画像処理コントローラ、及び画像処理装置
【課題】画像データの特徴に応じて適切な画像処理を自動で施すことができ、かつ、処理負荷が少ない画像処理を施す。
【解決手段】画像データを記憶する第1の手段と、記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す第2の手段と、元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数をカウントする第3の手段と、カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上の場合は、元画像が文字を多く含む画像であると判断し、エッジ画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が写真画像を多く含む画像であると判断し、この判断結果に基づいて第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う第4の手段とを有する。
【解決手段】画像データを記憶する第1の手段と、記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す第2の手段と、元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数をカウントする第3の手段と、カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上の場合は、元画像が文字を多く含む画像であると判断し、エッジ画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が写真画像を多く含む画像であると判断し、この判断結果に基づいて第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う第4の手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに対して画像処理を施す画像処理コントローラにおいて、特に、画像データに対してエッジ強調処理と平滑化処理とを施す画像処理コントローラ、及び上記画像処理コントローラを使用した画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像をより鮮明に形成するため、画像データに対してエッジ強調処理や、平滑化処理を施している。エッジとは、画像における特定領域の境界線を構成する階調差の大きい部分であり、エッジ強調処理とはこのエッジを強調することで、領域間の境界をより際立たせる処理である。また、平滑化処理は、画像中のノイズを除去し、又は領域の輪郭(エッジ)を弱める処理である。上記のようにエッジ強調処理と平滑化処理とは、画像に対して相反する処理を施すものであるため、従来では、ユーザが各処理のパラメータを装置の操作画面上で入力し、又は画像データの種別を操作画面上で選択することで、入力された値に適した平滑化処理とエッジ強調処理の度合いを設定していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これに対して、ユーザが画像データの種別を選択しなくても最適な印刷結果が得られるよう、装置側で原稿画像に含まれる各領域を特徴毎に判断し、上記各領域に対して適切な画像処理を施すことで、画像をより鮮明に形成する技術(以下、領域分離技術と記載する)が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2002−305658号公報
【特許文献2】特開2005−159576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像データの特徴に応じてユーザが各処理のパラメータを入力する場合、当然ユーザは、画像データの特徴に応じた適切なパラメータの値を習熟している必要がある。しかも、処理の実行毎にパラメータを入力することは煩雑であり、ユーザはデフォルト値により出力処理を実行してしまう場合が多かった。
【0005】
また、領域分離技術を用いて装置に画像データの各領域を識別させる場合、装置はその内部で複数回に及ぶフィルタ処理等を実行する必要があり、処理負荷が高くなる場合がある。そのため、領域分離技術が支障となって、画像を形成するための速度が遅くなってしまう場合があった。
【0006】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、画像データの特徴に応じて適切な画像処理を自動で施すことができ、かつ、処理負荷が少ない画像処理を施すことが可能な画像処理コントローラ及び画像処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、画像データを記憶する第1の手段と、前記記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す第2の手段と、元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数をカウントする第3の手段と、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上の場合は、元画像が文字を多く含む画像であると判断し、前記エッジ画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が写真画像を多く含む画像であると判断し、この判断結果に基づいて前記第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う第4の手段とを有する。
【0008】
上記のように構成された発明では、第2の手段は、第1の手段に記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す。このとき、第3の手段は、元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数をカウントし、第4の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上の場合は、元画像が文字を多く含む画像であると判断し、エッジ画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が写真画像を多く含む画像であると判断し、この判断結果に基づいて第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う。
そのため、元画像の特徴を領域分離技術等の処理負荷の大きな処理により判断するのではなく、1ページ当たりのエッジ画素数により判断することができ、画像の特徴を判断するための処理負荷を軽減させることができる。
ここで、元画像とは、画像処理コントローラ内に処理を施すために取り込まれる画像データの元となる画像を意味する。すなわち、スキャナーを用いて画像データを取り込む場合は、このスキャナーに取り込まれる原稿画像であり、画像データをメモリカードから読み込む場合は、このメモリカードに記憶されたデータである。
【0009】
また、本発明の他の局面として、画像データを記憶する第1の手段と、前記記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す第2の手段と、元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数及び白画素数をカウントする第3の手段と、前記カウントされたエッジ画素数を用いて元画像中に含まれる文字の多さを判断し、又、前記カウントされた白画素数を用いて元画像中に含まれる写真画像の割合を判断し、この判断結果に基づいて前記第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う第5の手段とを有する。
上記のように構成された発明では、第5の手段は、エッジ画素数に加えて白画素数を用いて元画像の特徴を識別するため、画像の特徴を識別するための処理負荷を軽減させつつ、元画像の特徴をより細かく判断することができる。
ここで、白画素とは、階調値が高階調値を示す画素データのことを意味し、必ずしも階調値が白色(0〜255の階調にあっては、255の値)を有する画素データのみに限定されない。
【0010】
好ましくは、前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値以上である場合は、元画像が多くの文字のみを含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオンし、かつ、前記平滑化処理をオフするよう設定する。
元画像の特徴が文字のみを含むものであれば、画像に対してエッジ強調処理のみを施すことが望ましい。そのため、上記のように構成された発明では、文字のみを含む画像に対して適切な処理を施すことができる。
