説明

画像処理装置

【課題】パフォーマンスの低下を抑え、機密情報の漏洩があった場合に漏洩元を容易に追跡・特定可能とする。
【解決手段】ジョブログ生成・蓄積部250は、ジョブを受け付けると、ジョブログ(開始)を生成して、ジョブログ管理サーバ4に送信する。ログイメージ作成部251は、ジョブを出力するまでの実時間内、または予測時間内で、ジョブで扱われる画像から一部のログイメージを生成し、ジョブログ管理サーバ4に送信する。そして、ジョブの出力が完了すると、ジョブログ生成・蓄積部250は、ジョブログ(完了)を生成してジョブログ管理サーバ4に送信し、ログイメージ作成部251は、ジョブで扱われる画像から残りのログイメージを生成し、ジョブログ管理サーバ4に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー、プリント、スキャン、ファックス等のジョブで扱った画像からログイメージを作成して外部装置に転送する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LAN(ローカルエリアネットワーク)に複数のクライアントとプリンタが接続され、複数のユーザがプリンタを共有可能な印刷システムが一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この印刷システムでは、クライアントで印刷すべき文書の印刷データを生成し、これをネットワーク上で共有されるプリンタに送信して印刷することができる。プリンタで印刷が実行されると、その印刷ジョブのジョブログがプリンタに蓄積される。ジョブログは、例えば、ジョブID、ジョブの種類、ジョブ受付時刻、ジョブ終了時刻、ジョブステータス(ジョブの状態)等からなる。
【特許文献1】特開2004−192273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、パフォーマンスの低下を抑えることができ、機密情報の漏洩があった場合に漏洩元を容易に追跡・特定することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による画像処理装置は、ジョブを実行する実行手段と、前記ジョブのジョブログを生成するジョブログ生成手段と、前記ジョブで扱われた画像からログイメージを生成するログイメージ生成手段と、前記実行手段によるジョブの実行開始までに、前記ジョブログ生成手段により生成されたジョブログの一部と、前記ログイメージ生成手段により生成されたログイメージの一部とを、ネットワークを介して外部のサーバに転送する転送手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2は、請求項1記載の画像処理装置において、前記ログイメージ生成手段は、前記実行手段によるジョブの実行開始までに、ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを生成するとともに、前記実行手段によるジョブの実行完了後、ジョブで扱われた画像から残りのログイメージを生成し、前記転送手段は、前記実行手段によるジョブの実行開始までに、前記ログイメージ生成手段により生成された一部のログイメージを前記外部のサーバに転送し、前記実行手段によるジョブの実行完了後、前記ログイメージ生成手段により生成された残りのログイメージを、前記ネットワークを介して外部のサーバに転送することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3は、請求項2記載の画像処理装置において、前記ログイメージ生成手段は、前記ジョブが印刷である場合、最初の印刷開始までに、ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを生成することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4は、請求項2記載の画像処理装置において、前記ログイメージ生成手段は、前記ジョブがスキャンである場合、スキャンの完了までに、ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを生成することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5は、請求項2記載の画像処理装置において、前記ログイメージ生成手段は、前記ジョブがファックス送信である場合、ファックス通信の開始までに、ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを生成することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6は、請求項2ないし5のいずれかに記載の画像処理装置において、前記実行手段によるジョブの実行開始までの時間を予測する予測手段を具備し、前記ログイメージ生成手段は、前記予測手段によって予測された時間に基づいて、前記ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを生成することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7は、請求項6記載の画像処理装置において、前記ネットワークの転送能力を測定する転送能力計測手段を具備し、前記ログイメージ生成手段は、前記実行手段によるジョブの実行開始までの時間に加えて、前記転送能力計測手段によって計測された前記ネットワークの転送能力に基づいて、前記ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、実行手段によるジョブの実行開始までに、転送手段により、ジョブログ生成手段により生成されたジョブログの一部と、ログイメージ生成手段により生成されたログイメージの一部とを、ネットワークを介して外部のサーバに転送するようにしたので、パフォーマンスの低下を抑えることができ、機密情報の漏洩があった場合に漏洩元を容易に追跡・特定することができるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
A.第1実施形態
A−1.第1実施形態の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。画像処理システム1は、ジョブを実行してジョブログを生成するとともに、ジョブで扱った画像からログイメージを作成して外部装置に転送するイメージログ機能を有する複数の画像処理装置としての複合機2と、各複合機2からネットワーク3を介して転送されたジョブログおよびログイメージを格納するジョブログ管理サーバ4とを備える。ネットワーク3には、1つ、または複数のパーソナルコンピュータ(PC)等からなるユーザ端末(図示せず)が接続可能である。
【0014】
この画像処理システムで処理されるイメージログ機能には、複合機において上述したジョブログとログイメージとを生成し、それらをジョブログ管理サーバ4に転送する機能の他に、ログイメージをジョブログに関連付けて複合機2が蓄積する機能、ジョブログおよびログイメージを互いに関連付けてジョブログ管理サーバ4が蓄積する機能を含む。
【0015】
図2は、本実施形態におる複合機2の構成を示すブロック図である。この複合機2は、CPU,ROM,RAM等を備え、制御部20、操作表示部21、画像読取部22、印刷部23、記憶装置24、ジョブ管理部25、ネットワーク通信部26、ファクリミリ通信部27を備えている。制御部20は、本複合機2の各部を制御する。操作表示部21は、ディスプレイの表面にタッチパネルを重畳して構成されたタッチパネルディスプレイや、スタートキー等のハードキーを備えている。
【0016】
画像読取部22は、原稿から画像を光学的に読み取る。印刷部23は、電子写真方式等により画像を用紙に印刷する。記憶装置24は、設定画面、設定情報、画像等の各種の情報を記憶するHDD等からなる。ジョブ管理部25は、ジョブを受け付けてジョブIDを発行するとともにジョブ実行後にジョブログ等を生成する。
【0017】
ネットワーク通信部26は、ネットワーク3に接続され、ネットワーク3上の機器とデータ通信を行う。ファクリミリ通信部27は、電話回線網等に接続され、他のファクシミリ装置との間でファクシミリを送受信する。バス28は、上述した各部を互いに接続している。
【0018】
複合機2は、コピー(複写)、プリント、スキャン、ファックス、電子メール等の複数の機能を有する。ジョブは、これらの複数の機能のうち1つまたは複数の機能を利用して画像を処理する。ジョブは、操作表示部21で受け付けるが、ネットワーク3に接続されたPC等からなる図示しないユーザ端末から受け付けてもよい。
【0019】
制御部20のROMや記憶装置24には、ジョブ実行プログラム、後述する図4のフローチャートに示すような画像処理プログラム等の各種のプログラムが記憶されており、制御部20のCPUは、ROMや記憶装置24に記憶されているプログラムに従って複合機2の各部を制御する。
【0020】
ジョブ管理部25は、ジョブログ生成・蓄積部250と、ログイメージ作成部251とを備えている。ジョブログ生成・蓄積部250は、ジョブ受付時にジョブログ(開始)を生成するとともに、ジョブ完了後にジョブログ(完了)を生成して蓄積する。また、ログイメージ作成部251は、ジョブの出力が準備できるまでの実時間内に、ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを作成するとともに、ジョブの出力完了後、ジョブで扱われた画像から残りのログイメージを作成する。ジョブ管理部25は、制御部20のCPUの制御の下に動作し、ログイメージ作成部251によって作成されたログイメージを複合機IDおよびジョブIDとともに記憶装置24に蓄積する。
【0021】
ジョブログは、例えば、複合機ID、ジョブID、ジョブの種類、ユーザ名、ジョブ受付時刻、ジョブ終了時刻、ジョブの待機中・処理中・中止・完了等のステータス情報等からなる。
【0022】
ログイメージ作成部251は、ジョブで扱われた画像に対して、記憶装置24に記憶されているログイメージ作成方法に従った処理を施し、ログイメージを作成する。ログイメージ作成方法には、例えば、画像の解像度を低下させる方法や、ログイメージとするページを選択する方法等がある。
【0023】
記憶装置24には、上記ログイメージの他に、管理者により設定されたイメージログ機能設定情報、ログイメージ作成方法、ログイメージ転送タイミング情報等も記憶される。
【0024】
