説明

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム

【課題】印刷ジョブに濃度補正処理を実行する場合であっても高濃度の文字のエッジの先鋭性を保持することが可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトに濃度補正を施す画像処理装置は、印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであり、当該オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かを判定し(S303、S304)、文字濃度が所定値以上であると判定された文字オブジェクトを濃度補正処理の対象から除外する(S304、S305)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトに対して濃度補正処理を実行するための画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、モノクロ印刷において、シャドウ部の階調を十分に再現できずに全体が黒く塗りつぶされてしまう「黒つぶれ」の問題が指摘されていた。この問題の改善策として、出力画像の濃度を一律に低下させて印刷する方法が広く採用されている。
【0003】
このように出力画像の濃度を低下させる方法としては、プリンタエンジン側で現像電位を落として印刷する方法や、プリンタコントローラ側で出力画像データに対してトーンカーブによる濃度補正処理を施す方法等が考えられる。
【0004】
しかし、エンジン側で現像電位を落とす方法ではトナーの付着量が安定しないため印刷後の画像に濃度ムラが発生し、画質が著しく低下するという問題が生じる。また、トーンカーブによる濃度補正処理を行なう場合、濃度ムラによる画質低下は発生しないが、本来は強調されるべき高濃度の文字までもが濃度補正処理により一律に低濃度化されてしまうので、スクリーン処理による2値化の結果、文字のエッジ部分の先鋭性が損なわれてしまうという問題が生じる。
【0005】
これに関連して、以下の特許文献1には、所定ポイント以下の文字オブジェクトにのみ印刷濃度を低濃度側にシフトした特殊なスクリーン処理を適用する技術が提案されている。しかし、同技術は、2、3ポイント程度の小サイズの文字の印刷時の滲み等を解消することを目的としており、画像データに一律に適用された濃度補正処理による文字の先鋭性低下という問題を解決するものではない。
【特許文献1】特開2004−306555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、印刷ジョブに濃度補正処理を実行する場合であっても高濃度の文字のエッジの先鋭性を保持することが可能な画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトに濃度補正を施す画像処理装置であって、前記印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであり、当該オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かを判定する判定部と、前記判定部が、文字濃度が前記所定値以上であると判定した前記文字オブジェクトを除外した前記オブジェクトに前記濃度補正を施す濃度補正部と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【0009】
(2)前記判定部は、文字濃度が100%の文字オブジェクトのみを濃度が前記所定以上の文字オブジェクトであると判定することを特徴とする上記(1)に記載の画像処理装置。
【0010】
(3)前記判定部は、前記印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであるか否かを判定する第1判定部と、前記第1判定部が文字オブジェクトであると判定した前記オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かをさらに判定する第2判定部と、を備えることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の画像処理装置。
【0011】
(4)前記濃度補正は、トーンカーブによる濃度補正であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0012】
(5)前記印刷ジョブは、PostScript(登録商標)で記述された印刷データであり、前記第1判定部は、前記印刷データに含まれるshowオペレータの存否に基づき判定を行い、前記第2判定部は、前記印刷データに含まれるsetgrayオペレータ、setcmykcolorオペレータ、setrgbcolorオペレータのいずれか1つのオペランドに基づき判定を行なうことを特徴とする上記(3)に記載の画像処理装置。
【0013】
(6)印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトに濃度補正を施す画像処理装置において実行される画像処理方法であって、前記印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであり、当該オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで文字濃度が前記所定値以上であると判定された前記文字オブジェクトを除外した前記オブジェクトに前記濃度補正を施す濃度補正ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【0014】
