説明

画像処理装置、画像形成装置及びプログラム

【課題】うら表紙に該当する最終出力ページとそれ以外とで異なる処理が指定されていても、印刷処理を実行する前に画像情報を最後まで読み出す必要なく指定どおりの処理を可能とする。
【解決手段】各ページの開始及び終了の少なくとも一方を示すページ情報を含む画像情報、及び前記画像情報の印刷形態における最終ページとそれ以外とでそれぞれ処理内容を指定した指定情報を含む印刷データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記印刷データの最終ページが読み出される前に前記記憶手段に記憶されている前記画像情報をページ単位で処理を開始すると共に、当該読み出したページに対し前記指定情報に応じて定まるページ以降のページ情報が無かった場合に前記最終ページに対して指定された前記指定情報に応じた処理を行う処理手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表紙及びうら表紙となる表紙ページデータおよび本文となる本文ページデータとを連続してコントローラから印刷装置へ送信し、印刷装置は表紙ページデータおよび本文ページデータを、それぞれ異なって設定された印刷書式に基づいて、異なった種類の印刷用紙に印刷し、表紙部と本文部に該当する印刷済みの用紙を連続的に自動製本機に供給する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−361967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
印刷データにおいてうら表紙に該当する最終出力ページとそれ以外とで異なる処理が指定された場合には、印刷処理を実行する前に画像情報を最後まで読み出すことで最終出力ページを認識し、最終出力ページとそれ以外とで異なる処理を行っていた。
【0004】
本発明は、うら表紙に該当する最終出力ページとそれ以外とで異なる処理が指定されていても、印刷処理を実行する前に画像情報を最後まで読み出す必要なく指定どおりに処理ができる画像処理装置、画像形成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像処理装置に係る発明は、各ページの開始及び終了の少なくとも一方を示すページ情報を含む画像情報、及び前記画像情報の印刷形態における最終ページとそれ以外とでそれぞれ処理内容を指定した指定情報を含む印刷データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記印刷データの最終ページが読み出される前に前記記憶手段に記憶されている前記画像情報をページ単位で処理を開始すると共に、当該読み出したページに対し前記指定情報に応じて定まるページ以降のページ情報が無かった場合に前記最終ページに対して指定された前記指定情報に応じた処理を行う処理手段と、を備えている。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記印刷データは画像の形成の処理の終了を示す終了情報を含み、前記処理手段は、前記終了情報が読み出された場合に前記画像情報に対する前記ページ単位の処理を終了するものである。
【0007】
また、請求項3に記載の画像形成装置に係る発明は、各ページの開始及び終了の少なくとも一方を示すページ情報を含む画像情報、及び前記画像情報の印刷形態における最終ページとそれ以外とでそれぞれ処理内容を指定した指定情報を含む印刷データを受信する受信手段と、前記受信手段で受信した印刷データを順次記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記印刷データの最終ページが読み出される前に前記記憶手段に記憶されている前記画像情報をページ単位で処理を開始すると共に、当該読み出したページに対し前記指定情報に応じて定まるページ以降のページ情報が無かった場合に前記最終ページに対して指定された前記指定情報に応じた処理を行う処理手段と、前記処理手段によって処理された画像情報に基づいて画像を形成する画像形成手段と、を備えたものである。
【0008】
