2つのインターリーブされた行が、1つの行電極A430内に含まれる。インターリービングは、ピクセルA106の六角形パッキングを提供するために利用されてもよい。
【0149】
他の代替の実装では、ディスプレイ装置A102は、画像ピクセルA106につき複数の(例えば、1〜10の)対応する露出可能な表面A114と、対応するシャッタA112とを含んでもよい。そのような画像ピクセルA106の状態を変更する際の、作動させられるアクチュエータの数は、印加されるスイッチング電圧に依存してもよく、あるいは、スイッチング電圧の受け入れのために選択される行および列電極の特定の組み合わせに依存してもよい。最小および最大のスイッチング電圧の間の途中のスイッチング電圧を提供することによって、アナログ形式でアパーチャの部分的な開きが可能にされる実装も可能である。これらの代替の実装は、例えば、空間グレースケールを生成する改良された手段を提供する。
【0150】
集光アレイA150のファンネルA152は、例えば、アクリル、イミド、およびアセテートのような、ポリマーの非常に広大なファミリーから、ならびに、プラスチック、ガラス、またはUV硬化エポキシから、微小成型、エンボス、またはインベストメント鋳造されてもよい。微小成型は、フォトリソグラフィ、エッチング、またはエンボス技術などの、サブトラクティブ技術を含んでもよく、この技術では、反転パターンが、硬質材料で作成され、続いて、軟質材料が、表面上で位置合わせされてから押し込まれ、その後、硬化されるか、または固められてもよい。あるいは、ファンネルA152は、架橋結合されることが可能な、または光を利用してその架橋結合が壊されることが可能な、多くのポリマーのうち、例えば、ノバラック(Novalac)またはPMMAまたはポリイミドなどの、感光性材料(photo−imageable material)から製造されてもよい。例えば、Alex Ning,Ph.d.著「Plastic vs.Glass Optics: Factors to Consider (part of SPIE’Precision Plastic Optics’ short course note)」(1998年11月17日)、Julian M. Lippmannら著「Micro Investment Molding:Method for Creating Injection Molded Hollow Parts」(Proceedings of IMECE2005、2005年11月5〜11日)、およびJulian M.Lippmanら著「In−Plane,Hollow Microneedles Via Polymer Investment Molding」(2005年)を参照されたい。
【0151】
一実施形態では、図26A〜図26Dを参照すると、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコンベースのポリマー(「PDMS」)、ポリイミド、または任意のその他の適切な材料から、硬い円錐A152と光学レンズ構造A157とを成型することによって、ファンネルA152のアレイA150が最初に形成されてもよい(例えば、図26Aを参照)。次に、反射壁A158を形成するために、好ましくは、アレイA150の下側から、各円錐A152の外面および底面上に反射層がコーティングされてもよい(例えば、図26Bを参照)。次に、各円錐の第2の光開口部A154を提供するために、円錐A152の底面上にコーティングされた反射層が研磨により除去される(例えば、図26Cを参照)。任意選択で、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコンベースのポリマー(「PDMS」)、ポリイミド、または任意のその他の適切な材料が、円錐A152間のバックフィルA155として、それらが1つの充填されたシートに形成されるように、提供されてもよい(例えば、図26Dを参照)。円錐A152と、レンズA157と、カバーシートA109とが、すべて1つの層内に形成される実施形態では、例えば、各円錐A152の第2の光開口部A154において、フィルタアレイA111が提供されてもよい。
【0152】
あるいは、別の実施形態では、図27A〜図27Cを参照すると、例えば、多くのポリマーのうち、ノバラック(Novalac)またはPMMAまたはポリイミドなどの、感光性材料(photo−imageable material)A155の、例えば、シートA153内に、くぼんだファンネルA152の形態の、凹部のアレイが形成されてもよい(例えば、図27Aを参照)。次に、反射壁A158を形成するために、各凹部の内側上に、反射性材料がコーティングされてもよい(例えば、図27Bを参照)。次に、光開口部(くぼんだファンネルA152の下部における、第2の光開口部A154)を形成するために、シートA153の下部が、研磨により除去されてもよい(例えば、図27Cを参照)。最後に、任意選択で、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコンベースのポリマー(「PDMS」)、ポリイミド、または任意のその他の適切な材料が、円錐A152内のバックフィルA159として、それらが1つの充填されたシートに形成されるように、提供されてもよい(例えば、図27Cの、点線で囲まれた領域を参照)。この方法の代替の実装では、凹部はシートA153の全体を貫通して打ち抜かれて、くぼんだファンネルA152の先端部において反射性材料が集まることが防止され、それにより、第2の光開口部A154を形成するためにいかなる材料を除去する必要もなくなる。
【0153】
図28は、本発明の例示的実施形態による、反射型のディスプレイ装置A1010として装置が実装された場合のディスプレイ装置A10の追加の特徴を示す、組み合わせられた図22のシャッタと、ファンネルと、ピクセルとの組立体のうちの1つの、部分等角断面図である。反射型ディスプレイ装置A1010は、反射型シャッタ組立体A1102のアレイを含む、反射型光変調アレイとともに使用されてもよい。反射型シャッタ組立体A1102は、環境光源A107からの環境光(例えば、一般的な環境光線A702)を、フィルタアレイ層A111およびカバーシートA109を通して、見る人の方へ反射する(図面を簡単にするために、レンズA157を含む、層A111およびシートA109の部分は、図28に示されていないことに注意されたい)。
【0154】
反射型シャッタ組立体A1102は、図22〜図25のシャッタ組立体A102と実質的に同じ形態を取ってもよい。シャッタA1112aおよびA1112bの少なくとも前面を含む、見る人に面した、反射型シャッタ組立体A1102の最前部層には、光吸収膜A1152がコーティングされる。したがって、シャッタA1112が閉じられている場合、ファンネルA152によって反射型シャッタ組立体A1102上に集中させられた光A702は、膜A1152によって吸収される。(図28に示すように)シャッタA1112が少なくとも部分的に開かれている場合、反射型シャッタ組立体A1102上に集中させられた光A702の少なくとも一部分は、層A1118の露出した反射面A1015(すなわち、露出可能な表面A1114)に反射し、ファンネルA152を通して、鏡面反射光線A703として、見る人の方へ戻される。反射面A1015は、約50%を超える反射率を有する。例えば、反射面A1015は、70%、85%、92%,96%、またはより高い反射率を有してもよい。より滑らかな基板と、よりきめの細かい金属とによって、より高い反射率がもたらされる。滑らかな表面は、プラスチックを滑らかな壁を有する形態に成型することによって得られてもよい。含有物のない、きめの細かい金属膜は、スパッタリング、蒸発(evaporation)、イオンプレーティング、レーザアブレーション、または化学気相蒸着法を含む、いくつかの蒸着技術によって形成されてもよい。この反射型適用例のための効果的な金属としては、以下に限定されるものではないが、Al、Cr、Au、Ag、Cu、Ni、Ta、Ti、Nd、Nb、Rh、Si、Mo、および/または、その任意の合金または組み合わせが挙げられる。
