画像処理制御装置、画像処理制御装置を備えた画像形成装置及び画像処理制御方法
【課題】 画質パラメータの保持のために使用可能なメモリ量の事前確認を行うことなく行えるようにして、画質パラメータを差分管理して画像処理制御を高速で行う。
【解決手段】 画像処理制御のための制御要因の組合せ情報に基づき算出した最適な画質パラメータを算出し、算出した画質パラメータをメモリに保持して差分管理する画像処理制御装置において、装置が実際に動作したとき使用可能なメモリ量Mと画像処理制御モジュール(の番号N)を取得し(S101)、メモリ配分手段が画像処理制御モジュールに付された優先番号順に、取得したメモリ量と画像処理制御モジュールにおける画質パラメータを保持するに必要なメモリ量を比較し(S102)、保持の可否を判断し、保持可能な画質パラメータを優先順にメモリに割り当てる(S103〜S106)。
【解決手段】 画像処理制御のための制御要因の組合せ情報に基づき算出した最適な画質パラメータを算出し、算出した画質パラメータをメモリに保持して差分管理する画像処理制御装置において、装置が実際に動作したとき使用可能なメモリ量Mと画像処理制御モジュール(の番号N)を取得し(S101)、メモリ配分手段が画像処理制御モジュールに付された優先番号順に、取得したメモリ量と画像処理制御モジュールにおける画質パラメータを保持するに必要なメモリ量を比較し(S102)、保持の可否を判断し、保持可能な画質パラメータを優先順にメモリに割り当てる(S103〜S106)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の画像処理制御装置、画像処理制御装置を備えた画像形成装置及び画像処理制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル方式の複写機、スキャナ、プリンタなどの画像形成装置においては、画像品質を高めるために、操作部に設定される画像処理制御における各制御要因の組合せ情報に応じて、例えば、色補正や階調処理などの各画像処理制御モジュール毎に最適となる画質パラメータを画像処理制御ソフトで算出し、算出した画質パラメータを画像処理デバイスに設定して画像処理を行っている。
しかし、この方法では、各制御要因の組合せ情報に応じた最適な画質パラメータを計算し画像処理デバイスに設定するための処理時間が必要であり、そのため、高速な制御を実現することが難しいという問題がある。
なお、制御要因は、主に操作部から設定される設定内容と対応するものであって、例えば「原稿モード(その選択項目として文字モード、写真モード、複写原稿モード)」、「濃度ノッチ(同、濃く、薄くの段階的選択)」、「カラーモード(同、フルカラー、モノクロ、2色モード)」、「カラー調整(同、マゼンタをシアンによる調整など)」、「自動濃度(同、ON/OFFの選択)」等がある。したがって、ここで「制御要因の組合せ情報」は、上記の複数の制御要因の選択項目が組み合わさった情報をいう。
【0003】
そこで、プログラムやデータ、レジストなどの制御に関するパフォーマンス(性能)を考慮し、必要最低限の設定制御により、パフォーマンスを最適にする画像処理制御装置が提案されている。一例として、特許文献1には、設定プログラム番号や、設定レジスタ番号などのプログラムデバイスの制御管理を行う設定番号(パラメータ)を差分管理(制御要因の組合せ情報に基づく最適な画質パラメータをメモリに保持しておき、それを同じ制御要因の組合せ情報に基づく制御において、再度使用できるようにした管理)しておき、設定を行う必要の無いパラメータはその設定を省略し、必要最低限の設定制御を行うことで、画像処理制御ソフトの処理時間を短縮する画像処理制御装置が記載されている(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている画像処理制御装置は、制御に必要な処理時間を短縮することができるが、画質パラメータを保持しておくためのメモリが使用可能であることが上記差分管理の前提となるため、差分管理を行うために必要なメモリを事前に確認してからでないと、上記画質パラメータの差分管理の手法は採用できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、画質パラメータを差分管理する画像処理制御装置において、画質パラメータの保持のために使用できるメモリ量の事前確認を行うことなく差分管理を行えるようにすることで、画像処理制御を高速化し装置のパフォーマンスを向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、画像処理制御のための制御要因の組合せ情報に応じて、当該画像処理制御のための画質パラメータを画像処理制御モジュール毎に算出し、算出した画質パラメータに基づき当該画像処理制御モジュールの画像処理制御を行う画像処理制御装置であって、前記制御要因の組合せ情報と前記制御要因の組合せ情報に応じて算出した画質パラメータを保持する保持手段と、前記制御要因の組合せ情報と前記算出した画質パラメータを、前記保持手段の使用可能なメモリ量に応じて画像処理制御モジュール毎に配分するメモリ配分手段と、前記画像処理制御モジュールにおいて、前記画像処理制御の内容と同じ内容の画像処理制御を行うときは前記画質パラメータの計算を行わず、前記保持手段に保持された前記画像処理制御に関する画質パラメータを使用して画像処理制御を行う差分管理手段と、を備えたことを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像処理制御装置において、前記メモリ配分手段は、使用可能なメモリ量と画像処理制御モジュール毎に処理制御を差分管理で行うために必要なメモリ量とに基づき、前記使用可能なメモリ量を配分する手段であることを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理制御装置において、前記メモリ配分手段は、前記画像処理制御モジュール毎にその処理制御に必要な処理量と前記処理制御を差分管理で行うために必要なメモリ量から速度向上効率を算出し、算出した速度向上効率に基づく優先度にしたがって、前記使用可能なメモリ量を配分することを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理制御装置において、前記画像処理制御モジュール毎にその処理制御が行われる頻度を検出する頻度検出手段を備え、前記メモリ配分手段は、前記処理制御が行われる頻度に基づく優先度にしたがって前記画像処理制御モジュールに前記使用可能なメモリ量を配分することを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項5の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理制御装置において、前記保持手段は、前記画像処理制御モジュールにおける複数セットの制御要因の組合せ情報と、前記複数セットの制御要因の組合せ情報に対応した画質パラメータを複数セット保持することを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項6の発明は、請求項5に記載された画像処理制御装置において、前記保持手段は、前回の画像処理制御の内容である画像処理制御の制御要因の組合せ情報と当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータの1セットと、その処理制御が行われる頻度が高い処理に対応した制御要因の組合せ情報と、当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータである別の1セットを保持することを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項7の発明は、請求項5に記載された画像処理制御装置において、前記保持手段は、原稿の表面の画像処理を行うための制御要因の組合せ情報と、当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータの1セットと、原稿の裏面の画像処理を行うための制御要因の組合せ情報と、当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータの別の1セットを保持することを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載された画像処理制