【0011】
好ましくは、前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が多くの文字と写真画像とを含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオンし、かつ、前記平滑化処理をオンするよう設定する。
元画像の特徴が文字と写真画像とを含む場合は、画像に対してエッジ強調処理と平滑化処理の両方を施すことが望ましい。そのため、上記のように構成された発明では、文字と写真画像とを混在させた画像に対して適切な処理を施すことができる。
【0012】
好ましくは、前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値未満であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値以上である場合は、元画像が文字をあまり含まず、かつ、淡色を多く含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオフし、かつ、前記平滑化処理を弱めるよう設定する。
ここで淡色を多く含む画像とは、高階調値により構成された画素を多く含む画像であり、領域間の輪郭がぼやけた画像である。このような画像に対しては、エッジ強調処理及び平滑化処理を施すことは望ましくない。そのため、上記のように構成された発明では、淡色を多く含む画像に対して適切な処理を施すことができる。
【0013】
好ましくは、前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値未満であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が文字をあまり含まず、かつ、写真画像を多く含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオフし、かつ、前記平滑化処理をオンするよう設定する。
上記のように構成された発明では、写真画像のみを含む画像に対して適切な処理を施すことができる。
【0014】
好ましくは、前記第3の手段は、前記画像のエッジ画素をフィルタ回路を用いて抽出する。
上記のように構成された発明では、第3の手段は、フィルタ回路を用いて画像におけるエッジ画素数を抽出するため、ソフト的に抽出する場合に比べCPU等の演算部の処理負荷を軽減することができ、演算に係る処理速度を速くすることができる。
【0015】
また、本発明は、画像処理コントローラを用いて画像を形成する画像処理装置に対しても応用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図を参照しつつ、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。また、同一の符号を付した箇所は同一及び同等の箇所を示し、その説明は繰返さない。
1.第1の実施形態:
2.第2の実施形態:
3.その他の実施形態:
【0017】
1.第1の実施形態:
(1)画像処理装置:
図1は、画像処理装置を示すブロック図である。更に、図2〜4は、一例としての原稿画像を示す図である。なお、図3は、図2における点線で囲まれた箇所を拡大して示す図である。この図では、画像処理装置としての複合機を示して説明を行なう。
複合機100は、原稿画像(元画像)を取得し、取得した画像を画像データとして記憶するとともに、この画像データを用紙等の印刷媒体に印刷して出力する。複合機100の要部は、PC等の外部機器とネットワーク等を用いて接続するためのI/F90と、ユーザからの操作入力を受け付ける操作パネル92と、印刷処理を実行するための印刷エンジン94と、原稿画像を画像データとして入力するためのスキャナエンジン96と、メモリカード98に記録された元画像を画像データとして入力するためのカードI/F97と、メイン制御部(画像処理コントローラ)10とを備えている。また、操作パネル92と、印刷エンジン94と、スキャナエンジン96とは、I/F91、エンジンコントローラ93、95を介してメイン制御部10と接続されている。
【0018】
スキャナエンジン96により読み込まれた原稿画像はディジタル画像としての画像データに変換された後、エンジンコントローラ95を通じてメイン制御部10に送信される。メイン制御部10は、入力された画像データに対して所定の画像処理を施し、印刷エンジン94やIF90に出力する。印刷エンジン94は、入力された画像データを用いて用紙に印刷処理を施す。また、IF90は入力された画像データを特定のプロトコルに従って外部機器に送信する。同様に、メモリカード98に記憶された画像データもカードI/F97を通じてメイン制御部10に送信された後、印刷エンジン94又はI/F90を介して出力される。
【0019】
更に、メイン制御部10は入力された画像データに対して、エッジ画素数をカウントし、カウント結果に基づいて元画像の特徴を判断する。図3に示すように各文字の輪郭を示す画素は背景画素との階調差が顕著となるため、エッジ画素数が多くなる。一方、図4に示すように、原稿画像の1ページに写真画像等を多く含む場合は、各画素の階調差はなだらかになるため画像中に文字を多く含む場合と比べてエッジ画素数は少なくなる。そのため、メイン制御部10は原稿画像の1ページを示す画像データのエッジ画素数をカウントし、このカウント値から画像の特徴を判断する。そして、このカウント値により画像データに施す画像処理のパラメータを設定する。以下に、本発明に係るメイン制御部10の構成をより詳細に説明する。
【0020】
(2)メイン制御部:
図5は、メイン制御部の構成を示すブロック図である。また、図6は、メイン制御部が実行する処理を説明する流れ図である。
メイン制御部10の要部は、CPU11と、ROM(第4の手段)12と、RAM(第1の手段)13と、入力処理部14と、カウント部(第3の手段)15と、コピー画像処理部(第2の手段)16と、スクリーン処理部17とで構成されている。また、上記各部とRAM13は、DMA(Direct Memory Access)コントローラ18(18a〜18d)を介して接続されており、DMAコントローラ18によりRAM13に記憶された画像データのアクセスが制御されている。
【0021】
図6を参照しつつ、メイン制御部10の処理を説明する。
バス19aを通じて画像データがメイン制御部10に入力されると、入力処理部14は画像データに対して入力処理を施す(ステップS110)。この入力処理では、入力処理部14が入力された画像データの特性を分析し、画素単位の画像特性情報を生成するとともに、出力された部位の特性を補正する。ここで、入力処理部14により生成される画像特性情報は、各画素の階調値や輝度値等である。
【0022】
カウント部15は、入力処理部14が生成した画素単位の画像特性情報を用いて、原稿画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数をカウントする(ステップS120)。なお、カウント部15のより詳細な構成は、(3)カウント部:により説明する。
【0023】
CPU11は、カウント部15がカウントしたエッジ画素数を用いてパラメータ設定処理を行なう(ステップS130)。このパラメータ設定処理により、CPU11はコピー画像処理部16が実行するエッジ強調処理及び平滑化処理のパラメータを設定する。本実施の形態では、CPU11は、ROM12に記憶されたプログラムを用いてエッジ画素数に基づいてエッジ強調処理と平滑化処理としてのモアレ除去処理のパラメータを設定する。
【0024】
コピー画像処理部16は、CPU11が設定したパラメータを用いて、画像データに対してコピー画像処理を行なう(ステップS140)。このコピー画像処理により、コピー画像処理部16は、画像データに対してエッジ強調処理及びモアレ除去処理を施す。
【0025】
スクリーン処理部17は、画像データに対してスクリーン処理を施す(ステップS160)。スクリーン処理では、スクリーン処理部17が画像データに対して描画ドットの有無による二値化により擬似的に中間階調を再現する。その後、画像データは、バス19bを通じてエンジンコントローラ93やIF90,91に出力される。
以上説明したように、本発明に係るメイン制御部10は、カウント部15により画像データの特性を示す情報としてエッジ画素数をカウントし、CPU11がカウント結果に基づいてエッジ強調処理及びモアレ除去処理のパラメータを設定する。以下に、本実施形態に係るカウント部15の構成と、パラメータ設定方法についてより詳細に説明する。
【0026】
(3)カウント部:
図7は、カウント部の機能を説明するブロック図である。
カウント部15は、レジスタI/F21と、平滑化フィルタ22と、エッジ検出フィルタ23,24と、エッジ画素カウタ25,26とで構成されている。本実施形態では、カウント部15を構成する各部は、ハードウェアにより構成されている。ここで、カウント部15をハードウェアにより構成すれば、ソフトウェアにより構成するのに比べCPU11の処理負荷を軽減でき、画像データのエッジをカウントするための処理速度を速くすることができる。
