画像処理装置およびシステム
【課題】 オーバーレイ印刷には、フォーム画像に印刷する場合のみではなく、一度印刷された印刷出力物の上から印刷する2プロセス印刷も存在する。その場合には、1プロセス目の印刷状況が把握できないと2プロセス目の印刷において期待していた視覚的効果を損なう可能性がある。
【解決手段】 本発明によれば、従来技術より2プロセス印刷の際にも視覚的効果が損なわれない点が優れていて、さらに、視覚的効果を実現するために必要な画像処理装置に施す設定が自動的に設定することが可能になる。
【解決手段】 本発明によれば、従来技術より2プロセス印刷の際にも視覚的効果が損なわれない点が優れていて、さらに、視覚的効果を実現するために必要な画像処理装置に施す設定が自動的に設定することが可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明トナーを使用した印刷出力をする際に、その視覚的効果の選択を実現するために発生する多くの複雑な設定を自動的に行うための画像処理の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルプリンティング技術はオンデマンド印刷市場や少部数の文書印刷市場において、近年確実にその利用価値を高めつつある。特に電子写真技術を用いたフルカラープリンティングは生産性や印刷コスト、メンテナンスの容易性などの面で他のプリンティング技術よりも優位な位置にあり、急速にその市場を広めつつある。
【0003】
その中で多く用いられている方法の一つに、オーバーレイ印刷方法がある。オーバーレイ印刷方法とは、予め電子的に登録されているフォーム画像に印刷をする方法で、帳票印刷等で多く使用されている。そのオーバーレイ印刷方法に対して、特許文献1においては、オーバーレイ印刷を行う場合に、フォーム画像を展開して重ねる文字とフォームの色成分をチェックし、似た色であれば、色成分の濃度を、少なくともひとつの色成分について、濃度差が所定値以上になるように調整し、重ねる文字の視認性を確保する提案をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−050050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、オーバーレイ印刷には、フォーム画像を展開して印刷する場合のみではなく、一度印刷された印刷出力物の上から印刷する2プロセス印刷も存在する。その場合には、1プロセス目の印刷状況が把握できないと2プロセス目の印刷において期待していた視覚的効果を損なう可能性がある。よって、1プロセス目の印刷状況の把握が自動的に行われ、視覚的効果が損なわれないように2プロセス目の設定を自動的に設定する、という課題が残される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色以外に特殊トナーを使用して印刷出力することが可能な画像形成装置(101)で、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を一度定着後に特殊トナーを印字する、2プロセスで印刷を完了する2プロセス印刷出力手段において、
1プロセス目の印刷に関する情報を収集する1プロセス目情報処理手段(908)と、2プロセス目の印刷に関する設定を収集し、前記1プロセス目の印刷に関する情報と比較しながら2プロセス目の印刷方法を決定する2プロセス目印刷方法決定手段(903)と、を具備することを特徴とする画像処理装置。
【発明の効果】
【0007】
以下の説明によれば、本発明において、従来技術より2プロセス印刷の際にも視覚的効果が損なわれない点が優れていて、さらに、視覚的効果を実現するために必要な画像形成装置に施す設定が自動的に設定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に関する画像処理システムを示すブロック図
【図2】本発明にかかる画像形成装置を示すブロック図
【図3】ローカルPCの構成を示すブロック図
【図4】2プロセス印刷時のトナーの載り方を示す図
【図5】透明フォーム画像の一例を示す図
【図6】UI画面に表示される一例を示す図
【図7】本発明の概要を示すフローチャート
【図8】UI画面に表示される一例を示す図
【図9】データ処理装置の構成を示すブロック図
【図10】透明フォーム画像処理部の構成を示すブロック図
【図11】トナーの濃度と光沢の関係を示す図
【図12】本発明の概要を示すフローチャート
【図13】本発明の概要を示すフローチャート
【図14】本発明の概要を示すフローチャート
【図15】本発明の概要を示すフローチャート
【図16】UI画面に表示される一例を示す図
【図17】1プロセス目情報処理部の構成を示すブロック図
【図18】UI画面に表示される一例を示す図
【図19】1プロセス目情報の一例を示す図
【図20】本発明の概要を示すフローチャート
【図21】UI画面に表示される一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
全ての実施形態では、2プロセス印刷の例として、2プロセス目に透明トナーで印字するケースを用いる。
【0010】
(実施形態1)
図1は、本発明に係る画像処理装置(画像形成装置)の構成を示すブロック図である。
【0011】
オフィス10内に構築されたLAN104には、記録装置としてマルチファンクション複合機(以下、MFPという。)101、103、およびローカルPC102が接続されている。MFP101、103は、原稿画像から読み取った入力画像に対する画像処理を行う。そして、その画像処理の結果を原稿画像を読み取ったMFPが印刷する。
【0012】
また、MFP101で読み取った原稿画像に対して画像処理を行ってから、MFP103が印刷することも可能である。さらには、ローカルPC102から送信されるPage Discription Language(以下PDLという。)言語を解釈してMFP101、103が印刷することもできる。
【0013】
[MFP]
図2は、MFPを示す図である。図2において、イメージスキャナー(画像読み取り部)201は、原稿画像を読み取り、デジタル信号処理を行う。また、プリンタ部202は、イメージスキャナー201によって読み取られた原稿画像に対応した画像を用紙にフルカラーで印刷する。
【0014】
イメージスキャナー201は、鏡面圧板200を含み、原稿台ガラス(以下、プラテンという。)203上の原稿204は、ランプ205で照射され、ミラー206、207、208に導かれる。そして、照射された光は、レンズ209によって、3ラインの固体撮像素子センサ(以下、CCDという。)210上に像を結び、フルカラー情報としてのレッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3つの画像信号がデータ処理装置211に送られる。なお、ランプ205、ミラー206は、速度vで、ミラー207、208は、速度1/2vでラインセンサの電気的走査(主走査)方向に対して垂直方向に機械的に動くことによって、原稿全面を走査(副走査)する。ここで、原稿204は、主走査および副走査ともに600dpi(dots/inch)の解像度で読みとられる。読み取られた画像信号は原稿1ページ分の単位でデータ処理装置211の内部のデータ蓄積手段に蓄積される。