【0155】
あるいは、反射面A1015は、誘電体反射鏡などの、反射鏡から形成されてもよい。誘電体反射鏡は、高い屈折率の材料と低い屈折率の材料とが交互になった誘電体薄膜のスタックとして製造される。屈折率が変化する各界面から、入射光の一部が反射される。誘電体層の厚さを、波長の、いくらかの固定された割合または倍数に制御することによって、そして、複数の平行な界面からの反射を加算することによって、98%を超える反射率を有する最終的な反射面を生成することが可能である。一部の誘電体反射鏡は、99.8%よりも大きな反射率を有する。誘電体反射鏡は、可視域内のあらかじめ指定された範囲の波長を受け入れるように、そして、あらかじめ指定された範囲の入射角を受け入れるように、カスタム設計されてもよい。誘電体膜スタック内の滑らかさを製造者が制御できる限り、これらの条件下での99%を超える反射率が可能である。スタックは、例えば、約20〜約500の膜を含んでもよい。あるいは、層A1118は吸収膜で覆われてもよく、シャッタA1112の前面は反射膜で覆われてもよい。これにより、シャッタA1112が少なくとも部分的に閉じられている場合のみ、光は、ファンネルA152を通して、見る人の方へ反射される。
【0156】
反射面A1015は、グレア対策のための拡散性をその上に提供するために、粗面化されてもよい。この粗面化は、機械的、化学的、または蒸着プロセスを含む、いくつかのプロセスのうちの任意の1つによって行われてもよい。反射面の粗面化によって、反射光が散乱させられて、さまざまな角度でファンネルA152内に入り、したがって、散乱光線A703’として、さまざまな角度で見る人の方へ向けられ、それにより、より広い視野角が作られ、鏡面反射の拡散率(ランベルト(Lambertian))が増加する。
【0157】
吸収膜A1152は、例えば、金属膜から形成されてもよい。ほとんどの金属膜は、光の一定の割合を吸収し、残りを反射する。光の吸収において効果的な、いくつかの金属合金としては、以下に限定されるものではないが、MoCr、MoW、MoTi、MoTa、TiW、およびTiCrが挙げられる。上記の合金から、またはNiおよびCrなどの単純金属から形成された、粗面を有する金属膜も、光の吸収において効果的である。そのような膜は、高いガス圧力(20ミリトール(mtorr)を超えるスパッタ雰囲気)内でのスパッタ蒸着によって生成されてもよい。粗い金属膜は、さらに、液体スプレーまたはプラズマスプレーの適用による金属粒子の散布と、それに続く、熱シンタリングステップとによって形成されてもよい。誘電体層A404などの、誘電体層が、次に、金属粒子の剥離または剥落を防止するために追加される。
【0158】
アモルファスまたは多結晶のSi、Ge、CdTe、InGaAsなどの半導体材料、コロイド黒鉛(炭素)、ならびに、SiGeなどの合金も、光の吸収において効果的である。これらの材料は、薄膜を通した光の透過を防止するために、500nmを超える厚さを有する膜内に蒸着されてもよい。以下に限定されるものではないが、CuO、NiO、Cr2O3、AgO、SnO、ZnO、TiO、Ta2O5、MoO3、CrN、TiN、またはTaNを含む、金属酸化物または窒化物も、光の吸収において効果的である。これらの酸化物または窒化物の吸収は、酸化物が非化学量論的なやり方−しばしば、スパッタリングまたは蒸発(evaporation)による−で調整または蒸着される場合、特に、蒸着プロセスによって格子内の酸素の不足がもたらされる場合に、向上する。半導体の場合と同様に、金属酸化物は、膜を通した光の透過を防止するために、500nmを超える厚さに蒸着されるべきである。
【0159】
サーメットと呼ばれる、材料のクラスも、光の吸収において効果的である。サーメットは、通常、酸化物または窒化物のマトリクス内に、小さな金属粒子が浮遊させられた、複合材料である。例としては、Cr2O3マトリクス内のCr粒子、またはSiO2マトリクス内のCr粒子が挙げられる。マトリクス内で浮遊させられるその他の金属粒子は、Ni、Ti、Au、Ag、Mo、Nb、および炭素であってもよい。その他のマトリクス材料としては、TiO2、Ta2O5、Al2O3、およびSi3N4が挙げられる。
【0160】
適切な薄膜材料間での光の相殺的干渉を利用して、多層吸収構造を作成することが可能である。代表的な実装としては、酸化物または窒化物の部分的反射層(partially reflecting layer)を、適切な反射率の金属とともに使用することが挙げられる。酸化物は、例えば、CrO2、TiO2、Al2O3、またはSiO2などの金属酸化物、あるいは、Si3N4のような窒化物であってもよく、金属は、Cr、Mo、Al、Ta、Tiなどの適切な金属であってもよい。一実装では、基板から入る光の吸収のために、金属酸化物の、10〜500nmの範囲の薄層が、最初に、基板A402の表面上に蒸着され、それに続いて、10〜500nmの厚さの金属層が蒸着される。別の実装では、基板と反対の方向から入る光の吸収のために、金属層が最初に蒸着され、続いて、金属酸化物が蒸着される。両方の場合に、二層スタックの吸収率は、酸化物層の厚さが、0.55ミクロンの4分の1を酸化物層の屈折率で割った値に実質的に等しいように選択される場合に、最適化されてもよい。
【0161】
別の実装では、金属層が基板上に蒸着され、それに続いて、計算された厚さの適切な酸化物層が蒸着される。次に、薄い金属が部分的にのみ反射するように、金属の薄層が、酸化物の上に蒸着される(0.02ミクロン未満の厚さ)。金属層からの部分的反射は、基板金属層からの反射と相殺的に干渉し、それにより、ブラックマトリクス効果を発生させる。吸収は、酸化物層の厚さが、0.55ミクロンの4分の1を酸化物層の屈折率で割った値に実質的に等しいように選択される場合に、最大化される。
【0162】
図29は、本発明の例示的実施形態による、半透過型ディスプレイの部分A2010の、部分等角断面図である。半透過型ディスプレイ装置A2010は、反射型ディスプレイ装置A10に類似しているが、半透過型ディスプレイ装置は、反射された環境光と、組み込まれたバックライトA105から放射され、透過させられた光との組み合わせから画像を形成する。半透過型ディスプレイ装置A2010は、半透過型シャッタ組立体A2102のアレイを含む、半透過型光変調アレイとともに使用されて、バックライトA105によって放射される光(例えば、一般的なバックライト光線A801)と、環境光源A107からの環境光(例えば、一般的な環境光線A802)との両方を変調して、画像を形成するために、フィルタアレイ層A111およびカバーシートA109を通して、見る人の方へ向けてもよい(図面を簡単にするために、レンズA157を含む、層A111およびシートA109の部分は、図29に示されていないことに注意されたい)。
【0163】
