画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
【課題】色間の位置ずれの補正と主走査方向の画像倍率のずれの補正とを制御する。
【解決手段】画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、非書き込み期間に画像倍率のずれの検出結果に基づき主走査方向の画像倍率を補正する主走査方向補正手段と、主走査方向補正手段による補正前の主走査方向の画像倍率を保持する記憶手段と、非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成されたトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、その検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する位置ずれ補正手段とを備え、位置ずれ補正手段は、各色成分のトナー像パターンを形成中、補正前の主走査方向の画像倍率を適用し、主走査方向補正手段は、各色成分のトナー像パターンを形成後に主走査方向の画像倍率を補正することを特徴とする画像処理装置が提供される。
【解決手段】画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、非書き込み期間に画像倍率のずれの検出結果に基づき主走査方向の画像倍率を補正する主走査方向補正手段と、主走査方向補正手段による補正前の主走査方向の画像倍率を保持する記憶手段と、非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成されたトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、その検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する位置ずれ補正手段とを備え、位置ずれ補正手段は、各色成分のトナー像パターンを形成中、補正前の主走査方向の画像倍率を適用し、主走査方向補正手段は、各色成分のトナー像パターンを形成後に主走査方向の画像倍率を補正することを特徴とする画像処理装置が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体上への画像書き込み時に発生する色ずれを補正する画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー画像形成装置においては、一般的に静電複写方式が用いられている。静電複写方式とは、感光体上に静電潜像を形成し、現像装置により該静電潜像からトナー像を形成し、該トナー像を用紙上に転写することで画像形成処理を行う方式である。
【0003】
また、このようなカラー画像形成装置では、一般的にタンデム方式の作像装置が用いられている。タンデム方式作像装置とは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各トナー色に露光装置、感光体、現像器等を備えた作像ユニットで、用紙(転写体)の進行方向に直列に配置される。露光装置は画像書き込み開始信号をトリガにして各色毎の感光体上にそれぞれ潜像を形成し、現像器で該潜像を現像することで各色のトナー像を形成する。そして、この各色のトナー像を転写ベルトで搬送される用紙に順次重ねて転写していく。これによりフルカラーのトナー像の形成処理がなされる。このようなタンデム方式のカラー画像形成装置は、現像機切り替え方式のカラー画像形成装置と比較してプリント生産性が高く、近年のカラー画像形成装置おいては主流となっている。ところが、このようなタンデム方式のカラー画像形成装置においては、各露光装置における光走査位置のずれ等に起因して、各色間の転写位置のずれ、すなわち色ずれが生じ、画質の著しい低下が発生するおそれがある。そのため、カラー画像形成装置においては、所定の期間毎に色ずれを検出し補正を行う必要がある。
【0004】
また、カラー画像形成装置においては、色ずれの検出、補正は、色ずれ補正パターンを用いて行われている。色ずれ補正パターンは、各色トナー像パターンからなり、用紙搬送ベルト等の移動体上に形成される。この色ずれ補正パターンをセンサで読み込み、演算処理部において各トナー像パターンの位置を演算し、各色間の位置差(色ずれ量)を検出し、その色ずれ量に応じて各色の画像書き込みタイミングを調整することで、色ずれの検知、補正を行う。
【0005】
上記のような色ずれ補正パターンを用いた色ずれ補正に関する技術としては、以下のものが提案されている。特許文献1には、記録媒体上への画像形成処理のインターバルに、感光体上に形成された各トナー像パターンを転写ベルト上の各用紙間に転写することで、印刷用紙間に色ずれ補正パターンを形成し、この色ずれ補正パターンの色ずれ量を検出する(以下、紙間色間ずれ補正制御又は色間ずれ補正制御とも称呼する)画像形成装置が開示されている。以上のように、画像形成装置では所定の期間毎に色ずれを検出し補正する必要がある。
【0006】
一方、光ビーム走査装置を用いた画像形成装置では、各色の画像倍率のずれを検出し補正する必要もある。すなわち、光ビーム走査装置を用いた画像形成装置は、光ビームを画像データにより変調し、偏向手段(以下ポリゴンミラー)を回転することにより主走査方向に等角速度偏向し、fθレンズにより等角速度偏向を等速度偏向に補正などし、像担持体(以下感光体)上に走査するように構成されている。光ビーム走査装置(レンズ)にプラスチックレンズを用いた場合には、環境温度の変化や、機内温度の変化等によって、プラスチックレンズの形状、屈折率が変化する。このため、感光体の像面での走査位置が変化し、主走査方向の倍率誤差が発生し、高品位の画像を得られなくなる。さらに、複数のレーザービーム、レンズを用いて、複数色の画像を形成する装置においては、それぞれの倍率誤差によって色ずれが発生し、高品位の画像を得られなくなる。従って、各色の画像倍率をできる限り合わせる必要がある。
【0007】
このようなことから、特許文献2には、印刷中に各色それぞれ「今の画像倍率」を測定し、印刷画像と印刷画像の合間(記録媒体上への画像書き込み期間の合間)に、理想となる画像倍率になるように画像倍率のずれを補正する技術が開示されている(印刷中2点同期制御)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、紙間色間ずれ補正制御をする画像形成装置の多くは、形成したパターンを読み取るセンサをコスト削減のために、安価なものとしている場合が多いため、読取精度が十分でない。そのため、複数回色ずれ補正パターンを形成し、平均したデータを使用することで、読取精度の信頼性を確保している。このとき、色ずれ補正パターンは複数回形成することになるが、各回において同じ条件で補正パターンが書き込まれることが前提となる。
【0009】
しかしながら、印刷中2点同期制御を行ってしまうと、印刷中に画像の倍率が変わっていってしまうことに同期して、色ずれ補正パターンの倍率も変わってしまうので、色ずれ補正パターンを読み取って平均した色ずれ量に誤差が出てしまい、正確な色間ずれ補正制御ができないという課題があった。
【0010】
上記課題に対して、紙間色間ずれ補正制御を実施しているときは、印刷中2点同期制御を抑制する方法が考えられる。しかしながら、上記のような抑制を行えば、紙間色間ずれ補正制御を実施している中での温度変化等の要因によって、印刷画像が色ずれしてしまう。
【0011】
上記課題に鑑み、本発明の目的とするところは、記録媒体間の色間の位置ずれの補正(紙間色間ずれ補正制御)と主走査方向の画像倍率のずれの補正(印刷中2点同期制御)とを精度よく制御する画像形成装置、画像形成方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一の態様によれば、複数の記録媒体上への画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、前記画像書き込み期間の合間の非書き込み期間に前記画像倍率のずれの検出結果に基づき前記主走査方向の画像倍率を補正する主走査方向補正手段と、
前記主走査方向補正手段により補正される前の主走査方向の画像倍率を保持する記憶手段と、
前記非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成されたトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、前記色間の位置ずれの検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する位置ずれ補正手段と、を備え、
前記位置ずれ補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用し、
前記主走査方向補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を補正することを特徴とする画像処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、記録媒体間の色間の位置ずれの補正と主走査方向の画像倍率のずれの補正とを精度よく制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】一実施形態に係る搬送ベルトと画像形成部の関係図。
【図3】一実施形態に係る補正用パターンとパターン検出装置の関係図。
【図4】一実施形態に係る搬送ベルト上に形成されるパターン例を示した図。
【図5】一実施形態に係る位置ずれ補正を行う制御系のブロック図。
【図6】一実施形態に係る主走査倍率を調整可能な走査露光装置と周辺制御系の構成図。
【図7】第1実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【図8】第1実施形態による画像形成装置の動作説明図。
【図9】主倍率Bの設定が間に合わない場合の動作説明図。
【図10】第2実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【図11】図10の異常処理を即時停止処理とした場合の動作フロー。
【図12】第3実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【図13】図12の異常時のアラート出力例を示した図。
【図14】第4実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【図15】図14の異常時の動作選択画面例を示した図。
【図16】主倍率Aの設定が間に合わない場合の動作説明図。
【図17】第5実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【図18】第6実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【図19】第7実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0016】
<はじめに>
画像形成装置では、いわゆる印刷中2点同期制御といわゆる色間ずれ補正制御との両方が行われることがある。「印刷中2点同期制御」は、紙面上への画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、前記画像書き込み期間の合間の非書き込み期間に前記画像倍率のずれの検出結果に基づき前記主走査方向の画像倍率を補正する制御方法である。「(紙間)色間ずれ補正制御」は、前記非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成されたトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、前記色間の位置ずれの検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する制御方法である。
【0017】
色間ずれ補正制御を実行する画像形成装置の多くは、形成したパターンを読み取るセンサをコスト削減のために、安価なものとしている場合が多いため、読取精度が十分でない。そのため、複数回色ずれ補正パターンを形成し、平均したデータを使用することで、読取精度の信頼性を確保している。このとき、色ずれ補正パターンは複数回形成することになるが、各回において同じ条件で補正パターンが書き込まれることが前提となる。
【0018】
しかしながら、画像形成装置が、印刷中2点同期制御を行ってしまうと、印刷中に画像の倍率が変わっていってしまうことに同期して、色ずれ補正パターンの倍率も変わってしまうので、色ずれ補正パターンを読み取って平均した色ずれ量に誤差が出てしまい、正確な色間ずれ補正制御ができない。
【0019】
これに対して、紙間色間ずれ補正制御を実施しているときは、印刷中2点同期制御を抑制する方法が考えられる。しかしながら、上記のような抑制を行えば、紙間色間ずれ補正制御を実施している中での温度変化等の要因によって、印刷画像が色ずれしてしまう。
【0020】
色ずれ補正パターンを形成する前に、色ずれ補正パターン用に任意の主倍率を設定して色ずれ補正パターンを形成し、更に色ずれ補正パターン形成終了後、次画像形成開始前に、印刷中2点同期制御結果である主倍率を設定する方法も考えられる。しかし、そうした場合、色ずれ補正パターン用の主倍率設定がパターン形成前までに完了しない場合、補正パターンが色ずれしてしまう。また、追加した制御の影響で、次画像形成用の印刷設定が完了しない懸念があり、その場合次画像は異常画像になってしまう。
【0021】
以上から、以下に説明する本発明の各実施形態に係る画像形成装置では、印刷中の温度変化等の影響で発生する「色間ずれ補正制御」の精度低下に関し、図8に示した特徴を有する。すなわち、紙間色間ずれ量補正制御開始前の画像倍率(図8内の菱形で示した主倍率A)を記憶しておいて、紙間色間ずれ量補正のためのパターンを形成する直前に、画像倍率を事前に記憶してある倍率(菱形)に戻す。そうすることでパターンは、常に固定の画像倍率(菱形)にて形成される。
【0022】
また、画像書き込み中には、印刷中2点同期制御により理想的な主倍率を求め(図8内の黒丸で示した主倍率B)、パターン形成後に、色間ずれ量補正制御開始前に記憶したときの値に設定されている画像倍率(菱形:主倍率A)を、理想的な主倍率(黒丸:主倍率B)に設定する。そうすることで次画像出力時は、理想的な主倍率Bで画像出力できる。
【0023】
また、従来画像倍率(主倍率A)の設定のタイミングで行っていた、次印刷画像のための設定は、画像倍率(主倍率A)の設定後に行うようにする。そうすることで、パターン形成までに画像倍率(主倍率A)の設定が終わらないことがないようにする。また、次印刷画像設定が遅れる分、パターン形成中に、次印刷画像設定の進捗を確認するようにして、仮に設定が終わる見込みがないようであれば、パターン形成を中止して、次印刷画像設定、理想的な黒丸の主倍率Bの設定を優先して行うことで、次画像形成までに、印刷設定が終わらずに、異常画像が出力されることがない。
