説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】解像度縮退型デモザイキング処理において黄色の偽色の発生を抑制する。
【解決手段】ブロックデータ取得部23aが取得したブロックデータの角に位置する4個の青色画素について、対角上に相対する2つの青色画素の青色値の差分値をそれぞれ計算し、これら計算した差分値に基づいてブロックデータにおける明暗境界の方向を推定する明暗境界推定部23bと、ブロックデータの中央に位置する赤色画素における青色値を、推定された明暗境界の方向に応じて4個の青色画素の青色値に基づいて計算し、赤色画素における緑色値を、ブロックデータに含まれる基本画素パターンの2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算し、赤色画素の赤色値とそれぞれ計算した青色値および緑色値とによって1個の画素を構成し、これを基本画素パターンに対する解像度縮退後の画素として出力する画素補間処理部23cとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デモザイキング処理を行う画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載カメラが撮影した車両前方の道路の撮像画像から、道路上に設けられた走行車線区分用のレーンマークを認識するレーンマーク認識装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなレーンマーク認識装置において用いられる車載用途の撮像装置としては、単一の固体撮像素子を備えたものが一般的である。この単一の固体撮像素子は、例えば、Bayer(ベイヤ)パターン配列のグレースケール画像データ(これをRAWデータと呼ぶ。)を生成する。撮像装置または後段の画像処理装置は、RAWデータの各画素における赤色値(R)、緑色値(G)、および青色値(B)の不足分を推定して補間し、RGB三原色のカラー画像データを生成するデモザイキング処理を行う(例えば、特許文献2〜特許文献4参照)。特許文献1に開示されたレーンマーク認識装置においても、画像取得手段がカラービデオカメラから供給される映像信号をデモザイキング処理するように構成されている。
【0003】
また、近年では、Quad−VGAサイズ(1280画素×960画素)やSXGAサイズ(1280画素×1024画素)のCMOSイメージセンサが比較的低価格で流通しており、例えば、Quad−VGAサイズのBayerパターン配列のRAWデータからVGAサイズ(640画素×480画素)にフレームサイズを縮小してデモザイキング処理することも行われている。以下、このようにフレームサイズを縮小してデモザイキングする処理を解像度縮退型デモザイキング処理と呼ぶ。
【0004】
この従来の解像度縮退型デモザイキング処理の例について簡単に説明する。図7は、基本的なBayerパターン配列のRAWデータと、このRAWデータが解像度縮退型デモザイキング処理されたRGB三原色のカラー画像データとを表した図である。同図(a)において、画素Rは赤色画素であり、画素Bは青色画素であり、画素Grおよび画素Gbは緑色画素である。画素Grは水平方向であるX方向の画素Rのライン上にある緑色画素であり、画素GbはX方向の画素Bのライン上にある緑色画素である。また、同図(a)において、2×2画素の画素配列において左上が画素Gr、右上が画素R、左下が画素B、右下が画素Gbである集合が、基本画素パターンである。
同図(b)において、画素Pij(i,jは正の整数)は解像度縮退型デモザイキング処理後の画素である。
【0005】
図7において、同図(a)の基本画素パターンBPの解像度縮退型デモザイキング処理後の画素は、同図(b)の画素CPである。この解像度縮退型デモザイキング処理では、例えば、基本画素パターンBPの画素Rおよび画素Bの各値を、画素CPの赤色値および青色値とし、基本画素パターンBPの画素Grおよび画素Gbの値の平均値を、画素CPの緑色値とする。
つまり、解像度縮退型デモザイキング処理によって、RAWデータのフレームサイズから、X方向およびY方向それぞれに半分のサイズに縮小されたカラー画像データが生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−18154号公報
【特許文献2】米国特許第5506619号明細書
【特許文献3】米国特許第5629734号明細書
【特許文献4】米国特許第5652621号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような解像度縮退型デモザイキング処理後のカラー画像データには、画像パターンによって偽色が発生する場合がある。例えば、この解像度縮退型デモザイキング処理をレーンマーク認識装置に適用し、撮像装置によって撮像された路面上の画像データを解像度縮退型デモザイキング処理すると、図8に示すような画像パターンでカラー画像データに黄色の偽色が発生する。同図(a)は画面斜め方向に白線がある場合のBayerパターン配列であり、同図(b)は画面垂直方向に白線がある場合のBayerパターン配列であり、同図(c)は画面水平方向に白線がある場合のBayerパターン配列である。いずれの例においても、白線以外の路面に相当する画素の輝度は、白線に相当する画素の輝度よりも低い。これらの画像パターンにおいて、画素Rの値が画素Bの値よりも大きな基本画素パターンを解像度縮退型デモザイキング処理すると、画素Rと、画素Grおよび画素Gbの少なくとも1個の緑色画素とによって、実際にはない黄色成分が生成されて発色される。つまり、黄色の偽色が発生する。同図の各例においては、白線のエッジ部分(太い枠で囲まれた部分)に黄色のラインが発生することになる。
【0008】
このような黄色の偽色は、路面に設けられた白線が老朽化したり、車両の走行によって削剥されたりして白線にクラックができるとその部分にも発生する。また、道路を走行する白色の車両の車体のエッジ付近にも発生し易い。
【0009】
また、路面上のレーンマークには、白線以外に、黄線、ボッツドッツ、キャッツアイ等がある。ボッツドッツは、車線区分線上または車線区分がされるべき仮想線上に直径約10cm、高さ約1cmの円板が複数設けられるものである。また、キャッツアイは、略矩形状に形成された反射体が路面に複数設けられて車線が区分されるものである。
レーンマーク認識装置が従来の解像度縮退型デモザイキング処理によって生成されたカラー画像データを用いて各種レーンマークを認識する場合、カラー画像データに黄色の偽色が存在すると、誤認識をしたりレーンマークの検出精度が落ちたりするおそれがある。
【0010】
そこで、本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、解像度縮退型デモザイキング処理において黄色の偽色の発生を効率的に抑制する画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様である画像処理装置は、青色画素と緑色画素とを交互に配置した行と、緑色画素と赤色画素とを交互に配置した行とを列方向に交互に配置して構成される画素配列による画像データから、赤色画素を中央に有する3×3画素のブロックデータを取得するブロックデータ取得部と、前記ブロックデータ取得部で取得されたブロックデータの角に位置する4個の青色画素について、対角上に相対する2つの青色画素の青色値の差分値をそれぞれ計算し、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける明暗境界の方向を推定する明暗境界推定部と、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における青色値を、前記明暗境界推定部で推定された明暗境界の方向に応じて前記4個の青色画素の青色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における緑色値を、前記ブロックデータに含まれる2×2画素における2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素の赤色値と前記それぞれ計算した青色値および緑色値とによって1個の画素を構成し、これを前記基本画素パターンに対する解像度縮退後の画素として出力する画素補間処理部と、を備えることを特徴とする。
