説明

画像処理装置

【課題】単純且つ直感的な操作によって画像の拡大表示や縮小表示をすること。
【解決手段】画像を表示する画像表示手段と、前記表示された画像上に線を描く入力操作を受け付ける入力手段と、前記入力操作が右回り又は左回りで円状図形を描く円状図形入力操作であるか否かを判定する判定手段(S3)と、前記入力操作が前記円状図形入力操作であると判定された場合、該円状図形によって指定される前記画像の一部分を拡大する拡大画像処理(S4)、又は、該円状図形によって指定される領域に前記画像を縮小する縮小画像処理(S5)のうち、少なくともいずれか一方の画像処理を行い、前記拡大又は縮小された画像を前記画像表示手段に表示させる画像処理手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の拡大表示や縮小表示が可能な画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パソコンやPDA、携帯電話機などの情報端末において、画面に表示された画像等を拡大・縮小して表示させる方法として、次のようなものが知られている。
(1)タッチパネル上にタッチした2本の指を離す方向にスライドさせることで画像を拡大表示し、2本の指を近付ける方向にスライドさせることで画像を縮小表示する(特許文献1参照)。
(2)マウスをクリックした状態で画面上のポインタを左上から右下へ動かすと、その始点と終点を対角線とする矩形範囲の画像を拡大表示する。逆に、ポインタを右下から左上へ動かすと、その始点と終点を対角線とする矩形範囲に画像が収まるよう画像を縮小表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2009−522669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記(1)及び(2)の方法においては、画像を大倍率で拡大・縮小したい場合に拡大・縮小操作を何回かに分けて行うこととなるが、このとき、タッチパネルやマウスに対する複数回の同じ操作の中には無駄な動きが含まれているため、ユーザに操作が煩雑であるという感じを与えてしまう。即ち、例えば上記(1)の方法で画像を拡大する場合、ユーザは、指を離すようスライド(画像拡大)→指を元に戻す→指を離すようスライド(画像拡大)→指を元に戻す、という動作を繰り返すが、このうち指を元に戻す動作が無駄な動きであるといえる。
また、上記(1)及び(2)の方法では、例えば画像を拡大する際に、2本の指のタッチ箇所あるいは対角線によって画像のどの部分を拡大するかを指定するようになっているため、実際に拡大表示される部分がユーザの感覚と一致しないこともある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、単純且つ直感的な操作によって画像の拡大表示や縮小表示をすることが可能な画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、画像処理装置において、画像を表示する画像表示手段と、前記表示された画像上に線を描く入力操作を受け付ける入力手段と、前記入力操作が右回り又は左回りで円状図形を描く円状図形入力操作であるか否かを判定する判定手段と、前記入力操作が前記円状図形入力操作であると判定された場合、該円状図形によって指定される前記画像の一部分を拡大する拡大画像処理、又は、該円状図形によって指定される領域に前記画像を縮小する縮小画像処理のうち、少なくともいずれか一方の画像処理を行い、前記拡大又は縮小された画像を前記画像表示手段に表示させる画像処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、右回り又は左回りで円状図形を描く円状図形入力操作によって画像の拡大・縮小を行うので、画像を大倍率で拡大・縮小する場合でも、ユーザは右回りや左回りで円を描く動作を連続して行えばよく、動きに無駄のない単純な操作を実現することができる。また、円状図形によって指定される範囲(例えば、円状図形で囲まれた範囲)が拡大されるので、ユーザは拡大したい部分を直感的に指定することができる。
【0008】
