画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
【課題】 仮想3次元空間において視点位置や視線方向が随時変化する場合であっても、表示画像の滑らかさの低下を目立たせることなく、定期的に位置や姿勢更新を行うことができるオブジェクトの数を増やすこと。
【解決手段】 複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離等に基づいて選択するオブジェクト選択部と、前記オブジェクト選択部により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新部と、を含む。
【解決手段】 複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離等に基づいて選択するオブジェクト選択部と、前記オブジェクト選択部により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新部と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関し、特に仮想3次元空間に配置されたオブジェクトに関する画像を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの記憶手段に3次元空間を仮想的に構築して、この仮想3次元空間にオブジェクトを配置するとともに、その様子を可視化する画像処理装置が広く知られている。この装置では、仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの位置や姿勢等の状態を所定の時間間隔で(例えば1/60秒や1/30秒)で更新するようになっている。これによって、仮想3次元空間を示す画像をリアルタイムに変化させることができる。この際、1/60秒内の限られた時間で多数のオブジェクトの状態を更新するのは困難であり、下記特許文献1には予め定めた一部の目立たないオブジェクトを順に表示対象から除外することにより、そうした困難を解消している。
【特許文献1】特開平10−307905号公報(図2及び図3参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術では予め定めた一部の目立たないオブジェクトを順に表示対象から除外するものであり、仮想3次元空間において視点位置や視線方向が随時変化する場合には適用が困難であった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、仮想3次元空間において視点位置や視線方向が随時変化する場合であっても、表示画像の滑らかさの低下を目立たせることなく、定期的に位置や姿勢更新を行うことができるオブジェクトの数を増やすことができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る画像処理方法は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
ここでコンピュータは、例えば家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話機等である。また、プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等のあらゆるコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてよい(以下、同様)。
【0009】
本発明では、仮想3次元空間に視点及び複数のオブジェクトが配置される。そして、視点から仮想3次元空間を見た様子を示す画像が表示される。このとき、複数のオブジェクトのうち一部が選択される。そして、それら一部のオブジェクトについては、ある時間間隔で位置が更新され、他のオブジェクトについては、それとは異なる時間間隔で位置が更新される。なお、位置とともに姿勢も更新してもよい。本発明によれば、全体として定期的に位置を更新することができるオブジェクトの数を増やすことができる。また、位置を更新する時間間隔が長めとなるオブジェクトを一部に限ることができるので、表示画像の滑らかさの低下を目立たなくすることができる。特に、位置を更新する時間間隔が長めとなるオブジェクトを、表示画像において目立ちにくいオブジェクトから選択することによって、表示画像の滑らかさの低下を効果的に目立たなくすることができる。
【0010】
さらに、視点から遠いオブジェクトは表示画像において目立ちにくい。本発明によれば、こうしたオブジェクトについて状態更新の時間間隔を長くすることができ、表示画像の滑らかさの低下を簡易に目立たなくすることができる。
【0011】
また、本発明に係る画像処理装置は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点から前記仮想3次元空間を見る視線方向と、前記複数のオブジェクトの各位置と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る画像処理方法は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点から前記仮想3次元空間を見る視線方向と、前記複数のオブジェクトの各位置と、に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るプログラムは、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点から前記仮想3次元空間を見る視線方向と、前記複数のオブジェクトの各位置と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0014】
視線方向から外れた位置にあるオブジェクトは表示画像において目立ちにくい。本発明によれば、こうしたオブジェクトについて状態更新の時間間隔を長くすることができ、表示画像の滑らかさの低下を簡易に目立たなくすることができる。
【0015】
なお、この発明では、前記オブジェクト選択手段は、前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記視線方向に延伸する直線と、の距離に基づいて、前記複数のオブジェクトの一部を選択するようにしてもよいし、前記視点から前記複数のオブジェクトの各位置に延伸する直線と、前記視点から前記視線方向に延伸する直線と、のなす角に基づいて、前記複数のオブジェクトの一部を選択するようにしてもよい。
【0016】
また、本発明に係る画像処理装置は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記仮想3次元空間を見る際の視野範囲と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る画像処理方法は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記仮想3次元空間を見る際の視野範囲と、に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るプログラムは、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、前記複数のオブジェクトのうち一部を前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記仮想3次元空間を見る際の視野範囲と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0019】
視野範囲外に位置するオブジェクトは表示画像に表されず、或いは一部しか表されない。この発明によれば、こうしたオブジェクトについて状態更新の時間間隔を長くすることができ、表示画像の滑らかさの低下を目立たなくすることができる。
【0020】
また、本発明に係る画像処理装置は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する判断手段と、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記判断手段による判断結果に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、を含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る画像処理方法は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する判断ステップと、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記判断ステップでの判断結果に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係るプログラムは、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する判断手段、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記判断手段による判断結果に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0023】
非注目オブジェクトは表示画像において目立ちにくい。この発明によれば、こうしたオブジェクトについて状態更新の時間間隔を長くすることができ、表示画像の滑らかさの低下を簡易に目立たなくすることができる。
【0024】
なお、この発明の一態様では、前記画像処理装置はゲーム装置として構成され、前記判断手段は、前記仮想3次元空間に配置されるオブジェクトであって前記ゲーム装置のプレイヤが操作するものと、前記複数のオブジェクトのそれぞれと、が交戦状態にあるか否かを判断することにより、前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する。プレイヤが操作するオブジェクトと交戦状態にあるオブジェクトはプレイヤに注目されており、それ以外は表示画像において目立たないと言える。この態様によれば、そうしたオブジェクトについて状態更新の時間間隔を長くすることができ、表示画像の滑らかさの低下を簡易に目立たなくすることができる。
【0025】
また、本発明に係る画像処理装置は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの前記仮想3次元空間における移動又は動作の速度に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、を含むことを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係る画像処理方法は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの前記仮想3次元空間における移動又は動作の速度に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、を含む。
【0027】
また、本発明に係るプログラムは、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの前記仮想3次元空間における移動又は動作の速度に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0028】