また、請求項4に記載の画像形成装置に係る発明は、各ページの開始及び終了の少なくとも一方を示すページ情報を含む画像情報、及び前記画像情報の印刷形態における最終ページとそれ以外とでそれぞれ処理内容を指定した指定情報を含む印刷データを受信する受信手段と、前記受信手段で受信した印刷データを順次記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記印刷データの最終ページが読み出される前に前記記憶手段に記憶されている前記画像情報をページ単位で処理を開始すると共に、当該読み出したページに対し前記指定情報に応じて定まるページ以降のページ情報が無かった場合に前記最終ページに対して指定された前記指定情報に応じた処理を行う処理手段と、前記処理手段によって処理された画像情報に基づいた画像を前記指定情報に基づいて選択された用紙に形成する画像形成手段と、を備えたものである。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、各ページの開始及び終了の少なくとも一方を示すページ情報を含む画像情報、及び前記画像情報の印刷形態における最終ページとそれ以外とでそれぞれ処理内容を指定した指定情報を含む印刷データを記憶する記憶手段を備えた画像処理装置におけるプログラムであって、コンピュータを、前記記憶手段に記憶されている前記印刷データの最終ページが読み出される前に前記記憶手段に記憶されている前記画像情報をページ単位で処理を開始すると共に、当該読み出したページに対し前記指定情報に応じて定まるページ以降のページ情報が無かった場合に前記最終ページに対して指定された前記指定情報に応じた処理を行う処理手段と、して機能させるためのプログラムである。
【0010】
さらに、請求項6に記載の発明は、コンピュータを、請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置を構成する前記処理手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、請求項5、及び請求項6に記載の発明によれば、うら表紙に該当する最終出力ページとそれ以外のページとで異なる処理が指定されていても、印刷処理を実行する前に画像情報を最後まで読み出すことなく印刷処理を開始することが可能となる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明によれば、終了情報を読み出すまで画像情報に対するページ単位の処理を繰り返し行うことが可能となる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明によれば、うら表紙に該当する最終出力ページとそれ以外のページとで異なる処理が指定されていても、印刷処理を実行する前に画像情報を最後まで読み出すことなく印刷処理を開始し、上記異なる処理に基づいて画像を形成することが可能となる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明によれば、うら表紙に該当する最終出力ページとそれ以外のページとで異なる処理が指定されていても、印刷処理を実行する前に画像情報を最後まで読み出すことなく印刷処理を開始し、うら表紙に該当する最終出力ページがそれ以外のページとは異なる用紙が指定されていても、当該異なる用紙に応じた画像を形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1には、本実施の形態に係る画像形成装置10の全体構成が示されている。
【0017】
同図に示すように、画像形成装置10は、画像情報により示される画像を記録用紙Pに形成する印刷処理を行う画像形成エンジン部14と、画像形成エンジン部14へ記録用紙Pを供給する給紙部16と、を備えている。
【0018】
画像形成エンジン部14は、感光体ドラム20を備えており、感光体ドラム20は、回転軸を有し、当該回転軸を中心として矢印A方向に回転した状態で画像情報により示されるトナー像が形成される。
【0019】
感光体ドラム20の上方には、帯電器22が配置されている。帯電器22は、感光体ドラム20の表面に接触する帯電ロール22Aを備え、当該帯電ロール22Aによって、直流電圧に交流電圧が重畳された重畳電圧により感光体ドラム20の表面を帯電させる。
【0020】
感光体ドラム20の帯電ロール22Aとの接触位置よりも回転方向下流側には、光走査装置24が配置されている。光走査装置24は、光ビームを照射するレーザダイオードを備え、回転多面鏡によって感光体ドラム20の回転軸の軸線方向に沿って上記光ビームを走査することで、帯電器22によって帯電された感光体ドラム20の表面に画像情報により示される静電潜像を形成する。
【0021】
感光体ドラム20の光ビームの走査位置よりも回転方向下流側には、現像器26が配置されている。現像器26は、感光体ドラム20の表面との間隔が所定間隔となるように配置されている現像ローラ26Aを備えている。現像器26は、内部にトナーを貯留しており、現像ローラ26Aが回転することにより内部に貯留されたトナーを感光体ドラム20と対向する位置に搬送し、感光体ドラム20に形成された静電潜像にトナーを電気的に付着させることにより、感光体ドラム20に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0022】
さらに、感光体ドラム20の現像器26との対向位置よりも回転方向下流側には、無端状の中間転写ベルト28が配置されている。この中間転写ベルト28は、複数のローラ29に巻掛けられており、感光体ドラム20の表面に接触するように配置されている。各ローラ29は、中間転写ベルト28を感光体ドラム20の回転方向とは逆方向の同図矢印B方向に回転させる。
