画像データファイルの送信装置、および画像データファイルの伝送システム
【課題】電子スチルカメラからデータストレージ装置に保存されている画像データファイルを制御する。
【解決手段】電子スチルカメラ100は、撮影時にサムネイル画像データと本画像データとIDとを1つの画像データファイルとして内部メモリに記録する。電子スチルカメラ100は、記録した画像データファイルのコピーをデータストレージ装置200に送信し、データストレージ装置200からの受信完了信号を受信すると画像データファイルから本画像データを削除する。電子スチルカメラ100は、画像データファイルの削除指令、プロテクト指令、およびプロテクト解除指令を各指令の対象となるIDとともにデータストレージ装置200に送信する。データストレージ装置200は、送信されたIDが含まれる画像データファイルに対して削除、プロテクト、プロテクト解除を行う。
【解決手段】電子スチルカメラ100は、撮影時にサムネイル画像データと本画像データとIDとを1つの画像データファイルとして内部メモリに記録する。電子スチルカメラ100は、記録した画像データファイルのコピーをデータストレージ装置200に送信し、データストレージ装置200からの受信完了信号を受信すると画像データファイルから本画像データを削除する。電子スチルカメラ100は、画像データファイルの削除指令、プロテクト指令、およびプロテクト解除指令を各指令の対象となるIDとともにデータストレージ装置200に送信する。データストレージ装置200は、送信されたIDが含まれる画像データファイルに対して削除、プロテクト、プロテクト解除を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データデータファイルの送信装置、および画像データファイルの伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子カメラで記録された画像データは、一般に電子カメラに備えられている記録媒体より大きな記録容量を有するデータストレージ装置に転送されて記録される場合がある。データストレージ装置に記録された画像データはパソコンなどによって読み出され、パソコンに接続されている表示装置で表示されたり、パソコンに接続されている出力装置で印刷される。電子カメラとデータストレージ装置とが離れた位置におかれていたり、データストレージ装置側に表示装置が用意されていない場合に、電子カメラを操作する人がデータストレージ装置に記録されている画像データによる画像を確認するためには、データストレージ装置に記録した画像データと同じ画像データを電子カメラ側の記録媒体にも残しておく必要がある。電子カメラの操作者は、電子カメラ側に記録されている画像データによる画像を電子カメラに備えられている表示用モニタなどに表示させ、表示画像を確認する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
データストレージ装置に記録した画像データを電子カメラ内側の記録媒体に残しておくと、電子カメラ側に大きな記録容量が必要になって、カメラが大型化する上にコストがかさむという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、送信した画像データファイルに対応する画像データを記録するようにした本画像データを保存せず、対応する簡易画像データ等を管理のために保存するようにした画像データファイルの送信装置、および画像データファイルの伝送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施の形態を示す図1,図2に対応づけて本発明を説明する。
(1)請求項1に記載の発明による画像データファイルの送信装置は、画像を含むデータファイルを外部装置に送る画像データファイルの送信装置に適用される。そして、画像に対応して画像よりデータサイズが小さい簡易画像のファイルをメモリ105に保存する記録回路106と、画像と簡易画像とを関連させる情報を生成する情報生成手段106と、情報生成手段106により生成された情報を記録回路106によってメモリ105に保存させる制御手段106とを備えることにより、上述した目的を達成する。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像データファイルの送信装置において、複数の簡易画像を表示する表示手段107と、表示手段107に表示される複数の簡易画像の中から簡易画像を選択する選択手段113,106と、選択手段113,106により選択された簡易画像に対応する画像を含むデータファイルを、外部装置200が少なくとも削除するための指令を含む特定の指示信号を発生する指示信号発生手段106と、特定の指示信号と選択された簡易画像に関連する情報とを外部装置200に送る送信手段109とをさらに備えることを特徴とする。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像データファイルの送信装置において、送信装置100はカメラであることを特徴とする。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の画像データファイルの送信装置において、特定の指示信号は、外部装置200がデータファイルを削除することを禁止する指令を含むことを特徴とする。
(5)請求項5に記載の発明による画像データファイルの伝送システムは、画像を含むデータファイルを送信装置から受信装置に送る画像データファイルの伝送システムに適用される。そして、送信装置100に備えられ、画像に対応して画像よりデータサイズ小さい簡易画像のファイルをメモリ105に保存する第1の記録回路106と、受信装置200に備えられ、画像のファイルをメモリ202に保存する第2の記録回路206と、画像と簡易画像とを関連させる情報を生成する情報生成手段106と、情報生成手段106により生成された情報を画像および簡易画像に対応づけて第1の記録回路106および第2の記録回路206の両方によってそれぞれ保存させる制御手段106,206とを備えることにより、上述した目的を達成する。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像データファイルの伝送システムにおいて、情報生成手段106は、送信装置100に備えられ、送信装置100は、情報生成手段106により生成される情報を受信装置200に送る送信手段109をさらに備え、受信装置200は、送られた情報で画像を特定する特定手段206をさらに備えることを特徴とする。
なお、上記課題を解決するための手段の項では、本発明をわかりやすく説明するために実施の形態の図と対応づけたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0006】
以上詳細に説明したように本発明によれば、次のような効果を奏する。
(1)請求項1〜4に記載の発明による画像データファイルの送信装置では、外部装置に送る画像に対応する簡易画像のファイルと、上記画像と簡易画像とを関連させる情報とをメモリに保存するようにしたので、送信装置側で外部装置にどの画像を送ったかを管理することができる。さらに、簡易画像のデータサイズを画像のデータサイズより小さくしたことにより、送信装置のメモリ容量を低減して小型で低コストの送信装置が得られる。
(2)請求項2〜4に記載の発明では、送信装置に複数の簡易画像を表示し、簡易画像と上記画像とを関連させる情報と、少なくとも画像データファイルを削除する指令を含む特定の指示信号とを外部装置に送るようにしたので、送信装置側から外部装置に送った画像データファイルの削除指示を行うことができる。この結果、送信装置と外部装置とが離れて配設される場合の操作性が向上する。
(3)請求項4に記載の発明では、送信装置から外部装置に対して、画像データファイルの削除禁止の指示を行うことができる。
(4)請求項5、6に記載の発明による画像データファイルの伝送システムでは、受信装置に送る画像に対応する簡易画像のファイルと、上記画像と簡易画像とを関連させる情報とを送信装置のメモリに保存し、送られた上記画像のファイルと上記関連させる情報とを受信装置のメモリに保存するようにしたので、送信装置側で受信装置にどの画像を送ったかを管理することができる。さらに、簡易画像のデータサイズを画像のデータサイズより小さくしたことにより、送信装置のメモリ容量を低減して小型で低コストの送信装置が得られる。
(5)請求項6に記載の発明では、上記関連させる情報を送信装置から受信装置に送り、受信装置は送られた情報で画像を特定するようにしたから、送信装置から上記情報を送るだけで受信装置に画像を特定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第一の実施の形態による画像データファイル伝送システムの概要を示す図である。
【図2】電子スチルカメラの概要を示すブロック図である。
【図3】データストレージ装置の概要を示すブロック図である。
【図4】電子スチルカメラの撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】転送処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】割り込み処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】削除、プロテクトおよびプロテクト解除指令の送信処理の流れを説明するフローチャートである。
【図8】データストレージ装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第二の実施の形態による電子スチルカメラの撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第二の実施の形態による電子スチルカメラの転送処理の流れを説明するフローチャートである。
【図11】プログラムをCD−ROMなどの記録媒体やインターネットなどのデータ信号を通じて提供する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
−第一の実施の形態−
図1は、本発明の第一の実施の形態による画像データファイル伝送システムの概要を示す図である。図1において、電子スチルカメラ100とデータストレージ装置200とが通信媒体300で接続されている。通信媒体300は、たとえば、Bluetoothなどの無線
通信によって電子スチルカメラ100およびデータストレージ装置200間でデータ伝送を行う。本実施の形態では、電子スチルカメラ100が画像データを送信する側であり、データストレージ装置200が画像データを受信する側である。電子スチルカメラ100は、撮影した画像データをカメラ内部のメモリに画像データファイルとして記録あるいは保存(以下記録と言う)するとともに、通信媒体300を介して画像データファイルをデータストレージ装置200に送信する。一方、データストレージ装置200は、電子スチルカメラ100から通信媒体300を介して送信される画像データファイルを受信し、受信した画像データファイルを所定の記録装置(記憶装置)に記録する。
【0009】
電子スチルカメラ100は、電源スイッチ111と、レリーズボタン112と、ポインティングデバイスである十字スイッチ113と、サムネイル表示ボタン114と、画像データ削除ボタン115と、画像データプロテクトボタン116と、LCD表示部107とを有する。電源スイッチ111は、電子スチルカメラ100の電源のオン/オフの切換を行う操作部材である。レリーズボタン112は、電子スチルカメラ100の撮影動作を開始させる操作部材である。十字スイッチ113は、LCD表示部107の表示画面上において上下左右のポインティング操作を行う操作部材である。LCD表示部107は、撮影した画像データによる1つの撮影画像を表示する他、複数のサムネイル画像を一覧表示する。サムネイル表示ボタン114は、LCD表示部107に1つの撮影画像表示を行うか、サムネイル画像の一覧表示を行うかを切換える操作部材である。画像データ削除ボタン115および画像データプロテクトボタン116については後述する。なお、電子スチルカメラ100の上記各スイッチおよびボタンを総称して操作部材110とする。
