説明

画像処理装置および画像処理プログラム

【課題】複数枚の原稿のうち、複数箇所に画像データを挿入する場合において、画像データを挿入するための処理時間を短縮する。
【解決手段】複数枚の原稿を読み取る複合機のスキャナ部と、スキャナ部で読み取られた複数枚の原稿各々に対応する画像データからなるフィルダ(ファイル)を記憶する記憶部と、通信可能なパソコンであって、フォルダを記憶部から取得する取得手段と、フォルダにおける複数の画像データの挿入位置の指定および該挿入位置に挿入する画像データ数の指定を受け付ける受付手段と、フォルダに挿入する挿入原稿の読み取りをスキャナ部に指示する読取指示手段と、取得されたフォルダに対し、指定を受け付けた挿入位置および該挿入位置に挿入する画像データの数に基づいて、読み取られた挿入原稿の画像データを、読み取られた順に挿入する挿入手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数ページ(複数枚)からなる原稿を連続して読み取り、各ページに対応した画像データを読み取った順で作成する画像処理装置が知られている。特に、複数ページの原稿のうち一部のページが重送され、本来存在するページの画像データが欠落した場合、原稿全部、または、欠落した画像データに係るページの原稿および該ページの前後のページの原稿を再度読み取って、欠落したページの原稿データを、欠落が生じた位置に挿入することができる画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−33451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、原稿全部、または、欠落した画像データに係るページの原稿および該ページの前後のページの原稿を再度読み取るため、ページの重送等による画像データの欠落が複数箇所で生じた場合、再度読み取る原稿の枚数が非常に多くなり、欠落したページの画像データを挿入するための処理時間が長くかかる虞がある。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、複数枚の原稿に基づき作成された複数の画像データのうち、複数箇所に画像データを挿入する場合において、画像データを挿入するための処理時間を短縮することができる画像処理装置および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の画像処理装置は、複数枚の原稿を読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取られた複数枚の原稿各々に対応する画像データからなる画像データ群を記憶する記憶手段と、通信可能な画像処理装置であって、前記画像データ群を前記記憶手段から取得する取得手段と、前記画像データ群における複数の画像データ挿入位置の指定および該画像データ挿入位置に挿入する画像データの数の指定を受け付ける受付手段と、前記画像データ群に挿入する挿入原稿の読み取りを前記読取手段に指示する読取指示手段と、前記取得手段により取得された画像データ群に対し、前記受付手段により受け付けた画像データ挿入位置および該画像データ挿入位置に挿入する画像データの数に基づいて、前記読取指示手段による指示により読み取られた挿入原稿の画像データを、前記読取手段で読み取られた順に挿入する画像挿入手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記取得手段は、前記画像データ群として、1つのフォルダに格納された複数の画像データ、または、1つのファイルを構成する複数の画像データを前記記憶手段から取得することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像処理装置において、表示手段と、前記取得手段により取得された前記画像データ群に含まれる前記画像データ各々を特定する複数の特定画像を、該画像データに係る原稿の前記読取手段による読み取り順に従って表示するとともに、該特定画像の前または後の少なくともいずれか一方に、前記挿入原稿の画像データを挿入可能な位置を示す情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置において、前記記憶手段は、前記原稿の読み取りに係る読取条件を記憶しており、前記読取指示手段は、前記記憶手段に記憶された読取条件で前記挿入原稿を読み取るよう指示することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像処理装置において、前記記憶手段は、前記読取条件として、解像度を記憶することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれかに記載の画像処理装置において、前記画像データ群を構成する複数の画像データには、各々異なる名称が付与されており、前記取得手段が、前記画像データ群として、1つのフォルダに格納された複数の画像データを取得した場合、前記挿入手段により挿入原稿の画像データを前記画像データ群に挿入した後、前記画像データ群を構成する画像データの名称を変更する名称変更手段をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置において、前記読取手段とネットワークを介して通信可能であることを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項8に記載の画像処理プログラムは、複数枚の原稿を読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取られた複数枚の原稿各々に対応する画像データからなる画像データ群を記憶する記憶手段と、通信可能なコンピュータが実行可能な画像処理プログラムであって、前記コンピュータに、前記画像データ群を前記記憶手段から取得する取得手段と、前記画像データ群における複数の画像データ挿入位置の指定および該画像データ挿入位置に挿入する画像データの数の指定を受け付ける受付手段と、前記画像データ群に挿入する挿入原稿の読み取りを前記読取手段に指示する読取指示手段と、前記取得手段により取得された画像データ群に対し、前記受付手段により受け付けた画像データ挿入位置および該画像データ挿入位置に挿入する画像データの数に基づいて、前記読み取り指示手段による指示により読み取られた挿入原稿の画像データを、前記読取手段で読み取られた順に挿入する画像挿入手段と