説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】イベント発生時においてトラブル対処方法などのユーザやサービスマンへのガイダンス情報を、判り易く、安価に提供することのできる画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】機体の状態判定を行う状態判定部420と、ユーザの操作を受け付ける入力判定部421と、状態判定部、または、入力判定部からの要求信号に基づいて、地上デジタル放送の伝送方式によるコンテンツ配信を行うコンテンツ配信部401とを有する画像形成装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置におけるトラブル処理時などイベント発生時にユーザやサービスマンへのガイダンス情報を、判り易い形態で提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置にトラブルが発生した時に、ユーザ又はサービスマンにトラブル処理手順を提供する方法として、特許文献1に開示された技術が知られている。
この開示技術では、表示部であるコントロールパネルに、発生したトラブルに対応する処理手順が、テキストや画像の形態で順次表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、解決すべき課題が存在する。
ユーザまたはサービスマンに対して詳細な画像、情報を表示するためには、表示部であるコントロールパネルはサイズの大きい表示エリアを備えていることが求められる。これは、コントロールパネルの大型化につながるため、画像形成装置の形状、デザインなどの設計変更が必要となる。従って、コスト増につながるという問題がある。
【0004】
また、例えば、画像形成装置の側面あるいは裏面において、ユーザ又はサービスマンがトラブルシューティング作業を実行する場合、コントロールパネルに表示された内容を確認するためには、その都度コントロールパネルと向き合うように姿勢を変更しなければならない。従って、作業性が良くないという点も指摘される。
【0005】
また、特許文献1に記載された技術では、複雑な内容、注意すべき内容などを伝えようとすると説明不足により十分に理解されない場合、あるいは誤って理解される場合も存在する。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、イベント発生時においてトラブル対処方法などのユーザやサービスマンへのガイダンス情報を、判り易く、安価に提供することのできる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、機体の状態判定を行う状態判定部と、ユーザの操作を受け付ける入力判定部と、前記状態判定部、または、前記入力判定部からの要求信号に基づいて、地上デジタル放送の伝送方式によるコンテンツ配信を行うコンテンツ配信部とを有する画像形成装置である。
【0008】
また本発明は、状態判定部によって機体の状態を判定し、入力判定部によってユーザの操作を受け付け、前記状態判定部、または、前記入力判定部からの要求信号に基づいて、コンテンツ配信部によって地上デジタル放送の伝送方式によるコンテンツ配信を行う画像形成方法である。
【発明の効果】
【0009】
この発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、イベント発生時においてトラブル対処方法などのユーザやサービスマンへのガイダンス情報を、判り易く、安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】MFPのコピー機能の構成を示すブロック図。
【図2】MFPに設けられた操作パネルの外観図。
【図3】コントロールパネルに表示されるトラブル内容と処理手順を示す図。
【図4】ワンセグ放送によるコンテンツ配信に関連する機能手段を表すブロック図。
【図5】ガイダンス情報を配信する概略の手順を示すフローチャート。
【図6】配信されるコンテンツの例を示す図。
【図7】第2の実施の形態に係るガイダンス情報を配信する概略の手順を示すフローチャート。
【図8】第3の実施の形態に係るガイダンス情報を配信する概略の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態について画像処理装置(MFP: Multi Function Periphera1)201を例として説明する。
MFP201は、指定された解像度・用紙サイズで画像をスキャンして読み取りコピーするだけでなく、FAXによる画像受信機能、Eメールによる画像受信機能、ネットワークによる印刷画像受信機能など、様々なオフィス機器の機能を総合的に活用するためのデジタル複合機のことである。
【0012】
図1は、MFP201のコピー機能の構成を示すブロック図である。
MFP201は、制御部101、感光体ドラム102、帯電器103、走査露光部104、現像器105、転写チャージャ106、剥離チャージャ107、クリーナ108、給紙部109、用紙搬送部110、定着器111、排紙部112及び排紙トレイ114を備えている。
【0013】
