説明

画像処理装置

【課題】 外部装置(例えばファクシミリ装置21及びPC40)と画像データの通信を行なう通信部3を有する画像処理装置100に於いて消費電力の低減を図ること。
【解決手段】 ROM8は、ファクシミリ装置21と、送信制御を行う第1のプログラムと、受信制御を行う第2のプログラムとを別々に記憶し、主制御部4は、通信要求情報を受入れると、該通信要求情報が送信要求であるか、受信要求であるかを判断し、通信部3は、画像データの通信に先立って、上記主制御部4の判断結果が、送信要求であるとRAM15へ上記第1のプログラムを転送し、受信要求であるとRAM15へ上記第2のプログラムを転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置と画像データの通信を行う画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外部装置と画像データの通信を行なう通信部を有する従来の画像処理装置では、画像データの通信に先立って、上記通信部は、装置本体から外部装置用の制御プログラムを受信し、それを一旦不揮発性メモリ(具体的にはフラッシュメモリ)に書き込んだ後にダウンロードしていた。
【特許文献1】特開2003−259028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記外部装置と画像データの通信を行なうために必要な制御プログラム全体をダウンロードしていたため、通信部は、容量の大きな不揮発性メモリを備えなければならなかった。その結果、消費電力が大きくなってしまうという、解決すべき課題が残されていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による画像処理装置は、外部装置と画像データの通信が可能な通信部を有する画像処理装置であって、上記外部装置と送信制御を行う第1の制御プログラムと上記外部装置と受信制御を行う第2の制御プログラムとを別々に記憶する記憶部と、通信要求情報を受入れると、該通信要求情報が送信要求であるか、受信要求であるかを判断するモード判断部とを備え、上記通信部は、制御プログラム格納メモリを有し、上記画像データの通信に先立って、上記モード判断部の判断結果が、送信要求であると上記第1のプログラムを受入れて上記制御プログラム格納メモリに格納し、上記受信要求であると上記第2のプログラムを受入れて上記制御プログラム格納メモリに格納することを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
外部装置と送信制御を行う第1のプログラム、及び、外部装置と受信制御を行う第2のプログラムとを別々に記憶する記憶部と、通信要求情報を受入れて該通信要求情報が送信要求であるか、受信要求であるかを判断するモード判断部とを備えることにより、該モード判断部の判断結果が、送信要求であると通信部へ上記第1のプログラムを転送し、受信要求であると通信部へ上記第2のプログラムを転送すること、即ち、必要なプログラムのみを転送することが可能になるので、容量の大きな不揮発性メモリを備える必要が無くなり、部品点数の削除、及びそれに伴う消費電力の低減が可能になるという効果を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明による画像処理装置は以下のように構成される。
【実施例1】
【0007】
図1は、実施例1の構成の機能ブロック図である。
図に示すように、実施例1の画像処理装置100は、本体2と、該本体2を通信回線18を介して外部装置(図ではファクシミリ装置21とPC40)と接続する通信部3を備える。更に、本体2は、主制御部4と、操作部5と、スキャナ部6と、プリンタ部7と、ROM8と、RAM9と、画像処理部10と、外部インタフェース11と、USBホスト部12とを有し、通信部3は、制御部13と、USBデバイス部14と、RAM15と、変調/復調部16と、通信回線インタフェース17と、ROM19とを有している。
【0008】
主制御部4は、ROM8に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって本体2の各機能ブロック部分を起動・生成するとともに、装置全体を制御するCPUである。操作部5は、図示しないキースイッチや表示板等を有し、オペレータが各種指示入力を行う操作板である。スキャナ部6は、送信原稿から画像データを読取る部分である。プリンタ部7は、所定の媒体上に画像を印刷する部分である。ROM8は、主制御部4が実行することによって装置全体を制御する制御プログラムを予め格納する不揮発性メモリである。この内容については、後に他の図を用いて再度詳細に説明する。RAM9は、主制御部4が所定の制御プログラムを実行するときに必要になる演算領域を提供する揮発性メモリである。
