画像処理装置
【課題】 管理者が、文字部や非文字部などの複数の(レイアウト)領域それぞれに対して使用者の判読許可レベルに応じて出力許可するか否かを自由に選択できるようにする。
【解決手段】 前記地紋検知手段が所定のドットパターンを検知した場合に、使用者の判読許可レベルと前記レイアウト解析処理手段から得られるレイアウト解析情報に応じて、画像毀損処理の処理範囲を切り替えて出力することを特徴とする。
【解決手段】 前記地紋検知手段が所定のドットパターンを検知した場合に、使用者の判読許可レベルと前記レイアウト解析処理手段から得られるレイアウト解析情報に応じて、画像毀損処理の処理範囲を切り替えて出力することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター、スキャナー等の機能を複合したデジタル複合機(MFP)等のデジタル画像データに対する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明に関連する公知技術としては、特許文献1〜6を挙げることができる。
【0003】
特許文献1は、複写禁止領域(毀損処理領域)を使用者に応じて設定することが可能である。しかし、管理者は複写禁止領域を完全に手動で設定しなくてはならず、例えば文字部(領域)をすべて複写禁止にする場合は、管理者が毀損処理を行いたい領域を画像処理装置に入力し、文字部を全て選択して設定する必要があり、原稿のレイアウトによってはかなり煩わしい処理となる。また、実施例を見ると複写禁止領域をバーコードに埋め込んでいるが、バーコードを隠された場合に全く対応できず、すべて複写されてしまうという課題がある。
【0004】
特許文献2は、(本発明と同じように)レイアウト解析処理を用いているが、あくまでどのような画像を不正コピーしたかを管理者が確認するだけであり、毀損処理動作とレイアウト情報は直接連動していない。出力禁止を行うか行わないかの二択しか選択できず、セキュリティの柔軟な設定ができない。
【0005】
特許文献3は、複写する原稿のパターンがあらかじめ記憶されたパターンと一致しているかどうかをリアルタイムで検知し、複写原稿のパターンが検知された場合には判読不可能状態になるように全面毀損処理(塗りつぶし)を行って出力するというものである。これにより、特定のパターンを付加した原稿であれば、完全に複写禁止することが可能となった。しかし、原稿全面を判読不可能状態にすることしかできず、そのため、例えば使用者によって塗りつぶすかどうかを選択したり、文字のみ見せないあるいは図のみ見せないなどの選択など、柔軟なセキュリティの設定を行うことが不可能である。
【0006】
特許文献4に記載の画像処理装置は、オリジナル原稿の作成者が原稿の複写禁止領域をあらかじめ指定し、その領域のみにタイル状のパターンを合成させ、オリジナル原稿を出力する。そのオリジナル原稿を複写した場合、そのタイル状のパターンが貼り付けてある部分のみ判読不可能状態になって出力される。タイル状のパターンを地紋禁止領域に合成させることにより、画像の一部のみの塗りつぶしが可能になる。しかし、文字が少ない場合は良いが、複写禁止領域が様々な位置にある場合は複写禁止領域の設定が大変わずらわしいものになる。また、使用者ごとに複写禁止領域を変化させるなどの処理はできない。
【0007】
特許文献5に記載の画像形成装置は、書籍や記録紙に埋め込んだICタグの、コピー禁止箇所や禁止画像を読み取って、コピー禁止箇所をマスクしている。この技術ではICタグを埋め込んである紙を使用しなければならないし、またコピー禁止領域も小さい領域しか指定できない。
【0008】
特許文献6は、画像上の文字領域と、文字画像ではない有意画像である非文字領域とを検出する領域分割方法を開示している。
【特許文献1】特開2003-032487号公報
【特許文献2】特開2002-057895号公報
【特許文献3】特開2004-274092号公報
【特許文献4】特開2005-79628号公報
【特許文献5】特開2006-94346号公報
【特許文献6】特許第3278471号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1〜6に開示される公知技術では、管理者が、文字部や非文字部などの複数の(レイアウト)領域それぞれに対して使用者の判読許可レベルに応じて出力許可するか否かを自由に選択できるようにする。すなわち、出力する/しないの2択ではなく、セキュリティレベルを柔軟に設定可能とすることで、セキュリティレベルと利便性のトレードオフを管理者が自由に選択できるようにすることはできない。
【0010】
また、特許文献1〜6に開示される公知技術では、レイアウト解析処理により、文字部・非文字部などの領域を自動的に判定し、あらかじめ登録していない原稿に対しても、使用者に応じて自動的に文字や図柄などを出力禁止することを可能とすることはできない。
【0011】
本発明は係る事情に鑑みてなれさたものであり、以下の目的をもってなされたものである。つまり、管理者が、文字部や非文字部などの複数の(レイアウト)領域それぞれに対して使用者の判読許可レベルに応じて出力許可するか否かを自由に選択できるようにする。すなわち、出力する/しないの2択ではなく、セキュリティレベルを柔軟に設定可能とすることで、セキュリティレベルと利便性のトレードオフを管理者が自由に選択できるようにする。また、レイアウト解析処理により、文字部・非文字部などの領域を自動的に判定し、あらかじめ登録していない原稿に対しても、使用者に応じて自動的に文字や図柄などを出力禁止することを可能とする。更に、管理者が前記領域を出力禁止にする場合、自動的に(レイアウト)領域が分割されているため、比較的楽に設定することを可能とする。すなわち、レイアウトに応じて文字部をすべて毀損するように設定するのが煩わしいなどのケースを無くす。原稿の一部が隠されたり汚されたりした場合にも、管理者が設定すればあらかじめ設定した毀損領域のみを毀損処理することを可能とする。それにより、使用者に応じて必要な箇所のみ毀損処理を行うことで、セキュリティ面だけでなく記録剤の削減も可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の画像処理装置は、電子化した画像データを得る画像入力手段と、前記画像入力手段より得られた画像データ中に、ある所定のドットパターンが存在するか否かを検知する地紋検知手段と、使用者を認識する使用者認識手段と、該使用者の判読許可レベルを記憶する判読許可レベル記憶手段と、前記画像データおよび画像データの付帯情報を蓄積する画像データ記憶手段と、前記画像入力手段により得られた画像データを計算処理する画像データ処理手段と、前記画像データのレイアウト解析処理を行うレイアウト解析処理手段と、前記画像データ処理手段で処理されたデータを出力する画像出力手段とを備え、前記地紋検知手段が所定のドットパターンを検知した場合に、使用者の判読許可レベルと前記レイアウト解析処理手段から得られるレイアウト解析情報に応じて、画像毀損処理の処理範囲を切り替えて出力することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置おいて、前記使用者の判読許可レベルがある特定の値であった場合に、前記レイアウト解析情報より得られた入力画像データの文字領域のみを毀損処理することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置おいて、前記使用者の判読許可レベルがある特定の値であった場合に、前記レイアウト解析情報より得られた入力画像データの非文字領域のみを毀損処理することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置おいて、レイアウト解析情報に基づき前記使用者の判読許可レベルと対応付けた、毀損処理を施す処理領域および該レイアウト解析情報をセットで記憶するレイアウト解析情報記憶手段と、管理者があらかじめ前記毀損処理領域を設定する毀損処理領域設定手段と、前記画像入力手段より得られた画像データのレイアウト解析情報及び前記レイアウト解析情報記憶手段に記憶されているレイアウト解析情報を比較するレイアウト解析情報比較手段とを備え、前記レイアウト解析情報比較手段が等しいと判断した場合、該使用者の判読許可レベルに応じて、前記レイアウト解析情報とセットで記憶されている毀損処理領域に毀損処理を施すことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の画像処理装置は、請求項4に記載の画像処理装置おいて、前記レイアウト解析情報比較手段は、あらかじめ記憶している前記レイアウト解析情報及び前記画像入力手段より得られた入力画像のレイアウト解析情報において、おのおののレイアウト解析処理より求められた1つもしくは複数のレイアウト領域の相対的な位置座標を比較することを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の画像処理装置は、請求項4または5のいずれかに記載の画像処理装置において、前記レイアウト解析情報比較手段は、あらかじめ記憶している前記レイアウト解析情報及び前記画像入力手段より得られた入力画像のレイアウト解析情報において、おのおののレイアウト解析処理より求められた1つもしくは複数のレイアウト領域の相対的な面積比を比較することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の画像処理装置は、請求項4ないし6のいずれかに記載の画像処理装置において、前記レイアウト解析情報比較手段は、あらかじめ記憶している前記レイアウト解析情報及び前記画像入力手段より得られた入力画像のレイアウト解析情報において、おのおののレイアウト解析より求められた1つもしくは複数のレイアウト領域におけるラベル数を比較することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の画像処理装置は、請求項4ないし7のいずれかに記載の画像処理装置において、前記レイアウト解析情報比較手段が等しいと判断する基準を設定可能であることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の画像処理装置は、請求項4ないし8のいずれかに記載の画像処理装置において、前記レイアウト解析情報記憶手段に記憶されているレイアウト解析情報において、1つないし複数のレイアウト領域の中から前記レイアウト解析情報比較手段が比較対象とするレイアウト領域を選択可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係る発明によれば、所定のドットパターンが付加された原稿に対して、使用者の判読許可レベルおよびレイアウト解析情報に応じて、画像毀損処理領域を切り替えることが可能となる。つまり、使用者や領域ごとの柔軟な秘匿処理設定、画像漏出に対するセキュリティの設定が可能となる。
【0022】
請求項2に係る発明によれば、レイアウト解析処理により求められた原稿の文字部(領域)のみを判読不可能にすることで、文字は読めないが図や写真などのみは判読できるというセキュリティレベルの調整を行う。レイアウト解析処理により、自動的に文字部を認識でき、特に原稿のレイアウトなどをあらかじめ登録しておかなくても可能となる。また、文字(のみの)原稿であっても、文字部のみを塗りつぶすことで、全面塗りつぶす場合に比べ、記録剤の削減にもなる。
【0023】
請求項3に係る発明によれば、レイアウト解析処理により求められた原稿の非文字部(領域)を判読不可能にすることで、写真や図などは読めないが、文字部のみ判読できるというセキュリティレベルの調整が可能になる。レイアウト解析処理により、自動的に非文字部を認識するので、特に原稿のレイアウトなどをあらかじめ登録しておかなくても可能となる。例えば、商標登録されているキャラクターの絵やロゴマークなどの乱用禁止やまだ市場に投入されていない製品の写真・図(デザイン)などを隠すことができる。
【0024】
請求項4に係る発明によれば、あらかじめ明細書や議事録などのフォーマット原稿を本発明に係る画像処理装置に登録し、その装置の使用者に応じて、登録した原稿の特定箇所のみを判読不可能にすることが可能になる。すなわち、管理者は使用者ごとに見せたくない領域を設定することができる。例えば、一般的な企業で考えれば、使用者の判読レベルに役職などを対応づけ、部長職は全面出力可であるが、課長職では一部出力不可、一般社員では全面出力不可などの制御を行うことが可能となる。
【0025】
請求項5に係る発明によれば、あらかじめ登録されているレイアウト解析情報と画像読み取り手段より得られる入力画像データのレイアウト解析情報を比較して、登録されているフォーマットデータと入力画像が同じものであるかを確認する際に各々の1つもしくは複数のレイアウト領域の相対的な位置情報により比較することで、入力画像が登録フォーマットに対して、回転していたり、上下反転していたり、(主走査副走査ともに)変倍しているときにも、同一のものと確認することができる。
【0026】
請求項6に係る発明によれば、請求項5と同じように登録フォーマットと同一のものであるかを比較する際に、おのおのの1つないし複数のレイアウト領域における相対的な面積比も用いることで、請求項5の手法よりさらに精度の良い比較を行うことができると考えられる。また、請求項5の手法(比較材料として、レイアウト領域の位置座標のみを用いる手法)であると、重心位置の比較では偶然一致してしまう画像を同じものだと判断してしまったり、単純に変倍処理された画像と元の画像とを同じものと判断できなかったりするが、面積比を用いることで前記の比較の場合にも対応できる。
【0027】
請求項7に係る発明によれば、請求項5と同じように登録フォーマットと同一のものであるかを比較する際に、おのおのの1つないし複数のレイアウト領域におけるラベル数も用いることで、請求項5の手法や請求項6の手法よりさらに精度の良い比較を行うことができると考えられる。また、請求項5の手法(比較材料として、レイアウト領域の位置座標のみを用いる手法)であると、重心位置の比較では偶然一致してしまう画像を同じものだと判断してしまったり、単純に変倍処理された画像と元の画像とを同じものと判断できなかったりするが、ラベル数を用いることで前記の比較の場合にも対応できる。
【0028】
請求項8に係る発明によれば、 あらかじめ登録されているフォーマットデータと入力画像データが同じか否かの判断基準を管理者が自由に設定可能になり、機密性と利便性のトレードオフを管理者が自由に選択できる。判断基準を低くしておけば、原稿の一部が隠れているときや汚れているときなどでも、使用者に応じた処理領域に毀損処理を行い、一方、判断基準を高く設定しておけば、原稿の一部が隠れているときや汚れている場合ときにあらかじめ登録したフォーマットと異なると判断され、原稿全面毀損処理を施すようなことが実現可能となる。
