画像処理用部品データ作成方法及び画像処理用部品データ作成装置
【課題】 部品の種類に応じた適切な部品データを自動的に作成できるようにする。
【解決手段】 画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データを取り込み、この部品の画像データから当該部品の特徴を表す部分のデータ(以下「特徴データ」という)を抽出する。この特徴データには、水平方向と垂直方向のピクセル頻度とゼロクロスパターン頻度のデータが含まれる。この後、抽出した特徴データをリファレンス用部品データのデータベースの特徴データと比較して両者が最も一致する部品の種類を自動判別する。判別した部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の画像処理用部品データ(ボディ、リード、バンプ等の位置やサイズ等のデータ)を抽出する。この後、抽出した部品の画像処理用部品データを画像処理用部品データのデータベースに当該部品の種類と関連付けて保存する。
【解決手段】 画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データを取り込み、この部品の画像データから当該部品の特徴を表す部分のデータ(以下「特徴データ」という)を抽出する。この特徴データには、水平方向と垂直方向のピクセル頻度とゼロクロスパターン頻度のデータが含まれる。この後、抽出した特徴データをリファレンス用部品データのデータベースの特徴データと比較して両者が最も一致する部品の種類を自動判別する。判別した部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の画像処理用部品データ(ボディ、リード、バンプ等の位置やサイズ等のデータ)を抽出する。この後、抽出した部品の画像処理用部品データを画像処理用部品データのデータベースに当該部品の種類と関連付けて保存する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理用の部品データを作成する画像処理用部品データ作成方法及び画像処理用部品データ作成装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子部品実装機で使用する画像処理用の部品データは、画像処理の対象となる部品種類毎に作成する必要がある。従来の画像処理用部品データの作成手順は、図31に示すように、まず、作業者が部品データ作成の対象となる部品の種類を見て判断して、その部品の種類に応じた適切な画像処理アルゴリズムを選択し(手順1)、更に、作業者が部品の種類に応じて部品の形状(ボディ、リード、バンプ等)のデータを手入力する(手順2)。その上で、当該部品を実際にカメラで撮像して画像処理テストを行ってみて(手順3)、画像処理が正しく行えるか否かを確認し(手順4)、画像処理が正しく行えなければ、作業を最初からやり直す。これにより、画像処理が正しく行えるまで、上記手順1から手順3までの作業を繰り返して、部品データを作成する。
【0003】
このように、従来の画像処理用部品データの作成方法では、部品の種類の判別、画像処理アルゴリズムの選択、部品の形状データ入力、画像処理テスト等の作業を作業者が手作業で行わなければならず(画像処理テストの結果次第では1つの部品データを作成するのにこれらの作業を何回も繰り返して行わなければならず)、その結果、画像処理用部品データの作成のために多くの作業時間と多くの知識・経験を必要とするという欠点があった。
【0004】
そこで、特許文献1(特許第2941617号公報)、特許文献2(特開平9−44686号公報)に示すように、部品データの作成を自動化する技術が提案されている。
【0005】
特許文献1には、電子部品実装機の吸着ノズルに吸着した部品の吸着姿勢の良否を判定するための部品データの自動作成方法が記載されている。この特許文献1の部品データの自動作成方法では、部品データとして、部品の各部の寸法、リード本数、リード間隔等のデータが画像処理により演算される。
【0006】
また、特許文献2には、部品の位置を認識するためのデータの自動作成方法が記載されている。この特許文献2の部品データの自動作成方法では、部品の画像の輪郭線を抽出して、部品の各辺毎に各コーナ部のエッジ端点の位置を求めて、部品の基本概略形状の各辺の形状と各コーナ部の形状を求めて、これらのデータを部品位置認識データとして用いるようにしている。
【特許文献1】特許第2941617号公報(第3頁、図3等)
【特許文献2】特開平9−44686号公報(第1頁等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1,2の手法では、部品データを作成する際に、部品の種類を自動的に判別することができないため、部品の種類に応じた適切な画像処理アルゴリズムを選択して部品データを作成することができない。このため、様々な種類の部品の画像データを、同じ画像処理アルゴリズムで処理して部品データを作成することになるため、部品の種類に応じた適切な部品データを作成できないという欠点があった。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、部品の種類に応じた適切な部品データを自動的に作成できる画像処理用部品データ作成方法及び画像処理用部品データ作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データを取り込んで、当該部品の画像データから当該部品の種類を判別し、判別した部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出して画像処理用部品データを作成するようにしたものである。
【0010】
本発明によれば、部品の画像データから当該部品の種類を判別するようにしているので、判別した部品の種類に応じた適切な画像処理アルゴリズムを選択して、部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを自動的に抽出することができ、部品の種類に応じた適切な部品データを自動的に作成できる。
【0011】
この場合、予め、部品種類毎にリファレンス用の部品の画像データを取り込んで各部品の特徴を表すデータを抽出して、部品種類毎に部品の特徴を表すデータを記憶したデータベースを作成しておき、部品種類判別処理では、新たに取り込んだ部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出し、抽出したデータを前記データベースのデータと比較して両者が最も一致する部品の種類を判別するようにすると良い。このようにすれば、部品種類の判別精度を向上させることができる。
【0012】
また、部品の特徴を表すデータとしては、部品全体に亘る形状の特徴を表すのに適したデータ、例えば、水平方向と垂直方向のピクセル頻度及び/又はゼロクロスパターン頻度のデータを含むようにすると良い。ここで、ピクセル頻度とは、所定のしきい値以上のグレー値を持つピクセルの出現頻度であり、ゼロクロスパターン頻度とは、しきい値より小さいグレー値から大きいグレー値に変化する点、または、しきい値より大きいグレー値から小さいグレー値に変化する点を意味する。ピクセル頻度やゼロクロスパターン頻度を用いれば、部品の特徴を精度良く表すデータを抽出することができる。これにより、あらゆる部品の種類を判別することが可能となり、適切な画像処理アルゴリズムと部品データを選択、作成することができる。
【0013】
更に、部品種類判別処理で、動的計画法(Dynamic Programming) によるマッチング手法(略称:DPマッチング)を用いて部品の種類を判別するようにすると良い。DPマッチングは、代表的な伸縮マッチング手法であり、部品データ間の類似度を能率良く且つ精度良く演算することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した一実施例を説明する。
