説明

画像入力装置およびその画像管理方法

【課題】スキャナ機能を用いて形成されたスキャン画像データに対して印刷等の二次利用に関する属性を設定することが可能な画像入力装置およびその画像管理方法を提供する。
【解決手段】スキャンして取得した画像データ、およびその画像データの二次利用に関する属性情報は、複合機からファイル管理サーバにアップロードされ、ファイル管理サーバは画像データおよび属性情報を格納する。そして、ネットワーク上の複合機若しくはPCはファイル管理サーバから画像データをダウンロードし、ダウンロードした画像データを印刷すると、その画像データの属性情報に従った印刷条件(出力用紙サイズ、出力カラーモード、隠し印刷等)で画像データが印刷される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像入力装置およびその画像管理方法に関し、特に、原稿スキャンにより入力したデジタル画像データをネットワーク上のファイル管理サーバに一時格納する画像入力装置およびその画像管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、コンビニエンスストア、コピーセンタ等の店舗にカラー複合機を設置し、利用者からその使用の対価を得るサービスがある。これは、利用者がコピー印刷対象となる原稿を持参してカラー複合機を設置した店舗に赴き、利用者がコピー印刷操作を行い、コピー印刷した枚数による料金を支払うサービスが実現化されている。
【0003】
更に、カラー複合機のコピー機能を利用するサービスだけでなく、利用者が原稿を持参してカラー複合機を設置した店舗に赴き、利用者が原稿スキャンによるデジタル画像データの入力を行い、入力を行ったデジタル画像データの数による料金を支払うサービスが実現化されている。
【0004】
例えば、原稿画像のスキャンによるデジタル画像データ入力や、デジタル画像データを画像として印刷出力するサービスを提供する画像入出力装置及びその制御方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、例えば、インターネットによる画像のデジタルデータ化サービスの提供を可能にしうる画像読み取りシステム、画像読み取り装置および処理方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
更に、このカラー複合機がネットワークに接続することで、利用者がPC(Personal Computer)等からネットワークを介して文書、画像等のファイルをファイル管理サーバに一時格納し、利用者はカラー複合機を設置した店舗に赴き、利用者がカラー複合機でネットワークを介してファイル管理サーバから一時格納したファイルをダウンロードし、ダウンロードしたファイルをカラー複合機にて印刷を行い、印刷した枚数による料金を支払うサービスも実用化されている。
【0007】
例えば、電話回線使用料、プリントサービスの利用料等の複数の支払い料金の計算処理を一括して処理するプリントサービスシステムを実現するプリントサービスシステム、課金方法、記録媒体及び課金プログラムがある(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
更に、利用者が原稿を持参してカラー複合機を設置した店舗に赴き、利用者が原稿スキャンによるデジタル画像データの入力を行い、入力を行ったデジタル画像データの数による料金を支払い、デジタル画像データのファイルをカラー複合機からネットワークを介してファイル管理サーバに一時格納し、同じ店舗のカラー複合機、他の店舗のカラー複合機またはPC等でネットワークを介してファイル管理サーバから一時格納したファイルをダウンロードして印刷等の二次利用を行うといったサービスも実用化されている。
【0009】
例えば、最寄のコンビニエンスストア等に設置された複写機のスキャナを使ってウェブサーバに蓄積してから、自分のパソコンに取り込むことが可能なネットワークシステムがある(例えば、特許文献4参照。)。
【特許文献1】特開2003−244349号公報
【特許文献2】特開2003−219101号公報
【特許文献3】特開2003−122538号公報
【特許文献4】特開2000−78328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記特許文献1、2、3および4に記載の技術では、店舗に設置されたカラー複合機で入力を行ったデジタル画像データのファイルをファイル管理サーバに一時管理し、PC等でファイルをダウンロードするサービスにおいて、PC等でダウンロードしたファイルの印刷等の二次利用に対して印刷権限、印刷形式等を指定する属性を設定することはできない。
【0011】
