説明

画像データ処理装置、画像データ処理方法、画像データ処理プログラム、および、撮像装置

【課題】ユーザが望んでいる画像からのずれを合成画像において回避することを可能とした撮像装置を提供することである。
【解決手段】本発明の撮像装置では、第1ベース画像選定部31および第2ベース画像選定部36によって、取り込んだ複数枚の画像データを合成する際の重ね合わせ領域に使用される第1ベース画像と、重ね合わせを行わない領域に使用される第2ベース画像が独立に選択される。よって、例えば、取り込まれた複数の画像データ中の1枚目に撮影した画像に対応する画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択することで、ユーザがシャッターボタンの押下時の画像が取り込めたと考えている場合に、ユーザが望んでいる画像からのずれを合成画像において回避することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連写などによって得られた複数枚の画像データを処理する画像処理装置および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、等に内蔵されるディジタルカメラ(撮像装置)を用いて撮影を行う場合、例えば、携帯電話を持つ手が露光時間の間にぶれることで、その手ぶれの影響が取り込む画像に生じる。この手ぶれによる影響を抑えるために、取り込んだ画像に対して、手ぶれ補正を行っている。
【0003】
手ぶれ補正処理においては、連写して取り込んだ複数枚(N枚)の画像データに対して合成処理を行って1枚の合成画像を得ている。この合成処理の方法として従来は、以下に示すような方法が知られている。
【0004】
(1)1枚目に取り込んだ画像をベース画像とし、その1枚目のベース画像に対して、2枚目〜N枚目の画像を順次合成する方法
(2)m枚目(例えば、m=N/2)に取り込んだ画像をベース画像とし、そのm枚目のベース画像に対して、他の画像を順次合成する方法
【0005】
上記(1)の方法の場合、手ぶれは通常ある方向に発生することから、1枚目からN枚目に向かって枚数を重ねるにつれて、ベースとする1枚目の画像と重ね合わせ対象画像とのずれが大きくなり、重ね合わせ性能が低下するという問題がある。
【0006】
また、上記(2)の方法において、例えば、m=N/2枚目に取り込んだ画像をベース画像とした場合、1枚目をベース画像とした場合やN枚目をベース画像とした場合と比較し、ずれ量は約1/2になることが期待されるので、重ね合わせ性能は向上する。しかし、m枚目が重ね合わせのベース画像となっているため、ユーザがシャッターボタンを押下した時点の画像を取り込んだと考えている場合に、シャッターを押した時点の画像と、合成時にベースとして使用する画像の時間的ずれが増加し、ユーザが望んでいる画像からのずれが大きくなるという問題がある。
【0007】
なお、手ぶれ補正技術としては、様々な技術が知られている。
例えば、特許文献1では、ぶれ補正モードと非ぶれ補正モードの2つのモードを備える電子カメラが示されている。この電子カメラでは、撮影準備期間中(非ぶれ補正モード時)に、CCDの各露光期間にのみぶれ補正を行い、画素データの出力期間にはぶれ補正を行わないようにしている。
【0008】
また、特許文献2では、ぶれ撮影防止モードの選択時に、ミラー及びシャッタの動作速度を通常撮影モード時と変更して制御できるカメラが示されている。このカメラの撮影モード選択部は、ぶれ防止撮影モード、通常撮影モード等のカメラの撮影モードの選択を行う。また、駆動速度変更部は、撮影モード選択部の選択結果を基に、ミラー及びシャッタの露光開始時の駆動速度の変更指示を、ミラー駆動部およびシャッタ駆動部に出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−333414号公報 「電子カメラ」
【特許文献2】特開平7−28149号公報 「カメラのぶれ防止装置」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、取り込んだ複数枚の画像データから、より精度の高い合成画像を得ることを可能とした画像データ処理装置、画像データ処理方法、および、画像データ処理プログラムを提供することである。
【0011】
本発明の別の課題は、ユーザが望んでいる画像からのずれを合成画像において回避することを可能とした撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1態様の画像データ処理装置は、複数枚の画像データを処理する画像データ処理装置において、取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行う際に使用する第1ベース画像として選択する第1ベース画像選択部と、選択された重ね合わせの第1ベース画像と、前記取り込んだ複数の画像データのうちの他画像データとのずれ量を算出するずれ量算出部と、選択された第1ベース画像に対して他画像データをずれ補正して重ね合わせうる領域である重ね合わせ領域を、算出されたずれ量を基に検出するとともに、その重ね合わせ領域に対する重ね合わせを実行する画像重ね合わせ部と、取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択する第2ベース画像選択部と、重ね合わせ結果と、前記第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域を合成するとともに、合成結果の画像データを出力する画像合成部、を備えることを特徴とする画像データ処理装置である。
【0013】
ここで、第1および第2ベース画像選択部によって、取り込んだ複数枚の画像データを合成する際の重ね合わせ領域に使用される第1ベース画像と、重ね合わせを行わない領域に使用される第2ベース画像が独立に選択される。
【0014】
よって、例えば、取り込んだ複数の画像データのうちで、重ね合わせを行わない領域内のぶれ量が最も小さい画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択したり、取り込んだ複数の画像データのうちで、重ね合わせを行わない領域内の人物の顔の目が最も大きく開いていると認識された画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択したりすることで、合成結果の画像データ中の重ね合わせを行わない領域の画質が向上し、より精度の高い合成画像を得ることができる。
