説明

画像形成システム

【課題】 本発明では、出力指示をしたユーザの撮像画像を取得して、ログと共にその画像を記録する画像形成装置を提供する。
【解決手段】 カメラで印刷指示をした人を撮影して顔画像データを取得し、その印刷指示に関する情報を取得し、その印刷指示に基づいて印刷し、その印刷結果や印刷指示等からなるログをその顔画像データと関連付けて保存する画像形成システムにより、上記課題の解決を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、MFP(マルチファンクションプリンタ)等のセキュリティに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PC(パーソナルコンピュータ)等のネットワーク化が普及するのに伴い、ネットワークに接続されるプリンタやMFP(マルチファンクションプリンタ)の数も増加している。そのため、プリンタ等は複数のPCで共用されることになる。
【0003】
また、情報化社会となった今日、取り扱う情報量も増加し、それに伴って、コピー機、FAX機等の機器もますます普及している。一方、個人情報の保護など、社会的にもセキュリティへの意識が向上しつつあり、情報の取り扱いにはより慎重さが求められている。
【0004】
そこで、プリンタ、MFP、コピー機、FAX機等に指紋認証/ICカード認証等を行い操作の許可を行う機能を搭載したり、指紋認証/ICカード認証等を行い操作者別のデータを保存して以降操作者に合致したデータを印刷できる機能を搭載したりしている。また、特許文献1〜特許文献3も開示されている。
【特許文献1】特開2004−252501号公報
【特許文献2】特開2002−366327号公報
【特許文献3】特開2003−134290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プリンタやMFP等で操作を許可する場合、不正の操作(指紋のコピーや、ICカードの盗難)をされると、その不正結果を確認することができなかった。つまり、認証が正常に終了すれば、その後の不正操作を確認することができなかった。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明では、出力指示をしたユーザの撮像画像を取得して、ログと共にその画像を記録する画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる、所定の媒体に所定の画像の出力を行う画像形成装置において、前記出力の指示を発する人を撮像する撮像手段と、前記出力の指示を発する人からの指示情報を取得する指示情報取得手段と、前記指示情報に基づいて、前記媒体に出力する対象データを取得する対象データ取得手段と、前記指示情報取得手段により取得された前記指示情報に基づいて、前記媒体に出力を行う出力手段と、前記指示情報及び前記出力手段により実行された結果に関する情報とのうち少なくともいずれかを含む履歴情報と、前記撮像手段により撮像された画像データと、を関連付けて格納させる格納制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
このように構成することにより、ユーザが出力指示をした際に、そのユーザの画像が撮像され、その画像がログに関連付けられて格納される。
前記画像形成システムにおいて、前記対象データ取得手段は、ネットワークを介して接続されたコンピュータであり、前記撮像手段は、該コンピュータに付与されている電荷結合素子であり、前記出力手段は、印刷装置であることを特徴とする。
【0009】
このように構成することにより、プリンタへ出力指示を行った人の画像をログと共に記録することができる。
前記画像形成システムにおいて、前記対象データ取得手段は、スキャナ装置であり、前記撮像手段は、電荷結合素子であり、前記出力装置は、印刷装置またはファックス装置であることを特徴とする。
【0010】
このように構成することにより、コピー又はファックス機能を使用した人の画像をログと共に記録することができる。
前記画像形成システムは、さらに、前記出力手段により出力された媒体を所定の順序で排出し、かつ、排出された該媒体が回収されるのを検知する排出検知手段を備え、前記撮像装置は、前記排出検知手段による検知結果に基づいて撮像することを特徴とする。
【0011】
このように構成することにより、排紙装置に排紙された印刷物を取りに来た人の画像をログと共に記録することができる。