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1および請求項8に記載の発明によれば、挿入原稿のみを読み取り、原稿の画像データにおける複数の画像データ挿入位置および該画像データ挿入位置に挿入する画像データの数に基づいて、挿入原稿の画像データを読み取られた順に挿入することにより、画像データを挿入するための処理時間を短縮することができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、画像データ群として、1つのフォルダに格納された複数の画像データまたは1つのファイルを構成する複数の画像データを取得することにより、1回の取得操作で、挿入原稿の画像データが挿入される複数の画像データを取得することができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、取得手段により取得された画像データ群に含まれる画像データ各々を特定する複数の特定画像を、該画像データに係る原稿の読取手段による読み取り順に従って表示するとともに、該特定画像の前または後の少なくともいずれか一方に、挿入原稿の画像データを挿入可能な位置を示す情報を表示手段に表示させることにより、ユーザが画像データ挿入位置を容易に指定することができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、原稿の読み取りに係る読取条件を記憶手段に記憶しており、その読取条件で挿入原稿を読み取るよう指示することにより、原稿の読み取り時と同条件で挿入原稿を読み取ることができる。したがって、原稿と挿入原稿の画像データにおける読取品質の差異を低減することができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、読取条件として解像度を記憶することにより、原稿の読み取り時と同じ解像度で挿入原稿を読み取ることができる。したがって、原稿と挿入原稿の画像データにおける画質の差異をさらに低減することができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、画像データ群を構成する複数の画像データには各々異なる名称が付与されており、画像データ群として、1つのフォルダに格納された複数の画像データを取得した場合、挿入原稿の画像データを画像データ群に挿入した後、画像データ群を構成する画像データの名称を変更することができる。したがって、ユーザによる画像データの管理がしやすくなる。
【0020】
さらに、請求項7に記載の発明は、読取手段とネットワークを介して通信可能であることにより、読取手段を備えていない画像処理装置においても容易に画像データの挿入処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態の画像処理システムを示すブロック図である。
【図2】フォルダリストの表示例を示す図である。
【図3】画像データの表示例を示す図であり、(a)はフォルダ選択後、(b)は挿入位置・挿入数設定後、(c)は挿入結果表示時の状態を示す。
【図4】第1実施形態のパソコンにおける追加スキャン処理を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の挿入処理を示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態の複合機における追加スキャン処理を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態の複合機における追加スキャン処理を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態のパソコンにおける追加スキャン処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る画像処理装置および画像処理プログラムを、複合機30に接続されたコンピュータ(以下、パソコン)10に具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0023】
<システムの構成>
パソコン10と複合機30とにより構成された画像処理システム1について、図1を参照して説明する。パソコン10と複合機30とは、LAN(Local Area Network)4でデータ送受信可能に接続されている。なお、パソコン10と複合機30との接続方法は、LAN4に限定されるものではなく、USB接続やパラレル接続であってもよい。
【0024】
以下、各装置の構成を説明する。まず、パソコン10について説明する。パソコン10は、制御部12と記憶部14(本発明の記憶手段に相当)と操作部16と表示部18(本発明の表示手段に相当)とネットワークインターフェース(以下、ネットワークI/F)20とを備える。制御部12は、自装置の制御を司り、演算処理を実行するCPU、各種プログラムを記憶するROMおよび作業領域としてのRAMにより構成される。
【0025】
記憶部14は、例えば、ハードディスクで構成されている。記憶部14には、OS(Operating System)140と、複合機30に対する印刷コマンドまたは印刷データを作成するプリンタドライバ142と、複合機30で読み取られたスキャンデータ144とが記憶されている。
【0026】
スキャンデータ144は、フォルダリスト146と、画像データ148と、スキャン設定150(本発明の読取条件に相当)とにより構成される。画像データ148は、複合機30のスキャナ部42で読み取られた原稿の画像データである。読み取られた原稿が複数枚(複数ページ)の場合、ページ単位で作成された複数の画像データ148が1つのフォルダまたはファイル(本発明の画像データ群に相当)として記憶されている。詳細には、JPEGやPDF(Portable Document Format)等のファイル形式により画像データ148の格納方法が異なり、1つの画像ファイル内に1つの画像データしか入らないJPEG形式のファイルの場合は、ページ単位で読み取られた複数の画像データ148が各々画像ファイルとして、1つのフォルダに格納される。一方、1つのファイル内に複数の画像データを複数ページに分けて入れることができるPDF形式のファイルの場合は、ページ単位で読み取られた複数の画像データ148が1つのファイルに格納される。なお、本実施形態において、複合機30で読み取られた原稿は複数枚の原稿から構成されているものとする。換言すれば、読み取られた原稿は複数ページから構成されているものとする。フォルダリスト146は、画像データ148が格納されているフォルダまたはファイルのリストである。フォルダリスト146は、各フォルダまたはファイルの名前とともにファイル形式を記憶しており、表示部18に表示される際は、図2に示すように、フォルダ名またはファイル名が表示される。なお、ファイル名は対応する拡張子とともに表示される。スキャン設定150は、各フォルダまたはファイルに含まれる画像データを作成する際に、原稿がスキャナ部42で読み取られた時に設定されていた読取条件であり、例えば、両面/片面、カラー/モノクロ、解像度、明度、画像データ記憶の際のファイル形式(JPEG、PDF等)等である。
