説明

画像処理装置、省電力復帰制御方法、省電力復帰制御プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、省電力モードからの復帰時に、ハードディスク等の長時間起動不揮発性記憶手段を利用する動作を、速やかに開始する。
【解決手段】画像形成装置1は、メモリ容量が比較的小さく比較的起動時間の短い不揮発性メモリ14と、メモリ容量が比較的大きく比較的起動時間の長いハードディスク15と、を備えていて、少なくともハードディスク15への電力供給を停止して消費電力を削減る省エネモードへ移行した後、ハードディスク15を利用する処理動作を実行するための省エネ復帰要求が発生すると、該省エネモードからの復帰処理を開始して、不揮発性メモリ14が利用可能状態になると、データの蓄積先を不揮発性メモリ14として、要求されている該処理動作を開始し、ハードディスク15が利用可能状態になると、自動的に、または、ユーザの選択に応じて、データの蓄積先をハードディスク15に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、省電力復帰制御方法、省電力復帰制御プログラム及び記録媒体に関する。詳細には、省電力モードからの復帰時に、ハードディスク等の長時間起動不揮発性記憶手段を利用する動作を、速やかに開始する画像処理装置、省電力復帰制御方法、省電力復帰制御プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ装置、複合装置、スキャナ装置等の画像処理装置においては、ハードディスクに画像データを保存して、該ハードディスクに保存した画像データを印刷出力したり、外部装置に出力したり、あるいは、外部装置から送られてきた画像データをハードディスクに保存した後に、印刷出力したり、他の外部装置に出力したりすることが行われている。
【0003】
一方、近年、省エネルギー化が要望されている。画像処理装置においても、従来から、利用されない待機状態が所定の待ち時間経過すると、省エネ復帰の機能を行うASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイス以外への電力供給を切断して消費電力を削減する省エネモード(省電力モード)に移行することが行われている。省エネモードに移行後、操作表示部の操作、スキャナの原稿台への原稿セット、外部装置からの通信要求等の省エネ復帰要因が発生すると、ASICによってハードディスク等を含むデバイスに対して電力供給を行って、通常動作状態に復帰する。
【0004】
ところが、上述のように画像データを蓄積するハードディスク等の復帰にある程度の時間を必要とする長時間起動不揮発性記憶手段(以下、単に、ハードディスクという。)を備えた従来の画像処理装置においては、ハードディスクが使用可能な状態に復帰することが省エネモードからの復帰完了の条件となっている。このため、省エネモードから通常動作モードへの復帰時間がこのハードディスクの復帰に要する時間によって決定される。
【0005】
そして、従来、省エネモードへの移行時にメモリの状態及びCPU(Central Processing Unit)のレジスタの状態を表す状態情報を取得して、取得した状態情報を2つに分割した後、分割した状態情報を、読み出し可能となるまでの時間の異なる2種類の不揮発性のストレージデバイスにそれぞれ保存し、省エネモードからの復帰時に、先に読み出し可能となるストレージデバイスから順に、保存されている分割後の状態情報を取得して該状態情報をメモリ及びCPUのレジスタに再設定することにより省エネモード移行前の状態を復元する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、CPUの状態情報及びメモリの状態情報を読み出し可能状態となるまでの時間の異なる2種類の不揮発性メモリに記憶して、省エネ復帰時に、読み出し可能状態になった不揮発性メモリから順に情報を読み出してメモリ及びCPUに設定しているため、復帰時間を短縮することはできる。しかし、ハードディスク等の復帰にある程度の長時間を要する不揮発性メモリを利用する動作に対しては、考慮されていない。このため、ハードディスク等の不揮発性メモリを利用する動作に対しては、なお、ハードディスク等の不揮発性メモリの復帰に要する時間によって省エネモードからの復帰時間が決定され、利用性を向上させる上で、改良の必要があった。
【0007】
そこで、本発明は、ハードディスク等の長時間起動不揮発性記憶手段の復帰時間に関わらず、省電力モードからデータ蓄積やデータ読み出し等の動作処理が可能な状態への復帰に要する時間を短縮することのできる画像処理装置、省電力復帰制御方法、省電力復帰制御プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、第1記憶手段と、記憶容量が前記第1記憶手段より大きく、起動時間が前記第1記憶手段より長い第2記憶手段と、少なくとも前記第2記憶手段への電力供給を停止して消費電力を削減する省電力モードへ移行した後、該第2記憶手段を利用する処理動作を実行するための省電力復帰要求が発生すると、該省電力モードからの復帰処理を開始して前記第1記憶手段が利用可能状態になると、データの蓄積先を該第1記憶手段として前記処理動作を開始し、前記第2記憶手段が利用可能状態になると、データの蓄積先を該第2記憶手段に切り替える制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ハードディスク等の長時間起動不揮発性記憶手段の復帰時間に関わらず、省電力モードからデータ蓄積やデータ読み出し等の動作処理が可能な状態への復帰に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例を適用した画像形成装置の要部ブロック構成図。
