説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】原稿の両面の画像を読み取る際の裏面の画像データを記憶するためのメモリの容量を削減し、表面及び裏面のぞれぞれについて画像の読み取り及び当該画像に対する画像処理に係る時間を均等にすることが可能な画像処理技術を提供する。
【解決手段】読み取り制御部55は、スキャナ81により原稿から読み取られた表面の画像を表す画像データ及び前記裏面の画像を表す画像データのそれぞれについて異なる転送先のアドレスを指定して、画像データを入力画像処理部65に転送する。入力画像処理部65は、転送された画像データについて、指定されたアドレスを用いて、当該画像データが、表面の画像を表すものか裏面の画像を表すものかを判定し、当該判定の結果に応じて、当該画像データに対して画像処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、原稿の両面を同時に読み取ることが可能な画像読取装置がある(例えば特許文献1〜2参照)。このような画像読取装置は、例えば、表面の画像を読み取る表面センサと、裏面の画像を読み取る裏面センサと、これらのセンサで読み取られた画像の読み取り及び画像処理部への入力を制御し、画像のデータを一時的に蓄積するページメモリがメモリコントローラを介して接続される読み取り制御部と、各センサで読み取られた画像のデータを蓄積する画像メモリと、各画像に対して画像処理を行なう入力画像処理部とを備える。このような構成の画像読取装置は、原稿の表面の画像を読み取って圧縮などの画像処理を行ない、画像メモリへの転送を行っている間、同時に読み取られた裏面の画像のデータをメモリコントローラを介してページメモリに一旦蓄積する。そして、画像読取装置は、表面の画像に対する画像処理終了後にページメモリから裏面の画像データをページメモリから読み出し、次の原稿の読み取りまでの間に、表面の画像と同様の画像処理を行い、画像メモリへの転送を行なう。尚、読み取り制御部の機能では、各センサで読み取った画像を入力画像処理部に転送する際にページ単位で扱い、表面の画像及び裏面の画像の各データをページ順に並び替えて転送している。
【0003】
具体的には、画像データの入力画像処理部への転送は以下の順で行われる。
1)表面の画像を読み取り当該画像のデータをページ単位で入力画像処理部へ転送
2)1)と同時に裏面の画像を読み取り当該画像のデータをメモリコントローラを介してページメモリに蓄積
3)1)の表面の画像のデータの転送終了後ページメモリから裏面の画像のデータをページ単位で読み出し、入力画像処理部へ転送
このようにしてページ単位で転送された各画像に対して入力画像処理部はページ順に画像処理を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような処理方法では、読み取り時に裏面の画像1ページ分の容量のページメモリが必要である。仮にA4サイズのカラー原稿を解像度600dpiでRGB各色8bitの階調で読み取った場合、1ページあたり100MBのページメモリが必要になり、部品コストが上昇する恐れがある。また裏面の画像に対する画像処理にかけられる時間は、表面の画像に対する画像処理終了後、次の原稿の読み取り開始前までといった制約がある。このため、全体の読み取り速度は裏面の画像に対する処理時間で律速され、読み取り速度を上げることが困難になっていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、原稿の両面の画像を読み取り可能な画像処理装置において、裏面の画像データを記憶するためのメモリの容量を削減し、表面及び裏面のそれぞれについて画像の読み取り及び当該画像に対する画像処理に係る時間を均等にすることが可能な画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像処理装置であって、原稿の表面の画像を読み取る第1センサと、前記原稿の裏面の画像を読み取る第2センサと、前記表面の画像を表す画像データ及び前記裏面の画像を表す画像データのそれぞれについて異なる転送先のアドレスを指定して、前記画像データを転送する読み取り制御手段と、前記読み取り制御手段から転送された前記画像データについて、指定された前記アドレスを用いて、当該画像データが、前記表面の画像を表すものか前記裏面の画像を表すものかを判定する判定手段と、前記判定手段の判定の結果に応じて、前記表面の前記画像データ及び前記裏面の前記画像データのそれぞれに対して各々画像処理を行う画像処理手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、原稿の表面の画像を読み取る第1センサと、前記原稿の裏面の画像を読み取る第2センサと、読み取り制御手段と、判定手段と、画像処理手段とを備える画像処理装置で実行される画像処理方法であって、前記読み取り制御手段が、前記表面の画像を表す画像データ及び前記裏面の画像を表す画像データのそれぞれについて異なる転送先のアドレスを指定して、前記画像データを転送する読み取り制御ステップと、前記判定手段が、前記読み取り制御ステップで転送された前記画像データについて、指定された前記アドレスを用いて、当該画像データが、前記表面の画像を表すものか前記裏面の画像を表すものかを判定する判定ステップと、前記画像処理手段が、前記判定ステップの判定の結果に応じて、前記表面の前記画像データ及び前記裏面の前記画像データのそれぞれに対して各々画像処理を行う画像処理ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、原稿の両面の画像を読み取り可能な画像処理装置において、裏面の画像データを記憶するためのメモリの容量を削減し、表面及び裏面のそれぞれについて画像の読み取り及び当該画像に対する画像処理に係る時間を均等にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、第1の実施の形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を例示する図である。
【図2】図2は、スキャナ81の構成を例示する図である。
【図3】図3は、読み取り制御部55の内部構成を例示する図である。
【図4】図4は、入力画像処理部65の内部構成を例示する図である。
