説明

画像処理装置

【課題】 Webサーバから提供される操作画面をWebブラウザに表示している状態で、ユーザからの各種指示を受付ける操作を、ハードキーであるスタートキーの押下により行う。
【解決手段】 Webサーバから取得した操作画面を表示するコンテンツに基づいて操作画面を表示しているときに、画像処理の開始を指示するためのハードキーであるスタートキーの押下に応じてフォームデータをWebサーバに送信するように指示する記述がコンテンツ中に含まれるか否かを判断し(S5)、その記述が含まれると判断すると、スタートキーの押下に応じて(S9)、コンテンツ中のフォームデータをWebサーバに送信する(S10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webブラウザの画面を表示しながら操作部のハードキーを使用して操作を指示できる画像処理装置とその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PC等の情報処理装置がネットワーク上のWebサーバと接続され、そのWebサーバにより提供される操作画面を、その情報処理装置が備えるWebブラウザ上に表示することが知られている。この場合、情報処理装置のWebブラウザがWebサーバに対して操作画面を要求し、WebサーバのWebアプリケーションが、その情報処理装置からの要求に応えて、Webブラウザに操作画面を表示させるためのコンテンツを情報処理装置に送信する。このコンテンツは、HTMLファイル、画像ファイル、スクリプトファイル等から構成される。これにより情報処理装置のWebブラウザは、その受信したコンテンツを解析し、そのコンテンツの記述に基づいた操作画面を表示する。そして、Webブラウザに表示された操作画面を介してユーザが指示を入力すると、その指示をWebブラウザがWebサーバに対して通知する。そして、この通知を受けたWebサーバのWebアプリケーションは、その入力された指示に従って処理を実行する。
【0003】
最近ではスキャナやプリンタを備えた複合機(MFP)の中にも、上述したようなWebブラウザを備えているものがある。例えば特許文献1には、MFPが備える各機能を利用するための操作画面をWebサーバが提供する技術が開示されている。これによれば、MFPのユーザは、Webブラウザに表示された操作画面を介して、MFPに対する指示を入力する。この入力された指示はMFPのWebブラウザによってWebサーバに通知され、この通知を受けたWebサーバは、その指示の内容に従ってMFPに対して各種処理の実行を依頼する。そして、この依頼を受けたMFPは、その依頼された処理を実行することにより、MFPを操作するための全メニューデータをMFPに保持しておく必要がなくなり、またメニューデータの変更もWebサーバで容易に行うことができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−127503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したようなWebサーバから取得した操作画面をWebブラウザ上に表示するMFPにおいても、ユーザには通常のMFPと同じ操作性を提供できることが望まれる。特に、MFPに対して処理の開始を指示する操作は、ユーザが最も良く使う操作であるため、その指示方法は通常のMFPと同じにするのが望ましい。MFPには、処理の開始を指示するためのハードキー(スタートキー)が備えられており、原稿の読み込みや印刷などの処理を開始させるための操作は、このスタートキーを押下することにより行われるのが一般的である。従って、特許文献1に示したような、Webサーバから提供される操作画面をMFPのWebブラウザに表示し、ユーザからの各種指示を受付けるMFPにおいても、処理を開始させるための操作はスタートキーの押下により行うのが操作性の点からも望ましい。
【0006】
また、上述したMFPなどの情報処理装置の中には、一部のアプリケーションの画面はWebサーバが提供し、別のアプリケーションはMFP内に保持しているプログラムを読み出して実行するものがある。ここで、Webサーバが提供するアプリケーションを「Webアプリケーション」、MFPに予め保持されている情報に基づいて実行されるアプリケーションを「ネイティブアプリケーション」と呼ぶ。例えばコピー機能はネイティブアプリケーションとして提供され、スキャン機能はWebアプリケーションとして提供されるMFPがある。このようなMFPにおいて、Webアプリケーションとネイティブアプリケーションとで操作性に違いがあるとユーザに混乱を与えてしまうことになる。しかしながらWebアプリケーションでは、MFPに備えられたハードキーによる操作指示を受け付けるのは不可能であった。
【0007】
Webアプリケーションで処理の開始を指示するためには、ユーザが入力した情報を含むHTMLフォームをWebアプリケーションにサブミットする必要がある。しかし、このようなサブミットを指示するためのボタンは、コンテンツの記述に従ってソフトキーとして操作画面に表示されており、MFPに設けられたハードキーによってフォームをサブミットすることができない。
【0008】