【0015】
本発明の第2態様の撮像装置は、連写して得た複数枚の画像データを処理する撮像装置において、撮像対象物から受光した光を光電変換して、光電変換データを出力するイメージセンサと、前記光電変換データを基に、画像データを生成する画像データ生成部と、撮影指示に対応して、露光制御情報を前記イメージセンサに出力して、複数の画像データを取り込む撮影制御部と、取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行う際に使用する第1ベース画像として選択する第1ベース画像選択部と、選択された重ね合わせの第1ベース画像と、前記取り込んだ複数の画像データのうちの他画像データとのずれ量を算出するずれ量算出部と、選択された第1ベース画像に対して他画像データをずれ補正して重ね合わせうる領域である重ね合わせ領域を、算出されたずれ量を基に検出するとともに、その重ね合わせ領域に対する重ね合わせを実行する画像重ね合わせ部と、取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択する第2ベース画像選択部と、重ね合わせ結果と、前記第2ベース画像の重ね合わせを行わない領域を合成するとともに、合成結果の画像データを出力する画像合成部、を備えることを特徴とする撮像装置である。
【0016】
ここで、第1および第2ベース画像選択部によって、取り込んだ複数枚の画像データを合成する際の重ね合わせ領域に使用される第1ベース画像と、重ね合わせを行わない領域に使用される第2ベース画像が独立に選択される。
【0017】
よって、例えば、取り込まれた複数の画像データ中の1枚目に撮影した画像に対応する画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択することで、ユーザがシャッターボタンの押下時の画像が取り込めたと考えている場合に、ユーザが望んでいる画像からのずれを合成画像において回避することができる。また、取り込まれた複数の画像データ中のシャッター音と同一タイミングで撮影した画像に対応する画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択することで、ユーザがシャッター音時の画像が取り込めたと考えている場合に、ユーザが望んでいる画像からのずれを合成画像において回避することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像データ処理装置によれば、取り込んだ複数枚の画像データから、より精度の高い合成画像を得ることができる。
【0019】
また、本発明の撮像装置によれば、ユーザが望んでいる画像からのずれを合成画像において回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の重ね合わせ領域の検出方法を説明する図である。
【図2】本発明の各実施形態に共通する撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明における補正処理部の原理構成図であるとともに、本発明の第1およ び第2実施形態における補正処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の撮影処理および画像処理の概要を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態における撮影処理および画像処理を示すフローチャー トである。
【図6】本発明の第2実施形態における撮影処理および画像処理を示すフローチャー トである。
【図7】本発明の第3実施形態における第2ベース画像選定部(重ね合わせを行わな い領域用ベース画像選定部)の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3実施形態における撮影処理および画像処理を示すフローチャー トである。
【図9】本発明の第4実施形態における第2ベース画像選定部(重ね合わせを行わな い領域用ベース画像選定部)の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4実施形態における撮影処理および画像処理を示すフローチャ ートである。
【図11】記憶媒体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、複数の画像を合成して1枚の画像を生成する分野として手ぶれ補正を取り上げる。しかし、手ぶれ補正以外の同様の処理を行う分野にも本発明は適用可能である。
【0022】
手ぶれ補正時に行なう画像の合成では、特定の被写体を連写して、連写した各画像を位置合わせ(ずれ補正)して1枚の画像を合成する。
【0023】
合成結果の画像には、連写して取り込んだ複数枚の画像の同一位置の画素の画素値を平均化した画素で構成される領域(重ね合わせ領域)もあれば、連写して取り込んだ複数枚の画像のうちの1枚の画像の同一位置の画素を例えば整数倍した画素で構成される領域(重ね合わせを行わない領域)もある。すなわち、合成結果の画像は、重ね合わせを行う領域(例えば、連写枚数が3枚の場合、3枚の画像の合成により生成された領域)と、重ね合わせを行わない領域(1枚の画像の情報のみから生成された領域)が混在する画像になる。
【0024】
図1は、本発明の重ね合わせ領域の検出方法を説明する図である。
図1において、画像1〜画像3の3枚の画像に対し、単純に合成すると、画像4のように、多重化した画像が生じる。
【0025】
そこで、ずれ補正して位置合わせをした後に、画像間の同一位置の画素値の差分を算出し、その差分が閾値以上の部分を動き領域(重ね合わせを行わない領域)とする。例えば、画像5では、動き領域が「白」、非動き領域(重ね合わせ領域)が「黒」で表示されている。
【0026】
本発明の特徴は、動き領域と非動き領域でベースとする画像を独立に選択することにある。例えば、動き領域では画像2、非動き領域では画像1〜画像3を合成したものを使用した場合、画像6のような画像が画像1〜画像3の合成結果として得られる。
【0027】
続いて、本発明の各実施形態で用いられる撮像装置およびその撮像装置内の補正処理部の構成について説明する。
【0028】
図2は、本発明の各実施形態に共通する撮像装置の構成を示すブロック図である。
