説明

画像処理装置、情報処理装置、情報処理装置を制御する制御プログラム及び画像処理装置を制御する制御プログラム

【課題】 情報処理装置へ画像データを送信するような場合に、操作部を操作することによって情報処理装置と接続し情報処理装置のディレクトリを指定したり、予め送信先のパスが画像処理装置に設定されている必要があった。ユーザにとっては、これらの操作を行うことは煩雑であり、もっと直感的な格納先の指定方法が必要である。
【解決手段】 情報処理装置における格納したいディレクトリを開くもしくは選択して、画像処理装置と通信するだけで、画像処理装置で読み取られた画像が所望のディレクトリに格納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、情報処理装置、情報処理装置を制御する制御プログラム及び画像処理装置を制御する制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LAN環境下に、スキャナ、プリンタ及び複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)などが配備され、LAN内で共用されるようになってきている。MFPにおいては、複合機が有するスキャナをネットワーク上の各情報処理装置(ホストコンピュータ)が共有し、スキャナから読み取った画像データをネットワーク内の任意のホストコンピュータに保存しておくといったような形で使われている。
【0003】
スキャナから読み取った画像データをホストコンピュータが取得する手法としては、ネットワーク上のホストコンピュータからMFP上のスキャナを制御して、そのホストコンピュータに読み取った画像データを取込む手法がある。
【0004】
スキャナで読み取った画像データを当該スキャナ側で宛先のホストコンピュータを指定して送信する場合には、宛先(送信先)のホストコンピュータのIDのみならず、その宛先のディレクトリや、もしくは電子メールアドレスを正しく入力する必要があった。
【0005】
この場合だけでなく、MFPのストレージに蓄積されている画像ファイルを送信する場合も、宛先の指定に関して同様の問題があった。
【0006】
従来のスキャナ画像の送信の宛先指定方法としては、ホストコンピュータに送信するのに必要な宛先情報をスキャナ側の操作部画面上で探索し、その探索結果のリストを操作部画面に表示して選択させることにより設定させるものがある(特許文献1参照)。
【0007】
また、スキャナの操作部上に不要なキーを設けないようにしたものも提案されている。ユーザの識別情報とユーザ毎に予め作成されるスキャナにより読み取られた画像が記憶されるディレクトリとがサーバー上で関連付けされ、識別情報に対応するディレクトリに画像を格納するように構成したものもある(特許文献2参照)。
【0008】
また、装置間で画像データを転送する方法として、例えば、特許文献3に記載された方法のように、近距離の装置間で高速に無線通信を行う仕組みも考案されている。このような仕組みを応用すれば、携帯可能なノート型PC(パーソナルコンピュータの略)を画像処理装置の通信部の近傍に配置するだけで、ユーザは、画像処理装置のスキャナで読み取られた画像データをノート型PCへ送信することができる。
【特許文献1】特開2003−274102号公報
【特許文献2】特開平9−37013号公報
【特許文献3】特開2008−99236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、宛先を画像処理装置上の操作部を操作することによって指定する必要があり、また、メールアドレスやホストコンピュータのID(ホスト名)やその宛先のディレクトリを指定する必要がある。
【0010】
また、特許文献2に記載された方法では、予めユーザの識別情報とスキャナによって読み取った画像を格納するディレクトリ情報が関連付けしてある必要があり、初めてその画像処理装置を使用する場合等ではその効果を発揮できない。
【0011】
いずれにしても、特許文献3に記載された方法のように、近距離の高速無線通信を行うような場合には、近づけただけで直感的に所望の操作が行えることが望ましく、その意味ではどちらも直感的に格納先を指定できるとは言い難い。また、特許文献3においても、実際にスキャナにより読み取った画像を、ノート型PCを画像処理装置の通信部の近傍に配置するだけで、ノート型PCの所望のディレクトリに送信する具体的な手法に関しては言及されていない。
【0012】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、画像処理装置の画像を、情報処理装置に転送する際に、直感的に格納先を指定できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明は、画像処理装置と無線通信を行う情報処理装置であって、前記画像処理装置と無線通信を行う無線通信手段と、前記情報処理装置の格納場所を指定する指定手段と、前記無線通信手段により前記画像処理装置と無線通信が開始されたかどうか判断する判断手段と、前記判断手段によって無線通信が開始されたと判断したことに応じて前記指定手段で指定された格納場所の情報を前記画像処理装置へ送信する送信手段と、前記画像処理装置から前記格納場所の情報に基づいて決定された格納場所の情報と画像データとを前記無線通信を介して受信する受信手段とを有することを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、画像処理装置と無線通信を行う情報処理装置であって、前記画像処理装置と無線通信を行う無線通信手段と、前記無線通信手段による無線通信を開始する前に、情報処理装置の格納場所を指定する指定手段と、前記画像処理装置から画像データを前記無線通信を介して受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した画像データを、前記指定手段で指定された格納場所に記憶する記憶手段とを有することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明は、情報処理装置と無線通信を行う画像処理装置であって、前記情報処理装置と無線通信を行う無線通信手段と、画像データを記憶する記憶手段と、前記無線通信手段により前記情報処理装置と無線通信が開始されたかどうか判断する判断手段と、前記判断手段によって無線通信が開始されたと判断したことに応じて前記情報処理装置から前記情報処理装置の格納場所の情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記格納場所の情報に基づいて、前記情報処理装置の格納場所を決定する決定手段と、