[2]また、上記の課題を解決するため、本発明の一態様である画像処理装置は、青色画素と緑色画素とを交互に配置した行と、緑色画素と赤色画素とを交互に配置した行とを列方向に交互に配置して構成される画素配列による画像データから、青色画素を中央に有する3×3画素のブロックデータを取得するブロックデータ取得部と、前記ブロックデータ取得部で取得されたブロックデータの角に位置する4個の赤色画素について、対角上に相対する2つの赤色画素の赤色値の差分値をそれぞれ計算し、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける明暗境界の方向を推定する明暗境界推定部と、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における赤色値を、前記明暗境界推定部で推定された明暗境界の方向に応じて前記4個の赤色画素の赤色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における緑色値を、前記ブロックデータに含まれる2×2画素における2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素の青色値と前記それぞれ計算した赤色値および緑色値とによって1個の画素を構成し、これを前記基本画素パターンに対する解像度縮退後の画素として出力する画素補間処理部と、を備えることを特徴とする。
[3]また、上記[1]記載の画像処理装置において、前記明暗境界推定部は、前記ブロックデータ取得部で取得されたブロックデータの角に位置する4個の青色画素について、対角上に相対する2つの青色画素の青色値の差分値をそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第1の明暗境界の方向を推定し、前記ブロックデータの中央の赤色画素を挟んで上下に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値と、前記赤色画素を挟んで左右に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値とをそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第2の明暗境界の方向を推定し、前記画素補間処理部は、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における青色値を、前記明暗境界推定部で推定された第1の明暗境界の方向に応じて前記4個の青色画素の青色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における緑色値を、前記明暗境界推定部で推定された第2の明暗境界の方向に応じて、前記ブロックデータに含まれる前記基本画素パターンの2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算することを特徴とする。
[4]また、上記[1]記載の画像処理装置において、前記明暗境界推定部は、前記ブロックデータ取得部で取得されたブロックデータの角に位置する4個の青色画素について、対角上に相対する2つの青色画素の青色値の差分値をそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第1の明暗境界の方向を推定し、前記ブロックデータの中央の赤色画素を挟んで上下に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値と、前記赤色画素を挟んで左右に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値とをそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第2の明暗境界の方向を推定し、前記画素補間処理部は、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における緑色値を、前記明暗境界推定部で推定された第2の明暗境界の方向が水平方向である場合は、前記赤色画素を挟んで左右に位置する2つの緑色画素の緑色値に基づいて前記ブロックデータ中の基本画素パターンに含まれる方の緑色画素の緑色値に重み付けをして計算する一方、前記第2の明暗境界の方向が垂直方向である場合は、前記赤色画素を挟んで上下に位置する2つの緑色画素の緑色値に基づいて前記基本画素パターンに含まれる方の緑色画素の緑色値に重み付けをして計算することを特徴とする。
[5]また、上記[2]記載の画像処理装置において、前記明暗境界推定部は、前記ブロックデータ取得部で取得されたブロックデータの角に位置する4個の赤色画素について、対角上に相対する2つの赤色画素の赤色値の差分値をそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第1の明暗境界の方向を推定し、前記ブロックデータの中央の青色画素を挟んで上下に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値と、前記青色画素を挟んで左右に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値とをそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第2の明暗境界の方向を推定し、前記画素補間処理部は、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における赤色値を、前記明暗境界推定部で推定された第1の明暗境界の方向に応じて前記4個の赤色画素の赤色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における緑色値を、前記明暗境界推定部で推定された第2の明暗境界の方向に応じて、前記ブロックデータに含まれる前記基本画素パターンの2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算することを特徴とする。
[6]また、上記[2]記載の画像処理装置において、前記明暗境界推定部は、前記ブロックデータ取得部で取得されたブロックデータの角に位置する4個の赤色画素について、対角上に相対する2つの赤色画素の赤色値の差分値をそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第1の明暗境界の方向を推定し、前記ブロックデータの中央の青色画素を挟んで上下に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値と、前記青色画素を挟んで左右に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値とをそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第2の明暗境界の方向を推定し、前記画素補間処理部は、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における緑色値を、前記明暗境界推定部で推定された第2の明暗境界の方向が水平方向である場合は、前記青色画素を挟んで左右に位置する2つの緑色画素の緑色値に基づいて前記ブロックデータ中の基本画素パターンに含まれる方の緑色画素の緑色値に重み付けをして計算する一方、前記第2の明暗境界の方向が垂直方向である場合は、前記青色画素を挟んで上下に位置する2つの緑色画素の緑色値に基づいて前記基本画素パターンに含まれる方の緑色画素の緑色値に重み付けをして計算することを特徴とする。
[7]また、上記の課題を解決するため、本発明の一態様である画像処理方法は、青色画素と緑色画素とを交互に配置した行と、緑色画素と赤色画素とを交互に配置した行とを列方向に交互に配置して構成される画素配列による画像データから、赤色画素を中央に有する3×3画素のブロックデータを取得するブロックデータ取得ステップと、前記ブロックデータ取得ステップにおいて取得されたブロックデータの角に位置する4個の青色画素について、対角上に相対する2つの青色画素の青色値の差分値をそれぞれ計算し、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける明暗境界の方向を推定する明暗境界推定ステップと、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における青色値を、前記明暗境界推定ステップにおいて推定された明暗境界の方向に応じて前記4個の青色画素の青色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における緑色値を、前記ブロックデータに含まれる2×2画素における2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素の赤色値と前記それぞれ計算した青色値および緑色値とによって1個の画素を構成し、これを前記基本画素パターンに対する解像度縮退後の画素として出力する画素補間処理ステップと、を有することを特徴とする。
