説明

画像処理装置およびプログラム

【課題】画像の原本性を確認する。
【解決手段】原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、これに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させる(S4)記憶制御手段と、原稿画像に対して、この原稿画像の部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して重畳画像を表す重畳画像データを生成し、記録シートに画像を形成する画像形成手段に重畳画像データを出力する(S5)出力手段と、画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出する(S2)抽出手段と、抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている部分画像データを記憶手段から読み出して取得する(S7)画像データ取得手段と、取得された部分画像データが表す画像を表示手段に表示させる(S8)表示制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置によって形成された画像が改竄されていないかどうかを確認するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像の改竄を防止するために、画像データファイルや記録シートに形成された画像に対し、電子透かし等を用いて各種の認証情報を埋め込む技術が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特開2000−287065号公報
【特許文献2】特開2001−186324号公報
【特許文献3】特開2001−320528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の特許文献1〜3の技術は、埋め込まれた認証情報を用いて画像に改竄がないこと(原本性)を確認するというものであるが、埋め込まれた認証情報そのものが改竄或いは偽造された場合には原本性を確認する術がないという問題がある。本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来とは別の方法によって、画像の原本性を確認するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するために、本発明は、画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、当該部分画像データに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記画像データが表す原稿画像に対して、当該原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して、前記原稿画像に前記識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、記録シートに画像を形成する画像形成手段に前記重畳画像データを出力する出力手段と、画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを前記記憶手段から読み出して取得する画像データ取得手段と、前記画像データ取得手段によって取得された部分画像データが表す画像を表示手段に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0005】
この画像処理装置によれば、まず、記憶制御手段が、画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、この部分画像データに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させることになる。また、出力手段が、画像データが表す原稿画像に対して、この原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して、原稿画像に識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、画像形成手段に出力すると、画像形成手段がこの重畳画像データの画像を記録シートに形成することになる。次に、この記録シートを、画像読取手段によって読み取ると、読み取られた画像から抽出手段が識別子画像を抽出することになり、抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている部分画像データを画像データ取得手段が記憶手段から読み出して取得し、取得された部分画像データが表す画像を表示制御手段が表示手段に表示させることになる。よって、この表示手段に表示された部分画像データが表す原本の画像と記録シートに形成された画像とを比較することで、記録シートの画像の原本性を確認することができる。
【0006】
この場合、それぞれ固有の装置識別子が割り当てられた複数の画像処理装置とデータ通信を行う通信手段を備え、前記記憶制御手段は、前記識別子に加えて、自装置に割り当てられた装置識別子を前記部分画像データに対応付けて記憶手段に記憶させ、前記出力手段は、前記識別子画像に加えて前記装置識別子を表す装置識別子画像を前記原稿画像に付加した重畳画像を表す重畳画像データを生成し、前記抽出手段は、画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像に加えて前記装置識別子画像を抽出し、前記画像データ取得手段は、前記抽出手段によって抽出された装置識別子画像が表す装置識別子が割り当てられた画像処理装置に対して、前記抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを要求して当該部分画像データを取得するようにしても良い。
【0007】