図1に示すように、画像処理用部品データ作成装置は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ11と、部品の画像データを取り込むためのカメラ等の画像データ取り込み手段12と、キーボード、マウス等の入力装置13と、液晶ディスプレイ、CRT等の表示装置14と、後述するプログラムやデータ等を記憶する記憶装置15を備えた構成となっている。コンピュータ11は、後述する画像処理用の各プログラムを実行することで、画像データ取り込み手段12で取り込んだ部品の画像データから当該部品の種類を判別する部品種類判別手段と、判別した部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出して画像処理用部品データを作成する部品データ作成手段として機能する。以下、このコンピュータ11が実行する画像処理用の各プログラムの処理内容を説明する。
【0015】
図2の部品データ作成プログラムが起動されると、まずステップ101で、作業者が入力装置13を操作して部品データ作成開始を指示するまで待機する。その後、作業者が部品データ作成開始を指示した時点で、ステップ102に進み、画像データ取り込み手段12を用いて、画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データを取り込む。
【0016】
この後、ステップ103に進み、取り込んだ部品の画像データから当該部品の特徴を表す部分のデータ(以下「特徴データ」という)を抽出する。この特徴データには、後述する水平方向と垂直方向のピクセル頻度とゼロクロスパターン頻度のデータが含まれる。その後、抽出した特徴データを記憶装置15に格納されたリファレンス用部品データのデータベースの特徴データと比較して両者が最も一致する部品の種類を自動判別する。これにより、部品の種類に応じて画像処理アルゴリズムを選択する処理の自動化が可能となる。この部品種類の判別は、後述する動的計画法(Dynamic Programming) によるマッチング手法(略称:DPマッチング)を用いて行われる。尚、リファレンス用部品データのデータベースは、後述する図3のデータベース作成プログラムによって作成される。
【0017】
この後、ステップ104に進み、判別した部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の画像処理用部品データ(ボディ、リード、バンプ等の位置やサイズ等のデータ)を抽出する。
【0018】
この後、ステップ105に進み、抽出した画像処理用部品データを、記憶装置15に格納されている画像処理用部品データのデータベースに当該部品の種類と関連付けて保存する。
【0019】
図3のデータベース作成プログラムは、リファレンス用部品データのデータベースを作成するプログラムである。本プログラムが起動されると、まずステップ201で、画像データ取り込み手段12を用いてリファレンス用の部品の画像データを取り込む。
【0020】
この後、ステップ202に進み、特徴データ抽出プログラムを実行して、後述する方法で、リファレンス用の部品の画像データから当該部品の特徴を表す部分(ボディ、リード、バンプ等)の特徴データを抽出する。この際、特徴データとして、部品全体に亘る形状の特徴を表すのに適したデータである、水平方向と垂直方向のピクセル頻度とゼロクロスパターン頻度を計算する。
【0021】
この後、ステップ203に進み、抽出したリファレンス用部品の特徴データ(水平方向と垂直方向のピクセル頻度とゼロクロスパターン頻度のパターン)を、記憶装置15に格納されているリファレンス用部品データのデータベースに当該部品の種類と関連付けて保存する。
【0022】
図4の部品種類判別プログラムは、前記図2の部品データ作成プログラムのステップ102〜103の処理を実行するプログラムである。本プログラムが起動されると、まずステップ301で、画像データ取り込み手段12を用いて、画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データを取り込む。
【0023】
この後、ステップ302に進み、上記図3のデータベース作成プログラムのステップ202と同じく、特徴データ抽出プログラムを実行して、画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データから当該部品の特徴を表す部分(ボディ、リード、バンプ等)の特徴データを抽出する。この際、特徴データとして、水平方向と垂直方向のピクセル頻度とゼロクロスパターン頻度を計算する。
【0024】
この後、ステップ303に進み、画像処理用部品データの作成対象となる部品の特徴データを記憶装置15に格納されたリファレンス用部品データのデータベースの特徴データと比較して両者が最も一致する部品の種類を自動判別する。この際、後述する動的計画法(Dynamic Programming) によるマッチング手法(略称:DPマッチング)を用いて部品の種類を判別する。
【0025】
図5のピクセル頻度算出プログラムは、前記図2のステップ103、図3のステップ202及び図4のステップ302で実行されるプログラムであり、次のようにしてピクセル頻度を算出する。本プログラムが起動されると、まずステップ401で、部品の画像データを読み込む。この後、ステップ402に進み、表示装置14の画面全体の画像から部品部分のブロック(部品存在範囲)を切り出す。この部品部分のブロックを切り出しに関しては、作業者が表示装置14の画面に表示された部品の画像を見て入力装置13を操作して部品部分のブロックを切り出しても良いし、図7の部品部分ブロック切り出しプログラムを実行して部品部分のブロックを自動的に切り出すようにしても良い。
【0026】
この図7の部品部分ブロック切り出しプログラムでは、まずステップ501で、画像全体のヒストグラムを求め、判別分析法によりしきい値を算出する。この後、ステップ502に進み、画像を水平・垂直方向に走査して、しきい値以上のグレー値を持つピクセルの出現頻度を計数し、水平方向と垂直方向のピクセル頻度グラフを作成する。
【0027】
この後、ステップ503に進み、水平方向と垂直方向のピクセル頻度グラフをガウシアンフィルタで平滑化した後、ステップ504に進み、水平方向と垂直方向のピクセル頻度グラフの中で、ピクセル頻度が所定頻度以上となる範囲を部品部分のブロック(部品存在範囲)と決定して切り出す。
【0028】
部品部分のブロックの切り出し後、図5のステップ403に進み、基準座標(XY座標)に対する部品部分のブロックの回転角度を算出し、部品部分のブロックの横方向と縦方向を基準座標の水平方向(X方向)と垂直方向(Y方向)に一致させるように回転補正を行う。この回転補正に関しては、作業者が表示装置14の画面に表示された部品の画像を見て部品の回転角度を判断し、入力装置13を操作して部品の回転角度を補正しても良いし、後述する方法で部品部分のブロックの回転角度を自動的に補正するようにしても良い。
【0029】
部品部分のブロックの回転角度の補正後、ステップ404に進み、大津の二値化等の適宜の二値化手法を用いて、二値化のためのしきい値を算出し、このしきい値を用いて部品部分のブロックの画像(図6参照)を二値化する。
【0030】
この後、ステップ405に進み、画像を水平・垂直方向に走査して、水平方向の各走査線上においてしきい値以上のグレー値を持つピクセルが存在する頻度(ピクセル頻度)を計数して、この水平方向のピクセル頻度をPdxとし、垂直方向の各走査線上においてしきい値以上のグレー値を持つピクセルが存在する頻度(ピクセル頻度)を計数して、この垂直方向のピクセル頻度をPdyとする(図6参照)。
【0031】
図8のゼロクロスパターン頻度算出プログラムは、前記図2のステップ103、図3のステップ202及び図4のステップ302で実行されるプログラムであり、次のようにしてゼロクロスパターン頻度を算出する。本プログラムが起動されると、まずステップ601で、部品の画像データを読み込む。この後、ステップ602に進み、前記図5のピクセル頻度算出プログラムのステップ402と同じ方法で、表示装置14の画面全体の画像から部品部分のブロック(部品存在範囲)を切り出す。
【0032】
この後、ステップ603に進み、前記図5のピクセル頻度算出プログラムのステップ403と同じ方法で、基準座標(XY座標)に対する部品部分のブロックの回転角度を算出し、部品部分のブロックの横方向と縦方向を基準座標の水平方向(X方向)と垂直方向(Y方向)に一致させるように回転補正を行う。
【0033】