【0023】
感光体ドラム20と中間転写ベルト28とが接触する位置における中間転写ベルト28に対して感光体ドラム20と反対側には、中間転写ベルト28を感光体ドラム20とで挟持するように転写器32が配置されている。転写器32は、各ローラ29によって回転された状態の中間転写ベルト28に対して所定のバイアス電圧を印加し、感光体ドラム20の回転によって中間転写ベルト28と接触する位置に搬送されるトナー像を、上記所定のバイアス電圧と上記トナー像の電位差によって、中間転写ベルト28に転写する。
【0024】
感光体ドラム20の中間転写ベルト28との接触位置よりも回転方向下流側にはクリーニング装置30が配置されている。クリーニング装置30は、感光体ドラム20の表面に接触するように配置されているクリーニングブレード30Aを備えている。クリーニング装置30は、トナー像が中間転写ベルト28に転写された後に、クリーニングブレード30Aにより転写後の感光体ドラム20の表面を摺擦して当該表面に残留する残留トナーを回収すると共に、接触位置に残留トナーの一部を保持し、当該保持した残留トナーによって感光体ドラム20の表面を研磨することにより表面に付着した放電生成物を除去する。
【0025】
一方、給紙部16は、複数の給紙部34を備えている。各給紙部34内には記録用紙Pが複数枚積層された状態で収容される。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10は、各給紙部34内に各々異なる用紙サイズの記録用紙P、紙質の異なる記録用紙Pを収容している。
【0026】
各給紙部34には、取り出しローラ36が配置されている。記録用紙Pは、取り出しローラ36が回転することにより給紙部34から一枚ずつ取り出され、複数のローラ対38によって搬送経路40を介して、中間転写ベルト28からトナー像が転写される転写位置へ搬送される。
【0027】
当該転写位置には、転写器48が配置されており、転写位置へ搬送された記録用紙Pは、転写器48によって中間転写ベルト28上のトナー像が転写される。転写器48よりも記録用紙Pの搬送方向下流側には、2個のローラ50に巻き掛けられた無端状の搬送ベルト52が設けられている。トナー像が転写された記録用紙Pは、搬送ベルト52によって定着器54が配置されている位置に搬送され、定着器54によってトナー像が加熱定着された後に排紙部60に排紙される。
【0028】
また、画像形成装置10は、両面印刷用の反転経路56を備えている。反転経路56は、片面に画像が形成された記録用紙Pの表裏を反転する。表裏が反転された記録用紙Pは、再び転写位置に搬送されることで、両面に画像が形成される。
【0029】
図2には、本実施の形態に係る画像形成装置10の電気系の要部構成が示されている。
【0030】
画像形成装置10は、画像形成装置10全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)70、各種プログラムや各種パラメータ、各種テーブル情報等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)72、CPU70による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)74、各種情報を記憶したり、後述する外部インタフェース82で受信された印刷データ(図3を参照)を順次記憶するHDD(Hard Disk Drive)76、各種の操作指示が入力される操作ボタンやテンキー、各種のメッセージ等を表示するための表示部が設けられた操作パネル78を備えている。
【0031】
さらに、画像形成装置10は、光走査装置24や現像器26等の印刷処理に用いられる制御対象と接続され、各制御対象の駆動を制御する画像形成制御部80、通信回線を介して接続された外部の端末装置と接続され、当該端末装置との間で上記印刷データを受信したり、各種情報を送受信する外部インタフェース82を備えている。
【0032】
これらCPU70、ROM72、RAM74、HDD76、操作パネル78、画像形成制御部80、外部インタフェース82は、システムバス84を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU70は、ROM72、RAM74及びHDD76へのアクセス、操作パネル78に対する操作状態の把握や各種のメッセージ等の表示、画像形成制御部80の動作の制御、及び外部インタフェース82を介した端末装置との各種情報の送受信を各々行なうことができる。
【0033】