そこで、本発明は、スキャナ機能を用いて形成されたスキャン画像データに対して印刷等の二次利用に関する属性を設定することが可能な画像入力装置およびその画像管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、原稿を読み取って画像データを入力する画像データ入力手段と、前記画像データ入力手段で入力した画像データを出力する際の出力条件を該画像データの属性情報として設定する属性情報設定手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記画像データと前記属性情報とをネットワーク上の記憶装置に格納し、前記ネットワーク上の画像出力装置または情報端末が前記記憶装置から前記画像データを取得した場合、前記属性情報に従った出力条件で該画像データは出力されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データに対する出力権限を設定することを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データの出力時のカラーモードを設定することを特徴とする。
【0016】
また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データに対する暗証番号を設定することを特徴とする。
【0017】
また、請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データの出力時の用紙サイズを設定することを特徴とする。
【0018】
また、請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データの出力可能回数を設定することを特徴とする。
【0019】
また、請求項8の発明は、請求項1の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データの出力有効期限を設定することを特徴とする。
【0020】
また、請求項9の発明は、請求項1の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データに対する隠し印刷の実行の有無を設定することを特徴とする。
【0021】
また、請求項10の発明は、請求項1の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データに対して設定された属性情報の内容を電子メールで通知するか否かを設定することを特徴とする。
【0022】
また、請求項11の発明は、請求項1の発明において、前記属性情報が設定された際に、該設定された属性情報に対応する料金を算出する料金算出手段を更に具備することを特徴とする。
【0023】
また、請求項12の発明は、原稿を読み取って画像データを画像データ入力手段により入力し、該入力した画像データを出力する際の出力条件を該画像データの属性情報として属性情報設定手段により設定することを特徴とする。
【0024】
また、請求項13の発明は、請求項12の発明において、前記画像データと前記属性情報とをネットワーク上の記憶装置に格納し、前記ネットワーク上の画像出力装置または情報端末が前記記憶装置から前記画像データを取得した場合、前記属性情報に従った出力条件で該画像データは出力されることを特徴とする。
【0025】
また、請求項14の発明は、請求項12の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データに対する出力権限を設定することを特徴とする。
【0026】
また、請求項15の発明は、請求項12の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データの出力時のカラーモードを設定することを特徴とする。
【0027】
また、請求項16の発明は、請求項12の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データに対する暗証番号を設定することを特徴とする。
【0028】
また、請求項17の発明は、請求項12の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データの出力時の用紙サイズを設定することを特徴とする。
【0029】
また、請求項18の発明は、請求項12の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データの出力可能回数を設定することを特徴とする。
【0030】
また、請求項19の発明は、請求項12の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データの出力有効期限を設定することを特徴とする。
【0031】
また、請求項20の発明は、請求項12の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データに対する隠し印刷の実行の有無を設定することを特徴とする。
【0032】
また、請求項21の発明は、請求項12の発明において、前記属性情報設定手段は、前記画像データに対して設定された属性情報の内容を電子メールで通知するか否かを設定することを特徴とする。
【0033】