この後、ステップ604に進み、大津の二値化等の適宜の二値化手法を用いて、二値化のためのしきい値を算出し、このしきい値を用いて部品部分のブロックの画像を二値化する。
【0034】
この後、ステップ605に進み、ゼロクロスエッジを検出する。ここで、ゼロクロスエッジとは、しきい値より小さいグレー値から大きいグレー値に変化する点、又は、しきい値より大きいグレー値から小さいグレー値に変化する点を意味する。
【0035】
この後、ステップ606に進み、水平方向の各走査線上においてゼロクロスエッジが存在する頻度(ゼロクロスパターン頻度)を計数して、この水平方向のゼロクロスパターンル頻度をPzxとし、垂直方向の各走査線上においてゼロクロスエッジが存在する頻度(ゼロクロスパターン頻度)を計数して、この垂直方向のゼロクロスパターン頻度をPzyとする(図9参照)。
【0036】
次に、前記図5のピクセル頻度算出プログラムのステップ403と図8のゼロクロスパターン頻度算出プログラムのステップ603で用いられる回転角度の検出方法の具体例について説明する。以下、2つの回転角度検出方法を説明するが、これ以外の回転角度検出方法を用いても良いことは言うまでもない。
[回転角度検出方法(その1)]
一般に、部品角度は部品の外形形状を基準にして決定した方が良い場合が多い。
【0037】
この点を考慮して、回転角度検出方法(その1)は、図10〜図16に示す手順で、部品の取り込み画像中でしきい値以上のグレー値を持つ領域の外形部分を抽出し、その直線性を判断して回転角度を検出する方法である。
【0038】
以下、この回転角度検出方法(その1)の具体例を図10〜図16を用いて説明する。各図中の長方形はICのリードを表している。
【0039】
まず、図10及び図11に示すように、画像端から検索を開始し、予め決められた適当なしきい値以上のピクセルが現れる位置を求める(図10及び図11では左から右へ検索する例を示している)。
この後、図12に示すように、外形部分の位置を使用してハフ変換を行い、直線を検出する。
【0040】
以上のような処理を図13〜図16に示すように、画像の上下左右4方向についてそれぞれ行う。そして、4方向から検索した結果の中から最も直線性の高いものを選択し、その直線の角度を部品角度とする。
【0041】
以上説明した回転角度検出方法(その1)の特徴は次の通りである。
(1) 一般に、ハフ変換を用いて線分検出を行う場合、計算ポイント数(例えば対象画像のエッジ点の数)に比例して計算時間がかかる。
(2) 通常、画像中の物体の角度を求める手法では、画像中のエッジ点を使用したり、ある適当なしきい値で二値化した点を使用する。
(3) 実装部品などの回転角度は、最外形を構成する点のみを用いても比較的精度良く検出できる場合が多い。
【0042】
このような特徴がある中で、回転角度検出方法(その1)は、最外形を構成する点を抽出し、その点のみをハフ変換の計算に使用することによって計算コストを削減しつつ、部品の回転角度を精度良く求めることができる。
【0043】
図10〜図16を用いて説明した具体例では、4方向の画像端から検索した点を用いて角度検出を行っているが、これは必ず4方向から検索しなければならないことを意味するものではない。2方向又は3方向から検索して求めた直線のうち最も直線性の高いものを採用する方法を採用しても良い。
【0044】
ここで、最も強調したいのは、ハフ変換は通常多くの計算時間を必要とするが、実装部品などの角度は最外形を構成する点のみを使用しても精度良く求めることができるという特徴を利用して、ハフ変換に利用する点の数を減らし、高速・高精度の角度検出を行うということである。
【0045】
また、対象物に関しても、1つのかたまりで表現されるもの(バックライトで撮像された部品)のみならず、複数のかたまりで表現されるもの(フロントライトで撮像されたICリード部品やBGA部品など)においても、この回転角度検出方法(その1)は有効に機能する。
【0046】
[回転角度検出方法(その2)]
回転角度検出方法(その2)は、部品の取り込み画像中でしきい値以上のグレー値を持つ領域の境界線を使用し、その境界線を最も多く含む外接長方形(以下「最隣接長方形」という)を求める方法である。ここで、「長方形に含まれる」とは、長方形の線分上に存在することを意味している。
【0047】
図17に簡単な例を示す。物体の回転角度検出に良く用いられる最小外接四角形に対しては、領域中最も長い線分とその他の角部分のみが外接長方形に含まれると考えられる。一方、認識したい角度の外接長方形に対しては、最も長い線分以外の全ての線分が外接長方形に含まれると考えられ、この場合、外接長方形に含まれる境界線は最も多くなる。
【0048】
この回転角度検出方法(その2)では、境界線のある一点が外接長方形に含まれるかどうかを判定する必要がある。
しかし、通常、対象領域の境界線は一直線ではなく、起伏が存在する。
従って、完全に外接長方形の線分上に存在するかどうかを判定するだけでは正しい結果が得られない。
【0049】
そこで、図18に示すように、外接長方形の各線分から一定の距離の範囲内に存在する境界線は外接長方形に含まれると判定する方法を使用する。
【0050】
尚、この際、外接長方形に含まれると判定する領域に存在する境界線上の点に対し、全て均等に評価しても良いし、外接長方形から境界線上の点までの距離に応じた評価を与えても良い。
【0051】
例えば、図19のような評価関数を与えれば、外接長方形と境界点の距離に比例した評価値を用いて評価を行う。また、ガウス関数などといった評価関数も考えられるが、この評価関数は任意のものを使用可能である。
【0052】
次に、回転角度検出方法(その2)の具体例を図20〜図24を用いて説明する。各図中の長方形はICのリードを表している。
まず、図20に示すように、画像を適当なしきい値を用いて2値化した後、その領域の境界線を求める。尚、他の方法を用いて境界線を求めても良い。
【0053】
この後、探索角度を−10度〜10度まで、0.1度刻みで変化させながら以下の処理を実行する。
まず、図21に示すように、探索角度をθとした場合、境界線群を−θ回転させる。
【0054】
この後、図22に示すように、各辺が水平・垂直軸に平行な外接長方形を作成する。この際、長方形の角度を変化させながら外接長方形を作成するようにしても良い。
この後、図23に示すように、境界追跡結果の各点のうち、外接長方形の各辺からある一定の距離以下に存在する点を抽出し、評価計算を行う。この評価計算には、図24のように、外接長方形の各辺からの距離が近ければ高い得点を、遠ければ低い得点を与えるような評価関数を定義して行う。
【0055】
本発明者が行った実験では、外接長方形の各辺から5ピクセル以内の点を有効とし、0ピクセルの距離で5点、5ピクセルの距離で0点となるような評価関数を用いた。
この場合、探索角度θの得点は、外接長方形の各辺からある一定の距離以下に存在する全ての点において計算された評価値の合計点とする。
【0056】
以上説明した処理を探索角度θを変えて繰り返し、全ての探索角度で評価計算を行ったら、評価点の最も高かった探索角度を求め、その角度を部品の回転角度とする。これにより、部品領域の形状に関係なく、正しい角度を検出することができる。
【0057】
次に、図2の部品データ作成プログラムのステップ103と図4の部品種類判別プログラムのステップ303で、動的計画法(Dynamic Programming) によるマッチング手法(略称:DPマッチング)を用いて部品の種類を自動判別する具体例を説明する。
【0058】
このDPマッチングでは、リファレンス用部品データのデータベースの中からリファレンスを選択し、少ないリファレンスパターンで未知の部品の分類を行う。ここで、リファレンスを選択する方法は以下の5つの手法1〜5が考えられる。
【0059】
[手法1]
ある距離d’まで見た場合の最大個数を選択したものと等価な評価を行うために、図25の式を用いる。
【0060】
[手法2]
DP距離が小さいものからn個までの総距離が一番小さいものを図26の式により選択する。
【0061】
[手法3]
平均DP距離が一番小さいものを図27の式により選択する。
【0062】
[手法4]