(7)前記判定ステップでは、文字濃度が100%の文字オブジェクトのみが文字濃度が前記所定値以上の文字オブジェクトであると判定されることを特徴とする上記(6)に記載の画像処理方法。
【0015】
(8)前記判定ステップは、前記印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであるか否かを判定する第1判定ステップと、前記第1判定ステップで文字オブジェクトであると判定された前記オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かをさらに判定する第2判定ステップと、を含むことを特徴とする上記(6)または(7)に記載の画像処理方法。
【0016】
(9)前記濃度補正は、トーンカーブによる濃度補正であることを特徴とする上記(6)〜(8)のいずれか1つに記載の画像処理方法。
【0017】
(10)前記印刷ジョブは、PostScript(登録商標)で記述された印刷データであり、前記第1判定ステップでは、前記印刷データに含まれるshowオペレータの存否に基づき判定が行なわれ、前記第2判定ステップでは、前記印刷データに含まれるsetgrayオペレータ、setcmykcolorオペレータ、setrgbcolorオペレータのいずれか1つのオペランドに基づき判定が行なわれることを特徴とする上記(8)に記載の画像処理方法。
【0018】
(11)印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトに濃度補正を施す画像処理装置を制御するための画像処理プログラムであって、前記印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであり、当該オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かを判定する判定手順と、前記判定手順で文字濃度が前記所定値以上であると判定された前記文字オブジェクトを除外した前記オブジェクトに前記濃度補正を施す濃度補正手順と、を前記画像処理装置に実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【0019】
(12)前記判定手順では、文字濃度が100%の文字オブジェクトのみが文字濃度が前記所定以上の文字オブジェクトであると判定されることを特徴とする上記(11)に記載の画像処理プログラム。
【0020】
(13)前記判定手順は、前記印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであるか否かを判定する第1判定手順と、前記第1判定手順で文字オブジェクトであると判定された前記オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かをさらに判定する第2判定手順と、を含むことを特徴とする上記(11)または(12)に記載の画像処理プログラム。
【0021】
(14)前記濃度補正は、トーンカーブによる濃度補正であることを特徴とする上記(11)〜(13)のいずれか1つに記載の画像処理プログラム。
【0022】
(15)前記印刷ジョブは、PostScript(登録商標)で記述された印刷データであり、前記第1判定手順では、前記印刷データに含まれるshowオペレータの存否に基づき判定が行なわれ、前記第2判定手順では、前記印刷データに含まれるsetgrayオペレータ、setcmykcolorオペレータ、setrgbcolorオペレータのいずれか1つのオペランドに基づき判定が行なわれることを特徴とする上記(13)に記載の画像処理プログラム。
【0023】
(16)上記(11)〜(15)のいずれか1つに記載されたプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、文字濃度が所定値以上の文字オブジェクトを濃度補正処理の対象から除外することにより、高濃度の文字のエッジの先鋭性を保持することが可能になる。その結果、シャドウの黒つぶれを防止しつつ原稿画像の文字品質を保持することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
−システムの構成(図1〜6)
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置が適用された画像形成システムAの全体構成を示すブロック図である。
【0026】
本実施形態に係る画像形成システムAは、ユーザの指示に従い印刷ジョブを生成するクライアント装置としてのPC1と、PC1から受信した印刷ジョブに基づき印刷を実行する画像形成装置としてのMFP2とを備えており、これらはネットワーク3により相互に通信可能に接続されている。なお、PC1とMFP2とは、ネットワーク3を介することなく直接機器間で接続(ローカル接続)されてもよい。
【0027】
ここで、MFP2は、PC1から受信した印刷ジョブに対してラスタライズ処理を含む各種画像処理を実行する画像処理装置としてのプリンタコントローラ21と、プリンタコントローラ21から転送された画像処理済みの画像データに基づき印刷を実行する印刷装置としてのプリンタエンジン22とを含んでなる。ただし、画像処理装置としてのプリンタプリンタコントローラ21は、本例のようにMFP2に内包された装置ではなく、MFP2から独立した単独の装置であってもよい。
【0028】
図2は、図1に示されるPC1の構成を示すブロック図である。PC1は、制御部11、記録部12、表示部13、入力部14、ネットワークインタフェース15を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス16を介して相互に接続されている。
【0029】
制御部11はCPUであり、プログラムに従って上記各部の制御や各種の演算処理等を行う。