また、請求項22の発明は、請求項12の発明において、前記属性情報が設定された際に、該設定された属性情報に対応する料金を料金算出手段により算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、スキャンした画像データの二次利用が利用し易くなるとともに、紙媒体を画像データ入力者および画像データ出力者の都合に合わせて伝達することが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明に係る画像入力装置およびその属性設定方法の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明を適用したファイル管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
図1に示すように、ファイル管理システム1は、ネットワーク2に接続された複数の複合機3、複数のコンピュータ(以後、PCと称する)4、ファイル管理サーバ5から構成されている。
【0038】
複合機3は、コピー、プリント、スキャンおよびファクス等の複数の機能を処理することが可能なデジタル装置である。
【0039】
PC4は、クライアントマシンとしてファイル管理サーバ5にアクセスすることが可能である。
【0040】
ファイル管理サーバ5は、画像データ、文書等のファイルの管理を行うものである。
【0041】
図2は、複合機3の外観の一例を示す図である。
【0042】
図2に示すように、コピー機能、プリント機能、スキャン機能およびファクス機能を有する複合機3は、原稿を読み取るスキャナ6、スキャナ6を制御するスキャナ制御部7、画像処理を行う画像処理部8、画像を用紙にプリントするプリンタ9、プリンタ9を制御するプリンタ制御部10、プリンタ9から出力された用紙に後処理を施す後処理部11、公衆回線18を介するファクス通信を行うファクス制御部12、ユーザが複合機3のサービスを利用するためのUI(User Interface)画面を表示するとともに、ユーザからの複合機3の各機能に対するパラメータの設定を受け付ける液晶タッチパネル方式の操作パネル13、記憶デバイス/メディア上のファイルを管理するファイルシステム14、複合機3のサービスを利用するために必要な料金を投入するコインキット15、これらの各構成部の制御処理を行う第1のシステム制御部16および第2のシステム制御部17を具備して構成される。
【0043】
図3は、複合機3の概略構成の一例を示す図である。
【0044】
第1のシステム制御部16は操作パネル13と接続し、操作パネル13上のUI画面の表示制御、操作パネル13が受け付けたパラメータに基づいてジョブを生成する処理を行う。また、第1のシステム制御部16はファイルシステム14の管理を行う。また、第1のシステム制御部16はコインキット15と接続し、コインキット15に投入された金額の情報を受け取り、受け取った金額の情報の処理を行う。また、第1のシステム制御部16はネットワーク2と接続し、ネットワーク2上のファイル管理サーバ5からのファイルダウンロード、ファイル管理サーバ5へのファイルアップロードを行う。また、第1のシステム制御部16は第2のシステム制御部17と接続し、ジョブおよび各機能に対する情報等を第2のシステム制御部17に転送する処理、第2のシステム制御部17から転送されたジョブの状態情報を受け付ける処理を行う。
【0045】
更に、スキャン機能で原稿をスキャンして取得した画像データの二次利用に関する属性情報をユーザが設定した場合、第1のシステム制御部16は画像データとともに属性情報をファイル管理サーバ5にアップロードする。
【0046】
第2のシステム制御部17はスキャナ制御部7、画像処理部8、プリンタ制御部10およびファクス制御部12の制御を行なう。
【0047】
次に、複合機3が行うスキャン処理の処理手順について図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0048】
スキャン機能が選択され(ステップS401)、属性情報が入力された場合(ステップS402でYES)、ステップS403に進み、また、属性情報が入力されない場合(ステップS402でNO)、ステップS410に進む。
【0049】
属性情報が入力された場合(ステップS402でYES)、属性情報を保持し(ステップS403)、各属性情報の課金情報をファイル管理サーバから取得し(ステップS404)、スキャン処理枚数が入力され(ステップS405)、属性情報およびスキャン処理枚数に対応する料金を表示し(ステップS406)、料金を受け付けると(ステップS407)、スキャン処理を開始し(ステップS408)、ファイル管理サーバにスキャンして取得した画像データおよび属性情報をアップロードし(ステップS409)、ステップS415に進む。
【0050】
属性情報が入力されない場合(ステップS402でNO)、スキャン処理枚数が入力され(ステップS411)、スキャン処理枚数に対応する料金を表示し(ステップS412)、料金を受け付けると(ステップS413)、スキャン処理を開始し(ステップS414)、ファイル管理サーバにスキャンして取得した画像データをアップロードし(ステップS414)、ステップS415に進む。
【0051】
アップロード完了後に課金処理を行い(ステップS415)、スキャン処理の処理手順を終了する。
【0052】