【図5】図5は、エンジン部50が行う読取処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、ラインバッファ読み出し切り替え処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、コントローラ部60の行う入力画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、従来の技術において画像処理を行う手順を示す図である。
【図9】図9は、従来の技術において画像処理に関してかかる各時間を例示する図である。
【図10】図10は、第2の実施の形態に係る読み取り制御部55の内部構成を例示する図である。
【図11】図11は、ラインバッファ読み出し切り替え処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第3の実施の形態にかかるコントローラ部60の入力画像処理部65の内部構成を例示する図である。
【図13】図13は、エンジン部50が行う読取処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、コントローラ部60の行う入力画像処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置及び画像処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
[第1の実施の形態]
まず、本実施の形態に係る画像処理装置のハードウェア構成について図1を用いて説明する。画像処理装置は、操作パネル80が接続されるコントローラ部60と、スキャナ81及びプロッタ82が接続されるエンジン部50とを備え、これらがPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続される構成である。エンジン部50は、エンジンCPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、NVRAM(Non volatile Random Access Memory)54と、読み取り制御部55と、出力制御部56と、通信I/F(Interface)57とを備え、スキャナ81からの画像の入力や、プロッタ82への画像の出力を制御する。コントローラ部60は、コントローラCPU61と、ROM62と、RAM63と、NVRAM64と、入力画像処理部65と、操作部I/F67と、HDD(Hard Disk Drive)68と、HDDI/F69と、ネットワークI/F70と、出力画像処理部71と、通信I/F72とを備え、画像処理装置全体の制御と描画や、ネットワークを介した外部装置との通信や、操作パネル80からの入力及び操作パネル80への出力を制御するコントローラである。操作パネル80は、キーボードやマウスなどの操作入力部と、液晶ディスプレイ等の表示部とが一体的に形成されたものであり、操作入力部を介してユーザからの操作入力を受け付けたり、表示部に情報の表示を行ったりする。プロッタ82は、例えば、白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタであり、コントローラ部60及びエンジン部50の制御の下、画像を紙などの記録媒体に出力することにより、画像を印刷する。スキャナ81は、図2に例示されるように、原稿の表面の画像を読み取る表面センサと、当該原稿の裏面の画像を読み取る裏面センサとを有し、読み取った各画像をエンジン部50の読み取り制御部55に出力する。即ち、スキャナ81は、原稿が読み取り対象として搬送された場合、一度の搬送でその両面の画像を読み取って、読み取った各画像をエンジン部50の読み取り制御部55に出力する。
【0012】
次に、エンジン部50の構成について詳細に説明する。エンジンCPU51は、エンジン部50全体を制御するものであり、ROM52やNVRAM54に記憶された各種プログラムを実行することにより、各種機能をエンジン部50において実現させる。ROM52は、各種プログラムや各種データを記憶する。RAM53は、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する。NVRAM54は、各種プログラムや各種データを記憶する。通信I/F57は、コントローラ部60の通信I/F72と接続され、コントローラ部60との通信を制御する。ここでは、通信I/F57と通信I/F72との間では、コントローラ部60からエンジン部50への指示や、当該コマンドに対するエンジン部50からの応答を示すコマンドが送受信される。出力制御部56は、コントローラ部60の出力画像処理部71から転送された画像データを用いてプロッタ82からの画像の出力を制御する。読み取り制御部55は、スキャナ81が原稿から読み取った表面の画像や裏面の画像の入力を受け付け、これらを入力画像処理部65に転送する。
【0013】
ここで、読み取り制御部55の構成について図3を用いて詳細に説明する。読み取り制御部55は、第1ラインバッファ90と、第2ラインバッファ91と、ラインバッファ読み出し切り替え部92と、アドレス情報付加部94と、データ転送部93とを有する。第1ラインバッファ90は、スキャナ81により読み取られた表面の画像を表す画像データを1ライン分記憶する。第2ラインバッファ91は、スキャナ81により読み取られた裏面の画像を表す画像データを1ライン分記憶する。ラインバッファ読み出し切り替え部92は、第1ラインバッファ90からの画像データの読み出しと、第2ラインバッファ91からの画像データの読み出しとを適宜切り替えて行ない、読み出した画像データをデータ転送部93に送る。このとき、ラインバッファ読み出し切り替え部92は、データ転送部93に送る画像データが、表面の画像データか裏面の画像データかを示す情報(表/裏切り替え情報)をアドレス情報付加部94に送る。第1ラインバッファ90から読み出した画像データは、表面の画像データであり、第2ラインバッファ91から読み出した画像データは、裏面の画像データであるから、これに基づいて、ラインバッファ読み出し切り替え部92は、表/裏切り替え情報をアドレス情報付加部94に送る。
【0014】