前記画像形成システムにおいて、前記出力手段は、前記格納制御手段に格納された前記読み出された前記履歴情報及び前記画像データを出力することを特徴とする。
【0012】
このように構成することにより、後日、ログ及びそのログに関連付けられている画像を出力することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明を用いることにより、出力指示または印刷物を取りに来たユーザの撮像画像を取得して、ログと共にその撮像画像を記録することができる。よって、このログを後で調査することにより、不正の監視を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態にかかる画像形成装置は、PCからの印刷を行うプリンタ、原稿をセットし複写を行うコピー機、原稿をセットし相手FAXへ送受するFAX機、またはこれら全ての機能を併せ持つMFP等に用いることができる。
【0015】
まず、本発明の実施形態にかかる画像形成装置では、ユーザからの出力指示を指示情報取得手段で取得することができる。このときに画像形成装置はユーザの顔画像を撮像手段により撮像する。例えば、PCからのプリンタ操作の場合には、指示情報取得手段により印刷ジョブが取得される。さらに、PC上の撮像装置(撮像手段)を使用して操作者の顔画像が取得される。コピー、FAXの操作の場合には、指示情報取得手段により操作パネルからの出力指示情報が取得される。さらに、操作パネル上にセットされた撮像装置(撮像手段)により顔画像が取得される。
【0016】
次に、本発明の実施形態にかかる画像形成装置では、格納制御手段によりその撮像した顔画像がログ情報と共に記録される。例えば、プリンタの場合には、印刷に関するログ情報と顔画像が関係付けられて保存される。コピーやFAXの場合には、印刷又はFAX送信に関するログ情報と顔画像が関係付けられて保存される。
【0017】
これにより、管理者が、後日、ログの情報を出力手段により出力させて、その内容を確認することができる。よって、プリンタ印刷者、コピー実施者、FAX送信者、及び各用紙回収者を確認することができる。それでは、以下に本発明の実施形態の詳細を説明する。
【0018】
図1は、本実施形態におけるMFP1の外観構成を示す。同図において、MFP1の前面上部には操作パネル(オペレーションパネル)2が位置する。この操作パネル12を操作することにより、印刷枚数の設定や濃度設定、サイズ設定等の各種設定を行うことができる。
【0019】
MFP1の前面下部には複数段の給紙カセット6が設けられ、対応する取手を持って給紙カセット6を引き出すことができる。また、MFP1の中段部には排紙トレイ7が設けられ、給紙カセット6から印刷用紙が給紙される。そして、画像形成が行われた印刷用紙は排紙トレイ7に出力される。
【0020】
MFP1の上部にはスキャナ部13が設けられている。このスキャナ部13の原稿台カバーを開けて原稿台に原稿を載置して、キー部5の所定のボタンを押下すると、その原稿がスキャンされて画像(原稿データ)が読み取られる。なお、MFP1は、後述の通り、FAXの送受信も行うことができる。
【0021】
操作パネル2は、MFP1の状態を表示したり、当該MFP1に障害等が発生したりした場合の操作等に用いられるが、印刷条件の設定も行うことができる。操作パネル2は、表示部3、LED部4、キー部5から構成される。表示部3は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)であって、MFP1の設定状態を表示することができる。また、表示部3にはスキャン情報の表示が行われる。
【0022】
LED部4は、例えば、MFP1の動作状態を点灯のON/OFF、点滅等で通知することができる。キー部5は、MFP1の設定をするために操作される複数のキー群である。キー部5は、タッチパネル式のLCD(液晶ディスプレイ)であってもよい。
【0023】
操作パネル2で印刷条件を設定する場合は、メニューボタン(キー部5に含まれるボタンであってもよいし、LCDに表示させたタッチパネル式のボタンであってもよい。)を押すことにより、表示部3に設定メニュー等を表示させて、キー部5により設定を行う。
【0024】