図3には、本実施の形態に係る画像形成装置10が、外部インタフェース82を介して端末装置から受信する印刷データの構成を示す模式図の一例が示されている。なお、本実施の形態に係る印刷データは、各ページの開始を示すページ開始コマンド及び終了を示すページ終了コマンドを含む画像情報を含んでいる。また、本実施の形態に係る印刷データに含まれる画像情報として、例えば、PDL(Page Description Language)形式の画像情報を適用する。
【0034】
同図に示すように、印刷データに含まれる画像情報の先頭には、当該画像情報により示される画像を記録用紙Pに形成する処理(以下、「印刷処理」という。)の開始を示すジョブ開始コマンドが記述されている。
【0035】
また、画像情報は、各ページの開始を示すページ開始コマンド及び終了を示すページ終了コマンドによってページ単位で区切られており、ページ開始コマンドとページ終了コマンドとの間に記録用紙Pに形成する画像を示すページデータが記述されている。
【0036】
そして、画像情報の最後には、画像の形成処理の終了を示すジョブ終了コマンドが記述されており、画像形成装置10は、ジョブ終了コマンドを読み出した場合に、印刷処理の実行を終了する。
【0037】
また、印刷データは、画像情報の印刷形態における最終ページとそれ以外とでそれぞれ処理内容を指定した処理指定コマンドを含んでいる。なお、上記処理内容として、より具体的には、最終ページであるうら表紙及び表紙(以下、「表紙部」という。)と本文とで記録用紙Pの紙質を変更するか否か、表紙部と本文とで記録用紙Pの用紙サイズを変更するか否か等であり、その他に両面印刷するか否かも上記処理内容として指定される。当該処理指定コマンドは、例えば、ジョブ制御言語により記述されている。
【0038】
なお、処理指定コマンドにより、両面印刷が指定されている場合は、先頭から2ページ分のページデータが表紙を形成する画像を示し、最終ページを含む最後の2ページ分のページデータがうら表紙を形成する画像を示し、表紙とうら表紙との間のページデータが本文を形成する画像を示す。一方、処理指定コマンドにより、片面印刷が指定されている場合は、先頭から1ページ分のページデータが表紙を形成する画像を示し、最終ページのページデータがうら表紙を形成する画像を示す。図4に、処理指定コマンドによって片面印刷が指定されると共に表示部と本文とで異なる記録用紙Pが指定されている場合における、印刷結果を示す。なお、以下の説明では、表紙部が形成される記録用紙Pを記録用紙P1とする。
【0039】
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、上記処理指定コマンドにより指定された処理の内容(画像が形成される記録用紙Pの紙質、記録用紙Pの用紙サイズ等の変更)に基づいて、何れの色空間で処理を行うべきかを各々判定し、判定結果に基づき必要に応じて色空間変換処理を行った後に、例えば色補正処理や濃度補正処理、画像圧縮処理等をページデータに施す処理(以下、「デコンポーズ処理」という。)を実行し、デコンポーズ処理が施されたページデータにより示される画像を記録用紙Pに形成する。例えば、表紙部と本文とで異なる紙質の記録用紙Pに画像を形成する場合は、表紙部に対応するページのページデータに対しては、表紙部に対応した記録用紙Pの紙質や用紙サイズ等に応じたデコンポーズ処理を施し、本文に対応するページデータに対しては、本文に対応した記録用紙Pの紙質や用紙サイズ等に応じたデコンポーズ処理を施す。
【0040】
しかし、本実施の形態に係る画像形成装置10は、ページデータを先頭のページから順に読み出して印刷処理を実行するため、ジョブ終了コマンドを読み出したときに最後のページデータの読み出しが終了したことを認識する。そのため、処理指定コマンドによってうら表紙と本文とで異なる処理の内容が指定されていても、ジョブ終了コマンドを読み出したときには、うら表紙を示すページデータに対する印刷処理が終了しており、処理指定コマンドにより指定される処理に対応できない。
【0041】
このため、画像情報により示されるページ数を予め読み出し、うら表紙に対応するページのページデータを読み出したときに、うら表紙に対応する処理を施すことも考えられる。しかし、画像情報からページ数を読み出すためには、印刷処理を実行する前に画像情報を最後まで読み出してページ開始コマンド又はページ終了コマンドの数を読み出す処理を必要とするため、印刷処理に要する時間が長くなり、且つページ数を読み出すためのメモリを更に必要とする。
【0042】
そこで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、HDD76に記憶されている印刷データの最終ページが読み出される前にHDD76に記憶されている画像情報をページ単位で処理を開始すると共に、当該読み出したページに対し処理指定コマンドに応じて定まるページ以降のページ開始コマンドが無かった場合に最終ページに対して指定された処理指定コマンドに応じた処理を行う。
【0043】