なお、カウント部15が実行するエッジ検出方法としては、ソーベル(Sobel)のフィルタを用いたものや、プレビット(Prewitt)のフィルタを用いたエッジ検出方法が存在する。本実施の形態では、ソーベルのフィルタを用いたエッジ検出方法を中心に説明する。なお、上記したエッジ検出方法は従来技術であり、プレビットのフィルタを用いたエッジ検出方法は説明を省略する。
【0027】
DMAコントローラ18bを通じて原稿画像の1ページを示す画像データがカウント部15に入力されると、平滑化フィルタ22は画像データのノイズを除去する。次に、エッジ検出フィルタ23,24は、画像データの特徴量を抽出する。具体的には、エッジ検出フィルタ23は、画像データにおける垂直方向のエッジ画素を抽出する。また、エッジ検出フィルタ24は、画像データにおける水平方向のエッジ画素を抽出する。エッジ画素カウンタ25,26は、各エッジ検出フィルタにより抽出された特徴量から垂直方向及び水平方向のエッジ画素数を検出する。検出されたエッジ画素数は、レジスタI/F21に順次記憶される。なお、平滑化フィルタ22は、画像データのノイズを除去するために使用されるため、本発明のカウント部15の構成として必須の構成ではない。以上、カウント部15の説明を終了する。
【0028】
(4)パラメータ設定処理
図8は、図6のステップS130でCPU11が実行するパラメータ設定処理を示す流れ図である。CPU11は、カウント部15のレジスタI/F21に記憶された垂直方向及び水平方向のエッジ画素数を読み出し、その絶対値を足しあわせてカウント値を算出する(ステップS131)。無論、垂直方向及び水平方向のエッジ画素数を個別に用いてもよい。
【0029】
CPU11は、カウント値をエッジ画素数閾値Sと比較する(ステップS132)。ここで、CPU11がカウント値を比較するために用いるエッジ画素数閾値Sについて説明を行なう。エッジ画素数閾値Sは、画像データにおける特徴を簡略的に判断するために用いられるものである。そのため、エッジ画素数閾値Sは、様々なサンプル画像データでの調査結果をもとに設定されている。その一例として、本実施形態では、JEITA(Japan Electronics and Information Technology Industries Association)が発行する標準テストパターンを用いて、各特性に対応したエッジ画素数閾値Sを設定している。
【0030】
カウント値がエッジ画素数閾値S以上の場合は、CPU11はエッジ強調処理を強くし、モアレ除去処理を弱くするようパラメータを設定する(ステップS133)。画像データにおけるカウント値がエッジ画素数閾値S以上の場合、原稿画像は文字を多く含むものと判断される。そのため、CPU11は画像に含まれる各文字の輪郭を強調するよう、エッジ強調処理のパラメータを強めに設定する。一方、原稿画像が文字を多く含む場合は、画像データにモアレ除去処理を施すと文字と背景との境界をぼやけさせてしまい好ましくない。そのため、CPU11はモアレ除去処理のパラメータを弱める。ここで、エッジ画素数に応じて設定される各パラメータの値は、ROM12に記憶されたデータテーブルをCPU11が参照することにより決定される。
【0031】
カウント値15がエッジ画素閾値S未満の場合は、CPU11はエッジ強調処理を弱くし、モアレ除去処理を強くするようパラメータを設定する(ステップS134)。画像データにおけるカウント値がエッジ画素数閾値S未満の場合は、原稿画像中に写真画像を多く含むものと判断される。そのため、CPU11は、画像の輪郭を強調させないよう、エッジ強調処理のパラメータを弱めに設定し、モアレ除去処理のパラメータを強めに設定する。
【0032】
CPU11は、設定したパラメータをコピー画像処理部16に出力する(ステップS135)。コピー画像処理部16はパラメータを受信し、このパラメータにより設定された値で画像データに対してエッジ強調処理やモアレ除去処理を施す。
【0033】
以上説明したように、本発明に係る複合機100は、原稿画像の1ページに対応する画像データのエッジ画素数を用いて原稿画像の特定を判断し、画像データに施すエッジ強調処理とモアレ除去処理のパラメータを設定する。そのため、原稿画像の特性を判断するのに、領域分離処理等の処理負荷が高い処理を実行する必要がないため、判断のための処理を迅速に行なうことができ、印刷処理を迅速に行なうことができる。
【0034】
2.第2の実施形態:
第2の実施形態では、カウント部(第5の手段)15は、エッジ画素数に加えて、白画素数を用いて原稿画像の特徴を判断する。エッジ画素数に加えて白画素数を用いて原稿画像の特徴を判断することで、第1の実施形態に比べて原稿画像の特徴をより詳細に判断することが可能となる。無論、画像データにおける各領域の特徴を個別に判断するものではないため、領域分離技術等に比べて処理負荷は高くはならないことは言うまでもない。
【0035】
ここで、第2の実施形態に係る複合機100が識別する画像の特徴について説明を行なう。図9、図10は、一例としての原稿画像を示す図である。第2の実施形態に係るCPU11は、原稿画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数と白画素数から、原稿画像の特徴を、文字のみの画像(以下Aと記載)、文字と写真画像が混在した画像(以下、Bと記載)、文字が少なく階調変化が緩やかな淡色を多く含む画像(以下、Cと記載)、写真のみの画像(以下、Dと記載)の4種類に識別する。
【0036】
原稿画像が図2に示すAの特徴を示す場合、画像中に文字のみが多く含まれるため、エッジ画素数が多くなる。また、原稿画像に写真画像が含まれず白地の領域T1が多く含まれる。このような、特徴を示す原稿画像は、白地の用紙の上に文字が記録された画像であることが多い。そのため、CPU11はコピー画像処理部16が画像データに対してエッジ強調処理のみを施すよう、パラメータを設定する。
【0037】
また、原稿画像が図9に示すBの特徴を示す場合は、画像中に文字が多く含まれるためエッジ画素数が多くなる。また、原稿画像に白地以外の写真画像T2‘の割合が多くなる。そのため、CPU11は、コピー画像処理部16が画像データに対してエッジ強調処理とモアレ除去処理とを施すよう、パラメータを設定する。
【0038】
そして、原稿画像が図10に示すCの特徴を示す場合は、画像中に含まれる文字が少ないため、エッジ画素数が少なくなる。また、画像中に淡色領域T3が多く含まれる場合がありうる。ここで、淡色領域とは、高階調値により構成された画素を多く含む画像であり、領域間の輪郭がぼやけた領域である。淡色画像T3にエッジ強調処理及びモアレ除去処理を施すことは望ましくないため、CPU11は、コピー画像処理部16が画像データに対して、エッジ強調処理を施さず、モアレ除去処理を弱めるようパラメータを設定する。
【0039】
更に、原稿画像が図4に示すDの特徴を示す場合は、原稿画像に含まれる文字が少ないため、エッジ画素数が少なくなる。また、画像中に含まれる写真画像T2の割合が多くなる。そのため、CPU11は、コピー画像処理部16が画像データに対してモアレ除去処理のみを施すよう、パラメータを設定する。
なお、一実施形態として、モアレ除去処理の強度は、各特徴を示す画像に対してその強度を、B>D>Cとなるよう設定している。これは、図4に示す写真画像T2のターゲットをモアレが発生し難い銀塩写真とし、図9に示す写真画像T‘2のターゲットをモアレが発生し易い印刷された写真画像としているからである。
無論、モアレ除去処理の度合いは、これに限定されない。
【0040】
図11は、第2の実施形態に係るカウント部の各機能を示すブロック図である。第2の実施形態に係るカウント部は、図7に示すカウント部15の構成に加えて、更に、輝度変換部27と、白画素カウンタ28とを備えている。輝度変換部27と白画素カウンタ28は、画像データの特徴を示す情報としての白画素数を抽出するために用いられるものである。
【0041】
輝度変換部27は、画像データの各画素のRGBの階調値から輝度を算出する。ここで、輝度変換部27は、一例としてRGBの階調値から以下の式を用いて輝度Lを算出する。
L=0.2989*R+0.5866*G+0.1145*B …(1)
【0042】
白画素カウンタ28は、算出された各画素の輝度の内、所定の閾値以上の輝度L’をカウントし、レジスタI/F21に記憶する。白画素カウンタ28がカウントする輝度L’の値は、原稿画像における高階調値付近の画素を示すものである。CPU11は、レジスタI/F21に記憶された輝度L’の数を白画素数として原稿画像の判別処理に利用する。
【0043】