感光体ドラム102は、副走査方向(感光体ドラム102の周方向)に回転する。感光体ドラム102の周辺近傍には、帯電器103が配置される。帯電器103は、感光体ドラム102の表面を均一に帯電する。走査露光部104は、走査露光部104内の半導体レーザを走査しながら画像信号に応じて発光/消灯する。この半導体レーザから出射されるレーザ光は、ポリゴンミラーなどの偏向器によって主走査方向(感光体ドラム102の回転軸方向)に走査する光となる。そしてレンズ等の光学系によって、レーザ光は感光体ドラム102上に照射される。帯電した感光体ドラム102にレーザ光が照射されると、照射された部位の電位が低下し、静電潜像が形成される。
【0014】
現像器105は、現像剤を感光体ドラム102に塗布することで、感光体ドラム102上にトナー像を形成する。一方、MFP201の底部には用紙トレイ113が設けられている。給紙ローラ115は、用紙トレイ113内の用紙130を1枚ずつ分離して、給紙部109に送り出す。給紙部109は、感光体ドラム102の転写位置まで用紙130を供給する。転写チャージャ106は、供給される用紙130にトナー像を転写する。剥離チャージャ107は、感光体ドラム102から用紙130を剥離する。
【0015】
トナー像が転写された用紙130は、用紙搬送部110によって搬送される。定着器111は、トナー像を用紙130に定着させる。排紙部112は、排紙トレイ114に画像が印刷された用紙130を排出する。
また、用紙130へトナー像の転写が終了した後、感光体ドラム102上の残留トナーはクリーナ108によって取り除かれる。感光体ドラム102は、初期状態に復帰し、次の画像形成の待機状態となる。
以上のプロセス動作を繰り返すことにより、画像形成動作が連続して行われる。
【0016】
図2は、MFP201に設けられた操作パネル301の外観図である。
MFP201の設定及び確認は、ユーザがこの操作パネル301を介して行う。
操作パネル301には、表示部302と操作入力部303とが設けられている。
【0017】
表示部302はタッチパネルで構成され、MFP201の状態、操作手順、ユーザに対する各種指示などが表示される。
【0018】
操作入力部303には、MFP201を操作するための各種の操作ボタンが設けられている。
機能を選択し設定する画面を呼び出すキーとして、ヘルプボタン303a、機能拡張(エクステンション)ボタン303c,ファイリングボックスボタン303d,スキャンボタン303e,コピーボタン303f,ファックスボタン303g等が配置されている。その他設定値入力及び情報確認用の数字キー303h等も配置される。
【0019】
これら操作ボタンの内主なボタンの機能について説明する。
ヘルプボタン303aは、次にどのような動作をおこなうべきか等を問い合わせる際に使用する。エクステンションボタン303cは、拡張機能を使用するときに操作する。ファイリングボックスボタン303dは、保存した画像データを取り出すときに使用する。スキャンボタン303eは、スキャン機能を用いるときに使用する。コピーボタン303fは、コピー機能を用いるときに使用する。ファクスボタン303gは、ファクス機能を用いるときに使用する。テンキー303hは、数字を入力するときに使用する。
【0020】
また、表示部302には、「次の手順への移行」を示す領域304が表示されている。この機能については後で詳細に説明する。
【0021】
続いて、本発明に係る画像形成装置の動作の概要について説明する。
MFP201に紙ジャムやトナー切れなどのトラブルが発生した場合、MFP201の内部に設置された周知のセンサなどのトラブル検知手段がその状態を検知する。トラブル検知手段は、MFP201のコントロールパネル301の表示部302に、図3に示すようなトラブル内容と処理手順を示すテキストや画像を表示する。
【0022】
この表示と同時に、後述のコンテンツ配信方法により、トラブル処理手順や交換部品情報の動画や音声、テキストによるガイダンスが、ユーザやサービスマンが携帯する受信機などに電波で送信される。
【0023】
ユーザやサービスマンは、コントロールパネル301の表示と併せて、携帯する受信機で受信した動画や音声、テキストによるガイダンスに従って、トラブルの処理を行うことができる。さらに詳細なガイダンスが必要な場合や次の処理手順が必要な場合、ユーザやサービスマンは、コントロールパネル301のヘルプボタン303aや、入力部を兼ねる表示部302の「次の手順への移行」を示す領域304(図3)を押下することで、新たなガイダンスを受信する。
【0024】
次に、コンテンツ配信方法について説明する。
電波による送信に関しては、日本では地上デジタル放送として2006年よりワンセグメント放送(以下ワンセグ放送という)の実用サービスが開始されている。このワンセグ放送は、地上デジタル放送の放送方式となっているOFDM(直交周波数分割多重:Orthogonal Frequency Division Multiplex)変調における13キャリアのうちの1キャリアを用いて、主に携帯型放送受信端末を対象に運用されている。ワンセグ放送の携帯受信端末として、受信機能内蔵の携帯電話やノートサイズのPC(Personal Computer)用の受信装置などが既に製品化されている。
【0025】
