説明

画像処理装置及び方法

【課題】人物などの主要被写体の形状や位置に適した重み付けを行った測光や測色を実現することができ、より適正な露出補正やホワイトバランス補正を可能にする。
【解決手段】元画像データから人物などの主要被写体の形状を抽出し、その主要被写体の形状に合致する主要被写体の領域を測光/測色のための領域とし、この主要被写体の領域を含む複数の領域を重み付け領域として決定するとともに、各重み付け領域ごとに重み付け係数を割り当てる。一方、画面全体を複数の分割領域に分割して各分割領域ごとに分割測光及び/又は分割測色の測定値を算出し、各分割領域ごとに算出された測定値に対して、それぞれ重み付け係数を決定する。そして、各分割領域ごとに算出された測定値と各測定値の分割領域が属する前記重み付け領域ごとに決定されている重み付け係数とに基づいて露出補正及び/又はホワイトバランス補正を行うようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置及び方法に係り、特に露出補正やホワイトバランス補正を行う場合の画像処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力する画像データの中から人物の顔を検出し、その顔を検出結果に基づいてストロボ発光の制御を行う撮像装置が提案されている(特許文献1)。この撮像装置では、人物の顔を検出することで人物撮影か否かを自動的に判定し、自動的に人物撮影に適したストロボの発光制御(赤目防止発光モードによる発光制御)を可能にしている。
【0003】
また、特許文献1に記載の撮像装置は、顔検出処理より検出された顔の部分の明るさと周囲の明るさとをそれぞれ求め、両者の明るさを比較して逆光か否かを判断し、被写体が逆光であると判断した場合には、人物の顔が暗くならないようにストロボを発光させるようにしている。これにより、人物が画面中央に入っていなくても逆光補正のためのストロボ撮影を自動的に行うことができるようにしている。
【特許文献1】特開2003−107567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1において、人物の顔の検出やその検出した人物の顔の部分の明るさの測定は、前述したように人物撮影か否かの判断や逆光か否かの判断のためであり、特許文献1には、人物の顔の部分の測光結果を、ストロボ発光以外の露出制御に適用する記載がない。
【0005】
また、特許文献1には、測光方式としては、中央重点測光方式、部分測光方式、スポット測光方式、及び分割測光方式に関する記載があるが、これらの測光方式において、人物の顔の部分の明るさを使用する記載がない。
【0006】
即ち、特許文献1に記載の撮像装置は、人物などの主要被写体が画面のどの位置に、どのくらいの大きさで入っているかを加味して露出制御を行うことができず、主要被写体の露出がより適正になるような露出制御ができない。
【0007】
更に、引用文献1には、ホワイトバランス補正に関する記載がなく、人物の顔の部分の測色結果をホワイトバランス補正に適用する記載がない。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、従来の中央重点測光方式等の測光方式ではカバーできない人物などの主要被写体の形状や位置に適した重み付けを行った測光や測色を実現することができ、より適正な露出補正やホワイトバランス補正を行うことができる画像処理装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために請求項1に係る画像処理装置は、入力する画像の画面全体から主要被写体の形状を抽出する主要被写体抽出手段と、前記抽出した主要被写体の形状に合致する主要被写体の領域を含む複数の領域を重み付け領域として決定する重み付け領域決定手段と、前記決定した重み付け領域ごとにそれぞれ重み付け係数を決定する重み付け係数決定手段と、画面全体を複数の分割領域に分割して各分割領域ごとに分割測光及び/又は分割測色の測定値を算出する測定手段と、各分割領域ごとに算出された測定値と各測定値の分割領域が属する前記重み付け領域ごとに決定されている重み付け係数とに基づいて露出補正及び/又はホワイトバランス補正を行う補正手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
即ち、人物などの主要被写体の形状を抽出し、その主要被写体の形状に合致する主要被写体の領域を測光/測色のための領域とし、この主要被写体の領域を含む複数の領域を重み付け領域として決定している。一方、画面全体を複数の分割領域に分割して各分割領域ごとに分割測光及び/又は分割測色の測定値を算出し、各分割領域ごとに算出された測定値に対して、それぞれ重み付け係数を決定する。ここで、各分割領域に対する重み付け係数としては、各測定値の分割領域が属する重み付け領域ごとに決定されている係数が使用される。そして、各分割領域ごとに算出された測定値と各測定値の分割領域が属する前記重み付け領域ごとに決定されている重み付け係数とに基づいて露出補正及び/又はホワイトバランス補正を行うようにしている。即ち、各分割領域に対する重み付け係数として、主要被写体の形状や位置の情報が反映され、より主要被写体に適した露出補正及び/又はホワイトバランス補正を可能にしている。
【0011】
請求項2に示すように請求項1に記載の画像処理装置において、前記主要被写体抽出手段は、人物の顔を抽出することを特徴としている。
【0012】
請求項3に示すように請求項2に記載の画像処理装置において、前記画面全体を分割する複数の分割領域の形状は、それぞれ面積が等しい六角形であることを特徴としている。即ち、分割領域の形状を六角形にすることで、正方形の分割領域に比べて顔の形状に適した分割領域となる。
【0013】
請求項4に示すように請求項1に記載の画像処理装置において、前記重み付け領域決定手段は、前記主要被写体の領域と前記主要被写体の領域以外の領域とに重み付け領域を分けることを特徴としている。