図12は、第2の実施形態に係るCPU11により実行される処理を説明する流れ図である。CPU11は、レジスタI/F21に記録されたエッジ画素数と白画素数の値を読み出す(ステップS200)。CPU11は、読み出したカウント値を所定のエッジ画素数閾値Sと比較する(ステップS210)。カウント値がエッジ画素数閾値S以上である場合は、CPU11は、白画素数を白画素閾値と比較する(ステップS220)。
【0044】
エッジ画素数がエッジ画素数閾値以上であり、白画素数が白画素閾値以上である場合は、CPU11は原稿画像の特徴がAであると判断し、エッジ強調処理をONとし、モアレ除去処理をOFFとするようパラメータを設定する(ステップS240)。
より具体的には、ROM12には、エッジ画素数と白画素数の値の組合せと、この組み合わせに対応するエッジ強調処理とモアレ除去処理の度合いが記録されたデータテーブルが記憶されており、CPUはこのデータテーブルを参照して、エッジ強調処理とモアレ除去処理の度合を決定する。
【0045】
エッジ画素数がエッジ画素数閾値以上であり、白画素数が白画素閾値未満である場合は、CPU11は原稿画像の特徴がBであると判断し、エッジ強調処理をONとし、モアレ除去処理のパラメータを設定する(ステップS250)。
【0046】
また、ステップS210でエッジ画素数がエッジ画素数閾値未満であり、白画素数が白画素閾値以上である場合は、CPU11は原稿画像の特徴がCであると判断し、エッジ強調処理をOFFとし、モアレ除去処理が弱めになるようパラメータを設定する(ステップS260)。
【0047】
そして、エッジ画素数がエッジ画素数閾値未満であり、白画素数が白画素閾値未満である場合は、CPU11は原稿画像の特徴がDであると判断し、エッジ強調処理をOFFとし、モアレ除去処理のパラメータを設定する(ステップS270)。
【0048】
CPU11は、設定したパラメータをコピー画像処理部16に出力する(ステップS280)。コピー画像処理部16は、パラメータを受信し、このパラメータを用いて画像データに対してエッジ強調処理やモアレ除去処理を施す。
【0049】
3.その他の実施形態
本発明には、様々な実施形態が存在する。
元画像の特徴を識別する手法としては、エッジ画素数の割合を用いるものであってもよい。具体的には、元画像の特徴を識別する値CHを
CH(%)=エッジ画素数/(全画素数−白画素数)×100 …(2)
と算出する。そして、CHが80%以上であれば文字が多く含まれる画像とし、CHが80未満、30以上であれば文字と写真等が混在する画像とし、CHが30%未満、5%以上であれば、淡色の領域を含み、CHが5%未満であれば、写真のみの画像としてもよい。
また、画像処理装置としては、複合機に限定されず、上記した画像処理コントローラの機能を備える装置であれば、プリンタ等の印刷装置であっても、デジタルスチルカメラであってもよい。
【0050】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】画像処理装置を示すブロック図である。
【図2】一例としての原稿画像を示す図である。
【図3】一例としての原稿画像を示す図である。
【図4】一例としての原稿画像を示す図である。
【図5】メイン制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】メイン制御部が実行する処理を説明する流れ図である。
【図7】カウント部の機能を説明するブロック図である。
【図8】図6のステップS130でCPU11が実行するパラメータ設定処理を示す流れ図である。
【図9】一例としての原稿画像を示す図である。
【図10】一例としての原稿画像を示す図である。
【図11】第2の実施形態に係るカウント部の各機能を示すブロック図である。
【図12】第2の実施形態に係るCPU11により実行される処理を説明する流れ図である。
【符号の説明】
【0052】
10…メイン制御部、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…入力処理部、15…カウント部、16…コピー画像処理部、17…スクリーン処理部、18a〜d…DMAコントローラ、19a、19b…バス、21…レジスタI/F、22…平滑化フィルタ、23、24…エッジ検出フィルタ、25、26…エッジ画素カウンタ、27…輝度変換部、28…白画素カウンタ、90…ホストI/F、92…操作パネル、93…エンジンコントローラ、94…印刷エンジン、95…エンジンコントローラ、96…スキャナエンジン、97…カードI/F、98…メモリカード、100…複合機
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに対して画像処理を施す画像処理コントローラにおいて、特に、画像データに対してエッジ強調処理と平滑化処理とを施す画像処理コントローラ、及び上記画像処理コントローラを使用した画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像をより鮮明に形成するため、画像データに対してエッジ強調処理や、平滑化処理を施している。エッジとは、画像における特定領域の境界線を構成する階調差の大きい部分であり、エッジ強調処理とはこのエッジを強調することで、領域間の境界をより際立たせる処理である。また、平滑化処理は、画像中のノイズを除去し、又は領域の輪郭(エッジ)を弱める処理である。上記のようにエッジ強調処理と平滑化処理とは、画像に対して相反する処理を施すものであるため、従来では、ユーザが各処理のパラメータを装置の操作画面上で入力し、又は画像データの種別を操作画面上で選択することで、入力された値に適した平滑化処理とエッジ強調処理の度合いを設定していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これに対して、ユーザが画像データの種別を選択しなくても最適な印刷結果が得られるよう、装置側で原稿画像に含まれる各領域を特徴毎に判断し、上記各領域に対して適切な画像処理を施すことで、画像をより鮮明に形成する技術(以下、領域分離技術と記載する)が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2002−305658号公報
【特許文献2】特開2005−159576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像データの特徴に応じてユーザが各処理のパラメータを入力する場合、当然ユーザは、画像データの特徴に応じた適切なパラメータの値を習熟している必要がある。しかも、処理の実行毎にパラメータを入力することは煩雑であり、ユーザはデフォルト値により出力処理を実行してしまう場合が多かった。
【0005】
また、領域分離技術を用いて装置に画像データの各領域を識別させる場合、装置はその内部で複数回に及ぶフィルタ処理等を実行する必要があり、処理負荷が高くなる場合がある。そのため、領域分離技術が支障となって、画像を形成するための速度が遅くなってしまう場合があった。
【0006】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、画像データの特徴に応じて適切な画像処理を自動で施すことができ、かつ、処理負荷が少ない画像処理を施すことが可能な画像処理コントローラ及び画像処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、画像データを記憶する第1の手段と、前記記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す第2の手段と、元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数をカウントする第3の手段と、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上の場合は、元画像が文字を多く含む画像であると判断し、前記エッジ画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が写真画像を多く含む画像であると判断し、この判断結果に基づいて前記第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う第4の手段とを有する。
【0008】
上記のように構成された発明では、第2の手段は、第1の手段に記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す。このとき、第3の手段は、元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数をカウントし、第4の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上の場合は、元画像が文字を多く含む画像であると判断し、エッジ画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が写真画像を多く含む画像であると判断し、この判断結果に基づいて第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う。