また、本発明は、上記の画像処理装置において、前記画像処理手段は、前記入力操作が右回りの円状図形入力操作であるか左回りの円状図形入力操作であるかに応じて、前記拡大画像処理又は前記縮小画像処理のいずれを行うかを決定することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、右回りの操作と左回りの操作のそれぞれに対応付けて、画像の拡大及び縮小を行うことができる。
【0010】
また、本発明は、上記の画像処理装置において、前記画像処理手段は、元の画像の大きさと前記円状図形の大きさとに応じて、前記拡大画像処理の拡大率又は前記縮小画像処理の縮小率を決定することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、円状図形入力操作によって自動的に画像の拡大率・縮小率を決定することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、単純且つ直感的な操作によって画像の拡大表示や縮小表示をすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態による画像処理装置の構成図である。
【図2】画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】右回り又は左回りの円状図形入力操作を判定する方法を説明する図である。
【図4】画像の拡大表示と縮小表示を説明する図である。
【図5】画像を拡大表示する具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態による画像処理装置の構成図である。同図において、画像処理装置10は、CPU11と、画像プロセッサ12と、タッチパネル13と、記憶装置16とを含んで構成されている。タッチパネル13は、ディスプレイ14とタッチセンサ15を有している。この画像処理装置10の具体的な実施態様として、例えば、PDA(携帯情報端末)、携帯電話機、パソコンなどが挙げられる。パソコンとして実施される場合、CPU11や画像プロセッサ12を含む本体とタッチパネル13(又はディスプレイ14)とが分離されて構成されていてもよい。
【0015】
CPU11は、所定のプログラムを記憶装置16から読み出して実行することにより、画像処理装置10の動作を制御する。特に、CPU11は、タッチセンサ15に入力されたユーザの操作が、右回りで円状の線を描く入力操作であるか左回りで円状の線を描く入力操作であるかを判定し、その結果に基づいて画像プロセッサ12に画像を拡大する処理又は画像を縮小する処理を行うよう指示する。
【0016】
画像プロセッサ12は、その内部メモリ(不図示)又は記憶装置16に記憶されている所定のプログラムに従って、記憶装置16から画像データを読み出してその画像に所定の画像処理を施し、ディスプレイ14に表示させる制御を行う。また、画像プロセッサ12は、CPU11から画像の拡大処理又は縮小処理を指示された場合は、その指示に従って画像を拡大する処理又は縮小する処理を行う。
【0017】
ディスプレイ14は、画像プロセッサ12から出力された画像を表示する。
タッチセンサ15は、ユーザがディスプレイ14の画面上をタッチした箇所を検出して、その検出箇所を示す位置情報をCPU11へ出力する。
記憶装置16は、上記プログラムや画像データを記憶している。
【0018】
次に、図2に示すフローチャートに沿って画像処理装置10の動作を説明する。
まず、CPU11は、ユーザによるタッチセンサ15への入力操作に応じて、当該入力操作によって指定された画像を表示するよう画像プロセッサ12に指示する。画像プロセッサ12は、この指示を受け、記憶装置16から当該指定された画像の画像データを読み出して、ディスプレイ14に画像を表示させる(ステップS1)。
【0019】
CPU11は、次に、タッチセンサ15にユーザから入力操作があったか否かを判定する(ステップS2)。入力操作がない場合、CPU11はステップS2を繰り返す。入力操作があった場合、CPU11は、その入力操作が、右回りで円状の線を描く入力操作であるか左回りで円状の線を描く入力操作であるかを判定する(ステップS3)。このステップS3の判定方法の詳細を、図3を用いて説明する。
【0020】