【0030】
記憶部12は、PC1の基本動作を制御する各種プログラムやパラメータを格納するROM、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM、及びOS(オペレーティングシステム、基本ソフトウェア)やPC1の各種動作を制御するためのプログラムやパラメータ等を格納するハードディスク等を含んでなる。本実施形態において、記憶部12のハードディスクには、特に、文書ファイルを作成するための文書作成アプリケーション、文書ファイルをプリンタコントローラ21が解釈可能なページ記述言語(PDL:Page Description Language)に変換して印刷ジョブ(以下、「PDLデータ」ともいう)を生成するためのプリンタドライバ、及び後述のプリンタコントローラ21によりPDLデータに対して実行される濃度補正処理に関する設定を行うための濃度補正アプリケーション等が格納されている。
【0031】
表示部13は、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示装置であり、ユーザに各種情報を表示する。入力部14は、キーボードやマウス等であり、PC1への各種入力を行なうユーザにより利用される。ネットワークインタフェース15は、ネットワーク3に接続しネットワーク3上の他の機器と通信するためのインタフェースであり、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格が用いられる。
【0032】
図3は、図1に示される画像形成システムAのプリンタコントローラ21の構成を示すブロック図である。プリンタコントローラ21は、制御部211、記憶部212、データ解析部213、RIP部214、ネットワークインタフェース215、及びプリンタエンジンインタフェース216を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス217を介して相互に接続されている。
【0033】
制御部211はCPUであり、プログラムに従って上記各部の制御や各種の演算処理等を行う。
【0034】
記憶部212は、プリンタコントローラ21の基本動作を制御する各種プログラムやパラメータを格納するROM、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM、及びOS(オペレーティングシステム、基本ソフトウェア)やプリンタコントローラ21の各種動作を制御するためのプログラムやパラメータ等を格納するハードディスク等を含んでなる。特に、本実施形態において、記憶部212には、PC1から受信したPDLデータの濃度補正に適用するためのトーンカーブが予め保存されているものとする。この点についてはさらに後述する。
【0035】
データ解析部213は、PC1から受信した印刷ジョブ(PDLデータ)を解析する。より具体的に、データ解析部213は、受信したPDLデータを解析することにより、濃度補正処理において当該PDLデータに適用すべきトーンカーブを特定したり、PDLデータに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであるか否かを判定したり、文字オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かを判定したりする。この点についてはさらに後述する。
【0036】
RIP処理部214は、PC1から受信したPDLデータをビットマップ形式の多値画像データに展開するラスタライズ処理を実行する。このほか、RIP処理部214は、ラスタライズ処理により生成された多値画像データに対して濃度補正処理及びスクリーン処理を順に実行する。
【0037】
ここで、濃度補正処理とは、多値画像データに対して、記憶部212に保存されているトーンカーブを適用して当該画像データの濃度を補正する処理である。そして、スクリーン処理とは、濃度補正後の多値画像データから、網点の大小で階調が表現された2値画像データを生成する処理である。なお、トーンカーブとは、フォトレタッチソフトで画像の明暗、階調、色調を調整する際に使用される機能であり、横軸が入力で縦軸が出力である直線によって表される。一般的に、調整前のトーンカーブは右上がり45°の直線である。ユーザは、この直線の傾きや位置をマウス操作等により変化させて画像の明暗、階調、色調を微調整することで濃度補正を実行することができる。
【0038】
図4は、RIP処理部214の動作を概念的に示すブロック図である。図4のように、RIP処理部214は、PC1から受信したPDLデータに、順次、ラスタライズ処理、濃度補正処理、スクリーン処理を実行し、その結果生成された濃度補正済みの2値画像データをプリンタエンジン22に送信する。そして、プリンタエンジン22により受信された画像データに基づく画像が、後述のように印刷部225により記録用紙に印刷される。
【0039】
再び図3を参照すると、ネットワークインタフェース215は、ネットワーク3に接続し、ネットワーク3上の他の機器と通信するためのインタフェースである。また、プリンタエンジンインタフェース216は、プリンタエンジン22と通信するためのインタフェースであり、例えば、IEEE1394等のパラレルインタフェースである。
【0040】
図5は、図1に示される画像形成システムAのプリンタエンジン22の構成を示すブロック図である。プリンタエンジン22は、制御部221、記憶部222、画像読取部223、操作部224、印刷部225、プリンタコントローラインタフェース226を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス227を介して相互に接続されている。
【0041】