このようにすれば、まず、記憶制御手段が、部分画像データを、これに割り当てられた識別子に加えて、自装置に割り当てられた装置識別子を対応付けて記憶手段に記憶させることになる。また、出力手段が、原稿画像に対して、この原稿画像の部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像に加えて装置識別子を表す装置識別子画像を付加して、原稿画像に識別子画像および装置識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、画像形成手段に出力すると、画像形成手段がこの重畳画像データの画像を記録シートに形成することになる。次に、この記録シートを、画像読取手段によって読み取ると、読み取られた画像から抽出手段が識別子画像に加えて装置識別子画像を抽出することになり、抽出された装置識別子が割り当てられた画像処理装置に対して、識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている部分画像データを要求してこの部分画像データを取得することになる。そして、取得された部分画像データが表す画像を表示制御手段が表示手段に表示させることになる。よって、複数の画像処理装置が通信手段を介してデータ通信可能になっている場合に、他の画像処理装置で記録シートに形成された画像であっても、原本性を確認することができる。
【0008】
また、本発明は、画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、当該部分画像データに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記画像データが表す原稿画像に対して、当該原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して、前記原稿画像に前記識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、記録シートに画像を形成する画像形成手段に前記重畳画像データを出力する出力手段と、画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを前記記憶手段から読み出して取得する画像データ取得手段と、前記画像読取手段によって読み取られた画像と、前記画像データ取得手段によって取得された画像とを比較する比較手段と、前記比較手段によって比較された両者の画像の類似度が閾値以下の場合にはその旨を報知する報知手段とを備えることを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0009】
この画像処理装置によれば、まず、記憶制御手段が、画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、この部分画像データに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させることになる。また、出力手段が、画像データが表す原稿画像に対して、この原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して、原稿画像に識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、画像形成手段に出力すると、画像形成手段がこの重畳画像データの画像を記録シートに形成することになる。次に、この記録シートを、画像読取手段によって読み取ると、読み取られた画像から抽出手段が識別子画像を抽出することになり、抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている部分画像データを画像データ取得手段が記憶手段から読み出して取得し、取得された部分画像データが表す画像を画像読取手段によって読み取られた画像と比較手段が比較して、比較された両者の画像の類似度が閾値以下の場合には報知手段がその旨を報知することになる。よって、記録シートの画像の原本性を自動的に比較して判定することができる。
【0010】
この場合、それぞれ固有の装置識別子が割り当てられた複数の画像処理装置とデータ通信を行う通信手段を備え、前記記憶制御手段は、前記識別子に加えて、自装置に割り当てられた装置識別子を前記部分画像データに対応付けて記憶手段に記憶させ、前記出力手段は、前記識別子画像に加えて前記装置識別子を表す装置識別子画像を前記原稿画像に付加した重畳画像を表す重畳画像データを生成し、前記抽出手段は、画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像に加えて前記装置識別子画像を抽出し、前記画像データ取得手段は、前記抽出手段によって抽出された装置識別子画像が表す装置識別子が割り当てられた画像処理装置に対して、前記抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを要求して当該部分画像データを取得するようにしても良い。
【0011】
このようにすれば、まず、記憶制御手段が、部分画像データを、これに割り当てられた識別子に加えて、自装置に割り当てられた装置識別子を対応付けて記憶手段に記憶させることになる。また、出力手段が、原稿画像に対して、この原稿画像の部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像に加えて装置識別子を表す装置識別子画像を付加して、原稿画像に識別子画像および装置識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、画像形成手段に出力すると、画像形成手段がこの重畳画像データの画像を記録シートに形成することになる。次に、この記録シートを、画像読取手段によって読み取ると、読み取られた画像から抽出手段が識別子画像に加えて装置識別子画像を抽出することになり、抽出された装置識別子が割り当てられた画像処理装置に対して、識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている部分画像データを要求してこの部分画像データを取得することになる。そして、取得された部分画像データが表す画像を画像読取手段によって読み取られた画像と比較手段が比較して、比較された両者の画像の類似度が閾値以下の場合には報知手段がその旨を報知することになる。よって、記録シートの画像の原本性を自動的に比較して判定することができる。
