説明

画像処理装置、画像処理装置の制御方法、およびプログラム、並びに記録媒体

【課題】連続撮影の結果得られた画像を1枚の画像に合成する際、当該画像毎に合成に用いる画像として適切であるか否かについて、画像合成処理を行う前に容易に確認する。
【解決手段】複数枚の画像を順次、取得する取得手段と、複数枚の画像を合成する合成手段と、画像を表示する表示手段とを有し、前記取得手段によって所定の枚数の画像が取得される前には、前記合成手段は、前記取得手段で取得された画像を順次、簡易的に合成した合成画像を出力し、前記表示手段は、前記合成手段から出力された前記簡易的な合成画像を表示し、前記取得手段によって所定の枚数の画像が取得された後には、前記合成手段は、前記取得手段で取得された画像を前記所定の枚数分で合成した本合成画像を出力し、前記表示手段は、前記合成手段から出力された本合成画像を表示部に表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続撮影によって得られた複数枚の画像を合成して1枚の画像を生成する画像処理装置、画像処理装置の制御方法、およびプログラム、並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
連続撮影によって得られる複数枚の画像を合成した合成画像を確認する際には、一般に、連続撮影の終了後に画像合成処理を行って、その合成画像を表示装置に表示して確認するようにしている。
【0003】
撮影された複数枚の画像を画像合成して1枚の合成画像を生成する技術がある。撮像素子が高画素であったり、画像合成処理を含めた処理が複雑であったりすると、処理に要する時間は大きく、合成対象の最後の画像が撮影されてから合成画像の表示(確認)までに時間が掛かってしまう。この点を改善するために、画像合成処理に近似した処理時間の短い他の合成処理を行って表示用の合成画像を生成するようにしたものがある(特許文献1)。
【0004】
ところで、画像合成処理によって得られる合成画像は、特に意図していない限り、画像毎の被写体の動きに起因する所謂被写体ブレのない画像であることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−112103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載の手法では、画像毎の被写体ブレを確認するためには、合成画像がプレビュー表示されるのを待って、合成画像を確認しなければならず、時間が掛かってしまう。
【0007】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、複数枚の撮影画像から1枚の合成画像を生成する際、複数枚の各撮影画像が合成に用いる画像として適切であるか否かをより早く容易に確認できる画像処理装置および画像処理装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明による画像処理装置は、複数枚の画像を順次、取得する取得手段と、前記取得手段で取得される画像を順次、メモリに記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された画像を縮小する第1の縮小手段と、複数枚の画像を合成処理する合成手段と、前記合成手段から出力される画像を記憶する第2の記憶手段と、入力される画像を表示する表示手段と、を有し、前記取得手段によって所定の枚数の画像が取得される前には、前記第1の縮小手段は、前記第1の記憶手段に記憶された画像を順次、縮小し、前記合成手段は、前記第1の縮小手段で縮小された画像と前記第2の記憶手段に記憶された前回の合成画像とを順次合成して合成画像を生成し、当該合成画像を第2の記憶手段に今回の合成画像として記憶し、前記表示手段は、前記合成手段から出力された画像を表示部に順次、表示することを特徴とする。
【0009】
本発明による画像処理装置の制御方法は、画像を取得する取得手段と、前記取得手段で取得される画像をメモリに記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された画像を縮小する第1の縮小手段と、複数枚の画像を合成処理する合成手段と、前記合成手段から出力される画像を記憶する第2の記憶手段と、を有する画像処理装置の制御方法であって、取得手段が、複数枚の画像を順次、取得する取得ステップと、前記取得手段によって所定の枚数の画像が取得される前に、前記第1の縮小手段が、前記第1の記憶手段に記憶された画像を順次、縮小する縮小ステップと、前記合成手段が、前記第1の縮小手段で縮小された画像と前記第2の記憶手段に記憶された前回の合成画像とを順次合成して合成画像を生成し、当該合成画像を第2の記憶手段に今回の合成画像として記憶する合成ステップと、前記合成手段から出力された画像を表示部に順次、表示する表示ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