説明

画像処理装置、画像処理システム及び画像処理方法

【課題】小さな回路で異常画像発生源特定を効率的に進めることができるようにする。
【解決手段】任意の画像処理モジュール111で生成する第1のテストパターンPを、当該テストパターンの出力位置までのカウンタ幅のカウンタ115A,115Bとゲート回路G3〜G5により主走査及び副走査方向のそれぞれ最低1本のラインパターンL1,L2として出力するテストパターン発生回路115と、前記任意の画像処理モジュール111より後段の画像処理モジュール11nにて正しい位置にテストパターンが載っているかを検知する第2のテストパターンPを、主走査及び副走査方向のそれぞれ最低1本のラインパターンL1,L2として出力するテストパターン検知回路116と、画像信号D0〜D7が流れている段階で前記第1及び第2のテストパターンPを比較し、両者の比較結果から異常の有無を検出する画像異常検出フラグ119と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置、画像処理システム及び画像処理方法に係り、特に、異常画像発生の原因解析に特徴のある画像処理装置、この画像処理装置を複数備えた画像処理システム及び前記画像処理装置で実行される画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能などの複数の機能を複合して有するデジタル複合機、所謂MFP(Multi Function Peripheral)などによって印刷された出力物に異常画像が発生する場合がある。このような場合、その異常画像を出力した発生源や原因を特定するためにMFP内部の画像信号が通ってくる経路上の画像処理LSI(Large Scale Integration)などでテストパターンと呼ばれる特定の画像を発生出力させ、この特定の画像に基づいて異常画像の発生源を追跡する方法が既に知られている。このような知られた方法の1つに例えば特許文献1(特開2008−236129号公報)に開示された発明がある。
【0003】
この発明は、画像処理装置内の複数の画像処理手段の中のどの画像処理手段が画像の異常を発生させたかを特定するため、複数の画像処理手段のそれぞれからテストパターンを発生させ、入力された画像にテストパターンを重ねて出力し、出力された画像とテストパターンの状況からどの画像処理手段が異常となったかを判断するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のようにしてテストパターンを発生させるためには、そのテストパターンを作り出すための画像出力回路が必要である。画像を発生させる回路は通常大規模であり、さらにそこからテストパターンを発生出力させるためにはその出力モードに設定する必要がある。出力モードの設定には内部ソフトウェア、あるいは外部端末接続などで、そのモードにするための特定のレジスタにアクセスし、設定する必要がある。このようにレジスタにアクセスし、設定するためには、内部ソフトウェアを修正し、あるいは外部端末を接続する必要がある。その場合、当然そのレジスタのアドレスや仕様などを知っている必要がある。
【0005】
一方、目的が異常画像発生時の発生源特定ということもあり、コストを考えると大きな回路は搭載しにくく、また、発生率の低い異常画像発生の再現の場合に連続出力を行った場合に、出力された全ての画像でテストパターンが崩れていないかどうかを全て目視で確認する必要があり、時間、労力及び正確性の点で問題があった。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、小さな回路で異常画像発生源特定を効率的に進めることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、第1の手段は、複数の画像処理モジュールを有し、当該画像モジュールにおける異常画像発生を検知する画像処理装置であって、任意の画像処理モジュールで生成する第1のテストパターンを、当該テストパターンの出力位置までのカウンタ幅のカウンタとゲート回路により主走査及び副走査方向のそれぞれ最低1本のラインパターンとして出力するテストパターン発生回路と、前記任意の画像処理モジュールより後段の画像処理モジュールにて正しい位置にテストパターンが載っているかを検知する第2のテストパターンを、主走査及び副走査方向のそれぞれ最低1本のラインパターンとして出力するテストパターン検知回路と、画像信号が流れている段階で前記第1及び第2のテストパターンを比較し、両者の比較結果から異常の有無を検出する異常検出手段と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
第2の手段は、第1の手段に係る画像処理装置を複数搭載した画像処理システムであって、前記テストパターン検知回路によってテストパターンを発生させテストパターンを検知するモードを設定する各画像処理装置の特定の外部接続端子を共通に接続し、前記モードの設定が前記特定の外部接続端子に接続された外部機器から直接行われることを特徴とする。
【0009】