【0012】
さらに、上記において、前記抽出手段が画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出することができなかった場合には、前記記憶制御手段が当該読み取られた画像から前記部分画像データを、割り当てられた識別子に対応付けて前記記憶手段に記憶させるとともに、前記出力手段が当該割り当てられた識別子の識別子画像を使って前記重畳画像データを生成する一方、前記抽出手段が画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出することができた場合には、前記記憶制御手段が当該読み取られた画像から前記部分画像データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記出力手段が当該抽出された識別子画像を使って前記重畳画像データを生成するようにしても良い。
【0013】
このようにすれば、抽出手段が画像読取手段によって読み取られた画像から識別子画像を抽出することができた場合には、記憶制御手段がこの読み取られた画像から部分画像データを記憶手段に記憶させることなく、出力手段がこの抽出された識別子画像を使って重畳画像データを生成することになるため、無駄な記憶処理が不要となり、記憶手段のメモリ資源を節約できる。
【0014】
また、上記において、前記画像データ取得手段が、前記抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを取得できなかった場合には、前記記憶制御手段が画像読取手段によって読み取られた画像から前記部分画像データを当該識別子に対応付けて前記記憶手段に記憶させるとともに、前記出力手段が当該抽出された識別子画像を使って前記重畳画像データを生成する一方、前記画像データ取得手段が、前記抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを取得できた場合には、前記記憶制御手段が画像読取手段によって読み取られた画像から前記部分画像データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記出力手段が当該抽出された識別子画像を使って前記重畳画像データを生成するようにしても良い。
【0015】
このようにすれば、抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている部分画像データを画像データ取得手段が取得できなかった場合には、、記憶制御手段が画像読取手段によって読み取られた画像から部分画像データをこの識別子に対応付けて記憶手段に記憶させるため、例えば、記憶手段に記憶されている部分画像データが古いものから順次消去されるようになっている場合に、再び読み取られると記憶させることになる。よって、記憶手段のメモリ資源を有効に使用できる。
【0016】
なお、本発明は、コンピュータに、画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、当該部分画像データに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させる機能と、前記画像データが表す原稿画像に対して、当該原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して、前記原稿画像に前記識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、記録シートに画像を形成する画像形成手段に前記重畳画像データを出力する機能と、画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出する機能と、抽出された前記識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを前記記憶手段から読み出して取得する機能と、取得された前記部分画像データが表す画像を表示手段に表示させる機能とを実行させるプログラムとしても提供可能である。
【0017】
また、本発明は、コンピュータに、画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、当該部分画像データに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させる機能と、前記画像データが表す原稿画像に対して、当該原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して、前記原稿画像に前記識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、記録シートに画像を形成する画像形成手段に前記重畳画像データを出力する機能と、画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出する機能と、抽出された前記識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを前記記憶手段から読み出して取得する機能と、前記画像読取手段によって読み取られた画像と、取得された前記画像とを比較する機能と、比較された両者の画像の類似度が閾値以下の場合にはその旨を報知する機能とを実行させるプログラムとしても提供可能である。
【0018】