図3(A)に示すように、ユーザが、タッチセンサ15に対して右回りで楕円Cを描く入力操作を行ったとする。より具体的には、この入力操作において、ユーザの指が最初にタッチセンサ15をタッチした箇所は図中の点T0であり、その後、ユーザは、指を順次、点T1,点T2,…,点T7のようにスライドさせていったとする。このときのユーザの指がタッチセンサ15にタッチした箇所の軌跡が、図3(A)に示した楕円Cである。各点T0,T1,T2,…,T7は、所定のタイミングでタッチセンサ15がユーザの指のタッチ箇所を検出したサンプリング点を表しており、その座標値は、例えば図3(B)に示すような値となっている。
【0021】
CPU11は、各点T0,T1,T2,…,T7の座標値をタッチセンサ15から順次取得し、これら各点の隣り合う点間を結ぶ、図3(A)に点線で示した各ベクトルのX成分とY成分を計算する。図3(D)に、図3(B)の座標値から計算される各ベクトルのX成分(ΔXで表す)とY成分(ΔYで表す)を示す。
【0022】
図3(C)は、これら各ベクトルを、その始点がXY座標系の原点と一致するようにして描いた図である。この図3(C)において、例えば図3(A)の点T0と点T1で定まるベクトル(図3(C)中にT1−T0と表されたベクトル)の終点は、第2象限に存在している。同様に、点T1と点T2で定まるベクトルの終点は第2象限に存在し、点T2と点T3で定まるベクトルの終点は第1象限に存在している(他も同様)。
【0023】
CPU11は、上記計算した各ベクトルのX成分とY成分から、当該ベクトルの終点が第何象限に存在しているかを求める。例えば点T0と点T1で定まるベクトルの場合、X成分は負の値、Y成分は正の値であるから、このベクトルの終点が存在する象限を第2象限と求めることができる。各ベクトルについてこのように求められた象限を図3(D)に示す。CPU11は、求めた象限が図3(D)の例のように降順(第1象限→第4象限の遷移も降順とみなす)で変化する場合、ユーザの入力操作が右回りで円状の線を描く入力操作であると判定する。また逆に、求めた象限が昇順(第4象限→第1象限の遷移も昇順とみなす)で変化する場合、CPU11は、ユーザの入力操作が左回りで円状の線を描く入力操作であると判定する。
【0024】
ここで、円状の線とは、図3(A)のような完全な(即ち一周分の)楕円(又は円)であってもよいし、楕円(又は円)の一部分である円弧状の線であってもよい。例えば、図3において、CPU11が点T0の座標値を取得した後、上記ベクトルの象限が第2象限から第1,第4象限を経由して第3象限まで変化した(全ての象限を通った)場合には、ユーザの指が図3(A)の点T6又は点T7まで進んだことになるので、CPU11は、ユーザが右回りで一周分(ほぼ一周分)の楕円を描く入力操作を行ったと判定することができる。また、上記ベクトルの象限が第2象限から第1象限まで変化した(一部の象限のみ通った)場合には、ユーザの指が図3(A)の点T3又は点T4まで進んだことになるので、CPU11は、ユーザが右回りで円弧(楕円の一部分)を描く入力操作を行ったと判定することができる。
【0025】
図2のフローチャートに説明を戻す。
ステップS3の判定により、ユーザの入力操作が右回りで円状の線を描く入力操作であった場合、CPU11は、ディスプレイ14に表示されている画像を拡大して表示するよう画像プロセッサ12に対して指示する。画像プロセッサ12は、この指示に従って画像を拡大する処理を行い、拡大した画像をディスプレイ14に表示させる(ステップS4)。一方、ユーザの入力操作が左回りで円状の線を描く入力操作であった場合、CPU11は、ディスプレイ14に表示されている画像を縮小して表示するよう画像プロセッサ12に対して指示する。画像プロセッサ12は、この指示に従って画像を縮小する処理を行い、縮小した画像をディスプレイ14に表示させる(ステップS5)。
【0026】
図4は、ステップS4及びステップS5における画像の拡大表示と縮小表示を説明する図である。同図(A)は拡大表示の場合を示し、同図(B)は縮小表示の場合を示している。
【0027】
同図(A)において、ユーザが右回りで楕円CRを描く入力操作を行ったとする。CPU11は、この楕円CRに外接する矩形SRの領域を拡大対象領域として画像プロセッサ12に指示する。画像プロセッサ12は、この拡大対象領域内の画像がディスプレイ14の表示範囲全体に拡大表示されるように、画像を拡大する。
【0028】
また同様に、同図(B)において、ユーザが左回りで楕円CLを描く入力操作を行ったとする。CPU11は、この楕円CLに外接する矩形SLの領域を縮小後領域として画像プロセッサ12に指示する。画像プロセッサ12は、ディスプレイ14の表示範囲全体の画像がこの縮小後領域に収まって表示されるように、画像を縮小する。