【0024】
以下では、本発明の第1〜第7実施形態に係る画像形成装置について、以上の主な特徴を中心に説明する。各実施形態の説明をする前に、各実施形態に共通の装置構成及び機能構成について説明する。
【0025】
<各実施形態に共通の装置構成及び機能構成>
[画像形成装置の概略構成]
以下に、本発明の画像形成装置に係る実施形態として、所謂タンデム型といわれる電子写真方式のカラー画像形成装置への適用例を示す。このタンデム型のカラー画像形成装置は、色成分ごとに設けた感光体上に主副走査によって2次元像のLD(Laser Diode)光書込みをそれぞれ行う。また、本実施形態では、各色成分の感光体ドラムが転写紙(記録用紙)を送る搬送ベルトの搬送方向に配列され、搬送ベルトにより搬送される転写紙上で各感光体から各色成分画像の転写を受ける際に、カラー画像の合成を行う形式の装置を例示する。ただし、感光体から転写紙に直接転写する方法に限らず、中間転写体を介して行う方法においても、本例と同様に実施することができる。
【0026】
図1は、一実施形態のタンデム型カラー画像形成装置の概略構成図である。図1に示すように、画像記録媒体としての転写紙10を搬送する搬送ベルト8の移動方向に沿って上流から順に、カラー画像を構成する各色成分(イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、ブラック:K)の画像を形成する画像形成部1Y,1M,1C,1Kが一列に配置されている。搬送ベルト8は、駆動回転する駆動ローラ9dと従動回転する従動ローラ9fとに巻回されたエンドレス(無端)のベルトであり、駆動ローラ9dにより図中の矢印A方向に回転駆動される。図2に示す斜視図は、搬送ベルト8と各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kの関係をさらに説明する図である。
【0027】
図2において、矢印Bは、搬送ベルト8の移動方向と直交する主走査方向を示し、矢印Cは、搬送ベルト8の移動方向と平行な副走査方向を示している。この図に示すように、各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kの主要部である感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kは、矢印Bで示す主走査方向に平行な軸を有し、この軸周りの回転で、後述するドラム面の副走査が行われる。
【0028】
図1に示すように、搬送ベルト8の下部には、転写紙10が収納された給紙トレイ11が備えられている。給紙トレイ11に収納された転写紙10のうち最上位置にある転写紙は、画像形成時に給紙され、静電吸着によって搬送ベルト8上に吸着される。吸着された転写紙10は、第1の画像形成部(イエロー)1Yに搬送され、ここで形成されたイエローの画像が転写される。第1の画像形成部(イエロー)1Yは、感光体ドラム2Yと感光体ドラム2Yの周囲に配置された帯電装置3Y、走査露光装置4Y、現像装置5Y、感光体クリーニング装置6Yから構成されている。なお、各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kは、形成するトナー画像が異なるだけで、同じ構成要素を備えているので、第1の画像形成部(イエロー)以外の色についての構成の説明は省略する。感光体ドラム1Yへのレーザービームによる画像の書込みは、次のように行われる。感光体ドラム1Yの感光面は、帯電装置3Yで一様に帯電された後、走査露光装置4Yで露光され、感光面に静電潜像が形成される。
【0029】
ここに、走査露光装置4Yは、主走査方向のライン同期信号でタイミングをとって、イエローの画像データでLD光源(不図示)の駆動を制御することにより、発生された光を所定周期で走査ビームとして感光面に投射するとともに、主走査方向に交わる副走査方向に感光体ドラム2Yをモータ制御で駆動し、移動(回転)させることにより、該走査ビームによる2次元像の走査露光を行う。
【0030】
感光面に形成された静電潜像は、現像装置5Yでイエローのトナーで現像され、感光体ドラム2Y上にトナー像が形成される。このトナー像は、感光体ドラム2Yと搬送ベルト8上の転写紙とが接する位置(転写位置)で転写装置13Yによって転写され、転写紙10上にイエロー単色の画像を形成する。転写が終わった感光体ドラム2Yは、ドラム表面に残った不要なトナーを感光体クリーニング装置6Yによってクリーニングされ、次の画像形成に備える。
【0031】
このように、画像形成部1Yでイエローを転写された転写紙10は、搬送ベルト8によって次の画像形成部(マゼンタ)1Mに搬送される。ここでも、イエローにおけると同様に、感光体ドラム2M上にトナー像が形成され、形成されたトナー像(マゼンタ)は、画像形成部1Yでイエローを転写された転写紙4上に重ねて転写される。転写紙4は、さらに次の画像形成部(シアン)1C、さらに次の画像形成部(ブラック)1Kに搬送され、これまでに行われたと同様に、形成されたトナー像が転写合成されて、カラー画像を形成してゆく。最後の画像形成部1Kを通過してカラー画像が形成された転写紙10は、搬送ベルト8から剥離され、定着器12にて定着された後、排紙される。
【0032】
また、本実施形態のカラー画像形成装置は、高画質のカラー画像出力を得るために、タンデム型カラー画像形成装置において不可避である各色成分画像に生じるずれを補正する手段を有する。この実施形態で採り上げる各色成分画像に生じるずれは、各色成分の走査露光装置4Y,4M,4C,4Kにおける動作条件を調整することにより補正することができるずれを主とし、1つは、各色成分画像間の位置ずれであり、もう1つは、主走査倍率の変動によるずれである。
【0033】
これらのずれは、下記の「各色成分画像間の位置ずれ補正」及び「主走査倍率の調整」それぞれに実施形態として示す補正方法或いは調整方法を用いることにより補正することができる。「各色成分画像間の位置ずれ補正」位置ずれ補正用パターン(以下、単に「補正用パターン」という場合、このパターンを指す)の作成、補正用パターンの検知を通して、各色成分画像間の位置ずれの検出及びずれの補正を行う。
【0034】
図3は、作成された補正用パターンとパターン検出装置の関係を示す図である。同図は、先に示した図2と同様の斜視図で、作成した補正用パターン201,203とパターン検出装置14,15が加えられている。
【0035】
補正用パターン201,203は、各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kを実際に動作させて、各色成分画像間の位置ずれをそれぞれ検知するための形状を持つパターンとして、搬送ベルト8に形成される。
【0036】
各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kの持つ機器条件特性の違いによって、各色のパターンが本来あるべき位置からずれるので、搬送ベルト8上の検出位置に設けたパターン検出装置14,15によってパターン位置のずれを検出し、動作状態を把握する。
【0037】
なお、パターン検出装置14,15は、発光部及び受光部で構成される光反射型センサからなる。また、この実施形態では感光体から転写紙に直接転写する方法であるから、補正用パターンを搬送ベルト8に形成するが、中間転写体を介して行う方法の場合には、中間転写体に形成する。
【0038】
図4は、搬送ベルト上に形成される補正用パターンの一例を示す図である。同図において、補正用パターン201,203は、搬送ベルト8の主走査方向の両側に設けた2領域に形成される。
【0039】
また、この実施形態では、連続動作でページ画像を形成する際に、ページ画像の画像領域I1と画像領域I2との間にできるスペースを利用して、補正用パターン201,203を形成する。ページ画像間にできるスペースは、ページ画像を連続して形成する動作状態においても、転写紙の給紙動作の関係から必ず生じるので、ここを転写紙へ印刷しない補正用パターン201,203を形成するために有効利用することで、パターン作成を行わせるために、連続動作を中断しなくてもよくなり、印刷の生産性を上げることができる。
【0040】
図4に示す例では、主走査方向の両側に設けた2領域において、ページ画像の画像領域I1から副走査方向X(mm)の位置に基準色(本実施形態ではK)パターンPsを、Y(mm)の位置に比較色(本実施形態ではY,M,C)パターンPrを1セットの補正用パターン201,203として形成する。
【0041】
この補正用パターン201,203のセットを、ページ画像間に、色ごとに作成し、位置ずれパターン検出装置14,15で検出し、検出結果をもとに、位置ずれ量を算出する。図4に示す例では、基準色KのパターンPsは副走査方向に直交するエッジを有し、比較色Y,M,Cの1色のパターンPrは副走査方向に斜めに交わるエッジを有するので、パターン検出装置14、15は、これらのエッジの位置の変動を検知することで、主走査及び副走査の両方向の位置ずれ量を算出することができる。
【0042】
[画像形成装置の機能構成]
(位置ずれ補正制御系の機能構成)
図5は、位置ずれ補正を行う制御系の構成を示すブロック図である。同図中のシステムコントローラ46は、画像形成装置全体を制御する機能を持ち、画像形成部1Y,1M,1C,1Kに係る動作部のほか、印刷出力に用いる画像データの入力部(不図示)やジョブを要求するユーザの操作を受付ける操作部等を制御下において、受付けたジョブを完了させるまでの各部の動作を管理する。
【0043】
位置合わせコントローラ45は、システムコントローラ46の制御下で、主に走査露光の動作を制御し(後記する図6の説明を参照)、位置合わせに必要な処理を行う。また、位置合わせコントローラ45は、この処理に用いるハードウエアとして、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)43及びRAM(Random Access Memory)44を有する。システムコントローラ46も同様に図示しないCPUを有する。
【0044】
位置合わせコントローラ45のCPUは、ROM43に格納された、制御プログラム及び制御用データに従って、ワークエリアにRAM44を使用して、制御動作を実行する。その中には、この位置ずれ補正及び後述する主走査倍率の調整等を行うために必要な後記の動作フローを実行することが含まれる。
【0045】
位置ずれ補正の場合、搬送ベルト8上の補正用パターン201,203を検出するパターン検出装置14、15によって検出されたアナログ信号は、A/D変換器41でデジタル電圧値に変換され、システムコントローラ46に入力される。
【0046】
システムコントローラ46は、入力された電圧値より、基準色KのパターンPsに対する比較色Y,M,Cの1色のパターンPrの位置を算出する。また、位置合わせコントローラ45では、システムコントローラ46で算出された位置を基に、各色の位置ずれ量を算出し、位置ずれ補正量を算出する。
【0047】
位置ずれ補正量算出後の画像は新しく算出された補正量を反映した制御が各色成分の走査露光装置4Y,4M,4C,4Kに掛けられ、画像形成動作が行われる。
【0048】
「主走査倍率の調整」
この実施形態における主走査倍率の調整方法は、光源からの走査光ビームを主走査線上の2ヶ所で検出し、検出時間の差分に基づき、画素クロックの周波数或いは位相を変更する方法による。この方法は、連続動作でページ画像を形成する際でも、上記した「各色成分画像間の位置ずれ補正」のように、補正用パターンの形成が必要である、といった制約がないので、ページ間で主走査倍率の補正量を求め、調整を実行することができる。従って、本実施形態では、印刷開始時に、検出時間の差分に基づき主走査倍率を調整した後、ページ間で検出した差分をもとに、主走査倍率の補正量を求め、補正をする、という方法で実施することができる。
【0049】
(主走査倍率調整系(印刷2点同期制御)の機能構成)
図6は、上記の方法により主走査倍率を調整できる走査露光装置とその制御系を示す。なお、図6に示す走査露光装置4は、各色成分の走査露光装置4Y,4M,4C,4Kに共通の構成を示す。また、この走査露光装置と制御系は、上記した「各色成分画像間の位置ずれ補正」と共通し、システムコントローラ46により画像形成装置全体が制御される。
【0050】
光ビームによる走査露光装置4の制御系は、感光体2の画像形成面上の所定位置に画像を書込むために、LDユニット34からの光ビームを偏向させるポリゴンミラー35の回転に同期して、LDによる画像書込みタイミングを制御する機能を有する。
【0051】
走査露光装置4の主走査方向両端部に走査光ビームを検出する同期検知センサ36と同期検知センサ37が備わっている。LDユニット34からの光ビームは、ポリゴンミラー35によって主走査方向に振られ、fθレンズを透過した後、感光体ドラム2を挟んで走査光路上に設けたミラー(1)とミラー(2)によってそれぞれ反射され、反射された各光ビームはレンズ(1)とレンズ2)によって集光されて、同期検知センサ36と同期検知センサ37にそれぞれ入射するように構成されている。
【0052】
走査光ビームが同期検知センサ36と同期検知センサ37上を通過することにより、同期検知センサ36からスタート側同期検知信号XDETPが出力され、同期検知センサ37からエンド側同期検知信号XEDETPが出力され、それぞれの同期検知信号が位置合わせコントローラ45に入力される。
【0053】
位置合わせコントローラ45では、スタート側同期検知信号XDETPの立ち下がりエッジからエンド側同期検知信号XEDETPの立ち下がりエッジまでのクロックをカウントし、時間を計測し、基準時間を定めるカウント値と比較し、差分を検出し、その差分に相当する補正量、即ち、画素クロックの位相を可変する補正データを生成する。
【0054】
システムコントローラ46を経由して、上記補正データを受取る画素クロック生成部31は、補正データに従いLD制御部32で用いる画素クロックの位相をシフトすることで、画像倍率を調整する。画像書込開始タイミングにて、XDETPからXEDETPまでのカウントを行い補正データを生成し、ページ間にて生成された補正データに基づき画像倍率の調整を調整する(印刷中2点同期制御)。
【0055】
次に、上記「各色成分画像間の位置ずれ補正」及び「主走査倍率の調整」に示した方法による各色成分画像に生じるずれ補正の実行条件について説明する。補正用パターンを用いる各色成分画像間の位置ずれ補正は、補正用パターンの形成が必要であるといった制約があることから、従来では、電源ON時や省エネモードからの復帰時等において行う初期化の一環として通常は実行しているが、連続動作でページ画像を形成する際の、ページ間でも行うことが出来るものとする。ただし、何十枚毎に一度、実施される(紙間色間ずれ補正制御)。
【0056】
