説明

画像処理装置及びその制御方法

【課題】装置の状態をユーザに通知するために、ソフトウェアの設計、操作等の労力を軽減する。
【解決手段】文書上の画像を読み取るスキャナ、画像を印刷するプリンタ、Eメール(電子メール)送受信機能、ファクシミリ送受信機能等を有する画像処理装置220にWebサーバ機能を持たせ、該画像処理装置で種々のジョブの状況、記憶装置に記憶されている画像データに関する情報についてのリストをWebページとして生成させる。このWebページをLAN2011を介して接続されたコンピュータ11のWebブラウザを用いて閲覧及び操作させる。これにより、コンピュータのユーザは画像処理装置から離れた場所で該画像処理装置で実行される複数のジョブについての情報、画像データについての情報を把握できるとともに、その操作を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンピュータを接続可能なコンピュータネットワークに接続して使用することのできる画像処理装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やファクシミリ装置などの画像処理装置の各種状態をユーザに通知するためには、装置本体に設けられた操作パネルが有する表示機に各種の表示を行うようにしていた。
【0003】
また、ホストコンピュータをこれらの装置に接続し、ホストコンピュータにインストールした独自のアプリケーションソフトウェアによって装置の前まで行かずともホストコンピュータ上の表示器で装置の状態を表示することができるようにしたものも提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年は一台の装置で複写機、プリンタ、ファクシミリといった複数の機能を実現するなど、装置の多機能化が図られているが、このような装置の状態をホストコンピュータ上で表示させ、ユーザに通知する場合にはホストコンピュータにインストールするための複雑なソフトウェアを設計しなければならないほか、装置の構成が変更されるたびにホストコンピュータ側のソフトウェアも新たに設計しなければならず、非常に重い労力となっていた。
【0005】
また、ユーザ側にとっても、装置ごとに異なるアプリケーションソフトウェアを起動しなければならず、その操作が煩雑であったり、ホストコンピュータに多大な負荷がかかるなどといった問題が生ずる。
【0006】
また、ユーザは装置に種々の設定を行ったり、種々の動作指示を与える際に、装置ごとに異なる操作方法を覚えなくてはならずその習得が困難であるなどの問題も生ずる。
【0007】
本発明は、上述のような問題点を除去した画像処理装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は次のような装置及び方法を提供する。
【0009】
複数種類のジョブを実行可能な画像処理装置であって、
実行されたジョブに関する情報を履歴情報として外部装置のWebブラウザで表示させるための第1のWebページと、実行中又は実行されていないジョブであって前記複数種類のジョブのうち特定種類のジョブに関する情報を前記外部装置のWebブラウザで表示させるための第2のWebページとを生成する生成手段と、
前記第1のWebページ又は前記第2のWebページを前記外部装置に送信する送信手段とを備え、
前記第2のWebページは、前記第1のWebページを表示するための第1の指示部を前記外部装置のWebブラウザに更に表示させるためのWebページであり、
前記第2のWebページで前記第1の指示部がユーザによって選択されたことに応じて、当該第2のWebページで現在表示されている種類と同じ種類のジョブの履歴情報を表示するための前記第1のWebページが前記外部装置のWebブラウザに表示される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、実行されたジョブに関する情報を表示する第1のWebページと、実行中又は実行されていないジョブであって特定種類のジョブに関する情報を表示する第2のWebページとを外部装置で表示させ、第2のWebページで第1の指示部がユーザによって選択されたことに応じて、第2のWebページで現在表示されている種類と同じ種類のジョブの履歴情報を表示するための第1のWebページが外部装置のWebブラウザに表示される。これにより、第2のWebページで第1の指示部をユーザが選択したことに応じて、すべての種類のジョブの履歴情報ではなく当該第2のWebページで現在表示されている種類のジョブの履歴情報が第1のWebページが表示されるため、ユーザの操作が簡略化されるという格別な効果を奏する。
【0011】
さらに、ホストコンピュータ上のWebブラウザにより画像処理装置におけるジョブの履歴を閲覧することが可能となるので、ユーザは特別なアプリケーションソフトウェアを利用しなくとも通常のホームページの閲覧に利用と同様な操作環境で容易に遠隔操作が可能となる。
【0012】
そして特別なアプリケーションソフトウェアを起動しなくてよいのでホストコンピュータの負荷も低減できる。また、HTTPプロトコルの汎用性とあいまって、接続性の高いシステムを構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態によるシステムの接続例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態である画像処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態である画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態である画像処理装置の外観を示す図である。
【図5】画像処理装置の操作部2012の外観を示す図である。
【図6】操作部2012内の液晶表示部2013の表示画面例を示す図である。
【図7】本実施形態による画像処理装置の操作部2012の制御動作を説明するためのブロック図である。
【図8】リモートUI機能を実行する際のホストコンピュータ(Webブラウザ)と画像処理装置(Webサーバ)との処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図10】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図11】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図12】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態である画像処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図14】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図15】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図16】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図17】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図18】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図19】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図20】リモートUI実行時のホストコンピュータ側の処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】リモートUI実行時の画像処理装置側の処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図23】リモートUI実行時の画像処理装置側の処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図25】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図26】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図27】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図28】Webブラウザで表示される画面例を示す図である。
【図29】リモートUI実行時の画像処理装置側の処理の流れを示すフローチャートである。
【図30】リモートUI実行時の画像処理装置側の処理の流れを示すフローチャートである。
【図31】リモートUI実行時の画像処理装置側の処理の流れを示すフローチャートである。
【図32】リモートUI実行時の画像処理装置側の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、画像処理装置とホストコンピュータがネットワーク等の伝送媒体を介して接続されたシステムにおいて、該画像処理装置の画像出力デバイスに投入され画像出力された画像出力ジョブの履歴をホストコンピュータ上で取得・表示可能とする。
【0016】
図1は、本実施形態によるシステムの全体の構成を説明するブロック図である。画像処理装置200は、画像入力デバイスであるスキャナ部2070、画像出力デバイスであるプリンタ部2095、CPU、メモリ等で構成される制御ユニット(Controller Unit)2000、ユーザーインターフェースである操作部2012等を有する。スキャナ部2070、プリンタ部2095、操作部2012は、それぞれ制御ユニット2000に接続され、制御ユニット2000は、TCP/IPを適用可能なLAN2011などに接続され、WebサーバとしてWebページ(HTMLファイル)を生成してHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)によりWWW(World Wide Web)のネットワークを介してデータ伝送を行う。また、LAN2011には、画像処理装置200と同様の機器構成をもつ他の画像処理装置220,230が接続されている。画像処理装置220,230は、それぞれスキャナ部2270,2370、プリンタ部2296,2395、操作部2212,2312を持ち、それらが制御ユニット2200,2300に接続されている。(これらの画像処理装置は同様の構成を備えているので、以下では特にことわらない限り画像処理装置200を例に説明する。)