一方、PC上で動作するWebブラウザの中には、PCに備えられたタブキーの押下によってフォーカスを移動させ、サブミットボタンにフォーカスが当たっている状態でリターンキーを押下することで、フォームのサブミットを行えるものがある。このような操作をMFPのWebブラウザに適用したとしても、フォーカスが移動してからスタートキーを押下するという操作が必要となる。このような操作は、通常のMFPにおける操作方法とは異なるため、ユーザに混乱を与えることとなる。
【0009】
本発明は、上記の従来の問題点を解決することを目的とする。
【0010】
本願発明の特徴は、Webサーバから提供される操作画面をWebブラウザに表示している状態で、ユーザからの各種指示を受付ける操作を、ハードキーであるスタートキーの押下により行うことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
Webサーバに接続され、当該Webサーバにより提供される操作画面を表示するWebブラウザを備えた画像処理装置であって、
前記Webサーバから取得した前記操作画面を表示するコンテンツの内容を解析する解析手段と、
前記解析手段による解析に基づいて操作画面を表示する表示手段と、
画像処理の開始を指示するためのハードキーであるスタートキーと、
前記解析手段による解析に基づいて、前記スタートキーの押下に応じてフォームデータを前記Webサーバに送信するように指示する記述が前記コンテンツ中に含まれているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記フォームデータを前記Webサーバに送信するよう指示する記述が含まれると判断すると、前記スタートキーの押下に応じて前記フォームデータを前記Webサーバに送信するよう制御する送信制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スタートキーの押下によってWebアプリケーションの処理開始を指示することができる。これにより、Webアプリケーションで提供されているアプリケーションであっても、通常と同じ操作性を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1に係る画像処理装置を含むシステムの構成を示す図。
【図2】実施形態1に係るMFPの構成を示すブロック図(A)、実施形態1に係るWebサーバの構成を示すブロック図(B)。
【図3】実施形態1に係るMFPの操作部の構成を示す外観図。
【図4】実施形態1に係るシステム全体のソフトウェア構成を説明する図。
【図5】本実施形態1に係るMFPの制御処理を説明するフローチャート。
【図6】S2で受信するWebアプリケーション画面データの一例を示す図(A)、図6(A)に示す画面データを受信した場合に図5のS4で表示される画面の一例を示す図(B)。
【図7】実施形態2に係るMFPの処理を説明するフローチャート。
【図8】複数のサブミット要素を含むアプリケーション画面データの一例を示す図(A)、図8(A)に示す画面データを受信した場合に表示部に表示する画面例を示す図(B)。
【図9】図7のS31で表示する選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0015】
まず本発明に係る実施形態1について説明する。この実施形態1では、本実施形態1に係るMFP101がWebサーバ102から取得したコンテンツ中にフォームが存在する場合、MFP101の操作部のスタートキーの押下によってそのフォームをWebサーバに送信する例について説明する。
【0016】
図1は、実施形態1に係る画像処理装置(MFP)を含むシステムの構成を示す図である。
【0017】
LAN110には、MFP101,Webサーバ102が互いに通信可能に接続されている。尚、図1では、それぞれ1台のMFPとサーバだけが示されているが、他にも複数のPCやMFP、サーバなどがLAN110に接続されていても良い。
【0018】
図2(A)は、実施形態1に係るMFP101の構成を示すブロック図である。
【0019】
CPU211を含む制御部210は、MFP101全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して読取制御や送信制御などの各種制御処理を実行する。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD214は、画像データや各種プログラム、或いは各種情報テーブル等を記憶する。操作部I/F215は、操作部219と制御部210とのインターフェースを制御している。操作部219には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。またMFP101には後述するWebブラウザ機能が備えられており、MFP101のWebブラウザはWebサーバ102から受信したHTMLファイルを解析し、そのHTMLファイルの記述に基づく操作画面を操作部219の表示部に表示する。この操作部219の詳細は後述する。
【0020】
プリンタI/F216は、プリンタ220と制御部210とを接続しており、プリンタ220で印刷すべき画像データは、プリンタI/F216を介して制御部210からプリンタ220に転送され、プリンタ220において記録媒体(シート)に印刷される。スキャナI/F217は、スキャナ221と制御部210とを接続し、スキャナ221は、原稿の画像を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に入力する。ネットワークI/F218は、制御部210をLAN110に接続する。ネットワークI/F218は、LAN110の外部装置(例えば、Webサーバ102)に画像データや情報を送信したり、LAN110の外部装置から各種情報を受信する。