主走査倍率の調整についても、上記「主走査倍率の調整」で説明したように、連続動作でページ画像を形成する際にも、この調整を実行することが前提となる。
【0057】
なお、図6に示した機能構成の主走査倍率調整系は、複数の記録媒体上への画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、前記画像書き込み期間の合間の非書き込み期間に前記画像倍率のずれの検出結果に基づき前記主走査方向の画像倍率を補正する主走査方向補正手段の機能を実現する。
【0058】
また、図5に示した機能構成の位置ずれ補正制御系は、非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成されたトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、前記色間の位置ずれの検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する位置ずれ補正手段の機能を実現する。
【0059】
さらに、RAM44等の記憶領域は、主走査方向補正手段により補正される前の主走査方向の画像倍率を保持する記憶手段を実現する。システムコントローラ46は、位置ずれ補正手段及び主走査方向補正手段を制御する制御部に相当する。
【0060】
<第1実施形態>
次に、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の動作について、図7の動作フローを参照しながら説明する。
【0061】
まず、システムコントローラ46は、紙間色間ずれ補正制御が開始されるのを待ち(ステップS70)、開始されたら、現在の主倍率を取得し主倍率Aとして記憶領域に保持する(ステップS71)。その後、画像書込が開始されると(ステップS72)、主走査方向補正手段は、同期検知センサ36、37(図6参照)を用いて2点間の測定を開始し(ステップS73)、あらかじめ色ずれがない状態で取得している理想値を元に、最適な主倍率Bを決める(ステップS73)。その後、画像書き込みが終了すると(ステップS74)、紙間色間ずれ補正制御中であれば(ステップS75:YES)、位置ずれ補正手段がパターンを形成することになるが、パターン形成開始前に、事前に取得した主倍率Aを設定する(ステップS76)。これによって、常に同じ主倍率でパターンを形成することができる。パターン形成開始後(ステップS78)、パターン形成が終了したら(ステップS80:YES)、ステップS73で求めた主倍率Bを画像書込開始前に設定する(ステップS81)。これによって、次の画像書き込み処理(ステップS72〜S74)にて最適な主倍率で画像を書き込むことができる。
【0062】
なお、従来はステップS74の画像書き込みが終了後に実施していた次画像印刷設定は、ステップS76にて主倍率Aを設定後、ステップS77にて行うように変更する。そうすることで、ステップS74の画像書き込みが、パターン形成開始までに終わらない懸念をなくする。また、パターン形成開始(ステップS78)からパターン形成終了(ステップS80)までの間に、次画像印刷のための設定の進捗を随時確認しておき(ステップS79)、仮にパターン形成終了までに次画像印刷設定(ステップS77)が終わらないことが想定される場合は、パターン形成を中断し、主倍率Bの設定(ステップS81)をすぐに開始する。そうすることで、主倍率Bの設定(ステップS81)が画像書込開始(ステップS72)までの間に完了しないことがないようにする。
【0063】
本実施形態によれば、位置ずれ補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率(主倍率A)を適用し、主走査方向補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を主倍率Bに補正する。
【0064】
これにより、常に同じ主倍率でパターンを形成することが出来るので、紙間色間ずれ補正制御を誤差なく行うことが出来る。また、同じ主倍率でパターンを形成することを前提に紙間色間ずれ補正制御を行えるので、現在のずれ量を導くための計算を簡単にすることが出来る。
【0065】
また、本実施形態によれば、常に最適な主倍率で画像を書き込むことが出来るので、画像の主倍率が紙間色間ずれ補正制御時に経時にずれていってしまうのを防ぐことが出来る。
【0066】
また、画像出力後、紙間色間ずれ量補正のためのパターンを形成するまでの間に、画像倍率Aに戻す制御が終わらないことがないように、従来画像出力後に行っていた、次画像の印刷設定制御は画像倍率Aに戻したあとに行うように変更する。このため、画像出力後、パターン形成までの間に、画像倍率Aに戻す制御が終わらない懸念がなく、紙間色間ずれ補正制御に悪影響が出ることがない。
【0067】
また、パターン形成中に、次画像の印刷設定制御の進捗を確認して、次画像形成までに印刷設定制御が終わらない可能性がある場合は、パターン形成をやめて、次画像の印刷設定、画像倍率Bへの設定を優先するので、次画像形成までに、印刷設定が終わらずに、次画像が異常画像として出力されることがない。
【0068】
図8に、本実施形態の動作のイメージを示す。パターン形成中は常に一定の主倍率Aになっており、画像書き込み中(印刷画像形成中)は、常に印刷中に取得した最適な主倍率Bになっていることが分かる。
【0069】
図7に示したフローを、紙間色間ずれ補正制御を実施している間、繰り返し、紙間色間ずれ補正制御の補正結果を反映するページの設定タイミングでは、主倍率Aを設定した状態で補正結果を反映し、画像を出力する。これによって、紙間色間ずれ補正制御の補正値を算出した前提となる主倍率で、補正結果を反映することができる。
【0070】
以上に説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、画像形成タイミングにて、各色、主走査倍率を測定し、理想とのずれ量から補正量を算出し、記録媒体のページ間にて補正する機構を設ける。加えて、本実施形態に係る画像形成装置は、複数ページ間にわたって複数個のパターンを形成し、全てのパターンを読取って平均し、色間のずれ量を検知し、ずれ量から補正量を算出し、ページ間にて補正する機構を設ける。
【0071】
本実施形態に係る画像形成装置では、ページ間にてパターンを形成し始める前の主走査倍率を保持しておき、ページ間にてパターンを形成する直前に前記保持した主走査倍率に戻してパターンを形成し、パターン形成が終了したら前ページ形成中に測定した主走査倍率と、理想とのずれ量から計算される補正量に基づき補正を行い、主走査倍率に戻したあとに、次画像の印刷設定を行い、パターン形成中に次画像の印刷設定が、次画像形成開始までに完了しない場合は、パターン形成を中止して、前ページ形成中に測定した主走査倍率と、理想とのずれ量から計算される補正量に基づいた補正制御を前倒しして行う。
【0072】
これによれば、紙間色間ずれ補正制御を行い、且つ、印刷中2点同期制御を行う画像形成装置にて、紙間色ずれ補正制御側の色ずれ補正精度を落とすことなく、紙間色ずれ補正制御中の印刷画像の色ずれをなくすることができる。これにより、印刷中2点同期制御による、紙間色ずれ補正制御への悪影響を抑えつつ、印刷中2点同期制御によって、印刷画像を色ずれがない状態で出力することができる。
【0073】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の動作について、図9の動作フローを参照しながら説明する。本実施形態に係る画像形成装置においては、紙搬送処理、スキャナ処理などの他処理のため、パターン形成終了後、画像書込開始までに、主倍率Bに設定し直せないケースも想定される。ステップS81が実行されないケースである。
【0074】
具体的には図9に示したケースのように、左から2個目の黒丸が印刷画像に被ってしまった場合である。印刷画像形成中に主倍率を変えると、途中から主倍率が変わった異常画像になってしまうため、主倍率の切替は行えない。このとき、主倍率Aにて印刷画像を形成することになる。主倍率Aは、そのタイミングで理想的な主倍率ではないので、つまり主倍率Bではないので、色ずれを引き起こすことが懸念される。
【0075】
上記のようなケースに対応したフロー図を図10に示す。パターン形成終了後(ステップS80)、既に画像書込を開始してしまっていた場合(ステップS82、YES)、主倍率Bに設定してしまうと、画像書込中に主倍率を変えてしまうことになるため、異常が出力される懸念がある。一方、主倍率を変えなければ、紙間色間ずれ補正制御を開始したタイミングでの理想的な主倍率Bでなくなるため、色ずれ画像が出力される懸念がある。そのため主倍率Bを設定せずに、異常処理を行う(ステップS83)。
【0076】
図11の動作フローは、図10の異常処理(ステップS83)を、即時停止処理(ステップS84)とした場合である。画質を重視するユーザの場合、マシンを止めてでも、色ずれ画像の混入を防ぎたいケースもあるため、実際にマシンを停止させる。
【0077】
具体的には、図11では、主倍率Bを設定する前に(ステップS81)、次の画像書込が開始されてしまっていた場合は(ステップS82、YES)、マシンを即時停止させる(ステップS84)。
【0078】
なお、上記のタイミングで書込を開始していた画像は色ずれ画像となっているが、その前の紙までは正常画像であるので、画像形成装置外に排出する。
【0079】
正常な画像が全て排出し終わったら、マシンを停止させ、色ずれ画像となった画像以降の紙は、画像形成装置内に残す。しかかり中の紙間色間ずれ量補正制御については、失敗したことにして保持していたデータなどは破棄する。
【0080】
画像形成装置の操作部には「画像形成失敗:色ずれ異常」と表示させ、ユーザが画像形成装置内の紙を全て取り除いたことをトリガに、一旦色ずれ補正用のパターンを形成し、色ずれ量を測定、書込条件を色ずれがないように補正した後で、色ずれ画像となってしまった画像から画像出力を行う。
【0081】
パターン形成終了後、前ページ形成中に測定した主走査倍率から計算される補正量の反映に失敗した場合、数ページ前の主倍率にて印刷画像が形成されることになる。そのため、色ずれが発生する可能性がある。
【0082】
これに対して、本実施形態によれば、パターン形成終了後、前ページ形成中に測定した主走査倍率から計算される補正量の反映に失敗した場合、マシンを止める。これにより、理想的な主倍率で印刷できなかった画像が存在する場合に、形成してしまった印刷画像をそのまま画像形成装置外に排出しないので、正常画像の中に、色ずれ画像が混入するなどの事故を防ぐことが出来る。
【0083】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の動作について、図12の動作フローを参照しながら説明する。第2実施形態は、ユーザが色ずれ画像の混入を重視する場合の制御であった。一方、第3実施形態は、ユーザが色ずれをそこまで重視しない場合の制御である。色ずれ画像が出力されたときに、マシンを止めてしまうとダウンタイムが発生することになるが、第3実施形態では、そのダウンタイムをなくすることを特徴としている。
【0084】
図12は第3実施形態に係る画像形成装置の動作フローである。まず、本動作フローでは、紙間色間ずれ補正制御が開始されると(ステップS70)、変数Nを0に設定しておく(ステップS85)。第2実施形態と同様にステップS71〜ステップS80の処理後、色ずれ画像が発生するケースにおいては(ステップS82、YES)、アラートカウントを開始、つまりNに1を設定する(ステップS86)。それ以降、画像書込のたびに、ステップS87の判定にてYES側に進み、ステップS88にてNをカウントアップする。画像出力が終了したところで、N枚目に色ずれ画像があることをアラートで出力する。なお、色ずれ画像が発生しないケースではステップS87の判定にて、N=0のためNO側に進むので、Nがカウントアップされることはない。
【0085】
次に、図13に、実際に出力するアラートを示す。"N"としてあるところに、カウントアップされたNが入ることになる。
【0086】
第2実施形態では、パターン形成終了後、前ページ形成中に測定した主走査倍率から計算される補正量の反映に失敗した場合、色ずれによってマシンが止まってしまうため、それほどの色ずれ品質を求めていないユーザに対しては迷惑な機能になる。
【0087】
しかしながら、本実施形態によれば、パターン形成終了後、前ページ形成中に測定した主走査倍率から計算される補正量の反映に失敗した場合、アラートをだし、画像の出力は止めない。そのためアラートを出すことで、色ずれがあったことはユーザに伝えるが、印刷は停止させずに続けることが出来る。このように、本実施形態では、理想的な主倍率で印刷できなかった画像が存在する場合に印刷動作を継続するので、マシンのダウンタイムを低減することが出来る。
【0088】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置の動作について、図14の動作フローを参照しながら説明する。第4実施形態では、ユーザが色ずれ画質を重視するか否かによって、第2実施形態の「画像処理装置の稼動を停止するか」、もしくは第3実施形態の「警告を通知する」のいずれかの制御を行うことを特徴としている。
【0089】
図14に第4実施形態のフローを示す。ステップS70〜ステップS82は第2実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。主倍率Bを設定する前に画像形成装置書込が開始された場合(ステップS82)、色ずれ画像が発生することが懸念されるため、ユーザが事前に設定した、"色ずれ画質を重視するか否か"の情報にしたがって動作する(ステップS90)。
【0090】
図15に、ユーザが色ずれ画質を重視するか否かを設定する画面例を示す。
図15の画面にて、ユーザが「はい」を選択していた場合は、ステップS90の分岐においてステップS84に進み、マシンを停止させる。また、ユーザが「いいえ」を選択していた場合は、ステップS86に進み、アラートカウンタを開始し、印刷は継続する。
【0091】
複数のユーザが画像形成装置を使用することを想定した場合、ユーザが色ずれを重視するか否かを選択出来るほうが望ましい。以上から第4実施形態では、ユーザが色ずれ画質を重視するか否かによって、第2実施形態の「画像処理装置の稼動を停止するか」、もしくは第3実施形態の「警告を通知する」のいずれかの制御をユーザが選択できる。これにより、理想的な主倍率で印刷できなかった画像が存在する場合の動作を選択でき、ひとつの画像形成装置で複数のニーズをもつユーザに対応できる。
【0092】
<第5実施形態>