半透過型シャッタ組立体A2102は、図22〜図25のシャッタ組立体A102と実質的に同じ形態を取ってもよい。ただし、組立体A2102の層A2118は、反射面A2015と、反射面A2015を貫通してエッチングされた1つ以上の透過アパーチャA2018とを、露出可能な表面A2114を共同で形成するために、閉じられたシャッタA2112の位置の下に含む。約2〜約20ミクロンの寸法を有する、反射面A2015の少なくとも一部分は、閉じられたシャッタA2112の下に存続する。シャッタA2112aおよびA2112bの少なくとも前面を含む、見る人に面した、半透過型シャッタ組立体A2102の最前部層には、光吸収膜A2152がコーティングされる。したがって、シャッタA2112が閉じられている場合、ファンネルA152によって半透過型シャッタ組立体A2102上に集中させられた環境光A802は、膜A2152によって吸収される。同様に、シャッタ組立体A2112が閉じられている場合、露出可能な表面A2114内の透過アパーチャA2018を通した光の透過はブロックされる。(図29に示すように)シャッタA2112が少なくとも部分的に開かれている場合、半透過型シャッタ組立体A2102は、バックライトによって放射された光A801の少なくとも一部分が、露出可能な表面A2114内の透過アパーチャA2018を通し、ファンネルA152を通して、見る人の方へ透過することを許可することと、半透過型シャッタ組立体A2102上に集中させられた環境光A802の少なくとも一部分が、露出可能な表面A2114の、露出された反射面(1つ以上)A2015から、ファンネルA152を通して、見る人の方へ反射されることを許可することとの、両方によって、画像の形成に寄与する。露出可能な表面A2114の、露出された反射面(1つ以上)A2015の寸法が、透過アパーチャA2018に比較してより大きければ、環境光源A107からの環境光が、見る人に実質的に直接反射されるような、より鏡のような反射モードがもたらされるようになる。ただし、表面A1015に関して上述したように、反射面(1つ以上)A2015は、グレア対策のため、および、ディスプレイA2010の視野角を広くするための、拡散性をその上に提供するために、粗面化されてもよい。
【0164】
露出可能な表面A2114上の透過アパーチャA2018の間に配置された1つまたは複数の露出された反射面A2015上に、環境光A802を集中させるように設計されたファンネルA152を使用しても、環境光A802のいくらかの部分は、半透過型シャッタ組立体A2102のアパーチャA2018を通過してもよい。半透過型シャッタ組立体A2102が、光キャビティと光源とを有する空間光変調器内に組み込まれている場合、アパーチャA2018を通過する環境光A802は、光キャビティに入り、バックライトA105によって導入される光A801とともに、再循環させられる。代替の半透過型シャッタ組立体では、露出可能な表面内の透過アパーチャは、少なくとも部分的に、半反射−半透過材料を使用して満たされ、あるいは、別法として、露出可能な領域A2114の全体が、半透過半反射材料から形成されて、領域の一部が反射性および透過性として画定されたのと同じ最終的効果が達成されてもよい。
【0165】
図30は、本発明の例示的実施形態による、透過型ディスプレイ装置A3010の部分の、部分等角断面図である。ディスプレイ装置A10およびA2010と同様に、透過型ディスプレイ装置A3010は、シャッタ組立体A3102のアレイと、集光装置のアレイとを含む。以前に説明したディスプレイ装置A10およびA2010とは対照的に、ディスプレイ装置A3010では、光変調器のアレイは、集光装置のアレイと、見る人との間に配置される。透過型シャッタ組立体A3102は、バックライトA105によって放射された光(例えば、一般的なバックライト光線A901)を、見る人に向けて変調する。図面を簡単にするために、カラーフィルタ層A111およびカバーシートA109は、図30に示されていないことに注意されたい。フィルタA111は、ディスプレイ装置A3010内の、バックライトと、ディスプレイ装置A3010の前面との間の、任意の場所に配置されてもよい。
【0166】
透過型シャッタ組立体A3102は、図22〜図25のシャッタ組立体A102と実質的に同じ形態を取ってもよい。ただし、組立体A3102の層A3118は、露出可能な表面A3114を形成するために、閉じられたシャッタA3112の位置の下に、透過面A3018を含む。シャッタA3112aおよびA3112bの少なくとも前面を含む、見る人に面した、透過型シャッタ組立体A3102の最前部層には、光吸収膜A3152がコーティングされる。したがって、シャッタA3112が閉じられている場合、環境光A902は、膜A3152によって吸収され、見る人の方へは反射されない。(図30に示すように)シャッタA3112が少なくとも部分的に開かれている場合、透過型シャッタ組立体A3102は、バックライト光線A901の少なくとも一部分が、透過面A3018(すなわち、露出可能な表面A3114)を通して、見る人の方へ透過することを許可することによって、画像の形成に寄与する。バックライトからの迷光が、変調されずに光変調層を通過することができないように、透過アパーチャA3114の周囲に、追加の遮光領域が適用されてもよい。
【0167】
図示されているように、バックライト光線A901を、第1の光開口部A156から入れ、第2の光開口部A154を通して、透過シャッタ組立体A3102の透過領域(すなわち、露出可能な表面A3114の透過面A3108)上に集中させるための、集光アレイA150のファンネルA152が、シャッタ組立体A3102とバックライトA105との間に提供される。したがって、ディスプレイ装置A3010内で、透過型シャッタ組立体A3102のアレイを、ファンネルA152のそのような構成とともに使用することによって、ディスプレイ装置の変調面(すなわち、露出可能な表面A3114)上に集中させられる、バックライトA105からの画像形成光(すなわち、バックライト光線A901)の割合が増加する。光ファンネルA152のアレイは、さらに、バックライト内での光の再循環を提供するための、バックライトのための前部反射層として働いてもよく、それにより、別個の反射層の必要性をなくしてもよい。表面A3114に達するための伝導性を有さない角度でファンネルに入った光は、出るための伝導性を有する角度に達するような時まで、再循環のために、光ファンネルからバックライト内に反射される。
【0168】
ディスプレイのコントラスト比を最大にするために、利用可能な画像形成光を光変調器のアレイ上に集中させるための、本発明の集光アレイを利用した、ディスプレイのための装置および方法は、反射型光ファンネル(例えば、ファンネルA152)のアレイを利用するものとして説明したが、本発明は、さらに、その他のタイプの光学要素(すなわち、ファンネル以外)の集光アレイを利用した、ディスプレイのための装置および方法にも関することに注意されたい。これは、例えば、以前に説明したディスプレイ装置実施形態で、各反射型光ファンネルA152を、高Fナンバー(高開口数の)レンズに置き換えることによって達成されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態によれば、図23に示すレンズA157に類似した高開口レンズが、アレイA150内の円錐A152なしで利用されてもよい。さらに、本明細書で説明した多くの実装では、レンズA157と光ファンネルA152との両方の利用が開示されているが、多くの実装において、レンズは任意選択である。
【0169】
当業者は、本明細書に記載した実施形態および実施の多くの均等物を、認識するであろうし、あるいは、単なる日常的な実験を使用することによって把握可能であろう。したがって、本発明は、本明細書に記載した実施形態に限定されるものではなく、法律の下で許される限り広く解釈されるべきである、特許請求の範囲から理解されるべきである。
【0170】
本発明は、その精神または本質的特性から逸脱することなしに、他の特定の形態内で実施されてもよい。前述の実施形態は、したがって、本発明を限定するものではなく、すべての点で例示的であると見なされるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光透過領域を画定する第1の反射面と、
前記複数の光透過領域の方へ光を反射するための、前記第1の反射面に少なくとも部分的に面した第2の反射面と、
を備える空間光変調器。
【請求項2】
