説明

画像処理装置

【課題】 退避させた退避画像の捜索が容易で、退避画像の状態で参照画像に使用可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】 複数の異なる画像の作成を行う画像作成部3と、複数の画像を複数の画像表示エリアに表示する表示部5とを備え、画像数が画像表示エリア数よりも多い場合、優先順位条件に基づき前記画像を作成画像と退避用画像に選別し、前記画像表示エリアには作成画像表示エリアと退避エリアを設け、前記作成画像表示エリアに前記作成画像を表示し、前記退避エリアに前記退避用画像を所定のサイズに縮小した退避画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に係り、複数の画像を表示する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、X線CT(Conputed・Tomography)装置、MRI(Magnetic・Resonance・Imaging)装置、超音波診断装置などにおいては、これら画像診断装置により得られた画像データを、MPR(Multi・Planar・Reconstruction)画像や三次元画像などの画像に処理し、表示させるようになってきている。
【0003】
そして、MPR画像には、直交3断面としてアキシャル画像、コロナル画像、サジタル画像を表示する以外にも、オブリーク画像、ダブルオブリーク画像、曲面MPR画像など表示したい画像がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
一方、三次元画像においても、ボリュームレンダリング法、MIP(Maximum・Intensity・Projection)法、加算平均法など画像の種類は多種多様になってきており、それらの画像を限られた画面上に同時に表示することが困難になってきている。
【0005】
このような問題に対する解決策として、画面に収まりきらない画像を一旦退避させることが行われるがこの場合、退避させる画像の表示サイズを、例えば縦と横が夫々64ピクセルの小さく固定した退避画像にして画面の隅に格納するなどの方法が取られてきた。
【特許文献1】特開平10−124649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、格納した画像のままでは、診断のための参照画像として用いることはできず、格納した画像を表示エリアに移動させる必要があった。
【0007】
また、通常の表示エリアで見たい画像を探す場合、画面の隅に格納した退避画像或いは表示エリアへの重ね合わせにより下に隠れた画像の中から探す必要があり、操作者の視線移動やマウスの操作が発生し、時間を要すると共に操作者の疲労を招いていた。
【0008】
更に、格納した退避画像に対しては画像の操作を行うことができず、操作をするためには再度表示エリアに移動させる必要があった。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、退避させた退避画像の捜索が容易で、退避画像の状態で参照画像に使用可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に係る本発明の画像処理装置は、複数の異なる画像の作成を行うMPR画像作成手段と、前記MPR画像作成手段により作成された複数の画像の優先順位条件を設定するための表示条件設定手段と、前記複数の画像を複数の画像表示エリアに表示するMPR画像表示手段と、前記複数の画像数が前記複数の画像表示エリア数よりも多い場合、前記表示条件設定手段により設定された優先順位条件に基づき前記複数の画像を作成画像と退避用画像に選別する選別手段と、前記MPR画像作成手段には、前記複数の画像表示エリアに作成画像表示エリアと退避エリアを設け、前記作成画像表示エリアに前記作成画像を表示し、前記退避エリアに前記退避用画像を所定のサイズに縮小した退避画像を表示するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通常の表示エリアに退避エリアを設け、退避エリアに退避画像を表示させることにより、退避画像を参照画像として使用可能になり、必要になった退避画像を容易に探し出すことができる。
【0012】
また、退避エリアからも表示エリアと同様に、画像或いは退避画像の変更操作を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明による画像処理装置の実施例を図1乃至図14を参照して説明する。なお、本発明は、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置等の画像診断装置よって得られた画像データを、アキシャル画像、コロナル画像、サジタル画像等の断面画像を表すMPR画像に或いはボリュームレンダリング法、MIP法、加算平均法等により三次元画像に表示する画像処理装置に適用可能であるが、ここではX線CT装置により得られ三次元に再構成された画像データを基にMPR画像に表示する画像処理装置に適用した場合について説明する。
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0015】
図1は、本発明による画像処理装置の構成を示すブロック図である。この画像処理装置10は、X線CT装置20によって複数の断層像が収集され、三次元に再構成された画像データをインターフェース1を介して取り込み保存する外部画像データ記憶部2と、外部画像データ記憶部2に保存されている画像データを処理して様々な画像を作成する画像作成部3を備えている。
【0016】
また、画像処理装置10は、画像作成部3で作成された画像、退避画像、MPR画像を表示する表示部5と、画像作成及び表示に関する諸条件の選択や入力、各種コマンドの入力を行う操作部4と、画像処理装置10の上記各ユニットを統括して制御する制御部6を備えている。
【0017】
外部画像データ記憶部2は、X線CT装置20によって三次元に再構成された画像データを保存するためのものであり、磁気ディスクなどメモリデバイスを備えている。
【0018】
画像作成部3は、記憶回路と演算処理回路を備え、外部画像データ記憶部2に保存されている所望の画像データを、アキシャル画像、サジタル画像、コロナル画像、オブリーク画像、ダブルオブリーク画像、パノラマ画像、或いはクロスカット画像等の様々な画像の作成及び様々な画像が描画される画像表示エリアの作成、作成した画像を縮小した退避画像の作成、退避画像を表示する退避エリアの作成、画像を表示した画像表示エリア及び退避画像を表示した退避エリアを配置したMPR画像の作成等を行う機能を有している。