【0027】
操作部16は、例えば、キーボードおよびマウスから構成され、各種指令の入力インターフェースとしての機能を実現する。表示部18は、例えば、複合機30で読み取られたスキャンデータ144等の各種情報を表示する。ネットワークI/F20は、パソコン10をLAN4に接続し、複合機30のような外部装置との間でLAN4を介した種々のデータの送受信を実行する。
【0028】
次に、複合機30について説明する。複合機30は、制御部32と記憶部34(本発明の記憶手段に相当)と操作部36と表示部38とネットワークI/F40とスキャナ部42(本発明の読取手段に相当)と印刷部44とを備える。制御部32は、自装置の制御を司り、演算処理を実行するCPU、各種プログラムを記憶するROMおよび作業領域としてのRAMにより構成される。
【0029】
記憶部34は、例えば、ハードディスクまたは不揮発性のメモリ(EEPROM)により構成され、スキャナ部42で読み取られたスキャンデータ340等の各種データが記憶される。スキャンデータ340は、フォルダリスト342と、画像データ344と、スキャン設定346(本発明の読取条件に相当)とから構成されている。なお、スキャンデータ340は、パソコン10の記憶部14に記憶されたスキャンデータ144と同様に構成されているため、詳細な説明は省略する。
【0030】
操作部36は、例えば、方向キー、文字入力が可能なテンキーボードおよび確定ボタン等により構成され、各種指令の入力インターフェースとしての機能を実現する。表示部38は、例えば、スキャナ部42で読み取られたスキャンデータ340等の各種情報を表示する。ネットワークI/F40は、複合機30をLAN4に接続し、例えば、パソコン10との間で種々のデータの送受信を実行する。
【0031】
スキャナ部42は、原稿台(図示を省略)に載置された記録媒体である原稿をスキャンする。印刷部44は、例えば、プリンタドライバ142で作成された印刷データ等の各種データを印刷する。
【0032】
<追加スキャン処理>
次に、本実施形態の追加スキャン処理について、図2〜図6を参照して詳細に説明する。本実施形態において、追加スキャン処理の対象とする原稿は、10枚の原稿、換言すれば、10ページで構成されており、以下、原稿の各ページを先頭のページから順にA〜Jとする。また、各ページに対応する画像データ148のファイル形式はJPEGとし、これらの画像データ148は、「Test」という名前のフォルダに格納されているとする。本実施形態において、ページD、G、H、Jが原稿の重送等により読み取られず、ページA、B、C、E、F、Iのみが読み取られ、この読み取られた各ページの画像データ148が「Test」フォルダに格納されているとする。そして、本実施形態においては、追加スキャンによってページD、G、H、Jを再度読み取り、これら再度読み取ったページの画像データをA〜Jがページ順に並ぶように挿入する場合を考える。また、フォルダに格納された画像データ148は、先頭のページから順に並ぶようにファイル名が設定される。例えば、読み取られたページ順に数字が付加された数字列等である(図3参照)。なお、原稿の画像データ148の構成は、これに限定されるものではなく、本実施形態において、複数枚からなる原稿であり、各ページの画像データが、1つのフォルダまたはファイルにページ順に格納されているものであれば、種々の形態を採用することができる。
【0033】
まず、パソコン10における処理について、図2および図3を参照し、図4のパソコン10における追加スキャン処理を示すフローチャートに従って、詳細に説明する。この追加スキャン処理は、パソコン10の制御部12のROMに記憶されたプログラムに基づいて実行されるものであり、パソコン10の操作部16から追加スキャン処理を指示する操作がなされることにより開始される。
【0034】
制御部12は、S402において、記憶部14からフォルダリスト146を取得し、表示部18にフォルダリスト146を表示する(S404;図2参照)。なお、S402の処理は、複合機30の記憶部34に記憶されているフォルダリスト342を取得するものとしてもよい。
【0035】
図2は、フォルダリスト146の表示例を示す図であり、記憶部14に記憶されているフォルダまたはファイルの名前が表示される。ユーザは、操作部16で追加スキャン処理を実行したいフォルダまたはファイルを選択した後、表示部18に表示されるOKボタン200を選択することにより所望のフォルダまたはファイルを選択することが可能となる。また、キャンセルボタン202が選択された場合、フォルダリスト146の表示が終了する。なお、複合機30の記憶部34に記憶されているフォルダリスト342についても同様に表示される。
【0036】
次に、制御部12は、図4のS406において、ユーザにより1つのフォルダまたはファイルが選択されたことを検出し、選択されたフォルダまたはファイルの画像データ148およびスキャン設定150を記憶部14から取得する(S408)。なお、S402で複合機30の記憶部34に記憶されているフォルダリスト342を取得した場合は、S408において、記憶部34に記憶されている画像データ344およびスキャン設定346が取得される。本実施形態において、S406で「Test」フォルダが選択され、記憶部14に記憶されている、「Test」フォルダに格納されている画像データ148およびその画像データ148を読み取った時のスキャン設定150が取得される(S408)。なお、本実施形態では、フォルダを選択して追加スキャン処理を行う場合を想定するため、以後の処理は、フォルダに限定して説明する。また、ファイルを選択して追加スキャン処理を行う場合については後述する。
【0037】