また、10はホストコンピュータ(パーソナルコンピュータ)であり、LAN2011等のネットワークにネットワーク接続部を介して接続される。画像処理装置は3台に限らず多数接続可能である。ホストコンピュータ10は、Webクライアントとして動作するため、後述するようにWebブラウザがインストールされており、画像処理装置から受信したHTMLファイルに基づく表示をホストコンピュータが備えるディスプレイ上で行う。ホストコンピュータ11はホストコンピュータ10と同様の構成を備える。ホストコンピュータは2台に限らず多数接続可能である。(これらのホストコンピュータは同様の構成を備えているので、以下では特にことわらない限りホストコンピュータ10を例に説明する。)
図2は、第1の実施形態による画像処理装置200等の制御ユニットに実装されるソフトウエア構成を示すブロック図である。
【0017】
1501はユーザインターフェイス(以下、UI)であり、オペレータが操作部2012を用いて本画像処理装置に対する各種操作・設定を行う際の、機器とユーザ操作との仲介を行うモジュールである。本モジュールは、オペレータの操作に従い、後述の各種モジュールに入力情報を転送して処理の依頼、或いはデータの設定等を行う。
【0018】
1502はアドレスブック(Address-Book)、即ちデータの送付先、通信先等を管理するデータベースモジュールである。アドレスブック1502の内容は操作部2012からの操作を、UI1501で検知し、データの追加、削除、取得が行われ、オペレータの操作により後述の各モジュールにデータの送付・通信先情報を与えるものとして使用されるものである。
【0019】
1503はWebサーバモジュール(Web-Serverモジュール)であり、Webクライアント(例えば、ホストコンピュータ10)からの要求により、本画像処理装置の管理情報を通知するために使用される。この管理情報は、後述の統合送信部(Universal-Sendモジュール)1504、後述のリモートコピースキャンモジュール(Remote-Copy-Scanモジュール)1509、後述のリモートコピープリントモジュール(Remote-Copy-Printモジュール)1510、後述の制御API(Control-API)1518を介して読み取られ、後述のHTTPモジュール1512、TCP/IP通信モジュール1516、ネットワークドライバ(Network-Driver)1517を介してWebクライアントに通知される。Webサーバモジュール1503はWebクライアントに渡すべき情報を、HTML形式等のいわゆるWebページ(ホームページ)形式のデータとして作成する。必要に応じてJava(登録商標)やCGIプログラム等が用いられる。
【0020】
1504は統合送信部(Universal-Sendモジュール)、即ちデータの配信を司るモジュールであり、UI1501を介してオペレータによって指定されたデータを、指示された通信(出力)先に配布するものである。また、オペレータにより、本画像処理装置のスキャナ機能を使用して配布データの生成が指示された場合は、後述の制御API1518を介して本画像処理装置のスキャナ2070を動作させ、データの生成を行う。1505は統合送信部1504内で出力先にプリンタが指定された際に実行されるモジュールである。1506は統合送信部1504内で通信先にE-mailアドレスが指定された際に実行されるモジュールである。1507は統合送信部1504内で出力先にデータベースが指定された際に実行されるモジュールである。1508は統合送信部1504内で出力先に本画像処理装置と同様の画像処理装置が指定された際に実行されるモジュールである。
1509はリモートコピースキャン(Remote-Copy-Scan)モジュールであり、本画像処理装置のスキャナ機能を使用してスキャナ2070で読み取った画像情報の出力先をネットワーク等で接続された他の画像処理装置のプリンタ2295やプリンタ2395として、本画像処理装置単体(スキャナ2070とプリンタ2095)で実現しているコピー機能と同等の処理を行うモジュールである。1510はリモートコピープリント(Remote-Copy-Print)モジュールであり、ネットワーク等で接続された他の画像処理装置(スキャナ2270やスキャナ2370で読み取った画像情報)を入力元として得られた画像情報を本画像処理装置のプリンタ機能を使用してプリンタ2095で出力することにより、同様に本画像処理装置単体で実現しているコピー機能と同等の処理を行うモジュールである。1511はWebプルプリント(Web-Pull-Print)であり、インターネットまたはイントラネット上の各種ホームページの情報をURLの指定により読み出し、プリンタ2095で印刷するモジュールである。
【0021】
1512はHTTPモジュールであり、本画像処理装置がHTTPにより通信する際に使用され、後述のTCP/IP通信モジュール1516により前述のWebサーバモジュール1503、Webプルプリントモジュール1511に通信機能を提供する。1513はlprモジュールであり、後述のTCP/IP通信モジュール1516により前述の統合送信部1504内のプリンタモジュール1505に通信機能を提供するものである。1514はSMTPモジュールであり、後述のTCP/IP通信モジュール1516により統合送信部1504内のE-mailモジュール1506に通信機能を提供する。1515はSLM、即ちSalutation-Managerモジュールであり、後述のTCP/IP通信1516モジュールにより前述の統合送信部1504内のデータベースモジュール1517、DPモジュール1518、及びリモートコピースキャンモジュール1509、リモートコピープリントモジュール1510に通信機能を提供する。
【0022】
1516はTCP/IP通信モジュールであり、後述のネットワークドライバ1516を用いて、前述の各種モジュールにネットワーク通信機能を提供する。1517はネットワークドライバであり、ネットワークに物理的に接続される部分を制御するものである。
【0023】
1518は制御APIであり、統合送信部1504等の上流モジュールに対し、後述のジョブマネージャ(Job-Manager)1519等の下流モジュールとのインターフェイスを提供するものであり、上流及び下流のモジュール間の依存関係を軽減し、それぞれの流用性を高めるものである。1519はジョブマネージャであり、前述の各種モジュールより制御API1518を介して指示される処理を解釈し、後述の各モジュール(1520、1524、1526)に指示を与えるものである。また、ジョブマネージャ1519は、FAXジョブの制御も含め本画像処理装置内で実行される種々のジョブを一元管理するものである。
【0024】
1520はコーデックマネージャ(CODEC-Manager)であり、ジョブマネージャ1519が指示する処理の中でデータの各種圧縮・伸長を管理・制御するものである。1521はFBEエンコーダモジュール(FBE-Encoder)であり、ジョブマネージャ1519、後述のスキャンマネージャ(Scan-Manager)1524により実行されるスキャン処理により読み込まれたデータをFBEフォーマットにより圧縮するものである。1522はJPEGコーデックモジュール(JPEG-CODEC)であり、ジョブマネージャ1519、スキャンマネージャ1524により実行されるスキャン処理、及びプリントマネージャ(Print-Manager)1526により実行される印刷処理において、読み込まれたデータのJPEG圧縮及び印刷データのJPEG展開処理を行うものである。1523はMMRコーデック(MMR-CODEC)であり、ジョブマネージャ1519、スキャンマネージャ1524により実行されるスキャン処理、及びプリントマネージャ1526により実行される印刷処理において、スキャナから読み込まれたデータのMMR圧縮及びプリンタへ出力すべき印刷データのMMR伸長処理を行うものである。
【0025】
1524はスキャンマネージャ(Scan-Manager)であり、ジョブマネージャ1519が指示するスキャン処理を管理・制御するものである。1525はSCSIドライバであり、スキャンマネージャ1524と本画像処理装置が内部的に接続しているスキャナ部2070との通信を行うものである。1526はプリントマネージャ(Print-Manager)であり、ジョブマネージャ1519が指示する印刷処理を管理・制御するものである。1527はエンジンインターフェース(Engine-I/F)であり、プリントマネージャ1526とプリンタ部2095とのI/Fを提供する。1528はパラレルポートドライバであり、Webプルプリント1511がパラレルポートを介して不図示の出力機器にデータを出力する際のI/Fを提供する。
【0026】
次にここでAddress Book1502の詳細について説明する。このAddress Book1502は、画像処理装置200内の不揮発性の記憶装置(不揮発性メモリやハードディスクなど)に保存されており、この中には、ネットワークに接続された他の機器の特徴が記載されている。例えば、以下に列挙するようなものが含まれている。
・機器の正式名やエイリアス名,
・機器のネットワークアドレス,
・機器の処理可能なネットワークプロトコル,
・機器の処理可能なドキュメントフォーマット,
・機器の処理可能な圧縮タイプ,
・機器の処理可能なイメージ解像度,
・プリンタ機器の場合の給紙可能な紙サイズ、給紙段情報,
・サーバ(コンピュータ)機器の場合のドキュメントを格納可能なフォルダ名
以下に説明する各アプリケーションは、上記Address Book1502に記載された情報により配信先の特徴を判別することが可能となる。
【0027】
このaddress Book1502を参照して、画像処理装置200はデータを送信することができる。例えば、リモートコピーアプリケーションは、配信先に指定された機器の処理可能な解像度情報を前記Address Book1502より判別し、それに従い、スキャナにより読み込まれた画像2値画像を公知のMMR圧縮を用いて圧縮し、それを公知のTIFF(Tagged Image File Format)化し、SLM1515に通して、ネットワーク上のプリンタ機器に送信する。SLM1515については、詳細には説明しないが、公知のSalutation Manager)と呼ばれる機器制御情報などを含んだネットワークプロトコルの一種である。