【0029】
請求項9に係る発明によれば、登録されているフォーマットデータのレイアウト情報のうち、入力データと比較するレイアウト(領域)情報を管理者が自由に選択可能となる。これにより、例えば一部フォーマットが定まっていないレイアウト領域がある場合でも、管理者が変更のない(定型の)レイアウト領域のみを比較対象として選択してやれば、使用者に応じた処理領域のみに毀損処理を施すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0031】
本発明の好ましい実施形態では、所定のドットパターンを検知する手法としては、特許文献3を利用する。
【0032】
特許文献3では、原稿画像の画像データに含まれる背景画像に埋め込まれた背景ドットパターンに対して、あらかじめ記憶領域に記憶されている所定のドットパターンと比較して同一であるかどうかを判断しているものである。画像読み取り手段より入力された画像データに上記特許文献3の手法により、所定のドットパターンが検知された場合、メモリに入力画像データにあらかじめ定められた特性になる処理(スキャナ読み取り補正)を加えた画像データと、使用者認識手段より得られる使用者情報を保存する。メモリに保存した使用者情報に応じて、メモリから読み出した入力画像データ又はそれを画像出力用に変換した画像データに毀損処理を加える。
【0033】
原画像上、ならびに、所定ドットが組み込まれた後の画像上、の特性の異なる各画像領域の検索には、特許文献6の領域分割方法を利用する。
【0034】
この文献の内容を簡単に述べる。画像データを黒連結成分に外接した矩形を抽出し、抽出した矩形の高さのヒストグラムより、標準文字サイズを決定し、抽出した矩形のサイズと標準文字サイズとの大小関係より、文字の矩形とそれ以外の非文字の矩形とに分類する。文字の矩形では、文字間の距離や重なり具合などの相対的な位置関係を組み合わせることで、文字領域部が形成される。実際、入力原稿が図2の(a)の場合、細部領域検索結果は図2の(b)となり、細部領域を統合した検索結果は図2の(c)のようになる。図2の(d)には、図2の(b)に示す細部領域検索結果の一部を拡大して示す。
【0035】
このような画像領域の検索(領域分割)は、画像データ処理部やシステム制御部のどちらで行ってもよい。また、ASIC(Application Specific IC)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアでもDSP(Digital Signal Processor)やCPU(Center Processing Unit)などでのソフトウェアでの処理でも、それら二つを合わせて行ってもよい。これらの組み合わせは、画像処理装置の処理速度やコストに応じて決める。
【0036】
以下本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下に示す実施形態は、デジタルカラー複写機をベースにFAX(ファクシミリ)機能・プリンタ機能・スキャナ機能・ドキュメントボックス機能などを複合したMFP(複合機)に本発明の画像処理装置100を適用した例を示す。
【0037】
図1に本発明におけるデジタル画像処理装置(MFP)100の全体構成を示す。
【0038】
読取り装置(1)はCCD光電変換素子からなるラインセンサとA/Dコンバータとそれら駆動回路を具備し、セットされた原稿をスキャンすることで得る原稿の濃淡情報から、RGB各8ビットのデジタル画像データを生成し出力する。第1画像データ処理装置(2)は、読取り装置(1)からのデジタル画像データに対し、予め定めた特性に統一する処理を施して出力する。統一する特性は画像データをMFP内部に蓄積し、その後再利用する場合に、出力先の変更に適する特性でその詳細は後述する。また、地紋検知装置(17)より得られる検知信号も画像データと合わせて出力する。バス制御装置(3)は、本デジタル画像処理装置内で必要な画像データや制御コマンド等各種データのやり取りを行うデータバスの制御装置で、複数種のバス規格間のブリッジ機能も有している。本実施例では、第1画像データ処理装置(2)、第2画像データ処理装置(4)、CPU(6)とはPCI-Expressバス、HDDとはATAバスで接続し、ASIC化している。・画像データ処理部2(4)は、第1画像データ処理装置(2)で予め定めた特性を統一されたデジタル画像データに対し、ユーザーから指定される出力先に適した画像処理を施し出力する。その詳細は後述する。ちなみに、本発明では、地紋を検地した際に、この第2画像データ処理装置(4)で使用者情報に応じた領域に毀損処理を施す。
【0039】
HDD(5)は、デスクトップパソコンにも使用されている電子データを保存するための大型の記憶装置で、本デジタル画像処理装置内では主にデジタル画像データおよびデジタル画像データの付帯情報を蓄積する。また本実施例ではIDEを拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクを使用する。CPU(6)は、本デジタル画像処理装置の制御全体を司るマイクロプロセッサである。また本実施例では近年普及してきたCPUコア単体に+αの機能を追加したIntegrated CPUを使用した。本実施例ではPMC社のRM11100で、汎用規格I/Fとの接続機能や、クロスバースイッチを使ったこれらバス接続機能がインテグレートされたCPUを使用する。メモリ(7)は、複数種のバス規格間をブリッジする際の速度差や、接続された部品自体の処理速度差を吸収するために、一時的にやりとりするデータを記憶したり、CPUが本デジタル画像処理装置の制御を行う際に、プログラムや中間処理データを一時的に記憶する揮発性メモリである。CPUには高速処理を求められるため、通常起動時にROMに記憶されたブートプログラムにてシステムを起動し、その後は高速にアクセス可能なメモリ(7)に展開されたプログラムによって処理を行う。本実施例では規格化されパーソナルコンピュータに使用されているDIMMを使用する。プロッタI/F装置(8)は、CPU(6)にインテグレートされた汎用規格I/F経由で送られてくるCMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、プロッタ装置(9)の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行う。本実施例で使用している汎用規格I/FはPCI-Expressバスである。プロッタ装置(9)はCMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、レーザービームを用いた電子写真プロセスを使って、転写紙に受け取った画像データを出力する。S.B.(13)は、パーソナルコンピュータに使用されるチップセットのひとつで、South Bridgeと呼ばれる汎用の電子デバイスである。主にPCI-ExpressとISAブリッジを含むCPUシステムを構築する際によく使用されるバスのブリッジ機能を汎用回路化したもので、本実施例ではROMとの間をブリッジしている。ROM(14)は、CPUが本デジタル画像処理装置の制御を行う際のプログラム(含むブート)が格納されるメモリである。操作表示装置(10)は、本デジタル画像処理装置とユーザーのインターフェースを行う部分で、LCD(液晶表示装置)とキースイッチから構成され、装置の各種状態や操作方法をLCDに表示し、ユーザーからのキースイッチ入力を検知する。本実施例ではPCI−Expressバスを介してCPU(6)と接続する。回線I/F装置(11)はPCI-Expressバスと電話回線を接続する装置で、この装置により本デジタル画像処理装置は電話回線を介して各種データのやり取りを行うことが可能になる。FAX(15)は通常のファクシミリで、電話回線を介して本デジタル画像処理装置と画像データの授受を行う。外部I/F装置(12)はPCI-Expressバスと外部装置を接続する装置で、この装置により本デジタル画像処理装置は外部装置と各種データのやり取りを行うことが可能になる。本実施例ではその接続I/Fにネットワーク(イーサネット)を使用する。すなわち本デジタル画像処理装置は外部I/F装置(12)を介してネットワークに接続している。PC(16)はいわゆるパーソナルコンピュータで、パーソナルコンピュータにインストールされたアプリケーションソフトやドライバを介して、ユーザーは本デジタル画像処理装置に対して各種制御や画像データの入出力を行う。地紋検知装置(17)は、第1画像データ処理装置(2)でデータ処理を途中まで行った画像データを入力とし、所定のドットパターンがあるかないかを検知する。もし、所定のドットパターンが存在した場合は、第1画像データ処理装置に地紋検知信号を1にして送信する。ちなみに、所定のドットパターンが存在しない場合は、検知信号を0の状態のままにしておく。地紋検知手法に関しては、前述の通り特許文献3の手法を用いる。使用者認識装置(18)は、あらかじめ管理者が登録したIDとパスワード/バイオメトリクス情報などを認識する装置である。例えば、ICカードで認識を行ってもよいし、指紋・虹彩・顔・音声などのバイオメトリクス情報により認証してもよい。また、操作表示装置(10)によりIDとパスワードを入力して認証してもよい。
【0040】
画像処理装置(MFP)100では、前述したようにコピー機能・スキャナ機能・プリンタ機能・FAX機能・ドキュメントボックス機能など様々な出力手段があるが、どれも出力手段以外は、ほとんど同じ動作なので、代表してコピー動作を例に説明する。
【0041】
「実施例1」(コピー動作) 管理者があらかじめ使用者のIDとパスワード(バイオメトリクス情報なども含む)、そしてその使用者のIDに応じた判読許可レベルを合わせて設定する。例えば、係長・課長・部長などの役職に応じて判読許可レベルを設定してもよいし、部署内の人・部署外の人・事業所外の人などで判読許可レベルを設定してもよい。 使用者は使用者認識装置(18)もしくは操作表示装置(10)などから、IDとパスワード(バイオメトリクス情報なども含む)を入力し、MFPに使用者認証をさせる。そして、その使用者のIDより管理者があらかじめ設定した判読許可レベルの値をCPU(6)を介して、メモリ(7)に格納しておく。次に、原稿を読取り装置(1)にセットし、所望するモード等の設定とコピー開始の入力を操作表示装置(10)に行う。操作表示装置(10)はユーザーから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI-Expressバスを介してCPU(6)に通知される。そのCPU(6)はコピー開始の制御コマンドデータに従って、コピー動作プロセスのプログラムを実行し、コピー動作に必要な設定や動作を順に行っていく。以下に動作プロセスを順に記す。
【0042】
(プロセス1) 読取り装置(1)で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットのデジタル画像データは、第1画像データ処理装置(2)によりあらかじめ決められた特性に統一されるための処理を施される。その処理の途中のデータを地紋検知装置(17)にとりこみ、所定のドットパターンがあるかどうかを検知する。前述したように、所定のドットパターンがある場合には、地紋検知信号を1にして第1画像データ処理装置(2)に送信し、所定のドットパターンが無い場合には地紋検知信号を0の状態のまま出力する。第1画像データ処理装置(2)により、決められた特性に統一された画像データに地紋検知装置より得た地紋検知信号を合わせて、バス制御装置(3)に送る。
【0043】
(プロセス2) バス制御装置(3)は第1画像データ処理装置(2)からのRGB画像データと検知信号を受け取ると、CPU(6)を介してメモリ(7)に画像データと検知信号を合わせて蓄積する。
【0044】
(プロセス3) 次にメモリ(7)に蓄積された検知信号が1か0か、すなわち地紋を検知したか否かで処理フローが異なる。検知信号が0の場合には、メモリ(7)に蓄積されたRGB画像データと検知信号を、CPU(6)及びバス制御装置(3)を介して、第2画像データ処理装置(4)に送信する。検知信号が1の場合には、メモリ(7)に蓄積されたRGB画像データに対して、レイアウト解析処理を行う。本実施例では、この処理をCPU(6)により行うことにするが、第2画像データ処理装置(4)で行ってもよいし(ただし、フレームメモリが必要となる)、画像データ装置2(4)でラベリング処理などの前処理を行い、その前処理したものに対してCPU(6)が、領域(レイアウト)選択を行ってもよい。ちなみに、後者の場合は第2画像データ処理装置(4)を2度使用することとなる。すなわち、1度目に第2画像データ処理装置(4)でラベリング処理を行い、その結果をバス制御装置(3)を通して一度メモリ(7)に記憶し、CPU(6)でレイアウト解析を行ってレイアウト情報を求めた後に、もう一度ラベリング処理されていないRGB画像データを第2画像データ処理装置(4)に入力することにする。レイアウト解析を行う画像データには、ある所定のドットパターンが付加されているので、ラベリング処理を行う際には、事前に、ドットパターンを強くつぶすような平滑フィルタを施したり、画像を圧縮してから(例えば、10画素×10画素を1画素に圧縮する)行うことで(あるいはその両方を行う)、処理時間が短縮される。CPU(6)は、使用者の判読許可レベルとレイアウト解析情報により、(あらかじめ定められている)画像データの毀損処理すべき領域を決定し、その領域の座標情報(例えば、毀損処理する領域の左上と右下の画素値など)を、メモリ(7)に蓄積されたRGB画像データ(レイアウト解析処理される前の画像データ)及び検知信号と合わせて第2画像データ処理装置(4)に送る。
【0045】
(プロセス4) 第2画像データ処理装置(4)は受け取ったRGB画像データを、プロッタ出力用のCMYK画像データに変換しバス制御装置(3)に出力する。第2画像データ処理装置(4)の処理内容は、検知信号により切り替えられている。すなわち、検知信号が1であると、検知信号が0の場合に施すデータ処理に加えて、CPU(6)で決定された領域に毀損処理を行う。ちなみに、FAX機能であればモノクロ二値画像データに変換され、スキャナ機能であれば、モノクロ二値/グレースケール/RGB多値などの画像データに変換されることとなる。コピー動作とFAX動作やスキャナ動作の違いは、この第2画像データ処理装置(4)が変換しようとする画像データの特性と出力方式が異なるだけであり、上記1〜3の基本的な処理の流れは全て同じである。
【0046】
(プロセス5) バス制御装置(3)は第2画像データ処理装置(4)からのCMYK画像データを受け取ると、CPU(6)を介してメモリ(7)に蓄積する。