数枚の撮影画像から1枚の合成画像を生成する際、複数枚の各撮影画像が合成に用いる画像として適切であるか否かをより早く容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態による画像処理装置の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像処理制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図2に示す画像処理制御部で行われる画像処理を説明するための図であり、(A)は従来の画像処理を示す図、(B)は(A)に示す画像処理を行った際の画像表示を示す図、(C)は画像処理制御部の画像処理を示す図、(D)は(C)に示す画像処理を行った際の画像表示を示す図である。
【図4】図2に示す画像処理制御部における連続撮影が開始された後の画像合成処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図2に示す画像処理制御部における連続撮影が開始された後の画像表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】5枚の連続撮影の結果得られた連続した5枚の画像を示す図である。
【図7】図6に示す5枚の画像について経過表示処理を行った際の画像のイメージを説明するための図である。
【図8】図1に示す画像表示部に表示されるステータス表示および本合成画像のイメージを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態による画像処理装置の一例について図面を参照して説明する。なお、この画像処理装置は、例えば、デジタルカメラなどの撮像装置である。
【0013】
[第1の実施形態]
本実施形態では、複数枚の撮影画像から1枚の合成画像を生成する際、各撮影画像が合成に用いる画像として適切であるか否かを確認するために、各撮影画像の撮影動作に並行して、撮影が終了した画像までの合成画像を表示するための各処理を行う。この際、各処理は、記録される最終的な合成画像に行う処理に比べて処理時間の早い簡易的な処理で良いが、最終的な合成画像の合成を行う回路(合成回路)と同一の回路を用いる。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態による画像処理装置の一例を示すブロック図である。
【0015】
図1において、画像処理装置は、画像入力部101、画像処理制御部102(画像合成手段および判定手段)、画像表示部(表示部)103、フォーマット制御部104、記録・読み出し部105、記録メディア106、および操作部107を備える。記録メディア106は画像処理装置に着脱可能である。
【0016】
画像入力部101は、例えば、複数のレンズおよびCCD(Charge−Coupled Device)を備える撮像部又は外部機器から出力された出力画像データを入力可能なIF(インタフェース)部である。画像入力部101から画像処理制御部102に入力された画像(映像)データは、画像処理制御部102において画像処理されて、表示画像として画像表示部103に表示される。この画像表示部103は、例えば、液晶パネルを有している。
【0017】
画像処理制御部102で画像処理された画像データは、フォーマット制御部104によって記録可能なフォーマットに変換される。そして、フォーマット変換された画像データは記録・読み出し部105によって記録メディア106に記録される。
【0018】
また、記録メディア106に記録された画像データは、記録・読み出し部105によって読み出される。そして、この画像データはフォーマット制御部104によって表示可能なフォーマットに変換される。そして、当該画像データは、画像は画像処理制御部102によって画像処理されて、画像表示部103に表示される。
【0019】
以下の説明では、低露光で連続撮影を行って5枚の画像データ(以下単に画像ともいう)を得て、これら5枚の画像を画像合成して得られた1枚の画像を記録メディア106に記録(記憶)するものとする。
【0020】
図2は、図1に示す画像処理制御部102の構成を説明するためのブロック図である。
【0021】
図2を参照すると、画像処理制御部102は、画像合成処理部201、縮小処理部202(第1の縮小手段)、縮小処理部203(第2の縮小手段)、第1の画像メモリ204(第1の記憶手段)、第2の画像メモリ205(第2の記憶手段)を備えている。
【0022】
ここで、連続撮影の結果得られた5枚の画像を用いて、撮影された画像から順次合成し、合成の途中経過を表示画面に表示させる経過表示処理について説明する。本実施形態では、撮影の結果得られた画像は3840×2880の解像度を有し、画像表示部103の解像度をVGA(640×480)とする。また、第1の画像メモリ204には上記3840×2880の解像度の画像を複数枚記録する容量があり、第2の画像メモリ205には最低限上記3840×2880の解像度の画像を1枚記録することができる容量があるものとする。