【0028】
図3は、画像処理装置のハードウェアの詳細構成を示すブロック図である。
【0029】
制御ユニット2000は画像入力デバイスであるスキャナ2070や画像出力デバイスであるプリンタ2095と接続し、一方ではLAN2011や一般の電話回線網である公衆回線(WAN)2051と接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行うコントローラである。
【0030】
CPU2001はシステム全体を制御するコントローラである。RAM2002はCPU2001が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM2003はブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD2004はハードディスクドライブで、図2に示したようなシステム制御ソフトウェア、画像データを格納する。操作部I/F2006は操作部(UI)2012とのインターフェース部で、操作部2012に表示するための画像データを操作部2012に対して出力する。また、操作部2012から本画像処理装置の使用者が入力した情報を、CPU2001に伝える役割をする。ネットワーク(Network)2010は本画像処理装置をLAN2011に接続し、パケット形式の情報の入出力を行う。モデム(MODEM)2050は本画像処理装置を公衆回線2051に接続し、情報の復調・変調を行い入出力を行う。以上のデバイスがシステムバス2007上に配置される。
【0031】
イメージバスインターフェース(Image Bus I/F)2005はシステムバス2007と画像データを高速で転送する画像バス2008とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス2008は、例えば、PCIバスやIEEE1394で構成される。
【0032】
画像バス2008上には以下のデバイスが配置される。ラスターイメージプロセッサ(RIP)2060はPDLコードを解析し、ビットマップイメージに展開する。デバイスI/F部2020は、信号線2071を介して画像入出力デバイスであるスキャナ2070、信号線2096を介してプリンタ2095、をそれぞれ制御ユニット2000に接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部2080は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部2090は、プリンタ2095に出力すべきプリント出力画像データに対して、プリンタ2095に応じた補正、解像度変換等を行う。画像回転部2030は入力された画像データの回転を行い出力する。画像圧縮部2040は、多値画像データに対してはJPEG圧縮伸長処理を行い、2値画像画像データに対してはJBIG、MMR、MHの圧縮伸長処理を行う。
【0033】
以上の様な構成を備えた本実施形態の画像処理装置の外観を図4に示す。
【0034】
操作部2012は種々の表示及び使用者が手動操作を行うための操作部であり
詳細は後述する。
【0035】
画像入力デバイスであるスキャナ2070は、原稿台に載置されたブック状またはシート状の原稿上の画像を照明し、複数の受光素子からなるCCDラインセンサを走査(主走査)するとともに、ミラー等の光学系を移動(副走査)することで指定された入力形態に応じて主走査方向及び副走査方向に所定の解像度(画素密度)のラスターイメージデータとして電気信号に変換する。原稿フィーダ2072を使用する場合は一枚ないしは複数枚のシート状の原稿をトレイ2073にセットし、装置使用者が操作部2012から読み取り指示を出すと、コントローラCPU2001がスキャナ2070に指示を与え、フィーダ2072は原稿を一枚ずつ自動的に原稿台まで搬送し、原稿上の画像を読み取る。このとき、光学系を固定させて原稿を移動させながら読み取るようにしてもよい。
【0036】
画像出力デバイスであるプリンタ2095は、種々の入力源からのラスターイメージデータ2096を用紙上で可視化するための画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。なお、プリント動作は、コントローラCPU2001からの指示によって起動される。
【0037】
プリンタ2095は、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセット2101,2102、ペーパーデッキ2103がある。使用者は各カセットを引き出し、またはデッキのカバーを開けて、用紙の補充を行う。各カセット、デッキに装填されている用紙のサイズ等の情報はカセットおよびデッキに設けられたセンサによりコントローラCPU2001に伝えられる。そして指定された出力形態に応じた用紙カセット、デッキが選択され給紙される。また、排紙トレイ2111はプリントし終わった用紙を受けるものである。また仕分けを行いたい場合など、必要に応じてプリントし終わった用紙は複数のビンを有するソーター2104に排紙される。ソーター2104に排紙する場合は用紙にステイプルやパンチ穴開けなどの処理を施すことが可能である。
【0038】
図5は操作部2012の外観を示す図である。
【0039】
操作部2012は、液晶表示部(LCD表示部)、複数のハードキー、LED表示器を有する。
【0040】
LCD表示部2013には、液晶画面上にタッチパネルシート2019が貼られており、システムの操作画面およびソフトキーを表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報をコントローラCPU2001に伝える。
【0041】
ハードキーとしては、スタートキー2014、ストップキー2015、IDキ
ー2016、リセットキー2017等が設けられている。
【0042】
スタートキー2014は原稿画像の読み取り動作を開始する場合等に用いる。スタートキー2014の中央部には、緑と赤の2色LED表示部2018があり、その色によってスタートキー2014が使える状態にあるかどうかを示す。赤色点灯は、スタートキー402の押下を受け付けないことを示し、緑色点灯はスタートキー2014の押下を受け付けることを示す。ストップキー2015は稼働中の動作を止める働きをする。IDキー2016は、使用者のユーザIDを入力するときに用いる。また、リセットキー2017は操作部2012からの設定を初期化するときに用いる。
【0043】
図6は操作部2012のLCD表示部2013に表示される基本画面の内容を示す図である。
【0044】
画像処理装置200が提供する機能は、図に示すように、Copy/Send/Retrieve/Tasks/Management/Configurationの6つの大きなカテゴリーに分かれており、これらは操作画面2013上の上部に表示される6つのメインタブ(COPY/SEND/RETREIVE/TASKS/MGMT/CONFIG)(3011〜3016)に対応している。これらのメインタブを押すことにより、各カテゴリーの画面への切り替えが行われる。他カテゴリーへの切り換えが許可されない場合は、メインタブの表示色が変わり、メインタブを押しても反応しない。
【0045】
[COPY]は自機が有するスキャナ2070とプリンタ2095を使用して通常のローカルコピー行う機能と、自機が有するスキャナ2070とネットワークで接続された他の同様な画像処理装置220、230のプリンタ2295、2395を使用してドキュメントの複写を行う機能(リモートコピー)を行う際に押して画面を切り替える。
【0046】
[SEND]は自機が有するスキャナ2070に置かれた原稿の画像を、電子メール、リモートプリンタ、ファックス、ファイル転送(FTP)およびデータベースに転送する機能を行う際に押して画面を切り替え、宛先を複数指定することが可能である。
【0047】
[RETRIEVE]は外部にあるデータを、ネットワーク等を介して取得し、自機が有するプリンタ2095で印刷する機能を行う際に画面を切り替える。データの取得方法としてWWW、電子メール、ファイル転送およびファックスの使用が可能である。
【0048】
[TASKS]はファックスやインターネットプリントなどの外部から送られてくるデータを自動処理し、定期的にRetrieveを行うためのタスクの生成、管理を行うための諸設定を行う際に画面を切り替える。
【0049】
[MANAGEMENT]はジョブ・アドレス帳・ブックマーク・ドキュメントアカウント情報などの管理を行う。
【0050】
[CONFIGURATION]では自機に関しての設定(ネットワーク、時計など)を行う。
【0051】
図6は[COPY]画面を表示したものである。
【0052】
図7は本実施形態による画像処理装置の操作部2012の制御動作を説明するためのブロック図である。
【0053】
上述したように、操作部2012は操作部I/F2006を介してシステムバス2007に接続される。システムバス2007には、CPU2001、RAM2002、ROM2003、HDD2004が接続されている。CPU2001は、ROM2003とHDD2004に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス2007に接続される各種デバイスとのアクセスを総括的に制御し、デバイスI/F2020を介して接続されるスキャナ2070から入力情報を読み込み、デバイスI/F2020を介して接続されるプリンタ2095に出力情報としての画像信号を出力する。RAM2002はCPU2001の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0054】
タッチパネル2019、各種ハードキー2014?2017からのユーザ入力は、入力ポート20061を介してCPU2001に取得される。CPU2001は、取得した操作内容と前述の制御プログラムに基づいて表示画面データを生成し、画面出力デバイスを制御する出力ポート20062を介して、LCD表示部20に表示画面を出力する。また、必要に応じてLED表示2018を制御する。