第2実施形態に記載したように、各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を補正することなく次画像の書き込みが開始された場合、色ずれ画像が発生するケースと同じ理由で、主倍率Aの設定(図14のステップS76)がパターン形成開始(図14のステップS78)に間に合わないケースも想定される。具体的には、図16に示すようなケースである。一番右の菱形が、パターン形成タイミングに被ってしまっていることがわかる。パターン形成中に主倍率を変えると、途中から主倍率が変わった異常パターンになってしまうため、主倍率の切替は行わない。このとき、主倍率Bにてパターンを形成することになる。主倍率Bはパターン形成時に想定している主倍率ではないので、つまり主倍率Aではないので紙間色間ずれ補正制御の結果に誤差を出すことになってしまう。そのため第5実施形態においては、上記のような状況のときに、紙間色間ずれ補正制御を中止する。
【0093】
次に、本発明の第5実施形態に係る画像形成装置の動作について、図17の動作フローを参照しながら説明する。ステップS70〜ステップSS75の処理後、ステップS76の主倍率Aを設定する前に、パターン形成が開始されてしまっていた場合(ステップS92)は、紙間色間ずれ補正制御を異常終了する(ステップS93)。紙間色間ずれ補正制御異常終了とは、具体的には、紙間色間ずれ補正制御開始タイミングから、複数パターンを読むなどして一時保持したデータを全て破棄することを指している。
【0094】
なお、異常終了した後、他に必要なページ間の調整制御が必要か否かを判断し(ステップS94)、必要であれば、他の調整動作を開始する(ステップS95)。不要であれば、ステップS71に戻り紙間色間ずれ補正制御をはじめからやり直す。
【0095】
常に固定の主倍率でパターン形成することを前提としている紙間色間ずれ補正制御において、異なる主倍率で形成されたパターンを含めて補正値の計算をしてしまうと、補正したときに色ずれが発生する補正結果を出力してしまう可能性がある。つまり補正値異常が発生する。そのため、以上に説明したように、第5実施形態では、紙間色間ずれ補正制御開始時に取得した主倍率で、パターン形成できなかった場合(紙間色間ずれ補正制御開始時に取得した主倍率の設定が間に合わなかった場合)、紙間色間ずれ補正制御を中止して、再度実行する。一度、紙間色間ずれ補正制御を中止することで、補正値異常が発生することを抑制することが出来る。このように、あらかじめ決めてある主倍率でパターンを形成できなかった場合に、紙間色間ずれ補正制御を中止するため、誤った主倍率でパターンが形成されてしまった場合でも、紙間色間ずれ補正制御の出力値、つまり色ずれ補正量に誤差が含まれてしまうことがない。
【0096】
また、紙間色間ずれ補正制御では複数枚のページ間でパターンを形成するが、その間、ページ間で行うべきトナー濃度調整制御などの他の調整動作が実行できなくなってしまっている。そのため、一旦紙間色間ずれ補正制御を中止することで、ページ間にて行うべきほかの調整動作が実施できない状態が続くことがない。なお、紙間色間ずれ補正制御については、再度実行の機会を待って実行する。
【0097】
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る画像形成装置の動作について、図18の動作フローを参照しながら説明する。第6実施形態では、パターン形成開始が主倍率Aの設定前であった場合(ステップS92、YES)、次の画像のために、主倍率Bの設定を行う(ステップS81)。その後、再度ページ間にてパターン形成を行い、パターン読み取りを行う。なお、主倍率Aの設定が間に合わなかったページ間で形成されたパターンについては読み取らないようにして、紙間色間ずれ補正制御の補正値計算には含めない。
【0098】
常に固定の主倍率でパターン形成することを前提としている紙間色間ずれ補正制御において、異なる主倍率で形成されたパターンを含めて補正値の計算をしてしまうと、色ずれのされた補正結果を出力してしまう可能性がある。そのため、以上に説明したように、本実施形態では、紙間色間ずれ補正制御開始時に取得した主倍率でパターン形成できなかった場合、つまり、紙間色間ずれ補正制御開始時に取得した主倍率の設定が間に合わなかった場合、そのページ間で形成したパターンは紙間色間ずれ補正制御の計算には含めず、再度パターンを形成する。
【0099】
本実施形態によれば、パターンをあらかじめ決めてある主倍率で形成できなかった場合に、パターンを読み取らない、つまり、紙間色間ずれ補正制御に使用しないので、紙間色間ずれ補正制御の結果に誤差が含まれることがない。
【0100】
また、第5実施形態に示したように一度、紙間色間ずれ補正制御をやめてしまうと、紙間色間ずれ補正制御中止までに形成したパターン分のトナーが全くの無駄になってしまう。しかし、本実施形態では、紙間色間ずれ補正制御を中止にはせずに、再度パターンを形成して読み取って補正値を演算する。これにより、形成に成功したパターンが無駄になることがなく、トナーが無駄に消費されることがない。更に、ページ間で行うべき他の調整動作よりも、紙間色間ずれ補正制御を優先的に続けることが出来る。よって、第5実施形態の場合よりもトナー消費量を抑えることができる。また、紙間色間ずれ補正制御を、ページ間で行うべき他の調整動作よりも優先するので、色ずれ品質を求めるユーザのニーズに応えることが出来る。
【0101】
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る画像形成装置の動作について、図19の動作フローを参照しながら説明する。第7実施形態の画像形成装置においては、紙間色間ずれ補正制御でのパターン形成に規定回数異常失敗し続けた場合、紙間色間ずれ補正制御と異常終了させることを特徴としている。紙間色間ずれ補正制御が規定ページ間以上に跨って実行されることを防ぎ、紙間色間ずれ補正制御が他の調整動作を妨げてしまうことを防ぐ。
【0102】
第7実施形態に係る画像形成装置においては、紙間色間ずれ補正制御開始タイミングでNを0クリアし(ステップS85)、パターン形成前に"主倍率Aを設定"が実行できなかったケースにおいては(ステップS92)、Nをカウントアップし(ステップS97)、規定回数を超えたときに(ステップS98)、紙間色間ずれ補正制御を異常終了させる(ステップS93)。
【0103】
紙間色間ずれ補正制御異常終了(ステップS93)とは、具体的には、紙間色間ずれ補正制御開始タイミングから、複数パターンを読むなどして一時保持したデータを全て破棄することを指している。
【0104】
本実施形態においては、紙間色間ずれ補正制御異常終了後(ステップS93)、他の調整動作が不要であった場合も(ステップS94)、すぐに再度紙間色間ずれ補正制御を開始せず、規定枚数分画像書込を開始したことを待ってから(ステップS99)、再度紙間色間ずれ補正制御を実施する。
【0105】
パターンをあらかじめ決めてある主倍率で形成できないことが続く原因が、例えば、別の重たい処理が理由であった場合、その処理が終わるまでは何度もパターン形成に失敗し続けることになる。パターン形成に失敗すれば、その分、トナーが無駄になる。そのため、以上に説明したように、本実施形態では、紙間色間ずれ補正制御開始時に取得した主倍率で、パターン形成できなかった場合(紙間色間ずれ補正制御開始時に取得した主倍率の設定が間に合わなかった場合)、そのページ間で形成したパターンは紙間色間ずれ補正制御の計算には含めず、再度パターンを形成するが、規定回数以上、パターンをあらかじめ決めてある主倍率で形成できないことが続いた場合に、一旦、紙間色間ずれ補正制御をやめる。このようにして、一旦紙間色間ずれ補正制御をやめることで、トナーが無駄に消費されることを防ぐことができる。
【0106】
また、別の重たい処理が、紙間色間ずれ補正制御のせいで成功しないようなケースも想定される。つまり、紙間色間ずれ補正制御の中の、主倍率設定のせいで別の重たい処理が、特定の期間内で完了できず、更に主倍率設定も、別の重たい処理のせいで完了しないようなケースである。上記のケースが発生すれば、いつまでも双方の制御が失敗し続けるような状況に陥ることが想定されるため、紙間色間ずれ補正制御は一旦中止させる。
【0107】
そうすることで、長期間、上記にて想定されるケースが続いてしまい、ページ間にて行うべき他の調整動作が実施できない状態が続いたり、パターン形成に失敗し続ける、つまりトナーが無駄に消費され続けることを防ぐことが出来る。
【0108】
このように他の制御が入っており、いつまで経過してもパターン形成に成功しないことが想定される場合、一度紙間色間ずれ補正制御をやめてしまい、別のタイミングにて実施する。これにより、紙間色間ずれ補正制御がいつまでも終わらない状態に陥り、ページ間で行うべきほかの調整動作がいつまでも実施できない状態になることを抑制できる。
【0109】
<まとめ>
以上に説明したように、各実施形態によれば、記録媒体間の色間の位置ずれの補正と主走査方向の画像倍率のずれの補正とを精度よく制御することができる。また、各実施形態における制御失敗時に懸念される、紙間色間ずれ補正制御への悪影響や、異常画像を防ぐことができる。
【0110】
<おわりに>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はかかる例に限定されない。本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
【0111】
例えば、本発明に係る画像処理装置は、印刷機、複合機の他、レーザプリンタなどの他の画像形成装置として構成することもできる。また、さらに他の実施形態では、上記の画像処理部を含むLSI(Large Scale Integration)チップなどの半導体デバイスとして画像処理装置を構成することもできる。
【符号の説明】
【0112】
2 感光体
4 走査露光装置
14、15 パターン検出装置
45 位置合わせコントローラ
46 システムコントローラ
201,203 補正用パターン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0113】
【特許文献1】特開平10−213940号公報
【特許文献2】特開2006−199000号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体上への画像書き込み時に発生する色ずれを補正する画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー画像形成装置においては、一般的に静電複写方式が用いられている。静電複写方式とは、感光体上に静電潜像を形成し、現像装置により該静電潜像からトナー像を形成し、該トナー像を用紙上に転写することで画像形成処理を行う方式である。
【0003】
また、このようなカラー画像形成装置では、一般的にタンデム方式の作像装置が用いられている。タンデム方式作像装置とは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各トナー色に露光装置、感光体、現像器等を備えた作像ユニットで、用紙(転写体)の進行方向に直列に配置される。露光装置は画像書き込み開始信号をトリガにして各色毎の感光体上にそれぞれ潜像を形成し、現像器で該潜像を現像することで各色のトナー像を形成する。そして、この各色のトナー像を転写ベルトで搬送される用紙に順次重ねて転写していく。これによりフルカラーのトナー像の形成処理がなされる。このようなタンデム方式のカラー画像形成装置は、現像機切り替え方式のカラー画像形成装置と比較してプリント生産性が高く、近年のカラー画像形成装置おいては主流となっている。ところが、このようなタンデム方式のカラー画像形成装置においては、各露光装置における光走査位置のずれ等に起因して、各色間の転写位置のずれ、すなわち色ずれが生じ、画質の著しい低下が発生するおそれがある。そのため、カラー画像形成装置においては、所定の期間毎に色ずれを検出し補正を行う必要がある。
【0004】
また、カラー画像形成装置においては、色ずれの検出、補正は、色ずれ補正パターンを用いて行われている。色ずれ補正パターンは、各色トナー像パターンからなり、用紙搬送ベルト等の移動体上に形成される。この色ずれ補正パターンをセンサで読み込み、演算処理部において各トナー像パターンの位置を演算し、各色間の位置差(色ずれ量)を検出し、その色ずれ量に応じて各色の画像書き込みタイミングを調整することで、色ずれの検知、補正を行う。
【0005】
上記のような色ずれ補正パターンを用いた色ずれ補正に関する技術としては、以下のものが提案されている。特許文献1には、記録媒体上への画像形成処理のインターバルに、感光体上に形成された各トナー像パターンを転写ベルト上の各用紙間に転写することで、印刷用紙間に色ずれ補正パターンを形成し、この色ずれ補正パターンの色ずれ量を検出する(以下、紙間色間ずれ補正制御又は色間ずれ補正制御とも称呼する)画像形成装置が開示されている。以上のように、画像形成装置では所定の期間毎に色ずれを検出し補正する必要がある。
【0006】
一方、光ビーム走査装置を用いた画像形成装置では、各色の画像倍率のずれを検出し補正する必要もある。すなわち、光ビーム走査装置を用いた画像形成装置は、光ビームを画像データにより変調し、偏向手段(以下ポリゴンミラー)を回転することにより主走査方向に等角速度偏向し、fθレンズにより等角速度偏向を等速度偏向に補正などし、像担持体(以下感光体)上に走査するように構成されている。光ビーム走査装置(レンズ)にプラスチックレンズを用いた場合には、環境温度の変化や、機内温度の変化等によって、プラスチックレンズの形状、屈折率が変化する。このため、感光体の像面での走査位置が変化し、主走査方向の倍率誤差が発生し、高品位の画像を得られなくなる。さらに、複数のレーザービーム、レンズを用いて、複数色の画像を形成する装置においては、それぞれの倍率誤差によって色ずれが発生し、高品位の画像を得られなくなる。従って、各色の画像倍率をできる限り合わせる必要がある。
【0007】
このようなことから、特許文献2には、印刷中に各色それぞれ「今の画像倍率」を測定し、印刷画像と印刷画像の合間(記録媒体上への画像書き込み期間の合間)に、理想となる画像倍率になるように画像倍率のずれを補正する技術が開示されている(印刷中2点同期制御)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、紙間色間ずれ補正制御をする画像形成装置の多くは、形成したパターンを読み取るセンサをコスト削減のために、安価なものとしている場合が多いため、読取精度が十分でない。そのため、複数回色ずれ補正パターンを形成し、平均したデータを使用することで、読取精度の信頼性を確保している。このとき、色ずれ補正パターンは複数回形成することになるが、各回において同じ条件で補正パターンが書き込まれることが前提となる。
【0009】
しかしながら、印刷中2点同期制御を行ってしまうと、印刷中に画像の倍率が変わっていってしまうことに同期して、色ずれ補正パターンの倍率も変わってしまうので、色ずれ補正パターンを読み取って平均した色ずれ量に誤差が出てしまい、正確な色間ずれ補正制御ができないという課題があった。
【0010】