図2は、本実施形態におけるMFP1のハードウェア構成の概要を示す。MFP1は、ネットワーク32を介してPC(パーソナルコンピュータ)30と接続されている。MFP1は、操作パネル2、操作パネル制御部11、HDD(ハードディスクドライブ)12、スキャナ13、スキャナ制御部14、メイン制御部33、フラッシュメモリ36、RAM(ランダムアクセスメモリ)37、画像メモリ16、FAXモデム17、FAX制御部18、印刷制御部19、印刷装置20、排紙装置21、送受信制御部22、撮像装置23から構成される。メイン制御部33は、描画部15、制御部34、ログ作成部38から構成される。
【0025】
操作パネル2は、上述の通り、液晶表示部(LCD)、MFP1の設定を行うためのキー、及びLED(Light Emitting Diode)等を備えた操作パネルである。撮像装置23は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)あるいはCMOSイメージセンサーを利用したディジタルカメラ(DSCと表記)であり、操作パネル2の一部に設けられている。
【0026】
操作パネル制御部11は、例えば、操作パネル2の表示部3の表示動作を制御したり、キー操作に基づく操作信号をMFP1のメイン制御部33に出力したりする。HDD12は、ログデータ、画像データ等を保存する大容量の不揮発性メモリである。
【0027】
スキャナ13は、読み取り対象の原稿を読み取るためのスキャナ機器である。スキャナ制御部14は、スキャナ13を制御する。メイン制御部33は、MFP1内全体の動作を統括する。
【0028】
描画部15は、スキャナ13で読み取ったデータまたはFAXデータを画像データとする画像構築処理を行う。画像メモリ16は、描画制御部15で生成された画像を格納する画像メモリである。
【0029】
FAXモデム17は、電話回線と接続するFAX用のモデムである。FAX制御部18は、FAXモデム17の動作を制御する。印刷制御部19は、印刷装置20の動作を制御する。
【0030】
印刷装置20は、画像メモリ16に格納された画像データを印刷する。排紙装置21は、印刷された用紙を排出する装置である。排紙装置21は、メールBOX機能が設けられている。
【0031】
送受信制御部22は、LAN等のネットワーク32に接続されたPC30との情報を送受信する。PC30は、例えば、プリンタで出力するための印刷データを作成して送ったり、所定の機器の設定を行ったりする。撮像装置23は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)あるいはCMOSイメージセンサーを利用したディジタルカメラ(DSCと表記)であり、PC30に内蔵又は外付けで設置されている。
【0032】
フラッシュメモリ36には、例えば、後述するフローを実行するプログラム等が格納されている。なお、フラッシュメモリ36は、ROM(リードオンリーメモリ)でもよい。
制御部34は、不図示のバスを介して、MFP1内を構成するハードウェアと接続されている。制御部34は、フラッシュメモリ36に格納されている本実施形態にかかるプログラムを読み出して、実行する。
【0033】
ログ作成部38は、プリンタ、コピー、FAXに関するログの書き込みが行われる。ログ作成部38は、このログを撮像装置23,31で撮像された画像データと関連付けて、HDD12に格納する。
【0034】
なお、本実施形態では、ネットワーク形態としてLANを用いるが、これに限定されず、例えば、イントラネット、インターネット、エクストラネット等のネットワークを用いてもよい。
【0035】
MFP1は、上記の通り、原稿の読み取りを行うスキャナ機能と、FAXの送受信を行うFAX機能と、スキャナで読み取ったデータを印刷するコピー機能、PCからのデータを印刷するプリンタ機能、印刷物を排出する排紙機能を有する機器である。そして、MFP1は、これらの機能が稼動する場合にその動作の記録するログ情報をHDD12に格納することができる。また、これらの機能が稼動する場合、所定のタイミングで撮像装置23,31によりユーザの顔が撮像され、その撮像画像もそのログに関連付けられて記録されている。
【0036】
図3は、本実施形態におけるログ格納テーブル40のデータ構造の一例を示す。ログ格納テーブル40は、「レコードNo.」41、「動作時刻」42、「種別」43、「設定/操作情報」44、「JOB名/サムネイル画像アドレス」45、「顔画像アドレス」46のデータ項目から構成される。
【0037】
「レコードNo.」41には、レコードを一意に管理するためのレコードナンバーが格納される。「動作時刻」42には、MFP1が動作した日時が格納される。