【0047】
(プロセス6) 次にメモリ(7)に蓄積されたCMYK画像データは、CPU(6)及びプロッタI/F装置(8)を介して、プロッタ装置(9)に送られる。
【0048】
(プロセス7) プロッタ装置(9)は受け取ったCMYK画像データを転写紙に出力し、原稿のコピーが生成される。
【0049】
次に、第1画像処理装置(2)、第2画像処理装置(4)の詳細を説明する。
【0050】
図4に第1画像データ処理装置(2)の処理ブロック図を示す。
【0051】
γ変換(30)は読取り装置(1)から受け取ったRGB画像データの明るさを予め定めた特性に統一する。本実施例では明度リニアな特性に変換した。フィルタ処理(31)はRGB画像データの鮮鋭性を予め定めた特性に統一する。本実施例では基準チャートをスキャンしたときに、線数毎に対して予め定めたMTF特性値になるように変換した。色変換(32)はRGB画像データの色を予め定めた特性に統一する。本実施例では色空間がAdobe社で定義されるAdobe−RGBのような色空間になるように変換している。変倍処理(33)はRGB画像データのサイズ(解像度)を予め定めた特性に統一する。本実施例ではサイズ(解像度)を600dpiに変換した。
【0052】
図5に第2画像データ処理装置(4)の処理ブロック図を示す。
【0053】
この装置は、機能によって処理の手法が多少異なるため、ここではコピー動作を記述する。フィルタ処理(50)はRGB画像データの鮮鋭性を、プロッタ装置(9)に出力する場合の再現性が良くなるように補正する。具体的には所望するモード情報に従って鮮鋭化/平滑化処理を施す。例えば文字モードでは文字をハッキリ/クッキリとするために鮮鋭化処理を施し、写真モードでは滑らかに階調性を表現するため平滑化処理を施す。色変換(51)は、RGB各8ビットのデータを受け取るとプロッタ装置用の色空間であるCMYK各8ビットに変換する。このときにユーザー所望するモード情報に従って彩度もあわせて調整する。変倍処理(52)はCMYK画像データのサイズ(解像度)を、プロッタ装置(9)の再現性能に従ってサイズ(解像度)変換を行う。本実施例ではプロッタ(9)の性能が600dpi出力であるため、特に変換は行わない。階調処理(53)では、CMYK各8ビットを受け取るとプロッタ装置(9)の階調処理能力に従った階調数変換処理を行う。本実施例ではCMYK各2ビットに疑似中間調処理の一つである誤差拡散法を用いて階調数変換した。毀損処理部(54)は、検知信号が1の場合のみ、すなわち入力画像データに所定のドットパターンが検知されたときのみ、実行される処理である。検知信号が0の場合は、諧調処理(53)からきたデータをそのまま出力する。検知信号が1であると、CPU(6)から送られてくる(使用者に応じた)処理領域のみ毀損処理を行う。それ以外の領域は諧調処理部(53)より入力された画像データをそのまま出力する。ちなみに毀損処理とは、入力された画像データに対して忠実ではないように出力することである。具体的には、塗りつぶしやマスクなどの画像変換がもっとも代表的な処理であるが、大きく圧縮をかけたり、多値データを2値データに変換してり、大きく平滑化/先鋭化するフィルタをかけたり、カラーデータをモノクロデータに変換するなどでもよい。
【0054】
「実施例2」 実施例2からは、前述した実施例との差分のみを示していく。
【0055】
実施例2では、管理者が判読レベルが1であると画像全面毀損処理、レベルが2であると文字部のみ毀損処理、レベルが3であると非文字部(絵柄部)のみ毀損処理、レベル4であるとタイトル部のみ毀損処理を行うように設定した場合を考える。プロセス1〜2に関しては、「実施例1」と同様である。
【0056】
(プロセス3) 毀損処理領域を決定する部分以外は、全く同じ動作である。つまり、CPU(6)によりレイアウト解析を行う。図6を入力画像とすると、図7のようなレイアウト解析結果となり、文字部・非文字部などのレイアウト領域を解析することができる。CPU(6)がメモリ(7)に蓄積された使用者に応じた判読許可レベルを読み込み、例えばその判読許可レベルが2であったとすると、CPU(6)は毀損処理領域として、以下のような位置座表を決定する。
レイアウト1[a、b] : a=(Xa、Ya) 、 b=(Xb、Yb)
レイアウト2 [c、d] : c=(Xc、Yc) 、 d=(Xd、Yc)
レイアウト3 [e、f] : e=(Xe、Ye) 、 f=(Xf、Yf)
Xa、Yaは、それぞれ図7のa点の主走査位置座標、副走査位置座標である。この判読許可レベルより決定された毀損処理領域をCPU(6)により、バス制御装置(3)を介して、画像データ処理装置(4)に送られる。もちろん、レイアウト解析前のメモリ(7)に蓄積されたRGB画像データと検知信号も第2画像データ処理装置(4)に送信する。また、判読許可レベルが2のとき、3のときも同様にレイアウト解析結果により、CPU(6)が毀損処理領域を決定する。
【0057】
(プロセス4) 毀損処理以外の部分は、すべて「実施例1」と同様である。毀損処理部(54)は、CPU(6)より得られた毀損処理領域[(Xa、Ya) (Xb、Yb)]〜[(Xe、Ye) (Xf、Yf)]より、入力画像の主走査画素カウンタがXa以上Xb以下でかつ副走査画素カウンタがYa以上Yb以下の部分及び主走査画素カウンタがXc以上Xd以下でかつ副走査画素カウンタがYc以上Yd以下の部分及び主走査画素カウンタがXe以上Xf以下でかつ副走査画素カウンタがYe以上Yf以下の部分のみ毀損処理を行う。
【0058】
(プロセス5〜7)に関しては、「実施例1」と同様である。
【0059】
「実施例3」 実施例3では、コピー動作の処理を行う前に、あらかじめ判読許可レベルに応じた毀損処理領域を登録するという動作を行う。
【0060】
(登録動作) 基本的に以下の登録動作はMFPの管理者が行うものとする。まず、登録動作を行うことをMFPに知らせるために、操作表示装置(10)に対して所定の設定を行う。所定のドットパターンが付加された原稿を複写する場合にある一部分を毀損したい原稿を、読み取り装置(1)より読み取り、第1画像データ処理装置(2)であらかじめ定められた特性に統一されたRGB各8ビットのデジタル画像データに変換してバス制御装置(3)に送り、バス制御装置(3)がその画像データをCPU(6)を介して、メモリ(7)に蓄積する。そして、CPU(6)によりレイアウト解析処理を行い、そのレイアウト解析結果をメモリ(7)に蓄積する。メモリ(7)に蓄積されたRGB画像データは、第2画像データ処理装置(4)により、PCのディスプレイもしくは操作表示装置(10)のプレビュー画像に適したデータに変換し、バス制御装置(3)よりCPU(6)を介して、メモリ(7)に蓄積させる。CPU(6)は、その画像データにレイアウト解析情報から文字部や非文字部などを図7のように矩形で囲む画像を生成し、それを外部I/F装置を介して、管理者が使用するPCへと送信する。もしくは、操作表示装置(10)にプレビュー画像として表示させてもよい。管理者は、その画像が映し出されたPCのディスプレイもしくは操作表示装置(10)を見ながら、使用者に与える判読許可レベルと毀損処理領域をペアとして選択する。ちなみに、毀損処理領域は、レイアウト解析結果により得られるレイアウト領域を選択するものとする。図7で説明すると、判読許可レベルが1の場合、毀損処理領域をレイアウト4にし、判読許可レベルが2の場合、毀損処理領域をレイアウト4とレイアウト2にし、判読許可レベルが3の場合、毀損処理領域をレイアウト4とレイアウト2とレイアウト1にするという具合である。以下、操作表示装置(10)のプレビュー画面を見て設定する場合を説明する。管理者が操作表示装置(10)で選択した情報は、PCI-Expressバスを介して、CPU(6)に送られ、判読許可レベルと毀損処理領域とのペアでバス制御装置にある不揮発性のRAM(図示していない)に登録される。また、この画像のレイアウト解析結果も同時に不揮発性のRAMに登録する。以上が登録動作である。
【0061】
次に、コピー動作の説明を行なう。
【0062】
(コピー動作) (プロセス1〜2)は「実施例1」と同様である。
【0063】
(プロセス3) メモリ(7)に蓄積されたRGB画像データと検知信号は、CPU(6)及びバス制御装置(3)を介して、第2画像データ処理装置(4)に送られる。その際に、検知信号の値が1である場合は、CPU(6)は蓄積されたRGB画像データのレイアウト解析を行い、そのレイアウト解析情報を得てから、第2画像データ処理装置(4)に送られる。その際に、まずCPU(6)が行ったレイアウト解析情報と前記登録動作によりあらかじめ不揮発性RAMに登録されているレイアウト情報との比較処理を行う。そして、登録してあるレイアウト情報と一致した際には、使用者の判読許可レベルとペアで記憶されている毀損処理領域情報も第2画像データ処理装置(4)に送る。
【0064】
(プロセス4〜7)の動作は「実施例2」と同様である。
【0065】
「実施例4」 実施例4は、全体的な流れとしては、ほぼ「実施例3」と同様であり、「実施例3」との差分のみ説明していく。
【0066】
(登録動作) 「実施例3」の場合に対して、登録する情報以外は全て同様の流れとなる。図7の場合を例にして、MFPに登録する動作のみ説明する。
【0067】
管理者が操作表示装置(10)のプレビュー画面を見て、「実施例3」と同じように
判読許可レベルが1の場合、レイアウト領域4を
判読許可レベルが2の場合、レイアウト領域4と2を、
判読許可レベルが3の場合、レイアウト領域4と2と1を毀損処理する場合、
管理者がプレビュー画面より上記のレイアウト領域を選択すると、自動的に各々のレイアウト領域の位置座標を以下のように算出する。
判読許可レベル1、 レイアウト4 [g、h]
判読許可レベル2、 レイアウト4 [g、h]& レイアウト2 [c、d]
判読許可レベル3、 レイアウト4 [g、h]& レイアウト2 [c、d] & レイアウト1 [a、b]
ちなみに、各々のレイアウトの点a〜hは、主走査画素位置Xa〜Xh、副走査画素位置Ya〜Yhの2つの座標より表している。この毀損処理領域座標と合わせて、登録する画像のレイアウト解析情報も同じように各レイアウト領域の位置座標を算出し、これらを全て不揮発性のRAMに登録する。
【0068】
(コピー動作) (プロセス1〜2)は「実施例1」と同様である。
【0069】
(プロセス3) 比較処理以外は「実施例3」と同様なので、比較処理のみ説明する。あらかじめ登録してあるレイアウト領域の位置座標とレイアウト解析処理を行った入力画像のレイアウト領域の位置座標とを比較する。この比較処理であるが、画像データが同じ向きでかつ変倍処理などを施していない場合は、レイアウト解析結果の画素座標値と登録している画素座標値との単純な比較を行えばよいが、本実施例では、原稿の向きが異なっている場合や、画像データが変倍されている場合などにも利用できる比較手法を述べることにする。そこで、レイアウト領域の位置座標より重心座標を求めて、重心座標の相対的な位置関係をもとに比較する。まず図8のように位置座標a〜hより登録してあるレイアウト解析情報のレイアウト領域の重心座標A〜Dを求める。そして、A〜Dのうちの2点間の距離を求める。すなわち、AB間の距離(1)、AC間の距離(2)、AD間の距離(3)、BC間の距離(4)、BD間の距離(5)、CD間の距離(6)を求める。重心の個数がN個の場合NC2本の距離を求めなくてはならない。さらに重心距離の各々の比率、距離(1)/距離(2)、距離(1)/距離(3)、距離(1)/距離(4)、・・・、距離(2)/距離(3)、距離(2)/距離(4)、・・・、距離(4)/ 距離(6)、距離(5)/ 距離(6)計15個求める。ここで、比率の計算が1未満の場合は、その逆数を利用する。そして、この15個を降順もしくは昇順にソートする。
【0070】
図9,図10)のような入力画像に対してもレイアウト解析を行い、その重心座標を求め、さらに各々の比を1以上になるように(1未満なら逆数をとる)求め、図8の場合と同じように、ソートする。比較処理では、まずレイアウト領域の個数を比較し、レイアウト領域数が同じであるならば、ソートしたの値どうしを一つずつ比較し、全ての値がある基準値以内に収まっていれば、比較処理では入力画像が登録されたレイアウト情報と等しい原稿であると判断する。等しいと判断した場合には、ソートして比較しあった比率の値より登録しているレイアウト領域と入力画像のレイアウト領域をマッチングさせる。例えば、図8と図9の比較結果により、距離(2)/距離(1)=距離(3’)/距離(5’)、距離(3)/距離(1)=距離(6’)/距離(5’)であれば、距離(1)=距離(3’)、距離(2)= 距離(5’)、距離(3)=距離(6’)ということがわかる。
【0071】
これにより、レイアウト領域1=レイアウト領域4’となる。このようにして、すべてのレイアウト領域をマッチングさせる。また、さらに比較処理精度を高めるのであれば、重心位置間の比率を求める際に、その重心と重心と結んだ辺の間の角度も求め、比率の値と角度をペアにして比較すると良いと考えられる。たとえば、図8)の距離(1)と距離(2)との比率では、同時にその間の角度αを算出することになる。レイアウト領域のマッチングにより、使用者の判読許可レベルによりあらかじめ登録した毀損処理領域が求まるので、その情報を画像処理装置2(4)に送信する。
【0072】
(プロセス4〜7)の動作は「実施例1」と同様である。
【0073】
「実施例5」 実施例5は、全体的な流れとしては、ほぼ「実施例3、4」と同様であり、「実施例4」との差分のみ説明していく。
【0074】
(登録動作) 「実施例4」の場合と同様である。
【0075】
(コピー動作) 「実施例4」と比較処理の内容のみ異なる。「実施例4」では、重心位置間の比率より登録されているレイアウト領域と入力画像のレイアウト領域をマッチさせる。しかし、重心位置間の比率のみで比較しているので、図11のように重心位置が全く同じである画像に対しては、見た目が全く異なる画像であるのに等しいと判断されてしまう。また、図12のように主走査・副走査どちらか一方に変倍されている場合には、重心位置を比較情報としてしまうと比較することができなくなってしまう。そこで、管理者が図11のような場合のみ精度よく比較でき、図12のような場合は比較できないでよい(全面塗りつぶしとなる)と考えるならば、比較情報として重心位置と面積比の両方を用い、図12の場合も比較できるようにと考えるのであれば、面積比のみを比較情報として用いる。この実施例では前者の場合のみ説明するが、後者の場合はこの実施例の重心位置の比較の部分を除くだけである。ちなみに、登録されているレイアウト領域は矩形であり、左上画素位置と右下画素位置により、容易に計算できる。
【0076】
図8のレイアウト領域1〜4の面積をそれぞれM1〜M4とし、
