説明

画像処理装置

【課題】時刻情報を取得するための構成を簡素にできること。
【解決手段】時刻情報を含む認証要求に基づいて認証を行うサーバと通信可能に接続される画像処理装置であって、外部装置から時刻情報が付加されている画像処理ジョブを取得する取得部と、取得部によって取得された画像処理ジョブを実行する画像処理部と、時刻情報を含む認証要求をサーバに送信する認証要求部と、サーバから認証要求についての認証結果を受信する受信部とを備え、外部装置から取得された印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバに送信し(S102)、サーバから認証成功を示す認証結果を受信すると(S103でYes)、サーバとの間で印刷ジョブに関する通信を行う(S105)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻情報を含む認証要求をサーバに送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置とサーバとからなるシステムにおいて、画像形成装置がサーバにアクセスするときに認証が必要となる場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−54893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したサーバの中には、画像形成装置から送信された時刻情報を用いて認証を行うものがある。例えば、画像形成装置から送信された時刻情報によって示される時刻とサーバが備える計時部から取得される時刻とを比較し、それらの時間差が設定時間を超えている場合は認証失敗とするサーバがある。
しかしながら、サーバに時刻情報を送信するために画像形成装置にRTC(Real Time Clock)を備えたり、あるいは通信ネットワークを介してタイムサーバから時刻情報を取得する手段を備えたりすると、画像形成装置の構成が複雑になるという問題がある。
本明細書では、時刻情報を取得するための構成を簡素にできる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される画像処理装置は、時刻情報を含む認証要求に基づいて認証を行うサーバと通信可能に接続される画像処理装置であって、外部装置から時刻情報が付加されている画像処理ジョブを取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記画像処理ジョブを実行する画像処理部と、前記取得部によって取得された前記画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信する認証要求部と、前記サーバから前記認証要求についての認証結果を受信する受信部と、前記受信部によって前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、前記サーバとの間で前記画像処理ジョブに関する通信を行う通信部と、を備える。
【0006】
また、上記画像処理装置は、前記画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、当該時刻情報を記憶する時刻情報記憶部を備え、前記認証要求部は、一つの画像処理ジョブについて前記サーバに認証要求を複数回送信するものであり、最初の認証要求を送信するときは画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求を送信し、その認証要求について前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、前記サーバに二回目以降の認証要求を送信するとき、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求を送信してもよい。
【0007】
また、上記画像処理装置は、前記画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、当該時刻情報を記憶する時刻情報記憶部を備え、前記認証要求部は、前記取得部によって取得された画像処理ジョブに時刻情報が付加されている場合は当該画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信する一方、当該画像処理ジョブに時刻情報が付加されていない場合であって前記時刻情報記憶部に前記時刻情報が記憶されている場合、及び/又は、当該画像処理ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証失敗を示す認証結果が受信された場合であって前記時刻情報記憶部に前記時刻情報が記憶されている場合は、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信してもよい。
【0008】
また、上記画像処理装置は、前記画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、当該時刻情報を記憶する時刻情報記憶部を備え、前記認証要求部は、前記時刻情報記憶部に前記時刻情報が記憶されている場合は前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信する一方、前記時刻情報記憶部に前記時刻情報が記憶されていない場合であって前記取得部によって取得された画像処理ジョブに時刻情報が付加されている場合、及び/又は、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証失敗を示す認証結果が受信された場合であって前記取得部によって取得された画像処理ジョブに時刻情報が付加されている場合は、当該画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信してもよい。
【0009】
また、上記画像処理装置は、前記時刻情報が付加されていない画像処理ジョブ、及び/又は、付加されている前記時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証失敗を示す認証結果が受信された画像処理ジョブを保留ジョブとして記憶するジョブ記憶部と、前記時刻情報が付加されている前記画像処理ジョブについて前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、当該時刻情報を記憶する時刻情報記憶部とを備え、前記認証要求部は、前記ジョブ記憶部に前記保留ジョブが記憶された後に取得された画像処理ジョブであって前記時刻情報が付加されている画像処理ジョブについて前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、前記ジョブ記憶部に記憶されている前記保留ジョブについて、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信し、前記通信部は、前記保留ジョブについて前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、前記サーバとの間で前記保留ジョブに関する通信を行なってもよい。