【0019】
操作部4は、キーボード、トラックボール、マウスなどの入力デバイスや表示部5の一部を利用しての表示パネル、更には各種スイッチ等を備えたインターラクティブなインターフェースであり、表示部5に表示させる被検体情報、MPR画像の各画像表示エリアに表示させる画像作成条件、更には各種コマンド等の入力を行う。
【0020】
表示部5は、画像作成部3で作成したMPR画像等の表示を行うためのものであり、液晶或いはCRTのモニタを備えている。
【0021】
制御部6は、図示しないCPUと記憶回路を備え、操作部4から供給される操作コマンド信号等を一旦記憶した後、これらの情報に基づいてインターフェース1、外部画像データ記憶部2、画像作成部3、及び表示部5の制御などシステム全体の制御を行う。
【0022】
次に、図2は、図1の表示部5のモニタの画面に表示させたMPR画像の構成を示した図である。表示部5の画面100は、MPR画像を表示するためのMPR画像表示エリア101と、MPR画像表示エリア101に表示させる画像の種類や画像作成条件の設定或いは変更などの操作を行うためのスイッチを有するMPRコントロールパネル102を備えている。
【0023】
MPR画像表示エリア101は、正方形を形成し、正方形の1辺に平行な横分割線115と縦分割線116が夫々の中央で直交し、横分割線115と縦分割線116により均等に4分割されたA画像表示エリア103、B画像表示エリア104、C画像表示エリア105、及びD画像表示エリア106を形成し、画像表示エリア毎に1つの画像が描画される。
【0024】
そして、MPR画像表示エリア101に表示した初期状態のMPR画像のA画像表示エリア103、B画像表示エリア104、及びC画像表示エリア105には、他の画像表示エリアに移動可能なコロナル画像、サジタル画像、及びアキシャル画像が描画される。
【0025】
また、初期状態のMPR画像のA画像表示エリア103、B画像表示エリア104、及びC画像表示エリア105には、コロナル画像、サジタル画像、アキシャル画像の画像作成条件を設定するためのC断面ABカーソル107、B断面ACカーソル108、A断面Bカーソル109、及びA断面Cカーソル110を非表示可能に設定できる。
【0026】
そして、A画像表示エリア103には、直交するC断面ABカーソル107及びB断面ACカーソル108をA画像表示エリア103内を横分割線115及び縦分割線116に対して並行移動可能に設定できる。
【0027】
また、B画像表示エリア104には、直交するC断面ABカーソル107とA断面Bカーソル109をB画像表示エリア104内を横分割線115及び縦分割線116に対して並行移動可能に設定できる。
【0028】
更に、C画像表示エリア105には、直交するA断面Cカーソル110及びB断面ACカーソル108をC画像表示エリア105内を横分割線115及び縦分割線116に対して並行移動可能に設定できる。
【0029】
そして、夫々の断面カーソルの移動操作は、図1の操作部4のマウス操作により画面100上に表示されたポインタを夫々の断面カーソル上に移し、そこで断面カーソルをドラッグし、移動させたい位置でリリースすることによって行われる。
【0030】
一方、MPRコントロールパネル102の画像作成のための操作によりMPR画像表示エリア101上に表示されるオブリーク断面カーソル、ダブルオブリーク断面カーソル、パノラマ断面カーソル、クロスカット断面カーソル等の移動可能な断面カーソルをMPR画像表示エリア101上の画像の所望の位置に設定表示することにより、新たにオブリーク画像、ダブルオブリーク画像、パノラマ画像、クロスカット画像等の画像を作成し表示できる。
【0031】
そして、上述の操作によってMPR画像表示エリア101上に作成された画像が追加されることで全ての画像をA画像表示エリア103乃至D画像表示エリア106に表示できなくなった場合、後述の表示条件設定ウインドウに設定された条件を基に2つに分けて、A画像表示エリア103乃至D画像表示エリア106を継続して使用する画像表示エリアと退避エリアとに区分する。2つに分けられたエリアの一方のエリアを退避エリアとし、他方のエリアを画像表示エリアと設定する。
【0032】
例えば、A画像表示エリア103を退避画像を表示する退避エリアとし、他のB画像表示エリア104乃至D画像表示エリア106を継続して使用する画像表示エリアとする。退避エリアに表示される画像については所定のサイズに縮小した退避画像を作成し、作成した退避画像を退避エリアに表示する機能を備えている。
【0033】
また、画像の縮小は、後述のMPRコントロールパネル102の退避画像サイズ設定スイッチの操作により設定できる。そして退避画像のサイズを1/2に設定した場合、退避エリア毎に数が2乃至4のいずれかの退避画像とすることができる。また、退避画像サイズの設定を1/3に設定した場合、退避画像の数が2乃至4のいずれかでは1つの退避エリアに1/2サイズに縮小した退避画像とし、退避画像の数が5乃至9のいずれかでは1つの退避エリアに1/3サイズに縮小した退避画像を表示することができる。
【0034】
以下、退避画像サイズを1/2に設定した場合について説明を行うが、退避画像サイズを1/3にしてもよい。
【0035】
MPRコントロールパネル102には、図示しないが図1の外部画像データ記憶部2に保存されている様々な画像データのリストを呼び出すための画像データリスト呼び出しスイッチ、初期状態のMPR画像の作成、初期状態のMPR画像の後に作成されるオブリーク画像、ダブルオブリーク画像、パノラマ画像、クロスカット画像等の画像作成及び夫々の画像の画像作成条件を設定するための断面カーソルを表示させるスイッチ、その他様々なMPR画像の画像作成条件の設定と選択を行う画像選択スイッチ、更には画面100に表示した画像を終了させるためのスイッチ等の表示条件設定スイッチが配置されている。
【0036】
次に、図3を用い、表示条件設定ウインドウについて説明する。表示条件設定ウインドウ170は、「優先度」の欄に優先番号を表示した優先度表示エリア171と、「表示条件」の欄に表示条件を設定するための画像設定エリア172と、画像設定エリア172に表示した表示条件を保存するための保存173のボタンを備えている。
【0037】
そして、表示条件設定ウインドウ170は、図2のMPRコントロールパネル102に設けた表示条件設定スイッチを押すことにより、MPR画像表示エリア101上にウインドウ表示される。
