説明

画像処理装置およびそのパラメータ調整方法

【課題】パラメータの変更により料金が取り扱い金額の上限を超えてしまっても、料金を取り扱い金額の上限以内に自動で納めることが可能な画像処理装置およびそのパラメータ調整方法を提供する。
【解決手段】ユーザがパラメータを変更すると、第1のシステム制御部は料金テーブルに基づき、パラメータに対応する課金合計がM/F機で扱える金額の範囲内であるか否か確認する。範囲外であると確認した場合、第1のシステム制御部は課金合計がM/F機で扱える金額の範囲内に納まるように出力部数パラメータの現在値および上限値を変更し、出力部数パラメータの現在値を変更した旨、または出力部数パラメータの上限値を変更した旨を操作パネルに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置およびそのパラメータ調整方法に関し、特に、店舗に導入され、顧客にサービスを提供する画像処理装置およびそのパラメータ調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの機能を搭載した複写機、プリンタ等の画像処理装置が広く用いられ、このような画像処理装置をコンビニエンスストア、コピーセンター等の店舗に設置し、顧客が画像処理装置でコピー処理を行い、行ったコピー処理に応じた料金を店舗に支払うという形態が普及している。ここで、コピー処理に応じた料金とは、顧客がコピー処理を行う前に設定するコピー処理に対するパラメータ(例えば、コピーの種類、カラーモード、原稿サイズ、コピーの部数等)に応じて計算される料金である。
【0003】
例えば、顧客が最初にコインキットに投入した金額内で出力できるように、コピーの出力部数を自動調整する画像形成装置及び該画像形成装置を備えた画像処理装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−92319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、顧客は入力ミス、勘違い等により一度設定したパラメータを変更する可能性があり、その際に改めてパラメータを変更した結果、料金が取り扱い金額の上限を超えてしまう場合があり、特許文献1に記載の技術では、顧客がパラメータを変更して料金が変わった際にコピーの出力部数等を自動調整することは困難である。
【0005】
そこで、本発明は、パラメータの変更により料金が取り扱い金額の上限を超えてしまっても、料金を取り扱い金額の上限以内に自動で納めることが可能な画像処理装置およびそのパラメータ調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、受け付けた画像を処理する画像処理装置において、前記画像の処理に関するパラメータを受け付けるパラメータ受付手段と、前記パラメータに応じた前記画像の処理に必要な料金を格納する料金テーブルと、前記料金テーブルに基づき、前記パラメータ受付手段で受け付けたパラメータに応じた前記料金を算出する料金算出手段と、前記パラメータ受付手段で第1のパラメータを受け付けた後に、該パラメータ受付手段で第2のパラメータを受け付け、該受け付けた第2のパラメータに応じて前記料金算出手段が算出した料金が予め設定した金額を超えるか否か判断する判断手段と、前記判断手段で前記第2のパラメータに応じた料金が前記設定した金額を超えると判断した場合、前記第2のパラメータを前記画像の処理に必要な料金が前記設定した金額内に収まる第3のパラメータに変更するパラメータ変更手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記パラメータおよび前記料金を表示する表示手段を更に具備し、前記表示手段は、前記パラメータ変更手段で変更された第3のパラメータを表示することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記表示手段は、前記第3のパラメータに変更された旨を表示することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記表示手段は、前記第3のパラメータが前記予め設定した金額内に収まるための最大値である旨を表示することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項2の発明において、前記表示手段は、前記第3のパラメータに従う前記料金を表示することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記パラメータ変更手段で変更されるパラメータは、出力部数であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7の発明は、受け付けた画像を処理する画像処理装置のパラメータ調整方法において、前記画像の処理に関する第1のパラメータを受け付け、第1のパラメータを受け付けた後に、第2のパラメータを受け付け、パラメータに応じた前記画像の処理に必要な料金を格納する料金テーブルに基づき、該第2のパラメータに応じた料金を算出し、該算出した料金が予め設定した金額を超えるか否か判断し、該判断により前記第2のパラメータに応じた料金が前記設定した金額を超えると判断した場合、前記第2のパラメータを前記画像の処理に必要な料金が前記設定した金額内に収まる第3のパラメータに変更することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記第3のパラメータに変更した際に、該第3のパラメータを表示することを特徴とする。
