説明

画像処理装置および方法ならびにプログラム

【課題】異なる時点で取得された三次元造影画像から陰影領域の抽出を向上させる。
【解決手段】それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を検出し、検出された第一の陰影領域内における所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出し、検出された第一の陰影領域と、検出された第二の陰影領域とを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像中の陰影領域を抽出する装置および装置ならびにプログラム、特にそれぞれ異なる時点で取得された複数の三次元造影画像から陰影領域を抽出する画像処理装置および方法ならびにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野においては、医師等の読影負担を軽減すべく、三次元造影画像中の腫瘍領域等を表す陰影領域を抽出して表示する処理が行われている。
【0003】
例えば、造影剤による血管造影とX線CTを組み合わせたダイナミックCTと呼ばれる撮影手法が用いられており、造影剤を被写体に注入後、経時的にこの被写体を異なる時点で撮影することによって、複数の三次元造影画像を取得する。
【0004】
このダイナミックCTは、造影剤を注入後,造影剤が動脈,門脈を通じて肝臓に流れ,肝臓全体に浸透するまでの数分の間に経時的に撮影する。複数の三次元造影画像の経時的変化を比較読影する必要があるため、患者一人あたりに要する読影量は通常の撮影の数倍に膨れ上がることとなる。
【0005】
更には、CT 装置の高精度化に伴い、一度に撮影されるデータ量が激増しているため、読影負担は深刻な問題となっている。このような状況下で、医師等が短時間に肝臓の腫瘍領域を見落とすことなく診断できる環境の整備が早急に必要とされ、計算機支援診断(CAD:Computer Aided Diagnosis) システムの開発に対する要望が高まっている。
【0006】
非特許文献1では、異なる時点で取得された三次元造影画像毎に肝臓の腫瘍領域を検出する方法が提案されている。また、非特許文献1では、異なる時点で取得された三次元造影画像の非剛体レジストレーションを行うことにより、位置あわせを行った後に、異なる時点で取得された三次元造影画像毎に、肝臓の腫瘍領域を検出する方法が提案されている。
【非特許文献1】脇田悠樹、林 雄一郎、目加田 慶人、井手 一郎、村瀬 洋 “多時相腹部X線CT像の時相間濃度特徴計測に基づく肝臓がん検出”, コンピュータ支援画像診断学会論文誌 V0l.10 No.1 Mar 2007
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、異なる時点で取得された三次元造影画像の造影パターンは、例えば、早期相、門脈相、後期相、平衡相等毎に異なる特徴を示すものであり、一般的には、肝臓の腫瘍領域は、早期相では濃く染まり(高CT値)、門脈相では同程度、後期相では淡く染まる(低CT値)という特徴的な造影パターンを有することが一般的には知られている。
【0008】
よって、非特許文献1において提案されている手法では、ある所定の時点で撮影された三次元造影画像では、肝臓の腫瘍領域を検出することが困難となり、医師の要求精度を満たせない。また、非剛体レジストレーションを行うことにより、計算処理の時間も膨大なものとなる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、異なる時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から陰影領域の抽出を向上させることができる画像処理装置および方法ならびにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像処理装置は、それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された該三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を検出する第一の陰影領域検出手段と、検出された第一の陰影領域内における所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出する第二の陰影領域検出手段と、第一の陰影領域検出手段により検出された第一の陰影領域と、第二の陰影領域検出手段により検出された第二の陰影領域とを表示する表示手段と、を備えたことことを特徴とするものである。
【0011】
「被写体」の具体例としては、人体が挙げられるが、他の動物であってもよい。
【0012】
「三次元造影画像」とは、複数の二次元造影画像により構成される三次元画像をいう。
【0013】
「二次元造影画像」には、CT装置、MRI装置またはPET装置により撮影された画像の場合、被写体の体軸に略垂直な断面を表す画像が用いられる。特に、被写体に対して、造影剤を投与した後に、CT装置により撮影された画像であってもよい。
【0014】
本発明の画像処理装置は、腫瘍の種類に応じて、造影効果が最も高く反映される時点で取得された三次元造影画像を第一の陰影領域検出手段に入力するかを示すデータを記憶するデータベースと、腫瘍の種類の入力を受け付ける受付手段と、データベースに記憶されたデータと、受付手段により受け付けられた腫瘍の種類に基づいて、所定の時点に取得された三次元造影画像を決定する画像決定手段とを更に備えたものであってもよい。