第3の手段は、複数の画像処理モジュールを有する画像処理装置の前記画像処理モジュールにおける異常画像発生を検知する画像処理方法であって、任意の画像処理モジュールで生成するテストパターンを、出力する位置までのカウンタ幅のカウンタとゲート回路で主走査及び副走査方向のそれぞれ最低1本のラインパターンとして出力する第1の工程と、前記画像処理装置内の後段の画像処理モジュールにて正しい位置にテストパターンが載っているかを検知するテストパターンを、主走査及び副走査方向のそれぞれ最低1本のラインパターンとして出力する第2の工程と、画像信号が流れている段階で前記テストパターン発生回路によって生成されたテストパターンと、前記テストパターン検知回路によって検出されるテストパターンとを比較し、両者の比較結果から生成したテストパターンに異常があるか否かを検知する第3の工程と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
なお、後述の実施形態では、画像処理モジュールは符号111,112,113,114(11n)に、画像処理装置は画像処理デバイス110,120に、第1及び第2のテストパターンは符号Pに、主走査方向のパターンは符号L1に、副走査方向のパターンは符号L2に、カウンタは主走査カウンタ115A,116A及び副走査カウンタ115B,116Bに、ゲート回路は第1ないし第10のゲートG1ないしG10に、テストパターン発生回路は符号115に、テストパターン検知回路は符号116に、異常検出手段は異常画像検出フラグ119に、外部接続端子は端子117に、それぞれ対応し、外部機器からのモード設定はスイッチ118によって行われる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、テストパターン発生回路を画像幅全体分のカウンタが不要な小さな回路で構成することができるとともに、画像出力の時点で異常画像の発生を特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】画像形成装置としての一般的なデジタル複合機において画像信号が通る主要ユニットを示すブロック図である。
【図2】一般的な画像処理ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図3】一般的な画像処理デバイスの概略構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態における画像処理デバイスの概略構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態における画像処理デバイス内部の詳細な回路構成を示す図である。
【図6】図4の変形例に係る画像処理デバイスの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像処理デバイスを複数搭載した画像処理ユニットの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、画像形成装置としての一般的なデジタル複合機(以下、MFPと称す)1において画像信号が通る主要ユニットを示すブロック図である。同図において、MFP1は、画像処理ユニット100、スキャナユニット200、プリンタユニット300及びコントローラユニット400を備え、これらの各ユニットで画像信号が取り扱われる。
【0015】
スキャナユニット200、画像を読み取り、画像信号に変換し、画像処理ユニット100に画像信号を送る。画像処理ユニット100では、スキャナユニット200から受け取った画像信号に必要な画像処理(信号処理)を施し、又はプリンタ300へ送る画像信号にプリンタ出力に必要な画像処理(信号処理)を施す。プリンタ300受け取った画像信号に基づいて用紙上に画像を形成する。画像形成は、電子写真方式であれば、光書き込みを行って潜像を形成し、この潜像をトナー現像して顕像化した後、用紙上に転写する。また、インクジェット方式であれば、用紙上にインク滴を吐出し、インクによって直接用紙上に画像を形成する。コントローラユニット400は、ネットワーク500、電話回線、電子メディアなどの各種外部及び内部インターフェイスを介して画像信号の送受を行う。
【0016】
図2は一般的な画像処理ユニットの概略構成を示すブロック図である。同図において、一般的なMFP1における画像処理ユニット100は各種ユニットとの接続口になる各インターフェイス(スキャナユニットI/F102,プリンタユニットI/F103、コントローラユニットI/F104)といくつかの画像処理デバイス110,120・・から構成され、図示しないCPUによって各種制御が行われる。
【0017】
図3は、一般的な画像処理デバイスの概略構成を示すブロック図である。同図において、一般的なMFP1における画像処理デバイス100は第1ないし第4の複数の画像処理モジュール111、112,113,114モジュールの段数を示す)を備え、各画像処理モジュールに設定された機能、例えば、入力された画像(信号)にガンマ処理(γ処理モジュール)や色補正処理(色補正モジュール)など信号の入力順に各種の画像処理を行い、後段に出力する。
【0018】
図4は、本実施形態における画像処理デバイスの概略構成を示すブロック図である。同図において、本実施形態における画像処理デバイス110は、図3に示した通常の第1ないし第4の画像処理モジュール111,112,113,114に追加してテストパターン発生回路115及びテストパターン検知回路116が接続されている。この例では初段である第1の画像処理モジュール111の入力側にテストパターン発生回路115、4段目の第4の画像処理モジュール114の出力側にテストパターン検知回路116が接続されている。また、それぞれのテストパターン回路115,116の機能のオン/オフを制御する端子117とそこに接続するデバイス外部のスイッチ118からなる構成となっている。