[8]また、上記の課題を解決するため、本発明の一態様である画像処理方法は、青色画素と緑色画素とを交互に配置した行と、緑色画素と赤色画素とを交互に配置した行とを列方向に交互に配置して構成される画素配列による画像データから、青色画素を中央に有する3×3画素のブロックデータを取得するブロックデータ取得ステップと、前記ブロックデータ取得ステップにおいて取得されたブロックデータの角に位置する4個の赤色画素について、対角上に相対する2つの赤色画素の赤色値の差分値をそれぞれ計算し、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける明暗境界の方向を推定する明暗境界推定ステップと、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における赤色値を、前記明暗境界推定ステップにおいて推定された明暗境界の方向に応じて前記4個の赤色画素の赤色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における緑色値を、前記ブロックデータに含まれる2×2画素における2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素の青色値と前記それぞれ計算した赤色値および緑色値とによって1個の画素を構成し、これを前記基本画素パターンに対する解像度縮退後の画素として出力する画素補間処理ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、解像度縮退型デモザイキング処理において黄色の偽色の発生を効率的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態から第4実施形態までの画像処理装置を適用した画像認識装置を含む画像認識システムの全体構成図である。
【図2】第1実施形態および第3実施形態におけるBayerパターン配列のRAWデータを3×3画素のブロックデータに分割する様子を示す図である。
【図3】第1実施形態および第3実施形態における3×3画素のブロックデータの画素構成を示す図である。
【図4】第1実施形態から第4実施形態までのデモザイキング処理部の処理手順を示すフローチャートである
【図5】第2実施形態および第4実施形態におけるBayerパターン配列のRAWデータを3×3画素のブロックデータに分割する様子を示す図である。
【図6】第2実施形態および第4実施形態における3×3画素のブロックデータの画素構成を示す図である。
【図7】基本的なBayerパターン配列のRAWデータと、このRAWデータが解像度縮退型デモザイキング処理されたRGB三原色のカラー画像データとを表した図である。
【図8】カラー画像データに発生する黄色の偽色を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1実施形態である画像処理装置を適用した画像認識装置を含む画像認識システムの全体構成図である。同図において、画像認識システム1は、撮像装置10と画像認識装置20とを含む。
撮像装置10は、車両前方の走行路面を撮影可能なようにその車両に設置されるデジタルカメラである。撮像装置10は、単一の固体撮像素子を備える。この固体撮像素子は、例えばCMOSイメージセンサであり、撮影レンズを通して結像される被写体像を撮像し、撮像画像データであるQuad−VGAサイズのBayerパターン配列のRAWデータを生成する。本実施形態におけるRAWデータのBayerパターン配列は、図7(a)に示す画素配列である。すなわち、RAWデータは、画素Bと画素Gbとを交互に配置した行と、画素Grと画素Rとを交互に配置した行とを列方向に交互に配置して構成される画素配列を有する。撮像装置10は、所定のフレームレート(例えば、15フレーム/秒)でRAWデータを生成し、時系列的に画像認識装置20に供給する。
【0015】
画像認識装置20は、撮像装置10から供給されたRAWデータを順次取り込み、解像度縮退型デモザイキング処理を行って例えばVGAサイズのカラー画像データを生成し、そのカラー画像データから白線、横線、ボッツドッツ、キャッツアイ等のレーンマークを検出する。
図1に示すように、画像認識装置20は、撮像画像データ取込部21と、撮像画像データ記憶部22と、デモザイキング処理部23と、カラー画像データ記憶部24と、画像認識処理部25とを備える。
【0016】
撮像画像データ取込部21は、撮像装置10から供給されるRAWデータを取り込んで撮像画像データ記憶部22に記憶させる。
撮像画像データ記憶部22は、少なくとも4ライン分以上のRAWデータを記憶するRAM(Random Access Memory)であり、例えばラインメモリである。
【0017】
デモザイキング処理部23は、撮像画像データ記憶部22に記憶されたRAWデータを読み込んで、フレームサイズを縮小するとともに画像の明暗境界に適応したデモザイキング処理を行ってカラー画像データを生成し、カラー画像データ記憶部24に記憶させる。本実施形態における画像処理装置は、画像認識装置20のデモザイキング処理部23を含むものである。本実施形態では、デモザイキング処理部23は、Quad−VGAサイズのBayerパターン配列のRAWデータからVGAサイズのカラー画像データを生成する。
【0018】
デモザイキング処理部23は、例えばCPU(Central Processinng Unit)で構成され、不図示のメモリに記憶されたデモザイキング処理プログラムを読み込んで実行することにより、その機能構成としてブロックデータ取得部23aと、明暗境界推定部23bと、画素補間処理部23cとを含むものである。
ブロックデータ取得部23aは、撮像画像データ記憶部22に記憶されたRAWデータから1個の基本画素パターン(2×2画素)を含む3×3画素のブロックデータを読み込む。このブロックデータの画素構成については、その詳細を後述する。
明暗境界推定部23bは、ブロックデータ取得部23aからブロックデータの供給を受けると、そのブロックデータの濃度を解析して明暗境界の方向を推定する。
画素補間処理部23cは、明暗境界推定部23bで推定されたブロックデータの明暗境界の方向に応じてそのブロックデータに含まれる基本画素パターンの画素を補間し、1画素分のカラー画像データを生成してカラー画像データ記憶部24に記憶させる。
【0019】
カラー画像データ記憶部24は、少なくとも4ライン分以上のカラー画像データを記憶するRAMであり、例えばラインメモリである。
画像認識処理部25は、カラー画像データ記憶部24に記憶されたカラー画像データを読み込んで、そのカラー画像データに含まれるレーンマークを検出する。画像認識処理部25は、カラー画像データと予め記憶した各種レーンマークの形状および色と一致するオブジェクトを探索する公知のパターンマッチング処理を行うことによってレーンマークを検出する。
【0020】
次に、3×3画素のブロックデータの画素構成について説明する。図2は、本実施形態におけるBayerパターン配列のRAWデータを3×3画素のブロックデータに分割する様子を示す図である。同図に示すように、デモザイキング処理部23のブロックデータ取得部23aは、撮像画像データ記憶部22に記憶されたRAWデータからブロックデータBD11,BD12,BD13,BD14,・・・の順番で3×3画素のブロックデータを読み込む。X方向に画面上右端まで読み込んだ後、次に、ブロックデータ取得部23aは、RAWデータから、ブロックデータBD21,BD22,BD23,BD24,・・・の順番で3×3画素のブロックデータを読み込む。このような順序で、ブロックデータ取得部23aは、RAWデータから3×3画素のブロックデータを読み込んでデモザイキング処理する。
【0021】
図3は、3×3画素のブロックデータの画素構成を示す図である。同図に示すように、ブロックデータBDは、赤色画素である画素R22と、青色画素である画素B11,B13,B31,B33と、緑色画素である画素Gb12,Gb32,Gr21,Gr23とを含む。なお、各画素を表す符合の添字の番号は、画素の位置を表す番号である。ブロックデータBDは、2×2画素の基本画素パターンBPを一つ含んでいる。この基本画素パターンBPは、例えば、左上が画素Gr21、右上が画素R22、左下が画素B31、右下が画素Gb32である画素の集合である。つまり、基本画素パターンBPは、この基本画素パターンBP中の画素R22が中央に位置するようにブロックデータBDに含まれている。