前記無線通信手段を介して前記記憶手段に記憶された画像データと前記決定手段で決定された前記格納場所の情報を前記情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明は、画像処理装置と無線通信を行う情報処理装置を制御するプログラムであって、前記画像処理装置と無線通信を行う無線通信工程と、前記処理装置の格納場所を指定する指定工程と、前記無線通信工程により前記画像処理装置と無線通信が開始されたかどうか判断する判断工程と、前記判断工程によって無線通信が開始されたと判断したことに応じて前記指定工程で指定された格納場所の情報を前記画像処理装置へ送信する送信工程と、前記画像処理装置から前記格納場所の情報に基づいて決定された格納場所の情報と画像データとを前記無線通信を介して受信する受信工程とを有することを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明は、画像処理装置と無線通信を行う情報処理装置を制御するプログラムであって、前記画像処理装置と無線通信を行う無線通信工程と、前記無線通信工程による無線通信を開始する前に、情報処理装置の格納場所を指定する指定工程と、前記画像処理装置から画像データを前記無線通信を介して受信する受信工程と、前記受信工程によって受信した画像データを、前記指定工程で指定された格納場所に記憶する記憶工程とを有することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明は情報処理装置と無線通信を行う画像処理装置を制御するプログラムであって、前記情報処理装置と無線通信を行う無線通信工程と、画像データを記憶する記憶工程と、前記無線通信工程により前記情報処理装置と無線通信が開始されたかどうか判断する判断工程と、前記判断工程によって無線通信が開始されたと判断したことに応じて前記情報処理装置から前記情報処理装置の格納場所の情報を取得する取得工程と、前記取得工程によって取得された前記格納場所の情報に基づいて、前記情報処理装置の格納場所を決定する決定工程と、前記無線通信工程を介して前記記憶手段に記憶された画像データと前記決定工程で決定された前記格納場所の情報を前記情報処理装置に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像処理装置の画像を、情報処理装置に転送する際に、直感的に格納先を指定できる。これにより、ユーザの操作性が著しく向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0021】
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0022】
まず本第1の実施形態に関わる画像処理装置の構成を、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態における画像処理装置の外観図である。本実施形態では、画像処理装置の例として、多機能周辺機器(Multi Functional Peripheral device: 以降MFPと略す)を例に説明する。
【0023】
MFP100は、通信部10と表示部11とを備える。
【0024】
通信部10は、デジタルカメラや、携帯電話、PDA、ノート型PC等の外部情報処理装置と無線で通信を行うためのものである。ユーザは、情報処理装置1000を通信部10に近づけることによって、MFP100と、情報処理装置1000との通信が可能になる。このようにMFP100は、情報処理装置1000と無線通信可能に構成されている。ここでは、情報処理装置1000として、ノート型PCを例にした場合について説明するが、これに限らない。デジタルカメラや、携帯電話、PDA、ノート型PC等の情報処理装置であればよい。
【0025】
表示部11は、タッチパネルと液晶表示部とで構成され、操作画面を表示し、ユーザからの指示を受付ける。また、表示部11は、MFP100の状態を表示する。
【0026】
次に、図2を用いて、MFP100と情報処理装置1000(以降、ノート型PCと呼ぶ)とからなる画像処理システムの構成を説明する。
【0027】
コントローラ部110は、リーダ部200、プリンタ部300と電気的に接続されており、リーダ部200やプリンタ部300から情報を受信したり、リーダ部200やプリンタ部300に各種コマンドを送信したりする。また、コントローラ部110は、ネットワーク4000を介して、PC(Personal computer)4001、4002と接続されており、PC4001やPC4002からネットワーク4000を介して画像データや制御コマンドを送受信する。ネットワークとしては、例えばイーサネット(登録商標)があげられる。
【0028】
リーダ部200は、原稿画像を光学的に読み取り、画像データに変換する。リーダ部200は、原稿を読み取るための機能を持つスキャナユニット210と、原稿用紙をスキャナユニット210によって読み取ることができる位置まで搬送する原稿給紙ユニット290とで構成される。
【0029】
スキャナコントローラ210Aは、コントローラ部110からの指示に基づいて、原稿給紙ユニット290とスキャナユニット210を制御する。
【0030】
プリンタ部300は、印刷用のシートを収納する給紙ユニット310と、画像データをシートに転写、定着するマーキングユニット320と、印刷されたシートを排紙する排紙ユニット330とで構成される。プリンタ部300は、コントローラ部110からの指示に基づいて、給紙ユニット310からシートを給紙し、給紙したシートに画像データを印刷し、印刷したシートを排紙ユニット330に排紙する。
【0031】
なお、給紙ユニット310は、複数種類のシートを収納することができる。また、排紙ユニット330は、印刷されたシートに対して、ソートやステイプルを行うことができる。
【0032】
操作部250は、図1の表示部11に相当し、例えば、ハードキーや、液晶表示部と液晶表示部上に貼り付けられたタッチパネル部で構成され、それらを介してユーザの指示を受付ける。操作部250は、ユーザから受付けた指示に対応するコマンドをコントローラ部110に送信し、コントローラ部110は、受信したコマンドに従った制御を行う。また、操作部250は、液晶表示部に、MFP100の操作を受付けるためのソフトキーや、MFP100の機能や状態を示す表示を行う。
【0033】
HDD(Hard Disk Drive)260は、MFP100の各種設定や、画像データを記憶する。さらに、HDD260は、MFP100の動作を制御するプログラムを記憶する。
【0034】
これらの構成を用いて、MFP100は、例えば、コピー機能、画像データ送信機能、プリンタ機能などを実行する。コピー機能を実行する場合、コントローラ部110は、リーダ部200によって原稿の画像データを読込み、読み込んだ画像データをプリンタ部300によってシートに印刷する。画像データ送信機能を実行する場合、コントローラ部110は、リーダ部200によって読み取った画像データをコードデータに変換し、ネットワーク4000を介してPC4001、4002に送信する。プリンタ機能を実行する場合、コントローラ部110は、PC4001、4002からネットワーク4000を介して受信したコードデータを解析、展開することによって、画像データに変換し、プリンタ部300に出力する。プリンタ部300は、コントローラ部110から受けた画像データに基づいて印刷を行う。
【0035】
なお、本実施形態では、画像処理装置の例として複数の機能からなるMFP100を用いて説明するが、コピー機能のみからなるコピー機、またはプリンタ機能のみからなるSFP(Single Function Peripheral)であってもよい。
【0036】
無線通信部400は、通信部10に備えられるものであり、通信部10にノート型PC1000が近づけられことを検知し、ノート型PC1000との間で、制御データや画像データ等を送受する。無線通信部400は、制御装置110からの指示に基づいて制御するようにしてもよいし、無線通信部400が独自にCPUを備え、CPUが無線通信部400を制御するようにしてもよい。