図2において、撮像装置10は、レンズ11、イメージセンサ12、撮影制御部13、AGC(Auto Gain Control)回路16、AD変換器(Analog Digital Converter、ADC)17、画像処理部(イメージシグナルプロセッサ(ISP)ともいう)18、画像保持部22、補正処理部23、を備える。
【0029】
レンズ11は、撮像対象(被写体)からの光をイメージセンサ12上に集光する。
イメージセンサ12は、撮像対象からレンズ11を介して受光された光を電荷に光電変換して蓄積する受光部(不図示)と、蓄積された電荷を光電変換データとして出力する信号出力部(不図示)を備える。
【0030】
AGC回路16は、イメージセンサ12から出力された光電変換データのゲインを制御する。
ADC17は、ゲインが制御された光電変換データをアナログからディジタルに変換する。
【0031】
画像処理部18は、AD変換器17の出力を基に、画像データを生成する。すなわち、画像処理部18は、ADC17から入力した信号(「生データ」ともいう)を基に、色分離処理、ディスプレイにおいて明るさをリニアに表現するためのガンマ補正処理、光源の温度によらず白を白として表現するためのホワイトバランス制御処理、等を行う。色分離処理を介して、入力信号は、YUV信号、RGB信号、等の要求される形式へ変換される。
【0032】
撮影制御部13は、撮影指示に対応して、撮像対象に対して算出された露光制御情報を含む制御信号をイメージセンサ12に出力して、そのイメージセンサ12による撮像処理(上記受光部および上記信号出力部による処理)を介して、複数枚の画像データを取り込む。
【0033】
イメージセンサ12による撮像処理を介して取り込まれた複数枚の画像データは、画像処理部18を介して画像保持部22に格納される。
【0034】
補正処理部23は、画像保持部22に格納された複数枚の画像データを読み込んで、それらを基に手ぶれ補正された(合成された)1枚の画像データを生成し、その生成された画像データを、後段の画像データ格納用メモリ(不図示)に出力する。補正処理部23の動作は、それぞれの実施形態で異なる。
【0035】
撮影制御部13、画像処理部18、補正処理部23がプログラムとして実現される場合、撮影制御部13、画像処理部18の処理を実行する中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)と、補正処理部23の処理を実行するCPUとは一致してもよいし、別でもよい。
【0036】
図3は、本発明における補正処理部の原理構成図であるとともに、本発明の第1および第2実施形態における補正処理部の構成を示すブロック図である。
【0037】
図3において、補正処理部30は、第1ベース画像選定部31、ずれ量算出部32、重ね合わせ領域検出部33、画像重ね合わせ部34、第2ベース画像選定部36、画像合成部38を備える。
【0038】
第1ベース画像選定部31は、補正処理部30の前段の画像保持部22に保持される複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行う際に使用する第1ベース画像として選択する。
【0039】
ずれ量算出部32は、選択された重ね合わせの第1ベース画像と、画像保持部22に保持される複数の画像データのうちの他画像データとのずれ量を算出する。
【0040】
重ね合わせ領域検出部33は、選択された第1ベース画像に対して他画像データをずれ補正して重ね合わせうる領域である重ね合わせ領域を、算出されたずれ量を基に検出する。
【0041】
画像重ね合わせ部34は、検出された重ね合わせ領域に対する重ね合わせを実行する。 第2ベース画像選定部36は、画像保持部22に保持される複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択する。
【0042】
画像合成部38は、重ね合わせ結果と、第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域を合成するとともに、合成結果の画像データを後段に出力する。
【0043】
図4は、本発明の撮影処理および画像処理の概要を示すフローチャートである。このフローチャートは、図2の各部および図3の各部によって実行される。
【0044】
図4において、まず、ステップS101で、連写画像の撮影が行われる。ここでは、その概要を以下に説明する。
【0045】
まず、ユーザの撮影指示(例えば、シャッターボタンの押下)に対応して、図2の撮影制御部13によって、撮像対象に対して算出された露光制御情報を含む制御信号がイメージセンサ12に出力される。そして、イメージセンサ12による撮像処理(受光部および信号出力部による処理)を介して、1枚の画像データが取り込まれる。すなわち、イメージセンサ12によって、撮像対象からレンズ11を介して受光された光が電荷に光電変換されて蓄積されるとともに、その蓄積された電荷が光電変換データとして画像処理部18に出力される。
【0046】
画像処理部18は、受け取った光電変換データを基に、(撮影)画像データを生成する。すなわち、画像処理部18によって、光電変換データ(入力信号、生データともいう)を基に、色分離処理、ディスプレイにおいて明るさをリニアに表現するためのガンマ補正処理、光源の温度によらず白を白として表現するためのホワイトバランス制御処理、等が行われる。色分離処理を介して、入力信号は、YUV信号、RGB信号、等の要求される形式へ変換される。そして、画像処理部18によって生成された画像データが画像保持部22に格納される。このような処理が連写で取り込む画像の枚数分行なわれる。
【0047】
続く、ステップS102では、図3の第1ベース画像選定部31によって、画像保持部22に保持される複数の画像データ中の1枚の画像データが、重ね合わせを行う際に使用する第1ベース画像として選択される。
【0048】
ステップS103では、ずれ量算出部32によって、選択された第1ベース画像と、画像保持部22に保持される複数の画像データのうちの他の1枚の画像データ(重ね合わせ対象画像)とのずれ量が算出される。例えば、図1に示すような連写画像であれば、車が移動しているところを連写した画像であるので、それぞれの画像において車の位置が変化している。しかし、(図1の各画像からは定かではないが)車の背景となる、例えば、遠方に見える山や森などは、手ぶれの影響により少しずつずれてはいるものの、車の位置の各画像における変化に比べると殆ど無視できる程度にしかずれていない。背景となる部分が画像間でどれだけずれているかを、ステップS103でずれ量として算出している。画像間のずれ量が分かれば、画像間の対応する画素が判明する。
