画像出力装置及び画像出力方法
【課題】コストをかけることなく、出力対象の画像データ中の細線を検出できるようにする。
【解決手段】本発明による画像出力装置は、出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力するタグデータ入力手段と、タグデータ入力手段が入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線を検出する細線検出手段と、細線検出手段による細線検出結果に基づいて、出力対象の画像データに対する細線調整を実行する細線調整手段と、細線調整手段が細線調整した出力対象の画像データを出力する画像出力手段とを備えたことを特徴とする。
【解決手段】本発明による画像出力装置は、出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力するタグデータ入力手段と、タグデータ入力手段が入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線を検出する細線検出手段と、細線検出手段による細線検出結果に基づいて、出力対象の画像データに対する細線調整を実行する細線調整手段と、細線調整手段が細線調整した出力対象の画像データを出力する画像出力手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を出力する画像出力装置及び画像出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像出力装置を用いて画像出力(例えば、印刷や表示)する場合、スクリーン処理を施して画像を出力することが行われている。スクリーン処理により画像出力した場合、画像に含まれる図や表の罫線(細線)が途切れたり、画像に含まれる文字のエッジ部分にがたつきが発生したりすることが問題となる。細線の途切れやエッジのがたつきの解決方法として、入力画像データから文字のエッジ部分や細線を検出し、文字のエッジ部分や細線の部分のみスクリーン処理とは異なる処理で印字することが行われている。そのように処理することにより、文字のエッジ部分や細線の再現性を向上させることができる。
【0003】
また、文字のエッジ部分や細線を検出する技術として、例えば、特許文献1には、入力した画像データからエッジや細線を検出することが記載されている。また、例えば、特許文献2には、ビットマップデータからエッジとなる画素を抽出し、タグ情報としてエッジである旨を付加することが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−341249号公報(段落0044−0045、図2)
【特許文献2】特開2006−262204号公報(段落0024、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像中の文字のエッジ部分や細線を検出するように構成する場合、画像処理装置(画像出力装置)は、一般に、エッジや細線の検出を入力画像データを用いて行うので、エッジや細線の検出のために必要な回路規模が膨大になる。また、画像処理装置は、エッジや細線の検出を行うために、5×5の画像参照を行う演算が必要となるので、必要なラインメモリも膨大になる。
【0006】
例えば、特許文献1に記載された画像処理装置では、文字のエッジ検出や細線検出を画像データを用いて行っているので、回路規模が大きくなり、必要なラインメモリも大きくなる。また、例えば、特許文献2に記載された画像処理装置では、エッジを検出した場合にタグ情報として付加することによって、以後のエッジに関する処理負担をある程度軽減している。しかし、タグ情報を付加するために最初に画像データを用いてエッジを検出しなければならず、やはり、回路規模が大きくなり、必要なラインメモリも大きくなる。そのため、画像中のエッジや細線を検出するためのコストが大きい。
【0007】
そこで、本発明は、コストをかけることなく、出力対象の画像データ中の細線やエッジを検出できる画像出力装置及び画像出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による画像出力装置は、出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力するタグデータ入力手段と、タグデータ入力手段が入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線を検出する細線検出手段と、細線検出手段による細線検出結果に基づいて、出力対象の画像データに対する細線調整を実行する細線調整手段と、細線調整手段が細線調整した出力対象の画像データを出力する画像出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明による画像出力方法は、出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力するステップと、入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線を検出するステップと、細線検出結果に基づいて、出力対象の画像データに対する細線調整を実行するステップと、細線調整した出力対象の画像データを出力するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力し、入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線を検出するように構成されているので、コストをかけることなく、出力対象の画像データ中の細線を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施形態1.
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。まず、本発明による画像出力方法を用いた画像出力装置の概念について説明する。本発明では、画像出力装置は、1画素に対して2〜3bit(ビット)で画像の属性を示すタグデータを用いてエッジや細線の検出を行う。画像出力装置は、入力信号として画像データとTAG(タグ)データとを入力するシステムであるとする。画像出力装置は、入力画像中のある注目画素の画像データよりも先に、注目画素の周囲4ライン分と4画素分とのタグデータをタグ保存メモリに保存する。
【0012】
なお、画像出力装置は、入力画像全体の周囲2画素分の強調処理や細線検出を行わない場合には、注目画素の画像データよりも先に、周囲2ライン分と2画素分とのタグデータのみをタグ保存メモリに保存する。その際、画像出力装置は、周囲2画素分のタグデータにはダミーデータを付加し、強調処理や細線検出を行わないように制御する。
【0013】
画像出力装置の細線検出部は、タグデータ保存メモリに保存されているタグデータと、入力部から新たに入力したタグデータとに基づいて、注目画素に対して参照画素の濃度Ci(i=1,...,16)を選択する(図2参照)。そして、細線検出部は、縦、横及び斜めの4方向それぞれの参照画素のタグデータについて、注目画素のタグデータとの差分を検索する。
【0014】
また、細線検出部は、検出した差分について、注目画素からの位置に応じて重み付けWi(i=1,...,16)を与える。そして、細線検出部は、各方向それぞれの重み付けされた差分の総和の最大値が、予め設定されている閾値Cth1以上である場合には、細線部分であるとして、1で表す1ビットの細線検出信号THINをメモリに格納する。また、細線検出部は、細線以外の部分については、細線検出信号THINの値を0としてメモリに格納する。
【0015】
なお、細線の検出を横方向(主走査方向)のみしか行わない場合には、細線検出部は、細線検出信号THINをメモリに格納する必要はない。
【0016】
画像出力装置は、細線調整部分では、得られた注目画素の画像データ、タグデータ及び細線検出信号THINとともに、注目画像の周囲の参照画素(濃度Ci)のタグデータと細線検出信号THINとを受ける。画像出力装置は、注目画素の隣の画素(例えば、濃度がC4,C5,C8等の参照画素が細線だった場合、注目画素を細線の画像データの濃度に応じて置き換えることによって細線を太らせる調整を行う。なお、画像出力装置は、注目画素の置き換えを行う際に、細線と背景部分との差に応じて予め設定された調整値CTHINを加算することによって、細線の太らせ方を調整することができる。そして、画像出力装置は、注目画素のタグデータを細線のタグデータに置き換える。そのような置き換え処理を行うことにより、注目画素も文字部分や表部分とみなすことができる。
【0017】
また、画像出力装置は、画像処理として、画像をRGB空間からCMYK空間に変換する色変換処理と、出力ガンマ補正と、スクリーン処理とを実行する機能を備える。この場合、画像出力装置は、それぞれ、タグデータに基づいて、色変換処理、出力ガンマ補正及びスクリーン処理の各処理の出力結果を切り替えることが可能である。
【0018】
なお、色変換の方式には様々な既知の方法があるが、本発明では、その色変換の方式は問わない。また、画像出力装置は、入力データにおいて既にCMYKが用いられている場合には、色変換処理をスルーさせて行わないようにしてもよい。
【0019】
また、画像出力装置は、ガンマ補正とスクリーン処理とをタグデータによる切り替えに同期して行い、選択されたスクリーンパタンに対して適切な出力ガンマ補正を行う。