【図2】データ蓄積先手動変更を伴う省エネ復帰処理の遷移図。
【図3】時間に基づくスキャナ枚数制限解除処理の遷移図。
【図4】ハードディスクからの復帰完了通知に基づくスキャナ枚数制限解除処理の遷移図。
【図5】省エネ復帰処理の一例を示すフローチャート。
【図6】スキャンファイルの取扱い方法の一例を示す図。
【図7】変形例1における省エネ復帰処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【0012】
(実施例1)
図1〜図7は、本発明の画像処理装置、省電力復帰制御方法、省電力復帰制御プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図である。図1は、本発明の画像処理装置、省電力復帰制御方法、省電力復帰制御プログラム及び記録媒体の一実施例を適用した画像形成装置1の要部ブロック構成図である。
【0013】
図1において、画像形成装置1は、コントローラ部2、エンジン部3、スキャナ部4、定着ヒータ5及びプロッタ部6等を備えている。また、画像形成装置1は、図示しないが、各種操作が行われて必要な情報を表示する操作表示部、および、外部のコンピュータ等の外部装置と接続してデータや信号の授受を行う通信部等を備えている。
【0014】
コントローラ部2は、CPU11、ASIC12、揮発性メモリ13、不揮発性メモリ14及びハードディスク(HDD)15等を備えている。エンジン部3は、2つのASIC21、ASIC22等を備えている。
【0015】
画像形成装置1は、待機状態が予め設定されている待ち時間が経過すると、消費電力の大きい所定部、例えば、定着ヒータ5、プロッタ部6、スキャナ部4、エンジン部3及びコントローラ部2のハードディスク15等への供給電力を停止、または、低減して消費電力を削減する省エネモード(省電力モード)を備えている。また、この省エネモードにおいて、スキャナ部4への原稿のセット、操作表示部の操作、外部装置からの通信要求等の復帰要因が発生すると、該復帰要因をASIC12が検出して、復帰要因によって要求されている動作を実施可能な状態に復帰する復帰処理を実行する。
【0016】
コントローラ部2のCPU11は、図示しないROM(Read Only Memory)やハードディスク15に記憶されている画像形成装置1の基本プログラム及び本発明の省電力復帰制御プログラムに基づいて、揮発性メモリ13をワークメモリとして利用しつつ、画像形成装置1の各部を制御して、画像形成装置1としての基本処理を実行する。
【0017】
ASIC(制御手段)12は、エンジン部3で処理されて送られてくる画像データに対して、CPU11の制御下で、所定の画像処理を施した後、画像処理後の画像データを不揮発性メモリ14またはハードディスク15に蓄積する。また、ASIC12は、省エネモードにおいても、電力供給され、省エネ復帰要因の発生を検出して、省エネ復帰処理を実行する。また、ASIC12は、後述する省エネモードからの復帰処理において、ハードディスク15を利用する動作モードへの復帰に対して、不揮発性メモリ14を活用して復帰時間を短縮する省電力復帰制御処理(省エネ復帰制御処理)を実行する。
【0018】
すなわち、画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の省電力復帰制御方法を実行する省電力復帰制御プログラムを読み込んでROMやハードディスク15に導入することで、後述する省エネモードからハードディスク15を利用する動作モードへの復帰時間を短縮して利用性を向上させる省電力復帰制御方法を実行する画像処理装置として構築されている。この省電力復帰制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に蓄積して頒布することができる。
【0019】
不揮発性メモリ(短時間起動不揮発性記憶手段)14は、ASIC12の制御下で、画像形成装置1の電源がオフの場合にも記憶すべき各種データを記憶する。また、不揮発性メモリ14は、後述する省電力復帰時に、省エネ高速復帰モードが設定されていると、スキャナ部4の読み取った原稿の画像データを、記憶する。
【0020】
ハードディスク(長時間起動不揮発性記憶手段)15は、CPU11の制御下で、ASIC12によって各種データやプログラム、特に、画像データが書き込まれ、また、読み出される。
【0021】
スキャナ部4は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )を利用したイメージスキャナが用いられる。スキャナ部4は、原稿を走査して、原稿の画像を所定の解像度で読み取ってエンジン部3のASIC21に出力する。