さらに、本発明は方法の発明としても提供し得る。つまり、本発明は、画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、当該部分画像データに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させるステップと、前記画像データが表す原稿画像に対して、当該原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して、前記原稿画像に前記識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、記録シートに画像を形成する画像形成手段に前記重畳画像データを出力するステップと、画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出するステップと、抽出された前記識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを前記記憶手段から読み出して取得するステップと、取得された前記部分画像データが表す画像を表示手段に表示させるステップとを有する画像処理方法としても提供可能である。また、本発明は、画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、当該部分画像データに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させるステップと、前記画像データが表す原稿画像に対して、当該原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して、前記原稿画像に前記識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、記録シートに画像を形成する画像形成手段に前記重畳画像データを出力するステップと、画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出するステップと、抽出された前記識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを前記記憶手段から読み出して取得するステップと、前記画像読取手段によって読み取られた画像と、取得された前記画像とを比較するステップと、比較された両者の画像の類似度が閾値以下の場合にはその旨を報知するステップとを有する画像処理方法としても提供可能である。
なお、本発明において、識別子画像は、例えば原稿画像の余白部分などに不可視トナーによって生成される画像であってもよいし、可視トナーの微少ドットを原稿画像中に所定の形式で配置した画像であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下では、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。複写機やファクシミリ装置には、自装置で過去に処理(コピー処理・ファクシミリ送受信処理)を行った原稿画像をイメージログとして蓄積保存しておく機能を有するものがある。イメージログはその記憶容量が膨大となることから、サムネイル画像等の圧縮された画像データを用いるのが一般的である。本実施形態では、過去に蓄積されたイメージログと、記録シート上の原稿画像とを比較することで、記録シート上の画像に改竄がないこと(原本性)を確認する。この原本性の確認方法には大別して2通りの方法があり、1つは、表示されたイメージログと記録シート上の原稿画像とをユーザ自身が見比べる方法であり(後述する第1実施形態)、もう1つは、画像処理装置がイメージログと記録シート上の原稿画像とを比較し、両者の画像の類似度が閾値を超えるか否かを判断する方法(後述する第2実施形態)である。
【0020】
(1)第1実施形態
(1−1)構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置100の構成を示したブロック図である。この画像処理装置100は、スキャナ装置やプリンタ装置などの複数の装置を備えた複合機に内蔵されており、制御部(記憶制御手段,出力手段,抽出手段,画像データ取得手段,表示制御手段)10と、操作部20と、通信部(通信手段)30と、画像読取部(画像読取手段)40と、画像形成部(画像形成手段)50と、ログ記憶部(記憶手段)60と、表示部(表示手段)70とを備えている。
【0021】
制御部10はCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を備えており、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することで画像処理装置100の各部の動作を制御する。操作部20はタッチパネル式のディスプレイや各種のボタンを備えた入力装置であり、ユーザによる入力指示を受け付ける。この入力指示は制御部10へと供給される。通信部30は、通信線200を介して他の画像処理装置101,102にネットワークで接続されており、画像処理装置101,102と例えばSOAPやSNMPを用いてデータをやりとりする。
【0022】
画像読取部40はスキャナ装置の機能を有し、原稿を光学的に読み取ることで原稿を示す画像データを生成する。画像形成部50は電子写真方式のプリンタ装置であり、画像データに応じたトナー像を記録シートに形成する。ログ記憶部60はHDD(Hard Disk Drive)を備えた大容量の記憶装置である。画像形成部50によって画像形成に用いられた画像データが表わす画像(以下、原稿画像という)のうち少なくとも一部の画像(例えば原稿画像の表紙など)を表す部分画像データが圧縮され、イメージログとしてこのログ記憶部60に記憶される。この際、制御部10によって、各部分画像データに他の部分画像データと識別するための個別の識別子が割り当ててられるようになっており、ログ記憶部60には、この識別子と部分画像データとが対応付けられて記憶される。しかも、これらに対して、他の画像処理装置101,102との識別のために自装置100に割り当てられた個別の装置識別子も対応付けられて記憶される。
【0023】
つまり、図2に示すように、各装置毎に個別に設定される装置識別子(図示例では装置ID001)と、この装置識別子の元に、部分画像データの識別子(図示例ではAfile,Bfile,…)と、部分画像データの記憶先のメモリアドレス(図示例ではAfileに対してad001,Bfileに対してad002,…)とが一対一で対応付けて記憶される。そして、各メモリアドレスに対応するアドレスにそれぞれ一対一で部分画像データが記憶されることになる。例えば、一の部分画像データを記憶する場合には、この部分画像データを他と識別するためのAfileという識別子を付け、このAfileに一対一で対応するメモリアドレスad001の位置にこの部分画像データを記憶させることになり、他の一の部分画像データを記憶する場合には、この部分画像データを他と識別するためのBfileという識別子を付け、このBfileに一対一で対応するメモリアドレスad002の位置にこの部分画像データを記憶させる、というようにログ記憶部60に識別子および部分画像データ記憶される。