【0020】
また、画像出力装置は、エッジ強調部分では、注目画素と周囲の参照画素とのタグデータに基づいて、5×5のフィルタを用いたフィルタリング処理と重み付け処理とにより文字のエッジを検出する。また、画像出力装置は、注目画素をエッジと判断した場合には、文字の濃度を再計算する。そして、画像出力装置は、注目画素がエッジとして検出されたことを示すエッジ検出信号EDGEとともに注目画素を出力する。
【0021】
画像出力装置の出力選択部は、文字のエッジを表す信号EDGEに基づいてエッジと判断した場合には、画像出力装置のエッジ強調部からの文字濃度を選択し、出力画像データを生成する。また、出力選択部は、エッジと判断しなかった場合には、スクリーン処理された入力画像データを選択し、出力画像データを生成する。
【0022】
次に、画像出力装置の構成について説明する。図1は、本発明による画像出力方法を用いた画像出力装置の構成を示すブロック図である。本実施形態では、画像出力装置がプリンタ等の印刷装置である場合を説明する。なお、画像出力方法をディスプレイ装置等の表示装置に適用してもよい。
【0023】
図1に示すように、画像出力装置は、細線検出部10、タグ保存メモリ20、細線調整部30、色変換部40、ガンマ補正部50、スクリーン処理部60、エッジ強調部70及び出力選択部80を含む。
【0024】
画像出力装置は、入力データとして、RGB又はCMYKを用いた多値画像データ(例えば、各色8ビットの画像データ)と、入力対象のデータ(例えば、画像データを含むドキュメント)の属性(例えば、画像データの画素の濃度)を示すタグデータとを入力する。なお、タグデータは、入力するドキュメント中の写真や文字、図形、表、背景等を示す1画素に対して2〜3ビット程度のデータである。
【0025】
なお、画像出力装置が入力するタグデータは、一般に、スクリーンパタンを切り替える等に使うために予め作成されているデータである。そのため、本発明を実現するために、新たにタグデータを追加したりする必要はない。
【0026】
細線検出部10は、画像データのタグデータを入力し、入力したタグデータをタグ保存メモリ20に保存させる機能を備える。また、細線検出部10は、タグ保存メモリ20が保存するタグデータに基づいて、入力画像中の細線を検出する機能を備える。
【0027】
なお、縦、横及び斜め方向の細線検出とエッジ強調とを行う場合には、タグ保存メモリ20は、主走査画素数(例えば、8912画素)×4ライン+4画素分のタグデータを記憶する容量が必要である。この場合、細線検出部10は、主走査画素数×4ライン+4画素分のタグデータを入力し、入力した各タグデータをタグ保存メモリ20に記憶させる。
【0028】
また、縦及び横方向のみのエッジ強調と細線検出とを行う場合には、タグ保存メモリ20は、主走査画素数×4ライン分のタグデータを記憶する容量が必要である。この場合、細線検出部10は、主走査画素数×4ライン分のタグデータを入力し、入力した各タグデータをタグ保存メモリ20に記憶させる。
【0029】
図2は、画像中に含まれるある注目画素とその周囲4ライン分及び4画素分の参照画素との例を示す説明図である。以下、入力画像について縦、横及び斜め方向の細線検出とエッジ検出とを行う場合を例に説明する。
【0030】
細線検出部10は、縦、横及び斜めの各方向毎に、図2に示す注目画素の濃度Pと周囲の参照画像の濃度Ciとの差分を取るために、それぞれ注目画素の濃度Pと参照画素の濃度CiとのXOR(排他的論理和:エクスクルーシブオア)を求める。具体的には、細線検出部10は、タグ保存メモリ20が記憶する各タグデータに示される濃度に基づいて、注目画素の濃度Pと各参照画素の濃度CiとのXORを求めることによって、注目画素の濃度Pと各参照画素の濃度Ciとの差分を求める。
【0031】
また、細線検出部10は、求めたXORの演算結果に対して所定の重み付けを行う。図3は、細線検出部10がXORの演算結果に対して重み付け処理を行う重み係数Wi(i=1,...,16)の例を示す説明図である。
【0032】
また、細線検出部10は、縦、横及び斜め方向について求めたそれぞれXORの最大値を、その注目画素の計算値COUNTとする演算処理を行う(式(1)参照)。なお、計算値COUNTは、0から6までの値をとるため、3ビットで表現することが可能である。
【0033】
【数1】
【0034】
そして、細線検出部10は、求めた計算値COUNTと予め設定された閾値Cth1との比較処理を行うことによって、注目画素を細線として検出したことを示す細線検出信号THINを生成する演算処理を行う(式(2)参照)。ここで、条件として、注目画素のタグデータは、全て細線検出を行うことが予め選択されたもの(例えば文字のタグデータ)のみであるとする。なお、式(2)を用いてTHIN=1と求めた場合には、注目画素が細線として検出されたことを示す。また、THIN=0と求めた場合には、注目画素が細線として検出されなかったことを示す。
【0035】
THIN=1:(COUNT≦Cth1,ただし、注目画素のタグデータで細線検出を行うべきことが指定されていること)
0:(others) 式(2)
【0036】
以上のように、細線検出部10は、細線検出信号THINを求めることによって、画像中の細線を検出する。そして、細線検出部10は、後段の細線調整部30にタグデータとともに細線検出信号THIN及び計算値COUNTを送る。
【0037】
細線調整部30は、細線検出部10の細線検出結果に基づいて、細線を太くする処理を行う等の細線調整処理を行う機能を備える。例えば、細線調整部30は、注目画素のTHIN値と、COUNT値と、予め設定された閾値Cth2とによって、細線の左右に並ぶ画素の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線を太くする調整する処理を行う。又は、例えば、細線調整部30は、注目画素の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線を太くする調整する処理を行う。
【0038】
例えば、注目画素の左右の参照画素の濃度をC8,C9とし、注目画素の濃度をPする。また、細線と注目画素の左右の画素の濃度差とによって予め設定された調整値をCTHINとする。この場合、細線調整部30は、以下に示す演算処理を行うことによって、濃度の置き換えを行う(式(3)参照)。なお、調整値CTHINは、0以上1以下の値をとり、0に近づくほど置き換えた注目画素の濃度Pに近くなる。また、調整値CTHINは、1に近づくほど元の周辺画素の濃度C8,C9に近くなる。
【0039】
Ci=P+CTHIN×(Ci−P):(THIN=1かつCOUNT≦Cth2かつ(P−Ci)≧0のとき)
Ci=P−CTHIN×(Ci−P):(THIN=1かつCOUNT≦Cth2かつ(P−Ci)<0のとき)
式(3)
【0040】
また、細線調整部30は、置き換えが発生した細線の注目画素の左右の画素に対するタグデータを、注目画素のタグデータと同じ値に置き換える処理を行う(式(4)参照)。ここで、式(4)において、TAGoutは、出力されるタグデータであるとする。また、TAGpは、細線のタグデータであるとし、TAGinは、入力されたタグデータであるとする。
【0041】
TAGout=TAGp:(THIN=1かつCOUNT≦Cth2)
TAGin:(others) 式(4)
【0042】
そして、細線調整部30は、細線の太さを補正した画像データと、細線の注目画素の周囲の画素に対して置き換えを行ったタグデータとを、色変換部40に出力する。
【0043】
色変換部40は、画像データをRGB空間からCMYK空間に変換する色変換処理を実行する機能を備える。また、ガンマ補正部50は、画像データに対してガンマ補正を行う機能を備える。また、スクリーン処理部60は、画像データに対してスクリーン処理を行う機能を備える。なお、ガンマ補正部50及びスクリーン処理部60は、タグデータに基づいて処理を切り替えることができる機能を備える。
【0044】
エッジ強調部70は、注目画素と周囲の参照画像とのタグデータに基づいて、画像中に含まれる文字等のエッジを検出する機能を備える。また、エッジ強調部70は、文字等のエッジを検出してエッジ強調を行う場合に、検出したエッジの強調後の濃度を求める機能を備える。
【0045】
エッジ強調部70は、タグデータと画像データとを入力し、縦、横及び斜めの各方向毎に、図2に示す注目画素の濃度Pと周囲の参照画像の濃度Ciとの差分を取るために、XOR(エクスクルーシブオア)を求める。また、エッジ強調部70は、求めたXORの演算結果に対して、図3に示す重み付けと同様の重み付けを行う。また、エッジ強調部70は、縦、横及び斜め方向について求めたそれぞれXORの最小値を、その注目画素の計算値Eとする演算処理を行う(式(5)参照)。ここで、条件として、注目画素のタグデータは、全てエッジ強調を行うことが予め選択されたもの(例えば文字のタグデータ)のみであるとする。
【0046】
【数2】
【0047】
また、エッジ強調部70は、求めた計算値Eと予め設定された閾値Ethとの比較処理を行うことによって、エッジ強調すべきかを判定する演算処理を行い、注目画素をエッジとして検出したことを示すエッジ検出信号EDGEを求める(式(6)参照)。なお、式(6)を用いてEDGE=1と求めた場合には、注目画素がエッジとして検出されたことを示す。また、EDGE=0と求めた場合には、注目画素がエッジとして検出されなかったことを示す。