そして、制御部12は、図4のS410において、選択したフォルダに格納された画像データ148の縮小画像(本発明の特定画像に相当)を表示する。図3(a)は、フォルダ選択後における画像データ148の表示例を示す図である。S410では、図3(a)に示すように、選択したフォルダに格納された複数の画像データ148の縮小画像301、302、303、305、306、309が左上からページ順に並べて表示され、また、縮小画像301、302、303、305、306、309の右側に破線で示された矩形321〜326(本発明の挿入原稿の画像データを挿入可能な位置を示す情報に相当)が表示される。図3(a)において、矩形321〜326が表示されている位置は、再度読み取られる原稿の画像データを挿入可能な挿入位置を示している。本実施形態では、ページA、B、C、E、F、Iの画像データ148のみが「Test」フォルダに格納されているので、S410において、図3(a)に示すように、ページA、B、C、E、F、Iの画像データ148の縮小画像301、302、303、305、306、309、および、各縮小画像の右側に挿入可能位置を示す矩形321〜326が表示される。なお、挿入可能位置を示す矩形321〜326は、縮小画像の左右両側に表示されていてもよい。また、縮小画像301、302、303、305、306、309の下には各縮小画像に対応する画像データ148のファイル名が表示されており、図3(a)において、ファイル名として、先頭ページから順に付与された数字列が拡張子とともに表示される(例えば、「01.jpg」等)。
【0038】
次に、制御部12は、図4のS412において、ユーザにより操作部16から入力された画像データの挿入位置(本発明の画像データ挿入位置に相当)および各挿入位置に挿入する画像データの数を取得し、RAMに記憶する。
【0039】
ここで、ユーザによる画像データの挿入位置および各挿入位置に挿入する画像データの数の設定について、説明する。図3(a)に示す表示状態において、ユーザが矩形321〜326のうちいずれか1つを選択し、選択した矩形の位置に挿入したい画像データの数を操作部16から入力した後、OKボタン350を選択することにより、選択した挿入位置に挿入する挿入数の設定が完了する。また、複数の挿入位置に画像データを挿入する場合は、この手順が繰り返される。そして、全ての設定が完了した場合は、ユーザにより、表示部18に表示される確認ボタン352が選択される。
【0040】
本実施形態では、ページD、G、H、Jの画像データを、A〜Jがページ順に並ぶように挿入することを目的とするため、ユーザにより、図3(a)の表示状態において、矩形323に1枚、矩形325に2枚、矩形326に1枚という設定内容が入力され、制御部12はこの内容をRAMに記憶する(S412)。
【0041】
そして、制御部12は、図4のS414において、ユーザにより、画像データの挿入位置および挿入数が全て設定されたか否かを判断する。すなわち、図3(a)において、表示部18に表示される確認ボタン352が選択されたか否かを判断する。判断の結果、確認ボタン352が選択されていない場合(S414:NO)、S412に戻り、確認ボタン352が選択されるまで処理を繰り返す。一方、確認ボタン352が選択された場合(S414:YES)、S412で取得した内容を表示する(S416)。
【0042】
図3(b)は、S416において表示される、設定された挿入位置および挿入数を示す画像データ148の表示例である。破線で示す矩形332〜335は、設定された挿入位置であり、矩形332〜335に、それぞれ、再度読み取る画像データを1枚ずつ挿入することを示す。また、図3(b)の右下に表示されるOKボタン360は、設定された内容に基づいて処理を進める場合に選択され、キャンセルボタン362は設定された挿入位置または挿入数を変更する場合に選択され、終了ボタン364は追加スキャン処理を終了する場合に選択されるものである。本実施形態において、ページDの画像データを矩形332に、ページGの画像データを矩形333に、ページHの画像データを矩形334に、ページJの画像データを矩形335に挿入することを目的とするため、図3(b)に示すように、S412で取得した設定内容が表示される。なお、図3(a)と同様に、図3(b)において、縮小画像301、302、303、305、306、309の下に表示されている、先頭ページから順に付与された数字列および拡張子(例えば、「01.jpg」など)は、各縮小画像に対応する画像データ148のファイル名を示す。
【0043】
次に、制御部12は、図4のS418において、ユーザにより選択された指示内容を判断する。すなわち、図3(b)において、ユーザによりOKボタン360、キャンセルボタン362、または終了ボタン364のいずれが選択されたかを判断する。判断により、キャンセルボタン362が選択された場合(S418:キャンセル)、S412の処理に戻る。また、終了ボタン364が選択された場合(S418:終了)、本処理を終了する。OKボタン360が選択された場合(S418:OK)、制御部12は、図4のS420において、S408で取得した、選択されたフォルダに対応するスキャン設定150を複合機30へ送信する。この時、スキャン開始を指示するスキャン指示をスキャン設定150とともに複合機30へ送信してもよい。
【0044】
その後、複合機30から追加スキャンされた画像データを受信し(S422)、後述する挿入処理(S424;図5参照)を行う。本実施形態において、追加スキャンされた画像データとして、複合機30で再度読み取られたページD、G、H、Jの画像データが、追加スキャンデータとして、この読み取り順で受信される。
【0045】
そして、制御部12は、挿入処理によって画像データが挿入されたフォルダに格納された画像データ148のファイル名を変更する(S426)。具体的には、挿入された画像データを含めてページ順に並ぶように、フォルダに格納されている画像データ148のファイル名を、例えば、先頭のページから順に数字を付加した数字列等に変更する(図3(c)参照)。なお、ファイル名は、これに限定されるものではなく、画像データ148をページ順に並べて格納することが可能なファイル名であれば種々の形態を採用することができる。
【0046】