【0015】
本発明の画像処理装置は、第二の陰影領域検出手段において、所定の点の位置情報に基づいて、他の時点における三次元造影画像を構成する二次元造影画像内における所定の点に対応する対応点を設定する設定手段と、他の時点における三次元造影画像を構成する二次元造影画像内に、第二の陰影領域が存在し得る存在範囲を、対応点と第二の陰影領域のありうる大きさとを用いて決定する範囲決定手段と、設定された対応点と決定された存在範囲の外側の点に基づいて、グラフカット領域分割法により他の時点における三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第二の陰影領域を抽出する陰影領域抽出手段とを備えたものであってもよい。
【0016】
本発明の画像処理装置は、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を含む特定領域を検出する特定領域検出手段と、他の時点における三次元造影画像を構成する二次元造影画像から、検出された特定領域と略同一の形状である対応領域を検出する対応領域検出手段とを更に備え、第二の陰影領域検出手段が、対応領域検出手段により検出された対応領域を含む他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第二の陰影領域を検出するものであってもよい。
【0017】
「特定領域」とは被写体の体の部位を示す領域である。例えば、肝臓領域や腎臓領域等の部位を示す領域、被写体の体表を示す領域であってもよい。
【0018】
本発明の画像処理方法は、それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を検出し、検出された第一の陰影領域内における所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出し、検出された第一の陰影領域と、検出された第二の陰影領域とを表示する。
【0019】
本発明の画像処理プログラムは、コンピュータに、それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を検出する機能と、検出された第一の陰影領域内における所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出する機能と、検出された第一の陰影領域と、検出された第二の陰影領域とを表示する機能とを実行させることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の画像処理装置は、それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像の第一の陰影領域上に所定の点を受け付ける受付手段と、受け付けられた所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出する第二の陰影領域検出手段と、第一の陰影領域検出手段により検出された第一の陰影領域と、第二の陰影領域検出手段により検出された第二の陰影領域とを表示する表示手段と、を備えたものであってもよい。
【0021】
本発明の画像処理方法は、それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像の第一の陰影領域上に所定の点を受け付けし、受け付けられた所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出し、検出された第一の陰影領域と、検出された第二の陰影領域とを表示することを特徴としてもよい。
【0022】
本発明の画像処理プログラムは、コンピュータに、それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像の第一の陰影領域上に所定の点を受け付ける機能と、受け付けられた所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出する機能と、検出された第一の陰影領域と、前記検出された第二の陰影領域とを表示する機能とを実行させることを特徴とするものであってもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の画像処理装置および方法ならびにプログラムによれば、検出された第一の陰影領域内における所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出する第二の陰影領域検出手段と、第一の陰影領域検出手段により検出された第一の陰影領域と、第二の陰影領域検出手段により検出された第二の陰影領域とを表示することにより、手動の入力の煩雑さを軽減できるとともに、異なる時点で取得された三次元造影画像毎から陰影領域を正確に検出することができる。
【0024】
また、本発明の画像処理装置および方法ならびにプログラムによれば、腫瘍の種類に応じて、造影効果が最も高く反映される時点で取得された三次元造影画像を第一の陰影領域検出手段に入力するかを示すデータを記憶するデータベースと、腫瘍の種類の入力を受け付ける受付手段と、データベースに記憶されたデータと、受付手段により受け付けられた腫瘍の種類に基づいて、所定の時点に取得された前記三次元造影画像を決定する画像決定手段とを更に備えることにより、造影効果があまり高く反映されない時点で取得された三次元造影画像から陰影領域をより正確に検出することができる。