【0010】
データストレージ装置200は、電源スイッチ211と、ポインティングデバイスである十字スイッチ212と、サムネイル表示ボタン213と、画像データ削除ボタン214と、画像データプロテクトボタン215と、LCD表示部204とを有する。電源スイッチ211は、データストレージ装置200の電源のオン/オフの切換を行う操作部材である。十字スイッチ212は、LCD表示部204の表示画面上において上下左右のポインティング操作を行う操作部材である。LCD表示部204は、画像データによる1つの撮影画像を表示する他、複数のサムネイル画像を一覧表示する。サムネイル表示ボタン213は、LCD表示部204に1つの撮影画像表示を行うか、サムネイル画像の一覧表示を行うかを切換える操作部材である。画像データ削除ボタン214および画像データプロテクトボタン215については後述する。なお、データストレージ装置200の上記各スイッチおよびボタンを総称して操作部材210とする。
【0011】
図2は、電子スチルカメラ100の概要を示すブロック図である。図2において、電子スチルカメラ100は、撮影レンズ101と、CCD102と、A/D変換回路103と、画像処理回路104と、内部メモリ105と、CPU回路106と、LCD表示部107と、データバス108と、送受信回路109と、操作部材110とを有する。内部メモリ105は、電子スチルカメラ100に着脱自在に搭載されるメモリカードなどである。また、電子スチルカメラ内部に搭載される半導体メモリなどであってもよい。操作部材110には上述したレリーズボタン112などが含まれている。操作部材110が操作されると、各スイッチおよびボタンによる操作信号がCPU回路106に送られる。CCD102上には光学的ローパスフィルタとカラーフィルタ(例えばベイヤ配列カラーフィルタ)とが配置されている。
【0012】
電源スイッチ111がオン操作されると、CPU回路106は電子スチルカメラ100の所定のオン動作を行って制御プログラムを起動する。CPU回路106は撮像装置であるCCD102を駆動制御し、CCD102の電荷蓄積、およびCCD102からの蓄積電荷読み出しのための動作タイミングを制御する。レリーズボタン112からの操作信号がCPU回路106に入力されると、CPU回路106は撮影動作を開始させる。CCD102上に撮影レンズ101による被写体像が結像され、CCD102は入射される被写体光の明るさに応じて信号電荷を蓄積する。CCD102に蓄積された信号電荷はCPU回路106によるタイミング信号によって吐き出され、A/D変換回路103でアナログ撮像信号からディジタル信号に変換される。ディジタル変換された信号は画像処理回路104に導かれ、輪郭補償やガンマ補正、色温度調整、色空間変換処理など、所定の画像処理が行われる。
【0013】
画像処理後の画像データは、画像処理回路104により表示用の画像データに処理され、LCD表示部107などの外部モニタに撮影結果として表示される。画像処理回路104はさらに、上述した所定の画像処理後の画像データからサムネイル表示用のサムネイル画像データを生成する処理と、所定の画像処理後の画像データをJPEG方式で所定の比率にデータ圧縮する処理とを行う。データ圧縮を受けた画像データは、CPU回路106により所定のファイル名を付与され、サムネイル画像データとともに内部メモリ105に記録される。
【0014】
内部メモリ105に記録された画像データファイルはバス108を介して送受信回路109に送られる。送受信回路109は画像データをのせた信号により変調した電波をアンテナ109Aからデータストレージ装置200に向けて送信する。
【0015】
図3は、データストレージ装置200の概要を示すブロック図である。図3において、データストレージ装置200は、送受信回路201と、メモリ202と、画像処理回路203と、LCD表示部204と、データバス205と、CPU回路206と、操作部材210とを有する。操作部材210には上述した十字スイッチ212などが含まれている。操作部材210が操作されると、各スイッチおよびボタンによる操作信号がCPU回路206に送られる。
【0016】
電源スイッチ211がオン操作されると、CPU回路206はデータストレージ装置200の所定のオン動作を行って制御プログラムを起動する。アンテナ201Aを介して受信された電波信号は送受信回路201で画像データ信号に復調され、画像データ信号から復元された画像データファイルがメモリ202に記録される。メモリ202はデータストレージ装置200の主記録装置である。メモリ202に記録された画像データファイルは画像処理回路203に導かれ、表示用の画像データに処理される。表示用画像データはLCD表示部204などの外部モニタに表示される。画像処理回路203は、必要に応じてデータ圧縮されている画像データを伸長する伸長処理も行う。
【0017】
電子スチルカメラ100のCPU回路106によって行われる撮影処理の流れを、図4のフローチャートを参照して説明する。電子スチルカメラ100の電源スイッチ111がオン操作されると、図4のプログラムが起動される。ステップS1において、CPU回路106は電子スチルカメラ100にスルー画像表示を行わせる。スルー画像表示は、レリーズ前にCCD102で撮像され、CCD102から出力されている撮像信号による画像がLCD表示部107に逐次表示されるものである。ステップS2において、CPU回路106は不図示のAF装置により撮影レンズ101を駆動して被写体に合焦させるとともに、不図示の被写体輝度検出装置により検出される被写体輝度に基づいて露出演算を行う。ステップS3において、CPU回路106はレリーズボタン112が操作されたか否かを判定し、レリーズ操作された場合はステップS3を肯定判定してステップS4へ進み、レリーズ操作されない場合はステップS3を否定判定してステップS2へ戻る。
【0018】
ステップS4において、CPU回路106は上述した撮影処理を開始してステップS5に進む。ステップS5において、撮影して得られた画像データが画像処理回路104で表示用画像データに処理され、LCD表示部107でフリーズ画像表示される。フリーズ画像表示は、レリーズ操作後にCCD102で撮像され、CCD102から出力された撮像信号による画像がLCD表示部107に表示されるものである。ステップS6において、CPU回路106は、原画像データをJPEG方式で所定の比率にデータ圧縮するように画像処理回路104に指令を出力してステップS7に進む。
【0019】
ステップS7において、CPU回路106は、データ圧縮を受けた画像データとサムネイル画像データとを1つの画像データファイル、たとえば、EXIF(Exchangeable Image File Format)ファイル形式で内部メモリ105に記録し、ステップS8に進む。データ圧縮を受けた画像データは、サムネイル画像データに対して本画像データと呼ぶ。サムネイル画像データは、本画像データに比べてデータサイズが小さく、記録に必要なメモリ容量が小さい。ステップS8において、CPU回路106は記録したEXIF形式ファイル内の独自領域にIDを記録する。記録するIDは、たとえば、電子スチルカメラ100の製造番号を含むIDとし、他の電子スチルカメラによって記録される画像データファイルと識別可能にしておく。
【0020】
ステップS9において、CPU回路106は、内部メモリ105に記録したEXIF形式の画像データファイルと同じファイル(コピーファイル)を送受信回路109に送り、ステップS10に進む。ステップS10において、CPU回路106は送受信回路109に画像データの転送処理を行わせ、転送処理が終了すると図4の処理を終了する。
【0021】
サムネイル画像データの作成方法としては少なくとも2つ考えられる。1つの方法では、原画像データを間引くか線形補間をしてサムネイル画像データを作成する。もう1つの方法では、CCDの出力から原画像データとサムネイル画像データとを平行して作成する。
【0022】
図5は上述したステップS10の転送処理時にCPU回路106で行われる処理の流れを説明するフローチャートである。ステップS11において、CPU回路106は送受信回路109に指令を出し、画像データファイルの送信を開始させる。ステップS12において、CPU回路106は画像処理回路104に対し、LCD表示部107に表示されているフリーズ画像表示の表示輝度を下げるよう指令を出力し、ステップS13へ進む。ステップS13において、CPU回路106は、送受信回路109でデータストレージ装置200からの受信完了信号が受信されたか否かを判定する。受信完了信号については後述する。送受信回路109で受信完了信号が受信されると、CPU回路106はステップS13を肯定判定してステップS14へ進み、送受信回路109で受信完了信号が受信されない場合はステップS13を否定判定して判定処理を繰り返す。
【0023】
ステップS14において、CPU回路106は内部メモリ105に記録されているEXIF形式の画像データファイル中の本画像データを削除する。この結果、内部メモリ105に記録されている画像データファイルのデータサイズが小さくなる。ステップS15において、CPU回路106は画像処理回路104に対し、LCD表示部107に表示されているフリーズ画像表示の表示輝度を元に戻すよう指令を出力し、図5の処理を終了する。
【0024】
なお、上記では本画像データとサムネイル画像データとを1つの画像データファイルで送信する場合を説明したが、サムネイル画像データは送信せず本画像データのみを送信するようにしてもよい。
【0025】
図6は、上述した図4および図5の処理中にCPU回路106に対する割り込み要求が発生した場合に、CPU回路106が行う割り込み処理の流れを説明するフローチャートである。割り込み要求には、電源スイッチ111によるオフ操作信号と、CPU回路106であらかじめ設定されているオフタイマーによる割り込みなどがある。CPU回路106は、割り込み要求が発生すると図6の処理に移行する。図6のステップS16において、CPU回路106は割り込みが発生した時点で処理中のステップがS5〜S10であるか否かを判定し、ステップS5〜S10の処理中の場合はステップS16を肯定判定してステップS10の処理が終了するまで待つ。一方、CPU回路106は、割り込みが発生した時点で処理中のステップがS5〜S10でない場合はステップS16を否定判定してステップS17へ進む。ステップS17において、CPU回路106は電子スチルカメラ100の制御プログラムを終了して所定の電源オフ動作を行い、図6の処理を終了する。
【0026】
電子スチルカメラ100は、データストレージ装置200に記録されている画像データファイルを削除する指令、データストレージ装置200に記録されている画像データファイルを削除しないようにするプロテクト指令、上記プロテクトを解除するプロテクト解除指令の各指令の送信も行う。図7は、上記各指令を送信する際にCPU回路106が行う処理の流れを説明するフローチャートである。電子スチルカメラ100のサムネイル表示ボタン114が操作されると、図7のプログラムが起動する。
【0027】
図7のステップS41において、CPU回路106は、内部メモリ105に記録されているEXIF形式の画像データファイルのうち、本画像データが削除されいる画像データファイルを順に読み出し、読み出した画像データファイルに記録されているサムネイル画像データによる画像の一覧をLCD表示部107に表示させる。これにより、データストレージ装置200内に記録されている画像データファイルと同一のIDを有する画像データファイルによるサムネイル一覧がLCD表示部107に表示される。サムネイル画像の一覧表示は、画像処理回路104が表示用データを生成し、LCD表示部107がこれを表示する。
【0028】
LCD表示部107にサムネイル画像の一覧表示が行われるとき、図1に示すように、初期値として画面の左上のサムネイル画像の枠が強調表示される。強調表示されるサムネイル画像は、画像データファイルの削除指令、プロテクト指令、およびプロテクト解除指令の対象となる画像データファイルを表す。サムネイル画像の枠の強調表示は、画像処理回路104により表示制御される。操作者は、十字スイッチ113を上下左右に操作して、表示されているサムネイル画像の中から上記各指令の対象とするサムネイル画像を選ぶ。たとえば、右隣のサムネイル画像を選ぶ場合は、十字スイッチ113を右に操作する。