【0023】
1枚撮影される毎に画像入力部101から1枚の画像が画像処理制御部102に入力される。入力された画像は1枚の画像として第1の画像メモリ204に順次記録される。ここでは、前述のように、5枚の連続撮影が行われ、撮影される毎に画像が画像入力部101から入力され、合計5枚の画像が第1の画像メモリ204に記録される。
【0024】
第1の画像メモリ204に記録された画像は、縮小処理部202において表示解像度に縮小される。入力解像度が3840×2880、画像表示部103の解像度が640×480であるので、縮小処理部202は水平方向については6ピクセル毎に1ピクセルを取り出す1/6間引きを行う。また、縮小処理部202は垂直方向について6ライン毎に1ラインを取り出す1/6間引きを行って、画像を640×480の解像度に縮小して、縮小処理画像とする。
【0025】
選択部202aは、経過表示処理の際には、縮小処理部202の出力を選択する。縮小処理画像は画像合成処理部201に与えられ、画像合成処理部201は第2の画像メモリ205から読み出した前回までに撮影された画像が合成された合成画像と縮小処理画像とを画像合成処理する。そして、画像合成処理部201は画像合成処理後の画像を第2の画像メモリ205に今回の合成画像として記録する。この際、前回の合成画像および縮小処理画像の合成比率は特に限定されない。最終的に5枚の画像を本合成する際の合成比率に準じてもよいし、表示用に別途合成比率を設定しても良い。
【0026】
このように、画像合成処理部201は、連続撮影の撮影と並行して、順次それまでに得られた画像を合成処理した合成画像を表示用画像として出力することになる。
【0027】
なお、画像合成処理部201に入力された縮小処理画像が連続撮影の結果得られた1枚目の画像に対応する場合には、画像合成処理部201は画像合成処理を行わずに、縮小処理画像をそのまま第2の画像メモリ205に今回の合成画像として記録する。
【0028】
選択部203aは、経過表示処理の際には、画像合成処理部201の出力を選択する。この結果、画像合成処理部201から出力された合成画像は画像表示部103に与えられ、画像表示部103に表示される。
【0029】
連続撮影が終了して、最後の画像が第1の画像メモリ204に記録されると本合成処理が開始される。本合成処理の際には、選択部202aは第1の画像メモリ204の出力を選択する。これによって、第1の画像メモリ204に記録された画像が1枚ずつ読み出されて画像合成処理部201に与えられる。このように、本合成処理の際には、縮小処理部202による縮小処理は行われない。
【0030】
画像合成処理部201は、第2の画像メモリ205から読み出した前回までに画像合成処理部201が受け取った画像が合成された合成画像と今回選択部202aから出力された画像とを画像合成処理して、第2の画像メモリ205に今回の合成画像として記録する。
【0031】
画像合成処理部201に入力された画像が1枚目の画像である場合には、画像合成処理部201は画像合成処理を行わずに、当該画像をそのまま第2の画像メモリ205に今回の合成画像として記録する。
【0032】
1枚の合成処理が終了すると、第1の画像メモリ204から次の画像1枚が読み出され、画像合成処理部201に与えられる。そして、画像合成処理部201は同様に画像合成処理を行って、第2の画像メモリ205に新しい今回の合成画像として記録する。
【0033】
合成のための画像が全て第1の画像メモリ204から読み出されて、画像合成処理部201による画像合成処理が終了すると、画像合成処理部201は最終的な本合成画像を縮小処理部203に出力する。縮小処理部203は入力された本合成画像についてその画像サイズを画像表示部103における表示用の画像サイズに変換する。
【0034】
本合成処理の際には、選択部203aは縮小処理部203の出力を選択する。これによって、縮小処理された本合成画像は縮小処理部203から画像表示部103に入力され、画像表示部103に表示される。さらに、本合成画像はフォーマット制御部104に与えられ、フォーマット制御部104は前述したようにしてフォーマット変換処理を行う。そして、フォーマット変換処理後の画像は記録・読み出し部105によって記録メディア106に記録される。
【0035】
ここで、図2に示す画像処理制御部102で行われる画像処理について従来の処理と比較して説明する。
【0036】
図3は、図2に示す画像処理制御部102で行われる画像処理を説明するための図である。そして、図3(A)は従来の画像処理を示す図であり、図3(B)は図3(A)に示す画像処理を行った際の画像表示を示す図である。また、図3(C)は画像処理制御部102の画像処理を示す図であり、図3(D)は図3(C)に示す画像処理を行った際の画像表示を示す図である。