制御部221はCPUであり、プログラムに従って上記各部の制御や各種の演算処理等を行う。記憶部222は、プリンタエンジン22の基本動作を制御する各種プログラムやパラメータを格納するROM、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM、及びOS(オペレーティングシステム、基本ソフトウェア)やプリンタエンジン22の各種動作を制御するためのプログラムやパラメータ等を格納するハードディスク等を含んでなる。
【0042】
画像読取部223は、原稿台の所定の読取位置にセットされた原稿、又はADF(Auto Document Feeder:自動原稿搬送装置)により所定の読取位置に搬送された原稿に対して蛍光ランプ等の光源から光を照射し、その反射光をCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の受光素子でスキャン(走査)することで原稿画像のデジタルデータを生成する。
【0043】
操作部224は、ユーザに各種情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示装置、及びユーザから再印刷指示等を取得するためのタッチパネルやキーボード等の入力装置を備えたオペレーションパネルである。
【0044】
印刷部225は、電子写真方式による作像プロセスを用いて、プリンタコントローラ21から受信した画像データに基づく画像を記録用紙等の記録媒体に印刷する。プリンタコントローラインタフェース226は、プリンタコントローラ21と通信するためのインタフェースである。
【0045】
図6は、印刷部225の具体的な構成を示す模式図である。図6のように、印刷部225は、矢印方向に回転する感光体ドラムa、帯電装置b、露光装置c、現像装置d、転写装置e、清掃装置f、及び定着装置g、給紙装置h、排紙装置iを備えている。印刷部225による作像プロセスは以下の通りである。
【0046】
1)帯電装置bにより反時計回り方向に回転する感光体ドラムaの表面が一様に帯電される。 2)露光装置cのレーザ照射により感光体ドラムaの表面に静電潜像が形成される。 3)感光体ドラムa表面上の静電潜像に、現像装置dを構成するC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)各色の現像ローラからトナーが提供され、静電潜像が顕像化される。 4)顕像化されたCMYK各色のトナー画像が転写装置eの中間転写ベルトに順次転写される。 5)中間転写ベルト上に形成されたカラー画像が、転写装置eにより、給紙装置から供給された記録用紙上に転写される。 6)記録用紙上に転写されたカラー画像が定着装置により記録用紙上に定着される。
【0047】
このようにして画像データに基づく画像が印刷された記録用紙は、適宜、ステープル処理やパンチ処理等の後処理工程を経て排紙装置iにより排紙トレイ等に排出される。
−PCの処理(図7、9)
(a)トーンカーブ保存処理(図7)
次に、本実施形態に係るPC1の動作の概要について説明する。図7は、本実施形態に係るPC1がユーザからトーンカーブ調整指示を受け付け、調整済みのトーンカーブを以後の印刷処理のためにプリンタコントローラ21に保存する処理(以下、単に「トーンカーブ保存処理」ともいう)の手順を示すフローチャートの一例である。図7のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、記憶部12のROMに制御プログラムとして記憶されており、動作開始の際に制御部11により読み出されて実行される。
【0048】
先ず、PC1は、ユーザからトーンカーブ保存処理を開始する指示を受け付けたら、ハードディスクに格納された濃度補正アプリケーションを起動する(S101)。なお、上記指示は、例えば、ユーザがプリンタドライバにより提供されるUI画面上で所定の操作を行なったときに受け付けられる。
【0049】
S101において濃度補正アプリケーションが起動されると、ユーザが濃度補正に適用すべきトーンカーブを調整するためのトーンカーブ調整用UI画面u1が表示部13に表示される。図8は、本実施形態におけるトーンカーブ調整用UI画面u1の一例を示す概略図である。
【0050】
図8のように、本実施形態のトーンカーブ調整用UI画面u1は、トーンカーブ調整に用いるテストチャートの選択結果をユーザから取得するための「テストチャート」のプルダウンメニューM1、現在調整中のトーンカーブを表示するとともにトーンカーブ調整指示をユーザから取得するためのトーンカーブ表示ウィンドウW1、調整前後のトーンカーブによる濃度補正結果をユーザが比較対照できるように表示するためのプレビュー表示ウィンドウW2、調整後のトーンカーブを保存すべきとの指示をユーザから取得するための「保存」ボタンB1等を備えている。
【0051】
このようなUI画面を用いてトーンカーブ調整を実行するユーザは、先ず、プルダウンメニューM1から適当なテストチャートを選択する。ここで、テストチャートとは、トーンカーブ調整中にプレビュー表示ウィンドウW2に表示されるサンプル画像データであり、これは記憶部12のハードディスク等に保存されている。通常、テストチャートは複数種類用意されており、ユーザは後に印刷しようとする原稿画像に近いテストチャートを選択することで所望の仕上がり状態をより忠実に再現することができる。そして、ユーザは、プレビュー表示ウィンドウW2に表示されたテストチャートのプレビューを見ながら、次のような手順でトーンカーブ調整を行なう。
【0052】