【0022】
エンジン部3は、スキャナ部4、定着ヒータ5及びプロッタ部6に接続され、これらの各部の動作を制御する。また、エンジン部3は、ASIC21、ASIC22によって画像データに画像処理を施す。エンジン部3では、ASIC21が、画像処理を施した画像データをコントローラ部2のASIC12に出力する。また、ASIC22が、スキャナ部4の読み取った画像データやコントローラ部2のハードディスク15から読み取った画像データに対して、プロッタ部6で印刷出力するのに必要な画像処理を施した後、プロッタ部6に出力して、プロッタ部6の動作を制御して、該画像データに基づいて画像を用紙に印刷出力させる。
【0023】
すなわち、ASIC21は、スキャナ部4の動作を制御してスキャナ部4に原稿の画像データを読み取らせ、スキャナ部4の読み取った原稿の画像データ(以下、適宜、スキャナデータという。)に対して所定の画像処理を施して、コントローラ部2に出力する。
【0024】
ASIC22は、ASIC21から受け取った画像データやコントローラ部2から受け取った画像データに対してプロッタ部6で印刷出力するのに適した画像処理を施して、プロッタ部6に出力し、プロッタ部6の動作を制御してプロッタ部6に用紙へ画像を印刷出力させる。また、ASIC22は、ASIC21から受け取った画像データやコントローラ部2から受け取った画像データに対して、外部装置に転送するのに適した画像処理を施して、通信部を介して外部装置に送信する。
【0025】
プロッタ部6は、電子写真方式のプロッタである。プロッタ部6は、図示しないが、電子写真方式で用紙に描画データに基づいて印刷処理を行うのに必要な部品、例えば、感光体、光書込部、現像部、帯電部及びクリーニング部等を備えている。プロッタ部6は、エンジン部3のASIC22からの画像データ及び制御信号により光書込部を動作させて感光体上に静電潜像を形成し、現像部によりトナーを感光体上に供給して現像してトナー画像を形成する。プロッタ部6は、給紙部から用紙を感光体と転写部との間に給紙して、感光体上のトナー画像を用紙に転写させ、トナー画像の転写された用紙を定着部に搬送する。定着部は、定着ヒータ5によって加熱されるとともに所定の一定回転速度で回転駆動される定着ローラと定着ローラに所定圧で接触して定着ローラとともに回転する加圧ローラを備えている。定着部が、トナー画像の転写された用紙を定着温度に加熱された定着ローラと加圧ローラによって加熱・加圧して用紙上のトナー画像を定着させることで、印刷処理を行う。
【0026】
定着ヒータ5は、エンジン部3のASIC22による通電制御によって発熱して、プロッタ部6の定着部の定着ローラを加熱する。
【0027】
そして、画像形成装置1では、省エネ復帰処理を開始してから利用可能状態になるまでの復帰時間は、各部によって異なる。例えば、定着ヒータ5によって加熱する定着ローラが利用可能な定着温度に安定するまでの復帰時間が最も長く、数十秒程度の復帰時間を必要とする。その他の部分で、利用可能状態になるまでの復帰時間は、ハードディスク15が最も長く、数秒の復帰時間を必要とする。
【0028】
次に、本実施例の作用について説明する。本実施例の画像形成装置1は、省エネモードにおいてハードディスク15を利用する動作への復帰要求が発生すると、ハードディスク15が復帰するまで待つことなく、アクセス先をハードディスク15の代わりに不揮発性メモリ14を利用する。これにより、要求されている動作を行うのに必要な復帰処理を速やかに完了して要求されている動作を実行する。
【0029】
すなわち、画像形成装置1は、待機モードで所定の待ち時間が経過すると、消費電力の大きい所定部、例えば、定着ヒータ5、プロッタ部6、スキャナ部4、ASIC21、22を含むエンジン部3、CPU11及びコントローラ部2のハードディスク15等への供給電力を停止、または、低減して消費電力を削減する省エネモードを備えている。省エネモードにおいて、ハードディスク15を利用する動作への復帰要求、例えば、スキャナ動作、外部装置からのデータ転送要求動作、データ送信要求動作等が発生すると、画像形成装置1は、省エネモードからの復帰処理を行う。画像形成装置1は、この復帰処理として、省エネ高速復帰モードと大量スキャンモードとを備えている。省エネ高速復帰モードは、画像データのアクセス先として、ハードディスク15の代わりに不揮発性メモリ14を利用することで、要求されている動作を行うのに必要な復帰処理を速やかに完了して、省エネ復帰要求で要求されている動作を速やかに実行するモードである。大量スキャンモードは、画像データのアクセス先として、ハードディスク15を利用して、ハードディスク15が利用可能状態になるまで待って、省エネ復帰要求で要求される動作を実行するモードである。この省エネ高速復帰モードと大量スキャンモードは、予め設定されて、不揮発性メモリ14に復帰時の初期設定復帰モードとして蓄積されている。ユーザは、操作表示部の操作等によって、初期設定復帰モードを、省エネ高速復帰モードと大量スキャンモードのいずれかに適宜切り替えることができる。なお、省エネ高速復帰モードは、記憶可能な容量がハードディスク15と比較して小さいため、スキャン可能枚数(処理可能データ量)が小さい。
【0030】