【0015】
データ処理装置211においては、内部に蓄積された画像信号を画素単位で電気的に処理し、マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y),ブラック(Bk)の各成分に分解し、プリンタ部202に送る。また、データ処理装置211の内部で、透明画像データ(CL)を画素単位で生成し、同じくプリンタ部202へ送出する。
【0016】
送出されたM、C、Y、Bk、CLの画像信号がレーザードライバー212に送られる。レーザードライバー212は、送られてきた画像信号に応じ、半導体レーザー213を変調駆動する。レーザー光は、ポリゴンミラー214、f-θレンズ215、ミラー216を介し、感光ドラム217上を走査する。ここで、読取と同様に主走査および副走査ともに600dpi(dots/inch)の解像度で書込まれる。
【0017】
回転現像器218は、マゼンタ現像部219、シアン現像部220、イエロー現像部221、ブラック現像部222、クリア(透明)現像部223を含む。そして、5つの現像部219〜223が交互に感光ドラム217に接し、感光ドラム上に形成された静電現像を各色のトナーで現像する。
【0018】
転写ドラム224は、用紙カセット225または用紙カセット226より供給される用紙をこの転写ドラム224に巻き付け、感光ドラム上に現像された像を用紙に転写する。
【0019】
この様にして、CMYBkおよびクリア(透明)の5色が順次転写された後に、用紙は、定着ユニット227を通過して、トナーが用紙に定着された後に排紙される。
【0020】
また、用紙は、排紙せず、再び上記プロセスを経て、再度印刷してから排紙することも可能である。
【0021】
[ローカルPC]
図3は、ローカルPC102の構成を示す図である。
【0022】
データは、アプリケーション301が作成したものを例として説明する(以下、アプリデータ)。ユーザーにより画像データをMFP内部の記憶装置が保存する場合や印刷出力する場合、指示を受けたプリンタドライバUI部302は、その旨をプリンタドライバ303に送信する。プリンタドライバ303は、アプリデータをPDLデータに変換する。PDLデータに使用されているPDL言語は、例えば、LIPSやPSを指す。作成されたPDLデータを送信部304は、MFP101に対して送信する。
【0023】
[データ処理装置211]
図9は、MFPに搭載されているデータ処理装置211の構成を示す図であり、PDL処理部901、UI部902、2プロセス目出力方法決定部903、画像処理部904、記憶装置905、印刷制御部906、透明フォーム画像処理部907、1プロセス目情報収集部908、で構成されている。
【0024】
図11は、図9の透明フォーム画像処理部907の構成を示す図であり、解凍部1101、グレースケール化処理部1102、2値化処理部1103、送信部1104で構成されている。
【0025】
図17は、図9の1プロセス目情報収集部908の構成を示す図であり、受信部1701、1プロセス目濃度光沢判定部1702、1プロセス目紙光沢分析部1703、1プロセス目情報生成部1704、送信部1705で構成されている。
【0026】
[2プロセス印刷出力処理]
2プロセス印刷出力処理に関する概略図を図4に示す。MFP101は、まずは、シアン401、マゼンタ402、イエロー403、ブラック404が順番に印字し、1プロセス目の印刷出力を行う。次に、その1プロセス目が終了したCMYBkによる印刷出力物をMFP101の給紙段にセットする。セットされた印刷出力物上に、透明405のみを印字し、2プロセス目の印刷を行う。
【0027】
以上説明した印刷方法を以下では『2プロセス印刷出力処理』と呼ぶ。
【0028】
[全面透明印刷と部分透明印刷]
2プロセス印刷出力処理の2プロセス目の印刷方法について説明する。
【0029】
図16にUI部902に表示される画面の一例を示す。
【0030】
2プロセス目の印刷には、2種類の印刷方法がある。1つは、ボタン1601が押下された際に実行される全面透明印刷である。1プロセス目が終了した印刷出力物上の全面に透明トナーを印字する。もう1つは、ボタン1602が押下された際に実行される部分透明印刷である。1プロセス目が終了した印刷出力物の一部分に透明トナーを印字する。
【0031】
[透明フォーム画像]
部分透明印刷時に印字する箇所を指定するために透明フォーム画像を使用する。
図5に透明フォーム画像の一例を示す。
【0032】
図6にUI部902に表示される画面の一例を示す。
【0033】
透明フォーム画像501は、2値画像データで保存されていて、1が立っている個所502が、透明トナーを使用する位置を示す。
【0034】
ユーザーは、部分透明印刷する際に、まず、ファイルリスト601の中から透明フォーム画像を選択する。ファイルリスト601に表示されているリストは記憶装置905に保存されている透明フォーム画像の一覧である。透明フォーム画像が選択されると、プレビュー602が表示される。次に、ボタン603、604、605を使用し、透明トナーの印字位置の濃度を選択することが可能である。最後に、ボタン606を押下すると、印刷指示がUI部902から送信される。ボタン607を押下すると、設定がキャンセルされる。
【0035】
[透明フォーム画像登録]
本文中の記載の圧縮、解凍に関しては、JPEGのような公知の技術を使用するものとする。
【0036】
画像処理部904は、部分透明印刷時に透明フォーム画像を使用する。記憶装置905は、透明トナーにより効果を出そうとする箇所を示す画像を透明フォーム画像として登録する。
【0037】
ローカルPC102が、ドライバUI画面(不図示)から透明フォーム画像登録を指示すると、PDL処理部901は、PDLデータを受信し、中間データを生成し、中間データをレンダリングし、画像データを生成する。生成された画像データを、PDL処理部901は、圧縮し、圧縮データを生成する。生成された圧縮データを、PDL処理部901は、透明フォーム画像処理部907の解凍部1101に向けて送信する。
【0038】
次に透明フォーム画像処理部907の動作フローについて、図14を用いて説明する。
【0039】
まず、ステップS1401において、解凍部1101は、受信した圧縮データを解凍する。ステップS1402において、グレースケール化処理部1102は、解凍された画像データをグレースケールのデータに変換する。変換の方法の例として、RGBで入力された場合には、YUV信号に変換し、Y信号のみをグレースケール信号として使用するケースを挙げるが、この限りではない。ステップS1403において、2値化処理部1103は、グレースケールに変換された画像信号を、2値画像データに変換する。変換の方法の例として、閾値を設定し、その閾値よりグレースケール信号値が大きい場合には1、小さい場合には0となり、2値画像データを生成する。ステップS1404において、送信部1103は、記憶装置905に2値画像データを送信する。