【0014】
請求項5に示すように請求項4に記載の画像処理装置において、前記主要被写体抽出手段は人物の顔を抽出し、前記重み付け領域決定手段は、前記主要被写体の領域を、前記抽出した人物の顔の肌色領域と、頭髪領域と、肌色領域又は頭髪領域の周辺領域とに重み付け領域を分けることを特徴としている。尚、肌色領域は、頭髪領域や周辺領域よりも重み付け係数を大きくする。
【0015】
請求項6に示すように請求項4又は5に記載の画像処理装置において、前記重み付け領域決定手段は、前記主要被写体の領域以外の領域を、前記主要被写体の中心からの距離に応じて複数の重み付け領域に分けることを特徴としている。尚、主要被写体の中心に距離が近い領域ほど重み付け係数を大きくする。
【0016】
請求項7に示すように請求項1に記載の画像処理装置において、主要被写体に対する光源の入射方向を検知する光源方向検知手段を更に備え、前記重み付け係数決定手段は、前記検知した主要被写体に対する光源の入射方向に応じて前記主要被写体の領域に対する重み付け係数を変更することを特徴としている。
【0017】
請求項8に示すように請求項7に記載の画像処理装置において、前記光源方向検知手段は、逆光、順光、及び斜光の状態を検知することを特徴としている。例えば、主要被写体に対する光源の入射方向が逆光の場合には、順光に比べて重み付け係数が大きくなるように変更することで、主要被写体が暗くならないようにする。
【0018】
請求項9に示すように請求項1に記載の画像処理装置において、前記重み付け係数決定手段は、前記決定した重み付け領域ごとに決定する重み付け係数を、更に分割測光用と分割測色用とで異ならせることを特徴としている。
【0019】
請求項10に係る画像処理方法は、入力する画像の画面全体から主要被写体の形状を抽出する工程と、前記抽出した主要被写体の形状に合致する主要被写体の領域を含む複数の領域を重み付け領域として決定する工程と、前記決定した重み付け領域ごとにそれぞれ重み付け係数を決定する工程と、画面全体を複数の分割領域に分割して各分割領域ごとに分割測光及び/又は分割測色の測定値を算出する工程と、各分割領域ごとに算出された測定値と各測定値の分割領域が属する前記重み付け領域ごとに決定されている重み付け係数とに基づいて露出補正及び/又はホワイトバランス補正を行う工程と、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、人物などの主要被写体の形状や位置に適した重み付けを行った測光や測色を実現することができ、より適正な露出補正やホワイトバランス補正を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下添付図面に従って本発明に係る画像処理装置及び方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0022】
図1は本発明に係る画像処理装置が適用されたカメラの実施の形態を示すブロック図である。
【0023】
このカメラ10は、静止画や動画の記録及び再生機能を備えたデジタルカメラであり、カメラ10全体の動作は中央処理装置(CPU)12によって統括制御される。 CPU12は、所定のプログラムに従って本カメラシステムを制御する制御手段として機能する。
【0024】
バス14を介してCPU12と接続されたROM16には、CPU12が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納され、EEPROM17には、CCD画素欠陥情報、カメラ動作に関する各種定数/情報等が格納されている。
【0025】
また、メモリ(SDRAM)18は、プログラムの展開領域及びCPU12の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データや音声データの一時記憶領域として利用される。VRAM20は画像データ専用の一時記憶メモリであり、A領域20AとB領域20Bが含まれている。メモリ18とVRAM20は共用することが可能である。
【0026】
カメラ10にはモード選択スイッチ22、撮影ボタン24、その他、メニュー/OKキー、十字キー、キャンセルキーなどの操作手段26が設けられている。これら各種の操作部(22〜26)からの信号はCPU12に入力され、CPU12は入力信号に基づいてカメラ10の各回路を制御し、例えば、レンズ駆動制御、撮影動作制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御、画像表示装置28の表示制御などを行う。
【0027】
モード選択スイッチ22は、撮影モードと再生モードとを切り換えるための操作手段である。モード選択スイッチ20を操作して可動接片22Aを接点aに接続させると、その信号がCPU12に入力され、カメラ10は撮影モードに設定され、可動接片22Aを接点bに接続させると、カメラ10は記録済みの画像を再生する再生モードに設定される。
【0028】
撮影ボタン24は、撮影開始の指示を入力する操作ボタンであり、半押し時にONするS1スイッチと、全押し時にONするS2スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。
【0029】
メニュー/OKキーは、画像表示装置28の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。十字キーは、上下左右の4方向の指示を入力する操作部であり、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示したりするボタン(カーソル移動操作手段)として機能する。また、十字キーの上/下キーは撮影時のズームスイッチあるいは再生時の再生ズームスイッチとして機能し、左/右キーは再生モード時のコマ送り(順方向/逆方向送り)ボタンとして機能する。キャンセルキーは、選択項目など所望の対象の消去や指示内容の取消し、あるいは1つ前の操作状態に戻らせる時などに使用される。