図9)のレイアウト領域1’〜4’をM1’〜M4’とすると、重心位置の比較と同じように、M1/M2、 M1/M3、 M1/M4、 M2/M3、 M2/M4、 M3/M4の比率をソートしたものとM1’/M2’、 M1’/M3’、 M1’/M4’、 M2’/M3’、 M2’/M4’ M3’/M4’との比率をソートしたものとを比較する。(どちらも1未満は逆数にする。)
【0077】
そして、比較処理において、(「実施例4」のように)重心位置の比率が一致しかつ面積比も一致したもののみを登録データと同じレイアウトであると判定する。この後の処理に関しては、「実施例4」と同じである。
【0078】
「実施例6」
(登録動作) 「実施例4」の場合に対して、登録する情報以外は全て同様の流れとなる。登録したい画像に対してレイアウト解析処理を行う際に、前述したようにその前処理としてラベリング処理を行うが、そのときのラベルの数をレイアウト領域ごとにカウントし、登録する入力画像のレイアウト解析情報と合わせてカウントしておく。このラベルの数は、レイアウト領域が文字部の場合、文字数と相関関係がある。そして、判読許可レベルに応じた毀損処理領域情報、登録したい画像データのレイアウト解析情報と合わせて、MFPの不揮発性RAMに記憶する。これ以外は、全て「実施例4」と同じである。
【0079】
(コピー動作) 「実施例4」と比較処理の部分のみ異なるので、比較処理のみ説明する実施例5のときにも述べたが、図11のような場合に重心位置のみの比較だと同一であるかどうかの判断ができない。また、図12のように、主走査・副走査のどちらか一方に大きく変倍されていると重心位置は比較材料として使えない。そこで、管理者が図11のようなケースを精度良く比較でき、図12の場合は比較できなくても良いとするならば、比較情報として重心位置とラベル数を用いることで精度良く比較でき、一方、図12の場合も同一の原稿であるかどうかを比較したいという場合には比較情報として面積比とラベル数を用いることにする。本実施例では、後者についてのみ説明するが、前者の場合は面積比での比較を重心位置での比較に変更するだけである。
【0080】
まず、登録動作の時と同じように、入力画像をレイアウト解析する際のラベリング処理で各々のレイアウト領域のラベル数をカウントしておく。入力画像のレイアウト解析処理が終了し、登録画像データと比較する際に、「実施例5」と同じようにレイアウト領域ごとの面積M1〜M4、M1’〜M4’を求める。そして、それぞれの面積比M1/M2、 M1/M3、 M1/M4、 M2/M3、 M2/M4、 M3/M4とM1’/M2’、 M1’/M3’、 M1’/M4’、 M2’/M3’、 M2’/M4’ M3’/M4’を求め(1未満の場合は逆数をとる)、それぞれ降順にソートして値を比較する。そして、どの比率の値もある基準値以内に収まっていた場合、それぞれのレイアウト領域をマッチングする。次に、マッチングした領域同士のラベル数を比較し、そのラベル数も一致していた場合のみ登録しているレイアウト画像データと入力画像データが等しい判断する。これ以後の処理に関しては、他の実施例と同様である。
【0081】
「実施例7」
(登録動作) 管理者は、レイアウト解析情報や毀損処理領域を設定する際に、比較処理の比較基準も設定可能となる。具体的には、図13のように操作表示装置(10)に表示され、管理者は目盛りにより、基準値を高くするか低くするかを自由に選択できる。この設定値も不揮発性のRAMに保存される。この設定をすることで、不揮発性RAMに記憶されている図14のようなテーブルデータをもとに、比較処理の際に使用する比率基準値とレイアウト領域枚数基準値が決定される。(詳細はコピー動作のところで書く。)それ以外の登録動作は、「実施例4」と同様である。
【0082】
(コピー動作) 比較処理以外は「実施例4」と同様であるので、比較処理のみ説明する。例えば、「実施例4」のように重心位置間の比率のみにより比較する場合を考える。登録されているレイアウト解析データの重心位置間の比率をソートしたものと、入力画像の重心位置をソートしたものとを比較する場合、はじめに重心の個数、すなわちレイアウト領域の数を比べ、その後に一つ一つの比率の値を比較していく。CPU(6)は、管理者が設定した比較基準値により、図14のようなテーブルデータからレイアウト領域数基準値と比率基準値を参照する。まず、レイアウト領域の個数を比較するが、入力画像のレイアウト領域数と登録データのレイアウト領域数との差が、参照したレイアウト領域基準値以内なら等しい(フォーマットデータである)と判断する。通常は、レイアウト領域数が同数でないと等しいはずはないが、入力原稿が汚れていたり、原稿の一部が隠されていた場合にも、同一データとして認めるか否かの判断の基準を管理者が自由に設定できるというシステムである。図14を見ても、当然レイアウト比較基準値が高ければ高いほど、レイアウト領域数基準値が小さくなり、レイアウト比較基準値が低くなるにつれて、レイアウト領域数基準値が大きくなっていく。このレイアウト領域数比較で同一であると判断されると、次に重心位置間の比率の値を一つずつ比較していく。比較手法の一例としては、入力画像データもしくは登録データのうちレイアウト領域の数が少ない方の重心位置間比率値が、すべて以下の式を満たすのであれば、比較処理では同一であると判断する。ちなみに、下記式を満足させるために、重心間比率値の同じ値を二度使用してはいけない。
最小比率基準値 ≦
(入力画像データの重心間比率値)/(登録データの重心間比率値)
≦ 最大比率基準値
例えば、登録画像データの比率値が 1.1 1.8 2.5
入力画像データの比率値が 1.2 1.7 2.9 3.1として、図14のテーブルデータの比率基準値を用いると(実際に比率値が3個と4個の比較はあり得ないが、ここでは理解を容易にするための例としてあげる)、
1.2/1.1= 1.090 1.7/1.1= 1.545 2.9/1.1=2.636 3.1/1.1=2.818
1.2/1.8=0.667 1.7/1.8=0.944 2.9/1.8=1.611 3.1/1.8=1.722
1.2/2.5=0.48 1.7/2.5=0.680 2.9/2.5=1.160 3.1/2.5=1.240
個数の少ない入力画像データ比率値と登録データの比率値との比率が最も最小になる組み合わせは上記の赤の太字の組み合わせとなる。この中で最も1から離れている数値は1.160=(1±0.160)であり、この値と図14の比率基準値とを見比べると、レイアウト基準値が3以上であると比較処理ではNGとなり、レイアウト基準値が2以下であれば比較処理で同一であると判断される。このように、比較処理の基準値を管理者が自由に設定することで、セキュリティレベルを柔軟に設定できる。以下の処理は、他の実施例と同様である。
【0083】
「実施例8」
(登録動作) 管理者はレイアウト解析情報や毀損処理領域を設定する際に、比較処理を行うレイアウト領域を選択可能となる。図3のように、記録するフォーマットに一部分変更されるような(文章が書いてある/書いてない/文量が変化する)部分が存在する場合に本実施例は有効となる。そのような変動するレイアウト領域は、比較の対象外として、固定されたレイアウト領域のみを比較対象とするというものである。管理者は、PCの画面や操作表示装置(10)を見ながら、毀損領域を登録する際に、比較対象(もしくは比較対象外)とするレイアウト領域も同時に設定する。この情報も他のデータと同じように不揮発性RAMに保存される。図3の場合を考えると、レイアウト領域3は文章があるかないかわからない領域なので、レイアウト領域3を比較対象外として登録する。その他の登録動作に関しては、「実施例4」と同様である。
【0084】
(コピー動作) 比較処理以外は「実施例4」と同様であるので、比較処理のみ説明する。例えば、「実施例4」のように、重心位置とその間の角度を基に比較処理を行う動作を考える。あらかじめ登録されているレイアウト解析情報と比較対象外レイアウト領域情報より、レイアウト1、レイアウト2、レイアウト4の重心位置を計算し(比較対象外であるレイアウト領域3は除外する)、そこから重心位置間の比率値とその間の角度を求める。一方、入力画像データはレイアウト解析を行ってもどのレイアウト領域がレイアウト3であるかわからないので、(レイアウト領域3は無い可能性もある)すべてのレイアウト領域の重心位置を算出し、重心位置間の比率値とその間の角度を求める。比較処理では、前述したように始めにレイアウト領域数を比較するのであるが、以下の式が満たされれば、レイアウト領域数比較では同一であると判断される。
0≦
(入力画像データレイアウト数)―(登録データ比較対象レイアウト数)
≦比較対象外レイアウト領域数 (管理者が登録する値)
ただし、「実施例7」のようにテーブルデータで基準値を参照する場合には、上式はその基準値に応じて変化する。次に、おのおの重心位置の比率値とその間の角度を求め、入力データ、登録データともに降順にソートし、「実施例7」のようにある基準値内にすべての値が収まっているようであれば、入力データと登録データはレイアウト情報が同一であると判断する。その後の毀損処理領域決定動作以降は、全て「実施例4」と同様である。
【0085】
なお、以上本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明を実施するための最良の形態に係る(デジタル)画像処理装置(MFP)100の全体構成を示す図である。
【図2】入力原稿例について示す図である。
【図3】記録するフォーマットに一部分変更されるような(文章が書いてある/書いてない/文量が変化する)部分が存在する原稿例について示す図である。
【図4】第1画像データ処理装置(2)の処理ブロック図である。
【図5】第2画像データ処理装置(4)の処理ブロック図である。
【図6】入力画像例について示す図である。
【図7】レイアウト解析結果例について示す図である。
【図8】入力画像例について示す図である。
【図9】入力画像例について示す図である。
【図10】入力画像例について示す図である。
【図11】重心位置が全く同じである画像について示す図である。
【図12】主走査・副走査どちらか一方に変倍されている場合の重心位置の変化について示す図である。
【図13】操作表示装置(10)における表示例について示す図である。
【図14】テーブルデータ例について示す図である。
【符号の説明】
【0087】
100 画像処理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター、スキャナー等の機能を複合したデジタル複合機(MFP)等のデジタル画像データに対する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明に関連する公知技術としては、特許文献1〜6を挙げることができる。
【0003】
特許文献1は、複写禁止領域(毀損処理領域)を使用者に応じて設定することが可能である。しかし、管理者は複写禁止領域を完全に手動で設定しなくてはならず、例えば文字部(領域)をすべて複写禁止にする場合は、管理者が毀損処理を行いたい領域を画像処理装置に入力し、文字部を全て選択して設定する必要があり、原稿のレイアウトによってはかなり煩わしい処理となる。また、実施例を見ると複写禁止領域をバーコードに埋め込んでいるが、バーコードを隠された場合に全く対応できず、すべて複写されてしまうという課題がある。
【0004】
特許文献2は、(本発明と同じように)レイアウト解析処理を用いているが、あくまでどのような画像を不正コピーしたかを管理者が確認するだけであり、毀損処理動作とレイアウト情報は直接連動していない。出力禁止を行うか行わないかの二択しか選択できず、セキュリティの柔軟な設定ができない。
【0005】
特許文献3は、複写する原稿のパターンがあらかじめ記憶されたパターンと一致しているかどうかをリアルタイムで検知し、複写原稿のパターンが検知された場合には判読不可能状態になるように全面毀損処理(塗りつぶし)を行って出力するというものである。これにより、特定のパターンを付加した原稿であれば、完全に複写禁止することが可能となった。しかし、原稿全面を判読不可能状態にすることしかできず、そのため、例えば使用者によって塗りつぶすかどうかを選択したり、文字のみ見せないあるいは図のみ見せないなどの選択など、柔軟なセキュリティの設定を行うことが不可能である。
【0006】
特許文献4に記載の画像処理装置は、オリジナル原稿の作成者が原稿の複写禁止領域をあらかじめ指定し、その領域のみにタイル状のパターンを合成させ、オリジナル原稿を出力する。そのオリジナル原稿を複写した場合、そのタイル状のパターンが貼り付けてある部分のみ判読不可能状態になって出力される。タイル状のパターンを地紋禁止領域に合成させることにより、画像の一部のみの塗りつぶしが可能になる。しかし、文字が少ない場合は良いが、複写禁止領域が様々な位置にある場合は複写禁止領域の設定が大変わずらわしいものになる。また、使用者ごとに複写禁止領域を変化させるなどの処理はできない。
【0007】
特許文献5に記載の画像形成装置は、書籍や記録紙に埋め込んだICタグの、コピー禁止箇所や禁止画像を読み取って、コピー禁止箇所をマスクしている。この技術ではICタグを埋め込んである紙を使用しなければならないし、またコピー禁止領域も小さい領域しか指定できない。
【0008】
特許文献6は、画像上の文字領域と、文字画像ではない有意画像である非文字領域とを検出する領域分割方法を開示している。
【特許文献1】特開2003-032487号公報
【特許文献2】特開2002-057895号公報
【特許文献3】特開2004-274092号公報
【特許文献4】特開2005-79628号公報
【特許文献5】特開2006-94346号公報
【特許文献6】特許第3278471号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1〜6に開示される公知技術では、管理者が、文字部や非文字部などの複数の(レイアウト)領域それぞれに対して使用者の判読許可レベルに応じて出力許可するか否かを自由に選択できるようにする。すなわち、出力する/しないの2択ではなく、セキュリティレベルを柔軟に設定可能とすることで、セキュリティレベルと利便性のトレードオフを管理者が自由に選択できるようにすることはできない。
【0010】
また、特許文献1〜6に開示される公知技術では、レイアウト解析処理により、文字部・非文字部などの領域を自動的に判定し、あらかじめ登録していない原稿に対しても、使用者に応じて自動的に文字や図柄などを出力禁止することを可能とすることはできない。
【0011】