【0010】
また、前記画像処理ジョブはユーザを識別するユーザ識別情報が付加されており、前記認証要求部は、認証成功を示す認証結果が受信された前記画像処理ジョブに付加されている前記ユーザ識別情報と同じユーザ識別情報が付加されている前記保留ジョブについてのみ、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信してもよい。
【0011】
また、前記画像処理ジョブは当該画像処理ジョブの取得元を識別する取得元識別情報が付加されており、前記認証要求部は、同一の前記取得元について、前記受信部によって前記サーバから認証失敗を示す認証結果が受信された回数が閾値に達した場合は、その後に当該取得元から画像処理ジョブが取得されても、その取得された前記画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信しないようにしてもよい。
【0012】
また、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報は、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報そのもの、又は、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報によって示される時刻に経過時間を加算した時刻を示す時刻情報であってもよい。
【0013】
また、上記画像処理装置は、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証失敗を示す認証結果が受信された場合は、前記時刻情報記憶部から当該時刻情報を削除する削除部を備えてもよい。
【0014】
なお、本発明は、画像処理方法、画像処理システム、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
また、本発明に備わる各部の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各部の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明の効果】
【0015】
上記の画像処理装置によると、時刻情報を取得するための構成を簡素にできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1に係るプリンタを備える印刷システムの構成を示す模式図。
【図2】プリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図3】プリンタにおける印刷処理の流れを示すフローチャート。
【図4】実施形態2に係る印刷処理の流れを示すフローチャート。
【図5】実施形態3に係る印刷処理の流れを示すフローチャート。
【図6】実施形態4に係る印刷処理の流れを示すフローチャート。
【図7】実施形態5に係る経過時間加算処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図3によって説明する。
(1)印刷システムの構成
図1は、実施形態1に係る画像処理装置としてのプリンタ3を備える印刷システム1の構成を示す模式図である。印刷システム1は、ユーザからの印刷指示を受け付けて印刷ジョブを実行し、その実行履歴を記録するシステムである。
【0018】
印刷システム1は、1以上のコンピュータ2(2a〜2c)と、プリンタ3と、サーバ4と、これらを通信可能に接続するLAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信ネットワーク5とで構成されている。コンピュータ2は外部装置の一例である。
【0019】
1以上のコンピュータ2は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末などである。これらのコンピュータ2はユーザが印刷を指示するための操作部を備えており、ユーザから印刷が指示されるとプリンタ3に印刷ジョブを送信する。
【0020】
プリンタ3は、コンピュータ2から受信した印刷ジョブを実行することにより、印刷ジョブに含まれている画像データが表す画像を印刷用紙に印刷する装置である。プリンタ3は、印刷ジョブを実行する前、実行中、及び/又は、印刷ジョブを実行した後に、時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信し、サーバ4から認証成功を示す認証結果を受信すると、サーバ4との間で印刷ジョブに関する通信を行う。
【0021】
実施形態1では、印刷ジョブに関する通信として、印刷を指示したユーザのユーザID、プリンタ3に印刷ジョブを送信したコンピュータ2のIPアドレス、印刷ジョブに含まれている画像データが表す画像の数、印刷を開始する時刻、印刷を終了した時刻といった印刷ジョブに関する情報をサーバ4に送信する。サーバ4は、これらの情報を実行履歴として記憶部に書き込む。なお、印刷ジョブに関する情報はこれらに限られるものではなく、受信した印刷ジョブに関する任意の情報を送信することができる。
【0022】
また、実施形態1に係る認証要求には、時刻情報の他、ユーザID及びパスワードも含められる。認証要求に含められるユーザID及びパスワードは、印刷ジョブに付加されているものであってもよいし、実行履歴書き込み用のユーザID及びパスワードとして予めプリンタ3に付与されているものであってもよい。
【0023】
サーバ4は、認証に用いる時刻を取得するための計時部や印刷ジョブの実行履歴を記録するための記憶部を備えるコンピュータである。サーバ4は、プリンタ3から時刻情報を含む認証要求を受信すると、受信した認証要求に基づいて認証を行い、認証に成功するとプリンタ3に認証成功を示す認証結果を送信する。プリンタ3は認証成功を示す認証結果を受信するとサーバ4に接続して印刷ジョブに関する情報をサーバ4に送信し、サーバ4はプリンタ3から受信した印刷ジョブに関する情報を実行履歴として記憶部に記録する。
【0024】
時刻情報を含む認証要求に基づく認証方法としては、例えばKerverosやNTLMv2を用いることができる。