【0024】
また、表示部70は、例えば液晶ディスプレイ装置であり、制御部10から供給される画像データに基づいて画像を表示する。
以上が画像処理装置100の構成であるが、画像処理装置101、102の構成も上記と同様である。
【0025】
(1−2)動作
以上の構成のもと、画像処理装置100は、原稿の読み取りや画像形成を行いつつ、画像形成に用いられた画像データをイメージログとして保存する処理を行う。以下では、画像処理装置100が実行する具体的な動作を説明する。図3は、画像処理装置100の制御部10が実行する処理を示したフローチャートである。図3において、まず、画像読取部40に記録シートがセットされて操作部20に画像読取処理の操作入力がなされると、制御部10は、画像読取部40に記録シートの画像を読み取らせ(ステップS1)、この読み取られた画像から識別子画像および装置識別子画像の抽出を試みる(ステップS2)。なお、この識別子画像および装置識別子画像は、不可視トナーによって生成される画像または可視トナーの微少ドットを原稿画像中に所定の形式で配置した画像である。
【0026】
次に、制御部10は、画像読取部40で読み取った画像から識別子画像および装置識別子画像の抽出ができたか否かを判断し(ステップS3)、識別子画像および装置識別子画像を抽出することができなかった場合には、ステップS1で画像読取部40で読み取られた画像データが表す画像を原稿画像として、そのうちの少なくとも一部の画像を表すイメージログである部分画像データを、この部分画像データに割り当てられた、他の部分画像データと識別するための識別子および自装置100を他の装置101,102と識別するための装置識別子に対応付けてログ記憶部60に記憶させる(ステップS4)。具体的には、制御部10は、自装置に割り当てられた装置識別子(例えば装置ID001)の元に、この部分画像データに割り当てられた識別子(例えばAfile)とこの部分画像データの記憶先であるメモリアドレス(例えばad001)とを対応付けてログ記憶部60に記憶させ、さらにログ記憶部60のこのメモリアドレスの位置にこの部分画像データを記憶させる。なお、管理情報として日時も対応記憶させる。
【0027】
そして、制御部10は、画像読取部40で読み取らせた画像データが表す原稿画像に対して、この原稿画像の部分画像データに割り当てられた識別子(例えばAfile)を表す識別子画像を使い、この識別子画像および装置識別子(例えば装置ID001)を表す装置識別子画像を付加して、原稿画像に、識別子画像および装置識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成する(ステップS5)。
【0028】
次に、制御部10は、記録シートに画像を形成する画像形成部50にこの重畳画像データを出力し、画像形成部50によって、この重畳画像データに基づく重畳画像を記録シートに形成させると(ステップS6)、処理を終了する。つまり、ステップS1において画像読取部40で読み取らせた画像を可視トナーで、ステップS5で生成した重畳画像データを不可視トナー等で同じ記録シートに形成する(つまりコピーする)ことになる。
【0029】
上記のように画像読取部40で読み取らせた画像と重畳画像データとが既に形成された記録シートが、その後、画像読取部40にセットされて操作部20に画像読取処理の操作入力がなされると、制御部10は、上記と同様に、画像読取部40に記録シートの画像を読み取らせ(ステップS1)、この読み取られた画像から識別子画像および装置識別子画像の抽出を試みる(ステップS2)。
【0030】
次に、制御部10は、上記と同様に、読み取られた画像から識別子画像および装置識別子画像の抽出ができたか否かを判断することになり(ステップS3)、この場合は、識別子画像および装置識別子画像を抽出することができることになる。このように、制御部10が、画像読取部40によって読み取られた画像から識別子画像および装置識別子画像を抽出することができた場合には、自装置100を含む画像処理装置100,101,102に対し、抽出された装置識別子画像が表す装置識別子が割り当てられた画像処理装置を探す。
【0031】
そして、この装置識別子が割り当てられた画像処理装置のログ記憶部60に記憶されている、上記抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている部分画像データを要求してこの部分画像データを取得する(ステップS7)。そして、制御部10は、このように取得された部分画像データが表す画像を表示部70に表示させる(ステップS8)。これにより、ユーザーが表示部70に表示された原本の部分画像データと記録シートの画像とを比較して、記録シートの原本性を確認する。つまり、ユーザーは、表示部70に表示された部分画像データに対して記録シートの画像が異なる場合には、改竄された可能性があると判断し、同じ場合には原本性が高いと判断するのである。
【0032】
そして、ユーザーが操作部20に対し承認操作を入力したか否かを判断し(ステップS9)、承認操作を入力しなかった場合は記録シートに画像を形成することなく処理を終了する。他方、承認操作を入力した場合には、制御部10は、ステップS1において画像読取部40で読み取らせた画像データが表す画像から部分画像データをログ記憶部60に記憶させることなく(ただし、フローチャートでは略すが画像読み取りの管理情報としての部分画像データの識別子および日時はログ記憶部60に記憶させる。)、ステップS2で抽出された識別子画像および装置識別子画像を使って重畳画像データを生成する(ステップS5)。つまり、ステップS1で画像読取部40で読み取らせた画像データが表す原稿画像に、ステップS2で抽出された識別子画像および装置識別子を表す装置識別子画像を付加して、原稿画像に、識別子画像および装置識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成する。そして、制御部10は、上記と同様に、画像形成部50にこの重畳画像データを出力し、画像形成部50によって重畳画像を記録シートに形成させると(ステップS6)、処理を終了する。つまり、画像読取部40で読み取らせた画像を不可視の重畳画像データとともに記録シートに形成する(つまりコピーする)ことになる。