前記複数の光透過領域を選択的に遮るための光変調器のアレイを備える、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項3】
前記反射面のうちの1つは、反射鏡、誘電体反射鏡、および金属膜のうちの1つから形成される、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項4】
前記光透過領域のうちの少なくとも1つは、アパーチャを備える、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項5】
前記光透過領域のうちの少なくとも1つは、フィルタを備える、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項6】
前記光透過領域のうちの少なくとも1つは、液晶成分を備える、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項7】
前記光変調器のアレイ内の光変調器は、別個に制御可能および一括して制御可能のうちの1つである、
請求項2に記載の空間光変調器。
【請求項8】
前記光変調器のアレイは、複数のMEMSベースのシャッタ組立体を備える、
請求項2に記載の空間光変調器。
【請求項9】
前記MEMSベースのシャッタ組立体は、双安定なシャッタ組立体である、
請求項8に記載の空間光変調器。
【請求項10】
前記MEMSベースのシャッタ組立体は、シャッタを備え、前記シャッタは、前記第2の反射面から反射されて前記シャッタに当たる光を前記第2の反射面の方へ反射するために、反射膜が少なくとも部分的にコーティングされている、
請求項8に記載の空間光変調器。
【請求項11】
前記MEMSベースのシャッタ組立体は、シャッタを備え、前記シャッタは、少なくとも部分的に、環境光を吸収するための光吸収膜がコーティングされているか、または、粗面化されている、
請求項8に記載の空間光変調器。
【請求項12】
前記第1および第2の反射面の間の空間は、実質的に透明なキャビティを画定する、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項13】
前記第1の反射面は、前記第2の反射面に、実質的に平行であり、対向する、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項14】
前記第1の反射面は、前記第2の反射面に対して、少なくとも部分的に交差する、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項15】
前記光変調器のアレイは、平面内に配置された複数のシャッタを備え、前記シャッタのうちの少なくとも1つは、前記複数の光透過領域のうちの対応する1つを通した光の通過を許可する実質的に前記平面内の第1の位置と、第2の反射面から反射された光を遮るための実質的に前記平面内の第2の位置とを有する、
請求項2に記載の空間光変調器。
【請求項16】
前記光変調器のアレイは、平面内に配置された複数のシャッタを備え、前記シャッタのうちの少なくとも1つは、前記第2の反射面から反射された光を遮るための実質的に前記平面内の第1の位置と、前記複数の光透過領域のうちの対応する1つを通した光の通過を許可するために、前記シャッタの少なくとも部分が実質的に前記平面から離れている第2の位置とを有する、
請求項2に記載の空間光変調器。
【請求項17】
前記第1および第2の反射面の間に形成されたキャビティの実質的に全体にわたって光を分散させるための光ガイドを備える、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項18】
前記第1の反射面は、前記光ガイドの表面上に配置される、
請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項19】
基板を備え、前記基板上に前記光変調器のアレイが配置される、
請求項18に記載の空間光変調器。
【請求項20】
前記基板は、実質的に透明である、
請求項19に記載の空間光変調器。
【請求項21】
前記基板は、実質的に不透明であり、
前記基板は、前記第1の反射面内の前記複数の光透過領域に対応する複数のアパーチャを画定する、
請求項19に記載の空間光変調器。
【請求項22】
前記光ガイドと前記基板とを相互に所定の距離だけ離して維持し、それによりギャップを形成するためのスペーサを備える、
請求項19に記載の空間光変調器。
【請求項23】
前記光ガイドは、前記基板に結合される、
請求項19に記載の空間光変調器。
【請求項24】
基板を備え、前記基板上に前記第1の反射面と前記光変調器のアレイとが配置される、
請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項25】
前記第1の反射面は、反射膜を備える、
請求項24に記載の空間光変調器。
【請求項26】
前記光ガイドと前記基板との間に配置された、光学拡散体を備える、
請求項24に記載の空間光変調器。
【請求項27】
前記光ガイドと前記基板との間に配置された光学プリズムを備える、
請求項24に記載の空間光変調器。
【請求項28】
前記第2の反射面は、前記光ガイドにおける前記第1の反射面に最も近い側とは反対の側上に配置される、
請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項29】
前記光ガイドは、前記光ガイドから出る光の方向を変えるための複数の散乱点を備える、
請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項30】
前記光変調器のアレイは、液晶成分を備える、
請求項2に記載の空間光変調器。
【請求項31】
前記実質的に透明なキャビティ内に光を導入するための光源を備える、
請求項12に記載の空間光変調器。
【請求項32】
前記光源は、発光ダイオードを備える、
請求項31に記載の空間光変調器。
【請求項33】
前記光透過領域のうちの少なくとも1つを光が通過するのを選択的に妨げるための光変調器のアレイを備える、
請求項31に記載の空間光変調器。
【請求項34】
前記光変調器のアレイは、MEMSベースのシャッタ組立体のアレイを備える、
請求項33に記載の空間光変調器。
【請求項35】
画像を形成する方法であって、
複数の光透過領域を含む反射型光キャビティ内に光を導入するステップであって、前記光は、前記複数の光透過領域を通して前記反射型光キャビティから脱出することが可能であるステップと、
前記導入された光が、前記光透過領域のうちの少なくとも1つを通して、前記反射型光キャビティから脱出することを許可することによって、画像を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項36】
前記導入された光を、前記反射型キャビティの全体にわたって実質的に均一に分散させるステップを含む、
請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記光を導入するステップは、複数の異なるカラー光源を交互に照射するステップを含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも1つの光透過領域を通して、光が、前記反射型キャビティから脱出するのを防止するために、前記少なくとも1つの光透過領域を選択的に遮るステップを含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記選択的に遮るステップは、光変調器に印加される電圧を変更するステップを含む、
請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記光変調器は、MEMSベースのシャッタ組立体を備える、