Kerverosは秘密鍵暗号(共通鍵暗号)を用いた認証方法である。KerverosではユーザID及びパスワードが正規のものであっても時刻情報によって示される時刻とサーバ4が備える計時部から取得される時刻との時間差が設定時間を超えている場合は認証失敗となる。
【0025】
NTLMv2はMicrosoft社のOSであるWindows(登録商標)に通信ネットワーク5経由でログオンする際に用いられる認証方法である。NTLMv2ではユーザID及びパスワードが正規のものであっても上述した時間差が設定時間を超えている場合は認証失敗となる。
なお、各認証方法の設定時間は、例えば3分や36時間等予め決められていてもよいし、ユーザによって適宜変更されるものであってもよい。設定時間が短いほど、よりセキュリティの高い認証を行うことができる。
また、認証方法は、時刻情報を含む認証要求に基づいて認証を行うものであれば他の方法であってもよい。
【0026】
(2)プリンタの電気的構成
図2は、プリンタ3の電気的構成を示すブロック図である。プリンタ3は、制御部30、記憶部31、表示部32、印刷部33、及び、ネットワークインタフェース(NW I/F)34を備えている。
【0027】
制御部30は、CPU35、ROM36、RAM37を有する。CPU35はROM36や記憶部31に記憶されているプログラムを実行することによってプリンタ3の各部を制御する。ROM36にはプリンタ3の動作を制御するための各種のプログラムやデータが記録されている。RAM37はCPU35が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。制御部30とRAM37とは、時刻情報記憶部の一例である。また、制御部30は削除部の一例である。
【0028】
記憶部31には、例えばNVRAMやフラッシュROMが含まれる。記憶部31には、プリンタ3の動作を制御するための各種のプログラムや後述する保留ジョブなどが記憶される。制御部30と記憶部31とは、ジョブ記憶部の一例である。
表示部32は、液晶ディスプレイなどの表示装置、表示装置を駆動する駆動回路などを備えており、プリンタ3に関する各種の情報が表示される。
【0029】
印刷部33は、印刷ジョブを実行する装置であり、印刷ジョブに含まれている画像データが表す画像を電子写真方式やインクジェット方式で印刷用紙に印刷する。印刷部33は画像処理部の一例である。
ネットワークインタフェース34は、通信ネットワーク5を介してコンピュータ2やサーバ4に接続されている。
制御部30とネットワークインタフェース34とは、取得部、認証要求部、受信部、及び、通信部の一例である。
【0030】
(3)印刷ジョブ
印刷ジョブとは、ページ毎の画像データや印刷条件などからなるデータである。印刷条件とは、印刷部数、カラー/モノクロ印刷、片面/両面印刷、拡大/縮小率といった印刷設定項目毎の設定値のことをいう。
また、印刷ジョブには、ユーザがコンピュータ2に印刷を指示した時刻を示す時刻情報、印刷を指示したユーザのユーザID、当該ユーザに付与されているパスワード、プリンタ3に印刷ジョブを送信したコンピュータ2のIPアドレスなどが付加されている。時刻情報によって示される時刻の形式は認証方法によって決まるものであり、例えば年月日時分秒や時分である。ユーザIDはユーザ識別情報の一例であり、IPアドレスは取得元識別情報の一例である。
【0031】
ただし、時刻情報は必ずしも全ての印刷ジョブに付加されるとは限らない。例えば、パーソナルコンピュータでは印刷ジョブに時刻情報が付加されるが、携帯電話や携帯情報端末では時刻情報が付加されない場合もある。あるいは、パーソナルコンピュータであっても実行されているプリンタドライバの種類やバージョンによっては印刷ジョブに時刻情報が付加されない場合もある。あるいは、画像ファイルだけを印刷ジョブとしてプリンタ3に送信するように構成することもでき、その場合は時刻情報は付加されない。
【0032】
なお、印刷ジョブに付加される時刻情報は、ユーザが印刷を指示してからその印刷ジョブがプリンタ3に送信されるまでの間の時刻を示すものであればよく、ユーザがコンピュータ2に印刷を指示した時刻を示すものに限定されない。
【0033】
(4)印刷処理
実施形態1では、プリンタ3は、印刷ジョブを実行する前、及び、印刷ジョブを実行した後に認証要求を送信し、認証成功を示す認証結果を受信すると印刷ジョブに関する情報をサーバ4に送信する。
【0034】
また、実施形態1では、プリンタ3は、印刷ジョブを実行する前に認証要求を送信するとき、当該印刷ジョブに時刻情報が付加されている場合は当該印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信する。そして、当該認証要求についてサーバ4から認証成功を示す認証結果を受信すると、当該印刷ジョブに付加されている時刻情報を本体メモリ時刻情報としてRAM37に記憶する。
一方、印刷ジョブに時刻情報が付加されていない場合であって、RAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されている場合は、プリンタ3は、印刷ジョブを実行する前に認証要求を送信するとき、本体メモリ時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信する。
【0035】
また、印刷ジョブを実行する前に当該印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求を送信し、その認証要求についてサーバ4から認証失敗を示す認証結果を受信した場合であって、RAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されている場合は、プリンタ3は、本体メモリ時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信することによってサーバ4に再度認証を要求する。
【0036】
図3は、プリンタ3における印刷処理の流れを示すフローチャートである。本処理はプリンタ3がコンピュータ2から印刷ジョブを受信すると開始される。
S101では、CPU35は印刷ジョブに時刻情報が付加されているか否かを判定し、付加されている場合はS102に進み、付加されていない場合はS110に進む。
【0037】
S102では、CPU35は印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信し、その認証要求についての認証結果をサーバ4から受信する。CPU35は、認証に成功した場合はサーバ4に接続する。
S103では、CPU35は認証に成功したか否かをS102で受信した認証結果から判断し、認証に成功した場合はS104に進み、認証に失敗した場合はS110に進む。
【0038】
