説明

画像処理装置、及び画像処理方法

【課題】画像形成時に、直前にあるいは過去に使用した出力設定を、容易に再生可能な画像処理装置、画像形成装置及び画像処理方法を提供する。
【解決手段】実施形態において、画像処理装置は、保存された画像出力時の出力設定を表示する表示手段と、出力設定が保存される保存手段と、画像出力時に、画像出力時に用いた出力設定を前記保存手段に自動的に保存し、同出力設定の次の利用が要求された時点で、同出力設定を優先して使用可能とする設定選択手段と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像処理装置、及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置(MFP(Multi-Functional peripheral))は、画像データに対応する可視像を形成し,出力画像としてシート媒上に出力する.出力画像は,オリジナルの画像データと独立に,ユーザが設定する配列パターンや下地模様、等を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−278744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
下地模様等は,MFP本体に,例えばテンプレートとして用意されていることが多い.また,ユーザが設定する配列パターンは、出力設定として保持でき、必要に応じてユーザが任意に利用可能である。
【0005】
反面、ユーザが、自身が設定した配列パターン(出力設定)が保持されている保持領域あるいは前回利用した(ユーザが設定する)配列パターンがどれであるか、を瞬時に探し出すことは、以外に困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態において、画像処理装置は、保存された画像出力時の出力設定を表示する表示手段と、出力設定が保存される保存手段と、画像出力時に、画像出力時に用いた出力設定を前記保存手段に自動的に保存し、同出力設定の次の利用が要求された時点で、同出力設定を優先して使用可能とする設定選択手段と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態の一例を示す概略図。
【図2】実施形態の一例を示す概略図。
【図3】実施形態の一例を示す概略図。
【図4】実施形態の一例を示す概略図。
【図5】実施形態の一例を示す概略図。
【図6】実施形態の一例を示す概略図。
【図7】実施形態の一例を示す概略図。
【図8】実施形態の一例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
図1に示す画像形成装置(マルチファンクショナルプリフェラル、以下単にMFPと称する)1は、画像形成部3、データ管理部5、通信制御部7、システム制御部9及び出力設定保持設定部111、を少なくとも、含む。なお、MFP1は、後段に説明する通信制御部を通じて任意数のクライアント(ユーザ)例えば、パーソナルコンピュータ(PC))101、・・・、Nと接続する。
【0010】
画像形成部3は,任意形式のデータに基づいて画像や文字を可視化し,シート媒体上に出力する.データ管理部5は,データを受けつけ,プリント出力や保存等のジョブの実行のためにデータを管理する.通信制御部7は,通信回線(ネットワーク網)との間のデータの送受信を管理する.システム制御部9は,画像形成部3,データ管理部5,通信制御部7すなわちMFP1の動作を制御する.なお、出力設定保持設定部111は、MFP1のシステム制御部9、及びPC(クライアント)101、・・・、Nのそれぞれからアクセス可能である。
【0011】
画像形成部3は、電源ユニット31、スキャナユニット32、メモリユニット33、画像形成ユニット34、画像合成ユニット35、サムネイル画像作成ユニット36、CPU(マイクロプロセッサ)を含み、画像形成部3の各ユニットを制御するプロセス制御ユニット(プロセスコントローラ)37、を少なくとも含む。
【0012】
電源ユニット31は、商用電源に接続し、1次側(入力)電圧からMFP1の動作に用いる2次側電圧を生成する。もちろん、1次側電圧については、入力許容電流値(上限)が管理される。
【0013】
スキャナユニット32は,画像形成ユニット34が可視化してシート媒体上に出力する画像や文字あるいは形状,色等の情報が非データ形式である場合,(その)情報を,画像データとして出力する.スキャナユニット32は,情報を含むシート状の原稿や立体物に光を当て,(その)光が情報で反射した光(画像光)の強度に対応する電気信号を取得し,画像データに変換する.