【0038】
優先度表示エリア171には、優先度1が最も優先順位が高く、以下順に、2、3の所定数の優先番号が表示されている。
【0039】
画像設定エリア172には、優先度表示エリア171の優先番号毎に表示条件を設定するための四角枠が配置され、その四角枠上へ操作部4のマウスポインタによる移動操作で、優先番号の選択と共に複数の表示条件の中から所望の表示条件を選択設定できる。そして、優先番号毎に設定された表示条件は、保存173ボタンを押すことにより、制御部6の記憶回路の表示条件設定エリアに保存される。
【0040】
表示条件設定ウインドウ170の表示条件に基づく画像の優先順位付けは、MPR画像表示エリア101で作成された画像総数が5以上になったときに新画像作成毎に機能し、MPR画像表示エリア101の夫々の画像表示エリアに表示された画像の他に、退避エリアが作成された場合は退避エリアに表示された退避画像をも含むすべての画像に対して、優先順位の高い順に3つの画像がMPR画像表示エリア101のA画像表示エリア103乃至D画像表示エリア106のいずれかに表示され、残りの画像が退避エリアに表示される。
【0041】
ところで、例えば優先度1での表示条件から所定の条件を選択しただけでは優先順位の高い3つの画像を選別できない場合には、優先度を順に下げながらそれぞれの優先度における表示条件に基づき所定の条件を選択して優先順位付けを行うことで、優先順位の高い3つの画像を選別できた時点で、優先順位付けが終了する。
【0042】
また、ある優先度の表示条件で同一優先順位に2つ以上の画像を選択した場合には、それらの画像の優先順位は無効になり、それらの画像及びまだ優先順位が付けられていない画像に対して、その優先度より1つ低い優先度における表示条件に基づき再度優先順位付けが行われる。
【0043】
ここで特定の優先度での表示条件において選択した画像或いは退避画像が、既に特定の優先度よりも上位の優先度の表示条件で優先順位付けさせていた場合には、前記特定の優先度での表示条件は無効になり、特定の優先度よりも下位の優先度における表示条件に基づき再度優先順位付けが行われる。
【0044】
次に、画像設定エリア172への表示条件の設定について説明する。優先度1での表示条件を、例えばMPR画像表示エリア101上で作成された最新の画像にするには、優先度表示エリア171の優先度1を選択し、画像設定エリア172で表示条件の中から「最新の画像」を選択設定する。
【0045】
そして、次に優先度2における表示条件を、例えば優先順位上位の画像の画像作成条件を設定するための基になる画像、即ち優先順位上位の画像の画像作成のための断面カーソルを設定する画像にするには、優先度2を選択してから画像設定エリア172で「上位の画像作成条件設定画像」を選択設定する。
【0046】
また、続いて優先度3における表示条件を、例えば最新の画像の1つ前に作成された画像にするには、画像設定エリア172の「最新の画像の前に作成された画像」を選択設定する。
【0047】
以下同様に、例えば優先度4では「パノラマ画像」、優先度5では「クロスカット画像」、優先度6では「ダブルオブリーク画像」、優先度7では「オブリーク画像」、優先度8では「アキシャル画像」、優先度9では「コロナル画像」等の表示条件内容をそれぞれ選択して設定する。
【0048】
以上のように表示条件設定ウインドウ170の表示条件に基づく画像の優先順位付けの機能を用いることにより、MPR画像表示エリア101上で新たに画像を作成した結果、画像が5つ以上になった場合でも、或いは既に退避画像がある状態で新たに画像作成した場合でも、表示条件設定ウインドウ170に設定された表示条件に基づき、作成した全ての画像及び退避画像に優先順位を付けることができる。
【0049】
図4は、MPR画像の初期状態を示した図である。初期状態のMPR画像120は、図1の表示部5におけるモニタの図示しないコントロールパネルの操作により画像データリストの中から所望の被検体の画像データを選択し、MPRコントロールパネル102の表示条件設定スイッチの中の画像選択スイッチでMPR画像を選択することにより表示される。
【0050】
初期状態のMPR画像120は、A画像表示エリア103に描画された被検体の顔面にほぼ並行な断面像のコロナル画像121と、B画像表示エリア104に表示された被検体の顔面にほぼ垂直な断面像のサジタル画像122と、C画像表示エリア105に表示された被検体の体軸に垂直な頭部断面像のアキシャル画像123からなる。
【0051】
A画像表示エリア103のコロナル画像121は、B画像表示エリア104のサジタル画像122上に直線で表示されたA断面Bカーソル109或いはC画像表示エリア105のアキシャル画像123上に直線で表示されたA断面Cカーソル110の位置における断面を示している。
【0052】
B画像表示エリア104のサジタル画像122は、A画像表示エリア103のコロナル画像121或いはC画像表示エリア105のアキシャル画像123上に直線で表示されたB断面ACカーソル108の位置における断面を示している。
【0053】
C画像表示エリア105のアキシャル画像123は、A画像表示エリア103のコロナル画像121或いはB画像表示エリア104のサジタル画像122上に直線で表示されたC断面ABカーソル107の位置における断面を示している。
【0054】
次に、図5乃至図8を用い、前記初期状態のMPR画像120を含んで更にMPR画像上に追加作成される様々な画像について順を追って説明する。
【0055】
まず、図5を用い、図4の初期状態のMPR画像120に更に追加作成するオブリーク画像について説明する。オブリーク画像表示MPR画像130は、初期状態のMPR画像120を表示した状態で、図2のMPRコントロールパネル102の操作により、D画像表示エリア106にオブリーク画像132が描画される。このとき、アキシャル画像123上にオブリーク画像132の画像作成条件を設定するためのオブリーク断面カーソル111が追加表示される。
【0056】
即ち、オブリーク画像132は、D画像表示エリア106に表示されるが、このオブリーク画像132は、C画像表示エリア105のアキシャル画像123上に表示されたオブリーク断面カーソル111の位置における断面を示している。
【0057】
オブリーク断面カーソル111は、MPRコントロールパネル102におけるオブリーク画像スイッチを押すことにより表示され、オブリーク断面カーソルをC画像表示エリア105のアキシャル画像123上の所望の角度に設定表示したものである。
【0058】