【0037】
図3(A)に示す従来の画像処理では、例えば、カメラのシャッターが押されると、連続撮影の結果得られた画像は順次画像メモリに取り込まれる(撮影画像取り込み)。連続撮影が終了すると同時に画像合成処理が開始される(合成処理)。そして、合成処理が終了すると、合成画像が表示される(表示)。
【0038】
この際、図3(B)に示すように、シャッターが押されてから画像合成が終了するまで(つまり、撮影画像の取り込みから合成処理が終了するまで)、画像表示部には黒画面の処理中ステータスが表示される。画像合成が終了した後に、画像が画像表示部に表示され(本合成画像)、ユーザは被写体ブレが起きていたか、そして、連続撮影の結果得られた画像が適正であったか否かの確認を行うことになる。
【0039】
一方、本実施形態では、図3(C)に示すように、シャッターが押された後、連続撮影の結果得られた画像は順次画像メモリに取り込まれる。そして、1枚撮影する毎に、つまり、1枚撮影する都度、画像について縮小処理が行われた後に合成処理が行われて、画像表示部103に合成画像が表示される(経過表示処理:縮小+合成処理+表示)。
【0040】
連像撮影が終了すると、本合成処理が開始される。そして、本合成処理が終了すると、本合成画像が表示用の画像サイズにリサイズされ、画像表示部103に表示される(表示)。
【0041】
この際、図3(D)に示すように、シャッターが押されてから1枚撮影される毎に合成画像が更新されて表示される。このような経過表示処理を行うことで、ユーザは連続撮影の途中に、被写体ブレが起きているかなど、連続撮影の結果得られた画像が適正であるか否かの確認を行うことができる。つまり、本合成処理終了前に、経過表示処理によって表示される撮影が終了した画像までの合成画像を確認することができる。経過表示処理が終了すると、本合成処理が行われて画像表示部103には黒画面の処理中ステータス表示が行われ、本合成処理の終了後に本合成画像が画像表示部103に表示される。
【0042】
以下の説明では、図3(A)および図3(B)に示す合成処理および表示を第1の合成処理表示機能と呼び、図3(C)および図3(D)に示す合成処理および表示を第2の合成処理表示機能と呼ぶことにする。
【0043】
図4は、図2に示す画像処理制御部102における連続撮影が開始された後の画像合成処理を説明するためのフローチャートである。
【0044】
図2および図4を参照して、画像処理が開始されると、図示しないCPU等の制御装置は第2の合成処理表示機能がオンであるか否かを判定する(ステップS401)。第2の合成処理表示機能がオンであると(ステップS401において、YES)、CPUは画像処理制御部102にその旨通知する。これによって、画像処理制御部102は第2の合成処理表示機能で動作する。
【0045】
続いて、画像処理制御部102は画像が1枚撮影されたか否かを判定する(ステップS402)。画像が撮影されないと(ステップS402において、NO)、画像処理制御部102は待機する。画像が1枚撮影されると(ステップS402において、YES)、画像処理制御部102は撮影画像を第1の画像メモリ204に記録する(ステップS403)。そして、縮小処理部202はこの画像を第1の画像メモリ204から読み出して、間引きを行って縮小する(ステップS404)。
【0046】
なお、経過表示処理の際には、前述したように、選択部202aは縮小処理部202の出力を選択し、選択部203aは画像合成処理部201の出力を選択する。
【0047】
次に、画像処理制御部102は当該縮小した画像が1枚目であるか否かを判定する(ステップS405)。縮小した画像が1枚目であると(ステップS405において、YES)、前述したように、画像合成処理部201では合成処理を行わずに、当該縮小した画像を新しい(今回の)合成画像とする(ステップS406)。そして、画像合成処理部201は今回の合成画像を第2の画像メモリ205に記録する(ステップS407)。
【0048】
一方、縮小した画像が1枚目でない場合には(ステップS405において、NO)、画像合成処理部201は第2の画像メモリ205に記録されている前回までに撮影された画像が合成された合成画像を読み出して、縮小した画像と前回の合成画像との合成処理を行い、今回の合成画像とする(ステップS408)。そして、画像合成処理部201はステップS407の処理に進んで、今回の合成画像を第2の画像メモリ205に登録する。
【0049】
続いて、画像処理制御部102は合成対象となる画像の撮影が全て終了したか否かを判定する(ステップS409)。撮影が終了していないと(ステップS409において、NO)、画像処理制御部201はステップS402に戻ってステップS402〜S409の処理を繰り返す。
【0050】
一方、撮影が終了したと判定されると(ステップS409において、YES)、選択部202aは第1の画像メモリ204の出力を選択し、選択部203aは縮小処理部203の出力を選択する。そして、画像合成処理部201は第1の画像メモリから撮影された画像を1枚読み出す(ステップS410)。