メモリユニット33は、スキャナユニット32により得たオリジナルの画像データや、パーソナルコンピュータ(PC)からの出力データやファクシミリ受信データ等、の外部から入力される画像データ等を、保持する。メモリユニット33はまた、プログラムやアプリケーション(ソフトウェア)等を記憶する。なお、メモリユニット33は、後段に説明する「出力設定リスト」の読み出し(表示/再生)が可能に、任意数の出力設定を保持するデータベース(DB)を収容する。
【0014】
画像形成ユニット34は、画像データを可視化し、シート媒体上に出力する。可視化の方法は、トナーを用いる静電転写式やインクを用いる直接記録式(インクジェット)が、多い。特別な色(金/銀)の出力のためのホットスタンプ等が併用されてもよい。
【0015】
なお、画像形成部3は、画像形成ユニット34が出力する画像を保持し、画像形成ユニット34に供給するシート媒体の供給機構を含む。
【0016】
画像合成ユニット35は、スキャナユニット32が読み取った画像データや,PCからの出力データあるいはファクシミリ受信データ等,と,ユーザが設定した配列パターン、及び予め用意されているセキュリティコードや下地模様、等の重ね合わせ画像データを、メモリユニット33内で重ね合わせる。なお、ユーザが設定した配列パターン、及び予め用意されているセキュリティコードや下地模様を重ね合わせた画像として、表示ユニット(ディスプレイ)92に、例えば図7に示すように、サムネイル画像とともに出力する。
【0017】
サムネイル画像作成ユニット36は、スキャナユニット32が読み取った画像データや、PCからの出力データ、あるいはファクシミリ受信データの少なくとも1ページ分を、システム制御部9のディスプレイ92に表示するための所定の倍率のサムネイル(プレビュー画像)を、生成する。また、上記画像合成(重ね合わせ)が指示されたとき、ユーザが設定した配列パターン、着色データ、下線、及び予め用意されているセキュリティコードや下地模様等の重ね合わせ画像データに対応するサムネイル画像を作成し、ディスプレイ92上で、オリジナル画像データと重ねて表示する。
【0018】
なお、ディスプレイ92が表示する画像は、図3に示す出力設定リストと同様、プリンタドライバ側からも、確認できる。
【0019】
データ管理部5は、データを受けつけるデータ入力ユニット51、データ入力ユニット51が受けつけたデータを、プリント出力や保存等のジョブの実行のために処理するデータ処理ユニット52、データ処理ユニット52が処理したデータを、ジョブにより特定される形式で出力するデータ出力ユニット53、出力設定保持設定部111の出力設定保持設定ユニット111bが保持する出力設定について、類似するパターンを抽出して比較する出力設定抽出比較ユニット54、及び各ユニット相互間のデータの受け渡しを制御するデータ制御ユニット(データコントローラ)55、を少なくとも含む。
【0020】
出力設定保持設定部111の出力設定保持設定ユニット111bは、任意の出力設定が施され、サムネイル画像作成ユニット36で作成されたサムネイル画像を、画像出力毎に保持する。
【0021】
なお、出力設定抽出比較ユニット54は、サムネイル画像作成ユニット36により作成され、出力設定保持設定ユニット111bが保持するサムネイル画像に対し、低解像度化とブロック分割を行い、各ブロックの画素値の差を比較することで類似画像を判断する。
【0022】
なお、後段に説明するが、出力設定保持設定部111は、出力設定をユーザまたは管理者により削除指示があるまで保持するとともに、後段に説明するユーザインタフェースユニットあるいはPC(クライアント)101、・・・、Nのからの読み出し指示に従い、直前に利用した出力設定を読み出し(再生)可能に、一時的に保持する。
【0023】
通信制御部7は、公衆通信回線と接続され、ファクシミリ(FAX)データを受け取り、または送信するファクシミリユニット71、外部ネットワーク、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)と接続され、ネットワーク網からデータを受け取り、または送信するLAN制御ユニット72、例えばUSB(ユニバーサルシリアルバス)規格に対応し、接続される相手方からデータを受け取り、または送信する拡張インタフェースユニット73、及びファクシミリユニット71、LAN制御ユニット72及び拡張インタフェースユニット73のそれぞれによる相手先との通信、データの入力と出力及び並列処理、等を制御する通信制御ユニット(通信コントローラ)74、を少なくとも含む。なお、MFP1は、上述した通り、LAN制御ユニット72を経由し、任意のクライアント(ユーザ)例えば、パーソナルコンピュータ(PC))101、・・・、Nと接続し、ネットワークプリンタとしても機能する。
【0024】