図28に示すように、サンプルが少ないときのためにパルゼンウィンドウをかけて連続的な度数分布にすることによって、中心に近いもの(例えば手法1,2,3)を選択する。これにより、サンプルが離散的な場合においても、分類結果を安定させることが期待される。
【0063】
[手法5]
図29に示すように、1次元のクラスタリングを行うことによって、それぞれのクラスタの中心に近いもの(例えば手法1,2,3)を選択する。これにより、分類結果を安定させることが期待される。
【0064】
次に、DPマッチングによる判定方法を説明する。
ピクセル頻度から得られたPdx、Pdyとゼロクロスパターン頻度から得られたPzx、Pzyを用いて、各パターンのDPマッチングを行った距離によって分類を行う。DPマッチングの概念図を図30に示す。DPマッチングを行うことによって2つのベクトル(グラフ)に位置のずれを最小にした場合の違いを計測することができる。完全に一致している場合には、距離D(I,J)は0になり、違っているほど距離D(I,J)は遠くなる(大きくなる)。
【0065】
【数1】
【0066】
このとき、DPマッチングによる距離D(I,J)が最小となる分類をその部品の分類と判断する。この場合、図30において、Tmax 、Rmax を1に正規化すると、分類の判別精度が上昇することが判明した。
【0067】
以上説明した本実施例によれば、部品の画像データから当該部品の種類を判別するようにしているので、判別した部品の種類に応じた適切な画像処理アルゴリズムを選択して、部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを自動的に抽出することができ、部品の種類に応じた適切な部品データを自動的に作成できる。
【0068】
尚、本実施例では、部品の特徴を表すデータとして、水平方向と垂直方向のピクセル頻度とゼロクロスパターン頻度の両方のデータを含ませるようにしたが、いずれか一方のみであっても良く、勿論、この他の物理量を使用しても良いことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施例の画像処理用部品データ作成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】部品データ作成プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】データベース作成プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】部品種類判別プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】ピクセル頻度算出プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】ピクセル頻度算出処理の結果を説明する図である。
【図7】部品部分ブロック切り出しプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】ゼロクロスパターン頻度算出プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】ゼロクロスパターン頻度算出処理の結果を説明する図である。
【図10】回転角度検出方法(その1)における左方向からの外形検出処理を説明する図である。
【図11】回転角度検出方法(その1)における左方向からの外形検出結果を説明する図である。
【図12】回転角度検出方法(その1)における直線検出処理を説明する図である。
【図13】回転角度検出方法(その1)における左方向からの外形検出処理方法を説明する図である。
【図14】回転角度検出方法(その1)における右方向からの外形検出処理方法を説明する図である。
【図15】回転角度検出方法(その1)における上方向からの外形検出処理方法を説明する図である。
【図16】回転角度検出方法(その1)における下方向からの外形検出処理方法を説明する図である。
【図17】回転角度検出方法(その2)における最小外接四角形と最隣接長方形の作成方法を説明する図である。
【図18】回転角度検出方法(その2)における外接四角形に含まれると判定する領域を説明する図である。
【図19】回転角度検出方法(その2)で用いる評価関数を説明する図である。
【図20】回転角度検出方法(その2)における境界線の求め方を説明する図である。
【図21】回転角度検出方法(その2)における境界線群をθ回転させる処理を説明する図である。
【図22】回転角度検出方法(その2)における外接四角形を作成する方法を説明する図である。
【図23】回転角度検出方法(その2)における外接長方形の各辺からある一定の距離以下に存在する点を抽出する方法を説明する図である。
【図24】回転角度検出方法(その2)で用いる評価関数の具体例を説明する図である。
【図25】DPマッチングのリファレンス選択の手法1を説明する図である。
【図26】DPマッチングのリファレンス選択の手法2を説明する図である。
【図27】DPマッチングのリファレンス選択の手法3を説明する図である。
【図28】DPマッチングのリファレンス選択の手法4を説明する図である。
【図29】DPマッチングのリファレンス選択の手法5を説明する図である。
【図30】DPマッチングによる部品の種類判別方法を概念的に説明する図である。
【図31】従来の部品データ作成作業の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
11…コンピュータ(部品種類判別手段,部品データ作成手段)、12…画像データ取り込み手段、13…入力装置、14…表示装置、15…記憶装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理用の部品データを作成する画像処理用部品データ作成方法及び画像処理用部品データ作成装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子部品実装機で使用する画像処理用の部品データは、画像処理の対象となる部品種類毎に作成する必要がある。従来の画像処理用部品データの作成手順は、図31に示すように、まず、作業者が部品データ作成の対象となる部品の種類を見て判断して、その部品の種類に応じた適切な画像処理アルゴリズムを選択し(手順1)、更に、作業者が部品の種類に応じて部品の形状(ボディ、リード、バンプ等)のデータを手入力する(手順2)。その上で、当該部品を実際にカメラで撮像して画像処理テストを行ってみて(手順3)、画像処理が正しく行えるか否かを確認し(手順4)、画像処理が正しく行えなければ、作業を最初からやり直す。これにより、画像処理が正しく行えるまで、上記手順1から手順3までの作業を繰り返して、部品データを作成する。
【0003】
このように、従来の画像処理用部品データの作成方法では、部品の種類の判別、画像処理アルゴリズムの選択、部品の形状データ入力、画像処理テスト等の作業を作業者が手作業で行わなければならず(画像処理テストの結果次第では1つの部品データを作成するのにこれらの作業を何回も繰り返して行わなければならず)、その結果、画像処理用部品データの作成のために多くの作業時間と多くの知識・経験を必要とするという欠点があった。
【0004】
そこで、特許文献1(特許第2941617号公報)、特許文献2(特開平9−44686号公報)に示すように、部品データの作成を自動化する技術が提案されている。
【0005】
特許文献1には、電子部品実装機の吸着ノズルに吸着した部品の吸着姿勢の良否を判定するための部品データの自動作成方法が記載されている。この特許文献1の部品データの自動作成方法では、部品データとして、部品の各部の寸法、リード本数、リード間隔等のデータが画像処理により演算される。
【0006】
また、特許文献2には、部品の位置を認識するためのデータの自動作成方法が記載されている。この特許文献2の部品データの自動作成方法では、部品の画像の輪郭線を抽出して、部品の各辺毎に各コーナ部のエッジ端点の位置を求めて、部品の基本概略形状の各辺の形状と各コーナ部の形状を求めて、これらのデータを部品位置認識データとして用いるようにしている。
【特許文献1】特許第2941617号公報(第3頁、図3等)