【0009】
画像処理部10は、画像データを加工する部分である。この部分は、主制御部4が、ROM8に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって起動・生成される機能を機能ブロックとして表現した部分である。外部インタフェース11は、外部装置(ここではPC40)と、画像処理装置100とを通信接続するインタフェースの役割を分担する部分である。USBホスト部12は、本体2と通信部3とを接続するUniversal Serial Busの親機である。
【0010】
制御部13は、ROM19に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって通信部3の各機能ブロックを起動・生成するとともに全体を制御するCPUであり、ROM19を含むワンチップマイコンである。USBデバイス部14は、本体2と通信部3とを接続するUniversal Serial Busの子機である。RAM15は、制御部13が所定の制御プログラムを実行するときに必要になる演算領域を提供する揮発性メモリである。この内容については、後に他の図を用いて再度詳細に説明する。ROM19は、制御部13が実行することによって通信部3全体を制御する制御プログラムを予め格納する不揮発性メモリである。この内容については、後に他の図を用いて再度詳細に説明する。
【0011】
変調/復調部16は、データを変調あるいは復調する部分である。この部分は、制御部13が、ROM19に予め格納されている所定の制御プログラムを実行することによって起動・生成される機能を機能ブロックとして表現した部分である。通信回線インタフェース17は、通信回線18と、画像処理装置100とを通信接続するインタフェースの役割を分担する部分である。
【0012】
図2は、ROM8の内容説明図である。
図に示すようにROM8には、本体制御用プログラム30と、通信部用送信制御プログラム32と、通信部用受信制御プログラム33とが格納されている。又、本体制御用プログラム30の内部には、動作モード判定、及び、転送モード指示用プログラム31を含んでいる。
【0013】
図3は、RAM15の内容説明図である。
図に示すようにRAM15は、データを一時的に記憶するバッファ34と、通信部用プログラム格納エリア35とで構成されている。バッファ34は、ITU−T(国際電気通信連合)勧告で定められる誤り訂正機能(ECM:Error Correction Mode)を実現するために最低1パーシャルページ分(64KByte)の容量を有している。
【0014】
図4は、ROM19の内容説明図である。
図に示すようにROM19には、通信部メインプログラム36と、転送制御用プログラム37と、着信検定用プログラム38とが格納されている。
【0015】
以上説明した実施例1の画像処理装置100は主な機能としてスキャナ機能、プリンタ機能、複写機能、ファクシミリ機能を有する。先ず、各機能の動作概要を説明する。
[スキャナ機能]
原稿をスキャナ部6(図1)で読取り、RAM9(図1)に一旦格納した画像データを画像処理部10(図1)でPDFフォーマット等に加工したあと、予め操作部5(図1)から入力された宛先アドレスのPC40(図1)へ外部インタフェース11(図1)を経由して送信する。
【0016】
[プリンタ機能]
外部インタフェース11(図1)を経由してPC40(図1)から受信したPDL等の印刷データをRAM9(図1)に一旦格納し、画像処理部10(図1)で画像データに展開した後、プリンタ部7(図1)で記録紙に電子写真方式等で印刷する。
【0017】
[複写機能]
原稿をスキャナ部6(図1)で読取り、RAM9(図1)に一旦格納した画像データをプリンタ部7(図1)で記録紙に電子写真方式等で印刷する。
【0018】
[ファクシミリ機能]