【0048】
EDGE=1(E≧Eth)
EDGE=0(others) 式(6)
【0049】
また、エッジ強調部70は、注目画素のエッジ強調後の濃度Eoutを式(7)を用いた演算で求める。
【0050】
Eout=P/(入力のビット数の最大値)×(出力のビット数の最大値):(EDGE=1)
Eout=P(others) 式(7)
【0051】
そして、エッジ強調部70は、注目画素のエッジ強調後の濃度Eoutと、エッジ部分であることを示すエッジ検出信号EDGEとを、出力選択部80に出力する。
【0052】
出力選択部80は、スクリーン処理部60からのスクリーン処理後の濃度SCRoutと、エッジ強調部70からのエッジ強調後の濃度Eoutと、エッジ部分であることを示すエッジ検出信号EDGEとを入力する機能を備える。また、出力選択部80は、スクリーン処理後の濃度SCRout、エッジ強調後の濃度Eout、及びエッジ検出信号EDGEに基づいて、注目画素の最終出力濃度IMGoutを式(8)を用いて求める機能を備える。
【0053】
IMGout=Eout:(EDGE=1)
IMGout=SCRout:(others) 式(8)
【0054】
すなわち、出力選択部80は、式(8)を用いた処理を行うことによって、エッジ強調部70によってエッジ強調が実行された画素に対して、エッジ強調部70によってエッジ強調された画素のデータを選択して出力するように制御する。また、出力選択部80は、エッジ強調部70によってエッジ強調が実行されなかった画素に対して、スクリーン処理部60によってスクリーン処理された画素のデータを出力するように制御する。
【0055】
また、出力選択部80は、求めた最終出力濃度IMGoutに基づいて画像を出力する機能を備える。例えば、プリンタ等の印刷装置である画像出力装置の出力選択部80は、求めた最終出力濃度IMGoutに基づいて画像を印刷する。
【0056】
次に、動作について説明する。図4は、画像出力装置が画像中の細線検出及びエッジ検出を行い、画像出力を行う処理の一例を示すフローチャートである。画像出力を行う場合、まず、画像出力装置の細線検出部10は、タグデータの入力を開始し、入力したタグデータをタグ保存メモリ20に記憶させる(ステップS10)。
【0057】
細線検出部10は、縦、横及び斜め方向の細線検出とエッジ強調とを行う場合には、注目画素の周囲4ライン分と4画素分のタグデータの入力を完了するまで、繰り返しタグデータを入力し、タグ保存メモリ20に記憶させる(ステップS11)。
【0058】
タグ保存メモリ20に必要な数のタグデータが書き込まれ、細線の検出が完了すると、細線検出部10は、出力対象の画像データを要求するために、ready信号をアサートして画像データの転送を促す。また、細線検出部10は、注目画素の周囲の参照画素のタグデータと注目画素のタグデータとに基づいて細線検出を行う(ステップS12)。
【0059】
図5は、細線検出部10が行う細線検出の例を示す説明図である。図5に示すように、細線検出部10は、タグデータに基づいてCOUNT値を求め、求めたCOUNT値に対して閾値Cth1(本例では、5であるとする)との比較処理を行うことにより、細線検出信号THINを求める。例えば、図5に示すように、細線検出部10は、COUNT値が閾値Cth1以上である画素を細線と判定し、値が1である細線検出信号THINを生成する。そして、細線検出部10は、求めた細線検出信号THINと、計算値COUNTと、画像データとをともに細線調整部30に送る。
【0060】
次いで、細線調整部30は、細線検出部10から入力した細線検出信号THINと計算値COUNTに基づいて、細線の左右に並ぶ画素の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線の太さを調整する処理を行う(ステップS13)。
【0061】
図6は、細線調整部30が行う細線調整の例を示す説明図である。図6に示すように、細線調整部30は、入力したCOUNT値と、細線検出信号THINと、閾値Cth2とを比較する処理を行うことにより、細線を太線化させる画素を決定する。そして、細線調整部30は、細線を太線化させる処理を行い、細線の濃度を調整する。例えば、図6に示すように、細線調整部30は、COUNT値が閾値Cth2以上である画素を太線化すると決定し、濃度が高くなるように変更する。
【0062】
また、細線調整部30は、画素の濃度を変更するとともに、濃度を変更した画素のタグデータについても変更する。そして、細線調整部30は、細線調整後の画像データ出力と同期して、タグデータも後段の色変換部40に出力する。
【0063】
ステップS13の処理を実行することにより、細線の太線化を行い、画像出力の際に印字条件による細線の消失を防ぐことができる。
【0064】
次いで、色変換部40は、入力画像データがRGB等を用いている場合には、入力画像データをRGB空間からCMYK空間に変換する色変換処理を行う(ステップS14)。また、色変換部40は、入力したタグデータの値に応じて、色変換を行う際の変換係数を選択する。色変換処理を完了すると、色変換部40は、CMYK空間に変換された画像データとともにタグデータをガンマ補正部50に送る。
【0065】
次いで、ガンマ補正部50は、入力画像データに対してガンマ補正処理を行う(ステップS15)。また、ガンマ補正部50は、色変換部40から入力したタグデータの値に応じて、ガンマ補正を行う際の変換係数を選択する。ガンマ補正を完了すると、ガンマ補正部50は、ガンマ補正された画像データとともにタグデータを、スクリーン処理部60及びエッジ強調部70に送る。
【0066】
次いで、スクリーン処理部60は、入力画像データに対してスクリーン処理を行う(ステップS16)。また、スクリーン処理部60は、ガンマ補正部50から入力したタグデータの値に応じて、スクリーン処理を行う際の変換係数を選択する。スクリーン処理を完了すると、スクリーン処理部60は、スクリーン処理された画像データを出力選択部80に送る。
【0067】
また、エッジ強調部70は、入力画像データに対してエッジ強調を施す処理を行う(ステップS17)。図7は、エッジ強調部70が行うエッジ強調の例を示す説明図である。エッジ強調部70は、まず、ガンマ補正部50からタグデータと画像データとを入力する。また、エッジ強調部70は、図7に示すように、タグデータと閾値Ethとの比較処理を行うことによって、EDGE信号と出力画像Eoutとを求める。例えば、図7に示すように、エッジ強調部70は、計算値Eが閾値Eth以上である画素をエッジと判定し、値が1であるエッジ検出信号EDGEを生成する。そして、エッジ強調部70は、求めたエッジ検出信号EDGEを出力選択部70に送る。
【0068】
次いで、出力選択部80は、スクリーン処理部60が求めた出力画像の濃度SCRoutと、エッジ強調部が求めたEDGE信号及び出力画像の濃度Eoutとに基づいて、注目画素についてスクリーン処理とエッジ強調のいずれの処理が施された画素を出力画素とするかを選択する(ステップS18)。そして、出力選択部80は、選択結果に基づいて、最終出力画像の濃度IMGoutを求める。
【0069】
そして、出力選択部80は、求めた最終出力濃度IMGoutに基づいて画像を出力(印刷)する。
【0070】
以上のように、本実施形態によれば、画像出力装置は、画像データの属性を示すタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線やエッジを検出する。そのため、コストをかけることなく、出力対象の画像データ中の細線やエッジを検出することができる。例えば、特開2005−341249号公報に記載された画像処理装置では、画像中の文字の細線検出やエッジ検出をデータ容量の大きい画像データで行っているので、細線検出やエッジ検出にかかる必要メモリ等のコストが大きい。これに対して、本実施形態によれば、データ容量が2〜3ビットと小さいタグデータに基づいて細線検出やエッジ検出を行えるので、必要なメモリを最小限にすることができ、細線検出やエッジ検出の際の必要メモリ容量や回路規模等のコストを低減することができる。
【0071】
例えば、画像データによりエッジ強調や細線検出/調整を行う場合には、例えば各色8ビットのCMYK入力を用いるとすると、主走査画素数×必要ライン数×32ビット分のデータを格納するメモリが必要となる。この場合、1画素について2ビット程度のタグデータの情報によりエッジ強調と細線検出/調整とを行うようにすることによって、画像データを用いて細線検出やエッジ検出を行う場合と比較して、16分の1のメモリ容量で処理を行うことが可能となる。
【0072】
また、本実施形態によれば、スクリーン処理を行う画像出力装置において、文字や図形の細線を消失させることなく出力することができる。
【0073】
また、本実施形態によれば、画像データ中のエッジ部分についてはエッジ強調した画素を出力し、エッジ以外の部分についてはスクリーン処理した画素を出力するので、画像データ中のエッジのがたつきを低減することができる。例えば、出力対象の画像データ全体に対してスクリーン処理のみを行ったのでは、文字のエッジ部分にがたつきが発生してしまう。本実施形態では、画像データ中のエッジ部分の画素については処理を別にしてエッジ強調を行うようにしているので、画像データ中の文字エッジのがたつきを低減することができる。
【0074】
実施形態2.