【特許文献2】特開平9−44686号公報(第1頁等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1,2の手法では、部品データを作成する際に、部品の種類を自動的に判別することができないため、部品の種類に応じた適切な画像処理アルゴリズムを選択して部品データを作成することができない。このため、様々な種類の部品の画像データを、同じ画像処理アルゴリズムで処理して部品データを作成することになるため、部品の種類に応じた適切な部品データを作成できないという欠点があった。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、部品の種類に応じた適切な部品データを自動的に作成できる画像処理用部品データ作成方法及び画像処理用部品データ作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データを取り込んで、当該部品の画像データから当該部品の種類を判別し、判別した部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出して画像処理用部品データを作成するようにしたものである。
【0010】
本発明によれば、部品の画像データから当該部品の種類を判別するようにしているので、判別した部品の種類に応じた適切な画像処理アルゴリズムを選択して、部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを自動的に抽出することができ、部品の種類に応じた適切な部品データを自動的に作成できる。
【0011】
この場合、予め、部品種類毎にリファレンス用の部品の画像データを取り込んで各部品の特徴を表すデータを抽出して、部品種類毎に部品の特徴を表すデータを記憶したデータベースを作成しておき、部品種類判別処理では、新たに取り込んだ部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出し、抽出したデータを前記データベースのデータと比較して両者が最も一致する部品の種類を判別するようにすると良い。このようにすれば、部品種類の判別精度を向上させることができる。
【0012】
また、部品の特徴を表すデータとしては、部品全体に亘る形状の特徴を表すのに適したデータ、例えば、水平方向と垂直方向のピクセル頻度及び/又はゼロクロスパターン頻度のデータを含むようにすると良い。ここで、ピクセル頻度とは、所定のしきい値以上のグレー値を持つピクセルの出現頻度であり、ゼロクロスパターン頻度とは、しきい値より小さいグレー値から大きいグレー値に変化する点、または、しきい値より大きいグレー値から小さいグレー値に変化する点を意味する。ピクセル頻度やゼロクロスパターン頻度を用いれば、部品の特徴を精度良く表すデータを抽出することができる。これにより、あらゆる部品の種類を判別することが可能となり、適切な画像処理アルゴリズムと部品データを選択、作成することができる。
【0013】
更に、部品種類判別処理で、動的計画法(Dynamic Programming) によるマッチング手法(略称:DPマッチング)を用いて部品の種類を判別するようにすると良い。DPマッチングは、代表的な伸縮マッチング手法であり、部品データ間の類似度を能率良く且つ精度良く演算することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した一実施例を説明する。
図1に示すように、画像処理用部品データ作成装置は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ11と、部品の画像データを取り込むためのカメラ等の画像データ取り込み手段12と、キーボード、マウス等の入力装置13と、液晶ディスプレイ、CRT等の表示装置14と、後述するプログラムやデータ等を記憶する記憶装置15を備えた構成となっている。コンピュータ11は、後述する画像処理用の各プログラムを実行することで、画像データ取り込み手段12で取り込んだ部品の画像データから当該部品の種類を判別する部品種類判別手段と、判別した部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出して画像処理用部品データを作成する部品データ作成手段として機能する。以下、このコンピュータ11が実行する画像処理用の各プログラムの処理内容を説明する。
【0015】
図2の部品データ作成プログラムが起動されると、まずステップ101で、作業者が入力装置13を操作して部品データ作成開始を指示するまで待機する。その後、作業者が部品データ作成開始を指示した時点で、ステップ102に進み、画像データ取り込み手段12を用いて、画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データを取り込む。
【0016】
この後、ステップ103に進み、取り込んだ部品の画像データから当該部品の特徴を表す部分のデータ(以下「特徴データ」という)を抽出する。この特徴データには、後述する水平方向と垂直方向のピクセル頻度とゼロクロスパターン頻度のデータが含まれる。その後、抽出した特徴データを記憶装置15に格納されたリファレンス用部品データのデータベースの特徴データと比較して両者が最も一致する部品の種類を自動判別する。これにより、部品の種類に応じて画像処理アルゴリズムを選択する処理の自動化が可能となる。この部品種類の判別は、後述する動的計画法(Dynamic Programming) によるマッチング手法(略称:DPマッチング)を用いて行われる。尚、リファレンス用部品データのデータベースは、後述する図3のデータベース作成プログラムによって作成される。
【0017】
この後、ステップ104に進み、判別した部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の画像処理用部品データ(ボディ、リード、バンプ等の位置やサイズ等のデータ)を抽出する。
【0018】
この後、ステップ105に進み、抽出した画像処理用部品データを、記憶装置15に格納されている画像処理用部品データのデータベースに当該部品の種類と関連付けて保存する。
【0019】
図3のデータベース作成プログラムは、リファレンス用部品データのデータベースを作成するプログラムである。本プログラムが起動されると、まずステップ201で、画像データ取り込み手段12を用いてリファレンス用の部品の画像データを取り込む。
【0020】
この後、ステップ202に進み、特徴データ抽出プログラムを実行して、後述する方法で、リファレンス用の部品の画像データから当該部品の特徴を表す部分(ボディ、リード、バンプ等)の特徴データを抽出する。この際、特徴データとして、部品全体に亘る形状の特徴を表すのに適したデータである、水平方向と垂直方向のピクセル頻度とゼロクロスパターン頻度を計算する。
【0021】
この後、ステップ203に進み、抽出したリファレンス用部品の特徴データ(水平方向と垂直方向のピクセル頻度とゼロクロスパターン頻度のパターン)を、記憶装置15に格納されているリファレンス用部品データのデータベースに当該部品の種類と関連付けて保存する。
【0022】
図4の部品種類判別プログラムは、前記図2の部品データ作成プログラムのステップ102〜103の処理を実行するプログラムである。本プログラムが起動されると、まずステップ301で、画像データ取り込み手段12を用いて、画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データを取り込む。
【0023】
この後、ステップ302に進み、上記図3のデータベース作成プログラムのステップ202と同じく、特徴データ抽出プログラムを実行して、画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データから当該部品の特徴を表す部分(ボディ、リード、バンプ等)の特徴データを抽出する。この際、特徴データとして、水平方向と垂直方向のピクセル頻度とゼロクロスパターン頻度を計算する。
【0024】
この後、ステップ303に進み、画像処理用部品データの作成対象となる部品の特徴データを記憶装置15に格納されたリファレンス用部品データのデータベースの特徴データと比較して両者が最も一致する部品の種類を自動判別する。この際、後述する動的計画法(Dynamic Programming) によるマッチング手法(略称:DPマッチング)を用いて部品の種類を判別する。