【0040】
記憶装置905は、2値画像データを受信し、透明フォーム画像として保存する。
【0041】
[1プロセス目情報処理部]
図7に1プロセス目情報処理部908の動作に関するフローチャートを示す。
【0042】
図19は、1プロセス目情報の一例を示す図である。
【0043】
1プロセス目情報1901は、2ビットの画像情報である。
【0044】
各々のビットは、透明トナーが印字されているか否かを示すビット(図19では、ビット1902とビット1904)と、色トナーが印字されているか否かを示すビット(図19では、ビット1903とビット1905)である。
【0045】
2プロセス印刷出力が実行されると、1プロセス目で印刷が終了している紙がMFP101の給紙段から給紙される。その際に、ステップS701において、1プロセス目情報処理部908は、受信部1701により給紙口付近に設置されている光沢と濃度を検知できるセンサにより検知された光沢データと濃度データを画素毎に取得する。取得後、画素毎にステップS702において、1プロセス目濃度光沢判定部1702は、その画素に濃度があるか否かを判断する。濃度がない場合には、下地部分と判断し、ステップS703において、1プロセス目情報生成部1704は、その画素に対応するビット1905に0をセットする。
【0046】
ステップS704において、1プロセス目紙光沢分析部1703は、色トナーが使用されていない箇所において、取得した紙の下地部分の光沢情報により、紙本来の光沢なのか透明トナーを使用したことによる光沢なのかを判定する。判定の結果、下地に透明トナーが印字されている場合、ステップS705において、1プロセス目情報生成部1704は、その画素に対応するビット1904に1をセットする。下地に透明トナーが印字されていない場合は、ステップS706において、1プロセス目情報生成部1704は、その画素に対応するビット1904に0をセットする。ステップS702での1プロセス目濃度光沢判定部1702の判定が、濃度がある場合には、ステップS707において、その画素に対応するビット1903に1をセットする。ステップS708において、1プロセス目濃度光沢判定部1702は、色トナーの上に透明トナーが使用されたか否かを判定する。判定の結果、透明トナーが使用されていた場合には、ステップS709において、1プロセス目情報生成部1704は、その画素に対応するビット1902に1をセットする。透明トナーが使用されていなかった場合には、ステップS710において、1プロセス目情報生成部1704は、その画素に対応するビット1902に0をセットする。
【0047】
ステップS711において、1プロセス目情報処理部908は、受信部1701が取得した全画素の処理が終了したか否かの判断を行い、終了していない場合には、ステップS702から処理を行う。終了している場合には、ステップS712において、1プロセス目情報収集部908は、送信部1705により、1プロセス目情報を2プロセス目出力方法決定部903に送信する。
【0048】
[1プロセス目濃度光沢判定部]
図10にトナーの濃度と光沢に関するグラフを示す。
【0049】
1001の曲線が示すように、色トナーの濃度が増えると、光沢は徐々に増していく。一方、1002の曲線が示すように、色トナーに透明トナーが加えられている場合には、色トナーの濃度が低い場合にも高い光沢を得ることができる。つまり、1プロセス目濃度光沢判定部1702は、濃度がそれほど高くないにもかかわらず、高い光沢を示している場合には、透明トナーが色トナーと一緒に印字されていると判定する。
【0050】
[1プロセス目情報]
図19は、1プロセス目情報の一例を示す図である。
【0051】
1プロセス目情報1901は、2ビットの画像情報である。
【0052】
各々のビットは、透明トナーが印字されているか否かを示すビット(図19では、ビット1902とビット1904)と、色トナーが印字されているか否かを示すビット(図19では、ビット1903とビット1905)である。
【0053】
例えば、1プロセス目で全面に透明トナーが使用されている場合には、ビット1902は1、ビット1903は1となり、ビット1904は1、ビット1905は0となる。また、1プロセス目で「B」の文字の個所のみに透明トナーが使用されている場合には、ビット1902は1、ビット1903は1となり、ビット1904は0、ビット1905は0となる。
【0054】
[1プロセス目が全面透明印刷の場合]
図13に2プロセス目出力方法決定部903に関するフローチャートを示す。
【0055】
図8、図16はUI部902に表示される画面の一例を示す。
【0056】
ステップS1301において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902から2プロセス目の設定情報を取得する。具体的には、全面透明印刷か部分透明印刷かを判定する。ボタン1601が押下され、UI部902が2プロセス目に全面透明印刷を指定している場合、視覚的効果が期待できないため、ステップS1306において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902の画面に図8を表示する。
【0057】
ステップS1301において、UI部902が2プロセス目に部分透明印刷を指定している場合、ステップS1302において、2プロセス目出力方法決定部903は、1プロセス目情報を取得する。1プロセス目が全面透明印刷の場合には、1プロセス目情報において、重要な情報は、透明トナーの下の色トナーがある画素情報である。ステップS1303において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902から指示された透明フォーム画像を記憶装置905から取得する。ステップS1304において、2プロセス目出力方法決定部903は、1プロセス目情報と透明フォーム画像を比較して、2プロセス目に透明トナーを印字する画素に1プロセス目で色トナーと透明トナーが印字されているか否かを判定する。判定の結果、色トナーが使用されている場合には、ステップS1306において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902の画面に図8を表示する。
【0058】
一方、ステップS1304の判定が、色トナーが使用されていない場合には、ステップS1305において、2プロセス目出力方法決定部903は、2プロセス目の透明トナーの印字量、すなわち濃度を高く設定し、その印刷設定情報を画像処理部904に送信する。また、ステップS1306において、表示された画面からボタン802が押下された場合には、そのまま印刷動作を続行することになる。
【0059】
[1プロセス目が部分透明印刷の場合]
図15に2プロセス目出力方法決定部903に関するフローチャートを示す。
【0060】
図18はUI部902に表示される画面の一例を示す。