次に、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。なお、本実施形態において、画像出力装置の基本的な構成は、第1の実施形態で示した構成と同様である(図1参照)。
【0075】
第1の実施形態では、細線を検出した後に、細線調整の処理において文字の太線化を行う場合を示したが、細線をより細線化するようにしてもよい。具体的には、細線検出部10が行う細線検出信号THINの生成方法を変更することによって、文字の太線化を行うとともに細線化も行えるようにすることが可能である。
【0076】
本実施形態において、細線検出部10は、以下に示す演算処理を行う。
【0077】
細線検出部10は、縦、横及び斜めの各方向毎に、図2に示す注目画素の濃度Pと周囲の参照画素の濃度Ciの画素の差分を取るために、第1の実施形態と同様の処理に従って、それぞれ注目画素の濃度Pと参照画素の濃度CiとのXOR(排他的論理和:エクスクルーシブオア)を求める。また、細線検出部10は、求めたXORの演算結果に対して、第1の実施形態と同様の処理に従って、所定の重み付けを行う(図3参照)。また、細線検出部10は、縦、横及び斜め方向について求めたそれぞれXORの最大値を、第1の実施形態と同様の処理に従って、その注目画素の計算値COUNTとする演算処理を行う(式(1)参照)。
【0078】
そして、細線検出部10は、求めた計算値COUNTと予め設定された閾値Cth1との比較処理を行うことによって、注目画素を細線として検出したことを示す細線検出信号THINを生成する演算処理を行う。この場合、本実施形態では、細線検出部10は、条件として注目画素のタグデータによらずに細線検出信号THINを求める(式(9)参照)。
【0079】
THIN=1:(COUNT≦Cth1)
0:(others) 式(9)
【0080】
そして、細線検出部10は、後段の細線調整部30にタグデータとともに細線検出信号THIN及び計算値COUNTを送る。
【0081】
以上のように、本実施形態では、細線調整部10は、タグデータで細線検出を行うことが指定されている画素に限定することなく、細線検出信号THINを算出する。そのようにすることによって、本実施形態では、細線調整部30は、画像中の文字等の太線化と細線化との両方を実行することが可能である。
【0082】
次に、動作について説明する。本実施形態において、画像出力装置が画像出力する基本的な処理については、第1の実施形態で示した処理の流れと同様である(図4参照)。図8は、細線検出部10が行う細線検出及び細線調整部30が行う細線調整の他の例を示す説明図である。
【0083】
細線検出部10は、注目画素の周囲の参照画素のタグデータと注目画素のタグデータとに基づいて細線検出を行う(ステップS12参照)。この場合、細線検出部10は、タグデータに基づいてCOUNT値を求め、求めたCOUNT値に対して閾値Cth1(本例では、5であるとする)との比較処理を行うことにより、細線検出信号THINを求める。図8に示す例では、細線検出部10は、文字や図形の間の背景の部分の細線について、THIN=1と判断し、細線であると判断している。
【0084】
次いで、細線調整部30は、細線検出部10から入力したCOUNT値と、細線検出信号THINと、閾値Cth2とに基づいて、文字や図形を細線化し、文字や図形の間の背景の細線を太線化することによって、細線調整の処理を行う(ステップS13参照)。また、細線調整部30は、画素の濃度を変更するとともに、濃度を変更した画素のタグデータについても変更する。
【0085】
以上のように、本実施形態によれば、画像出力装置は、検出した細線の太線化を行うとともに細線化も行うことができるので、例えば、画像データ中の文字や図形を細線化するとともに、文字や図形の間の背景の視線を太線化する処理を行うことができる。従って、画像データ中の文字や図形の細線をより適切に消滅させることなく出力するようにすることができる。
【0086】
次に、本発明による画像出力装置の最小構成について説明する。図9は、画像出力装置の最小の構成例を示すブロック図である。図9に示すように、画像出力装置は、最小の構成要素として、細線検出部10、細線調整部30及び出力選択部80を含む。
【0087】
細線検出部10は、画像データのタグデータを入力し、入力したタグデータに基づいて、入力画像中の細線を検出する機能を備える。また、細線調整部30は、細線検出部10の細線検出結果に基づいて、細線を太くする処理を行う等の細線調整処理を行う機能を備える。また、出力選択部80は、細線調整処理を行った画像を出力する機能を備える。
【0088】
図9に示す最小構成の画像出力装置によれば、出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力し、入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線を検出するように構成されているので、コストをかけることなく、出力対象の画像データ中の細線を検出することができる。
【0089】
なお、上記の各実施形態では、以下の(1)〜(6)に示すような画像出力装置の特徴的構成が示されている。
【0090】
(1)画像出力装置は、出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力するタグデータ入力手段(例えば、細線検出部10によって実現される)と、タグデータ入力手段が入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線を検出する細線検出手段(例えば、細線検出部10によって実現される)と、細線検出手段による細線検出結果に基づいて、出力対象の画像データに対する細線調整を実行する細線調整手段(例えば、細線調整部30によって実現される)と、細線調整手段が細線調整した出力対象の画像データを出力する画像出力手段(例えば、出力選択部80によって実現される)とを備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、データ容量が2〜3ビットと小さいタグデータに基づいて細線検出を行えるので、必要なメモリを最小限にすることができ、細線検出の際の必要メモリ容量や回路規模等のコストを低減することができる。
【0091】
(2)画像出力装置は、タグデータ入力手段が入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれるエッジを検出するエッジ検出手段(例えば、エッジ強調部70によって実現される)と、エッジ検出手段によるエッジ検出結果に基づいて、出力対象の画像データに対するエッジ強調を実行するエッジ強調手段(例えば、エッジ強調部70によって実現される)とを備え、画像出力手段は、エッジ強調手段がエッジ強調した出力対象の画像データを出力するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、データ容量が2〜3ビットと小さいタグデータに基づいてエッジ検出を行えるので、必要なメモリを最小限にすることができ、エッジ検出の際の必要メモリ容量や回路規模等のコストを低減することができる。
【0092】
(3)画像出力装置は、出力対象の画像データに対するスクリーン処理を実行するスクリーン処理手段(例えば、スクリーン処理部60によって実現される)を備え、画像出力手段は、エッジ強調手段によってエッジ強調が実行された画素に対して、エッジ強調手段によってエッジ強調された画素のデータを選択して出力し、エッジ強調手段によってエッジ強調が実行されなかった画素に対して、スクリーン処理手段によってスクリーン処理された画素のデータを出力するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、出力対象の画像データ中のエッジ部分についてはエッジ強調した画素を出力し、エッジ以外の部分についてはスクリーン処理した画素を出力するので、画像データ中のエッジのがたつきを低減することができる。
【0093】
(4)画像出力装置は、タグデータ入力手段が入力したタグデータを記憶するタグデータ記憶手段(例えば、タグ保存メモリ20によって実現される)を備え、タグデータ入力手段は、出力対象の画像データ中の注目画素の周囲4ライン分及び4画素分の画素に対応するタグデータを、注目画素データよりも先に入力してタグデータ記憶手段に記憶させるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、注目画素データに対して縦、横及び斜め方向の細線検出に必要なタグデータをタグデータ記憶手段に先行して読み込み、細線検出を行えるようにすることができる。
【0094】
(5)画像出力装置において、細線調整手段は、細線検出手段が検出した細線の左右に並ぶ画像の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線の太線化を行う調整処理を実行するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、細線の太線化を行う調整処理を施すことによって、出力対象の画像データ中の文字や図形の細線を消失させることなく出力することができる。
【0095】
(6)画像出力装置において、細線調整手段は、細線検出手段が検出した細線の左右に並ぶ画像の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線の細線化を行う調整処理を実行するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、画像データ中の文字や図形を細線化するとともに、文字や図形の間の背景の視線を太線化する処理を行うことができる。従って、画像データ中の文字や図形の細線をより適切に消滅させることなく出力するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、プリンタやディスプレイ装置等の画像出力装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明による画像出力方法を用いた画像出力装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像中に含まれるある注目画素とその周囲4ライン分及び4画素分の参照画素との例を示す説明図である。
【図3】細線検出部がXORの演算結果に対して重み付け処理を行う重み係数Wiの例を示す説明図である。
【図4】画像出力装置が画像中の細線検出及びエッジ検出を行い、画像出力を行う処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】細線検出部が行う細線検出の例を示す説明図である。
【図6】細線調整部が行う細線調整の例を示す説明図である。
【図7】エッジ強調部が行うエッジ強調の例を示す説明図である。
【図8】細線検出部が行う細線検出及び細線調整部が行う細線調整の他の例を示す説明図である。
【図9】画像出力装置の最小の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0098】
10 細線検出部
20 タグ保存メモリ
30 細線調整部
40 色変換部
50 ガンマ補正部
60 スクリーン処理部
70 エッジ強調部
80 出力選択部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を出力する画像出力装置及び画像出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像出力装置を用いて画像出力(例えば、印刷や表示)する場合、スクリーン処理を施して画像を出力することが行われている。スクリーン処理により画像出力した場合、画像に含まれる図や表の罫線(細線)が途切れたり、画像に含まれる文字のエッジ部分にがたつきが発生したりすることが問題となる。細線の途切れやエッジのがたつきの解決方法として、入力画像データから文字のエッジ部分や細線を検出し、文字のエッジ部分や細線の部分のみスクリーン処理とは異なる処理で印字することが行われている。そのように処理することにより、文字のエッジ部分や細線の再現性を向上させることができる。
【0003】
また、文字のエッジ部分や細線を検出する技術として、例えば、特許文献1には、入力した画像データからエッジや細線を検出することが記載されている。また、例えば、特許文献2には、ビットマップデータからエッジとなる画素を抽出し、タグ情報としてエッジである旨を付加することが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−341249号公報(段落0044−0045、図2)
【特許文献2】特開2006−262204号公報(段落0024、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像中の文字のエッジ部分や細線を検出するように構成する場合、画像処理装置(画像出力装置)は、一般に、エッジや細線の検出を入力画像データを用いて行うので、エッジや細線の検出のために必要な回路規模が膨大になる。また、画像処理装置は、エッジや細線の検出を行うために、5×5の画像参照を行う演算が必要となるので、必要なラインメモリも膨大になる。
【0006】
例えば、特許文献1に記載された画像処理装置では、文字のエッジ検出や細線検出を画像データを用いて行っているので、回路規模が大きくなり、必要なラインメモリも大きくなる。また、例えば、特許文献2に記載された画像処理装置では、エッジを検出した場合にタグ情報として付加することによって、以後のエッジに関する処理負担をある程度軽減している。しかし、タグ情報を付加するために最初に画像データを用いてエッジを検出しなければならず、やはり、回路規模が大きくなり、必要なラインメモリも大きくなる。そのため、画像中のエッジや細線を検出するためのコストが大きい。
【0007】
そこで、本発明は、コストをかけることなく、出力対象の画像データ中の細線やエッジを検出できる画像出力装置及び画像出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による画像出力装置は、出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力するタグデータ入力手段と、タグデータ入力手段が入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線を検出する細線検出手段と、細線検出手段による細線検出結果に基づいて、出力対象の画像データに対する細線調整を実行する細線調整手段と、細線調整手段が細線調整した出力対象の画像データを出力する画像出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明による画像出力方法は、出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力するステップと、入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線を検出するステップと、細線検出結果に基づいて、出力対象の画像データに対する細線調整を実行するステップと、細線調整した出力対象の画像データを出力するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力し、入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線を検出するように構成されているので、コストをかけることなく、出力対象の画像データ中の細線を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施形態1.