まず、蓄積先手動変更省エネ復帰処理について、図2に基づいて説明する。蓄積先手動変更省エネ復帰処理とは、省エネモードからの初期設定復帰モードが省エネ高速復帰モードである場合に、画像データの蓄積先を不揮発性メモリ14として、スキャナ部4で読み取った画像データ、および、外部装置から送られてきた画像データを蓄積し、ハードディスク15が利用可能状態になると、操作表示部での手動操作によって、画像データの蓄積先を不揮発性メモリ14からハードディスク15に切り替えて蓄積させる処理である。
【0031】
初期設定復帰モードが省エネ高速復帰モードに設定されている場合、スキャナ部4への原稿のセット、操作表示部の操作、外部装置からの通信要求等の復帰要因が発生(省エネ復帰信号が発生)すると、コントローラ部2のASIC12が、該復帰要因を検出する。ASIC12は、検出した復帰要因によって要求されている動作(ハードディスク15を使用する動作)を実施可能な状態に復帰する復帰処理を開始する。
【0032】
なお、以下の説明では、要求動作がスキャナ部4による原稿の読み取りを行って、読み取った画像データを蓄積することを要求する動作であるものとして説明する。要求動作が、外部装置から画像形成装置1に対して画像データを送信して画像形成装置1に蓄積を要求する動作である場合、および、画像形成装置1に蓄積されている画像データの外部装置への転送を要求する動作である場合等にも同様に適用することができる。
【0033】
省エネ復帰要因の要求が画像データの蓄積または画像データの転送を要求するものである場合、ハードディスク15の復帰時間として、上述のように、数秒程度の時間が必要である。このため、画像形成装置1は、少なくともハードディスク15が利用可能状態になるまでの間は、不揮発性メモリ14を画像データのアクセス先として設定し、画像データを不揮発性メモリ14に蓄積または不揮発性メモリ14から画像データを読み出す。そして、不揮発性メモリ14は、そのメモリ容量がハードディスク15に比較して小さいのが通常である。このため、スキャン可能枚数(処理可能データ量)が予め設定されており、省エネ復帰要求が発生したときに、CPU11が操作表示部のディスプレイに、スキャン可能枚数を表示したり、要求を行ってきた外部装置に送信して通知するようにしてもよい。
【0034】
画像形成装置1は、省エネ復帰処理を開始すると、スキャナ部4による原稿の読み取りを行うスキャナ機能が使用可能になったかチェックする。画像形成装置1は、スキャナ機能が使用可能(利用可能)状態になると、スキャナ部4で読み取った原稿の画像データ(スキャナデータ)の蓄積先を不揮発性メモリ14に割り当てる。画像形成装置1は、スキャナ部4で読み取った原稿のスキャナデータを順次不揮発性メモリ14に蓄積する。
【0035】
画像形成装置1は、上記スキャナデータの不揮発性メモリ14への蓄積を行ないつつハードディスク15の省エネ復帰処理を行う。ハードディスク15の復帰処理が完了して利用可能状態(HDD Ready)になると、画像形成装置1は、操作表示部のディスプレイにハードディスク15が利用可能状態に復帰した旨を表示して通知する。画像形成装置1が、外部装置にハードディスク15が利用可能状態に復帰した旨を通知するように構成してもよい。画像形成装置1は、ハードディスク15の利用可能情報の通知を行なっても、ユーザが操作表示部の操作等によって画像データの蓄積先を不揮発性メモリ14からハードディスク15に変更しない限り、不揮発性メモリ14へスキャナデータを蓄積する。画像形成装置1は、ユーザが画像データの蓄積先を不揮発性メモリ14からハードディスク15に変更すると、利用可能状態になったハードディスク15に蓄積先を変更してスキャナデータを順次蓄積する。
【0036】
また、画像形成装置1は、初期設定復帰モードが大量スキャンモードに設定されている場合、省エネ復帰要因が発生すると、省エネ復帰処理を開始する。ハードディスク15の復帰処理が完了すると、画像形成装置1は、スキャンデータをハードディスク15に蓄積する。この場合、スキャン可能枚数(データ量)は、ハードディスク15の空き容量の上限になる。
【0037】
上述のように、画像形成装置1は、スキャナ部4で読み取ったスキャナデータを、少なくともハードディスク15が利用可能状態になるまでの間、不揮発性メモリ14に蓄積する。したがって、画像形成装置1は、このようにして不揮発性メモリ14に画像データが蓄積されている状態で、省エネモードに移行して、この省エネモードにおいて、初期設定復帰モードが省エネ高速復帰モードのときに、省エネ復帰要因として外部装置からのアクセス要求が発生すると、不揮発性メモリ14が利用可能な状態に復帰した時点で、不揮発性メモリ14へのアクセスを許可することができる。したがって、画像データの転送処理を開始するまでの時間を、ハードディスク15を利用する場合に比較して、短縮することができる。
【0038】
また、画像形成装置1は、初期設定復帰モードが省エネ高速復帰モードの省エネモードにおいて、省エネ復帰要因として、外部装置から画像データを不揮発性メモリ14に蓄積するアクセス要求が発生すると、省エネ復帰処理を開始する。不揮発性メモリ14が利用可能状態になると、画像形成装置1は、不揮発性メモリ14へのアクセスを許可して、不揮発性メモリ14への画像データの蓄積を許可する。したがって、省エネ復帰処理開始から外部装置による画像データの転送処理を開始するまでの時間を、ハードディスク15を利用する場合に比較して、短縮することができる。