【0014】
また、請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記第3のパラメータに変更された旨を表示することを特徴とする。
【0015】
また、請求項10の発明は、請求項8の発明において、前記第3のパラメータが前記予め設定した金額内に収まるための最大値である旨を表示することを特徴とする。
【0016】
また、請求項11の発明は、請求項8の発明において、前記第3のパラメータに従う前記料金を表示することを特徴とする。
【0017】
また、請求項12の発明は、請求項7の発明において、前記変更されるパラメータは、出力部数であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザに出力部数パラメータの変更を要求して、課金合計が画像処理装置で扱える金額の上限以内に収めてもらう手間が不要になるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、ユーザが再度出力部数パラメータを設定する際に、既に画像処理装置によって上限値が有効な値に変更されているので、無効な値を設定することがなくなるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る画像処理装置およびそのパラメータ調整方法の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明を適用したマルチファンクション機1の外観の一例を示す図である。
【0022】
図1に示すように、コピー機能、ファクス機能、プリンタ機能、スキャナ機能を有するマルチファンクション機(以後、M/F機と称する)1は、原稿を読み取るスキャナ2、スキャナ2を制御するスキャナ制御部3、画像処理を行なう画像処理部4、画像を用紙にプリントするプリンタ5、プリンタ5を制御するプリンタ制御部6、プリンタ5から出力された用紙に後処理を施す後処理部7、公衆回線16を介するファクス通信を行うファクス制御部8、ユーザがM/F機1のサービスを利用するためのUI(User Interface)画面を表示するとともに、ユーザからのM/F機1の各機能に対するパラメータの設定を受け付ける液晶タッチパネル方の操作パネル9、記憶デバイス/メディア上のファイルを管理するファイルシステム10、M/F機1のサービスを利用するために必要な料金を投入するコインキット11、これらの各構成部の制御処理を行う第1のシステム制御部12および第2のシステム制御部13を具備して構成される。
【0023】
図2は、M/F機1のシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
第1のシステム制御部12は操作パネル9と接続し、操作パネル上のUI画面の表示制御、操作パネル9が受け付けたパラメータに基づいてジョブを生成する処理を行う。また、第1のシステム制御部12はファイルシステム10と接続し、ファイルシステム10の管理を行う。また、第1のシステム制御部12はコインキット接続し、コインキットに投入された金額の情報を受け取り、受け取った金額の情報の処理を行う。また、第1のシステム制御部12はローカルネットワーク14と接続し、ローカルネットワーク14と接続する外部ネットワーク15を介したネットワーク通信を行う。また、第1のシステム制御部12は第2のシステム制御部13と接続し、ジョブおよび各機能に対する設定情報等を第2のシステム制御部12に転送する処理、第2のシステム制御部12から転送されるジョブの状態情報を受け取る処理を行う。
【0025】
更に、ユーザが一度設定したパラメータを変更する際に、第1のシステム制御部12は、ファイルシステム10に格納されたパラメータに対応する料金テーブルに基づき、変更したパラメータに対応する課金合計を算出し、算出した課金合計がM/F機1で扱える金額の範囲内であるか否か確認し、範囲外であると確認した場合は課金合計がM/F機1で扱える範囲に収まるように出力部数パラメータの現在値および上限値を自動的に変更する。
【0026】
第2のシステム制御部13はスキャナ制御部3、画像処理部4、プリンタ制御部6およびファクス制御部8の制御を行なう。
【0027】
次に、ユーザがパラメータを設定した際のM/F機1が行う機能的な動作について図2を参照して説明する。
【0028】
ユーザが操作パネル9でパラメータを設定すると、設定したパラメータは第1のシステム制御部12に転送され、第1のシステム制御部12はパラメータを受け取ると、ファイルシステム10に格納されたパラメータに対応する料金テーブルに基づき、受け取ったパラメータに対応する課金合計および不足金額を算出し、算出した課金合計および不足金額を操作パネル9に表示する。
【0029】
次に、ユーザが一度設定したパラメータを変更した際のM/F機1が行う機能的な動作について図2を参照して説明する。
【0030】
ユーザが操作パネル9でパラメータを変更すると、変更したパラメータは第1のシステム制御部12に転送され、第1のシステム制御部12はパラメータを受け取ると、ファイルシステム10に格納されたパラメータに対応する料金テーブルに基づき、受け取ったパラメータに対応する課金合計がM/F機1で扱える金額の範囲内であるか否か確認する。
【0031】
範囲内であると確認した場合、第1のシステム制御部12は不足金額を算出し、課金合計および不足金額を操作パネルに表示する。
【0032】