【0029】
但し、ここでは、矩形SR,SLとディスプレイ14の表示範囲のアスペクト比は同じであったとする(アスペクト比が異なる場合は図5で説明する)。また、楕円SR,SLから矩形SR,SLを求めるには、例えば、図3(B)に示した各点T0,T1,T2,…,T7のX座標とY座標の最大値及び最小値を求めればよい。楕円SR,SLが一周分ではなく円弧であった場合でも、適宜、幾何学的方法を用いてその円弧部分に外接する矩形を求めることは可能である。
【0030】
次に、画像を拡大表示する具体例を、図5を用いて説明する。
図5(A)は、ディスプレイ14の表示範囲に拡大前の原画像が表示されている状態を表している。ユーザがこの原画像の拡大したい部分で右回りに楕円C1を描く入力操作を行うと、上述したように、この楕円C1に外接する矩形S1(4つの頂点を左下の頂点から順に反時計回りにP1,P2,P3,P4とする)の領域が拡大対象領域となる。
【0031】
ここで、この拡大対象領域は、その高さ(線分P1P4の長さ)Ly1に対する横幅(線分P1P2の長さ)Lx1の比Lx1/Ly1が、ディスプレイ14の表示範囲の高さLyに対する横幅Lxの比Lx/Lyよりも小さい値となるような寸法であったとする。つまり、拡大対象領域よりディスプレイ14の表示範囲の方が横長であったとする。このとき、CPU11は、拡大表示によって拡大対象領域の高さ方向のサイズがディスプレイ14の表示範囲の高さ方向のサイズと一致するように、画像の拡大率をLy/Ly1と決定し、その拡大率を画像プロセッサ12に指示する。画像プロセッサ12は、この指示された拡大率Ly/Ly1で横方向と高さ方向にそれぞれ拡大対象領域の画像を拡大する処理を行い、拡大した画像をディスプレイ14に表示する。
【0032】
図5(B)は、このように拡大された画像がディスプレイ14の表示範囲に表示されている状態を表している。図5(B)において、原画像の拡大対象領域は、矩形S1’の範囲に拡大されている。ここで、矩形S1’の左下隅の頂点P1’は、原画像の拡大対象領域の左下隅の頂点P1に対応する点であり、ディスプレイ14の表示範囲の下端上にある。同様に、頂点P2’は頂点P2に、頂点P3’は頂点P3に、頂点P4’は頂点P4にそれぞれ対応し、また、頂点P2’はディスプレイ14の表示範囲の下端上、頂点P3’及びP4’はディスプレイ14の表示範囲の上端上にある。このように、原画像の拡大対象領域内の画像が、アスペクト比を維持したままディスプレイ14の表示範囲の高さ方向いっぱいに拡大されている。なお、図5(B)では、ディスプレイ14の表示範囲のうち頂点P1’と頂点P4’を結ぶ線より左側の部分、及び頂点P2’と頂点P3’を結ぶ線より右側の部分は、画像が表示されない空白の領域である。
【0033】
ここで次に、ユーザが更に図5(B)の拡大後画像上で右回りに楕円C2を描く2回目の入力操作を行ったとし、楕円C2に外接する矩形S2(4つの頂点を左下の頂点から順に反時計回りにQ1,Q2,Q3,Q4とする)で定まる拡大対象領域の高さ(線分Q1Q4の長さ)Ly2に対する横幅(線分Q1Q2の長さ)Lx2の比Lx2/Ly2が、ディスプレイ14の表示範囲の高さLyに対する横幅Lxの比Lx/Lyよりも大きかったとする。つまり、この2回目の入力操作では、ディスプレイ14の表示範囲より拡大対象領域の方が横長であったとする。
【0034】
このとき、CPU11は、拡大表示によって拡大対象領域(矩形S2)の横方向のサイズがディスプレイ14の表示範囲の横方向のサイズと一致するように、画像の拡大率をLx/Lx2と決定し、その拡大率を画像プロセッサ12に指示する。画像プロセッサ12は、この指示された拡大率Lx/Lx2で横方向と高さ方向にそれぞれ拡大対象領域(矩形S2)の画像を拡大する処理を行い、拡大した画像をディスプレイ14に表示する。
【0035】