【0029】
ステップS42において、CPU回路106は、十字スイッチ113からの操作信号を検出してステップS43に進む。ステップS43において、CPU回路106は十字スイッチ113からの操作信号に応じて上記各指令の対象となるサムネイル画像を選ぶ。CPU回路106は、選んだサムネイル画像を強調表示するように画像処理回路104に指令を出力し、ステップS44に進む。ステップS44において、CPU回路106は画像データ削除ボタン115が操作されたか否かを判定し、画像データ削除ボタン115が操作された場合にステップS44を肯定判定してステップS45に進む。一方、画像データ削除ボタン115が操作されない場合にステップS44を否定判定してステップS48に進む。
【0030】
ステップS45において、CPU回路106は、送受信回路109に削除指令信号と削除指令の対象となる画像データファイルに記録されているIDとを送信させてステップS46に進む。ステップS46において、CPU回路106は、送受信回路109でデータストレージ装置200からの削除完了信号が受信されたか否かを判定する。送受信回路109で削除完了信号が受信されると、CPU回路106はステップS46を肯定判定してステップS47へ進み、送受信回路109で削除完了信号が受信されない場合はステップS46を否定判定して判定処理を繰り返す。削除完了信号については後述する。ステップS47において、CPU回路106は、強調表示しているサムネイル画像に対応する画像データファイル、すなわち、削除指令とともに送信したIDに対応するファイルを内部メモリ105から削除するとともに、強調表示されているサムネイル画像の表示も削除するように画像処理回路104に指令を出す。ステップS47の処理を終了するとステップS48へ進む。
【0031】
ステップS48において、CPU回路106は、画像データプロテクトボタン116が操作されたか否かを判定し、画像データプロテクトボタン116が操作された場合にステップS48を肯定判定してステップS49に進む。一方、画像データプロテクトボタン116が操作されない場合にステップS48を否定判定してステップS52に進む。ステップS49において、CPU回路106は、送受信回路109にプロテクト指令信号とプロテクト指令の対象となる画像データファイルに記録されているIDとを送信させてステップS50に進む。ステップS50において、CPU回路106は送受信回路109でデータストレージ装置200からのプロテクト完了信号が受信されたか否かを判定する。送受信回路109でプロテクト完了信号が受信されると、CPU回路106はステップS50を肯定判定してステップS51へ進み、送受信回路109でプロテクト完了信号が受信されない場合はステップS50を否定判定して判定処理を繰り返す。プロテクト完了信号については後述する。ステップS51において、CPU回路106は、強調表示しているサムネイル画像にプロテクトマークを重ね表示するように画像処理回路104に指令を出し、ステップS52へ進む。
【0032】
ステップS52において、CPU回路106は、プロテクトマークが重ね表示されているサムネイル画像が強調表示されている状態で、画像データプロテクトボタン116が再び操作されたか否かを判定し、画像データプロテクトボタン116が操作された場合にステップS52を肯定判定してステップS53に進む。一方、画像データプロテクトボタン116が操作されない場合にステップS52を否定判定してステップS56に進む。ステップS53において、CPU回路106は、送受信回路109にプロテクト解除指令信号とプロテクト解除指令の対象となる画像データファイルに記録されているIDとを送信させてステップS54に進む。ステップS54において、CPU回路106は、送受信回路109でデータストレージ装置200からのプロテクト解除完了信号が受信されたか否かを判定する。送受信回路109でプロテクト解除完了信号が受信されると、CPU回路106はステップS54を肯定判定してステップS55へ進み、送受信回路109でプロテクト解除完了信号が受信されない場合はステップS54を否定判定して判定処理を繰り返す。プロテクト解除完了信号については後述する。ステップS55において、CPU回路106は、強調表示しているサムネイル画像からプロテクトマークの重ね表示を中止するように画像処理回路104に指令を出し、ステップS56へ進む。
【0033】
ステップS56において、CPU回路106は、サムネイル表示ボタン113が再び操作されたか否かを判定し、サムネイル表示ボタン113が操作された場合にステップS56を肯定判定してステップS57に進む。一方、サムネイル表示ボタン113が再び操作されない場合にステップS56を否定判定してステップS42に戻る。ステップS57において、CPU回路106は、LCD表示部107に表示させているサムネイル画像データによるサムネイル画像の一覧表示を中止するように画像処理回路104に指令を出し、図7の処理を終了する。
【0034】
次に、電子スチルカメラ100との間で送受信を行うデータストレージ装置200で行われる処理について説明する。図8は、データストレージ装置200のCPU回路206によって行われる処理の流れを説明するフローチャートである。データストレージ装置200の電源スイッチ211がオン操作されると、図8のプログラムが起動される。ステップS61において、CPU回路206は、送受信回路201で電子スチルカメラ100からの画像データが受信されたか否かを判定し、画像データが受信されるとステップS61を肯定判定してステップS62へ進み、画像データが受信されないとステップS61を否定判定してステップS63へ進む。
【0035】
ステップS62において、CPU回路206は、送受信回路201により画像データの受信が完了されると、受信された画像データを画像データファイルにしてメモリ202に記録する。この画像データファイルは、データ圧縮を受けた画像データと、サムネイル画像データと、IDとが記録されているEXIFファイル形式のファイルである。CPU回路206はさらに、受信完了信号を送信するように送受信回路201に指令を出力し、ステップS63へ進む。受信完了信号は、画像データを受信したことを電子スチルカメラ100に報知するために送信される。画像データの受信完了の検出は、たとえば、JPEG方式のデータの「end of image」というマーク検出と、JPEGデータのヘッダ部に含まれるファイルサイズと受信したデータのサイズとが一致することの検出との両方で行う。
【0036】
ステップS63において、CPU回路206は、送受信回路201で電子スチルカメラ100からの削除指令信号が受信されたか否かを判定し、削除指令信号が受信されるとステップS63を肯定判定してステップS64へ進み、削除指令信号が受信されないとステップS63を否定判定してステップS65へ進む。ステップS64において、CPU回路206は、送受信回路201により削除指令信号とともに受信されたIDに対応する画像データファイルをメモリ202から削除する。CPU回路206はさらに、受信されたIDを含む画像データファイルをメモリ202から削除すると、削除完了信号を送信するように送受信回路201に指令を出力し、ステップS65へ進む。削除完了信号は、対象の画像データファイルを削除したことを電子スチルカメラ100に報知するために送信される。
【0037】
ステップS65において、CPU回路206は、送受信回路201で電子スチルカメラ100からのプロテクト指令信号が受信されたか否かを判定し、プロテクト指令信号が受信されるとステップS65を肯定判定してステップS66へ進み、プロテクト指令信号が受信されないとステップS65を否定判定してステップS67へ進む。ステップS66において、CPU回路206は、送受信回路201によりプロテクト指令信号とともに受信されたIDに対応する画像データファイルをメモリ202から削除禁止とする。CPU回路206はさらに、受信されたIDを含む画像データファイルを削除禁止にすると、プロテクト完了信号を送信するように送受信回路201に指令を出力し、ステップS67へ進む。プロテクト完了信号は、対象の画像データファイルを削除禁止にしたことを電子スチルカメラ100に報知するために送信される。
【0038】
ステップS67において、CPU回路206は、送受信回路201で電子スチルカメラ100からのプロテクト解除指令信号が受信されたか否かを判定し、プロテクト解除指令信号が受信されるとステップS67を肯定判定してステップS68へ進み、プロテクト解除指令信号が受信されないとステップS67を否定判定して図8の処理を終了する。ステップS68において、CPU回路206は、送受信回路201によりプロテクト解除指令信号とともに受信されたIDに対応する画像データファイルについて、メモリ202からの削除禁止を解除する。CPU回路206はさらに、受信されたIDを含む画像データファイルの削除禁止を解除すると、プロテクト解除完了信号を送信するように送受信回路201に指令を出力し、図8の処理を終了する。プロテクト解除完了信号は、対象の画像データファイルに対する削除禁止を解除したことを電子スチルカメラ100に報知するために送信される。
【0039】
以上説明した第一の実施の形態による画像データファイルの伝送システムによれば、次の作用効果が得られる。
(1)電子スチルカメラ100は、撮影時にサムネイル画像データと圧縮された本画像データとを画像データファイルとして内部メモリ105に記録し、画像データファイルのコピーをデータストレージ装置200に送信し、データストレージ装置200から送信された受信完了信号を受信すると内部メモリ105内の画像データファイルから本画像データを削除するようにした。内部メモリ105内の画像データファイルに本画像データを残さないので、内部メモリ105の使用量を節約でき、より多くのコマ数を撮影して記録することができる。また、データストレージ装置200から送信される受信完了信号を受信してから本画像データを削除するようにしたので、データストレージ装置200への送信が完了する前に本画像データを誤って削除することがない。さらに、電子スチルカメラ100の内部メモリ105にサムネイル画像データを残すようにしたので、撮影者は、データストレージ装置200が近くにない場合でも、データストレージ装置200に送信した画像を電子スチルカメラ100のLCD表示部107に表示させて確認することができる。(2)電子スチルカメラ100の内部メモリ105に記録されている画像データファイルおよびデータストレージ装置200に送信される画像データファイルには、共通のIDが記録されるようにした。電子スチルカメラ100からデータストレージ装置200に画像データファイルの削除指令、プロテクト指令、およびプロテクト解除指令を送信するとき、各指令の対象となるIDも送信する。この結果、電子スチルカメラ100からデータストレージ装置200に対して、画像データファイルごとに削除、プロテクト、プロテクト解除を行うことができる。
(3)上記IDは、電子スチルカメラ100の製造番号を含むようにしたので、他の電子スチルカメラによるIDと重複することがない。
(4)電子スチルカメラ100およびデータストレージ装置200にそれぞれ送受信回路109、送受信回路201を設け、無線により画像データを送信するようにした。撮影者は、電子スチルカメラ100だけを携帯して撮影することができ、電子スチルカメラ100とデータストレージ装置200とがケーブルなどで接続されている場合に比べて、操作性が向上する。
(5)ステップS5〜ステップS10の処理の途中で電子スチルカメラ100の電源スイッチ111がオフ操作される場合に、撮影された画像データファイルをデータストレージ装置200に送信完了してから電源オフ処理を行うようにしたので(ステップS16の否
定判定)、撮影した画像データファイルがデータストレージ装置200に記録されずに消
滅することが防止される。
(6)電子スチルカメラ100からデータストレージ装置200に画像データの送信が行われるステップS12〜ステップS15までの間、電子スチルカメラ100のLCD表示部107に表示されるフリーズ画像表示の輝度を下げるようにしたので、撮影者はLCD表示部107の表示画像の輝度が下がることで画像データが転送中であることを確認できる。