【0037】
次に、図3に示すブロック図を用いて、コントローラ部110の構成を説明する。
【0038】
メインコントローラ111は、主にCPU(Central Processing unit)112と、バスコントローラ113と、各種I/F(interface)コントローラ回路から構成される。
【0039】
CPU112とバスコントローラ113は、コントローラ部110全体の動作を統括的に制御する。CPU112はROM(Read only memory)114からROMI/F115を経由して読込んだプログラムに基づいて各種動作を実行する。例えば、CPU112は、読み込んだプログラムに基づいて、図1に示したPC4001またはPC4002から受信したコードデータ(例えばPDL(ページ記述言語))を解釈したり、DRAM116やHDD260等のメモリの記憶制御を行ったりする。
【0040】
バスコントローラ113は各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バスの調停やDMA(Direct Memory Access)データ転送の制御を行う。
【0041】
DRAM(Dynamic Random Access memory)116はDRAMI/F117によってメインコントローラ111と接続されており、CPU112のワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
【0042】
Codec118は、DRAM116に蓄積されたラスタイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に、圧縮された状態で蓄積されたコードデータをラスタイメージデータに伸長する等の処理を行う。
【0043】
SRAM119はCodec118の一時的なワーク領域として使用される。Codec118は、I/F120を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0044】
Graphic Processor135は、DRAM116に蓄積されたラスタイメージデータに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化などの処理を行う。SRAM136はGraphic Processor135の一時的なワーク領域として使用される。Graphic Processor135はI/F137を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0045】
Network Contorller121はI/F123によってメインコントローラ111と接続され、コネクタ122によって、ネットワーク4000のような外部ネットワークと接続される。
【0046】
汎用高速バス125には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ124とI/O制御部126とが接続される。汎用高速バス125としては、例えば、PCI(Peripheral Component Interconnent)バスがあげられる。I/O制御部126は、リーダ部200、プリンタ部300の各CPUと制御コマンドを送受信するための調歩同期式のシリアル通信部コントローラ127を2チャンネル装備している。I/O制御部126は、I/Oバス128によってスキャナI/F140、プリンタI/F145に接続されている。
【0047】
パネルI/F132は、図1に示す操作部250との間でデータの受渡しを行うI/Fであって、LCDコントローラ131から転送されてきた画像データを、操作部250に転送する。また、パネルI/F132は、操作部250が備えるハードキーや液晶タッチパネルキーなどのキーを介して受付けたキー入力信号をキー入力I/F130を介してI/O制御部126に転送する。
【0048】
リアルタイムクロックモジュール133は、MFP100内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのもので、バックアップ用電池134によって電力を供給されている。
【0049】
E−IDE(Enhanced Integrated Drive Electronics)インタフェース161は、HDD260を接続するためのものである。CPU112は、E−IDEI/Fを介してHDD260に画像データを記憶させたり、HDD260から画像データを読み込んだりする。
【0050】
コネクタ142とコネクタ147は、それぞれリーダ部200とプリンタ部300とに接続され、同調歩同期シリアルI/F(143、148)とビデオI/F(144、149)とから構成される。
【0051】
スキャナI/F140は、コネクタ142を介してリーダ部200と接続され、スキャナバス141を介してメインコントローラ111と接続されている。スキャナI/F140は、リーダ部200から受け取った画像に対して所定の処理を施す。また、スキャナI/F140は、リーダ部200から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス141に出力する。スキャナバス141からDRAM116へのデータ転送は、バスコントローラ113によって制御される。
【0052】
プリンタI/F145は、コネクタ147を介してプリンタ部300と接続され、プリンタバス146を介してメインコントローラ111と接続されている。プリンタI/F145は、メインコントローラ111から出力された画像データに所定の処理を施してプリンタ部300へ出力する。DRAM116上に展開されたラスタイメージデータのプリンタ部への転送はバスコントローラ113によって制御され、ラスタイメージデータはプリンタバス146、プリンタI/F145、ビデオI/F149を経由してプリンタ部300へDMA転送される。
【0053】
SRAM(Static Random Access Memory)151は、バックアップ用の電池から供給される電源により、MFP100全体の電源が遮断されても、記憶内容を保持可能なメモリである。SRAM151は、バス150を介してI/O制御部と接続されている。
【0054】
EEPROM(Electorically Erasable and Programmable Read Only Memory)152も、同様にバス150を介してI/O制御部126と接続されたメモリである。
【0055】
無線通信I/F180は、図2に示す無線通信部400との間でデータの受渡しを行うI/Fであって、CPU112は、無線通信I/F180を介して無線通信部400からデータを受信する。また、CPU112は、無線通信I/F180を介して無線通信部400にデータを転送する。
【0056】
次に、図4を用いて、操作部250の構成について説明する。
【0057】
操作部250は、タッチパネル部401とキー入力部402とからなる。
【0058】
タッチパネル部401は、LCD(Liquid Crystal Display)と、その上に貼られた透明電極からなるタッチパネルディスプレイを有する。当該タッチパネル部401は、ユーザからの各種設定を受付ける機能と、ユーザに情報を提示する機能とを有する。例えば、LCD上に表示された表示キーに該当する個所がユーザにより押下されたことを検知すると、CPU112は当該表示キーに応じた処理を実行する。尚、タッチパネル部401に表示される画面の表示例については、後述する。