アドレス情報付加部94は、ラインバッファ読み出し切り替え部92から送られた表/裏切り替え情報を用いて、表面の画像データを転送する転送先のアドレスと、裏面の画像データを転送する転送先のアドレスとを切り替えて、データ転送部93に通知する。表面の画像データを転送する転送先のアドレスは、後述するコントローラ部60の第1データ入力部101のラインバッファ101aのアドレスである。裏面の画像データを転送する転送先のアドレスは、後述するコントローラ部60の第2データ入力部102のラインバッファ102aのアドレスである。例えば、表面の画像データを転送する転送先のアドレスに第1一定値をオフセットしたアドレスを、裏面の画像データを転送する転送先のアドレスとする。データ転送部93は、ラインバッファ読み出し切り替え部92から送られた画像データについて、アドレス情報付加部94から通知された転送先のアドレスを指定して、当該画像データを入力画像処理部65に転送する。
【0015】
次に、コントローラ部60の構成について詳細に説明する。コントローラCPU61は、画像処理装置の全体制御をおこなうものであり、ROM62やHDD68やNVRAM64に記憶された各種プログラムを実行することにより、各種機能を画像処理装置において実現させる。ROM62は、各種プログラムや各種データを記憶する。RAM63は、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する。NVRAM64は、各種プログラムや各種データを記憶する。HDD68は、各種プログラムや各種データを記憶する。ここでは、エンジン部50で画像処理が行われた後の画像データがNVRAM64に転送されて記憶されるものとする。HDDI/F69は、HDD68へのアクセスを制御する。操作部I/F67は、操作パネル80からの操作入力の受け付けや、操作パネル80への情報の表示を制御する。ネットワークI/F70は、ネットワークを介した外部装置との通信を制御する。ネットワークとは、例えば、例えば、LAN(Local Area Network)、イントラネット、イーサネット(登録商標)又はインターネットなどである。通信I/F72は、エンジン部50の通信I/F57と接続され、エンジン部50との通信を制御する。
【0016】
入力画像処理部65には、スキャナ81で読み取られた画像のデータ(画像データという)が、エンジン部50の読み取り制御部55を介して転送され、入力画像処理部65は、当該画像データに対して圧縮などの各種画像処理を行なう。本実施の形態においては、表面の画像データの転送先のアドレスと、入力画像処理部65は、出力画像処理部71は、出力対象の画像を表す画像データに対して、画像をプロッタ82から出力するための例えば誤差拡散やガンマ変換等の各種画像処理を行ない、画像処理後の画像データをエンジン部50の出力制御部56に転送する。
【0017】
ここで、入力画像処理部65の構成について図4を用いて詳細に説明する。入力画像処理部65は、アドレス情報判定部100と、第1データ入力部101と、第2データ入力部102と、データ切り替え制御部103と、データ圧縮部104と、データ転送部(DMAC)105と、第1データ転送設定部106と、第2データ転送設定部107とを有する。アドレス情報判定部100は、読み取り制御部55から転送先のアドレスが指定されて転送された画像データを受け取ると、指定された転送先のアドレスを用いて、当該画像データが表面の画像データか裏面の画像データかを判定する。転送先のアドレスは、上述したように、表面の画像データを転送する転送先のアドレスに一定値をオフセットしたアドレスが、裏面の画像データを転送する転送先のアドレスとなるから、この相違により、アドレス情報判定部100は、表面の画像データか裏面の画像データかを判定する。アドレス情報判定部100は、当該画像データが表面の画像データであると判定した場合、当該画像データを第1データ入力部101に送り、当該画像データが裏面の画像データであると判定した場合、当該画像データを第2データ入力部102に送る。
【0018】
第1データ入力部101は、ラインバッファ101aを有し、アドレス情報判定部100から送られた画像データをラインバッファ101aに記憶させる。即ち、ラインバッファ101aには、表面の画像データが記憶される。第2データ入力部102は、ラインバッファ102aを有し、アドレス情報判定部100から送られた画像データをラインバッファ102aに1ライン分記憶させる。即ち、ラインバッファ102aには、裏面の画像データが1ライン分記憶される。データ切り替え制御部103は、ラインバッファ101aからの表面の画像データの読み出しと、ラインバッファ102aから表面の画像データの読み出しとを適宜切り替えて、読み出した画像データをデータ圧縮部104に送ると共に、データ圧縮部104に送る画像データが、表面の画像データか裏面の画像データかを示す情報(表/裏切り替え情報)をデータ転送部105に送る。ラインバッファ101aから読み出した画像データは、表面の画像データであり、ラインバッファ102aから読み出した画像データは、裏面の画像データであるから、これに基づいて、データ切り替え制御部103は、表/裏切り替え情報をデータ転送部105に送る。
【0019】
尚、データ圧縮部104に送る画像データの転送単位は、以下で説明するデータ圧縮部104が圧縮可能なライン数(圧縮可能ライン数という)以上である。具体的には、例えば、データ圧縮部104がJPEGの圧縮方式を用いて圧縮を行う場合、8ライン毎に圧縮を行っているため、データ圧縮部104に送る画像データの転送単位は、8ライン以上となる。データ圧縮部104は、データ切り替え制御部103から送られた画像データに対して、画像処理として、圧縮可能ライン数単位で圧縮を行い、圧縮後の画像データをデータ転送部105に送る。圧縮方式は、例えば、JPEGなどである。尚、一度に圧縮可能なライン数はラインバッファ101a,102aに記憶可能なデータ量により決まる。
【0020】
第1データ転送設定部106は、圧縮後の表面の画像データをデータ転送部105がNVRAM64に転送する際の転送設定情報を設定する。転送設定情報とは、例えば、転送先の先頭アドレスや、転送データサイズなど、DMAC(Direct Memory Access Controller)による転送に必要な各情報を含む。DMACによる転送に必要な情報については周知であるためここではその説明を省略する。第2データ転送設定部107は、圧縮後の裏面の画像データをデータ転送部105がRAM63に転送する際の転送設定情報を設定する。尚、表面の画像データ及び裏面の画像データがRAM63に記憶される記憶領域は、各々異なるように割り当てられているとする。そして、第1データ転送設定部106が設定する転送設定情報の転送先の先頭アドレスは、表面の画像データに割り当てられた記憶領域内のものであり、第2データ転送設定部107が設定する転送設定情報の転送先の先頭アドレスは、裏面の画像データに割り当てられた記憶領域内のものであるとする。