「種別」43には、MFP1がどの機能が有効な場合に動作したかを判別するための動作種別が格納される。例えば、MFP1がプリンタとして機能した場合には「種別=1」が格納される。また、MFP1が、コピー機として機能した場合には「種別=2」が格納される。また、MFP1が、FAX機(FAX送信)として機能した場合には「種別=3」が格納される。また、MFP1が、排紙装置として機能した場合には「種別=4」が格納される。
【0038】
なお、「種別」43に格納される値は、コピー及びFAXの場合は、操作パネル2でコピー/FAX送信モードが選択されたときに、制御部34により生成される。また、プリンタの場合は、プリントデータをLAN等で受信して、制御部34がプリンタとして機能させる判断したときに制御部34により、「種別」43に格納される値が生成される。排紙装置として機能した場合は、後述するセンサ等で用紙の取り出しを検知した場合に、印刷制御部19により「種別」43に格納される値が生成される。
【0039】
「設定/操作情報」44には、「種別」43に応じたMFP1の設定情報や操作情報等が格納される。例えば、「種別=1」の場合には、プリンタ用の情報(ユーザ名、排紙口、・・・等)が格納される。例えば、「種別=2」の場合には、コピー用の情報(用紙サイズ、排紙口、・・・等)が格納される。例えば、「種別=3」の場合には、FAX用の送信情報(送り先等)が格納される。例えば、「種別=4」の場合には、排紙口情報が格納される。
【0040】
「JOB名/サムネイル画像アドレス」45には、JOB名やサムネイル画像データの格納先のアドレスが格納される。「顔画像アドレス」46には、撮像装置23,31等で撮像したユーザの顔画像データの格納先のアドレスが格納される。
【0041】
ログ格納テーブル40と顔画像データは、HDD12内の別の領域に格納されている。そして、ログ格納テーブル40の「顔画像アドレス」46が格納されることにより関連付けられているので、各ログレコードに対応する画像データを参照することができる。なお、各レコードはログ作成部38または印刷制御部19で作成されて、ログ格納テーブル40に書き込まれる。
【0042】
次に、MFP1の“プリンタ機能を使用する場合”、“コピー機能を使用する場合”、“FAX機能を使用する場合”、“FAX受信機能、プリンタ機能、又はコピー機能により印刷された印刷用紙を取り出す場合”のログの取得について説明する。なお、これらの場合で取得されるログは、共通表示及び印刷を行うため、図3で説明したように、共通のログの書き込みフォーマットを採用している。
【0043】
図4は、本実施形態におけるログ情報の書き込みフローの一例を示す。このフローは、図3のログを生成するフローである。ログ情報の書込みは、MFP1がプリンタ、コピー、FAXとして機能している場合には、ログ作成部38でログを書き込む。用紙取得時は印刷制御部19でログを書き込む。よって、図4のフローは、ログ作成部38又は印刷制御部19で実行される共通のフローとして説明する。
【0044】
まず、外部から出力指示があれば、そのときの動作時刻を「動作時刻」42に書き込む(ステップ1。以下、ステップを「S」と称する。)。例えば、プリンタの出力情報を受信すれば、ログ作成部38がそのときの日時をログ格納テーブル40に書き込む。
【0045】
次に、動作種別を判別する(S2,S3)。動作種別が「1」の場合、S11の処理を行う。動作種別が「2」の場合、S21の処理を行う。動作種別が「3」の場合、S31の処理を行う。動作種別が「4」の場合、S41の処理を行う。上述したように、動作種別の値は、コピー及びFAXの場合は、操作パネルでコピー/FAX送信モードが選択されたときに、制御部34により生成される。また、プリンタの場合は、プリントデータをLAN等で受信して、制御部34がプリンタとして機能させる判断したときに制御部34により生成される。排紙装置として機能した場合は、後述するセンサ等で用紙の取り出しを検知した場合に、印刷制御部19により生成される。
【0046】
よって、MFP1がプリンタ、コピー、FAXとして機能している場合には、制御部34でそれぞれ「動作種別=1」、「動作種別=2」、「動作種別=3」となっている。また、MFP1が排紙装置として機能した場合には、印刷制御部19で「動作種別=4」となっている。
【0047】
「動作種別=1」の場合、種別=「1」を「種別」43に書き込み(S11)、プリンタ情報を「設定/操作情報」44に書き込み(S12)、ジョブ名を「JOB名/サムネイル画像アドレス」45に書き込み(S13)、顔画像アドレスを「顔画像アドレス」46に書き込む(S50)。