次に、制御部12は、選択されているフォルダに対してファイル名の変更を反映することにより、フォルダの画像データ148を更新して記憶部14に記憶し(S428)、挿入結果を表示部18に表示して処理を終了する(S430)。図3(c)は、挿入結果表示時の画像データ148の表示例であり、斜線で示された部分は、S424により挿入された画像データ148の縮小画像304、307、308、310である。また、縮小画像301〜310の下に表示されている、先頭ページから順に付与された数字列および拡張子(例えば、「01.jpg」など)は、各縮小画像に対応する画像データ148のファイル名を示す。図3(c)では、図4のS426により、挿入された画像データを含めて先頭ページ順に並ぶように変更された、画像データ148のファイル名が表示されている。
【0047】
ここで、挿入処理(S424)(本発明の挿入手段に相当)について、図5の挿入処理を示すフローチャートに従って、詳細に説明する。なお、挿入処理において、図3(b)に示す挿入位置333、334のように、挿入位置が連続して並んでいる場合、挿入位置333および挿入位置334をまとめて1つの挿入位置として扱うこととする。
【0048】
まず、図5のS500において、制御部12は、図4のS412で取得した挿入位置のうち、先頭ページに最も近い挿入位置を選択する。本実施形態において、図3(b)に矩形332〜335で示す挿入位置のうち、先頭ページであるページAの画像データの縮小画像302に最も近い挿入位置332が選択される。
【0049】
次に、制御部12は、S500で選択した挿入位置に挿入する画像データ数をRAMから取得し(S502)、図4のS422で複合機30から受信した画像データ(追加スキャンデータ)のうち、S502で取得した数の画像データを、読み取られた順に選択する(S504)。そして、選択した画像データを、選択した挿入位置に挿入する(S506)。本実施形態において、S500で選択された挿入位置332に挿入する画像データは、図4のS412において1つとして取得されているので、複合機30から受信したページD、G、H、Jの画像データのうち、最初に読み取られたページDの画像データが挿入位置332に挿入される。
【0050】
そして、S508において、追加スキャンデータを全て挿入したか否かを判断し、全て挿入した場合(S508:YES)は処理を終了する。一方、判断の結果、全て挿入していない場合(S508:NO)、S500に戻り、S500〜S508の処理を繰り返す。
【0051】
本実施形態においては、複合機30から受信したページD、G、H、Jの画像データはまだ挿入されていないので、S500に戻り、S500〜S508の処理を繰り返す。すなわち、挿入済みの位置を除いた未挿入の挿入位置のうち、先頭ページであるページAの画像データの縮小画像302に最も近い挿入位置333、334を選択される。そして、挿入位置333、334に挿入する画像データは、図4のS412において計2つとして取得されているので、未挿入の画像データのうち、読み取られた順にページG、Hの画像データがそれぞれ挿入位置333、334に挿入される。そして、未挿入の画像データとして、ページJの画像データがまだ存在するので、再度S500に戻り、未挿入の挿入位置のうち、先頭ページAの画像データの縮小画像302に最も近い挿入位置335を選択し、挿入位置335に挿入する画像データは、図4のS412において1つとして取得されているので、未挿入であるページJの画像データが挿入位置335に挿入される。追加スキャンデータは全て挿入されたので、本処理を終了する。このようにして、複合機30で再度読み取られた画像データを、設定された挿入位置に、設定された挿入数だけ挿入して「Test」フォルダに格納することが可能となる。
【0052】
次に、複合機30における処理について、図6の複合機30における追加スキャン処理を示すフローチャートに従って、詳細に説明する。この処理は、複合機30の制御部32のROMに記憶されたプログラムに基づいて実行される。
【0053】
まず、図6のS600において、制御部32は、複合機30の原稿台(図示を省略)に再読み取り(追加スキャン)する原稿(本発明の挿入原稿に相当)が載置されたことを検出したか否かを判断する。ここで、本実施形態において、追加スキャンする原稿は、図4のS412で取得した挿入位置に挿入される原稿のみである。すなわち、本実施形態では、追加スキャンする原稿は上述の通り、ページD、G、H、Jである。判断の結果、原稿が検出されなかった場合(S600:NO)、制御部32は、検出するまでS600の処理を繰り返す。一方、原稿が検出された場合(S600:YES)、制御部32は、ユーザによるスキャン指示があったか否かを判断する(S602)。なお、ユーザによるスキャン指示は、複合機30の操作部36から指示されてもよいし、パソコン10の操作部16から入力されたスキャン指示をパソコン10から受信してもよい。
【0054】
S602の判断の結果、スキャン指示が検出されない場合(S602:NO)、制御部32は、検出するまでS602の処理を繰り返す。一方、スキャン指示が検出された場合(S602:YES)、制御部32は、S604において、パソコン10からスキャン設定150を受信したか否かを判断する。判断の結果、スキャン設定150が受信されていない場合(S604:NO)、制御部32は、スキャン設定150を受信するまでS604の処理を繰り返す。一方、スキャン設定150を受信済みである場合(S604:YES)、制御部32は、原稿台に載置された原稿のスキャンを実行する(S606)。この時、フォルダに挿入すべく原稿台に載置された原稿のみがページ順に読み取られる。
【0055】
次に、制御部32は、S608において、図4のS412で取得した画像データ数(設定枚数)が読み取られた画像データ数(スキャン枚数)と一致するか否かを判断する。すなわち、図4のS412で取得した挿入位置にそれぞれ挿入する画像データ数の合計が、S606で読み取られた原稿の画像データ数と一致するか否かを判断する。本実施形態では、スキャン枚数が設定枚数である4枚であるか否かが判断される。なお、設定枚数は、図4のS412において取得した挿入数の総数であり、S420でパソコン10から送信されたものである。設定枚数は、S602でスキャン指示とともに受信されるとよい。
【0056】
判断の結果、設定枚数とスキャン枚数が一致する場合(S608:YES)、制御部32は、読み取った画像データ(追加スキャンデータ)をパソコン10へ送信し、本処理を終了する(S610)。一方、設定枚数とスキャン枚数が一致しない場合(S608:NO)、制御部32は、設定枚数とスキャン枚数が一致しない旨を示すエラー情報を、表示部38に通知して、本処理を終了する(S612)。なお、エラー情報はパソコン10の表示部18に表示してもよい。
【0057】