【0040】
−第二の実施の形態−
第一の実施の形態では、電子スチルカメラ100が1コマずつ撮影を行う単写撮影について説明した。第二の実施の形態では、電子スチルカメラ100のレリーズボタン112が操作されている間に所定の間隔で連続して撮影する連写撮影を行う。
【0041】
第二の実施の形態による電子スチルカメラ100のCPU回路106によって行われる撮影処理の流れを、図9のフローチャートを参照して説明する。なお、単写撮影の場合の図4のフローチャートと同じ処理が行われる部分は同一のステップ番号を付したので、図4と相違する処理を中心に説明する。図9のステップS5Aにおいて、撮影して得られた画像データが画像処理回路104で表示用画像データに処理され、LCD表示部107でフリーズ画像表示される。このとき、画像処理回路104は、連写結果を一覧できるように、サムネイル画像を一覧形式で表示させる。連写によって撮影コマが増えるごとに、表示されるサムネイル画像が増やされる。
【0042】
ステップS8Bにおいて、CPU回路106はレリーズボタン112がオフされたか否かを判定し、レリーズ操作がオフされた場合はステップS8Bを肯定判定してステップS9へ進み、レリーズ操作が継続されている場合はステップS8Bを否定判定してステップS4へ戻る。
【0043】
ステップS10Aにおいて、CPU回路106は送受信回路109に画像データの転送処理を行わせ、転送処理が終了すると図9の処理を終了する。ステップS10Aでは、連写撮影によって得られた複数の画像データファイルが1つずつ電子スチルカメラ100からデータストレージ装置200へ送信される。図10は、ステップS10Aの転送処理時にCPU回路106で行われる処理の流れを説明するフローチャートである。単写撮影の場合の図5のフローチャートと同じ処理が行われる部分は同一のステップ番号を付したので、図5と相違する処理を中心に説明する。
【0044】
図10のステップS12Aにおいて、CPU回路106は画像処理回路104に対し、送信している画像データファイルに対応するサムネイル画像の表示輝度を下げるよう指令を出力し、ステップS13へ進む。これにより、操作者はどの画像データファイルが送信されているかを知ることができる。
【0045】
ステップS15Aにおいて、CPU回路106は画像処理回路104に対し、輝度を下げているサムネイル画像の表示輝度を消すよう指令を出力し、ステップS15Bに進む。ステップS15Bにおいて、CPU回路106は、連写撮影で得られた画像データファイルが全て送信完了したか否かを判定する。全て送信完了した場合はステップS15Bを肯定判定して図10の処理を終了し、未送信の画像データファイルがある場合はステップS15Bを否定判定してステップS11に戻り、次の画像データファイルを送信する。
【0046】
以上説明したように第二の実施の形態によれば、連写撮影を行う場合にも単写撮影時と同様の作用効果を得ることができる。とくに、第二の実施形態においては、連写撮影によって得られた画像データファイルに対応するサムネイル画像をLCD表示部107に一覧表示し、画像データファイルを1つずつ電子スチルカメラ100からデータストレージ装置200に送信し、送信中の画像データファイルに対応するサムネイル画像の表示輝度を下げるとともに送信完了すると当該サムネイル画像表示を消すようにしたので、どのファイルを送信中か、どのファイルが未送信かを操作者に報知することができる。
【0047】
以上の説明では、電子スチルカメラ100とデータストレージ装置200とをBluetoothにより無線接続するようにしたが、IrDAによる接続でもよい。また、電子スチルカメラ
100とデータストレージ装置200とをIEEE-1394ケーブルで接続したり、USBケー
ブルやネットワークケーブルなどによって有線接続するようにしてもよい。
【0048】
また、電子スチルカメラ100とデータストレージ装置200とを1:1で接続する例を説明したが、電子スチルカメラ100は複数あってもよく、データストレージ装置200が複数あってもよい。画像データファイル内に記録されるIDに電子スチルカメラ100の製造番号を含むようにしたので、他の電子スチルカメラによる画像データファイルと識別が可能となり、他の電子スチルカメラにより撮影された画像データファイルを誤って削除することがない。
【0049】
なお、IDは電子スチルカメラ100の製造番号の代わりに、電子スチルカメラ100、あるいは撮影者を特定する記号、文字、数字などでもよい。
【0050】
電子スチルカメラ100からデータストレージ装置200に画像データを送信している間、LCD表示部107の表示画像の輝度を下げるようにしたが、輝度を下げる代わりに画像の点滅表示を行ったり、色を変えて表示したり、送信中を示すアイコンやテキスト情報を表示画像に重ねてオーバーレイ表示するものでもよい。
【0051】
データストレージ装置200のメモリ202に記録されている画像データファイルに対して削除、プロテクト、プロテクト解除する場合に電子スチルカメラ100側から操作するようにしたが、データストレージ装置200側から操作するようにしてもよい。この場合には、十字スイッチ212、サムネイル表示ボタン213、画像データ削除ボタン214、および画像データプロテクトボタン215を操作して行えばよい。
【0052】
以上の説明では、電子スチルカメラ100で撮影された静止画像データを取り扱う画像データファイル伝送システムについて説明したが、動画データを取り扱うデータファイル伝送システムにも本発明を適用することができる。
【0053】
また、電子スチルカメラ100の例で説明をしたが、必ずしも電子スチルカメラに限定する必要はない。CCDなどの撮像素子で撮像を行って画像データを内部に蓄積し、外部装置に送信するものであればよい。スキャナ、PDA、携帯電話機、ノートパソコンなどの携帯型パソコンなど、撮像素子を有するあらゆる装置にも本発明を適用することができる。
【0054】
また、データストレージ装置200は、パソコンなどのコンピュータで構成するようにしてもよい。パソコンのUSBやその他のインターフェースにBluetoothアダプタなどを
接続して、無線通信を行う。メモリ202は、パソコンのハードディスク装置などを使用する。
【0055】
なお、パソコンで処理するプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体やインターネットなどのデータ信号を通じて提供することができる。図11はその様子を示す図である。パーソナルコンピュータ400は、CD−ROM404を介してプログラムの提供を受ける。また、パーソナルコンピュータ400は通信回線401との接続機能を有する。コンピュータ402は上記プログラムを提供するサーバーコンピュータであり、ハードディスク403などの記録媒体にプログラムを格納する。通信回線401は、インターネット、パソコン通信などの通信回線、あるいは専用通信回線などである。コンピュータ402はハードディスク403を使用してプログラムを読み出し、通信回線401を介してプログラムをパーソナルコンピュータ400に送信する。すなわち、プログラムをデータ信号として搬送波にembodyして、通信回線401を介して送信する。このように、プログラムは、記録媒体や搬送波などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給できる。
【0056】
また、データストレージ装置に200にプリンタの機能を持たせてもよい。その場合、電子スチルカメラ100から出力される指令にはデータストレージ装置200に指定した画像のプリントを指示する指令を含ませても良い。また、電子スチルカメラ100から出力される指令にはデータストレージ装置200に保存されている本画像データのコピーを電子スチルカメラ100に送信させる指令を含ませても良い。
【0057】
特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明すると、EXIFファイル形式の画像データファイルが画像を含むデータファイルに、データストレージ装置200が外部装置および受信装置に、電子スチルカメラ100が送信装置に、サムネイル画像が簡易画像に、CPU回路106が記録回路、情報生成手段、制御手段、指示信号発生手段、および第1の記録回路に、IDが画像と簡易画像とを関連させる情報に、LCD表示部107が表示手段に、CPU回路106および十字スイッチ113が選択手段に、削除指令信号、プロテクト指令信号、およびプロテクト解除指令信号が特定の指示信号に、送受信回路109が送信手段に、CPU回路206が第2の記録回路および特定手段に、CPU回路106およびCPU回路206が制御手段に、それぞれ対応する。
【符号の説明】
【0058】
100…電子スチルカメラ、 105…内部メモリ、
106,206…CPU回路、 107,204…LCD表示部、
109,201…送受信回路、 112…レリーズボタン、
113,212…十字スイッチ、 114,213…サムネイル表示ボタン、
115,214…画像データ削除ボタン、
116,215…画像データプロテクトボタン、
200…データストレージ装置、 202…メモリ、
300…通信媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データデータファイルの送信装置、および画像データファイルの伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子カメラで記録された画像データは、一般に電子カメラに備えられている記録媒体より大きな記録容量を有するデータストレージ装置に転送されて記録される場合がある。データストレージ装置に記録された画像データはパソコンなどによって読み出され、パソコンに接続されている表示装置で表示されたり、パソコンに接続されている出力装置で印刷される。電子カメラとデータストレージ装置とが離れた位置におかれていたり、データストレージ装置側に表示装置が用意されていない場合に、電子カメラを操作する人がデータストレージ装置に記録されている画像データによる画像を確認するためには、データストレージ装置に記録した画像データと同じ画像データを電子カメラ側の記録媒体にも残しておく必要がある。電子カメラの操作者は、電子カメラ側に記録されている画像データによる画像を電子カメラに備えられている表示用モニタなどに表示させ、表示画像を確認する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
データストレージ装置に記録した画像データを電子カメラ内側の記録媒体に残しておくと、電子カメラ側に大きな記録容量が必要になって、カメラが大型化する上にコストがかさむという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、送信した画像データファイルに対応する画像データを記録するようにした本画像データを保存せず、対応する簡易画像データ等を管理のために保存するようにした画像データファイルの送信装置、および画像データファイルの伝送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施の形態を示す図1,図2に対応づけて本発明を説明する。
(1)請求項1に記載の発明による画像データファイルの送信装置は、画像を含むデータファイルを外部装置に送る画像データファイルの送信装置に適用される。そして、画像に対応して画像よりデータサイズが小さい簡易画像のファイルをメモリ105に保存する記録回路106と、画像と簡易画像とを関連させる情報を生成する情報生成手段106と、情報生成手段106により生成された情報を記録回路106によってメモリ105に保存させる制御手段106とを備えることにより、上述した目的を達成する。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像データファイルの送信装置において、複数の簡易画像を表示する表示手段107と、表示手段107に表示される複数の簡易画像の中から簡易画像を選択する選択手段113,106と、選択手段113,106により選択された簡易画像に対応する画像を含むデータファイルを、外部装置200が少なくとも削除するための指令を含む特定の指示信号を発生する指示信号発生手段106と、特定の指示信号と選択された簡易画像に関連する情報とを外部装置200に送る送信手段109とをさらに備えることを特徴とする。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像データファイルの送信装置において、送信装置100はカメラであることを特徴とする。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の画像データファイルの送信装置において、特定の指示信号は、外部装置200がデータファイルを削除することを禁止する指令を含むことを特徴とする。