【0055】
次に本実施形態において特徴的な機能であるリモートUI(リモートユーザーインターフェース)について説明する。
【0056】
リモートUIは、本画像処理装置外部から装置の状態等の情報を取得・設定、またはプリントや送信(Universal-Send)等の動作を行わせるための機能である。ユーザはネットワークに接続されたパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータ(10、11)から、ウェブブラウザを利用して本装置にアクセスすることによりリモートUIの機能を使用することができる。これにより操作部2012から行うべき操作が遠隔のホストコンピュータから行えるようになる。
【0057】
図2に示したように、本装置内部ではWebサーバ1503が稼動しており、これによりHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)による通信が可能となっている。Webサーバ1503ではクライアントからの要求により起動されるCGI(Common Gateway Interface)プログラムを動作させることができる。図3のHDD2004中にはリソースファイル群、ページのテンプレートファイル群が格納されており、これらがリモートUIにおいて使用される。リソースファイルはページ表示に用いられるHTML(Hyper Text Makeup Language)ファイルや画像ファイルなどである。テンプレートファイルは、CGIプログラムから参照されページを作成するのに用いられるファイルである。
【0058】
本装置にアクセスするために、ユーザはURL(Uniform Resource Locator)を直接ウェブブラウザに入力するか、該URLが埋め込まれたリンクを選択する。ウェブブラウザは、所望のURLを指定するHTTPコマンドをLAN2011等の通信路を介して送信する。Webサーバ1503は、このHTTPコマンドを受け取り、そのHTTPコマンドを解析し、それに応じた動作を行う。
【0059】
クライアントのウェブブラウザからの要求がCGIの要求でなければ、前述のリソース群の中から指定されたリソースをウェブブラウザに送信して処理を終了する。
【0060】
ウェブブラウザからの要求がCGIプログラムであった場合、対応するCGIプログラムが起動する。CGIプログラムは起動時にクエリーパラメータを受け取ることができ、ユーザがブラウザから指定した値が渡される。
【0061】
CGIプログラムは、その要求に応じて装置情報の取得・設定や、プリント出力等の動作を本体に要求する。また、CGIプログラムはそのページに対応したテンプレートファイルを使って送信するページを作成していく。テンプレートファイル中には、取得された情報を用いて記述を変更する部分があり、これによりその時の状態に応じたページの内容を作成することができる。
【0062】
一方、発信側ウェブブラウザは、本装置から返されたページをホストコンピュータのディスプレイ上に表示しユーザに示す。ウェブブラウザに返信される上述のページにおいて、ユーザの入力をチェックし、適切でない場合(許容されていない値が入力された場合など)、再度、入力を促すためのスクリプトコードが含まれている。
【0063】
こうしてウェブブラウザを利用して装置にアクセスすることにより、装置外部から装置の機能・状態・保持情報を取得および設定し、また装置を操作することが可能となる。リモートUIによって取得・設定できる情報は、例えば利用できる紙サイズや残量などの装置情報、投入されたジョブの情報、記憶装置に蓄積されている文書情報、E-mailやFAXなどのアドレス情報、ネットワークに関する設定情報などである。また、リモートUIによって行わせることが可能な動作としては、機器内に保持されている文書情報のプリントアウトや送信などがある。
【0064】
図8は、クライアント(ブラウザ)側(ホストコンピュータ10、11)とサーバ側(画像処理装置200、220、230)の基本的な処理の流れを示したフローチャートである。このフローチャートはホストコンピュータのハードディスクにインストールされたブラウザの制御プログラムに基づきホストコンピュータのCPUにより制御される処理の流れと画像処理装置のHDD2004に格納されたWebサーバ1503のための制御プログラムに基づきCPU2001により制御される処理の流れを示すものである。なお、以下に示す全てのフローチャートも同様である。
【0065】
クライアント側では、まずステップS101でユーザからのURLの入力を待ち、URLが入力されるとステップS102へ進み、サーバ側へHTTPコマンドを送信する。
【0066】
そして、ステップS103でサーバ側よりのレスポンスの受信を待ち、レスポンスを受信するとステップS104でHTML文書を整形表示して一つのセッションを終了する。
【0067】
一方、サーバ側では、ステップS111でクライアント側からのHTTPコマンドの受信を待ち、受信するとステップS112でCGI起動要求かどうか判定する。CGI起動要求であった場合は、ステップS113でCGIパラメータを解析し、ステップS114でCGIプログラムを起動して一つのセッションを終了する。また、ステップS112でCGI起動要求でないと判定された場合は、ステップS115へ進み、指定されたリソースファイルをレスポンスとして返信して一つのセッションを終了する。
【0068】
なお、多くのページでは、表示内容はその時の状態に応じて変わるので、起動されたCGIプログラムの中で、機器情報を取得し、テンプレートファイルからHTMLを生成し、レスポンスとして返信するという処理が行われる。また、ステップS115では、HTMLファイルに対する加工は行わず、指定されたHTMLファイルをそのまま返信する。
【0069】
図9は本実施形態によるWebサーバ1503から送信されたページのホストコンピュータのブラウザ上での表示例を示す図である。この画面は一般的なウェブブラウザで表示されるリモートUIのトップページを示す図であり、所望の画像処理装置のURL(http://に続けて画像処理装置のIPアドレスを入力)をウェブブラウザで指定したときにWebサーバ1503と接続してデフォルトで表示されるページである。図示するように、画面はインデックス領域101とメイン領域102の2つのフレームから構成されている。インデックス領域には、主なサイトマップが表示され、マップ上のボタンを押す(マウス等のポインティングデバイスでクリックする)と対応する画面がメイン領域に表示される。ページの表示に際しては、図8に示されるセッションが複数回繰り返され、その過程においてステップS114及びステップS115が実行されることになる。ホストコンピュータ10はステップS104で、周知の汎用的なブラウザによって受信したHTMLファイルを図9のごとく表示する。
【0070】
図9に示すように、トップページは、機器の一般情報を表示する。
【0071】
Device Nameでは任意のデバイス名をユーザが設定可能で何も設定しないとNameless Deviceとなる。Product Nameには本画像処理装置の製品名が予め登録されている。Locationは本画像処理装置が設置されている場所をユーザが任意に設定する。そして、このページがWebサーバ1503で最後に書き換えられた日時が表示される。また本画像処理装置のプリンタ部2095の状態(トナーの残量、用紙の有無、ジャムの発生等)、スキャナ部2070の状態(カバーオープン等)、FAX機能の状態(送信中、受信中、エラーの発生等)が文字情報で表示されるとともに、色による表示、さらに本画像処理装置の外観図をも用いて表示する。コメントの欄には操作部1021またはリモートUIでブラウザから設定したメッセージを表示させることができる。そして、管理者の名前が設定可能でここを押す(クリック)すると標準設定されたメーラーが起動されE−mail送信が可能である。サポートリンクは、ここを押す(クリック)すると本画像処理装置のインターネットを介してサポート情報のページに接続される。一番下の欄にはブラウザの表示状態("・・・を開いています"、"Document:Done"等)を表示する。
【0072】
その他、デバイス情報ページ、ジョブステータスページ、ボックスページ、アドレスページ、ユーザモードページなどがインデックス領域に配置したボタン(デバイスボタン(Device)103、ジョブステータスボタン(Job Status)104、メールボックスボタン(Mail Box)105、アドレスボタン(Address)106、ユーザモードボタン(Add.Func.)107)を押下(クリック)することにより表示される。
【0073】
図10はトップページでジョブステータスボタン104を押した後に表示されるジョブステータスページの表示例を示す図である。
【0074】
ジョブステータスボタン104を押す(クリック)ことにより、ジョブステータスページを表示するべくHTTPコマンドが画像処理装置200へ送信され(ステップS102)、これを受けた画像処理装置200は図10に示す表示内容を記述したHTMLファイルを送信する(ステップS115)。
【0075】
ホストコンピュータ10はこのHTMLファイルを受信し、それを解析することで図10のごときページを表示する(ステップS103、S104)。ジョブステータスページでは、現在画像処理装置200内に投入されている種々のジョブ状況の一覧が表示される。インデックス領域101に表示されたサブメニュー111により、表示するジョブの種類(プリントジョブ(Print Job)、コピージョブ(Copy Job)、送信ジョブ(Send Job)、FAXジョブ(Fax Job)、受信ジョブ(Receive Job))を選択することが可能であり、選択されたジョブの種類のジョブ状況一覧がメイン領域102に表示される。図10ではプリンタ部2095を使用する全てのジョブの状況を表示するためにプリントジョブが選択された状態を示しており、メイン領域102にはプリントジョブ状況の一覧が表示されている。また、プリントジョブログボタン112を押すことにより、プリントジョブログページが表示される。
【0076】