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。まず、本発明による画像出力方法を用いた画像出力装置の概念について説明する。本発明では、画像出力装置は、1画素に対して2〜3bit(ビット)で画像の属性を示すタグデータを用いてエッジや細線の検出を行う。画像出力装置は、入力信号として画像データとTAG(タグ)データとを入力するシステムであるとする。画像出力装置は、入力画像中のある注目画素の画像データよりも先に、注目画素の周囲4ライン分と4画素分とのタグデータをタグ保存メモリに保存する。
【0012】
なお、画像出力装置は、入力画像全体の周囲2画素分の強調処理や細線検出を行わない場合には、注目画素の画像データよりも先に、周囲2ライン分と2画素分とのタグデータのみをタグ保存メモリに保存する。その際、画像出力装置は、周囲2画素分のタグデータにはダミーデータを付加し、強調処理や細線検出を行わないように制御する。
【0013】
画像出力装置の細線検出部は、タグデータ保存メモリに保存されているタグデータと、入力部から新たに入力したタグデータとに基づいて、注目画素に対して参照画素の濃度Ci(i=1,...,16)を選択する(図2参照)。そして、細線検出部は、縦、横及び斜めの4方向それぞれの参照画素のタグデータについて、注目画素のタグデータとの差分を検索する。
【0014】
また、細線検出部は、検出した差分について、注目画素からの位置に応じて重み付けWi(i=1,...,16)を与える。そして、細線検出部は、各方向それぞれの重み付けされた差分の総和の最大値が、予め設定されている閾値Cth1以上である場合には、細線部分であるとして、1で表す1ビットの細線検出信号THINをメモリに格納する。また、細線検出部は、細線以外の部分については、細線検出信号THINの値を0としてメモリに格納する。
【0015】
なお、細線の検出を横方向(主走査方向)のみしか行わない場合には、細線検出部は、細線検出信号THINをメモリに格納する必要はない。
【0016】
画像出力装置は、細線調整部分では、得られた注目画素の画像データ、タグデータ及び細線検出信号THINとともに、注目画像の周囲の参照画素(濃度Ci)のタグデータと細線検出信号THINとを受ける。画像出力装置は、注目画素の隣の画素(例えば、濃度がC4,C5,C8等の参照画素が細線だった場合、注目画素を細線の画像データの濃度に応じて置き換えることによって細線を太らせる調整を行う。なお、画像出力装置は、注目画素の置き換えを行う際に、細線と背景部分との差に応じて予め設定された調整値CTHINを加算することによって、細線の太らせ方を調整することができる。そして、画像出力装置は、注目画素のタグデータを細線のタグデータに置き換える。そのような置き換え処理を行うことにより、注目画素も文字部分や表部分とみなすことができる。
【0017】
また、画像出力装置は、画像処理として、画像をRGB空間からCMYK空間に変換する色変換処理と、出力ガンマ補正と、スクリーン処理とを実行する機能を備える。この場合、画像出力装置は、それぞれ、タグデータに基づいて、色変換処理、出力ガンマ補正及びスクリーン処理の各処理の出力結果を切り替えることが可能である。
【0018】
なお、色変換の方式には様々な既知の方法があるが、本発明では、その色変換の方式は問わない。また、画像出力装置は、入力データにおいて既にCMYKが用いられている場合には、色変換処理をスルーさせて行わないようにしてもよい。
【0019】
また、画像出力装置は、ガンマ補正とスクリーン処理とをタグデータによる切り替えに同期して行い、選択されたスクリーンパタンに対して適切な出力ガンマ補正を行う。
【0020】
また、画像出力装置は、エッジ強調部分では、注目画素と周囲の参照画素とのタグデータに基づいて、5×5のフィルタを用いたフィルタリング処理と重み付け処理とにより文字のエッジを検出する。また、画像出力装置は、注目画素をエッジと判断した場合には、文字の濃度を再計算する。そして、画像出力装置は、注目画素がエッジとして検出されたことを示すエッジ検出信号EDGEとともに注目画素を出力する。
【0021】
画像出力装置の出力選択部は、文字のエッジを表す信号EDGEに基づいてエッジと判断した場合には、画像出力装置のエッジ強調部からの文字濃度を選択し、出力画像データを生成する。また、出力選択部は、エッジと判断しなかった場合には、スクリーン処理された入力画像データを選択し、出力画像データを生成する。
【0022】
次に、画像出力装置の構成について説明する。図1は、本発明による画像出力方法を用いた画像出力装置の構成を示すブロック図である。本実施形態では、画像出力装置がプリンタ等の印刷装置である場合を説明する。なお、画像出力方法をディスプレイ装置等の表示装置に適用してもよい。
【0023】
図1に示すように、画像出力装置は、細線検出部10、タグ保存メモリ20、細線調整部30、色変換部40、ガンマ補正部50、スクリーン処理部60、エッジ強調部70及び出力選択部80を含む。
【0024】
画像出力装置は、入力データとして、RGB又はCMYKを用いた多値画像データ(例えば、各色8ビットの画像データ)と、入力対象のデータ(例えば、画像データを含むドキュメント)の属性(例えば、画像データの画素の濃度)を示すタグデータとを入力する。なお、タグデータは、入力するドキュメント中の写真や文字、図形、表、背景等を示す1画素に対して2〜3ビット程度のデータである。
【0025】
なお、画像出力装置が入力するタグデータは、一般に、スクリーンパタンを切り替える等に使うために予め作成されているデータである。そのため、本発明を実現するために、新たにタグデータを追加したりする必要はない。
【0026】
細線検出部10は、画像データのタグデータを入力し、入力したタグデータをタグ保存メモリ20に保存させる機能を備える。また、細線検出部10は、タグ保存メモリ20が保存するタグデータに基づいて、入力画像中の細線を検出する機能を備える。
【0027】
なお、縦、横及び斜め方向の細線検出とエッジ強調とを行う場合には、タグ保存メモリ20は、主走査画素数(例えば、8912画素)×4ライン+4画素分のタグデータを記憶する容量が必要である。この場合、細線検出部10は、主走査画素数×4ライン+4画素分のタグデータを入力し、入力した各タグデータをタグ保存メモリ20に記憶させる。
【0028】
また、縦及び横方向のみのエッジ強調と細線検出とを行う場合には、タグ保存メモリ20は、主走査画素数×4ライン分のタグデータを記憶する容量が必要である。この場合、細線検出部10は、主走査画素数×4ライン分のタグデータを入力し、入力した各タグデータをタグ保存メモリ20に記憶させる。
【0029】
図2は、画像中に含まれるある注目画素とその周囲4ライン分及び4画素分の参照画素との例を示す説明図である。以下、入力画像について縦、横及び斜め方向の細線検出とエッジ検出とを行う場合を例に説明する。
【0030】
細線検出部10は、縦、横及び斜めの各方向毎に、図2に示す注目画素の濃度Pと周囲の参照画像の濃度Ciとの差分を取るために、それぞれ注目画素の濃度Pと参照画素の濃度CiとのXOR(排他的論理和:エクスクルーシブオア)を求める。具体的には、細線検出部10は、タグ保存メモリ20が記憶する各タグデータに示される濃度に基づいて、注目画素の濃度Pと各参照画素の濃度CiとのXORを求めることによって、注目画素の濃度Pと各参照画素の濃度Ciとの差分を求める。
【0031】
また、細線検出部10は、求めたXORの演算結果に対して所定の重み付けを行う。図3は、細線検出部10がXORの演算結果に対して重み付け処理を行う重み係数Wi(i=1,...,16)の例を示す説明図である。
【0032】
また、細線検出部10は、縦、横及び斜め方向について求めたそれぞれXORの最大値を、その注目画素の計算値COUNTとする演算処理を行う(式(1)参照)。なお、計算値COUNTは、0から6までの値をとるため、3ビットで表現することが可能である。
【0033】
【数1】
【0034】
そして、細線検出部10は、求めた計算値COUNTと予め設定された閾値Cth1との比較処理を行うことによって、注目画素を細線として検出したことを示す細線検出信号THINを生成する演算処理を行う(式(2)参照)。ここで、条件として、注目画素のタグデータは、全て細線検出を行うことが予め選択されたもの(例えば文字のタグデータ)のみであるとする。なお、式(2)を用いてTHIN=1と求めた場合には、注目画素が細線として検出されたことを示す。また、THIN=0と求めた場合には、注目画素が細線として検出されなかったことを示す。
【0035】
THIN=1:(COUNT≦Cth1,ただし、注目画素のタグデータで細線検出を行うべきことが指定されていること)
0:(others) 式(2)
【0036】
以上のように、細線検出部10は、細線検出信号THINを求めることによって、画像中の細線を検出する。そして、細線検出部10は、後段の細線調整部30にタグデータとともに細線検出信号THIN及び計算値COUNTを送る。
【0037】
細線調整部30は、細線検出部10の細線検出結果に基づいて、細線を太くする処理を行う等の細線調整処理を行う機能を備える。例えば、細線調整部30は、注目画素のTHIN値と、COUNT値と、予め設定された閾値Cth2とによって、細線の左右に並ぶ画素の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線を太くする調整する処理を行う。又は、例えば、細線調整部30は、注目画素の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線を太くする調整する処理を行う。
【0038】
例えば、注目画素の左右の参照画素の濃度をC8,C9とし、注目画素の濃度をPする。また、細線と注目画素の左右の画素の濃度差とによって予め設定された調整値をCTHINとする。この場合、細線調整部30は、以下に示す演算処理を行うことによって、濃度の置き換えを行う(式(3)参照)。なお、調整値CTHINは、0以上1以下の値をとり、0に近づくほど置き換えた注目画素の濃度Pに近くなる。また、調整値CTHINは、1に近づくほど元の周辺画素の濃度C8,C9に近くなる。
【0039】