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項9の発明は、画像処理制御のための制御要因の組合せ情報に応じて、当該画像処理制御のための画質パラメータを画像処理制御モジュール毎に算出し、算出した画質パラメータに基づき当該画像処理制御モジュールの画像処理制御を行う画像処理制御方法であって、前記制御要因の組合せ情報と前記算出した画質パラメータを保持する工程と、前記制御要因の組合せ情報と前記算出した画質パラメータを、前記保持手段の使用可能なメモリ量に応じて前記保持手段に画像処理制御モジュール毎に配分するメモリ配分工程と、画像処理制御モジュールにおいて、前記画像処理制御の内容と同じ内容の画像処理制御を行うときは前記画質パラメータの計算を行わず、前記保持手段に保持された当該画像処理制御モジュールの画像処理制御に関する画質パラメータを使用して画像処理制御を行う差分管理工程と、を有することを特徴とする画像処理制御方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画質パラメータを差分管理する画像処理制御装置において、差分管理のために使用できるメモリの確保の事前確認を必要せずに、画質パラメータの保持のために使用できるメモリ量に応じて差分管理を行い、制御に必要な処理時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態の画像処理制御モジュール毎の制御要因の組合せ情報の一例を示すテーブルT1を示す図である。
【図2】画像処理制御モジュール毎の処理量、必要メモリ量、速度向上効率の例を示したテーブルT2を示す図である。
【図3】画像処理制御モジュール番号Nの割り当ての例を示したテーブルT3を示す図である。
【図4】第1の実施形態の差分管理の動作の流れを示すフロー図である。
【図5】第2の実施形態の画像処理制御モジュール毎の制御要因の組合せ情報の一例を示すテーブルT4を示す図である。
【図6】画像処理制御モジュール番号Nの割り当ての例を示したテーブルT5を示す図である。
【図7】第2の実施形態の差分管理の動作の流れを示すフロー図である。
【図8】画像処理制御の制御要因の組合せ情報の例を示すテーブルT6を示す図である。
【図9】使用可能なメモリ量に応じて、2セットの制御要因の組合せ情報に対応して算出した画質パラメータを複数の差分管理用メモリに保持する例を示した図である。
【図10】第3の実施形態の画像処理制御装置の複数セットの制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータに対する画像処理制御モジュールへの差分管理の動作の流れを示すフロー図である。
【図11】複数セットの制御要因の組合せ情報の文字モードの使用頻度に基づいた優先順位パラメータを示したテーブルT7を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、添付した図面を参照して説明する。
本発明の画像処理制御装置は、デジタル画像を入力し、外部からの画像処理要求に従って、プログラムやデータの制御管理を行う際に、画質パラメータを差分管理することで、設定制御に要する時間を短縮して装置のパフォーマンスを最適にする。そのため、本実施形態は、画像処理制御のための制御要因の組合せ情報に基づく最適な画質パラメータを計算して求め、その画質パラメータを得るに必要な処理量を処理制御の種別毎に管理し、実際に確保できるメモリ量を上記処理制御の種別毎に配分して、差分管理を行う。
つまり、本実施形態では、画質パラメータを処理制御の種類別に保持手段であるメモリに保持して管理するため、差分管理のために実際に使用可能なメモリ量を画像処理制御モジュール毎に配分するメモリ配分手段と、保持している画質パラメータを再使用する制御(差分制御)を行う差分管理手段とを備え、この差分管理手段の画像処理制御の内容毎に差分管理手段の差分管理動作内容を決定する。
なお、ここで画像処理制御ソフトは、パラメータ算出手段である制御部のCPUによって実行され、保持手段である差分管理用メモリは、例えばHDD(ハードディスクドライブ)である。
【0010】
以下、画像処理制御モジュール毎に制御に必要となる上記処理量と、差分管理を行うために画質パラメータを保持するに必要なメモリ量の情報から、画像処理制御モジュール毎に差分管理動作内容を決定する処理について具体的に説明する。
【0011】
第1の実施形態
図1は、本実施形態の画像処理制御モジュール(ここでは、色補正、スキャナγ、プリンタγ、階調処理、フィルタ)毎に必要となる処理量(つまり、制御要因の組合せ情報に応じて最適となる画質パラメータを算出するに要する処理量)と差分管理を行うために画質パラメータを保持しておくための必要メモリ量の情報を示すテーブルT1を示す図である。テーブルT1に示すように、色補正の処理を行うための処理量は20、保持するための必要メモリ量は400である。なお、ここで処理量は複数の画像処理制御モジュール間の相対量として示されており、例えば、スキャナγの処理量8はフィルタの処理量1の8倍の処理量が必要とすることを示す。
上記の各画像処理制御モジュールの処理量と必要メモリ量から、次の式で速度向上効率を求めることができる。
速度向上効率=(処理量/必要メモリ量)×100
【0012】
図2は、テーブルT1の各画像処理制御モジュールの処理量と必要メモリ量を基に、速度向上効率を計算して格納した例を示したテーブルT2を示す図である。
ここで、速度向上効率は、処理量とその処理の結果を格納するに必要なメモリ量の比で表される。即ち、処理量に相対的に多く、しかしメモリ量が相対的に少ない設定処理はその速度向上効率が高いとされる。例えば、テーブルT2での色補正において、処理量は20、必要メモリ量は400であるので、速度向上効率を上記の式から求めると、(20/400)×100=5.0になる。同様に、スキャナγ、プリンタγなどにおいても、速度向上効率を求めてテーブルT2を差分管理用メモリに格納する。
【0013】
次に、上記のテーブルT2の情報から、各画像処理制御モジュールに速度向上効率の画像処理制御モジュール番号Nを割り当てる。速度向上効率が大きい順に画像処理制御モジュールに1から番号を順番に割り当て、N値が相対的に小さいほど、つまり速度向上効率が大きい順に優先的に差分管理用メモリが割り当てられるようにする。
【0014】
図3は、上記の画像処理制御モジュールの番号Nの割り当ての例を示したテーブルT3を示す図である。このテーブルT3では、色補正は速度向上効率が5.0で最も大きいので画像処理制御モジュールに番号N=1を割り当て、最も優先的にメモリの割り当てを行う。一方、フィルタの速度向上効率は0.5で最も小さいので、その画像処理制御モジュールに番号N=5を割り当て、5番目の優先順位で差分管理用のメモリの割り当てを行うことになる。
【0015】
次に、図3で示した画像処理制御モジュールの番号Nの情報を用いて画像処理制御モジュール毎に差分管理の動作を決定する。即ち、差分管理のために、算出した画質パラメータ(及び当該画像処理制御の制御要因の組合せ情報:以下同じ)のうち、どの画像処理制御モジュールのものを保持するかをその番号順(ここでは、速度向上効率が高い順)に決定し、決定に従ってその画質パラメータをメモリに割り当てる処理の手順について説明する。
図4は、本実施形態の画像処理制御モジュール毎に行う上記差分管理のためのメモリの割当処理の手順を示すフロー図である。
【0016】
図4において、まず、差分管理用に使用することが可能なメモリ量M、画像処理制御モジュール番号Nを取得する(S101)。次に、画像処理制御モジュール(番号N=1)の画質パラメータ、ここでは、図3に示すテーブルT3から最も優先度が高い画像処理制御モジュールである「色補正」に関する画像処理制御モジュールを取得し、色補正に関する画質パラメータの保持のための必要メモリ量と、現在の差分管理用に使用可能なメモリ量Mを比較する(S102)。画像処理制御モジュール番号1つまり「色補正」に関する画質パラメータの保持に必要なメモリ量が、差分管理用に使用することが可能なメモリ量Mより小さいとき(S102:YES)、番号1の画像処理制御モジュールにメモリを割り当てる(S103)。
次に、メモリ配分手段は、使用可能なメモリ量Mから、上記番号1の画像処理制御モジュールに割り当てたメモリ量を減算する(S104)。
【0017】