【0021】
データ転送部105は、DMAC(Direct Memory Access Controller)として機能するコントローラであり、データ切り替え制御部103から送られた表/裏切り替え情報を用いて、データ圧縮部104から送られた画像データが表面の画像データであるか否かを判定し、画像データが表面の画像データであると判定した場合、第1データ転送設定部106の設定した転送設定情報と共に当該画像データをRAM63に転送し、画像データが裏面の画像データであると判定した場合、第2データ転送設定部107の設定した転送設定情報と共に当該画像データをRAM63に転送する。このようにして、データ転送部105は、圧縮後の表面の画像データの転送先と、圧縮後の裏面の画像データの転送先とを切り替える。RAM63は、データ転送部105から転送された転送設定情報を用いて、共にデータ転送部105から転送された画像データを記憶する。この結果、RAM63には、表面の画像データと裏面の画像データとが分けて記憶されることになる。
【0022】
次に、本実施の形態にかかる画像処理装置の行う処理の手順について説明する。まず、エンジン部50が行う読取処理の手順について図5を用いて説明する。エンジン部50の読み取り制御部55は、スキャナ81が原稿から読み取った表面の画像の入力を受け付け、当該画像を表す画像データを第1ラインバッファ90に記憶させ(ステップS1)、また、スキャナ81が原稿から読み取った裏面の画像の入力を受け付け、当該画像を表す画像データを第2ラインバッファ91に記憶させる(ステップS2)。そして、読み取り制御部55は、ラインバッファ読み出し切り替え処理を行う(ステップS3)。ここで、ラインバッファ読み出し切り替え処理の手順について図6を用いて説明する。
【0023】
読み取り制御部55は、第1ラインバッファ90に画像データ(表面の画像データ)が記憶されているか否かを判定する(ステップS20)。第1ラインバッファ90に画像データが記憶されている場合(ステップS20:YES)、読み取り制御部55は、第1ラインバッファ90から画像データを1ライン分読み出して(ステップS21)、ステップS22に進む。第1ラインバッファ90に画像データが記憶されていない場合も(ステップS20:NO)、ステップS22に進む。ステップS22では、読み取り制御部55は、第2ラインバッファ91に画像データ(裏面の画像データ)が記憶されているか否かを判定する(ステップS22)。第2ラインバッファ91に画像データが記憶されている場合(ステップS22:YES)、読み取り制御部55は、第2ラインバッファ91から画像データを1ライン分読み出して(ステップS23)、ステップS24に進む。第2ラインバッファ91に画像データが記憶されていない場合も(ステップS22:NO)、ステップS24に進む。ステップS24では、読み取り制御部55は、スキャナ81による画像の読み取りが終了したか否かを判定し、当該判定結果が否定的である場合(ステップS24:NO)、ステップS20に戻り、当該判定結果が肯定的である場合(ステップS24:YES)、処理を終了する。
【0024】
図5の説明に戻る。読み取り制御部55は、ステップS3で読み出した画像データが表面の画像データか裏面の画像データかに応じて、転送先のアドレスを切り替えて、当該転送先アドレスを指定して当該画像データをコントローラ部60の入力画像処理部65に転送する(ステップS4)。
【0025】
次に、コントローラ部60の行う入力画像処理の手順について図7を用いて説明する。コントローラ部60の入力画像処理部65は、エンジン部50の読み取り制御部55から転送先のアドレスが指定されて転送された画像データを受け取ると(ステップS40)、指定された転送先のアドレスを用いて、当該画像データが表面の画像データか裏面の画像データかを判定する(ステップS41)。そして、ステップS40で受け取った画像データが表面の画像データであると判定した場合(ステップS42:YES)、入力画像処理部65は、当該画像データを第1データ入力部101のラインバッファ101aに記憶させる(ステップS43)。また、ステップS40で受け取った画像データが表面の画像データではないと判定した場合(ステップS42:NO)、ステップS40で受け取った画像データは裏面の画像データである。この場合、入力画像処理部65は、当該画像データを第2データ入力部102のラインバッファ102aに記憶させる(ステップS44)。
【0026】
次に、入力画像処理部65は、ラインバッファ101aからの表面の画像データの読み出しと、ラインバッファ102aから表面の画像データの読み出しとを適宜切り替えて、読み出した画像データに対して、圧縮可能ライン数単位で圧縮を行う(ステップS45)。また、入力画像処理部65は、ステップS45で圧縮を行った画像データが表面の画像データか裏面の画像データかに応じて、転送設定情報を設定して、DMACの機能により、当該転送設定情報と共に当該画像データをRAM63に転送する(ステップS46)。この結果、RAM63には、表面の画像データと裏面の画像データとが分けて記憶される。
【0027】
以上のように、エンジン部50からコントローラ部60に対して、原稿から読み取った画像が表面のものなのか裏面のものなのかを示す情報として、画像データの転送先のアドレスを用いることで、転送対象の画像データが表面のものなのか裏面のものなのかを示すために特別な信号等の通信を行うことなく、簡易な構成を実現することができる。
【0028】
また、以上のような構成によれば、裏面の画像データを記憶するためのRAM63の容量を削減し、表面及び裏面のそれぞれについて画像の読み取り及び当該画像に対する画像処理に係る時間を均等にすることが可能になる。
【0029】