【0059】
キー入力部402は、操作部電源スイッチ403を備える。該操作部電源スイッチ303がユーザによって押されると、CPU112は、スタンバイモード(通常動作状態)とスリープモード(消費電力を抑えている状態)を選択的に切換える。CPU112は、該操作部電源スイッチ403のユーザによる操作を、システム全体の電源供給を行う主電源スイッチ(不図示)がオンの状態で受付ける。
【0060】
スタートキー404は、例えば、スキャナ部113を用いた原稿読取動作や、読み取った原稿の印刷処理といった一連の動作を、印刷ジョブとして、MFP100のCPU112に実行させるための指示をユーザから受付ける際に用いられるキーである。また、スタートキー404は、HDD260に記憶された画像データをネットワークI/F109を介して外部に送信する動作を、データ送信ジョブとして、MFP100のCPU112に実行させるための指示をユーザから受付ける際に用いられるキーである。
【0061】
ストップキー405は、受付けた印刷ジョブの処理を、中断する指示をユーザから受付けるためのキーである。
【0062】
リセットキー406は、印刷対象のジョブに対して、ユーザにより設定された各種設定を無効にし、設定値をデフォルト状態に戻す指示をユーザから受付けるためのキーである。
【0063】
ユーザモードキー407は、ユーザごとのシステム設定を行うための画面をタッチパネル部401に表示させるためのキーである。
【0064】
テンキー408は、各種設定の置数の設定をユーザにより実行するためのキーである。クリアキー409は、テンキー408を介してユーザにより入力された、例えばユーザIDやパスワード等の入力値を削除するためのキーである。
【0065】
次に、図5を用いて、タッチパネル部401に表示されるジョブ設定画面の例を説明する。図5は、MFP100の電源を入れたときに、標準画面としてタッチパネル部401に表示される設定画面の例である。
【0066】
コピーキー501が押されると、CPU112は、タッチパネル部401にコピージョブに関する設定を行うためのコピージョブ設定画面を表示する。図5に示す画面はコピージョブに関する設定を行うためのコピージョブ設定画面の例である。CPU112は、この画面を介して、印刷部数や、印刷用紙、印刷倍率等の印刷条件の設定をユーザから受付ける。設定を受付けた状態で、スタートキー404が押されると、CPU112は、スキャナ部306で原稿を読み取り、プリンタ部305によって、設定された印刷条件に従って、印刷を行う。
【0067】
送信/ファクスキー502が押されると、CPU112は、タッチパネル部401に、MFP100が有するデータ送信機能、または、ファクシミリ機能に関する設定を行うためのデータ送信ジョブ設定画面を表示する。データ送信機能とは、リーダ部200で原稿を読み取った後に所定のフォーマットに変換し、電子データとして画像データを外部の情報処理装置やサーバーに送信、もしくは後述するボックス等に格納したりする機能である。本実施例におけるデータ送信機能の詳細は、後述することにする。
【0068】
ボックスキー503が押されると、CPU112は、タッチパネル部401に、MFP100が有するボックス機能に関する設定を行うためのボックス機能設定画面を表示する。ボックス機能とは、CPU112が、スキャナで読み取った画像データや外部から受信した画像データをファイルとして、HDD260内のボックスと呼ばれる記憶領域に保存しておく。後に、ユーザの指示に基づいて、ボックス内の画像データの印刷や送信を行う機能である。HDD260は、複数のボックスを有し、ユーザは、画像データを格納する際に、複数のボックスのうち、特定のボックスを指定して画像データを格納することができる。また、各ボックスにパスワードを設定できるようにしてもよい。その場合、CPU112は、あるボックスに格納された画像データを参照する際に、そのボックスに対して設定されたパスワードが入力されるまでは、ボックスに格納された画像データの表示を禁止し、画像データの参照、使用を禁止する。そして、CPU112は、そのボックスに対して設定されたパスワードが入力されたら、ボックスに格納された画像データの表意を許可し、画像データの参照、使用を許可する。
【0069】
図25は、ノート型PC1000のブロック図である。
【0070】
CPU2501は、ノート型PC1000の全体の動作を制御する。ROM2502は、CPU2501によって実行されるブートプログラムを格納するROMである。HDD2503は、CPU2501によって実行されるプログラムを格納し、さらに画像データなどの各種ユーザのデータをディレクトリ構造で格納できるファイルシステムである。RAM2504は、CPU2501がプログラムを実行するためのワークエリア、画像データを一時的に蓄積する画像バッファとして使われる。操作部2505は、ノート型PCに各種指示を行うための操作部である。操作部2505は、ユーザがファイルシステムから所望のフォルダ、ファイルを指定するためにも用いられる。表示部2506は、ユーザに操作画面、格納しているデータのフォルダ、ファイルを表示する。無線通信I/F2507は、図2に示すMFP100の無線通信部400とデータの受け渡しを行う。バス2508を介して、ノート型PC1000内の各部と各種データ、コマンドなどの通信が行われる。
【0071】
次に、図19、図21のフローチャートを参照することによって、本発明の実施例に適用される画像処理システムにおける一連の流れを説明する。なお、図19のフローチャートで示す手順がコントローラ部110のROM114、DRAM116、HDD260のいずれかの記憶媒体に記憶され、CPU112によって実行される。また、図21のフローチャートで示されるプログラムは、ノート型PC1000のROM2502、HDD20503、RAM2504のいずれかの記憶媒体に記憶され、CPU2501によって実行される。本発明の実施例における、記憶媒体のメモリマップを図22に示す。
【0072】
図19は、本実施例において、原稿をリーダ部200で読み込んで、所定のフォーマットに変換した後に、その画像データの格納場所を直感的に指定し、送信するまでのMFP100でのフローの一例を示したものである。ここでは、MFP100からノート型PCに画像データを送信する場合の例を示している。
【0073】
まず、最初にステップS1900において、データ送信機能における送信先の選択を行う。図6は、図5において送信/ファクスキー502が押下された後のタッチパネル部401に表示される画面である。図6で示されるように、データ送信機能及びファクスの送信先としては電子メール、ファイルサーバー、ボックス、Iファクス、近距離無線通信などが挙げられる。また、ファイル形式602を選択することで、リーダ部200で読み取った画像を、どのファイル形式に変換するか設定することが可能である。一般的にはTIFFやPDFといったファイル形式が用いられる。
【0074】
ユーザがステップS1900において、近距離無線通信以外を選択した場合には、通常のデータ送信機能の処理が行われる(S1909)。一方、近距離無線通信を選択した場合には、MFP100の無線通信部400より通信接続要求が発行される(ステップS1901)。また、それと同時にMFP100は、操作部250のタッチパネル部401上に送信先の機器(本実施例ではノート型PC)を置くように表示を行う(ステップS1901)。
【0075】