請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記光変調器は、液晶成分を備える、
請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記導入された光が、前記反射型キャビティから脱出することを許可することは、前記導入された光が、前記光透過領域のうちの対応する1つを通して、前記反射型キャビティから脱出することを妨げている、少なくとも1つの遮りを除去するステップを含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記光透過領域のうちの前記対応する1つに当たる環境光を選択的に反射させるステップであって、前記光透過領域のうちの前記対応する1つを通して、前記導入された光が脱出することを許可されるステップを含む、
請求項42に記載の方法。
【請求項44】
少なくとも1つの光透過領域は、アパーチャを備える、
請求項35に記載の方法。
【請求項45】
少なくとも1つの光透過領域は、フィルタを備える、
請求項35に記載の方法。
【請求項46】
少なくとも1つの光透過領域は、液晶成分を備える、
請求項35に記載の方法。
【請求項47】
前記反射型キャビティは、前記複数の光透過領域を含む第1の反射面と、前記第1の反射面に少なくとも部分的に面した第2の反射面とを備える、
請求項35に記載の方法。
【請求項48】
前記反射型キャビティ内に実質的に含まれる光ガイド内に、前記導入された光を導入するステップを含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項49】
画像を形成する方法であって、
環境光を受け入れるステップと、
前記受け入れた環境光を選択的に反射させて画像を形成するために、少なくとも1つの基板上の複数のシャッタの位置を調整するステップと、
を含む方法。
【請求項50】
空間光変調器を製造するための方法であって、
内部に光が導入されることが可能な、第1および第2の対向する側を有する実質的に透明なキャビティを形成するステップと、
第1の反射面を、前記透明なキャビティの前記第1の側に、前記第1の反射面が前記透明なキャビティの内部に面するように結合するステップと、
前記第1の反射面内に、複数の光透過領域を形成するステップと、
第2の反射面を、前記透明なキャビティの前記第2の側に、前記第2の反射面が前記透明なキャビティの内部に面するように結合するステップと、
を含む方法。
【請求項51】
画像を形成するために、見る人の方へ光を選択的に反射させる光変調器のアレイと、
前記光変調器のアレイ内の光変調器のうちの各1つ上に光を集中させるために、前記光変調器のアレイと前記見る人との間に配置された反射型光ファンネルのアレイと、
を備えるディスプレイ装置。
【請求項52】
前記反射型光ファンネルのアレイ内の反射型光ファンネルのうちの1つは、前記見る人の方へ向けられた第1の光開口部と、前記光変調器のうちの各1つの方へ向けられたより小さな第2の光開口部と、前記第1の光開口部を前記第2の光開口部に接続する反射壁とを備える、
請求項51に記載のディスプレイ装置。
【請求項53】
前記反射壁は、前記反射型光ファンネルの内側上に蒸着された反射性材料を備える、
請求項52に記載のディスプレイ装置。
【請求項54】
前記反射壁は、反射性材料によってコーティングされた実質的に透明な内側を備える、
請求項52に記載のディスプレイ装置。
【請求項55】
前記壁は、概して円錐形をしている、
請求項52に記載のディスプレイ装置。
【請求項56】
前記壁は、六角形の断面を有する、
請求項52に記載のディスプレイ装置。
【請求項57】
前記壁は、矩形の断面を有する、
請求項52に記載のディスプレイ装置。
【請求項58】
前記壁は、多角形の断面を有する、
請求項52に記載のディスプレイ装置。
【請求項59】
前記反射型光ファンネルの高さは、前記第1の光開口部の直径よりも小さい、
請求項51に記載のディスプレイ装置。
【請求項60】
前記反射型光ファンネルの高さは、前記第1の光開口部の直径よりも大きい、
請求項51に記載のディスプレイ装置。
【請求項61】
前記光変調器のアレイ内の光変調器のうちの1つは、MEMSベースの光変調器を備える、
請求項51に記載のディスプレイ装置。
【請求項62】
前記1つの光変調器は、シャッタを備える、
請求項61に記載のディスプレイ装置。
【請求項63】
前記シャッタは、前記見る人の方へ光を反射させるための、
反射性材料を備える、請求項62に記載のディスプレイ装置。
【請求項64】
前記シャッタは、前記見る人に対して前記シャッタの背後に配置された光吸収性材料に光が当たるのを選択的に妨げる、
請求項63に記載のディスプレイ装置。
【請求項65】
前記シャッタは、光吸収性材料を備える、
請求項62に記載のディスプレイ装置。
【請求項66】
前記シャッタは、前記見る人に対して前記シャッタの背後に配置された反射面に光が衝突するのを選択的に妨げる、
請求項65に記載のディスプレイ装置。
【請求項67】
前記1つの光変調器は、2つのシャッタを備える、
請求項61に記載のディスプレイ装置。
【請求項68】
前記2つのシャッタのうちの一方は、前記2つのシャッタのうちの他方よりも大きい、
請求項67に記載のディスプレイ装置。
【請求項69】
前記2つのシャッタは、前記見る人の方へ光が反射面で反射するのを選択的に妨げる、
請求項67に記載のディスプレイ装置。
【請求項70】
前記2つのシャッタは、前記見る人の方へ光を反射させる、
請求項67に記載のディスプレイ装置。
【請求項71】
前記2つのシャッタは、前記見る人に対して前記2つのシャッタの背後に配置された光吸収面に光が衝突するのを選択的に許可する、
請求項70に記載のディスプレイ装置。
【請求項72】
前記光変調器のうちの各1つに対応した、カラーフィルタのアレイを備える、
請求項51に記載のディスプレイ装置。
【請求項73】
前記カラーフィルタのアレイは、複数の、赤のフィルタと、緑のフィルタと、青のフィルタとを含む、
請求項67に記載のディスプレイ装置。
【請求項74】
前記カラーフィルタのアレイは、複数の白のフィルタを含む、
請求項73に記載のディスプレイ装置。
【請求項75】
画像を形成するために、光を選択的に変調するMEMSベースの光変調器のアレイと、
前記光変調器のアレイ内の光変調器のうちの各1つ上に光を集中させるために、前記MEMSベースの光変調器のアレイと見る人との間に配置された反射型光ファンネルのアレイと、
を備えるディスプレイ装置。
【請求項76】
バックライトを備える、
請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項77】
前記MEMSベースの光変調器は、前記バックライトからの光を前記見る人の方へ選択的に透過させ、前記見る人の方向からの光を選択的に反射させる、
請求項76に記載のディスプレイ装置。
【請求項78】
フロントライトを備える、
請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項79】
前記MEMSベースの光変調器は、前記見る人の方へ光を反射させることによって光を変調する、
請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項80】
前記MEMSベースの光変調器のうちの1つは、シャッタを備える、
請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項81】
前記シャッタは、前記見る人の方へ光を反射させるための、反射性材料を備える、
請求項80に記載のディスプレイ装置。
【請求項82】
前記シャッタは、前記見る人に対して前記シャッタの背後にある光吸収面に光が衝突するのを選択的に妨げる、