範囲外であると確認した場合、第1のシステム制御部12は課金合計がM/F機1で扱える金額の範囲内に納まるように出力部数パラメータの現在値および上限値を変更し、出力部数パラメータの現在値を変更した旨、または出力部数パラメータの上限値を変更した旨を操作パネル9に表示する。
【0033】
次に、ユーザが一度設定したパラメータを変更した際にM/F機1が行うパラメータ調整の処理手順について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0034】
ユーザがパラメータを設定し(ステップS301)、その後、ユーザがパラメータを変更すると(ステップS302)、変更したパラメータに対応する課金合計がM/F機で扱える金額の範囲内であるか否か確認し(ステップS303)、範囲外であると確認した場合(ステップS303でNO)、ステップS304に進み、範囲内であると確認した場合(ステップS303でYES)、ステップS305に進む。
【0035】
範囲外であると確認した場合(ステップS303でNO)、課金合計がM/F機で扱える範囲に収まるように出力部数パラメータの現在値および上限値を自動的に変更し(ステップS304)、ステップS305に進む。
【0036】
処理準備が完了し(ステップS305)、パラメータ調整の処理手順を終了する。
【0037】
次に、M/F機が行うパラメータ調整について第1の具体例を用いて説明する。なお、本実施例において、M/F機の扱える金額の上限を10,000円とする。
【0038】
図4は、操作パネル9に表示されたメインメニュー画面17の一例を示す図である。
【0039】
ユーザは操作パネル9に表示されたメインメニュー画面17から、利用するM/F機1のサービス(図4では、コピーサービス、写真プリントサービス、ファクスサービス)を選択する。
【0040】
ここで、ユーザがコピーサービスを選択すると、操作パネル9にはコイン投入画面が表示される。
【0041】
図5は、操作パネル9に表示されたコイン投入画面18の一例を示す図である。
【0042】
ユーザが操作パネル9に表示されたコイン投入画面18上のコピー料金表を確認し、コイン(硬貨)をコインキットに投入すると、操作パネル9にはコピー種類選択画面が表示される。
【0043】
図6は、操作パネル9に表示されたコピー種類選択画面19の一例を示す図である。
【0044】
ユーザは操作パネル9に表示されたコピー種類選択画面19から、利用するコピー種類(図6では、カラーモードとしてフルカラーコピー、白黒コピー、単色カラーコピー、その他のコピーとしてポスターコピー、写真コピー、写真くり返しコピー)を選択する。
【0045】
ここで、ユーザがポスターコピーを選択すると、操作パネル9にはポスターコピーパラメータ設定画面が表示される。なお、ポスターコピーとは、原稿1ページ分を複数枚に分割し、拡大してプリントすることである。
【0046】
図7は、操作パネル9に表示されたポスターコピーパラメータ設定画面20の一例を示す図である。
【0047】
ユーザは操作パネル9に表示されたポスターコピーパラメータ設定画面20から、パラメータ(図7では、カラーモードとしてフルカラー、白黒、原稿サイズとしてB5、A4、B4、A3、出来上がりサイズとしてB4×4枚、B4×9枚、B4×16枚、A3×4枚、A3×9枚、A3×16枚)を設定する。
【0048】
ここで、ユーザがカラーモードを「フルカラー」に設定し、原稿サイズを「A3」に設定し、出来上がりサイズを「B4×4枚」に設定し、「これで決定」ボタンを押下等すると、操作パネルにはコピー出力部数設定画面が表示される。
【0049】
図8は、操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【0050】
ユーザが操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21から、コピー出力部数を設定すると、設定したコピー出力部数に応じて、コピーにかかる料金が表示されるとともに、現在のコインキット11への投入金額と不足金額とが表示され、「コピースタート」ボタンが有効になり、ユーザによるコピー開始の指示が可能になる。なお、図8では、「フルカラー」、「A3」、「B4×4枚」のポスターコピーのコピー出力部数が1部に設定されているため、操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21において、コピー合計枚数は4枚と表示され、コピーにかかる料金は「200円」(50円×4枚)と表示され、現在の投入金額が10円なので、不足金額は「190円」(200円−10円)と表示される。
【0051】
ここで、ユーザが「コピー出力部数増加」ボタンを押下等し、コピー出力部数を増加させていくと、本実施例のM/F機1の扱える金額の上限は10,000円であるため、「B4×4枚」のポスターコピーのコピー出力部数の上限値は50部(1部200円×50部=10,000円)なので、コピー出力部数を50部まで増加させると、操作パネルには図9に示すコピー出力部数設定画面21が表示される。
【0052】
図9は、ユーザがコピー出力部数を上限値に設定した際に操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【0053】
図9に示すように、操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21において、コピー出力部数は上限値である「50部」と表示され、コピー出力部数は「200枚」(4枚×50部)と表示され、コピーにかかる料金は「10,000円」(50円×200枚)と表示され、現在の投入金額が10円なので、不足金額は「9,990円」(10,000円−10円)と表示される。なお、コピー出力部数が上限値に設定されているため、「コピー出力部数増加」ボタンが無効になる。