【0039】
そして、上記ハードディスク15の復帰処理の完了を判断してスキャン可能枚数制限を解除する判断方法としては、例えば、以下のような方法を適用できる。まず、図3に示すように、スキャナ機能が使用可能になった時点から規定復帰時間を予め設定して不揮発性メモリ14に記憶する。そして、画像形成装置1は、省エネモードにおいて、省エネ復帰要因が発生すると、省エネ復帰処理を開始する。スキャナ部4の復帰処理が完了してスキャナ機能が使用可能になると、画像形成装置1は、コントローラ部2内の図示しないタイマを利用して、規定復帰時間の計時を行う。規定復帰時間が経過すると、画像形成装置1は、スキャナ部4で読み取ったスキャナデータのハードディスク15への蓄積を可能にする。また、画像形成装置1は、省エネ復帰要因が外部装置からのアクセス要求であると、上述のように、不揮発性メモリ14へのアクセスについては、不揮発性メモリ14の利用が可能になった時点でアクセスを許可する。また、画像形成装置1は、ハードディスク15へのアクセスについては、スキャナ機能が使用可能になってから規定復帰時間が経過した時点で、ハードディスク15へのアクセスを可能にする。そして、この場合、ユーザが画像データの蓄積先を不揮発性メモリ14からハードディスク15に変更すると、利用可能状態になったハードディスク15に蓄積先を変更してスキャナデータを順次蓄積する。
【0040】
また、上記ハードディスク15の復帰処理の完了を判断してスキャン可能枚数制限を解除する判断方法としては、例えば、図4に示すように、ハードディスク15からの復帰完了通知(Ready信号)を受けたときに復帰処理が完了したと判断する方法を適用してもよい。
【0041】
この場合、画像形成装置1は、初期設定復帰モードが省エネ高速復帰モードに設定されている省エネモードにおいて、省エネ復帰要因、例えば、スキャナデータを蓄積するスキャナ動作を要求する省エネ復帰要因が発生すると、図4に示すように、省エネ復帰処理を開始する。スキャナ機能が使用可能になると、画像形成装置1は、スキャン可能枚数の制限のあるスキャナ部4による原稿の読み取りを開始して、読み取ったスキャナデータを不揮発性メモリ14に蓄積するという処理を原稿のページ毎に順次実行する。その後、ハードディスク15の復帰が完了して復帰完了通知(Ready)がハードディスク15から出力されると、ASIC12が、この復帰完了通知を検出する。復帰完了通知が検出されると、画像形成装置1は、スキャナデータの蓄積先を不揮発性メモリ14からハードディスク15に切り替え、スキャナ部4の読みとったスキャナデータをハードディスク15に蓄積する。
【0042】
なお、この場合にも、画像形成装置1は、ハードディスク15の復帰処理が完了して利用可能状態になると、操作表示部のディスプレイにハードディスク15が利用可能状態に復帰した旨を表示して通知したり、外部装置にハードディスク15が利用可能状態に復帰した旨を通知する。また、画像形成装置1が、ユーザが操作表示部の操作等によってスキャナデータの蓄積先を不揮発性メモリ14からハードディスク15に切り替え指示を行ったときにのみ、スキャナデータの蓄積先を不揮発性メモリ14からハードディスク15に切り替えるようにしてもよい。
【0043】
また、この場合にも、上述のように、画像形成装置1は、スキャナ部4で読み取ったスキャナデータを、少なくともハードディスク15が利用可能状態になるまでの間、不揮発性メモリ14に蓄積する。したがって、画像形成装置1は、このようにして不揮発性メモリ14に画像データが蓄積されている状態で、省エネモードに移行して、この省エネモードにおいて、初期設定復帰モードが省エネ高速復帰モードのときに、省エネ復帰要因として外部装置からのアクセス要求が発生すると、不揮発性メモリ14が利用可能な状態に復帰した時点で、不揮発性メモリ14へのアクセスを許可することができる。したがって、画像データの転送処理を開始するまでの時間を、ハードディスク15を利用する場合に比較して、短縮することができる。また、画像形成装置1は、初期設定復帰モードが省エネ高速復帰モードの省エネモードにおいて、省エネ復帰要因として、外部装置から画像データを不揮発性メモリ14に蓄積するアクセス要求が発生すると、省エネ復帰処理を開始する。不揮発性メモリ14が利用可能状態になると、画像形成装置1が、不揮発性メモリ14へのアクセスを許可して、不揮発性メモリ14への画像データの蓄積を許可する。したがって、画像データの転送処理を開始するまでの時間を、ハードディスク15を利用する場合に比較して、短縮することができる。
【0044】