なお、上述のような各属性情報の課金情報をファイル管理サーバから取得する構成以外に、例えば、複合機自身に各属性情報の課金情報を表す課金テーブルを保持する構成でも適用可能である。
【0053】
図5は、ファイル管理システム1における画像データの二次利用について説明する図である。
【0054】
スキャンして取得した画像データ19、およびその画像データ19の二次利用に関する属性情報20は、複合機3からファイル管理サーバ5にアップロードされ、ファイル管理サーバ5は画像データ19および属性情報20を格納する。
【0055】
そして、ネットワーク2上の複合機3でファイル管理サーバ5から画像データ19をダウンロードして印刷する場合、複合機3は属性情報20に従った印刷条件(出力用紙サイズ、出力カラーモード、隠し印刷等)、および現状で設定した印刷条件(利用するユーザ、ページ数等)に対応する印刷料金をユーザに提示し、ユーザが印刷料金をコインキット15に投入すると、複合機3はファイル管理サーバ5から画像データ19をダウンロードし、ダウンロードした画像データ19を印刷すると、属性情報20に従った印刷条件、および現状で設定した印刷条件で画像データ19が印刷される。
【0056】
また、ファイル管理サーバ5の登録ユーザがネットワーク2上のPC4でファイル管理サーバ5から画像データ19をダウンロードする場合、ファイル管理サーバ5はPC4に属性情報20に従った印刷条件が設定された画像データ19をダウンロードするための料金を提示し、PC4から料金支払いの了解を受け取ると、PC4に画像データ19をダウンロードし、この料金は登録された口座から引き落とされることになる。
【0057】
次に、画像データの二次利用に関する属性情報の具体例を説明する。
【0058】
第1の具体例として、画像データに対して印刷権限を設定する場合について図6および図7を参照して説明する。
【0059】
ここで、印刷権限とは、例えば、予めファイル管理サーバ5に登録した複数のユーザID或いはユーザを束ねるグループIDのことを示し、印刷権限の設定を行う場合、印刷時にファイル管理サーバ5との認証のためにユーザIDおよびパスワードを入力すると、このユーザIDに印刷権限が与えられた画像データまたは画像データのファイル名等が一覧表示され、ユーザはこの一覧から所望するスキャン画像を選択して印刷する。
【0060】
ユーザは原稿を持参して複合機3に赴き、複合機3のスキャナ6に原稿をセットしてから操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行う。ユーザは操作パネル13に表示された図6(a)に示すUI画面上でユーザID(若しくはグループID)を入力し、入力したユーザIDに対応するパスワードを入力し(図示せず)、画像データに対して印刷権限を設定し、UI画面上の「確認」ボタンを押下等し、スキャン処理を行うと、取得した画像データと入力したユーザIDおよびパスワードとはファイル管理サーバ5にアップロードされ、操作パネル13には図6(b)に示すUI画面が表示される。
【0061】
ユーザは図6(b)に示すUI画面に表示された画像データの印刷権限であるユーザID、画像データに対して登録されたシステム上の画像データ番号をメモに書き写し、複合機3から離れる。
【0062】
その後、ユーザは画像データをプリントするために複合機3に赴き(なお、この複合機は以前に原稿をスキャンした複合機でも良いし、別の複合機でも良い)、操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行う。ユーザは操作パネル13に表示された図7(a)に示すUI画面上でユーザIDを入力し、「確認」ボタンを押下等し、入力したユーザIDに対応するパスワードを入力すると(図示せず)、操作パネル13に図7(b)に示す入力したユーザIDに印刷権限が与えられた画像データの画像データ番号等が表示され、ユーザはプリントする画像データに対応する「プリント」のボタンを押下等し、「確認」のボタンを押下等すると、複合機3はファイル管理サーバ5から選択された画像データをダウンロードしてプリントを開始する。
【0063】
なお、予めファイル管理サーバ5にユーザ、グループ等を登録することを義務付ける構成も適用可能である。
【0064】
第2の具体例として、画像データに対して出力時のカラーモードを設定する場合について図8を参照して説明する。
【0065】
ユーザは原稿を持参して複合機3に赴き、複合機3のスキャナ6に原稿をセットしてから操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行う。ユーザは操作パネル13に表示された図8(a)に示すUI画面上で出力カラーモードを設定(図では、「カラー固定」が設定)し、UI画面上の「確認」ボタンを押下等し、スキャン処理を行うと、取得した画像データおよび入力した出力カラーモードの設定はファイル管理サーバ5にアップロードされる。
【0066】