請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項83】
前記シャッタは、光吸収性材料を備える、
請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項84】
前記シャッタは、前記見る人に対して前記シャッタの背後にある反射面に光が衝突するのを選択的に妨げる、
請求項83に記載のディスプレイ装置。
【請求項85】
前記1つのMEMSベースの光変調器は、第2のシャッタを備える、
請求項80に記載のディスプレイ装置。
【請求項86】
前記第1のシャッタは、前記第2のシャッタよりも大きな領域の表面を覆う、
請求項85に記載のディスプレイ装置。
【請求項87】
前記光変調器の各1つに対応した、カラーフィルタのアレイを備える、
請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項88】
前記カラーフィルタのアレイは、複数の、赤のフィルタと、緑のフィルタと、青のフィルタとを含む、
請求項87に記載のディスプレイ装置。
【請求項89】
画像を形成するために、光を選択的に変調するMEMSベースの光変調器のアレイと、
前記MEMSベースの光変調器によって変調される、バックライトによって生成された光の割合を増加させるために、前記バックライトと、前記MEMSベースの光変調器のアレイとの間に配置された反射型光ファンネルのアレイとを備える、
ディスプレイ装置。
【請求項90】
前記MEMSベースの光変調器は、前記バックライト内で生成された光を見る人の方へ選択的に透過させる、
請求項89に記載のディスプレイ装置。
【請求項91】
ディスプレイ装置を製造するための方法であって、
反射型光変調器のアレイを形成するステップと、
反射型光ファンネルのアレイを形成するステップと、
を含み、
前記反射型光ファンネルのアレイを形成するステップは、
実質的に透明な材料のシート内に凹部のアレイを形成するステップであって、前記各凹部は上部と下部と壁とを有するステップと、
前記凹部の前記壁上に反射膜を蒸着するステップと、
前記凹部の前記下部において、光開口部を、前記光開口部が前記凹部の前記上部の直径よりも小さな直径を有するように形成するステップと、
を含む方法。
【請求項92】
ディスプレイ装置を製造するための方法であって、
反射型光変調器のアレイを形成するステップと、
反射型光ファンネルのアレイを形成するステップと、
を含み、
前記反射型光ファンネルのアレイを形成するステップは、
実質的に透明な材料層を提供するステップと、
前記実質的に透明な材料層から、前記材料により形成されており先端部を有する複数の硬い円錐を残して、材料を除去するステップと、
前記円錐の表面上に反射性コーティングを蒸着するステップと、
前記円錐の先端部において光開口部を形成するステップと、
前記反射性コーティングの上にバックフィル材料を蒸着するステップと、
を含む方法。
【請求項1】
複数の光透過領域を画定する第1の反射面と、
前記複数の光透過領域の方へ光を反射するための、前記第1の反射面に少なくとも部分的に面した第2の反射面と、
を備える空間光変調器。
【請求項2】
前記複数の光透過領域を選択的に遮るための光変調器のアレイを備える、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項3】
前記反射面のうちの1つは、反射鏡、誘電体反射鏡、および金属膜のうちの1つから形成される、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項4】
前記光透過領域のうちの少なくとも1つは、アパーチャを備える、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項5】
前記光透過領域のうちの少なくとも1つは、フィルタを備える、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項6】
前記光透過領域のうちの少なくとも1つは、液晶成分を備える、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項7】
前記光変調器のアレイ内の光変調器は、別個に制御可能および一括して制御可能のうちの1つである、
請求項2に記載の空間光変調器。
【請求項8】
前記光変調器のアレイは、複数のMEMSベースのシャッタ組立体を備える、
請求項2に記載の空間光変調器。
【請求項9】
前記MEMSベースのシャッタ組立体は、双安定なシャッタ組立体である、
請求項8に記載の空間光変調器。
【請求項10】
前記MEMSベースのシャッタ組立体は、シャッタを備え、前記シャッタは、前記第2の反射面から反射されて前記シャッタに当たる光を前記第2の反射面の方へ反射するために、反射膜が少なくとも部分的にコーティングされている、
請求項8に記載の空間光変調器。
【請求項11】
前記MEMSベースのシャッタ組立体は、シャッタを備え、前記シャッタは、少なくとも部分的に、環境光を吸収するための光吸収膜がコーティングされているか、または、粗面化されている、
請求項8に記載の空間光変調器。
【請求項12】
前記第1および第2の反射面の間の空間は、実質的に透明なキャビティを画定する、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項13】
前記第1の反射面は、前記第2の反射面に、実質的に平行であり、対向する、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項14】
前記第1の反射面は、前記第2の反射面に対して、少なくとも部分的に交差する、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項15】
前記光変調器のアレイは、平面内に配置された複数のシャッタを備え、前記シャッタのうちの少なくとも1つは、前記複数の光透過領域のうちの対応する1つを通した光の通過を許可する実質的に前記平面内の第1の位置と、第2の反射面から反射された光を遮るための実質的に前記平面内の第2の位置とを有する、
請求項2に記載の空間光変調器。
【請求項16】
前記光変調器のアレイは、平面内に配置された複数のシャッタを備え、前記シャッタのうちの少なくとも1つは、前記第2の反射面から反射された光を遮るための実質的に前記平面内の第1の位置と、前記複数の光透過領域のうちの対応する1つを通した光の通過を許可するために、前記シャッタの少なくとも部分が実質的に前記平面から離れている第2の位置とを有する、
請求項2に記載の空間光変調器。
【請求項17】
前記第1および第2の反射面の間に形成されたキャビティの実質的に全体にわたって光を分散させるための光ガイドを備える、
請求項1に記載の空間光変調器。
【請求項18】
前記第1の反射面は、前記光ガイドの表面上に配置される、
請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項19】
基板を備え、前記基板上に前記光変調器のアレイが配置される、
請求項18に記載の空間光変調器。
【請求項20】
前記基板は、実質的に透明である、
請求項19に記載の空間光変調器。
【請求項21】
前記基板は、実質的に不透明であり、
前記基板は、前記第1の反射面内の前記複数の光透過領域に対応する複数のアパーチャを画定する、
請求項19に記載の空間光変調器。
【請求項22】
前記光ガイドと前記基板とを相互に所定の距離だけ離して維持し、それによりギャップを形成するためのスペーサを備える、
請求項19に記載の空間光変調器。
【請求項23】
前記光ガイドは、前記基板に結合される、
請求項19に記載の空間光変調器。
【請求項24】