【0033】
以上に述べた第1実施形態によれば、まず、制御部10が、画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、この部分画像データに割り当てられた識別子および取り扱った装置を識別する装置識別子に対応付けてログ記憶部60に記憶させることになる。また、制御部10は、画像データが表す原稿画像に対して、この原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像および装置識別子を表す装置識別子画像を付加して、原稿画像に識別子画像および装置識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、画像形成部50に出力すると、画像形成部50がこの重畳画像データの画像を記録シートに形成することになる。
【0034】
次に、この記録シートを、画像読取部40によって読み取ると、読み取られた画像から制御部10が識別子画像および装置識別子画像を抽出することになり、抽出された抽出された装置識別子が割り当てられた画像処理装置に対して、識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている部分画像データを制御部10がログ記憶部60から読み出して取得し、取得された部分画像データが表す画像を表示部70に表示させることになる。よって、この表示部70に表示された部分画像データが表す画像と記録シートに形成された画像とを比較することで、記録シートの画像の原本性を確認することができる。しかも、複数の画像処理装置100,101,102が通信線200を介してデータ通信可能になっており、他の画像処理装置で記録シートに形成された画像であっても、原本性を確認することができる。
【0035】
また、第1実施形態によれば、制御部10が画像読取部40によって読み取られた画像から識別子画像および装置識別子画像を抽出することができた場合には、この読み取られた画像から部分画像データをログ記憶部60に記憶させることなく、この抽出された識別子画像および装置識別子画像を使って重畳画像データを生成することになるため、無駄な記憶処理が不要となり、ログ記憶部60のメモリ資源を節約できる。
【0036】
(2)第2実施形態
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る画像処理装置の構成は図1に示したものと同じであり、その動作の一部が異なるだけである。図4は、第2実施形態に係る画像処理装置100の制御部(比較手段)10が実行する処理を示したフローチャートである。
【0037】
以下では、第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、特に説明する必要のない第1実施形態と同様の部分の説明は略す。
上記したステップS7において、自装置100を含む画像処理装置100,101,102に対し、抽出された装置識別子画像が表す装置識別子が割り当てられた画像処理装置を探して、この画像処理装置のログ記憶部60に記憶されている、上記抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている部分画像データを要求してこの部分画像データを取得すると、制御部10は、ステップS1で画像読取部40によって読み取られた画像の画像データと、ステップS7によって取得された部分画像データとを比較する(ステップSa1)。
【0038】
つまり、ステップS1で画像読取部40によって読み取られた画像の画像データのうちの、ステップS7によって取得された部分画像データと同じ領域のデータを抽出し、これらの類似度を比較する。そして、比較された両者の画像の類似度を判断し(ステップSa2)、この類似度が、予め設定された閾値を超えていると原本性が高いと判定して、ステップS5に進み、ステップS1において画像読取部40で読み取らせた画像データが表す原稿画像に、ステップS2で抽出された識別子画像および装置識別子を表す装置識別子画像を付加して重畳画像データを生成する。そして、制御部10は、上記と同様に、画像形成部50にこの重畳画像データを出力し、画像形成部50によって重畳画像を記録シートに形成させると(ステップS6)、処理を終了する。
【0039】
他方、ステップSa2で、画像読取部40によって読み取られた画像の画像データと、ステップS7で取得された部分画像データとの類似度が上記した閾値以下の場合にはその旨を表示部(報知手段)70に報知させるとともに(ステップSa3)、記録シートに画像を形成することなく処理を終了する。なお、画像読取部40によって読み取られた画像の画像データがカラー画像であり、比較する部分画像データが白黒画像(二値データ)である場合には、画像読取部40によって読み取られた画像の画像データを二値化し白黒画像のデータに変換して比較する。
【0040】
以上に述べた第2実施形態によれば、記録シートを画像読取部40によって読み取ると、制御部10は、読み取られた画像から識別子画像および装置識別子画像を抽出することになり、抽出された装置識別子が割り当てられた画像処理装置100,101,102のいずれかに対して、識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている部分画像データを要求してこの部分画像データを取得することになる。そして、制御部10は、取得された部分画像データが表す画像を画像読取部40によって読み取られた画像と比較して、比較された両者の画像の類似度が閾値以下の場合には表示部70によってその旨を報知することになる。よって、記録シートの画像の原本性を自動的に比較して判定することができる。
【0041】
(3)変形例
なお、本発明は上述した第1、第2実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形してもよい。なお、以下に説明する変形例の各々は適宜に組み合わせることも可能である。