次に、図6を用い、図5のオブリーク画像表示MPR画像130上で、オブリーク画像の次に作成するダブルオブリーク画像及び退避画像について説明する。
【0059】
第1の退避画像表示MPR画像140は、オブリーク画像表示MPR画像130を表示した状態で、図2のMPRコントロールパネル102を操作することにより、ダブルオブリーク画像142及びダブルオブリーク断面カーソル141が表示されると共に、A退避エリア103aがオブリーク画像表示MPR画像130に追加表示される。
【0060】
即ち、第1の退避画像表示MPR画像140は、B画像表示エリア104に作成表示したダブルオブリーク画像142と、C画像表示エリア105に表示したオブリーク画像表示MPR画像130のアキシャル画像123と、D画像表示エリア106のオブリーク画像132に追加表示したダブルオブリーク断面カーソル141と、A退避エリア103aに退避させた退避コロナル画像と退避サジタル画像122aの2つの退避画像からなる。
【0061】
B画像表示エリア104に表示されるダブルオブリーク画像142は、D画像表示エリア106のオブリーク画像132上に表示されたダブルオブリーク断面カーソル141の位置における断面を示している。
【0062】
C画像表示エリア105には、アキシャル画像123、B断面ACカーソル108、A断面Cカーソル110、及びオブリーク断面カーソル111がそのまま表示される。
【0063】
D画像表示エリア106には、D画像表示エリア106におけるオブリーク画像132上にダブルオブリーク断面カーソル141が追加表示される。
【0064】
なお、オブリーク画像132上のダブルオブリーク断面カーソル141は、MPRコントロールパネル102のダブルオブリーク画像スイッチを押すことにより表示、非表示することが可能であり、表示されたダブルオブリーク断面カーソル141は、D画像表示エリア106内で角度調整及び移動も可能で、図示状態はオブリーク画像132上の所望の位置に設定したものである。
【0065】
一方、オブリーク画像表示MPR画像130のA画像表示エリア103の場所に設置したA退避エリア103aは、A退避エリア103aの中央に表示された退避エリア縦分割線145により分割されたA1退避エリアa143とA2退避エリアa144からなる。
【0066】
そして、A1退避エリアa143には、図5のA画像表示エリア103に表示されていたコロナル画像121、C断面ABカーソル107、及びB断面ACカーソル108に対応した1/2サイズのコロナル画像121、退避コロナル画像a121a、退避C断面ABカーソルa107a、及び退避B断面ACカーソルa108aが表示される。
【0067】
また、A2退避エリアa144には、図5のB画像表示エリア104に表示されていたサジタル画像122、C断面ABカーソル107、及びA断面Bカーソル109に対応したサジタル画像122の1/2サイズの退避サジタル画像a122a、退避C断面ABカーソルa107a、及び退避A断面Bカーソルa109aが表示される。
【0068】
次に、図5をも用いて、第1の退避画像表示MPR画像140の夫々の画像表示エリアに表示する画像の選別について説明する。ダブルオブリーク画像142の作成に際しては、画像の総数は5つになり、画像表示エリアの総数が4つであることから全ての画像を表示できないことになる。そこで、退避エリアを作成して一部の画像を退避画像とし、全ての画像及び退避画像を図2のMPR画像表示エリア101に表示させる必要がある。
【0069】
そのためには、5つの画像に対して優先順位付を行い、優先順位1乃至3の画像をA画像表示エリア103乃至D画像表示エリア106の任意の画像表示エリアに表示させ、優先順位4以下の2つの画像を1/2に縮小した退避画像にして新たに作成した退避エリアに表示させるようにしている。この実施例ではA画像表示エリア103を退避エリアとしている。
【0070】
優先順位付は、図3の表示条件設定ウインドウ170で設定した表示条件に基づき、図5のコロナル画像121、サジタル画像122、アキシャル画像123、及びオブリーク画像132と、新たに作成されたダブルオブリーク画像142の5つの画像に対して行われる。
【0071】
そして、優先順位付において最新の画像であるダブルオブリーク画像142を優先順位1とし、優先度2に該当するのはダブルオブリーク画像142の画像作成条件の設定に必要な画像即ち、オブリーク画像132が該当する。そして、このオブリーク画像132の画像作成条件の設定に必要な画像であるアキシャル画像123が優先順位3になるので、優先順位1乃至3の画像をB画像表示エリア104乃至D画像表示エリア106のいずれかに表示させるようにし、優先順位4以下のコロナル画像121とサジタル画像122を1/2に縮小してA退避エリア103aへ表示させる。
【0072】
ところで、第1の退避画像表示MPR画像140では、アキシャル画像123及びオブリーク画像132をオブリーク画像表示MPR画像130と同じC画像表示エリア105及びD画像表示エリア106に表示し、ダブルオブリーク画像142をB画像表示エリア104に表示させたが、夫々の画像における画像表示エリアは特定されるものではなく、他の画像表示エリアに表示させるようにしてもよい。
【0073】
また、同様にA画像表示エリア103をA退避エリア103aとしたが、例えば退避させるサジタル画像122が表示されていたオブリーク画像表示MPR画像130のB画像表示エリア104を退避エリアとして設定してもよい。
【0074】
更に、退避画像が2つになるA退避エリア103aにおいては、A退避エリア103aを退避エリア縦分割線145で均等になるように2分割して、退避コロナル画像a121aをA1退避エリアa143に、また退避サジタル画像a122aをA2退避エリアa144に表示したが、夫々の退避画像における退避エリアはこれに限定されるものではない。
【0075】
以上説明したA1退避エリアa143、A2退避エリアa144においても、画像表示エリアと同じレイアウトで退避画像と退避断面カーソルを表示し、夫々の退避エリアからも画像表示エリアと同様、退避断面カーソルの移動によるオブリーク画像132、アキシャル画像123等、或いは退避コロナル画像a121aと退避サジタル画像a122aの断面の変更操作を行うことができる。
【0076】
次に、図7を用い、図6の第1の退避画像表示MPR画像140上に、ダブルオブリーク画像142の次にパノラマ画像を作成表示すると共に、その時の退避画像の表示について説明する。
【0077】