そのため、元画像の特徴を領域分離技術等の処理負荷の大きな処理により判断するのではなく、1ページ当たりのエッジ画素数により判断することができ、画像の特徴を判断するための処理負荷を軽減させることができる。
ここで、元画像とは、画像処理コントローラ内に処理を施すために取り込まれる画像データの元となる画像を意味する。すなわち、スキャナーを用いて画像データを取り込む場合は、このスキャナーに取り込まれる原稿画像であり、画像データをメモリカードから読み込む場合は、このメモリカードに記憶されたデータである。
【0009】
また、本発明の他の局面として、画像データを記憶する第1の手段と、前記記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す第2の手段と、元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数及び白画素数をカウントする第3の手段と、前記カウントされたエッジ画素数を用いて元画像中に含まれる文字の多さを判断し、又、前記カウントされた白画素数を用いて元画像中に含まれる写真画像の割合を判断し、この判断結果に基づいて前記第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う第5の手段とを有する。
上記のように構成された発明では、第5の手段は、エッジ画素数に加えて白画素数を用いて元画像の特徴を識別するため、画像の特徴を識別するための処理負荷を軽減させつつ、元画像の特徴をより細かく判断することができる。
ここで、白画素とは、階調値が高階調値を示す画素データのことを意味し、必ずしも階調値が白色(0〜255の階調にあっては、255の値)を有する画素データのみに限定されない。
【0010】
好ましくは、前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値以上である場合は、元画像が多くの文字のみを含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオンし、かつ、前記平滑化処理をオフするよう設定する。
元画像の特徴が文字のみを含むものであれば、画像に対してエッジ強調処理のみを施すことが望ましい。そのため、上記のように構成された発明では、文字のみを含む画像に対して適切な処理を施すことができる。
【0011】
好ましくは、前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が多くの文字と写真画像とを含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオンし、かつ、前記平滑化処理をオンするよう設定する。
元画像の特徴が文字と写真画像とを含む場合は、画像に対してエッジ強調処理と平滑化処理の両方を施すことが望ましい。そのため、上記のように構成された発明では、文字と写真画像とを混在させた画像に対して適切な処理を施すことができる。
【0012】
好ましくは、前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値未満であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値以上である場合は、元画像が文字をあまり含まず、かつ、淡色を多く含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオフし、かつ、前記平滑化処理を弱めるよう設定する。
ここで淡色を多く含む画像とは、高階調値により構成された画素を多く含む画像であり、領域間の輪郭がぼやけた画像である。このような画像に対しては、エッジ強調処理及び平滑化処理を施すことは望ましくない。そのため、上記のように構成された発明では、淡色を多く含む画像に対して適切な処理を施すことができる。
【0013】
好ましくは、前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値未満であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が文字をあまり含まず、かつ、写真画像を多く含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオフし、かつ、前記平滑化処理をオンするよう設定する。
上記のように構成された発明では、写真画像のみを含む画像に対して適切な処理を施すことができる。
【0014】
好ましくは、前記第3の手段は、前記画像のエッジ画素をフィルタ回路を用いて抽出する。
上記のように構成された発明では、第3の手段は、フィルタ回路を用いて画像におけるエッジ画素数を抽出するため、ソフト的に抽出する場合に比べCPU等の演算部の処理負荷を軽減することができ、演算に係る処理速度を速くすることができる。
【0015】
また、本発明は、画像処理コントローラを用いて画像を形成する画像処理装置に対しても応用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図を参照しつつ、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。また、同一の符号を付した箇所は同一及び同等の箇所を示し、その説明は繰返さない。
1.第1の実施形態:
2.第2の実施形態:
3.その他の実施形態:
【0017】
1.第1の実施形態:
(1)画像処理装置:
図1は、画像処理装置を示すブロック図である。更に、図2〜4は、一例としての原稿画像を示す図である。なお、図3は、図2における点線で囲まれた箇所を拡大して示す図である。この図では、画像処理装置としての複合機を示して説明を行なう。
複合機100は、原稿画像(元画像)を取得し、取得した画像を画像データとして記憶するとともに、この画像データを用紙等の印刷媒体に印刷して出力する。複合機100の要部は、PC等の外部機器とネットワーク等を用いて接続するためのI/F90と、ユーザからの操作入力を受け付ける操作パネル92と、印刷処理を実行するための印刷エンジン94と、原稿画像を画像データとして入力するためのスキャナエンジン96と、メモリカード98に記録された元画像を画像データとして入力するためのカードI/F97と、メイン制御部(画像処理コントローラ)10とを備えている。また、操作パネル92と、印刷エンジン94と、スキャナエンジン96とは、I/F91、エンジンコントローラ93、95を介してメイン制御部10と接続されている。
【0018】
スキャナエンジン96により読み込まれた原稿画像はディジタル画像としての画像データに変換された後、エンジンコントローラ95を通じてメイン制御部10に送信される。メイン制御部10は、入力された画像データに対して所定の画像処理を施し、印刷エンジン94やIF90に出力する。印刷エンジン94は、入力された画像データを用いて用紙に印刷処理を施す。また、IF90は入力された画像データを特定のプロトコルに従って外部機器に送信する。同様に、メモリカード98に記憶された画像データもカードI/F97を通じてメイン制御部10に送信された後、印刷エンジン94又はI/F90を介して出力される。
【0019】
更に、メイン制御部10は入力された画像データに対して、エッジ画素数をカウントし、カウント結果に基づいて元画像の特徴を判断する。図3に示すように各文字の輪郭を示す画素は背景画素との階調差が顕著となるため、エッジ画素数が多くなる。一方、図4に示すように、原稿画像の1ページに写真画像等を多く含む場合は、各画素の階調差はなだらかになるため画像中に文字を多く含む場合と比べてエッジ画素数は少なくなる。そのため、メイン制御部10は原稿画像の1ページを示す画像データのエッジ画素数をカウントし、このカウント値から画像の特徴を判断する。そして、このカウント値により画像データに施す画像処理のパラメータを設定する。以下に、本発明に係るメイン制御部10の構成をより詳細に説明する。
【0020】
(2)メイン制御部:
図5は、メイン制御部の構成を示すブロック図である。また、図6は、メイン制御部が実行する処理を説明する流れ図である。
メイン制御部10の要部は、CPU11と、ROM(第4の手段)12と、RAM(第1の手段)13と、入力処理部14と、カウント部(第3の手段)15と、コピー画像処理部(第2の手段)16と、スクリーン処理部17とで構成されている。また、上記各部とRAM13は、DMA(Direct Memory Access)コントローラ18(18a〜18d)を介して接続されており、DMAコントローラ18によりRAM13に記憶された画像データのアクセスが制御されている。
【0021】
図6を参照しつつ、メイン制御部10の処理を説明する。