UI画面u1が表示された時点で、トーンカーブ表示ウィンドウW1には初期状態のトーンカーブが表示されている。初期状態のトーンカーブは、例えば、右上がり45°の直線である。そして、ユーザは、トーンカーブ表示ウィンドウW1に表示中のトーンカーブを、例えば、マウスでドラッグして変形させることによりトーンカーブ調整を行なう。ここで、プレビュー表示ウィンドウW2には、調整前の(初期状態の)トーンカーブが適用されたプレビューと調整後のトーンカーブが適用されたプレビューとが左右並列に表示されるが、調整後のプレビューはユーザによるトーンカーブ調整に応じて逐次更新される。そのため、ユーザは調整後プレビューの変化を観察しながらマウス等を操作することで、所望の濃度補正を実現するトーンカーブを容易に作成することができる。
【0053】
最後に、ユーザは、「保存」ボタンB1を押下することで、調整後のトーンカーブに名前を付けて保存することができる。このようにして保存されたトーンカーブは、以後の印刷処理において適宜選択され、PDLデータの濃度補正処理に適用されることになる。この点についてはさらに後述する。
【0054】
再び図7を参照すると、PC1は、プリンタコントローラ21に接続し(S102)、プリンタコントローラ21との通信を開始する。そして、PC1は、トーンカーブ調整に用いるテストチャートを特定し(S103)、当該テストチャートの画像データを記憶部12から読み出す。より具体的には、PC1は、ユーザから「テストチャート」のプルダウンメニューM1に対する選択結果を取得する。
【0055】
続いて、PC1は、ユーザからトーンカーブ調整の指示を受け付ける(S104)。より具体的に、PC1は、トーンカーブ表示ウィンドウW1によりユーザからトーンカーブ調整の指示を取得する。
【0056】
続いて、PC1は、S104で受け付けた調整指示に従ってトーンカーブを調整した後、S103で特定したテストチャートに調整後のトーンカーブを適用したプレビュー画像を生成し、それをプレビュー表示ウィンドウ(の右側)に表示する(S105)。このとき、PC1は、ユーザが実際の印刷結果を確認できるように、調整後のトーンカーブを適用したテストチャートの印刷指示をプリンタコントローラ21に対して行なってもよい。
【0057】
その後、PC1は、調整後のトーンカーブを保存すべきとの指示を受け付けるまでS104〜S105の処理を繰り返し実行する(S106のNO)。なお、上記指示は、ユーザがUI画面u1の「保存」ボタンB1を押下したときに受け付けられる。そして、PC1は、上記指示を取得したら(S106のYES)、そのトーンカーブに名前を付けて接続中のプリンタコントローラ21に保存してから(S107)、一連の処理を終了する(エンド)。このとき、PC1は、ユーザがトーンカーブ名を入力するためのテキスト入力画面(不図示)を表示し、そこで取得したトーンカーブ名を含む調整後のトーンカーブに関する情報をプリンタコントローラ21の記憶部に保存する。
【0058】
(b)印刷設定処理(図9)
図7の手順でプリンタコントローラ21に保存されたトーンカーブは、以後の印刷設定処理において適宜参照されることができる。図9は、PC1による印刷設定処理の手順を示すフローチャートの一例である。図9のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、記憶部12のROMに制御プログラムとして記憶されており、動作開始の際に制御部11により読み出されて実行される。
【0059】
先ず、PC1は、ユーザから印刷設定開始の指示を受け付けたら、前述のプリンタドライバを起動する(S201)。なお、上記指示は、例えば、ユーザがPC1にインストールされ文書作成アプリケーション上で所定の操作を行なったときに受け付けられる。
【0060】
続いて、PC1は、ユーザから印刷設定に関する指示を取得するための印刷設定用UI画面u2を表示部13に表示する。図10は、印刷設定用UI画面u2の一例を示す概略図である。
【0061】
図10のように、印刷設定用UI画面u2は、「詳細設定」、「基本設定」、「レイアウト」、「仕上げ」・・・「画像品質」、「その他」の多数の設定画面から構成されており、ユーザは設定項目ごとにタブを切り替えて所望の設定画面を表示させて印刷設定を行なう。図10において表示されているのは、濃度補正に適用すべきトーンカーブ等の設定を行なうための「画像品質」タブに係る設定画面である。
【0062】
ここで、図10のUI画面u2には、濃度補正に適用すべきトーンカーブを選択するための「トーンカーブ」のプルダウンメニューM2が設けられており、このプルダウンメニューM2からは、前述のトーンカーブ保存処理(図7)により事前に保存されたトーンカーブが選択可能となっている。
【0063】
再び図9を参照すると、PC1は、印刷設定用UI画面u2により、各種印刷設定に関する指示を受け付ける(S202)。このときPC1が受け付ける指示には、印刷部数や出力サイズ等の基本設定のみならず、「仕上げ」設定画面によるパンチやステープル等の後処理設定、及び「画像品質」の設定画面によるスクリーン方式やトーンカーブ等の画像処理設定に関する指示が含まれる。
【0064】
最後に、PC1は、S202で受け付けた印刷設定に基づき、PostScript(登録商標)やPCL(登録商標)等の所定形式のPDLデータを生成し、これを印刷ジョブとしてプリンタコントローラ21に送信してから(S203)、一連の処理を終了する(エンド)。このようにしてプリンタコントローラ21に送信されたPDLデータは、RIP部214により到着順にビットマップ形式の画像データに変換される。この点についてはさらに後述する。
−プリンタコントローラの処理(図11)