Ci=P+CTHIN×(Ci−P):(THIN=1かつCOUNT≦Cth2かつ(P−Ci)≧0のとき)
Ci=P−CTHIN×(Ci−P):(THIN=1かつCOUNT≦Cth2かつ(P−Ci)<0のとき)
式(3)
【0040】
また、細線調整部30は、置き換えが発生した細線の注目画素の左右の画素に対するタグデータを、注目画素のタグデータと同じ値に置き換える処理を行う(式(4)参照)。ここで、式(4)において、TAGoutは、出力されるタグデータであるとする。また、TAGpは、細線のタグデータであるとし、TAGinは、入力されたタグデータであるとする。
【0041】
TAGout=TAGp:(THIN=1かつCOUNT≦Cth2)
TAGin:(others) 式(4)
【0042】
そして、細線調整部30は、細線の太さを補正した画像データと、細線の注目画素の周囲の画素に対して置き換えを行ったタグデータとを、色変換部40に出力する。
【0043】
色変換部40は、画像データをRGB空間からCMYK空間に変換する色変換処理を実行する機能を備える。また、ガンマ補正部50は、画像データに対してガンマ補正を行う機能を備える。また、スクリーン処理部60は、画像データに対してスクリーン処理を行う機能を備える。なお、ガンマ補正部50及びスクリーン処理部60は、タグデータに基づいて処理を切り替えることができる機能を備える。
【0044】
エッジ強調部70は、注目画素と周囲の参照画像とのタグデータに基づいて、画像中に含まれる文字等のエッジを検出する機能を備える。また、エッジ強調部70は、文字等のエッジを検出してエッジ強調を行う場合に、検出したエッジの強調後の濃度を求める機能を備える。
【0045】
エッジ強調部70は、タグデータと画像データとを入力し、縦、横及び斜めの各方向毎に、図2に示す注目画素の濃度Pと周囲の参照画像の濃度Ciとの差分を取るために、XOR(エクスクルーシブオア)を求める。また、エッジ強調部70は、求めたXORの演算結果に対して、図3に示す重み付けと同様の重み付けを行う。また、エッジ強調部70は、縦、横及び斜め方向について求めたそれぞれXORの最小値を、その注目画素の計算値Eとする演算処理を行う(式(5)参照)。ここで、条件として、注目画素のタグデータは、全てエッジ強調を行うことが予め選択されたもの(例えば文字のタグデータ)のみであるとする。
【0046】
【数2】
【0047】
また、エッジ強調部70は、求めた計算値Eと予め設定された閾値Ethとの比較処理を行うことによって、エッジ強調すべきかを判定する演算処理を行い、注目画素をエッジとして検出したことを示すエッジ検出信号EDGEを求める(式(6)参照)。なお、式(6)を用いてEDGE=1と求めた場合には、注目画素がエッジとして検出されたことを示す。また、EDGE=0と求めた場合には、注目画素がエッジとして検出されなかったことを示す。
【0048】
EDGE=1(E≧Eth)
EDGE=0(others) 式(6)
【0049】
また、エッジ強調部70は、注目画素のエッジ強調後の濃度Eoutを式(7)を用いた演算で求める。
【0050】
Eout=P/(入力のビット数の最大値)×(出力のビット数の最大値):(EDGE=1)
Eout=P(others) 式(7)
【0051】
そして、エッジ強調部70は、注目画素のエッジ強調後の濃度Eoutと、エッジ部分であることを示すエッジ検出信号EDGEとを、出力選択部80に出力する。
【0052】
出力選択部80は、スクリーン処理部60からのスクリーン処理後の濃度SCRoutと、エッジ強調部70からのエッジ強調後の濃度Eoutと、エッジ部分であることを示すエッジ検出信号EDGEとを入力する機能を備える。また、出力選択部80は、スクリーン処理後の濃度SCRout、エッジ強調後の濃度Eout、及びエッジ検出信号EDGEに基づいて、注目画素の最終出力濃度IMGoutを式(8)を用いて求める機能を備える。
【0053】
IMGout=Eout:(EDGE=1)
IMGout=SCRout:(others) 式(8)
【0054】
すなわち、出力選択部80は、式(8)を用いた処理を行うことによって、エッジ強調部70によってエッジ強調が実行された画素に対して、エッジ強調部70によってエッジ強調された画素のデータを選択して出力するように制御する。また、出力選択部80は、エッジ強調部70によってエッジ強調が実行されなかった画素に対して、スクリーン処理部60によってスクリーン処理された画素のデータを出力するように制御する。
【0055】
また、出力選択部80は、求めた最終出力濃度IMGoutに基づいて画像を出力する機能を備える。例えば、プリンタ等の印刷装置である画像出力装置の出力選択部80は、求めた最終出力濃度IMGoutに基づいて画像を印刷する。
【0056】
次に、動作について説明する。図4は、画像出力装置が画像中の細線検出及びエッジ検出を行い、画像出力を行う処理の一例を示すフローチャートである。画像出力を行う場合、まず、画像出力装置の細線検出部10は、タグデータの入力を開始し、入力したタグデータをタグ保存メモリ20に記憶させる(ステップS10)。
【0057】
細線検出部10は、縦、横及び斜め方向の細線検出とエッジ強調とを行う場合には、注目画素の周囲4ライン分と4画素分のタグデータの入力を完了するまで、繰り返しタグデータを入力し、タグ保存メモリ20に記憶させる(ステップS11)。
【0058】
タグ保存メモリ20に必要な数のタグデータが書き込まれ、細線の検出が完了すると、細線検出部10は、出力対象の画像データを要求するために、ready信号をアサートして画像データの転送を促す。また、細線検出部10は、注目画素の周囲の参照画素のタグデータと注目画素のタグデータとに基づいて細線検出を行う(ステップS12)。
【0059】
図5は、細線検出部10が行う細線検出の例を示す説明図である。図5に示すように、細線検出部10は、タグデータに基づいてCOUNT値を求め、求めたCOUNT値に対して閾値Cth1(本例では、5であるとする)との比較処理を行うことにより、細線検出信号THINを求める。例えば、図5に示すように、細線検出部10は、COUNT値が閾値Cth1以上である画素を細線と判定し、値が1である細線検出信号THINを生成する。そして、細線検出部10は、求めた細線検出信号THINと、計算値COUNTと、画像データとをともに細線調整部30に送る。
【0060】
次いで、細線調整部30は、細線検出部10から入力した細線検出信号THINと計算値COUNTに基づいて、細線の左右に並ぶ画素の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線の太さを調整する処理を行う(ステップS13)。
【0061】
図6は、細線調整部30が行う細線調整の例を示す説明図である。図6に示すように、細線調整部30は、入力したCOUNT値と、細線検出信号THINと、閾値Cth2とを比較する処理を行うことにより、細線を太線化させる画素を決定する。そして、細線調整部30は、細線を太線化させる処理を行い、細線の濃度を調整する。例えば、図6に示すように、細線調整部30は、COUNT値が閾値Cth2以上である画素を太線化すると決定し、濃度が高くなるように変更する。
【0062】
また、細線調整部30は、画素の濃度を変更するとともに、濃度を変更した画素のタグデータについても変更する。そして、細線調整部30は、細線調整後の画像データ出力と同期して、タグデータも後段の色変換部40に出力する。
【0063】
ステップS13の処理を実行することにより、細線の太線化を行い、画像出力の際に印字条件による細線の消失を防ぐことができる。
【0064】
次いで、色変換部40は、入力画像データがRGB等を用いている場合には、入力画像データをRGB空間からCMYK空間に変換する色変換処理を行う(ステップS14)。また、色変換部40は、入力したタグデータの値に応じて、色変換を行う際の変換係数を選択する。色変換処理を完了すると、色変換部40は、CMYK空間に変換された画像データとともにタグデータをガンマ補正部50に送る。
【0065】
次いで、ガンマ補正部50は、入力画像データに対してガンマ補正処理を行う(ステップS15)。また、ガンマ補正部50は、色変換部40から入力したタグデータの値に応じて、ガンマ補正を行う際の変換係数を選択する。ガンマ補正を完了すると、ガンマ補正部50は、ガンマ補正された画像データとともにタグデータを、スクリーン処理部60及びエッジ強調部70に送る。
【0066】
次いで、スクリーン処理部60は、入力画像データに対してスクリーン処理を行う(ステップS16)。また、スクリーン処理部60は、ガンマ補正部50から入力したタグデータの値に応じて、スクリーン処理を行う際の変換係数を選択する。スクリーン処理を完了すると、スクリーン処理部60は、スクリーン処理された画像データを出力選択部80に送る。
【0067】
また、エッジ強調部70は、入力画像データに対してエッジ強調を施す処理を行う(ステップS17)。図7は、エッジ強調部70が行うエッジ強調の例を示す説明図である。エッジ強調部70は、まず、ガンマ補正部50からタグデータと画像データとを入力する。また、エッジ強調部70は、図7に示すように、タグデータと閾値Ethとの比較処理を行うことによって、EDGE信号と出力画像Eoutとを求める。例えば、図7に示すように、エッジ強調部70は、計算値Eが閾値Eth以上である画素をエッジと判定し、値が1であるエッジ検出信号EDGEを生成する。そして、エッジ強調部70は、求めたエッジ検出信号EDGEを出力選択部70に送る。
【0068】
次いで、出力選択部80は、スクリーン処理部60が求めた出力画像の濃度SCRoutと、エッジ強調部が求めたEDGE信号及び出力画像の濃度Eoutとに基づいて、注目画素についてスクリーン処理とエッジ強調のいずれの処理が施された画素を出力画素とするかを選択する(ステップS18)。そして、出力選択部80は、選択結果に基づいて、最終出力画像の濃度IMGoutを求める。
【0069】
そして、出力選択部80は、求めた最終出力濃度IMGoutに基づいて画像を出力(印刷)する。
【0070】