仮想3次元空間において移動又は動作の速度が遅いオブジェクトは、表示画像においてそれに関する画像の滑らかさの低下が目立ちにくい。この発明によれば、そうしたオブジェクトについて状態更新の時間間隔を長くすることができ、表示画像の滑らかさの低下を簡易に目立たなくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。同図に示すゲーム装置10は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態であり、モニタ18及びスピーカ22に接続された家庭用ゲーム機11に、情報記憶媒体たるDVD−ROM25及びメモリカード28が装着され、さらにモニタ18及びスピーカ22が接続されることによって構成されている。モニタ18には家庭用テレビ受像器が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。また、ここではプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いるが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、インターネット等のデータ通信網を介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0031】
家庭用ゲーム機11は、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26、入出力処理部30、音声処理部20、コントローラ32及びDVD−ROM再生部24を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続されており、入出力処理部30には、コントローラ32、音声処理部20、DVD−ROM再生部24及びメモリカード28が接続されている。コントローラ32以外の家庭用ゲーム機11の各構成要素は筐体内に収容されている。
【0032】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるプログラム、及びメモリカード28から読み出されるセーブデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御し、プレイヤにゲームを提供する。バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。また、主記憶26は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、DVD−ROM25から読み出されたプログラムやメモリカード28から読み出されたセーブデータが必要に応じて書き込まれる。また、主記憶26は、マイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。画像処理部16はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ14から送られる画像データを受け取って、それに基づいてVRAM上にゲーム画像を描画するとともに、その内容をビデオ信号に変換して所定のタイミングで(ここでは1/60秒毎)モニタ18に出力する。
【0033】
入出力処理部30は、マイクロプロセッサ14が、コントローラ32、音声処理部20、DVD−ROM再生部24及びメモリカード28にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD−ROM25から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。DVD−ROM再生部24は、マイクロプロセッサ14からの指示に従ってDVD−ROM25に記録されたプログラムを読み取る。コントローラ32は、プレイヤが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。また、メモリカード28は、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んでおり、家庭用ゲーム機11に対して脱着可能に構成されている。このメモリカード28には、各種ゲームのセーブデータ等が記憶される。
【0034】
図2は、コントローラ32の一例を示す図である。同図に示すコントローラ32は汎用ゲームコントローラであり、同図(a)に示すように、表面に方向キー34、スタートキー36、セレクトキー37、ボタン38X,38Y,38A,38Bを備えており、同図(b)に示すように、奥側側面に、さらにボタン39L,39R,41L,41Rを備えている。すなわち、コントローラ32の奥側側面には、表面側左右にボタン41L,41Rがそれぞれ備えられており、裏面側左右にボタン39L,39Rがそれぞれ備えられている。方向キー34は十字形状を有しており、通常はキャラクタやカーソルの移動方向を設定するのに用いられる。スタートキー36は三角形状を有する小型の押しボタンであり、通常はゲームのスタートやゲームの強制終了などに用いられる。ボタン38X,38Y,38A,38B,39L,39R,41L,41Rは、その他のゲーム操作に用いられる。コントローラ32を操作すると、その内容を示す操作データが家庭用ゲーム機11に入力されるようになっている。
【0035】
また、このコントローラ32には振動子35が内蔵されている。振動子35は、例えば圧電素子、或いは偏心重り付きのモータ等によって構成されるものであり、マイクロプロセッサ14からコントローラ32に供給される振動オン命令に応じて動作し、コントローラ32を振動させるようになっている。また、マイクロプロセッサ14からコントローラ32に供給される振動オフ命令に応じて動作を停止し、コントローラ32の振動を停止させるようになっている。
【0036】
以下、以上のハードウェア構成を有するゲーム装置10を用いて、複数のオブジェクトが配置された仮想3次元空間を主記憶26上に構築するとともに、その様子を示す画像を所定時間毎に更新し、それを都度モニタ18により表示する技術について説明する。特に本実施形態では、仮想3次元空間に配置されたオブジェクトのうち、一部(後述する非注目度が低いもの)については前記モニタ18の表示が更新される毎に、すなわちモニタ18の表示の更新時間間隔と同じ時間間隔(ここでは1/60秒毎である)で位置や姿勢等の状態が更新されるものの、残り(非注目度が高いもの)についてはその2倍の時間間隔(ここでは1/30秒毎である)で位置や姿勢等の状態が更新されるようになっている。
【0037】
図3は、主記憶26上に構築される仮想3次元空間の一例を示す図である。同図に示すように主記憶26に構築される仮想3次元空間(オブジェクト空間)50上には、例えば人間の形状のオブジェクトP0,P1,P2,P3が配置されている。オブジェクトP0については、特にコントローラ32から入力される操作信号に基づき、その状態(位置、姿勢、AI処理、当たり判定、アニメーション処理等のゲーム更新のために必要なオブジェクトの各種情報)が更新されるようになっている。その他のオブジェクトP1,P2,P3については、公知技術を適用したアルゴリズムに従って、仮想3次元空間50で位置や姿勢等の状態を変化させるようになっている。特に、DVD−ROM25に格納されて、ゲーム装置10にロードされ、実行されるプログラムは、アクションゲームのプログラムである。このアクションゲームでは、オブジェクトP1,P2,P3は公知技術を適用したアルゴリズムに従って、仮想3次元空間50においてオブジェクトP0に攻撃するようになっている。これに対して、プレイヤはコントローラ32を用いてオブジェクトP0の位置や姿勢等の状態を制御し、この攻撃に対して反撃したり、或いは防御したりできるようになっている。この際、ゲーム装置10では、オブジェクトP0に対して攻撃を仕掛けて、現在交戦状態にあるオブジェクトについては、その識別情報を主記憶26に記憶するようになっている。以上のアクションゲームを実現する処理については周知又は慣用の技術であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0038】
仮想3次元空間50には、プレイヤの操作対象であるオブジェクトP0に従動する視点VPが配置されている。この視点VPには視線方向VDが設定されており、視点VPから視線方向VDを見る方向に視野範囲52が設定され、この範囲内に位置するオブジェクトについて画像が生成され、それが画像処理部16に備えられたVRAMに描画されるようになっている。そして、このVRAMに描画された画像がモニタ18に出力され、仮想3次元空間50の様子が可視化されるようになっている。具体的には、この画像は視点VPから視線方向VDを仮想的に見た場合に、視認される仮想3次元空間50の様子を示すものであり、その可視化の範囲は視野範囲52により区画されている。なお、図3では、オブジェクトP0,P2が視野範囲52内に位置し、オブジェクトP1,P3は視野範囲52外に位置している。このため、VRAMに描画され、モニタ18により出力される画像には、図4に示すように、オブジェクトP0及びオブジェクトP2をそれぞれ表す画像PI0及びPI2が含まれるものの、オブジェクトP1及びP3を表す画像が含まれていない。
【0039】
上述のように、このゲーム装置10では、仮想3次元空間50に配置されたオブジェクトの一部は1/60秒毎に位置や姿勢等の状態が更新される。一方、残りのオブジェクトについては1/30秒毎に位置や姿勢等の状態が更新される。図5は、この様子を示している。同図において、縦軸は時間の経過を示しており、図中上側から下側に向かって時間が進行する様子が示されている。1/60秒の単位をフレームと呼ぶことにすると、ここでは連続する4つのフレームn−1〜フレームn+2が示されている。そして、最初のフレームn−1ではA群に属するオブジェクトとB1群に属するオブジェクトの位置や姿勢等の状態が更新されることが示されている。また、次のフレームnではA群に属するオブジェクトとB2群に属するオブジェクトの位置や姿勢等の状態が更新されることが示されている。また、さらに次のフレームn+1ではA群に属するオブジェクトとB1群に属するオブジェクトの位置や姿勢等の状態が更新されることが示されている。さらにフレームn+2ではA群に属するオブジェクトとB2群に属するオブジェクトの位置や姿勢等の状態が更新されることが示されている。ここで、A群に属するオブジェクトは非注目度が所定の基準値以下のオブジェクトである。また、B1群及びB2群に属するオブジェクトは非注目度が基準値よりも大きいオブジェクトである。各オブジェクトがB1群に属するか、それともB2群に属するかは、例えばB1群及びB2群のそれぞれに属するオブジェクトの数等により決定される。
【0040】
同図に示されるように、A群に属するオブジェクトについては、毎フレームその位置や姿勢等の状態が更新されている。一方、B1群及びB2群に属するオブジェクトについては、毎フレーム交互にその位置や姿勢等の状態が更新され、いずれも2フレームに1回、その位置や姿勢等の状態が更新されている。このため、A群に属するオブジェクトについては、1/60秒毎に位置や姿勢等の状態が更新され、B1群及びB2群に属するオブジェクトについては、1/30秒毎に位置や姿勢等の状態が更新される。
【0041】
以上のようにしてオブジェクトの一部について1/60秒毎に位置や姿勢等の状態を更新し、残りについて1/30秒毎に位置や姿勢等の状態を更新することにすれば、各フレームで位置や姿勢等の状態を算出しなければならないオブジェクトの数を削減することができる。この結果、位置や姿勢等の状態の更新を定期的に行うことができるオブジェクトの数を増やすことができる。
【0042】
ここで、ゲーム装置10の機能について説明する。図6は、ゲーム装置10の機能ブロック図である。同図にはゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連するものが中心として示されている。これらの機能は、DVD−ROM25に格納されたプログラムを家庭用ゲーム機11で実行することにより実現されるものである。
