説明

画像処理装置、ビューワ、画像処理プログラム及び画像処理システム

【課題】電子文書法に準拠した電子文書を閲覧する場合に、地紋による可視像を表示しないで、文書を閲覧できるようにする。
【解決手段】地紋情報を読み取ることができる程度の高解像力で画像を読み取って得た画像情報に地紋による可視像の表示を禁止するための情報として、彩度情報を付加する。画像情報から画像を印刷、又はビューワに表示する場合には、付加された彩度情報を使って、地紋を可視画像化することなく画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像情報を処理して表示する画像処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
不正なコピーや不正な印刷を防止するために、複写機やプリンタで画像を再生したときに、複写牽制画像が再生画像とともに形成されるように、用紙に処理を施したり、原稿作成時に潜像(裸眼では認識でない画像)を書き込んだりする地紋処理に関する技術が開発されている。この技術では、地紋用の潜像は通常の複写機等における画像読取解像度(例えば、400〜600dpi)よりも高解像度(例えば、2400dpi)のパターン画像として構成されている。そして、このような地紋を潜像として有する原稿を複写機や画像読取装置で読み取った場合、画像読取解像度が潜像の解像度に追いつかずに地紋が顕像化されてしまうことにより、複写牽制画像が再生画像と共に形成される。
【0003】
これに対して、地紋処理された原稿を、地紋を顕像化させることなく読み取るには、通常の複写機等の解像度よりも高い解像度で原稿を読み取る必要がある。
【0004】
ところで、電子文書法が2005年に施行された。この電子文書法は、通則法(非特許文献1)と、整備法(非特許文献2)の総称であり、これら法律によれば、初めから電子文書として作成された文書(電子文書)の保存だけでなく、紙で作成された書類を画像読取装置で読み込んだイメージファイルなど(電子化文書)も一定の技術要件を満たせば原本と見做すことを認めている。又、この法律によれば、表示乃至印刷により元となる原稿を忠実に再現できること(見読性)が、原本としての電子データに求められる条件となる。
【0005】
このために、電子文書法では地紋原稿の画像データとしては、地紋をも忠実に読み取ることができる高解像力の読取により得られたものであることが必要となる。
【0006】
尚、以下において電子文書といった用語を使用するが、特に断りがない限り、上述の電子文書及び電子化文書の双方を指す。
【非特許文献1】民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律
【非特許文献2】民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子文書法に準拠した電子文書はビューワを用いた閲覧に供される場合が多いが、地紋の情報を含む電子文書をビューワで閲覧する場合、ビューワの解像度(或いはディスプレイの解像度)では地紋が可視像として電子文書の内容である画像に重なって形成されてしまい、画像の閲覧が困難か又は不可能になってしまう。
【0008】
従って結局のところ、地紋を潜像として忠実に読み取った電子文書であっても、これを閲覧に供した場合、地紋が顕像化されてしまうといった問題がある。
【0009】
本発明は、地紋原稿から得られた電子文書の閲覧の際に直面する前記の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的は、下記の発明により達成される。
1.
地紋を含む画像を読み取り、画像データを生成する画像読取手段と、
前記画像データに基づいて前記画像を再生する際に前記地紋が可視像として形成されることを阻止する処理を行うための、画像処理に関する情報を前記画像情報に付加する画像処理手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
2.
前記画像処理手段は、前記画像処理に関する情報として彩度情報を前記画像データに付加することを特徴とする前記1に記載の画像処理装置。
3.
前記画像処理手段は、前記彩度情報と共に、前記彩度情報とは別の情報を前記画像データに付加することを特徴とする前記2に記載の画像処理装置。
4.
前記画像処理に関する情報には、画像を再生するビューワを特定する情報が含まれることを特徴とする前記1乃至前記3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
5.
前記付加情報には画像の属性情報が含まれることを特徴とする前記3に記載の画像処理装置。
6.