本実施形態においては、デモザイキング処理部23が、ブロックデータBDに含まれる4個の青色画素である画素B11,B13,B31,B33を用いて明暗境界の方向を推定し、この推定した明暗境界の方向に応じて、基本画素パターンBPの画素R22の青色値を、画素B11,B13,B31,B33に基づいて計算し、その計算した青色値を解像度縮退型デモザイキングの青色値とすることを特徴とする。
【0022】
次に、本実施形態におけるデモザイキング処理部23の動作について説明する。図4は、デモザイキング処理部23の処理手順を示すフローチャートである。撮像画像データ記憶部22に少なくとも3ライン分のRAWデータが記憶されるとデモザイキング処理部23は、同図のフローチャートの処理を開始する。
ステップS41において、デモザイキング処理部23のブロックデータ取得部23aは、撮像画像データ記憶部22に記憶されたRAWデータから1個のブロックデータBDを読み込む。
次に、ステップS42において、明暗境界推定部23bは、読み込んだブロックデータBDに含まれる4個の青色画素である画素B11,B13,B31,B33を用いて明暗境界の方向を推定する。
具体的には、明暗境界推定部23bは、式(1),式(2)のように、画素B11と画素B33との青色値の差分値ΔBRDと、画素B13と画素B31との青色値の差分値ΔBLDとをそれぞれ計算する。
【0023】
【数1】

【0024】
次に、明暗境界推定部23bは、差分値ΔBRDと差分値ΔBLDとを比較し、差分値ΔBRDが差分値ΔBLDよりも大きいと判定した場合は、ブロックデータBDにおいて明暗境界の方向は左下がり方向であると推定し、差分値ΔBRDが差分値ΔBLDよりも小さいと判定した場合は、ブロックデータBDにおいて明暗境界の方向は右下がり方向であると推定し、差分値ΔBRDが差分値ΔBLDと等しいと判定した場合は、ブロックデータBDにおいて明暗境界はないと推定する。
【0025】
次に、ステップS43において、画素補間処理部23cは、基本画素パターンBPの画素R22の青色値B22(ハット)を、明暗境界推定部23bの推定結果に応じて画素B11,B13,B31,B33に基づいて計算し、画素R22の緑色値G22(ハット)を、基本画素パターンBPのGr21とGb32とに基づいて計算する。なお、「(ハット)」との記載は、その記載の直前の値が推定値であることを示す。
具体的には、画素補間処理部23cは、明暗境界の方向が左下がり方向であると推定された場合は、画素R22の青色値B22(ハット)を式(3)によって計算し、明暗境界の方向が右下がり方向であると推定された場合は、画素R22の青色値B22(ハット)を式(4)によって計算し、明暗境界がないと推定された場合は、画素R22の青色値B22(ハット)を式(5)によって計算する。
【0026】
【数2】

【0027】
また、画素補間処理部23cは、画素R22の緑色値G22(ハット)を式(6)によって計算する。
【0028】
【数3】

【0029】
そして、画素補間処理部23cは、画素R22の赤色値と、計算値である画素R22の青色値B22(ハット)と、計算値である画素R22の緑色値G22(ハット)とを解像度縮退型デモザイキング後の画素値としてカラー画像データ記憶部24に記憶させる。
【0030】
次に、ステップS44において、デモザイキング処理部23は、処理中のRAWデータにおいて次に処理すべきブロックデータBDがあるか否かを確認し、処理すべきブロックデータBDがあると判断した場合(S44:YES)は、ステップS41の処理に移る一方、処理すべきブロックデータBDがないと判断した場合(S44:NO)は、このフローチャートの処理を終了する。
【0031】
なお、図2に示すように、RAWデータにおいて3×3画素のブロックデータBDに含まれない画素(例えば、RAWデータのフレーム端部分)については、公知の従来技術を用いて、図7に示すように基本画素パターンBPから解像度縮退型デモザイキング処理してカラー画像データの画素CPを求める。
具体的には、RAWデータにおいて3×3画素のブロックデータBDに含まれない画素については、基本画素パターンBPの画素Rおよび画素Bの各値を、画素CPの赤色値および青色値とし、基本画素パターンBPの画素Grおよび画素Gbの値の平均値を、画素CPの緑色値とする。
【0032】
以上説明したとおり、本実施形態では、デモザイキング処理部23は、基本画素パターンBPの画素R22における青色値を、当該基本画素パターンBPの画素B31の青色値から適用させるのではなく、当該基本画素パターンBPを含む3×3画素のブロックデータBDに含まれる青色画素である画素B11,B13,B31,B33に基づいて画像の明暗境界の方向を推定して決定するようにした。これにより、本実施形態におけるデモザイキング処理部23によれば、画像の明暗境界部分における黄色の偽色の発生を抑制することができる。つまり、デモザイキング処理部23は、基本画素パターンBPの画素R22における青色値を低めに算出する傾向にあるため、カラー画像データ全体として偽色の発生し易い明暗境界部分が青緑色系にシフトすることとなる。
したがって、本実施形態における画像認識装置は、Bayerパターン配列のRAWデータを解像度縮退型デモザイキング処理してフレームサイズを縮小したカラー画像データに黄色の偽色が発生し難いため、画像認識処理部25のレーンマークの検出精度を高く保つとともに誤検出を抑えることができる。
【0033】
[第2の実施の形態]
本発明の第2実施形態は、上述した第1実施形態の画像認識システム1において、デモザイキング処理部23の処理が異なるものである。よって、本実施形態におけるデモザイキング処理部23のみについて説明する。デモザイキング処理部23の機能構成については、第1実施形態と同一であるため、構成についての説明は省略する。
【0034】
図5は、本実施形態におけるBayerパターン配列のRAWデータを3×3画素のブロックデータに分割する様子を示す図である。同図に示すように、デモザイキング処理部23のブロックデータ取得部23aは、撮像画像データ記憶部22に記憶されたRAWデータからブロックデータBD11,BD12,BD13,BD14,・・・の順番で3×3画素のブロックデータを読み込む。X方向に画面上右端まで読み込んだ後、次に、ブロックデータ取得部23aは、RAWデータから、ブロックデータBD21,BD22,BD23,BD24,・・・の順番で3×3画素のブロックデータを読み込む。このような順序で、ブロックデータ取得部23aは、RAWデータから3×3画素のブロックデータを読み込んでデモザイキング処理する。
【0035】
図6は、3×3画素のブロックデータの画素構成を示す図である。同図に示すように、ブロックデータBDaは、青色画素である画素B22と、赤色画素である画素R11,R13,R31,R33と、緑色画素である画素Gr12,Gb21,Gb23,Gr32とを含む。なお、各画素を表す符合の添字の番号は、画素の位置を表す番号である。ブロックデータBDaは、2×2画素の基本画素パターンBPを一つ含んでいる。この基本画素パターンBPは、例えば、左上が画素Gr12、右上が画素R13、左下が画素B22、右下が画素Gb23である画素の集合である。つまり、基本画素パターンBPは、この基本画素パターンBP中の画素B22が中央に位置するようにブロックデータBDaに含まれている。
本実施形態においては、デモザイキング処理部23が、ブロックデータBDaに含まれる4個の赤色画素である画素R11,R13,R31,R33を用いて明暗境界の方向を推定し、この推定した明暗境界の方向に応じて、基本画素パターンBPの画素B22の赤色値を、画素R11,R13,R31,R33に基づいて計算し、その計算した赤色値を解像度縮退型デモザイキングの赤色値とすることを特徴とする。
【0036】
次に、本実施形態におけるデモザイキング処理部23の動作について説明する。デモザイキング処理部23の処理手順を示すフローチャートは第1実施形態の説明で用いた図4のフローチャートと同一であるため、同図を用いて説明する。撮像画像データ記憶部22に少なくとも3ライン分のRAWデータが記憶されるとデモザイキング処理部23は、同図のフローチャートの処理を開始する。
ステップS41において、デモザイキング処理部23のブロックデータ取得部23aは、撮像画像データ記憶部22に記憶されたRAWデータから1個のブロックデータBDaを読み込む。
次に、ステップS42において、明暗境界推定部23bは、読み込んだブロックデータBDaに含まれる4個の赤色画素である画素R11,R13,R31,R33を用いて明暗境界の方向を推定する。
具体的には、明暗境界推定部23bは、式(7),式(8)のように、画素R11と画素R33との赤色値の差分値ΔRRDと、画素R13と画素R31との赤色値の差分値ΔRLDとをそれぞれ計算する。
【0037】