その後、ユーザは画像データをプリントするために複合機3に赴き(なお、この複合機は以前に原稿をスキャンした複合機でも良いし、別の複合機でも良い)、操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行うと、複合機3はファイル管理サーバ5から画像データをダウンロードする際に、操作パネル13に図8(b)に示すUI画面が表示される。UI画面には画像データに関する情報(画像データ番号、ファイルサイズ、ページ数等)が表示されるとともに、このUI画面上で出力用紙サイズ、出力カラーモードの設定を行うことができる。ただし、この画像データは出力カラーモードが設定(図では、「カラー」が設定)されているため、このUI画面上での出力カラーモードの設定を行うことができない。なお、図8(a)に示すUI画面上で出力カラーモードを「出力時選択」に設定した場合は、図8(b)に示すUI画面上で出力カラーモードの設定を行うことができる。
【0067】
そして、ユーザは図8(b)に示すUI画面上の「確認」ボタンを押下等すると、複合機3はファイル管理サーバ5から画像データをダウンロードしてプリントを開始する。
【0068】
第3の具体例として、画像データに対して暗証番号を設定する場合について図9を参照して説明する。
【0069】
ユーザは原稿を持参して複合機3に赴き、複合機3のスキャナ6に原稿をセットしてから操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行う。ユーザは操作パネル13に表示された図9(a)に示すUI画面上で暗証番号を設定し、UI画面上の「確認」ボタンを押下等し、スキャン処理を行うと、取得した画像データおよび入力した暗証番号はファイル管理サーバ5にアップロードされる。
【0070】
その後、ユーザは画像データをプリントするために複合機3に赴き(なお、この複合機は以前に原稿をスキャンした複合機でも良いし、別の複合機でも良い)、操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行う。ただし、この画像データは暗証番号が設定されているため、操作パネル13には図9(b)に示すUI画面が表示される。そして、ユーザは図9(b)に示すUI画面上で暗証番号を入力し、「確認」ボタンを押下等すると、複合機3はファイル管理サーバ5から画像データをダウンロードしてプリントを開始する。
【0071】
第4の具体例として、画像データに対して出力時の用紙サイズを設定する場合について図10を参照して説明する。
【0072】
ユーザは原稿を持参して複合機3に赴き、複合機3のスキャナ6に原稿をセットしてから操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行う。ユーザは操作パネル13に表示された図10(a)に示すUI画面上で出力用紙サイズを設定(図では、「A4」が設定)し、UI画面上の「確認」ボタンを押下等し、スキャン処理を行うと、取得した画像データおよび入力した出力用紙サイズの設定はファイル管理サーバ5にアップロードされる。
【0073】
その後、ユーザは画像データをプリントするために複合機3に赴き(なお、この複合機は以前に原稿をスキャンした複合機でも良いし、別の複合機でも良い)、操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行うと、複合機3はファイル管理サーバ5から画像データをダウンロードする際に、操作パネル13に図10(b)に示すUI画面が表示される。UI画面には画像データに関する情報(画像データ番号、ファイルサイズ、ページ数等)が表示されるとともに、このUI画面上で出力用紙サイズ、出力カラーモードの設定を行うことができる。ただし、この画像データは出力用紙サイズが設定(図では、「A4」が設定)されているため、このUI画面上での出力用紙サイズの設定を行うことができない。なお、図10(a)に示すUI画面上で出力用紙サイズを「出力時選択」に設定した場合は、図10(b)に示すUI画面上で出力用紙サイズの設定を行うことができる。
【0074】
そして、ユーザは図10(b)に示すUI画面上の「確認」ボタンを押下等すると、複合機3はファイル管理サーバ5から画像データをダウンロードしてプリントを開始する。
【0075】
第5の具体例として、画像データに対して出力可能回数を設定する場合について図11を参照して説明する。
【0076】
ユーザは原稿を持参して複合機3に赴き、複合機3のスキャナ6に原稿をセットしてから操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行う。ユーザは操作パネル13に表示された図11(a)に示すUI画面上で出力可能回数を設定(図では、「5回」が設定)し、UI画面上の「確認」ボタンを押下等し、スキャン処理を行うと、取得した画像データおよび入力した出力可能回数の設定はファイル管理サーバ5にアップロードされる。
【0077】
その後、ユーザは画像データをプリントするために複合機3に赴き(なお、この複合機は以前に原稿をスキャンした複合機でも良いし、別の複合機でも良い)、操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行うと、複合機3はファイル管理サーバ5から画像データをダウンロードする際に、操作パネル13に図11(b)に示すUI画面が表示される。UI画面には画像データに関する情報(画像データ番号、ファイルサイズ、ページ数等)が表示されるとともに、残り出力可能回数(図では、「5回」)が表示される。なお、残り出力可能回数が「0回」になると、画像データを出力することができなくなり、その旨がUI画面に表示される。