システム制御部9は、メイン制御ブロック(MPU)91、タッチパネル(入力部/入力パネル領域)を一体に有するディスプレイ(表示ユニット)92)が接続するインタフェースユニット(操作パネルユニット)93を、少なくとも含む。MPU91は、上述した各部のプロセスコントローラ37、データコントローラ54、及び通信コントローラ74と相互に接続し、各部を制御する。
【0025】
MPU91は、インタフェースユニット(操作パネルユニット)93と接続し、ディスプレイ92のタッチパネル(入力パネル領域)から、各部の動作の開始や停止、条件設定、及び画像データに重ね合わせられる重ね合わせ画像データ、すなわち着色データ、下線、セキュリティコードや下地模様等の重ね合わせ等を実行するための指示入力を受けつけ、指示入力に応じて、各部の動作を制御する制御信号を出力する。
【0026】
タッチパネル(ディスプレイ)92は、ユーザの指が触れたことによる、もしくは予め用意された電子ペン(e-pen)95による指示(制御)入力を検出し、例えばコピー、スキャン開始、スキャンデータまたはFAXデータの表示、画像合成等の起動をMPU91に入力(指示)する。
【0027】
電子ペン95による指示(制御)入力は、例えばMPU91と接続した入力範囲/条件特定処理ユニット91a、あるいはMPU91のファームウエアとして保持されたアプリケーションにより、ディスプレイ92上の位置と範囲、及び例えば線の太さや色、等の情報を含む。なお、既に入力されている情報の消去も可能である。
【0028】
MPU91または、タイマユニット94と接続する。タイマユニット94は、内蔵するクロック発生ユニット(CLK)が発生するクロックを基準に、年(yyyy)、月(mm)、日(DD)、時(HH)、分(MM)を、例えばファクシミリ原稿の受信日時、送信日時、スキャナによるスキャン日時の表示や、ファイルへの保存(ファイル名への添付)等に利用可能に保持する。クロック発生部(CLK)は、MPU91の動作のためにシステム制御部9内に設けられるものであってもよい。タイマユニット94による時間の計数あるいは時間データの保持は、例えば画像形成部3の電源ユニット31に入力する商用電源の周波数を利用しても良い/(空間波の)放送信号が含む時間データ(時報サービス信号)を直接受信してもよい。
【0029】
MPU91または、タッチパネル(表示パネル)92(操作ユニット93)を経由して入力されるユーザ認証情報、例えばパスワード及びユーザ名を、予め保持したユーザ認証データベース(DB)内のパスワード及びユーザ名と比較して、MFP1の動作、例えば出力画像がカラー画像を含む場合の出力枚数設定、非登録/非許可ユーザすなわち共用の設定についてのみMFP1の利用が許可される一般ユーザに対する出力枚数の設定、等を判断し、(その設定に従い)MFP1の利用を管理するユーザ認証ユニット91aによる認証結果に従い、現在利用中のユーザについて、MFP1の利用可能範囲を、管理する。
【0030】
図2に、上述のMFP1の動作の概要を、MFP本体とユーザ(クライアント)のそれぞれから見た状態を示す。
【0031】
[ユーザ側]
ユーザが任意に設定する出力画像用の配列パターンである出力設定を誰が行ったか、を判断するために、操作ユニット93(タッチパネル92)あるいはPC(クライアント)101、・・・、Nのからの読み出し指示に従い、出力設定保持設定部111を通じて、メモリユニット33のDB(データベース)を参照し、ID(ユーザ名)及びパスワードを入力し、ユーザ認証を行う。なお、ユーザ認証がない(入力がない、または「非認証」が選択された)場合についても出力設定が可能である。この場合、誰でも使用できる共通ユーザの出力設定として、DB(メモリユニット33)に保存される。
【0032】
認証者が管理者である場合は、出力設定数を設定することも可能である。この出力設定数は、MFP1内に保持できる出力設定の数である。
【0033】
コピー、スキャン及びプリントを行う際には、操作ユニット93(タッチパネル92)やクライアント(PC)側のプリンタ設定(プリンタドライバ)により出力設定を行い、処理を行う。
【0034】
画像を追加で出力したい場合や、取り直したい場合には、操作ユニット93(タッチパネル92)またはPC(クライアント)101、・・・、Nのプリンタ設定(プリンタドライバ)により、過去の出力設定リストにアクセスし、使用したい出力設定を選択し、処理を行う。
【0035】
[MFP側]
MFP1は、出力設定保持設定部111のユーザ認証部ユニット111aからの参照を受け、メモリユニット33が保持するDB(ユーザ認証用)により、管理者、個人、及び共通ユーザを判断する。
【0036】
出力設定保持設定部111の出力設定保持設定ユニット111bは、操作ユニット93(タッチパネル92)またはプリンタ設定(PC側)から設定された出力設定を、出力画像の処理毎に、かつ自動的に出力設定DB(メモリユニット33)へ保存する。
【0037】