【0025】
また、本発明の画像処理装置および方法ならびにプログラムによれば、受け付けられた所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出する第二の陰影領域検出手段と、第一の陰影領域検出手段により検出された第一の陰影領域と、第二の陰影領域検出手段により検出された第二の陰影領域とを表示する表示手段と、を備えたことにより、異なる時点で取得された三次元造影画像毎から陰影領域を正確に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の画像処理装置が三次元造影画像から陰影領域を抽出するに適用した実施の形態について説明する。なお、図1に示す画像処理装置の構成は、補助記憶装置に読み込まれた対象領域抽出プログラムをコンピュータ(たとえばパーソナルコンピュータ等)上で実行することにより実現される。このとき、この画像処理プログラムは、CD−ROM等の情報記憶媒体に記憶され、もしくはインターネット等のネットワークを介して配布され、コンピュータにインストールされることになる。
【0027】
画像処理装置は、画像サーバ5に記録されたそれぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を検出する第一の陰影領域検出手段10と、検出された第一の陰影領域内における所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出する第二の陰影領域検出手段20と、第一の陰影領域検出手段10により検出された第一の陰影領域と、第二の陰影領域検出手段20により検出された第二の陰影領域とを表示する表示手段50と、腫瘍の種類に応じて、造影効果が最も高く反映される時点で取得された三次元造影画像を第一の陰影領域検出手段10に入力するかを示すデータを記憶するデータベース40と、腫瘍の種類の入力を受け付ける受付手段60と、データベース40に記憶されたデータと、受付手段60により受け付けられた腫瘍の種類に基づいて、所定の時点に取得された三次元造影画像を決定する画像決定手段70と、被写体を表す複数の三次元造影画像毎の高さ位置を合わせる位置合せ手段30とを備えるものである。
【0028】
画像処理装置は、被写体に造影剤が注入され、その造影剤が動脈、門脈を通じて肝臓等に流れ、肝臓全体に浸透するまでの数分の間に、経時的に複数撮影することにより、取得された三次元造影画像(例えば、早期相、門脈相、後期相等に撮影された三次元画像) を用いる。
【0029】
第一の陰影領域検出手段10は、それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点(例えば、後期相)で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を検出するものである。
【0030】
例えば、第一の陰影領域検出手段10は、桝本潤,堀雅敏,佐藤嘉伸,村上卓道,上甲剛,中村仁信,田村進一, “X 線CT 画像からの肝腫瘤自動抽出の検討”, 電子情報通信学会論文誌, (D-II),Vol. J83D-II, No.1 pp.219-227, 2000に記載されている陰影領域検出手法を適用することにより、複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を検出する。
【0031】
この第一の陰影領域検出手法は、受付手段60を用いて、二次元造影画像から肝臓領域をマニュアル抽出する。次に平滑化処理を行い、更にしきい値を設定し、2値化する。2値化処理された二次元造影画像を各候補に連結成分処理を施し、それぞれの候補に対して、病変存在の確からしさを表す評価値を求める。最後に、一スライスに対する陰影領域(病変領域)存在の評価値を算出することにより、評価値の高いものを第一の陰影領域として検出する。
【0032】
第二の陰影領域検出手段20は、第一の陰影領域検出手段10により検出された第一の陰影領域内における所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出するものである。
【0033】
また、第二の陰影領域検出手段20は、後述する位置合せ手段30の位置合わせ結果を踏まえ、第一の陰影領域検出手段10により検出された第一の陰影領域内における所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出する。
【0034】
例えば、第二の陰影領域検出手段20は、第一の陰影領域検出手段10により検出された第一の陰影領域内における中心点または重心点を自動計算により算出し、所定の点として設定する。
【0035】
なお、第二の陰影領域検出手法の詳細については、後述する。
【0036】