以上説明したように、ユーザにより設定された挿入位置に挿入される原稿のみを再度読み取り(図6のS606)、設定された挿入位置および該挿入位置に挿入する画像データ数に基づいて、再度読み取られた画像データを読み取り順に挿入することにより(図5参照)、画像データを挿入するための処理時間を短縮することができる。
【0058】
また、複数の画像データ148が1つのフォルダとして記憶されており、フォルダ単位で複数の画像データ148を取得することにより(図4のS408)、1回の取得操作で、ユーザにより指定されたフォルダに格納されている複数の画像データ148を取得することができる。すなわち、1回の取得操作により、追加スキャン処理の対象とされる、挿入する原稿の画像データが挿入されるフォルダに格納された画像データ148を全て取得することができる。
【0059】
また、フォルダに含まれる複数の画像データ148の縮小画像を、スキャナ部42で読み取られた順に並べて表示部18に表示するとともに、縮小画像の前または後の少なくともいずれか一方に、画像データを挿入可能な位置を示す矩形を表示部18表示させることにより(図3(a)参照)、ユーザが画像データの挿入位置を容易に指定することができる。
【0060】
また、記憶部14にスキャン設定150を記憶しており、スキャン設定150に基づいて再度読み取ることを指示することにより(図4のS420)、最初に原稿が読み取られたときと同条件で追加スキャンを行うことができる。したがって、追加スキャンを行う前に記憶されていた画像データ148と再度読み取られた画像データの読み取り品質における差異を低減することができる。特に、スキャン設定として、原稿の読み取り時における解像度を記憶しておくことにより、追加スキャンを行う前に記憶されていた画像データ148と再度読み取られた画像データの画質における差異をさらに低減することができる。
【0061】
また、追加スキャン処理の対象として、1つのフォルダに格納された複数の画像データ148が選択された場合、挿入処理後にフォルダに格納された画像データ148のファイル名を変更することにより(図4のS426)、ユーザによる画像データ148の管理がしやすくなる。
【0062】
さらに、パソコン10と複合機30とがLAN4でデータ送受信可能に接続されていることにより、挿入処理を行うパソコン10がスキャナ部を有していない場合においても、容易に挿入処理を行うことができる。
【0063】
[第2実施形態]
第1実施形態では、追加スキャン処理において、パソコン10で挿入処理を行う場合について説明したが、第2実施形態では、複合機30で挿入処理を行う場合について説明する。すなわち、本発明に係る画像処理装置および画像処理プログラムを、複合機30に具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、システムの構成については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。ただし、複合機30の記憶部34に記憶されているスキャンデータ340を追加スキャン処理の対象とする場合、複合機30は、パソコン10とLAN4を介して接続されていなくてもよい。また、本実施形態において、表示部38は本発明の表示手段に相当し、その他は第1実施形態と同様である。
【0064】
<追加スキャン処理>
本実施形態の追加スキャン処理について、図7および図8を参照して詳細に説明する。本実施形態において、追加スキャン処理の対象とする原稿および原稿の画像データは、第1実施形態と同様に構成されているため、詳細な説明は省略する。
【0065】
まず、複合機30における処理について、図7の複合機30における追加スキャン処理を示すフローチャートに従って、詳細に説明する。この追加スキャン処理は、複合機30の制御部32のROMに記憶されたプログラムに基づいて実行されるものであり、複合機30の操作部36から追加スキャン処理を指示する操作がなされることにより開始される。
【0066】
制御部32は、S702において、記憶部34からフォルダリスト342を取得し、表示部38にフォルダリスト342を表示する(S704;図2参照)。なお、S702の処理は、パソコン10の記憶部14に記憶されているフォルダリスト146を取得してもよい。また、フォルダリスト342の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
次に、制御部32は、S706において、ユーザにより1つのフォルダまたはファイルが選択されたことを検出し、選択されたフォルダまたはファイルの画像データ344およびスキャン設定346を記憶部34から取得する(S708)。なお、S702でパソコン10の記憶部14に記憶されているフォルダリスト146を取得した場合は、S708において、記憶部14に記憶されている画像データ148およびスキャン設定150が取得される。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様に、「Test」フォルダを選択して追加スキャン処理を行う場合を想定するため、以後の処理は、フォルダに限定して説明する。また、ファイルを選択して追加スキャン処理を行う場合については後述する。
【0068】
そして、制御部32は、S710において、選択したフォルダに格納された画像データ344の縮小画像を表示する(図3(a)参照)。次に、制御部32は、ユーザにより操作部36から入力された画像データ344の挿入位置および各挿入位置に挿入する画像データ数を取得し(S712)、ユーザにより、確認ボタン352が選択されたか否かを判断する(S714)。判断の結果、確認ボタン352が選択されていない場合(S714:NO)、S712に戻り、確認ボタン352が選択されるまで処理を繰り返す。一方、確認ボタン352が選択された場合(S714:YES)、S712で取得した設定内容を表示する(S716;図3(b)参照)。なお、S712〜S716の処理は、第1実施形態における図4のS410〜S416の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0069】
次に、制御部32は、図7のS718において、ユーザにより選択された指示内容を判断する。すなわち、図3(b)において、ユーザによりOKボタン360、キャンセルボタン362、または終了ボタン364のいずれが選択されたかを判断する。この判断により、キャンセルボタン362が選択された場合(S718:キャンセル)、S712の処理に戻る。また、終了ボタン364が選択された場合(S718:終了)、本処理を終了する。OKボタン360が選択された場合(S718:OK)、制御部32は、図7のS720において、S708で取得した、選択されたフォルダに対応するスキャン設定346を読み出す。