【0030】
画像表示装置28は、カラー表示可能な液晶ディスプレイで構成されている。画像表示装置28は、撮影時に画角確認用の電子ファインダとして使用できるとともに、記録済み画像を再生表示する手段として利用される。また、画像表示装置28は、ユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じてメニュー情報や選択項目、設定内容などの情報が表示される。液晶ディスプレイに代えて、有機ELなど他の方式の表示装置(表示手段)を用いることも可能である。
【0031】
カメラ10は、メディアソケット(メディア装着部)30を有し、メディアソケット30には記録メディア32を装着することができる。記録メディアの形態は特に限定されず、xD-PictureCard(商標)、スマートメディア(商標)に代表される半導体メモリカード、可搬型小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど、種々の媒体を用いることができる。
【0032】
メディアコントローラ34は、メディアソケット30に装着される記録メディア32に適した入出力信号の受渡しを行うために所要の信号変換を行う。
【0033】
また、カメラ10はパソコンその他の外部機器と接続するための通信手段としてUSBインターフェース部36を備えている。図示せぬUSBケーブルを用いてカメラ10と外部機器を接続することにより、外部機器との間でデータの受渡しが可能となる。もちろん、通信方式はUSBに限らず、IEEE1394やBluetooth その他の通信方式を適用してもよい。
【0034】
次に、カメラ10の撮影機能について説明する。
【0035】
モード選択スイッチ22によって撮影モードが選択されると、カラーCCD固体撮像素子(以下CCDと記載)38を含む撮像部に電源が供給され、撮影可能な状態になる。
【0036】
レンズユニット40は、フォーカスレンズを含む撮影レンズ42と絞り兼用メカシャッター44とを含む光学ユニットである。レンズユニット40は、CPU12によって制御されるレンズ駆動部46、絞り駆動部48によって電動駆動され、ズーム制御、フォーカス制御及びアイリス制御が行われる。
【0037】
レンズユニット40を通過した光は、CCD38の受光面に結像される。CCD38の受光面には多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配列されており、各フォトダイオードに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造(ベイヤー、Gストライプなど)で配置されている。また、CCD38は、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。CPU12は、タイミングジェネレータ50を介してCCD38での電荷蓄積時間を制御する。尚、CCD38に代えてMOS型など他の方式の撮像素子を用いてもよい。
【0038】
CCD38の受光面に結像された被写体像は、各フォトダイオードによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU12の指令に従いタイミングジェネレータ50から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。
【0039】
CCD38から出力された信号はアナログ処理部(CDS/AMP)52に送られ、ここで画素ごとのR,G,B信号がサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)され、増幅された後、A/D変換器54に加えられる。A/D変換器54によってデジタル信号に変換された点順次のR,G,B信号は、画像入力コントローラ56を介してメモリ18に記憶される。
【0040】
画像信号処理回路58は、メモリ18に記憶されたR,G,B信号をCPU12の指令に従って処理する。即ち、画像信号処理回路58は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含む画像処理手段として機能し、CPU12からのコマンドに従ってメモリ18を活用しながら所定の信号処理を行う。
【0041】
画像信号処理回路58に入力されたRGBの画像データは、画像信号処理回路58において輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr,Cb 信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施される。画像信号処理回路58で処理された画像データはVRAM20に格納される。
【0042】
撮影画像を画像表示装置28にモニタ出力する場合、VRAM20から画像データが読み出され、バス14を介してビデオエンコーダ60に送られる。ビデオエンコーダ60は、入力された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して画像表示装置28に出力する。
【0043】
CCD38から出力される画像信号によって、1コマ分の画像を表す画像データがA領域20AとB領域22Bとで交互に書き換えられる。VRAM22のA領域22A及びB領域22Bのうち、画像データが書き換えられている方の領域以外の領域から、書き込まれている画像データが読み出される。このようにしてVRAM20内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が画像表示装置28に供給されることにより、撮像中の映像がリアルタイムに画像表示装置28に表示される。撮影者は、画像表示装置28に表示される映像(スルームービー画)によって撮影画角を確認できる。
【0044】
撮影ボタン24が半押しされ、S1がオンすると、カメラ10はAE及びAF処理を開始する。即ち、CCD38から出力された画像信号はA/D変換後に画像入力コントローラ56を介してAF検出回路62並びにAE/AWB検出回路64に入力される。