ファクシミリ送信時に画像データは、原稿からスキャナ部6(図1)によって読取られ、RAM9(図1)に一旦格納される。画像処理部10(図1)でMH(Modified−Huffman)、MR(Modified−Read)、MMR(Modified−Modified−Read)等の符号化方式で符号化された後、USBホスト部12(図1)、USBデバイス部14(図1)を経由して、1パーシャルページ分が一旦バッファ34(図3)に転送され、変調/復調部16でITU−T(国際電気通信連合)勧告V.34、V.17、V29、等に則って変調された後、通信回線インタフェース17(図1)より、通信回線18、交換局20を経由して他のファクシミリ装置21へ送信される。1パーシャルページ分が誤りなく送信されると次のパーシャルページ分がRAM15のバッファ34(図3)に転送され、これが最終ページまで繰返される。
【0019】
ファクシミリ受信時には、通信回線インタフェース17(図1)を経由して他のファクシミリ装置21から送られてくる変調された信号が、変調/復調部16で復調され、1パーシャルページ分が、一旦RAM15のバッファ34に格納される。1パーシャルページ分が、誤りなく受信されたことが確認されると、USBデバイス部14、USBホスト部12(図1)、を経由してRAM9に転送されつつ、次の1パーシャルページ分が受信される。RAM9に転送された受信データは、画像処理部10で復号化された後、プリンタ部7で印刷出力される。
【0020】
次に、本発明に係るファクシミリ機能の動作について詳細に説明する。
図5は、動作モード判定及び転送モード指示のフローチャートである。
このフローチャートは、USBホスト部12(図1)が通信部3(図1)からUSBデバイス部14(図1)を経由して着信情報を受信したことを主制御部4(図1)が検知した場合、及びオペレータによって操作部5よりファクシミリ送信指示が入力されたことを主制御部4(図1)が検知した場合にファクシミリ送信、あるいはファクシミリ受信を開始する前に実行される。
【0021】
ステップS1−1
主制御部4(図1)が着信情報を検知するとステップS1−2へ進み、それ以外の場合はステップS1−4へ進む。
【0022】
ステップS1−2
主制御部4(図1)は、USBホスト部12(図1)に対して転送要求コマンドをUSBデバイス部14(図1)に送信するように指示した後ステップS1−3へ進む。
【0023】
ステップS1−3
主制御部4(図1)は、USBホスト部12(図1)に対して通信部用受信制御プログラム33(図2)をUSBデバイス部14(図1)に転送させてフローを終了する。
【0024】
ステップS1−4
主制御部4(図1)は、オペレータが操作部5(図1)を介してファクシミリ送信指示を入力したことを確認した場合にはステップS1−5へ進み、確認できない場合はフローを終了する。
【0025】
ステップS1−5
主制御部4(図1)は、USBホスト部12(図1)に対して転送要求コマンドをUSBデバイス部14(図1)に送信するように指示した後ステップS1−6へ進む。
【0026】
ステップS1−6
主制御部4(図1)は、USBホスト部12(図1)に対して通信部用送信制御プログラム32(図2)をUSBデバイス部14(図1)に転送させてフローを終了する。
【0027】
図6は、実施例1の通信部メインプログラム36(図4)の動作フローチャートである。
このプログラムは、通信部3(図1)に電源が供給されると実行開始される。画像処理装置100(図1)に対してファクシミリ送信を希望するファクシミリ装置21(図1)は、先ず画像処理装置100(図1)が接続されている通信回線18(図1)に割当てられた電話番号を交換局20(図1)に向けて発呼する。交換局20(図1)は、電話番号を受け取ると、通信回線18(図1)上に特定の周波数と周期を有するRING信号(所謂呼び出し信号)を送出する。通信回線インタフェース17(図1)は、RING信号を論理信号に変換し、着信信号として制御部13(図1)へ送出し、以下のフローへ進む。
【0028】
ステップS1−11
制御部13(図1)が、着信信号を検出するとステップS1−12へ進み、それ以外の場合にはステップS1−16へ進む。
【0029】
ステップS1−12
制御部13(図1)が、着信検定用プログラム38(図4)をROM18(図1)から読み出して着信検定を実行する。具体的には、制御部13に内蔵されている図示しないタイマーを使用し、着信信号の“1”、“0”の切替わり時間を計測し、周波数と周期とを算出し、周波数と周期が所定の範囲内に有るか否かを検定し、所定の範囲内であれば検定結果OKを、所定の範囲内になければ検定結果NGをプログラムの戻り値として出力する。
【0030】
ステップS1−13