以上のように、本実施形態によれば、画像出力装置は、画像データの属性を示すタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線やエッジを検出する。そのため、コストをかけることなく、出力対象の画像データ中の細線やエッジを検出することができる。例えば、特開2005−341249号公報に記載された画像処理装置では、画像中の文字の細線検出やエッジ検出をデータ容量の大きい画像データで行っているので、細線検出やエッジ検出にかかる必要メモリ等のコストが大きい。これに対して、本実施形態によれば、データ容量が2〜3ビットと小さいタグデータに基づいて細線検出やエッジ検出を行えるので、必要なメモリを最小限にすることができ、細線検出やエッジ検出の際の必要メモリ容量や回路規模等のコストを低減することができる。
【0071】
例えば、画像データによりエッジ強調や細線検出/調整を行う場合には、例えば各色8ビットのCMYK入力を用いるとすると、主走査画素数×必要ライン数×32ビット分のデータを格納するメモリが必要となる。この場合、1画素について2ビット程度のタグデータの情報によりエッジ強調と細線検出/調整とを行うようにすることによって、画像データを用いて細線検出やエッジ検出を行う場合と比較して、16分の1のメモリ容量で処理を行うことが可能となる。
【0072】
また、本実施形態によれば、スクリーン処理を行う画像出力装置において、文字や図形の細線を消失させることなく出力することができる。
【0073】
また、本実施形態によれば、画像データ中のエッジ部分についてはエッジ強調した画素を出力し、エッジ以外の部分についてはスクリーン処理した画素を出力するので、画像データ中のエッジのがたつきを低減することができる。例えば、出力対象の画像データ全体に対してスクリーン処理のみを行ったのでは、文字のエッジ部分にがたつきが発生してしまう。本実施形態では、画像データ中のエッジ部分の画素については処理を別にしてエッジ強調を行うようにしているので、画像データ中の文字エッジのがたつきを低減することができる。
【0074】
実施形態2.
次に、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。なお、本実施形態において、画像出力装置の基本的な構成は、第1の実施形態で示した構成と同様である(図1参照)。
【0075】
第1の実施形態では、細線を検出した後に、細線調整の処理において文字の太線化を行う場合を示したが、細線をより細線化するようにしてもよい。具体的には、細線検出部10が行う細線検出信号THINの生成方法を変更することによって、文字の太線化を行うとともに細線化も行えるようにすることが可能である。
【0076】
本実施形態において、細線検出部10は、以下に示す演算処理を行う。
【0077】
細線検出部10は、縦、横及び斜めの各方向毎に、図2に示す注目画素の濃度Pと周囲の参照画素の濃度Ciの画素の差分を取るために、第1の実施形態と同様の処理に従って、それぞれ注目画素の濃度Pと参照画素の濃度CiとのXOR(排他的論理和:エクスクルーシブオア)を求める。また、細線検出部10は、求めたXORの演算結果に対して、第1の実施形態と同様の処理に従って、所定の重み付けを行う(図3参照)。また、細線検出部10は、縦、横及び斜め方向について求めたそれぞれXORの最大値を、第1の実施形態と同様の処理に従って、その注目画素の計算値COUNTとする演算処理を行う(式(1)参照)。
【0078】
そして、細線検出部10は、求めた計算値COUNTと予め設定された閾値Cth1との比較処理を行うことによって、注目画素を細線として検出したことを示す細線検出信号THINを生成する演算処理を行う。この場合、本実施形態では、細線検出部10は、条件として注目画素のタグデータによらずに細線検出信号THINを求める(式(9)参照)。
【0079】
THIN=1:(COUNT≦Cth1)
0:(others) 式(9)
【0080】
そして、細線検出部10は、後段の細線調整部30にタグデータとともに細線検出信号THIN及び計算値COUNTを送る。
【0081】
以上のように、本実施形態では、細線調整部10は、タグデータで細線検出を行うことが指定されている画素に限定することなく、細線検出信号THINを算出する。そのようにすることによって、本実施形態では、細線調整部30は、画像中の文字等の太線化と細線化との両方を実行することが可能である。
【0082】
次に、動作について説明する。本実施形態において、画像出力装置が画像出力する基本的な処理については、第1の実施形態で示した処理の流れと同様である(図4参照)。図8は、細線検出部10が行う細線検出及び細線調整部30が行う細線調整の他の例を示す説明図である。
【0083】
細線検出部10は、注目画素の周囲の参照画素のタグデータと注目画素のタグデータとに基づいて細線検出を行う(ステップS12参照)。この場合、細線検出部10は、タグデータに基づいてCOUNT値を求め、求めたCOUNT値に対して閾値Cth1(本例では、5であるとする)との比較処理を行うことにより、細線検出信号THINを求める。図8に示す例では、細線検出部10は、文字や図形の間の背景の部分の細線について、THIN=1と判断し、細線であると判断している。
【0084】
次いで、細線調整部30は、細線検出部10から入力したCOUNT値と、細線検出信号THINと、閾値Cth2とに基づいて、文字や図形を細線化し、文字や図形の間の背景の細線を太線化することによって、細線調整の処理を行う(ステップS13参照)。また、細線調整部30は、画素の濃度を変更するとともに、濃度を変更した画素のタグデータについても変更する。
【0085】
以上のように、本実施形態によれば、画像出力装置は、検出した細線の太線化を行うとともに細線化も行うことができるので、例えば、画像データ中の文字や図形を細線化するとともに、文字や図形の間の背景の視線を太線化する処理を行うことができる。従って、画像データ中の文字や図形の細線をより適切に消滅させることなく出力するようにすることができる。
【0086】
次に、本発明による画像出力装置の最小構成について説明する。図9は、画像出力装置の最小の構成例を示すブロック図である。図9に示すように、画像出力装置は、最小の構成要素として、細線検出部10、細線調整部30及び出力選択部80を含む。
【0087】
細線検出部10は、画像データのタグデータを入力し、入力したタグデータに基づいて、入力画像中の細線を検出する機能を備える。また、細線調整部30は、細線検出部10の細線検出結果に基づいて、細線を太くする処理を行う等の細線調整処理を行う機能を備える。また、出力選択部80は、細線調整処理を行った画像を出力する機能を備える。
【0088】
図9に示す最小構成の画像出力装置によれば、出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力し、入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線を検出するように構成されているので、コストをかけることなく、出力対象の画像データ中の細線を検出することができる。
【0089】
なお、上記の各実施形態では、以下の(1)〜(6)に示すような画像出力装置の特徴的構成が示されている。
【0090】
(1)画像出力装置は、出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力するタグデータ入力手段(例えば、細線検出部10によって実現される)と、タグデータ入力手段が入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれる細線を検出する細線検出手段(例えば、細線検出部10によって実現される)と、細線検出手段による細線検出結果に基づいて、出力対象の画像データに対する細線調整を実行する細線調整手段(例えば、細線調整部30によって実現される)と、細線調整手段が細線調整した出力対象の画像データを出力する画像出力手段(例えば、出力選択部80によって実現される)とを備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、データ容量が2〜3ビットと小さいタグデータに基づいて細線検出を行えるので、必要なメモリを最小限にすることができ、細線検出の際の必要メモリ容量や回路規模等のコストを低減することができる。
【0091】
(2)画像出力装置は、タグデータ入力手段が入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれるエッジを検出するエッジ検出手段(例えば、エッジ強調部70によって実現される)と、エッジ検出手段によるエッジ検出結果に基づいて、出力対象の画像データに対するエッジ強調を実行するエッジ強調手段(例えば、エッジ強調部70によって実現される)とを備え、画像出力手段は、エッジ強調手段がエッジ強調した出力対象の画像データを出力するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、データ容量が2〜3ビットと小さいタグデータに基づいてエッジ検出を行えるので、必要なメモリを最小限にすることができ、エッジ検出の際の必要メモリ容量や回路規模等のコストを低減することができる。
【0092】
(3)画像出力装置は、出力対象の画像データに対するスクリーン処理を実行するスクリーン処理手段(例えば、スクリーン処理部60によって実現される)を備え、画像出力手段は、エッジ強調手段によってエッジ強調が実行された画素に対して、エッジ強調手段によってエッジ強調された画素のデータを選択して出力し、エッジ強調手段によってエッジ強調が実行されなかった画素に対して、スクリーン処理手段によってスクリーン処理された画素のデータを出力するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、出力対象の画像データ中のエッジ部分についてはエッジ強調した画素を出力し、エッジ以外の部分についてはスクリーン処理した画素を出力するので、画像データ中のエッジのがたつきを低減することができる。
【0093】
(4)画像出力装置は、タグデータ入力手段が入力したタグデータを記憶するタグデータ記憶手段(例えば、タグ保存メモリ20によって実現される)を備え、タグデータ入力手段は、出力対象の画像データ中の注目画素の周囲4ライン分及び4画素分の画素に対応するタグデータを、注目画素データよりも先に入力してタグデータ記憶手段に記憶させるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、注目画素データに対して縦、横及び斜め方向の細線検出に必要なタグデータをタグデータ記憶手段に先行して読み込み、細線検出を行えるようにすることができる。