次に、本実施形態に係るプリンタコントローラ21の動作の概要について説明する。図11は、PC1から印刷ジョブ(PDLデータ)を受信したプリンタコントローラ21のRIP部214が、当該PDLデータに対してラスタライズ処理、濃度補正処理、スクリーン処理を実行することによりビットマップ形式の2値画像データを生成し、それをプリンタエンジン22に送信する処理(以下、単に「RIP処理」ともいう)の手順を示すフローチャートの一例である。図11のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、記憶部212のROMに制御プログラムとして記憶されており、動作開始の際に制御部11により読み出されて実行される。なお、以下の処理は、PDLデータに含まれる個々のオブジェクト単位で実行され、PDLデータに含まれる全オブジェクトに対する処理が終了するまで繰り返し実行される。
【0065】
先ず、PC1は、PDLデータを解析して(S301)、現在処理中のオブジェクトが文字オブジェクトであるか否かを判定し、当該オブジェクトが文字オブジェクトである場合にはその文字オブジェクトの文字濃度が所定値以上(例えば、80%以上)であるか否かをさらに判定する。このときの具体的な判定方法は以下の通りである。
【0066】
図12は、PDLデータの一例としてPostScript(登録商標)で記述された印刷データの構造を示す図であり、図中のo1〜o3が個々のオブジェクトに相当する。ここで、「(現在処理中の)オブジェクトが文字オブジェクトであるか否か」の判定は、印刷データ内の“show”オペレータの存否に基づき行なわれる。ここで、“show”オペレータとは、PostScript(登録商標)において文字列の印刷を指示するためのコマンドであり、例えば、“(This is 100%)show”は、「This is 100%」という文字列の印刷を指示するためのコマンドである。つまり、印刷データのあるオブジェクトに対応する部分に“show”オペレータが含まれていれば、そのオブジェクトは文字オブジェクトであるということになる。
【0067】
また、「(現在処理中の)文字オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否か」の判定は、印刷データ内の“setgray”オペレータのオペランドの値に基づき行なわれる。ここで、“setgray”オペレータとは、0〜1の間のオペランド(x)を受けてオブジェクトの黒色濃度を規定するためのコマンドであり、“x setgray”はオブジェクトの黒色濃度を(1−x)×100%と規定するためのコマンドである。
【0068】
なお、PostScript(登録商標)で記述された印刷データにおいてオブジェクトの濃度がCMYK色空間で表現されている場合は、CMYK色空間における各色の濃度を表す“Setcmykcolor”オペレータのオペランドである(Cyan,Magenta,Yellow,Black)の値を所定の変換式に代入することで黒色濃度を算出する。ここで、所定の換算式とは、
黒色濃度(%)={min(1.0,0.3×Cyan+0.59×Magenta+0.11×Yellow)−Black}×100
である。なお、上記換算式における、“min(1.0,「計算式」)”は、1.0又は「計算式」のいずれか小さい方を採用することを意味する関数である。
【0069】
また、PostScript(登録商標)で記述された印刷データにおいてオブジェクトの濃度がRGB色空間で表現されている場合は、RGB色空間における各色の濃度を表す“Setrgb”オペレータのオペランドである(Red,Green,Blue)の値を所定の変換式に代入することで黒色濃度を算出する。ここで、所定の換算式とは、
黒色濃度(%)={1−(0.3×Red+0.59×Green+0.11×Blue)}×100
である。
【0070】
以上のように、図12の例において、オブジェクトo1は、濃度100%の文字列「This is 100%」であり、オブジェクトo2は、濃度90%の文字列「This is 90%」であり、o3は、濃度80%の文字列「This is 80%」である。
【0071】
再び図11を参照すると、PC1は、PDLデータに対してラスタライズ処理を実行し、ビットマップ形式の多値画像データを生成する(S302)。そして、PC1は、S301の解析結果に応じて以降の処理を分岐する(S303、S304)。
【0072】
つまり、PC1は、現在処理中のオブジェクトが文字オブジェクトでない場合(S303のNO)、S302で生成した画像データに対して、トーンカーブによる濃度補正処理を実行し(S305)、さらに、スクリーン処理を実行した後に(S306)、当該画像データをプリンタエンジン22に送信し(S307)、一連の処理を終了する(エンド)。なお、S305の濃度補正において適用されるトーンカーブは、前述の印刷設定処理(図9)においてユーザにより選択されたトーンカーブである。
【0073】
また、PC1は、現在処理中のオブジェクトが文字オブジェクトであり、且つ、その文字濃度が所定値未満である場合(S303のYES、S304のNO)も同様に、S302で生成した画像データに対して濃度補正処理(S305)及びスクリーン処理(S306)を実行した後に(S306)、当該画像データをプリンタエンジン22に送信し(S307)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0074】
他方、PC1は、現在処理中のオブジェクトが文字オブジェクトであり、且つ、その文字濃度が所定値以上である場合は(S303のYES、S304のYES)、S302で生成した画像データに対して、トーンカーブによる濃度補正処理を実行することなく、スクリーン処理のみを実行した後に(S306)、当該画像データをプリンタエンジン22に送信し(S307)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0075】