【0019】
図5は、本実施形態における画像処理デバイス内部の詳細な回路構成を示す図である。
図5は図4に示した画像処理デバイス110の詳細を示すもので、第1ないし第nの画像処理モジュール111〜11n(nは2以上の連続した整数でモジュールの段数に対応する)、テストパターン発生回路115、テストパターン検知回路116、端子117及びデバイス外部のスイッチ118を備えている。テストパターン発生回路115及びテストパターン検知回路116は、さらに主走査カウンタ115A,116A及び副走査カウンタ115B,116Bをそれぞれ備えている。
【0020】
本実施形態では、画像信号は8ビット多値信号D0〜D7、主走査同期信号LS、副走査ゲート信号FGである。各画像処理モジュール111〜11n間はこれらの信号で画像を後段のモジュールへと渡している。ここで8ビット多値信号の値00hは白画像で値が大きくなるにつれグレー色の濃度が上がり、FFhは黒画像である。
【0021】
画像信号が流れていないとき第1ないし第nの画像処理モジュール111〜11nに入力される副走査ゲート信号FGはノンアクティブであり、このとき副走査ゲート信号FGが入力されている全ての主走査カウンタ115A,116A及び副走査カウンタ115B,116Bはそれぞれリセット状態でカウンタ値0である。次に画像信号が入力されると、副走査ゲート信号FGはアクティブになり各カウンタ115A,116A,115B,116Bのリセット状態は解除され、主走査カウンタ115A,116Aは画素クロックICLKごとにカウントアップし、副走査カウンタ115B,116Bは主走査同期信号LSごとにカウントアップを始める。
【0022】
ここでテストパターン発生回路115側の構成から説明すると、主走査カウンタ115Aとその設定値Aがビットごとに第1のゲートG1で比較され、主走査カウンタ115Aと設定値Aのビットが全て一致した場合、第1のゲートG2の出力にHighが出力され、第3のゲートG3の一方に入力される。第3のゲートG3の他方の入力は副走査カウンタ115Bの回路側と接続されており、同様に副走査カウンタ115Bと設定値Bが一致した場合にHighが入力される。
【0023】
つまり第3のゲートG3は主走査又は副走査のカウンタ115A、115Bがそれぞれの設定値A,Bと一致した場合にHigh出力される。さらに第3のゲートG3の出力は第4のゲートG4に入力され、第4のゲートG4のもう片方の入力はデバイス外部のスイッチ118が接続されている。このとき第4のゲートG4がHighを出力する条件は、画像が入力されており、主走査カウンタ115A又は副走査115Bで設定値A,Bが一致し、かつデバイス外部のスイッチ118がオンのときであることがわかる。
【0024】
第4のゲートG4の出力がHighのときは第1の画像処理モジュール111へ入力されている8ビット多値画像信号D0〜D7が第5のゲートG5により全ビットHighとなるため、第1の画像処理モジュール111には値FFhつまり黒の画像が入力される。第4のゲートG4がLow出力のときは、第1の画像処理モジュール111は入力された画像そのままを入力されることがわかる。この動作で入力画像に重ね書きされるテストパターンは図5(b)に示したように主走査及び副走査方向にそれぞれ1ラインL1,L2の十字のテストパターンPとなる。
【0025】
このテストパターンPの主走査及び副走査方向のラインL1,L2の出力位置は、主副カウンタ115A,115Bと比較される設定値A,Bで制御されている。なお、ここで例えば主走査カウンタ115Aの必要ビット幅はテストパターンPを出力する位置までカウントできれば良く、カウンタ115Aがフルになればそこでカウントをストップするようにしておけば、主走査幅分のカウンタビットは不要である。例えば画像が600dpiの場合、主走査先端から40mmに位置にテストパターンPを出力する設定であれば10ビットのカウンタで良い。
【0026】
テストパターン検知回路116側の動作ではテストパターン検知回路116の第6のゲートG6の入力側はテストパターン発生回路115の第3のゲートG3の入力側と設定値も含め全く同じであり、これの意味するところはこのテストパターン検知回路116が接続されている画像処理モジュール11nの出力画像において、上流のテストパターン発生回路115が出したテストパターンPと全く同じ位置で第6のゲート6がHighを出力するということである。このとき第7のゲート7は画像処理モジュール11nから出力される8ビット多値画像信号D0〜D7が全てHighであるかを判定しており、全てHighであるとき第8のゲート8へHighを出力する。
【0027】
第8のゲート8は主走査カウンタ116Aあるいは副走査カウンタ116Bのいずれかからの出力がHighであり、第nの画像処理モジュール11nの出力する8ビット多値画像信号D0〜D7が全てHighで一致した場合にLowを出力し、それ以外はHighを出力する。
【0028】
第9のゲート9では主走査カウンタ116Aあるいは副走査カウンタ116Bからの出力がHighであり、かつ第8のゲート8の出力により画像処理モジュール11nの出力する8ビット多値画像信号D0〜D7のどれかがHighではなく不一致の場合、Highが入力される。つまり第9のゲート9がHighを出力する条件は、主走査カウンタ116Aあるいは副走査カウンタ116BでHighが出力されるとき、つまりはテストパターンPが存在するはずであるときに画像処理モジュール11nの出力する8ビット多値画像信号D0〜D7のどれかがHighではなく不一致であるときである。その先の第10のゲート10は外部スイッチ118がオンでテストパターン出力モードであるときに上記テストパターンP1が出力されているはずであるところにテストパターンがない場合に異常画像検知フラグ119のFF(フリップフロップ)にHighを立てることになる。