位置合せ手段30は、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を含む特定領域を検出する特定領域検出手段(不図示)と、他の時点における三次元造影画像を構成する二次元造影画像から、検出された特定領域と略同一の形状である対応領域を検出する対応領域検出手段(不図示)とを備えるものであり、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像と対応する他の時点における三次元造影画像を構成する二次元造影画像との位置合せをおこなうものである。CT装置等は、異なる時点で経時的に撮影されるため、撮影される時点毎に、撮影対象の被写体の位置がずれる場合や撮影範囲が異なる場合があるので、そのような場合であっても、相対的に被写体の体軸高さ位置が同じとなる、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像と、他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像とを対応づけるものである。
【0037】
本発明の画像処理装置において、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を含む特定領域を検出する特定領域検出手段(不図示)と、他の時点における三次元造影画像を構成する二次元造影画像から、検出された特定領域と略同一の形状である対応領域を検出する対応領域検出手段(不図示)とを更に備え、第二の陰影領域検出手段20が、対応領域検出手段により検出された対応領域を含む他の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第二の陰影領域を検出してもよい。
【0038】
具体的には、位置合せ手段30は、上記の特定領域検出手段と、対応領域検出手段とを備えている。
【0039】
特定領域検出手段は、所定の時点で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を含む特定領域を検出する。
【0040】
例えば、特定領域検出手段が、後期相で取得された三次元造影画像を構成する特定の二次元造影画像から体表領域を検出する。
【0041】
対応領域検出手段は、他の時点における三次元造影画像を構成する二次元造影画像から、検出された特定領域と略同一の形状である対応領域を検出することにより、後期相で取得された三次元造影画像を構成する特定の二次元造影画像に対応する平衡相における三次元造影画像を構成する二次元造影画像と位置合せをすることができる。
【0042】
また、対応領域検出手段は、平衡相における三次元造影画像を構成する二次元造影画像から、上記特定領域検出手段により検出された体表領域(特定領域)を所定の変形処理を加えることにより、上記変形処理を加えられた体表領域(特定領域)と略同一の形状である対応領域(体表)を検出することにより、後期相で取得された三次元造影画像を構成する特定の二次元造影画像に対応する平衡相における三次元造影画像を構成する二次元造影画像と位置合せをしてもよい。CT装置等により異なる時点で経時的に撮影されるため、撮影される時点毎に、撮影対象の被写体の位置がずれる場合や撮影範囲が異なる場合、異なる時点で撮影される画像毎が、変形する可能性があるからである。
【0043】
そこで、変形処理は、例えば、平行移動処理、回転移動処理等が挙げられる。平行移動処理は、検出された体表領域毎の中心点を合わせすることにより、それぞれの二次元造影画像とまたはそれぞれの三次元造影画像との位置合わせするものであってもよい。
【0044】
また、回転移動処理は、検出された体表領域の長軸と短軸を求め、各軸が合うように位置合せをおこなってもよい。
【0045】
また、体表領域を検出するには、特願2007−104846号公報に記載されている手法により、行ってもよい。
【0046】
なお、特定領域や対応領域は、体表のみならず、被写体の部位領域であってもよい。
【0047】
また、位置合せ手段30は、特開2008−6188号公報に記載されている手法により、位置合せをおこなってもよい。
【0048】
データベース40は、腫瘍の種類に応じて、造影効果が最も高く反映される時点で取得された三次元造影画像を示すデータを記憶するものである。
【0049】
表示手段50は、画像を表示するものであり、例えばディスプレイが挙げられる。
【0050】
受付手段60は、操作者の入力を受け付けるものであり、例えば、マウスやキーボードが挙げられる。
【0051】
以下、図2のフローチャートに沿って、本発明の第一の陰影領域と、第二の陰影領域とを表示する実施形態について、説明する。
【0052】
画像サーバ5により記録された所定の時点(例えば、後期相)で取得された三次元造影画像を取得する(ステップST1)。
【0053】
次に上述したように第一の陰影領域検出手段10は、所定の時点(例えば、後期相)で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を検出する(ステップST2)。
【0054】
また、位置合せ手段30は、上述したように、所定の時点で取得された三次元造影画像と他の時点で取得された三次元造影画像の位置合せ処理を行う(ステップST3)。第二の陰影領域検出手段20は、第一の陰影領域検出手段10により検出された第一の陰影領域内における所定の点の位置情報を上述したように設定する(ステップST4)。なお、所定の点の設定に関し、後述する受付手段60により受け付けられた所定の点の位置情報に基づいて、設定されるものであってもよい。
【0055】