図5(C)は、こうして図5(B)の拡大後画像が更に拡大された画像がディスプレイ14の表示範囲に表示されている状態を表している。図5(C)において、図5(B)の拡大対象領域(矩形S2)は、矩形S2’の範囲に拡大されている。ここで、矩形S2’の左下隅の頂点Q1’は、図5(B)の拡大対象領域の左下隅の頂点Q1に対応する点であり、ディスプレイ14の表示範囲の左端上にある。同様に、頂点Q2’は頂点Q2に、頂点Q3’は頂点Q3に、頂点Q4’は頂点Q4にそれぞれ対応し、また、頂点Q2’及びQ3’はディスプレイ14の表示範囲の右端上、頂点P4’はディスプレイ14の表示範囲の左端上にある。このように、拡大対象領域内の画像が、アスペクト比を維持したままディスプレイ14の表示範囲の横方向いっぱいに拡大されている。なお、図5(C)では、ディスプレイ14の表示範囲のうち頂点Q1’と頂点Q2’を結ぶ線より下側の部分、及び頂点Q3’と頂点Q4’を結ぶ線より上側の部分は、画像が表示されない空白の領域である。
【0036】
以降、ユーザの更なる入力操作があった場合も、同様に画像の拡大処理が行われる。ユーザの入力操作が左回りで円状の線を描く入力操作であった場合の縮小処理についても同様である。
【0037】
このように、本実施形態によれば、右回り又は左回りで円状図形を描く円状図形入力操作によって画像の拡大・縮小を行うので、画像を大倍率で拡大・縮小する場合でも、ユーザは右回りや左回りで円を描く動作を連続して行えばよく、動きに無駄のない単純な操作を実現することができる。また、円状図形によって指定される範囲(円状図形に外接する矩形の領域)が拡大されるので、ユーザは拡大したい部分を直感的に指定することができる。更に、円状図形入力操作によって自動的に画像の拡大率・縮小率を決定することができる。
【0038】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、右回りの場合に画像を縮小し、左回りの場合に画像を拡大するようにしてもよい。
また、拡大対象領域や縮小後領域は、ユーザが描いた楕円(又は円)に外接する矩形でなくてもよい。例えば、内接する矩形であってもよいし、ユーザが描いた楕円(又は円)そのものを拡大対象領域や縮小後領域としてもよい。また、ユーザが描く図形は楕円や円でなくてもよく、右回りと左回りを区別できれば多角形やいびつな形状であってもよい。
また、タッチセンサ15に代えて、マウス等の入力装置を用いてもよい。
また、画像の拡大率や縮小率は上述したものに限られず、例えば、ユーザが別途指定するようにしてもよい。
また、アスペクト比を維持したまま、拡大対象領域内の画像をディスプレイ14の表示範囲の高さ方向または横方向いっぱいに拡大した場合、ディスプレイ14の表示範囲のうち左側及び右側の部分、または、下側の部分及び上側の部分を、画像を表示させない空白の領域とする例を説明したが、当該部分を空白の領域とせずに、当該部分に拡大対象領域外の画像を表示させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10…画像処理装置 11…CPU 12…画像プロセッサ 13…タッチパネル 14…ディスプレイ 15…タッチセンサ 16…記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する画像表示手段と、
前記表示された画像上に線を描く入力操作を受け付ける入力手段と、
前記入力操作が右回り又は左回りで円状図形を描く円状図形入力操作であるか否かを判定する判定手段と、
前記入力操作が前記円状図形入力操作であると判定された場合、該円状図形によって指定される前記画像の一部分を拡大する拡大画像処理、又は、該円状図形によって指定される領域に前記画像を縮小する縮小画像処理のうち、少なくともいずれか一方の画像処理を行い、前記拡大又は縮小された画像を前記画像表示手段に表示させる画像処理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、前記入力操作が右回りの円状図形入力操作であるか左回りの円状図形入力操作であるかに応じて、前記拡大画像処理又は前記縮小画像処理のいずれを行うかを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は、元の画像の大きさと前記円状図形の大きさとに応じて、前記拡大画像処理の拡大率又は前記縮小画像処理の縮小率を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−22701(P2011−22701A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165687(P2009−165687)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】