(5)請求項5に記載の発明による画像データファイルの伝送システムは、画像を含むデータファイルを送信装置から受信装置に送る画像データファイルの伝送システムに適用される。そして、送信装置100に備えられ、画像に対応して画像よりデータサイズ小さい簡易画像のファイルをメモリ105に保存する第1の記録回路106と、受信装置200に備えられ、画像のファイルをメモリ202に保存する第2の記録回路206と、画像と簡易画像とを関連させる情報を生成する情報生成手段106と、情報生成手段106により生成された情報を画像および簡易画像に対応づけて第1の記録回路106および第2の記録回路206の両方によってそれぞれ保存させる制御手段106,206とを備えることにより、上述した目的を達成する。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像データファイルの伝送システムにおいて、情報生成手段106は、送信装置100に備えられ、送信装置100は、情報生成手段106により生成される情報を受信装置200に送る送信手段109をさらに備え、受信装置200は、送られた情報で画像を特定する特定手段206をさらに備えることを特徴とする。
なお、上記課題を解決するための手段の項では、本発明をわかりやすく説明するために実施の形態の図と対応づけたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0006】
以上詳細に説明したように本発明によれば、次のような効果を奏する。
(1)請求項1〜4に記載の発明による画像データファイルの送信装置では、外部装置に送る画像に対応する簡易画像のファイルと、上記画像と簡易画像とを関連させる情報とをメモリに保存するようにしたので、送信装置側で外部装置にどの画像を送ったかを管理することができる。さらに、簡易画像のデータサイズを画像のデータサイズより小さくしたことにより、送信装置のメモリ容量を低減して小型で低コストの送信装置が得られる。
(2)請求項2〜4に記載の発明では、送信装置に複数の簡易画像を表示し、簡易画像と上記画像とを関連させる情報と、少なくとも画像データファイルを削除する指令を含む特定の指示信号とを外部装置に送るようにしたので、送信装置側から外部装置に送った画像データファイルの削除指示を行うことができる。この結果、送信装置と外部装置とが離れて配設される場合の操作性が向上する。
(3)請求項4に記載の発明では、送信装置から外部装置に対して、画像データファイルの削除禁止の指示を行うことができる。
(4)請求項5、6に記載の発明による画像データファイルの伝送システムでは、受信装置に送る画像に対応する簡易画像のファイルと、上記画像と簡易画像とを関連させる情報とを送信装置のメモリに保存し、送られた上記画像のファイルと上記関連させる情報とを受信装置のメモリに保存するようにしたので、送信装置側で受信装置にどの画像を送ったかを管理することができる。さらに、簡易画像のデータサイズを画像のデータサイズより小さくしたことにより、送信装置のメモリ容量を低減して小型で低コストの送信装置が得られる。
(5)請求項6に記載の発明では、上記関連させる情報を送信装置から受信装置に送り、受信装置は送られた情報で画像を特定するようにしたから、送信装置から上記情報を送るだけで受信装置に画像を特定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第一の実施の形態による画像データファイル伝送システムの概要を示す図である。
【図2】電子スチルカメラの概要を示すブロック図である。
【図3】データストレージ装置の概要を示すブロック図である。
【図4】電子スチルカメラの撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】転送処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】割り込み処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】削除、プロテクトおよびプロテクト解除指令の送信処理の流れを説明するフローチャートである。
【図8】データストレージ装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第二の実施の形態による電子スチルカメラの撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第二の実施の形態による電子スチルカメラの転送処理の流れを説明するフローチャートである。
【図11】プログラムをCD−ROMなどの記録媒体やインターネットなどのデータ信号を通じて提供する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
−第一の実施の形態−
図1は、本発明の第一の実施の形態による画像データファイル伝送システムの概要を示す図である。図1において、電子スチルカメラ100とデータストレージ装置200とが通信媒体300で接続されている。通信媒体300は、たとえば、Bluetoothなどの無線
通信によって電子スチルカメラ100およびデータストレージ装置200間でデータ伝送を行う。本実施の形態では、電子スチルカメラ100が画像データを送信する側であり、データストレージ装置200が画像データを受信する側である。電子スチルカメラ100は、撮影した画像データをカメラ内部のメモリに画像データファイルとして記録あるいは保存(以下記録と言う)するとともに、通信媒体300を介して画像データファイルをデータストレージ装置200に送信する。一方、データストレージ装置200は、電子スチルカメラ100から通信媒体300を介して送信される画像データファイルを受信し、受信した画像データファイルを所定の記録装置(記憶装置)に記録する。
【0009】
電子スチルカメラ100は、電源スイッチ111と、レリーズボタン112と、ポインティングデバイスである十字スイッチ113と、サムネイル表示ボタン114と、画像データ削除ボタン115と、画像データプロテクトボタン116と、LCD表示部107とを有する。電源スイッチ111は、電子スチルカメラ100の電源のオン/オフの切換を行う操作部材である。レリーズボタン112は、電子スチルカメラ100の撮影動作を開始させる操作部材である。十字スイッチ113は、LCD表示部107の表示画面上において上下左右のポインティング操作を行う操作部材である。LCD表示部107は、撮影した画像データによる1つの撮影画像を表示する他、複数のサムネイル画像を一覧表示する。サムネイル表示ボタン114は、LCD表示部107に1つの撮影画像表示を行うか、サムネイル画像の一覧表示を行うかを切換える操作部材である。画像データ削除ボタン115および画像データプロテクトボタン116については後述する。なお、電子スチルカメラ100の上記各スイッチおよびボタンを総称して操作部材110とする。
【0010】
データストレージ装置200は、電源スイッチ211と、ポインティングデバイスである十字スイッチ212と、サムネイル表示ボタン213と、画像データ削除ボタン214と、画像データプロテクトボタン215と、LCD表示部204とを有する。電源スイッチ211は、データストレージ装置200の電源のオン/オフの切換を行う操作部材である。十字スイッチ212は、LCD表示部204の表示画面上において上下左右のポインティング操作を行う操作部材である。LCD表示部204は、画像データによる1つの撮影画像を表示する他、複数のサムネイル画像を一覧表示する。サムネイル表示ボタン213は、LCD表示部204に1つの撮影画像表示を行うか、サムネイル画像の一覧表示を行うかを切換える操作部材である。画像データ削除ボタン214および画像データプロテクトボタン215については後述する。なお、データストレージ装置200の上記各スイッチおよびボタンを総称して操作部材210とする。
【0011】
図2は、電子スチルカメラ100の概要を示すブロック図である。図2において、電子スチルカメラ100は、撮影レンズ101と、CCD102と、A/D変換回路103と、画像処理回路104と、内部メモリ105と、CPU回路106と、LCD表示部107と、データバス108と、送受信回路109と、操作部材110とを有する。内部メモリ105は、電子スチルカメラ100に着脱自在に搭載されるメモリカードなどである。また、電子スチルカメラ内部に搭載される半導体メモリなどであってもよい。操作部材110には上述したレリーズボタン112などが含まれている。操作部材110が操作されると、各スイッチおよびボタンによる操作信号がCPU回路106に送られる。CCD102上には光学的ローパスフィルタとカラーフィルタ(例えばベイヤ配列カラーフィルタ)とが配置されている。
【0012】
電源スイッチ111がオン操作されると、CPU回路106は電子スチルカメラ100の所定のオン動作を行って制御プログラムを起動する。CPU回路106は撮像装置であるCCD102を駆動制御し、CCD102の電荷蓄積、およびCCD102からの蓄積電荷読み出しのための動作タイミングを制御する。レリーズボタン112からの操作信号がCPU回路106に入力されると、CPU回路106は撮影動作を開始させる。CCD102上に撮影レンズ101による被写体像が結像され、CCD102は入射される被写体光の明るさに応じて信号電荷を蓄積する。CCD102に蓄積された信号電荷はCPU回路106によるタイミング信号によって吐き出され、A/D変換回路103でアナログ撮像信号からディジタル信号に変換される。ディジタル変換された信号は画像処理回路104に導かれ、輪郭補償やガンマ補正、色温度調整、色空間変換処理など、所定の画像処理が行われる。
【0013】
画像処理後の画像データは、画像処理回路104により表示用の画像データに処理され、LCD表示部107などの外部モニタに撮影結果として表示される。画像処理回路104はさらに、上述した所定の画像処理後の画像データからサムネイル表示用のサムネイル画像データを生成する処理と、所定の画像処理後の画像データをJPEG方式で所定の比率にデータ圧縮する処理とを行う。データ圧縮を受けた画像データは、CPU回路106により所定のファイル名を付与され、サムネイル画像データとともに内部メモリ105に記録される。
【0014】
内部メモリ105に記録された画像データファイルはバス108を介して送受信回路109に送られる。送受信回路109は画像データをのせた信号により変調した電波をアンテナ109Aからデータストレージ装置200に向けて送信する。
【0015】
図3は、データストレージ装置200の概要を示すブロック図である。図3において、データストレージ装置200は、送受信回路201と、メモリ202と、画像処理回路203と、LCD表示部204と、データバス205と、CPU回路206と、操作部材210とを有する。操作部材210には上述した十字スイッチ212などが含まれている。操作部材210が操作されると、各スイッチおよびボタンによる操作信号がCPU回路206に送られる。
【0016】
電源スイッチ211がオン操作されると、CPU回路206はデータストレージ装置200の所定のオン動作を行って制御プログラムを起動する。アンテナ201Aを介して受信された電波信号は送受信回路201で画像データ信号に復調され、画像データ信号から復元された画像データファイルがメモリ202に記録される。メモリ202はデータストレージ装置200の主記録装置である。メモリ202に記録された画像データファイルは画像処理回路203に導かれ、表示用の画像データに処理される。表示用画像データはLCD表示部204などの外部モニタに表示される。画像処理回路203は、必要に応じてデータ圧縮されている画像データを伸長する伸長処理も行う。