【数4】

【0038】
次に、明暗境界推定部23bは、差分値ΔRRDと差分値ΔRLDとを比較し、差分値ΔRRDが差分値ΔRLDよりも大きいと判定した場合は、ブロックデータBDaにおいて明暗境界の方向は左下がり方向であると推定し、差分値ΔRRDが差分値ΔRLDよりも小さいと判定した場合は、ブロックデータBDaにおいて明暗境界の方向は右下がり方向であると推定し、差分値ΔRRDが差分値ΔRLDと等しいと判定した場合は、ブロックデータBDにおいて明暗境界はないと推定する。
【0039】
次に、ステップS43において、画素補間処理部23cは、基本画素パターンBPの画素B22の赤色値R22(ハット)を、明暗境界推定部23bの推定結果に応じて画素R11,R13,R31,R33に基づいて計算し、画素B22の緑色値G22(ハット)を、基本画素パターンBPのGr12とGb23とに基づいて計算する。
具体的には、画素補間処理部23cは、明暗境界の方向が左下がり方向であると推定された場合は、画素B22の赤色値R22(ハット)を式(9)によって計算し、明暗境界の方向が右下がり方向であると推定された場合は、画素B22の赤色値R22(ハット)を式(10)によって計算し、明暗境界がないと推定された場合は、画素B22の赤色値R22(ハット)を式(11)によって計算する。
【0040】
【数5】

【0041】
また、画素補間処理部23cは、画素B22の緑色値G22(ハット)を式(12)によって計算する。
【0042】
【数6】

【0043】
そして、画素補間処理部23cは、画素B22の青色値と、計算値である画素B22の赤色値R22(ハット)と、計算値である画素B22の緑色値G22(ハット)とを解像度縮退型デモザイキング後の画素値としてカラー画像データ記憶部24に記憶させる。
【0044】
次に、ステップS44において、デモザイキング処理部23は、処理中のRAWデータにおいて次に処理すべきブロックデータBDaがあるか否かを確認し、処理すべきブロックデータBDaがあると判断した場合(S44:YES)は、ステップS41の処理に移る一方、処理すべきブロックデータBDaがないと判断した場合(S44:NO)は、このフローチャートの処理を終了する。
【0045】
なお、図5に示すように、RAWデータにおいて3×3画素のブロックデータBDaに含まれない画素(例えば、RAWデータのフレーム端部分)については、公知の従来技術を用いて、図7に示すように基本画素パターンBPから解像度縮退型デモザイキング処理してカラー画像データの画素CPを求める。
具体的には、RAWデータにおいて3×3画素のブロックデータBDaに含まれない画素については、基本画素パターンBPの画素Rおよび画素Bの各値を、画素CPの赤色値および青色値とし、基本画素パターンBPの画素Grおよび画素Gbの値の平均値を、画素CPの緑色値とする。
【0046】
以上説明したとおり、本実施形態では、デモザイキング処理部23は、基本画素パターンBPの画素B22における赤色値を、当該基本画素パターンBPの画素R13の赤色値から適用させるのではなく、当該基本画素パターンBPを含む3×3画素のブロックデータBDに含まれる赤色画素である画素R11,R13,R31,R33に基づいて画像の明暗境界の方向を推定して決定するようにした。これにより、本実施形態におけるデモザイキング処理部23によれば、画像の明暗境界部分における黄色の偽色の発生を抑制することができる。つまり、デモザイキング処理部23は、基本画素パターンBPの画素R22における赤色値を低めに算出する傾向にあるため、カラー画像データ全体として偽色の発生し易い明暗境界部分が赤黄色系にシフトすることとなる。
したがって、本実施形態における画像認識装置は、Bayerパターン配列のRAWデータを解像度縮退型デモザイキング処理してフレームサイズを縮小したカラー画像データに黄色の偽色が発生し難いため、画像認識処理部25のレーンマークの検出精度を高く保つとともに誤検出を抑えることができる。
【0047】
[第3の実施の形態]
本発明の第3実施形態は、前述した第1実施形態の画像認識システム1において、デモザイキング処理部23の処理が異なるものである。第1実施形態では、デモザイキング処理部23の画素補間処理部23cは、画素R22の緑色値G22(ハット)を式(6)によって計算した。つまり、第1実施形態では、画素補間処理部23cは、画素R22の緑色値G22(ハット)を画素Gr21と画素Gb32との平均値とした。
一方、本実施形態では、明暗境界推定部23bが、ブロックデータBDに含まれる4個の緑色画素である画素Gb12,Gb32,Gr21,Gr23を用いて明暗境界の方向を推定し、この推定した明暗境界の方向に応じて、基本画素パターンBPの画素R22の緑色値G22(ハット)を、画素Gr21,Gb32に基づいて計算し、その計算した緑色値G22(ハット)を解像度縮退型デモザイキングの緑色値とすることを特徴とする。そこで、本実施形態では、デモザイキング処理部23のみについて説明する。デモザイキング処理部23の機能構成については、第1実施形態と同一であるため、構成についての説明は省略する。
【0048】
次に、本実施形態におけるデモザイキング処理部23の動作について説明する。デモザイキング処理部23の処理手順を示すフローチャートは第1実施形態の説明で用いた図4のフローチャートと同一であるため、同図を用いて説明する。また、第1実施形態における処理と同一の処理ステップについてはその説明を省略し、処理の異なるステップについてのみ説明する。
ステップS42において、明暗境界推定部23bは、読み込んだブロックデータBDに含まれる4個の青色画素である画素B11,B13,B31,B33を用いて第1の明暗境界の方向を推定した後、4個の緑色画素である画素Gb12,Gb32,Gr21,Gr23を用いて第2の明暗境界の方向を推定する。
具体的には、第1の明暗境界の方向の推定は、第1実施形態における式(1),式(2)を計算することによる明暗境界の方向の推定方法である。
第2の明暗境界の方向の推定については次のとおりである。すなわち、明暗境界推定部23bは、式(13),式(14)のように、画素Gb12と画素Gb32との緑色値の差分値ΔGと、画素Gr21と画素Gr23との緑色値の差分値ΔGとをそれぞれ計算する。
【0049】
【数7】

【0050】
次に、明暗境界推定部23bは、差分値ΔGと差分値ΔGとを比較し、差分値ΔGが差分値ΔGよりも大きいと判定した場合は、ブロックデータBDにおいて第2の明暗境界の方向は横方向であると推定し、差分値ΔGが差分値ΔGよりも小さいと判定した場合は、ブロックデータBDにおいて第2の明暗境界の方向は縦方向であると推定し、差分値ΔGが差分値ΔGと等しいと判定した場合は、ブロックデータBDにおいて第2の明暗境界はないと推定する。
【0051】
ステップS43において、画素補間処理部23cは、基本画素パターンBPの画素R22の青色値B22(ハット)を、明暗境界推定部23bの第1の明暗境界の方向の推定結果に応じて画素B11,B13,B31,B33に基づいて計算した後、画素R22の緑色値G22(ハット)を、明暗境界推定部23bの第2の明暗境界の方向の推定結果に応じて画素Gr21,Gb32に基づいて計算する。
具体的には、画素R22の青色値B22(ハット)の計算は、第1実施形態における計算と同一である。
画素R22の緑色値G22(ハット)の計算は、次のとおりである。すなわち、画素補間処理部23cは、第2の明暗境界の方向が横方向であると推定された場合は、画素R22の緑色値G22(ハット)に基本画素パターンBPの緑色画素である画素Gr21を適用し、第2の明暗境界の方向が縦方向であると推定された場合は、画素R22の緑色値G22(ハット)に基本画素パターンBPの緑色画素である画素Gb32を適用し、第2の明暗境界がないと推定された場合は、画素R22の緑色値G22(ハット)を前記の式(6)によって計算する。
【0052】
そして、画素補間処理部23cは、画素R22の赤色値R22(ハット)と、計算値である画素R22の青色値B22(ハット)と、計算値である画素R22の緑色値G22(ハット)とを解像度縮退型デモザイキング後の画素値としてカラー画像データ記憶部24に記憶させる。
【0053】
以上説明したとおり、本実施形態では、デモザイキング処理部23は、第1の実施形態の処理に加えて、基本画素パターンBPの画素R22における緑色値を、当該基本画素パターンBPの画素Gr21と画素Gb32との平均値とするのではなく、当該基本画素パターンBPを含む3×3画素のブロックデータBDに含まれる緑色画素である画素Gb12,Gb32,Gr21,Gr23に基づいて画像の明暗境界の方向を推定して決定するようにした。これにより、本実施形態におけるデモザイキング処理部23によれば、画像の明暗境界部分における黄色の偽色の発生を第1実施形態よりも効果的に抑制することができる。