本発明は係る事情に鑑みてなれさたものであり、以下の目的をもってなされたものである。つまり、管理者が、文字部や非文字部などの複数の(レイアウト)領域それぞれに対して使用者の判読許可レベルに応じて出力許可するか否かを自由に選択できるようにする。すなわち、出力する/しないの2択ではなく、セキュリティレベルを柔軟に設定可能とすることで、セキュリティレベルと利便性のトレードオフを管理者が自由に選択できるようにする。また、レイアウト解析処理により、文字部・非文字部などの領域を自動的に判定し、あらかじめ登録していない原稿に対しても、使用者に応じて自動的に文字や図柄などを出力禁止することを可能とする。更に、管理者が前記領域を出力禁止にする場合、自動的に(レイアウト)領域が分割されているため、比較的楽に設定することを可能とする。すなわち、レイアウトに応じて文字部をすべて毀損するように設定するのが煩わしいなどのケースを無くす。原稿の一部が隠されたり汚されたりした場合にも、管理者が設定すればあらかじめ設定した毀損領域のみを毀損処理することを可能とする。それにより、使用者に応じて必要な箇所のみ毀損処理を行うことで、セキュリティ面だけでなく記録剤の削減も可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の画像処理装置は、電子化した画像データを得る画像入力手段と、前記画像入力手段より得られた画像データ中に、ある所定のドットパターンが存在するか否かを検知する地紋検知手段と、使用者を認識する使用者認識手段と、該使用者の判読許可レベルを記憶する判読許可レベル記憶手段と、前記画像データおよび画像データの付帯情報を蓄積する画像データ記憶手段と、前記画像入力手段により得られた画像データを計算処理する画像データ処理手段と、前記画像データのレイアウト解析処理を行うレイアウト解析処理手段と、前記画像データ処理手段で処理されたデータを出力する画像出力手段とを備え、前記地紋検知手段が所定のドットパターンを検知した場合に、使用者の判読許可レベルと前記レイアウト解析処理手段から得られるレイアウト解析情報に応じて、画像毀損処理の処理範囲を切り替えて出力することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置おいて、前記使用者の判読許可レベルがある特定の値であった場合に、前記レイアウト解析情報より得られた入力画像データの文字領域のみを毀損処理することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置おいて、前記使用者の判読許可レベルがある特定の値であった場合に、前記レイアウト解析情報より得られた入力画像データの非文字領域のみを毀損処理することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置おいて、レイアウト解析情報に基づき前記使用者の判読許可レベルと対応付けた、毀損処理を施す処理領域および該レイアウト解析情報をセットで記憶するレイアウト解析情報記憶手段と、管理者があらかじめ前記毀損処理領域を設定する毀損処理領域設定手段と、前記画像入力手段より得られた画像データのレイアウト解析情報及び前記レイアウト解析情報記憶手段に記憶されているレイアウト解析情報を比較するレイアウト解析情報比較手段とを備え、前記レイアウト解析情報比較手段が等しいと判断した場合、該使用者の判読許可レベルに応じて、前記レイアウト解析情報とセットで記憶されている毀損処理領域に毀損処理を施すことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の画像処理装置は、請求項4に記載の画像処理装置おいて、前記レイアウト解析情報比較手段は、あらかじめ記憶している前記レイアウト解析情報及び前記画像入力手段より得られた入力画像のレイアウト解析情報において、おのおののレイアウト解析処理より求められた1つもしくは複数のレイアウト領域の相対的な位置座標を比較することを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の画像処理装置は、請求項4または5のいずれかに記載の画像処理装置において、前記レイアウト解析情報比較手段は、あらかじめ記憶している前記レイアウト解析情報及び前記画像入力手段より得られた入力画像のレイアウト解析情報において、おのおののレイアウト解析処理より求められた1つもしくは複数のレイアウト領域の相対的な面積比を比較することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の画像処理装置は、請求項4ないし6のいずれかに記載の画像処理装置において、前記レイアウト解析情報比較手段は、あらかじめ記憶している前記レイアウト解析情報及び前記画像入力手段より得られた入力画像のレイアウト解析情報において、おのおののレイアウト解析より求められた1つもしくは複数のレイアウト領域におけるラベル数を比較することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の画像処理装置は、請求項4ないし7のいずれかに記載の画像処理装置において、前記レイアウト解析情報比較手段が等しいと判断する基準を設定可能であることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の画像処理装置は、請求項4ないし8のいずれかに記載の画像処理装置において、前記レイアウト解析情報記憶手段に記憶されているレイアウト解析情報において、1つないし複数のレイアウト領域の中から前記レイアウト解析情報比較手段が比較対象とするレイアウト領域を選択可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係る発明によれば、所定のドットパターンが付加された原稿に対して、使用者の判読許可レベルおよびレイアウト解析情報に応じて、画像毀損処理領域を切り替えることが可能となる。つまり、使用者や領域ごとの柔軟な秘匿処理設定、画像漏出に対するセキュリティの設定が可能となる。
【0022】
請求項2に係る発明によれば、レイアウト解析処理により求められた原稿の文字部(領域)のみを判読不可能にすることで、文字は読めないが図や写真などのみは判読できるというセキュリティレベルの調整を行う。レイアウト解析処理により、自動的に文字部を認識でき、特に原稿のレイアウトなどをあらかじめ登録しておかなくても可能となる。また、文字(のみの)原稿であっても、文字部のみを塗りつぶすことで、全面塗りつぶす場合に比べ、記録剤の削減にもなる。
【0023】
請求項3に係る発明によれば、レイアウト解析処理により求められた原稿の非文字部(領域)を判読不可能にすることで、写真や図などは読めないが、文字部のみ判読できるというセキュリティレベルの調整が可能になる。レイアウト解析処理により、自動的に非文字部を認識するので、特に原稿のレイアウトなどをあらかじめ登録しておかなくても可能となる。例えば、商標登録されているキャラクターの絵やロゴマークなどの乱用禁止やまだ市場に投入されていない製品の写真・図(デザイン)などを隠すことができる。
【0024】
請求項4に係る発明によれば、あらかじめ明細書や議事録などのフォーマット原稿を本発明に係る画像処理装置に登録し、その装置の使用者に応じて、登録した原稿の特定箇所のみを判読不可能にすることが可能になる。すなわち、管理者は使用者ごとに見せたくない領域を設定することができる。例えば、一般的な企業で考えれば、使用者の判読レベルに役職などを対応づけ、部長職は全面出力可であるが、課長職では一部出力不可、一般社員では全面出力不可などの制御を行うことが可能となる。
【0025】
請求項5に係る発明によれば、あらかじめ登録されているレイアウト解析情報と画像読み取り手段より得られる入力画像データのレイアウト解析情報を比較して、登録されているフォーマットデータと入力画像が同じものであるかを確認する際に各々の1つもしくは複数のレイアウト領域の相対的な位置情報により比較することで、入力画像が登録フォーマットに対して、回転していたり、上下反転していたり、(主走査副走査ともに)変倍しているときにも、同一のものと確認することができる。
【0026】
請求項6に係る発明によれば、請求項5と同じように登録フォーマットと同一のものであるかを比較する際に、おのおのの1つないし複数のレイアウト領域における相対的な面積比も用いることで、請求項5の手法よりさらに精度の良い比較を行うことができると考えられる。また、請求項5の手法(比較材料として、レイアウト領域の位置座標のみを用いる手法)であると、重心位置の比較では偶然一致してしまう画像を同じものだと判断してしまったり、単純に変倍処理された画像と元の画像とを同じものと判断できなかったりするが、面積比を用いることで前記の比較の場合にも対応できる。
【0027】
請求項7に係る発明によれば、請求項5と同じように登録フォーマットと同一のものであるかを比較する際に、おのおのの1つないし複数のレイアウト領域におけるラベル数も用いることで、請求項5の手法や請求項6の手法よりさらに精度の良い比較を行うことができると考えられる。また、請求項5の手法(比較材料として、レイアウト領域の位置座標のみを用いる手法)であると、重心位置の比較では偶然一致してしまう画像を同じものだと判断してしまったり、単純に変倍処理された画像と元の画像とを同じものと判断できなかったりするが、ラベル数を用いることで前記の比較の場合にも対応できる。
【0028】
請求項8に係る発明によれば、 あらかじめ登録されているフォーマットデータと入力画像データが同じか否かの判断基準を管理者が自由に設定可能になり、機密性と利便性のトレードオフを管理者が自由に選択できる。判断基準を低くしておけば、原稿の一部が隠れているときや汚れているときなどでも、使用者に応じた処理領域に毀損処理を行い、一方、判断基準を高く設定しておけば、原稿の一部が隠れているときや汚れている場合ときにあらかじめ登録したフォーマットと異なると判断され、原稿全面毀損処理を施すようなことが実現可能となる。
【0029】
請求項9に係る発明によれば、登録されているフォーマットデータのレイアウト情報のうち、入力データと比較するレイアウト(領域)情報を管理者が自由に選択可能となる。これにより、例えば一部フォーマットが定まっていないレイアウト領域がある場合でも、管理者が変更のない(定型の)レイアウト領域のみを比較対象として選択してやれば、使用者に応じた処理領域のみに毀損処理を施すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0031】
本発明の好ましい実施形態では、所定のドットパターンを検知する手法としては、特許文献3を利用する。
【0032】
特許文献3では、原稿画像の画像データに含まれる背景画像に埋め込まれた背景ドットパターンに対して、あらかじめ記憶領域に記憶されている所定のドットパターンと比較して同一であるかどうかを判断しているものである。画像読み取り手段より入力された画像データに上記特許文献3の手法により、所定のドットパターンが検知された場合、メモリに入力画像データにあらかじめ定められた特性になる処理(スキャナ読み取り補正)を加えた画像データと、使用者認識手段より得られる使用者情報を保存する。メモリに保存した使用者情報に応じて、メモリから読み出した入力画像データ又はそれを画像出力用に変換した画像データに毀損処理を加える。
【0033】
原画像上、ならびに、所定ドットが組み込まれた後の画像上、の特性の異なる各画像領域の検索には、特許文献6の領域分割方法を利用する。
【0034】
この文献の内容を簡単に述べる。画像データを黒連結成分に外接した矩形を抽出し、抽出した矩形の高さのヒストグラムより、標準文字サイズを決定し、抽出した矩形のサイズと標準文字サイズとの大小関係より、文字の矩形とそれ以外の非文字の矩形とに分類する。文字の矩形では、文字間の距離や重なり具合などの相対的な位置関係を組み合わせることで、文字領域部が形成される。実際、入力原稿が図2の(a)の場合、細部領域検索結果は図2の(b)となり、細部領域を統合した検索結果は図2の(c)のようになる。図2の(d)には、図2の(b)に示す細部領域検索結果の一部を拡大して示す。
【0035】
このような画像領域の検索(領域分割)は、画像データ処理部やシステム制御部のどちらで行ってもよい。また、ASIC(Application Specific IC)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアでもDSP(Digital Signal Processor)やCPU(Center Processing Unit)などでのソフトウェアでの処理でも、それら二つを合わせて行ってもよい。これらの組み合わせは、画像処理装置の処理速度やコストに応じて決める。
【0036】
以下本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下に示す実施形態は、デジタルカラー複写機をベースにFAX(ファクシミリ)機能・プリンタ機能・スキャナ機能・ドキュメントボックス機能などを複合したMFP(複合機)に本発明の画像処理装置100を適用した例を示す。
【0037】
図1に本発明におけるデジタル画像処理装置(MFP)100の全体構成を示す。
【0038】
読取り装置(1)はCCD光電変換素子からなるラインセンサとA/Dコンバータとそれら駆動回路を具備し、セットされた原稿をスキャンすることで得る原稿の濃淡情報から、RGB各8ビットのデジタル画像データを生成し出力する。第1画像データ処理装置(2)は、読取り装置(1)からのデジタル画像データに対し、予め定めた特性に統一する処理を施して出力する。統一する特性は画像データをMFP内部に蓄積し、その後再利用する場合に、出力先の変更に適する特性でその詳細は後述する。また、地紋検知装置(17)より得られる検知信号も画像データと合わせて出力する。バス制御装置(3)は、本デジタル画像処理装置内で必要な画像データや制御コマンド等各種データのやり取りを行うデータバスの制御装置で、複数種のバス規格間のブリッジ機能も有している。本実施例では、第1画像データ処理装置(2)、第2画像データ処理装置(4)、CPU(6)とはPCI-Expressバス、HDDとはATAバスで接続し、ASIC化している。・画像データ処理部2(4)は、第1画像データ処理装置(2)で予め定めた特性を統一されたデジタル画像データに対し、ユーザーから指定される出力先に適した画像処理を施し出力する。その詳細は後述する。ちなみに、本発明では、地紋を検地した際に、この第2画像データ処理装置(4)で使用者情報に応じた領域に毀損処理を施す。
【0039】