S104では、CPU35は印刷ジョブに付加されている時刻情報を、本体メモリ時刻情報としてRAM37に記憶する。
S105では、CPU35は印刷ジョブに関する情報をサーバ4に送信する。S105で送信する情報は、印刷を指示したユーザのユーザID、プリンタ3に印刷ジョブを送信したコンピュータ2のIPアドレス、印刷を開始する時刻など、印刷ジョブを実行する前に取得できる情報である。
印刷ジョブに関する情報の送信が完了すると、サーバ4との接続が切断される。このため、その後にサーバ4に情報を送信するとき、プリンタ3はサーバ4に再度認証要求を送信することとなる。
【0039】
S106では、CPU35は印刷部33を制御して、印刷ジョブに含まれている画像データが表す画像を印刷用紙に印刷させる。
S107では、CPU35は本体メモリ時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信し、その認証要求についての認証結果をサーバ4から受信する。CPU35は、認証に成功した場合はサーバ4に接続する。
【0040】
S108では、CPU35は認証に成功したか否かをS107で受信した認証結果から判断し、認証に成功した場合はS109に進み、認証に失敗した場合はS113に進む。
S109では、CPU35は印刷ジョブに関する情報をサーバ4に送信する。S109で送信する情報は、印刷を終了した時刻、及び印刷した画像の数など、実際に印刷ジョブを実行した後でなければ取得できない情報である。
印刷ジョブに関する情報の送信が完了すると、サーバ4との接続が切断される。
【0041】
S110では、CPU35はRAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されているか否かを判断し、本体メモリ時刻情報が記憶されている場合はS111に進み、記憶されていない場合はS114に進む。
S111では、CPU35は本体メモリ時刻情報そのものを含む認証要求をサーバ4に送信し、その認証要求についての認証結果をサーバ4から受信する。CPU35は、認証に成功した場合はサーバ4に接続する。
【0042】
S112では、CPU35は認証に成功したか否かをS111で受信した認証結果から判断し、認証に成功した場合はS105に進み、認証に失敗した場合はS113に進む。
S113では、CPU35はRAM37に記憶されている本体メモリ時刻情報をクリアする。
S114では、CPU35は印刷に失敗したことを示すエラーメッセージを表示部32に表示する。
【0043】
(5)実施形態の効果
以上説明した実施形態1に係るプリンタ3によると、時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信するとき、印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求を送信するので、プリンタ3にRTCを備えたり、あるいは通信ネットワーク5を介してタイムサーバから現在時刻を取得する手段をプリンタ3に備えたりする必要がない。よってプリンタ3によると、時刻情報を取得するための構成を簡素にできる。
【0044】
更に、プリンタ3は、一つの印刷ジョブについて、当該印刷ジョブを実行する前、及び、当該印刷ジョブを実行した後のそれぞれにおいてサーバ4に認証要求を送信するものであり、印刷ジョブを実行した後に認証要求を送信するときは、RAM37に記憶されている本体メモリ時刻情報を含む認証要求を送信する。つまり、プリンタ3によると、印刷ジョブを実行した後に認証要求を送信するときは、印刷ジョブを実行する前に送信した認証要求に含めた時刻情報を流用する。このため、印刷ジョブを実行した後に認証要求を送信するとき、その認証要求に含めるための時刻情報をRTCやタイムサーバから取得しなくてよく、時刻情報を取得するための構成をより簡素にできる。
【0045】
更に、プリンタ3によると、印刷ジョブに時刻情報が付加されていない場合であって、RAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されている場合は、本体メモリ時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信するので、時刻情報が付加されていない印刷ジョブについてもサーバ4に認証要求を送信できる。
また、プリンタ3によると、印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求についてサーバ4から認証失敗を示す認証結果が受信された場合であって、RAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されている場合は、本体メモリ時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信するので、印刷ジョブに付加されている時刻情報を用いた認証に失敗した場合に、本体メモリ時刻情報を用いて再度サーバ4に認証を要求できる。
【0046】
更に、プリンタ3によると、本体メモリ時刻情報を含む認証要求についてサーバ4から認証失敗を示す認証結果が受信された場合は、RAM37から本体メモリ時刻情報をクリアするので、認証に失敗する本体メモリ時刻情報が繰り返し用いられないようにすることができる。
【0047】
更に、プリンタ3によると、「時刻情報記憶部に記憶されている時刻情報に基づく時刻情報」として、RAM37に記憶されている本体メモリ時刻情報そのものを用いる。印刷ジョブを実行した後に認証要求を送信するときは、印刷ジョブを受信してからある程度時間が経過しているので、本体メモリ時刻情報によって示される時刻にその印刷ジョブを受信してからの経過時間を加算した時刻を示す時刻情報を含む認証要求を送信してもよいが、そのためには経過時間をカウントしておかなければならない。NTLMv2のように認証方法によってはある程度大きい時間差が許容されるので、ある程度大きい時間差が許容される場合は、本体メモリ時刻情報そのものを用いるようにすると、認証に成功する可能性の低下を抑制しつつ、経過時間のカウントを不要にできる。
【0048】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図4によって説明する。
実施形態2では、プリンタ3は、印刷ジョブを実行する前に認証要求を送信するとき、RAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されている場合は、印刷ジョブに時刻情報が付加されているか否かによらず、本体メモリ時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信する。