【0042】
(3−1)変形例1
ログ記憶部60の記憶容量には限界があるため、例えば、画像読み取りの管理情報としての部分画像データの識別子および日時に対し、対応する部分画像データのみを先に消去するように設定されることがある。この場合、上記したステップS7において、ステップS2で抽出された識別子画像および装置識別子に基づいて部分画像データを取得しようとしても、取得できないことになる。このように部分画像データを取得できない場合に、制御部10は、ステップS1で画像読取部40によって読み取られた画像から部分画像データを再度生成し、この部分画像データを識別子画像および装置識別子画像の元となる識別子および装置識別子に対応付けてログ記憶部60に記憶させる。
【0043】
この場合には、ステップS8,S9,Sa1,Sa2,Sa3は実行せずに、ステップS5で、抽出された識別子画像および装置識別子画像を使って、ステップS1で読み取った画像を加えて重畳画像データを生成する。一方、上記したステップS7において、ステップS2で抽出された識別子画像および装置識別子に基づいて部分画像データを取得しようとして取得できた場合は、上述のように、制御部10は、画像読取部40によって読み取られた画像から部分画像データをログ記憶部60に記憶させることなく、この抽出された識別子画像および装置識別子画像を使って、画像読取部40によって読み取られた画像とで重畳画像データを生成する。
【0044】
このようにすれば、抽出された識別子画像および装置識別子画像が表す識別子および装置識別子に対応付けられて記憶されている部分画像データを取得できなかった場合に、制御部10は、画像読取部40によって読み取られた画像から部分画像データをこの識別子および装置識別子に対応付けてログ記憶部60に記憶させるため、ログ記憶部60に記憶されている部分画像データが古いものから順次消去されるようになっている場合に、再び読み取られると記憶させることになる。よって、ログ記憶部60のメモリ資源を有効に使用できる。
【0045】
(3−2)変形例2
第1、第2実施形態では、複数の画像処理装置100,101,102が通信線200を介してデータ通信可能になっているため、装置識別子および装置識別子画像が必要であるが、他の画像処理装置とデータ通信可能に構成せず、単体の画像処理装置のみで処理が完結するようにしても良い。この場合には、装置識別子および装置識別子画像は不要となる。
【0046】
なお、制御部10が実行するプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な磁気記録媒体、光記録媒体あるいはROMなどの記録媒体に記録して画像処理装置100に提供することができる。また、インターネットのようなネットワーク経由で画像処理装置100にダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態のログ記憶部の記憶例を示すテーブルである。
【図3】本発明の第1実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
100,101,102…画像処理装置、10…制御部(記憶制御手段,出力手段,抽出手段,画像データ取得手段,抽出手段,比較手段)、20…操作部、30…通信部(通信手段)、40…画像読取部(画像読取手段)、50…画像形成部(画像形成手段)、60…ログ記憶部(記憶手段)、70…表示部(報知手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、当該部分画像データに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記画像データが表す原稿画像に対して、当該原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して、前記原稿画像に前記識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、記録シートに画像を形成する画像形成手段に前記重畳画像データを出力する出力手段と、
画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを前記記憶手段から読み出して取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段によって取得された部分画像データが表す画像を表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
それぞれ固有の装置識別子が割り当てられた複数の画像処理装置とデータ通信を行う通信手段を備え、
前記記憶制御手段は、前記識別子に加えて、自装置に割り当てられた装置識別子を前記部分画像データに対応付けて記憶手段に記憶させ、
前記出力手段は、前記識別子画像に加えて前記装置識別子を表す装置識別子画像を前記原稿画像に付加した重畳画像を表す重畳画像データを生成し、
前記抽出手段は、画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像に加えて前記装置識別子画像を抽出し、
前記画像データ取得手段は、前記抽出手段によって抽出された装置識別子画像が表す装置識別子が割り当てられた画像処理装置に対して、前記抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを要求して当該部分画像データを取得する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、当該部分画像データに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記画像データが表す原稿画像に対して、当該原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して、前記原稿画像に前記識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、記録シートに画像を形成する画像形成手段に前記重畳画像データを出力する出力手段と、