【0078】
そして、ユーザは図11(b)に示すUI画面上の「確認」ボタンを押下等すると、複合機3はファイル管理サーバ5から画像データをダウンロードしてプリントを開始する。
【0079】
第6の具体例として、画像データに対して出力有効期限を設定する場合について図12を参照して説明する。
【0080】
ユーザは原稿を持参して複合機3に赴き、複合機3のスキャナ6に原稿をセットしてから操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行う。ユーザは操作パネル13に表示された図12(a)に示すUI画面上で出力有効期限を設定(図では、「5日」が設定)し、UI画面上の「確認」ボタンを押下等し、スキャン処理を行うと、取得した画像データおよび入力した出力有効期限の設定はファイル管理サーバ5にアップロードされる。
【0081】
その後、ユーザは画像データをプリントするために複合機3に赴き(なお、この複合機は以前に原稿をスキャンした複合機でも良いし、別の複合機でも良い)、操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行うと、複合機3はファイル管理サーバ5から画像データをダウンロードする際に、操作パネルに図12(b)に示すUI画面が表示される。UI画面には画像データに関する情報(画像データ番号、ファイルサイズ、ページ数等)が表示されるとともに、残り出力有効期限(図では、「5日」)が表示される。なお、残り出力有効期限を経過すると、画像データを出力することができなくなり、その旨がUI画面に表示される。
【0082】
そして、ユーザは図12(b)に示すUI画面上の「確認」ボタンを押下等すると、複合機3はファイル管理サーバ5から画像データをダウンロードしてプリントを開始する。
【0083】
第7の具体例として、画像データに対して隠し印刷(文書を印刷すると同時に、プリント情報に加えてコピーすると浮き出る「隠し文字列」を印刷する)を設定する場合について図13を参照して説明する。
【0084】
ユーザは原稿を持参して複合機3に赴き、複合機3のスキャナ6に原稿をセットしてから操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行う。ユーザは操作パネル13に表示された図13(a)に示すUI画面上で隠し印刷を設定し、UI画面上の「確認」ボタンを押下等し、スキャン処理を行うと、取得した画像データおよび入力した隠し印刷の設定はファイル管理サーバ5にアップロードされる。
【0085】
その後、ユーザは画像データをプリントするために複合機3に赴き(なお、この複合機は以前に原稿をスキャンした複合機でも良いし、別の複合機でも良い)、操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行うと、複合機3はファイル管理サーバ5から画像データをダウンロードする際に、操作パネルに図13(b)に示すUI画面が表示される。UI画面には画像データに関する情報(画像データ番号、ファイルサイズ、ページ数等)が表示されるとともに、隠し印刷が行われる旨が表示される。
【0086】
そして、ユーザは図13(b)に示すUI画面上の「確認」ボタンを押下等すると、複合機3はファイル管理サーバ5から画像データをダウンロードしてプリントを開始する。
【0087】
第8の具体例として、画像データのアップロードを伝えるメール通知を設定する場合について図14および図15を参照して説明する。
【0088】
ユーザは原稿を持参して複合機3に赴き、複合機3のスキャナ6に原稿をセットしてから操作パネル13に表示されるUI画面に従って操作を行う。ユーザは操作パネル13に表示された図14(a)に示すUI画面上でメール通知を設定し、UI画面上の「確認」ボタンを押下等すると、操作パネル13には図14(b)に示すUI画面が表示される。
【0089】
ユーザは図14(b)に示すUI画面上でメール送信先のメールアドレスを入力し、UI画面上の「確認」ボタンを押下等し、スキャン処理を行うと、取得した画像データ、メール通知の設定およびメールアドレスはファイル管理サーバ5にアップロードされる。そして、ファイル管理サーバ5は画像データのアップロードを伝えるメールをメールアドレス先に送信する。
【0090】
なお、上述のようなメール送信先のメールアドレスを入力する構成以外に、例えば、予めファイル管理サーバ5に登録したユーザ、グループ等を入力することで、ファイル管理サーバ5がそのユーザ、グループに対応して登録されているメールアドレスにメールを送信する構成も適用可能である。
【0091】
図15に示す画像データのアップロードを伝えるメールには、アップロードされた画像データに関する情報(画像データ番号、ファイルサイズ、原稿枚数等)、および画像データの二次利用に関する属性情報(ユーザID、暗証番号、出力用紙サイズ、出力カラーモード、出力有効期限、隠し印刷等)が記載されている。