次に、上述した位置合わせ結果と、設定された所定の点を用いて、所定の時点(例えば、後期相)で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像に対応する他の時点(例えば、平衡相)で取得された三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第二の陰影領域を検出する(ステップST5)。
【0056】
ここで、第二の陰影領域の検出手法について、詳細に述べる。
【0057】
第二の陰影領域検出手段20は、位置合せ手段30の位置合わせ結果により設定された二次元造影画像Iから陰影領域Rを抽出するものであって、図3に示すように、陰影領域R内に任意の点Psを設定する設定手段110と、二次元造影画像I中に、陰影領域Rが存在し得る存在範囲Eを、任意の点Psと陰影領域Rのありうる大きさLとを用いて決定する範囲決定手段120と、任意の点Psと存在範囲Eの外側の点に基づいて二次元造影画像Iから陰影領域Rを抽出する対象領域抽出手段130とを備えている。
【0058】
設定手段110は、上述のように設定された所定の点の位置情報を取得することにより、その位置を任意の点Psとして自動的に設定するものであってもよいし、画像表示装置等に表示された二次元造影画像Iに対して、この画像処理装置に備えられた受付手段60(例えば、マウスやキーボード等)を用いた操作者の入力により受け付けられた位置に基づいて、該位置を任意の点Psとして設定するものであってもよい。
【0059】
ここで、任意の点Psは、陰影領域R内に設定された1以上の点からなるものであって、各点は、陰影領域Rのおおまかな中心に設定されたものであってもよいし、陰影領域Rの中心から外れた位置に設定されたものであってもよい。
【0060】
第二の陰影領域検出手段20は、二次元造影画像I中に、陰影領域Rが存在し得る存在範囲E、すなわち、陰影領域Rの全体を含むと想われる範囲を、任意の点Psと陰影領域Rのありうる大きさLとを用いて決定するものであって、具体的には、任意の点Psの位置(任意の点Psが2以上の点である場合にはそれらの点の中心位置)にその範囲のおおまかな中心が位置する、陰影領域Rのありうる大きさL以上の大きさの範囲を存在範囲Eとして決定する。
【0061】
このように、存在範囲Eを、任意の点Psの位置にその範囲のおおまかな中心が位置するように決定するとき、その任意の点Psが陰影領域Rの中心から外れた位置に設定されたものであっても、その存在範囲Eが陰影領域Rの全体を含むものとなるように、陰影領域Rのありうる大きさL以上の大きさの範囲、例えば陰影領域Rのありうる大きさLを1.5倍した大きさの範囲を存在範囲Eとして決定する。
【0062】
ここで、陰影領域Rのありうる大きさLは、陰影領域の大きさのうち物理的にあり得ると思われる最大の大きさであって、陰影領域Rが示す病変の物理的にありうると想われる最大の大きさを、二次元造影画像Iにおける1画素が示す大きさで除算して得られた、その最大の大きさの二次元造影画像I上での大きさ(画素数)を陰影領域Rのありうる大きさLとして用いてもよいし、陰影領域を含む多数の医用画像の各々における陰影領域の大きさのうち最も大きい大きさを陰影領域Rのありうる大きさLとして用いてもよい。また、他のいかなる方法により任意に決定した大きさであってもよい。
【0063】
たとえば、図4に示すように、肝臓腫瘍を示す陰影領域Rを含む二次元造影画像I上において、この二次元造影画像I中の陰影領域Rが示す肝臓腫瘍の物理的にありうる最大の幅が例えば、30mmであったとすると、この二次元造影画像Iにおける1画素が示す大きさが垂直方向0.5mm×水平方向0.5mmであるとき、その最大の幅の二次元造影画像Iでの大きさ60画素(30mm÷0.5mm/画素)を陰影領域Rのありうる大きさの幅Wとし、その幅Wを1.5倍してなる長さ90画素を一辺の長さとする正方形の存在範囲Eを、陰影領域内に設定された任意の点Psをその範囲の中心とするように決定することができる。
【0064】
なお、存在範囲Eは、その周縁形状として矩形、円形、楕円形等、種々の形状を採用することができる。
【0065】
対象領域抽出手段130は、任意の点Psと存在範囲Eの外側の点Ptに基づいて二次元造影画像Iから陰影領域Rを抽出するものであり、例えば、二次元造影画像I内に存在範囲Eを含む判別領域Dを設定し、任意の点Psが陰影領域Rを示す画素であり、存在範囲Eの外側に設定した1以上の点Ptが背景領域を示す画素であることに基づいて、その判別領域Dを、Yuri Y. Boykov, Marie-Pierre Jolly, “Interactive Graph Cuts for Optimal Boundary and Region Segmentation of Objects in N-D images”, Proceedings of “International Conference on Computer Vision”, Vancouver, Canada, July 2001 vol.I, p.105-112.に記載されているGraph Cut領域分割方法を用いて、陰影領域Rと背景領域とに分割し、陰影領域Rを抽出する。
【0066】
上記の領域分割方法では、まず、図5に示すように、判別領域D中の各画素を表すノードNijと、各画素が取り得るラベル(本実施の形態では、陰影領域Rまたは背景領域)を表すノードS、Tと、隣接する画素のノード同士をつなぐリンクであるn−linkと、各画素を表すノードNijと陰影領域を表すノードSまたは病変の背景領域を表すノードTとをつなぐリンクであるt−linkとから構成されるグラフを作成する。ここで、n−linkは、隣接する画素が同一領域の画素である確からしさをリンクの太さで表すものであり、その確からしさはそれらの隣接する画素間の距離および画素値の差に基づいて求める。