制御部13(図1)は、着信検定の結果を判定し、NGであればステップS1−16へ進み、OKであればステップS1−14へ進む。
【0031】
ステップS1−14
制御部13(図1)は、着信信号受信情報が送信済みか否かを判定し、送信済みであればステップS1−16へ進み、送信済みでなければステップS1−15へ進む。
【0032】
ステップS1−15
制御部13(図1)は、USBホスト部12(図1)に対して着信信号受信情報を送信するようにUSBデバイス部14(図1)へ指示してステップS1−16へ進む。
【0033】
ステップS1−16
制御部13(図1)は、転送要求コマンドをUSBデバイス部14(図1)が受信したか否かを判定する。転送要求コマンドを受信していない場合にはステップS1−11へ戻り、受信している場合は、ステップS1−17へ進む。
【0034】
ステップS1−17
制御部13(図1)は、転送制御用プログラム37(図4)を読み出してプログラム転送を実行する。具体的には、USBデバイス部14(図1)に指示してUSBホスト部12(図1)から送信されてくる通信部用送信制御プログラム32(図2)あるいは通信部用受信制御プログラム33(図2)の内容を受信し、通信部用プログラム格納エリア35(図3)に格納する。
【0035】
ステップS1−18
制御部13(図1)は、通信部用プログラム格納エリア35(図3)に格納されたプログラムを読み出して通信を実行し、終了するとステップS1−11へ戻る。
以上説明した処理は、通信部3への電源供給が遮断されるまで繰返して実行される。
【0036】
図7は、実施例1の画像処理装置の状態遷移図(その1)である。
図は、画像処理装置100(図1)が、ファクシミリ装置21(図1)からファクシミリ受信する際に於ける本体2、通信部3、ファクシミリ装置21の状態遷移図である。以下に時刻順に状態の遷移について説明する。
【0037】
時刻T1
ファクシミリ装置21が通信回線18(図1)に割当てられた電話番号を交換局20に発呼すると、交換局20は、通信回線18(図1)上にRING信号を送信する。通信部3は、着信信号(RING信号)の検定を行う(図6のステップS1−11、ステップS1−12、ステップS1−13)。
【0038】
時刻T2
検定結果がOKであれば、通信部3の制御部13(図1)は、USBデバイス部14(図1)、USBホスト部12(図1)、を介して本体2の主制御部4(図1)に対して着信信号受信情報を送信する(図6のステップS1−14、ステップS1−15)。
【0039】
時刻T3
上記時刻T2で着信信号受信情報を受信した本体2の主制御部4(図1)は、USBホスト部12(図1)、USBデバイス部14(図1)を介して転送要求コマンドを通信部3へ送信する(図5のステップS1−2)。
【0040】
時刻T4
本体2の主制御部4(図1)は、USBホスト部12(図1)、USBデバイス部14(図1)を介して通信部用受信制御プログラム33(図2)の内容を通信部3へ送信する(図5のステップS1−3)。
【0041】
時刻T5
本体2は、ファクシミリ装置21とITU−T勧告T.30に則りファクシミリ通信を開始する。即ち、画像処理装置100と、ファクシミリ装置21との間でプロトコルの交換(T.30におけるフェーズB)、画像転送(T.30におけるフェーズC)、プロトコル交換(T.30におけるフェーズD)を行う。
【0042】
時刻T6
本体2は、ファクシミリ装置21とITU−T勧告T.30に則りファクシミリ通信を終了する。
【0043】
図8は、実施例1の画像処理装置の状態遷移図(その2)である。
図は、画像処理装置100(図1)が、ファクシミリ装置21(図1)へファクシミリ送信する際に於ける本体2、通信部3、ファクシミリ装置21の状態遷移図である。以下に時刻順に状態の遷移について説明する。
【0044】
時刻T10
本体2の主制御部4(図1)が、オペレータによってファクシミリ送信指示が入力されたことを検知する(図5のステップS4)。
【0045】
時刻T11
本体2の主制御部4(図1)は、USBホスト部12(図1)、USBデバイス部14(図1)、を介して転送要求コマンドを通信部3へ送信する(図5のステップS1−5)。
【0046】
時刻T12
本体2の主制御部4(図1)は、USBホスト部12(図1)、USBデバイス部14(図1)、を介して通信部用送信制御プログラム32(図2)の内容を通信部3へ送信する(図5のステップS1−6)。
【0047】
時刻T13