再出力(または過去に利用した出力設定を利用した新規な出力画像の出力)を行うために、ユーザから過去の出力設定リストの表示が要求された場合、認証されたユーザ(及び共通ユーザ)向けの出力設定が編集され、リストとして表示される。なお、後段に説明するが、リストに表示する出力設定は、操作ユニット93(タッチパネル92)またはプリンタ設定(PC側)による選択入力に応じ、認証されたユーザに関係するもののみ、及び共通ユーザ向けリストを含む、いづれか一方を表示する。
【0038】
なお、出力設定保持設定部111の出力設定保持設定ユニット111bが保持する出力設定の数(個数)が一定数を越得た場合、時間的に古い出カ設定を自動的に削除するものとする。これは、MFP1内部に保存してある出力設定を一時的なものとしているためである。この、一定数は、管理者として認証を行った場合にのみ、出力設定DBに設定できる。
【0039】
なお、出力設定リストが表示する内容(項目数等)が、認証されたユーザに応じ、選択可能な出力設定が変わる。図3は、操作ユニット93(タッチパネル92)またはプリンタ設定画面(PC側)として表示される共通ユーザに対する出力設定リストの表示例を示す。図3に示すユーザが出力設定リストより、ユーザが再出力時に利用したい出力設定リストを容易に選択可能となる。
【0040】
なお、リスト項目としては、例えば出力時間(前回利用時)、出力画像、出力枚数、及び出力内容、等がある。
出力時間は、前回利用時のコピー等の画像を出力した時間を示す。
出力画像は、コピー、スキャン、またはプリンタ時のサムネイル画像を示す。
出力枚数は、設定した出力設定で出力した画像の枚数を示す。
出力内容は、出力設定の詳細を示す。
処理モードは、コピー、スキャン、及びプリンタ等のモードの表示である。
調整内容は、原稿モード、画質調整、そしてレイアウト調整の詳細、等を示す。
また、図3に示す表示例のように、各項目は、その近傍に表示される、例えば逆三角(/三角)のボタンによる指示入力により、出力時間や出力枚数を、例えば昇順または降順に、ソートできる。
【0041】
なお、出力画像と処理モードについては、(出力設定)抽出比較ユニット54による抽出、比較結果に基づき、類似した画像または類似した処理モード毎にまとめて表示できるものとする。また、抽出比較ユニット54による抽出、比較結果に従い、「ソート」、同じ画像をまとめた「(画像)まとめ表示」、あるいは同じ処理モードをまとめた「(処理)まとめ表示」、等を利用できる。
【0042】
より詳細には、図4に示すように、誰が出力設定を行ったかを判断するためのユーザ認証を行い、管理者、個人または共通ユーザのいづれであるかを判断する[01]。
【0043】
次に、コピー、スキャンまたはプリントに用いる出力設定の入力を、タッチパネル(表示パネル)92(操作ユニット93)またはプリンタ設定から受けつけ[02]、[02]で設定した出力設定を基に、処理を実行し、画像を出力する[03]。
【0044】
なお、出力設定は、自動的にDB(メモリユニット33)に保存するが、DBに保存できる出力設定数が決まっているため、出力設定の削除を行うかどうか(利用した出力設定を保存するかいなか)の判断を行う[04]。
【0045】
[04]において、管理者が決めた出力設定数よりもDBに保存される出力設定の数が多くなる場合、現在保持されている出力設定のうち、時間が最も古い出力設定を出力設定DBより削除する[05]。
【0046】
なお、出力設定をDBに保存する場合、個人認証([01])により、出力設定DB内のそれぞれ異なった領域へ出力設定が保存される。そのため、出力設定DBのどの領域へ保存するかが、判断される[06]。
【0047】
以下、[06]で判断した保存先へ、利用した出力設定が保存される[07]。
【0048】
なお、ユーザが、出力画像を確認し、問題ない場合はそのまま終了するが、出力設定を変更する場合(問題有りの場合)は、再度画像を出力することになる[08]。
【0049】
[08]において、出力画像(すなわち再出力)が要求された場合、出力設定DBに記憶されている出力設定のリストが認証結果に従い編集され、タッチパネル(表示パネル)92(操作ユニット93)またはプリンタ設定に表示される。なお、リストの表示に際しては、図3に示す表示例に示す通り、ユーザの選択指示に従い、認証されたユーザ(及び共通ユーザ)向けの出力設定のいずれかが表示される[09]。
【0050】
以下、ユーザにより選択された出力設定に従い、出力画像が出力される[10]。
【0051】
図5及び図6は、図2及び図4が示す出力設定の選択(選択入力)に従うタッチパネル(表示パネル)92(操作ユニット93)の表示例、及び表示される画面の遷移を示す。
【0052】