HDD(5)は、デスクトップパソコンにも使用されている電子データを保存するための大型の記憶装置で、本デジタル画像処理装置内では主にデジタル画像データおよびデジタル画像データの付帯情報を蓄積する。また本実施例ではIDEを拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクを使用する。CPU(6)は、本デジタル画像処理装置の制御全体を司るマイクロプロセッサである。また本実施例では近年普及してきたCPUコア単体に+αの機能を追加したIntegrated CPUを使用した。本実施例ではPMC社のRM11100で、汎用規格I/Fとの接続機能や、クロスバースイッチを使ったこれらバス接続機能がインテグレートされたCPUを使用する。メモリ(7)は、複数種のバス規格間をブリッジする際の速度差や、接続された部品自体の処理速度差を吸収するために、一時的にやりとりするデータを記憶したり、CPUが本デジタル画像処理装置の制御を行う際に、プログラムや中間処理データを一時的に記憶する揮発性メモリである。CPUには高速処理を求められるため、通常起動時にROMに記憶されたブートプログラムにてシステムを起動し、その後は高速にアクセス可能なメモリ(7)に展開されたプログラムによって処理を行う。本実施例では規格化されパーソナルコンピュータに使用されているDIMMを使用する。プロッタI/F装置(8)は、CPU(6)にインテグレートされた汎用規格I/F経由で送られてくるCMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、プロッタ装置(9)の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行う。本実施例で使用している汎用規格I/FはPCI-Expressバスである。プロッタ装置(9)はCMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、レーザービームを用いた電子写真プロセスを使って、転写紙に受け取った画像データを出力する。S.B.(13)は、パーソナルコンピュータに使用されるチップセットのひとつで、South Bridgeと呼ばれる汎用の電子デバイスである。主にPCI-ExpressとISAブリッジを含むCPUシステムを構築する際によく使用されるバスのブリッジ機能を汎用回路化したもので、本実施例ではROMとの間をブリッジしている。ROM(14)は、CPUが本デジタル画像処理装置の制御を行う際のプログラム(含むブート)が格納されるメモリである。操作表示装置(10)は、本デジタル画像処理装置とユーザーのインターフェースを行う部分で、LCD(液晶表示装置)とキースイッチから構成され、装置の各種状態や操作方法をLCDに表示し、ユーザーからのキースイッチ入力を検知する。本実施例ではPCI−Expressバスを介してCPU(6)と接続する。回線I/F装置(11)はPCI-Expressバスと電話回線を接続する装置で、この装置により本デジタル画像処理装置は電話回線を介して各種データのやり取りを行うことが可能になる。FAX(15)は通常のファクシミリで、電話回線を介して本デジタル画像処理装置と画像データの授受を行う。外部I/F装置(12)はPCI-Expressバスと外部装置を接続する装置で、この装置により本デジタル画像処理装置は外部装置と各種データのやり取りを行うことが可能になる。本実施例ではその接続I/Fにネットワーク(イーサネット)を使用する。すなわち本デジタル画像処理装置は外部I/F装置(12)を介してネットワークに接続している。PC(16)はいわゆるパーソナルコンピュータで、パーソナルコンピュータにインストールされたアプリケーションソフトやドライバを介して、ユーザーは本デジタル画像処理装置に対して各種制御や画像データの入出力を行う。地紋検知装置(17)は、第1画像データ処理装置(2)でデータ処理を途中まで行った画像データを入力とし、所定のドットパターンがあるかないかを検知する。もし、所定のドットパターンが存在した場合は、第1画像データ処理装置に地紋検知信号を1にして送信する。ちなみに、所定のドットパターンが存在しない場合は、検知信号を0の状態のままにしておく。地紋検知手法に関しては、前述の通り特許文献3の手法を用いる。使用者認識装置(18)は、あらかじめ管理者が登録したIDとパスワード/バイオメトリクス情報などを認識する装置である。例えば、ICカードで認識を行ってもよいし、指紋・虹彩・顔・音声などのバイオメトリクス情報により認証してもよい。また、操作表示装置(10)によりIDとパスワードを入力して認証してもよい。
【0040】
画像処理装置(MFP)100では、前述したようにコピー機能・スキャナ機能・プリンタ機能・FAX機能・ドキュメントボックス機能など様々な出力手段があるが、どれも出力手段以外は、ほとんど同じ動作なので、代表してコピー動作を例に説明する。
【0041】
「実施例1」(コピー動作) 管理者があらかじめ使用者のIDとパスワード(バイオメトリクス情報なども含む)、そしてその使用者のIDに応じた判読許可レベルを合わせて設定する。例えば、係長・課長・部長などの役職に応じて判読許可レベルを設定してもよいし、部署内の人・部署外の人・事業所外の人などで判読許可レベルを設定してもよい。 使用者は使用者認識装置(18)もしくは操作表示装置(10)などから、IDとパスワード(バイオメトリクス情報なども含む)を入力し、MFPに使用者認証をさせる。そして、その使用者のIDより管理者があらかじめ設定した判読許可レベルの値をCPU(6)を介して、メモリ(7)に格納しておく。次に、原稿を読取り装置(1)にセットし、所望するモード等の設定とコピー開始の入力を操作表示装置(10)に行う。操作表示装置(10)はユーザーから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI-Expressバスを介してCPU(6)に通知される。そのCPU(6)はコピー開始の制御コマンドデータに従って、コピー動作プロセスのプログラムを実行し、コピー動作に必要な設定や動作を順に行っていく。以下に動作プロセスを順に記す。
【0042】
(プロセス1) 読取り装置(1)で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットのデジタル画像データは、第1画像データ処理装置(2)によりあらかじめ決められた特性に統一されるための処理を施される。その処理の途中のデータを地紋検知装置(17)にとりこみ、所定のドットパターンがあるかどうかを検知する。前述したように、所定のドットパターンがある場合には、地紋検知信号を1にして第1画像データ処理装置(2)に送信し、所定のドットパターンが無い場合には地紋検知信号を0の状態のまま出力する。第1画像データ処理装置(2)により、決められた特性に統一された画像データに地紋検知装置より得た地紋検知信号を合わせて、バス制御装置(3)に送る。
【0043】
(プロセス2) バス制御装置(3)は第1画像データ処理装置(2)からのRGB画像データと検知信号を受け取ると、CPU(6)を介してメモリ(7)に画像データと検知信号を合わせて蓄積する。
【0044】
(プロセス3) 次にメモリ(7)に蓄積された検知信号が1か0か、すなわち地紋を検知したか否かで処理フローが異なる。検知信号が0の場合には、メモリ(7)に蓄積されたRGB画像データと検知信号を、CPU(6)及びバス制御装置(3)を介して、第2画像データ処理装置(4)に送信する。検知信号が1の場合には、メモリ(7)に蓄積されたRGB画像データに対して、レイアウト解析処理を行う。本実施例では、この処理をCPU(6)により行うことにするが、第2画像データ処理装置(4)で行ってもよいし(ただし、フレームメモリが必要となる)、画像データ装置2(4)でラベリング処理などの前処理を行い、その前処理したものに対してCPU(6)が、領域(レイアウト)選択を行ってもよい。ちなみに、後者の場合は第2画像データ処理装置(4)を2度使用することとなる。すなわち、1度目に第2画像データ処理装置(4)でラベリング処理を行い、その結果をバス制御装置(3)を通して一度メモリ(7)に記憶し、CPU(6)でレイアウト解析を行ってレイアウト情報を求めた後に、もう一度ラベリング処理されていないRGB画像データを第2画像データ処理装置(4)に入力することにする。レイアウト解析を行う画像データには、ある所定のドットパターンが付加されているので、ラベリング処理を行う際には、事前に、ドットパターンを強くつぶすような平滑フィルタを施したり、画像を圧縮してから(例えば、10画素×10画素を1画素に圧縮する)行うことで(あるいはその両方を行う)、処理時間が短縮される。CPU(6)は、使用者の判読許可レベルとレイアウト解析情報により、(あらかじめ定められている)画像データの毀損処理すべき領域を決定し、その領域の座標情報(例えば、毀損処理する領域の左上と右下の画素値など)を、メモリ(7)に蓄積されたRGB画像データ(レイアウト解析処理される前の画像データ)及び検知信号と合わせて第2画像データ処理装置(4)に送る。
【0045】
(プロセス4) 第2画像データ処理装置(4)は受け取ったRGB画像データを、プロッタ出力用のCMYK画像データに変換しバス制御装置(3)に出力する。第2画像データ処理装置(4)の処理内容は、検知信号により切り替えられている。すなわち、検知信号が1であると、検知信号が0の場合に施すデータ処理に加えて、CPU(6)で決定された領域に毀損処理を行う。ちなみに、FAX機能であればモノクロ二値画像データに変換され、スキャナ機能であれば、モノクロ二値/グレースケール/RGB多値などの画像データに変換されることとなる。コピー動作とFAX動作やスキャナ動作の違いは、この第2画像データ処理装置(4)が変換しようとする画像データの特性と出力方式が異なるだけであり、上記1〜3の基本的な処理の流れは全て同じである。
【0046】
(プロセス5) バス制御装置(3)は第2画像データ処理装置(4)からのCMYK画像データを受け取ると、CPU(6)を介してメモリ(7)に蓄積する。
【0047】
(プロセス6) 次にメモリ(7)に蓄積されたCMYK画像データは、CPU(6)及びプロッタI/F装置(8)を介して、プロッタ装置(9)に送られる。
【0048】
(プロセス7) プロッタ装置(9)は受け取ったCMYK画像データを転写紙に出力し、原稿のコピーが生成される。
【0049】
次に、第1画像処理装置(2)、第2画像処理装置(4)の詳細を説明する。
【0050】
図4に第1画像データ処理装置(2)の処理ブロック図を示す。
【0051】
γ変換(30)は読取り装置(1)から受け取ったRGB画像データの明るさを予め定めた特性に統一する。本実施例では明度リニアな特性に変換した。フィルタ処理(31)はRGB画像データの鮮鋭性を予め定めた特性に統一する。本実施例では基準チャートをスキャンしたときに、線数毎に対して予め定めたMTF特性値になるように変換した。色変換(32)はRGB画像データの色を予め定めた特性に統一する。本実施例では色空間がAdobe社で定義されるAdobe−RGBのような色空間になるように変換している。変倍処理(33)はRGB画像データのサイズ(解像度)を予め定めた特性に統一する。本実施例ではサイズ(解像度)を600dpiに変換した。
【0052】
図5に第2画像データ処理装置(4)の処理ブロック図を示す。
【0053】
この装置は、機能によって処理の手法が多少異なるため、ここではコピー動作を記述する。フィルタ処理(50)はRGB画像データの鮮鋭性を、プロッタ装置(9)に出力する場合の再現性が良くなるように補正する。具体的には所望するモード情報に従って鮮鋭化/平滑化処理を施す。例えば文字モードでは文字をハッキリ/クッキリとするために鮮鋭化処理を施し、写真モードでは滑らかに階調性を表現するため平滑化処理を施す。色変換(51)は、RGB各8ビットのデータを受け取るとプロッタ装置用の色空間であるCMYK各8ビットに変換する。このときにユーザー所望するモード情報に従って彩度もあわせて調整する。変倍処理(52)はCMYK画像データのサイズ(解像度)を、プロッタ装置(9)の再現性能に従ってサイズ(解像度)変換を行う。本実施例ではプロッタ(9)の性能が600dpi出力であるため、特に変換は行わない。階調処理(53)では、CMYK各8ビットを受け取るとプロッタ装置(9)の階調処理能力に従った階調数変換処理を行う。本実施例ではCMYK各2ビットに疑似中間調処理の一つである誤差拡散法を用いて階調数変換した。毀損処理部(54)は、検知信号が1の場合のみ、すなわち入力画像データに所定のドットパターンが検知されたときのみ、実行される処理である。検知信号が0の場合は、諧調処理(53)からきたデータをそのまま出力する。検知信号が1であると、CPU(6)から送られてくる(使用者に応じた)処理領域のみ毀損処理を行う。それ以外の領域は諧調処理部(53)より入力された画像データをそのまま出力する。ちなみに毀損処理とは、入力された画像データに対して忠実ではないように出力することである。具体的には、塗りつぶしやマスクなどの画像変換がもっとも代表的な処理であるが、大きく圧縮をかけたり、多値データを2値データに変換してり、大きく平滑化/先鋭化するフィルタをかけたり、カラーデータをモノクロデータに変換するなどでもよい。
【0054】
「実施例2」 実施例2からは、前述した実施例との差分のみを示していく。
【0055】
実施例2では、管理者が判読レベルが1であると画像全面毀損処理、レベルが2であると文字部のみ毀損処理、レベルが3であると非文字部(絵柄部)のみ毀損処理、レベル4であるとタイトル部のみ毀損処理を行うように設定した場合を考える。プロセス1〜2に関しては、「実施例1」と同様である。
【0056】
(プロセス3) 毀損処理領域を決定する部分以外は、全く同じ動作である。つまり、CPU(6)によりレイアウト解析を行う。図6を入力画像とすると、図7のようなレイアウト解析結果となり、文字部・非文字部などのレイアウト領域を解析することができる。CPU(6)がメモリ(7)に蓄積された使用者に応じた判読許可レベルを読み込み、例えばその判読許可レベルが2であったとすると、CPU(6)は毀損処理領域として、以下のような位置座表を決定する。
レイアウト1[a、b] : a=(Xa、Ya) 、 b=(Xb、Yb)
レイアウト2 [c、d] : c=(Xc、Yc) 、 d=(Xd、Yc)
レイアウト3 [e、f] : e=(Xe、Ye) 、 f=(Xf、Yf)
Xa、Yaは、それぞれ図7のa点の主走査位置座標、副走査位置座標である。この判読許可レベルより決定された毀損処理領域をCPU(6)により、バス制御装置(3)を介して、画像データ処理装置(4)に送られる。もちろん、レイアウト解析前のメモリ(7)に蓄積されたRGB画像データと検知信号も第2画像データ処理装置(4)に送信する。また、判読許可レベルが2のとき、3のときも同様にレイアウト解析結果により、CPU(6)が毀損処理領域を決定する。
【0057】