【0021】
図2(B)は、実施形態1に係るWebサーバ102の構成を示すブロック図である。
【0022】
CPU231を含む制御部230は、Webサーバ102全体の動作を制御する。CPU231は、HDD234からRAM233にロードされたプログラムを実行して各種制御処理を実行する。ROM232は、ブートプログラムや各種データを記憶している。RAM233は、CPU231の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD234は、画像データや各種プログラム、或いは各種情報テーブルを記憶する。ネットワークI/F235は、制御部230をLAN110に接続する。ネットワークI/F235は、LAN110上の他の装置との間で各種情報を送受信する。
【0023】
次に、MFP101の操作部219の構成について図3を参照して説明する。図3は、実施形態1に係るMFP101の操作部219の構成を示す外観図である。
【0024】
操作部219は、LCD上にタッチパネルシート302が貼られているLCD表示部301を有する。このLCD表示部301には、後述するネイティブ機能モジュールやWebブラウザが表示する操作画面及びソフトキーが表示されるとともに、表示されているキーが押されると、その押された位置を示す位置情報をCPU211に伝える。またこの操作部219には、スタートキー303、ストップキー304、リセットキー305、ガイドキー306、トップメニューキー307、数値キー308の各種ハードキーが設けられている。スタートキー303は、このMFP101に対して処理の開始を指示するためのハードキーで、スタートキー303の中央部には、緑と赤の2色LED表示部309が設けられている。2色LED表示部309は、その色によってスタートキー303が使用可能な状態にあるか否かを表している。ストップキー304は、稼働中の動作を止めるためのキーである。リセットキー305は、設定を初期化するときに用いられるキーである。ガイドキー306は、MFP101の使用方法を表示するためのキーである。トップメニューキー307は、MFP101の機能を選択させるためのトップメニュー画面を表示するためのキーである。数値キー308は、数値を入力するためのキーである。
【0025】
図4は、実施形態1に係るシステム全体のソフトウェア構成を説明する図である。図4に示す各機能部は、MFP101とWebサーバ102のそれぞれに備えられているCPUが制御プログラムを実行することにより実現される。
【0026】
MFP101は、MFP101が予め保持している機能を実行するネイティブ機能モジュール430、Webブラウザ440、サービスプロバイダ450を備えている。Webブラウザ440は、通信部441、解析部442、画面表示部443、LED制御部444を含む。通信部441は、HTTPプロトコルに従ってWebサーバ102のWebアプリケーション410のプレゼンテーション部411と通信する。具体的には、通信部441は、Webブラウザ440で表示する操作画面のコンテンツをWebアプリケーション410に対して要求して、WEbサーバ102から受信する。更に通信部441は、Webブラウザ440で表示した操作画面を介して入力されたユーザからの指示をWebアプリケーション410に通知する。解析部442は、Webアプリケーション410から受信する操作画面のコンテンツを解析する。このコンテンツはHTMLファイル、画像ファイル、スクリプトファイル等を含んでいる。これらファイルには、Webブラウザ440に表示すべき操作画面の内容を示す記述が含まれている。画面表示部443は、解析部442による解析の結果に基づいて、操作部219の表示部301に操作画面を表示する。LED制御部444は、解析部442による解析の結果に基づいて、Webアプリケーション410から受信したHTMLファイルにフォームのサブミット要素が含まれているか否かを判断し、スタートキー303の中央部の2色LED309の発光制御を行う。
【0027】
サービスプロバイダ450は、通信部451、ジョブ生成部452を含む。通信部451は、Webアプリケーション410のロジック部412からの処理依頼を受付ける。Webアプリケーション410から処理の実行を依頼された場合は、ジョブ生成部452が依頼された処理を実行するためのジョブを生成する。
【0028】
ネイティブ機能モジュール430は、ネイティブアプリケーション431、デバイス管理部432、ジョブ実行部433を含む。ネイティブアプリケーション431は、Webサーバ102により提供されるのではなく、MFP101に予め保持しているプログラムに基づいて提供される各種アプリケーションである。このネイティブアプリケーション431には、例えばMFP101のプリンタ220による印刷処理の実行やスキャナ221による読取処理を実行するアプリケーションが含まれる。ジョブ実行部433は、ネイティブアプリケーション431や、サービスプロバイダ450のジョブ生成部452が生成したジョブを実行する。デバイス管理部432は、このMFP101の各モジュールのエラー状態を管理して、エラーが発生している場合はそのエラー情報をWebブラウザ440やサービスプロバイダ450に通知する。またデバイス管理部432は、MFP101全体の設定やアプリケーションの切替えの処理も行う。