番号1の画像処理制御モジュールの画質パラメータの差分管理のためのメモリの割当が完了した後、次に、番号2の画像処理制御モジュールつまり第2優先順位の画像処理制御モジュールに対するメモリの割当処理を行うために、画像処理制御モジュール番号Nに1を加算し、番号2の画像処理制御モジュール、即ち「階調処理」に関する画質パラメータへのメモリの割当処理に移行する(S105)。
【0018】
一方、ステップS102で、番号1の画像処理制御モジュールの画質パラメータの差分管理を行うための必要メモリ量が使用可能なメモリ量Mを超えるときは(S102:NO)、番号1の画像処理制御モジュールへのメモリの割り当てを行わず、次の番号2の画像処理制御モジュールの画質パラメータのメモリ割当処理に移行する(S105)。
【0019】
ここで、全ての画像処理制御モジュールの画質パラメータに対するメモリ割り当てが完了したか否かを判断し(S106)、完了していない画像処理制御モジュールがあるときは(S106:NO)、ステップS102の処理から繰り返し、画像処理制御モジュールの差分管理用のメモリ割り当てを完了する。全ての画像処理制御モジュールのメモリ割り当てが完了すると(S106:YES)、処理を終了する。
【0020】
本実施形態では、メモリが使用できることを事前に確認しておかなくとも、使用可能なメモリ量とそのメモリ量で保持できる画質パラメータの保持量に応じて、速度向上効率の高い画像処理制御モジュールから順に、つまり優先度にしたがって、各画像処理制御モジュール毎に画質パラメータの差分管理のためのメモリを割り当てることができる。そのため、事前にメモリを確認する場合に比べて処理制御に必要な処理時間を大幅に短縮することができる。
【0021】
ところで、画像処理制御モジュールによっては、処理制御が頻繁に発生するモジュールとあまり頻繁に発生しないモジュールがある。そこで、画像処理制御モジュールの処理制御の頻度に応じて、差分管理の動作を決定して、画像処理制御効率を高めることができる。
以下、画像処理制御モジュール毎に制御に必要となる上記処理量と差分管理を行うためにその画像処理制御モジュールの制御要因の変更による画質パラメータ計算などの処理制御について、実際に発生した画像モジュールの使用頻度の情報から、画像処理制御モジュール毎の画質パラメータの差分管理のためのメモリの割当処理を説明する。
【0022】
第2の実施形態
図5は、本実施形態の使用頻度情報を備えた画像処理制御モジュール毎の制御要因の組合せ情報の他の例を示すテーブルT4を示す図である。即ち、テーブルT4には、画像処理制御モジュール毎の制御に必要となる最適な画質パラメータを取得するに必要な上記処理量と、それを保持するための必要メモリ量と、その画像処理制御モジュールがこれまで実際に制御を行った画質パラメータの使用頻度の情報が格納されている。なお、使用頻度は、複数のモジュール間の相対量として示されており、制御部のCPUの頻度検出手段により検出され、メモリに保持されている。テーブルT4は、例えばスキャナγの使用頻度30はプリンタγの使用頻度15の2倍の割合で処理制御が行われたことを表している。
この場合は、画像処理制御モジュール番号Nは、テーブルT4に格納された上記情報に基づき使用頻度の高い順につまり1から順に数字が割り当てられる。
【0023】
図6は、画像処理制御モジュール番号Nの割り当ての例を示したテーブルT5を示す図である。テーブルT5に示すように、使用頻度が1番高い色補正に画像処理制御モジュール番号N=1を割り当てるよう、優先的に差分管理動作を決定する。
なお、本実施形態の画像処理制御モジュールの差分管理用メモリの割り当て処理の手順は、第一の実施形態のフロー図(図4)の処理手順と同様に、画像処理制御モジュール番号Nの順番に基づき、画像処理制御モジュールへの差分管理用メモリ割り当てを行う。次に、その処理の手順について図7を参照して説明する。
【0024】
図7は、本実施形態の画像処理制御モジュール毎に行う上記差分管理のためのメモリの割当処理の手順を示すフロー図である。
図7において、まず、差分管理用に使用可能なメモリ量M、及び画像処理制御モジュール番号Nを取得する(S201)。次に、使用頻度に基づいて決定された最優先番号1の画像処理制御モジュールの画質パラメータを保持するのに必要メモリ量が、現在使用可能なメモリ量Mより小さいか否かを判断し(S202)、小さいときは(S202:YES)、番号1の画像処理制御モジュールにメモリを割り当てた後(S203)、使用可能なメモリ量Mから上記割り当てたメモリ量を減算し(S204)、画像処理制御モジュール番号Nに1を加算して(S205)、次の番号2の画像処理制御モジュール(ここではフィルタ)の画質パラメータを保持するのに必要なメモリ割り当てを行う(S206)。
【0025】
本実施形態によれば、処理制御の実際発生した頻度に応じて、つまり使用頻度が高い画像処理制御モジュールに対する差分管理のためのメモリの割当処理を行うため、差分管理用メモリの使用可能メモリ量が不十分であっても、使用頻度が高い画像処理制御モジュールから優先的にメモリに格納することができ、頻繁に発生する画像処理制御モジュールの処理制御を省略することができ、処理制御時間を短縮することができる。
【0026】
ところで、差分管理用メモリに余裕がある場合には、メモリを複数セットに構成し、同じ画像処理制御モジュールに複数の画質パラメータを保持するよう構成することができる。例えば、前回の処理制御内容の保持だけではなく、前回以前の処理制御内容も含めて複数の画質パラメータを保持しておいて、同じ制御要因の組合せ情報に対して、これを再使用すれば、全体として画質パラメータを再度計算する頻度が下がるため、一層高速な処理制御が可能である。
その場合は、例えば、メモリの1セットは前回の動作内容の制御要因についての画質パラメータを保持し、他のメモリには、前回以前の処理制御に用いた画質パラメータを保持しておくことができる。
また、他の例では、メモリの1セットは前回の処理制御に用いた画質パラメータとし、他の1セットは、例えば処理制御が行われる頻度が高い処理に対応した制御要因の組み合わせ情報の処理に対応して算出した画質パラメータとしてもよい。
更に、例えば、メモリの1セットは原稿の表面の画像処理を行うための画質パラメータを保持し、他の1セットは原稿の裏面の画像処理を行うための画質パラメータを保持するようにしてもよい。
次に、以上で説明した、画像処理制御の制御要因の組合せ情報を複数セット保持する場合の処理について説明する。
【0027】
第3の実施形態
図8は、画像処理制御の制御要因の組合せ情報に基づくパラメータ(ここでは、マスキング係数、スキャナγが異なる制御要因の組合せ情報(例えば、原稿の表と裏)を持つ)を示すテーブルT6を示す図である。
即ち、テーブルT6に示すように、制御要因の組合せ情報に対応して算出した画質パラメータを差分管理用メモリに複数セット保持する。例えば、テーブルT6では、マスキング係数とスキャナγは2セットの画質パラメータを保持し、プリンタγ、諧調処理、フィルタに関しては1セットの画質パラメータを差分管理用メモリに保持する。
【0028】
図9は、使用可能なメモリ量に応じて、2セットの制御要因の組合せ情報に対応して算出した画質パラメータを、複数の差分管理用メモリに保持する例を示した図である。
【0029】
まず図9Aにおいて、制御要因の組合せ1では、各画像処理制御モジュールの画質パラメータ1を計算して、画像処理制御モジュール毎に使用可能であるメモリ1に格納する。図9Bでは、制御要因の組合せ1の同じ内容の処理制御を行う際に、上記メモリ1に格納されている制御要因の組合せ1の各画像処理制御モジュールの画質パラメータ1を再使用することができる。
【0030】
図9Cでは、制御要因の組合せ2では、各画像処理制御モジュールの画質パラメータ2を計算して、メモリ2に格納する。しかし、メモリ2には十分な使用可能のメモリ量がないため、ここでは、その使用可能なメモリ量に応じて、マスキング係数パラメータ2とスキャナγパラメータ2はメモリ2へ、フィルタパラメータ2、階調処理パラメータ2、プリンタγパラメータ2は使用可能であるメモリ1に格納する。
【0031】
図9Dでは、制御要因の組合せ2を再使用するとき、マスキング係数パラメータ2及びスキャナγパラメータ2は上記で保持したメモリ2から再使用し、フィルタパラメータ2、階調処理パラメータ2、プリンタγパラメータ2はメモリ1から再使用する。
【0032】
次に、複数セットの制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータ(例えば、原稿面が表面の場合のみの制御要因と対応する画質パラメータと、原稿面が裏面の場合のみの制御要因と対応する画質パラメータ)に対するメモリ割り当て処理について説明する。