なお、上記処理指定コマンドに応じて定まるページとは、両面印刷をするか否か、すなわち、うら表紙の両面に画像を形成するか否かに応じて定まるページである。処理指定コマンドが片面印刷を指定している場合は、うら表紙は1ページで形成されるため、上記処理指定コマンドに応じて定まるページ(以下、「先読みページ数」という。)は1ページと定められ、処理指定コマンドが両面印刷を指定している場合は、うら表紙は2ページで形成されるため、上記先読みページ数は2ページと定められる。
【0044】
次に、図5を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。なお、図5は、印刷処理の開始指示が画像形成装置10に入力された場合に、CPU70によって実行される画像形成プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM72の所定領域に予め記憶されている。
【0045】
まず、ステップ100では、処理指定コマンドを読み出す。
【0046】
次のステップ102では、処理指定コマンドによって両面印刷が指示されているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ104へ移行し、否定判定となった場合はステップ106へ移行する。
【0047】
ステップ104では、両面印刷が指示されている場合はうら表紙の両面に画像を形成する場合であるので、先読みページ数Nを2に設定する。
【0048】
ステップ106では、片面印刷が指示されている場合はうら表紙の片面に画像を形成する場合であるので、先読みページ数Nを1に設定する。
【0049】
次のステップ108では、HDD76に記憶されている画像情報をページ単位で読み出す。
【0050】
次のステップ110では、処理指定コマンドに基づいて表紙に対して指定された処理(取り出しローラ36によって、表紙に対して指定された紙質、及び用紙サイズの記録用紙P1を対応する給紙部34から取り出させる処理等)を実行する。
【0051】
次のステップ112では、ページ単位で読み出した画像情報に基づいて画像を記録用紙P1に形成する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10は、ページ単位で読み出した画像情報に対して、表紙として指定された記録用紙P1の紙質等に応じた画像処理を実行し、当該画像処理を実行した画像情報に基づいて画像を記録用紙P1に形成する。
【0052】
次のステップ114では、表紙の形成が終了したか否かを判定する。なお、ステップ102における処理によって両面印刷と判定された場合は、最初の2ページに対して表紙の形成が終了した場合に肯定判定と判定し、ステップ102における処理によって片面印刷と判定された場合は、最初の1ページに対して表紙の形成が終了した場合に肯定判定と判定し、ステップ116へ移行する。一方、否定判定となった場合はステップ108へ戻る。
【0053】
ステップ116では、HDD76に記憶されている画像情報をページ単位で読み出す。
【0054】
次のステップ118では、ステップ108で読み出したページ以降における先読みページ数Nのページ開始コマンドを読み出す。なお、先読みページ数Nに対応するページ開始コマンドを読み出す場合は、ページ開始コマンドに該当する初めの1バイト(byte)分を読み出し、それがページ開始コマンドであると認識できると、次のコマンドまで読み飛ばすとしてもよい。
【0055】
次のステップ120では、先読みページ数Nのページ開始コマンドを読み出せたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ122へ移行し、否定判定となった場合はステップ126へ移行する。なお、先読みページ数Nのページ開始コマンドを読み出せた場合とは、ステップ116で読み出したページの画像情報が本文を示す画像情報の場合であり、先読みページ数Nのページ開始コマンドを読み出せない場合とは、ステップ116で読み出したページの画像情報がうら表紙を示す画像情報の場合である。
【0056】
ステップ122では、処理指定コマンドに基づいて本文に対して指定された処理(取り出しローラ36によって、本文に対して指定された紙質、及び用紙サイズの記録用紙Pを対応する給紙部34から取り出させる処理等)を実行する。
【0057】
次のステップ124では、ページ単位で読み出した画像情報に基づいて画像を記録用紙Pに形成し、ステップ116へ戻る。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10は、ページ単位で読み出した画像情報に対して、本文として指定された記録用紙Pの紙質等に応じた画像処理を実行し、当該画像処理を実行した画像情報に基づいて画像を記録用紙Pに形成する。
【0058】
ステップ126では、処理指定コマンドに基づいてうら表紙に対して指定された処理(取り出しローラ36によって、うら表紙に対して指定された紙質、及び用紙サイズの記録用紙P1を対応する給紙部34から取り出させる処理等)を実行する。