尚、原稿の両面の画像を同時に読み取り可能な従来の画像処理装置では、従来の技術欄で説明したように、1)〜3)の手順で画像処理を行っており(図8参照)、裏面の画像データを一時的に記憶させるページメモリに多くの容量が必要で、読み取り制御部にメモリコントローラ機能とそれに接続する大容量のメモリとが必要となる恐れがあった。また裏面の画像に対する画像処理にかけられる時間に制約があり、全体の読み取り速度を上げることが困難であった(図9参照)。しかし、本実施の形態においては、このような問題を解決することが可能である。
【0030】
また、本実施の形態においては、コントローラ部60では、エンジン部50から転送された画像データについて、転送先のアドレスを用いて、表面の画像データか裏面の画像データかを判定することができる。このため、原稿の面毎に異なる画像処理を行うことも可能になる。
【0031】
また、コントローラ部60では、エンジン部50から転送された画像データについて、転送先のアドレスを用いて、画像処理後の画像データのRAM63の記憶される記憶領域を、表面のものか又は裏面のものかであるかに応じて異ならせることができる。
【0032】
尚、上述の例では、スキャナ81は表面センサ及び裏面センサの2つを有するように構成したが、いずれか一方のみのセンサを有し原稿の片面の画像のみを読み取る構成のスキャナがエンジン部50に接続される構成であっても、本実施の形態にかかる構成を適用可能である。図6に示したラインバッファ読み出し切り替え処理では、ステップS20〜S21の後、ステップS22で第2ラインバッファ91に画像データが記憶されていなければ(ステップS22:NO)、ステップS24で読み取り処理を終了するまで、ステップS20に戻るため、結果的に、第1ラインバッファ90から表面の画像データの読み出しのみを行なうことになるからである。上述のスキャナ81が片面の画像のみを読み取る場合でも同様である。従って、本実施の形態においては、スキャナ81が原稿の両面を読み取る場合及び片面を読み取る場合の両方に支障がなく読取処理を行うことができる。
【0033】
[第2の実施の形態]
次に、画像処理装置及び画像処理方法の第2の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0034】
上述の第1の実施の形態においては、入力画像処理部65で処理可能なライン数以上の画像データが読み取り制御部55から一度に転送されると、入力画像処理部65の処理待ちが発生する恐れがある。このため、本実施の形態においては、読み取り制御部55から入力画像処理部65に転送する画像データのライン数に制限を設ける。
【0035】
図10は、本実施の形態に係る読み取り制御部55の内部構成を例示する図である。同図に示されるように、読み取り制御部55は、読み取り制御部55は、第1ラインバッファ90と、第2ラインバッファ91と、ラインバッファ読み出し切り替え部92と、アドレス情報付加部94と、データ転送部93とに加え、切り替え設定部96と、カウンタ97とを有する。切り替え設定部96は、例えば、レジスタであり、切り替え設定部96には、ラインバッファ読み出し切り替え部92が読み出す対象を表面の画像データ又は裏面の画像データに切り替えるための設定値が設定される。ラインバッファ読み出し切り替え部92は、画像データを読み出す先のラインバッファ(第1ラインバッファ90,第2ラインバッファ91)を切り替えるための切り替え信号に応じて、第1ラインバッファ90からの表面の画像データの読み出し及び第2ラインバッファ91からの裏面の画像データの読み出しを切り替える。また、ラインバッファ読み出し切り替え部92は、第1ラインバッファ90から読み出した表面の画像データを1ライン読み出してデータ転送部93に転送する毎に、その旨を示すライン処理情報をカウンタ97に送る。また、ラインバッファ読み出し切り替え部92は、第2ラインバッファ91から読み出した裏面の画像データを1ライン読み出してデータ転送部93に転送する毎に、その旨を示すライン処理情報をカウンタ97に送る。
【0036】
カウンタ97は、ラインバッファ読み出し切り替え部92から送られたライン処理情報を用いて、データ転送部93に転送された表面の画像データのライン数及び裏面の画像データのライン数を各々カウントし、当該ライン数が、切り替え設定部96に設定された設定値に達した場合、上述の切り替え信号をラインバッファ読み出し切り替え部92に送る。第1ラインバッファ90及び第2ラインバッファ91は、読み取り制御部55からの入力と入力画像処理部65へ出力とがトグルにより構成されていることが望ましい。このような構成によれば、読み取り性能を落とさずに読み取り制御部55から入力画像処理部65への画像データの転送が可能である。その他の構成については上述の第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0037】
次に、本実施の形態にかかるエンジン部50が行う読取処理の手順について説明する。読取処理の手順自体は、図5と略同様である。本実施の形態においては、ステップS3のラインバッファ読み出し切り替え処理の手順が上述の第1の実施の形態と異なるため、この処理の手順について図11を用いて説明する。ステップS20は上述の第1の実施の形態と同様である。第1ラインバッファ90に画像データが記憶されている場合(ステップS20:YES)、読み取り制御部55は、第1ラインバッファ90から画像データを1ライン分読み出して(ステップS21)、ライン数を1インクリメントすることにより、第1ラインバッファ90から読み出した画像データのライン数をカウントし、当該ライン数が切り替え設定部96に設定されている設定値に達しているか否かを判定する(ステップS60)。カウントしたライン数が設定値に達している場合(ステップS60:YES)、読み取り制御部55は、カウントしたライン数を初期化して、ステップS22に進み、カウントしたライン数が設定値に達していない場合(ステップS60:NO)、ステップS21に戻る。ステップS22は上述の第1の実施の形態と同様である。
【0038】
第2ラインバッファ91に画像データが記憶されている場合(ステップS22:YES)、読み取り制御部55は、ライン数を1インクリメントすることにより、第2ラインバッファ91から読み出した画像データのライン数をカウントし、当該ライン数が切り替え設定部96に設定されている設定値に達しているか否かを判定する(ステップS61)。カウントしたライン数が設定値に達している場合(ステップS61:YES)、読み取り制御部55は、カウントしたライン数を初期化して、ステップS24に進み、カウントしたライン数が設定値に達していない場合(ステップS61:NO)、ステップS23に戻る。ステップS24は上述の第1の実施の形態と同様である。その後、図5のステップS4の処理が行われることにより、読み取り制御部55から、表面の画像データ及び裏面の画像データが各々設定値のライン数ずつ入力画像処理部65に転送されることになる。