上記課題に対して、紙間色間ずれ補正制御を実施しているときは、印刷中2点同期制御を抑制する方法が考えられる。しかしながら、上記のような抑制を行えば、紙間色間ずれ補正制御を実施している中での温度変化等の要因によって、印刷画像が色ずれしてしまう。
【0011】
上記課題に鑑み、本発明の目的とするところは、記録媒体間の色間の位置ずれの補正(紙間色間ずれ補正制御)と主走査方向の画像倍率のずれの補正(印刷中2点同期制御)とを精度よく制御する画像形成装置、画像形成方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一の態様によれば、複数の記録媒体上への画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、前記画像書き込み期間の合間の非書き込み期間に前記画像倍率のずれの検出結果に基づき前記主走査方向の画像倍率を補正する主走査方向補正手段と、
前記主走査方向補正手段により補正される前の主走査方向の画像倍率を保持する記憶手段と、
前記非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成されたトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、前記色間の位置ずれの検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する位置ずれ補正手段と、を備え、
前記位置ずれ補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用し、
前記主走査方向補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を補正することを特徴とする画像処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、記録媒体間の色間の位置ずれの補正と主走査方向の画像倍率のずれの補正とを精度よく制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】一実施形態に係る搬送ベルトと画像形成部の関係図。
【図3】一実施形態に係る補正用パターンとパターン検出装置の関係図。
【図4】一実施形態に係る搬送ベルト上に形成されるパターン例を示した図。
【図5】一実施形態に係る位置ずれ補正を行う制御系のブロック図。
【図6】一実施形態に係る主走査倍率を調整可能な走査露光装置と周辺制御系の構成図。
【図7】第1実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【図8】第1実施形態による画像形成装置の動作説明図。
【図9】主倍率Bの設定が間に合わない場合の動作説明図。
【図10】第2実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【図11】図10の異常処理を即時停止処理とした場合の動作フロー。
【図12】第3実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【図13】図12の異常時のアラート出力例を示した図。
【図14】第4実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【図15】図14の異常時の動作選択画面例を示した図。
【図16】主倍率Aの設定が間に合わない場合の動作説明図。
【図17】第5実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【図18】第6実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【図19】第7実施形態による画像形成装置の動作フロー。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0016】
<はじめに>
画像形成装置では、いわゆる印刷中2点同期制御といわゆる色間ずれ補正制御との両方が行われることがある。「印刷中2点同期制御」は、紙面上への画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、前記画像書き込み期間の合間の非書き込み期間に前記画像倍率のずれの検出結果に基づき前記主走査方向の画像倍率を補正する制御方法である。「(紙間)色間ずれ補正制御」は、前記非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成されたトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、前記色間の位置ずれの検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する制御方法である。
【0017】
色間ずれ補正制御を実行する画像形成装置の多くは、形成したパターンを読み取るセンサをコスト削減のために、安価なものとしている場合が多いため、読取精度が十分でない。そのため、複数回色ずれ補正パターンを形成し、平均したデータを使用することで、読取精度の信頼性を確保している。このとき、色ずれ補正パターンは複数回形成することになるが、各回において同じ条件で補正パターンが書き込まれることが前提となる。
【0018】
しかしながら、画像形成装置が、印刷中2点同期制御を行ってしまうと、印刷中に画像の倍率が変わっていってしまうことに同期して、色ずれ補正パターンの倍率も変わってしまうので、色ずれ補正パターンを読み取って平均した色ずれ量に誤差が出てしまい、正確な色間ずれ補正制御ができない。
【0019】
これに対して、紙間色間ずれ補正制御を実施しているときは、印刷中2点同期制御を抑制する方法が考えられる。しかしながら、上記のような抑制を行えば、紙間色間ずれ補正制御を実施している中での温度変化等の要因によって、印刷画像が色ずれしてしまう。
【0020】
色ずれ補正パターンを形成する前に、色ずれ補正パターン用に任意の主倍率を設定して色ずれ補正パターンを形成し、更に色ずれ補正パターン形成終了後、次画像形成開始前に、印刷中2点同期制御結果である主倍率を設定する方法も考えられる。しかし、そうした場合、色ずれ補正パターン用の主倍率設定がパターン形成前までに完了しない場合、補正パターンが色ずれしてしまう。また、追加した制御の影響で、次画像形成用の印刷設定が完了しない懸念があり、その場合次画像は異常画像になってしまう。
【0021】
以上から、以下に説明する本発明の各実施形態に係る画像形成装置では、印刷中の温度変化等の影響で発生する「色間ずれ補正制御」の精度低下に関し、図8に示した特徴を有する。すなわち、紙間色間ずれ量補正制御開始前の画像倍率(図8内の菱形で示した主倍率A)を記憶しておいて、紙間色間ずれ量補正のためのパターンを形成する直前に、画像倍率を事前に記憶してある倍率(菱形)に戻す。そうすることでパターンは、常に固定の画像倍率(菱形)にて形成される。
【0022】
また、画像書き込み中には、印刷中2点同期制御により理想的な主倍率を求め(図8内の黒丸で示した主倍率B)、パターン形成後に、色間ずれ量補正制御開始前に記憶したときの値に設定されている画像倍率(菱形:主倍率A)を、理想的な主倍率(黒丸:主倍率B)に設定する。そうすることで次画像出力時は、理想的な主倍率Bで画像出力できる。
【0023】
また、従来画像倍率(主倍率A)の設定のタイミングで行っていた、次印刷画像のための設定は、画像倍率(主倍率A)の設定後に行うようにする。そうすることで、パターン形成までに画像倍率(主倍率A)の設定が終わらないことがないようにする。また、次印刷画像設定が遅れる分、パターン形成中に、次印刷画像設定の進捗を確認するようにして、仮に設定が終わる見込みがないようであれば、パターン形成を中止して、次印刷画像設定、理想的な黒丸の主倍率Bの設定を優先して行うことで、次画像形成までに、印刷設定が終わらずに、異常画像が出力されることがない。
【0024】
以下では、本発明の第1〜第7実施形態に係る画像形成装置について、以上の主な特徴を中心に説明する。各実施形態の説明をする前に、各実施形態に共通の装置構成及び機能構成について説明する。
【0025】
<各実施形態に共通の装置構成及び機能構成>
[画像形成装置の概略構成]
以下に、本発明の画像形成装置に係る実施形態として、所謂タンデム型といわれる電子写真方式のカラー画像形成装置への適用例を示す。このタンデム型のカラー画像形成装置は、色成分ごとに設けた感光体上に主副走査によって2次元像のLD(Laser Diode)光書込みをそれぞれ行う。また、本実施形態では、各色成分の感光体ドラムが転写紙(記録用紙)を送る搬送ベルトの搬送方向に配列され、搬送ベルトにより搬送される転写紙上で各感光体から各色成分画像の転写を受ける際に、カラー画像の合成を行う形式の装置を例示する。ただし、感光体から転写紙に直接転写する方法に限らず、中間転写体を介して行う方法においても、本例と同様に実施することができる。
【0026】
図1は、一実施形態のタンデム型カラー画像形成装置の概略構成図である。図1に示すように、画像記録媒体としての転写紙10を搬送する搬送ベルト8の移動方向に沿って上流から順に、カラー画像を構成する各色成分(イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、ブラック:K)の画像を形成する画像形成部1Y,1M,1C,1Kが一列に配置されている。搬送ベルト8は、駆動回転する駆動ローラ9dと従動回転する従動ローラ9fとに巻回されたエンドレス(無端)のベルトであり、駆動ローラ9dにより図中の矢印A方向に回転駆動される。図2に示す斜視図は、搬送ベルト8と各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kの関係をさらに説明する図である。
【0027】
図2において、矢印Bは、搬送ベルト8の移動方向と直交する主走査方向を示し、矢印Cは、搬送ベルト8の移動方向と平行な副走査方向を示している。この図に示すように、各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kの主要部である感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kは、矢印Bで示す主走査方向に平行な軸を有し、この軸周りの回転で、後述するドラム面の副走査が行われる。
【0028】
図1に示すように、搬送ベルト8の下部には、転写紙10が収納された給紙トレイ11が備えられている。給紙トレイ11に収納された転写紙10のうち最上位置にある転写紙は、画像形成時に給紙され、静電吸着によって搬送ベルト8上に吸着される。吸着された転写紙10は、第1の画像形成部(イエロー)1Yに搬送され、ここで形成されたイエローの画像が転写される。第1の画像形成部(イエロー)1Yは、感光体ドラム2Yと感光体ドラム2Yの周囲に配置された帯電装置3Y、走査露光装置4Y、現像装置5Y、感光体クリーニング装置6Yから構成されている。なお、各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kは、形成するトナー画像が異なるだけで、同じ構成要素を備えているので、第1の画像形成部(イエロー)以外の色についての構成の説明は省略する。感光体ドラム1Yへのレーザービームによる画像の書込みは、次のように行われる。感光体ドラム1Yの感光面は、帯電装置3Yで一様に帯電された後、走査露光装置4Yで露光され、感光面に静電潜像が形成される。
【0029】
ここに、走査露光装置4Yは、主走査方向のライン同期信号でタイミングをとって、イエローの画像データでLD光源(不図示)の駆動を制御することにより、発生された光を所定周期で走査ビームとして感光面に投射するとともに、主走査方向に交わる副走査方向に感光体ドラム2Yをモータ制御で駆動し、移動(回転)させることにより、該走査ビームによる2次元像の走査露光を行う。
【0030】
感光面に形成された静電潜像は、現像装置5Yでイエローのトナーで現像され、感光体ドラム2Y上にトナー像が形成される。このトナー像は、感光体ドラム2Yと搬送ベルト8上の転写紙とが接する位置(転写位置)で転写装置13Yによって転写され、転写紙10上にイエロー単色の画像を形成する。転写が終わった感光体ドラム2Yは、ドラム表面に残った不要なトナーを感光体クリーニング装置6Yによってクリーニングされ、次の画像形成に備える。
【0031】
このように、画像形成部1Yでイエローを転写された転写紙10は、搬送ベルト8によって次の画像形成部(マゼンタ)1Mに搬送される。ここでも、イエローにおけると同様に、感光体ドラム2M上にトナー像が形成され、形成されたトナー像(マゼンタ)は、画像形成部1Yでイエローを転写された転写紙4上に重ねて転写される。転写紙4は、さらに次の画像形成部(シアン)1C、さらに次の画像形成部(ブラック)1Kに搬送され、これまでに行われたと同様に、形成されたトナー像が転写合成されて、カラー画像を形成してゆく。最後の画像形成部1Kを通過してカラー画像が形成された転写紙10は、搬送ベルト8から剥離され、定着器12にて定着された後、排紙される。
【0032】
また、本実施形態のカラー画像形成装置は、高画質のカラー画像出力を得るために、タンデム型カラー画像形成装置において不可避である各色成分画像に生じるずれを補正する手段を有する。この実施形態で採り上げる各色成分画像に生じるずれは、各色成分の走査露光装置4Y,4M,4C,4Kにおける動作条件を調整することにより補正することができるずれを主とし、1つは、各色成分画像間の位置ずれであり、もう1つは、主走査倍率の変動によるずれである。
【0033】
これらのずれは、下記の「各色成分画像間の位置ずれ補正」及び「主走査倍率の調整」それぞれに実施形態として示す補正方法或いは調整方法を用いることにより補正することができる。「各色成分画像間の位置ずれ補正」位置ずれ補正用パターン(以下、単に「補正用パターン」という場合、このパターンを指す)の作成、補正用パターンの検知を通して、各色成分画像間の位置ずれの検出及びずれの補正を行う。
【0034】
図3は、作成された補正用パターンとパターン検出装置の関係を示す図である。同図は、先に示した図2と同様の斜視図で、作成した補正用パターン201,203とパターン検出装置14,15が加えられている。
【0035】
補正用パターン201,203は、各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kを実際に動作させて、各色成分画像間の位置ずれをそれぞれ検知するための形状を持つパターンとして、搬送ベルト8に形成される。
【0036】
各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kの持つ機器条件特性の違いによって、各色のパターンが本来あるべき位置からずれるので、搬送ベルト8上の検出位置に設けたパターン検出装置14,15によってパターン位置のずれを検出し、動作状態を把握する。
【0037】