【0059】
次のステップ128では、ページ単位で読み出した画像情報に基づいて画像を記録用紙P1に形成し、ステップ130へ移行する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10は、ページ単位で読み出した画像情報に対して、うら表紙として指定された記録用紙P1の紙質等に応じた画像処理を実行し、当該画像処理を実行した画像情報に基づいて画像を記録用紙P1に形成する。
【0060】
ステップ130では、画像情報からジョブ終了コマンドを読み出したか否かを判定し、肯定判定となった場合は本プログラムを終了し、否定判定となった場合はステップ116へ戻り、ジョブ終了コマンドを読み出すまでステップ116〜ステップ128の処理を繰り返す。
【0061】
以上、本発明を上記実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0062】
また、上記実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における組み合わせにより種々の発明を抽出できる。上記実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0063】
例えば、上記実施の形態では、ページ開始コマンドを先読みページ数として読み出す場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ページ終了コマンドを先読みページ数として読み出す形態、ページ開始コマンド及びページ終了コマンドを先読みページ数として読み出す形態としてもよい。
【0064】
また、上記実施の形態では、印刷処理の対象となる画像情報をPDL形式の画像情報として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ページ単位で区切られた画像情報であれば、他の形式の画像情報を印刷処理の対象とする形態としてもよい。
【0065】
また、上記実施の形態では、両面印刷が指定されている場合は表紙部及び本文共に両面印刷が指定されているとし、片面印刷が指定されている場合は表紙部及び本文共に片面印刷が指定されているとする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本文に対しては両面印刷が指定され、表紙部に対しては片面印刷が指定されている形態、又は本文に対しては片面印刷が指定され、表紙部に対しては両面印刷が指定されている形態としてもよい。
【0066】
また、上記実施の形態では、HDD76に記憶されている画像情報をページ単位で読み出す場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、外部インタフェース82を介して接続されている端末装置に記憶されている画像情報をページ単位で読み出す形態としてもよい。この形態の場合、上記端末装置において、端末装置の記憶部に記憶されている印刷データの最終ページが読み出される前に端末装置の記憶部に記憶されている画像情報をページ単位で処理を開始すると共に、当該読み出したページに対し処理指定コマンドに応じて定まるページ以降のページ開始コマンド又はページ終了コマンドが無かった場合に最終ページに対して指定された処理指定コマンドに応じた処理を行う。
【0067】
また、上記実施の形態では、表紙部及び本文を記録用紙Pに形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表紙は記録用紙Pに形成せずに、本文及びうら表紙を記録用紙Pに形成する形態としてもよい。
【0068】
その他、上記実施の形態で説明した画像形成装置10の構成(図1及び図2参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりすることができることは言うまでもない。
【0069】
また、上記実施の形態で説明した画像形成プログラムプログラムの処理の流れ(図5参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。また、上記実施の形態では、画像形成プログラムがROM72に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に係る画像形成プログラムは、HDD76に予め記憶する形態、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の破断側面図である。
【図2】実施の形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係る画像形成装置によって本文が形成される記録用紙と、表紙又はうら表紙が形成される記録用紙とが異なることを示す図である。