【0051】
続いて、画像合成処理部201は、当該読み出した画像が合成する画像として1枚目であるか否かを判定する(ステップS411)。読み出した画像が1枚目であると(ステップS411において、YES)、画像合成処理部201は合成処理を行うことなく、当該画像を今回の合成画像とする(ステップS412)。そして、画像合成処理部201は今回の合成画像を第2の画像メモリ205に記録する(ステップS413)。
【0052】
一方、第1の画像メモリ204から読み出した画像が合成する画像として1枚目でない場合には(ステップS411において、NO)、画像合成処理部201は第2の画像メモリ205に記録された前回までに画像合成処理部201が受け取った画像が合成された合成画像を読み出す。画像合成処理部201は、第1の画像メモリ204から読み出した画像と前回の合成画像との合成処理を行って、今回の合成画像とする(ステップS414)。そして、画像合成処理部201はステップS413の処理に進み、今回の合成画像を第2の画像メモリ205に記録する(ステップS414)。
【0053】
次に、画像合成処理部201は必要枚数分の画像合成が終了したか否かについて判定する(ステップS415)。必要枚数分の画像合成が終了していないと(ステップS415において、NO)、画像合成処理部201はステップS410の処理に戻って、ステップS410〜S415の処理を繰り返す。
【0054】
一方、必要枚数分の画像合成が終了すると(ステップS415において、YES)、画像合成処理部201は最終的な生成物である本合成画像を縮小処理部203に渡す。縮小処理部203は当該本合成画像の画像サイズを画像表示部103の表示解像度に対応する画像サイズに変換する画像縮小処理を行う(ステップS416)。そして、画像処理制御部102は処理を終了する。
【0055】
ステップS401において、第2の合成処理表示機能がオフであると(ステップS401において、NO)、CPUは画像処理制御部102にその旨通知する。これによって、画像処理制御部102は第1の合成処理表示機能で動作する。
【0056】
なお、この第1の合成処理表示機能では、選択部202aは第1の画像メモリ204の出力を選択し、選択部203aは縮小処理部203の出力を選択する。
【0057】
続いて、画像処理制御部102は画像が1枚撮影されたか否かを判定する(ステップS417)。画像が撮影されないと(ステップS417において、NO)、画像処理制御部102は待機する。画像が1枚撮影されると(ステップS417において、YES)、画像処理制御部102は撮影画像を第1の画像メモリ204に記録する(ステップS418)。
【0058】
次に、画像処理制御部102は必要枚数分の撮影が終了したか否かを判定する(ステップS419)。必要枚数分の撮影が終了していないと(ステップS419において、NO)、画像処理制御部201はステップS417の処理に戻ってステップS417〜S419の処理を繰り返す。
【0059】
一方、撮影が終了したと判定すると(ステップS419において、YES)、画像処理制御部102はステップS410の処理に移行して前述したステップS410〜S416の処理を行う。
【0060】
図5は、図2に示す画像処理制御部102における連続撮影が開始された後の画像表示処理を説明するためのフローチャートである。
【0061】
図2および図5を参照して、まず、CPU等の制御装置は第2の合成処理表示機能がオンであるか否かを判定する(ステップS501)。第2の合成処理表示機能がオンであると(ステップS501において、YES)、CPUは画像処理制御部102にその旨通知する。これによって、前述したように、画像処理制御部102は第2の合成処理表示機能で動作する。
【0062】
第2の合成処理表示機能においては、画像処理制御部102は画像表示部103に黒画を表示する(ステップS502:ブラック表示)。続いて、画像処理制御部102は1枚目の画像が画像合成処理部201に入力されたか否かを判定する(ステップS503)。1枚目の画像の入力がなされていないと(ステップS503において、NO)、画像処理制御部102はブラック表示を継続する。
【0063】
1枚目の画像の入力がなされていると(ステップS503において、でYes)、画像合成処理部201が出力した画像は縮小処理部203を介してリサイズされ、画像表示部103に表示される(ステップS504:表示画像更新)。
【0064】
次に、画像処理制御部102は必要枚数分の撮影が終了したか否かを判定する(ステップS505)。必要枚数分の撮影が終了していないと(ステップS505において、NO)、画像処理制御部201はステップS502に戻ってステップS503〜S505の処理を繰り返す。2枚目以降の画像が画像合成処理部201に入力されるときには、ステップS503では今回入力された画像までの画像合成処理が終了したか否かを判定する。