第2の退避画像表示MPR画像150は、第1の退避画像表示MPR画像140を表示した状態で、図2のMPRコントロールパネル102を操作することにより、パノラマ画像153及びパノラマ断面カーソル151が、D退避エリア106bと共に第1の退避画像表示エリアMPR画像140上に追加表示される。
【0078】
第2の退避画像表示MPR画像150は、A画像表示エリア103に作成したパノラマ画像153を表示させ、B画像表示エリア104にダブルオブリーク画像142を、C画像表示エリア105にアキシャル画像123に追加表示したパノラマ断面カーソル151を、更にD退避エリア106bに3つの退避画像を退避させている。
【0079】
A画像表示エリア103のパノラマ画像153は、C画像表示エリア105のアキシャル画像123上に曲線で表示されたパノラマ断面カーソル151の位置における断面を示している。
【0080】
B画像表示エリア104には、第1の退避画像表示MPR画像140のB画像表示エリア104におけるダブルオブリーク画像142がそのまま表示される。
【0081】
そして、画像表示エリア105のアキシャル画像123上のパノラマ断面カーソル151は、MPRコントロールパネル102のパノラマ画像スイッチを押し、パノラマ断面カーソルの表示エリアをC画像表示エリア105に選定することにより表示される。C画像表示エリア105内に曲げ及び曲線長さを調整自在に表示されたパノラマ断面カーソル151を、アキシャル画像123上の所望の位置に設定表示したものである。
【0082】
D退避エリア106bは、第1の退避画像表示MPR画像140のD画像表示エリア106と同一エリアで、D退避エリア106bの中央には、第2の退避画像表示MPR画像150に表示した横分割線115と並行に表示された退避エリア横分割線155、縦分割線116に並行に表示された退避エリア縦分割線145によりD1退避エリアb156、D2退避エリアb157、D3退避エリアb158、及びD4退避エリアb159の4つに分割されている。
【0083】
そして、D1退避エリアb156には、図6のA1退避エリアa143に表示されていた退避コロナル画像a121aに対応した退避コロナル画像a121aと同一サイズの退避コロナル画像b121bが表示され、この退避コロナル画像b121bには退避C断面ABカーソルb107b、及び退避B断面ACカーソルb108bも表示される。
【0084】
また、D2退避エリアb144には、図6のA2退避エリアa144に表示されていた退避サジタル画像a122aに対応した退避サジタル画像a122aと同一サイズの退避サジタル画像b122bが表示されると共に、退避C断面ABカーソルb107b、及び退避A断面Bカーソルb109bが表示される。
【0085】
D3退避エリアb158には何も表示されず、D4退避エリアb159には、図6のD画像表示エリア106に表示されていたオブリーク画像132に対応したオブリーク画像132の1/2サイズの退避オブリーク画像b132bと退避ダブルオブリーク断面カーソルb141bが表示される。
【0086】
次に、図3及び図6をも用い、第2の退避画像表示MPR画像150の夫々の画像表示エリアに設置する画像の選別について説明する。パノラマ画像153の作成に際し、画像と退避画像の総数はパノラマ画像153を合わせて6つになるので、退避エリアを作成して一部の画像或いは退避画像を退避させ、全ての画像及び退避画像を図2のMPR画像表示エリア101に表示させる必要がある。
【0087】
そのためには、6つの画像及び退避画像に対して優先順位を決めるための優先順位付を行い、優先順位1乃至3の画像をA画像表示エリア103乃至D画像表示エリア106の任意の画像表示エリアに設置し、優先順位4以下の3つの画像を1/2に縮小した退避画像にして退避エリアに設置する。
【0088】
優先順位付は、図3の表示条件設定ウインドウ170へ設定した表示条件に基づき、図6の退避コロナル画像a121a、退避サジタル画像a122a、アキシャル画像123、オブリーク画像132、及びダブルオブリーク画像142と、新たに作成されたパノラマ画像153の6つの退避画像或いは画像に対して行われる。
【0089】
そして、優先順位付をするための優先度1に該当するのは最新の画像であるパノラマ画像153のみなのでパノラマ画像153を優先順位1とし、次にパノラマ画像153の画像作成条件の設定に必要なアキシャル画像123が優先順位2となる。優先順位3はアキシャル画像123の画像作成条件の設定に必要な退避コロナル画像a121a及び退避サジタル画像a122aの2つが同順位になるので、更にこの2つの退避画像とオブリーク画像132、及びダブルオブリーク画像142を加えて優先度3の表示条件に基づき優先順位付けを行う。
【0090】
その結果、優先度3に該当する最新の画像の前に作成された画像は、パノラマ画像153の前に作成されたダブルオブリーク画像142となり、これが優先順位3に該当する。従って、優先順位1乃至3のパノラマ画像153、アキシャル画像123、及びダブルオブリーク画像142をA画像表示エリア103乃至D画像表示エリア106のいずれか、図7においてはA画像表示エリア103乃至C画像表示エリア105に表示、優先順位4以下の退避コロナル画像a121a、退避サジタル画像a122a、及びオブリーク画像132をD画像表示エリア106に対応するD退避エリア106bに表示する。
【0091】
ところで、第2の退避画像表示MPR画像150には、ダブルオブリーク画像142及びアキシャル画像123を第1の退避画像MPR表示画像140と同じB画像表示エリア104及びC画像表示エリア105へ表示し、パノラマ画像153をA画像表示エリア103へ表示させたが、夫々の画像における画像表示エリアは特に限定されるものではない。
【0092】
なお、第2の退避画像表示MPR画像150においては、D画像表示エリア106をD退避エリア106bとしたが、図6に示したA画像表示エリア103や、他の画像表示エリアを退避エリアとしてもよい。また、4分割したD退避エリア106bのD1退避エリアb156、D2退避エリアb157、及びD4退避エリアb159においても、画像表示エリアと同じレイアウトで断面カーソルを表示し、夫々の退避エリアからも画像表示エリアと同様、断面カーソルの移動による画像或いは退避画像の断面の変更操作を行うことができる。
【0093】
次に、図8を用い、図7の第2の退避画像表示MPR画像150上で、パノラマ画像153の次にクロスカット画像を作成する場合について説明する。
【0094】