バス19aを通じて画像データがメイン制御部10に入力されると、入力処理部14は画像データに対して入力処理を施す(ステップS110)。この入力処理では、入力処理部14が入力された画像データの特性を分析し、画素単位の画像特性情報を生成するとともに、出力された部位の特性を補正する。ここで、入力処理部14により生成される画像特性情報は、各画素の階調値や輝度値等である。
【0022】
カウント部15は、入力処理部14が生成した画素単位の画像特性情報を用いて、原稿画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数をカウントする(ステップS120)。なお、カウント部15のより詳細な構成は、(3)カウント部:により説明する。
【0023】
CPU11は、カウント部15がカウントしたエッジ画素数を用いてパラメータ設定処理を行なう(ステップS130)。このパラメータ設定処理により、CPU11はコピー画像処理部16が実行するエッジ強調処理及び平滑化処理のパラメータを設定する。本実施の形態では、CPU11は、ROM12に記憶されたプログラムを用いてエッジ画素数に基づいてエッジ強調処理と平滑化処理としてのモアレ除去処理のパラメータを設定する。
【0024】
コピー画像処理部16は、CPU11が設定したパラメータを用いて、画像データに対してコピー画像処理を行なう(ステップS140)。このコピー画像処理により、コピー画像処理部16は、画像データに対してエッジ強調処理及びモアレ除去処理を施す。
【0025】
スクリーン処理部17は、画像データに対してスクリーン処理を施す(ステップS160)。スクリーン処理では、スクリーン処理部17が画像データに対して描画ドットの有無による二値化により擬似的に中間階調を再現する。その後、画像データは、バス19bを通じてエンジンコントローラ93やIF90,91に出力される。
以上説明したように、本発明に係るメイン制御部10は、カウント部15により画像データの特性を示す情報としてエッジ画素数をカウントし、CPU11がカウント結果に基づいてエッジ強調処理及びモアレ除去処理のパラメータを設定する。以下に、本実施形態に係るカウント部15の構成と、パラメータ設定方法についてより詳細に説明する。
【0026】
(3)カウント部:
図7は、カウント部の機能を説明するブロック図である。
カウント部15は、レジスタI/F21と、平滑化フィルタ22と、エッジ検出フィルタ23,24と、エッジ画素カウタ25,26とで構成されている。本実施形態では、カウント部15を構成する各部は、ハードウェアにより構成されている。ここで、カウント部15をハードウェアにより構成すれば、ソフトウェアにより構成するのに比べCPU11の処理負荷を軽減でき、画像データのエッジをカウントするための処理速度を速くすることができる。
なお、カウント部15が実行するエッジ検出方法としては、ソーベル(Sobel)のフィルタを用いたものや、プレビット(Prewitt)のフィルタを用いたエッジ検出方法が存在する。本実施の形態では、ソーベルのフィルタを用いたエッジ検出方法を中心に説明する。なお、上記したエッジ検出方法は従来技術であり、プレビットのフィルタを用いたエッジ検出方法は説明を省略する。
【0027】
DMAコントローラ18bを通じて原稿画像の1ページを示す画像データがカウント部15に入力されると、平滑化フィルタ22は画像データのノイズを除去する。次に、エッジ検出フィルタ23,24は、画像データの特徴量を抽出する。具体的には、エッジ検出フィルタ23は、画像データにおける垂直方向のエッジ画素を抽出する。また、エッジ検出フィルタ24は、画像データにおける水平方向のエッジ画素を抽出する。エッジ画素カウンタ25,26は、各エッジ検出フィルタにより抽出された特徴量から垂直方向及び水平方向のエッジ画素数を検出する。検出されたエッジ画素数は、レジスタI/F21に順次記憶される。なお、平滑化フィルタ22は、画像データのノイズを除去するために使用されるため、本発明のカウント部15の構成として必須の構成ではない。以上、カウント部15の説明を終了する。
【0028】
(4)パラメータ設定処理
図8は、図6のステップS130でCPU11が実行するパラメータ設定処理を示す流れ図である。CPU11は、カウント部15のレジスタI/F21に記憶された垂直方向及び水平方向のエッジ画素数を読み出し、その絶対値を足しあわせてカウント値を算出する(ステップS131)。無論、垂直方向及び水平方向のエッジ画素数を個別に用いてもよい。
【0029】
CPU11は、カウント値をエッジ画素数閾値Sと比較する(ステップS132)。ここで、CPU11がカウント値を比較するために用いるエッジ画素数閾値Sについて説明を行なう。エッジ画素数閾値Sは、画像データにおける特徴を簡略的に判断するために用いられるものである。そのため、エッジ画素数閾値Sは、様々なサンプル画像データでの調査結果をもとに設定されている。その一例として、本実施形態では、JEITA(Japan Electronics and Information Technology Industries Association)が発行する標準テストパターンを用いて、各特性に対応したエッジ画素数閾値Sを設定している。
【0030】
カウント値がエッジ画素数閾値S以上の場合は、CPU11はエッジ強調処理を強くし、モアレ除去処理を弱くするようパラメータを設定する(ステップS133)。画像データにおけるカウント値がエッジ画素数閾値S以上の場合、原稿画像は文字を多く含むものと判断される。そのため、CPU11は画像に含まれる各文字の輪郭を強調するよう、エッジ強調処理のパラメータを強めに設定する。一方、原稿画像が文字を多く含む場合は、画像データにモアレ除去処理を施すと文字と背景との境界をぼやけさせてしまい好ましくない。そのため、CPU11はモアレ除去処理のパラメータを弱める。ここで、エッジ画素数に応じて設定される各パラメータの値は、ROM12に記憶されたデータテーブルをCPU11が参照することにより決定される。
【0031】
カウント値15がエッジ画素閾値S未満の場合は、CPU11はエッジ強調処理を弱くし、モアレ除去処理を強くするようパラメータを設定する(ステップS134)。画像データにおけるカウント値がエッジ画素数閾値S未満の場合は、原稿画像中に写真画像を多く含むものと判断される。そのため、CPU11は、画像の輪郭を強調させないよう、エッジ強調処理のパラメータを弱めに設定し、モアレ除去処理のパラメータを強めに設定する。
【0032】
CPU11は、設定したパラメータをコピー画像処理部16に出力する(ステップS135)。コピー画像処理部16はパラメータを受信し、このパラメータにより設定された値で画像データに対してエッジ強調処理やモアレ除去処理を施す。
【0033】
以上説明したように、本発明に係る複合機100は、原稿画像の1ページに対応する画像データのエッジ画素数を用いて原稿画像の特定を判断し、画像データに施すエッジ強調処理とモアレ除去処理のパラメータを設定する。そのため、原稿画像の特性を判断するのに、領域分離処理等の処理負荷が高い処理を実行する必要がないため、判断のための処理を迅速に行なうことができ、印刷処理を迅速に行なうことができる。
【0034】
2.第2の実施形態:
第2の実施形態では、カウント部(第5の手段)15は、エッジ画素数に加えて、白画素数を用いて原稿画像の特徴を判断する。エッジ画素数に加えて白画素数を用いて原稿画像の特徴を判断することで、第1の実施形態に比べて原稿画像の特徴をより詳細に判断することが可能となる。無論、画像データにおける各領域の特徴を個別に判断するものではないため、領域分離技術等に比べて処理負荷は高くはならないことは言うまでもない。
【0035】
ここで、第2の実施形態に係る複合機100が識別する画像の特徴について説明を行なう。図9、図10は、一例としての原稿画像を示す図である。第2の実施形態に係るCPU11は、原稿画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数と白画素数から、原稿画像の特徴を、文字のみの画像(以下Aと記載)、文字と写真画像が混在した画像(以下、Bと記載)、文字が少なく階調変化が緩やかな淡色を多く含む画像(以下、Cと記載)、写真のみの画像(以下、Dと記載)の4種類に識別する。
【0036】
原稿画像が図2に示すAの特徴を示す場合、画像中に文字のみが多く含まれるため、エッジ画素数が多くなる。また、原稿画像に写真画像が含まれず白地の領域T1が多く含まれる。このような、特徴を示す原稿画像は、白地の用紙の上に文字が記録された画像であることが多い。そのため、CPU11はコピー画像処理部16が画像データに対してエッジ強調処理のみを施すよう、パラメータを設定する。
【0037】
また、原稿画像が図9に示すBの特徴を示す場合は、画像中に文字が多く含まれるためエッジ画素数が多くなる。また、原稿画像に白地以外の写真画像T2‘の割合が多くなる。そのため、CPU11は、コピー画像処理部16が画像データに対してエッジ強調処理とモアレ除去処理とを施すよう、パラメータを設定する。