【0017】
電子スチルカメラ100のCPU回路106によって行われる撮影処理の流れを、図4のフローチャートを参照して説明する。電子スチルカメラ100の電源スイッチ111がオン操作されると、図4のプログラムが起動される。ステップS1において、CPU回路106は電子スチルカメラ100にスルー画像表示を行わせる。スルー画像表示は、レリーズ前にCCD102で撮像され、CCD102から出力されている撮像信号による画像がLCD表示部107に逐次表示されるものである。ステップS2において、CPU回路106は不図示のAF装置により撮影レンズ101を駆動して被写体に合焦させるとともに、不図示の被写体輝度検出装置により検出される被写体輝度に基づいて露出演算を行う。ステップS3において、CPU回路106はレリーズボタン112が操作されたか否かを判定し、レリーズ操作された場合はステップS3を肯定判定してステップS4へ進み、レリーズ操作されない場合はステップS3を否定判定してステップS2へ戻る。
【0018】
ステップS4において、CPU回路106は上述した撮影処理を開始してステップS5に進む。ステップS5において、撮影して得られた画像データが画像処理回路104で表示用画像データに処理され、LCD表示部107でフリーズ画像表示される。フリーズ画像表示は、レリーズ操作後にCCD102で撮像され、CCD102から出力された撮像信号による画像がLCD表示部107に表示されるものである。ステップS6において、CPU回路106は、原画像データをJPEG方式で所定の比率にデータ圧縮するように画像処理回路104に指令を出力してステップS7に進む。
【0019】
ステップS7において、CPU回路106は、データ圧縮を受けた画像データとサムネイル画像データとを1つの画像データファイル、たとえば、EXIF(Exchangeable Image File Format)ファイル形式で内部メモリ105に記録し、ステップS8に進む。データ圧縮を受けた画像データは、サムネイル画像データに対して本画像データと呼ぶ。サムネイル画像データは、本画像データに比べてデータサイズが小さく、記録に必要なメモリ容量が小さい。ステップS8において、CPU回路106は記録したEXIF形式ファイル内の独自領域にIDを記録する。記録するIDは、たとえば、電子スチルカメラ100の製造番号を含むIDとし、他の電子スチルカメラによって記録される画像データファイルと識別可能にしておく。
【0020】
ステップS9において、CPU回路106は、内部メモリ105に記録したEXIF形式の画像データファイルと同じファイル(コピーファイル)を送受信回路109に送り、ステップS10に進む。ステップS10において、CPU回路106は送受信回路109に画像データの転送処理を行わせ、転送処理が終了すると図4の処理を終了する。
【0021】
サムネイル画像データの作成方法としては少なくとも2つ考えられる。1つの方法では、原画像データを間引くか線形補間をしてサムネイル画像データを作成する。もう1つの方法では、CCDの出力から原画像データとサムネイル画像データとを平行して作成する。
【0022】
図5は上述したステップS10の転送処理時にCPU回路106で行われる処理の流れを説明するフローチャートである。ステップS11において、CPU回路106は送受信回路109に指令を出し、画像データファイルの送信を開始させる。ステップS12において、CPU回路106は画像処理回路104に対し、LCD表示部107に表示されているフリーズ画像表示の表示輝度を下げるよう指令を出力し、ステップS13へ進む。ステップS13において、CPU回路106は、送受信回路109でデータストレージ装置200からの受信完了信号が受信されたか否かを判定する。受信完了信号については後述する。送受信回路109で受信完了信号が受信されると、CPU回路106はステップS13を肯定判定してステップS14へ進み、送受信回路109で受信完了信号が受信されない場合はステップS13を否定判定して判定処理を繰り返す。
【0023】
ステップS14において、CPU回路106は内部メモリ105に記録されているEXIF形式の画像データファイル中の本画像データを削除する。この結果、内部メモリ105に記録されている画像データファイルのデータサイズが小さくなる。ステップS15において、CPU回路106は画像処理回路104に対し、LCD表示部107に表示されているフリーズ画像表示の表示輝度を元に戻すよう指令を出力し、図5の処理を終了する。
【0024】
なお、上記では本画像データとサムネイル画像データとを1つの画像データファイルで送信する場合を説明したが、サムネイル画像データは送信せず本画像データのみを送信するようにしてもよい。
【0025】
図6は、上述した図4および図5の処理中にCPU回路106に対する割り込み要求が発生した場合に、CPU回路106が行う割り込み処理の流れを説明するフローチャートである。割り込み要求には、電源スイッチ111によるオフ操作信号と、CPU回路106であらかじめ設定されているオフタイマーによる割り込みなどがある。CPU回路106は、割り込み要求が発生すると図6の処理に移行する。図6のステップS16において、CPU回路106は割り込みが発生した時点で処理中のステップがS5〜S10であるか否かを判定し、ステップS5〜S10の処理中の場合はステップS16を肯定判定してステップS10の処理が終了するまで待つ。一方、CPU回路106は、割り込みが発生した時点で処理中のステップがS5〜S10でない場合はステップS16を否定判定してステップS17へ進む。ステップS17において、CPU回路106は電子スチルカメラ100の制御プログラムを終了して所定の電源オフ動作を行い、図6の処理を終了する。
【0026】
電子スチルカメラ100は、データストレージ装置200に記録されている画像データファイルを削除する指令、データストレージ装置200に記録されている画像データファイルを削除しないようにするプロテクト指令、上記プロテクトを解除するプロテクト解除指令の各指令の送信も行う。図7は、上記各指令を送信する際にCPU回路106が行う処理の流れを説明するフローチャートである。電子スチルカメラ100のサムネイル表示ボタン114が操作されると、図7のプログラムが起動する。
【0027】
図7のステップS41において、CPU回路106は、内部メモリ105に記録されているEXIF形式の画像データファイルのうち、本画像データが削除されいる画像データファイルを順に読み出し、読み出した画像データファイルに記録されているサムネイル画像データによる画像の一覧をLCD表示部107に表示させる。これにより、データストレージ装置200内に記録されている画像データファイルと同一のIDを有する画像データファイルによるサムネイル一覧がLCD表示部107に表示される。サムネイル画像の一覧表示は、画像処理回路104が表示用データを生成し、LCD表示部107がこれを表示する。
【0028】
LCD表示部107にサムネイル画像の一覧表示が行われるとき、図1に示すように、初期値として画面の左上のサムネイル画像の枠が強調表示される。強調表示されるサムネイル画像は、画像データファイルの削除指令、プロテクト指令、およびプロテクト解除指令の対象となる画像データファイルを表す。サムネイル画像の枠の強調表示は、画像処理回路104により表示制御される。操作者は、十字スイッチ113を上下左右に操作して、表示されているサムネイル画像の中から上記各指令の対象とするサムネイル画像を選ぶ。たとえば、右隣のサムネイル画像を選ぶ場合は、十字スイッチ113を右に操作する。
【0029】
ステップS42において、CPU回路106は、十字スイッチ113からの操作信号を検出してステップS43に進む。ステップS43において、CPU回路106は十字スイッチ113からの操作信号に応じて上記各指令の対象となるサムネイル画像を選ぶ。CPU回路106は、選んだサムネイル画像を強調表示するように画像処理回路104に指令を出力し、ステップS44に進む。ステップS44において、CPU回路106は画像データ削除ボタン115が操作されたか否かを判定し、画像データ削除ボタン115が操作された場合にステップS44を肯定判定してステップS45に進む。一方、画像データ削除ボタン115が操作されない場合にステップS44を否定判定してステップS48に進む。
【0030】
ステップS45において、CPU回路106は、送受信回路109に削除指令信号と削除指令の対象となる画像データファイルに記録されているIDとを送信させてステップS46に進む。ステップS46において、CPU回路106は、送受信回路109でデータストレージ装置200からの削除完了信号が受信されたか否かを判定する。送受信回路109で削除完了信号が受信されると、CPU回路106はステップS46を肯定判定してステップS47へ進み、送受信回路109で削除完了信号が受信されない場合はステップS46を否定判定して判定処理を繰り返す。削除完了信号については後述する。ステップS47において、CPU回路106は、強調表示しているサムネイル画像に対応する画像データファイル、すなわち、削除指令とともに送信したIDに対応するファイルを内部メモリ105から削除するとともに、強調表示されているサムネイル画像の表示も削除するように画像処理回路104に指令を出す。ステップS47の処理を終了するとステップS48へ進む。
【0031】
ステップS48において、CPU回路106は、画像データプロテクトボタン116が操作されたか否かを判定し、画像データプロテクトボタン116が操作された場合にステップS48を肯定判定してステップS49に進む。一方、画像データプロテクトボタン116が操作されない場合にステップS48を否定判定してステップS52に進む。ステップS49において、CPU回路106は、送受信回路109にプロテクト指令信号とプロテクト指令の対象となる画像データファイルに記録されているIDとを送信させてステップS50に進む。ステップS50において、CPU回路106は送受信回路109でデータストレージ装置200からのプロテクト完了信号が受信されたか否かを判定する。送受信回路109でプロテクト完了信号が受信されると、CPU回路106はステップS50を肯定判定してステップS51へ進み、送受信回路109でプロテクト完了信号が受信されない場合はステップS50を否定判定して判定処理を繰り返す。プロテクト完了信号については後述する。ステップS51において、CPU回路106は、強調表示しているサムネイル画像にプロテクトマークを重ね表示するように画像処理回路104に指令を出し、ステップS52へ進む。
【0032】
ステップS52において、CPU回路106は、プロテクトマークが重ね表示されているサムネイル画像が強調表示されている状態で、画像データプロテクトボタン116が再び操作されたか否かを判定し、画像データプロテクトボタン116が操作された場合にステップS52を肯定判定してステップS53に進む。一方、画像データプロテクトボタン116が操作されない場合にステップS52を否定判定してステップS56に進む。ステップS53において、CPU回路106は、送受信回路109にプロテクト解除指令信号とプロテクト解除指令の対象となる画像データファイルに記録されているIDとを送信させてステップS54に進む。ステップS54において、CPU回路106は、送受信回路109でデータストレージ装置200からのプロテクト解除完了信号が受信されたか否かを判定する。送受信回路109でプロテクト解除完了信号が受信されると、CPU回路106はステップS54を肯定判定してステップS55へ進み、送受信回路109でプロテクト解除完了信号が受信されない場合はステップS54を否定判定して判定処理を繰り返す。プロテクト解除完了信号については後述する。ステップS55において、CPU回路106は、強調表示しているサムネイル画像からプロテクトマークの重ね表示を中止するように画像処理回路104に指令を出し、ステップS56へ進む。