図8に示した第3の退避画像表示MPR画像180は、第2の退避画像表示MPR画像150を表示した状態で、図2のMPRコントロールパネル102を操作することにより、所定のエリアにまた所定の画像にクロスカット画像、クロスカット断面カーソル追加表示される。
【0095】
即ち、第3の退避画像表示MPR画像160のA画像表示エリア103に表示されたパノラマ画像153にはAクロスカット断面カーソル160が追加表示され、B画像表示エリア104に作成表示したダブルオブリーク画像142がD退避エリア106bに退避され、B画像表示エリア104にはクロスカット画像154が表示される。C画像表示エリア105に表示されているアキシャル画像123にはCクロスカット断面カーソル152が追加表示され、D退避エリア106bには新たに退避させたダブルオブリーク画像123を含めた4つの退避画像が表示される。
【0096】
A画像表示エリア103のパノラマ画像153上には、Aクロスカット断面カーソル160が追加表示される。
【0097】
このAクロスカット断面カーソル160は、MPRコントロールパネル102のクロスカット画像表示スイッチを押すことによりクロスカット断面カーソル152と共に表示され、クロスカット断面カーソル152の設定に従属してA画像表示エリア103内に縦分割線116に平行且つ移動可能にパノラマ画像153上に表示される。
【0098】
B画像表示エリア104のクロスカット画像154は、A画像表示エリア103のパノラマ画像153及び画像表示エリアCのアキシャル画像123上に夫々直線で表示されたAクロスカット断面カーソル160及びCクロスカット断面カーソル152の位置における断面を示している。
【0099】
ここで、Cクロスカット断面カーソル152は、パノラマ断面カーソル151に直交し、直線の長さを調整自在に表示され、パノラマ断面カーソル151上の所望の位置に設定表示している。
【0100】
D退避エリア106bは、第2の退避画像表示MPR画像150の退避エリアと同じ構成で、D1退避エリアb156及びD2退避エリアb157には図7の退避エリアの退避画像と断面カーソルがそのまま表示される。
【0101】
また、D退避エリア106bのD3退避エリアb158には図7のD4退避エリアb159と同じ退避オブリーク画像b132b及び退避ダブルオブリーク断面カーソルb141bが表示され、更にD4退避エリアb159には図7のB画像表示エリア104のダブルオブリーク画像142に対応したダブルオブリーク画像142の1/2サイズの退避ダブルオブリーク画像b142bが表示される。
【0102】
次に、図7をも用い、第3の退避画像表示MPR画像180の夫々の画像表示エリアに表示する画像の選別について説明する。クロスカット画像154の作成に際し、画像と退避画像の総数は7つになる。そのためには、7つの退避画像を含む画像に対して優先順位付を行い、優先順位1乃至3の画像をA画像表示エリア103乃至D画像表示エリア106の任意の画像表示エリアに表示し、優先順位4以下の3つの画像を1/2に縮小して退避画像とし、退避エリアに表示することになる。
【0103】
優先順位付は、図3の表示条件設定ウインドウ170へ設定した表示条件に基づき、退避コロナル画像b121b、退避サジタル画像b122b、退避オブリーク画像b132b、ダブルオブリーク画像142、アキシャル画像123、及びパノラマ画像153と、新たに作成されたクロスカット画像154の7つの画像に対して行われる。
【0104】
そして、優先順位付をするための優先度1に該当するのは最新の画像であるクロスカット画像154のみであることからクロスカット画像154を優先順位1とし、次に優先度2はクロスカット画像154の画像作成条件の設定に必要なアキシャル画像123とパノラマ画像153であるが、パノラマ画像153に追加表示されたAクロスカット断面カーソルA160はアキシャル画像123上に設定表示されたCクロスカット断面カーソル152に従属するので、この場合はアキシャル画像123が優先順位2になり、パノラマ画像153が優先順位3になる。
【0105】
従って、優先順位1乃至3のクロスカット画像154、アキシャル画像123、及びパノラマ画像153をA画像表示エリア103乃至D画像表示エリア106の内の3つの画像表示エリアに表示させ、優先順位4以下の退避コロナル画像b121b、退避サジタル画像b122b、退避オブリーク画像b132b、及びダブルオブリーク画像142を残りの1つの画像表示エリアである退避エリアへ表示させることになる。
【0106】
第3の退避画像表示MPR画像180では、パノラマ画像153及びアキシャル画像123をA画像表示エリア103及びC画像表示エリア105に表示させ、クロスカット画像154をダブルオブリーク画像142を退避させたB画像表示エリア104に表示したが、夫々の画像における画像表示エリアはこれに限定されるものではない。
【0107】
また、退避させたダブルオブリーク画像142を退避ダブルオブリーク画像b142bとして表示させている。
【0108】
そして、D退避エリア106bに退避させたコロナル画像b121b、退避サジタル画像b122b、及び退避オブリーク画像b132bの表示位置もD退避エリア106b内で種々変更できる。
【0109】
D退避エリア106bのD1退避エリアb156、D2退避エリアb157、D3退避エリアb158、及びD4退避エリアbの退避画像においても、断面カーソルが表示され、夫々の退避エリアからも画像表示エリアと同様、断面カーソルの移動による画像或いは退避画像の断面の変更操作を行うことができる。
【0110】
次に、図9乃至図14を用い、図6の第1の退避画像表示MPR画像140を起点とし、MPR画像上で操作可能な様々な機能について説明する。
【0111】
図9の退避画像入替MPR画像190は、図6の第1の退避画像表示MPR画像140における退避サジタル画像a122aとアキシャル画像123の入替えを行った図である。
【0112】
図6のA2退避エリアa144の退避サジタル画像a122aを画像表示エリアに表示する必要が生じた場合、画像表示エリアに表示されている画像の中から必要性の少ない画像を選択し、この画像と退避サジタル画像a122aを入替えて、退避サジタル画像a122aをC画像表示エリア105へ移動するものである。
【0113】
画像の入替操作は、例えば図6においてアキシャル画像123が不要になった場合、操作部4のマウスの操作によりポインタを図6の退避サジタル画像a122aが表示されているA2退避エリアa144上に移し、そこで退避サジタル画像a122aをドラッグし、C画像表示エリア105でリリースすることによって、退避サジタル画像a122aとアキシャル画像123を入替えることができる。