【0070】
そして、S722において、制御部32は、原稿台(図示を省略)に追加スキャンする原稿が載置されたことを検出したか否かを判断し、原稿が検出されなかった場合(S722:NO)、検出するまでS722の処理を繰り返す。一方、原稿が検出された場合(S722:YES)、制御部32は、ユーザによるスキャン指示があったか否かを判断し(S724)、スキャン指示が検出されない場合(S724:NO)、検出するまでS724の処理を繰り返す。
【0071】
一方、スキャン指示が検出された場合(S724:YES)、制御部32は、原稿台に載置された原稿のスキャンを実行する(S726)。この時、フォルダに挿入すべく原稿台に載置された原稿のみがページ順に読み取られる。
【0072】
そして、制御部32は、S728において、図4のS412で取得した画像データ数(設定枚数)が読み取られた画像データ数(スキャン枚数)と一致するか否かを判断し、設定枚数とスキャン枚数が一致しない場合(S728:NO)、制御部32は、設定枚数とスキャン枚数が一致しない旨を示すエラー情報を、表示部38に通知して、本処理を終了する(S738)。一方、設定枚数とスキャン枚数が一致する場合(S728:YES)、挿入処理(S730;図5参照)を行う。挿入処理については、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。なお、設定枚数は、S712において取得した挿入数の総数である。
【0073】
そして、制御部32は、挿入処理後のフォルダに格納された画像データ344のファイル名を変更し(S732)、該フォルダに対してファイル名の変更を反映することにより、フォルダの画像データ344を更新して記憶部34に記憶する(S734)。そして、挿入結果を表示部38に表示して処理を終了する(S736;図3(c))。なお、S732〜S736の処理は、第1実施形態における図4のS426〜S430の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0074】
このようにして、再度読み取られた画像データ344を、設定された挿入位置に、設定された挿入数だけ挿入して、所定のフォルダ(「Test」フォルダ)に格納することが可能となる。
【0075】
次に、パソコン10における処理について、図8のパソコン10における追加スキャン処理を示すフローチャートに従って、詳細に説明する。この処理は、パソコン10の制御部12のROMに記憶されたプログラムに基づいて実行されるものであり、本実施形態において、追加スキャン処理の対象を、パソコン10の記憶部14に記憶されているスキャンデータ144とする場合にのみ実行される。
【0076】
まず、S800において、制御部12は、複合機30からフォルダリスト146の送信を要求されたか否かを判断する。判断の結果、フォルダリスト146の送信が要求されていない場合(S800:NO)、制御部12は、要求されるまでS800の処理を繰り返す。一方、フォルダリスト146の送信が要求された場合(S800:YES)、制御部12は、複合機30へフォルダリスト146を送信し(S802)、複合機30から所定のフォルダのデータの送信を要求されたか否かを判断する(S804)。ここで、所定のフォルダは、図7のS706で選択された1つのフォルダである。また、フォルダのデータは、フォルダに格納されている画像データ148、および、該フォルダに対応するスキャン設定150である。なお、本実施形態では、複合機30によりフォルダが選択された場合に限定して説明しているが、ファイルが選択された場合についても同様の処理を行えばよい。
【0077】
図8のS804の判断の結果、データの送信要求がない場合(S804:NO)、制御部12は、要求されるまでS804の処理を繰り返す。一方、データの送信要求があった場合(S804:YES)、制御部12は、複合機30へ要求されたフォルダのデータを送信し、本処理を終了する(S806)。
【0078】
以上説明したように、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。例えば、ユーザにより設定された挿入位置に挿入される原稿のみを再度読み取り(図7のS726)、設定された挿入位置および該挿入位置に挿入する画像データ数に基づいて、再度読み取られた画像データを読み取り順に挿入することにより(図5参照)、画像データを挿入するための処理時間を短縮することができる。
【0079】
[他の実施形態]
以上、本発明における様々な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の態様を採ることができる。
【0080】
第1および第2実施形態において、図4のS406および図7のS706で、各画像データ148、344がJPEG形式のファイルとして格納されたフォルダが選択されているが、複数の画像データ148、344が格納されたPDF形式のファイルを選択して追加スキャン処理を行ってもよい。
【0081】
PDF形式のファイルにおける追加スキャン処理について説明する。PDF形式のファイルの場合、追加スキャン処理の大部分はフォルダの場合と同様であるため、フォルダの場合と異なる図4のS426と図7のS732以外の処理については、説明を省略する。
【0082】
PDF形式のファイルは、ページの相互関係を表すページ構造を記述したページ構造部分と、画像、図形および文字等の、各ページの内容を記述した文書構造部分とに大別され、ページ構造部分を書き換えることにより、ページの順序や数などを変更することが可能である。
【0083】
したがって、第1および第2実施形態における図4のS426および図7のS732は、挿入処理後のフォルダに格納されている画像データ148、344のファイル名を変更するが、PDF形式のファイルに挿入処理を行う場合は、図4のS426および図7のS732の処理に代わり、制御部12、32が、挿入処理後のページ数およびページ順に適応するように、挿入処理後のファイルのページ構造部分を部分的に書き換える。よって、追加スキャンされた画像データ148、344を、設定された挿入位置に設定された挿入数だけ挿入してファイルに格納することが可能となる。
【0084】