【0049】
ステップS104では、重ね合わせ領域検出部33によって、算出されたずれ量を用いてずれ補正することで、第1ベース画像と重ね合わせ対象画像との位置合わせが行われ、対応する画素間の差分が算出される。そして、算出された差分値が閾値未満の画素については、重ね合わせることが可能であると判断され、その差分値が閾値未満の画素の集まりとして第1ベース画像と重ね合わせ対象画像との重ね合わせ領域が検出される。
【0050】
ステップS105では、画像重ね合わせ部34によって、検出された重ね合わせ領域に対する重ね合わせが実行される。この結果、第1ベース画像上の重ね合わせ領域に、重ね合わせ対象画像の対応部分の画素が重ね合わせられる。
【0051】
ステップS106では、所定枚数分についての処理が終了したかどうかが判定される。例えば、連写で3枚の画像を取り込んだ場合で、2枚目の画像を第1ベース画像に設定した場合、2枚目と1枚目、2枚目と3枚目について重ね合わせが実行されるので、この所定枚数は2枚となる。
【0052】
ステップS106で所定枚数分についての処理が終了していないと判定された場合、ステップS103に戻る。
【0053】
一方、ステップS106で所定枚数分についての処理が終了したと判定された場合、ステップS107において、第2ベース画像選定部36によって、画像保持部22に保持される複数の画像データ中の1枚の画像データが、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択される。なお、ステップS103〜S105の処理は複数回実行されるが、第1ベース画像とそれぞれの重ね合わせ対象画像との共通部分が最終的な重ね合わせ領域として検出され、その最終的な重ね合わせ領域に対して、それ以外の領域、すなわち、重ね合わせを行わない領域(動き領域)が求められることになる。
【0054】
ステップS108では、画像合成部38によって、重ね合わせ結果(例えば、重ね合わせ処理が行われた後の第1ベース画像)と、第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域とが合成されるとともに、合成結果の画像データが後段に出力される。
【0055】
図5は、本発明の第1実施形態における撮影処理および画像処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図2の各部および図3の各部によって実行される。
なお、ステップS101〜S106については、図4と同様であるので説明を省略する。
【0056】
なお、ここでは、ステップS102において、予め定められたn枚目の画像データを第1ベース画像として選択しているが、第1ベース画像の選択方法としてはこれ以外の方法を用いることも可能である。
【0057】
(ステップS106において所定枚数分についての処理が終了したと判定された場合、)ステップS201において、第2ベース画像選定部36によって、画像保持部22に保持される複数の画像データ中の1枚目に撮影した画像に対応する画像データが、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択される。
【0058】
続く、ステップS202では、画像合成部38によって、重ね合わせ結果(例えば、重ね合わせ処理が行われた後の第1ベース画像)と、第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域とが合成されるとともに、合成結果の画像データが後段に出力される。
【0059】
第1実施形態では、取り込まれた複数の画像データ中の1枚目に撮影した画像に対応する画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択することで、ユーザがシャッターボタンの押下時の画像が取り込めたと考えている場合に、ユーザが望んでいる画像からのずれを合成画像において回避することができる。
【0060】
図6は、本発明の第2実施形態における撮影処理および画像処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図2の各部および図3の各部によって実行される。
なお、ステップS101〜S106については、図4と同様であるので説明を省略する。
【0061】
(ステップS106において所定枚数分についての処理が終了したと判定された場合、)ステップS301において、第2ベース画像選定部36によって、画像保持部22に保持される複数の画像データ中のシャッター音と同一タイミングで撮影した画像に対応する画像データが、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択される。
【0062】
続く、ステップS302では、画像合成部38によって、重ね合わせ結果(例えば、重ね合わせ処理が行われた後の第1ベース画像)と、第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域とが合成されるとともに、合成結果の画像データが後段に出力される。
【0063】
第2実施形態では、取り込まれた複数の画像データ中のシャッター音と同一タイミングで撮影した画像に対応する画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択することで、ユーザがシャッター音時の画像が取り込めたと考えている場合に、ユーザが望んでいる画像からのずれを合成画像において回避することができる。
【0064】
続いて、第3実施形態について説明する。
図7は、本発明の第3実施形態における第2ベース画像選定部(重ね合わせを行わない領域用ベース画像選定部)の構成を示すブロック図である。
【0065】
図7において、第2ベース画像選定部41は、ぶれ量算出部42を内蔵している。
ぶれ量算出部42は、画像保持部22が保持する複数枚の画像データ中の、第2ベース画像選定部41から通知された重ね合わせを行わない領域に対して、例えば、それぞれの画像データ内の濃淡変化の境界であるエッジ(輪郭)を検出し、連写で取り込んだ各画像データ間でそのエッジ部分がどちらの方向にどれだけ移動したかという追跡処理を行ってベクトル量、すなわち、各画像データ間の上下左右および右回転・左回転のぶれ量を算出する。