【0114】
退避画像入替MPR画像190のC画像表示エリア105には、図6の退避サジタル画像a122aを拡大したサジタル画像122が、対応したカーソルとともに表示される。また、退避画像入替MPR画像190のA2退避エリアa144には、図6のアキシャル画像123を縮小したサイズの退避アキシャル画像a123aが、対応したカーソルと共に表示される。
【0115】
以上のように、必要になった退避画像を容易に探し出すことができ、簡単な操作で不要になった画像と入替えることにより、退避画像を縮小前の元のサイズに戻して表示し、不要になった画像を縮小して退避エリアへ移動することができる。
【0116】
図10の退避画像拡大表示MPR画像200は、図6に示した第1の退避画像表示MPR画像140における退避サジタル画像a122aを退避前の元のサイズに戻した図である。
【0117】
退避サジタル画像a122aを画像表示エリアに表示する必要が生じた場合で且つその時点で画像表示エリアに表示されている画像の中に不要な画像はないが退避コロナル画像a121aを必要としないような場合、退避サジタル画像a122aを元のサイズに戻すことができる。
【0118】
退避画像の拡大操作は、例えば退避サジタル画像a122aが表示されているA2退避エリア144に、操作部4のマウスの操作で退避画像拡大表示MPR画像200上へポインタを移し、その後操作部4のマウスをダブルクリックすることによって、退避画像拡大表示MPR画像200のA画像表示エリア103にサジタル画像122を表示できる。
【0119】
このとき、退避画像拡大表示MPR画像200のサジタル画像122には、退避C断面ABカーソル107a、及び退避A断面Bカーソル109aに対応したC断面Aカーソル107、及びA断面Bカーソル109を含むA画像表示エリア103が表示されると共に、A画像表示エリア103の下に格納マーク201が表示される。
【0120】
そしてこの格納マーク201の表示により、サジタル画像122の下に退避コロナル画像a121aが格納されていることが分かるようになっている。
【0121】
以上のように、必要になった退避画像を容易に探し出すことができ、簡単な操作で退避エリア上に、退避画像を縮小前の元のサイズに戻して表示することができる。
【0122】
図11の画像退避MPR画像210は、図10の退避画像拡大表示MPR画像200のC表示画像エリア105に表示されたアキシャル画像123を退避エリアに退避させた図である。
【0123】
アキシャル画像123が不要になった場合、アキシャル画像123を退避させることができる。
【0124】
画像の退避操作は、アキシャル画像123が表示されているC画像表示エリア105に、操作部4のマウスの操作によりポインタをC画像表示エリア105へ移し、その後操作部4のマウスをダブルクリックすることによって、画像退避MPR画像210が表示される。これによりC画像表示エリア105はC退避エリア105cとなる。
【0125】
そして、画像退避MPR画像210にはC退避エリア105aが表示されて、このC退避エリア105aは退避エリア縦分割線145によって分割されたC1退避エリアa211とC2退避エリアa212から形成される。
【0126】
C2退避エリアa212には、退避画像拡大表示MPR画像200で表示されていたアキシャル画像123を縮小した退避アキシャル画像a123aの他、対応したカーソルが表示される。
【0127】
更に、C1退避エリアa211には、退避アキシャル画像a123aの表示に同期して、図10の退避画像拡大表示MPR画像200のA画像表示エリア103の下に格納されていた退避コロナル画像a121aが対応するカーソルと共に表示される。
【0128】
図12のA断面Cカーソル移動後MPR画像220は、図6に示した第1の退避画像表示MPR画像140におけるC画像表示エリア105のアキシャル画像123上に表示したA断面Cカーソル110を移動後A断面Cカーソル221に移動させた図である。
【0129】
図6のA1退避エリアa143に表示された退避コロナル画像a121aを変更する必要が生じた場合、C画像表示エリア105のA断面Cカーソル110を上方へ移動し、移動後A断面Cカーソル221に設定することにより、図6の退避コロナル画像a121aを図12に示す断面カーソル移動後退避コロナル画像203に変更することができる。
【0130】
また、図6の退避A断面Bカーソル109aを左方へ移動して図12のように、移動後退避A断面Bカーソル222の位置に設定表示することによっても、退避コロナル画像a121aを断面カーソル移動後退避コロナル画像203に変更することが可能で、また退避A断面Bカーソル109aの移動と共にA断面Cカーソル110も上方に移動し図12の移動後A断面Cカーソル221の位置へ平行移動する。
【0131】
図13のC断面Aカーソル移動後MPR画像230は、図12のA断面Cカーソル移動後MPR画像220における退避C断面ABカーソルa107aを移動させた図である。
【0132】
A断面Cカーソル移動後MPR画像220のC画像表示エリア105に表示されたアキシャル画像123を変更する必要が生じた場合、A退避エリア103aに表示されている退避C断面ABカーソルa107aを下方へ移動し、移動後退避C断面ABカーソル231の位置に設定表示することにより、図13で示した断面カーソル移動後アキシャル画像232に表示を変更することができる。
【0133】
図14は、図6の第1の退避画像表示MPR画像140をハイライト表示したハイライト表示MPR画像240を示した図である。
【0134】
この場合、操作部4のマウス操作によりポインタを図6のアキシャル画像123が表示されたC画像表示エリア105上へ移動することにより、アキシャル画像123の画像作成条件か設定表示されたA1退避エリアa143及びA2退避エリアa144が、C画像表示エリア105とともに、例えば各エリアの四角枠を太線等で強調したハイライト表示241として表示される。
【0135】
このように、多くの画像或いは退避画像の中から関連する画像或いは退避画像を容易に見つけ出すことができる。
【0136】
以上述べた本発明の実施例によれば、MPR画像の夫々の画像表示エリアに表示及び作成した様々な多くの画像の全ての画像を、画像表示エリアにできなくなった場合、優先順位の高い画像を選別し、また複数の画像表示エリアの少なくとも1つに退避エリアを設け、優先順位の高い画像を画像表示エリアへ表示し、優先順位の低い画像を縮小して退避エリアに表示することにより、退避画像を参照画像として使用可能になり、必要になった退避画像を容易に探し出すことができる。