なお、パターン検出装置14,15は、発光部及び受光部で構成される光反射型センサからなる。また、この実施形態では感光体から転写紙に直接転写する方法であるから、補正用パターンを搬送ベルト8に形成するが、中間転写体を介して行う方法の場合には、中間転写体に形成する。
【0038】
図4は、搬送ベルト上に形成される補正用パターンの一例を示す図である。同図において、補正用パターン201,203は、搬送ベルト8の主走査方向の両側に設けた2領域に形成される。
【0039】
また、この実施形態では、連続動作でページ画像を形成する際に、ページ画像の画像領域I1と画像領域I2との間にできるスペースを利用して、補正用パターン201,203を形成する。ページ画像間にできるスペースは、ページ画像を連続して形成する動作状態においても、転写紙の給紙動作の関係から必ず生じるので、ここを転写紙へ印刷しない補正用パターン201,203を形成するために有効利用することで、パターン作成を行わせるために、連続動作を中断しなくてもよくなり、印刷の生産性を上げることができる。
【0040】
図4に示す例では、主走査方向の両側に設けた2領域において、ページ画像の画像領域I1から副走査方向X(mm)の位置に基準色(本実施形態ではK)パターンPsを、Y(mm)の位置に比較色(本実施形態ではY,M,C)パターンPrを1セットの補正用パターン201,203として形成する。
【0041】
この補正用パターン201,203のセットを、ページ画像間に、色ごとに作成し、位置ずれパターン検出装置14,15で検出し、検出結果をもとに、位置ずれ量を算出する。図4に示す例では、基準色KのパターンPsは副走査方向に直交するエッジを有し、比較色Y,M,Cの1色のパターンPrは副走査方向に斜めに交わるエッジを有するので、パターン検出装置14、15は、これらのエッジの位置の変動を検知することで、主走査及び副走査の両方向の位置ずれ量を算出することができる。
【0042】
[画像形成装置の機能構成]
(位置ずれ補正制御系の機能構成)
図5は、位置ずれ補正を行う制御系の構成を示すブロック図である。同図中のシステムコントローラ46は、画像形成装置全体を制御する機能を持ち、画像形成部1Y,1M,1C,1Kに係る動作部のほか、印刷出力に用いる画像データの入力部(不図示)やジョブを要求するユーザの操作を受付ける操作部等を制御下において、受付けたジョブを完了させるまでの各部の動作を管理する。
【0043】
位置合わせコントローラ45は、システムコントローラ46の制御下で、主に走査露光の動作を制御し(後記する図6の説明を参照)、位置合わせに必要な処理を行う。また、位置合わせコントローラ45は、この処理に用いるハードウエアとして、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)43及びRAM(Random Access Memory)44を有する。システムコントローラ46も同様に図示しないCPUを有する。
【0044】
位置合わせコントローラ45のCPUは、ROM43に格納された、制御プログラム及び制御用データに従って、ワークエリアにRAM44を使用して、制御動作を実行する。その中には、この位置ずれ補正及び後述する主走査倍率の調整等を行うために必要な後記の動作フローを実行することが含まれる。
【0045】
位置ずれ補正の場合、搬送ベルト8上の補正用パターン201,203を検出するパターン検出装置14、15によって検出されたアナログ信号は、A/D変換器41でデジタル電圧値に変換され、システムコントローラ46に入力される。
【0046】
システムコントローラ46は、入力された電圧値より、基準色KのパターンPsに対する比較色Y,M,Cの1色のパターンPrの位置を算出する。また、位置合わせコントローラ45では、システムコントローラ46で算出された位置を基に、各色の位置ずれ量を算出し、位置ずれ補正量を算出する。
【0047】
位置ずれ補正量算出後の画像は新しく算出された補正量を反映した制御が各色成分の走査露光装置4Y,4M,4C,4Kに掛けられ、画像形成動作が行われる。
【0048】
「主走査倍率の調整」
この実施形態における主走査倍率の調整方法は、光源からの走査光ビームを主走査線上の2ヶ所で検出し、検出時間の差分に基づき、画素クロックの周波数或いは位相を変更する方法による。この方法は、連続動作でページ画像を形成する際でも、上記した「各色成分画像間の位置ずれ補正」のように、補正用パターンの形成が必要である、といった制約がないので、ページ間で主走査倍率の補正量を求め、調整を実行することができる。従って、本実施形態では、印刷開始時に、検出時間の差分に基づき主走査倍率を調整した後、ページ間で検出した差分をもとに、主走査倍率の補正量を求め、補正をする、という方法で実施することができる。
【0049】
(主走査倍率調整系(印刷2点同期制御)の機能構成)
図6は、上記の方法により主走査倍率を調整できる走査露光装置とその制御系を示す。なお、図6に示す走査露光装置4は、各色成分の走査露光装置4Y,4M,4C,4Kに共通の構成を示す。また、この走査露光装置と制御系は、上記した「各色成分画像間の位置ずれ補正」と共通し、システムコントローラ46により画像形成装置全体が制御される。
【0050】
光ビームによる走査露光装置4の制御系は、感光体2の画像形成面上の所定位置に画像を書込むために、LDユニット34からの光ビームを偏向させるポリゴンミラー35の回転に同期して、LDによる画像書込みタイミングを制御する機能を有する。
【0051】
走査露光装置4の主走査方向両端部に走査光ビームを検出する同期検知センサ36と同期検知センサ37が備わっている。LDユニット34からの光ビームは、ポリゴンミラー35によって主走査方向に振られ、fθレンズを透過した後、感光体ドラム2を挟んで走査光路上に設けたミラー(1)とミラー(2)によってそれぞれ反射され、反射された各光ビームはレンズ(1)とレンズ2)によって集光されて、同期検知センサ36と同期検知センサ37にそれぞれ入射するように構成されている。
【0052】
走査光ビームが同期検知センサ36と同期検知センサ37上を通過することにより、同期検知センサ36からスタート側同期検知信号XDETPが出力され、同期検知センサ37からエンド側同期検知信号XEDETPが出力され、それぞれの同期検知信号が位置合わせコントローラ45に入力される。
【0053】
位置合わせコントローラ45では、スタート側同期検知信号XDETPの立ち下がりエッジからエンド側同期検知信号XEDETPの立ち下がりエッジまでのクロックをカウントし、時間を計測し、基準時間を定めるカウント値と比較し、差分を検出し、その差分に相当する補正量、即ち、画素クロックの位相を可変する補正データを生成する。
【0054】
システムコントローラ46を経由して、上記補正データを受取る画素クロック生成部31は、補正データに従いLD制御部32で用いる画素クロックの位相をシフトすることで、画像倍率を調整する。画像書込開始タイミングにて、XDETPからXEDETPまでのカウントを行い補正データを生成し、ページ間にて生成された補正データに基づき画像倍率の調整を調整する(印刷中2点同期制御)。
【0055】
次に、上記「各色成分画像間の位置ずれ補正」及び「主走査倍率の調整」に示した方法による各色成分画像に生じるずれ補正の実行条件について説明する。補正用パターンを用いる各色成分画像間の位置ずれ補正は、補正用パターンの形成が必要であるといった制約があることから、従来では、電源ON時や省エネモードからの復帰時等において行う初期化の一環として通常は実行しているが、連続動作でページ画像を形成する際の、ページ間でも行うことが出来るものとする。ただし、何十枚毎に一度、実施される(紙間色間ずれ補正制御)。
【0056】
主走査倍率の調整についても、上記「主走査倍率の調整」で説明したように、連続動作でページ画像を形成する際にも、この調整を実行することが前提となる。
【0057】
なお、図6に示した機能構成の主走査倍率調整系は、複数の記録媒体上への画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、前記画像書き込み期間の合間の非書き込み期間に前記画像倍率のずれの検出結果に基づき前記主走査方向の画像倍率を補正する主走査方向補正手段の機能を実現する。
【0058】
また、図5に示した機能構成の位置ずれ補正制御系は、非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成されたトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、前記色間の位置ずれの検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する位置ずれ補正手段の機能を実現する。
【0059】
さらに、RAM44等の記憶領域は、主走査方向補正手段により補正される前の主走査方向の画像倍率を保持する記憶手段を実現する。システムコントローラ46は、位置ずれ補正手段及び主走査方向補正手段を制御する制御部に相当する。
【0060】
<第1実施形態>
次に、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の動作について、図7の動作フローを参照しながら説明する。
【0061】
まず、システムコントローラ46は、紙間色間ずれ補正制御が開始されるのを待ち(ステップS70)、開始されたら、現在の主倍率を取得し主倍率Aとして記憶領域に保持する(ステップS71)。その後、画像書込が開始されると(ステップS72)、主走査方向補正手段は、同期検知センサ36、37(図6参照)を用いて2点間の測定を開始し(ステップS73)、あらかじめ色ずれがない状態で取得している理想値を元に、最適な主倍率Bを決める(ステップS73)。その後、画像書き込みが終了すると(ステップS74)、紙間色間ずれ補正制御中であれば(ステップS75:YES)、位置ずれ補正手段がパターンを形成することになるが、パターン形成開始前に、事前に取得した主倍率Aを設定する(ステップS76)。これによって、常に同じ主倍率でパターンを形成することができる。パターン形成開始後(ステップS78)、パターン形成が終了したら(ステップS80:YES)、ステップS73で求めた主倍率Bを画像書込開始前に設定する(ステップS81)。これによって、次の画像書き込み処理(ステップS72〜S74)にて最適な主倍率で画像を書き込むことができる。
【0062】
なお、従来はステップS74の画像書き込みが終了後に実施していた次画像印刷設定は、ステップS76にて主倍率Aを設定後、ステップS77にて行うように変更する。そうすることで、ステップS74の画像書き込みが、パターン形成開始までに終わらない懸念をなくする。また、パターン形成開始(ステップS78)からパターン形成終了(ステップS80)までの間に、次画像印刷のための設定の進捗を随時確認しておき(ステップS79)、仮にパターン形成終了までに次画像印刷設定(ステップS77)が終わらないことが想定される場合は、パターン形成を中断し、主倍率Bの設定(ステップS81)をすぐに開始する。そうすることで、主倍率Bの設定(ステップS81)が画像書込開始(ステップS72)までの間に完了しないことがないようにする。
【0063】
本実施形態によれば、位置ずれ補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率(主倍率A)を適用し、主走査方向補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を主倍率Bに補正する。
【0064】
これにより、常に同じ主倍率でパターンを形成することが出来るので、紙間色間ずれ補正制御を誤差なく行うことが出来る。また、同じ主倍率でパターンを形成することを前提に紙間色間ずれ補正制御を行えるので、現在のずれ量を導くための計算を簡単にすることが出来る。
【0065】
また、本実施形態によれば、常に最適な主倍率で画像を書き込むことが出来るので、画像の主倍率が紙間色間ずれ補正制御時に経時にずれていってしまうのを防ぐことが出来る。
【0066】
また、画像出力後、紙間色間ずれ量補正のためのパターンを形成するまでの間に、画像倍率Aに戻す制御が終わらないことがないように、従来画像出力後に行っていた、次画像の印刷設定制御は画像倍率Aに戻したあとに行うように変更する。このため、画像出力後、パターン形成までの間に、画像倍率Aに戻す制御が終わらない懸念がなく、紙間色間ずれ補正制御に悪影響が出ることがない。
【0067】
また、パターン形成中に、次画像の印刷設定制御の進捗を確認して、次画像形成までに印刷設定制御が終わらない可能性がある場合は、パターン形成をやめて、次画像の印刷設定、画像倍率Bへの設定を優先するので、次画像形成までに、印刷設定が終わらずに、次画像が異常画像として出力されることがない。
【0068】
図8に、本実施形態の動作のイメージを示す。パターン形成中は常に一定の主倍率Aになっており、画像書き込み中(印刷画像形成中)は、常に印刷中に取得した最適な主倍率Bになっていることが分かる。
【0069】
図7に示したフローを、紙間色間ずれ補正制御を実施している間、繰り返し、紙間色間ずれ補正制御の補正結果を反映するページの設定タイミングでは、主倍率Aを設定した状態で補正結果を反映し、画像を出力する。これによって、紙間色間ずれ補正制御の補正値を算出した前提となる主倍率で、補正結果を反映することができる。
【0070】
以上に説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、画像形成タイミングにて、各色、主走査倍率を測定し、理想とのずれ量から補正量を算出し、記録媒体のページ間にて補正する機構を設ける。加えて、本実施形態に係る画像形成装置は、複数ページ間にわたって複数個のパターンを形成し、全てのパターンを読取って平均し、色間のずれ量を検知し、ずれ量から補正量を算出し、ページ間にて補正する機構を設ける。
【0071】
本実施形態に係る画像形成装置では、ページ間にてパターンを形成し始める前の主走査倍率を保持しておき、ページ間にてパターンを形成する直前に前記保持した主走査倍率に戻してパターンを形成し、パターン形成が終了したら前ページ形成中に測定した主走査倍率と、理想とのずれ量から計算される補正量に基づき補正を行い、主走査倍率に戻したあとに、次画像の印刷設定を行い、パターン形成中に次画像の印刷設定が、次画像形成開始までに完了しない場合は、パターン形成を中止して、前ページ形成中に測定した主走査倍率と、理想とのずれ量から計算される補正量に基づいた補正制御を前倒しして行う。
【0072】
これによれば、紙間色間ずれ補正制御を行い、且つ、印刷中2点同期制御を行う画像形成装置にて、紙間色ずれ補正制御側の色ずれ補正精度を落とすことなく、紙間色ずれ補正制御中の印刷画像の色ずれをなくすることができる。これにより、印刷中2点同期制御による、紙間色ずれ補正制御への悪影響を抑えつつ、印刷中2点同期制御によって、印刷画像を色ずれがない状態で出力することができる。