本体2は、ファクシミリ装置21とITU−T勧告T.30に則りファクシミリ通信を開始する。即ち、画像処理装置100と、ファクシミリ装置21と間でプロトコルの交換(T.30におけるフェーズB)、画像転送(T.30におけるフェーズC)、プロトコル交換(T.30におけるフェーズD)を行う。
【0048】
時刻T14
本体2は、ファクシミリ装置21とITU−T勧告T.30に則りファクシミリ通信を終了する。
【0049】
以上説明したように本実施例によれば、本体2のROM8に通信用プログラムを送信用と受信用に分割して格納しておき、主制御部4が動作モードを判定し、その判定結果に基づいて送信用か受信用かを選択し、一方のみを本体2から通信部3へ転送することにしたので、転送する通信部用プログラムを小容量化することが出来る。その結果通信部の揮発性メモリの一部をプログラム格納エリアとして利用することが出来るようになり、プログラム格納用の書き換え可能な不揮発性メモリが不要となるので、部品点数の削減及びそれに伴う消費電力の低減が可能になるという効果を得る。
【実施例2】
【0050】
図9は、実施例2の構成の機能ブロック図である。
図に示すように、実施例2の画像処理装置200は、本体2と、該本体2を通信回線18を介して外部装置(図ではファクシミリ装置21及びPC40)と接続する通信部23を備える。更に、本体2は、主制御部4と、操作部5と、スキャナ部6と、プリンタ部7と、ROM8と、RAM9と、画像処理部10と、外部インタフェース11と、USBホスト部12とを有し、通信部23は、制御部13と、USBデバイス部14と、RAM15と、変調/復調部16と、通信回線インタフェース17と、ROM19と、SW22を有している。以下に実施例1との相違部分のみについて説明する。実施例1と同様の部分については実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
通信部23は、実施例1の通信部に対してRAM15への電源(Vcc)の供給の通電と遮断をON/OFF切り替えるスイッチSW22を追加したものである。このSW22は、トランジスタなどを利用した半導体スイッチ、あるいはメカニカルスイッチの何れであっても良い。他の構成部分は、全て実施例1と同様なので説明を省略する。以下に実施例1と異なる動作のみについて説明する。
【0052】
図10は、実施例2の通信用メインプログラムの動作フローチャートである。
このプログラムは、通信部23(図9)に電源が供給されると実行開始される。画像処理装置200(図9)に対してファクシミリ送信を希望するファクシミリ装置21(図9)は、先ず画像処理装置200(図9)が接続されている通信回線18(図9)に割当てられた電話番号を交換局20(図9)に向けて発呼する。交換局20(図9)は、電話番号を受け取ると、通信回線18(図9)上に特定の周波数と周期を有するRING信号(所謂呼び出し信号)を送出する。RING信号を受信した通信回線を論理信号に変換し、着信信号として制御部13(図9)へ送出し、以下のフローへ進む。
【0053】
ステップS2−11
制御部13(図9)が、着信信号を検出するとステップS2−12へ進み、それ以外の場合にはステップS2−16へ進む。
【0054】
ステップS2−12
制御部13(図9)が、着信検定用プログラム38(図4)をROM18(図9)から読み出して着信検定を実行する。具体的には、制御部13に内蔵されている図示しないタイマーを使用し、着信信号の“1”、“0”の切替わり時間を計測し、周波数と周期とを算出し、周波数と周期が所定の範囲内に有るか否かを検定し、所定の範囲内であれば検定結果OKを、所定の範囲内になければ検定結果NGをプログラムの戻り値として出力する。
【0055】
ステップS2−13
制御部13(図9)は、着信検定の結果を判定し、NGであればステップS2−16へ進み、OKであればステップS2−14へ進む。
【0056】
ステップS2−14
制御部13(図9)は、着信信号受信情報が送信済みか否かを判定し、送信済みであればステップS2−16へ進み、送信済みでなければステップS2−15へ進む。
【0057】
ステップS2−15
制御部13(図9)は、USBホスト部12(図9)に対して着信信号受信情報を送信するようにUSBデバイス部14(図9)へ指示してステップS2−16へ進む。
【0058】
ステップS2−16
制御部13(図9)は、転送要求コマンドをUSBデバイス部14(図9)が受信したか否かを判定する。転送要求コマンドを受信していない場合にはステップS2−11へ戻り、受信している場合は、ステップS2−17へ進む。