このワンセグ放送に関しては、日本では、限られた地域向けのローカルな放送コンテンツを地上デジタル放送と同じ電波方式で送信することが認められている。更に日本の電波法では、ある決まった電波強度よりも弱い微弱電波であれば、無線局の免許も不要である。従って、オフィス内のMFP201の周辺など、半径数m程度のごく限られた範囲内での使用であれば、免許不要で一般に流通しているワンセグ放送受信機向けに情報を配信することが可能である。
【0026】
ここでワンセグ放送を使用するメリットとしては、ユーザがガイダンスを受信するために特別な受信機を備える必要がないことが挙げられる。
情報を配信する方法として、ワンセグ放送以外に無線LAN(Local Area Network)を用いてPC端末で受信することが考えられる。しかし、無線LANを用いるとユーザのネットワーク環境を利用することとなり、例えば、サービスマンが所有するPCを無線LANでユーザのネットワークに接続した場合、セキュリティの点で問題の発生する可能性がある。ワンセグ放送を用いる場合は、このような問題は発生しない。
【0027】
なお、本発明の実施の形態の「微弱電波」とは、半径数m程度の限られた範囲内での使用が可能な電波強度の電波、あるいは免許不要な電波強度の電波を意味する。
【0028】
図4は、ワンセグ放送によるコンテンツ配信に関連する機能手段を表すブロック図である。
【0029】
MFP201には、コンテンツ配信手段401、エラー検知手段420、及び入力判定手段421が設けられている。そして、コンテンツ配信手段401は、コンテンツ記憶手段402、コンテンツ選択手段403、送信手段404及び送信用アンテナ405を備えている。
【0030】
コンテンツ記憶手段402は、トラブル処理手順のガイダンスなどのコンテンツである動画、音声、テキスト情報を保持する。エラー検知手段420は、MFP201の状態判定を行う。入力判定手段421は、コントロールパネル301からのユーザの操作を受け付ける。コンテンツ選択手段403は、エラー検知手段420からのエラー通知信号やコントロールパネル301からのガイダンス要求に基づいて、コンテンツ記憶手段(不図示)から対応するコンテンツを選択し、所定時間の間コンテンツを繰り返しビデオ信号として出力する。送信手段404は、ビデオ信号にOFDM変調や周波数変換などを行って、地上デジタル放送の放送波に変換する。
【0031】
コンテンツ配信手段401から送信用アンテナ405を介して送信されるコンテンツは、ワンセグ放送受信端末410で受信される。ユーザ又はサービスマンはワンセグ放送受信端末410の映像を監視して必要なガイダンス情報を取得する。
【0032】
続いて、コンテンツ配信手段401の処理動作について説明する。図5は、ガイダンス情報を配信する概略の手順を示すフローチャートである。
【0033】
アクトA501において、エラーの発生やユーザによるヘルプボタン303aの押下が検出されると(アクトA501でYes)、アクトA502において、コンテンツ選択手段403は、コンテンツ記憶手段402に記憶されているコンテンツから、対応するコンテンツを選択してビデオ信号に変換して繰り返し出力を行う。
【0034】
アクトA503において、送信手段404は、ビデオ信号を地上デジタル放送の放送波に変換して送信用アンテナ405からコンテンツを配信する。配信されたコンテンツが、ユーザやサービスマンがトラブルの処理を終えるのに十分な時間繰り返し配信されるように、配信が開始されてからの時間が計測される。配信が開始されてから所定時間(例えば10分)が経過していなければ(アクトA504でNo)、再度、エラー検知/ユーザ入力待ちの状態であるアクトA501に戻る。
【0035】
コンテンツに従って処理作業を実行中などでユーザやサービスマンからの新たな入力が無ければ(アクトA501でNo)、アクトA505において、コンテンツが送信中かどうかが確認される。送信中ならば(アクトA505でYes)、アクトA503において、そのままコンテンツの送信を継続する。所定時間の経過まで(アクトA504でNo)、エラー検知/ユーザ入力待ちの状態であるアクトA501に戻り同様の処理を繰り返す。
【0036】
ここで、アクトA501において、ユーザやサービスマンが次の手順を知るために、入力部を兼ねる表示部302の「次の手順への移行」を示す領域304を押下すると(アクトA501でYes)、アクトA502において、コンテンツ選択手段403は、対応する新たなコンテンツを選択して繰り返し出力を実行する。アクトA503において、送信部404はコンテンツを配信し、経過時間をクリアする。
【0037】
このようにエラー検知やユーザ入力が所定時間経過内に行われている間は、コンテンツが配信され続ける。所定時間が経過すれば(アクトA504でYes)、アクトA506において、送信手段404はコンテンツの送信を停止する。
【0038】
図6は、配信されるコンテンツの例を示す図である。この例では、ステイプラーの針が無くなった場合に配信されるコンテンツを示している。まず、コントロールパネル301の表示部302に、「ステイプラーの針を補給してください」とのメッセージが表示される。そして、その表示と併せて地上デジタルの放送波が送信される。送信されるコンテンツは、ステイプラーの針の補給方法に関する内容であり、針の補給作業を表す動画と音声ガイダンス、交換部品に関するテキスト情報が含まれている。