【0067】
また、各画素を表すノードNijと陰影領域Rを表すノードSをつなぐt−linkは、各画素が陰影領域Rに含まれる画素である確からしさを表すものであり、各画素を表すノードと背景領域Rを表すノードTをつなぐt−linkは、各画素が背景領域Rに含まれる画素である確からしさを表すものである。それらの確からしさは、その画素が陰影領域R又は背景領域のいずれかを示す画素であるかの情報がすでに与えられている場合には、その与えられた情報に従って設定でき、そのような情報が与えられてない場合には、陰影領域Rまたは背景領域を示す画素であることが既知である1以上の画素における画素値の統計的な特徴に基づいて算出することができる。
【0068】
ここで、任意の点Psは陰影領域内に設定された画素であるので、図6に示すように、その点Psを示すノードN33と陰影領域を表すノードSとをつなぐt−linkを太く設定する。また、存在範囲Eの外側に設定した点Ptは背景領域を示す画素であるので、その各点Ptを示すノードN11、N12、…、N15、N21、N25、N31、、と背景領域を表すノードTとをつなぐt−linkを太く設定する。
【0069】
そして、判別領域Dと背景領域は互いに排他的な領域であるので、たとえば図7に点線で示すように、全てのt−linkおよびn−linkのうち適当なリンクを切断してノードSをノードTから切り離すことにより、判別領域Dを陰影領域Rと背景領域に分割する。ここで、切断する全てのt−linkおよびn−linkにおける確からしさの合計が最も小さくなるような切断を行うことにより、最適な領域分割をすることができる。以上のように領域分割して抽出した陰影領域Rの一例を図7に示す。この図では、陰影領域Rの輪郭を実線で表示している。
【0070】
以下、図8に示すフローチャートを参照して、本発明の第二の陰影領域抽出方法について説明する。まず、設定手段110において、他の時点における二次元造影画像I中の陰影領域内に任意の点Psが設定される(ステップST10)。その後、範囲決定手段120により、他の時点における二次元造影画像I中に、陰影領域Rが存在し得る存在範囲Eが、ステップST10において設定された任意の点Psと陰影領域Rのありうる大きさLとに基づいて決定される(ステップST11)。そして、対象領域抽出手段130により、ステップST11において設定された任意の点PsとステップST11において決定された存在範囲Eの外側の点Dに基づいて二次元造影画像Iから陰影領域が抽出される(ステップST12)。
【0071】
上記実施の形態によれば、二次元造影画像から第二の陰影領域を抽出するとき、陰影領域内に任意の点を設定し、画像中に、陰影領域が存在し得る存在範囲を、設定された任意の点と陰影領域のありうる大きさとを用いて決定し、設定された任意の点と決定された存在範囲の外側の点に基づいて画像から陰影領域を抽出することにより、画像中の陰影領域を示す特定の画素と背景領域を示す特定の画素とをそれぞれ手動で与える操作を必要とする従来の陰影領域抽出方法に比べ、決定した存在範囲の外側の点を、背景領域を示す画素として用いることにより、背景領域を示す特定の画素を手動で与える操作を自動化でき、手動の入力の煩雑さを軽減できるとともに、利便性を向上させることができる。
【0072】
なお、上記実施の形態においては、本発明の画像処理装置を二次元造影画像から陰影領域を抽出するものに適用した場合について説明したが、三次元造影画像から陰影領域を抽出するものに適用することもできる。例えば、設定手段110において、三次元造影画像中の陰影領域内に、3次元座標系での任意の点Psを設定し、範囲決定手段120において、その画像中に、陰影領域が存在し得る3次元の存在範囲Eを、任意の点Psと陰影領域のありえる大きさLを用いて決定し、対象領域抽出手段130において、任意の点Psと存在範囲Eの外側の点Ptに基づいて、上述した領域分割方法などを用いて画像から3次元の陰影領域を抽出する。ここで、存在範囲Eは、その周縁形状として六面体、球体等、種々の形状を採用することができる。
【0073】
なお、本発明の画像処理装置において、陰影領域のありうる大きさとは、同種の陰影領域の大きさのうち物理的にあり得ると思われる最大の大きさを意味するものであり、本発明の画像処理装置を用いて画像から2種類以上の陰影領域を抽出する場合、陰影領域の種類毎にその陰影領域のありうる大きさを取得して作成されたリスト等を参照して、各抽出の対象となっている陰影領域の種類に応じて、陰影領域が存在し得る存在範囲を適切に決定することができる。
【0074】
なお、上述した陰影領域は、肝臓、脾臓、腎臓などの臓器を示す臓器領域、脳腫瘍、胸部結節、肝臓腫瘍、肝臓嚢胞、腎嚢胞などの病変を示す領域であってもよい。
【0075】
ここで、図2に示すフローチャートの説明に戻り、表示手段50は、第一の陰影領域検出手段10により検出された第一の陰影領域と、第二の陰影領域検出手段20により検出された第二の陰影領域とを表示する(ステップST6)。
【0076】
具体的には、図9に示すように表示手段50のディスプレイ上に、造影剤を投与する前に撮影された三次元造影画像を構成する所定の二次元造影画像を表示する。