以上のように、本実施例では、省エネモードからの高速な復帰を実現するため、スキャナデータはアクセスタイムの速い不揮発性メモリ14に優先的に蓄積する。ただし、不揮発性メモリ14は記憶容量が少ないため、スキャン可能枚数に対して制限を与える。スキャン可能枚数は、例えば、ハードディスク15が利用可能状態になるまでの時間に不揮発性メモリ14に蓄積できる枚数として予め設定する。スキャン可能枚数に対する制限を解除するため、大量記憶が可能なハードディスク15が利用可能状態になった時点で、不揮発性メモリ14の容量不足分に相当するスキャナデータをハードディスク15に書き込ませる。スキャン枚数がスキャン可能枚数(例えば10枚)を超える場合は、不揮発性メモリ14にスキャナデータを格納し、不揮発性メモリ14に対して格納できない分のスキャナデータについては、ハードディスク15に格納する。また、1回のスキャンで読み込まれた複数枚のスキャナデータは、1つのファイルとして結合される。例えば、スキャン終了後に不揮発性メモリ14に記載されたスキャナデータをハードディスク15にコピーし、コピーしたスキャナデータを、ハードディスク15に格納されたスキャナデータのファイルに対して結合するように構成することができる。
【0045】
以下に、省エネ復帰処理の詳細について、さらに図5を用いて説明する。図5は、実施例1における省エネ復帰処理の一例を示すフローチャートである。以下では、スキャン可能枚数を10枚とした例を説明するが、スキャン可能枚数は10枚に限られるものではない。また、以下では、初期設定復帰モードが省エネ高速復帰モードに設定され、スキャナ部4への原稿のセットの復帰要因が発生した場合の省エネ復帰処理を例に説明する。
【0046】
ASIC12は、復帰要因を検出すると、不揮発性メモリ14に空き容量が存在しない状態(容量フル状態)であるか否かを判断する(ステップS11)。容量フル状態の場合(ステップS11:Yes)、ASIC12は、不揮発性メモリ14の空き容量を確保するため、不揮発性メモリ14内のデータの全部または一部を消去する(ステップS12)。
【0047】
容量フル状態でない場合(ステップS11:No)、または、ステップS12の後、スキャナ部4は、セットされた原稿のスキャンを実施する(ステップS13)。ASIC12は、スキャンされてエンジン部3から送られるスキャナデータを不揮発性メモリ14に書き込む(ステップS14)。ASIC12は、スキャン枚数が、予め定められたスキャン可能枚数である10枚を超えたか否かを判断する(ステップS15)。
【0048】
スキャン枚数が10枚を超えない場合(ステップS15:No)、ASIC12は、スキャンが終了したか否かを判断する(ステップS16)。スキャンが終了していない場合(ステップS16:No)、ステップS13に戻り処理を繰り返す。
【0049】
スキャンが終了した場合(ステップS16:Yes)、ASIC12は、ハードディスク15が利用可能状態(図5の例ではHDD Ready)になったか否かを判断する(ステップS17)。HDD Readyでない場合(ステップS17:No)、ASIC12は、HDD Readyになるまで待機する。HDD Readyとなった場合(ステップS17:Yes)、ASIC12は、不揮発性メモリ14に蓄積したスキャナデータをハードディスク15にコピーする(ステップS18)。
【0050】
ステップS15でスキャン枚数が10枚を超えたと判断された場合(ステップS15:Yes)、ASIC12は、ハードディスク15が利用可能状態(HDD Ready)になったか否かを判断する(ステップS19)。HDD Readyでない場合(ステップS19:No)、ASIC12は、HDD Readyになるまで待機する。HDD Readyとなった場合(ステップS19:Yes)、ASIC12は、11枚目以降のスキャナデータをハードディスク15に書き込む(ステップS20)。
【0051】
ASIC12は、スキャンが終了したか否かを判断する(ステップS21)。スキャンが終了していない場合(ステップS21:No)、ステップS20に戻り処理を繰り返す。スキャンが終了した場合(ステップS21:Yes)、ASIC12は、不揮発性メモリ14に蓄積したスキャナデータをハードディスク15にコピーする(ステップS22)。ASIC12は、コピーしたスキャナデータ(1〜10枚目のスキャナデータ)と、ハードディスク15に書き込まれたスキャナデータ(11枚目以降のスキャナデータ)とを1つのファイルに結合する。例えば、ASIC12は、ハードディスク15に書き込まれたスキャナデータを格納するファイル(スキャンファイル)のヘッダを、不揮発性メモリ14からコピーしたスキャナデータを含むように書き換える(ステップS23)。
【0052】
なお、ファイルの管理方法はこれに限られるものではなく、1回のスキャンで読み込まれ、不揮発性メモリ14およびハードディスク15に分けて記憶されたスキャナデータを共に含む1つのファイルを生成できる方法であればあらゆる方法を適用できる。1つのファイルに結合することにより、スキャンしたデータを配信するときに、例えば不揮発性メモリ14のスキャナデータとハードディスク15のスキャナデータとをマージしてから配信する必要がなくなり、配信処理を高速化できる。
【0053】
図6は、スキャンファイルの取扱い方法の一例を示す図である。スキャンファイル1は、11枚未満のスキャナデータを1単位としたファイルを表している。この場合は、スキャンファイル1が分割されずに不揮発性メモリ14に記憶される。
【0054】
スキャンファイル2は、11枚以上のスキャナデータを含んでいる。このため、スキャンファイル2は、10枚のスキャナデータを含むスキャンファイル3a、および、11枚目以降のスキャナデータを含むスキャンファイル3bに分けられ、それぞれ不揮発性メモリ14およびハードディスク15に記憶される。スキャンが終了後、不揮発性メモリ14に記憶されたスキャンファイル3aは、ハードディスク15にコピーされ、スキャンファイル3bと紐付けられて管理される。