基板を備え、前記基板上に前記第1の反射面と前記光変調器のアレイとが配置される、
請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項25】
前記第1の反射面は、反射膜を備える、
請求項24に記載の空間光変調器。
【請求項26】
前記光ガイドと前記基板との間に配置された、光学拡散体を備える、
請求項24に記載の空間光変調器。
【請求項27】
前記光ガイドと前記基板との間に配置された光学プリズムを備える、
請求項24に記載の空間光変調器。
【請求項28】
前記第2の反射面は、前記光ガイドにおける前記第1の反射面に最も近い側とは反対の側上に配置される、
請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項29】
前記光ガイドは、前記光ガイドから出る光の方向を変えるための複数の散乱点を備える、
請求項17に記載の空間光変調器。
【請求項30】
前記光変調器のアレイは、液晶成分を備える、
請求項2に記載の空間光変調器。
【請求項31】
前記実質的に透明なキャビティ内に光を導入するための光源を備える、
請求項12に記載の空間光変調器。
【請求項32】
前記光源は、発光ダイオードを備える、
請求項31に記載の空間光変調器。
【請求項33】
前記光透過領域のうちの少なくとも1つを光が通過するのを選択的に妨げるための光変調器のアレイを備える、
請求項31に記載の空間光変調器。
【請求項34】
前記光変調器のアレイは、MEMSベースのシャッタ組立体のアレイを備える、
請求項33に記載の空間光変調器。
【請求項35】
画像を形成する方法であって、
複数の光透過領域を含む反射型光キャビティ内に光を導入するステップであって、前記光は、前記複数の光透過領域を通して前記反射型光キャビティから脱出することが可能であるステップと、
前記導入された光が、前記光透過領域のうちの少なくとも1つを通して、前記反射型光キャビティから脱出することを許可することによって、画像を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項36】
前記導入された光を、前記反射型キャビティの全体にわたって実質的に均一に分散させるステップを含む、
請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記光を導入するステップは、複数の異なるカラー光源を交互に照射するステップを含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも1つの光透過領域を通して、光が、前記反射型キャビティから脱出するのを防止するために、前記少なくとも1つの光透過領域を選択的に遮るステップを含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記選択的に遮るステップは、光変調器に印加される電圧を変更するステップを含む、
請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記光変調器は、MEMSベースのシャッタ組立体を備える、
請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記光変調器は、液晶成分を備える、
請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記導入された光が、前記反射型キャビティから脱出することを許可することは、前記導入された光が、前記光透過領域のうちの対応する1つを通して、前記反射型キャビティから脱出することを妨げている、少なくとも1つの遮りを除去するステップを含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記光透過領域のうちの前記対応する1つに当たる環境光を選択的に反射させるステップであって、前記光透過領域のうちの前記対応する1つを通して、前記導入された光が脱出することを許可されるステップを含む、
請求項42に記載の方法。
【請求項44】
少なくとも1つの光透過領域は、アパーチャを備える、
請求項35に記載の方法。
【請求項45】
少なくとも1つの光透過領域は、フィルタを備える、
請求項35に記載の方法。
【請求項46】
少なくとも1つの光透過領域は、液晶成分を備える、
請求項35に記載の方法。
【請求項47】
前記反射型キャビティは、前記複数の光透過領域を含む第1の反射面と、前記第1の反射面に少なくとも部分的に面した第2の反射面とを備える、
請求項35に記載の方法。
【請求項48】
前記反射型キャビティ内に実質的に含まれる光ガイド内に、前記導入された光を導入するステップを含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項49】
画像を形成する方法であって、
環境光を受け入れるステップと、
前記受け入れた環境光を選択的に反射させて画像を形成するために、少なくとも1つの基板上の複数のシャッタの位置を調整するステップと、
を含む方法。
【請求項50】
空間光変調器を製造するための方法であって、
内部に光が導入されることが可能な、第1および第2の対向する側を有する実質的に透明なキャビティを形成するステップと、
第1の反射面を、前記透明なキャビティの前記第1の側に、前記第1の反射面が前記透明なキャビティの内部に面するように結合するステップと、
前記第1の反射面内に、複数の光透過領域を形成するステップと、
第2の反射面を、前記透明なキャビティの前記第2の側に、前記第2の反射面が前記透明なキャビティの内部に面するように結合するステップと、
を含む方法。
【請求項51】
画像を形成するために、見る人の方へ光を選択的に反射させる光変調器のアレイと、
前記光変調器のアレイ内の光変調器のうちの各1つ上に光を集中させるために、前記光変調器のアレイと前記見る人との間に配置された反射型光ファンネルのアレイと、
を備えるディスプレイ装置。
【請求項52】
前記反射型光ファンネルのアレイ内の反射型光ファンネルのうちの1つは、前記見る人の方へ向けられた第1の光開口部と、前記光変調器のうちの各1つの方へ向けられたより小さな第2の光開口部と、前記第1の光開口部を前記第2の光開口部に接続する反射壁とを備える、
請求項51に記載のディスプレイ装置。
【請求項53】
前記反射壁は、前記反射型光ファンネルの内側上に蒸着された反射性材料を備える、
請求項52に記載のディスプレイ装置。
【請求項54】
前記反射壁は、反射性材料によってコーティングされた実質的に透明な内側を備える、
請求項52に記載のディスプレイ装置。
【請求項55】
前記壁は、概して円錐形をしている、
請求項52に記載のディスプレイ装置。
【請求項56】
前記壁は、六角形の断面を有する、
請求項52に記載のディスプレイ装置。
【請求項57】
前記壁は、矩形の断面を有する、
請求項52に記載のディスプレイ装置。
【請求項58】
前記壁は、多角形の断面を有する、
請求項52に記載のディスプレイ装置。
【請求項59】
前記反射型光ファンネルの高さは、前記第1の光開口部の直径よりも小さい、
請求項51に記載のディスプレイ装置。
【請求項60】
前記反射型光ファンネルの高さは、前記第1の光開口部の直径よりも大きい、
請求項51に記載のディスプレイ装置。
【請求項61】
前記光変調器のアレイ内の光変調器のうちの1つは、MEMSベースの光変調器を備える、
請求項51に記載のディスプレイ装置。
【請求項62】
前記1つの光変調器は、シャッタを備える、
請求項61に記載のディスプレイ装置。
【請求項63】
前記シャッタは、前記見る人の方へ光を反射させるための、
反射性材料を備える、請求項62に記載のディスプレイ装置。
【請求項64】
前記シャッタは、前記見る人に対して前記シャッタの背後に配置された光吸収性材料に光が当たるのを選択的に妨げる、