【0066】
さらに、ぶれ量算出部42は、画像保持部22が保持する複数枚の画像データに対して検出されたエッジ部分の解像度を算出し、それら複数枚の画像データのうちで、最も解像度が高い画像データを識別する情報を第2ベース画像選定部41に通知する。
【0067】
第2ベース画像選定部41は、ぶれ量算出部42から通知された情報によって特定された画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用するベース画像として選択する。
【0068】
図8は、本発明の第3実施形態における撮影処理および画像処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図2の各部、図3の各部、および図7の各部によって実行される。
なお、ステップS101〜S106については、図4と同様であるので説明を省略する。
【0069】
(ステップS106において所定枚数分についての処理が終了したと判定された場合、)ステップS401において、図7のぶれ量算出部42によって、画像保持部22が保持する複数枚の画像データ中の、第2ベース画像選定部41から通知された重ね合わせを行わない領域に対して、例えば、それぞれの画像データ内の濃淡変化の境界であるエッジ(輪郭)が検出され、連写で取り込んだ各画像データ間でそのエッジ部分がどちらの方向にどれだけ移動したかという追跡処理が行われてベクトル量、すなわち、各画像データ間の上下左右および右回転・左回転のぶれ量が算出される。また、ぶれ量算出部42によって、さらに、画像保持部22が保持する複数枚の画像データに対して検出されたエッジ部分の解像度が算出され、それら複数枚の画像データのうちで、最も解像度が高い画像データを識別する情報が第2ベース画像選定部41に通知される。
【0070】
続く、ステップS402では、図7の第2ベース画像選定部41によって、ぶれ量算出部42から通知された情報によって特定された画像データが、重ね合わせを行わない領域に使用するベース画像として選択される。
【0071】
そして、ステップS403において、図3の画像合成部38によって、重ね合わせ結果(例えば、重ね合わせ処理が行われた後の第1ベース画像)と、第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域とが合成されるとともに、合成結果の画像データが後段に出力される。
【0072】
以上の説明では、ぶれ量算出部42は、画像保持部22が保持する複数枚の画像データに対してエッジを検出していたが、特徴点を検出するようにしてもよい。
【0073】
この場合、図7の各部の行う処理は以下のようになる。
ぶれ量算出部42は、画像保持部22が保持する複数枚の画像データ中の、第2ベース画像選定部41から通知された重ね合わせを行わない領域に対して、例えば、それぞれの画像データ内の濃淡変化の境界であるエッジ(輪郭)を検出するとともに、そのエッジ部分から、高輝度点、端点、頂点、分岐点、交差点といった特徴的に見分け易い部分のみを特徴点として抽出する。そして、連写で取り込んだ各画像データ間でその特徴点部分がどちらの方向にどれだけ移動したかという追跡処理を行い、その追跡処理の結果としてベクトル量、すなわち、各画像データ間の上下左右および右回転・左回転のぶれ量を算出する。
【0074】
さらに、ぶれ量算出部42は、画像保持部22が保持する複数枚の画像データに対して検出された特徴点部分の解像度を算出し、それら複数枚の画像データのうちで、最も解像度が高い画像データを識別する情報を第2ベース画像選定部41に通知する。
【0075】
第2ベース画像選定部41は、ぶれ量算出部42から通知された情報によって特定された画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用するベース画像として選択する。
【0076】
第3実施形態では、取り込んだ複数の画像データのうちで、重ね合わせを行わない領域内のぶれ量が最も小さい画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択することで、合成結果の画像データ中の重ね合わせを行わない領域の画質が向上し、より精度の高い合成画像を得ることができる。
【0077】
続いて、第4実施形態について説明する。
図9は、本発明の第4実施形態における第2ベース画像選定部(重ね合わせを行わない領域用ベース画像選定部)の構成を示すブロック図である。
【0078】
図9において、第2ベース画像選定部51は、顔認識部52を内蔵している。
顔認識部52は、まず、画像保持部22が保持する複数枚の画像データ中の、第2ベース画像選定部51から通知された重ね合わせを行わない領域に対して、顔の探索領域の検出を行なう。すなわち、画像データから色情報として肌色領域を抽出し、その肌色領域の形・面積が顔の領域としての条件を満たしている場合に、その抽出した肌色領域を顔の探索領域とする。
【0079】
次に、顔認識部61は、顔の要素(右眉、左眉、右目、左目、鼻孔、口)の候補となる顔特徴点の抽出を行う。検出された顔の探索領域から、例えば、以下に該当する領域を顔特徴点として抽出する。
【0080】
1.水平に細長い領域
2.楕円のような形状をしており、色が赤い領域
3.輝度値が肌色領域の輝度値よりも暗い領域
【0081】
例えば、水平に細長く、輝度値が暗くて変化が小さい顔特徴点は眉や閉じた目とみなせる。また、楕円のような形状をしており、楕円の中有新部分の暗い領域が回りの2つの明るい領域に挟まれている顔特徴点は開いた目とみなせる。また、楕円のような形状をしており、色情報がやや赤に近い顔特徴点は口とみなせる。
【0082】
さらに、顔認識部52は、画像保持部22が保持する複数枚の画像データ中の両目が検出された画像データのうちで、その両目の開き具合が最も大きい画像データを識別する情報を第2ベース画像選定部51に通知する。
【0083】
第2ベース画像選定部51は、顔認識部52から通知された情報によって特定された画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用するベース画像として選択する。
【0084】