【0045】
AE/AWB検出回路64は、1画面を複数の領域に分割し、分割領域ごとにRGB信号を積算する回路を含み、その積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。この露出値はCPU12に出力される。CCD12は、入力する露出値と所定のプログラム線図に従い、絞り値とシャッタースピードを決定し、これにしたがってCCD38の電子シャッター及びアイリスを制御して適正な露光量を得る。
【0046】
また、AE/AWB検出回路64は、分割領域ごとにRGB信号の色別の平均積算値を算出し、Rの積算値、Bの積算値、Gの積算値を得て、各分割領域ごとにR/G及びB/Gの比を求める。これらR/G、B/Gの値のR/G、B/Gの色空間における分布等に基づいて光源種判別を行い、判別された光源種に適したホワイトバランス調整値に従って、例えば、各比の値がおよそ1(つまり、1画面においてRGBの積算比率がR:G:B≒1:1:1)になる、ホワイトバランス調整回路のR,G,B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス補正値)を演算する。このホワイトバランス補正値(WB補正値)は、画像信号処理回路58中のホワイトバランス補正回路に出力され、ここでR,G,B信号に対するゲイン補正(ホワイトバランス補正)が行われる。前述した各比の値を1以外の値になるようにホワイトバランス調整回路のゲイン値を調整すると、ある色味が残った画像を生成することができる。
【0047】
尚、本発明に係る上記AE/AWB検出回路64の詳細については後述する。
【0048】
本カメラ10におけるAF制御は、例えば映像信号のG信号の高周波成分が極大になるようにフォーカシングレンズ(撮影レンズ42を構成するレンズ光学系のうちフォーカス調整に寄与する移動レンズ)を移動させるコントラストAFが適用される。即ち、AF検出回路62は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面内(例えば、画面中央部)に予め設定されているフォーカス対象領域内の信号を切り出すAF領域抽出部、及びAF領域内の絶対値データを積算する積算部から構成される。
【0049】
AF検出回路62で求めた積算値のデータはCPU12に通知される。CPU12は、レンズ駆動部46を制御してフォーカシングレンズを移動させながら、複数のAF検出ポイントで焦点評価値(AF評価値)を演算し、評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、求めた合焦位置にフォーカシングレンズを移動させるようにレンズ駆動部46を制御する。尚、AF評価値の演算はG信号を利用する態様に限らず、輝度信号(Y信号)を利用してもよい。
【0050】
撮影ボタン24が半押しされ、S1オンによってAE/AF処理が行われ、撮影ボタン24が全押しされ、S2オンによって記録用の撮影動作がスタートする。S2オンに応動して取得された画像データは画像信号処理回路58において輝度/色差信号(Y/C信号)に変換され、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、メモリ18に格納される。
【0051】
メモリ18に格納されたY/C信号は、圧縮伸張回路66によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、メディアコントローラ34を介して記録メディア32に記録される。例えば、静止画についてはJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式で記録される。
【0052】
モード選択スイッチ22により再生モードが選択されると、記録メディア32に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録されたファイル)の圧縮データが読み出される。最後の記録に係るファイルが静止画ファイルの場合、この読み出された画像圧縮データは、圧縮伸張回路66を介して非圧縮のYC信号に伸張され、画像信号処理回路58及びビデオエンコーダ60を介して表示用の信号に変換された後、画像表示装置28に出力される。これにより、当該ファイルの画像内容が画像表示装置28の画面上に表示される。
【0053】
静止画の一コマ再生中(動画の先頭フレーム再生中も含む)に、十字キーの右キー又は左キーを操作することによって、再生対象のファイルを切り換えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。コマ送りされた位置の画像ファイルが記録メディア32から読み出され、上記と同様にして静止画像や動画が画像表示装置28に再生表示される。
【0054】
次に、本発明に係るAE/AWB検出回路64の詳細について説明する。
【0055】
図2は図1に示したAE/AWB検出回路64の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【0056】
このAE/AWB検出回路64は、主要被写体抽出部100、重み付け領域決定部102、重み付け係数決定部104、分割測光演算部106、分割測色演算部108、重み付け分割測光演算部110、重み付け分割測色演算部112、露出値演算部114、及びホワイトバランス補正値演算部116とから構成されている。
【0057】
主要被写体抽出部100は、人物の顔、花、建物などの主要被写体の形状を抽出するもので、メモリ18に一時的に保存された1画面分の画像データ(R,G,B信号)を入力し、この画像データを解析して主要被写体の形状を抽出する。
【0058】
図3(A)はAE/AWB検出回路64に入力する人物を含む元画像の一例であり、図3(B)は元画像から主要被写体(顔)の形状を抽出した場合に関して示している。
【0059】