【0039】
以上のように、読み取り制御部55から入力画像処理部65に画像データを転送する単位のライン数として、入力画像処理部65で処理可能なライン数を設定することで、入力画像処理部65の処理待ちを防ぐことができる。このため、画像処理とラインバッファの利用率との効率を向上させることができる。
【0040】
[第3の実施の形態]
次に、画像処理装置及び画像処理方法の第3の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態又は第2の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
【0041】
上述の第1の実施の形態においては、コントローラ部60の入力画像処理部65は、スキャナ81から読み取られてエンジン部50から転送された全ての画像に対して画像処理として圧縮を行うようにした。しかし、圧縮を行わない場合があっても良く、圧縮を行うか否かを、コントローラ部60のコントローラCPU61で設定することは可能であるが、本実施の形態においては、エンジン部50のエンジンCPU51が圧縮を行うか否かを設定する。
【0042】
このような構成において、エンジン部50の構成が上述の第1の実施の形態と異なる点は以下の通りである。エンジンCPU51は、圧縮を行うか否かを示すデータ圧縮ON/OFF信号を読み取り制御部55に送る。アドレス情報付加部94は、ラインバッファ読み出し切り替え部92から送られた表/裏切り替え情報と、エンジンCPU51から送られたデータ圧縮ON/OFF信号とを用いて、圧縮を行う対象の表面の画像データを転送する転送先のアドレスと、圧縮を行う対象の裏面の画像データを転送する転送先のアドレスと、圧縮を行なわない画像データを転送する転送先のアドレスとを切り替えて、データ転送部93に通知する。圧縮を行なわない画像データを転送する転送先のアドレスは、例えば、表面の画像データを転送する転送先のアドレスに第2一定値をオフセットしたアドレスであり、表面の画像データを転送する転送先のアドレスとも裏面の画像データを転送する転送先のアドレスとも異なるアドレスである。
【0043】
図12は、本実施の形態にかかるコントローラ部60の入力画像処理部65の内部構成を例示する図である。同図に例示される各部は、上述の第1の実施の形態と同様であるが、アドレス情報判定部100とデータ切り替え制御部103と、データ圧縮部104と、データ転送部105との機能が上述の第1の実施の形態と異なる。アドレス情報判定部100は、読み取り制御部55から転送先のアドレスが指定されて転送された画像データを受け取ると、指定された転送先のアドレスを用いて、当該画像データが、圧縮を行う対象の表面の画像データか圧縮を行う対象の裏面の画像データか圧縮を行なわない画像データかを判定する。そして、アドレス情報判定部100は、当該画像データが、圧縮を行う対象の表面の画像データであると判定した場合、当該画像データを第1データ入力部101に送り、当該画像データが、圧縮を行う対象の裏面の画像データであると判定した場合、当該画像データを第2データ入力部102に送り、当該画像データが、圧縮を行なわない画像データであると判定した場合、当該画像データをデータ転送部105に送る。
【0044】
第1データ転送設定部106は、圧縮後の表面の画像データ及び圧縮を行なわない画像データをデータ転送部105がRAM63に転送する際の転送設定情報を各々設定する。データ転送部105は、上述の第1の実施の形態と同様に、データ切り替え制御部103から送られた表/裏切り替え情報を用いて、データ圧縮部104から送られた画像データが表面の画像データであるか否かを判定し、判定結果に応じて、当該画像データを転送設定情報と共にRAM63に転送する。また、データ転送部105は、アドレス情報判定部100から送られた画像データであり圧縮を行わない画像データについては、第1データ転送設定部106の設定した転送設定情報と共に当該画像データをRAM63に転送する。この結果、当該画像データは、圧縮が行なわれずに、RAM63に記憶されることになる。
【0045】
次に、本実施の形態にかかる画像処理装置の行う処理の手順について説明する。まず、エンジン部50が行う読取処理の手順について図13を用いて説明する。ステップS1〜S3は上述の第1の実施の形態と同様である。ステップS80では、エンジン部50の読み取り制御部55は、エンジンCPU51から送られたデータ圧縮ON/OFF信号によって圧縮を行うことが示されているか否かを判定する。そして、読み取り制御部55は、当該判定結果と、ステップS3で読み出した画像データが表面の画像データか裏面の画像データかとに応じて、圧縮を行う対象の表面の画像データを転送する転送先のアドレスと、圧縮を行う対象の裏面の画像データを転送する転送先のアドレスと、圧縮を行なわない画像データを転送する転送先のアドレスとのいずれかの転送先のアドレスを指定して当該画像データをコントローラ部60の入力画像処理部65に転送する(ステップS81)。
【0046】
次に、コントローラ部60の行う入力画像処理の手順について図14を用いて説明する。ステップS40は上述の第1の実施の形態と同様である。ステップS100では、コントローラ部60の入力画像処理部65は、指定された転送先のアドレスを用いて、当該画像データが、圧縮を行う対象の表面の画像データか圧縮を行う対象の裏面の画像データか圧縮を行なわない画像データかを判定する。そして、ステップS40で受け取った画像データが、圧縮を行なう対象の表面の画像データであると判定した場合(ステップS101:YES)、ステップS43,S45,S103に進む。S43,S45は上述の第1の実施の形態と同様である。また、ステップS40で受け取った画像データが、圧縮を行なう対象の表面の画像データではなく、圧縮を行なう対象の裏面の画像データであると判定した場合(ステップS101:NO,ステップS102:YES)、ステップS44,S45,S103に進む。S44は上述の第1の実施の形態と同様である。ステップS40で受け取った画像データが、圧縮を行なう対象の表面の画像データでもなく裏面の画像データでもないと判定した場合(ステップS101:NO,ステップS102:NO)、ステップS40で受け取った画像データは、圧縮を行わない画像データである。この場合、ステップS103に進む。