図10は、本実施形態の画像処理制御装置の複数セットの制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータに対する画像処理制御モジュールへの差分管理ためのメモリ割り当て処理の手順を示すフロー図である。
図10において、まず、差分管理用に使用することが可能なメモリ量Mを取得し(S301)、画像処理制御モジュールのモジュール番号(ここでは、上記実施形態について説明したどの優先度に基づくものであってもよい)を取得する(S302)。
【0033】
次に、画像処理制御モジュール番号Nの差分管理を行うために必要なメモリ量と使用可能なメモリ量Mを比較し(S303)、画像処理制御モジュール番号Nの差分管理を行うために必要なメモリ量が使用可能なメモリ量Mより少なければ(S303:YES)、画像処理制御モジュール番号Nの差分管理のためのメモリの割り当てが可能なので、画像処理制御モジュール番号Nに1セット分の差分管理で使用するメモリ量を追加する(S304)。次に、割り当てたメモリ量を使用可能なメモリ量Mから減算する(S305)。
【0034】
このように番号Nの画像処理制御モジュールの差分管理のためのメモリの割当処理を行った後、次の番号の画像処理制御モジュールの差分管理のためのメモリの割当処理を行うために、番号Nに1を加算する(S306)。
他方、番号Nの画像処理制御モジュールの差分管理を行うために必要なメモリ量が使用可能なメモリ量Mを超えるときは(S303:NO)、当該画像処理制御モジュールの差分管理ためのメモリの割当処理を行うことが出来ないので、差分管理ためのメモリの割当処理は行わず、次の番号の画像処理制御モジュールに移行する(S306)。
【0035】
次に、すべての画像処理制御モジュールに対する1セット分のメモリ割り当てが完了したか否かの判断を行い(S307)、まだ完了していない画像処理制御モジュールがあるときは(S307:NO)、ステップS303からの処理を繰り返し行い、すべての画像処理制御モジュールの差分管理用のメモリ割当処理を行う。
【0036】
すべての画像処理制御モジュールへの1セット分の差分管理用メモリの割り当てが完了したとき(S307:YES)、使用可能な残りメモリ量Mが差分管理に必要な最小メモリ量より大きいか否かを判断する(S308)。
使用可能な残りメモリ量Mが差分管理に必要な最小メモリ量よりも大きいときは(S308:NO)、ステップS302からの処理を繰り返し、画像処理制御モジュール毎に2セット目の差分管理用メモリの割り当てを行う。
使用可能な残りメモリ量Mが差分管理に必要な最小メモリ量よりも小さいときは(S308:YES)、処理を終了する。
ここで、必要な最小メモリ量は、図3の画像処理制御モジュール毎の必要メモリ量の最小値である。
【0037】
なお、文字モードの使用頻度が高い場合には、例えば、図11のテーブル7、即ち複数セットの制御要因の組合せ情報の文字モードの使用頻度に基づいた優先順位パラメータを示したテーブルT7、で示したマスキング係数、スキャナγの文字モード用のパラメータを常に保持して、再使用することができる。
【0038】
また、上記の複数の制御要因の組み合わせとその制御要因の内容に対応する画質パラメータを保持する場合において、既に述べたように、制御要因の組合せ情報の一つとして原稿の表面、裏面を区別するよう原稿面を制御要因とすることができる。この場合には、第1セットの差分管理用メモリには、原稿面が表面を対象とする制御要因と対応する画質パラメータを格納し、第2セットの差分管理用メモリには、原稿面が裏面の場合のみの制御要因と対応する画質パラメータを格納する。
【0039】
本実施形態によれば、前回の処理制御内容の保持だけではなく、前回以前の処理制御内容も含めて複数の画質パラメータを保持しておいて、同じ制御要因のときに再使用することで、画質パラメータを再度計算する頻度が下がり、画像処理の速度、したがってそのパフォーマンスを向上することができる。また、原稿の表裏面のように、表面、裏面を区別できる2セットのパラメータを格納して、差分管理することで、便利かつ高速な画像処理制御が実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【特許文献1】特開2003−308214号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の画像処理制御装置、画像処理制御装置を備えた画像形成装置及び画像処理制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル方式の複写機、スキャナ、プリンタなどの画像形成装置においては、画像品質を高めるために、操作部に設定される画像処理制御における各制御要因の組合せ情報に応じて、例えば、色補正や階調処理などの各画像処理制御モジュール毎に最適となる画質パラメータを画像処理制御ソフトで算出し、算出した画質パラメータを画像処理デバイスに設定して画像処理を行っている。
しかし、この方法では、各制御要因の組合せ情報に応じた最適な画質パラメータを計算し画像処理デバイスに設定するための処理時間が必要であり、そのため、高速な制御を実現することが難しいという問題がある。
なお、制御要因は、主に操作部から設定される設定内容と対応するものであって、例えば「原稿モード(その選択項目として文字モード、写真モード、複写原稿モード)」、「濃度ノッチ(同、濃く、薄くの段階的選択)」、「カラーモード(同、フルカラー、モノクロ、2色モード)」、「カラー調整(同、マゼンタをシアンによる調整など)」、「自動濃度(同、ON/OFFの選択)」等がある。したがって、ここで「制御要因の組合せ情報」は、上記の複数の制御要因の選択項目が組み合わさった情報をいう。
【0003】
そこで、プログラムやデータ、レジストなどの制御に関するパフォーマンス(性能)を考慮し、必要最低限の設定制御により、パフォーマンスを最適にする画像処理制御装置が提案されている。一例として、特許文献1には、設定プログラム番号や、設定レジスタ番号などのプログラムデバイスの制御管理を行う設定番号(パラメータ)を差分管理(制御要因の組合せ情報に基づく最適な画質パラメータをメモリに保持しておき、それを同じ制御要因の組合せ情報に基づく制御において、再度使用できるようにした管理)しておき、設定を行う必要の無いパラメータはその設定を省略し、必要最低限の設定制御を行うことで、画像処理制御ソフトの処理時間を短縮する画像処理制御装置が記載されている(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている画像処理制御装置は、制御に必要な処理時間を短縮することができるが、画質パラメータを保持しておくためのメモリが使用可能であることが上記差分管理の前提となるため、差分管理を行うために必要なメモリを事前に確認してからでないと、上記画質パラメータの差分管理の手法は採用できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、画質パラメータを差分管理する画像処理制御装置において、画質パラメータの保持のために使用できるメモリ量の事前確認を行うことなく差分管理を行えるようにすることで、画像処理制御を高速化し装置のパフォーマンスを向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、画像処理制御のための制御要因の組合せ情報に応じて、当該画像処理制御のための画質パラメータを画像処理制御モジュール毎に算出し、算出した画質パラメータに基づき当該画像処理制御モジュールの画像処理制御を行う画像処理制御装置であって、前記制御要因の組合せ情報と前記制御要因の組合せ情報に応じて算出した画質パラメータを保持する保持手段と、前記制御要因の組合せ情報と前記算出した画質パラメータを、前記保持手段の使用可能なメモリ量に応じて画像処理制御モジュール毎に配分するメモリ配分手段と、前記画像処理制御モジュールにおいて、前記画像処理制御の内容と同じ内容の画像処理制御を行うときは前記画質パラメータの計算を行わず、前記保持手段に保持された前記画像処理制御に関する画質パラメータを使用して画像処理制御を行う差分管理手段と、を備えたことを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像処理制御装置において、前記メモリ配分手段は、使用可能なメモリ量と画像処理制御モジュール毎に処理制御を差分管理で行うために必要なメモリ量とに基づき、前記使用可能なメモリ量を配分