【0092】
次に、画像データの二次利用に関する属性情報に対応する料金表示について図16を参照して説明する。
【0093】
ユーザによる各属性情報の設定が終了すると、操作パネル13には図16に示すUI画面が表示される。このUI画面には設定した属性情報および原稿枚数に対応する料金が表示される。例えば、図では、「暗証番号」の設定で「10円」が課金され、「原稿枚数:3枚」で「60円」が課金され、「出力有効期限:5日」の設定で「50円」が課金され、「隠し印刷:有り」の設定で「30円」が課金され、「メール通知:5人」の設定で「50円」が課金されることで、読み取り料金が「200円」になることがUI画面に表示されている。
【0094】
更に、ユーザはPC4からネットワーク2を介してファイル管理サーバ5にアクセスし、画像データとともに格納されている属性情報を変更することができる。
【0095】
ファイル管理サーバ5はPC4に要求に応じて、図17に示すWeb画面をPC4に送信し、PC4はWeb画面を受信してモニター等に表示する。ユーザは表示されたWeb画面上で画像データに対する属性情報を変更し、PC4は変更した属性情報をファイル管理サーバ5に送信し、ファイル管理サーバ5は変更した属性情報を受信すると、属性情報の変更を行う。例えば、図に示すWeb画面上では、ユーザID、暗証番号、出力用紙サイズ、出力カラーモード、出力有効期限、隠し印刷の属性情報が変更可能である。
【0096】
従って、上述のような複合機3がそれぞれ遠隔地に設置されていれば、紙媒体を画像データ入力者および画像データ出力者の都合に合わせて伝達することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明を適用したファイル管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】複合機3の外観の一例を示す図である。
【図3】複合機3の概略構成の一例を示す図である。
【図4】複合機3が行うスキャン処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】ファイル管理システム1における画像データの二次利用について説明する図である。
【図6】画像データに対して印刷権限を設定する第1の具体例を説明する図である。
【図7】画像データに対して印刷権限を設定する第1の具体例を説明する図である。
【図8】画像データに対して出力時のカラーモードを設定する第2の具体例を説明する図である。
【図9】画像データに対して暗証番号を設定する第3の具体例を説明する図である。
【図10】画像データに対して出力時の用紙サイズを設定する第4の具体例を説明する図である。
【図11】画像データに対して出力可能回数を設定する第5の具体例を説明する図である。
【図12】画像データに対して出力有効期限を設定する第6の具体例を説明する図である。
【図13】画像データに対して隠し印刷を設定する第7の具体例を説明する図である。
【図14】画像データのアップロードを伝えるメール通知を設定する第8の具体例を説明する図である。
【図15】画像データのアップロードを伝えるメールの一例を示す図である。
【図16】画像データの二次利用に関する属性情報に対応する料金表示の一例を示す図である。
【図17】属性情報を変更するためのWeb画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0098】
1 ファイル管理システム
2 ネットワーク
3 複合機
4 PC
5 ファイル管理サーバ
6 スキャナ
7 スキャナ制御部
8 画像処理部
9 プリンタ
10 プリンタ制御部
11 後処理部
12 ファクス制御部
13 操作パネル
14 ファイルシステム
15 コインキット
16 第1のシステム制御部
17 第2のシステム制御部
18 公衆回線
19 画像データ
20 属性情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取って画像データを入力する画像データ入力手段と、
前記画像データ入力手段で入力した画像データを出力する際の出力条件を該画像データの属性情報として設定する属性情報設定手段と
を具備することを特徴とする画像入力装置。
【請求項2】
前記画像データと前記属性情報とをネットワーク上の記憶装置に格納し、
前記ネットワーク上の画像出力装置または情報端末が前記記憶装置から前記画像データを取得した場合、前記属性情報に従った出力条件で該画像データは出力される
ことを特徴とする請求項1記載の画像入力装置。
【請求項3】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データに対する出力権限を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の画像入力装置。
【請求項4】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データの出力時のカラーモードを設定する