この時、タッチパネル部401に表示される画面の例を図7に示す。図7に示されるように、ノート型PCを通信部10(無線通信部400)に置く前に、スキャナで読み取った画像の格納場所とするべきディレクトリを開く、もしくは選択をする。
【0076】
ステップS1902において、ユーザがノート型PCを上記の状態で置くと、近距離無線通信の接続が成立して接続完了となる(ステップS1903)。
【0077】
図23に従って、MFP100とノート型パソコンの信号の送受信について説明する。まず、ユーザがMFP100の操作部250において、データ送信方法として近距離無線通信を選択する(ステップS2200)(ステップS1901に同じ)。近距離無線通信が選択されると、無線通信部400は、接続要求を一定間隔で送信する。接続要求は送信先であるノート型PC1000が無線通信部400に置かれる、もしくは近づけられるまで続けられる。ステップS2201において、ユーザが通信部10(無線通信部400)にノート型PCを置くと、ノート型PCはMFP100からの接続要求を受信し、今度は逆に接続要求認識をMFP100に送信する。最後にMFP100は接続要求認識を受信した後に、最終確認である接続認識をノート型PCに送信する。この接続認識をノート型PCが受信した後に、近距離無線通信の接続が成立し、接続完了となる(ステップS1903に同じ)。これによって、MFP100とノート型PCの間で近距離無線通信が開始される。 MFP100はステップS1903において、近距離無線通信が開始されると、ノート型PCで現在開かれている、もしくは選択されているディレクトリのパス情報をノート型PCから無線通信を介して取得する。これによって、能登方PCMFP100は、取得したディレクトリのパスを操作部250のタッチパネル401上に表示する(ステップS1904)。
【0078】
ユーザは、データ送信機能の送信先として、タッチパネル401上に表示されたディレクトリのパスをデータの送信先とするのであれば(ステップS1905)、実際にスタートキー404を押下して原稿のスキャンを開始する。MFP100は、リーダ部200によって読み込まれた画像データを、CPU112によりユーザが選択したフォーマット形式に変換を行う(ステップS1907)。その後、MFP100は、変換された画像データ及び先ほどノート型PCから取得したディレクトリのパス情報を、近距離無線通信を介してノート型PCに送信する(ステップS1908)。
【0079】
一方、この時のノート型PCでの一連の処理フローを、図21を参照することによって説明する。まず、ユーザがMFP100で読み込む画像を格納したいディレクトリを選択するか、もしくはディレクトリを開いて通信部10の上に置く。ノート型PCのCPU2501は、ノート型PCが通信部10の上に置かれたことを、MFP100からの接続要求を受信することによって検知する(ステップS2100)。ユーザが、ノート型PCを通信部10に置くとノート型PCは接続要求認識をMFP100に送信する。さらに、MFP100からの接続要求認識を受信すると近距離無線通信の接続が完了し、データの送受信が行える状態となる(ステップS2101)。その後、ノート型PCは、図24のフローチャートで示されるとおり、MFP100から格納場所を示すディレクトリのパス情報を取得し、画像データを受信する(S2102)。この際、MFP100は画像を読み込み、所定のフォーマット形式に変換した後に、変換された画像データ及びディレクトリのパスを示す情報をノート型PCに送信する。最後に、ノート型PCは、受信した画像データを、同じく受信したディレクトリのパスに格納する(ステップS2103)。この時、ノート型PCは、新たにディレクトリを作成して格納する場合もある。この詳細は、後述する。
【0080】
図19及び図21のフローチャートにより、本実施例における一連の処理フローを説明したが、ノート型PCでのディレクトリの指定に関してはいくつかのケースが考えられるので、ここではその内のいくつかを例にとって説明を行う。
【0081】
図24のフローチャート、図8〜図17を例にとって各ケースについて説明する。図24のフローチャートで示す手順は、ROM2502、HDD20503、RAM2504のいずれかの記憶媒体に記憶されたプログラムにしたがって、CPU2501によって実行される。
【0082】
図24のフローチャートは、無線通信I/F2507が近距離無線通信によってノート型PCの格納場所に関する情報をMFP100に送信するためのフローである。近接無線通信を行う場合、このフローを実行されるので、MFP100のユーザは、いかに示す簡単な操作で画像をノート型PCの所望の格納場所に画像を格納することができる。ノート型PCのCPU2501はディレクトリが開かれているか(ステップS2401)、フォルダが選択されているか(ステップS2402)を判断することで、以下のケースを実行する。
【0083】
<ケース1> ディレクトリを開いた状態で、どのフォルダも選択していない場合
このケースでのノート型PCでの表示画面の状態を図8に示している。図8は、「格納場所」と名づけられたフォルダが開かれ、そのフォルダの中に3つのフォルダ802〜803があるが、そのいずれも選択されていない場合を示している。但し、「格納場所」のWindowは選択されており、ツールバー801がアクティブな状態を示している。
【0084】
この状態でユーザがノート型PCを通信部10に置くと、ノート型PCは開かれているディレクトリのパスを示す情報をMFP100に送信する(ステップS2403)。MFP100はノート型PCで現在開かれている「格納場所」フォルダのパスを示す情報を取得する。そして、その後MFP100は、「格納場所」フォルダの直下に自動的に例えば格納した日付・時間のフォルダ名を持つフォルダを格納先として表示を行う(ステップS1904)。この時の、タッチパネル401上の表示の例を図9に示す。ユーザが、もし図9で示されているディレクトリが所望のパスであるならば(ステップS1905)、YESキー901を押下することにより、実際にスキャンを開始することになる。
【0085】
その後、ノート型PCは、MFP100から変換された画像データ及びディレクトリのパス情報を受信し、指定されたパスに画像データを格納する(ステップS2103)。画像データがノート型PCに格納された様子を図10に示す。図10に示す様に、ノート型PCは、「格納場所」フォルダ直下に日付「2008XXXX」と言うフォルダを作成して、そこに画像データを格納している。ここでは、日付を例に説明したが、日時、時刻などの情報でもよい。その他、作成したフォルダが一意に識別できる名称であればよい。
【0086】
一方、ステップS1905において、ユーザがタッチパネル401上に表示されているパスが所望でなくNOキー902を押下した場合、タッチパネル401上でノート型PCのディレクトリ階層を探索することができる(ステップS1906)。この時の、タッチパネル401上の表示例を図18に示す。但し、この探索する作業が煩雑であると感じるユーザは、再度ノート型PCで所望のディレクトリを開く、もしくは選択する作業を行って通信部10に置くことで、格納するパスを再指定することも可能である。
【0087】
<ケース2> あるフォルダを選択している場合
このケースでのノート型PCでの表示画面の状態を図11に示している。図11は、「格納場所」と名づけられたフォルダが開かれ、そのフォルダの中にある「地図」と言うフォルダ1101を選択している場合を示している。