する手段であることを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理制御装置において、前記メモリ配分手段は、前記画像処理制御モジュール毎にその処理制御に必要な処理量と前記処理制御を差分管理で行うために必要なメモリ量から速度向上効率を算出し、算出した速度向上効率に基づく優先度にしたがって、前記使用可能なメモリ量を配分することを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理制御装置において、前記画像処理制御モジュール毎にその処理制御が行われる頻度を検出する頻度検出手段を備え、前記メモリ配分手段は、前記処理制御が行われる頻度に基づく優先度にしたがって前記画像処理制御モジュールに前記使用可能なメモリ量を配分することを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項5の発明は、請求項1又は2に記載された画像処理制御装置において、前記保持手段は、前記画像処理制御モジュールにおける複数セットの制御要因の組合せ情報と、前記複数セットの制御要因の組合せ情報に対応した画質パラメータを複数セット保持することを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項6の発明は、請求項5に記載された画像処理制御装置において、前記保持手段は、前回の画像処理制御の内容である画像処理制御の制御要因の組合せ情報と当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータの1セットと、その処理制御が行われる頻度が高い処理に対応した制御要因の組合せ情報と、当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータである別の1セットを保持することを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項7の発明は、請求項5に記載された画像処理制御装置において、前記保持手段は、原稿の表面の画像処理を行うための制御要因の組合せ情報と、当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータの1セットと、原稿の裏面の画像処理を行うための制御要因の組合せ情報と、当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータの別の1セットを保持することを特徴とする画像処理制御装置である。
請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載された画像処理制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項9の発明は、画像処理制御のための制御要因の組合せ情報に応じて、当該画像処理制御のための画質パラメータを画像処理制御モジュール毎に算出し、算出した画質パラメータに基づき当該画像処理制御モジュールの画像処理制御を行う画像処理制御方法であって、前記制御要因の組合せ情報と前記算出した画質パラメータを保持する工程と、前記制御要因の組合せ情報と前記算出した画質パラメータを、前記保持手段の使用可能なメモリ量に応じて前記保持手段に画像処理制御モジュール毎に配分するメモリ配分工程と、画像処理制御モジュールにおいて、前記画像処理制御の内容と同じ内容の画像処理制御を行うときは前記画質パラメータの計算を行わず、前記保持手段に保持された当該画像処理制御モジュールの画像処理制御に関する画質パラメータを使用して画像処理制御を行う差分管理工程と、を有することを特徴とする画像処理制御方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画質パラメータを差分管理する画像処理制御装置において、差分管理のために使用できるメモリの確保の事前確認を必要せずに、画質パラメータの保持のために使用できるメモリ量に応じて差分管理を行い、制御に必要な処理時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態の画像処理制御モジュール毎の制御要因の組合せ情報の一例を示すテーブルT1を示す図である。
【図2】画像処理制御モジュール毎の処理量、必要メモリ量、速度向上効率の例を示したテーブルT2を示す図である。
【図3】画像処理制御モジュール番号Nの割り当ての例を示したテーブルT3を示す図である。
【図4】第1の実施形態の差分管理の動作の流れを示すフロー図である。
【図5】第2の実施形態の画像処理制御モジュール毎の制御要因の組合せ情報の一例を示すテーブルT4を示す図である。
【図6】画像処理制御モジュール番号Nの割り当ての例を示したテーブルT5を示す図である。
【図7】第2の実施形態の差分管理の動作の流れを示すフロー図である。
【図8】画像処理制御の制御要因の組合せ情報の例を示すテーブルT6を示す図である。
【図9】使用可能なメモリ量に応じて、2セットの制御要因の組合せ情報に対応して算出した画質パラメータを複数の差分管理用メモリに保持する例を示した図である。
【図10】第3の実施形態の画像処理制御装置の複数セットの制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータに対する画像処理制御モジュールへの差分管理の動作の流れを示すフロー図である。
【図11】複数セットの制御要因の組合せ情報の文字モードの使用頻度に基づいた優先順位パラメータを示したテーブルT7を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、添付した図面を参照して説明する。
本発明の画像処理制御装置は、デジタル画像を入力し、外部からの画像処理要求に従って、プログラムやデータの制御管理を行う際に、画質パラメータを差分管理することで、設定制御に要する時間を短縮して装置のパフォーマンスを最適にする。そのため、本実施形態は、画像処理制御のための制御要因の組合せ情報に基づく最適な画質パラメータを計算して求め、その画質パラメータを得るに必要な処理量を処理制御の種別毎に管理し、実際に確保できるメモリ量を上記処理制御の種別毎に配分して、差分管理を行う。
つまり、本実施形態では、画質パラメータを処理制御の種類別に保持手段であるメモリに保持して管理するため、差分管理のために実際に使用可能なメモリ量を画像処理制御モジュール毎に配分するメモリ配分手段と、保持している画質パラメータを再使用する制御(差分制御)を行う差分管理手段とを備え、この差分管理手段の画像処理制御の内容毎に差分管理手段の差分管理動作内容を決定する。
なお、ここで画像処理制御ソフトは、パラメータ算出手段である制御部のCPUによって実行され、保持手段である差分管理用メモリは、例えばHDD(ハードディスクドライブ)である。
【0010】
以下、画像処理制御モジュール毎に制御に必要となる上記処理量と、差分管理を行うために画質パラメータを保持するに必要なメモリ量の情報から、画像処理制御モジュール毎に差分管理動作内容を決定する処理について具体的に説明する。
【0011】
第1の実施形態
図1は、本実施形態の画像処理制御モジュール(ここでは、色補正、スキャナγ、プリンタγ、階調処理、フィルタ)毎に必要となる処理量(つまり、制御要因の組合せ情報に応じて最適となる画質パラメータを算出するに要する処理量)と差分管理を行うために画質パラメータを保持しておくための必要メモリ量の情報を示すテーブルT1を示す図である。テーブルT1に示すように、色補正の処理を行うための処理量は20、保持するための必要メモリ量は400である。なお、ここで処理量は複数の画像処理制御モジュール間の相対量として示されており、例えば、スキャナγの処理量8はフィルタの処理量1の8倍の処理量が必要とすることを示す。
上記の各画像処理制御モジュールの処理量と必要メモリ量から、次の式で速度向上効率を求めることができる。
速度向上効率=(処理量/必要メモリ量)×100
【0012】
図2は、テーブルT1の各画像処理制御モジュールの処理量と必要メモリ量を基に、速度向上効率を計算して格納した例を示したテーブルT2を示す図である。
ここで、速度向上効率は、処理量とその処理の結果を格納するに必要なメモリ量の比で表される。即ち、処理量に相対的に多く、しかしメモリ量が相対的に少ない設定処理はその速度向上効率が高いとされる。例えば、テーブルT2での色補正において、処理量は20、必要メモリ量は400であるので、速度向上効率を上記の式から求めると、(20/400)×100=5.0になる。同様に、スキャナγ、プリンタγなどにおいても、速度向上効率を求めてテーブルT2を差分管理用メモリに格納する。