前記付加情報には、前記画像を再生する際に前記地紋による可視像が形成されるのを阻止する画像処理を行うプログラムの入手先のURLの情報、又は前記画像を再生する際に前記地紋による可視像が形成されるのを阻止する画像処理を行うサーバのURLの情報が含まれることを特徴とする前記3又は前記5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
7.
地紋を含む画像を示す画像データに付加された画像処理に関する情報に基づいて(1)前記画像データに対して画像処理を施し或いは(2)前記画像処理を外部装置に実行させて前記画像処理が施された前記画像データを得て、前記画像に前記地紋による可視像が形成されることを阻止する画像処理手段を有することを特徴とするビューワ。
8.
地紋を含む画像を示す画像データに付加された画像処理に関する情報を検知し、検知した前記画像処理に関する情報に基づいて(1)前記画像データに対して画像処理を施し或いは(2)前記画像処理を外部装置に実行させて前記画像処理が施された前記画像データを得て、前記画像データに基づく再生画像に前記地紋による可視像が形成されることを阻止して画像を再生する工程をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
9.
地紋を含む画像を読み取り、画像データを生成する画像読取手段と、前記画像データに基づいて前記画像を再生する際に前記地紋が可視像として形成されることを阻止する処理を行うための、画像処理に関する情報を前記画像データに付加する画像処理手を有する画像処理装置と、
画像データに付加された前記画像処理に関する情報に基づいて(1)前記画像データに対して画像処理を施し或いは(2)前記画像処理を外部装置に実行させて前記画像処理が施された前記画像データを得て、前記画像処理後の前記画像データに基づいて画像を表示するビューワと、
前記画像処理装置が生成した画像データを蓄積するサーバを有することを特徴とする画像処理システム。
10.
前記サーバは、画像情報に付加された前記画像処理に関する情報に基づいて、表示画像に地紋による可視像が形成されるのを阻止するプログラムを記憶した記憶手段を有することを特徴とする前記9に記載の画像処理システム。
11.
前記サーバは、画像情報に付加された前記画像処理に関する情報に基づいて、表示画像に地紋による可視像が形成されるのを阻止する画像処理を行う画像処理手段を有することを特徴とする前記9に記載の画像処理システム。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、地紋情報を含む電子文書を閲覧するに際して、地紋を可視像として形成しないで画像を表示することが可能となり、地紋処理された原稿の読取により得られた電子文書であり、e文書法に準拠して作成された電子文書であっても、地紋を可視像として形成しない形態で画像を表示することが可能となる。
【0012】
また、本発明により作成された電子文書は、原稿が地紋原稿である場合には、地紋情報含んでおり、通常の複写や印刷或いは表示では、地紋、即ち、複写牽制文字が可視像として形成されるので、不正な複写を禁止する機能が損なわれることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0014】
画像処理装置1は、原稿の読取り及び画像の印刷が可能な複合機であり、制御部10、RAM11、ROM12、ネットワークI/F部13、記憶部14、印刷部15、読取部16、ファクシミリ部17、ユーザ認識部18、表示部19及び操作部20がバス21で接続された構成を有する。
【0015】
制御部10はCPU(Central Processing Unit)を有し、装置全体のシステム制御及び画像処理を行う。制御部10は、読み取って得た画像データに属性情報を付加する情報付加部10aを有する。付加される属性情報としては、彩度情報、解像度、原稿を読み取った読取装置或いは、原稿の発行者を示すIDなど処理対象の画像情報に特有の属性情報がある。本実施形態においては、情報付加部10aは画像情報に彩度情報を付加する画像処理手段を構成する。また、制御部10はさらに情報付加部10bを有する。
【0016】
情報付加部10bは、上述の属性情報とは別の付加情報を画像データに付与する。付加情報としては、URL情報、ビューワ調整情報等がある。なお、彩度情報及びURL情報については、後に説明する。
【0017】
RAM11は制御部10のCPUが情報処理において使用するワーク用メモリである。
【0018】
ROM12は制御プログラムや画像処理プログラムを格納する読取専用メモリである。
【0019】