【0077】
例えば、所定の時点(後期相)の二次元造影画像、第一の他の時点(平衡相)により取得された二次元造影画像および第二の他の時点(早期相)により取得された二次元造影画像を同時に表示してもよい。
【0078】
また、画像処理装置は、表示手段50に対し、他の時点により取得された二次元造影画像において、第二の陰影領域が検出されなかった場合には、所定の時点により取得された二次元造影画像に対応する(位置合せ手段30による位置合せ結果に対応する)他の時点により取得された二次元造影画像を表示するように制御してもよい。
【0079】
なお、ユーザが、受付手段60により指示することにより、表示手段50に表示された病変リストを選択することで、病変リストに対応する二次元造影画像を表示切替することが可能である。
【0080】
また、表示手段50は、上述した陰影領域の中心や輪郭を算出した情報を用いて、表示された陰影領域に対して、例えば、図10(A)に示すように病変位置の中心をマークして表示してもよい。
【0081】
また、表示手段50は、上述した陰影領域の中心や輪郭を算出した情報を用いて、表示された陰影領域に対して、例えば、図10(B)に示すように病変の輪郭を表示してもよい。
【0082】
また、表示手段50は、上述した陰影領域の中心や輪郭を算出した情報を用いて、表示された陰影領域に対して、例えば、図10(C)に示すように病変の輪郭外に中心に向かった矢印を表示してもよい。
【0083】
なお、上述したようにCT装置により撮影された画像を例に説明したが、PET装置やMRI装置により撮影された画像を用いて説明してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の画像処理装置の一実施の形態を示すブロック図
【図2】本発明の画像処理方法の一実施の形態を示すフローチャート
【図3】本発明の第二の陰影領域検出手段の構成を示すブロック図
【図4】本発明の第二の陰影領域検出手段により検出する第二の陰影領域の一例を示す図
【図5】本発明の第二の陰影領域検出手段により検出する第二の陰影領域一方法を説明するための図
【図6】本発明の第二の陰影領域検出手段により検出する第二の陰影領域一方法を説明するための図
【図7】本発明の第二の陰影領域検出手段により検出した第二の陰影領域の一例を示す図
【図8】本発明の第二の陰影領域検出手段による一実施の形態を示すフローチャート
【図9】本発明の表示手段に表示される表示例
【図10】本発明の表示手段に表示される二次元造影画像の表示例
【符号の説明】
【0085】
1 画像処理装置
5 画像サーバ
10 第一の陰影領域検出手段
20 第二の陰影領域検出手段
30 位置合せ手段
40 データベース
50 表示手段
60 受付手段
110 設定手段
120 範囲設定手段
130 対象領域抽出手段
Ps 任意の点
Ps’ 所定の点
Pt 外側の点
E 存在範囲(一方の対象領域)
R 肝臓領域(一方の対象領域)
R’ 肝臓領域(他方の対象領域)
L 肝臓領域(一方の対象領域)のありうる大きさ
I 二次元造影画像(画像)
D 判別領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された該三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を検出する第一の陰影領域検出手段と、
前記検出された第一の陰影領域内における所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像から前記第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出する第二の陰影領域検出手段と、
前記第一の陰影領域検出手段により検出された第一の陰影領域と、前記第二の陰影領域検出手段により検出された第二の陰影領域とを表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
腫瘍の種類に応じて、造影効果が最も高く反映される時点で取得された三次元造影画像を前記第一の陰影領域検出手段に入力するかを示すデータを記憶するデータベースと、
前記腫瘍の種類の入力を受け付ける受付手段と、
前記データベースに記憶されたデータと、前記受付手段により受け付けられた腫瘍の種類に基づいて、前記所定の時点に取得された前記三次元造影画像を決定する画像決定手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第二の陰影領域検出手段は、前記所定の点の位置情報に基づいて、前記他の時点における前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像内における前記所定の点に対応する対応点を設定する設定手段と、
前記他の時点における前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像内に、前記第二の陰影領域が存在し得る存在範囲を、前記対応点と前記第二の陰影領域のありうる大きさとを用いて決定する範囲決定手段と、