一方、RAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されていない場合であって、印刷ジョブに時刻情報が付加されている場合は、プリンタ3は、印刷ジョブを実行する前に認証要求を送信するとき、当該印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信する。
【0049】
また、印刷ジョブを実行する前にRAM37に記憶されている本体メモリ時刻情報を含む認証要求を送信し、その認証要求についてサーバ4から認証失敗を示す認証結果を受信した場合であって、当該印刷ジョブに時刻情報が付加されている場合は、プリンタ3は、当該印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信することによってサーバ4に再度認証を要求する。
【0050】
図4は、実施形態2に係る印刷処理の流れを示すフローチャートである。ここでは実施形態1と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
S201では、CPU35はRAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されているか否かを判断し、本体メモリ時刻情報が記憶されている場合はS202に進み、記憶されていない場合はS204に進む。
【0051】
S202では、CPU35は本体メモリ時刻情報そのものを含む認証要求をサーバ4に送信し、その認証要求についての認証結果をサーバ4から受信する。
S203では、CPU35は認証に成功したか否かをS202で受信した認証結果から判断し、認証に成功した場合はS105に進み、認証に失敗した場合はS204に進む。
【0052】
S204では、CPU35は印刷ジョブに時刻情報が付加されているか否かを判定し、付加されている場合はS205に進み、付加されていない場合はS208に進む。
S205では、CPU35は印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信し、その認証要求に対する認証結果をサーバ4から受信する。
【0053】
S206では、CPU35は認証に成功したか否かをS205で受信した認証結果から判断し、認証に成功した場合はS207に進み、認証に失敗した場合はS208に進む。
S207では、CPU35は印刷ジョブに付加されている時刻情報を、本体メモリ時刻情報としてRAM37に記憶する。
S208では、CPU35はRAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されている場合はその本体メモリ時刻情報をクリアする。
【0054】
以上説明した実施形態2に係るプリンタ3によると、RAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されている場合は、本体メモリ時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信する。印刷ジョブに付加される時刻情報はコンピュータ2側で自由に付加できるものであるので信頼性にばらつきがあるのに対し、本体メモリ時刻情報は少なくとも一度認証に成功した時刻情報であるので信頼性が高いと考えることができる。このため、RAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されている場合は、印刷ジョブに時刻情報が付加されているか否かによらず本体メモリ時刻情報を含めるようにすると、認証に成功する可能性を高くすることができる。
【0055】
また、プリンタ3によると、RAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されていない場合であって、印刷ジョブに時刻情報が付加されている場合は、印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信するので、本体メモリ時刻情報が記憶されていない場合にもサーバ4に認証要求を送信できる。
【0056】
また、プリンタ3によると、RAM37に記憶されている本体メモリ時刻情報を含む認証要求についてサーバ4から認証失敗を示す認証結果が受信された場合であって、印刷ジョブに時刻情報が付加されている場合は、印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信するので、本体メモリ時刻情報を用いた認証に失敗した場合に、印刷ジョブに付加されている時刻情報を用いて再度サーバ4に認証を要求できる。
【0057】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図5によって説明する。
実施形態3は実施形態1の変形例である。実施形態3では、プリンタ3は、時刻情報が付加されていない印刷ジョブ、及び、付加されている時刻情報を含む認証要求についてサーバ4から認証失敗を示す認証結果が受信された印刷ジョブを保留ジョブとして記憶する。
そして、時刻情報が付加されている印刷ジョブについてサーバ4から認証成功を示す認証結果が受信されると、プリンタ3は、当該印刷ジョブに付加されている時刻情報を本体メモリ時刻情報としてRAM37に記憶し、保留ジョブについて、本体メモリ時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信する。
【0058】
また、実施形態3では、プリンタ3は、印刷ジョブを実行する前のみ印刷ジョブに関する情報をサーバ4に送信し、印刷ジョブを実行した後には送信しない。
【0059】
図5は、実施形態3に係る印刷処理の流れを示すフローチャートである。
S301では、CPU35は印刷ジョブに時刻情報が付加されているか否かを判定し、付加されていない場合はS302に進み、付加されている場合はS303に進む。
S302では、CPU35は印刷ジョブを保留ジョブとして記憶部31に記憶する。
【0060】
S303では、CPU35は印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信し、その認証要求についての認証結果をサーバ4から受信する。
S304では、CPU35は認証に成功したか否かをS303で受信した認証結果から判断し、認証に成功した場合はS305に進み、認証に失敗した場合はS302に進む。
【0061】
S305はフローチャートを簡潔にするために実施形態1のS104〜S106を一つのステップにまとめたものであり、説明は省略する。
S306では、CPU35は、印刷ジョブに設定されているユーザIDと一致するユーザIDが付加されている保留ジョブが記憶部31に記憶されているか否かを判定し、一致するユーザIDが設定されている保留ジョブが記憶されている場合はS307に進み、記憶されていない場合は処理を終了する。