【0029】
Webサーバ102は、Webアプリケーション410を有しており、このWebアプリケーション410には、プレゼンテーション部411及びロジック部412が含まれる。
【0030】
プレゼンテーション部411は、MFP101の通信部441と通信し、MFP101からの要求に応えてMFP101のWebブラウザ440で表示すべき操作画面のコンテンツをMFP101に送信する。またMFP101のWebブラウザ440に表示された操作画面を介して入力されたユーザからの指示をMFP101から受け取る。ユーザからの指示を受け取ったWebアプリケーション410は、その指示の内容に従って各種処理を実行する。またWebアプリケーション410は、Webブラウザ440からの指示の内容に応じて、MFP101に対して処理の実行を依頼する。具体的には、MFP101のプリンタ220による印刷処理の実行や、スキャナ221による原稿の読取処理の実行、或いはネットワークI/F218を介した送信処理の実行を依頼する。このようにWEbサーバ102からMFP101に対して処理の実行を依頼する場合には、ロジック部412がMFP101に備えられたサービスプロバイダ450の通信部451を介して、ジョブ生成部452にジョブの生成を依頼する。ここでは、Webアプリケーション410は、MFP101の原稿台に置いた原稿をスキャンしてネットワーク110の特定のFTPサーバにFTPプロトコルで送信するアプリケーションであるとする。
【0031】
図5は、本実施形態1に係るMFP101の制御処理を説明するフローチャートである。ここでは、MFP101がWebアプリケーション410から操作画面を取得して表示し、ユーザのスタートキーの押下によって原稿を読み込んで特定のFTPサーバに送信する場合のWebブラウザ440の一連の動作を説明する。尚、このフローチャートに示す各動作は、MFP101のCPU211が制御プログラムを実行することにより実行される。
【0032】
まずS1で、MFP101のWebブラウザ440に表示するWebアプリケーション410の操作画面をWebサーバ102に対して要求する。具体的には、Webアプリケーション410のURLに対してHTTPプロトコルに従って通信を行う。このURLはWebブラウザ440のホームページ等として予め設定されているURLであっても良いし、ユーザがブラウザ440のURL入力欄に入力したURLであっても良い。或いは、Webブラウザ440で表示中の画面のリンクをユーザが選択したものであっても良い。次にS2に進み、Webアプリケーション410からの応答である画面データを受信する。この画面データは、前述したようにHTMLファイルや画像ファイル、スクリプトファイル等で構成されている。次にS3に進み、S2で受信したWebアプリケーション画面データを解析する。尚、このS3において、解析の結果、アプリケーション画面データにフォームのサブミット要素が含まれているか否かをRAM213などに記憶しておく。そしてS4で、S3の解析結果に基づいてWebアプリケーション画面をMFP1010の操作部219の表示部301に表示する。
【0033】
図6(A)は、図5のS2で受信するWebアプリケーション画面データの一例を示す図である。図6(B)は、図6(A)に示す画面データを受信した場合に、図5のS4で表示部301に表示される画面の一例を示す図である。
【0034】
図6(A)において、601はフォームの開始タグで、action属性及びmethod属性によって、サブミット指示があった場合は、このフォームを「./start」に対してPOSTメソッドで送信することを示している。602は読み取り解像度を指定させるためのselect要素である。この画面データを受信したWebブラウザ440は、図6(B)の610で示すように、これら解像度をプルダウンメニューとして描画してユーザが選択可能にする。603はフルカラーで読み込むか否かを指定させるためのチェックボックス要素で、Webブラウザ440は、この要素に従って図6(B)の611で示すようなチェックボックスを描画する。604はユーザが設定をリセットするためのリセット要素で、Webブラウザ440は、この要素に従って図6(B)のリセットボタン612を描画する。605はサブミット要素で、Webブラウザ440は、図6(B)のサブミットボタン613を描画する。ユーザによって、このサブミットボタン613が押されると、Webブラウザ440は、601の記述に従って「./start」に対してPOSTメソッドで、このフォームのデータを送信する。尚、ここでは、サブミット要素のvalue属性として、このサブミットボタン613を押下して実行するのと同じ処理を、操作部219のスタートキー303の押下によっても実行可能であることを記載している。尚、ここでWebブラウザ440は、サブミットボタン613に、サブミット要素605の文字列「開始(スタートキーでも開始できます)」を表示する。
【0035】
再び図5に戻り、S5では、S2で受信したデータにフォームのサブミット要素が存在するか否かを、S3の解析に基づいて判定する。S5で、サブミット要素が存在しないと判断するとS6に進む。S6ではLED制御部444により、スタートキー303の中央部のLED309を赤色で点灯するよう制御する。これにより、この画面の表示中ではスタートキー303を使用した操作指示が不可能であることをユーザに通知する。