【0038】
そして、原稿画像が図10に示すCの特徴を示す場合は、画像中に含まれる文字が少ないため、エッジ画素数が少なくなる。また、画像中に淡色領域T3が多く含まれる場合がありうる。ここで、淡色領域とは、高階調値により構成された画素を多く含む画像であり、領域間の輪郭がぼやけた領域である。淡色画像T3にエッジ強調処理及びモアレ除去処理を施すことは望ましくないため、CPU11は、コピー画像処理部16が画像データに対して、エッジ強調処理を施さず、モアレ除去処理を弱めるようパラメータを設定する。
【0039】
更に、原稿画像が図4に示すDの特徴を示す場合は、原稿画像に含まれる文字が少ないため、エッジ画素数が少なくなる。また、画像中に含まれる写真画像T2の割合が多くなる。そのため、CPU11は、コピー画像処理部16が画像データに対してモアレ除去処理のみを施すよう、パラメータを設定する。
なお、一実施形態として、モアレ除去処理の強度は、各特徴を示す画像に対してその強度を、B>D>Cとなるよう設定している。これは、図4に示す写真画像T2のターゲットをモアレが発生し難い銀塩写真とし、図9に示す写真画像T‘2のターゲットをモアレが発生し易い印刷された写真画像としているからである。
無論、モアレ除去処理の度合いは、これに限定されない。
【0040】
図11は、第2の実施形態に係るカウント部の各機能を示すブロック図である。第2の実施形態に係るカウント部は、図7に示すカウント部15の構成に加えて、更に、輝度変換部27と、白画素カウンタ28とを備えている。輝度変換部27と白画素カウンタ28は、画像データの特徴を示す情報としての白画素数を抽出するために用いられるものである。
【0041】
輝度変換部27は、画像データの各画素のRGBの階調値から輝度を算出する。ここで、輝度変換部27は、一例としてRGBの階調値から以下の式を用いて輝度Lを算出する。
L=0.2989*R+0.5866*G+0.1145*B …(1)
【0042】
白画素カウンタ28は、算出された各画素の輝度の内、所定の閾値以上の輝度L’をカウントし、レジスタI/F21に記憶する。白画素カウンタ28がカウントする輝度L’の値は、原稿画像における高階調値付近の画素を示すものである。CPU11は、レジスタI/F21に記憶された輝度L’の数を白画素数として原稿画像の判別処理に利用する。
【0043】
図12は、第2の実施形態に係るCPU11により実行される処理を説明する流れ図である。CPU11は、レジスタI/F21に記録されたエッジ画素数と白画素数の値を読み出す(ステップS200)。CPU11は、読み出したカウント値を所定のエッジ画素数閾値Sと比較する(ステップS210)。カウント値がエッジ画素数閾値S以上である場合は、CPU11は、白画素数を白画素閾値と比較する(ステップS220)。
【0044】
エッジ画素数がエッジ画素数閾値以上であり、白画素数が白画素閾値以上である場合は、CPU11は原稿画像の特徴がAであると判断し、エッジ強調処理をONとし、モアレ除去処理をOFFとするようパラメータを設定する(ステップS240)。
より具体的には、ROM12には、エッジ画素数と白画素数の値の組合せと、この組み合わせに対応するエッジ強調処理とモアレ除去処理の度合いが記録されたデータテーブルが記憶されており、CPUはこのデータテーブルを参照して、エッジ強調処理とモアレ除去処理の度合を決定する。
【0045】
エッジ画素数がエッジ画素数閾値以上であり、白画素数が白画素閾値未満である場合は、CPU11は原稿画像の特徴がBであると判断し、エッジ強調処理をONとし、モアレ除去処理のパラメータを設定する(ステップS250)。
【0046】
また、ステップS210でエッジ画素数がエッジ画素数閾値未満であり、白画素数が白画素閾値以上である場合は、CPU11は原稿画像の特徴がCであると判断し、エッジ強調処理をOFFとし、モアレ除去処理が弱めになるようパラメータを設定する(ステップS260)。
【0047】
そして、エッジ画素数がエッジ画素数閾値未満であり、白画素数が白画素閾値未満である場合は、CPU11は原稿画像の特徴がDであると判断し、エッジ強調処理をOFFとし、モアレ除去処理のパラメータを設定する(ステップS270)。
【0048】
CPU11は、設定したパラメータをコピー画像処理部16に出力する(ステップS280)。コピー画像処理部16は、パラメータを受信し、このパラメータを用いて画像データに対してエッジ強調処理やモアレ除去処理を施す。
【0049】
3.その他の実施形態
本発明には、様々な実施形態が存在する。
元画像の特徴を識別する手法としては、エッジ画素数の割合を用いるものであってもよい。具体的には、元画像の特徴を識別する値CHを
CH(%)=エッジ画素数/(全画素数−白画素数)×100 …(2)
と算出する。そして、CHが80%以上であれば文字が多く含まれる画像とし、CHが80未満、30以上であれば文字と写真等が混在する画像とし、CHが30%未満、5%以上であれば、淡色の領域を含み、CHが5%未満であれば、写真のみの画像としてもよい。
また、画像処理装置としては、複合機に限定されず、上記した画像処理コントローラの機能を備える装置であれば、プリンタ等の印刷装置であっても、デジタルスチルカメラであってもよい。
【0050】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】画像処理装置を示すブロック図である。
【図2】一例としての原稿画像を示す図である。
【図3】一例としての原稿画像を示す図である。
【図4】一例としての原稿画像を示す図である。
【図5】メイン制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】メイン制御部が実行する処理を説明する流れ図である。
【図7】カウント部の機能を説明するブロック図である。
【図8】図6のステップS130でCPU11が実行するパラメータ設定処理を示す流れ図である。
【図9】一例としての原稿画像を示す図である。
【図10】一例としての原稿画像を示す図である。
【図11】第2の実施形態に係るカウント部の各機能を示すブロック図である。
【図12】第2の実施形態に係るCPU11により実行される処理を説明する流れ図である。
【符号の説明】
【0052】
10…メイン制御部、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…入力処理部、15…カウント部、16…コピー画像処理部、17…スクリーン処理部、18a〜d…DMAコントローラ、19a、19b…バス、21…レジスタI/F、22…平滑化フィルタ、23、24…エッジ検出フィルタ、25、26…エッジ画素カウンタ、27…輝度変換部、28…白画素カウンタ、90…ホストI/F、92…操作パネル、93…エンジンコントローラ、94…印刷エンジン、95…エンジンコントローラ、96…スキャナエンジン、97…カードI/F、98…メモリカード、100…複合機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを記憶する第1の手段と、
前記記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す第2の手段と、
元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数をカウントする第3の手段と、
前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上の場合は、元画像が文字を多く含む画像であると判断し、前記エッジ画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が写真画像を多く含む画像であると判断し、この判断結果に基づいて前記第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う第4の手段とを有することを特徴とする画像処理コントローラ。
【請求項2】
画像データを記憶する第1の手段と、
前記記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す第2の手段と、
元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数及び白画素数をカウントする第3の手段と、
前記カウントされたエッジ画素数を用いて元画像中に含まれる文字の多さを判断し、又、前記カウントされた白画素数を用いて元画像中に含まれる写真画像の割合を判断し、この判断結果に基づいて前記第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う第5の手段とを有することを特徴とする画像処理コントローラ。
【請求項3】