【0061】
ステップS1501において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902から2プロセス目の設定情報を取得する。具体的には、全面透明印刷か部分透明印刷かを判定する。UI部902が2プロセス目に全面透明印刷を指定している場合、視覚的効果が期待できないため、ステップS1508において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902の画面に図8を表示する。
【0062】
ステップS1501において、UI部902が2プロセス目に部分透明印刷を指定している場合、ステップS1502において、2プロセス目出力方法決定部903は、1プロセス目情報を取得する。1プロセス目が部分透明印刷の場合には、1プロセス目情報において、重要な情報は、透明トナーが印字された画素情報である。ステップS1503において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902から指示された透明フォーム画像を記憶装置905から取得する。ステップS1504において、2プロセス目出力方法決定部903は、1プロセス目情報と透明フォーム画像を比較して、2プロセス目に透明トナーを印字する箇所に1プロセス目で透明トナーが印字されているか否かを判定する。判定の結果、印字されていない場合は、そのまま印刷動作を続行する。
【0063】
一方、判定の結果、印字されている場合には、ステップS1506において、2プロセス目出力方法決定部903は、1プロセス目情報と2プロセス目情報を比較して、2プロセス目に透明トナーを印字する箇所に1プロセス目で色トナーと透明トナーが印字されているか否かを判定する。判定の結果、色トナーが使用されている場合には、ステップS1508において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902の画面に図8を表示する。一方、判定の結果、色トナーが使用されていない場合には、ステップS1506において、2プロセス目の透明トナーの印字位置をずらす。ずらした場合のプレビューをステップS1507において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902の画面に図18を表示する。ボタン1802が押下された時には、ずらした印字設定情報を画像処理部904に送信する。ボタン1801が押下された場合には、そのまま印刷動作を続行することになる。
【0064】
[画像処理部904]
画像処理部904の動作フローについて、図12を用いて説明する。
【0065】
ステップS1201において、画像処理部904は、UI部902からの2プロセス目の印刷方法の設定が全面透明印刷か部分透明印刷かを判定する。判定の結果が部分透明印刷の場合、ステップS1202において、画像処理部904は、記憶装置905から透明フォーム画像を受信する。ステップ1203において、画像処理部904は、2プロセス目出力方法決定部903から受信した設定情報を取得する。ステップ1204において、画像処理部904は、UI部902からの透明トナーの濃度情報を取得する。ステップS1205において、画像処理部904は、設定情報と濃度情報を分析し、透明フォーム画像に対する透明トナーの濃度や印字位置を決定する。透明フォーム画像は2値画像データなので、1が立っている個所が透明トナーを印字する位置を示している。その位置に透明トナーを何%載せるかは、1プロセス目出力方法決定部903から受信した設定情報に透明トナーの濃度を上げる指示が記載されている場合には、UI部902の指示によらず、100%の濃度で印字する。透明トナーの濃度と印字位置が決まったら、画像処理部904は、ステップS1206において、画像形成処理を行う。ステップS1207において画像処理部904は、画像形成処理後の画像データを印刷制御部906に送信する。
【0066】
印刷処理部906は、画像形成処理後の画像データを印刷出力する。
【0067】
(実施形態2)
実施形態1において、1プロセス目の印刷が全面透明印刷で、2プロセス目が部分透明印刷を指示している際にステップS1305において、自動的に2プロセス目の透明トナーの濃度を決定していたが、濃度をユーザーが選択できた方がより望ましい。
【0068】
実施形態2では、上記の際に2プロセス目の濃度をユーザーが選択できる方法について説明する。
【0069】
図20に実施形態2に関するフローチャートを示す。
【0070】
図21にUI部902に表示される画面の一例を示す。
【0071】
ステップS1304において、2プロセス目出力方法決定部903は、1プロセス目情報と透明フォーム画像を比較して、2プロセス目に透明トナーを印字する画素に1プロセス目で色トナーと透明トナーが印字されているか否かを判定する。判定の結果、色トナーが使用されていない場合には、ステップS2001において、2プロセス目出力画像決定部903は、UI部902の画面に図21を表示する。ユーザーは、プレビュー2101を確認し、スライダバー2102により透明トナーの濃度を選択する。選択が終了すると、ボタン2103が押下され、UI部902は2プロセス目出力方法決定部903に、濃度情報を送信する。ステップS1305において、2プロセス目出力方法決定部903は、2プロセス目の透明トナーの印字量を受信した濃度情報に従って設定し、その印刷設定情報を画像処理部904に送信する。
【0072】
以上説明したように、1プロセス目の印刷が全面透明印刷で、2プロセス目が部分透明印刷を指示している際に透明トナーの濃度をユーザーが指定することが可能になる。
【符号の説明】
【0073】
101,103 MFP
104 LAN
10 オフィス
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明トナーを使用した印刷出力をする際に、その視覚的効果の選択を実現するために発生する多くの複雑な設定を自動的に行うための画像処理の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルプリンティング技術はオンデマンド印刷市場や少部数の文書印刷市場において、近年確実にその利用価値を高めつつある。特に電子写真技術を用いたフルカラープリンティングは生産性や印刷コスト、メンテナンスの容易性などの面で他のプリンティング技術よりも優位な位置にあり、急速にその市場を広めつつある。
【0003】