【0043】
同図に示すように、ゲーム装置10は、機能的にはオブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60、オブジェクト情報記憶部62、ゲーム画像生成部64を含んで構成されている。ゲーム画像生成部64はオブジェクト選択部66、状態更新部68及び描画部70を含んで構成されている。オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60は、例えば主記憶26を中心として構成されており、オブジェクト更新タイミング管理テーブルを記憶するものである。図7は、このオブジェクト更新タイミング管理テーブルの一例を示している。オブジェクト更新タイミング管理テーブルは、同図に示すようにオブジェクトID、更新時間間隔及び更新グループを対応づけて記憶するものである。オブジェクトIDは仮想3次元空間50に配置された各オブジェクトを識別する情報である。更新時間間隔は、対応するオブジェクトIDにより識別されるオブジェクトの仮想3次元空間50における位置や姿勢等の状態を更新すべき時間間隔である。本実施形態では、1/60秒又は1/30秒のいずれかが記憶されている。また、更新グループは、同じ長さの時間間隔で位置や姿勢等の状態が更新されるオブジェクトのグループを識別する情報である。上記のように、1/30秒毎に位置や姿勢等の状態が更新されるオブジェクトのグループは2つ存在しており、順次到来するフレームを交互に使用して、各グループに属するオブジェクトの位置や姿勢等の状態を算出するようにしている。更新グループは、対応するオブジェクトIDにより識別されるオブジェクトが1/30秒毎に位置や姿勢等の状態を更新すべきものである場合に、それらを奇数番目のフレームで更新すべきか、或いは偶数番目のフレームで更新すべきかを示している。更新グループは、更新時間間隔が1/60秒のオブジェクトについては記録されない。
【0044】
図6に戻り、オブジェクト情報記憶部62は例えば主記憶26やDVD−ROM25を中心として構成されるものであり、仮想3次元空間50に配置された全てのオブジェクトの現在の位置や姿勢等の状態を記憶するものである。
【0045】
また、ゲーム画像生成部64はマイクロプロセッサ14を中心として構成されており、オブジェクト更新タイミング管理テーブル60やオブジェクト情報記憶部62の記憶内容、さらにDVD−ROM25に格納されたその他の情報、コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、ゲーム画面を表す画像、すなわちゲーム画像を生成し、それを画像処理部16に備えられたVRAMに描画するものである。
【0046】
特に、オブジェクト選択部66は、仮想3次元空間50に配置された複数のオブジェクトのうち一部を選択する。具体的には、オブジェクト選択部66は、各オブジェクトの非注目度を算出して、その値に従ってオブジェクト更新タイミング管理テーブルを更新するようになっている。すなわち、オブジェクト選択部66は毎フレーム、そのフレームで更新されたオブジェクトの位置を取得し、そこから視点VPまでの距離を演算し、それを各オブジェクトの非注目度としている。そして、この値が所定の基準値を超える場合には、そのオブジェクトに係る更新時間間隔を1/30秒に設定し、その値をオブジェクト更新タイミング管理テーブルに記録するようになっている。このとき、既に更新時間間隔が1/30秒に設定されているオブジェクトであれば、更新グループは現状のままに維持する。また、更新時間間隔が1/60秒から1/30秒に変更になるのであれば、新たに更新グループを割り当てる。新たに更新グループを設定する場合、現在の各更新グループに属するオブジェクトの数を取得し、その数が少ない方の更新グループを割り当てるのが望ましい。また、非注目度の値が所定の基準値以下であれば、更新時間間隔を1/60秒に設定し、その値をオブジェクト更新タイミング管理テーブルに記録するようになっている。こうして、非注目度に基づいて、オブジェクトの一部を選択し、その結果を更新時間間隔としてオブジェクト更新タイミング管理テーブルに記憶するようにしている。
【0047】
状態更新部68は、オブジェクト選択部66により選択されるオブジェクトの仮想3次元空間50における各位置や姿勢等の状態を他のオブジェクトの仮想3次元空間50における各位置や姿勢等の状態とは異なる時間間隔で更新する。具体的には、状態更新部68は次のようにして各オブジェクトの位置や姿勢等の状態を演算している。
【0048】
まず、オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60に記憶されたオブジェクト更新タイミング管理テーブルを各フレームの開始タイミングが到来する毎に読み出し、そこから今回のフレームで位置や姿勢等の状態を更新すべきオブジェクトのオブジェクトIDを読み出している。さらに具体的には、状態更新部68では、今回のフレームで位置や姿勢等の状態を更新すべきオブジェクトの更新グループ(すなわち今回のフレームが奇数番目のフレームであって更新グループ1のオブジェクトの位置や姿勢等の状態を更新すべきか、偶数番目のフレームであって更新グループ2のオブジェクトの位置や姿勢等の状態を更新すべきか)を管理している。つまり、今回のフレームの更新グループが1であれば次フレームでは2に、逆に今回のフレームの更新グループが2であれば次フレームでは1に更新している。そして、状態更新部68では、今回のフレームの更新グループと一致する情報(1又は2)が、オブジェクト更新タイミング管理テーブルの更新グループの欄に記録されているレコード(行)を検索して、その更新グループに対応づけて記憶されたオブジェクトIDを今回のフレームで位置や姿勢等の状態を更新すべきオブジェクトを識別するオブジェクトIDとして読み出す。
【0049】
さらに、状態更新部68では、オブジェクト更新タイミング管理テーブルの更新時間間隔の欄に1/60が記録されたレコードを検索し、その更新時間間隔に対応づけて記憶されたオブジェクトIDも、今回のフレームで位置や姿勢等の状態を更新すべきオブジェクトを識別するオブジェクトIDとして読み出す。
【0050】
状態更新部68は、オブジェクト更新タイミング管理テーブルから選択的にオブジェクトIDを読み出すと、それらにより識別されるオブジェクトについて位置や姿勢等の状態を算出する。そして、その結果をオブジェクト情報記憶部62に記憶する。こうすれば、オブジェクト選択部66により選択されるオブジェクトの仮想3次元空間50における各位置や姿勢等の状態を他のオブジェクトの仮想3次元空間50における各位置や姿勢等の状態とは異なる時間間隔で更新することができる。
【0051】
描画部70は、所定時間(ここでは1/60秒)毎に、オブジェクト情報記憶部62に記憶された各オブジェクトの最新の位置や姿勢等の状態に基づき、ゲーム画像を画像処理部16のVRAMに描画する。このゲーム画像は1/60秒毎に読み出され、モニタ18により表示される。
【0052】
ここで、ゲーム装置10のゲーム画像生成処理について説明する。図8は、ゲーム装置10で実行されるゲーム画像生成処理を示すフロー図である。この処理はゲーム装置10において、DVD−ROM25に格納されたプログラムに基づいてフレーム毎(所定時間(1/60秒)毎)に実行されるものである。
【0053】
同図に示すように、ゲーム装置10ではマイクロプロセッサ14(オブジェクト選択部66及び状態更新部68)がDVD−ROM25から読み出されるゲームプログラム、ゲームデータ、オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60及びオブジェクト情報記憶部62の記憶内容に基づき、まず各オブジェクトのワールド座標系での位置や姿勢等の状態を算出する(S101)。S101では、視点VP、視線方向VD、視野範囲52も算出される。S101の処理は後に図9及び図10に従って詳細に説明する。
【0054】
ゲーム画面生成処理では、次にマイクロプロセッサ14(描画部70)がオブジェクト情報記憶部62の記憶内容に基づき、ジオメトリ処理を行う(S102)。ジオメトリ処理ではワールド座標系から視点座標系への座標変換を行う。また、オブジェクトを構成する各ポリゴンの頂点の色情報が光源情報(光源の色及び位置)に基づいて修正される。さらに、クリッピング処理も行われる。
【0055】
その後、マイクロプロセッサ14(描画部70)はレンダリング処理を行う(S103)。この処理では、マイクロプロセッサ14は視野範囲52に属する各ポリゴンの頂点座標、頂点色情報、テクスチャ座標及びアルファ値を画像処理部16に送出し、画像処理部16ではそれらの情報に基づいてVRAM上に表示画像を形成する。画像処理部16のVRAMに形成されたゲーム画像は所定タイミングで読み出されて、モニタ18により表示される。
【0056】
図9は、オブジェクト状態算出ルーチンを示すフロー図である。このフロー図は、図8のS101の処理を詳細に示すものである。まず、オブジェクト状態算出ルーチンでは、状態更新部68が、今回のフレームの更新グループを読み出す(S201)。そして、オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60から、更新時間間隔が1/60秒に設定されたオブジェクトのオブジェクトIDを読み出すとともに、そのオブジェクトIDにより識別されるオブジェクトの位置や姿勢等の状態を算出し、それをオブジェクト情報記憶部62に格納する(S202)。さらに、オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60から、更新時間間隔が1/30秒に設定され、且つ更新グループとしてS201で読み出した情報が設定されているオブジェクトのオブジェクトIDを読み出すとともに、そのオブジェクトIDにより識別されるオブジェクトの位置や姿勢等の状態を算出し、それをオブジェクト情報記憶部62に格納する(S203)。
【0057】
その後、オブジェクト選択部66は、オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60の記憶内容を更新する。すなわち、S202及びS203で位置や姿勢等の状態を更新したオブジェクトについて、オブジェクト更新タイミング管理テーブルに記憶されている更新時間間隔及び更新グループを更新する(S204)。この処理は図10に従って後に詳述する。
【0058】
その後、状態更新部68はS201で読み出した更新グループを更新する(S205)。具体的には、更新グループが1であれば2に変更し、更新グループが2であれば1に変更する。こうして、1/30秒の更新時間間隔が設定されたオブジェクトのうち、更新グループ1に属するものと、更新グループ2に属するものとが、交互に位置や姿勢等の状態演算の対象とされるようになっている。
【0059】
図10は、更新時間間隔及び更新グループ更新ルーチンを示すフロー図である。このフロー図は、図9のS204の処理を詳細に示すものである。この処理では、まずS202又はS203で位置や姿勢等の状態が更新されたオブジェクトのうち1つについて、非注目度を算出する(S301)。ここでは、図11に示すように、そのオブジェクトの位置(P0からP3)と視点VPとの距離(L0〜L3)を算出して、それを非注目度とする。次に、この非注目度が基準値よりも大きいか否かを判断する(S302)。そして、基準値よりも大きければ、そのオブジェクトの更新時間間隔を1/30秒に設定し、更新グループは上述したようにして維持又は新規設定する(S303)。この内容はオブジェクト更新タイミング管理テーブルに書き込まれる。一方、基準値以下であれば、そのオブジェクトの更新時間間隔を1/60に設定する(S304)。この内容もオブジェクト更新タイミング管理テーブルに書き込まれる。そして、S202又はS203で位置や姿勢等の状態が更新された全てのオブジェクトについて、S301乃至S304の処理を繰り返す(S305)。