図5は、起動処理が終了した待機状態を示し、待機状態においては、タッチパネル(表示パネル)92の所定の位置に、コピー、スキャンあるいはプリントが可能な“BASIC”表示92−1,スキャナユニット32により取り込んだスキャンデータまたは着信したファクシミリデータに対する部分消去、等の編集モードの設定が可能な“EDIT”表示92−2,プログラムの追加や削除及びアップデート時に起動する“PROGRAM”表示92−3,あるいはユーザ及び管理者に対する動作条件(設定)の変更等が可能な“SETTING”表示92−4,及び出力設定(ユーザから過去の出力設定を利用するための出力設定のリストの表示)の表示を指示できる“出力設定”表示92−5、等の選択ボタン表示が表示される。なお、編集モードの設定(起動)に用いる“EDIT”表示92−2と独立して“出力設定”のためのGUI表示92−5を用意したことにより、直前の出力画像の出力に用いた出力設定をもう一度利用したい、あるいは出力画像を確認した結果、直前に利用した出力設定の一部を変更したい、等のテンプレートあるいは保存されていると思われる過去に利用した出力設定(ユーザが設定する配列パターン)を、直ちに呼び出して利用することが可能である。
【0053】
また、操作ユニット93の所定の位置には、“0”〜“9”の数字の入力が可能な数字キー群93a、入力をクリアするクリアキー93b及び設定に応じた出力画像の出力開始を指示するスタートキー93cが、少なくとも用意されている。なお、数字キー群93a、クリアキー93b及びスタートキー93cは、タッチパネル(表示パネル)92内に用意されてもよい。
【0054】
図5に示した各表示は、例えばメモリユニット33が保持するフォントデータ及びGUI(Graphical User Interface,グラフィカルユーザインタフェース)データ(表示規則を含む)、に基づいて表示される。各表示のためのデータ及び表示規則(GUIデータ)は、MPU91のファームウエアであってもよい。また、各表示のためのデータ及び表示規則は、例えば拡張インタフェースユニット73を通じてアップデート可能である。
【0055】
図6は、MFP1が待機状態(図5において“BASIC”表示92−1によりコピー可能であることが報知されている状態)において、“出力設定”表示92−5による指示(選択)入力により、過去(直前)に利用した出力設定を用いる出力画像の出力を起動した時点での表示例であり、ユーザ認証のための“ユーザ名(ID)”と“パスワード”の入力が求められる。
【0056】
図6の認証画面に従い入力した“ユーザ名(ID)”と“パスワード”に基づき、図3に示したような『出力設定』表示が表示される。従って、ユーザは、任意の『出力設定』を選択し、直前に利用した(あるいは過去に利用した)出力画像の出力に用いた出力設定をもう一度、利用することができる。
【0057】
図7は、編集モードのイニシャル(デフォルト)表示において、例えば画像合成が可能な“SYNTHETIC”が選択された場合に、ディスプレイユニット(タッチパネル)92は、スキャナユニット32が読み取った画像データ、PCからの出力データ、あるいはファクシミリ受信データ等、のオリジナル画像データを、表示領域92−11に、所定の大きさで表示する(プレビュー画像を表示する)。プレビュー画像は、スキャナユニット32が読み取った画像データ、PCからの出力データ、あるいはファクシミリ受信データ等、のオリジナル画像データを、サムネイル画像作成ユニット36が所定の倍率のサムネイル画像として生成した画像である。また、ディスプレイユニット(タッチパネル)92は、画像合成時に、電子ペン(e-pen)95により入力可能な表示のためのデータ及び表示規則(GUIデータ)、例えば線(下線)の太さ、着色データ、あるいは予め用意されているセキュリティコードや下地模様等の重ね合わせ画像データの選択入力が可能に、“CIRCLE”(囲み円を形成する)表示92−12、“TYPE”(下線の太さの選択を受けつける)表示92−12、“COLOR”表示92−13(線の色の選択を受けつける)、あるいは“ERASE”(消去/元に戻す)表示92−14等、を同一表示内に表示する。また、電子ペン(e-pen)95により、円を用意する“CIRCLE” (円)表示92−15や、矩形を用意する“square” (矩形により囲む)表示92−16、等を選択して『円』/『矩形』を任意の位置に表示させて(ユーザの)指により位置を変更(表示位置を移動)し、少なくとも2本の指で、拡大指示(例えば、触れた位置から指の間隔を広げる)/縮小指示(例えば、触れた位置から指の間隔を狭める)等、によっても、重ね合わせる画像データを、オリジナル画像データの所定の位置に表示(位置)することができる。
【0058】
図8は、図7に示したスキャナユニット32が読み取った画像データ、PCからの出力データ、あるいはファクシミリ受信データ等、のオリジナル画像データが、着色を選択した状態の電子ペン95により、着色された状態を示す。
【0059】