前記設定された対応点と前記決定された存在範囲の外側の点に基づいて、グラフカット領域分割法により前記他の時点における前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像から前記第二の陰影領域を抽出する陰影領域抽出手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記所定の時点で取得された前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像から前記第一の陰影領域を含む特定領域を検出する特定領域検出手段と、
前記他の時点における前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像から、前記検出された特定領域と略同一の形状である対応領域を検出する対応領域検出手段とを更に備え、
前記第二の陰影領域検出手段が、前記対応領域検出手段により検出された対応領域を含む前記他の時点で取得された前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像から前記第二の陰影領域を検出するものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第一の陰影領域は、肝臓領域における腫瘍領域であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第二の陰影領域は、肝臓領域における腫瘍領域であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項7】
それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された該三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を検出し、
前記検出された第一の陰影領域内における所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像から前記第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出し、
前記検出された第一の陰影領域と、前記検出された第二の陰影領域とを表示することを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された該三次元造影画像を構成する二次元造影画像から第一の陰影領域を検出する機能と、
前記検出された第一の陰影領域内における所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像から前記第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出する機能と、
前記検出された第一の陰影領域と、前記検出された第二の陰影領域とを表示する機能とを実行させることを特徴としたプログラム。
【請求項9】
それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された該三次元造影画像を構成する二次元造影画像上の第一の陰影領域上に所定の点を受け付ける受付手段と、
前記受け付けられた所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像から前記第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出する第二の陰影領域検出手段と、
前記第一の陰影領域検出手段により検出された第一の陰影領域と、前記第二の陰影領域検出手段により検出された第二の陰影領域とを表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された該三次元造影画像を構成する二次元造影画像の第一の陰影領域上に所定の点を受け付けし、
前記受け付けられた所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像から前記第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出し、
前記検出された第一の陰影領域と、前記検出された第二の陰影領域とを表示することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
それぞれ異なる時点で取得された被写体を表す複数の三次元造影画像のうち、所定の時点で取得された該三次元造影画像を構成する二次元造影画像の第一の陰影領域上に所定の点を受け付ける機能と、
前記受け付けられた所定の点の位置情報を用いて、他の時点で取得された前記三次元造影画像を構成する二次元造影画像から前記第一の陰影領域に対応する第二の陰影領域を検出する機能と、
前記検出された第一の陰影領域と、前記検出された第二の陰影領域とを表示する機能とを実行させることを特徴としたプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図4】
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【図7】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−301254(P2009−301254A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153790(P2008−153790)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】