例えば、人物の顔の形状を抽出する場合には、まず、元画像内の肌色を抽出し、その肌色の領域のある点から同一領域に属すると思われる連結領域に対して順次領域拡張を行い、このようにして抽出された領域の形状が顔の形状(丸や楕円に近い形状)か否かによって顔領域を抽出し、この顔領域内の画像データを解析して、目、鼻、口などの顔パーツが存在するか否かによって顔の検出を行う。そして、検出した顔の肌色領域、頭髪領域、肌色領域又は頭髪領域の周辺領域などの抽出を行う。尚、顔の形状の抽出方法はこの実施の形態に限らず、種々の抽出方法が適用できる。
【0060】
いま、画像自体をI(x,y)と定義し、主要被写体(顔)の内部と外部を、以下のフラグで定義する。
【0061】
I(x,y):顔内部 → フラグ=1
I(x,y):顔外部 → フラグ=0
重み付け領域決定部102は、1画面分の画像を主要被写体の内部の領域と、主要被写体の外部の領域とに区分し、更に主要被写体の内部を肌色領域、頭髪領域、肌色領域又は頭髪領域の周辺領域に区分し(図3(B)参照)、一方、主要被写体の外部の領域を主要被写体の中心からの距離に応じて複数の領域(距離小、距離中、距離大)に区分し、このようにして区分した複数の領域を重み付け領域として決定する。尚、この実施の形態では、主要被写体を人物の顔としたため、主要被写体の内部を肌色領域、頭髪領域、及びその周辺領域に区分したが、これに限らず、主要被写体の中心からの距離に応じて主要被写体の内部を複数の領域に区分してもよい。
【0062】
重み付け係数決定部104は、前記重み付け領域決定部102によって決定された各重み付け領域ごとに重み付け係数を与えるもので、予め各領域ごとに重み付け係数が設定されているものとする。
【0063】
即ち、フラグ=1のとき、前記重み付け領域決定部102で決定された顔内部の領域に対して、以下の重み付け係数を決定する。
【0064】
(1) I(x,y):Vth1 →Lin-weight=A1,Cin-weight=A1
(2) I(x,y):Vth2 →Lin-weight=A2,Cin-weight=A2
(3) I(x,y):Vth3 →Lin-weight=A3,Cin-weight=A3
但し、Vth1 :顔の肌色領域、Vth2 :頭髪領域、Vth3 :周辺領域
A1,A2,A3:重み付け係数、大小関係はA1>A2>A3
in-weight:分割測光重み付け係数
in-weight:分割測色重み付け係数
フラグ=0のときは、通常の中央重点分割測光/分割測色方式別に、主要被写体の中心からの距離d1、d2、d3に応じて重み付け係数は以下の重み付け係数を決定する。
A.中央重点分割測光/分割測色方式の場合
(1) I(x,y):d1→Lout-weight =B1,Cin-weight=B1
(2) I(x,y):d2→Lout-weight =B2,Cin-weight=B2
(3) I(x,y):d3→Lout-weight =B3,Cin-weight=B3
但し、d1:距離小、d2:距離中、d3:距離大
B1,B2,B3:重み付け係数、大小関係はB1>B2>B3
B.平均分割測光/分割測色方式の場合
(1) I(x,y):d1→Lout-weight =C1,Cin-weight=C1
(2) I(x,y):d2→Lout-weight =C1,Cin-weight=C1
(3) I(x,y):d3→Lout-weight =C1,Cin-weight=C1
尚、上記中央重点分割測光/分割測色方式、平均分割測光/分割測色方式に限らず、他の分割測光/分割測色方式を適用してもよい。
【0065】
分割測光演算部106は、1画面を複数の領域(例えば、256=16×16)に分割する各分割領域ごと測光値を算出する。ここで、分割領域の形状は、図3(B)に示すように六角形とし、従来の正方形の分割領域に比べて顔の形状に適した分割領域の形状にしている。この分割測光演算部106は、各分割領域i(=1〜256)ごとに測光値(Evi値) を算出する。このEvi値は、各分割領域内のR,G,B信号のうちのGの平均積算値を求めることによって算出する。尚、Evi値は、R,G,B信号から輝度信号を生成し、この輝度信号の平均積算値を求めることによって算出するようにしてもよい。
【0066】
分割測色演算部108は、各分割領域i(=1〜256)ごとにR,G,B信号の色別の平均積算値を算出し、Rの積算値、Bの積算値、Gの積算値を得て、各分割領域ごとに積算値の比(R/G、B/G)を示す測色値を求める。従って、1画面分の画像データから256個の測色値が算出される。
【0067】
重み付け分割測光演算部110は、分割測光演算部106から各分割領域iごとに入力するEvi値に対して、その分割領域iが属する重み付け領域に対して決定されている重み付け係数wi を乗算し、その乗算結果(wi ×Evi)を露出値演算部114に出力する。尚、重み付け係数wi は、分割領域iの位置情報I(x,y)に基づき重み付け領域決定部102より読み出すようにしている。
【0068】
また、重み付け分割測色演算部112は、分割測色演算部108から各分割領域iごとに入力する測色値に対して、その分割領域iが属する重み付け領域に対して決定されている重み付け係数wi を与え、その重み付け係数wi を有する測色値をホワイトバランス補正値演算部116に出力する。
【0069】
露出値演算部114は、重み付け分割測光演算部110から入力する256個の重み付けされた輝度値(wi ×Evi)に基づいて次式に示すように加重平均を算出する。
【0070】
[数1]
Ev=(Σwi ×Evi)/Σwi
このようにして算出した加重平均値Evを露出値としてCPU12に出力する。CPU12は、AE/AWB検出回路64から入力する露出値に基づいて絞り値とシャッタースピードを決定し、これにしたがってCCD38の電子シャッター及びアイリス44を制御して適正な露光量を得る。
【0071】