請求項63に記載のディスプレイ装置。
【請求項65】
前記シャッタは、光吸収性材料を備える、
請求項62に記載のディスプレイ装置。
【請求項66】
前記シャッタは、前記見る人に対して前記シャッタの背後に配置された反射面に光が衝突するのを選択的に妨げる、
請求項65に記載のディスプレイ装置。
【請求項67】
前記1つの光変調器は、2つのシャッタを備える、
請求項61に記載のディスプレイ装置。
【請求項68】
前記2つのシャッタのうちの一方は、前記2つのシャッタのうちの他方よりも大きい、
請求項67に記載のディスプレイ装置。
【請求項69】
前記2つのシャッタは、前記見る人の方へ光が反射面で反射するのを選択的に妨げる、
請求項67に記載のディスプレイ装置。
【請求項70】
前記2つのシャッタは、前記見る人の方へ光を反射させる、
請求項67に記載のディスプレイ装置。
【請求項71】
前記2つのシャッタは、前記見る人に対して前記2つのシャッタの背後に配置された光吸収面に光が衝突するのを選択的に許可する、
請求項70に記載のディスプレイ装置。
【請求項72】
前記光変調器のうちの各1つに対応した、カラーフィルタのアレイを備える、
請求項51に記載のディスプレイ装置。
【請求項73】
前記カラーフィルタのアレイは、複数の、赤のフィルタと、緑のフィルタと、青のフィルタとを含む、
請求項67に記載のディスプレイ装置。
【請求項74】
前記カラーフィルタのアレイは、複数の白のフィルタを含む、
請求項73に記載のディスプレイ装置。
【請求項75】
画像を形成するために、光を選択的に変調するMEMSベースの光変調器のアレイと、
前記光変調器のアレイ内の光変調器のうちの各1つ上に光を集中させるために、前記MEMSベースの光変調器のアレイと見る人との間に配置された反射型光ファンネルのアレイと、
を備えるディスプレイ装置。
【請求項76】
バックライトを備える、
請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項77】
前記MEMSベースの光変調器は、前記バックライトからの光を前記見る人の方へ選択的に透過させ、前記見る人の方向からの光を選択的に反射させる、
請求項76に記載のディスプレイ装置。
【請求項78】
フロントライトを備える、
請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項79】
前記MEMSベースの光変調器は、前記見る人の方へ光を反射させることによって光を変調する、
請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項80】
前記MEMSベースの光変調器のうちの1つは、シャッタを備える、
請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項81】
前記シャッタは、前記見る人の方へ光を反射させるための、反射性材料を備える、
請求項80に記載のディスプレイ装置。
【請求項82】
前記シャッタは、前記見る人に対して前記シャッタの背後にある光吸収面に光が衝突するのを選択的に妨げる、
請求項81に記載のディスプレイ装置。
【請求項83】
前記シャッタは、光吸収性材料を備える、
請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項84】
前記シャッタは、前記見る人に対して前記シャッタの背後にある反射面に光が衝突するのを選択的に妨げる、
請求項83に記載のディスプレイ装置。
【請求項85】
前記1つのMEMSベースの光変調器は、第2のシャッタを備える、
請求項80に記載のディスプレイ装置。
【請求項86】
前記第1のシャッタは、前記第2のシャッタよりも大きな領域の表面を覆う、
請求項85に記載のディスプレイ装置。
【請求項87】
前記光変調器の各1つに対応した、カラーフィルタのアレイを備える、
請求項75に記載のディスプレイ装置。
【請求項88】
前記カラーフィルタのアレイは、複数の、赤のフィルタと、緑のフィルタと、青のフィルタとを含む、
請求項87に記載のディスプレイ装置。
【請求項89】
画像を形成するために、光を選択的に変調するMEMSベースの光変調器のアレイと、
前記MEMSベースの光変調器によって変調される、バックライトによって生成された光の割合を増加させるために、前記バックライトと、前記MEMSベースの光変調器のアレイとの間に配置された反射型光ファンネルのアレイとを備える、
ディスプレイ装置。
【請求項90】
前記MEMSベースの光変調器は、前記バックライト内で生成された光を見る人の方へ選択的に透過させる、
請求項89に記載のディスプレイ装置。
【請求項91】
ディスプレイ装置を製造するための方法であって、
反射型光変調器のアレイを形成するステップと、
反射型光ファンネルのアレイを形成するステップと、
を含み、
前記反射型光ファンネルのアレイを形成するステップは、
実質的に透明な材料のシート内に凹部のアレイを形成するステップであって、前記各凹部は上部と下部と壁とを有するステップと、
前記凹部の前記壁上に反射膜を蒸着するステップと、
前記凹部の前記下部において、光開口部を、前記光開口部が前記凹部の前記上部の直径よりも小さな直径を有するように形成するステップと、
を含む方法。
【請求項92】
ディスプレイ装置を製造するための方法であって、
反射型光変調器のアレイを形成するステップと、
反射型光ファンネルのアレイを形成するステップと、
を含み、
前記反射型光ファンネルのアレイを形成するステップは、
実質的に透明な材料層を提供するステップと、
前記実質的に透明な材料層から、前記材料により形成されており先端部を有する複数の硬い円錐を残して、材料を除去するステップと、
前記円錐の表面上に反射性コーティングを蒸着するステップと、
前記円錐の先端部において光開口部を形成するステップと、
前記反射性コーティングの上にバックフィル材料を蒸着するステップと、
を含む方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図26D】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28】
【図29】
【図30】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図26D】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−177938(P2012−177938A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−117732(P2012−117732)
【出願日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【分割の表示】特願2011−219206(P2011−219206)の分割
【原出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(507276092)ピクストロニクス,インコーポレイテッド (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−117732(P2012−117732)
【出願日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【分割の表示】特願2011−219206(P2011−219206)の分割
【原出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(507276092)ピクストロニクス,インコーポレイテッド (35)
【Fターム(参考)】
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