【0036】
一方、S5の判定の結果、S2で受信したデータにサブミット要素を含むと判断するとS7に進む。ここで例えば図6(A)に示すデータを受信した場合は、このデータがサブミット要素605を含むのでS7に進むことになる。S7では、LED制御部444によりスタートキー303の中央部のLED309を緑色で点灯するよう制御する。これにより、この画面の表示中にはスタートキー303を使用した操作指示ができることをユーザに通知する。次にS8に進み、図6(B)のサブミットボタン613が押下されたか否かを判断する。ここでサブミットボタン613が押下されたことを検知した場合はS10に進む。一方、サブミットボタン613が押下されたことを検知しなかった場合はS9に進み、スタートキー303が押下されたか否かを判断する。ここでスタートキー303が押下されたことを検知するとS10に進む。ステップS10では、HTMLファイルの記載に従ってフォームの送信処理を行う。ここでは、「./start」に対してPOSTメソッドで、このフォームのデータを送信する処理を行う。
【0037】
この後、Webブラウザ440が送信したフォームは、Webサーバ102のWebアプリケーション410が受信する。またWebアプリケーション410は、MFP101のサービスプロバイダ450と通信して、指定された解像度で原稿を読み込んでFTP送信するようにMFP101を制御する。
【0038】
以上説明したように実施形態1によれば、サブミット要素が含まれていてスタートキーが使用可能であるときに、MFP101の操作部219のスタートキー303が押下されると自動的に、操作画面のコンテンツに含まれるフォームのサブミット処理を行う。これによりWebサーバのWebアプリケーションは、そのサブミットされたフォームデータに基づいて、例えば、MFP101に対して原稿の読み込み等の制御の開始を指示する。これによって、Webアプリケーション、或いはネイティブアプリケーションで、操作部のスタートキー303によって処理の開始を指示できるという操作性を提供できる。
【0039】
尚、Webアプリケーション410が、MFPのサービスプロバイダ450に対してMFPの制御を指示する形態を示したが本発明はこれに限定されない。例えば、MFPが行うべき処理を記載したスクリプトを、Webサーバ102のWebアプリケーション410からMFP101のWebブラウザ440に送信し、MFPがそれを解釈することによってMFPの制御を行うようにしても良い。
【0040】
次に、本発明の実施形態2について説明する。この実施形態2では、前述の実施形態1で説明した各構成に対して、更に、複数のサブミット要素を含むHTMLデータを受信した場合の制御を追加した場合について説明する。本実施形態2に係るシステム、及びWebサーバ及びMFPの構成は、前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
【0041】
図7は、本発明の実施形態2に係るMFP101の処理を説明するフローチャートである。ここでは、MFP101がWebアプリケーション410から操作画面のデータを取得して表示し、スタートキー303の押下によって原稿を読み込んで特定のFTPサーバに送信する場合のWebブラウザ440の一連の動作を説明する。図7のフローチャートに示す各動作は、MFP101のCPU211が制御プログラムを実行することにより実行される処理である。ここではS21からS27までの処理は、図5のS1からS7と同様であるため、その説明を省略する。
【0042】
S28において、サブミットボタン(図8(B)の811又は812)が押下されたか否かを判断する。サブミットボタンの押下を検知した場合はS33に進み、押下を検知したサブミットボタンに対応したフォームの送信処理を行なう。一方、S28で、サブミットボタンの押下を検知しなかった場合はS29に進む。S29において、操作部219のスタートキー303が押下されたか否かを判断する。S29で、スタートキー303の押下を検知した場合はS30に進む。S30では、サブミット要素が複数含まれているか否かを判断する。S30でサブミット要素が一つしか存在しない場合はS33に進む。S30で、サブミット要素が複数存在すると判断した場合はS31に進む。S31では、複数のサブミット要素の中のどのサブミット処理を行うのかをユーザが選択可能な画面を表示する(選択画面表示)。
【0043】
図8(A)は、複数のサブミット要素を含むアプリケーション画面データの一例を示す図である。図8(B)は、図8(A)に示す画面データを受信した場合に表示部301に表示する画面例を示す図である。
【0044】
801はフォームの開始タグを示し、action属性及びmethod属性によって、サブミット指示があった場合は、このフォームを「./start」に対してPOSTメソッドで送信するべきであることを示している。802は解像度を指定させるためのselect要素である。Webブラウザ440は、このselect要素に基づいて、図8(B)の810で示すようなプルダウンメニューを描画する。803は第一のSubmit要素であり、Webブラウザ440は、これに基づいて図8(B)の811で示すような第一のサブミットボタンを描画する。804は第二のSubmit要素であり、Webブラウザ440は、これに基づいて812で示すような第二のサブミットボタンを描画する。