【0033】
ステップS56において、CPU回路106は、サムネイル表示ボタン113が再び操作されたか否かを判定し、サムネイル表示ボタン113が操作された場合にステップS56を肯定判定してステップS57に進む。一方、サムネイル表示ボタン113が再び操作されない場合にステップS56を否定判定してステップS42に戻る。ステップS57において、CPU回路106は、LCD表示部107に表示させているサムネイル画像データによるサムネイル画像の一覧表示を中止するように画像処理回路104に指令を出し、図7の処理を終了する。
【0034】
次に、電子スチルカメラ100との間で送受信を行うデータストレージ装置200で行われる処理について説明する。図8は、データストレージ装置200のCPU回路206によって行われる処理の流れを説明するフローチャートである。データストレージ装置200の電源スイッチ211がオン操作されると、図8のプログラムが起動される。ステップS61において、CPU回路206は、送受信回路201で電子スチルカメラ100からの画像データが受信されたか否かを判定し、画像データが受信されるとステップS61を肯定判定してステップS62へ進み、画像データが受信されないとステップS61を否定判定してステップS63へ進む。
【0035】
ステップS62において、CPU回路206は、送受信回路201により画像データの受信が完了されると、受信された画像データを画像データファイルにしてメモリ202に記録する。この画像データファイルは、データ圧縮を受けた画像データと、サムネイル画像データと、IDとが記録されているEXIFファイル形式のファイルである。CPU回路206はさらに、受信完了信号を送信するように送受信回路201に指令を出力し、ステップS63へ進む。受信完了信号は、画像データを受信したことを電子スチルカメラ100に報知するために送信される。画像データの受信完了の検出は、たとえば、JPEG方式のデータの「end of image」というマーク検出と、JPEGデータのヘッダ部に含まれるファイルサイズと受信したデータのサイズとが一致することの検出との両方で行う。
【0036】
ステップS63において、CPU回路206は、送受信回路201で電子スチルカメラ100からの削除指令信号が受信されたか否かを判定し、削除指令信号が受信されるとステップS63を肯定判定してステップS64へ進み、削除指令信号が受信されないとステップS63を否定判定してステップS65へ進む。ステップS64において、CPU回路206は、送受信回路201により削除指令信号とともに受信されたIDに対応する画像データファイルをメモリ202から削除する。CPU回路206はさらに、受信されたIDを含む画像データファイルをメモリ202から削除すると、削除完了信号を送信するように送受信回路201に指令を出力し、ステップS65へ進む。削除完了信号は、対象の画像データファイルを削除したことを電子スチルカメラ100に報知するために送信される。
【0037】
ステップS65において、CPU回路206は、送受信回路201で電子スチルカメラ100からのプロテクト指令信号が受信されたか否かを判定し、プロテクト指令信号が受信されるとステップS65を肯定判定してステップS66へ進み、プロテクト指令信号が受信されないとステップS65を否定判定してステップS67へ進む。ステップS66において、CPU回路206は、送受信回路201によりプロテクト指令信号とともに受信されたIDに対応する画像データファイルをメモリ202から削除禁止とする。CPU回路206はさらに、受信されたIDを含む画像データファイルを削除禁止にすると、プロテクト完了信号を送信するように送受信回路201に指令を出力し、ステップS67へ進む。プロテクト完了信号は、対象の画像データファイルを削除禁止にしたことを電子スチルカメラ100に報知するために送信される。
【0038】
ステップS67において、CPU回路206は、送受信回路201で電子スチルカメラ100からのプロテクト解除指令信号が受信されたか否かを判定し、プロテクト解除指令信号が受信されるとステップS67を肯定判定してステップS68へ進み、プロテクト解除指令信号が受信されないとステップS67を否定判定して図8の処理を終了する。ステップS68において、CPU回路206は、送受信回路201によりプロテクト解除指令信号とともに受信されたIDに対応する画像データファイルについて、メモリ202からの削除禁止を解除する。CPU回路206はさらに、受信されたIDを含む画像データファイルの削除禁止を解除すると、プロテクト解除完了信号を送信するように送受信回路201に指令を出力し、図8の処理を終了する。プロテクト解除完了信号は、対象の画像データファイルに対する削除禁止を解除したことを電子スチルカメラ100に報知するために送信される。
【0039】
以上説明した第一の実施の形態による画像データファイルの伝送システムによれば、次の作用効果が得られる。
(1)電子スチルカメラ100は、撮影時にサムネイル画像データと圧縮された本画像データとを画像データファイルとして内部メモリ105に記録し、画像データファイルのコピーをデータストレージ装置200に送信し、データストレージ装置200から送信された受信完了信号を受信すると内部メモリ105内の画像データファイルから本画像データを削除するようにした。内部メモリ105内の画像データファイルに本画像データを残さないので、内部メモリ105の使用量を節約でき、より多くのコマ数を撮影して記録することができる。また、データストレージ装置200から送信される受信完了信号を受信してから本画像データを削除するようにしたので、データストレージ装置200への送信が完了する前に本画像データを誤って削除することがない。さらに、電子スチルカメラ100の内部メモリ105にサムネイル画像データを残すようにしたので、撮影者は、データストレージ装置200が近くにない場合でも、データストレージ装置200に送信した画像を電子スチルカメラ100のLCD表示部107に表示させて確認することができる。(2)電子スチルカメラ100の内部メモリ105に記録されている画像データファイルおよびデータストレージ装置200に送信される画像データファイルには、共通のIDが記録されるようにした。電子スチルカメラ100からデータストレージ装置200に画像データファイルの削除指令、プロテクト指令、およびプロテクト解除指令を送信するとき、各指令の対象となるIDも送信する。この結果、電子スチルカメラ100からデータストレージ装置200に対して、画像データファイルごとに削除、プロテクト、プロテクト解除を行うことができる。
(3)上記IDは、電子スチルカメラ100の製造番号を含むようにしたので、他の電子スチルカメラによるIDと重複することがない。
(4)電子スチルカメラ100およびデータストレージ装置200にそれぞれ送受信回路109、送受信回路201を設け、無線により画像データを送信するようにした。撮影者は、電子スチルカメラ100だけを携帯して撮影することができ、電子スチルカメラ100とデータストレージ装置200とがケーブルなどで接続されている場合に比べて、操作性が向上する。
(5)ステップS5〜ステップS10の処理の途中で電子スチルカメラ100の電源スイッチ111がオフ操作される場合に、撮影された画像データファイルをデータストレージ装置200に送信完了してから電源オフ処理を行うようにしたので(ステップS16の否
定判定)、撮影した画像データファイルがデータストレージ装置200に記録されずに消
滅することが防止される。
(6)電子スチルカメラ100からデータストレージ装置200に画像データの送信が行われるステップS12〜ステップS15までの間、電子スチルカメラ100のLCD表示部107に表示されるフリーズ画像表示の輝度を下げるようにしたので、撮影者はLCD表示部107の表示画像の輝度が下がることで画像データが転送中であることを確認できる。
【0040】
−第二の実施の形態−
第一の実施の形態では、電子スチルカメラ100が1コマずつ撮影を行う単写撮影について説明した。第二の実施の形態では、電子スチルカメラ100のレリーズボタン112が操作されている間に所定の間隔で連続して撮影する連写撮影を行う。
【0041】
第二の実施の形態による電子スチルカメラ100のCPU回路106によって行われる撮影処理の流れを、図9のフローチャートを参照して説明する。なお、単写撮影の場合の図4のフローチャートと同じ処理が行われる部分は同一のステップ番号を付したので、図4と相違する処理を中心に説明する。図9のステップS5Aにおいて、撮影して得られた画像データが画像処理回路104で表示用画像データに処理され、LCD表示部107でフリーズ画像表示される。このとき、画像処理回路104は、連写結果を一覧できるように、サムネイル画像を一覧形式で表示させる。連写によって撮影コマが増えるごとに、表示されるサムネイル画像が増やされる。
【0042】
ステップS8Bにおいて、CPU回路106はレリーズボタン112がオフされたか否かを判定し、レリーズ操作がオフされた場合はステップS8Bを肯定判定してステップS9へ進み、レリーズ操作が継続されている場合はステップS8Bを否定判定してステップS4へ戻る。
【0043】
ステップS10Aにおいて、CPU回路106は送受信回路109に画像データの転送処理を行わせ、転送処理が終了すると図9の処理を終了する。ステップS10Aでは、連写撮影によって得られた複数の画像データファイルが1つずつ電子スチルカメラ100からデータストレージ装置200へ送信される。図10は、ステップS10Aの転送処理時にCPU回路106で行われる処理の流れを説明するフローチャートである。単写撮影の場合の図5のフローチャートと同じ処理が行われる部分は同一のステップ番号を付したので、図5と相違する処理を中心に説明する。
【0044】
図10のステップS12Aにおいて、CPU回路106は画像処理回路104に対し、送信している画像データファイルに対応するサムネイル画像の表示輝度を下げるよう指令を出力し、ステップS13へ進む。これにより、操作者はどの画像データファイルが送信されているかを知ることができる。
【0045】
ステップS15Aにおいて、CPU回路106は画像処理回路104に対し、輝度を下げているサムネイル画像の表示輝度を消すよう指令を出力し、ステップS15Bに進む。ステップS15Bにおいて、CPU回路106は、連写撮影で得られた画像データファイルが全て送信完了したか否かを判定する。全て送信完了した場合はステップS15Bを肯定判定して図10の処理を終了し、未送信の画像データファイルがある場合はステップS15Bを否定判定してステップS11に戻り、次の画像データファイルを送信する。
【0046】
以上説明したように第二の実施の形態によれば、連写撮影を行う場合にも単写撮影時と同様の作用効果を得ることができる。とくに、第二の実施形態においては、連写撮影によって得られた画像データファイルに対応するサムネイル画像をLCD表示部107に一覧表示し、画像データファイルを1つずつ電子スチルカメラ100からデータストレージ装置200に送信し、送信中の画像データファイルに対応するサムネイル画像の表示輝度を下げるとともに送信完了すると当該サムネイル画像表示を消すようにしたので、どのファイルを送信中か、どのファイルが未送信かを操作者に報知することができる。
【0047】
以上の説明では、電子スチルカメラ100とデータストレージ装置200とをBluetoothにより無線接続するようにしたが、IrDAによる接続でもよい。また、電子スチルカメラ
100とデータストレージ装置200とをIEEE-1394ケーブルで接続したり、USBケー
ブルやネットワークケーブルなどによって有線接続するようにしてもよい。
【0048】
また、電子スチルカメラ100とデータストレージ装置200とを1:1で接続する例を説明したが、電子スチルカメラ100は複数あってもよく、データストレージ装置200が複数あってもよい。画像データファイル内に記録されるIDに電子スチルカメラ100の製造番号を含むようにしたので、他の電子スチルカメラによる画像データファイルと識別が可能となり、他の電子スチルカメラにより撮影された画像データファイルを誤って削除することがない。
【0049】