また、ファイルを選択して追加スキャン処理を行う場合においても、フォルダの場合と同様に、ファイル単位で複数の画像データを取得するという1回の取得操作により、追加スキャン処理の対象とされる、挿入する原稿の画像データが挿入されるファイルに格納された画像データを全て取得することができる。
【0085】
さらに、ファイルに含まれる複数の画像データの縮小画像を、スキャナ部42で読み取られた順に並べて表示部に表示するとともに、縮小画像の前または後の少なくともいずれか一方に、画像データを挿入可能な位置を示す矩形を表示部18表示させることにより(図3(a)参照)、ユーザが画像データの挿入位置を容易に指定することができる。
【0086】
また、第1および第2実施形態では、図3に示すように、各々の表示部18、38に画像データ146、344の縮小画像を表示しているが、縮小画像に限定されるものではなく、例えば、ページ番号や画像データ148、344の一部等、画像データ148、344を特定できる画像であればよい。
【0087】
また、第1および第2実施形態では、図3に示すように、挿入可能位置および挿入位置を、画像データ148、344の前後に表示される破線の矩形で表しているが、例えば、実線の矩形、チェックボックス、その他多角形等、挿入可能位置および挿入位置を特定できるものであればよい。
【0088】
なお、図4〜図8に示すフローチャートにおいて、S402およびS702は本発明の取得手段、S412およびS712は本発明の受付手段、S602およびS724は本発明の読取指示手段、S410およびS710は本発明の表示制御手段、S426およびS732は本発明の名称変更手段に相当する。
【符号の説明】
【0089】
1 画像処理システム
4 LAN
10 パソコン
12、32 制御部
14、34 記憶部
16、36 操作部
18、38 表示部
30 複合機
42 スキャナ部
144、340 スキャンデータ
146、342 フォルダリスト
148、344 画像データ
150、346 スキャン設定
301〜310 縮小画像
321〜326 挿入可能な位置を示す矩形
332〜335 挿入位置を示す矩形


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の原稿を読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取られた複数枚の原稿各々に対応する画像データからなる画像データ群を記憶する記憶手段と、通信可能な画像処理装置であって、
前記画像データ群を前記記憶手段から取得する取得手段と、
前記画像データ群における複数の画像データ挿入位置の指定および該画像データ挿入位置に挿入する画像データの数の指定を受け付ける受付手段と、
前記画像データ群に挿入する挿入原稿の読み取りを前記読取手段に指示する読取指示手段と、
前記取得手段により取得された画像データ群に対し、前記受付手段により受け付けた画像データ挿入位置および該画像データ挿入位置に挿入する画像データの数に基づいて、前記読取指示手段による指示により読み取られた挿入原稿の画像データを、前記読取手段で読み取られた順に挿入する挿入手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記画像データ群として、1つのフォルダに格納された複数の画像データ、または、1つのファイルを構成する複数の画像データを前記記憶手段から取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
表示手段と、
前記取得手段により取得された前記画像データ群に含まれる前記画像データ各々を特定する複数の特定画像を、該画像データに係る原稿の前記読取手段による読み取り順に従って表示するとともに、該特定画像の前または後の少なくともいずれか一方に、前記挿入原稿の画像データを挿入可能な位置を示す情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記原稿の読み取りに係る読取条件を記憶しており、
前記読取指示手段は、前記記憶手段に記憶された読取条件で前記挿入原稿を読み取るよう指示することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記読取条件として、解像度を記憶することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像データ群を構成する複数の画像データには、各々異なる名称が付与されており、
前記取得手段が、前記画像データ群として、1つのフォルダに格納された複数の画像データを取得した場合、
前記挿入手段により挿入原稿の画像データを前記画像データ群に挿入した後、前記画像データ群を構成する画像データの名称を変更する名称変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記読取手段とネットワークを介して通信可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
複数枚の原稿を読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取られた複数枚の原稿各々に対応する画像データからなる画像データ群を記憶する記憶手段と、通信可能なコンピュータが実行可能な画像処理プログラムであって、
前記コンピュータに、前記画像データ群を前記記憶手段から取得する取得手段と、
前記画像データ群における複数の画像データ挿入位置の指定および該画像データ挿入位置に挿入する画像データの数の指定を受け付ける受付手段と、
前記画像データ群に挿入する挿入原稿の読み取りを前記読取手段に指示する読取指示手段と、
前記取得手段により取得された画像データ群に対し、前記受付手段により受け付けた画像データ挿入位置および該画像データ挿入位置に挿入する画像データの数に基づいて、前記読み取り指示手段による指示により読み取られた挿入原稿の画像データを、前記読取手段で読み取られた順に挿入する挿入手段と、
を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−29746(P2011−29746A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170869(P2009−170869)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】