【0060】
以上説明した本実施形態に係るゲーム装置10によれば、オブジェクトの位置と視点VPとの距離を非注目度として算出し、非注目度が基準値よりも大きければ1/30秒毎に位置や姿勢等の状態が更新され、非注目度が基準値以下であれば1/60秒毎に位置や姿勢等の状態が更新されるようになっている。このため、全体として定期的に位置や姿勢等の状態を更新することができるオブジェクトの数を増やすことができる。また、位置や姿勢等の状態を更新する時間間隔が長めとなるオブジェクトを一部に限ることができるので、ゲーム画像(表示画像)の滑らかさの低下を目立たなくすることができる。特に、位置や姿勢等の状態を更新する時間間隔が長めとなるオブジェクトを、表示画像において目立ちにくいオブジェクト(視点VPから距離が大きいもの)から選択することによって、表示画像の滑らかさの低下を効果的に目立たなくすることができる。
【0061】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0062】
例えば、上記実施形態では、オブジェクトの位置や姿勢等の状態が更新されると、そのオブジェクトについてのみ更新時間間隔及び更新グループが更新されるようになっていたが、2フレーム毎、すなわち全てのオブジェクトの位置や姿勢等の状態が更新される毎に、全てのオブジェクトについて更新時間間隔及び更新グループを更新するようにしてもよい。この場合、上記のように非注目度が基準値よりも大きいか否かにより更新時間間隔を設定するようにしてもよいし、非注目度が基準値よりも小さいものから所定個数のオブジェクトの更新時間間隔を1/60秒に設定し、残りのオブジェクトの更新時間間隔を1/30秒に設定することもできる。
【0063】
また、上記実施形態では、各オブジェクトの位置と視点VPとの距離をそのオブジェクトの非注目度としたが、他の情報を非注目度としてもよい。例えば、図12に示すように、視点VPから仮想3次元空間50を見る視線方向VDと、複数のオブジェクトの各位置(P0〜P3)と、に基づいて、非注目度を決定してもよい。具体的には、視点VPから各オブジェクトの位置(P0〜P3)に延伸する直線(ベクトル)を算出するとともに、それら直線と視線方向VDとのなす角(θ0〜θ3)を非注目度としてもよい。こうすれば、視線方向VDから離れるほど、位置や姿勢等の状態の更新時間間隔が長くなるようにすることができる。
【0064】
また、視野範囲52と、各オブジェクトの位置とに基づいて非注目度を決定してもよい。例えば、視野範囲52内に位置するオブジェクトについては、その非注目度を第1の値とし、視野範囲52外に位置するオブジェクトについては、その非注目度を第1の値よりも大きな第2の値としてもよい。こうすれば、非注目度が第1の値である場合に位置や姿勢等の状態の更新時間間隔を1/60秒とし、非注目度が第2の値である場合に位置や姿勢等の状態の更新時間間隔を1/30秒とすることで、視野範囲52から外れたオブジェクトについては、位置や姿勢等の状態の更新時間間隔を長くすることができる。
【0065】
また、ゲーム画像における各オブジェクトの表示面積に基づき、非注目度を決定するようにしてもよい。例えば、非注目度を表示面積の逆数にしてもよい。表示面積は厳密に計算されてもよいし、各種簡略化を行って計算されてもよい。例えば、VRAMに各オブジェクトのゲーム画像における大きさ(表示面積)を示す画像を描画し、その面積(ピクセル数)を計数したり、或いはその高さや幅から表示面積を得てもよい。また、各オブジェクトに不可視のほぼ同一サイズの簡略形状オブジェクトを従動させるようにして、その簡略形状オブジェクトのゲーム画像における大きさを示す画像を描画し、その面積(ピクセル数)を計数したり、或いはその高さや幅から表示面積を得てもよい。
【0066】
また、本実施形態に係るゲーム装置10は、アクションゲームをプレイヤに提供するよう構成されている。そこで、ゲームにおいて各オブジェクトが注目オブジェクトであるか否かを判断し、その判断結果に基づいて非注目度が決定されてもよい。例えば、あるオブジェクトがプレイヤが操作対象とするオブジェクトと交戦状態にあれば、そのオブジェクトの非注目度を第1の値とし、交戦状態になければそのオブジェクトの非注目度を第1の値よりも大きな第2の値とすればよい。
【0067】
さらに、各オブジェクトの仮想3次元空間50における移動速度又は動作速度に基づいて、各オブジェクトの非注目度を算出してもよい。オブジェクトの移動速度は、複数のフレームでオブジェクトの位置を記憶しておき、その差分を計算することにより取得してもよいし、他の方法(例えば物理計算)により取得してもよい。動作速度は、オブジェクトの動作がモーションデータにより制御されている場合、その再生スピードから容易に取得することができる。仮想3次元空間50において移動速度又は動作速度が遅いオブジェクトは、その動きのぎこちなさが目立ちにくい。そこで、これらのオブジェクトの位置や姿勢等の状態の更新時間間隔を1/30秒とし、その他のオブジェクトの位置や姿勢等の状態の更新時間間隔を1/60秒とすることで、位置や姿勢等の状態の更新時間間隔が長いオブジェクトの存在をゲーム画像において目立たなくさせることができる。
【0068】
また、本発明はアクションゲームのみならず、例えば対戦ゲーム、ガンシューティングゲーム等のシューティングゲーム等、あらゆるジャンルのゲームの画像処理に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲーム装置(画像処理装置)のハードウェア構成を示す図である。
【図2】コントローラの外観を示す図である。
【図3】ゲーム装置において構築され、管理される仮想3次元空間の一例を示す図である。
【図4】ゲーム装置のモニタに表示される画像の一例を示す図である。
【図5】連続する複数フレームにおいて位置や姿勢等の状態が更新されるオブジェクトのグループを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図7】オブジェクト更新タイミング管理テーブルの一例を示す図である。
【図8】ゲーム画像生成処理を示すフロー図である。
【図9】オブジェクト状態算出ルーチンを示すフロー図である。
【図10】更新時間間隔及び更新グループ更新ルーチンを示すフロー図である。
【図11】オブジェクトの非注目度として視点と各オブジェクトとの距離を用いる例を示す図である。
【図12】オブジェクトの非注目度として視点から各オブジェクトの位置に延伸する直線と視線方向とのなす角を用いる例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、34 方向キー、35 振動子、36 スタートキー、37 セレクトキー、38A,38B,38X,38Y,39L,39R,41L,41R ボタン、50 仮想3次元空間(オブジェクト空間)、52 視野範囲、60 オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部、62 オブジェクト情報記憶部、64 ゲーム画像生成部、66 オブジェクト選択部、68 状態更新部、70 描画部。
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関し、特に仮想3次元空間に配置されたオブジェクトに関する画像を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの記憶手段に3次元空間を仮想的に構築して、この仮想3次元空間にオブジェクトを配置するとともに、その様子を可視化する画像処理装置が広く知られている。この装置では、仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの位置や姿勢等の状態を所定の時間間隔で(例えば1/60秒や1/30秒)で更新するようになっている。これによって、仮想3次元空間を示す画像をリアルタイムに変化させることができる。この際、1/60秒内の限られた時間で多数のオブジェクトの状態を更新するのは困難であり、下記特許文献1には予め定めた一部の目立たないオブジェクトを順に表示対象から除外することにより、そうした困難を解消している。
【特許文献1】特開平10−307905号公報(図2及び図3参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術では予め定めた一部の目立たないオブジェクトを順に表示対象から除外するものであり、仮想3次元空間において視点位置や視線方向が随時変化する場合には適用が困難であった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、仮想3次元空間において視点位置や視線方向が随時変化する場合であっても、表示画像の滑らかさの低下を目立たせることなく、定期的に位置や姿勢更新を行うことができるオブジェクトの数を増やすことができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る画像処理方法は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
ここでコンピュータは、例えば家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話機等である。また、プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等のあらゆるコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてよい(以下、同様)。
【0009】
本発明では、仮想3次元空間に視点及び複数のオブジェクトが配置される。そして、視点から仮想3次元空間を見た様子を示す画像が表示される。このとき、複数のオブジェクトのうち一部が選択される。そして、それら一部のオブジェクトについては、ある時間間隔で位置が更新され、他のオブジェクトについては、それとは異なる時間間隔で位置が更新される。なお、位置とともに姿勢も更新してもよい。本発明によれば、全体として定期的に位置を更新することができるオブジェクトの数を増やすことができる。また、位置を更新する時間間隔が長めとなるオブジェクトを一部に限ることができるので、表示画像の滑らかさの低下を目立たなくすることができる。特に、位置を更新する時間間隔が長めとなるオブジェクトを、表示画像において目立ちにくいオブジェクトから選択することによって、表示画像の滑らかさの低下を効果的に目立たなくすることができる。
【0010】
さらに、視点から遠いオブジェクトは表示画像において目立ちにくい。本発明によれば、こうしたオブジェクトについて状態更新の時間間隔を長くすることができ、表示画像の滑らかさの低下を簡易に目立たなくすることができる。
【0011】
また、本発明に係る画像処理装置は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点から前記仮想3次元空間を見る視線方向と、前記複数のオブジェクトの各位置と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る画像処理方法は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点から前記仮想3次元空間を見る視線方向と、前記複数のオブジェクトの各位置と、に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るプログラムは、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点から前記仮想3次元空間を見る視線方向と、前記複数のオブジェクトの各位置と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0014】