なお、IDは電子スチルカメラ100の製造番号の代わりに、電子スチルカメラ100、あるいは撮影者を特定する記号、文字、数字などでもよい。
【0050】
電子スチルカメラ100からデータストレージ装置200に画像データを送信している間、LCD表示部107の表示画像の輝度を下げるようにしたが、輝度を下げる代わりに画像の点滅表示を行ったり、色を変えて表示したり、送信中を示すアイコンやテキスト情報を表示画像に重ねてオーバーレイ表示するものでもよい。
【0051】
データストレージ装置200のメモリ202に記録されている画像データファイルに対して削除、プロテクト、プロテクト解除する場合に電子スチルカメラ100側から操作するようにしたが、データストレージ装置200側から操作するようにしてもよい。この場合には、十字スイッチ212、サムネイル表示ボタン213、画像データ削除ボタン214、および画像データプロテクトボタン215を操作して行えばよい。
【0052】
以上の説明では、電子スチルカメラ100で撮影された静止画像データを取り扱う画像データファイル伝送システムについて説明したが、動画データを取り扱うデータファイル伝送システムにも本発明を適用することができる。
【0053】
また、電子スチルカメラ100の例で説明をしたが、必ずしも電子スチルカメラに限定する必要はない。CCDなどの撮像素子で撮像を行って画像データを内部に蓄積し、外部装置に送信するものであればよい。スキャナ、PDA、携帯電話機、ノートパソコンなどの携帯型パソコンなど、撮像素子を有するあらゆる装置にも本発明を適用することができる。
【0054】
また、データストレージ装置200は、パソコンなどのコンピュータで構成するようにしてもよい。パソコンのUSBやその他のインターフェースにBluetoothアダプタなどを
接続して、無線通信を行う。メモリ202は、パソコンのハードディスク装置などを使用する。
【0055】
なお、パソコンで処理するプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体やインターネットなどのデータ信号を通じて提供することができる。図11はその様子を示す図である。パーソナルコンピュータ400は、CD−ROM404を介してプログラムの提供を受ける。また、パーソナルコンピュータ400は通信回線401との接続機能を有する。コンピュータ402は上記プログラムを提供するサーバーコンピュータであり、ハードディスク403などの記録媒体にプログラムを格納する。通信回線401は、インターネット、パソコン通信などの通信回線、あるいは専用通信回線などである。コンピュータ402はハードディスク403を使用してプログラムを読み出し、通信回線401を介してプログラムをパーソナルコンピュータ400に送信する。すなわち、プログラムをデータ信号として搬送波にembodyして、通信回線401を介して送信する。このように、プログラムは、記録媒体や搬送波などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給できる。
【0056】
また、データストレージ装置に200にプリンタの機能を持たせてもよい。その場合、電子スチルカメラ100から出力される指令にはデータストレージ装置200に指定した画像のプリントを指示する指令を含ませても良い。また、電子スチルカメラ100から出力される指令にはデータストレージ装置200に保存されている本画像データのコピーを電子スチルカメラ100に送信させる指令を含ませても良い。
【0057】
特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明すると、EXIFファイル形式の画像データファイルが画像を含むデータファイルに、データストレージ装置200が外部装置および受信装置に、電子スチルカメラ100が送信装置に、サムネイル画像が簡易画像に、CPU回路106が記録回路、情報生成手段、制御手段、指示信号発生手段、および第1の記録回路に、IDが画像と簡易画像とを関連させる情報に、LCD表示部107が表示手段に、CPU回路106および十字スイッチ113が選択手段に、削除指令信号、プロテクト指令信号、およびプロテクト解除指令信号が特定の指示信号に、送受信回路109が送信手段に、CPU回路206が第2の記録回路および特定手段に、CPU回路106およびCPU回路206が制御手段に、それぞれ対応する。
【符号の説明】
【0058】
100…電子スチルカメラ、 105…内部メモリ、
106,206…CPU回路、 107,204…LCD表示部、
109,201…送受信回路、 112…レリーズボタン、
113,212…十字スイッチ、 114,213…サムネイル表示ボタン、
115,214…画像データ削除ボタン、
116,215…画像データプロテクトボタン、
200…データストレージ装置、 202…メモリ、
300…通信媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を含むデータファイルを外部装置に送る画像データファイルの送信装置において、
前記画像に対応して前記画像よりデータサイズが小さい簡易画像のファイルをメモリに保存する記録回路と、
前記画像と前記簡易画像とを関連させる情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段により生成された前記情報を前記記録回路によって前記メモリに保存させる制御手段とを備えることを特徴とする画像データファイルの送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像データファイルの送信装置において、
複数の前記簡易画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される前記複数の簡易画像の中から簡易画像を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された簡易画像に対応する画像を含むデータファイルを、前記外部装置が少なくとも削除するための指令を含む特定の指示信号を発生する指示信号発生手段と、
前記特定の指示信号と前記選択された簡易画像に関連する前記情報とを前記外部装置に送る送信手段とをさらに備えることを特徴とする画像データファイルの送信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像データファイルの送信装置において、
前記送信装置はカメラであることを特徴とする画像データファイルの送信装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像データファイルの送信装置において、
前記特定の指示信号は、前記外部装置が前記データファイルを削除することを禁止する指令を含むことを特徴とする画像データファイルの送信装置。
【請求項5】
画像を含むデータファイルを送信装置から受信装置に送る画像データファイルの伝送システムにおいて、
前記送信装置に備えられ、前記画像に対応して前記画像よりデータサイズ小さい簡易画像のファイルをメモリに保存する第1の記録回路と、
前記受信装置に備えられ、前記画像のファイルをメモリに保存する第2の記録回路と、
前記画像と前記簡易画像とを関連させる情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段により生成された前記情報を前記画像および前記簡易画像に対応づけて前記第1の記録回路および前記第2の記録回路の両方によってそれぞれ保存させる制御手段とを備えることを特徴とする画像データファイルの伝送システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像データファイルの伝送システムにおいて、
前記情報生成手段は、前記送信装置に備えられ、
前記送信装置は、前記情報生成手段により生成される前記情報を前記受信装置に送る送信手段をさらに備え、
前記受信装置は、送られた前記情報で前記画像を特定する特定手段をさらに備えることを特徴とする画像データファイルの伝送システム。
【請求項1】
画像を含むデータファイルを外部装置に送る画像データファイルの送信装置において、
前記画像に対応して前記画像よりデータサイズが小さい簡易画像のファイルをメモリに保存する記録回路と、
前記画像と前記簡易画像とを関連させる情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段により生成された前記情報を前記記録回路によって前記メモリに保存させる制御手段とを備えることを特徴とする画像データファイルの送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像データファイルの送信装置において、
複数の前記簡易画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される前記複数の簡易画像の中から簡易画像を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された簡易画像に対応する画像を含むデータファイルを、前記外部装置が少なくとも削除するための指令を含む特定の指示信号を発生する指示信号発生手段と、
前記特定の指示信号と前記選択された簡易画像に関連する前記情報とを前記外部装置に送る送信手段とをさらに備えることを特徴とする画像データファイルの送信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像データファイルの送信装置において、
前記送信装置はカメラであることを特徴とする画像データファイルの送信装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像データファイルの送信装置において、
前記特定の指示信号は、前記外部装置が前記データファイルを削除することを禁止する指令を含むことを特徴とする画像データファイルの送信装置。
【請求項5】
画像を含むデータファイルを送信装置から受信装置に送る画像データファイルの伝送システムにおいて、
前記送信装置に備えられ、前記画像に対応して前記画像よりデータサイズ小さい簡易画像のファイルをメモリに保存する第1の記録回路と、
前記受信装置に備えられ、前記画像のファイルをメモリに保存する第2の記録回路と、
前記画像と前記簡易画像とを関連させる情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段により生成された前記情報を前記画像および前記簡易画像に対応づけて前記第1の記録回路および前記第2の記録回路の両方によってそれぞれ保存させる制御手段とを備えることを特徴とする画像データファイルの伝送システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像データファイルの伝送システムにおいて、
前記情報生成手段は、前記送信装置に備えられ、
前記送信装置は、前記情報生成手段により生成される前記情報を前記受信装置に送る送信手段をさらに備え、
前記受信装置は、送られた前記情報で前記画像を特定する特定手段をさらに備えることを特徴とする画像データファイルの伝送システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−10290(P2011−10290A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130020(P2010−130020)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【分割の表示】特願2007−120650(P2007−120650)の分割
【原出願日】平成13年11月30日(2001.11.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【分割の表示】特願2007−120650(P2007−120650)の分割
【原出願日】平成13年11月30日(2001.11.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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