その中で多く用いられている方法の一つに、オーバーレイ印刷方法がある。オーバーレイ印刷方法とは、予め電子的に登録されているフォーム画像に印刷をする方法で、帳票印刷等で多く使用されている。そのオーバーレイ印刷方法に対して、特許文献1においては、オーバーレイ印刷を行う場合に、フォーム画像を展開して重ねる文字とフォームの色成分をチェックし、似た色であれば、色成分の濃度を、少なくともひとつの色成分について、濃度差が所定値以上になるように調整し、重ねる文字の視認性を確保する提案をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−050050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、オーバーレイ印刷には、フォーム画像を展開して印刷する場合のみではなく、一度印刷された印刷出力物の上から印刷する2プロセス印刷も存在する。その場合には、1プロセス目の印刷状況が把握できないと2プロセス目の印刷において期待していた視覚的効果を損なう可能性がある。よって、1プロセス目の印刷状況の把握が自動的に行われ、視覚的効果が損なわれないように2プロセス目の設定を自動的に設定する、という課題が残される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色以外に特殊トナーを使用して印刷出力することが可能な画像形成装置(101)で、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を一度定着後に特殊トナーを印字する、2プロセスで印刷を完了する2プロセス印刷出力手段において、
1プロセス目の印刷に関する情報を収集する1プロセス目情報処理手段(908)と、2プロセス目の印刷に関する設定を収集し、前記1プロセス目の印刷に関する情報と比較しながら2プロセス目の印刷方法を決定する2プロセス目印刷方法決定手段(903)と、を具備することを特徴とする画像処理装置。
【発明の効果】
【0007】
以下の説明によれば、本発明において、従来技術より2プロセス印刷の際にも視覚的効果が損なわれない点が優れていて、さらに、視覚的効果を実現するために必要な画像形成装置に施す設定が自動的に設定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に関する画像処理システムを示すブロック図
【図2】本発明にかかる画像形成装置を示すブロック図
【図3】ローカルPCの構成を示すブロック図
【図4】2プロセス印刷時のトナーの載り方を示す図
【図5】透明フォーム画像の一例を示す図
【図6】UI画面に表示される一例を示す図
【図7】本発明の概要を示すフローチャート
【図8】UI画面に表示される一例を示す図
【図9】データ処理装置の構成を示すブロック図
【図10】透明フォーム画像処理部の構成を示すブロック図
【図11】トナーの濃度と光沢の関係を示す図
【図12】本発明の概要を示すフローチャート
【図13】本発明の概要を示すフローチャート
【図14】本発明の概要を示すフローチャート
【図15】本発明の概要を示すフローチャート
【図16】UI画面に表示される一例を示す図
【図17】1プロセス目情報処理部の構成を示すブロック図
【図18】UI画面に表示される一例を示す図
【図19】1プロセス目情報の一例を示す図
【図20】本発明の概要を示すフローチャート
【図21】UI画面に表示される一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
全ての実施形態では、2プロセス印刷の例として、2プロセス目に透明トナーで印字するケースを用いる。
【0010】
(実施形態1)
図1は、本発明に係る画像処理装置(画像形成装置)の構成を示すブロック図である。
【0011】
オフィス10内に構築されたLAN104には、記録装置としてマルチファンクション複合機(以下、MFPという。)101、103、およびローカルPC102が接続されている。MFP101、103は、原稿画像から読み取った入力画像に対する画像処理を行う。そして、その画像処理の結果を原稿画像を読み取ったMFPが印刷する。
【0012】
また、MFP101で読み取った原稿画像に対して画像処理を行ってから、MFP103が印刷することも可能である。さらには、ローカルPC102から送信されるPage Discription Language(以下PDLという。)言語を解釈してMFP101、103が印刷することもできる。
【0013】
[MFP]
図2は、MFPを示す図である。図2において、イメージスキャナー(画像読み取り部)201は、原稿画像を読み取り、デジタル信号処理を行う。また、プリンタ部202は、イメージスキャナー201によって読み取られた原稿画像に対応した画像を用紙にフルカラーで印刷する。
【0014】
イメージスキャナー201は、鏡面圧板200を含み、原稿台ガラス(以下、プラテンという。)203上の原稿204は、ランプ205で照射され、ミラー206、207、208に導かれる。そして、照射された光は、レンズ209によって、3ラインの固体撮像素子センサ(以下、CCDという。)210上に像を結び、フルカラー情報としてのレッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3つの画像信号がデータ処理装置211に送られる。なお、ランプ205、ミラー206は、速度vで、ミラー207、208は、速度1/2vでラインセンサの電気的走査(主走査)方向に対して垂直方向に機械的に動くことによって、原稿全面を走査(副走査)する。ここで、原稿204は、主走査および副走査ともに600dpi(dots/inch)の解像度で読みとられる。読み取られた画像信号は原稿1ページ分の単位でデータ処理装置211の内部のデータ蓄積手段に蓄積される。
【0015】
データ処理装置211においては、内部に蓄積された画像信号を画素単位で電気的に処理し、マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y),ブラック(Bk)の各成分に分解し、プリンタ部202に送る。また、データ処理装置211の内部で、透明画像データ(CL)を画素単位で生成し、同じくプリンタ部202へ送出する。
【0016】
送出されたM、C、Y、Bk、CLの画像信号がレーザードライバー212に送られる。レーザードライバー212は、送られてきた画像信号に応じ、半導体レーザー213を変調駆動する。レーザー光は、ポリゴンミラー214、f-θレンズ215、ミラー216を介し、感光ドラム217上を走査する。ここで、読取と同様に主走査および副走査ともに600dpi(dots/inch)の解像度で書込まれる。
【0017】
回転現像器218は、マゼンタ現像部219、シアン現像部220、イエロー現像部221、ブラック現像部222、クリア(透明)現像部223を含む。そして、5つの現像部219〜223が交互に感光ドラム217に接し、感光ドラム上に形成された静電現像を各色のトナーで現像する。
【0018】
転写ドラム224は、用紙カセット225または用紙カセット226より供給される用紙をこの転写ドラム224に巻き付け、感光ドラム上に現像された像を用紙に転写する。
【0019】
この様にして、CMYBkおよびクリア(透明)の5色が順次転写された後に、用紙は、定着ユニット227を通過して、トナーが用紙に定着された後に排紙される。
【0020】
また、用紙は、排紙せず、再び上記プロセスを経て、再度印刷してから排紙することも可能である。
【0021】
[ローカルPC]
図3は、ローカルPC102の構成を示す図である。
【0022】