図3は、ジョブログ管理サーバ4の構成を示すブロック図である。このジョブログ管理サーバ4は、ネットワーク3に接続された通信部40と、CPU、ROM、RAM等を備え、本サーバ4の各部を制御する制御部41と、HDD等からなる記憶装置42と、キーボード、マウス等を備えた入力部43と、設定画面等を表示するLCD等の表示部44とを有する。
【0025】
制御部41のROMには、各種のプログラムが記憶されており、制御部41のCPUは、ROMに記憶されているプログラムに従ってジョブログ管理サーバ4の各部を制御する。記憶装置42は、各複合機2から転送されたログイメージおよびジョブログ、設定画面等を記憶するものであり、ログイメージはジョブログに関連付けて記憶される。
【0026】
A−2.第1実施形態の動作
次に、本第1実施形態の動作について説明する。
図4は、本第1実施形態による画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。画像処理装置は、ジョブを受け付けると、まず、ジョブログ生成・蓄積部250によって、ジョブログ(開始)を生成して蓄積するとともに、ネットワーク通信部26を介して、ジョブログ管理サーバ4に送信する(ステップS10)。ジョブログ(開始)は、例えば、複合機ID、ジョブID、ジョブの種類、ユーザ名、ジョブ受付時刻、ファイル名、用紙サイズ等からなる。
【0027】
次に、ジョブログ管理サーバ4への転送がOKであるか否かを判断し(ステップS12)、ネットワークの不具合等により、ジョブログ管理サーバ4への転送がNGの場合には、当該処理を終了する。このとき、エラーメッセージ等により利用者に通知するようにしてもよい。
【0028】
一方、ジョブログ管理サーバ4への転送がOKである場合には、ログイメージ作成部251により、ジョブで扱われる画像から一部のログイメージを生成し(ステップS14)、該一部のログイメージを、ネットワーク通信部26を介して、ジョブログ管理サーバ4に送信する(ステップS16)。次に、ジョブログ管理サーバ4への転送がOKであるか否かを判断し(ステップS18)、ネットワークの不具合等により、ジョブログ管理サーバ4への転送がNGの場合には、当該処理を終了する。このとき、エラーメッセージ等により利用者に通知するようにしてもよい。
【0029】
一方、ジョブログ管理サーバ4への転送がOKである場合には、ジョブの出力準備がOKであるか否かを判断し(ステップS20)、ジョブ出力の準備ができていない場合には、ステップS14に戻り、ジョブを出力するまでの実時間内で、一部のログイメージの生成、ジョブログ管理サーバ4への送信を繰り返す。
【0030】
上記一部のログイメージの生成・送信処理は、ジョブの種類によって異なる。
(1)ジョブがコピー/印刷であれば、1ページ目の印刷までの待ち時間に作成できたログイメージまでを転送する。
(2)スキャンであれば、全てのスキャンを完了するまでに作成できたログイメージを転送する。
(3)ファックスであれば、相手先にダイヤルし、応答が返るまでに作成できたログイメージを転送する。
【0031】
ジョブログ管理サーバ4では、ジョブログ(開始)、一部のログイメージを関連付けて記憶装置42に記憶する。
【0032】
次に、ジョブの出力準備がOKになると、ジョブを出力する(ステップS22)。そして、ジョブの出力が完了すると、ジョブログ生成・蓄積部250によって、ジョブログ(完了)を生成して蓄積するとともに、ネットワーク通信部26を介して、ジョブログ管理サーバ4に送信する(ステップS24)。ジョブログ(完了)は、例えば、ジョブ終了時刻、ジョブの待機中・処理中・中止・完了等のステータス情報等からなる。
【0033】
次に、ログイメージ作成部251で、ジョブで扱われる画像から残りのログイメージを生成し、該残りのログイメージを、ネットワーク通信部26を介して、ジョブログ管理サーバ4に送信する(ステップS26)。その後、当該処理を終了する。
【0034】
ジョブログ管理サーバ4では、ジョブログ(開始)、ジョブログ(完了)、ログイメージを関連付けて記憶装置42に記憶する。
【0035】
上述した第1実施形態によれば、ジョブを受け付けると、まず、ジョブログ(開始)をジョブログ管理サーバ4に送信し、その後、ジョブ出力までの実時間内で、ジョブで扱われる画像から一部のログイメージを生成してジョブログ管理サーバ4に送信し、その後、ジョブを出力するようにしたので、パフォーマンスの低下を抑えることができる。
【0036】
また、ジョブ出力までに、ジョブログ(開始)およびジョブ出力時までに作成されたログイメージをジョブログ管理サーバ4へ先に送信し、ジョブ出力完了後に、残りのログイメージを生成してジョブログ管理サーバ4に送信するようにしたので、ジョブ出力直後にHDDが盗難されても、ジョブログ管理サーバ4内に、ログイメージや、ジョブログ(開始)が残っているので、最後に使用したユーザの特定や、イメージの一部を確認することができる。
【0037】
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本第2実施形態では、各ジョブを出力するまでの時間を予測し、その予測時間に基づいて、ログイメージの生成量を決定する。
【0038】
B−1.第2実施形態の構成