ネットワークI/Fは画像処理装置が接続されるネットワークを介して外部機器と通信を行う。
【0020】
記憶部14はユーザ情報、画像データなどの情報及び情報の処理履歴を記憶する記憶部であり、HDD等の大容量メモリで構成される。
【0021】
印刷部15は画像データに基づいて画像を紙に印刷する。
【0022】
読取手段としての読取部16は原稿を読み取って画像データ、即ち、原稿画像の情報を生成する。また、印刷部15は、たとえば2400dpiの解像力を有し、地紋処理された原稿の地紋情報を含む画像データを生成することができる。
【0023】
ファクシミリ部17は、外部とファクシミリ通信を行う通信部であり、読取部16が生成した画像データを送信し、ファクシミリ部17が受信した情報は印刷部16において紙に印刷される。
【0024】
ユーザ認識部18は、IDや指紋等によりユーザを認識する。
【0025】
表示部19は操作部と一体的に形成された画像処理装置の操作を受け付けるユーザインターフェースであり、操作情報を表示すると共に、画像データに基づく画像を表示する。
【0026】
操作部20は、表示部19と一体に形成された表示一体操作部の他に、マウス、キーボード、その他の操作釦を有する。
【0027】
最初に、本発明の実施の形態に係る画像処理装置である図1の複合機が原稿読取により生成する画像データについて説明する。
【0028】
図1に示す複合機により読み取られた情報には、画像データが含まれるが、この画像データとしては地紋原稿である場合に地紋の光学情報が含まれる。
【0029】
地紋は、不正なコピーを禁止することを目的として原稿に埋め込まれたものであり、原稿を裸眼で目視したときは目立たないが、コピーを行ったときに地紋がコピー牽制文字(或いは記号、図)として顕像化されるようにした処理である。
【0030】
地紋は、通常、微細な点により形成されており、複写機やプリンタを用いて印刷したときに、複写機やプリンタの解像度(例えば、600dpi)では、再生画像に複写牽制文字が浮き出る。一方で、地紋処理された原稿画像を、例えば2400dpiの高解像度で読み取ると、地紋を忠実に再現可能な情報を含んだ画像データが生成される。
【0031】
このような高解像度の読取りにより生成された読取情報を読取時以上の解像度で複写すると、地紋の可視画像が顕像として再現されないが、読取時よりも低い解像度で複写すると、地紋による可視画像(顕像)が形成される。
【0032】
通常の複写機、プリンタ、或いはビューワの解像度は400〜600dpi以下であるので、地紋による可視像が形成される。これによって、不正な複写を禁止することが可能となる。
【0033】
本実施の形態においては、400〜600dpiのように、複写牽制文字が可視像として形成される解像度で表示した場合にも、地紋が可視像として形成されないように画像処理するための情報として彩度情報を付加している。尚、この画像処理に関する情報としては彩度情報に限られるものではなく、濃度、コントラスト、シャープネス等の情報であってもよい。
【0034】
本実施の形態においては、画像情報は既存のファイルフォーマット、例えば、TIFF(Tagged Image File Format)で作成される。
【0035】
ファイルフォーマットには、多くの場合、各画像情報に特有の情報を書き込むことができるエリアが設けられている。
【0036】
本実施の形態においては、このエリアに彩度情報が書き込まれる。
【0037】
図2は、彩度情報を書き込んだTIFFファイルの例を示し、具体的にはTIFFの1頁目のタグ部分のバイナリーデータを示す。図中、a〜dが前述の彩度情報を示す部分である。
【0038】
aは2バイトのタグ番号を示しており、既存の他のタグ番号と重複しないように設定される。彩度情報として“0ffff”或いは“0eee”のいずれかの値が用いられ、“0fff”は画像再生時に地紋を目立たなくする彩度情報が未計算であることを示し、“0eee”は再生時に地紋を目立たなくする彩度情報が計算済みであることを示す。
【0039】
bはデータのタイプを示す部位であり、図示の例ではLONG型であることを意味する。
【0040】
cはデータの長さを示しており、図示の例(“00000001”)では1、即ち、4バイトであることを意味する。
【0041】
dは、彩度情報であり、図示の例では、“0x32”、即ち、50が彩度情報を示す。
【0042】
画像を表示する専用ビューワは彩度情報と関連づけられており、例えば、彩度Aには専用ビューワAが対応し、彩度Bには専用ビューワBが対応する。このように、彩度と専用ビューワとを対応づけることにより、地紋を表示することなく(顕像化することなく)不正な複写を禁止する電子文書を表示できるビューワは特定のものに限定される。