【0047】
ステップS103では、入力画像処理部65は、ステップS45で圧縮を行った画像データが表面の画像データか裏面の画像データか又は圧縮を行わない画像データかに応じて、転送設定情報を設定して、DMACの機能により、当該転送設定情報と共に当該画像データをRAM63に転送する。この結果、RAM63には、圧縮後の表面の画像データと圧縮後の裏面の画像データと圧縮されていない画像データとが分けて記憶される。
【0048】
以上のように、原稿から読み取った画像に対して圧縮などの画像処理を行うか否かをエンジン部50で設定して、画像処理を行う対象の表面の画像データ及び裏面の画像データと画像処理を行なわない画像データとで転送先のアドレスを異ならせることで、画像処理を行なわない画像データをエンジン部50からコントローラ部60のRAM63に転送することができる。
【0049】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0050】
上述した各実施の形態において、画像処理装置で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
【0051】
上述した各実施の形態においては、画像処理装置は、スキャナ81及びプロッタ82を備えるとしたが、これに限らず、例えば、スキャナ81のみを備えるものであっても良いし、スキャナ81の他、プリンタ及びファクシミリ装置のうち少なくとも1つを備えるものであっても良い。
【0052】
上述した各実施の形態において、表面の画像データを転送する転送先のアドレスに第1一定値をオフセットしたアドレスを、裏面の画像データを転送する転送先のアドレスとした。しかし、これに限らず、各転送先のアドレスを、操作パネル80や外部装置を介して指定可能にしても良い。この場合、転送先のアドレスの変更に応じて、コントローラ部60のアドレス情報判定部100が、読み取り制御部55から画像データが表面の画像データか裏面の画像データかの判定も変更可能にする。このような構成によれば、任意のアドレス空間に画像データをマッピング可能となり、接続されたバス上のアドレスマッピングの自由度が向上し、画像処理装置全体の設計が容易になる。
【0053】
上述した各実施の形態において、入力画像処理部65が行なう画像処理は、画像データの圧縮であるとしたが、これに限らず、様々な画像処理であっても良い。
【0054】
上述した各実施の形態において、読み取り制御部55は、第1ラインバッファ90から画像データを読み出した後、第2ラインバッファ91から画像データを読み出すようにしたが、これに限らず、第2ラインバッファ91から画像データを読み出した後、第1ラインバッファ90から画像データを読み出すようにしても良い。
【符号の説明】
【0055】
50 エンジン部
51 エンジンCPU
52 ROM
53 RAM
54 NVRAM
55 読み取り制御部
56 出力制御部
57 通信I/F
60 コントローラ部
61 コントローラCPU
62 ROM
63 RAM
64 NVRAM
65 入力画像処理部
67 操作部I/F
68 HDD
69 HDDI/F
70 ネットワークI/F
71 出力画像処理部
72 通信I/F
80 操作パネル
81 スキャナ
82 プロッタ
90 第1ラインバッファ
91 第2ラインバッファ
92 ラインバッファ読み出し切り替え部
93 データ転送部
94 アドレス情報付加部
96 切り替え設定部
97 カウンタ
100 アドレス情報判定部
101 第1データ入力部
101a ラインバッファ
102 第2データ入力部
102a ラインバッファ
103 データ切り替え制御部
104 データ圧縮部
105 データ転送部
106 第1データ転送設定部
107 第2データ転送設定部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開平10−042105号公報
【特許文献2】特開2002−016771号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の表面の画像を読み取る第1センサと、
前記原稿の裏面の画像を読み取る第2センサと、
前記表面の画像を表す画像データ及び前記裏面の画像を表す画像データのそれぞれについて異なる転送先のアドレスを指定して、前記画像データを転送する読み取り制御手段と、
前記読み取り制御手段から転送された前記画像データについて、指定された前記アドレスを用いて、当該画像データが、前記表面の画像を表すものか前記裏面の画像を表すものかを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定の結果に応じて、前記表面の前記画像データ及び前記裏面の前記画像データのそれぞれに対して各々画像処理を行う画像処理手段とを備える
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記判定手段の判定の結果に応じて、前記表面の前記画像データを記憶する第1記憶手段と、
前記判定手段の判定の結果に応じて、前記裏面の前記画像データを記憶する第2記憶手段と、
前記第1記憶手段からの前記画像データの読み出しと、前記第2記憶手段からの前記画像データの読み出しと切り替える切り替え制御手段とを更に備え、
前記画像処理手段は、前記切り替え制御手段が前記第1記憶手段から読み出した前記画像データ及び前記第2記憶手段から読み出した前記画像データのそれぞれに対して前記画像処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理手段が前記画像処理を行った前記画像データを画像記憶手段に転送するデータ転送手段を更に備え、
前記切り替え制御手段は、前記第1記憶手段又は前記第2記憶手段のいずれから前記画像データを読み出したかに応じて、読み出した前記画像データが前記表面のものか裏面のものかを前記転送手段に通知し、