したがって、本実施形態における画像認識装置は、Bayerパターン配列のRAWデータを解像度縮退型デモザイキング処理してフレームサイズを縮小したカラー画像データに黄色の偽色が発生し難いため、画像認識処理部25のレーンマークの検出精度を高く保つとともに誤検出を抑えることができる。
【0054】
[第3の実施の形態の変形例]
上述した第3実施形態では、デモザイキング処理部23の画素補間処理部23cが、画素R22の緑色値G22(ハット)を、明暗境界推定部23bの第2の明暗境界の方向の推定結果に応じて画素Gr21,Gb32に基づいて計算した。
一方、本変形例では、明暗境界推定部23bが、ブロックデータBDに含まれる4個の緑色画素である画素Gb12,Gb32,Gr21,Gr23を用いて明暗境界の方向を推定し、この推定した明暗境界の方向に応じて、基本画素パターンBPの画素R22の緑色値G22(ハット)を、画素Gb12,Gb32,Gr21,Gr23に基づいて計算し、その計算した緑色値G22(ハット)を解像度縮退型デモザイキングの緑色値とすることを特徴とする。そこで、本変形例では、第3実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0055】
本変形例は、第3実施形態のデモザイキング処理部23の処理手順に対して、ステップS43の計算手順が異なる。つまり、ステップS43において、画素補間処理部23cは、基本画素パターンBPの画素R22の青色値B22(ハット)を、明暗境界推定部23bの第1の明暗境界の方向の推定結果に応じて画素B11,B13,B31,B33に基づいて計算した後、画素R22の緑色値G22(ハット)を、明暗境界推定部23bの第2の明暗境界の方向の推定結果に応じて画素Gb12,Gb32,Gr21,Gr23に基づいて計算する。
具体的には、画素R22の緑色値G22(ハット)の計算は、次のとおりである。すなわち、画素補間処理部23cは、第2の明暗境界の方向が横方向であると推定された場合は、画素R22の緑色値G22(ハット)を式(15)によって計算し、第2の明暗境界の方向が縦方向であると推定された場合は、画素R22の緑色値G22(ハット)を式(16)によって計算し、第2の明暗境界がないと推定された場合は、画素R22の緑色値G22(ハット)を式(17)によって計算する。
【0056】
【数8】

【0057】
そして、画素補間処理部23cは、画素R22の赤色値と、計算値である画素R22の青色値B22(ハット)と、計算値である画素R22の緑色値G22(ハット)とを解像度縮退型デモザイキング後の画素値としてカラー画像データ記憶部24に記憶させる。
【0058】
以上説明したとおり、本変形例では、デモザイキング処理部23は、第1の実施形態の処理に加えて、基本画素パターンBPの画素R22における緑色値を、当該基本画素パターンBPを含む3×3画素のブロックデータBDに含まれる緑色画素である画素Gb12,Gb32,Gr21,Gr23に基づいて画像の明暗境界の方向を推定し、その推定した方向に存在する2つの緑色画素に重み付けをして決定するようにした。これにより、本実施形態におけるデモザイキング処理部23によれば、画像の明暗境界部分における黄色の偽色の発生を効果的に抑制するだけではなく、カラー画像データの色再現性を高く保つことができる。
【0059】
[第4の実施の形態]
本発明の第4実施形態は、前述した第2実施形態の画像認識システム1において、デモザイキング処理部23の処理が異なるものである。第2実施形態では、デモザイキング処理部23の画素補間処理部23cは、画素B22の緑色値G22(ハット)を式(12)によって計算した。つまり、第2実施形態では、画素補間処理部23cは、画素B22の緑色値G22(ハット)を画素Gr12と画素Gb23との平均値とした。
一方、本実施形態では、明暗境界推定部23bが、ブロックデータBDaに含まれる4個の緑色画素である画素Gr12,Gb21,Gb23,Gr32を用いて明暗境界の方向を推定し、この推定した明暗境界の方向に応じて、基本画素パターンBPの画素B22の緑色値G22(ハット)を、画素Gr12,Gb23に基づいて計算し、その計算した緑色値G22(ハット)を解像度縮退型デモザイキングの緑色値とすることを特徴とする。そこで、本実施形態では、デモザイキング処理部23のみについて説明する。デモザイキング処理部23の機能構成については、第1実施形態と同一であるため、構成についての説明は省略する。
【0060】
次に、本実施形態におけるデモザイキング処理部23の動作について説明する。デモザイキング処理部23の処理手順を示すフローチャートは第1実施形態の説明で用いた図4のフローチャートと同一であるため、同図を用いて説明する。また、第1実施形態における処理と同一の処理ステップについてはその説明を省略し、処理の異なるステップについてのみ説明する。
ステップS42において、明暗境界推定部23bは、読み込んだブロックデータBDに含まれる4個の赤色画素である画素R11,R13,R31,R33を用いて第1の明暗境界の方向を推定した後、4個の緑色画素である画素Gr12,Gb21,Gb23,Gr32を用いて第2の明暗境界の方向を推定する。
具体的には、第1の明暗境界の方向の推定は、第2実施形態における式(7),式(8)を計算することによる明暗境界の方向の推定方法である。
第2の明暗境界の方向の推定については次のとおりである。すなわち、明暗境界推定部23bは、式(18),式(19)のように、画素Gr12と画素Gr32との緑色値の差分値ΔGと、画素Gb21と画素Gb23との緑色値の差分値ΔGとをそれぞれ計算する。
【0061】
【数9】

【0062】
次に、明暗境界推定部23bは、差分値ΔGと差分値ΔGとを比較し、差分値ΔGが差分値ΔGよりも大きいと判定した場合は、ブロックデータBDaにおいて第2の明暗境界の方向は横方向であると推定し、差分値ΔGが差分値ΔGよりも小さいと判定した場合は、ブロックデータBDaにおいて第2の明暗境界の方向は縦方向であると推定し、差分値ΔGが差分値ΔGと等しいと判定した場合は、ブロックデータBDaにおいて第2の明暗境界はないと推定する。
【0063】
ステップS43において、画素補間処理部23cは、基本画素パターンBPの画素B22の赤色値R22(ハット)を、明暗境界推定部23bの第1の明暗境界の方向の推定結果に応じて画素R11,R13,R31,R33に基づいて計算した後、画素B22の緑色値G22(ハット)を、明暗境界推定部23bの第2の明暗境界の方向の推定結果に応じて画素Gr12,Gb23に基づいて計算する。
具体的には、画素B22の赤色値R22(ハット)の計算は、第2実施形態における計算と同一である。
画素B22の緑色値G22(ハット)の計算は、次のとおりである。すなわち、画素補間処理部23cは、第2の明暗境界の方向が横方向であると推定された場合は、画素B22の緑色値G22(ハット)に基本画素パターンBPの緑色画素である画素Gb23を適用し、第2の明暗境界の方向が縦方向であると推定された場合は、画素B22の緑色値G22(ハット)に基本画素パターンBPの緑色画素である画素Gr12を適用し、第2の明暗境界がないと推定された場合は、画素B22の緑色値G22(ハット)を前記の式(12)によって計算する。
【0064】
そして、画素補間処理部23cは、画素B22の青色値B22(ハット)と、計算値である画素B22の赤色値R22(ハット)と、計算値である画素B22の緑色値G22(ハット)とを解像度縮退型デモザイキング後の画素値としてカラー画像データ記憶部24に記憶させる。
【0065】
以上説明したとおり、本実施形態では、デモザイキング処理部23は、第2の実施形態の処理に加えて、基本画素パターンBPの画素B22における緑色値を、当該基本画素パターンBPの画素Gr12と画素Gb23との平均値とするのではなく、当該基本画素パターンBPを含む3×3画素のブロックデータBDaに含まれる緑色画素である画素Gr12,Gb21,Gb23,Gr32に基づいて画像の明暗境界の方向を推定して決定するようにした。これにより、本実施形態におけるデモザイキング処理部23によれば、画像の明暗境界部分における黄色の偽色の発生を第2実施形態よりも効果的に抑制することができる。
したがって、本実施形態における画像認識装置は、Bayerパターン配列のRAWデータを解像度縮退型デモザイキング処理してフレームサイズを縮小したカラー画像データに黄色の偽色が発生し難いため、画像認識処理部25のレーンマークの検出精度を高く保つとともに誤検出を抑えることができる。
【0066】
[第4の実施の形態の変形例]