図11はプリントジョブログページの表示例を示す図である。
【0077】
プリントジョブログページでは、システム起動後に投入されたプリントジョブの履歴の一覧が表示される。図示のように、メイン領域102にプリントジョブの履歴一覧が表示され、各プリントジョブ毎に、ジョブ番号121、ジョブ名称122、ジョブ所有者123、ユーザID124、終了時刻125、ジョブ実行結果126が一つのレコードとして表示される。プリントジョブ種別選択ボタン127を押下することにより、図12に示すごとくプルダウンメニュー131が表示される。このプルダウンメニューから所望のプリントジョブ種別を選択することにより、メイン領域102に一覧表示するジョブ種別を変更することが可能である。選択可能なジョブ種別としては、PDLプリント(PDL Print:PC/PCL、LIPSなどのPDLプリントで、ホストコンピュータからのプリント要求に応じたプリント処理)、ローカルコピープリント(Local Copy:スキャンとプリントを同一装置で行うコピー動作のプリント処理)、リモートコピープリント(Remote Copy:スキャンとプリントを別の装置でネットワークを介して行うコピー動作のプリント処理)、受信プリント(Receive Print:FAX/IFAXなど、Universal-Send機能により受信した画像をプリントする処理)、レポートプリント(Report Print:機器内部に保存されたプリンタやスキャナの動作履歴をレポート形式で出力する場合のプリント処理)がある。
【0078】
なお、図11、図12のごときWebページの表示が、図9や図10に示すWebページの表示と同様に、図8のフローチャートで示される手順によって実現されることは明らかであろう。
【0079】
また、図10に表示されるプリントジョブステータスのデータや、図11、図12のごとく表示されるプリントジョブログのデータは画像処理装置200においてプリントジョブを実行したり受け付けたりする毎にHDD2004に蓄積され、その状態が変化するたびに書き換えられる。なお、その格納データ形態は特に規定されるものではなく、当業者には明らかであるので詳細な説明を省略する。
【0080】
以上のように、本実施形態によれば、画像処理装置200上に通常のインターネット等でホームページの提供に利用されるものと同等のWebサーバ1503を実装し、画像処理装置200とホストコンピュータ11との間の通信規約としてHTTPプロトコルを採用し、画像処理装置に受信された画像出力ジョブの履歴情報をHTML文書として画像処理装置200からホストコンピュータ11へ送信することが可能となる。このため、ホストコンピュータ11上のWebブラウザによりジョブの履歴を閲覧することが可能となるので、ユーザは特別なアプリケーションソフトウェアを利用しなくとも通常のホームページの閲覧に利用と同様な操作環境で容易に遠隔操作が可能となる。そして特別なアプリケーションソフトウェアを起動しなくてよいのでホストコンピュータの負荷も低減できる。また、HTTPプロトコルの汎用性とあいまって、接続性の高いシステムを構成することが可能となる。
【0081】
そして、操作部2012から指示されたジョブ、LAN2011を介してホストコンピュータ10や11から指示されたジョブ、LAN2011を介して受信したジョブ、WAN2051を介して受信したジョブを一覧として確認することができる。
【0082】
また、画像処理装置200に投入されたジョブの状況をジョブの種別に応じてソートして表示させるので、ユーザは所望のジョブの状況を容易に確認できる。
【0083】
なお、上述した第1の実施形態では、画像入力デバイスであるスキャナユニット、画像出力デバイスであるプリンタユニット、コントローラユニット及びユーザインタフェースユニットを備えた画像処理装置に格納されたWebサーバを用いていたが、プリンタユニットとコントローラユニットからなる画像出力装置においても同様にWebサーバを格納することにより、リモートユーザインタフェース機能を実現し、プリントジョブログを表示することも可能である。ただし、この場合、プリントジョブ種別はPDLプリントのみとなる。
【0084】
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態では、Webブラウザによってジョブの履歴を表示する例を示した。第2の実施形態は、画像蓄積機能を有する画像処理装置とホストコンピュータ11がネットワーク等の伝送媒体を介して接続されたシステムにおいて、画像処理装置に蓄積された画像をホストコンピュータ11で取得・表示可能とする構成を説明する。なお、第2の実施形態によるシステム及び画像処理装置のハードウェア構成は第1の実施形態と同様であるものとする。
【0085】
本実施形態では、HDD2004内に画像データを蓄積するための領域を予め複数に分割し、それをボックスと称す。このボックスには、ユーザがスキャンした文書やウェブクライアントから送られてきたPDLデータを一時的に保存しておくのに使用するユーザボックスと、受信したFAX文書などを保存しておくためのシステムボックスがある。各々のユーザボックスには番号が付与され、それぞれ識別することが可能である。尚、不図示の設定画面において、ユーザボックスにボックス名称、暗証番号及び保存したデータを自動的にボックスから消去するまでの時間を設定することが可能である。また、ユーザはスキャンした画像やウェブクライアントから送ったPDLデータをボックスに保存するよう指定することができる。更に、保存された文書はユーザの指示によりFAXや電子メールで送信したり、他のボックスに移動、或いはプリンタ出力することができる。
【0086】
図13は、第2の実施形態による画像処理装置のソフトウエア構成を示すブロック図である。なお、図13において第1の実施形態(図1)と同様の構成には同一の参照番号を付してある。図2と異なる点は、ボックスモジュール(Box)1551を設けた点である。ボックスモジュール1511は、スキャン画像もしくはPDLプリント画像をHDDに格納し、格納した画像のプリンタ機能による印刷、統合送信(Universal-Send)機能による送信、HDDに格納した文書の削除、グルーピング(個別BOXへの格納)、BOX間移動、BOX間コピーなどの管理機能を提供する。なお、ボックスモジュール1551は、HTTPモジュール1512及びTCP/IPモジュール1516によって通信機能が提供される。
【0087】
なお、図13では、図2の構成中のWebプルプリントモジュール1511をボックスモジュール1551で置き換えているが、単純に図2の構成にボックス1551を追加したものであってもよい。
【0088】
以上の様な構成において、ホストコンピュータ10が一般的なブラウザを用いて、本画像処理装置のURL(例えばIPアドレス)を指定して本画像書誌装置に接続すると、第1の実施形態で説明したように、図9に示すようなリモートUIのトップページが表示される。図9において、メールボックスボタン105を押す(クリック)と図14に示されるようなボックスページが表示される。
【0089】
図14は第2の実施形態によるボックスページの表示例を示す図である。
【0090】
ボックスページでは、メイン領域102に、現在画像処理装置のHDD2004内に存在するボックスの一覧が表示される。インデックス領域101に表示されたサブメニュー201により、表示するボックスの種類(ユーザボックス(User Boxes)、システムボックス(Preset Boxes))を選択することが可能であり、選択されたボックスの一覧がメイン領域102に表示される。なお、図14ではユーザボックスが選択された状態が示されており、メイン領域102にはユーザボックスの一覧が表示されている。各ユーザボックス毎にボックス番号202、ボックス名称203、当該ボックス内文書画像の全ボックス文書画像記憶領域占有率204が一つのレコードとして表示される。なお、全ボックス文書画像記憶領域占有率204は、ボックス文書画像格納用に割り当てられたHDD領域中に占める、当該ボックス内文書の画像が占める割合である。また、ボックス番号202はリンクテキストと成っており、Webブラウザ上で所望のリンクテキストを選択することにより、ボックス内容リスト表示ページが表示される。
【0091】
図15は、図14のボックスページにおいてボックス番号リンクテキストを選択した際に表示される、ボックス内容リスト表示ページの例を示す図である。
【0092】
ボックスリスト表示ページのメイン領域102には、指定されたボックス内に含まれるボックス文書画像の一覧が表示される。各文書画像毎に選択チェックボックス211、文書画像タイプ212、文書画像名称213、文書画像サイズ214、文書画像向きアイコン215、文書画像ページ数216、最終更新日時217が一つのレコードとして表示される。ここで、文書画像タイプ212は、当該画像データが、「スキャナによって得られた画像データ」であるか「受信したPDLプリント要求を画像展開して(プリントせずに)ボックスに格納した画像データ」であるかを示す。また、選択チェックボックス211の所望のものにチェックマークを入れて指示ボタン219(Printボタン、Forwardボタン、Moveボタン、Deleteボタン)のいずれかをクリックすることで選択された文書を指定どおり処理させることができる。Deleteボタンをクリックした場合には図19に示すような確認画面が表示される。この図においてOKボタンをクリックした場合には選択された文書がボックスから消去され、キャンセルボタンをクリックした場合には図15の表示に戻る。更に、文書画像名称213はリンクテキストとなっており、Webブラウザ上で本リンクテキストを選択することにより、ボックス文書画像内容表示ページが表示される。
【0093】
また、編集ボタン218をクリックすると不図示の画面が表示され、そのボックスに対するボックス名、パスワード、文書を自動消去するまでの時間等を設定することができる。
【0094】
なお、図14に示す画面において、暗証番号が設定されているボックスを開こうとした場合、不図示の暗証番号確認画面が表示される。ここで、正しい暗証番号が入力されれば図15に示すボックス文書表示画面に移行するが、正しい暗証番号が入力されなければ、そのボックスの内容を見ることはできない。
【0095】