【0054】
ここで、ユーザが操作パネル9にポスターコピーパラメータ設定画面20を表示し、コピー出力部数を50部に保持して、できあがりサイズを「B4×4枚」から「A3×16枚」に変更すると、操作パネルには図10に示すポスターコピーパラメータ設定画面20が表示される。
【0055】
図10は、ユーザができあがりサイズを変更した際に操作パネル9に表示されたポスターコピーパラメータ設定画面20の一例を示す図である。
【0056】
コピー出力部数を50部に保持して、できあがりサイズを「B4×4枚」から「A3×16枚」に変更すると、コピー合計枚数は800枚(16枚×50部)になり、A3を800枚出力するための料金は16,000円(80円×800枚)になり、M/F機1の扱える金額の上限である10,000円を超えてしまう。
【0057】
従って、コピーにかかる金額をM/F機1の扱える金額の上限である10,000円以内に収めるために、コピー出力部数を7部(16枚×7部×80円=8,960円<10,000円)に変更する。そして、操作パネル9に表示されたポスターコピーパラメータ設定画面20において、コピー合計枚数は「112枚」(16枚×7部)と表示され、現在の投入金額が10円なので、不足金額は「8,950円」(8,960円−10円)と表示されるとともに、「投入金額の制限により、部数が7部に変更されました。」のメッセージが表示される。
【0058】
図11は、M/F機1の扱える金額の上限以内に収めるためにパラメータを変更した後に操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【0059】
コピーにかかる金額をM/F機1の扱える金額の上限である10,000円以内に収めるために、コピー出力部数を7部に変更したので、図11に示すように、操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21において、コピー出力部数は「7部」と表示され、コピーにかかる金は「8,960円」と表示されるとともに、「投入金額の制限により、部数の最大値は7部になります」のメッセージが表示される。
【0060】
ここで、ユーザが「コピースタート」ボタンを押下等すると、操作パネル9には図12に示すコピー出力部数設定画面21が表示される。
【0061】
図12は、投入金額が不足している状態で「コピースタート」ボタンを押下等した際に操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【0062】
図12に示すように、操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21において、「必要な金額が不足しています。画面右下の「不足金額」分のコインを入れてください。」のメッセージが表示される。
【0063】
次に、M/F機1が行うパラメータ調整について第2の具体例を用いて説明する。なお、本実施例において、M/F機1の扱える金額の上限を10,000円とする。
【0064】
ユーザは図4に示す操作パネル9に表示されたメインメニュー画面17から、利用するM/F機1のサービス(図4では、コピーサービス、写真プリントサービス、ファクスサービス)を選択する。
【0065】
ここで、ユーザがコピーサービスを選択すると、操作パネル9には図5に示すコイン投入画面18が表示される。
【0066】
ユーザが操作パネル9に表示されたコイン投入画面18上のコピー料金表を確認し、コイン(硬貨)をコインキットに投入すると、操作パネル9には図6に示すコピー種類選択画面19が表示される。
【0067】
ユーザは操作パネル9に表示されたコピー種類選択画面19から、利用するコピー種類(図6では、カラーモードとしてフルカラーコピー、白黒コピー、単色カラーコピー、その他のコピーとしてポスターコピー、写真コピー、写真くり返しコピー)を選択する。
【0068】
ここで、ユーザがポスターコピーを選択すると、操作パネル9にはポスターコピーパラメータ設定画面20が表示される。なお、ポスターコピーとは、原稿1ページ分を複数枚に分割し、拡大してプリントすることである。
【0069】
図13は、操作パネル9に表示されたポスターコピーパラメータ設定画面20の一例を示す図である。
【0070】
ユーザは操作パネル9に表示されたポスターコピーパラメータ設定画面20から、パラメータ(図13では、カラーモードとしてフルカラー、白黒、原稿サイズとしてB5、A4、B4、A3、出来上がりサイズとしてB4×4枚、B4×9枚、B4×16枚、A3×4枚、A3×9枚、A3×16枚)を設定する。
【0071】
ここで、ユーザがカラーモードを「白黒」に設定し、原稿サイズを「A3」に設定し、出来上がりサイズを「A3×16枚」に設定し、「これで決定」ボタンを押下等すると、操作パネルにはコピー出力部数設定画面21が表示される。
【0072】
図14は、操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【0073】