【0029】
以上のように、この例の回路は上流の入力画像に最低限のカウンタ115A,115Bと第1ないし第5のゲートG1〜G5からなる簡単なテストパターン発生回路115によりテストパターンPを重ね書きし、下流の画像出力側でテストパターン発生回路115と同様に最低限のカウンタ116A,116BとゲートG6〜G10からなる簡単なテストパターン検知回路116により上流で重ね書きされたはずのテストパターンPを検知し、画像ズレなどによりテストパターンPがあるべきところにない場合に異常画像検出フラグ119のFFにフラグを立てる回路である。この異常画像検出フラグの状態により、本画像処理デバイス110での異常画像の発生を簡単に知ることができる。
【0030】
さらに、このテストパターン出力/検知モードは外部のスイッチ118一つで制御するので、この類のデバッグモードにありがちなデバッグ用ソフトウェアを別に用意する必要がなく、デバッグのために外部端末を機器に接続する必要もなく、デバッグ用のモードにするためのレジスタなどにアクセスする必要もない。そのため、前記レジスタに関する仕様やアドレスなどを知っている必要もない。これにより、これらのMFPがユーザ先にあるような場合でも、このスイッチ118の切替えさえできれば、特に特別な知識や道具なども不要で、その場で異常画像発生の原因を解析することができる。
【0031】
図6は、図4の変形例に係る画像処理デバイスの構成を示すブロック図である。この図6に示した例は、図5で説明したテストパターン検知回路116を図4に示した第1ないし第4の画像処理モジュール111〜114のそれぞれの出力を検知するテストパターン検知回路116−1〜4として設けた例である。このように構成すると、第1ないし第4の画像処理モジュール111〜114のどの画像処理モジュールで異常画像が出たかをすぐに検出することができる。すなわち、テストパターン発生回路115によって出力されるテストパターンが決まっていれば、同じ位置にテストパターンがあるはずなので後段のテストパターン検知回路116のカウンタ回路116Aは共通使用が可能であり、例えば図5における第6のゲートG6以降のゲート回路と異常画像検出フラグ119を異常画像検知対象とする画像処理モジュールの数だけ設ければ良い。これにより、回路の節約が可能となる。
【0032】
この逆に、テストパターン発生回路115を図4に示した第1ないし第4の画像処理モジュール111〜114の入力側に設け、最後段の画像モジュール114の出力側に1つのテストパターン検知回路116を設けて異常検知を行うことも可能である。
【0033】
さらに、各画像処理モジュール111,112,113,114の入力側と出力側のそれぞれにテストパターン発生回路115とテストパターン検知回路116を設けるように構成することもできるが、回路規模が大きくなるので、前者の方が望ましい。
【0034】
図7は、本発明の実施形態に係る画像処理デバイスを複数搭載した画像処理ユニットの一例を示すブロック図である。図7の例は、図2の画像処理ユニットに対して画像処理デバイスを図4若しくは図6のように構成し、複数搭載した画像処理デバイス110,120のテストパターン回路115,116の機能のオン/オフを制御する端子に接続するデバイス外部のスイッチ118を設けた例である。この例では、画像処理デバイス110,112を複数搭載しても、スイッチ118一つで同時にテストパターン出力モードにすることができる。このように構成することにより大規模なユニットでも簡単に異常画像発生を検知することができる。
【0035】
以上のように、本実施形態によれば、
1)必要最低限のカウンタとゲートで構成される小さな回路でテストパターンを発生させ、さらにその場で容易にテストパターン発生のモードにすることができる。さらに、出力後の後段モジュールでテストパターンが崩れるという異常画像の発生を即時に知ることが可能であり、効率的に異常画像の発生源を特定することができる。
2)出力されるテストパターンは主副方向のそれぞれ最低1本のラインパターンでありテストパターンを発生させる回路はカウンタとゲートで構成され、そのカウンタもテストパターンを出力する位置までのカウンタ幅で良く、画像幅全体分を持たなくとも良いので、小さな回路でテストパターンの発生が可能になる。
3)検知されるテストパターンは主副方向のそれぞれ最低1本のラインパターンでありテストパターンを発生させる回路はカウンタとゲートで構成され、そのカウンタもテストパターンを出力する位置までのカウンタ幅で良く、画像幅全体分を持たなくとも良いので、小さな回路でテストパターンの検知が可能になる。
4)テストパターン検知回路では、後段で正しい位置にテストパターンが載っているかを検知しており、画像信号が流れている段階でテストパターンに異常があるかどうかが検知されるので、画像出力時点での異常画像の発生を即時に知ることができる。
5)外部のスイッチによりテストパターン発生のモードに設定することができるので、ソフトウェアの変更や外部端末の接続が不要であり、当然テストパターン発生のためのレジスタのアドレスやその仕様を知っている必要もなく、簡単な構成で画像の異常検知が可能となる。
などの効果を奏する。