【0048】
「動作種別=2」の場合、種別=「2」を「種別」43に書き込み(S21)、コピー情報を「設定/操作情報」44に書き込み(S22)、サムネイルアドレスを「JOB名/サムネイル画像アドレス」45に書き込み(S23)、顔画像アドレスを「顔画像アドレス」46に書き込む(S50)。
【0049】
「動作種別=3」の場合、種別=「3」を「種別」43に書き込み(S31)、FAX送信情報を「設定/操作情報」44に書き込み(S32)、サムネイルアドレスを「JOB名/サムネイル画像アドレス」45に書き込み(S33)、顔画像アドレスを「顔画像アドレス」46に書き込む(S50)。
【0050】
「動作種別=4」の場合、種別=「4」を「種別」43に書き込み(S41)、排紙口情報を「設定/操作情報」44に書き込み(S42)、「JOB名/サムネイル画像アドレス」45には空白を書き込み(S43)、顔画像アドレスを「顔画像アドレス」46に書き込む(S50)。
【0051】
次に、MFP1の各機能を有効にした場合のログ取得の具体例について説明する。
<MFP1をプリンタとして使用する場合のログ取得手順>
図5は、本実施形態におけるPC30から送信した印刷データをMFP1のプリンタ機能により印刷する場合のログ書き込みを説明するための図である。
【0052】
(1) PC30には顔写真を取ることのできる撮像装置31が接続されている。まず、PC30の操作者は、アプリケーション51の印刷を行う(マウスでディスプレイ上の「印刷」ボタン52をクリックする。)。例えば、Windows(登録商標)OSの場合、プリンタドライバ53が呼ばれる。このとき、そのプリンタドライバ53は、PC30に接続されている撮像装置31により操作者の顔写真を取り込む。
【0053】
次に、そのプリンタドライバ53は、その撮影した顔画像データを印刷データと対にして、LAN32を介してMFP1に送信する。具体的には、印刷データは、印刷時間、印刷ジョブ名、ユーザ名、用紙情報、排紙口等の情報を含んでいる。プリンタドライバは、この印刷データと顔画像データとをMFP1へ送信する。
【0054】
(2) MFP1の送受信制御部22は、PC30からLPR(Line PRinter daemon protocol)等で送信された印刷データと顔写真データとを受信し、メイン制御部33にその印刷データと顔写真データとを渡す。メイン制御部33において、描画制御部15は、受信データのうち印刷データを画像メモリ16に展開し、展開した画像を印刷制御部19に渡す。
【0055】
(3) 印刷制御部19は、ビデオインターフェースを介し、印刷装置20で印刷を行う。印刷された印刷物は、排紙装置21に排紙される。
(4) 上記(2)の処理時、制御部34は、所定のメモリのテンポラリ領域に「動作種別=1」を書き込む。さらに、制御部34は、本実施形態にかかるプログラムをフラッシュメモリ36から読み出してログ作成部38に図4のフローを実行させる。それにより、ログ作成部38は、その動作種別、受信した印刷情報、及び印刷結果等を含むログをレコード単位でHDD12のログ格納テーブル40に登録する。ログ情報として、例えば、動作種別、印刷した結果の印刷時間、印刷ジョブ名、受信した印刷データに付属している印刷名称等の情報や、用紙サイズ等の印刷条件、使用ユーザ名、印刷/キャンセルの可否などの状態がジョブ毎(もしくは1ページ毎)にHDD12に書き込まれると共に、顔写真データもログに関連付けられて登録される(図3、図4参照)。
【0056】
なお、MFP1が顔写真データを分析する機能を有している場合は、次のようにしてもよい。例えば、予め顔写真データを登録しておき、撮影された顔写真がその登録した顔写真に合致した場合には、その撮影された顔写真をそのままログに残さず、予め登録されている顔画像データのアドレスに置き換えてログに残すようにしてもよい。これにより、ログデータ量の低減を図ることができる。
【0057】
(5) HDD12に登録されたログ情報は、管理者等が確認する必要がある。そのため、送受信制御部22の制御により、FTP(File Transfer Protocol)等のプロトコルでPC30からHDD12のログ情報を読み込めるようにしてもよい。さらに、PC30からそのログ情報を読み込んだ後、HDD12のログ情報を削除するようにしてもよい。
【0058】