【0059】
ステップS2−17
制御部13(図9)は、SW22(図9)をONにしてRAM15(図9)へ電源を供給する。
【0060】
ステップS2−18
制御部13(図9)は、転送制御用プログラム37(図4)を読み出してプログラム転送を実行する。具体的には、USBデバイス部14(図9)に指示してUSBホスト部12(図9)から送信されてくる通信部用送信制御プログラム32(図2)あるいは通信部用受信制御プログラム33(図2)の内容を受信し、通信部用プログラム格納エリア35(図3)に格納する。
【0061】
ステップS2−19
制御部13(図9)は、通信部用プログラム格納エリア35(図3)に格納されたプログラムを読み出して通信を実行する。
【0062】
ステップS2−20
制御部13(図9)は、SW22(図9)をOFFにしてRAM15(図9)への電源供給を停止してステップS2−11へ戻る。
以上説明した処理は、通信部23への電源供給が遮断されるまで繰返して実行される。
【0063】
以上説明したように、本実施例によれば、SW22(図9)を設け、RAM15(図9)を使用するときのみRAM15(図9)への電源を供給するようにしたので更なる消費電力の低減が可能になるという効果を得る。
【産業上の利用可能性】
【0064】
上記実施例の説明では、本発明を、画像処理装置としてスキャナ部及びプリンタ部を含む複号機に適用した場合に限定して説明したが、本発明はこの例に限定されるものでは無い。即ち、単独機能のみの画像処理装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施例1の構成の機能ブロック図である。
【図2】ROM8の内容説明図である。
【図3】RAM15の内容説明図である。
【図4】ROM19の内容説明図である。
【図5】動作モード判定及び転送モード指示のフローチャートである。
【図6】実施例1の通信用メインプログラムの動作フローチャートである。
【図7】実施例1の画像処理装置の状態遷移図(その1)である。
【図8】実施例1の画像処理装置の状態遷移図(その2)である。
【図9】実施例2の構成の機能ブロック図である。
【図10】実施例2の通信用メインプログラムの動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
2 本体
3 通信部
4 主制御部
5 操作部
6 スキャナ部
7 プリンタ部
8 ROM
9 RAM
10 画像処理部
11 外部インタフェース
12 USBホスト部
13 制御部
14 USBデバイス部
15 RAM
16 変調/復調部
17 通信回線インタフェース
18 通信回線
19 ROM
20 交換局
21 ファクシミリ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と画像データの通信を行なう通信部を有する画像処理装置であって、
前記外部装置と送信制御を行う第1の制御プログラムと前記外部装置と受信制御を行う第2の制御プログラムとを記憶する記憶部と、
通信要求情報を受入れると、該通信要求情報が送信要求であるか、受信要求であるかを判断するモード判断部とを備え、
前記通信部は、制御プログラム格納メモリを有し、前記画像データの通信に先立って、前記モード判断部の判断結果が、送信要求であると前記第1のプログラムを受入れて前記制御プログラム格納メモリに格納し、前記受信要求であると前記第2のプログラムを受入れて前記制御プログラム格納メモリに格納することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記要求情報は、
前記外部装置から受入れる着信情報と、前記画像処理装置が生成するオペレータ指示情報とを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記通信部は、
前記制御プログラム格納メモリへの電源供給を切り替える電源切替部を更に備え、前記制御プログラム格納メモリへの電源供給を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−60756(P2008−60756A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−233092(P2006−233092)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】