【0073】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の動作について、図9の動作フローを参照しながら説明する。本実施形態に係る画像形成装置においては、紙搬送処理、スキャナ処理などの他処理のため、パターン形成終了後、画像書込開始までに、主倍率Bに設定し直せないケースも想定される。ステップS81が実行されないケースである。
【0074】
具体的には図9に示したケースのように、左から2個目の黒丸が印刷画像に被ってしまった場合である。印刷画像形成中に主倍率を変えると、途中から主倍率が変わった異常画像になってしまうため、主倍率の切替は行えない。このとき、主倍率Aにて印刷画像を形成することになる。主倍率Aは、そのタイミングで理想的な主倍率ではないので、つまり主倍率Bではないので、色ずれを引き起こすことが懸念される。
【0075】
上記のようなケースに対応したフロー図を図10に示す。パターン形成終了後(ステップS80)、既に画像書込を開始してしまっていた場合(ステップS82、YES)、主倍率Bに設定してしまうと、画像書込中に主倍率を変えてしまうことになるため、異常が出力される懸念がある。一方、主倍率を変えなければ、紙間色間ずれ補正制御を開始したタイミングでの理想的な主倍率Bでなくなるため、色ずれ画像が出力される懸念がある。そのため主倍率Bを設定せずに、異常処理を行う(ステップS83)。
【0076】
図11の動作フローは、図10の異常処理(ステップS83)を、即時停止処理(ステップS84)とした場合である。画質を重視するユーザの場合、マシンを止めてでも、色ずれ画像の混入を防ぎたいケースもあるため、実際にマシンを停止させる。
【0077】
具体的には、図11では、主倍率Bを設定する前に(ステップS81)、次の画像書込が開始されてしまっていた場合は(ステップS82、YES)、マシンを即時停止させる(ステップS84)。
【0078】
なお、上記のタイミングで書込を開始していた画像は色ずれ画像となっているが、その前の紙までは正常画像であるので、画像形成装置外に排出する。
【0079】
正常な画像が全て排出し終わったら、マシンを停止させ、色ずれ画像となった画像以降の紙は、画像形成装置内に残す。しかかり中の紙間色間ずれ量補正制御については、失敗したことにして保持していたデータなどは破棄する。
【0080】
画像形成装置の操作部には「画像形成失敗:色ずれ異常」と表示させ、ユーザが画像形成装置内の紙を全て取り除いたことをトリガに、一旦色ずれ補正用のパターンを形成し、色ずれ量を測定、書込条件を色ずれがないように補正した後で、色ずれ画像となってしまった画像から画像出力を行う。
【0081】
パターン形成終了後、前ページ形成中に測定した主走査倍率から計算される補正量の反映に失敗した場合、数ページ前の主倍率にて印刷画像が形成されることになる。そのため、色ずれが発生する可能性がある。
【0082】
これに対して、本実施形態によれば、パターン形成終了後、前ページ形成中に測定した主走査倍率から計算される補正量の反映に失敗した場合、マシンを止める。これにより、理想的な主倍率で印刷できなかった画像が存在する場合に、形成してしまった印刷画像をそのまま画像形成装置外に排出しないので、正常画像の中に、色ずれ画像が混入するなどの事故を防ぐことが出来る。
【0083】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の動作について、図12の動作フローを参照しながら説明する。第2実施形態は、ユーザが色ずれ画像の混入を重視する場合の制御であった。一方、第3実施形態は、ユーザが色ずれをそこまで重視しない場合の制御である。色ずれ画像が出力されたときに、マシンを止めてしまうとダウンタイムが発生することになるが、第3実施形態では、そのダウンタイムをなくすることを特徴としている。
【0084】
図12は第3実施形態に係る画像形成装置の動作フローである。まず、本動作フローでは、紙間色間ずれ補正制御が開始されると(ステップS70)、変数Nを0に設定しておく(ステップS85)。第2実施形態と同様にステップS71〜ステップS80の処理後、色ずれ画像が発生するケースにおいては(ステップS82、YES)、アラートカウントを開始、つまりNに1を設定する(ステップS86)。それ以降、画像書込のたびに、ステップS87の判定にてYES側に進み、ステップS88にてNをカウントアップする。画像出力が終了したところで、N枚目に色ずれ画像があることをアラートで出力する。なお、色ずれ画像が発生しないケースではステップS87の判定にて、N=0のためNO側に進むので、Nがカウントアップされることはない。
【0085】
次に、図13に、実際に出力するアラートを示す。"N"としてあるところに、カウントアップされたNが入ることになる。
【0086】
第2実施形態では、パターン形成終了後、前ページ形成中に測定した主走査倍率から計算される補正量の反映に失敗した場合、色ずれによってマシンが止まってしまうため、それほどの色ずれ品質を求めていないユーザに対しては迷惑な機能になる。
【0087】
しかしながら、本実施形態によれば、パターン形成終了後、前ページ形成中に測定した主走査倍率から計算される補正量の反映に失敗した場合、アラートをだし、画像の出力は止めない。そのためアラートを出すことで、色ずれがあったことはユーザに伝えるが、印刷は停止させずに続けることが出来る。このように、本実施形態では、理想的な主倍率で印刷できなかった画像が存在する場合に印刷動作を継続するので、マシンのダウンタイムを低減することが出来る。
【0088】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置の動作について、図14の動作フローを参照しながら説明する。第4実施形態では、ユーザが色ずれ画質を重視するか否かによって、第2実施形態の「画像処理装置の稼動を停止するか」、もしくは第3実施形態の「警告を通知する」のいずれかの制御を行うことを特徴としている。
【0089】
図14に第4実施形態のフローを示す。ステップS70〜ステップS82は第2実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。主倍率Bを設定する前に画像形成装置書込が開始された場合(ステップS82)、色ずれ画像が発生することが懸念されるため、ユーザが事前に設定した、"色ずれ画質を重視するか否か"の情報にしたがって動作する(ステップS90)。
【0090】
図15に、ユーザが色ずれ画質を重視するか否かを設定する画面例を示す。
図15の画面にて、ユーザが「はい」を選択していた場合は、ステップS90の分岐においてステップS84に進み、マシンを停止させる。また、ユーザが「いいえ」を選択していた場合は、ステップS86に進み、アラートカウンタを開始し、印刷は継続する。
【0091】
複数のユーザが画像形成装置を使用することを想定した場合、ユーザが色ずれを重視するか否かを選択出来るほうが望ましい。以上から第4実施形態では、ユーザが色ずれ画質を重視するか否かによって、第2実施形態の「画像処理装置の稼動を停止するか」、もしくは第3実施形態の「警告を通知する」のいずれかの制御をユーザが選択できる。これにより、理想的な主倍率で印刷できなかった画像が存在する場合の動作を選択でき、ひとつの画像形成装置で複数のニーズをもつユーザに対応できる。
【0092】
<第5実施形態>
第2実施形態に記載したように、各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を補正することなく次画像の書き込みが開始された場合、色ずれ画像が発生するケースと同じ理由で、主倍率Aの設定(図14のステップS76)がパターン形成開始(図14のステップS78)に間に合わないケースも想定される。具体的には、図16に示すようなケースである。一番右の菱形が、パターン形成タイミングに被ってしまっていることがわかる。パターン形成中に主倍率を変えると、途中から主倍率が変わった異常パターンになってしまうため、主倍率の切替は行わない。このとき、主倍率Bにてパターンを形成することになる。主倍率Bはパターン形成時に想定している主倍率ではないので、つまり主倍率Aではないので紙間色間ずれ補正制御の結果に誤差を出すことになってしまう。そのため第5実施形態においては、上記のような状況のときに、紙間色間ずれ補正制御を中止する。
【0093】
次に、本発明の第5実施形態に係る画像形成装置の動作について、図17の動作フローを参照しながら説明する。ステップS70〜ステップSS75の処理後、ステップS76の主倍率Aを設定する前に、パターン形成が開始されてしまっていた場合(ステップS92)は、紙間色間ずれ補正制御を異常終了する(ステップS93)。紙間色間ずれ補正制御異常終了とは、具体的には、紙間色間ずれ補正制御開始タイミングから、複数パターンを読むなどして一時保持したデータを全て破棄することを指している。
【0094】
なお、異常終了した後、他に必要なページ間の調整制御が必要か否かを判断し(ステップS94)、必要であれば、他の調整動作を開始する(ステップS95)。不要であれば、ステップS71に戻り紙間色間ずれ補正制御をはじめからやり直す。
【0095】
常に固定の主倍率でパターン形成することを前提としている紙間色間ずれ補正制御において、異なる主倍率で形成されたパターンを含めて補正値の計算をしてしまうと、補正したときに色ずれが発生する補正結果を出力してしまう可能性がある。つまり補正値異常が発生する。そのため、以上に説明したように、第5実施形態では、紙間色間ずれ補正制御開始時に取得した主倍率で、パターン形成できなかった場合(紙間色間ずれ補正制御開始時に取得した主倍率の設定が間に合わなかった場合)、紙間色間ずれ補正制御を中止して、再度実行する。一度、紙間色間ずれ補正制御を中止することで、補正値異常が発生することを抑制することが出来る。このように、あらかじめ決めてある主倍率でパターンを形成できなかった場合に、紙間色間ずれ補正制御を中止するため、誤った主倍率でパターンが形成されてしまった場合でも、紙間色間ずれ補正制御の出力値、つまり色ずれ補正量に誤差が含まれてしまうことがない。
【0096】
また、紙間色間ずれ補正制御では複数枚のページ間でパターンを形成するが、その間、ページ間で行うべきトナー濃度調整制御などの他の調整動作が実行できなくなってしまっている。そのため、一旦紙間色間ずれ補正制御を中止することで、ページ間にて行うべきほかの調整動作が実施できない状態が続くことがない。なお、紙間色間ずれ補正制御については、再度実行の機会を待って実行する。
【0097】
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る画像形成装置の動作について、図18の動作フローを参照しながら説明する。第6実施形態では、パターン形成開始が主倍率Aの設定前であった場合(ステップS92、YES)、次の画像のために、主倍率Bの設定を行う(ステップS81)。その後、再度ページ間にてパターン形成を行い、パターン読み取りを行う。なお、主倍率Aの設定が間に合わなかったページ間で形成されたパターンについては読み取らないようにして、紙間色間ずれ補正制御の補正値計算には含めない。
【0098】
常に固定の主倍率でパターン形成することを前提としている紙間色間ずれ補正制御において、異なる主倍率で形成されたパターンを含めて補正値の計算をしてしまうと、色ずれのされた補正結果を出力してしまう可能性がある。そのため、以上に説明したように、本実施形態では、紙間色間ずれ補正制御開始時に取得した主倍率でパターン形成できなかった場合、つまり、紙間色間ずれ補正制御開始時に取得した主倍率の設定が間に合わなかった場合、そのページ間で形成したパターンは紙間色間ずれ補正制御の計算には含めず、再度パターンを形成する。
【0099】
本実施形態によれば、パターンをあらかじめ決めてある主倍率で形成できなかった場合に、パターンを読み取らない、つまり、紙間色間ずれ補正制御に使用しないので、紙間色間ずれ補正制御の結果に誤差が含まれることがない。
【0100】
また、第5実施形態に示したように一度、紙間色間ずれ補正制御をやめてしまうと、紙間色間ずれ補正制御中止までに形成したパターン分のトナーが全くの無駄になってしまう。しかし、本実施形態では、紙間色間ずれ補正制御を中止にはせずに、再度パターンを形成して読み取って補正値を演算する。これにより、形成に成功したパターンが無駄になることがなく、トナーが無駄に消費されることがない。更に、ページ間で行うべき他の調整動作よりも、紙間色間ずれ補正制御を優先的に続けることが出来る。よって、第5実施形態の場合よりもトナー消費量を抑えることができる。また、紙間色間ずれ補正制御を、ページ間で行うべき他の調整動作よりも優先するので、色ずれ品質を求めるユーザのニーズに応えることが出来る。
【0101】
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る画像形成装置の動作について、図19の動作フローを参照しながら説明する。第7実施形態の画像形成装置においては、紙間色間ずれ補正制御でのパターン形成に規定回数異常失敗し続けた場合、紙間色間ずれ補正制御と異常終了させることを特徴としている。紙間色間ずれ補正制御が規定ページ間以上に跨って実行されることを防ぎ、紙間色間ずれ補正制御が他の調整動作を妨げてしまうことを防ぐ。
【0102】
第7実施形態に係る画像形成装置においては、紙間色間ずれ補正制御開始タイミングでNを0クリアし(ステップS85)、パターン形成前に"主倍率Aを設定"が実行できなかったケースにおいては(ステップS92)、Nをカウントアップし(ステップS97)、規定回数を超えたときに(ステップS98)、紙間色間ずれ補正制御を異常終了させる(ステップS93)。
【0103】
紙間色間ずれ補正制御異常終了(ステップS93)とは、具体的には、紙間色間ずれ補正制御開始タイミングから、複数パターンを読むなどして一時保持したデータを全て破棄することを指している。
【0104】
本実施形態においては、紙間色間ずれ補正制御異常終了後(ステップS93)、他の調整動作が不要であった場合も(ステップS94)、すぐに再度紙間色間ずれ補正制御を開始せず、規定枚数分画像書込を開始したことを待ってから(ステップS99)、再度紙間色間ずれ補正制御を実施する。
【0105】
パターンをあらかじめ決めてある主倍率で形成できないことが続く原因が、例えば、別の重たい処理が理由であった場合、その処理が終わるまでは何度もパターン形成に失敗し続けることになる。パターン形成に失敗すれば、その分、トナーが無駄になる。そのため、以上に説明したように、本実施形態では、紙間色間ずれ補正制御開始時に取得した主倍率で、パターン形成できなかった場合(紙間色間ずれ補正制御開始時に取得した主倍率の設定が間に合わなかった場合)、そのページ間で形成したパターンは紙間色間ずれ補正制御の計算には含めず、再度パターンを形成するが、規定回数以上、パターンをあらかじめ決めてある主倍率で形成できないことが続いた場合に、一旦、紙間色間ずれ補正制御をやめる。このようにして、一旦紙間色間ずれ補正制御をやめることで、トナーが無駄に消費されることを防ぐことができる。