【0137】
また、退避エリアからも画像表示エリアと同様に、画像或いは退避画像の変更操作を容易に行うことができる。
【0138】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば画像表示エリアを追加して5つ以上で行うようにしても、また作成する画像の種類が更に多い場合には複数の退避エリアを設置して実施するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の実施例に係る画像処理装置の構成を示したブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る表示部の画面の構成を示した図。
【図3】本発明の実施例に係る表示条件設定ウインドウを示した図。
【図4】本発明の実施例に係る初期状態のMPR画像を示した図。
【図5】本発明の実施例に係るオブリーク画像表示MPR画像を示した図。
【図6】本発明の実施例に係る第1の退避画像表示MPR画像を示した図。
【図7】本発明の実施例に係る第2の退避画像表示MPR画像を示した図。
【図8】本発明の実施例に係る第3の退避画像表示MPR画像を示した図。
【図9】本発明の実施例に係る退避画像入替MPR画像を示した図。
【図10】本発明の実施例に係る退避画像拡大表示MPR画像を示した図。
【図11】本発明の実施例に係る画像退避MPR画像を示した図。
【図12】本発明の実施例に係るA断面Cカーソル移動後MPR画像を示した図。
【図13】本発明の実施例に係るC断面Aカーソル移動後MPR画像を示した図。
【図14】本発明の実施例に係るハイライト表示MPR画像を示した図。
【符号の説明】
【0140】
1 インターフェース
2 外部画像データ記憶部
3 画像作成部
4 操作部
5 表示部
6 制御部
10 画像処理装置
101 MPR画像表示エリア
103a A退避エリア
104 B画像表示エリア
105 C画像表示エリア
106 D画像表示エリア
107a 退避C断面ABカーソルa
108 B断面ACカーソル
108a 退避B断面ACカーソルa
109a 退避A断面Bカーソルa
110 A断面Cカーソル
111 オブリーク断面カーソル
121a 退避コロナル画像a
122a 退避サジタル画像a
123 アキシャル画像
132 オブリーク画像
140 第1の退避画像表示MPR画像
141 ダブルオブリーク断面カーソル
142 ダブルオブリーク画像
143 A1退避エリアa
144 A2退避エリアa
170 表示条件設定ウインドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる画像の作成を行うMPR画像作成手段と、
前記MPR画像作成手段により作成された複数の画像の優先順位条件を設定するための表示条件設定手段と、
前記複数の画像を複数の画像表示エリアに表示するMPR画像表示手段と、
前記複数の画像数が前記複数の画像表示エリア数よりも多い場合、前記表示条件設定手段により設定された優先順位条件に基づき前記複数の画像を作成画像と退避用画像に選別する選別手段と、
前記MPR画像作成手段には、前記複数の画像表示エリアに作成画像表示エリアと退避エリアを設け、前記作成画像表示エリアに前記作成画像を表示し、前記退避エリアに前記退避用画像を所定のサイズに縮小した退避画像を表示するように制御する制御手段とを
備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記退避エリアには複数の分割した分割退避エリアを設け、前記退避画像を前記分割退避エリアに表示し、前記作成画像表示エリアの前記作成画像と前記分割退避エリアの前記退避画像の内、少なくとも第1の作成画像表示エリアの第1の作成画像と分割退避エリアの退避画像については、前記退避画像に表示させた画像作成条件に基づいて前記MPR画像作成手段が前記第1の作成画像を作成または変更を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記MPR画像作成手段は、前記複数の画像表示エリア及び前記複数の画像の内、少なくとも第1の画像表示エリアに表示された前記第1の画像と第2の画像表示エリアに表示された第2の画像について、前記第1の画像に対して設定した画像作成条件に基づき前記第2の画像の作成または変更を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記MPR画像作成手段は、前記作成画像表示エリアに表示した前記作成画像と前記分割退避エリアに表示した前記退避画像の内、少なくとも第1の作成画像表示エリアに表示した第1の作成画像と第2の退避エリアに表示した第2の退避画像について、前記第1の作成画像に対して設定した画像作成条件に基づき前記第2の退避画像の作成または変更を行うようにしたことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記MPR画像作成手段は、前記分割退避エリアに表示した前記退避画像の内、少なくとも第1の分割退避エリアに表示した第1の退避画像と第2の分割退避エリアに表示した第2の退避画像について、前記第1の退避画像に対して設定した画像作成条件に基づき前記第2の退避画像の作成または変更を行うようにしたことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記MPR画像表示手段には、前記第2の退避画像及び前記第2の退避画像の画像作成条件が設定された前記第1の作成画像が設置されている前記第2の分割退避エリア及び前記第1の作成画像表示エリアをハイライト表示するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記MPR画像作成手段は、前記退避画像を前記第1の作成画像表示エリアへ移動させることにより、前記退避画像を前記第1の作成画像表示エリアで縮小前の画像に復帰させると共に、前記第1の作成画像を前記退避エリアで前記所定のサイズに縮小するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−43167(P2006−43167A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−228920(P2004−228920)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】