ことを特徴とする請求項1記載の画像入力装置。
【請求項5】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データに対する暗証番号を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の画像入力装置。
【請求項6】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データの出力時の用紙サイズを設定する
ことを特徴とする請求項1記載の画像入力装置。
【請求項7】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データの出力可能回数を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の画像入力装置。
【請求項8】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データの出力有効期限を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の画像入力装置。
【請求項9】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データに対する隠し印刷の実行の有無を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の画像入力装置。
【請求項10】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データに対して設定された属性情報の内容を電子メールで通知するか否かを設定する
ことを特徴とする請求項1記載の画像入力装置。
【請求項11】
前記属性情報が設定された際に、該設定された属性情報に対応する料金を算出する料金算出手段
を更に具備することを特徴とする請求項1記載の画像入力装置。
【請求項12】
原稿を読み取って画像データを画像データ入力手段により入力し、
該入力した画像データを出力する際の出力条件を該画像データの属性情報として属性情報設定手段により設定する
ことを特徴とする画像入力装置の画像管理方法。
【請求項13】
前記画像データと前記属性情報とをネットワーク上の記憶装置に格納し、
前記ネットワーク上の画像出力装置または情報端末が前記記憶装置から前記画像データを取得した場合、前記属性情報に従った出力条件で該画像データは出力される
ことを特徴とする請求項12記載の画像入力装置の画像管理方法。
【請求項14】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データに対する出力権限を設定する
ことを特徴とする請求項12記載の画像入力装置の画像管理方法。
【請求項15】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データの出力時のカラーモードを設定する
ことを特徴とする請求項12記載の画像入力装置の画像管理方法。
【請求項16】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データに対する暗証番号を設定する
ことを特徴とする請求項12記載の画像入力装置の画像管理方法。
【請求項17】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データの出力時の用紙サイズを設定する
ことを特徴とする請求項12記載の画像入力装置の画像管理方法。
【請求項18】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データの出力可能回数を設定する
ことを特徴とする請求項12記載の画像入力装置の画像管理方法。
【請求項19】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データの出力有効期限を設定する
ことを特徴とする請求項12記載の画像入力装置の画像管理方法。
【請求項20】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データに対する隠し印刷の実行の有無を設定する
ことを特徴とする請求項12記載の画像入力装置の画像管理方法。
【請求項21】
前記属性情報設定手段は、
前記画像データに対して設定された属性情報の内容を電子メールで通知するか否かを設定する
ことを特徴とする請求項12記載の画像入力装置の画像管理方法。
【請求項22】
前記属性情報が設定された際に、該設定された属性情報に対応する料金を料金算出手段により算出する
ことを特徴とする請求項12記載の画像入力装置の画像管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2006−94027(P2006−94027A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275803(P2004−275803)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】