図13は、本実施形態のプリンタコントローラ21の動作を概念的に示す図である。図13のように、プリンタコントローラ21は、PDLデータの解析結果に応じて一部のオブジェクトを濃度補正処理の対象から除外する。つまり、プリンタコントローラ21は、文字オブジェクト以外のオブジェクトに対しては無条件で濃度補正処理を実行する一方で、文字オブジェクトに対してはその文字濃度が80%未満である場合のみ濃度補正処理を実行し、その文字濃度が80%以上である場合にはその文字オブジェクトを濃度補正処理の対象から除外する。
【0076】
以上のように、本実施形態のMFP2によれば、文字濃度が所定値(例えば、80%)以上の文字オブジェクトをプリンタコントローラ21による濃度補正処理の対象から除外することで、高濃度の文字のエッジの先鋭性を保持することが可能になる。その結果、シャドウの黒つぶれを防止しつつ原稿画像の文字品質を保持することが可能になる。
【0077】
本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。例えば、上記実施形態ではプリンタコントローラ21が文字濃度80%以上の文字オブジェクトを濃度補正処理の対象から除外する例について説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されず、プリンタコントローラ21が文字濃度100%の文字オブジェクトのみを濃度補正処理の対象から除外する例もまた想定可能である。
【0078】
また、上記実施形態では、PostScript(登録商標)で記述された印刷データについて、印刷データに含まれる“show”オペレータの存否に基づいて文字オブジェクトであるか否かを判定し、さらに、文字オブジェクトである場合に“setgray”オペレータ、“setcmykcolor”オペレータ、“setrgbcolor”オペレータのオペランドに基づいて文字濃度の判定を行ったが、これらオペレータは代表例に過ぎず、他のオペレータを用いて判定を行なってもよい。
【0079】
さらに、上記実施形態ではMFP2がPC1から受信した印刷ジョブに基づいて印刷処理を実行する例について説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されず、MFP2が画像読取部223により読み取った画像データに基づき印刷処理を実行する例もまた想定可能である。
【0080】
本発明による画像処理装置は、上記各手順を実行するための専用のハードウェア回路によっても、また、上記各手順を記述したプログラムをCPUが実行することによっても実現可能である。後者により本発明を実現する場合、画像処理装置を動作させるプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ROMやハードディスク等に転送されて記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像処理装置の一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るPCの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るプリンタコントローラの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るプリンタコントローラのRIP部の動作を概念的に示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るプリンタエンジンの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るプリンタエンジンの印刷部の構成を示す概略図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るトーンカーブ保存処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係るトーンカーブ調整用UI画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る印刷設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る印刷設定用UI画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るRIP処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態に係るPDLファイルの一例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るプリンタコントローラの動作を概念的に示す図である。
【符号の説明】
【0082】
1 PC、
2 MFP、
21 プリンタコントローラ、
212 記憶部、
213 データ解析部、
214 RIP部、
22 プリンタエンジン、
225 印刷部、
M1,M2 プルダウンメニュー、
u1 トーンカーブ調整用UI画面、
u2 印刷設定用UI画面、
W1,W2 ウィンドウ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトに濃度補正を施す画像処理装置であって、
前記印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであり、当該オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、文字濃度が前記所定値以上であると判定した前記文字オブジェクトを除外した前記オブジェクトに前記濃度補正を施す濃度補正部と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、文字濃度が100%の文字オブジェクトのみを濃度が前記所定以上の文字オブジェクトであると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであるか否かを判定する第1判定部と、前記第1判定部が文字オブジェクトであると判定した前記オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かをさらに判定する第2判定部と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記濃度補正は、トーンカーブによる濃度補正であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記印刷ジョブは、PostScript(登録商標)で記述された印刷データであり、