【0043】
なお、彩度情報には、上述の如くビューワを特定する値に計算された彩度情報と未計算の彩度情報とがある。彩度が未計算の場合は、専用ビューワが最適な彩度を計算し、この最適な彩度により画像データに対して画像処理を施す。
【0044】
画像情報から画像を印刷又はビューワに表示する場合には、付加された彩度情報を使って、地紋を可視画像することなく画像を表示する画像処理が行われる。
【0045】
図3は本発明の実施の形態に係るビューワの構成を示すブロック図である。
【0046】
専用ビューワ3は、画像を表示可能な一般のパーソナルコンピュータであり、制御部30、RAM31、ROM32、ネットワークI/F部33、記憶部34、表示部35及び操作部36がバス37で接続された構成を有する。
【0047】
制御部30はCPUで構成され、ROM32に格納されたプログラムを実行することにより、彩度情報に基づいて、地紋情報の可視化を阻止する画像処理を行う画像処理手段30aを構成する。
【0048】
画像処理手段30aが行う画像処理としては、地紋の輝度が未計算の場合にこの輝度を計算して地紋画像を目立たないようにする処理があり、この画像処理には、例えば、特開2005−301713号公報に記載された方法を使用することができる。
【0049】
即ち、エッジ領域画素を抽出し、エッジ領域画素のヒストグラムを作成し、ヒストグラムから地紋を検知する方法を取ることができる。
【0050】
この方法では、原稿の地肌に対応したヒストグラムのピーク、地紋に対応したヒストグラムのピーク及び画像に対応したヒストグラムのピークが得られる。
【0051】
これらのピークのうちの地紋に対応したピークの範囲にある画素の輝度値を一定値とすることにより、地紋が除去される。
【0052】
以下に、画像読取時の地紋情報の付加及び画像再生時における地紋の表示処理について説明する。
【0053】
図4は図1に示す画像処理装置が行う画像読取における処理のフローチャートである。この処理は、制御部10のCPUがROM12に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0054】
ステップS1において、原稿が地紋処理された原稿であるか否かが判断される。
【0055】
この判断は、原稿が地紋原稿であるという操作部20における設定に基づいて行われる。
【0056】
ステップS1の判断で地紋有りの原稿と判断された場合(ステップS1:Yes)、ステップS2に進み、例えば2400dpiの高解像度、即ち、地紋情報を含む原稿の全情報を忠実に読み取ることができる解像度で画像読取が行われる。
【0057】
尚、図4のステップS1,S2に代えて図5のステップS1a,S2aのように、まず原稿画像を高解像度で読み取り、これにより得られた画像データを解析することによって行っても良い。図5に示す判断には、例えば、上述の特開2005−301713号公報に記載された方法、即ち、エッジ領域画素を抽出し、エッジ領域画素のヒストグラムを作成し、ヒストグラムから地紋の有無を検知する方法を採ることができる。
【0058】
続いて、読取により得られた画像データに属性情報が付加される(ステップS3)。付加される情報は、読み取った原稿画像及び画像データの属性を示すものであり読取時の解像度、原稿を読み取った読取装置又は原稿の発行元を示すID、彩度情報等である。
【0059】
彩度情報は、原稿画像が地紋原稿であることを示すものであり、原稿1頁毎に、或いは、原稿読取ジョブ毎に付加される。また、付加される彩度情報は最適値に計算されたものでもよいし、未計算のものでもよい。
【0060】
続くステップS4において、付加情報が付加される。付加情報としては、専用ビューワを特定する情報、ビューワ用プログラムの入手先であるURL、モニタ調整情報等がある。
【0061】
ステップS5において通常の画像処置、即ち、輝度から濃度に変換する処理等の画像処理が行われる。
【0062】
このようにして、原稿読取により生成された画像情報に、地紋処理のための彩度情報及び画像再生時における地紋の処理に関する情報が付加される。
【0063】
なお、ステップS1の判断で地紋原稿でないときは、通常の低解像度で読取が行われる(ステップS6)。
【0064】
図4のステップS1の判断において、或いは図5のステップS2aの判断において、地紋原稿でないと判断されたときは、ステップS5において、通常の画像処理が行われる。
【0065】
図6は図3に示す専用ビューワが行う画像再生のフローチャートである。この処理は、制御部30のCPUがROM32に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0066】