ユーザが操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21から、コピー出力部数を設定すると、設定したコピー出力部数に応じて、コピーにかかる料金が表示されるとともに、現在のコインキット11への投入金額と不足金額とが表示され、「コピースタート」ボタンが有効になり、ユーザによるコピー開始の指示が可能になる。なお、図14では、「白黒」、「A3」、「A3×16枚」のポスターコピーのコピー出力部数が1部に設定されているため、操作パネルに表示されたコピー出力部数設定画面21において、コピー合計枚数は16枚と表示され、コピーにかかる料金は「160円」(10円×16枚)と表示され、現在の投入金額が10円なので、不足金額は「150円」(160円−10円)と表示される。
【0074】
ここで、ユーザが「コピー出力部数増加」ボタンを押下等し、コピー出力部数を増加させていくと、本実施例のM/F機1の扱える金額の上限は10,000円であるため、「A3×16枚」のポスターコピーのコピー出力部数の上限値は62部(1部160円×62部=9920円<10,000円)なので、コピー出力部数を62部まで増加させると、操作パネルには図15に示すコピー出力部数設定画面21が表示される。
【0075】
図15は、ユーザがコピー出力部数を上限値に設定した際に操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【0076】
図15に示すように、操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21において、コピー出力部数は上限値である「62部」と表示され、コピー出力部数は「992枚」(16枚×62部)と表示され、コピーにかかる料金は「9,920円」(10円×992枚)と表示され、現在の投入金額が10円なので、不足金額は「9,910円」(9,920円−10円)と表示される。なお、コピー出力部数が上限値に設定されているため、「コピー出力部数増加」ボタンが無効になる。
【0077】
ここで、ユーザが操作パネル9にポスターコピーパラメータ設定画面20を表示し、コピー出力部数を62部に保持して、カラーモードを「白黒」から「フルカラー」に変更すると、操作パネルには図16に示すポスターコピーパラメータ設定画面20が表示される。
【0078】
図16は、ユーザがカラーモードを変更した際に操作パネル9に表示されたポスターコピーパラメータ設定画面20の一例を示す図である。
【0079】
コピー出力部数を62部に保持して、カラーモードを「白黒」から「フルカラー」に変更すると、1枚のコピー料金は80円になり、A3を992枚出力するための料金は79,260円(80円×992枚)になり、M/F機1の扱える金額の上限である10,000円を超えてしまう。
【0080】
従って、コピーにかかる金額をM/F機1の扱える金額の上限である10,000円以内に収めるために、コピー出力部数を7部(16枚×7部×80円=8,960円<10,000円)に変更する。そして、操作パネル9に表示されたポスターコピーパラメータ設定画面20において、コピー合計枚数は「112枚」(16枚×7部)と表示され、現在の投入金額が10円なので、不足金額は「8,950円」(8,960円−10円)と表示されるとともに、「投入金額の制限により、部数が7部に変更されました。」のメッセージが表示される。
【0081】
図17は、M/F機1の扱える金額の上限以内に収めるためにパラメータを変更した後に操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【0082】
コピーにかかる金額をM/F機1の扱える金額の上限である10,000円以内に収めるために、コピー出力部数を7部に変更したので、図17に示すように、操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21において、コピー出力部数は「7部」と表示され、コピーにかかる金は「8,960円」と表示されるとともに、「投入金額の制限により、部数の最大値は7部になります」のメッセージが表示される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明を適用したマルチファンクション機1の外観の一例を示す図である。
【図2】M/F機1のシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図3】ユーザが一度設定したパラメータを変更した際にM/F機1が行うパラメータ調整の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】操作パネル9に表示されたメインメニュー画面17の一例を示す図である。
【図5】操作パネル9に表示されたコイン投入画面18の一例を示す図である。
【図6】操作パネル9に表示されたコピー種類選択画面19の一例を示す図である。
【図7】操作パネル9に表示されたポスターコピーパラメータ設定画面20の一例を示す図である。
【図8】操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【図9】ユーザがコピー出力部数を上限値に設定した際に操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【図10】ユーザができあがりサイズを変更した際に操作パネル9に表示されたポスターコピーパラメータ設定画面20の一例を示す図である。
【図11】M/F機1の扱える金額の上限以内に収めるためにパラメータを変更した後に操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【図12】投入金額が不足している状態で「コピースタート」ボタンを押下等した際に操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【図13】操作パネル9に表示されたポスターコピーパラメータ設定画面20の一例を示す図である。