ここで、図5は、本第2実施形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。なお、図1に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。図において、記憶装置24には、各ジョブを出力開始するまでの時間を予測する際のパラメータが記憶されている。
【0039】
時間予測する為のパラメータとしては、以下がある。
(A)コピー/印刷時
・フューザの準備時間
・ソータの準備時間
・排出面:おもて、1部毎のソート等の最終ページから出力ジョブは、全ページの処理時間(コピー:スキャン入力、印刷:デコンポーズ)
【0040】
(B)スキャン時
・全ページのスキャン時間
【0041】
(C)ファクス時
・ダイヤル時間
・リダイヤル時のリダイヤル間隔時間
【0042】
ジョブ管理部25に設けられたジョブ開始時間予測部252は、ジョブを受け付けると、上記記憶装置24に記憶されている、各ジョブを出力するまでの時間を予測する際のパラメータに従って、各ジョブを出力開始するまでの時間を予測する。
【0043】
また、ネットワーク通信部261は、ネットワークの転送能力を測定する機能を有する。ネットワークの転送能力は、立ち上げ時のジョブログ管理サーバ4との通信時や、ジョブログ送信時等のジョブログ管理サーバ4からの応答時間で測定する。ネットワークの転送能力、すなわち、ログイメージをジョブログ管理サーバ4に転送するのに要する時間を考慮することで、イメージ生成量の予測の精度を上げることが可能となる。
【0044】
B−2.第2実施形態の動作
次に、本第2実施形態の動作について説明する。
図6は、本第2実施形態による画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。画像処理装置は、ジョブを受け付けると、まず、ジョブログ生成・蓄積部250によって、ジョブログ(開始)を生成して蓄積するとともに、ネットワーク通信部26を介して、ジョブログ管理サーバ4に送信する(ステップS40)。ジョブログ(開始)は、例えば、複合機ID、ジョブID、ジョブの種類、ユーザ名、ジョブ受付時刻、ファイル名、用紙サイズ等からなる。
【0045】
次に、ジョブログ管理サーバ4への転送がOKであるか否かを判断し(ステップS42)、ネットワークの不具合等により、ジョブログ管理サーバ4への転送が上手くできない場合には、当該処理を終了する。このとき、エラーメッセージ等により利用者に通知するようにしてもよい。
【0046】
一方、ジョブログ管理サーバ4への転送がOKである場合には、ネットワーク通信部261により、ネットワークの転送能力を測定し(ステップS44)、ジョブ開始時間予測部252より、受け付けたジョブの種類に応じて、上記記憶装置24に記憶されているパラメータに従って、各ジョブを出力開始するまでの時間を予測する(ステップS46)。
【0047】
次に、上記ネットワークの転送能力およびジョブに応じた予測時間内で、ログイメージ作成部251により、ジョブで扱われる画像からログイメージを生成し(ステップS48)、該ログイメージを、ネットワーク通信部26を介して、ジョブログ管理サーバ4に送信する(ステップS50)。
【0048】
ジョブログ管理サーバ4では、ジョブログ(開始)、一部のログイメージを関連付けて記憶装置42に記憶する。
【0049】
次に、ジョブログ管理サーバ4への転送がOKであるか否かを判断し(ステップS52)、ネットワークの不具合等により、ジョブログ管理サーバ4への転送が上手くできない場合には、当該処理を終了する。このとき、エラーメッセージ等により利用者に通知するようにしてもよい。
【0050】
一方、ジョブログ管理サーバ4への転送がOKである場合には、ジョブの出力準備がOKであるか否かを判断し(ステップS52)、ジョブ出力の準備ができない場合には、当該処理を終了する。このとき、エラーメッセージ等により利用者に通知するようにしてもよい。
【0051】
次に、ジョブの出力準備がOKになると、ジョブを出力する(ステップS54)。そして、ジョブの出力が完了すると、ジョブログ生成・蓄積部250によって、ジョブログ(完了)を生成して蓄積するとともに、ネットワーク通信部26を介して、ジョブログ管理サーバ4に送信する(ステップS56)。ジョブログ(完了)は、例えば、ジョブ終了時刻、ジョブの待機中・処理中・中止・完了等のステータス情報等からなる。
【0052】
次に、ログイメージ作成部251により、ジョブで扱われる画像から残りのログイメージを生成し、該残りのログイメージを、ネットワーク通信部26を介して、ジョブログ管理サーバ4に送信する(ステップS58)。その後、当該処理を終了する。ジョブログ管理サーバ4では、ジョブログ(開始)、ジョブログ(完了)、ログイメージを関連付けて記憶装置42に記憶する。
【0053】
上述した第2実施形態によれば、ジョブを受け付けると、まず、ジョブログ(開始)をジョブログ管理サーバ4に送信し、その後、ジョブ出力までの時間を予測し、該予測した時間内で、ジョブで扱われる画像からログイメージを生成してジョブログ管理サーバ4に送信し、その後、ジョブを出力するようにしたので、パフォーマンスを低下させることなく、ジョブ出力までの時間を有効的に用いてログイメージを生成してジョブログ管理サーバ4に転送することができる。
【0054】