図16は、図15のボックス内容リスト表示ページにおいて所望の文書画像名称リンクテキストを選択した際に表示される、ボックス文書画像内容表示ページの例を示す図である。
【0096】
ボックス文書画像内容表示ページのメイン領域102には、ボックス文書画像の各ページの内容一覧が表示される。各ページ毎にページ番号221、カラー画像アイコン222、カラー画像サイズ223、モノクロ画像アイコン224、モノクロ画像サイズ225、画像ピクセル数(横×縦)226が一つのレコードとして表示される。ここで、カラー画像と白黒画像についての情報が存在するのは、各ページは同じ画像に対してカラーの画像とモノクロの画像の両方を保持するためである。各画像アイコンはリンクイメージとなっており、Webブラウザ上でこれらのリンクイメージの一つが選択されると、画像処理装置200内に格納された対応する画像データがWebサーバ1503によってホストコンピュータ10上のWebブラウザへ転送され、画像の表示が行われる。なお、カラー画像はJPEGフォーマットにて転送される為、Webブラウザ内にそのまま表示される。また、モノクロ画像はTIFF・MMR圧縮フォーマットにて転送される為、Webブラウザより起動される画像ビューアアプリケーションによって表示が行われる。
【0097】
図17はプリセットボックス(Preset Boxes)を選択した場合の表示例を示す図である。Preset BoxesではFAX,IFAX等で受信したデータを蓄積するMEMORY RX BOX、FAX,IFAX等で送信するデータを蓄積するMEMORY TX BOX等があり、ここではMEMORY RX BOXの表示例を示す。MEMORY RX BOXでは、選択チェックボックス(Select)231、ジョブタイプ(Type)232、発信元ユーザ名(User ID)233、文書画像ページ数(Pages)234、受信日時(Times)235が表示される。文書の選択により文書の詳細な情報およびページごとの情報、そして所望のページの選択により文書内容が表示されるのは前述のユーザボックスと同様である。
【0098】
なお、上述したHTMLファイルや画像データを画像処理装置からホストコンピュータ10へ転送する処理は、第1の実施形態で説明した手順(図8のフローチャート)で実現される。
【0099】
そして、ボックス内に蓄積されている文書を選択して転送する場合には、例えば、図17の例で説明するとForwardボタン236をクリックし、図18に示すような文書転送のための設定画面を表示させる。
【0100】
図18の表示において、選択文書リスト欄241には、選択された文書が表示されており、ボタン242〜245を使用することにより転送順を指定できる。246は宛先表示ボタンであり、クリックすると不図示の宛先表示画面が表示される。宛先表示画面では登録されているアドレス(FAX番号、E−メールアドレスなど)が表示され、転送先を選択できる。宛先表示画面で選択された宛先が転送先リスト領域247に表示される。248は消去ボタンであり、選択された転送先を転送先リストから消去する時に押す。 249はOKボタンであり、転送が実行される。
【0101】
250は文書消去チェック欄であり、プリントアウト後にそのデータを消去するか否かの選択を行うことができる。ここをチェックするとそのデータは正常に転送された場合に消去される。251はキャンセルボタンであり、転送を行わずにボックス文書表示画面(図17)に戻る。
【0102】
ボックス内の文書を転送する際のホストコンピュータ10側の処理の流れは、図8のフローチャートを参照すると、ステップS101で図18の画面を呼び出すための入力からステップS104による表示、再び、S101でボックスパスワードの入力(指定されたボックスにパスワードが設定されている場合)、ボックス内の文書の選択、送信先の選択等、種々の入力とその応答を示す画像処理装置200から送られてくる情報の表示というように、S101〜S104の処理を必要なだけ繰り返す。なお、S101の入力の判断の際にはユーザが入力されたパラメータに問題があるかどうかをホストコンピュータ側で判断し、問題があればS102のコマンド送信は行わない。
【0103】
この文書転送のための設定画面表示後の処理の流れの詳細は図20に示すフローチャートのとおりである。即ち、図18の画面を呼び出した後、S207で入力終了するまでS201〜S206までの処理を繰り返すことになる。ここでS205の判断はWebサーバから送られてきたHTMLファイルに含まれる、スクリプトのコードによって行われるものであり、例えば数字を入力すべき欄に数字以外の文字が入力されている場合などにS203に戻り再度入力を促すものである。
【0104】
次にWebサーバ側の処理の詳細について図21のフローチャートを参照して説明する。
【0105】
図20のように複数回のやり取りによりパスワードによるユーザの認証や文書一覧の提示、選択の確認等を経て最終的な転送のための設定(転送されるべき文書の特定や宛先の情報等)をステップS301で受信すると、ステップS302で文書転送のためのCGIプログラムを起動し、S301で受信した文書情報、宛先情報等のパラメータをステップS303で解析する。そして、ステップS304で指定されている宛先に応じてNetwork2010またはMODEM2050を用いて転送処理を実行するよう各々に転送処理要求を行う。
【0106】
正常に転送処理が行われると、ステップS305で文書消去チェック欄250にチェックされているかどうか判断し、チェックされていなければそのまま処理を終了し、チェックされていれば、ステップS306で該当する文書をボックスから消去し処理を終了する。
【0107】
次に、ボックス内に蓄積されている文書を選択してプリンタ部2095でプリントする場合について説明する。
【0108】
図15、17等の画面でPrintボタンをクリックすると図22のプリント設定画面に移行する。
【0109】
図22に示すように、選択文書リスト欄261には、選択された文書が表示されており、ボタン262〜265でプリント順を指定できる。また、プリント枚数指定欄266でプリント枚数、給紙カセット指定欄267で給紙カセット、両面指定欄268で両面、ソート指定欄269でソートについてそれぞれ指定し、OKボタン270をクリックすることによりプリントの指示を出すことができる。
【0110】
271は文書消去チェック欄であり、プリントアウト後にそのデータを消去するか否かの選択を行うことができる。ここをチェックするとデータは転送後に消去される。272は文書結合チェック欄であり、複数の文書を一つのジョブとしてプリントアウトする時に使用する。273はキャンセルボタンであり、プリント出力を行わずに1つ前の画面(ボックス文書表示画面)に戻る。
【0111】
次に、ウェブクライアントのウェブブラウザから、本実施形態による画像処理装置のリモートUI機能を使用してボックス内のデータをプリント出力要求する場合のウェブブラウザの処理について説明する。
【0112】
図20のフローチャートを用いてその処理の流れを説明する。
【0113】
まず、ステップS201において、ウェブブラウザが画像処理装置200のウェブサーバ部1503ら送られてきたHTMLファイルを受信する。そして、ステップS202において、受信したファイルを画面に表示する。ここで表示される画面が図22に示したプリント画面である。次に、ステップS203において、ユーザがプリント枚数指定欄266でプリント枚数を指定する等、必要なパラメータをブラウザに入力し、OKボタン270を押す。
【0114】
次に、ステップS204において、ユーザが設定したパラメータが適当なものかどうかをチェックする。このチェックは、ウェブサーバ部1503から送られてきたファイルに含まれる、スクリプトのコードによって行われる。例えば、プリント枚数を設定すべき欄に数字でない文字が入力されているなど、適当でない入力がなされていた場合には(ステップS205の問題有り)ステップS203に戻り、再度入力を促す。また、チェックの結果問題がなければ(ステップS205の問題なし)ウェブサーバ部1503にHTTPコマンドを送信してプリント出力を要求する(ステップS206)。
【0115】
次に、ウェブブラウザからボックス内のデータのプリント出力要求がなされた場合のウェブサーバ部1503の処理について説明する。
【0116】
図23は、ウェブブラウザからプリント出力要求を受信した時のウェブサーバ部1503の処理を示すフローチャートである。
【0117】
まず、ステップS401において、ウェブサーバ部1503がネットワーク接続部2010を介してウェブクライアントのウェブブラウザからHTTPコマンドを受信する。そして、ステップS402において、ウェブサーバ部1503がそのプリンタ出力要求に対応するCGIプログラムを起動する。
【0118】
次に、ステップS403において、起動されたCGIプログラムがブラウザから渡されたプリント枚数、プリント用紙、ソート方法などのパラメータを解析する。そして、ステップS404において、パラメータを設定してプリンタ部2095にプリントを要求し、プリントが実行される。次に、ステップS405において、上述のパラメータのうち図22に示した文書消去チェック欄271がチェックされているどうかを判断する。ここで、チェックされていなければそのまま処理を終了するが、チェックされていればステップS406に進み、プリント出力の終了後、そのデータをHDD2004内のボックスから消去する。
【0119】
図15、17等の画面でDeleteボタンをクリックした場合は図24のようなボックス移動画面に移行する。
【0120】
図24に示すように、選択文書リスト欄281には選択されている文書が表示される。移動先ボックス選択欄282で移動先ボックスを選択し、OKボタン283を押下することにより選択されている文書が移動する。284はキャンセルボタンであり、移動を行わずに1つ前の画面(ボックス文書表示画面)に戻る。
【0121】
この場合のブラウザ側での処理は前述のものと同様な流れで行われる。
【0122】
Webサーバ側の処理についても"転送処理"、"プリント処理"を"移動処理"とし、文書消去にかかる処理を省略しただけである。つまり、指定された文書の情報と移動先のボックスについてのパラメータを解析し、それに従って蓄積先のボックスを変更するようにするものである。
【0123】