【0013】
次に、上記のテーブルT2の情報から、各画像処理制御モジュールに速度向上効率の画像処理制御モジュール番号Nを割り当てる。速度向上効率が大きい順に画像処理制御モジュールに1から番号を順番に割り当て、N値が相対的に小さいほど、つまり速度向上効率が大きい順に優先的に差分管理用メモリが割り当てられるようにする。
【0014】
図3は、上記の画像処理制御モジュールの番号Nの割り当ての例を示したテーブルT3を示す図である。このテーブルT3では、色補正は速度向上効率が5.0で最も大きいので画像処理制御モジュールに番号N=1を割り当て、最も優先的にメモリの割り当てを行う。一方、フィルタの速度向上効率は0.5で最も小さいので、その画像処理制御モジュールに番号N=5を割り当て、5番目の優先順位で差分管理用のメモリの割り当てを行うことになる。
【0015】
次に、図3で示した画像処理制御モジュールの番号Nの情報を用いて画像処理制御モジュール毎に差分管理の動作を決定する。即ち、差分管理のために、算出した画質パラメータ(及び当該画像処理制御の制御要因の組合せ情報:以下同じ)のうち、どの画像処理制御モジュールのものを保持するかをその番号順(ここでは、速度向上効率が高い順)に決定し、決定に従ってその画質パラメータをメモリに割り当てる処理の手順について説明する。
図4は、本実施形態の画像処理制御モジュール毎に行う上記差分管理のためのメモリの割当処理の手順を示すフロー図である。
【0016】
図4において、まず、差分管理用に使用することが可能なメモリ量M、画像処理制御モジュール番号Nを取得する(S101)。次に、画像処理制御モジュール(番号N=1)の画質パラメータ、ここでは、図3に示すテーブルT3から最も優先度が高い画像処理制御モジュールである「色補正」に関する画像処理制御モジュールを取得し、色補正に関する画質パラメータの保持のための必要メモリ量と、現在の差分管理用に使用可能なメモリ量Mを比較する(S102)。画像処理制御モジュール番号1つまり「色補正」に関する画質パラメータの保持に必要なメモリ量が、差分管理用に使用することが可能なメモリ量Mより小さいとき(S102:YES)、番号1の画像処理制御モジュールにメモリを割り当てる(S103)。
次に、メモリ配分手段は、使用可能なメモリ量Mから、上記番号1の画像処理制御モジュールに割り当てたメモリ量を減算する(S104)。
【0017】
番号1の画像処理制御モジュールの画質パラメータの差分管理のためのメモリの割当が完了した後、次に、番号2の画像処理制御モジュールつまり第2優先順位の画像処理制御モジュールに対するメモリの割当処理を行うために、画像処理制御モジュール番号Nに1を加算し、番号2の画像処理制御モジュール、即ち「階調処理」に関する画質パラメータへのメモリの割当処理に移行する(S105)。
【0018】
一方、ステップS102で、番号1の画像処理制御モジュールの画質パラメータの差分管理を行うための必要メモリ量が使用可能なメモリ量Mを超えるときは(S102:NO)、番号1の画像処理制御モジュールへのメモリの割り当てを行わず、次の番号2の画像処理制御モジュールの画質パラメータのメモリ割当処理に移行する(S105)。
【0019】
ここで、全ての画像処理制御モジュールの画質パラメータに対するメモリ割り当てが完了したか否かを判断し(S106)、完了していない画像処理制御モジュールがあるときは(S106:NO)、ステップS102の処理から繰り返し、画像処理制御モジュールの差分管理用のメモリ割り当てを完了する。全ての画像処理制御モジュールのメモリ割り当てが完了すると(S106:YES)、処理を終了する。
【0020】
本実施形態では、メモリが使用できることを事前に確認しておかなくとも、使用可能なメモリ量とそのメモリ量で保持できる画質パラメータの保持量に応じて、速度向上効率の高い画像処理制御モジュールから順に、つまり優先度にしたがって、各画像処理制御モジュール毎に画質パラメータの差分管理のためのメモリを割り当てることができる。そのため、事前にメモリを確認する場合に比べて処理制御に必要な処理時間を大幅に短縮することができる。
【0021】
ところで、画像処理制御モジュールによっては、処理制御が頻繁に発生するモジュールとあまり頻繁に発生しないモジュールがある。そこで、画像処理制御モジュールの処理制御の頻度に応じて、差分管理の動作を決定して、画像処理制御効率を高めることができる。
以下、画像処理制御モジュール毎に制御に必要となる上記処理量と差分管理を行うためにその画像処理制御モジュールの制御要因の変更による画質パラメータ計算などの処理制御について、実際に発生した画像モジュールの使用頻度の情報から、画像処理制御モジュール毎の画質パラメータの差分管理のためのメモリの割当処理を説明する。
【0022】
第2の実施形態
図5は、本実施形態の使用頻度情報を備えた画像処理制御モジュール毎の制御要因の組合せ情報の他の例を示すテーブルT4を示す図である。即ち、テーブルT4には、画像処理制御モジュール毎の制御に必要となる最適な画質パラメータを取得するに必要な上記処理量と、それを保持するための必要メモリ量と、その画像処理制御モジュールがこれまで実際に制御を行った画質パラメータの使用頻度の情報が格納されている。なお、使用頻度は、複数のモジュール間の相対量として示されており、制御部のCPUの頻度検出手段により検出され、メモリに保持されている。テーブルT4は、例えばスキャナγの使用頻度30はプリンタγの使用頻度15の2倍の割合で処理制御が行われたことを表している。
この場合は、画像処理制御モジュール番号Nは、テーブルT4に格納された上記情報に基づき使用頻度の高い順につまり1から順に数字が割り当てられる。
【0023】
図6は、画像処理制御モジュール番号Nの割り当ての例を示したテーブルT5を示す図である。テーブルT5に示すように、使用頻度が1番高い色補正に画像処理制御モジュール番号N=1を割り当てるよう、優先的に差分管理動作を決定する。
なお、本実施形態の画像処理制御モジュールの差分管理用メモリの割り当て処理の手順は、第一の実施形態のフロー図(図4)の処理手順と同様に、画像処理制御モジュール番号Nの順番に基づき、画像処理制御モジュールへの差分管理用メモリ割り当てを行う。次に、その処理の手順について図7を参照して説明する。
【0024】
図7は、本実施形態の画像処理制御モジュール毎に行う上記差分管理のためのメモリの割当処理の手順を示すフロー図である。
図7において、まず、差分管理用に使用可能なメモリ量M、及び画像処理制御モジュール番号Nを取得する(S201)。次に、使用頻度に基づいて決定された最優先番号1の画像処理制御モジュールの画質パラメータを保持するのに必要メモリ量が、現在使用可能なメモリ量Mより小さいか否かを判断し(S202)、小さいときは(S202:YES)、番号1の画像処理制御モジュールにメモリを割り当てた後(S203)、使用可能なメモリ量Mから上記割り当てたメモリ量を減算し(S204)、画像処理制御モジュール番号Nに1を加算して(S205)、次の番号2の画像処理制御モジュール(ここではフィルタ)の画質パラメータを保持するのに必要なメモリ割り当てを行う(S206)。
【0025】
本実施形態によれば、処理制御の実際発生した頻度に応じて、つまり使用頻度が高い画像処理制御モジュールに対する差分管理のためのメモリの割当処理を行うため、差分管理用メモリの使用可能メモリ量が不十分であっても、使用頻度が高い画像処理制御モジュールから優先的にメモリに格納することができ、頻繁に発生する画像処理制御モジュールの処理制御を省略することができ、処理制御時間を短縮することができる。
【0026】
ところで、差分管理用メモリに余裕がある場合には、メモリを複数セットに構成し、同じ画像処理制御モジュールに複数の画質パラメータを保持するよう構成することができる。例えば、前回の処理制御内容の保持だけではなく、前回以前の処理制御内容も含めて複数の画質パラメータを保持しておいて、同じ制御要因の組合せ情報に対して、これを再使用すれば、全体として画質パラメータを再度計算する頻度が下がるため、一層高速な処理制御が可能である。
その場合は、例えば、メモリの1セットは前回の動作内容の制御要因についての画質パラメータを保持し、他のメモリには、前回以前の処理制御に用いた画質パラメータを保持しておくことができる。