(プロセス4) 毀損処理以外の部分は、すべて「実施例1」と同様である。毀損処理部(54)は、CPU(6)より得られた毀損処理領域[(Xa、Ya) (Xb、Yb)]〜[(Xe、Ye) (Xf、Yf)]より、入力画像の主走査画素カウンタがXa以上Xb以下でかつ副走査画素カウンタがYa以上Yb以下の部分及び主走査画素カウンタがXc以上Xd以下でかつ副走査画素カウンタがYc以上Yd以下の部分及び主走査画素カウンタがXe以上Xf以下でかつ副走査画素カウンタがYe以上Yf以下の部分のみ毀損処理を行う。
【0058】
(プロセス5〜7)に関しては、「実施例1」と同様である。
【0059】
「実施例3」 実施例3では、コピー動作の処理を行う前に、あらかじめ判読許可レベルに応じた毀損処理領域を登録するという動作を行う。
【0060】
(登録動作) 基本的に以下の登録動作はMFPの管理者が行うものとする。まず、登録動作を行うことをMFPに知らせるために、操作表示装置(10)に対して所定の設定を行う。所定のドットパターンが付加された原稿を複写する場合にある一部分を毀損したい原稿を、読み取り装置(1)より読み取り、第1画像データ処理装置(2)であらかじめ定められた特性に統一されたRGB各8ビットのデジタル画像データに変換してバス制御装置(3)に送り、バス制御装置(3)がその画像データをCPU(6)を介して、メモリ(7)に蓄積する。そして、CPU(6)によりレイアウト解析処理を行い、そのレイアウト解析結果をメモリ(7)に蓄積する。メモリ(7)に蓄積されたRGB画像データは、第2画像データ処理装置(4)により、PCのディスプレイもしくは操作表示装置(10)のプレビュー画像に適したデータに変換し、バス制御装置(3)よりCPU(6)を介して、メモリ(7)に蓄積させる。CPU(6)は、その画像データにレイアウト解析情報から文字部や非文字部などを図7のように矩形で囲む画像を生成し、それを外部I/F装置を介して、管理者が使用するPCへと送信する。もしくは、操作表示装置(10)にプレビュー画像として表示させてもよい。管理者は、その画像が映し出されたPCのディスプレイもしくは操作表示装置(10)を見ながら、使用者に与える判読許可レベルと毀損処理領域をペアとして選択する。ちなみに、毀損処理領域は、レイアウト解析結果により得られるレイアウト領域を選択するものとする。図7で説明すると、判読許可レベルが1の場合、毀損処理領域をレイアウト4にし、判読許可レベルが2の場合、毀損処理領域をレイアウト4とレイアウト2にし、判読許可レベルが3の場合、毀損処理領域をレイアウト4とレイアウト2とレイアウト1にするという具合である。以下、操作表示装置(10)のプレビュー画面を見て設定する場合を説明する。管理者が操作表示装置(10)で選択した情報は、PCI-Expressバスを介して、CPU(6)に送られ、判読許可レベルと毀損処理領域とのペアでバス制御装置にある不揮発性のRAM(図示していない)に登録される。また、この画像のレイアウト解析結果も同時に不揮発性のRAMに登録する。以上が登録動作である。
【0061】
次に、コピー動作の説明を行なう。
【0062】
(コピー動作) (プロセス1〜2)は「実施例1」と同様である。
【0063】
(プロセス3) メモリ(7)に蓄積されたRGB画像データと検知信号は、CPU(6)及びバス制御装置(3)を介して、第2画像データ処理装置(4)に送られる。その際に、検知信号の値が1である場合は、CPU(6)は蓄積されたRGB画像データのレイアウト解析を行い、そのレイアウト解析情報を得てから、第2画像データ処理装置(4)に送られる。その際に、まずCPU(6)が行ったレイアウト解析情報と前記登録動作によりあらかじめ不揮発性RAMに登録されているレイアウト情報との比較処理を行う。そして、登録してあるレイアウト情報と一致した際には、使用者の判読許可レベルとペアで記憶されている毀損処理領域情報も第2画像データ処理装置(4)に送る。
【0064】
(プロセス4〜7)の動作は「実施例2」と同様である。
【0065】
「実施例4」 実施例4は、全体的な流れとしては、ほぼ「実施例3」と同様であり、「実施例3」との差分のみ説明していく。
【0066】
(登録動作) 「実施例3」の場合に対して、登録する情報以外は全て同様の流れとなる。図7の場合を例にして、MFPに登録する動作のみ説明する。
【0067】
管理者が操作表示装置(10)のプレビュー画面を見て、「実施例3」と同じように
判読許可レベルが1の場合、レイアウト領域4を
判読許可レベルが2の場合、レイアウト領域4と2を、
判読許可レベルが3の場合、レイアウト領域4と2と1を毀損処理する場合、
管理者がプレビュー画面より上記のレイアウト領域を選択すると、自動的に各々のレイアウト領域の位置座標を以下のように算出する。
判読許可レベル1、 レイアウト4 [g、h]
判読許可レベル2、 レイアウト4 [g、h]& レイアウト2 [c、d]
判読許可レベル3、 レイアウト4 [g、h]& レイアウト2 [c、d] & レイアウト1 [a、b]
ちなみに、各々のレイアウトの点a〜hは、主走査画素位置Xa〜Xh、副走査画素位置Ya〜Yhの2つの座標より表している。この毀損処理領域座標と合わせて、登録する画像のレイアウト解析情報も同じように各レイアウト領域の位置座標を算出し、これらを全て不揮発性のRAMに登録する。
【0068】
(コピー動作) (プロセス1〜2)は「実施例1」と同様である。
【0069】
(プロセス3) 比較処理以外は「実施例3」と同様なので、比較処理のみ説明する。あらかじめ登録してあるレイアウト領域の位置座標とレイアウト解析処理を行った入力画像のレイアウト領域の位置座標とを比較する。この比較処理であるが、画像データが同じ向きでかつ変倍処理などを施していない場合は、レイアウト解析結果の画素座標値と登録している画素座標値との単純な比較を行えばよいが、本実施例では、原稿の向きが異なっている場合や、画像データが変倍されている場合などにも利用できる比較手法を述べることにする。そこで、レイアウト領域の位置座標より重心座標を求めて、重心座標の相対的な位置関係をもとに比較する。まず図8のように位置座標a〜hより登録してあるレイアウト解析情報のレイアウト領域の重心座標A〜Dを求める。そして、A〜Dのうちの2点間の距離を求める。すなわち、AB間の距離(1)、AC間の距離(2)、AD間の距離(3)、BC間の距離(4)、BD間の距離(5)、CD間の距離(6)を求める。重心の個数がN個の場合NC2本の距離を求めなくてはならない。さらに重心距離の各々の比率、距離(1)/距離(2)、距離(1)/距離(3)、距離(1)/距離(4)、・・・、距離(2)/距離(3)、距離(2)/距離(4)、・・・、距離(4)/ 距離(6)、距離(5)/ 距離(6)計15個求める。ここで、比率の計算が1未満の場合は、その逆数を利用する。そして、この15個を降順もしくは昇順にソートする。
【0070】
図9,図10)のような入力画像に対してもレイアウト解析を行い、その重心座標を求め、さらに各々の比を1以上になるように(1未満なら逆数をとる)求め、図8の場合と同じように、ソートする。比較処理では、まずレイアウト領域の個数を比較し、レイアウト領域数が同じであるならば、ソートしたの値どうしを一つずつ比較し、全ての値がある基準値以内に収まっていれば、比較処理では入力画像が登録されたレイアウト情報と等しい原稿であると判断する。等しいと判断した場合には、ソートして比較しあった比率の値より登録しているレイアウト領域と入力画像のレイアウト領域をマッチングさせる。例えば、図8と図9の比較結果により、距離(2)/距離(1)=距離(3’)/距離(5’)、距離(3)/距離(1)=距離(6’)/距離(5’)であれば、距離(1)=距離(3’)、距離(2)= 距離(5’)、距離(3)=距離(6’)ということがわかる。
【0071】
これにより、レイアウト領域1=レイアウト領域4’となる。このようにして、すべてのレイアウト領域をマッチングさせる。また、さらに比較処理精度を高めるのであれば、重心位置間の比率を求める際に、その重心と重心と結んだ辺の間の角度も求め、比率の値と角度をペアにして比較すると良いと考えられる。たとえば、図8)の距離(1)と距離(2)との比率では、同時にその間の角度αを算出することになる。レイアウト領域のマッチングにより、使用者の判読許可レベルによりあらかじめ登録した毀損処理領域が求まるので、その情報を画像処理装置2(4)に送信する。
【0072】
(プロセス4〜7)の動作は「実施例1」と同様である。
【0073】
「実施例5」 実施例5は、全体的な流れとしては、ほぼ「実施例3、4」と同様であり、「実施例4」との差分のみ説明していく。
【0074】
(登録動作) 「実施例4」の場合と同様である。
【0075】
(コピー動作) 「実施例4」と比較処理の内容のみ異なる。「実施例4」では、重心位置間の比率より登録されているレイアウト領域と入力画像のレイアウト領域をマッチさせる。しかし、重心位置間の比率のみで比較しているので、図11のように重心位置が全く同じである画像に対しては、見た目が全く異なる画像であるのに等しいと判断されてしまう。また、図12のように主走査・副走査どちらか一方に変倍されている場合には、重心位置を比較情報としてしまうと比較することができなくなってしまう。そこで、管理者が図11のような場合のみ精度よく比較でき、図12のような場合は比較できないでよい(全面塗りつぶしとなる)と考えるならば、比較情報として重心位置と面積比の両方を用い、図12の場合も比較できるようにと考えるのであれば、面積比のみを比較情報として用いる。この実施例では前者の場合のみ説明するが、後者の場合はこの実施例の重心位置の比較の部分を除くだけである。ちなみに、登録されているレイアウト領域は矩形であり、左上画素位置と右下画素位置により、容易に計算できる。
【0076】
図8のレイアウト領域1〜4の面積をそれぞれM1〜M4とし、
図9)のレイアウト領域1’〜4’をM1’〜M4’とすると、重心位置の比較と同じように、M1/M2、 M1/M3、 M1/M4、 M2/M3、 M2/M4、 M3/M4の比率をソートしたものとM1’/M2’、 M1’/M3’、 M1’/M4’、 M2’/M3’、 M2’/M4’ M3’/M4’との比率をソートしたものとを比較する。(どちらも1未満は逆数にする。)
【0077】
そして、比較処理において、(「実施例4」のように)重心位置の比率が一致しかつ面積比も一致したもののみを登録データと同じレイアウトであると判定する。この後の処理に関しては、「実施例4」と同じである。
【0078】
「実施例6」
(登録動作) 「実施例4」の場合に対して、登録する情報以外は全て同様の流れとなる。登録したい画像に対してレイアウト解析処理を行う際に、前述したようにその前処理としてラベリング処理を行うが、そのときのラベルの数をレイアウト領域ごとにカウントし、登録する入力画像のレイアウト解析情報と合わせてカウントしておく。このラベルの数は、レイアウト領域が文字部の場合、文字数と相関関係がある。そして、判読許可レベルに応じた毀損処理領域情報、登録したい画像データのレイアウト解析情報と合わせて、MFPの不揮発性RAMに記憶する。これ以外は、全て「実施例4」と同じである。
【0079】
(コピー動作) 「実施例4」と比較処理の部分のみ異なるので、比較処理のみ説明する実施例5のときにも述べたが、図11のような場合に重心位置のみの比較だと同一であるかどうかの判断ができない。また、図12のように、主走査・副走査のどちらか一方に大きく変倍されていると重心位置は比較材料として使えない。そこで、管理者が図11のようなケースを精度良く比較でき、図12の場合は比較できなくても良いとするならば、比較情報として重心位置とラベル数を用いることで精度良く比較でき、一方、図12の場合も同一の原稿であるかどうかを比較したいという場合には比較情報として面積比とラベル数を用いることにする。本実施例では、後者についてのみ説明するが、前者の場合は面積比での比較を重心位置での比較に変更するだけである。
【0080】
まず、登録動作の時と同じように、入力画像をレイアウト解析する際のラベリング処理で各々のレイアウト領域のラベル数をカウントしておく。入力画像のレイアウト解析処理が終了し、登録画像データと比較する際に、「実施例5」と同じようにレイアウト領域ごとの面積M1〜M4、M1’〜M4’を求める。そして、それぞれの面積比M1/M2、 M1/M3、 M1/M4、 M2/M3、 M2/M4、 M3/M4とM1’/M2’、 M1’/M3’、 M1’/M4’、 M2’/M3’、 M2’/M4’ M3’/M4’を求め(1未満の場合は逆数をとる)、それぞれ降順にソートして値を比較する。そして、どの比率の値もある基準値以内に収まっていた場合、それぞれのレイアウト領域をマッチングする。次に、マッチングした領域同士のラベル数を比較し、そのラベル数も一致していた場合のみ登録しているレイアウト画像データと入力画像データが等しい判断する。これ以後の処理に関しては、他の実施例と同様である。
【0081】
「実施例7」
(登録動作) 管理者は、レイアウト解析情報や毀損処理領域を設定する際に、比較処理の比較基準も設定可能となる。具体的には、図13のように操作表示装置(10)に表示され、管理者は目盛りにより、基準値を高くするか低くするかを自由に選択できる。この設定値も不揮発性のRAMに保存される。この設定をすることで、不揮発性RAMに記憶されている図14のようなテーブルデータをもとに、比較処理の際に使用する比率基準値とレイアウト領域枚数基準値が決定される。(詳細はコピー動作のところで書く。)それ以外の登録動作は、「実施例4」と同様である。
【0082】
(コピー動作) 比較処理以外は「実施例4」と同様であるので、比較処理のみ説明する。例えば、「実施例4」のように重心位置間の比率のみにより比較する場合を考える。登録されているレイアウト解析データの重心位置間の比率をソートしたものと、入力画像の重心位置をソートしたものとを比較する場合、はじめに重心の個数、すなわちレイアウト領域の数を比べ、その後に一つ一つの比率の値を比較していく。CPU(6)は、管理者が設定した比較基準値により、図14のようなテーブルデータからレイアウト領域数基準値と比率基準値を参照する。まず、レイアウト領域の個数を比較するが、入力画像のレイアウト領域数と登録データのレイアウト領域数との差が、参照したレイアウト領域基準値以内なら等しい(フォーマットデータである)と判断する。通常は、レイアウト領域数が同数でないと等しいはずはないが、入力原稿が汚れていたり、原稿の一部が隠されていた場合にも、同一データとして認めるか否かの判断の基準を管理者が自由に設定できるというシステムである。図14を見ても、当然レイアウト比較基準値が高ければ高いほど、レイアウト領域数基準値が小さくなり、レイアウト比較基準値が低くなるにつれて、レイアウト領域数基準値が大きくなっていく。このレイアウト領域数比較で同一であると判断されると、次に重心位置間の比率の値を一つずつ比較していく。比較手法の一例としては、入力画像データもしくは登録データのうちレイアウト領域の数が少ない方の重心位置間比率値が、すべて以下の式を満たすのであれば、比較処理では同一であると判断する。ちなみに、下記式を満足させるために、重心間比率値の同じ値を二度使用してはいけない。