また、操作パネル2により、ログ情報の印刷指定があった場合は、メイン制御部33はHDD12からログ格納テーブル40及び顔写真情報を読み出し、そのログ情報及び顔写真情報を画像メモリ16に展開し、展開した画像を印刷制御部19に渡し、ビデオインターフェースを介し、印刷装置20で印刷を行い、排紙装置21に印刷物を排紙するようにしてもよい。
【0059】
<MFP1をコピー機として使用する場合のログ取得手順>
図6は、本実施形態におけるMFP1のコピー機能を使用する場合のログ書き込みを説明するための図である。
【0060】
(1) 操作パネル2には、操作者の顔写真を撮像できる撮像装置23が接続されている。操作者は、スキャナ13のカバーを開け、コピーしたい原稿をスキャナ13の原稿台にセットする。
【0061】
セット完了後、コピー枚数等の印刷条件を操作パネル2でセットし、コピーボタンを押す。そうすると、その原稿がスキャンされてコピーデータが生成する。このとき、撮像装置23によりその操作者の顔写真が撮像される。
【0062】
コピーデータは、ジョブ名等の識別やユーザ名の識別がない。そこで、コピーした履歴として、原稿をスキャンしたデータをサムネイルデータに変換する(ログデータの小容量化)。そして、スキャナ制御部14は、そのコピーデータと、そのサムネイルデータと、その撮影された顔画像データと、操作パネル2で設定したコピー条件データ(コピー枚数、拡大/縮小率、用紙サイズ、排紙口等)とをメイン制御部33に渡す。
【0063】
(2) メイン制御部33において、描画制御部15は、コピーデータを画像メモリ16に展開し、展開した画像及びコピー条件データを印刷制御部19に渡す。
(3) 印刷制御部19は、ビデオインターフェースを介し、コピーデータ、コピー条件データに基づいて、印刷装置20で印刷を行う。印刷された印刷物は、排紙装置21に排紙される。
【0064】
(4) 上記(2)の処理時、制御部34は、所定のメモリのテンポラリ領域に「動作種別=2」を書き込む。さらに、制御部34は、本実施形態にかかるプログラムをフラッシュメモリ36から読み出してログ作成部38に図4のフローを実行させる。それにより、ログ作成部38は、その動作種別、コピー条件データ、及ぶ印刷結果等を含むログをレコード単位でHDD12のログ格納テーブル40に登録する。ログとして、例えば、動作種別、印刷した結果の印刷時間、スキャンした原稿データのサムネイル、操作パネル2でセットした用紙サイズ等の印刷条件、印刷/キャンセルの操作などの状態が、セットされた原稿単位でHDD12に書き込まれると共に、顔写真データもログに関連付けられて登録される(図3、図4参照)。
【0065】
なお、MFP1が顔写真データを分析する機能を有している場合は、予め顔写真を登録しておき、その顔写真に合致するユーザであれば、顔写真をそのままログに残さず、予め登録されているデータのアドレスに置き換えて、ログデータ量の低減を図ってもよい。
【0066】
(5) HDD12に登録されたログ情報は、管理者等が確認する必要がある。そのため、送受信制御部22の制御により、FTP等のプロトコルでPC30からHDD12のログ情報を読み込めるようにしてもよい。さらに、PC30からそのログ情報を読み込んだ後、HDD12のログ情報を削除するようにしてもよい。
【0067】
また、操作パネル2により、ログ情報の印刷指定があった場合は、メイン制御部33はHDD12からログ格納テーブル40及び顔写真情報を読み出し、そのログ情報及び顔写真情報を画像メモリ16に展開し、展開した画像を印刷制御部19に渡し、ビデオインターフェースを介し、印刷装置20で印刷を行い、排紙装置21に印刷物を排紙するようにしてもよい。
【0068】
<MFP1をFAX機として使用する場合のログ取得手順>
図7は、本実施形態におけるMFP1のコピー機能を使用する場合のログ書き込みを説明するための図である。
【0069】
(1) 操作パネル2に操作者の顔写真を取ることのできる撮像装置23を接続する。操作者は、FAX機のスキャナ13のカバーを開け、FAX送信したい原稿をスキャナ13の原稿台にセットする。
【0070】
セット完了後、送り先等の送信条件を操作パネル2でセットし、送信ボタンを押す。そうすると、その原稿がスキャンされてFAXデータが生成する。このとき、撮像装置23によりその操作者の顔写真が撮像される。
【0071】
FAXデータは、ジョブ名等の識別やユーザ名の識別がない。そこで、FAXした履歴として、原稿をスキャンしたデータをサムネイルデータに変換する(ログデータの小容量化)。そして、スキャナ制御部14は、そのFAXデータと、そのサムネイルデータと、その撮影された顔画像データと、操作パネル2で設定した送り先や送信条件とをメイン制御部33に渡す。