【0065】
一方、必要枚数分の撮影が終了したと判定すると(ステップS505において、YES)、画像処理制御部102は本合成処理であることを示すステータスを画像表示部103に表示する(ステップS506)。そして、画像処理制御部102は本合成処理が終了したか否かを判定する(ステップS507)。本合成処理が終了しないと(ステップS507において、NO)、画像処理制御部102は本合成処理を継続する。
【0066】
本合成処理が終了すると(ステップS507において、YES)、画像処理制御部102は本合成画像を縮小処理部203でリサイズした後、当該本合成画画像を画像表示部103に表示する(ステップS508)。そして、画像処理制御部102は画像表示処理を終了する。
【0067】
ステップS501において、第2の合成処理表示機能がオフであると(ステップS501において、NO)、CPUは画像処理制御部102にその旨通知する。これによって、画像処理制御部102は第1の合成処理表示機能で動作する。
【0068】
第1の合成処理表示機能においては、画像処理制御部102は画像表示部103に連写中である旨を示すステータスを表示する(ステップS509)。その後、画像処理制御部102はステップS507に移行して、本合成処理が終了したか否かを判定する。
【0069】
ここで、連続撮影によって得られた画像と画像表示部に表示される画像のイメージについて説明する。
【0070】
図6は、5枚の連続撮影の結果得られた時間的に連続した5枚の画像を示す図である。また、図7は、図6に示す5枚の画像について合成処理を行った際の画像のイメージを説明するための図である。そして、図8は、図1に示す画像表示部103に表示されるステータス表示および本合成画像のイメージを説明するための図である。
【0071】
いま、連続撮影を行って、図6に示す連続した5枚の画像を得たものとする。まず、これら5枚の画像について前述したように、順次合成処理が行われる。図7において、1枚目の表示画像は、図6に示す1枚目の撮影画像をリサイズした画像である。2枚目の表示画像は図6に示す1枚目の表示画像と2枚目の撮影画像をリサイズした画像とを合成処理した結果得られたものである。3枚目の表示画像は図7に示す2枚目の表示画像と図6に示す3枚目の撮影画像をリサイズした画像とを合成処理した結果得られたものである。
【0072】
4枚目の表示画像は図7に示す3枚目の表示画像と図6に示す4枚目の撮影画像をリサイズした画像とを合成処理した結果得られたものである。そして、5枚目の表示画像は図7に示す4枚目の表示画像と図6に示す5枚目の撮影画像をリサイズした画像とを合成処理した結果得られたものである。
【0073】
前述の説明からように理解できるように、本合成処理に当たっては、図8に示すように、まず、画像表示部103にブラック表示が行われ、続いて、画像表示部103に連続撮影中を示すステータスが表示される。続いて、本合成処理中を示すステータスが画像表示部103に表示されて、その後、本合成画像が画像表示部103に表示されることになる。
【0074】
ここでは、図4のフローチャートで説明したように、連続撮影において最後の撮影が終了すると本合成処理が行われる。このため、図7に示す4枚目の表示画像が画像表示部103に表示された後、画像表示部103には、図8に示す3枚目の画像(合成処理中を示すステータス)が表示されることになる。なお、第2の画像メモリ205の容量が許すならば、そのまま4枚目の表示画像を表示し続けても良い。
【0075】
このように、第1の実施形態による画像処理装置では、本合成処理を開始する前に、図7に示す4枚目の表示画像において被写体ブレが生じているか否かをユーザが確認することができる。これによって、ユーザは、撮影の結果得られた画像が本合成処理に適する画像であるか否かを迅速に判断することができる。
【0076】
第1の実施形態では、本合成処理が終了するまでに要する時間の短縮を考慮したため、図7に示す4枚目の表示画像までが画像表示部103に表示された後、図8の2枚目に示す画像を画像表示部103に表示するようにしたが、図7に示す5枚目の表示画像も画像表示部103に表示するようにしてもよい。この際には、図7に示す5枚目の表示画像を画像表示部103に所定の時間だけ行った後、図8の2枚目に示す画像が画像表示部103に表示される。
【0077】