視線方向から外れた位置にあるオブジェクトは表示画像において目立ちにくい。本発明によれば、こうしたオブジェクトについて状態更新の時間間隔を長くすることができ、表示画像の滑らかさの低下を簡易に目立たなくすることができる。
【0015】
なお、この発明では、前記オブジェクト選択手段は、前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記視線方向に延伸する直線と、の距離に基づいて、前記複数のオブジェクトの一部を選択するようにしてもよいし、前記視点から前記複数のオブジェクトの各位置に延伸する直線と、前記視点から前記視線方向に延伸する直線と、のなす角に基づいて、前記複数のオブジェクトの一部を選択するようにしてもよい。
【0016】
また、本発明に係る画像処理装置は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記仮想3次元空間を見る際の視野範囲と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る画像処理方法は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記仮想3次元空間を見る際の視野範囲と、に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るプログラムは、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、前記複数のオブジェクトのうち一部を前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記仮想3次元空間を見る際の視野範囲と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0019】
視野範囲外に位置するオブジェクトは表示画像に表されず、或いは一部しか表されない。この発明によれば、こうしたオブジェクトについて状態更新の時間間隔を長くすることができ、表示画像の滑らかさの低下を目立たなくすることができる。
【0020】
また、本発明に係る画像処理装置は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する判断手段と、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記判断手段による判断結果に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、を含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る画像処理方法は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する判断ステップと、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記判断ステップでの判断結果に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係るプログラムは、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する判断手段、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記判断手段による判断結果に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0023】
非注目オブジェクトは表示画像において目立ちにくい。この発明によれば、こうしたオブジェクトについて状態更新の時間間隔を長くすることができ、表示画像の滑らかさの低下を簡易に目立たなくすることができる。
【0024】
なお、この発明の一態様では、前記画像処理装置はゲーム装置として構成され、前記判断手段は、前記仮想3次元空間に配置されるオブジェクトであって前記ゲーム装置のプレイヤが操作するものと、前記複数のオブジェクトのそれぞれと、が交戦状態にあるか否かを判断することにより、前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する。プレイヤが操作するオブジェクトと交戦状態にあるオブジェクトはプレイヤに注目されており、それ以外は表示画像において目立たないと言える。この態様によれば、そうしたオブジェクトについて状態更新の時間間隔を長くすることができ、表示画像の滑らかさの低下を簡易に目立たなくすることができる。
【0025】
また、本発明に係る画像処理装置は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの前記仮想3次元空間における移動又は動作の速度に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、を含むことを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係る画像処理方法は、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの前記仮想3次元空間における移動又は動作の速度に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、を含む。
【0027】
また、本発明に係るプログラムは、複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの前記仮想3次元空間における移動又は動作の速度に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0028】
仮想3次元空間において移動又は動作の速度が遅いオブジェクトは、表示画像においてそれに関する画像の滑らかさの低下が目立ちにくい。この発明によれば、そうしたオブジェクトについて状態更新の時間間隔を長くすることができ、表示画像の滑らかさの低下を簡易に目立たなくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。同図に示すゲーム装置10は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態であり、モニタ18及びスピーカ22に接続された家庭用ゲーム機11に、情報記憶媒体たるDVD−ROM25及びメモリカード28が装着され、さらにモニタ18及びスピーカ22が接続されることによって構成されている。モニタ18には家庭用テレビ受像器が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。また、ここではプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いるが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、インターネット等のデータ通信網を介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0031】
家庭用ゲーム機11は、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26、入出力処理部30、音声処理部20、コントローラ32及びDVD−ROM再生部24を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続されており、入出力処理部30には、コントローラ32、音声処理部20、DVD−ROM再生部24及びメモリカード28が接続されている。コントローラ32以外の家庭用ゲーム機11の各構成要素は筐体内に収容されている。
【0032】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるプログラム、及びメモリカード28から読み出されるセーブデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御し、プレイヤにゲームを提供する。バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。また、主記憶26は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、DVD−ROM25から読み出されたプログラムやメモリカード28から読み出されたセーブデータが必要に応じて書き込まれる。また、主記憶26は、マイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。画像処理部16はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ14から送られる画像データを受け取って、それに基づいてVRAM上にゲーム画像を描画するとともに、その内容をビデオ信号に変換して所定のタイミングで(ここでは1/60秒毎)モニタ18に出力する。
【0033】
入出力処理部30は、マイクロプロセッサ14が、コントローラ32、音声処理部20、DVD−ROM再生部24及びメモリカード28にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD−ROM25から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。DVD−ROM再生部24は、マイクロプロセッサ14からの指示に従ってDVD−ROM25に記録されたプログラムを読み取る。コントローラ32は、プレイヤが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。また、メモリカード28は、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んでおり、家庭用ゲーム機11に対して脱着可能に構成されている。このメモリカード28には、各種ゲームのセーブデータ等が記憶される。
【0034】
図2は、コントローラ32の一例を示す図である。同図に示すコントローラ32は汎用ゲームコントローラであり、同図(a)に示すように、表面に方向キー34、スタートキー36、セレクトキー37、ボタン38X,38Y,38A,38Bを備えており、同図(b)に示すように、奥側側面に、さらにボタン39L,39R,41L,41Rを備えている。すなわち、コントローラ32の奥側側面には、表面側左右にボタン41L,41Rがそれぞれ備えられており、裏面側左右にボタン39L,39Rがそれぞれ備えられている。方向キー34は十字形状を有しており、通常はキャラクタやカーソルの移動方向を設定するのに用いられる。スタートキー36は三角形状を有する小型の押しボタンであり、通常はゲームのスタートやゲームの強制終了などに用いられる。ボタン38X,38Y,38A,38B,39L,39R,41L,41Rは、その他のゲーム操作に用いられる。コントローラ32を操作すると、その内容を示す操作データが家庭用ゲーム機11に入力されるようになっている。
【0035】
また、このコントローラ32には振動子35が内蔵されている。振動子35は、例えば圧電素子、或いは偏心重り付きのモータ等によって構成されるものであり、マイクロプロセッサ14からコントローラ32に供給される振動オン命令に応じて動作し、コントローラ32を振動させるようになっている。また、マイクロプロセッサ14からコントローラ32に供給される振動オフ命令に応じて動作を停止し、コントローラ32の振動を停止させるようになっている。
【0036】