【0025】
図5のピクセル頻度算出プログラムは、前記図2のステップ103、図3のステップ202及び図4のステップ302で実行されるプログラムであり、次のようにしてピクセル頻度を算出する。本プログラムが起動されると、まずステップ401で、部品の画像データを読み込む。この後、ステップ402に進み、表示装置14の画面全体の画像から部品部分のブロック(部品存在範囲)を切り出す。この部品部分のブロックを切り出しに関しては、作業者が表示装置14の画面に表示された部品の画像を見て入力装置13を操作して部品部分のブロックを切り出しても良いし、図7の部品部分ブロック切り出しプログラムを実行して部品部分のブロックを自動的に切り出すようにしても良い。
【0026】
この図7の部品部分ブロック切り出しプログラムでは、まずステップ501で、画像全体のヒストグラムを求め、判別分析法によりしきい値を算出する。この後、ステップ502に進み、画像を水平・垂直方向に走査して、しきい値以上のグレー値を持つピクセルの出現頻度を計数し、水平方向と垂直方向のピクセル頻度グラフを作成する。
【0027】
この後、ステップ503に進み、水平方向と垂直方向のピクセル頻度グラフをガウシアンフィルタで平滑化した後、ステップ504に進み、水平方向と垂直方向のピクセル頻度グラフの中で、ピクセル頻度が所定頻度以上となる範囲を部品部分のブロック(部品存在範囲)と決定して切り出す。
【0028】
部品部分のブロックの切り出し後、図5のステップ403に進み、基準座標(XY座標)に対する部品部分のブロックの回転角度を算出し、部品部分のブロックの横方向と縦方向を基準座標の水平方向(X方向)と垂直方向(Y方向)に一致させるように回転補正を行う。この回転補正に関しては、作業者が表示装置14の画面に表示された部品の画像を見て部品の回転角度を判断し、入力装置13を操作して部品の回転角度を補正しても良いし、後述する方法で部品部分のブロックの回転角度を自動的に補正するようにしても良い。
【0029】
部品部分のブロックの回転角度の補正後、ステップ404に進み、大津の二値化等の適宜の二値化手法を用いて、二値化のためのしきい値を算出し、このしきい値を用いて部品部分のブロックの画像(図6参照)を二値化する。
【0030】
この後、ステップ405に進み、画像を水平・垂直方向に走査して、水平方向の各走査線上においてしきい値以上のグレー値を持つピクセルが存在する頻度(ピクセル頻度)を計数して、この水平方向のピクセル頻度をPdxとし、垂直方向の各走査線上においてしきい値以上のグレー値を持つピクセルが存在する頻度(ピクセル頻度)を計数して、この垂直方向のピクセル頻度をPdyとする(図6参照)。
【0031】
図8のゼロクロスパターン頻度算出プログラムは、前記図2のステップ103、図3のステップ202及び図4のステップ302で実行されるプログラムであり、次のようにしてゼロクロスパターン頻度を算出する。本プログラムが起動されると、まずステップ601で、部品の画像データを読み込む。この後、ステップ602に進み、前記図5のピクセル頻度算出プログラムのステップ402と同じ方法で、表示装置14の画面全体の画像から部品部分のブロック(部品存在範囲)を切り出す。
【0032】
この後、ステップ603に進み、前記図5のピクセル頻度算出プログラムのステップ403と同じ方法で、基準座標(XY座標)に対する部品部分のブロックの回転角度を算出し、部品部分のブロックの横方向と縦方向を基準座標の水平方向(X方向)と垂直方向(Y方向)に一致させるように回転補正を行う。
【0033】
この後、ステップ604に進み、大津の二値化等の適宜の二値化手法を用いて、二値化のためのしきい値を算出し、このしきい値を用いて部品部分のブロックの画像を二値化する。
【0034】
この後、ステップ605に進み、ゼロクロスエッジを検出する。ここで、ゼロクロスエッジとは、しきい値より小さいグレー値から大きいグレー値に変化する点、又は、しきい値より大きいグレー値から小さいグレー値に変化する点を意味する。
【0035】
この後、ステップ606に進み、水平方向の各走査線上においてゼロクロスエッジが存在する頻度(ゼロクロスパターン頻度)を計数して、この水平方向のゼロクロスパターンル頻度をPzxとし、垂直方向の各走査線上においてゼロクロスエッジが存在する頻度(ゼロクロスパターン頻度)を計数して、この垂直方向のゼロクロスパターン頻度をPzyとする(図9参照)。
【0036】
次に、前記図5のピクセル頻度算出プログラムのステップ403と図8のゼロクロスパターン頻度算出プログラムのステップ603で用いられる回転角度の検出方法の具体例について説明する。以下、2つの回転角度検出方法を説明するが、これ以外の回転角度検出方法を用いても良いことは言うまでもない。
[回転角度検出方法(その1)]
一般に、部品角度は部品の外形形状を基準にして決定した方が良い場合が多い。
【0037】
この点を考慮して、回転角度検出方法(その1)は、図10〜図16に示す手順で、部品の取り込み画像中でしきい値以上のグレー値を持つ領域の外形部分を抽出し、その直線性を判断して回転角度を検出する方法である。
【0038】
以下、この回転角度検出方法(その1)の具体例を図10〜図16を用いて説明する。各図中の長方形はICのリードを表している。
【0039】
まず、図10及び図11に示すように、画像端から検索を開始し、予め決められた適当なしきい値以上のピクセルが現れる位置を求める(図10及び図11では左から右へ検索する例を示している)。
この後、図12に示すように、外形部分の位置を使用してハフ変換を行い、直線を検出する。
【0040】
以上のような処理を図13〜図16に示すように、画像の上下左右4方向についてそれぞれ行う。そして、4方向から検索した結果の中から最も直線性の高いものを選択し、その直線の角度を部品角度とする。
【0041】
以上説明した回転角度検出方法(その1)の特徴は次の通りである。
(1) 一般に、ハフ変換を用いて線分検出を行う場合、計算ポイント数(例えば対象画像のエッジ点の数)に比例して計算時間がかかる。
(2) 通常、画像中の物体の角度を求める手法では、画像中のエッジ点を使用したり、ある適当なしきい値で二値化した点を使用する。
(3) 実装部品などの回転角度は、最外形を構成する点のみを用いても比較的精度良く検出できる場合が多い。
【0042】
このような特徴がある中で、回転角度検出方法(その1)は、最外形を構成する点を抽出し、その点のみをハフ変換の計算に使用することによって計算コストを削減しつつ、部品の回転角度を精度良く求めることができる。
【0043】
図10〜図16を用いて説明した具体例では、4方向の画像端から検索した点を用いて角度検出を行っているが、これは必ず4方向から検索しなければならないことを意味するものではない。2方向又は3方向から検索して求めた直線のうち最も直線性の高いものを採用する方法を採用しても良い。
【0044】
ここで、最も強調したいのは、ハフ変換は通常多くの計算時間を必要とするが、実装部品などの角度は最外形を構成する点のみを使用しても精度良く求めることができるという特徴を利用して、ハフ変換に利用する点の数を減らし、高速・高精度の角度検出を行うということである。
【0045】
また、対象物に関しても、1つのかたまりで表現されるもの(バックライトで撮像された部品)のみならず、複数のかたまりで表現されるもの(フロントライトで撮像されたICリード部品やBGA部品など)においても、この回転角度検出方法(その1)は有効に機能する。
【0046】
[回転角度検出方法(その2)]
回転角度検出方法(その2)は、部品の取り込み画像中でしきい値以上のグレー値を持つ領域の境界線を使用し、その境界線を最も多く含む外接長方形(以下「最隣接長方形」という)を求める方法である。ここで、「長方形に含まれる」とは、長方形の線分上に存在することを意味している。
【0047】
図17に簡単な例を示す。物体の回転角度検出に良く用いられる最小外接四角形に対しては、領域中最も長い線分とその他の角部分のみが外接長方形に含まれると考えられる。一方、認識したい角度の外接長方形に対しては、最も長い線分以外の全ての線分が外接長方形に含まれると考えられ、この場合、外接長方形に含まれる境界線は最も多くなる。
【0048】