最小比率基準値 ≦
(入力画像データの重心間比率値)/(登録データの重心間比率値)
≦ 最大比率基準値
例えば、登録画像データの比率値が 1.1 1.8 2.5
入力画像データの比率値が 1.2 1.7 2.9 3.1として、図14のテーブルデータの比率基準値を用いると(実際に比率値が3個と4個の比較はあり得ないが、ここでは理解を容易にするための例としてあげる)、
1.2/1.1= 1.090 1.7/1.1= 1.545 2.9/1.1=2.636 3.1/1.1=2.818
1.2/1.8=0.667 1.7/1.8=0.944 2.9/1.8=1.611 3.1/1.8=1.722
1.2/2.5=0.48 1.7/2.5=0.680 2.9/2.5=1.160 3.1/2.5=1.240
個数の少ない入力画像データ比率値と登録データの比率値との比率が最も最小になる組み合わせは上記の赤の太字の組み合わせとなる。この中で最も1から離れている数値は1.160=(1±0.160)であり、この値と図14の比率基準値とを見比べると、レイアウト基準値が3以上であると比較処理ではNGとなり、レイアウト基準値が2以下であれば比較処理で同一であると判断される。このように、比較処理の基準値を管理者が自由に設定することで、セキュリティレベルを柔軟に設定できる。以下の処理は、他の実施例と同様である。
【0083】
「実施例8」
(登録動作) 管理者はレイアウト解析情報や毀損処理領域を設定する際に、比較処理を行うレイアウト領域を選択可能となる。図3のように、記録するフォーマットに一部分変更されるような(文章が書いてある/書いてない/文量が変化する)部分が存在する場合に本実施例は有効となる。そのような変動するレイアウト領域は、比較の対象外として、固定されたレイアウト領域のみを比較対象とするというものである。管理者は、PCの画面や操作表示装置(10)を見ながら、毀損領域を登録する際に、比較対象(もしくは比較対象外)とするレイアウト領域も同時に設定する。この情報も他のデータと同じように不揮発性RAMに保存される。図3の場合を考えると、レイアウト領域3は文章があるかないかわからない領域なので、レイアウト領域3を比較対象外として登録する。その他の登録動作に関しては、「実施例4」と同様である。
【0084】
(コピー動作) 比較処理以外は「実施例4」と同様であるので、比較処理のみ説明する。例えば、「実施例4」のように、重心位置とその間の角度を基に比較処理を行う動作を考える。あらかじめ登録されているレイアウト解析情報と比較対象外レイアウト領域情報より、レイアウト1、レイアウト2、レイアウト4の重心位置を計算し(比較対象外であるレイアウト領域3は除外する)、そこから重心位置間の比率値とその間の角度を求める。一方、入力画像データはレイアウト解析を行ってもどのレイアウト領域がレイアウト3であるかわからないので、(レイアウト領域3は無い可能性もある)すべてのレイアウト領域の重心位置を算出し、重心位置間の比率値とその間の角度を求める。比較処理では、前述したように始めにレイアウト領域数を比較するのであるが、以下の式が満たされれば、レイアウト領域数比較では同一であると判断される。
0≦
(入力画像データレイアウト数)―(登録データ比較対象レイアウト数)
≦比較対象外レイアウト領域数 (管理者が登録する値)
ただし、「実施例7」のようにテーブルデータで基準値を参照する場合には、上式はその基準値に応じて変化する。次に、おのおの重心位置の比率値とその間の角度を求め、入力データ、登録データともに降順にソートし、「実施例7」のようにある基準値内にすべての値が収まっているようであれば、入力データと登録データはレイアウト情報が同一であると判断する。その後の毀損処理領域決定動作以降は、全て「実施例4」と同様である。
【0085】
なお、以上本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明を実施するための最良の形態に係る(デジタル)画像処理装置(MFP)100の全体構成を示す図である。
【図2】入力原稿例について示す図である。
【図3】記録するフォーマットに一部分変更されるような(文章が書いてある/書いてない/文量が変化する)部分が存在する原稿例について示す図である。
【図4】第1画像データ処理装置(2)の処理ブロック図である。
【図5】第2画像データ処理装置(4)の処理ブロック図である。
【図6】入力画像例について示す図である。
【図7】レイアウト解析結果例について示す図である。
【図8】入力画像例について示す図である。
【図9】入力画像例について示す図である。
【図10】入力画像例について示す図である。
【図11】重心位置が全く同じである画像について示す図である。
【図12】主走査・副走査どちらか一方に変倍されている場合の重心位置の変化について示す図である。
【図13】操作表示装置(10)における表示例について示す図である。
【図14】テーブルデータ例について示す図である。
【符号の説明】
【0087】
100 画像処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子化した画像データを得る画像入力手段と、
前記画像入力手段より得られた画像データ中に、ある所定のドットパターンが存在するか否かを検知する地紋検知手段と、
使用者を認識する使用者認識手段と、
該使用者の判読許可レベルを記憶する判読許可レベル記憶手段と、
前記画像データおよび画像データの付帯情報を蓄積する画像データ記憶手段と、
前記画像入力手段により得られた画像データを計算処理する画像データ処理手段と、
前記画像データのレイアウト解析処理を行うレイアウト解析処理手段と、
前記画像データ処理手段で処理されたデータを出力する画像出力手段とを備え、
前記地紋検知手段が所定のドットパターンを検知した場合に、使用者の判読許可レベルと前記レイアウト解析処理手段から得られるレイアウト解析情報に応じて、画像毀損処理の処理範囲を切り替えて出力することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置おいて、
前記使用者の判読許可レベルがある特定の値であった場合に、前記レイアウト解析情報より得られた入力画像データの文字領域のみを毀損処理することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理装置おいて、
前記使用者の判読許可レベルがある特定の値であった場合に、前記レイアウト解析情報より得られた入力画像データの非文字領域のみを毀損処理することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像処理装置おいて、
レイアウト解析情報に基づき前記使用者の判読許可レベルと対応付けた、毀損処理を施す処理領域および該レイアウト解析情報をセットで記憶するレイアウト解析情報記憶手段と、
管理者があらかじめ前記毀損処理領域を設定する毀損処理領域設定手段と、
前記画像入力手段より得られた画像データのレイアウト解析情報及び前記レイアウト解析情報記憶手段に記憶されているレイアウト解析情報を比較するレイアウト解析情報比較手段とを備え、
前記レイアウト解析情報比較手段が等しいと判断した場合、該使用者の判読許可レベルに応じて、前記レイアウト解析情報とセットで記憶されている毀損処理領域に毀損処理を施すことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置おいて、
前記レイアウト解析情報比較手段は、あらかじめ記憶している前記レイアウト解析情報及び前記画像入力手段より得られた入力画像のレイアウト解析情報において、おのおののレイアウト解析処理より求められた1つもしくは複数のレイアウト領域の相対的な位置座標を比較することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項4または5のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記レイアウト解析情報比較手段は、あらかじめ記憶している前記レイアウト解析情報及び前記画像入力手段より得られた入力画像のレイアウト解析情報において、おのおののレイアウト解析処理より求められた1つもしくは複数のレイアウト領域の相対的な面積比を比較することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記レイアウト解析情報比較手段は、あらかじめ記憶している前記レイアウト解析情報及び前記画像入力手段より得られた入力画像のレイアウト解析情報において、おのおののレイアウト解析より求められた1つもしくは複数のレイアウト領域におけるラベル数を比較することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項4ないし7のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記レイアウト解析情報比較手段が等しいと判断する基準を設定可能であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項4ないし8のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記レイアウト解析情報記憶手段に記憶されているレイアウト解析情報において、1つないし複数のレイアウト領域の中から前記レイアウト解析情報比較手段が比較対象とするレイアウト領域を選択可能であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項1】
電子化した画像データを得る画像入力手段と、
前記画像入力手段より得られた画像データ中に、ある所定のドットパターンが存在するか否かを検知する地紋検知手段と、
使用者を認識する使用者認識手段と、
該使用者の判読許可レベルを記憶する判読許可レベル記憶手段と、
前記画像データおよび画像データの付帯情報を蓄積する画像データ記憶手段と、
前記画像入力手段により得られた画像データを計算処理する画像データ処理手段と、
前記画像データのレイアウト解析処理を行うレイアウト解析処理手段と、
前記画像データ処理手段で処理されたデータを出力する画像出力手段とを備え、
前記地紋検知手段が所定のドットパターンを検知した場合に、使用者の判読許可レベルと前記レイアウト解析処理手段から得られるレイアウト解析情報に応じて、画像毀損処理の処理範囲を切り替えて出力することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置おいて、
前記使用者の判読許可レベルがある特定の値であった場合に、前記レイアウト解析情報より得られた入力画像データの文字領域のみを毀損処理することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理装置おいて、
前記使用者の判読許可レベルがある特定の値であった場合に、前記レイアウト解析情報より得られた入力画像データの非文字領域のみを毀損処理することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像処理装置おいて、
レイアウト解析情報に基づき前記使用者の判読許可レベルと対応付けた、毀損処理を施す処理領域および該レイアウト解析情報をセットで記憶するレイアウト解析情報記憶手段と、
管理者があらかじめ前記毀損処理領域を設定する毀損処理領域設定手段と、
前記画像入力手段より得られた画像データのレイアウト解析情報及び前記レイアウト解析情報記憶手段に記憶されているレイアウト解析情報を比較するレイアウト解析情報比較手段とを備え、
前記レイアウト解析情報比較手段が等しいと判断した場合、該使用者の判読許可レベルに応じて、前記レイアウト解析情報とセットで記憶されている毀損処理領域に毀損処理を施すことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置おいて、
前記レイアウト解析情報比較手段は、あらかじめ記憶している前記レイアウト解析情報及び前記画像入力手段より得られた入力画像のレイアウト解析情報において、おのおののレイアウト解析処理より求められた1つもしくは複数のレイアウト領域の相対的な位置座標を比較することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項4または5のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記レイアウト解析情報比較手段は、あらかじめ記憶している前記レイアウト解析情報及び前記画像入力手段より得られた入力画像のレイアウト解析情報において、おのおののレイアウト解析処理より求められた1つもしくは複数のレイアウト領域の相対的な面積比を比較することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記レイアウト解析情報比較手段は、あらかじめ記憶している前記レイアウト解析情報及び前記画像入力手段より得られた入力画像のレイアウト解析情報において、おのおののレイアウト解析より求められた1つもしくは複数のレイアウト領域におけるラベル数を比較することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項4ないし7のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記レイアウト解析情報比較手段が等しいと判断する基準を設定可能であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項4ないし8のいずれかに記載の画像処理装置において、
前記レイアウト解析情報記憶手段に記憶されているレイアウト解析情報において、1つないし複数のレイアウト領域の中から前記レイアウト解析情報比較手段が比較対象とするレイアウト領域を選択可能であることを特徴とする画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−71565(P2009−71565A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−237475(P2007−237475)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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