以下、以上のハードウェア構成を有するゲーム装置10を用いて、複数のオブジェクトが配置された仮想3次元空間を主記憶26上に構築するとともに、その様子を示す画像を所定時間毎に更新し、それを都度モニタ18により表示する技術について説明する。特に本実施形態では、仮想3次元空間に配置されたオブジェクトのうち、一部(後述する非注目度が低いもの)については前記モニタ18の表示が更新される毎に、すなわちモニタ18の表示の更新時間間隔と同じ時間間隔(ここでは1/60秒毎である)で位置や姿勢等の状態が更新されるものの、残り(非注目度が高いもの)についてはその2倍の時間間隔(ここでは1/30秒毎である)で位置や姿勢等の状態が更新されるようになっている。
【0037】
図3は、主記憶26上に構築される仮想3次元空間の一例を示す図である。同図に示すように主記憶26に構築される仮想3次元空間(オブジェクト空間)50上には、例えば人間の形状のオブジェクトP0,P1,P2,P3が配置されている。オブジェクトP0については、特にコントローラ32から入力される操作信号に基づき、その状態(位置、姿勢、AI処理、当たり判定、アニメーション処理等のゲーム更新のために必要なオブジェクトの各種情報)が更新されるようになっている。その他のオブジェクトP1,P2,P3については、公知技術を適用したアルゴリズムに従って、仮想3次元空間50で位置や姿勢等の状態を変化させるようになっている。特に、DVD−ROM25に格納されて、ゲーム装置10にロードされ、実行されるプログラムは、アクションゲームのプログラムである。このアクションゲームでは、オブジェクトP1,P2,P3は公知技術を適用したアルゴリズムに従って、仮想3次元空間50においてオブジェクトP0に攻撃するようになっている。これに対して、プレイヤはコントローラ32を用いてオブジェクトP0の位置や姿勢等の状態を制御し、この攻撃に対して反撃したり、或いは防御したりできるようになっている。この際、ゲーム装置10では、オブジェクトP0に対して攻撃を仕掛けて、現在交戦状態にあるオブジェクトについては、その識別情報を主記憶26に記憶するようになっている。以上のアクションゲームを実現する処理については周知又は慣用の技術であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0038】
仮想3次元空間50には、プレイヤの操作対象であるオブジェクトP0に従動する視点VPが配置されている。この視点VPには視線方向VDが設定されており、視点VPから視線方向VDを見る方向に視野範囲52が設定され、この範囲内に位置するオブジェクトについて画像が生成され、それが画像処理部16に備えられたVRAMに描画されるようになっている。そして、このVRAMに描画された画像がモニタ18に出力され、仮想3次元空間50の様子が可視化されるようになっている。具体的には、この画像は視点VPから視線方向VDを仮想的に見た場合に、視認される仮想3次元空間50の様子を示すものであり、その可視化の範囲は視野範囲52により区画されている。なお、図3では、オブジェクトP0,P2が視野範囲52内に位置し、オブジェクトP1,P3は視野範囲52外に位置している。このため、VRAMに描画され、モニタ18により出力される画像には、図4に示すように、オブジェクトP0及びオブジェクトP2をそれぞれ表す画像PI0及びPI2が含まれるものの、オブジェクトP1及びP3を表す画像が含まれていない。
【0039】
上述のように、このゲーム装置10では、仮想3次元空間50に配置されたオブジェクトの一部は1/60秒毎に位置や姿勢等の状態が更新される。一方、残りのオブジェクトについては1/30秒毎に位置や姿勢等の状態が更新される。図5は、この様子を示している。同図において、縦軸は時間の経過を示しており、図中上側から下側に向かって時間が進行する様子が示されている。1/60秒の単位をフレームと呼ぶことにすると、ここでは連続する4つのフレームn−1〜フレームn+2が示されている。そして、最初のフレームn−1ではA群に属するオブジェクトとB1群に属するオブジェクトの位置や姿勢等の状態が更新されることが示されている。また、次のフレームnではA群に属するオブジェクトとB2群に属するオブジェクトの位置や姿勢等の状態が更新されることが示されている。また、さらに次のフレームn+1ではA群に属するオブジェクトとB1群に属するオブジェクトの位置や姿勢等の状態が更新されることが示されている。さらにフレームn+2ではA群に属するオブジェクトとB2群に属するオブジェクトの位置や姿勢等の状態が更新されることが示されている。ここで、A群に属するオブジェクトは非注目度が所定の基準値以下のオブジェクトである。また、B1群及びB2群に属するオブジェクトは非注目度が基準値よりも大きいオブジェクトである。各オブジェクトがB1群に属するか、それともB2群に属するかは、例えばB1群及びB2群のそれぞれに属するオブジェクトの数等により決定される。
【0040】
同図に示されるように、A群に属するオブジェクトについては、毎フレームその位置や姿勢等の状態が更新されている。一方、B1群及びB2群に属するオブジェクトについては、毎フレーム交互にその位置や姿勢等の状態が更新され、いずれも2フレームに1回、その位置や姿勢等の状態が更新されている。このため、A群に属するオブジェクトについては、1/60秒毎に位置や姿勢等の状態が更新され、B1群及びB2群に属するオブジェクトについては、1/30秒毎に位置や姿勢等の状態が更新される。
【0041】
以上のようにしてオブジェクトの一部について1/60秒毎に位置や姿勢等の状態を更新し、残りについて1/30秒毎に位置や姿勢等の状態を更新することにすれば、各フレームで位置や姿勢等の状態を算出しなければならないオブジェクトの数を削減することができる。この結果、位置や姿勢等の状態の更新を定期的に行うことができるオブジェクトの数を増やすことができる。
【0042】
ここで、ゲーム装置10の機能について説明する。図6は、ゲーム装置10の機能ブロック図である。同図にはゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連するものが中心として示されている。これらの機能は、DVD−ROM25に格納されたプログラムを家庭用ゲーム機11で実行することにより実現されるものである。
【0043】
同図に示すように、ゲーム装置10は、機能的にはオブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60、オブジェクト情報記憶部62、ゲーム画像生成部64を含んで構成されている。ゲーム画像生成部64はオブジェクト選択部66、状態更新部68及び描画部70を含んで構成されている。オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60は、例えば主記憶26を中心として構成されており、オブジェクト更新タイミング管理テーブルを記憶するものである。図7は、このオブジェクト更新タイミング管理テーブルの一例を示している。オブジェクト更新タイミング管理テーブルは、同図に示すようにオブジェクトID、更新時間間隔及び更新グループを対応づけて記憶するものである。オブジェクトIDは仮想3次元空間50に配置された各オブジェクトを識別する情報である。更新時間間隔は、対応するオブジェクトIDにより識別されるオブジェクトの仮想3次元空間50における位置や姿勢等の状態を更新すべき時間間隔である。本実施形態では、1/60秒又は1/30秒のいずれかが記憶されている。また、更新グループは、同じ長さの時間間隔で位置や姿勢等の状態が更新されるオブジェクトのグループを識別する情報である。上記のように、1/30秒毎に位置や姿勢等の状態が更新されるオブジェクトのグループは2つ存在しており、順次到来するフレームを交互に使用して、各グループに属するオブジェクトの位置や姿勢等の状態を算出するようにしている。更新グループは、対応するオブジェクトIDにより識別されるオブジェクトが1/30秒毎に位置や姿勢等の状態を更新すべきものである場合に、それらを奇数番目のフレームで更新すべきか、或いは偶数番目のフレームで更新すべきかを示している。更新グループは、更新時間間隔が1/60秒のオブジェクトについては記録されない。
【0044】
図6に戻り、オブジェクト情報記憶部62は例えば主記憶26やDVD−ROM25を中心として構成されるものであり、仮想3次元空間50に配置された全てのオブジェクトの現在の位置や姿勢等の状態を記憶するものである。
【0045】
また、ゲーム画像生成部64はマイクロプロセッサ14を中心として構成されており、オブジェクト更新タイミング管理テーブル60やオブジェクト情報記憶部62の記憶内容、さらにDVD−ROM25に格納されたその他の情報、コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、ゲーム画面を表す画像、すなわちゲーム画像を生成し、それを画像処理部16に備えられたVRAMに描画するものである。
【0046】
特に、オブジェクト選択部66は、仮想3次元空間50に配置された複数のオブジェクトのうち一部を選択する。具体的には、オブジェクト選択部66は、各オブジェクトの非注目度を算出して、その値に従ってオブジェクト更新タイミング管理テーブルを更新するようになっている。すなわち、オブジェクト選択部66は毎フレーム、そのフレームで更新されたオブジェクトの位置を取得し、そこから視点VPまでの距離を演算し、それを各オブジェクトの非注目度としている。そして、この値が所定の基準値を超える場合には、そのオブジェクトに係る更新時間間隔を1/30秒に設定し、その値をオブジェクト更新タイミング管理テーブルに記録するようになっている。このとき、既に更新時間間隔が1/30秒に設定されているオブジェクトであれば、更新グループは現状のままに維持する。また、更新時間間隔が1/60秒から1/30秒に変更になるのであれば、新たに更新グループを割り当てる。新たに更新グループを設定する場合、現在の各更新グループに属するオブジェクトの数を取得し、その数が少ない方の更新グループを割り当てるのが望ましい。また、非注目度の値が所定の基準値以下であれば、更新時間間隔を1/60秒に設定し、その値をオブジェクト更新タイミング管理テーブルに記録するようになっている。こうして、非注目度に基づいて、オブジェクトの一部を選択し、その結果を更新時間間隔としてオブジェクト更新タイミング管理テーブルに記憶するようにしている。
【0047】
状態更新部68は、オブジェクト選択部66により選択されるオブジェクトの仮想3次元空間50における各位置や姿勢等の状態を他のオブジェクトの仮想3次元空間50における各位置や姿勢等の状態とは異なる時間間隔で更新する。具体的には、状態更新部68は次のようにして各オブジェクトの位置や姿勢等の状態を演算している。
【0048】
まず、オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60に記憶されたオブジェクト更新タイミング管理テーブルを各フレームの開始タイミングが到来する毎に読み出し、そこから今回のフレームで位置や姿勢等の状態を更新すべきオブジェクトのオブジェクトIDを読み出している。さらに具体的には、状態更新部68では、今回のフレームで位置や姿勢等の状態を更新すべきオブジェクトの更新グループ(すなわち今回のフレームが奇数番目のフレームであって更新グループ1のオブジェクトの位置や姿勢等の状態を更新すべきか、偶数番目のフレームであって更新グループ2のオブジェクトの位置や姿勢等の状態を更新すべきか)を管理している。つまり、今回のフレームの更新グループが1であれば次フレームでは2に、逆に今回のフレームの更新グループが2であれば次フレームでは1に更新している。そして、状態更新部68では、今回のフレームの更新グループと一致する情報(1又は2)が、オブジェクト更新タイミング管理テーブルの更新グループの欄に記録されているレコード(行)を検索して、その更新グループに対応づけて記憶されたオブジェクトIDを今回のフレームで位置や姿勢等の状態を更新すべきオブジェクトを識別するオブジェクトIDとして読み出す。