図8の表示は、表示領域92−11に表示されたオリジナル画像データのプレビュー画像と、電子ペン95による入力(着色)指示により指示(入力)された着色の範囲を入力範囲/条件特定処理ユニット91aが特定した位置情報と、に従い、画像合成ユニット35が合成した出力画像データを、サムネイル画像作成ユニット36にて、プレビュー画像化した『サムネイル画像』である。
【0060】
この図8に示した表示例は、オリジナルの画像データとユーザが設定した配列パターン、セキュリティコードや下地模様等を重ね合わせた一例であり、「出力設定」の1つとして、DB(メモリユニット33)に格納される。
【0061】
以上説明した実施の形態によれば、出力画像を出力する際に、直前に利用した(あるいは過去に利用した)画像の出力に用いた出力設定を、容易に参照することができ、一部の修正等を追加して、直ちに(出力画像を)再出力できる。
【0062】
特に、直前の出力画像の出力に用いた出力設定をもう一度利用したい、あるいは出力画像を確認した結果、直前に利用した出力設定の一部を変更したい、等のテンプレートあるいは記憶領域のどこかに保存されているであろう、過去に利用した出力設定(ユーザが設定したパターン)を、呼び出すための煩雑な操作が不要となり、ユーザの利便性を高めることができる。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1…MFP(画像形成装置)、3…画像形成部、5…データ管理部、7…通信制御部、9…システム制御部、32…スキャナユニット、33…メモリユニット、34…画像形成ユニット、35…画像合成ユニット、36…出力設定保持ユニット、37…プロセス制御ユニット(プロセスコントローラ)、54…出力設定抽出比較ユニット、72…LAN制御ユニット、73…拡張インタフェースユニット、74…通信制御ユニット(通信コントローラ)、91…メイン制御ブロック(MPU)、92…表示パネル(タッチパネル)、93…操作ユニット、111…出力設定保持設定部、111a…ユーザ認証ユニット、111a…出力設定保持設定ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保存された画像出力時の出力設定を表示する表示手段と、
出力設定が保存される保存手段と、
画像出力時に、画像出力時に用いた出力設定を前記保存手段に自動的に保存し、同出力設定の次の利用が要求された時点で、同出力設定を優先して使用可能とする設定選択手段と、
を具備する画像処理装置。
【請求項2】
前記保存手段は、一定期間、上記出力設定を保持する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記設定選択手段は、ユーザ認証に従い、そのユーザが利用した出力設定をリストする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記設定選択手段は、ユーザ認証に従い、そのユーザが利用した出力設定及び非認証者が利用可能な出力設定をリストする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
入力データを可視化してシート媒体に出力する画像形成手段と、
前記画像形成手段が出力した出力画像の特徴を出力特性として記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶した出力特性を、以降の出力画像の出力に際して優先して使用可能とする設定選択手段と、
を具備する画像形成装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、一定期間、上記出力設定を保持する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記設定選択手段は、ユーザ認証に従い、そのユーザが利用した出力設定をリストする請求項5または6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記設定選択手段は、ユーザ認証に従い、そのユーザが利用した出力設定及び非認証者が利用可能な出力設定をリストする請求項7記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像出力時に、画像出力時に用いた出力設定を保存し、
同出力設定の次の利用が要求された時点で、同出力設定を優先して使用可能に画像出力時の出力設定を設定する
画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−166779(P2011−166779A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27121(P2011−27121)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】