ホワイトバランス補正値演算部116は、重み付け分割測色演算部112から入力する重み付け係数wi を有する測色値の、R/G、B/Gの色空間における分布等に基づいて光源種判別を行い、判別された光源種に適したホワイトバランス補正値を演算する。
【0072】
図4は256個の分割領域の測色値のR/G、B/Gの色空間上での分布の一例を示すグラフである。ホワイトバランス補正値演算部116は、例えば、256個の分割領域の測色値のR/G、B/Gの色空間上の重心位置を算出し、その重心位置から日陰、青空、蛍光灯、タングステン電球等の各光源種のうちのいずれの光源種の下で撮影されたかを判別し、その判別した光源種に適したホワイトバランス補正値を演算する。このホワイトバランス補正値は、画像信号処理回路58中のホワイトバランス補正回路に出力され、ここでR,G,B信号に対するゲイン補正(ホワイトバランス補正)が行われる。
【0073】
尚、各測色値には前述したように重み付け係数wi が付加されているため、各測色値の重心位置を算出する際に、大きな重み付け係数の測色値は、小さい重み付け係数の測色値よりも重心位置の算出に寄与する。
【0074】
また、この実施の形態では、重み付け係数を有する各測色値の重心位置から光源種を判別するようにしたが、光源種を判別せずに、その重心位置をホワイトバランス補正値の演算に使用することもできる。例えば、各測色値の重心位置が、R/G、B/Gの色空間のグレーの位置(1, 1)になるように、又は各測色値の重心位置とグレーの位置(1, 1)とを所定の割合で内分する位置になるように、ホワイトバランス調整回路のR,G,B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス補正値)を演算する。後者の場合には、適宜の色味を残したホワイトバランス補正を行うことができる。
【0075】
[第1の実施の形態]
次に、本発明に係る画像処理方法の第1の実施の形態について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0076】
CCD38から出力された信号はアナログ処理部(CDS/AMP)52に送られ、ここで画素ごとのR,G,B信号がサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)され、増幅された後、A/D変換器54に加えられる。A/D変換器54によってデジタル信号に変換された点順次のR,G,B信号は、画像入力コントローラ56を介して取得される(ステップS10)。
【0077】
ここで、撮影ボタン24が半押しされ、S1がオンすると、カメラ10はAF,AE及びAWB(オートホワイトバランス)処理を開始する(ステップS12)。
【0078】
AE/AWB検出回路64の主要被写体抽出部100では、S1がオン時に取り込んだ画像データから主要被写体の形状を抽出し、主要被写体の内部と外部とを切り分ける(ステップS14、S16)。
【0079】
主要被写体の内部(フラグ=1)の場合、分割測光/分割測色した分割領域iの位置情報I(x,y)が、主要被写体の内部のいずれの重み付け領域に属するかを判断し(ステップS18)、その分割領域iの測光値に対する分割測光重み付け係数(Lin-weight)、測色値に対する分割測色重み付け係数(Cin-weight)を決定する(ステップS20)。
【0080】
また、主要被写体の外部(フラグ=0)の場合、分割測光/分割測色した分割領域iの位置情報I(x,y)が、主要被写体の外部のいずれの重み付け領域に属するかを判断し(ステップS22)、その分割領域iの測光値に対する分割測光重み付け係数(Lout-weight )、測色値に対する分割測色重み付け係数(Cout-weight )を決定する(ステップS24)。尚、第1の実施の形態では、同じ重み付け領域における分割測光重み付け係数と分割測色重み付け係数とは、同じ値を使用するようにしている。
【0081】
上記のようにして決定した重み付け係数と、各分割領域の測光値及び測色値とに基づいて露出値及びホワイトバランス補正値を演算する(ステップS26)。
【0082】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る画像処理方法の第2の実施の形態について説明する。
【0083】
図6はAE/AWB検出回路の第2の実施の形態を示すブロック図である。同図に示すAE/AWB検出回路64′は、図2に示したAE/AWB検出回路64と比較して光源方向検知部120を有している点で相違する。
【0084】
この光源方向検知部120は、主要被写体抽出部100から主要被写体の形状の情報を入力するとともに、画像データを入力しており、これらの入力に基づいて主要被写体に対する光源の入射方向を検知する。即ち、主要被写体の形状の情報と画像データとに基づいて主要被写体の内部の画像データと外部の画像データのそれぞれの明るさを検出し、主要被写体の内部の明るさが、主要被写体の外部の明るさよりも所定値以上暗い場合には、逆光として判断する。また、逆光でないと判断した場合には、更に主要被写体の内部の左右の明るさを比較し、左右の明るさが所定値以上の差があると、斜光と判断する。逆光、斜光と判断されない場合には、順光と判断する。
【0085】
光源方向検知部120は、このようにして検知した逆光、順光、又は斜光の情報を重み付け係数決定部104′に出力する。
【0086】
重み付け係数決定部104′は、前述したように重み付け領域ごとに重み付け係数を決定するが、更に光源方向検知部120から入力する逆光、順光、又は斜光の情報に基づいて重み付け係数を変更する。
【0087】
いま、光源方向パラメータをDir と定義し、逆光:Dir =a,順光:Dir =b,斜光:Dir =cとする。
【0088】
重み付け係数決定部104′は、上記の光源方向パラメータDir により、主要被写体の内部領域(フラグ=1)に対して、以下の重み付け係数を決定する。
【0089】
(1) I(x,y):Vth1 →Lin-weight=A1+αi ,Cin-weight=A1+αi