また、他の例では、メモリの1セットは前回の処理制御に用いた画質パラメータとし、他の1セットは、例えば処理制御が行われる頻度が高い処理に対応した制御要因の組み合わせ情報の処理に対応して算出した画質パラメータとしてもよい。
更に、例えば、メモリの1セットは原稿の表面の画像処理を行うための画質パラメータを保持し、他の1セットは原稿の裏面の画像処理を行うための画質パラメータを保持するようにしてもよい。
次に、以上で説明した、画像処理制御の制御要因の組合せ情報を複数セット保持する場合の処理について説明する。
【0027】
第3の実施形態
図8は、画像処理制御の制御要因の組合せ情報に基づくパラメータ(ここでは、マスキング係数、スキャナγが異なる制御要因の組合せ情報(例えば、原稿の表と裏)を持つ)を示すテーブルT6を示す図である。
即ち、テーブルT6に示すように、制御要因の組合せ情報に対応して算出した画質パラメータを差分管理用メモリに複数セット保持する。例えば、テーブルT6では、マスキング係数とスキャナγは2セットの画質パラメータを保持し、プリンタγ、諧調処理、フィルタに関しては1セットの画質パラメータを差分管理用メモリに保持する。
【0028】
図9は、使用可能なメモリ量に応じて、2セットの制御要因の組合せ情報に対応して算出した画質パラメータを、複数の差分管理用メモリに保持する例を示した図である。
【0029】
まず図9Aにおいて、制御要因の組合せ1では、各画像処理制御モジュールの画質パラメータ1を計算して、画像処理制御モジュール毎に使用可能であるメモリ1に格納する。図9Bでは、制御要因の組合せ1の同じ内容の処理制御を行う際に、上記メモリ1に格納されている制御要因の組合せ1の各画像処理制御モジュールの画質パラメータ1を再使用することができる。
【0030】
図9Cでは、制御要因の組合せ2では、各画像処理制御モジュールの画質パラメータ2を計算して、メモリ2に格納する。しかし、メモリ2には十分な使用可能のメモリ量がないため、ここでは、その使用可能なメモリ量に応じて、マスキング係数パラメータ2とスキャナγパラメータ2はメモリ2へ、フィルタパラメータ2、階調処理パラメータ2、プリンタγパラメータ2は使用可能であるメモリ1に格納する。
【0031】
図9Dでは、制御要因の組合せ2を再使用するとき、マスキング係数パラメータ2及びスキャナγパラメータ2は上記で保持したメモリ2から再使用し、フィルタパラメータ2、階調処理パラメータ2、プリンタγパラメータ2はメモリ1から再使用する。
【0032】
次に、複数セットの制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータ(例えば、原稿面が表面の場合のみの制御要因と対応する画質パラメータと、原稿面が裏面の場合のみの制御要因と対応する画質パラメータ)に対するメモリ割り当て処理について説明する。
図10は、本実施形態の画像処理制御装置の複数セットの制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータに対する画像処理制御モジュールへの差分管理ためのメモリ割り当て処理の手順を示すフロー図である。
図10において、まず、差分管理用に使用することが可能なメモリ量Mを取得し(S301)、画像処理制御モジュールのモジュール番号(ここでは、上記実施形態について説明したどの優先度に基づくものであってもよい)を取得する(S302)。
【0033】
次に、画像処理制御モジュール番号Nの差分管理を行うために必要なメモリ量と使用可能なメモリ量Mを比較し(S303)、画像処理制御モジュール番号Nの差分管理を行うために必要なメモリ量が使用可能なメモリ量Mより少なければ(S303:YES)、画像処理制御モジュール番号Nの差分管理のためのメモリの割り当てが可能なので、画像処理制御モジュール番号Nに1セット分の差分管理で使用するメモリ量を追加する(S304)。次に、割り当てたメモリ量を使用可能なメモリ量Mから減算する(S305)。
【0034】
このように番号Nの画像処理制御モジュールの差分管理のためのメモリの割当処理を行った後、次の番号の画像処理制御モジュールの差分管理のためのメモリの割当処理を行うために、番号Nに1を加算する(S306)。
他方、番号Nの画像処理制御モジュールの差分管理を行うために必要なメモリ量が使用可能なメモリ量Mを超えるときは(S303:NO)、当該画像処理制御モジュールの差分管理ためのメモリの割当処理を行うことが出来ないので、差分管理ためのメモリの割当処理は行わず、次の番号の画像処理制御モジュールに移行する(S306)。
【0035】
次に、すべての画像処理制御モジュールに対する1セット分のメモリ割り当てが完了したか否かの判断を行い(S307)、まだ完了していない画像処理制御モジュールがあるときは(S307:NO)、ステップS303からの処理を繰り返し行い、すべての画像処理制御モジュールの差分管理用のメモリ割当処理を行う。
【0036】
すべての画像処理制御モジュールへの1セット分の差分管理用メモリの割り当てが完了したとき(S307:YES)、使用可能な残りメモリ量Mが差分管理に必要な最小メモリ量より大きいか否かを判断する(S308)。
使用可能な残りメモリ量Mが差分管理に必要な最小メモリ量よりも大きいときは(S308:NO)、ステップS302からの処理を繰り返し、画像処理制御モジュール毎に2セット目の差分管理用メモリの割り当てを行う。
使用可能な残りメモリ量Mが差分管理に必要な最小メモリ量よりも小さいときは(S308:YES)、処理を終了する。
ここで、必要な最小メモリ量は、図3の画像処理制御モジュール毎の必要メモリ量の最小値である。
【0037】
なお、文字モードの使用頻度が高い場合には、例えば、図11のテーブル7、即ち複数セットの制御要因の組合せ情報の文字モードの使用頻度に基づいた優先順位パラメータを示したテーブルT7、で示したマスキング係数、スキャナγの文字モード用のパラメータを常に保持して、再使用することができる。
【0038】
また、上記の複数の制御要因の組み合わせとその制御要因の内容に対応する画質パラメータを保持する場合において、既に述べたように、制御要因の組合せ情報の一つとして原稿の表面、裏面を区別するよう原稿面を制御要因とすることができる。この場合には、第1セットの差分管理用メモリには、原稿面が表面を対象とする制御要因と対応する画質パラメータを格納し、第2セットの差分管理用メモリには、原稿面が裏面の場合のみの制御要因と対応する画質パラメータを格納する。
【0039】
本実施形態によれば、前回の処理制御内容の保持だけではなく、前回以前の処理制御内容も含めて複数の画質パラメータを保持しておいて、同じ制御要因のときに再使用することで、画質パラメータを再度計算する頻度が下がり、画像処理の速度、したがってそのパフォーマンスを向上することができる。また、原稿の表裏面のように、表面、裏面を区別できる2セットのパラメータを格納して、差分管理することで、便利かつ高速な画像処理制御が実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【特許文献1】特開2003−308214号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理制御のための制御要因の組合せ情報に応じて、当該画像処理制御のための画質パラメータを画像処理制御モジュール毎に算出し、算出した画質パラメータに基づき当該画像処理制御モジュールの画像処理制御を行う画像処理制御装置であって、
前記制御要因の組合せ情報と前記制御要因の組合せ情報に応じて算出した画質パラメータを保持する保持手段と、
前記制御要因の組合せ情報と前記算出した画質パラメータを、前記保持手段の使用可能なメモリ量に応じて画像処理制御モジュール毎に配分するメモリ配分手段と、
前記画像処理制御モジュールにおいて、前記画像処理制御の内容と同じ内容の画像処理制御を行うときは前記画質パラメータの計算を行わず、前記保持手段に保持された前記画像処理制御に関する画質パラメータを使用して画像処理制御を行う差分管理手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像処理制御装置において、
前記メモリ配分手段は、使用可能なメモリ量と画像処理制御モジュール毎に処理制御を差分管理で行うために必要なメモリ量とに基づき、前記使用可能なメモリ量を配分する手段であることを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された画像処理制御装置において、