【0055】
(変形例1)
なお、ハードディスク15にコピーしたスキャンファイル3aは不揮発性メモリ14から削除してもよい。変形例1では、不揮発性メモリ14からコピー済みデータを削除する例について説明する。図7は、変形例1における省エネ復帰処理の一例を示すフローチャートである。図7では、ステップS22とステップS23の間に、ステップS22−1が追加された点が、図5のフローチャートと異なっている。その他の処理は図5と同様のため説明を省略する。
【0056】
ステップS22−1では、ASIC12が、ハードディスク15にコピーしたスキャナデータを、不揮発性メモリ14から削除する。このようにすると、不揮発性メモリ14のスキャナデータをハードディスク15に保存しつつ、不揮発性メモリ14の利用可能容量を増やすことができ、次に、不揮発性メモリ14を蓄積先とする省エネ復帰要因が発生した場合のスキャン可能枚数を増やすことができる。その結果、利用性を向上させることができる。
【0057】
なお、図7では省略しているが、11枚未満のスキャナデータをハードディスク15にコピー(ステップS18)した後にも、コピーしたスキャナデータを不揮発性メモリ14から削除するように構成してもよい。さらに、これとは逆に、11枚未満のスキャナデータをハードディスク15にコピーした後であっても、コピーしたスキャナデータを不揮発性メモリ14に残し、不揮発性メモリ14のスキャナデータを配信するように構成してもよい。後者の場合、ハードディスク15が利用可能となる前に不揮発性メモリ14のスキャナデータを利用できるため、スキャン後の配信処理を高速化できる。前者の場合は、ファイルのヘッダ等でコピー前後のスキャナデータを対応づけて管理する必要がないため、スキャナデータの管理が容易になる。
【0058】
また、スキャン終了後のハードディスク15へのスキャナデータのコピー(ステップS22)および不揮発性メモリ14からのスキャナデータの削除(ステップS22−1)を実行しないように構成してもよい。このような構成であっても、例えば、不揮発性メモリ14およびハードディスク15に分けたファイル単位で配信を実行できれば、配信処理の高速化を図れる。
【0059】
このように、本実施例の画像形成装置1は、メモリ容量(記憶容量)が比較的小さく比較的起動時間の短い不揮発性メモリ(短時間起動不揮発性記憶手段)14と、メモリ容量(記憶容量)が比較的大きく比較的起動時間の長いハードディスク(長時間起動不揮発性記憶手段)15と、を備えている。画像形成装置1は、少なくともハードディスク15への電力供給を停止して消費電力を削減する省エネモード(省電力モード)へ移行した後、ハードディスク15を利用する処理動作を実行するための省エネ復帰要求(省電力復帰要求)が発生すると、該省エネモードからの復帰処理を開始する。不揮発性メモリ14が利用可能状態になると、画像形成装置1は、データの蓄積先を不揮発性メモリ14として、要求されている該処理動作を開始する。ハードディスク15が利用可能状態になると、画像形成装置1は、自動的に、または、ユーザの選択に応じて、データの蓄積先をハードディスク15に切り替えている。
【0060】
したがって、起動に長時間を要するハードディスク15の復帰時間に関わらず、省エネモードからデータ蓄積や蓄積データの読み出し等の動作処理が可能となるまでの復帰に要する時間を検出することができ、利用性を向上させることができる。
【0061】
また、本実施例の画像形成装置1は、ハードディスク15が利用可能状態となったことを、ハードディスク15の起動に要する時間として不揮発性メモリ14に予め記憶されている規定復帰時間を計時することで判断している。
【0062】
したがって、確実にハードディスク15が起動するまで待って、適切に不揮発性メモリ14からハードディスク15にデータ蓄積先を変更することができる。
【0063】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、ハードディスク15が利用可能状態となったことを、ハードディスク15から利用可能状態になったときに出力される復帰完了通知を検出することで判断している。
【0064】
したがって、ハードディスク15の個体差による起動復帰時間の差に応じて、データの蓄積先を不揮発性メモリ14からハードディスク15に切り替えることができ、データ蓄積先の切り替えを確実かつ速やかに行うことができる。
【0065】
また、本実施例の画像形成装置1は、データの蓄積先を不揮発性メモリ14からハードディスク15に切り替えると、不揮発性メモリ14に蓄積されたデータをハードディスク15にコピーして、不揮発性メモリ14のデータを削除している。
【0066】
したがって、次回の省エネ復帰時の不揮発性メモリ14を利用したデータ蓄積においてより多くのメモリ領域を使用することができ、利用性を向上させることができる。
【0067】
なお、上記説明においては、起動時間の長い長時間起動不揮発性記憶手段として、ハードディスク15を用いた場合について説明したが、起動時間の長い長時間起動不揮発性記憶手段としては、ハードディスクに限るものではなく、NVRAM等の起動時間が比較的短い不揮発性メモリ14に比較して、起動時間が長い大容量の不揮発性メモリであってもよい。