なお、画像保持部22が保持する複数枚の画像データ中の重ね合わせを行わない領域のすべてが人物の顔を含んでいない場合などもありうる。このような場合は、顔認識部52は、両目が開かれた画像を検出できなかった旨を第2ベース画像選定部51に通知する。
【0085】
両目が開かれた画像を検出できなかった旨を通知された第2ベース画像選定部51が行う処理は特に限定しないが、例えば、第1実施形態〜第3実施形態の処理を行うようにしてもよい。
【0086】
図10は、本発明の第4実施形態における撮影処理および画像処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図2の各部、図3の各部、および図8の各部によって実行される。
なお、ステップS101〜S106については、図4と同様であるので説明を省略する。
【0087】
(ステップS106において所定枚数分についての処理が終了したと判定された場合、)ステップS501において、図8の顔認識部52によって、画像保持部22が保持する複数枚の画像データ中の、第2ベース画像選定部51から通知された重ね合わせを行わない領域に対して、顔の探索領域の検出が行なれ、人物の顔が含まれているかどうかが判定される。
【0088】
ステップS501で顔認識部52によって人物の顔が含まれていると判定された場合、ステップS502において、顔認識部52によって、画像保持部22が保持する複数枚の画像データ中の両目が検出された画像データのうちで、その両目の開き具合が最も大きい画像データを識別する情報が第2ベース画像選定部51に通知される。また、第2ベース画像選定部51によって、顔認識部52から通知された情報によって特定された画像データが、重ね合わせを行わない領域に使用するベース画像として選択される。そして、ステップS504に進む。
【0089】
一方、ステップS501で顔認識部52によって人物の顔が含まれていないと判定された場合、ステップS503において、画像保持部22に保持される複数の画像データ中の1枚目に撮影した画像に対応する画像データが、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択される。そして、ステップS504に進む。
【0090】
ステップS504では、図3の画像合成部38によって、重ね合わせ結果(例えば、重ね合わせ処理が行われた後の第1ベース画像)と、第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域とが合成されるとともに、合成結果の画像データが後段に出力される。
【0091】
なお、以上の説明では、人物の顔が含まれていないと判定された場合の処理(ステップS503の処理)を、第1実施形態の処理としたが、第2、第3実施形態の処理や、それ以外のベース画像の選定方法をステップS503の処理とすることも可能である。
【0092】
第4実施形態では、取り込んだ複数の画像データのうちで、重ね合わせを行わない領域内の人物の顔の目が最も大きく開いていると認識された画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択することで、合成結果の画像データ中の重ね合わせを行わない領域の画質が向上し、より精度の高い合成画像を得ることができる。
【0093】
図11は、記憶媒体例を示す図である。
本発明の複数枚の画像データの合成処理は、画像データ処理装置81によって実現することが可能である。本発明の処理のためのプログラムやデータは、画像データ処理装置81の記憶装置85から画像データ処理装置81のメモリにロードして実行することも、可搬型記憶媒体83から画像データ処理装置81のメモリにロードして実行することも、外部記憶装置82からネットワーク86を介して画像データ処理装置81のメモリにロードして実行することも可能である。
【0094】
本発明は下記構成でもよい。
(付記1)
複数枚の画像データを処理する画像データ処理装置において、
取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行う際に使用する第1ベース画像として選択する第1ベース画像選択部と、
選択された重ね合わせの第1ベース画像と、前記取り込んだ複数の画像データのうちの他画像データとのずれ量を算出するずれ量算出部と、
選択された第1ベース画像に対して他画像データをずれ補正して重ね合わせうる領域である重ね合わせ領域を、算出されたずれ量を基に検出するとともに、その重ね合わせ領域に対する重ね合わせを実行する画像重ね合わせ部と、
取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択する第2ベース画像選択部と、
重ね合わせ結果と、前記第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域を合成するとともに、合成結果の画像データを出力する画像合成部、を備えることを特徴とする画像データ処理装置。
(付記2)
前記第2ベース画像選択部は、前記複数の画像データのうちで、画像データ内のぶれ量が最も小さい画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択することを特徴とする付記1記載の画像データ処理装置。
(付記3)
前記ぶれ量が最も小さい画像データとは、画像データ内で検出されたエッジ部分の解像度が最も大きい画像データであることを特徴とする付記2記載の画像データ処理装置。
(付記4)
前記ぶれ量が最も小さい画像データとは、画像データ内で抽出された特徴点部分の解像度が最も大きい画像データであることを特徴とする付記2記載の画像データ処理装置。
(付記5)
取り込んだ画像データ中の重ね合わせを行わない領域において、人物の顔の目の開き具合を認識する顔認識部をさらに備え、
前記第2ベース画像選択部は、前記顔認識部によって人物の顔の目が最も大きく開いていると認識された画像データを、重ね合わせを行わない領域で使用するベース画像として選択することを特徴とする付記1記載の画像データ処理装置。
(付記6)
連写して得た複数枚の画像データを処理する撮像装置において、
撮像対象物から受光した光を光電変換して、光電変換データを出力するイメージセンサと、
前記光電変換データを基に、画像データを生成する画像データ生成部と、
撮影指示に対応して、露光制御情報を前記イメージセンサに出力して、複数の画像データを取り込む撮影制御部と、