【0062】
S307では、CPU35は印刷ジョブに設定されているユーザIDと一致するユーザIDが設定されている保留ジョブの中から、最も先に記憶された保留ジョブを一つ取得する。
S308では、CPU35はS307で取得した保留ジョブについて、RAM37に記憶されている本体メモリ時刻情報そのものを含む認証要求をサーバ4に送信し、その認証要求についての認証結果をサーバ4から受信する。
【0063】
S309では、CPU35は認証に成功したか否かをS308で受信した認証結果から判断し、認証に成功した場合はS310に進み、認証に失敗した場合はS313に進む。
S310では、CPU35はS307で取得した保留ジョブに関する情報をサーバ4に送信する。
【0064】
S311では、CPU35は印刷部33を制御して、S307で取得した保留ジョブに含まれている画像データが表す画像を印刷用紙に印刷させる。
S312では、CPU35はS307で取得した保留ジョブを記憶部31から削除する。
S313では、CPU35はRAM37に記憶されている本体メモリ時刻情報をクリアする。
【0065】
以上説明した実施形態3に係るプリンタ3によると、時刻情報が付加されていない印刷ジョブ、及び、付加されている時刻情報を含む認証要求についてサーバ4から認証失敗を示す認証結果が受信された印刷ジョブを保留ジョブとして記憶するので、時刻情報が付加されており、且つその時刻情報を含む認証要求についてサーバ4から認証成功を示す認証結果が受信された印刷ジョブを先に実行することができる。
【0066】
また、プリンタ3によると、保留ジョブが記憶された後に取得された印刷ジョブであって時刻情報が付加されている印刷ジョブについてサーバ4から認証成功を示す認証結果が受信されると、保留ジョブについて、当該印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信するので、保留ジョブに関する情報をサーバ4に送信できる。
【0067】
更に、プリンタ3によると、時刻情報が付加されている印刷ジョブについてサーバ4から認証成功を示す認証結果が受信されると、その印刷ジョブに付加されているユーザIDと同じユーザIDが付加されている保留ジョブについてのみサーバ4に認証要求を送信する。例えば、あるユーザのコンピュータ2の時刻がずれていたためにそのユーザが送信した印刷ジョブが保留されてしまった場合、その後にそのユーザが時刻を修正して印刷ジョブを送信したとき、そのユーザのユーザIDが付加されている保留ジョブについてのみ認証要求が送信される。このようにするのは次の理由による。
保留ジョブについての認証が成功すると、保留ジョブに関する情報がサーバ4に送信されるとともに、その保留ジョブが実行されて画像が印刷される。このため、ユーザIDによらず全ての保留ジョブについて認証要求を送信したとすると、ユーザが知らない間にそのユーザの保留ジョブが実行されて画像が印刷されてしまう可能性がある。認証成功を示す認証結果が受信された印刷ジョブに付加されているユーザIDと同じユーザIDが付加されている保留ジョブについてのみサーバ4に認証要求を送信するようにすると、ユーザが知らない間にそのユーザの保留ジョブが実行されてしまう可能性を低減できる。
【0068】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図6によって説明する。
実施形態4は実施形態1の変形例である。実施形態4では、同一のIPアドレスについて、サーバ4から認証失敗を示す認証結果が受信された回数が閾値に達した場合は、そのIPアドレスが付与されているコンピュータ2からその後に印刷ジョブが取得されても、その取得された印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信しない。
【0069】
図6は、実施形態4に係る印刷処理の流れを示すフローチャートである。ここでは実施形態1と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
S401では、CPU35はプリンタ3に印刷ジョブを送信したコンピュータ2のIPアドレスについて認証失敗回数が上限回数に達しているか否かを判定し、上限回数に達している場合はS114に進み、達していない場合はS102に進む。
【0070】
S402では、CPU35は印刷ジョブを送信したコンピュータ2のIPアドレスについて認証失敗回数を0(零)にリセットする。
S403は、フローチャートを簡潔にするために実施形態1のS105〜S107を一つのステップにまとめたものであり、説明は省略する。
S404では、CPU35は印刷ジョブを送信したコンピュータ2のIPアドレスについて認証失敗回数に1を加算する。
【0071】
以上説明した実施形態4に係るプリンタ3によると、同一のIPアドレスについて、サーバ4から認証失敗を示す認証結果が受信された回数が閾値に達した場合は、そのIPアドレスが付与されているコンピュータ2からその後に印刷ジョブが取得されても、その取得された印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信しない。同一のIPアドレスから取得された印刷ジョブについて認証失敗を示す認証結果が受信された回数が多い場合は、そのIPアドレスが付与されているコンピュータ2の時刻がずれている可能性が高く、そのコンピュータ2からはその後も認証に失敗する時刻情報が送信されてくる可能性が高い。サーバ4によっては何度も認証に失敗するとプリンタ3からの認証要求を受け付けなくなってしまう場合もあるので、認証に何度も失敗するIPアドレスについては、印刷ジョブが取得されてもサーバ4に認証要求を送信しないようにすることにより、プリンタ3からの認証要求が受け付けられなくなってしまうことを低減できる。
【0072】
<実施形態5>
次に、本発明の実施形態5を図7によって説明する。
実施形態1〜4では「時刻情報記憶部に記憶されている時刻情報に基づく時刻情報」としてRAM37に記憶されている本体メモリ時刻情報そのものを用いる場合を例に説明したが、RAM37に記憶されている本体メモリ時刻情報に、その本体メモリ時刻情報として記憶された時刻情報が付加されていた印刷ジョブを受信してからの経過時間を加算した時刻を示す時刻情報を用いてもよい。
【0073】
図7は、RAM37に記憶されている本体メモリ時刻情報に印刷ジョブを受信してからの経過時間を加算する経過時間加算処理の流れを示すフローチャートである。本処理はプリンタに電源が投入されると開始される。
【0074】