この回転角度検出方法(その2)では、境界線のある一点が外接長方形に含まれるかどうかを判定する必要がある。
しかし、通常、対象領域の境界線は一直線ではなく、起伏が存在する。
従って、完全に外接長方形の線分上に存在するかどうかを判定するだけでは正しい結果が得られない。
【0049】
そこで、図18に示すように、外接長方形の各線分から一定の距離の範囲内に存在する境界線は外接長方形に含まれると判定する方法を使用する。
【0050】
尚、この際、外接長方形に含まれると判定する領域に存在する境界線上の点に対し、全て均等に評価しても良いし、外接長方形から境界線上の点までの距離に応じた評価を与えても良い。
【0051】
例えば、図19のような評価関数を与えれば、外接長方形と境界点の距離に比例した評価値を用いて評価を行う。また、ガウス関数などといった評価関数も考えられるが、この評価関数は任意のものを使用可能である。
【0052】
次に、回転角度検出方法(その2)の具体例を図20〜図24を用いて説明する。各図中の長方形はICのリードを表している。
まず、図20に示すように、画像を適当なしきい値を用いて2値化した後、その領域の境界線を求める。尚、他の方法を用いて境界線を求めても良い。
【0053】
この後、探索角度を−10度〜10度まで、0.1度刻みで変化させながら以下の処理を実行する。
まず、図21に示すように、探索角度をθとした場合、境界線群を−θ回転させる。
【0054】
この後、図22に示すように、各辺が水平・垂直軸に平行な外接長方形を作成する。この際、長方形の角度を変化させながら外接長方形を作成するようにしても良い。
この後、図23に示すように、境界追跡結果の各点のうち、外接長方形の各辺からある一定の距離以下に存在する点を抽出し、評価計算を行う。この評価計算には、図24のように、外接長方形の各辺からの距離が近ければ高い得点を、遠ければ低い得点を与えるような評価関数を定義して行う。
【0055】
本発明者が行った実験では、外接長方形の各辺から5ピクセル以内の点を有効とし、0ピクセルの距離で5点、5ピクセルの距離で0点となるような評価関数を用いた。
この場合、探索角度θの得点は、外接長方形の各辺からある一定の距離以下に存在する全ての点において計算された評価値の合計点とする。
【0056】
以上説明した処理を探索角度θを変えて繰り返し、全ての探索角度で評価計算を行ったら、評価点の最も高かった探索角度を求め、その角度を部品の回転角度とする。これにより、部品領域の形状に関係なく、正しい角度を検出することができる。
【0057】
次に、図2の部品データ作成プログラムのステップ103と図4の部品種類判別プログラムのステップ303で、動的計画法(Dynamic Programming) によるマッチング手法(略称:DPマッチング)を用いて部品の種類を自動判別する具体例を説明する。
【0058】
このDPマッチングでは、リファレンス用部品データのデータベースの中からリファレンスを選択し、少ないリファレンスパターンで未知の部品の分類を行う。ここで、リファレンスを選択する方法は以下の5つの手法1〜5が考えられる。
【0059】
[手法1]
ある距離d’まで見た場合の最大個数を選択したものと等価な評価を行うために、図25の式を用いる。
【0060】
[手法2]
DP距離が小さいものからn個までの総距離が一番小さいものを図26の式により選択する。
【0061】
[手法3]
平均DP距離が一番小さいものを図27の式により選択する。
【0062】
[手法4]
図28に示すように、サンプルが少ないときのためにパルゼンウィンドウをかけて連続的な度数分布にすることによって、中心に近いもの(例えば手法1,2,3)を選択する。これにより、サンプルが離散的な場合においても、分類結果を安定させることが期待される。
【0063】
[手法5]
図29に示すように、1次元のクラスタリングを行うことによって、それぞれのクラスタの中心に近いもの(例えば手法1,2,3)を選択する。これにより、分類結果を安定させることが期待される。
【0064】
次に、DPマッチングによる判定方法を説明する。
ピクセル頻度から得られたPdx、Pdyとゼロクロスパターン頻度から得られたPzx、Pzyを用いて、各パターンのDPマッチングを行った距離によって分類を行う。DPマッチングの概念図を図30に示す。DPマッチングを行うことによって2つのベクトル(グラフ)に位置のずれを最小にした場合の違いを計測することができる。完全に一致している場合には、距離D(I,J)は0になり、違っているほど距離D(I,J)は遠くなる(大きくなる)。
【0065】
【数1】
【0066】
このとき、DPマッチングによる距離D(I,J)が最小となる分類をその部品の分類と判断する。この場合、図30において、Tmax 、Rmax を1に正規化すると、分類の判別精度が上昇することが判明した。
【0067】
以上説明した本実施例によれば、部品の画像データから当該部品の種類を判別するようにしているので、判別した部品の種類に応じた適切な画像処理アルゴリズムを選択して、部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを自動的に抽出することができ、部品の種類に応じた適切な部品データを自動的に作成できる。
【0068】
尚、本実施例では、部品の特徴を表すデータとして、水平方向と垂直方向のピクセル頻度とゼロクロスパターン頻度の両方のデータを含ませるようにしたが、いずれか一方のみであっても良く、勿論、この他の物理量を使用しても良いことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施例の画像処理用部品データ作成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】部品データ作成プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】データベース作成プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】部品種類判別プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】ピクセル頻度算出プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】ピクセル頻度算出処理の結果を説明する図である。
【図7】部品部分ブロック切り出しプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】ゼロクロスパターン頻度算出プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】ゼロクロスパターン頻度算出処理の結果を説明する図である。
【図10】回転角度検出方法(その1)における左方向からの外形検出処理を説明する図である。
【図11】回転角度検出方法(その1)における左方向からの外形検出結果を説明する図である。
【図12】回転角度検出方法(その1)における直線検出処理を説明する図である。
【図13】回転角度検出方法(その1)における左方向からの外形検出処理方法を説明する図である。
【図14】回転角度検出方法(その1)における右方向からの外形検出処理方法を説明する図である。
【図15】回転角度検出方法(その1)における上方向からの外形検出処理方法を説明する図である。
【図16】回転角度検出方法(その1)における下方向からの外形検出処理方法を説明する図である。
【図17】回転角度検出方法(その2)における最小外接四角形と最隣接長方形の作成方法を説明する図である。
【図18】回転角度検出方法(その2)における外接四角形に含まれると判定する領域を説明する図である。
【図19】回転角度検出方法(その2)で用いる評価関数を説明する図である。
【図20】回転角度検出方法(その2)における境界線の求め方を説明する図である。
【図21】回転角度検出方法(その2)における境界線群をθ回転させる処理を説明する図である。
【図22】回転角度検出方法(その2)における外接四角形を作成する方法を説明する図である。
【図23】回転角度検出方法(その2)における外接長方形の各辺からある一定の距離以下に存在する点を抽出する方法を説明する図である。