【0106】
また、別の重たい処理が、紙間色間ずれ補正制御のせいで成功しないようなケースも想定される。つまり、紙間色間ずれ補正制御の中の、主倍率設定のせいで別の重たい処理が、特定の期間内で完了できず、更に主倍率設定も、別の重たい処理のせいで完了しないようなケースである。上記のケースが発生すれば、いつまでも双方の制御が失敗し続けるような状況に陥ることが想定されるため、紙間色間ずれ補正制御は一旦中止させる。
【0107】
そうすることで、長期間、上記にて想定されるケースが続いてしまい、ページ間にて行うべき他の調整動作が実施できない状態が続いたり、パターン形成に失敗し続ける、つまりトナーが無駄に消費され続けることを防ぐことが出来る。
【0108】
このように他の制御が入っており、いつまで経過してもパターン形成に成功しないことが想定される場合、一度紙間色間ずれ補正制御をやめてしまい、別のタイミングにて実施する。これにより、紙間色間ずれ補正制御がいつまでも終わらない状態に陥り、ページ間で行うべきほかの調整動作がいつまでも実施できない状態になることを抑制できる。
【0109】
<まとめ>
以上に説明したように、各実施形態によれば、記録媒体間の色間の位置ずれの補正と主走査方向の画像倍率のずれの補正とを精度よく制御することができる。また、各実施形態における制御失敗時に懸念される、紙間色間ずれ補正制御への悪影響や、異常画像を防ぐことができる。
【0110】
<おわりに>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はかかる例に限定されない。本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
【0111】
例えば、本発明に係る画像処理装置は、印刷機、複合機の他、レーザプリンタなどの他の画像形成装置として構成することもできる。また、さらに他の実施形態では、上記の画像処理部を含むLSI(Large Scale Integration)チップなどの半導体デバイスとして画像処理装置を構成することもできる。
【符号の説明】
【0112】
2 感光体
4 走査露光装置
14、15 パターン検出装置
45 位置合わせコントローラ
46 システムコントローラ
201,203 補正用パターン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0113】
【特許文献1】特開平10−213940号公報
【特許文献2】特開2006−199000号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録媒体上への画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、前記画像書き込み期間の合間の非書き込み期間に前記画像倍率のずれの検出結果に基づき前記主走査方向の画像倍率を補正する主走査方向補正手段と、
前記主走査方向補正手段により補正される前の主走査方向の画像倍率を保持する記憶手段と、
前記非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成された各色成分のトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、前記色間の位置ずれの検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する位置ずれ補正手段と、を備え、
前記位置ずれ補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用し、
前記主走査方向補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を補正することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用した後、次画像の印刷設定処理の開始を制御する制御部を更に備え、
前記主走査方向補正手段は、前記トナー像パターン形成が終了する前に前記次画像の印刷設定処理が終了しないと判定される場合には、前記トナー像パターン形成を中止して前記主走査方向の画像倍率を補正することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を補正することなく次画像の書き込みが開始された場合、前記画像処理装置の稼動を停止する又は警告を通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、ユーザの選択に従い、前記画像処理装置の稼動の停止又は前記警告の通知のいずれかを選択することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記位置ずれ補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用できなかった場合、処理中の前記色間の位置ずれ補正制御を中止し、再度、前記色間の位置ずれ補正のための前記各色成分のトナー像パターンの形成を開始することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記位置ずれ補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用できなかった場合、形成後の前記各色成分のトナー像パターンを前記色間の位置ずれ補正に用いることなく、再度、各色成分のトナー像パターンを形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記位置ずれ補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用できなかった回数が予め定められた回数を上回った場合、前記色間の位置ずれ補正制御を終了することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
複数の記録媒体上への画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、前記画像書き込み期間の合間の非書き込み期間に前記画像倍率のずれの検出結果に基づき前記主走査方向の画像倍率を補正する主走査方向補正ステップと、
前記主走査方向補正ステップにより補正される前の主走査方向の画像倍率を保持する記憶ステップと、
前記非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成されたトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、前記色間の位置ずれの検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する位置ずれ補正ステップと、を含み、
前記位置ずれ補正ステップでは、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用し、
前記主走査方向補正ステップでは、前記各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を補正することを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
複数の記録媒体上への画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、前記画像書き込み期間の合間の非書き込み期間に前記画像倍率のずれの検出結果に基づき前記主走査方向の画像倍率を補正する主走査方向補正処理と、
前記主走査方向補正処理により補正される前の主走査方向の画像倍率を保持する記憶処理と、
前記非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成されたトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、前記色間の位置ずれの検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する位置ずれ補正処理と、をコンピュータに実行させ、
前記位置ずれ補正処理は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用して前記色間の位置ずれを補正する処理を含み、
前記主走査方向補正処理は、前記各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を補正する処理を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
複数の記録媒体上への画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、前記画像書き込み期間の合間の非書き込み期間に前記画像倍率のずれの検出結果に基づき前記主走査方向の画像倍率を補正する主走査方向補正手段と、
前記主走査方向補正手段により補正される前の主走査方向の画像倍率を保持する記憶手段と、
前記非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成された各色成分のトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、前記色間の位置ずれの検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する位置ずれ補正手段と、を備え、
前記位置ずれ補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用し、
前記主走査方向補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を補正することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用した後、次画像の印刷設定処理の開始を制御する制御部を更に備え、
前記主走査方向補正手段は、前記トナー像パターン形成が終了する前に前記次画像の印刷設定処理が終了しないと判定される場合には、前記トナー像パターン形成を中止して前記主走査方向の画像倍率を補正することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を補正することなく次画像の書き込みが開始された場合、前記画像処理装置の稼動を停止する又は警告を通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、ユーザの選択に従い、前記画像処理装置の稼動の停止又は前記警告の通知のいずれかを選択することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記位置ずれ補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用できなかった場合、処理中の前記色間の位置ずれ補正制御を中止し、再度、前記色間の位置ずれ補正のための前記各色成分のトナー像パターンの形成を開始することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記位置ずれ補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用できなかった場合、形成後の前記各色成分のトナー像パターンを前記色間の位置ずれ補正に用いることなく、再度、各色成分のトナー像パターンを形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記位置ずれ補正手段は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用できなかった回数が予め定められた回数を上回った場合、前記色間の位置ずれ補正制御を終了することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
複数の記録媒体上への画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、前記画像書き込み期間の合間の非書き込み期間に前記画像倍率のずれの検出結果に基づき前記主走査方向の画像倍率を補正する主走査方向補正ステップと、
前記主走査方向補正ステップにより補正される前の主走査方向の画像倍率を保持する記憶ステップと、
前記非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成されたトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、前記色間の位置ずれの検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する位置ずれ補正ステップと、を含み、
前記位置ずれ補正ステップでは、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用し、
前記主走査方向補正ステップでは、前記各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を補正することを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
複数の記録媒体上への画像書き込み期間に主走査方向の画像倍率のずれを検出し、前記画像書き込み期間の合間の非書き込み期間に前記画像倍率のずれの検出結果に基づき前記主走査方向の画像倍率を補正する主走査方向補正処理と、
前記主走査方向補正処理により補正される前の主走査方向の画像倍率を保持する記憶処理と、
前記非書き込み期間に位置ずれ検出用の各色成分のトナー像パターンを形成し、前記形成されたトナー像パターンの位置に基づき色間の位置ずれを検出し、前記色間の位置ずれの検出結果に基づき前記色間の位置ずれを補正する位置ずれ補正処理と、をコンピュータに実行させ、
前記位置ずれ補正処理は、前記各色成分のトナー像パターンを形成中、前記保持された補正前の主走査方向の画像倍率を適用して前記色間の位置ずれを補正する処理を含み、
前記主走査方向補正処理は、前記各色成分のトナー像パターンを形成後に前記主走査方向の画像倍率を補正する処理を含むことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−107369(P2013−107369A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256349(P2011−256349)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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