前記データ転送手段は、前記切り替え制御手段からの通知に応じて、前記画像処理手段が前記画像処理を行った前記画像データが前記表面のものである場合と前記裏面のものである場合とで前記異なる転送先のアドレスを設定して、前記画像データを画像記憶手段に転送する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記表面の前記画像データを前記画像記憶手段に転送する際の転送先のアドレスを設定する第1設定手段と、
前記裏面の前記画像データを前記画像記憶手段に転送する際の転送先のアドレスを設定する第2設定手段とを更に備え、
前記データ転送手段は、前記切り替え制御手段からの通知に応じて、前記画像処理手段が前記画像処理を行った前記画像データが前記表面のものか前記裏面のものかを判定し、前記画像データが前記表面のものであると判定した場合、前記第1設定手段が設定した前記アドレスを用いて、前記画像データを画像記憶手段に転送し、前記画像処理手段が前記画像処理を行った前記画像データが前記裏面のものであると判定した場合、前記第2設定手段が設定した前記アドレスを用いて、前記画像データを画像記憶手段に転送する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1センサが読み取った前記画像を表す画像データを1ライン分記憶する第1ラインバッファと、
前記第2センサが読み取った前記画像を表す画像データを1ライン分記憶する第2ラインバッファとを更に備え、
前記読み取り制御手段は、
前記第1ラインバッファ及び前記第2ラインバッファから前記画像データを読み出す手段であって、前記第1ラインバッファからの前記画像データの読み出しと、前記第2ラインバッファからの前記画像データの読み出しとを切り替える読み出し切り替え制御手段と、
前記切り替え制御手段が読み出した前記画像データが前記表面のものである場合と前記裏面のものである場合とで指定する転送先のアドレスを切り替えて、前記画像データを転送する転送手段とを有する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記読み取り制御手段は、前記表面の画像を表す画像データ及びの前記裏面の画像を表す画像データのそれぞれについて、前記転送先のアドレスを前記転送手段に通知するアドレス情報付加手段を更に有し、
前記読み出し切り替え制御手段は、前記画像データを前記第1ラインバッファ及び前記第2ラインバッファのいずれかから読み出したかに応じて、読み出した前記画像データが前記表面ものか前記裏面のものかを示す切り替え情報を前記アドレス情報付加手段に送り、
前記アドレス情報付加手段は、前記切り替え情報を用いて、前記表面の前記画像データが転送される場合と前記裏面の前記画像データが転送される場合とで転送先のアドレスを切り替えて、当該転送先のアドレスを前記転送手段に通知し、
前記転送手段は、前記アドレス情報付加手段から通知された前記転送先のアドレスを指定して、前記画像データを転送する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第1ラインバッファからの前記画像データの読み出しと、前記第2ラインバッファからの前記画像データの読み出しとを切り替えるためのライン数の設定値が予め定められており、
前記読み出し切り替え制御手段は、前記第1ラインバッファから読み出した前記画像データのライン数が前記設定値に達した場合、前記第2ラインバッファから前記画像データを読み出すことにより、前記第1ラインバッファからの前記画像データの読み出しと、前記第2ラインバッファからの前記画像データの読み出しとを切り替える
ることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記読み取り制御手段は、前記表面の画像及び前記裏面の画像のうち少なくとも一方に前記画像処理を行わない前記画像がある場合、当該画像を表す画像データについて、前記画像処理を行う対象の前記表面の画像を表す画像データ及び前記画像処理を行う対象の前記裏面の画像を表す画像データの各転送先のアドレスとは異なる転送先のアドレスを指定して、前記画像データを転送し、
前記判定手段は、前記制御手段から転送された前記画像データについて、指定された前記アドレスを用いて、当該画像データが、前記画像処理を行う対象の前記表面の画像を表すものか前記画像処理を行う対象の前記裏面の画像を表すものか前記画像処理を行わない前記画像を表すものかを判定し、
前記画像処理手段は、前記判定手段の判定の結果に応じて、前記画像処理を行う対象の前記表面の前記画像データ及び前記画像処理を行う対象の前記裏面の前記画像データのそれぞれに対して各々画像処理を行い、
前記データ転送手段は、前記画像処理手段が前記画像処理を行った前記画像データ及び前記画像処理を行わない前記画像データを前記画像記憶手段に転送する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記読み取り制御手段が指定する前記アドレスを設定する設定手段を更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
原稿の表面の画像を読み取る第1センサと、前記原稿の裏面の画像を読み取る第2センサと、読み取り制御手段と、判定手段と、画像処理手段とを備える画像処理装置で実行される画像処理方法であって、
前記読み取り制御手段が、前記表面の画像を表す画像データ及び前記裏面の画像を表す画像データのそれぞれについて異なる転送先のアドレスを指定して、前記画像データを転送する読み取り制御ステップと、
前記判定手段が、前記読み取り制御ステップで転送された前記画像データについて、指定された前記アドレスを用いて、当該画像データが、前記表面の画像を表すものか前記裏面の画像を表すものかを判定する判定ステップと、
前記画像処理手段が、前記判定ステップの判定の結果に応じて、前記表面の前記画像データ及び前記裏面の前記画像データのそれぞれに対して各々画像処理を行う画像処理ステップとを含む
ことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−170532(P2011−170532A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32610(P2010−32610)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】