【0049】
さらに、状態更新部68では、オブジェクト更新タイミング管理テーブルの更新時間間隔の欄に1/60が記録されたレコードを検索し、その更新時間間隔に対応づけて記憶されたオブジェクトIDも、今回のフレームで位置や姿勢等の状態を更新すべきオブジェクトを識別するオブジェクトIDとして読み出す。
【0050】
状態更新部68は、オブジェクト更新タイミング管理テーブルから選択的にオブジェクトIDを読み出すと、それらにより識別されるオブジェクトについて位置や姿勢等の状態を算出する。そして、その結果をオブジェクト情報記憶部62に記憶する。こうすれば、オブジェクト選択部66により選択されるオブジェクトの仮想3次元空間50における各位置や姿勢等の状態を他のオブジェクトの仮想3次元空間50における各位置や姿勢等の状態とは異なる時間間隔で更新することができる。
【0051】
描画部70は、所定時間(ここでは1/60秒)毎に、オブジェクト情報記憶部62に記憶された各オブジェクトの最新の位置や姿勢等の状態に基づき、ゲーム画像を画像処理部16のVRAMに描画する。このゲーム画像は1/60秒毎に読み出され、モニタ18により表示される。
【0052】
ここで、ゲーム装置10のゲーム画像生成処理について説明する。図8は、ゲーム装置10で実行されるゲーム画像生成処理を示すフロー図である。この処理はゲーム装置10において、DVD−ROM25に格納されたプログラムに基づいてフレーム毎(所定時間(1/60秒)毎)に実行されるものである。
【0053】
同図に示すように、ゲーム装置10ではマイクロプロセッサ14(オブジェクト選択部66及び状態更新部68)がDVD−ROM25から読み出されるゲームプログラム、ゲームデータ、オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60及びオブジェクト情報記憶部62の記憶内容に基づき、まず各オブジェクトのワールド座標系での位置や姿勢等の状態を算出する(S101)。S101では、視点VP、視線方向VD、視野範囲52も算出される。S101の処理は後に図9及び図10に従って詳細に説明する。
【0054】
ゲーム画面生成処理では、次にマイクロプロセッサ14(描画部70)がオブジェクト情報記憶部62の記憶内容に基づき、ジオメトリ処理を行う(S102)。ジオメトリ処理ではワールド座標系から視点座標系への座標変換を行う。また、オブジェクトを構成する各ポリゴンの頂点の色情報が光源情報(光源の色及び位置)に基づいて修正される。さらに、クリッピング処理も行われる。
【0055】
その後、マイクロプロセッサ14(描画部70)はレンダリング処理を行う(S103)。この処理では、マイクロプロセッサ14は視野範囲52に属する各ポリゴンの頂点座標、頂点色情報、テクスチャ座標及びアルファ値を画像処理部16に送出し、画像処理部16ではそれらの情報に基づいてVRAM上に表示画像を形成する。画像処理部16のVRAMに形成されたゲーム画像は所定タイミングで読み出されて、モニタ18により表示される。
【0056】
図9は、オブジェクト状態算出ルーチンを示すフロー図である。このフロー図は、図8のS101の処理を詳細に示すものである。まず、オブジェクト状態算出ルーチンでは、状態更新部68が、今回のフレームの更新グループを読み出す(S201)。そして、オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60から、更新時間間隔が1/60秒に設定されたオブジェクトのオブジェクトIDを読み出すとともに、そのオブジェクトIDにより識別されるオブジェクトの位置や姿勢等の状態を算出し、それをオブジェクト情報記憶部62に格納する(S202)。さらに、オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60から、更新時間間隔が1/30秒に設定され、且つ更新グループとしてS201で読み出した情報が設定されているオブジェクトのオブジェクトIDを読み出すとともに、そのオブジェクトIDにより識別されるオブジェクトの位置や姿勢等の状態を算出し、それをオブジェクト情報記憶部62に格納する(S203)。
【0057】
その後、オブジェクト選択部66は、オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部60の記憶内容を更新する。すなわち、S202及びS203で位置や姿勢等の状態を更新したオブジェクトについて、オブジェクト更新タイミング管理テーブルに記憶されている更新時間間隔及び更新グループを更新する(S204)。この処理は図10に従って後に詳述する。
【0058】
その後、状態更新部68はS201で読み出した更新グループを更新する(S205)。具体的には、更新グループが1であれば2に変更し、更新グループが2であれば1に変更する。こうして、1/30秒の更新時間間隔が設定されたオブジェクトのうち、更新グループ1に属するものと、更新グループ2に属するものとが、交互に位置や姿勢等の状態演算の対象とされるようになっている。
【0059】
図10は、更新時間間隔及び更新グループ更新ルーチンを示すフロー図である。このフロー図は、図9のS204の処理を詳細に示すものである。この処理では、まずS202又はS203で位置や姿勢等の状態が更新されたオブジェクトのうち1つについて、非注目度を算出する(S301)。ここでは、図11に示すように、そのオブジェクトの位置(P0からP3)と視点VPとの距離(L0〜L3)を算出して、それを非注目度とする。次に、この非注目度が基準値よりも大きいか否かを判断する(S302)。そして、基準値よりも大きければ、そのオブジェクトの更新時間間隔を1/30秒に設定し、更新グループは上述したようにして維持又は新規設定する(S303)。この内容はオブジェクト更新タイミング管理テーブルに書き込まれる。一方、基準値以下であれば、そのオブジェクトの更新時間間隔を1/60に設定する(S304)。この内容もオブジェクト更新タイミング管理テーブルに書き込まれる。そして、S202又はS203で位置や姿勢等の状態が更新された全てのオブジェクトについて、S301乃至S304の処理を繰り返す(S305)。
【0060】
以上説明した本実施形態に係るゲーム装置10によれば、オブジェクトの位置と視点VPとの距離を非注目度として算出し、非注目度が基準値よりも大きければ1/30秒毎に位置や姿勢等の状態が更新され、非注目度が基準値以下であれば1/60秒毎に位置や姿勢等の状態が更新されるようになっている。このため、全体として定期的に位置や姿勢等の状態を更新することができるオブジェクトの数を増やすことができる。また、位置や姿勢等の状態を更新する時間間隔が長めとなるオブジェクトを一部に限ることができるので、ゲーム画像(表示画像)の滑らかさの低下を目立たなくすることができる。特に、位置や姿勢等の状態を更新する時間間隔が長めとなるオブジェクトを、表示画像において目立ちにくいオブジェクト(視点VPから距離が大きいもの)から選択することによって、表示画像の滑らかさの低下を効果的に目立たなくすることができる。
【0061】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0062】
例えば、上記実施形態では、オブジェクトの位置や姿勢等の状態が更新されると、そのオブジェクトについてのみ更新時間間隔及び更新グループが更新されるようになっていたが、2フレーム毎、すなわち全てのオブジェクトの位置や姿勢等の状態が更新される毎に、全てのオブジェクトについて更新時間間隔及び更新グループを更新するようにしてもよい。この場合、上記のように非注目度が基準値よりも大きいか否かにより更新時間間隔を設定するようにしてもよいし、非注目度が基準値よりも小さいものから所定個数のオブジェクトの更新時間間隔を1/60秒に設定し、残りのオブジェクトの更新時間間隔を1/30秒に設定することもできる。
【0063】
また、上記実施形態では、各オブジェクトの位置と視点VPとの距離をそのオブジェクトの非注目度としたが、他の情報を非注目度としてもよい。例えば、図12に示すように、視点VPから仮想3次元空間50を見る視線方向VDと、複数のオブジェクトの各位置(P0〜P3)と、に基づいて、非注目度を決定してもよい。具体的には、視点VPから各オブジェクトの位置(P0〜P3)に延伸する直線(ベクトル)を算出するとともに、それら直線と視線方向VDとのなす角(θ0〜θ3)を非注目度としてもよい。こうすれば、視線方向VDから離れるほど、位置や姿勢等の状態の更新時間間隔が長くなるようにすることができる。
【0064】
また、視野範囲52と、各オブジェクトの位置とに基づいて非注目度を決定してもよい。例えば、視野範囲52内に位置するオブジェクトについては、その非注目度を第1の値とし、視野範囲52外に位置するオブジェクトについては、その非注目度を第1の値よりも大きな第2の値としてもよい。こうすれば、非注目度が第1の値である場合に位置や姿勢等の状態の更新時間間隔を1/60秒とし、非注目度が第2の値である場合に位置や姿勢等の状態の更新時間間隔を1/30秒とすることで、視野範囲52から外れたオブジェクトについては、位置や姿勢等の状態の更新時間間隔を長くすることができる。
【0065】
また、ゲーム画像における各オブジェクトの表示面積に基づき、非注目度を決定するようにしてもよい。例えば、非注目度を表示面積の逆数にしてもよい。表示面積は厳密に計算されてもよいし、各種簡略化を行って計算されてもよい。例えば、VRAMに各オブジェクトのゲーム画像における大きさ(表示面積)を示す画像を描画し、その面積(ピクセル数)を計数したり、或いはその高さや幅から表示面積を得てもよい。また、各オブジェクトに不可視のほぼ同一サイズの簡略形状オブジェクトを従動させるようにして、その簡略形状オブジェクトのゲーム画像における大きさを示す画像を描画し、その面積(ピクセル数)を計数したり、或いはその高さや幅から表示面積を得てもよい。
【0066】
また、本実施形態に係るゲーム装置10は、アクションゲームをプレイヤに提供するよう構成されている。そこで、ゲームにおいて各オブジェクトが注目オブジェクトであるか否かを判断し、その判断結果に基づいて非注目度が決定されてもよい。例えば、あるオブジェクトがプレイヤが操作対象とするオブジェクトと交戦状態にあれば、そのオブジェクトの非注目度を第1の値とし、交戦状態になければそのオブジェクトの非注目度を第1の値よりも大きな第2の値とすればよい。
【0067】
さらに、各オブジェクトの仮想3次元空間50における移動速度又は動作速度に基づいて、各オブジェクトの非注目度を算出してもよい。オブジェクトの移動速度は、複数のフレームでオブジェクトの位置を記憶しておき、その差分を計算することにより取得してもよいし、他の方法(例えば物理計算)により取得してもよい。動作速度は、オブジェクトの動作がモーションデータにより制御されている場合、その再生スピードから容易に取得することができる。仮想3次元空間50において移動速度又は動作速度が遅いオブジェクトは、その動きのぎこちなさが目立ちにくい。そこで、これらのオブジェクトの位置や姿勢等の状態の更新時間間隔を1/30秒とし、その他のオブジェクトの位置や姿勢等の状態の更新時間間隔を1/60秒とすることで、位置や姿勢等の状態の更新時間間隔が長いオブジェクトの存在をゲーム画像において目立たなくさせることができる。
【0068】
また、本発明はアクションゲームのみならず、例えば対戦ゲーム、ガンシューティングゲーム等のシューティングゲーム等、あらゆるジャンルのゲームの画像処理に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲーム装置(画像処理装置)のハードウェア構成を示す図である。