先ず、ステップS10において、ディスプレイ表示か印刷かが判断される。この判断は、オペレータの操作に基づいて行われる。
【0067】
ステップS10の判断で、ディスプレイ表示の場合(ステップS10:Yes)、ステップS11において、画像情報に彩度情報が付与されているか否かが判断される。
【0068】
付与されていない場合(ステップS11:No)、付加情報、即ち、専用ビューワを指示する情報等を用いて画像情報が表示される(ステップS12)。ここで、ステップS12において表示に呈される画像データは彩度情報がない、即ち、地紋を含まない画像の画像データである。従って、ステップS12で表示される画像には特別な画像処理を行わなくとも地紋による可視像が現れない。
【0069】
ステップS11で彩度情報が付与されていると判断されたと判断された場合(ステップS11:Yes)、ステップS13において、彩度が計算されたものか否かが判断される。
【0070】
計算された彩度情報である場合(ステップS13:Yes)、計算された彩度で表示できる専用ビューワが選択されて画像が表示される(ステップS15)。
【0071】
ステップS15における表示では、彩度情報を用いた画像処理を画像データに施すことにより、地紋を可視化しない処理が行われているので、表示される画像には地紋が現れない(若しくは目立たない)。
【0072】
ステップS13で彩度が未計算である場合(ステップS13:No)には、ステップS14において、専用ビューワが彩度を計算し、計算した彩度情報を用いて画像処理し、画像表示が行われる。
【0073】
その結果、ステップS14における表示でも、地紋による可視像のない画像が表示される。
【0074】
一方、ステップS10において印刷の場合は(ステップS10:No)、ステップS16において、印刷が行われる。この印刷では、地紋情報を含むときは複写牽制文字が可視像として形成される。
【0075】
図7は本発明の実施の形態に係る画像処理システムを示す。
【0076】
ビューワV1〜V3、画像処理装置P1〜P3、ビューワ用のサーバVS及び画像処理サーバPSが、インターネット、LAN等のネットワークNTを介して接続される。
【0077】
画像処理装置P1〜P2は図1に示した複合機であり、画像読取及び画像データに基づいた印刷を行い、前記に説明した彩度情報を画像情報に付加する。
【0078】
図7に示すシステムにおいては、専用ビューワV1〜V3としては、次のような機能を有するものを使用することができる。
a.専用ビューワが前記の地紋に対する画像処理プログラムを有する。
b.前記した地紋に対する画像処理プログラムを有するサーバにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)及び、前記サーバから前記画像処理プログラムをダウンロードするプログラムを有する。
c.前記した地紋に対する画像処理プログラムにより処理する画像処理手段を有するサーバにアクセスするためのURL及前記サーバから地紋に対する画像処理が行われた画像情報をダウンロードするプログラムを有する。
【0079】
このような専用ビューワに対応して、サーバVSは画像情報及び地紋処理用のプログラムを記憶する記憶手段を備え、専用ビューワV1〜V3の要求に応じて、a.画像情報を提供する又はb.画像情報及び地紋処理用のプログラムを提供する。
【0080】
また、サーバSVが彩度情報に基づいて、地紋による可視像の形成を阻止する画像処理を行う画像処理手段を有し、専用ビューワV1〜V3の要求に応じて前記画像処理を行い、画像処理した画像情報を専用ビューワに送信するように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】彩度情報を書き込んだTIFFファイルの例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るビューワの構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す画像処理装置が行う画像読取における処理のフローチャートである。
【図5】図1に示す画像処理装置が行う画像読取における処理のフローチャートの一部を示す図である。
【図6】図3に示す専用ビューワが行う画像再生のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像処理システムを示す図である。
【符号の説明】
【0082】
1 画像処理装置、P1〜P3
3 ビューワ
10、30 制御部
10a、10b 情報付加部