取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行う際に使用する第1ベース画像として選択する第1ベース画像選択部と、
選択された重ね合わせの第1ベース画像と、前記取り込んだ複数の画像データのうちの他画像データとのずれ量を算出するずれ量算出部と、
選択された第1ベース画像に対して他画像データをずれ補正して重ね合わせうる領域である重ね合わせ領域を、算出されたずれ量を基に検出するとともに、その重ね合わせ領域に対する重ね合わせを実行する画像重ね合わせ部と、
取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択する第2ベース画像選択部と、
重ね合わせ結果と、前記第2ベース画像の重ね合わせを行わない領域を合成するとともに、合成結果の画像データを出力する画像合成部、を備えることを特徴とする撮像装置。(付記7)
前記第2ベース画像選択部は、取り込まれた複数の画像データ中の1枚目に撮影した画像に対応する画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択することを特徴とする付記6記載の撮像装置。
(付記8)
前記第2ベース画像選択部は、取り込まれた複数の画像データ中のシャッター音と同一タイミングで撮影した画像に対応する画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択することを特徴とする付記6記載の撮像装置。
(付記9)
複数枚の画像データを処理する画像データ処理方法において、
取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行う際に使用する第1ベース画像として選択する第1ベース画像選択ステップと、
選択された重ね合わせの第1ベース画像と、前記取り込んだ複数の画像データのうちの他画像データとのずれ量を算出するずれ量算出ステップと、
選択された第1ベース画像に対して他画像データをずれ補正して重ね合わせうる領域である重ね合わせ領域を、算出されたずれ量を基に検出するとともに、その重ね合わせ領域に対する重ね合わせを実行する画像重ね合わせステップと、
取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択する第2ベース画像選択ステップと、
重ね合わせ結果と、前記第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域を合成するとともに、合成結果の画像データを出力する画像合成ステップ、を備えることを特徴とする画像データ処理方法。
(付記10)
前記第2ベース画像選択ステップにおいて、前記複数の画像データのうちで、画像データ内のぶれ量が最も小さい画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択することを特徴とする付記9記載の画像データ処理方法。(付記11) 前記ぶれ量が最も小さい画像データとは、画像データ内で検出されたエッジ部分の解像度が最も大きい画像データであることを特徴とする付記10記載の画像データ処理方法。
(付記11)
前記ぶれ量が最も小さい画像データとは、画像データ内で抽出された特徴点部分の解像度が最も大きい画像データであることを特徴とする付記10記載の画像データ処理方法。
(付記12)
取り込んだ画像データ中の重ね合わせを行わない領域において、人物の顔の目の開き具合を認識する顔認識ステップをさらに備え、
前記第2ベース画像選択ステップにおいて、前記顔認識ステップにおいて人物の顔の目が最も大きく開いていると認識された画像データを、重ね合わせを行わない領域で使用するベース画像として選択することを特徴とする付記9記載の画像データ処理方法。
(付記13)
複数枚の画像データをコンピュータに処理させる画像データ処理プログラムにおいて、
取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行う際に使用する第1ベース画像として選択する第1ベース画像選択ステップと、
選択された重ね合わせの第1ベース画像と、前記取り込んだ複数の画像データのうちの他画像データとのずれ量を算出するずれ量算出ステップと、
選択された第1ベース画像に対して他画像データをずれ補正して重ね合わせうる領域である重ね合わせ領域を、算出されたずれ量を基に検出するとともに、その重ね合わせ領域に対する重ね合わせを実行する画像重ね合わせステップと、
取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択する第2ベース画像選択ステップと、
重ね合わせ結果と、前記第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域を合成するとともに、合成結果の画像データを出力する画像合成ステップ、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする画像データ処理プログラム。
(付記14)
前記第2ベース画像選択ステップにおいて、前記複数の画像データのうちで、画像データ内のぶれ量が最も小さい画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択することを特徴とする付記14記載の画像データ処理プログラム。
(付記15)
前記ぶれ量が最も小さい画像データとは、画像データ内で検出されたエッジ部分の解像度が最も大きい画像データであることを特徴とする付記15記載の画像データ処理プログラム。
(付記16)
前記ぶれ量が最も小さい画像データとは、画像データ内で抽出された特徴点部分の解像度が最も大きい画像データであることを特徴とする付記15記載の画像データ処理プログラム。
(付記17)
取り込んだ画像データ中の重ね合わせを行わない領域において、人物の顔の目の開き具合を認識する顔認識ステップをさらに備え、
前記第2ベース画像選択ステップにおいて、前記顔認識ステップにおいて人物の顔の目が最も大きく開いていると認識された画像データを、重ね合わせを行わない領域で使用するベース画像として選択することを特徴とする付記14記載の画像データ処理プログラム。
【符号の説明】
【0095】
10 撮像装置
11 レンズ
12 イメージセンサ
13 撮影制御部
16 AGC回路
17 ADC
18 画像処理部(ISP)
22 画像保持部
23、30、41、51 補正処理部