上述した第4実施形態では、デモザイキング処理部23の画素補間処理部23cが、画素B22の緑色値G22(ハット)を、明暗境界推定部23bの第2の明暗境界の方向の推定結果に応じて画素Gr12,Gb23に基づいて計算した。
一方、本変形例では、明暗境界推定部23bが、ブロックデータBDaに含まれる4個の緑色画素である画素Gr12,Gb21,Gb23,Gr32を用いて明暗境界の方向を推定し、この推定した明暗境界の方向に応じて、基本画素パターンBPの画素B22の緑色値G22(ハット)を、画素Gr12,Gb21,Gb23,Gr32に基づいて計算し、その計算した緑色値G22(ハット)を解像度縮退型デモザイキングの緑色値とすることを特徴とする。そこで、本変形例では、第4実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0067】
本変形例は、第4実施形態のデモザイキング処理部23の処理手順に対して、ステップS43の計算手順が異なる。つまり、ステップS43において、画素補間処理部23cは、基本画素パターンBPの画素B22の赤色値R22(ハット)を、明暗境界推定部23bの第1の明暗境界の方向の推定結果に応じて画素R11,R13,R31,R33に基づいて計算した後、画素B22の緑色値G22(ハット)を、明暗境界推定部23bの第2の明暗境界の方向の推定結果に応じて画素Gr12,Gb21,Gb23,Gr32に基づいて計算する。
具体的には、画素B22の緑色値G22(ハット)の計算は、次のとおりである。すなわち、画素補間処理部23cは、第2の明暗境界の方向が横方向であると推定された場合は、画素B22の緑色値G22(ハット)を式(20)によって計算し、第2の明暗境界の方向が縦方向であると推定された場合は、画素B22の緑色値G22(ハット)を式(21)によって計算し、第2の明暗境界がないと推定された場合は、画素B22の緑色値G22(ハット)を式(22)によって計算する。
【0068】
【数10】

【0069】
そして、画素補間処理部23cは、画素B22の青色値と、計算値である画素B22の赤色値R22(ハット)と、計算値である画素B22の緑色値G22(ハット)とを解像度縮退型デモザイキング後の画素値としてカラー画像データ記憶部24に記憶させる。
【0070】
以上説明したとおり、本変形例では、デモザイキング処理部23は、第2の実施形態の処理に加えて、基本画素パターンBPの画素B22における緑色値を、当該基本画素パターンBPを含む3×3画素のブロックデータBDaに含まれる緑色画素である画素Gr12,Gb21,Gb23,Gr32に基づいて画像の明暗境界の方向を推定し、その推定した方向に存在する2つの緑色画素に重み付けをして決定するようにした。これにより、本実施形態におけるデモザイキング処理部23によれば、画像の明暗境界部分における黄色の偽色の発生を効果的に抑制するだけではなく、カラー画像データの色再現性を高く保つことができる。
【0071】
なお、上述した各実施形態における画像認識システムでは、画像処理装置を画像認識装置側に設ける構成としたが、この形態以外にも、画像処理装置を撮像装置側に設ける構成としてもよい。
【0072】
また、上述した各実施形態においては、基本画素パターンを、図3に示す3×3画素のブロックデータBDにおける左下側の2×2画素のブロックBP、および図6に示す3×3画素のブロックデータBDaにおける右上側の2×2画素のブロックBPとした。基本画素パターンは、ブロックデータBD,BDaにおいて、それぞれ左上側、右上側、左下側、および右下側に設けることができる。
【0073】
また、上述した実施形態における画像処理装置の一部、例えば、デモザイキング処理部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。この場合、その処理機能を実現するためのデモザイキング処理プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたデモザイキング処理プログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、メモリカード等の可搬型記録媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものを含んでもよい。また上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせにより実現するものであってもよい。
【0074】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1 画像認識システム
10 撮像装置
20 画像認識装置
21 撮像画像データ取込部
22 撮像画像データ記憶部
23 デモザイキング処理部
23a ブロックデータ取得部
23b 明暗境界推定部
23c 画素補間処理部
24 カラー画像データ記憶部
25 画像認識処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
青色画素と緑色画素とを交互に配置した行と、緑色画素と赤色画素とを交互に配置した行とを列方向に交互に配置して構成される画素配列による画像データから、赤色画素を中央に有する3×3画素のブロックデータを取得するブロックデータ取得部と、
前記ブロックデータ取得部で取得されたブロックデータの角に位置する4個の青色画素について、対角上に相対する2つの青色画素の青色値の差分値をそれぞれ計算し、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける明暗境界の方向を推定する明暗境界推定部と、
前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における青色値を、前記明暗境界推定部で推定された明暗境界の方向に応じて前記4個の青色画素の青色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における緑色値を、前記ブロックデータに含まれる2×2画素における2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素の赤色値と前記それぞれ計算した青色値および緑色値とによって1個の画素を構成し、これを前記基本画素パターンに対する解像度縮退後の画素として出力する画素補間処理部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
青色画素と緑色画素とを交互に配置した行と、緑色画素と赤色画素とを交互に配置した行とを列方向に交互に配置して構成される画素配列による画像データから、青色画素を中央に有する3×3画素のブロックデータを取得するブロックデータ取得部と、
前記ブロックデータ取得部で取得されたブロックデータの角に位置する4個の赤色画素について、対角上に相対する2つの赤色画素の赤色値の差分値をそれぞれ計算し、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける明暗境界の方向を推定する明暗境界推定部と、
前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における赤色値を、前記明暗境界推定部で推定された明暗境界の方向に応じて前記4個の赤色画素の赤色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における緑色値を、前記ブロックデータに含まれる2×2画素における2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素の青色値と前記それぞれ計算した赤色値および緑色値とによって1個の画素を構成し、これを前記基本画素パターンに対する解像度縮退後の画素として出力する画素補間処理部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像処理装置において、
前記明暗境界推定部は、前記ブロックデータ取得部で取得されたブロックデータの角に位置する4個の青色画素について、対角上に相対する2つの青色画素の青色値の差分値をそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第1の明暗境界の方向を推定し、前記ブロックデータの中央の赤色画素を挟んで上下に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値と、前記赤色画素を挟んで左右に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値とをそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第2の明暗境界の方向を推定し、