S501では、CPU35はRAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されているか否かを判断し、記憶されている場合はS502に進む。記憶されていない場合はS501を繰り返す。
S502では、CPU35はX時間が経過したか否かを判定し、経過した場合はS503に進み、経過していない場合はS501に戻る。
S503では、本体メモリ時刻情報にX時間を加算する。
【0075】
上述したX時間は、許容される時間差に応じて決定してもよい。例えば、3日程度の時間差が許容される認証方法の場合はX時間を24時間、すなわち1日としてもよいし、3分程度の時間差しか許容されない認証方法の場合はX時間を1分としてもよい。
【0076】
以上説明した実施形態5に係るプリンタ3によると、本体メモリ時刻情報によって示される時刻に経過時間を加算した時刻を示す時刻情報を認証要求に含めるので、サーバ4での認証に成功する可能性を高くすることができる。
【0077】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0078】
(1)上記実施形態では画像処理ジョブとして印刷ジョブを例に説明したが、画像処理ジョブは画像の処理に関するジョブであればこれに限られない。例えば、外部のファクシミリ(FAX)装置からFAX受信した画像を印刷するFAXジョブであってもよいし、画像処理装置がスキャナを備えている場合は、画像処理装置に原稿の読み取りを指示するスキャナジョブであってもよい。また、印刷ジョブはコンピュータから受信するものとは限らない。例えば、プリンタ3に図示しないスキャナやUSBメモリ等の外部記憶媒体を装着する装着部が備えられている場合、スキャナから読み取った画像データを印刷する印刷ジョブやUSBメモリから取得した画像データを印刷する印刷ジョブについても、時刻情報は付加されない印刷ジョブとして取り扱うことができる。
【0079】
(2)上記実施形態では画像処理ジョブに関する通信として印刷ジョブに関する情報をサーバ4に送信する場合を例に説明したが、画像処理ジョブに関する通信はこれに限られない。例えば、画像処理ジョブが印刷ジョブである場合は印刷する画像データをサーバ4から取得するための通信であってもよいし、スキャナジョブである場合は原稿を読み取って生成した画像データをサーバ4に送信するための通信であってもよい。また、サーバ4はユーザ毎に印刷枚数を管理する構成とし、ユーザが印刷した印刷用紙の枚数をサーバ4に送信するための通信であってもよい。
【0080】
(3)上記実施形態1では「印刷ジョブに時刻情報が付加されていない場合であってRAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されている場合」、及び、「印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求についてサーバ4から認証失敗を示す認証結果が受信された場合であってRAM37に本体メモリ時刻情報が記憶されている場合」の両方について、本体メモリ時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信する場合を例に説明したが、いずれか一方の場合のみ本体メモリ時刻情報を含む認証要求を送信し、他方の場合は認証要求自体を送信しないようにしてもよい。
【0081】
(4)上記実施形態2では「RAM37に時刻情報が記憶されていない場合であって印刷ジョブに時刻情報が付加されている場合」、及び、「RAM37に記憶されている時刻情報を含む認証要求についてサーバ4から認証失敗を示す認証結果が受信された場合」の両方について、印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信する場合を例に説明したが、いずれか一方の場合のみ当該時刻情報を含む認証要求を送信し、他方の場合は認証要求自体を送信しないようにしてもよい。
【0082】
(5)上記実施形態3では「時刻情報が付加されていない印刷ジョブ」、及び、「付加されている時刻情報を含む認証要求についてサーバ4から認証失敗を示す認証結果が受信された印刷ジョブ」の両方について、保留ジョブとして記憶する場合を例に説明したが、いずれか一方の印刷ジョブのみを保留ジョブとして記憶するようにしてもよい。
【0083】
(6)上記実施形態3では、サーバ4から認証成功を示す認証結果が受信されると、認証成功を示す認証結果が受信された印刷ジョブに付加されているユーザIDと同じユーザIDが付加されている保留ジョブについてのみサーバ4に認証要求を送信する場合を例に説明したが、その時記憶されている全ての保留ジョブについて認証要求を送信してもよい。
【0084】
(7)上記実施形態4では、同一の取得元についてサーバ4から認証失敗を示す認証結果が受信された回数が閾値に達した場合は、その後に当該取得元から印刷ジョブが取得されても、その取得された印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求をサーバ4に送信しない場合を例に説明したが、何度認証に失敗してもプリンタ3からの認証要求を受け付けるサーバ4の場合は、認証に失敗した回数によらず、その取得元から取得された印刷ジョブに付加されている認証要求をサーバ4に送信してもよい。
【0085】
(8)上記実施形態ではプリンタ3にRTCを備えない場合を例に説明したが、プリンタ3にRTCを備え、RTCから取得した時刻情報を含む認証要求についてサーバ4から認証失敗を示す認証結果が受信された場合に、印刷ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求を送信してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1・・・印刷システム、2・・・コンピュータ、3・・・プリンタ、4・・・サーバ、5・・・通信ネットワーク、30・・・制御部、31・・・記憶部、32・・・表示部、33・・・印刷部、34・・・ネットワークインタフェース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻情報を含む認証要求に基づいて認証を行うサーバと通信可能に接続される画像処理装置であって、
外部装置から時刻情報が付加されている画像処理ジョブを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記画像処理ジョブを実行する画像処理部と、
前記取得部によって取得された前記画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信する認証要求部と、
前記サーバから前記認証要求についての認証結果を受信する受信部と、