以上のリモートUIによる操作は操作部2012からも同様に行うことができる。
【0124】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、画像処理装置200上にWebサーバ1503を実装し、画像処理装置とホストコンピュータとの間の通信規約としてHTTPプロトコルを採用し、画像処理装置に蓄積された画像情報をHTML文書として画像処理装置から送信することが可能となる。また、画像処理装置に蓄積された画像を画像ファイルとして画像処理装置からホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータ上のWebブラウザによりこれを閲覧・操作することが可能となるので、容易に遠隔操作が行える。また、HTTPプロトコルの汎用性とあいまって、接続性の高いシステムを構成することが可能となっている。なお、画像処理装置に蓄積された画像を画像ファイルとして画像処理装置からホストコンピュータに送信する際の転送プロトコルにはHTTPを用いる。このとき、画像の種類により、image/TIFF、image/jpegなどのmimeタイプがレスポンスヘッダとして付加される。
【0125】
また、本実施形態によれば、ネットワーク上のクライアントのウェブブラウザからユーザが画像処理装置内のボックスに記憶した画像データをプリント要求できることにより、ユーザは画像処理装置の前まで行かなくとも、操作部2012からの操作と同様にボックス内の画像データを容易にプリント出力することが可能となる。
また、ネットワーク上のクライアントのウェブブラウザからユーザが画像処理装置内のボックスに記憶した画像データをFAXやE−メールで転送要求できることにより、ユーザは画像処理装置の前まで行かなくとも、ボックス内の画像データを容易に転送することが可能となる。
【0126】
更に、ユーザはボックス内の画像データをプリント又は転送する際に、必要なパラメータをウェブブラウザ上で容易に設定することが可能となる。
【0127】
また、画像処理装置のサーバからクライアントのウェブブラウザへパラメータの設定を行わせるための設定用ファイルを送信することにより、クライアントに特別なドライバ等をインストールする必要がなく、一般のウェブブラウザを利用できる。
【0128】
更に、設定用ファイルは、ブラウザ上でプリント枚数に数字以外の文字が入力されるなどの適当でない設定がなされていないかをチェックし、適当でない設定がなされている場合には再度入力を促すことにより、サーバ側でそのチェックを行う必要がなく、サーバ及びネットワークにかかる負担を軽減できる。
【0129】
なお、上記実施形態では、画像入力デバイスであるスキャナユニット、画像出力デバイスであるプリンタユニット、コントローラユニット、ユーザインタフェースユニットからなる、画像処理装置に格納されたWebサーバを用いていたが、画像記憶機能を有するコントローラユニットからなる画像記憶管理装置においても同様にWebサーバを格納することにより、リモートユーザインタフェース機能を実現し、画像を表示することが可能である。
【0130】
[第3の実施形態]
第1の実施形態では、Webブラウザを用いてプリントジョブステータスやプリントジョブログを表示可能とする構成を説明した。第3の実施形態では、更に、プリントジョブのステータス変更操作を可能とする構成を説明する。すなわち、第3の実施形態では、画像処理装置とホストコンピュータがネットワーク等の伝送媒体を介して接続されたシステムにおいて、画像処理装置に出力予約された複数ジョブの状態情報をホストコンピュータで取得・表示する。なお、第3の実施形態によるシステム及び画像処理装置のハードウェア構成並びにソフトウエア構成は第1の実施形態と同様である。
【0131】
図25は図9に示したトップページでジョブステータスボタンを押した後に表示されるジョブステータスページの表示例を示す図である。なお、図25の表示内容は図10に示したものと同じであるが、第3の実施形態の説明のために必要な参照番号を付してある。
【0132】
図25に示すように、ジョブステータスページでは、現在画像処理装置200内に投入されているジョブ状況の一覧が表示される。インデックス領域101に表示されたサブメニュー111により、表示するジョブの種類(プリントジョブ、コピージョブ、送信ジョブ、FAXジョブ、受信ジョブ)を選択することが可能であり、選択されたジョブの種類のジョブ状況一覧がメイン領域102に表示される。図25はプリントジョブが選択された表示状態を示しており、メイン領域102にはプリントジョブ状況一覧が表示されている。各プリントジョブ毎にジョブ状態アイコン303、ジョブ番号304、ジョブ状態305、ジョブ種別306、ジョブ名称307、ジョブ所有者308、ジョブサイズ309、ジョブ受付日時310が一つのレコードとして表示される。
【0133】
ジョブ状態としては、Printing(プリント中:現在プリント中のジョブ)、Waiting(プリント待ち:プリント待ち行列に並んでいるジョブで順番がくればプリントが開始される)、Pause(休止中:プリント待ち行列に並んでいるジョブで、順番が来てもプリントが開始されずに、次のジョブに飛ばされる)、Lock(ロック状態:プリント待ち行列に並んでいるジョブでパスワードによりロックされているジョブであり、このジョブを選択してパスワードを入力するまでプリントは実行されない)がある。また、ジョブ種別としては、Print(PDLプリント)、Local Copy(ローカルコピープリント)、Remote Copy(リモートコピープリント)、Received(受信プリント)、Report(レポートプリント)がある。プリント待ちのジョブは上から順番に待ち順に従って整列され表示される。各レコードの左端には選択ボタン302が設けてあり、該当レコードのジョブを選択することが可能である。ジョブ一時中断ボタン311(選択したジョブをWaiting状態からPause状態にする)、ジョブ再開ボタン312(選択したプリントジョブをPause状態からWaiting状態にする)、ジョブプロモートボタン(選択したプリントジョブをプリント待ち行列の先頭(現在プリント中のジョブの次)に移動する)313、ジョブキャンセルボタン(選択したプリントジョブを削除する)314を備えたツールバーが表示されており、これらのボタンを用いることにより、選択ボタン302によって選択されたプリントジョブのステータスを変更することができる。
【0134】
また、各ジョブ番号304はリンクテキストになっており、これを選択することにより、当該レコードのジョブの詳細情報ページが表示される。
【0135】
図26は、プリントジョブの詳細情報ページの表示例を示す図である。メイン領域102には、受付日時、受付番号、ジョブ状態、部門ID、ジョブ名、ジョブ所有者、ページ数と部数などの詳細情報が表示される。
【0136】
図27はJob StatusのSend Job Statusボタンを押した後に表示されるSend Job Statusページの表示例を示す図である。
【0137】
画像処理装置200内に送信対象のデータが残っているジョブがリストとして表示される。リストには、左から、処理の指定のための選択チェックボックス、ジョブ状態アイコン、Jobを特定するためのJob ID、Jobの状態を示すStatus、Jobの種別を示すJob Type、指定されている宛先の数を示すDestinations、Jobを受け付けた日時を示すTimeが含まれる。
【0138】
所望の文書を指定して設定の変更等を行う場合にはチェックボックス321にチェックマークを入れてから設定画面を呼び出す。
【0139】
Logボタン322をクリックすると、図28に示すような画像処理装置200で既に実行されたSend JobのLogのリストを表示する。リストには、左からJobを特定するためのJob ID(Re. Job No.)、Jobの実行結果を示すResult、Jobを開始した時間を示すStart Time、ジョブを終了した時間を示すEnd Time、部門別管理を行う場合のために指定された部門を示すDept. ID、Jobの種別を示すJob Type、送信先を示すDestination、F codeを指定して送信した場合にはそのF code、送信ページ数を示すPages、送信の際の通信モード、エラーで終了した場合にエラー内容を示すEnd codeが含まれる。このLogに示されたデータは宛先の変更等を行って再送信が可能である。
【0140】
以下、上記の画面において内容を変更してジョブを実行させる際の処理の流れを説明する。
【0141】
図29に図25の画面においてプリントジョブの内容の変更を行う際のWebサーバ1503側の処理の流れを表すフローチャートを示す。
【0142】
まず、ユーザはホストコンピュータ10のWebブラウザを使って図26の表示等を行い、図25の画面上で所望のプリントジョブを選択し、続いて所望の処理の指示を行う。Webサーバ部1503はステップS510でこの指示内容を示すHTTPコマンドを受信する。
【0143】
ステップS502でこの指示の内容がPauseを示すと判断した場合はステップS503で指定されたジョブをPauseに変更し、それをHTMLファイルに反映させる。同様にステップS504、506、508でそれぞれ指示内容を判断し、その判断結果に応じてステップS505、507、509でジョブの状態を変更しHTMLファイルに反映させる。
【0144】
そして、ステップS510でこの変更されたHTMLファイルをホストコンピュータ10に送信し、Webブラウザでの表示にこの変更を反映させる。
【0145】
一方、上記いずれの指示でもなかった場合はS511でその他の処理を実行する。
【0146】
図30は一旦投入した送信ジョブに対し、宛先を変更したり追加する場合のWebサーバ側の処理の流れを表すフローチャートである。
【0147】
まず、ユーザはホストコンピュータ10のWebブラウザを使って図27の画面で所望のジョブを指定し、宛先を変更もしくは追加する場合は先に説明した転送処理の場合と同様に宛先を選択し、またジョブをキャンセルする場合はその旨の指示を行う。Webサーバ部1503はステップS601でこの指示内容を示すHTTPコマンドを受信する。
【0148】