【0088】
この状態でユーザがノート型PCを通信部10に置くと、選択されているフォルダのパス情報がMFP100に送信される(ステップS2404)。MFP100はノート型PCで現在指定されている「地図」フォルダのパス情報を取得する。そして、その後MFP100は、「地図」フォルダを格納先として表示を行う(ステップS1904)。この時の、タッチパネル401上の表示の例を図12に示す。ユーザが、もし図12で示されているディレクトリが所望のパスであるならば(ステップS1905)、YESキー1201を押下することにより、実際にスキャンを開始することになる。NOキー1202を押下した時は、ケース1と同様なフローになる。
【0089】
その後、ノート型PCは、MFP100から変換された画像データ及びディレクトリのパス情報を受信し、指定されたパスに画像データを格納する(ステップS2103)。画像データがノート型PCに格納された様子を図13に示す。図13に示す様に、ノート型PCは、ユーザが指定した「地図」フォルダに画像データを格納している。
【0090】
<ケース3> どのディレクトリも選択されていない場合
このケースはユーザが画像データの所望の格納先を全く指定せずに、通信部10の上にノート型PCを置いてしまった時の例である。
【0091】
この状態でユーザがノート型PCを通信部10に置くと、デスクトップのパス情報がMFP100に送信される(S2405)。MFP100はノート型PCの「デスクトップ」のパス情報を取得する。そして、その後、MFP100は、「デスクトップ」の直下に自動的に例えば日付のフォルダ名を持つフォルダを格納先として表示を行う(ステップS1904)。この時の、タッチパネル401上の表示の例を図14に示す。ユーザが、もし図14で示されているディレクトリが所望のパスであるならば(ステップS1905)、YESキー1401を押下することにより、実際にスキャンを開始することになる。NOキー1402を押下した時は、ケース1と同様なフローになる。
【0092】
その後、ノート型PCは、MFP100から変換された画像データ及びディレクトリのパス情報を受信し、指定されたパスに画像データを格納する(ステップS2103)。画像データがノート型PCに格納された様子を図15に示す。図15に示す様に、ノート型PCは、「デスクトップ」直下に日付「2008XXXX」と言うフォルダを作成して、そこに画像データを格納している。
【0093】
<ケース4> 複数のフォルダをユーザが指定している場合
このケースでのノート型PCでの表示画面の状態を図16に示している。図16は、「格納場所」と名づけられたフォルダが開かれ、そのフォルダの中にある「お気に入り」と「地図」と言う二つのフォルダ1601、1603を選択している場合を示している。
【0094】
この状態でユーザがノート型PCを通信部10に置くと、MFP100はノート型PCで現在選択されている「お気に入り」と「地図」の双方のフォルダのパス情報を取得する。そして、その後MFP100は、「お気に入り」と「地図」の双方のフォルダのパスを格納先として表示を行い、どちらのフォルダに格納するかをユーザに選択させる(ステップS1904)。この時の、タッチパネル401上の表示の例を図17に示す。その後、ノート型PCは、図17で選択したディレクトリのパスに、画像データを格納する。
【0095】
このように、ノート型PCとMFP100間で、近距離無線通信の接続完了すると、ノート型PCは、ユーザが操作していた状況に応じて、ノート型PCの格納場所情報を簡単にMFP100に送信することができる。
【0096】
上述のように、本実施例によればMFP100で読み込んだ画像をノート型PC1000に送信する際に、ユーザは直感的にわかりやすい非常に簡単な操作で格納先情報を取得できる。即ち、ユーザはノート型PCの所望のフォルダを開いて、ノート型PCをMFP100の通信部10に置く操作をするだけで格納先情報を送信できる。また、受信した画像データも、ノート型PCの所望のフォルダに格納することができる。一方、MFP100は、ノート型PCをMFP100の通信部10に置く操作をするだけで格納先情報受信できる。
【0097】
ここでは、ユーザがノート型PCをMFP100の通信部10に置くことで近距離無線通信が開始される例について説明したがこれに限らない。ユーザがノート型PCをMFP100の通信部10に近づけることで、近距離無線通信が開始されてもよい。
【0098】
また、ここでは、リーダ部200においた原稿を読み取って送信する例について説明したがこれに限らない。HDD260内のボックスに記憶されている画像を、近距離無線通信を用いて、ノート型PC送信する場合に適用しても良い。この場合、リーダ部200に原稿を置く代わりに、HDD260内に蓄積されている画像ファイル又はボックスを指定した状態で近距離無線通信が選択される。以降は図19の処理が実行される。ただし、この場合、原稿の読み取りは行わないので、S1907のスキャンの開始は実行されずに送信用データが作成されるだけである。
【0099】
さらに、ここでは、図24に示すとおりノート型PCで選択されているパス情報をMFP100に送信し、ユーザがMFP100上でパス情報を指定し、パス情報とともに画像データを送信する例について説明したがこれに限らない。ノート型PCでパス情報が選択されている状態で通信部10に置いた場合、MFP100とパス情報の送受信をしないようにしても良い。この場合、MFP100ではステップS1904〜ステップS1906の処理は行われない。同様に、ステップS1908においても、パス情報の送受信をせずに画像データの送信のみが行われる。一方、近距離無線通信を介して画像を受信したノート型PCは、図24のフローチャートと同様の処理に従って受信した画像の格納先を決定する。すなわちディレクトリが開かれているか、フォルダが選択されているかに基づいて、画像データを格納するパス情報を取得し、そのパス情報に受信した画像を格納する。この場合、MFP100のユーザはノート型PCの画像の格納場所を意識せず、簡単な操作で所望の原稿をノート型PCに送信することができる。
【0100】
<第2の実施形態>
本発明における第2の実施形態におけるハードウェア構成は、第1の実施形態と同一である。
【0101】
第1の実施形態では、データ送信機能の送信先として近距離無線通信601を選択したとタイミングでMFP100は通信接続要求を発行していたが、第2の実施形態では、実際に原稿をスキャンし、データを変換して後に通信接続要求を発行する例を説明する。
【0102】
図20のフローチャートを参照することによって、本発明の実施例に適用される画像処理システムにおける一連の流れを説明する。なお、図20のフローチャートで示す手順がコントローラ部110のROM114、DRAM116、HDD260のいずれかの記憶媒体に記憶され、CPU112によって実行される。本発明の実施例における、記憶媒体のメモリマップを図22に示す。
【0103】