【0039】
ワンセグ放送受信端末410の表示部411の上部には、針の補給作業を表す動画が表示されるとともに、動画のシーンに合わせて、「次に、ステイプルカートリッジを取り外します。」との音声情報がスピーカから流れ、表示部411の下部には、交換部品である「ステイプルカートリッジ 型名:STAPLE-2400」のテキスト情報が表示される。
【0040】
このようにして、ユーザは動画、音声ガイダンス、テキスト情報によって判りやすいガイダンス情報を安価に得ることができる。なお、コンテンツは、動画情報に加え、音声情報、テキスト情報の内の少なくとも一つを含むように構成することができる。
【0041】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態は、上述した第1の実施の形態の変形例であり、その基本的なシステム構成は同じである。以下、第1の実施の形態にてすでに説明した部分と同一の部分には同一符号を付し、説明は割愛する。
【0042】
本実施の形態では、同じエラーの処理作業に対しても、詳細を説明するコンテンツと概要のみを説明するコンテンツなど複数のコンテンツを予めコンテンツ記憶手段402に記憶させておき、ユーザやサービスマンのMFP201に対する知識に応じたコンテンツ提供を可能にする。図7は、第2の実施の形態に係るガイダンス情報を配信する概略の手順を示すフローチャートである。
【0043】
アクトA701において、エラーの発生やユーザによるヘルプボタン303aの押下が検出されると(A701でYes)、アクトA702において、コンテンツ選択手段403は、コンテンツ記憶手段402に記憶されているコンテンツから、対応する複数のコンテンツを選択して、それぞれビデオ信号に変換して繰り返し出力を行う。
【0044】
送信手段404は、各ビデオ信号に対して異なるチャンネル周波数を割り当てて、地上デジタル放送の放送波に変換して送信用アンテナ405からコンテンツを配信する(A703)。これにより、ユーザやサービスマンは必要に応じて、処理作業の詳細なガイドや簡易ガイドを選局することが出来る。
【0045】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態は、上述した第1の実施の形態の変形例であり、その基本的なシステム構成は同じである。以下、第1の実施の形態にてすでに説明した部分と同一の部分には同一符号を付し、説明は割愛する。
【0046】
本実施の形態では、エラーの処理作業に限定されず、なんらかのイベントが発生した場合の情報の提供方法に関する。この実施の形態では、ユーザあるいはメンテナンスマンの操作に応じて所要のコンテンツの配信を実行する。
【0047】
図8は、第3の実施の形態に係るガイダンス情報を配信する概略の手順を示すフローチャートである。
【0048】
所定のイベントが発生したとき、アクトA801において、コンテンツ選択手段403は、コンテンツ記憶手段402に記憶されているコンテンツから、対応するコンテンツを選択して、コントロールパネル301に表示する。アクトA802において、コンテンツ選択手段403は、動画、音声、テキストなどのコンテンツをビデオ信号に変換して送信手段404を介して繰り返し出力を行う。
【0049】
アクトA803において、ユーザやサービスマンが次の手順を知るために、入力部を兼ねる表示部302の「次の手順への移行」を示す領域304を押下すると(アクトA803でYes)、アクトA804において、コンテンツ選択手段403は、対応する新たなコンテンツを選択する。アクトA805において、コンテンツが送信中であれば(アクトA805でYes)、アクトA806において、送信部404は送信中のコンテンツの配信を中止する。そして、アクトA801に戻って、新たに選択したコンテンツについて上述の動作を実行する。
【0050】
アクトA807において、ユーザやサービスマンが表示された内容の詳細を確認するため、あるいはどのような動作をすれば良いかを知るためにヘルプボタン303aを押下すると(アクトA807でYes)、アクトA808において、コンテンツ選択手段403は、対応するヘルプ用の新たなコンテンツを選択する。アクトA809において、ヘルプ用の新たなコンテンツをコントロールパネル301に表示する。アクトA810において、コンテンツ選択手段403は、動画、音声、テキストなどのコンテンツをビデオ信号に変換して送信手段404を介して繰り返し出力を行う。
【0051】
このヘルプ用コンテンツの表示・送信動作は、入力部を兼ねる表示部302の「戻る」を示す領域(不図示)が押下されるまで繰り返して継続する(アクトA811でNo)。
【0052】
表示部302の「戻る」を示す領域(不図示)が押下される(アクトA811でYes)と、アクトA812において、コンテンツ選択手段403は、ヘルプボタン303aが押される際に表示・送信していたコンテンツを選択する。アクトA813において、コンテンツが送信中であれば(アクトA813でYes)、アクトA814において、送信部404は送信中のコンテンツの配信を中止する。そして、アクトA801に戻って、新たに選択したコンテンツについて上述の動作を実行する。