【図2】コントローラの外観を示す図である。
【図3】ゲーム装置において構築され、管理される仮想3次元空間の一例を示す図である。
【図4】ゲーム装置のモニタに表示される画像の一例を示す図である。
【図5】連続する複数フレームにおいて位置や姿勢等の状態が更新されるオブジェクトのグループを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図7】オブジェクト更新タイミング管理テーブルの一例を示す図である。
【図8】ゲーム画像生成処理を示すフロー図である。
【図9】オブジェクト状態算出ルーチンを示すフロー図である。
【図10】更新時間間隔及び更新グループ更新ルーチンを示すフロー図である。
【図11】オブジェクトの非注目度として視点と各オブジェクトとの距離を用いる例を示す図である。
【図12】オブジェクトの非注目度として視点から各オブジェクトの位置に延伸する直線と視線方向とのなす角を用いる例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、34 方向キー、35 振動子、36 スタートキー、37 セレクトキー、38A,38B,38X,38Y,39L,39R,41L,41R ボタン、50 仮想3次元空間(オブジェクト空間)、52 視野範囲、60 オブジェクト更新タイミング管理テーブル記憶部、62 オブジェクト情報記憶部、64 ゲーム画像生成部、66 オブジェクト選択部、68 状態更新部、70 描画部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点から前記仮想3次元空間を見る視線方向と、前記複数のオブジェクトの各位置と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記仮想3次元空間を見る際の視野範囲と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、
前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する判断手段と、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記判断手段による判断結果に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置において、
前記画像処理装置はゲーム装置として構成され、
前記判断手段は、前記仮想3次元空間に配置されるオブジェクトであって前記ゲーム装置のプレイヤが操作するものと、前記複数のオブジェクトのそれぞれと、が交戦状態にあるか否かを判断することにより、前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの前記仮想3次元空間における移動又は動作の速度に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、
前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点から前記仮想3次元空間を見る視線方向と、前記複数のオブジェクトの各位置と、に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、
前記オブジェクト選択スッテプで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記仮想3次元空間を見る際の視野範囲と、に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、
前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、
前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する判断ステップと、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記判断ステップでの判断結果に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、
前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの前記仮想3次元空間における移動又は動作の速度に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、
前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点から前記仮想3次元空間を見る視線方向と、前記複数のオブジェクトの各位置と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項14】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記仮想3次元空間を見る際の視野範囲と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項15】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、
前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する判断手段、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記判断手段による判断結果に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項16】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの前記仮想3次元空間における移動又は動作の速度に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項1】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点から前記仮想3次元空間を見る視線方向と、前記複数のオブジェクトの各位置と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記仮想3次元空間を見る際の視野範囲と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、
前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する判断手段と、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記判断手段による判断結果に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置において、
前記画像処理装置はゲーム装置として構成され、
前記判断手段は、前記仮想3次元空間に配置されるオブジェクトであって前記ゲーム装置のプレイヤが操作するものと、前記複数のオブジェクトのそれぞれと、が交戦状態にあるか否かを判断することにより、前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理装置であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの前記仮想3次元空間における移動又は動作の速度に基づいて選択するオブジェクト選択手段と、
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、
前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点から前記仮想3次元空間を見る視線方向と、前記複数のオブジェクトの各位置と、に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、
前記オブジェクト選択スッテプで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記仮想3次元空間を見る際の視野範囲と、に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、
前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、
前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する判断ステップと、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記判断ステップでの判断結果に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、
前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像処理方法であって、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの前記仮想3次元空間における移動又は動作の速度に基づいて選択するオブジェクト選択ステップと、
前記オブジェクト選択ステップで選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点と前記複数のオブジェクトの各位置との距離に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記視点から前記仮想3次元空間を見る視線方向と、前記複数のオブジェクトの各位置と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項14】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの各位置と、前記視点から前記仮想3次元空間を見る際の視野範囲と、に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項15】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、
前記複数のオブジェクトのそれぞれが注目オブジェクトであるか否かを判断する判断手段、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記判断手段による判断結果に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項16】
複数のオブジェクト及び視点が配置された仮想3次元空間を前記視点から見た様子を示す画像を表示する画像表示手段、
前記複数のオブジェクトのうち一部を、前記複数のオブジェクトの前記仮想3次元空間における移動又は動作の速度に基づいて選択するオブジェクト選択手段、及び
前記オブジェクト選択手段により選択されるオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態を他のオブジェクトの前記仮想3次元空間における各状態とは異なる時間間隔で更新する状態更新手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−164168(P2006−164168A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−358496(P2004−358496)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
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