図19のフローチャートと図20のフローチャートの違いは、スキャンを開始してデータ送信用のデータ変換を行ってからMFP100がノート型PCに対して通信接続要求を行う点のみである。要するに、ノート型PCを置くタイミングが原稿をスキャンする前か、その後になるかの違いだけである。しかし、スキャンする原稿の枚数が大量にあるような場合だと、第1の実施形態ではスキャンしている間ずっと無線通信部400にノート型PCを置いておく必要がある。ノート型PCを長時間に渡って無線通信部400に置いておくことは、盗難や無線通信部400からの落下の危険性が高まり、あまり望ましいとは言えない。従って、MFP100が実際に所望のファイル形式に画像データを変換して、データを送信する準備が整ってから、ノート型PCに対して通信接続要求を発行し、所望のディレクトリのパス情報を取得することになる。こうすることにより、ノート型PCを通信部10に置く時間が必要最低限に抑えられ、様々な危険を回避する確率を高めることが可能になる。それ以外の処理フローは第1の実施形態と同様である。
【0104】
以上、主に近距離無線通信での実施の形態を説明したが、本発明の実施の形態はそれだけにとどまらず、様々なI/Fにおいても適用可能である。
【0105】
本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記憶した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給しても実現できる。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み取り、実行することによっても、達成される。
【0106】
この場合、記憶媒体から読み取られたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0107】
又、コンピュータが読み出したコードを実行することにより、前述した実施形態が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)などの実際の処理の一部または全部を行い。その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0108】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる。その後、プログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行う。このような処理によって前述した実施形態の機能が実現されることは言うまでもない。
【0109】
本発明を前述の記憶媒体に媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0110】
また、ハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組み合わせによっても実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】画像処理装置の概観を示す図である
【図2】画像処理システムの構成を示す図である
【図3】コントローラ部の構成ブロックを示す図である
【図4】操作部におけるタッチパネルの表示を示す図である
【図5】タッチパネルにおけるジョブ設定画面を示す図である
【図6】タッチパネルにおける送信/FAXの設定画面を示す図である
【図7】図6において近距離無線通信を選択した後の画面を示す図である
【図8】本発明の実施形態1のケース1での、ノート型PCにおいて所望のディレクトリを開いている画面を示す図である
【図9】本発明の実施形態1のケース1での、タッチパネルにおける格納するディレクトリのパスを表示している図である
【図10】本発明の実施形態1のケース1での、ノート型PCの所望のディレクトリに画像データが格納されている事を示す図である
【図11】本発明の実施形態1のケース2での、ノート型PCにおいて所望のフォルダを選択している画面を示す図である
【図12】本発明の実施形態1のケース2での、タッチパネルにおける格納するディレクトリのパスを表示している図である
【図13】本発明の実施形態1のケース2での、ノート型PCの所望のディレクトリに画像データが格納されている事を示す図である
【図14】本発明の実施形態1のケース3での、タッチパネルにおける格納するディレクトリのパスを表示している図である
【図15】本発明の実施形態1のケース3での、ノート型PCの所望のディレクトリに画像データが格納されている事を示す図である
【図16】本発明の実施形態1のケース4での、ノート型PCにおいて所望のフォルダを複数選択している画面を示す図である
【図17】本発明の実施形態1のケース4での、タッチパネルにおける格納するディレクトリのパスの選択肢を表示している図である
【図18】本発明の実施形態1のケース1での、タッチパネルにおいてノート型PCのディレクトリ階層を探索するための表示画面を示している図である
【図19】本発明の第1の実施形態に係るMFPでの処理フローを示すフローチャートである
【図20】本発明の第2の実施形態に係るMFPでの処理フローを示すフローチャートである
【図21】本発明の第1の実施形態に係るノート型PCでの処理フローを示すフローチャートである
【図22】本発明の実施形態に係るMFP及びノート型PCの記憶媒体のメモリマップを示す図である
【図23】本発明の実施形態に係るMFPとノート型PC間での近距離無線通信の通信接続完了までのフローを示すフローチャートである
【図24】ノート型PCの格納場所に関する情報をMFP100に送信するためのフローチャートである
【図25】ノート型PC1000を示すフローチャートである
【符号の説明】
【0112】
10 通信部
11 表示部
100 MFP
110 制御装置(コントローラ部)
112 CPU
114 ROM
116 DRAM
200 リーダ部
250 操作部
260 HDD
300 プリンタ部
400 無線通信部
401 タッチパネル部
402 キー入力部
502 送信/ファクスキー
601 近距離無線通信キー
1000 ノート型PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と無線通信を行う情報処理装置であって、
前記画像処理装置と無線通信を行う無線通信手段と、
前記情報処理装置の格納場所を指定する指定手段と、
前記無線通信手段により前記画像処理装置と無線通信が開始されたかどうか判断する判断手段と、
前記判断手段によって無線通信が開始されたと判断したことに応じて前記指定手段で指定された格納場所の情報を前記画像処理装置へ送信する送信手段と、
前記画像処理装置から前記格納場所の情報に基づいて決定された格納場所の情報と画像データとを前記無線通信を介して受信する受信手段とを、
有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記指定手段は、前記無線通信手段による無線通信を開始する前に、格納場所を示す格納場所の情報を指定することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記判断手段によって無線通信が開始されたと判断したことに応じて前記指定手段で指定された格納場所の情報を、ユーザによる送信のための操作なしに前記画像処理装置へ送信することを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記指定手段により格納場所が指定されていない場合には、特定の格納場所を指定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定の格納場所は、前記情報処理装置のデスクトップであることを特徴する請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