データは、アプリケーション301が作成したものを例として説明する(以下、アプリデータ)。ユーザーにより画像データをMFP内部の記憶装置が保存する場合や印刷出力する場合、指示を受けたプリンタドライバUI部302は、その旨をプリンタドライバ303に送信する。プリンタドライバ303は、アプリデータをPDLデータに変換する。PDLデータに使用されているPDL言語は、例えば、LIPSやPSを指す。作成されたPDLデータを送信部304は、MFP101に対して送信する。
【0023】
[データ処理装置211]
図9は、MFPに搭載されているデータ処理装置211の構成を示す図であり、PDL処理部901、UI部902、2プロセス目出力方法決定部903、画像処理部904、記憶装置905、印刷制御部906、透明フォーム画像処理部907、1プロセス目情報収集部908、で構成されている。
【0024】
図11は、図9の透明フォーム画像処理部907の構成を示す図であり、解凍部1101、グレースケール化処理部1102、2値化処理部1103、送信部1104で構成されている。
【0025】
図17は、図9の1プロセス目情報収集部908の構成を示す図であり、受信部1701、1プロセス目濃度光沢判定部1702、1プロセス目紙光沢分析部1703、1プロセス目情報生成部1704、送信部1705で構成されている。
【0026】
[2プロセス印刷出力処理]
2プロセス印刷出力処理に関する概略図を図4に示す。MFP101は、まずは、シアン401、マゼンタ402、イエロー403、ブラック404が順番に印字し、1プロセス目の印刷出力を行う。次に、その1プロセス目が終了したCMYBkによる印刷出力物をMFP101の給紙段にセットする。セットされた印刷出力物上に、透明405のみを印字し、2プロセス目の印刷を行う。
【0027】
以上説明した印刷方法を以下では『2プロセス印刷出力処理』と呼ぶ。
【0028】
[全面透明印刷と部分透明印刷]
2プロセス印刷出力処理の2プロセス目の印刷方法について説明する。
【0029】
図16にUI部902に表示される画面の一例を示す。
【0030】
2プロセス目の印刷には、2種類の印刷方法がある。1つは、ボタン1601が押下された際に実行される全面透明印刷である。1プロセス目が終了した印刷出力物上の全面に透明トナーを印字する。もう1つは、ボタン1602が押下された際に実行される部分透明印刷である。1プロセス目が終了した印刷出力物の一部分に透明トナーを印字する。
【0031】
[透明フォーム画像]
部分透明印刷時に印字する箇所を指定するために透明フォーム画像を使用する。
図5に透明フォーム画像の一例を示す。
【0032】
図6にUI部902に表示される画面の一例を示す。
【0033】
透明フォーム画像501は、2値画像データで保存されていて、1が立っている個所502が、透明トナーを使用する位置を示す。
【0034】
ユーザーは、部分透明印刷する際に、まず、ファイルリスト601の中から透明フォーム画像を選択する。ファイルリスト601に表示されているリストは記憶装置905に保存されている透明フォーム画像の一覧である。透明フォーム画像が選択されると、プレビュー602が表示される。次に、ボタン603、604、605を使用し、透明トナーの印字位置の濃度を選択することが可能である。最後に、ボタン606を押下すると、印刷指示がUI部902から送信される。ボタン607を押下すると、設定がキャンセルされる。
【0035】
[透明フォーム画像登録]
本文中の記載の圧縮、解凍に関しては、JPEGのような公知の技術を使用するものとする。
【0036】
画像処理部904は、部分透明印刷時に透明フォーム画像を使用する。記憶装置905は、透明トナーにより効果を出そうとする箇所を示す画像を透明フォーム画像として登録する。
【0037】
ローカルPC102が、ドライバUI画面(不図示)から透明フォーム画像登録を指示すると、PDL処理部901は、PDLデータを受信し、中間データを生成し、中間データをレンダリングし、画像データを生成する。生成された画像データを、PDL処理部901は、圧縮し、圧縮データを生成する。生成された圧縮データを、PDL処理部901は、透明フォーム画像処理部907の解凍部1101に向けて送信する。
【0038】
次に透明フォーム画像処理部907の動作フローについて、図14を用いて説明する。
【0039】
まず、ステップS1401において、解凍部1101は、受信した圧縮データを解凍する。ステップS1402において、グレースケール化処理部1102は、解凍された画像データをグレースケールのデータに変換する。変換の方法の例として、RGBで入力された場合には、YUV信号に変換し、Y信号のみをグレースケール信号として使用するケースを挙げるが、この限りではない。ステップS1403において、2値化処理部1103は、グレースケールに変換された画像信号を、2値画像データに変換する。変換の方法の例として、閾値を設定し、その閾値よりグレースケール信号値が大きい場合には1、小さい場合には0となり、2値画像データを生成する。ステップS1404において、送信部1103は、記憶装置905に2値画像データを送信する。
【0040】
記憶装置905は、2値画像データを受信し、透明フォーム画像として保存する。
【0041】
[1プロセス目情報処理部]
図7に1プロセス目情報処理部908の動作に関するフローチャートを示す。
【0042】
図19は、1プロセス目情報の一例を示す図である。
【0043】
1プロセス目情報1901は、2ビットの画像情報である。
【0044】
各々のビットは、透明トナーが印字されているか否かを示すビット(図19では、ビット1902とビット1904)と、色トナーが印字されているか否かを示すビット(図19では、ビット1903とビット1905)である。
【0045】
2プロセス印刷出力が実行されると、1プロセス目で印刷が終了している紙がMFP101の給紙段から給紙される。その際に、ステップS701において、1プロセス目情報処理部908は、受信部1701により給紙口付近に設置されている光沢と濃度を検知できるセンサにより検知された光沢データと濃度データを画素毎に取得する。取得後、画素毎にステップS702において、1プロセス目濃度光沢判定部1702は、その画素に濃度があるか否かを判断する。濃度がない場合には、下地部分と判断し、ステップS703において、1プロセス目情報生成部1704は、その画素に対応するビット1905に0をセットする。
【0046】