【図14】操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【図15】ユーザがコピー出力部数を上限値に設定した際に操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【図16】ユーザがカラーモードを変更した際に操作パネル9に表示されたポスターコピーパラメータ設定画面20の一例を示す図である。
【図17】M/F機1の扱える金額の上限以内に収めるためにパラメータを変更した後に操作パネル9に表示されたコピー出力部数設定画面21の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1 マルチファンクション機
2 スキャナ
3 スキャナ制御部
4 画像処理部
5 プリンタ
6 プリンタ制御部
7 後処理部
8 ファクス制御部
9 操作パネル
10 ファイルシステム
11 コインキット
12 第1のシステム制御部
13 第2のシステム制御部
14 ローカルネットワーク
15 外部ネットワーク
16 公衆回線
17 メインメニュー画面
18 コイン投入画面
19 コピー種類選択画面
20 ポスターコピーパラメータ設定画面
21 コピー出力部数設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け付けた画像を処理する画像処理装置において、
前記画像の処理に関するパラメータを受け付けるパラメータ受付手段と、
前記パラメータに応じた前記画像の処理に必要な料金を格納する料金テーブルと、
前記料金テーブルに基づき、前記パラメータ受付手段で受け付けたパラメータに応じた前記料金を算出する料金算出手段と、
前記パラメータ受付手段で第1のパラメータを受け付けた後に、該パラメータ受付手段で第2のパラメータを受け付け、該受け付けた第2のパラメータに応じて前記料金算出手段が算出した料金が予め設定した金額を超えるか否か判断する判断手段と、
前記判断手段で前記第2のパラメータに応じた料金が前記設定した金額を超えると判断した場合、前記第2のパラメータを前記画像の処理に必要な料金が前記設定した金額内に収まる第3のパラメータに変更するパラメータ変更手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記パラメータおよび前記料金を表示する表示手段
を更に具備し、
前記表示手段は、
前記パラメータ変更手段で変更された第3のパラメータを表示する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、
前記第3のパラメータに変更された旨を表示する
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記表示手段は、
前記第3のパラメータが前記予め設定した金額内に収まるための最大値である旨を表示する
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記表示手段は、
前記第3のパラメータに従う前記料金を表示する
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記パラメータ変更手段で変更されるパラメータは、出力部数である
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項7】
受け付けた画像を処理する画像処理装置のパラメータ調整方法において、
前記画像の処理に関する第1のパラメータを受け付け、
第1のパラメータを受け付けた後に、第2のパラメータを受け付け、パラメータに応じた前記画像の処理に必要な料金を格納する料金テーブルに基づき、該第2のパラメータに応じた料金を算出し、
該算出した料金が予め設定した金額を超えるか否か判断し、
該判断により前記第2のパラメータに応じた料金が前記設定した金額を超えると判断した場合、前記第2のパラメータを前記画像の処理に必要な料金が前記設定した金額内に収まる第3のパラメータに変更する
ことを特徴とする画像処理装置のパラメータ調整方法。
【請求項8】
前記第3のパラメータに変更した際に、該第3のパラメータを表示する
ことを特徴とする請求項7記載の画像処理装置のパラメータ調整方法。
【請求項9】
前記第3のパラメータに変更された旨を表示する
ことを特徴とする請求項8記載の画像処理装置のパラメータ調整方法。
【請求項10】
前記第3のパラメータが前記予め設定した金額内に収まるための最大値である旨を表示する
ことを特徴とする請求項8記載の画像処理装置のパラメータ調整方法。
【請求項11】
前記第3のパラメータに従う前記料金を表示する
ことを特徴とする請求項8記載の画像処理装置のパラメータ調整方法。
【請求項12】
前記変更されるパラメータは、
出力部数である
ことを特徴とする請求項7記載の画像処理装置のパラメータ調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−71758(P2006−71758A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252299(P2004−252299)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】