本実施形態では、経過表示処理において、本合成画像の生成で行われる画像合成処理に比べて処理時間を短縮するために予め撮影画像をリサイズして縮小し、合成処理を行った。しかし、これに限らず、本合成画像の生成で行われる画像合成処理を簡易的にした画像合成処理を画像合成処理部201に行わせるようにしてもよい。例えば、本合成画像の生成は撮像素子出力に起因するR(赤)、G(緑)、B(青)の画像データ(RAWデータ)の状態で合成を行うのに対して、簡易的な合成では、RAWデータをY(輝度)、UV(色差)の画像データ(YUVデータ)の状態に変換して合成を行うことで処理負荷や処理速度を低減するなどしてもよい。この場合、縮小処理部203を代わりに色変換部として、上述の処理を行うなどしてもよい。また、例えば本合成画像の生成においては、ブロックあるいは画素ごとに合成方法を異ならせるような複雑な合成を行うのに対して、簡易的な合成では、単純な加算あるいは加算平均の合成を行うなどしてもよい。さらには、本合成画像の生成は、合成前の画像あるいは合成後の画像に対して階調処理、色処理などの処理を行うのに対して、簡易的な合成ではその手順の一部を省略するなどしてもよい。
【0078】
なお、本実施形態においては、連続撮影の画像枚数を5枚としたが、連続撮影の画像枚数は2枚以上であればよく、この画像枚数はユーザによって任意に設定することができる。そして、合成する画像枚数は連続撮影した画像枚数よりも少なくてもよい。また、ここでは、簡易合成処理の際の画像合成比率を1/2としたが、この画像合成比率はユーザが任意に設定するようにしてもよい。
【0079】
加えて、ここでは、縮小処理の際には間引き処理を用いるようにしたが、例えば、オーバーサンプリングフィルタ、線形補間フィルタ、又はバイキュービックフィルタを用いて縮小処理を行うようにしてもよい。さらに、連続撮影中においては、図8の二枚目に示す画像の表示を行うようにしたが、他の画像を表示するようにしてもよい。また、撮影画像の解像度および表示解像度をそれぞれ3840×2880およびVGA(640×480)としたが、撮影画像の解像度および表示解像度はこれに限定されるものではない。
【0080】
さらに、簡易的な合成および本合成画像を生成するための合成は同一の合成回路でかつ異なる期間で行われることになる。また、所定の枚数の画像が取得された後、本合成画像が生成されるまでの間は、本合成画像生成のための合成が行われる直前に合成された合成画像が表示される。
【0081】
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0082】
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を、画像処理装置に実行させるようにすればよい。この際、制御方法は、少なくとも取得ステップ、縮小ステップ、合成ステップ、および表示ステップを有する。また、制御方法は、簡易合成ステップ、第1の表示ステップ、本合成ステップ、および第2の表示ステップを有するようにしてもよい。また、上述の実施の形態の機能を手順として記述されたプログラムをコンピュータによって実行可能な制御プログラムとして、この制御プログラムを画像処理装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
【0083】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0084】
101 画像入力部
102 画像処理制御部
103 画像表示部
104 フォーマット制御部
105 記録・読み出し部
106 記録メディア
107 操作部
201 画像合成処理部
202 縮小処理部
203 縮小処理部
204,205 画像メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の画像を順次、取得する取得手段と、
前記取得手段で取得される画像を順次、メモリに記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された画像を縮小する第1の縮小手段と、
複数枚の画像を合成処理する合成手段と、
前記合成手段から出力される画像を記憶する第2の記憶手段と、
入力される画像を表示する表示手段と、を有し、
前記取得手段によって所定の枚数の画像が取得される前には、
前記第1の縮小手段は、前記第1の記憶手段に記憶された画像を順次、縮小し、
前記合成手段は、前記第1の縮小手段で縮小された画像と前記第2の記憶手段に記憶された前回の合成画像とを順次合成して合成画像を生成し、当該合成画像を第2の記憶手段に今回の合成画像として記憶し、
前記表示手段は、前記合成手段から出力された画像を表示部に順次、表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記合成手段で合成された画像を縮小する第2の縮小手段と、
前記合成手段で合成された画像を記録する記録手段と、を有し、
前記取得手段によって所定の枚数の画像が取得された後には、
前記合成手段は、前記第1の記憶手段に記憶され前記第1の縮小手段によって縮小されていない画像と前記第2の記憶手段に記憶された前回の合成画像とを順次合成して本合成画像を生成し、当該本合成画像を第2の記憶手段に今回の合成画像として記憶し、
前記第2の縮小手段は、前記合成手段で前記所定の枚数の合成がなされた本合成画像を縮小し、
前記表示手段は、前記第2の縮小手段より出力された画像を前記表示部に表示し、