【0094】
(5)画像出力装置において、細線調整手段は、細線検出手段が検出した細線の左右に並ぶ画像の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線の太線化を行う調整処理を実行するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、細線の太線化を行う調整処理を施すことによって、出力対象の画像データ中の文字や図形の細線を消失させることなく出力することができる。
【0095】
(6)画像出力装置において、細線調整手段は、細線検出手段が検出した細線の左右に並ぶ画像の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線の細線化を行う調整処理を実行するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、画像データ中の文字や図形を細線化するとともに、文字や図形の間の背景の視線を太線化する処理を行うことができる。従って、画像データ中の文字や図形の細線をより適切に消滅させることなく出力するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、プリンタやディスプレイ装置等の画像出力装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明による画像出力方法を用いた画像出力装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像中に含まれるある注目画素とその周囲4ライン分及び4画素分の参照画素との例を示す説明図である。
【図3】細線検出部がXORの演算結果に対して重み付け処理を行う重み係数Wiの例を示す説明図である。
【図4】画像出力装置が画像中の細線検出及びエッジ検出を行い、画像出力を行う処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】細線検出部が行う細線検出の例を示す説明図である。
【図6】細線調整部が行う細線調整の例を示す説明図である。
【図7】エッジ強調部が行うエッジ強調の例を示す説明図である。
【図8】細線検出部が行う細線検出及び細線調整部が行う細線調整の他の例を示す説明図である。
【図9】画像出力装置の最小の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0098】
10 細線検出部
20 タグ保存メモリ
30 細線調整部
40 色変換部
50 ガンマ補正部
60 スクリーン処理部
70 エッジ強調部
80 出力選択部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力するタグデータ入力手段と、
前記タグデータ入力手段が入力したタグデータに基づいて、前記出力対象の画像データに含まれる細線を検出する細線検出手段と、
前記細線検出手段による細線検出結果に基づいて、前記出力対象の画像データに対する細線調整を実行する細線調整手段と、
前記細線調整手段が細線調整した前記出力対象の画像データを出力する画像出力手段とを
備えたことを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
タグデータ入力手段が入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれるエッジを検出するエッジ検出手段と、
前記エッジ検出手段によるエッジ検出結果に基づいて、前記出力対象の画像データに対するエッジ強調を実行するエッジ強調手段とを備え、
画像出力手段は、前記エッジ強調手段がエッジ強調した前記出力対象の画像データを出力する
請求項1記載の画像出力装置。
【請求項3】
出力対象の画像データに対するスクリーン処理を実行するスクリーン処理手段を備え、
画像出力手段は、
エッジ強調手段によってエッジ強調が実行された画素に対して、前記エッジ強調手段によってエッジ強調された画素のデータを選択して出力し、
エッジ強調手段によってエッジ強調が実行されなかった画素に対して、前記スクリーン処理手段によってスクリーン処理された画素のデータを出力する
請求項2記載の画像出力装置。
【請求項4】
タグデータ入力手段が入力したタグデータを記憶するタグデータ記憶手段を備え、
タグデータ入力手段は、出力対象の画像データ中の注目画素の周囲4ライン分及び4画素分の画素に対応するタグデータを、前記注目画素データよりも先に入力して前記タグデータ記憶手段に記憶させる
請求項1又は請求項2記載の画像出力装置。
【請求項5】
細線調整手段は、細線検出手段が検出した細線の左右に並ぶ画像の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線の太線化を行う調整処理を実行する請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の画像出力装置。
【請求項6】
細線調整手段は、細線検出手段が検出した細線の左右に並ぶ画像の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線の細線化を行う調整処理を実行する請求項5記載の画像出力装置。
【請求項7】
出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力するステップと、
入力した前記タグデータに基づいて、前記出力対象の画像データに含まれる細線を検出するステップと、
前記細線検出結果に基づいて、前記出力対象の画像データに対する細線調整を実行するステップと、
細線調整した前記出力対象の画像データを出力するステップとを
含むことを特徴とする画像出力方法。
【請求項8】
入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれるエッジを検出するステップと、
前記エッジ検出結果に基づいて、前記出力対象の画像データに対するエッジ強調を実行するステップと、
エッジ強調した前記出力対象の画像データを出力するステップとを含む
請求項7記載の画像出力方法。
【請求項1】
出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力するタグデータ入力手段と、
前記タグデータ入力手段が入力したタグデータに基づいて、前記出力対象の画像データに含まれる細線を検出する細線検出手段と、
前記細線検出手段による細線検出結果に基づいて、前記出力対象の画像データに対する細線調整を実行する細線調整手段と、
前記細線調整手段が細線調整した前記出力対象の画像データを出力する画像出力手段とを
備えたことを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
タグデータ入力手段が入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれるエッジを検出するエッジ検出手段と、
前記エッジ検出手段によるエッジ検出結果に基づいて、前記出力対象の画像データに対するエッジ強調を実行するエッジ強調手段とを備え、
画像出力手段は、前記エッジ強調手段がエッジ強調した前記出力対象の画像データを出力する
請求項1記載の画像出力装置。
【請求項3】
出力対象の画像データに対するスクリーン処理を実行するスクリーン処理手段を備え、
画像出力手段は、
エッジ強調手段によってエッジ強調が実行された画素に対して、前記エッジ強調手段によってエッジ強調された画素のデータを選択して出力し、
エッジ強調手段によってエッジ強調が実行されなかった画素に対して、前記スクリーン処理手段によってスクリーン処理された画素のデータを出力する
請求項2記載の画像出力装置。
【請求項4】
タグデータ入力手段が入力したタグデータを記憶するタグデータ記憶手段を備え、
タグデータ入力手段は、出力対象の画像データ中の注目画素の周囲4ライン分及び4画素分の画素に対応するタグデータを、前記注目画素データよりも先に入力して前記タグデータ記憶手段に記憶させる
請求項1又は請求項2記載の画像出力装置。
【請求項5】
細線調整手段は、細線検出手段が検出した細線の左右に並ぶ画像の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線の太線化を行う調整処理を実行する請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の画像出力装置。
【請求項6】
細線調整手段は、細線検出手段が検出した細線の左右に並ぶ画像の濃度を置き換える処理を行うことによって、細線の細線化を行う調整処理を実行する請求項5記載の画像出力装置。
【請求項7】
出力対象の画像データの属性を示すタグデータを入力するステップと、
入力した前記タグデータに基づいて、前記出力対象の画像データに含まれる細線を検出するステップと、
前記細線検出結果に基づいて、前記出力対象の画像データに対する細線調整を実行するステップと、
細線調整した前記出力対象の画像データを出力するステップとを
含むことを特徴とする画像出力方法。
【請求項8】
入力したタグデータに基づいて、出力対象の画像データに含まれるエッジを検出するステップと、
前記エッジ検出結果に基づいて、前記出力対象の画像データに対するエッジ強調を実行するステップと、
エッジ強調した前記出力対象の画像データを出力するステップとを含む
請求項7記載の画像出力方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2009−65322(P2009−65322A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229946(P2007−229946)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
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