【図24】回転角度検出方法(その2)で用いる評価関数の具体例を説明する図である。
【図25】DPマッチングのリファレンス選択の手法1を説明する図である。
【図26】DPマッチングのリファレンス選択の手法2を説明する図である。
【図27】DPマッチングのリファレンス選択の手法3を説明する図である。
【図28】DPマッチングのリファレンス選択の手法4を説明する図である。
【図29】DPマッチングのリファレンス選択の手法5を説明する図である。
【図30】DPマッチングによる部品の種類判別方法を概念的に説明する図である。
【図31】従来の部品データ作成作業の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
11…コンピュータ(部品種類判別手段,部品データ作成手段)、12…画像データ取り込み手段、13…入力装置、14…表示装置、15…記憶装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データを取り込む処理と、
前記部品の画像データから当該部品の種類を判別する部品種類判別処理と、
判別した部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出して画像処理用部品データを作成する処理と
を含むことを特徴とする画像処理用部品データ作成方法。
【請求項2】
予め、部品種類毎にリファレンス用の部品の画像データを取り込んで各部品の特徴を表すデータを抽出して、部品種類毎に部品の特徴を表すデータを記憶したデータベースを作成しておき、
前記部品種類判別処理では、新たに取り込んだ部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出し、抽出したデータを前記データベースのデータと比較して両者が最も一致する部品の種類を判別することを特徴とする請求項1に記載の画像処理用部品データ作成方法。
【請求項3】
前記部品の特徴を表すデータは、水平方向と垂直方向のピクセル頻度及び/又はゼロクロスパターン頻度のデータを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理用部品データ作成方法。
【請求項4】
前記部品種類判別処理で、動的計画法によるマッチング手法を用いて部品の種類を判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理用部品データ作成方法。
【請求項5】
画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データを取り込む画像データ取り込み手段と、
前記部品の画像データから当該部品の種類を判別する部品種類判別手段と、
判別した部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出して画像処理用部品データを作成する部品データ作成手段と
を含むことを特徴とする画像処理用部品データ作成装置。
【請求項6】
部品種類毎に部品の特徴を表すデータを記憶したデータベースを備え、
前記部品種類判別手段は、前記画像データ取り込み手段により新たに取り込んだ部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出し、抽出したデータを前記データベースのデータと比較して両者が最も一致する部品の種類を判別することを特徴とする請求項5に記載の画像処理用部品データ作成装置。
【請求項7】
前記部品の特徴を表すデータは、水平方向と垂直方向のピクセル頻度及び/又はゼロクロスパターン頻度のデータを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理用部品データ作成装置。
【請求項8】
前記部品種類判別手段は、動的計画法によるマッチング手法を用いて部品の種類を判別することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の画像処理用部品データ作成装置。
【請求項1】
画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データを取り込む処理と、
前記部品の画像データから当該部品の種類を判別する部品種類判別処理と、
判別した部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出して画像処理用部品データを作成する処理と
を含むことを特徴とする画像処理用部品データ作成方法。
【請求項2】
予め、部品種類毎にリファレンス用の部品の画像データを取り込んで各部品の特徴を表すデータを抽出して、部品種類毎に部品の特徴を表すデータを記憶したデータベースを作成しておき、
前記部品種類判別処理では、新たに取り込んだ部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出し、抽出したデータを前記データベースのデータと比較して両者が最も一致する部品の種類を判別することを特徴とする請求項1に記載の画像処理用部品データ作成方法。
【請求項3】
前記部品の特徴を表すデータは、水平方向と垂直方向のピクセル頻度及び/又はゼロクロスパターン頻度のデータを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理用部品データ作成方法。
【請求項4】
前記部品種類判別処理で、動的計画法によるマッチング手法を用いて部品の種類を判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理用部品データ作成方法。
【請求項5】
画像処理用部品データの作成対象となる部品の画像データを取り込む画像データ取り込み手段と、
前記部品の画像データから当該部品の種類を判別する部品種類判別手段と、
判別した部品の種類に応じて当該部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出して画像処理用部品データを作成する部品データ作成手段と
を含むことを特徴とする画像処理用部品データ作成装置。
【請求項6】
部品種類毎に部品の特徴を表すデータを記憶したデータベースを備え、
前記部品種類判別手段は、前記画像データ取り込み手段により新たに取り込んだ部品の画像データから当該部品の特徴を表すデータを抽出し、抽出したデータを前記データベースのデータと比較して両者が最も一致する部品の種類を判別することを特徴とする請求項5に記載の画像処理用部品データ作成装置。
【請求項7】
前記部品の特徴を表すデータは、水平方向と垂直方向のピクセル頻度及び/又はゼロクロスパターン頻度のデータを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理用部品データ作成装置。
【請求項8】
前記部品種類判別手段は、動的計画法によるマッチング手法を用いて部品の種類を判別することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の画像処理用部品データ作成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
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【図18】
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【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
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【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2006−338482(P2006−338482A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−164002(P2005−164002)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【Fターム(参考)】
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