【0045】
図9は、図7のS31で表示する選択画面の一例を示す図である。
【0046】
第一のサブミット要素に対応したボタン901、第二のサブミット要素に対応したボタン902を、ユーザに選択可能なように表示する。
【0047】
図7のフローチャートに戻り、S32では、ユーザからの選択入力があったかどうかを検知する。選択入力を検知するとS33に進む。即ち、図9のボタン901或いはボタン902が押下されたかどうかを検知する。ボタン901,902のいずれかが押下されたことを検知するとS33に進み、選択されたボタンに対応した送信処理を行う。
【0048】
この後、Webブラウザ440が送信したフォームを、Webアプリケーション410が受信する。Webアプリケーション410は、その受信したフォームの内容から、どちらのサブミット処理が行われたかを判断する。そして、サービスプロバイダ450と通信して、カラーもしくはモノクロで原稿を読み込んでFTP送信するようMFP101を制御する。
【0049】
以上説明したように実施形態2によれば、MFP101のスタートキーが押下された時に、複数のサブミット要素が存在する場合は、どのサブミット要素を処理するかを選択可能な画面を表示する。これによって、複数のサブミット要素が存在するアプリケーションでもスタートキーによって処理を開始できるという操作性を提供できる。
【0050】
尚、スタートキーが押下された時にどのサブミット要素を処理するべきかを、サブミット要素の属性としてコンテンツ中に記述しておき、スタートキーの押下のときには、その記述に従ってサブミット処理を行うようにしても良い。
【0051】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webサーバに接続され、当該Webサーバにより提供される操作画面を表示するWebブラウザを備えた画像処理装置であって、
前記Webサーバから取得した前記操作画面を表示するコンテンツの内容を解析する解析手段と、
前記解析手段による解析に基づいて操作画面を表示する表示手段と、
画像処理の開始を指示するためのハードキーであるスタートキーと、
前記解析手段による解析に基づいて、前記スタートキーの押下に応じてフォームデータを前記Webサーバに送信するように指示する記述が前記コンテンツ中に含まれているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記フォームデータを前記Webサーバに送信するよう指示する記述が含まれると判断すると、前記スタートキーの押下に応じて前記フォームデータを前記Webサーバに送信するよう制御する送信制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記フォームデータを前記Webサーバに送信するよう指示する記述は、前記フォームデータのサブミット要素であり、前記判断手段は前記コンテンツ中に前記サブミット要素が含まれるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記判断手段は更に、前記記述が複数存在するか否かを判断し、
前記記述が複数存在すると判断すると、複数の記述の内のいずれかを選択する画面を表示する選択画面表示手段を更に有し、
前記送信制御手段は、前記選択画面表示手段によって表示された前記画面で選択された記述に対応するフォームデータを前記Webサーバに送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記判断手段が前記記述が含まれると判断すると、前記スタートキーによる入力が可能な状態であることをユーザに通知し、前記判断手段が前記記述が含まれていないと判断すると、前記スタートキーによる入力が不可能な状態にあることをユーザに通知する通知手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
Webサーバに接続され、当該Webサーバにより提供される操作画面を表示するWebブラウザを備えた画像処理装置の制御方法であって、
前記Webサーバから取得した前記操作画面を表示するコンテンツの内容を解析する解析工程と、
前記解析工程による解析に基づいて操作画面を表示する表示工程と、
前記解析工程での解析に基づいて、画像処理の開始を指示するためのハードキーであるスタートキーの押下に応じてフォームデータを前記Webサーバに送信するように指示する記述が前記コンテンツ中に含まれているか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程で前記フォームデータを前記Webサーバに送信するよう指示する記述が含まれると判断すると、前記スタートキーの押下に応じて前記フォームデータを前記Webサーバに送信するよう制御する送信制御工程と、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−130123(P2011−130123A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285743(P2009−285743)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】