(2) I(x,y):Vth2 →Lin-weight=A2+αi ,Cin-weight=A2+αi
(3) I(x,y):Vth3 →Lin-weight=A3+αi ,Cin-weight=A3+αi
但し、αi (i=1〜3):光源方向パラメータDir [α1 :逆光、α2 :順光、α3 :斜光]によって選択される補正係数である。また、斜光の場合には、右側と左側とで係数を変える。
【0090】
図7は本発明に係る画像処理方法の第2の実施の形態を示すフローチャートである。尚、図5に示した第1の実施の形態と共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0091】
図7に示すフローチャートでは、ステップS30及びS32の処理が追加されている。ステップS30では、主要被写体への光の入射方向(逆光、順光、斜光)を判断する。ステップS32では、ステップS30での判断結果に基づいて補正係数αi を決定する。
【0092】
ステップS20′では、分割領域iの位置情報I(x,y)が、主要被写体の内部のいずれの重み付け領域に属するに応じて、その分割領域iの測光値に対する分割測光重み付け係数(Lin-weight)、測色値に対する分割測色重み付け係数(Cin-weight)を決定するが、その重み付け係数に対してステップS32で決定した補正係数を付加する。
【0093】
例えば、主要被写体への光の入射方向が逆光と判断され、主要被写体が人物の顔の場合、人の顔内部では暗くなり、顔の肌の発色が悪くなることから、顔の内部の領域の重み付け係数を、更に重くする補正係数を加算し、これによって、より適正な露出補正ができるようにしている。
【0094】
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係る画像処理方法の第3の実施の形態について説明する。
【0095】
図8はAE/AWB検出回路の第3の実施の形態を示すブロック図である。同図に示すAE/AWB検出回路64″は、図2に示したAE/AWB検出回路64と比較して重み付け領域決定部102″及び重み付け係数決定部104″が相違する。
【0096】
重み付け係数決定部104″は、分割測色演算部108から入力する分割測色結果に応じて、重み付け領域決定部102″から出力される測光値に対する重み付け係数を可変させるようにしている。
【0097】
即ち、主要被写体の内部(フラグ=1)の場合、重み付け領域決定部102″で決定された主要被写体の内部の領域に対して、主要被写体の内部の分割測色結果に応じて、以下のように重み付け係数を決定する。
【0098】
(1) I(x,y):Vth1 →Lin-weight=A11,Cin-weight=A1
(2) I(x,y):Vth2 →Lin-weight=A21,Cin-weight=A2
(3) I(x,y):Vth3 →Lin-weight=A31,Cin-weight=A3
同様に、主要被写体の外部(フラグ=0)の場合、通常の中央重点分割測光/分割測色方式別に、主要被写体の中心からの距離d1、d2、d3別の領域に対して、主要被写体の外部の分割測色結果に応じて、以下のように重み付け係数を決定する。
【0099】
A.中央重点分割測光/分割測色方式の場合
(1) I(x,y):d1→Lout-weight =B11,Cin-weight=B1
(2) I(x,y):d2→Lout-weight =B21,Cin-weight=B2
(3) I(x,y):d3→Lout-weight =B31,Cin-weight=B3
B.平均分割測光/分割測色方式の場合
(1) I(x,y):d1→Lout-weight =C11,Cin-weight=C1
(2) I(x,y):d2→Lout-weight =C12,Cin-weight=C1
(3) I(x,y):d3→Lout-weight =C13,Cin-weight=C1
図9は本発明に係る画像処理方法の第3の実施の形態を示すフローチャートである。尚、図5に示した第1の実施の形態と共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0100】
図9において、主要被写体の内部の分割領域iの測色値に対する分割測色重み付け係数(Cin-weight)、及び主要被写体の外部の分割領域iの測色値に対する分割測色重み付け係数(Cout-weight )は、第1の実施の形態と同様にして決定される(ステップS40、S50)。
【0101】
一方、主要被写体の内部の分割領域iの測光値に対する分割測光重み付け係数(Lin-weight)は、ステップS42での内部分割測色演算結果に応じて変更させられ(ステップS44)、同様に、主要被写体の外部の分割領域iの測光値に対する分割測光重み付け係数(Lout-weight )は、ステップS52での外部分割測色演算結果に応じて変更させられる(ステップS54)。
【0102】
これにより、従来のTTL(Through The Lens)測光方式で欠点となっていた被写体の色の違いや分光反射率の違いが認識できないという問題に対して、露出補正を改善できる。即ち、抽出した物体がどんな色であるかを認識した上で、その被写体にマッチした露出補正を行うことができる。
【0103】
尚、この実施の形態では、主要被写体として人物の顔を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の主要被写体に対する露出補正やホワイトバランス補正に適用できる。図10(A)は花を主要被写体とする元画像を示し、図10(B)は元画像から花の形状を抽出し、その花内部のそれぞれの重み付け領域を示している。同図(B)に示すように、花内部の重み付け領域は、花の中心からの距離によって区分され、A1、A2、A3は、各重み付け領域における重み付け係数を示している。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】図1は本発明に係る画像処理装置が適用されたカメラの実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は図1に示したAE/AWB検出回路の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は人物を含む元画像の一例であり、図3(B)は元画像から主要被写体(顔)の形状の抽出結果を示す図である。