前記メモリ配分手段は、前記画像処理制御モジュール毎にその処理制御に必要な処理量と前記処理制御を差分管理で行うために必要なメモリ量から速度向上効率を算出し、算出した速度向上効率に基づく優先度にしたがって、前記使用可能なメモリ量を配分することを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載された画像処理制御装置において、
前記画像処理制御モジュール毎にその処理制御が行われる頻度を検出する頻度検出手段を備え、
前記メモリ配分手段は、前記処理制御が行われる頻度に基づく優先度にしたがって前記画像処理制御モジュールに前記使用可能なメモリ量を配分することを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載された画像処理制御装置において、
前記保持手段は、前記画像処理制御モジュールにおける複数セットの制御要因の組合せ情報と、前記複数セットの制御要因の組合せ情報に対応した画質パラメータを複数セット保持することを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載された画像処理制御装置において、
前記保持手段は、前回の画像処理制御の内容である画像処理制御の制御要因の組合せ情報と当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータの1セットと、その処理制御が行われる頻度が高い処理に対応した制御要因の組合せ情報と、当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータである別の1セットを保持することを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項7】
請求項5に記載された画像処理制御装置において、
前記保持手段は、原稿の表面の画像処理を行うための制御要因の組合せ情報と、当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータの1セットと、原稿の裏面の画像処理を行うための制御要因の組合せ情報と、当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータの別の1セットを保持することを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載された画像処理制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
画像処理制御のための制御要因の組合せ情報に応じて、当該画像処理制御のための画質パラメータを画像処理制御モジュール毎に算出し、算出した画質パラメータに基づき当該画像処理制御モジュールの画像処理制御を行う画像処理制御方法であって、
前記制御要因の組合せ情報と前記算出した画質パラメータを保持する工程と、
前記制御要因の組合せ情報と前記算出した画質パラメータを、前記保持手段の使用可能なメモリ量に応じて前記保持手段に画像処理制御モジュール毎に配分するメモリ配分工程と、
画像処理制御モジュールにおいて、前記画像処理制御の内容と同じ内容の画像処理制御を行うときは前記画質パラメータの計算を行わず、前記保持手段に保持された当該画像処理制御モジュールの画像処理制御に関する画質パラメータを使用して画像処理制御を行う差分管理工程と、
を有することを特徴とする画像処理制御方法。
【請求項1】
画像処理制御のための制御要因の組合せ情報に応じて、当該画像処理制御のための画質パラメータを画像処理制御モジュール毎に算出し、算出した画質パラメータに基づき当該画像処理制御モジュールの画像処理制御を行う画像処理制御装置であって、
前記制御要因の組合せ情報と前記制御要因の組合せ情報に応じて算出した画質パラメータを保持する保持手段と、
前記制御要因の組合せ情報と前記算出した画質パラメータを、前記保持手段の使用可能なメモリ量に応じて画像処理制御モジュール毎に配分するメモリ配分手段と、
前記画像処理制御モジュールにおいて、前記画像処理制御の内容と同じ内容の画像処理制御を行うときは前記画質パラメータの計算を行わず、前記保持手段に保持された前記画像処理制御に関する画質パラメータを使用して画像処理制御を行う差分管理手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像処理制御装置において、
前記メモリ配分手段は、使用可能なメモリ量と画像処理制御モジュール毎に処理制御を差分管理で行うために必要なメモリ量とに基づき、前記使用可能なメモリ量を配分する手段であることを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された画像処理制御装置において、
前記メモリ配分手段は、前記画像処理制御モジュール毎にその処理制御に必要な処理量と前記処理制御を差分管理で行うために必要なメモリ量から速度向上効率を算出し、算出した速度向上効率に基づく優先度にしたがって、前記使用可能なメモリ量を配分することを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載された画像処理制御装置において、
前記画像処理制御モジュール毎にその処理制御が行われる頻度を検出する頻度検出手段を備え、
前記メモリ配分手段は、前記処理制御が行われる頻度に基づく優先度にしたがって前記画像処理制御モジュールに前記使用可能なメモリ量を配分することを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載された画像処理制御装置において、
前記保持手段は、前記画像処理制御モジュールにおける複数セットの制御要因の組合せ情報と、前記複数セットの制御要因の組合せ情報に対応した画質パラメータを複数セット保持することを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載された画像処理制御装置において、
前記保持手段は、前回の画像処理制御の内容である画像処理制御の制御要因の組合せ情報と当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータの1セットと、その処理制御が行われる頻度が高い処理に対応した制御要因の組合せ情報と、当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータである別の1セットを保持することを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項7】
請求項5に記載された画像処理制御装置において、
前記保持手段は、原稿の表面の画像処理を行うための制御要因の組合せ情報と、当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータの1セットと、原稿の裏面の画像処理を行うための制御要因の組合せ情報と、当該制御要因の組合せ情報に応じた画質パラメータの別の1セットを保持することを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載された画像処理制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
画像処理制御のための制御要因の組合せ情報に応じて、当該画像処理制御のための画質パラメータを画像処理制御モジュール毎に算出し、算出した画質パラメータに基づき当該画像処理制御モジュールの画像処理制御を行う画像処理制御方法であって、
前記制御要因の組合せ情報と前記算出した画質パラメータを保持する工程と、
前記制御要因の組合せ情報と前記算出した画質パラメータを、前記保持手段の使用可能なメモリ量に応じて前記保持手段に画像処理制御モジュール毎に配分するメモリ配分工程と、
画像処理制御モジュールにおいて、前記画像処理制御の内容と同じ内容の画像処理制御を行うときは前記画質パラメータの計算を行わず、前記保持手段に保持された当該画像処理制御モジュールの画像処理制御に関する画質パラメータを使用して画像処理制御を行う差分管理工程と、
を有することを特徴とする画像処理制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−39396(P2012−39396A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177896(P2010−177896)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]