【図4】実施の形態に係る画像情報の構成を示す模式図である。
【図5】実施の形態に係る画像形成プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
10 画像形成装置
70 CPU(処理手段)
76 HDD(記憶手段)
82 外部インタフェース(受信手段)
P 記録用紙(用紙)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ページの開始及び終了の少なくとも一方を示すページ情報を含む画像情報、及び前記画像情報の印刷形態における最終ページとそれ以外とでそれぞれ処理内容を指定した指定情報を含む印刷データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記印刷データの最終ページが読み出される前に前記記憶手段に記憶されている前記画像情報をページ単位で処理を開始すると共に、当該読み出したページに対し前記指定情報に応じて定まるページ以降のページ情報が無かった場合に前記最終ページに対して指定された前記指定情報に応じた処理を行う処理手段と、
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記印刷データは画像の形成の処理の終了を示す終了情報を含み、
前記処理手段は、前記終了情報が読み出された場合に前記画像情報に対する前記ページ単位の処理を終了する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
各ページの開始及び終了の少なくとも一方を示すページ情報を含む画像情報、及び前記画像情報の印刷形態における最終ページとそれ以外とでそれぞれ処理内容を指定した指定情報を含む印刷データを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した印刷データを順次記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記印刷データの最終ページが読み出される前に前記記憶手段に記憶されている前記画像情報をページ単位で処理を開始すると共に、当該読み出したページに対し前記指定情報に応じて定まるページ以降のページ情報が無かった場合に前記最終ページに対して指定された前記指定情報に応じた処理を行う処理手段と、
前記処理手段によって処理された画像情報に基づいて画像を形成する画像形成手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項4】
各ページの開始及び終了の少なくとも一方を示すページ情報を含む画像情報、及び前記画像情報の印刷形態における最終ページとそれ以外とでそれぞれ処理内容を指定した指定情報を含む印刷データを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した印刷データを順次記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記印刷データの最終ページが読み出される前に前記記憶手段に記憶されている前記画像情報をページ単位で処理を開始すると共に、当該読み出したページに対し前記指定情報に応じて定まるページ以降のページ情報が無かった場合に前記最終ページに対して指定された前記指定情報に応じた処理を行う処理手段と、
前記処理手段によって処理された画像情報に基づいた画像を前記指定情報に基づいて選択された用紙に形成する画像形成手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項5】
各ページの開始及び終了の少なくとも一方を示すページ情報を含む画像情報、及び前記画像情報の印刷形態における最終ページとそれ以外とでそれぞれ処理内容を指定した指定情報を含む印刷データを記憶する記憶手段を備えた画像処理装置におけるプログラムであって、
コンピュータを、
前記記憶手段に記憶されている前記印刷データの最終ページが読み出される前に前記記憶手段に記憶されている前記画像情報をページ単位で処理を開始すると共に、当該読み出したページに対し前記指定情報に応じて定まるページ以降のページ情報が無かった場合に前記最終ページに対して指定された前記指定情報に応じた処理を行う処理手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置を構成する前記処理手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−52189(P2010−52189A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217259(P2008−217259)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】