【図4】図4は各分割領域の測色値のR/G、B/Gの色空間上での分布の一例を示すグラフである。
【図5】図5は本発明に係る画像処理方法の第1の実施の形態を示すフローチャートである。
【図6】図6は図1に示したAE/AWB検出回路の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図7】図7は本発明に係る画像処理方法の第2の実施の形態を示すフローチャートである。
【図8】図8は図1に示したAE/AWB検出回路の第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図9】図9は本発明に係る画像処理方法の第3の実施の形態を示すフローチャートである。
【図10】図10(A)は花を含む元画像の一例であり、図3(B)は元画像から主要被写体(花)の形状の抽出結果を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
10…カメラ、12…CPU、16…ROM、17…EEPROM、18…メモリ、26…操作手段、32…記録メディア、38…カラーCCD固体撮像素子(CCD)、40…レンズユニット、42…撮影レンズ、58…画像信号処理回路、64、64′、64″…AE/AWB検出回路、100…主要被写体抽出部、102、102″…重み付け領域決定部、104、104′、104″…重み付け係数決定部、106…分割測光演算部、108…分割測色演算部、110…重み付け分割測光演算部、112…重み付け分割測色演算部、114…露出値演算部、116…ホワイトバランス補正値演算部、120…光源方向検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力する画像の画面全体から主要被写体の形状を抽出する主要被写体抽出手段と、
前記抽出した主要被写体の形状に合致する主要被写体の領域を含む複数の領域を重み付け領域として決定する重み付け領域決定手段と、
前記決定した重み付け領域ごとにそれぞれ重み付け係数を決定する重み付け係数決定手段と、
画面全体を複数の分割領域に分割して各分割領域ごとに分割測光及び/又は分割測色の測定値を算出する測定手段と、
各分割領域ごとに算出された測定値と各測定値の分割領域が属する前記重み付け領域ごとに決定されている重み付け係数とに基づいて露出補正及び/又はホワイトバランス補正を行う補正手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記主要被写体抽出手段は、人物の顔を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画面全体を分割する複数の分割領域の形状は、それぞれ面積が等しい六角形であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記重み付け領域決定手段は、前記主要被写体の領域と前記主要被写体の領域以外の領域とに重み付け領域を分けることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記主要被写体抽出手段は人物の顔を抽出し、前記重み付け領域決定手段は、前記主要被写体の領域を、前記抽出した人物の顔の肌色領域と、頭髪領域と、肌色領域又は頭髪領域の周辺領域とに重み付け領域を分けることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記重み付け領域決定手段は、前記主要被写体の領域以外の領域を、前記主要被写体の中心からの距離に応じて複数の重み付け領域に分けることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
主要被写体に対する光源の入射方向を検知する光源方向検知手段を更に備え、前記重み付け係数決定手段は、前記検知した主要被写体に対する光源の入射方向に応じて前記主要被写体の領域に対する重み付け係数を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記光源方向検知手段は、逆光、順光、及び斜光の状態を検知することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記重み付け係数決定手段は、前記決定した重み付け領域ごとに決定する重み付け係数を、更に分割測光用と分割測色用とで異ならせることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
入力する画像の画面全体から主要被写体の形状を抽出する工程と、
前記抽出した主要被写体の形状に合致する主要被写体の領域を含む複数の領域を重み付け領域として決定する工程と、
前記決定した重み付け領域ごとにそれぞれ重み付け係数を決定する工程と、
画面全体を複数の分割領域に分割して各分割領域ごとに分割測光及び/又は分割測色の測定値を算出する工程と、
各分割領域ごとに算出された測定値と各測定値の分割領域が属する前記重み付け領域ごとに決定されている重み付け係数とに基づいて露出補正及び/又はホワイトバランス補正を行う工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−211416(P2006−211416A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−22054(P2005−22054)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】