また、ジョブ出力までに、ジョブログ(開始)およびジョブ出力時までに作成されたログイメージをジョブログ管理サーバ4へ先に送信し、ジョブ出力完了後に、残りのログイメージを生成してジョブログ管理サーバ4に送信するようにしたので、ジョブ出力直後にHDDが盗難されても、ジョブログ管理サーバ4内に、ログイメージや、ジョブログ(開始)が残っているので、最後に使用したユーザの特定や、イメージの一部を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態におる複合機2の構成を示すブロック図である。
【図3】ジョブログ管理サーバ4の構成を示すブロック図である。
【図4】本第1実施形態による画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本第2実施形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図6】本第2実施形態による画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 画像処理システム
2 複合機
3 ネットワーク
4 ジョブログ管理サーバ
20 制御部
21 操作表示部
22 画像読取部(実行手段)
23 印刷部(実行手段)
24 記憶装置
25 ジョブ管理部
26 ネットワーク通信部(転送手段、転送能力計測手段)
27 ファクリミリ通信部(実行手段)
28 バス
40 通信部
41 制御部
42 記憶装置
43 入力部
44 表示部
250 ジョブログ生成・蓄積部(ジョブログ生成手段)
251 ログイメージ作成部(ログイメージ生成手段)
252 ジョブ開始時間予測部(予測手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブを実行する実行手段と、
前記ジョブのジョブログを生成するジョブログ生成手段と、
前記ジョブで扱われた画像からログイメージを生成するログイメージ生成手段と、
前記実行手段によるジョブの実行開始までに、前記ジョブログ生成手段により生成されたジョブログの一部と、前記ログイメージ生成手段により生成されたログイメージの一部とを、ネットワークを介して外部のサーバに転送する転送手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ログイメージ生成手段は、前記実行手段によるジョブの実行開始までに、ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを生成するとともに、前記実行手段によるジョブの実行完了後、ジョブで扱われた画像から残りのログイメージを生成し、
前記転送手段は、前記実行手段によるジョブの実行開始までに、前記ログイメージ生成手段により生成された一部のログイメージを前記外部のサーバに転送し、前記実行手段によるジョブの実行完了後、前記ログイメージ生成手段により生成された残りのログイメージを、前記ネットワークを介して外部のサーバに転送することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ログイメージ生成手段は、前記ジョブが印刷である場合、最初の印刷開始までに、ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを生成することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記ログイメージ生成手段は、前記ジョブがスキャンである場合、スキャンの完了までに、ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを生成することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ログイメージ生成手段は、前記ジョブがファックス送信である場合、ファックス通信の開始までに、ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを生成することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記実行手段によるジョブの実行開始までの時間を予測する予測手段を具備し、
前記ログイメージ生成手段は、前記予測手段によって予測された時間に基づいて、前記ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを生成することを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記ネットワークの転送能力を測定する転送能力計測手段を具備し、
前記ログイメージ生成手段は、前記実行手段によるジョブの実行開始までの時間に加えて、前記転送能力計測手段によって計測された前記ネットワークの転送能力に基づいて、前記ジョブで扱われた画像から一部のログイメージを生成することを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−118418(P2008−118418A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300031(P2006−300031)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】