前記画素補間処理部は、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における青色値を、前記明暗境界推定部で推定された第1の明暗境界の方向に応じて前記4個の青色画素の青色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における緑色値を、前記明暗境界推定部で推定された第2の明暗境界の方向に応じて、前記ブロックデータに含まれる前記基本画素パターンの2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像処理装置において、
前記明暗境界推定部は、前記ブロックデータ取得部で取得されたブロックデータの角に位置する4個の青色画素について、対角上に相対する2つの青色画素の青色値の差分値をそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第1の明暗境界の方向を推定し、前記ブロックデータの中央の赤色画素を挟んで上下に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値と、前記赤色画素を挟んで左右に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値とをそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第2の明暗境界の方向を推定し、
前記画素補間処理部は、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における緑色値を、前記明暗境界推定部で推定された第2の明暗境界の方向が水平方向である場合は、前記赤色画素を挟んで左右に位置する2つの緑色画素の緑色値に基づいて前記ブロックデータ中の基本画素パターンに含まれる方の緑色画素の緑色値に重み付けをして計算する一方、前記第2の明暗境界の方向が垂直方向である場合は、前記赤色画素を挟んで上下に位置する2つの緑色画素の緑色値に基づいて前記基本画素パターンに含まれる方の緑色画素の緑色値に重み付けをして計算する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項2記載の画像処理装置において、
前記明暗境界推定部は、前記ブロックデータ取得部で取得されたブロックデータの角に位置する4個の赤色画素について、対角上に相対する2つの赤色画素の赤色値の差分値をそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第1の明暗境界の方向を推定し、前記ブロックデータの中央の青色画素を挟んで上下に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値と、前記青色画素を挟んで左右に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値とをそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第2の明暗境界の方向を推定し、
前記画素補間処理部は、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における赤色値を、前記明暗境界推定部で推定された第1の明暗境界の方向に応じて前記4個の赤色画素の赤色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における緑色値を、前記明暗境界推定部で推定された第2の明暗境界の方向に応じて、前記ブロックデータに含まれる前記基本画素パターンの2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項2記載の画像処理装置において、
前記明暗境界推定部は、前記ブロックデータ取得部で取得されたブロックデータの角に位置する4個の赤色画素について、対角上に相対する2つの赤色画素の赤色値の差分値をそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第1の明暗境界の方向を推定し、前記ブロックデータの中央の青色画素を挟んで上下に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値と、前記青色画素を挟んで左右に位置する2つの緑色画素の緑色値の差分値とをそれぞれ計算して、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける第2の明暗境界の方向を推定し、
前記画素補間処理部は、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における緑色値を、前記明暗境界推定部で推定された第2の明暗境界の方向が水平方向である場合は、前記青色画素を挟んで左右に位置する2つの緑色画素の緑色値に基づいて前記ブロックデータ中の基本画素パターンに含まれる方の緑色画素の緑色値に重み付けをして計算する一方、前記第2の明暗境界の方向が垂直方向である場合は、前記青色画素を挟んで上下に位置する2つの緑色画素の緑色値に基づいて前記基本画素パターンに含まれる方の緑色画素の緑色値に重み付けをして計算する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
青色画素と緑色画素とを交互に配置した行と、緑色画素と赤色画素とを交互に配置した行とを列方向に交互に配置して構成される画素配列による画像データから、赤色画素を中央に有する3×3画素のブロックデータを取得するブロックデータ取得ステップと、
前記ブロックデータ取得ステップにおいて取得されたブロックデータの角に位置する4個の青色画素について、対角上に相対する2つの青色画素の青色値の差分値をそれぞれ計算し、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける明暗境界の方向を推定する明暗境界推定ステップと、
前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における青色値を、前記明暗境界推定ステップにおいて推定された明暗境界の方向に応じて前記4個の青色画素の青色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素における緑色値を、前記ブロックデータに含まれる2×2画素における2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する赤色画素の赤色値と前記それぞれ計算した青色値および緑色値とによって1個の画素を構成し、これを前記基本画素パターンに対する解像度縮退後の画素として出力する画素補間処理ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
青色画素と緑色画素とを交互に配置した行と、緑色画素と赤色画素とを交互に配置した行とを列方向に交互に配置して構成される画素配列による画像データから、青色画素を中央に有する3×3画素のブロックデータを取得するブロックデータ取得ステップと、
前記ブロックデータ取得ステップにおいて取得されたブロックデータの角に位置する4個の赤色画素について、対角上に相対する2つの赤色画素の赤色値の差分値をそれぞれ計算し、これら計算した差分値に基づいて前記ブロックデータにおける明暗境界の方向を推定する明暗境界推定ステップと、
前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における赤色値を、前記明暗境界推定ステップにおいて推定された明暗境界の方向に応じて前記4個の赤色画素の赤色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素における緑色値を、前記ブロックデータに含まれる2×2画素における2個の緑色画素の緑色値に基づいて計算し、前記ブロックデータの中央に位置する青色画素の青色値と前記それぞれ計算した赤色値および緑色値とによって1個の画素を構成し、これを前記基本画素パターンに対する解像度縮退後の画素として出力する画素補間処理ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−155365(P2011−155365A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14270(P2010−14270)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(300052246)株式会社ホンダエレシス (105)
【Fターム(参考)】