31 第1ベース画像選定部
32 ずれ量算出部
33 重ね合わせ領域検出部
34 画像重ね合わせ部
36 第2ベース画像選定部
38 画像合成部
42 ぶれ量算出部
52 顔認識部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の画像データを処理する画像データ処理装置において、
取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行う際に使用する第1ベース画像として選択する第1ベース画像選択部と、
前記選択された重ね合わせの第1ベース画像と、前記取り込まれた複数の画像データのうちの他画像データとのずれ量を算出するずれ量算出部と、
前記選択された第1ベース画像に対して他画像データをずれ補正して重ね合わせうる領域である重ね合わせ領域を、前記算出されたずれ量を基に検出するとともに、その重ね合わせ領域に対する重ね合わせを実行する画像重ね合わせ部と、
前記取り込まれた複数の画像データのうちで、画像データ内で抽出された特徴点部分の解像度が最も大きい画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択する第2ベース画像選択部と、
前記画像重ね合わせ部による重ね合わせ結果と、前記第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域を合成するとともに、合成結果の画像データを出力する画像合成部、を備えることを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項2】
連写して得た複数枚の画像データを処理する撮像装置において、
撮像対象物から受光した光を光電変換して、光電変換データを出力するイメージセンサと、
前記光電変換データを基に、画像データを生成する画像データ生成部と、
撮影指示に対応して、露光制御情報を前記イメージセンサに出力して、複数の画像データを取り込む撮影制御部と、
前記取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行う際に使用する第1ベース画像として選択する第1ベース画像選択部と、
前記選択された重ね合わせの第1ベース画像と、前記取り込まれた複数の画像データのうちの他画像データとのずれ量を算出するずれ量算出部と、
前記選択された第1ベース画像に対して他画像データをずれ補正して重ね合わせうる領域である重ね合わせ領域を、前記算出されたずれ量を基に検出するとともに、その重ね合わせ領域に対する重ね合わせを実行する画像重ね合わせ部と、
前記取り込まれた複数の画像データのうちで、画像データ内で抽出された特徴点部分の解像度が最も大きい画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択する第2ベース画像選択部と、
前記画像重ね合わせ部による重ね合わせ結果と、前記第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域を合成するとともに、合成結果の画像データを出力する画像合成部、を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
複数枚の画像データを処理する画像データ処理方法において、
取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行う際に使用する第1ベース画像として選択する第1ベース画像選択ステップと、
前記選択された重ね合わせの第1ベース画像と、前記取り込まれた複数の画像データのうちの他画像データとのずれ量を算出するずれ量算出ステップと、
前記選択された第1ベース画像に対して他画像データをずれ補正して重ね合わせうる領域である重ね合わせ領域を、前記算出されたずれ量を基に検出するとともに、その重ね合わせ領域に対する重ね合わせを実行する画像重ね合わせステップと、
前記取り込まれた複数の画像データのうちで、画像データ内で抽出された特徴点部分の解像度が最も大きい画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択する第2ベース画像選択ステップと、
前記画像重ね合わせステップによる重ね合わせ結果と、前記第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域を合成するとともに、合成結果の画像データを出力する画像合成ステップ、を備えることを特徴とする画像データ処理方法。
【請求項4】
複数枚の画像データをコンピュータに処理させる画像データ処理プログラムにおいて、
取り込まれた複数の画像データ中の1枚の画像データを、重ね合わせを行う際に使用する第1ベース画像として選択する第1ベース画像選択ステップと、
前記選択された重ね合わせの第1ベース画像と、前記取り込まれた複数の画像データのうちの他画像データとのずれ量を算出するずれ量算出ステップと、
前記選択された第1ベース画像に対して他画像データをずれ補正して重ね合わせうる領域である重ね合わせ領域を、前記算出されたずれ量を基に検出するとともに、その重ね合わせ領域に対する重ね合わせを実行する画像重ね合わせステップと、
前記取り込まれた複数の画像データのうちで、画像データ内で抽出された特徴点部分の解像度が最も大きい画像データを、重ね合わせを行わない領域に使用する第2ベース画像として選択する第2ベース画像選択ステップと、
前記画像重ね合わせステップによる重ね合わせ結果と、前記第2ベース画像中の重ね合わせを行わない領域を合成するとともに、合成結果の画像データを出力する画像合成ステップ、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする画像データ処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−39645(P2012−39645A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221342(P2011−221342)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【分割の表示】特願2006−261788(P2006−261788)の分割
【原出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】