11、31 RAM
12、32 ROM
13、33 ネットワークI/F
14、34 記憶部
15 印刷部
16 読取部
17 ファクシミリ部
18 ユーザ認識部
19、35 表示部
20、36 操作部
S、VS サーバ
V1〜V3 専用ビューワ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地紋を含む画像を読み取り、画像データを生成する画像読取手段と、
前記画像データに基づいて前記画像を再生する際に前記地紋が可視像として形成されることを阻止する処理を行うための、画像処理に関する情報を前記画像情報に付加する画像処理手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、前記画像処理に関する情報として彩度情報を前記画像データに付加することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は、前記彩度情報と共に、前記彩度情報とは別の情報を前記画像データに付加することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理に関する情報には、画像を再生するビューワを特定する情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記付加情報には画像の属性情報が含まれることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記付加情報には、前記画像を再生する際に前記地紋による可視像が形成されるのを阻止する画像処理を行うプログラムの入手先のURLの情報、又は前記画像を再生する際に前記地紋による可視像が形成されるのを阻止する画像処理を行うサーバのURLの情報が含まれることを特徴とする請求項3又は請求項5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
地紋を含む画像を示す画像データに付加された画像処理に関する情報に基づいて(1)前記画像データに対して画像処理を施し或いは(2)前記画像処理を外部装置に実行させて前記画像処理が施された前記画像データを得て、前記画像に前記地紋による可視像が形成されることを阻止する画像処理手段を有することを特徴とするビューワ。
【請求項8】
地紋を含む画像を示す画像データに付加された画像処理に関する情報を検知し、検知した前記画像処理に関する情報に基づいて(1)前記画像データに対して画像処理を施し或いは(2)前記画像処理を外部装置に実行させて前記画像処理が施された前記画像データを得て、前記画像データに基づく再生画像に前記地紋による可視像が形成されることを阻止して画像を再生する工程をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項9】
地紋を含む画像を読み取り、画像データを生成する画像読取手段と、前記画像データに基づいて前記画像を再生する際に前記地紋が可視像として形成されることを阻止する処理を行うための、画像処理に関する情報を前記画像データに付加する画像処理手を有する画像処理装置と、
画像データに付加された前記画像処理に関する情報に基づいて(1)前記画像データに対して画像処理を施し或いは(2)前記画像処理を外部装置に実行させて前記画像処理が施された前記画像データを得て、前記画像処理後の前記画像データに基づいて画像を表示するビューワと、
前記画像処理装置が生成した画像データを蓄積するサーバを有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項10】
前記サーバは、画像情報に付加された前記画像処理に関する情報に基づいて、表示画像に地紋による可視像が形成されるのを阻止するプログラムを記憶した記憶手段を有することを特徴とする請求項9に記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記サーバは、画像情報に付加された前記画像処理に関する情報に基づいて、表示画像に地紋による可視像が形成されるのを阻止する画像処理を行う画像処理手段を有することを特徴とする請求項9に記載の画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−271092(P2008−271092A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−110319(P2007−110319)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】