【0053】
尚、第3の実施の形態ではコンテンツの配信を繰り返し継続して実行しているが、第1及び第2の実施の形態と同様に、所定時間経過した後に配信を停止するようにしても良い。
【0054】
また、上述の各実施の形態において、コンテンツ配信手段401はMFP201に着脱可能に設けられても良い。例えば、サービスマンがMFP201が据え付けられているサイトにメンテナンスに訪問した際に、コンテンツ配信手段401をMFP201に装着して作業を行い、作業終了後に取り外せるようにして作業の効率化を図ることもできる。
【0055】
以上、説明した各実施の形態によれば、種々の効果を奏する。
トラブルなどのイベント発生時に、イベントに対応する処理手順や交換部品情報の動画や音声、テキストによるガイダンスを、ユーザやサービスマンが携帯する受信機などに電波で送信することができる。
【0056】
ユーザやサービスマンは、受信した動画や音声、テキストによるガイダンスに従って、イベントの処理を行うことができるので、処理方法を理解し易くストレスが軽減される上に、トラブル時には復帰までのダウンタイムを短縮できる。
【0057】
加えて、詳細な画像を表示するための大型の表示部や音声ガイダンスのためのスピーカの設置の必要がないので、本体のコストを削減できる。
【0058】
ユーザ又はサービスマンがトラブルシューティング作業を実行する場合、その都度コントロールパネルと向き合うように姿勢を変更する必要がないため、作業効率が良くなる。
【0059】
なお、本発明を特定の態様により詳細に説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱しないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。また、地上デジタル放送の信号フォーマットや変調方式等は、その放送装置が設置される国、地域等で適用されている規格に従うものとする。
【0060】
尚、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、イベント発生時においてトラブル対処方法などのユーザやサービスマンへのガイダンス情報を、判り易く、安価に提供することのできる画像形成装置を製造しあるいは画像形成方法を使用する産業において利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
201…画像処理装置、301…コントロールパネル、401…コンテンツ配信手段、402…コンテンツ記憶手段、403…コンテンツ選択手段、404…送信手段、405…送信用アンテナ、410…ワンセグ放送受信端末、411…表示部、420…エラー検知手段、420…状態判定部、421…入力判定手段。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開平11−231729号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の状態判定を行う状態判定部と、
ユーザの操作を受け付ける入力判定部と、
前記状態判定部、または、前記入力判定部からの要求信号に基づいて、地上デジタル放送の伝送方式によるコンテンツ配信を行うコンテンツ配信部と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記コンテンツ配信部は、
複数のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、
前記状態判定部、または、前記入力判定部からの要求信号に基づいて、前記コンテンツ記憶部から対応するコンテンツを選択し、ビデオ信号として出力するコンテンツ選択部と、
前記ビデオ信号を、地上デジタル放送の放送波に変換して送信する送信部とを有し、
前記コンテンツ選択部は、選択されたコンテンツを繰り返し出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
状態判定部によって機体の状態を判定し、
入力判定部によってユーザの操作を受け付け、
前記状態判定部、または、前記入力判定部からの要求信号に基づいて、コンテンツ配信部によって地上デジタル放送の伝送方式によるコンテンツ配信を行うことを特徴とする画像形成方法。
【請求項4】
前記コンテンツ配信部は、
コンテンツ記憶部によって複数のコンテンツを記憶し、
前記状態判定部、または、前記入力判定部からの要求信号に基づいて、前記コンテンツ記憶部から対応するコンテンツを選択し、コンテンツ選択部によってビデオ信号として出力し、
前記ビデオ信号を、送信部によって地上デジタル放送の放送波に変換して送信し、
前記コンテンツ選択部は、選択されたコンテンツを繰り返し出力することを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−11453(P2010−11453A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136240(P2009−136240)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】