前記記録手段は、前記本合成画像を記録することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記取得手段によって所定の枚数の画像が取得された後、前記合成手段で前記本合成画像が生成されるまでの間は、前記本合成画像生成のための合成が行われる直前に合成された合成画像を表示することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1の縮小手段は、前記表示手段の表示の画像サイズに合わせて画像を縮小することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数枚の画像を順次、取得する取得手段と、
複数枚の画像を合成する合成手段と、
画像を表示する表示手段と、を有し、
前記取得手段によって所定の枚数の画像が取得される前には、
前記合成手段は、前記取得手段で取得された画像を順次、簡易的に合成した合成画像を出力し、
前記表示手段は、前記合成手段から出力された前記簡易的な合成画像を表示し、
前記取得手段によって所定の枚数の画像が取得された後には、
前記合成手段は、前記取得手段で取得された画像を前記所定の枚数分で合成した本合成画像を出力し、
前記表示手段は、前記合成手段から出力された本合成画像を表示部に表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記合成手段は、前記取得手段で取得された画像を縮小してから順次合成することで簡易的な合成を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記合成手段は、前記本合成画像の生成はRAWデータで行い、前記簡易的な合成はYUVデータで行うことを特徴とする請求項5または6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記合成手段は、前記簡易的な合成及び前記本合成画像を生成するための合成を同一の合成回路で、かつ異なる期間で行うことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記複数枚の画像を撮影する撮影手段と、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
画像を取得する取得手段と、前記取得手段で取得される画像をメモリに記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された画像を縮小する第1の縮小手段と、複数枚の画像を合成処理する合成手段と、前記合成手段から出力される画像を記憶する第2の記憶手段と、を有する画像処理装置の制御方法であって、
取得手段が、複数枚の画像を順次、取得する取得ステップと、
前記取得手段によって所定の枚数の画像が取得される前に、
前記第1の縮小手段が、前記第1の記憶手段に記憶された画像を順次、縮小する縮小ステップと、
前記合成手段が、前記第1の縮小手段で縮小された画像と前記第2の記憶手段に記憶された前回の合成画像とを順次合成して合成画像を生成し、当該合成画像を第2の記憶手段に今回の合成画像として記憶する合成ステップと、
前記合成手段から出力された画像を表示部に順次、表示する表示ステップと、を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項11】
複数枚の画像を順次、取得する取得手段と、複数枚の画像を合成する合成手段と、
画像を表示する表示手段と、を有する画像処理装置の制御方法であって、
前記取得手段によって所定の枚数の画像が取得される前に、
前記合成手段が、前記取得手段で取得された画像を順次、簡易的に合成した合成画像を出力する簡易合成ステップと、
前記表示手段が、前記合成手段から出力された前記簡易的な合成画像を表示部に表示する第1の表示ステップと、を有し、
前記取得手段によって所定の枚数の画像が取得された後に、
前記合成手段が、前記取得手段で取得された画像を前記所定の枚数分で合成した本合成画像を出力する本合成ステップと、
前記表示手段が、前記合成手段から出力された本合成画像を表示部に表示する第2の表示ステップと、を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載の画像処理装置の制御方法の手順が記述されたコンピュータで実行可能なプログラム。
【請求項13】
コンピュータに、請求項10または11に記載の画像処理装置の制御方法の各ステップを実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−248998(P2012−248998A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117923(P2011−117923)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】