前記受信部によって前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、前記サーバとの間で前記画像処理ジョブに関する通信を行う通信部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、当該時刻情報を記憶する時刻情報記憶部を備え、
前記認証要求部は、一つの画像処理ジョブについて前記サーバに認証要求を複数回送信するものであり、最初の認証要求を送信するときは画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求を送信し、その認証要求について前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、前記サーバに二回目以降の認証要求を送信するとき、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求を送信する、画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、当該時刻情報を記憶する時刻情報記憶部を備え、
前記認証要求部は、前記取得部によって取得された画像処理ジョブに時刻情報が付加されている場合は当該画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信する一方、当該画像処理ジョブに時刻情報が付加されていない場合であって前記時刻情報記憶部に前記時刻情報が記憶されている場合、及び/又は、当該画像処理ジョブに付加されている時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証失敗を示す認証結果が受信された場合であって前記時刻情報記憶部に前記時刻情報が記憶されている場合は、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信する、画像処理装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、当該時刻情報を記憶する時刻情報記憶部を備え、
前記認証要求部は、前記時刻情報記憶部に前記時刻情報が記憶されている場合は前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信する一方、前記時刻情報記憶部に前記時刻情報が記憶されていない場合であって前記取得部によって取得された画像処理ジョブに時刻情報が付加されている場合、及び/又は、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証失敗を示す認証結果が受信された場合であって前記取得部によって取得された画像処理ジョブに時刻情報が付加されている場合は、当該画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信する、画像処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記時刻情報が付加されていない画像処理ジョブ、及び/又は、付加されている前記時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証失敗を示す認証結果が受信された画像処理ジョブを保留ジョブとして記憶するジョブ記憶部と、
前記時刻情報が付加されている前記画像処理ジョブについて前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、当該時刻情報を記憶する時刻情報記憶部とを備え、
前記認証要求部は、前記ジョブ記憶部に前記保留ジョブが記憶された後に取得された画像処理ジョブであって前記時刻情報が付加されている画像処理ジョブについて前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、前記ジョブ記憶部に記憶されている前記保留ジョブについて、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信し、
前記通信部は、前記保留ジョブについて前記サーバから認証成功を示す認証結果が受信されると、前記サーバとの間で前記保留ジョブに関する通信を行なう、画像処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理装置であって、
前記画像処理ジョブはユーザを識別するユーザ識別情報が付加されており、
前記認証要求部は、認証成功を示す認証結果が受信された前記画像処理ジョブに付加されている前記ユーザ識別情報と同じユーザ識別情報が付加されている前記保留ジョブについてのみ、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信する、画像処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記画像処理ジョブは当該画像処理ジョブの取得元を識別する取得元識別情報が付加されており、
前記認証要求部は、同一の前記取得元について、前記受信部によって前記サーバから認証失敗を示す認証結果が受信された回数が閾値に達した場合は、その後に当該取得元から画像処理ジョブが取得されても、その取得された前記画像処理ジョブに付加されている前記時刻情報を含む認証要求を前記サーバに送信しない、画像処理装置。
【請求項8】
請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報は、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報そのもの、又は、前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報によって示される時刻に経過時間を加算した時刻を示す時刻情報である、画像処理装置。
【請求項9】
請求項2乃至請求項6、及び請求項8のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記時刻情報記憶部に記憶されている前記時刻情報に基づく時刻情報を含む認証要求について前記サーバから認証失敗を示す認証結果が受信された場合は、前記時刻情報記憶部から当該時刻情報を削除する削除部を備える、画像処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−230626(P2012−230626A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99730(P2011−99730)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】