ステップS602でこの指示内容が宛先変更を示すと判断した場合はステップS603で指定されたジョブの宛先を変更し、それをHTMLファイルに反映させる。同様にステップS604、S606でそれぞれ指示内容を判断し、その判断結果に応じてステップS605、S607でジョブの内容を変更し、HTMLファイルに反映させる。
【0149】
そして、ステップS608でこの変更されたHTMLファイルをホストコンピュータ10に送信し、Webブラウザでの表示にこの変更を反映させる。
【0150】
一方、上記いずれの指示でもなかった場合はS609でその他の処理を実行する。
【0151】
図31は一旦実行された送信ジョブを宛先を変更するなどして再送信させる際の処理の流れを表すフローチャートである。
【0152】
まず、ユーザはホストコンピュータ10のWebブラウザを使って図28の画面で所望のジョブ(実行済みのもの)を指定し、必要があれば宛先の変更、追加等を行い再送信の指示を行う。Webサーバ部1503はステップS701でこの指示内容を示すHTTPコマンドを受信する。
【0153】
ステップS702でこの指示内容に宛先の変更が含まれている場合は指定されたジョブの宛先を変更して送信ジョブ(送信キュー)に設定する。一方宛先の変更がなかった場合はステップS704で宛先の変更を行うことなく送信ジョブに設定する。
【0154】
図32は実行し終わったジョブの履歴をユーザからの指示でSend Job Logから削除する場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【0155】
まずユーザはホストコンピュータ10のWebブラウザを使って図28の画面で所望のジョブを指定し、その履歴の削除を指示する。このときユーザ認証を行って他人の履歴を削除できないようにしてもよい。Webサーバ部1503はステップS801でこの指示内容を示すHTTPコマンドを受信する。
【0156】
ステップS802で履歴の削除が指示されたと判断した場合は、ステップS803で指定されたジョブの履歴を削除し、削除の指示がなかったと判断した場合はこれをスキップする。
【0157】
そして、ステップS804で以上の処理が反映されたHTMLファイルを送信し、処理を終了する。
【0158】
以上のリモートUIからの操作は操作部2012からも同様に行うことができる。
【0159】
以上のように、第3の実施形態によれば、画像処理装置上にWebサーバ1503を実装し、画像処理装置とホストコンピュータとの間の通信規約としてHTTPプロトコルを採用し、画像処理装置に出力予約された複数の出力ジョブの状態情報をHTML文書として画像処理装置からホストコンピュータに送信することが可能となる。そして、複数の出力ジョブの状態をホストコンピュータ上のWebブラウザにより閲覧・操作することが可能となり、容易に遠隔操作を行える。また、HTTPプロトコルの汎用性とあいまって、接続性の高いシステムを構成することが可能となる。
【0160】
また、ユーザはブラウザでジョブの状態や宛先の再確認を行うことができ、さらにその変更が可能なので、画像処理装置を直接操作することなしに操作部2012からの操作と同様にジョブの宛先を変更することができる。
【0161】
また操作部2012から送信指示を出した後、送信開始まで時間のかかるようなジョブであったとしても装置から離れた場所でその状況を確認できるとともに、そのジョブが操作ミスも含め異常に終了していたとしても再送信処理が可能となる。
【0162】
また、実行させた送信ジョブについての履歴を残したくない場合にも容易に離れた場所からその履歴を削除することができる。
【0163】
なお、上記実施形態では、画像入力デバイスであるスキャナユニット、画像出力デバイスであるプリンタユニット、コントローラユニット、ユーザインタフェースユニットからなる画像処理装置に格納されたWebサーバを用いていたが、プリンタユニットとコントローラユニットからなる画像出力装置においても同様にWebサーバを格納することにより、リモートユーザインタフェース機能を実現し、プリントジョブステータスを表示することも可能である。ただし、この場合は、プリントジョブ種別はPrint(PDLプリント)のみに限定される。
【0164】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0165】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0166】
以上、本発明を好ましい実施形態に基づき説明したが本発明は本実施形態に限ることなくクレームに示した範囲で種々の変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のジョブを実行可能な画像処理装置であって、
実行されたジョブに関する情報を履歴情報として外部装置のWebブラウザで表示させるための第1のWebページと、実行中又は実行されていないジョブであって前記複数種類のジョブのうち特定種類のジョブに関する情報を前記外部装置のWebブラウザで表示させるための第2のWebページとを生成する生成手段と、
前記第1のWebページ又は前記第2のWebページを前記外部装置に送信する送信手段とを備え、
前記第2のWebページは、前記第1のWebページを表示するための第1の指示部を前記外部装置のWebブラウザに更に表示させるためのWebページであり、
前記第2のWebページで前記第1の指示部がユーザによって選択されたことに応じて、当該第2のWebページで現在表示されている種類と同じ種類のジョブの履歴情報を表示するための前記第1のWebページが前記外部装置のWebブラウザに表示されることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2のWebページは、当該第2のWebページで表示するジョブの種類を変更するための第2の指示部を前記外部装置のWebブラウザに更に表示させるためのWebページであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2のWebページは、ジョブの状態を前記外部装置のWebブラウザに表示させるためのWebページであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2のWebページは、前記ジョブの状態を変更するための第3の指示部を前記外部装置のWebブラウザに表示させるためのWebページであることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ジョブの状態とは、実行中、実行待ち、休止中、ロック状態のいずれかであることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第1のWebページは、前記第2のWebページを表示するための第4の指示部を前記外部装置のWebブラウザに表示させるためのWebページであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第4の指示部は、前記複数種類のジョブそれぞれに対応して複数表示されることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記複数種類のジョブとは、プリントジョブ、コピージョブ、送信ジョブ、FAXジョブ、受信ジョブのうちいずれか2以上のジョブであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
生成手段と送信手段とを備え、複数種類のジョブを実行可能な画像処理装置により実行される制御方法であって、
前記生成手段が、実行されたジョブに関する情報を履歴情報として外部装置のWebブラウザで表示させるための第1のWebページと、実行中又は実行されていないジョブであって前記複数種類のジョブのうち特定種類のジョブに関する情報を前記外部装置のWebブラウザで表示させるための第2のWebページとを生成する生成工程と、
前記送信手段が、前記第1のWebページ又は前記第2のWebページを前記外部装置に送信する送信工程とを備え、
前記第2のWebページは、前記第1のWebページを表示するための第1の指示部を前記外部装置のWebブラウザに更に表示させるためのWebページであり、
前記第2のWebページで前記第1の指示部がユーザによって選択されたことに応じて、当該第2のWebページで現在表示されている種類と同じ種類のジョブの履歴情報を表示するための前記第1のWebページが前記外部装置のWebブラウザに表示されることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータを複数種類のジョブを実行可能な画像処理装置として機能させるためのプログラムであって、
実行されたジョブに関する情報を履歴情報として外部装置のWebブラウザで表示させるための第1のWebページと、実行中又は実行されていないジョブであって前記複数種類のジョブのうち特定種類のジョブに関する情報を前記外部装置のWebブラウザで表示させるための第2のWebページとを生成する生成手段と、
前記第1のWebページ又は前記第2のWebページを前記外部装置に送信する送信手段としてコンピュータを機能させ、
前記第2のWebページは、前記第1のWebページを表示するための第1の指示部を前記外部装置のWebブラウザに更に表示させるためのWebページであり、
前記第2のWebページで前記第1の指示部がユーザによって選択されたことに応じて、当該第2のWebページで現在表示されている種類と同じ種類のジョブの履歴情報を表示するための前記第1のWebページが前記外部装置のWebブラウザに表示されることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−40880(P2012−40880A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239477(P2011−239477)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【分割の表示】特願2010−230092(P2010−230092)の分割
【原出願日】平成13年3月29日(2001.3.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】