画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを前記記憶手段から読み出して取得する画像データ取得手段と、
前記画像読取手段によって読み取られた画像と、前記画像データ取得手段によって取得された画像とを比較する比較手段と、
前記比較手段によって比較された両者の画像の類似度が閾値以下の場合にはその旨を報知する報知手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
それぞれ固有の装置識別子が割り当てられた複数の画像処理装置とデータ通信を行う通信手段を備え、
前記記憶制御手段は、前記識別子に加えて、自装置に割り当てられた装置識別子を前記部分画像データに対応付けて記憶手段に記憶させ、
前記出力手段は、前記識別子画像に加えて前記装置識別子を表す装置識別子画像を前記原稿画像に付加した重畳画像を表す重畳画像データを生成し、
前記抽出手段は、画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像に加えて前記装置識別子画像を抽出し、
前記画像データ取得手段は、前記抽出手段によって抽出された装置識別子画像が表す装置識別子が割り当てられた画像処理装置に対して、前記抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを要求して当該部分画像データを取得する
ことを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記抽出手段が画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出することができなかった場合には、前記記憶制御手段が当該読み取られた画像から前記部分画像データを、割り当てられた識別子に対応付けて前記記憶手段に記憶させるとともに、前記出力手段が当該割り当てられた識別子の識別子画像を使って前記重畳画像データを生成する一方、
前記抽出手段が画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出することができた場合には、前記記憶制御手段が当該読み取られた画像から前記部分画像データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記出力手段が当該抽出された識別子画像を使って前記重畳画像データを生成する
ことを特徴とする請求項1または3記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像データ取得手段が、前記抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを取得できなかった場合には、前記記憶制御手段が画像読取手段によって読み取られた画像から前記部分画像データを当該識別子に対応付けて前記記憶手段に記憶させるとともに、前記出力手段が当該抽出された識別子画像を使って前記重畳画像データを生成する一方、
前記画像データ取得手段が、前記抽出手段によって抽出された識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを取得できた場合には、前記記憶制御手段が画像読取手段によって読み取られた画像から前記部分画像データを前記記憶手段に記憶させることなく、前記出力手段が当該抽出された識別子画像を使って前記重畳画像データを生成する
ことを特徴とする請求項1または3記載の画像処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、当該部分画像データに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させる機能と、
前記画像データが表す原稿画像に対して、当該原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して、前記原稿画像に前記識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、記録シートに画像を形成する画像形成手段に前記重畳画像データを出力する機能と、
画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出する機能と、
抽出された前記識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを前記記憶手段から読み出して取得する機能と、
取得された前記部分画像データが表す画像を表示手段に表示させる機能と
を実行させるプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
画像データが表す原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データを、当該部分画像データに割り当てられた識別子に対応付けて記憶手段に記憶させる機能と、
前記画像データが表す原稿画像に対して、当該原稿画像のうち少なくとも一部の画像を表す部分画像データに割り当てられた識別子を表す識別子画像を付加して、前記原稿画像に前記識別子画像が付加された重畳画像を表す重畳画像データを生成し、記録シートに画像を形成する画像形成手段に前記重畳画像データを出力する機能と、
画像読取手段によって読み取られた画像から前記識別子画像を抽出する機能と、
抽出された前記識別子画像が表す識別子に対応付けられて記憶されている前記部分画像データを前記記憶手段から読み出して取得する機能と、
前記画像読取手段によって読み取られた画像と、取得された前記画像とを比較する機能と、
比較された両者の画像の類似度が閾値以下の場合にはその旨を報知する機能と
を実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−189350(P2007−189350A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−4079(P2006−4079)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】