ステップS704において、1プロセス目紙光沢分析部1703は、色トナーが使用されていない箇所において、取得した紙の下地部分の光沢情報により、紙本来の光沢なのか透明トナーを使用したことによる光沢なのかを判定する。判定の結果、下地に透明トナーが印字されている場合、ステップS705において、1プロセス目情報生成部1704は、その画素に対応するビット1904に1をセットする。下地に透明トナーが印字されていない場合は、ステップS706において、1プロセス目情報生成部1704は、その画素に対応するビット1904に0をセットする。ステップS702での1プロセス目濃度光沢判定部1702の判定が、濃度がある場合には、ステップS707において、その画素に対応するビット1903に1をセットする。ステップS708において、1プロセス目濃度光沢判定部1702は、色トナーの上に透明トナーが使用されたか否かを判定する。判定の結果、透明トナーが使用されていた場合には、ステップS709において、1プロセス目情報生成部1704は、その画素に対応するビット1902に1をセットする。透明トナーが使用されていなかった場合には、ステップS710において、1プロセス目情報生成部1704は、その画素に対応するビット1902に0をセットする。
【0047】
ステップS711において、1プロセス目情報処理部908は、受信部1701が取得した全画素の処理が終了したか否かの判断を行い、終了していない場合には、ステップS702から処理を行う。終了している場合には、ステップS712において、1プロセス目情報収集部908は、送信部1705により、1プロセス目情報を2プロセス目出力方法決定部903に送信する。
【0048】
[1プロセス目濃度光沢判定部]
図10にトナーの濃度と光沢に関するグラフを示す。
【0049】
1001の曲線が示すように、色トナーの濃度が増えると、光沢は徐々に増していく。一方、1002の曲線が示すように、色トナーに透明トナーが加えられている場合には、色トナーの濃度が低い場合にも高い光沢を得ることができる。つまり、1プロセス目濃度光沢判定部1702は、濃度がそれほど高くないにもかかわらず、高い光沢を示している場合には、透明トナーが色トナーと一緒に印字されていると判定する。
【0050】
[1プロセス目情報]
図19は、1プロセス目情報の一例を示す図である。
【0051】
1プロセス目情報1901は、2ビットの画像情報である。
【0052】
各々のビットは、透明トナーが印字されているか否かを示すビット(図19では、ビット1902とビット1904)と、色トナーが印字されているか否かを示すビット(図19では、ビット1903とビット1905)である。
【0053】
例えば、1プロセス目で全面に透明トナーが使用されている場合には、ビット1902は1、ビット1903は1となり、ビット1904は1、ビット1905は0となる。また、1プロセス目で「B」の文字の個所のみに透明トナーが使用されている場合には、ビット1902は1、ビット1903は1となり、ビット1904は0、ビット1905は0となる。
【0054】
[1プロセス目が全面透明印刷の場合]
図13に2プロセス目出力方法決定部903に関するフローチャートを示す。
【0055】
図8、図16はUI部902に表示される画面の一例を示す。
【0056】
ステップS1301において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902から2プロセス目の設定情報を取得する。具体的には、全面透明印刷か部分透明印刷かを判定する。ボタン1601が押下され、UI部902が2プロセス目に全面透明印刷を指定している場合、視覚的効果が期待できないため、ステップS1306において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902の画面に図8を表示する。
【0057】
ステップS1301において、UI部902が2プロセス目に部分透明印刷を指定している場合、ステップS1302において、2プロセス目出力方法決定部903は、1プロセス目情報を取得する。1プロセス目が全面透明印刷の場合には、1プロセス目情報において、重要な情報は、透明トナーの下の色トナーがある画素情報である。ステップS1303において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902から指示された透明フォーム画像を記憶装置905から取得する。ステップS1304において、2プロセス目出力方法決定部903は、1プロセス目情報と透明フォーム画像を比較して、2プロセス目に透明トナーを印字する画素に1プロセス目で色トナーと透明トナーが印字されているか否かを判定する。判定の結果、色トナーが使用されている場合には、ステップS1306において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902の画面に図8を表示する。
【0058】
一方、ステップS1304の判定が、色トナーが使用されていない場合には、ステップS1305において、2プロセス目出力方法決定部903は、2プロセス目の透明トナーの印字量、すなわち濃度を高く設定し、その印刷設定情報を画像処理部904に送信する。また、ステップS1306において、表示された画面からボタン802が押下された場合には、そのまま印刷動作を続行することになる。
【0059】
[1プロセス目が部分透明印刷の場合]
図15に2プロセス目出力方法決定部903に関するフローチャートを示す。
【0060】
図18はUI部902に表示される画面の一例を示す。
【0061】
ステップS1501において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902から2プロセス目の設定情報を取得する。具体的には、全面透明印刷か部分透明印刷かを判定する。UI部902が2プロセス目に全面透明印刷を指定している場合、視覚的効果が期待できないため、ステップS1508において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902の画面に図8を表示する。
【0062】
ステップS1501において、UI部902が2プロセス目に部分透明印刷を指定している場合、ステップS1502において、2プロセス目出力方法決定部903は、1プロセス目情報を取得する。1プロセス目が部分透明印刷の場合には、1プロセス目情報において、重要な情報は、透明トナーが印字された画素情報である。ステップS1503において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902から指示された透明フォーム画像を記憶装置905から取得する。ステップS1504において、2プロセス目出力方法決定部903は、1プロセス目情報と透明フォーム画像を比較して、2プロセス目に透明トナーを印字する箇所に1プロセス目で透明トナーが印字されているか否かを判定する。判定の結果、印字されていない場合は、そのまま印刷動作を続行する。
【0063】
一方、判定の結果、印字されている場合には、ステップS1506において、2プロセス目出力方法決定部903は、1プロセス目情報と2プロセス目情報を比較して、2プロセス目に透明トナーを印字する箇所に1プロセス目で色トナーと透明トナーが印字されているか否かを判定する。判定の結果、色トナーが使用されている場合には、ステップS1508において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902の画面に図8を表示する。一方、判定の結果、色トナーが使用されていない場合には、ステップS1506において、2プロセス目の透明トナーの印字位置をずらす。ずらした場合のプレビューをステップS1507において、2プロセス目出力方法決定部903は、UI部902の画面に図18を表示する。ボタン1802が押下された時には、ずらした印字設定情報を画像処理部904に送信する。ボタン1801が押下された場合には、そのまま印刷動作を続行することになる。