【0068】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、比較的長時間の起動時間を要するハードディスク等の大容量不揮発性メモリが利用可能になるまでの間、比較的短時間の起動時間の不揮発性メモリをデータ蓄積先として利用して、省電力(省エネ)復帰時間を短縮するプリンタ装置、複写装置、ファクシミリ装置、複合装置、スキャナ装置等の画像処理装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 画像形成装置
2 コントローラ部
3 エンジン部
4 スキャナ部
5 定着ヒータ
6 プロッタ部
11 CPU
12 ASIC
13 揮発性メモリ
14 不揮発性メモリ
15 ハードディスク(HDD)
21、22 ASIC
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【特許文献1】特開2010−124076号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1記憶手段と、
記憶容量が前記第1記憶手段より大きく、起動時間が前記第1記憶手段より長い第2記憶手段と、
少なくとも前記第2記憶手段への電力供給を停止して消費電力を削減する省電力モードへ移行した後、該第2記憶手段を利用する処理動作を実行するための省電力復帰要求が発生すると、該省電力モードからの復帰処理を開始して前記第1記憶手段が利用可能状態になると、データの蓄積先を該第1記憶手段として前記処理動作を開始し、前記第2記憶手段が利用可能状態になると、データの蓄積先を該第2記憶手段に切り替える制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記第2記憶手段が利用可能状態となったことを、該第2記憶手段の起動に要する時間として前記第1記憶手段に予め記憶されている規定復帰時間を計時することで判断することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記第2記憶手段が利用可能状態となったことを、該第2記憶手段から利用可能状態になったときに出力される復帰完了通知を検出することで判断することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
データの蓄積先を前記第1記憶手段から前記第2記憶手段に切り替えると、該第1記憶手段に蓄積されたデータを該第2記憶手段にコピーして、該第1記憶手段のデータを削除することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記第2記憶手段に蓄積されたデータと、前記第1記憶手段から前記第2記憶手段にコピーされたデータと、を含むファイルを生成することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
第1記憶手段にデータを蓄積する第1蓄積処理ステップと、
記憶容量が前記第1記憶手段より大きく、起動時間が前記第1記憶手段より長い第2記憶手段にデータを蓄積する第2蓄積処理ステップと、
少なくとも前記第2記憶手段への電力供給を停止して消費電力を削減する省電力モードへ移行した後、該第2記憶手段を利用する処理動作を実行するための省電力復帰要求が発生すると、該省電力モードからの復帰処理を開始して前記第1記憶手段が利用可能状態になると、データの蓄積先を該第1記憶手段として前記処理動作を開始して前記第1蓄積処理ステップを実行させ、前記第2記憶手段が利用可能状態になると、データの蓄積先を該第2記憶手段に切り替えて、前記第2蓄積処理ステップを実行させる制御処理ステップと、
を有することを特徴とする省電力復帰制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
第1記憶手段にデータを蓄積する第1蓄積処理ステップと、
記憶容量が前記第1記憶手段より大きく、起動時間が前記第1記憶手段より長い第2記憶手段にデータを蓄積する第2蓄積処理ステップと、
少なくとも前記第2記憶手段への電力供給を停止して消費電力を削減する省電力モードへ移行した後、該第2記憶手段を利用する処理動作を実行するための省電力復帰要求が発生すると、該省電力モードからの復帰処理を開始して前記第1記憶手段が利用可能状態になると、データの蓄積先を該第1記憶手段として前記処理動作を開始して前記第1蓄積処理ステップを実行させ、前記第2記憶手段が利用可能状態になると、データの蓄積先を該第2記憶手段に切り替えて、前記第2蓄積処理ステップを実行させる制御処理ステップと、
を実行させるための省電力復帰制御プログラム。
【請求項8】
請求項7記載の省電力復帰制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−109939(P2012−109939A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192597(P2011−192597)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】