前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値以上である場合は、元画像が多くの文字を含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオンし、かつ、前記平滑化処理をオフするよう設定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理コントローラ。
【請求項4】
前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が多くの文字と写真画像とを含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオンし、かつ、前記平滑化処理をオンするよう設定することを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の画像処理コントローラ。
【請求項5】
前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値未満であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値以上である場合は、元画像が文字をあまり含まず、かつ、淡色を多く含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオフし、かつ、前記平滑化処理を弱めるよう設定することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の画像処理コントローラ。
【請求項6】
前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値未満であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が文字をあまり含まず、かつ、写真画像を多く含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオフし、かつ、前記平滑化処理をオンするよう設定することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の画像処理コントローラ。
【請求項7】
前記第3の手段は、前記画像のエッジ画素を、フィルタ回路を用いて抽出し、前記抽出したエッジ画素をカウントすることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像処理コントローラ。
【請求項8】
画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理装置であって、
画像データを記憶する第1の手段と、
前記記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す第2の手段と、
元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数及び白画素数をカウントする第3の手段と、
前記カウントされたエッジ画素数を用いて元画像中に含まれる文字の多さを判断し、又、前記カウントされた白画素数を用いて元画像中に含まれる写真画像の割合を判断し、この判断結果に基づいて前記第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う第5の手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項1】
画像データを記憶する第1の手段と、
前記記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す第2の手段と、
元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数をカウントする第3の手段と、
前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上の場合は、元画像が文字を多く含む画像であると判断し、前記エッジ画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が写真画像を多く含む画像であると判断し、この判断結果に基づいて前記第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う第4の手段とを有することを特徴とする画像処理コントローラ。
【請求項2】
画像データを記憶する第1の手段と、
前記記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す第2の手段と、
元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数及び白画素数をカウントする第3の手段と、
前記カウントされたエッジ画素数を用いて元画像中に含まれる文字の多さを判断し、又、前記カウントされた白画素数を用いて元画像中に含まれる写真画像の割合を判断し、この判断結果に基づいて前記第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う第5の手段とを有することを特徴とする画像処理コントローラ。
【請求項3】
前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値以上である場合は、元画像が多くの文字を含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオンし、かつ、前記平滑化処理をオフするよう設定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理コントローラ。
【請求項4】
前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値以上であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が多くの文字と写真画像とを含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオンし、かつ、前記平滑化処理をオンするよう設定することを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の画像処理コントローラ。
【請求項5】
前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値未満であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値以上である場合は、元画像が文字をあまり含まず、かつ、淡色を多く含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオフし、かつ、前記平滑化処理を弱めるよう設定することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の画像処理コントローラ。
【請求項6】
前記第5の手段は、前記カウントされたエッジ画素数が所定の閾値未満であって、前記カウントされた白画素数が所定の閾値未満である場合は、元画像が文字をあまり含まず、かつ、写真画像を多く含む画像であると判断し、前記エッジ強調処理をオフし、かつ、前記平滑化処理をオンするよう設定することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の画像処理コントローラ。
【請求項7】
前記第3の手段は、前記画像のエッジ画素を、フィルタ回路を用いて抽出し、前記抽出したエッジ画素をカウントすることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の画像処理コントローラ。
【請求項8】
画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理装置であって、
画像データを記憶する第1の手段と、
前記記憶された画像データにエッジ強調処理と平滑化処理を施す第2の手段と、
元画像の1ページを示す画像データにおけるエッジ画素数及び白画素数をカウントする第3の手段と、
前記カウントされたエッジ画素数を用いて元画像中に含まれる文字の多さを判断し、又、前記カウントされた白画素数を用いて元画像中に含まれる写真画像の割合を判断し、この判断結果に基づいて前記第2の手段が実行するエッジ強調処理と平滑化処理の設定を行う第5の手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【公開番号】特開2010−45523(P2010−45523A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207118(P2008−207118)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]