【0064】
[画像処理部904]
画像処理部904の動作フローについて、図12を用いて説明する。
【0065】
ステップS1201において、画像処理部904は、UI部902からの2プロセス目の印刷方法の設定が全面透明印刷か部分透明印刷かを判定する。判定の結果が部分透明印刷の場合、ステップS1202において、画像処理部904は、記憶装置905から透明フォーム画像を受信する。ステップ1203において、画像処理部904は、2プロセス目出力方法決定部903から受信した設定情報を取得する。ステップ1204において、画像処理部904は、UI部902からの透明トナーの濃度情報を取得する。ステップS1205において、画像処理部904は、設定情報と濃度情報を分析し、透明フォーム画像に対する透明トナーの濃度や印字位置を決定する。透明フォーム画像は2値画像データなので、1が立っている個所が透明トナーを印字する位置を示している。その位置に透明トナーを何%載せるかは、1プロセス目出力方法決定部903から受信した設定情報に透明トナーの濃度を上げる指示が記載されている場合には、UI部902の指示によらず、100%の濃度で印字する。透明トナーの濃度と印字位置が決まったら、画像処理部904は、ステップS1206において、画像形成処理を行う。ステップS1207において画像処理部904は、画像形成処理後の画像データを印刷制御部906に送信する。
【0066】
印刷処理部906は、画像形成処理後の画像データを印刷出力する。
【0067】
(実施形態2)
実施形態1において、1プロセス目の印刷が全面透明印刷で、2プロセス目が部分透明印刷を指示している際にステップS1305において、自動的に2プロセス目の透明トナーの濃度を決定していたが、濃度をユーザーが選択できた方がより望ましい。
【0068】
実施形態2では、上記の際に2プロセス目の濃度をユーザーが選択できる方法について説明する。
【0069】
図20に実施形態2に関するフローチャートを示す。
【0070】
図21にUI部902に表示される画面の一例を示す。
【0071】
ステップS1304において、2プロセス目出力方法決定部903は、1プロセス目情報と透明フォーム画像を比較して、2プロセス目に透明トナーを印字する画素に1プロセス目で色トナーと透明トナーが印字されているか否かを判定する。判定の結果、色トナーが使用されていない場合には、ステップS2001において、2プロセス目出力画像決定部903は、UI部902の画面に図21を表示する。ユーザーは、プレビュー2101を確認し、スライダバー2102により透明トナーの濃度を選択する。選択が終了すると、ボタン2103が押下され、UI部902は2プロセス目出力方法決定部903に、濃度情報を送信する。ステップS1305において、2プロセス目出力方法決定部903は、2プロセス目の透明トナーの印字量を受信した濃度情報に従って設定し、その印刷設定情報を画像処理部904に送信する。
【0072】
以上説明したように、1プロセス目の印刷が全面透明印刷で、2プロセス目が部分透明印刷を指示している際に透明トナーの濃度をユーザーが指定することが可能になる。
【符号の説明】
【0073】
101,103 MFP
104 LAN
10 オフィス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色以外に特殊トナーを使用して印刷出力することが可能な画像形成装置(101)で、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を一度定着後に特殊トナーを印字する、2プロセスで印刷を完了する2プロセス印刷出力手段において、
1プロセス目の印刷に関する情報を収集する1プロセス目情報処理手段(908)と、2プロセス目の印刷に関する設定を収集し、前記1プロセス目の印刷に関する情報と比較しながら2プロセス目の印刷方法を決定する2プロセス目印刷方法決定手段(903)と、を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記1プロセス目の印刷に関する情報は、濃度と光沢、使用する紙種の光沢から生成される(S702、S704、S708)ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記特殊トナーとは、透明トナーであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記2プロセス目印刷方法決定手段(903)において、UI画面(902)により前記特殊トナーの印字量を設定する(S2001)ことが可能なことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項1】
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色以外に特殊トナーを使用して印刷出力することが可能な画像形成装置(101)で、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を一度定着後に特殊トナーを印字する、2プロセスで印刷を完了する2プロセス印刷出力手段において、
1プロセス目の印刷に関する情報を収集する1プロセス目情報処理手段(908)と、2プロセス目の印刷に関する設定を収集し、前記1プロセス目の印刷に関する情報と比較しながら2プロセス目の印刷方法を決定する2プロセス目印刷方法決定手段(903)と、を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記1プロセス目の印刷に関する情報は、濃度と光沢、使用する紙種の光沢から生成される(S702、S704、S708)ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記特殊トナーとは、透明トナーであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記2プロセス目印刷方法決定手段(903)において、UI画面(902)により前記特殊トナーの印字量を設定する(S2001)ことが可能なことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−242417(P2012−242417A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108981(P2011−108981)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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