画像処理装置と無線通信を行う情報処理装置であって、
前記画像処理装置と無線通信を行う無線通信手段と、
前記無線通信手段による無線通信を開始する前に、情報処理装置の格納場所を指定する指定手段と、
前記画像処理装置から画像データを前記無線通信を介して受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信した画像データを、前記指定手段で指定された格納場所に記憶する記憶手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、ユーザによる記憶のための操作なしに記憶することを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記指定手段により格納場所が指定されていない場合には、特定の格納場所を指定することを特徴とする請求項6ないし7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記特定の格納場所は、前記情報処理装置のデスクトップであることを特徴する請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記無線通信手段は、前記画像処理装置に近づけることによって無線通信を開始することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置と無線通信を行う画像処理装置であって、
前記情報処理装置と無線通信を行う無線通信手段と、
画像データを記憶する記憶手段と、
前記無線通信手段により前記情報処理装置と無線通信が開始されたかどうか判断する判断手段と、
前記判断手段によって無線通信が開始されたと判断したことに応じて前記情報処理装置から前記情報処理装置の格納場所の情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記格納場所の情報に基づいて、前記情報処理装置の格納場所を決定する決定手段と、
前記無線通信手段を介して前記記憶手段に記憶された画像データと前記決定手段で決定された前記格納場所の情報を前記情報処理装置に送信する送信手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
前記取得手段は、前記判断手段によって無線通信が開始されたと判断したことに応じて前記取得手段で取得された格納場所の情報を、ユーザによる取得のための操作なしに取得することを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記取得手段で取得した格納場所の情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項11ないし12のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記取得手段によって取得された前記格納場所と異なる格納場所に、画像データを格納したい場合には、前記情報処理装置の格納場所を探索する探索手段をさらに有し、前記決定手段は前記探索手段で探索した格納場所情報に基づいて格納場所を決定することを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記取得手段によって取得された前記格納場所の情報が複数あった場合には、前記表示手段に複数の前記格納場所の情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項13記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記取得手段によって取得された格納場所の情報に他のフォルダと識別できるフォルダ名を作成することを特徴とする請求項11ないし15のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項17】
原稿を読み取る読み取り手段を更に有し、
前記送信手段は、前記読み取り手段で読み取った原稿を送信することを特徴とする請求項11ないし16のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項18】
複数の画像データを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された画像データを選択する選択手段をさらに有し、
前記送信手段は、前記選択手段で選択された画像データを送信することをとくとする請求項11ないし17のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項19】
前記無線通信手段は、前記情報処理装置に近づけることによって無線通信を開始することを特徴とする請求項11ないし18のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項20】
画像処理装置と無線通信を行う情報処理装置を制御するプログラムであって、
前記画像処理装置と無線通信を行う無線通信工程と、
前記処理装置の格納場所を指定する指定工程と、
前記無線通信工程により前記画像処理装置と無線通信が開始されたかどうか判断する判断工程と、
前記判断工程によって無線通信が開始されたと判断したことに応じて前記指定工程で指定された格納場所の情報を前記画像処理装置へ送信する送信工程と、
前記画像処理装置から前記格納場所の情報に基づいて決定された格納場所の情報と画像データとを前記無線通信を介して受信する受信工程とを、
有することを特徴とする情報処理装置を制御するプログラム。
【請求項21】
画像処理装置と無線通信を行う情報処理装置を制御するプログラムであって、
前記画像処理装置と無線通信を行う無線通信工程と、
前記無線通信工程による無線通信を開始する前に、情報処理装置の格納場所を指定する指定工程と、
前記画像処理装置から画像データを前記無線通信を介して受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信した画像データを、前記指定工程で指定された格納場所に記憶する記憶工程とを有することを特徴とする情報処理装置を制御するプログラム。
【請求項22】
情報処理装置と無線通信を行う画像処理装置を制御するプログラムであって、
前記情報処理装置と無線通信を行う無線通信工程と、
画像データを記憶する記憶工程と、
前記無線通信工程により前記情報処理装置と無線通信が開始されたかどうか判断する判断工程と、
前記判断工程によって無線通信が開始されたと判断したことに応じて前記情報処理装置から前記情報処理装置の格納場所の情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記格納場所の情報に基づいて、前記情報処理装置の格納場所を決定する決定工程と、
前記無線通信工程を介して前記記憶工程で記憶された画像データと前記決定工程で決定された前記格納場所の情報を前記情報処理装置に送信することを特徴とする画像処理装置を制御するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−122810(P2010−122810A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294597(P2008−294597)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】