【0036】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲により規定される範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
110,120 画像処理デバイス
111,112,113,114(11n) 画像処理モジュール
115A,116A 主走査カウンタ
115B,116B 副走査カウンタ
115 テストパターン発生回路
116 テストパターン検知回路
117 端子
118 スイッチ
119 異常画像検出フラグ
D0〜D7 画像信号
G1〜G10 ゲート
L1 主走査方向のラインパターン
L2 副走査方向のラインパターン
P 第1及び第2のテストパターン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】特開2008−236129号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像処理モジュールを有し、当該画像モジュールにおける異常画像発生を検知する画像処理装置であって、
任意の画像処理モジュールで生成する第1のテストパターンを、当該テストパターンの出力位置までのカウンタ幅のカウンタとゲート回路により主走査及び副走査方向のそれぞれ最低1本のラインパターンとして出力するテストパターン発生回路と、
前記任意の画像処理モジュールより後段の画像処理モジュールにて正しい位置にテストパターンが載っているかを検知する第2のテストパターンを、主走査及び副走査方向のそれぞれ最低1本のラインパターンとして出力するテストパターン検知回路と、
画像信号が流れている段階で前記第1及び第2のテストパターンを比較し、両者の比較結果から異常の有無を検出する異常検出手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理装置であって、
前記テストパターン検知回路は前記テストパターン発生回路に設けられたカウンタ幅のカウンタとゲート回路により構成されること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像処理装置であって、
前記テストパターン発生回路は最前段の画像処理モジュールの入力側に1つ搭載され、
前記テストパターン検知回路は前記各画像処理モジュールの出力側にそれぞれ搭載されること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の画像処理装置であって、
前記テストパターン発生回路は前記各画像処理モジュールの入力側にそれぞれ搭載され、
前記テストパターン検知回路は最後段の画像処理モジュールの出力側に1つ搭載されること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の画像処理装置であって、
前記テストパターン発生回路は前記各画像処理モジュールの入力側に、前記テストパターン検知回路は前記各画像処理モジュールの出力側にそれぞれ搭載されること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項3記載の画像処理装置であって、
前記テストパターン検知回路のうち少なくとも前記カウンタは共通に使用されること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記テストパターン検知回路によってテストパターンを発生させテストパターンを検知するモードを設定する特定の外部接続端子を備え、
前記モードの設定が前記特定の外部接続端子に接続された外部機器から直接行われること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像処理装置を複数搭載した画像処理システムであって、
前記テストパターン検知回路によってテストパターンを発生させテストパターンを検知するモードを設定する各画像処理装置の特定の外部接続端子を共通に接続し、
前記モードの設定が前記特定の外部接続端子に接続された外部機器から直接行われること
を特徴とする画像処理システム。
【請求項9】
複数の画像処理モジュールを有する画像処理装置の前記画像処理モジュールにおける異常画像発生を検知する画像処理方法であって、
任意の画像処理モジュールで生成するテストパターンを、出力する位置までのカウンタ幅のカウンタとゲート回路で主走査及び副走査方向のそれぞれ最低1本のラインパターンとして出力する第1の工程と、
前記画像処理装置内の後段の画像処理モジュールにて正しい位置にテストパターンが載っているかを検知するテストパターンを、主走査及び副走査方向のそれぞれ最低1本のラインパターンとして出力する第2の工程と、
画像信号が流れている段階で前記テストパターン発生回路によって生成されたテストパターンと、前記テストパターン検知回路によって検出されるテストパターンとを比較し、両者の比較結果から生成したテストパターンに異常があるか否かを検知する第3の工程と、
を備えていることを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−129633(P2012−129633A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277273(P2010−277273)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】