前記第1判定部は、前記印刷データに含まれるshowオペレータの存否に基づき判定を行い、
前記第2判定部は、前記印刷データに含まれるsetgrayオペレータ、setcmykcolorオペレータ、setrgbcolorオペレータのいずれか1つのオペランドに基づき判定を行なうことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトに濃度補正を施す画像処理装置において実行される画像処理方法であって、
前記印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであり、当該オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで文字濃度が前記所定値以上であると判定された前記文字オブジェクトを除外した前記オブジェクトに前記濃度補正を施す濃度補正ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
前記判定ステップでは、文字濃度が100%の文字オブジェクトのみが文字濃度が前記所定値以上の文字オブジェクトであると判定されることを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記判定ステップは、前記印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであるか否かを判定する第1判定ステップと、前記第1判定ステップで文字オブジェクトであると判定された前記オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かをさらに判定する第2判定ステップと、を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記濃度補正は、トーンカーブによる濃度補正であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記印刷ジョブは、PostScript(登録商標)で記述された印刷データであり、
前記第1判定ステップでは、前記印刷データに含まれるshowオペレータの存否に基づき判定が行なわれ、
前記第2判定ステップでは、前記印刷データに含まれるsetgrayオペレータ、setcmykcolorオペレータ、setrgbcolorオペレータのいずれか1つのオペランドに基づき判定が行なわれることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項11】
印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトに濃度補正を施す画像処理装置を制御するための画像処理プログラムであって、
前記印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであり、当該オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順で文字濃度が前記所定値以上であると判定された前記文字オブジェクトを除外した前記オブジェクトに前記濃度補正を施す濃度補正手順と、を前記画像処理装置に実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項12】
前記判定手順では、文字濃度が100%の文字オブジェクトのみが文字濃度が前記所定以上の文字オブジェクトであると判定されることを特徴とする請求項11に記載の画像処理プログラム。
【請求項13】
前記判定手順は、前記印刷ジョブに含まれる個々のオブジェクトが文字オブジェクトであるか否かを判定する第1判定手順と、前記第1判定手順で文字オブジェクトであると判定された前記オブジェクトの文字濃度が所定値以上であるか否かをさらに判定する第2判定手順と、を含むことを特徴とする請求項11または12に記載の画像処理プログラム。
【請求項14】
前記濃度補正は、トーンカーブによる濃度補正であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1つに記載の画像処理プログラム。
【請求項15】
前記印刷ジョブは、PostScript(登録商標)で記述された印刷データであり、
前記第1判定手順では、前記印刷データに含まれるshowオペレータの存否に基づき判定が行なわれ、
前記第2判定手順では、前記印刷データに含まれるsetgrayオペレータ、setcmykcolorオペレータ、setrgbcolorオペレータのいずれか1つのオペランドに基づき判定が行なわれることを特徴とする請求項13に記載の画像処理プログラム。
【請求項16】
請求項11〜15のいずれか1つに記載されたプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−149408(P2010−149408A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330768(P2008−330768)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】