【0072】
(2) メイン制御部33において、描画制御部15は渡されたFAXデータを画像メモリ16に展開し、展開した画像をFAX制御部18に渡す。
(3) FAX制御部19は、FAXモデム17を介し、公衆回線にてFAX送信を行う。
【0073】
(4) 上記(2)の処理時、制御部34は、所定のメモリのテンポラリ領域に「動作種別=3」を書き込む。さらに、制御部34は、本実施形態にかかるプログラムをフラッシュメモリ36から読み出してログ作成部38に図4のフローを実行させる。それにより、ログ作成部38は、その動作種別、操作パネル2で設定した送り先や送信条件、及び送信結果等を含むログをレコード単位でHDD12のログ格納テーブル40に登録する。ログとして、例えば、動作種別、送信した結果の送信時間、スキャンしたFAXデータのサムネイル、操作パネル2でセットした送り先情報、送信/キャンセルの操作などの状態が、セットされた原稿単位にHDD12に書き込まれると共に、顔写真データもログに関連付けられて登録される(図3、図4参照)。
【0074】
なお、MFP1が顔写真データを分析する機能を有している場合は、予め顔写真を登録しておき、その顔写真に合致するユーザであれば、顔写真をそのままログに残さず、予め登録されているデータのアドレスに置き換えて、ログデータ量の低減を図ってもよい。
【0075】
(5) HDD12に登録されたログ情報は、管理者等が確認する必要がある。そのため、送受信制御部22の制御により、FTP等のプロトコルでPC30からHDD12のログ情報を読み込めるようにしてもよい。さらに、PC30からそのログ情報を読み込んだ後、HDD12のログ情報を削除するようにしてもよい。
【0076】
また、操作パネル2により、ログ情報の印刷指定があった場合は、メイン制御部33はHDD12からログ格納テーブル40及び顔写真情報を読み出し、そのログ情報及び顔写真情報を画像メモリ16に展開し、展開した画像を印刷制御部19に渡し、ビデオインターフェースを介し、印刷装置20で印刷を行い、排紙装置21に印刷物を排紙するようにしてもよい。
【0077】
<MFP1のFAX受信機能、プリンタ機能、又はコピー機能により印刷された印刷用紙を取り出す場合のログ取得手順>
図8は、本実施形態におけるMFP1のFAX受信機能、プリンタ機能、又はコピー機能により印刷された印刷用紙を取り出す場合のログ書き込みを説明するための図である。
【0078】
(1)操作パネル2に操作者の顔写真を撮像できる撮像装置23が接続されている。FAX受信機能、プリンタ機能、コピー機能により印刷された印刷物は、排紙装置21に出力される。その排紙用紙を取りに来た人は、排紙装置21から、FAX受信用紙、プリンタ印刷用紙、コピー用紙を取り出す。なお、この排紙装置21が複数の排紙口を持ち、メールBOX機能を持っている場合、各FAXやプリンタ、コピーの排出先が別々の排出ロヘ排出することが可能となる。
【0079】
その排紙用紙を取りに来た人が各メールBOXから用紙を取り出した時に、排紙口の用紙有無センサ(例えば、重さセンサ、圧力センサ、光センサ等)61が用紙の取り出しを検知する。そのセンサ61による検知に基づいて、撮像装置23によりその排紙用紙を取りに来た人の顔写真が撮像される。その撮影した顔画像データは、印刷制御部19に渡される。
【0080】
なお、撮像装置23の設置位置は、操作パネル2に限定されず、例えば、排紙装置21の排紙口周辺に設置してもよい。
(2) 印刷制御部19は、所定のメモリのテンポラリ領域に「動作種別=4」を書き込む。さらに、制御部34は、本実施形態にかかるプログラムをフラッシュメモリ36から読み出してログ作成部38に図4のフローを実行させる。それにより、センサ61により検知された検知情報(渡された各メールBOXの用紙取り出し情報)と、排紙用紙取り出し者の顔画像データと、排紙口情報とを書き込み、このログレコードをHDD12のログ格納テーブル40に登録する。
【0081】
なお、MFP1が顔写真データを分析する機能を有している場合は、予め顔写真を登録しておき、その顔写真に合致するユーザであれば、顔写真をそのままログに残さず、予め登録されているデータのアドレスに置き換えて、ログデータ量の低減を図ってもよい。
【0082】
(3) HDD12に登録されたログ情報は、管理者等が確認する必要がある。そのため、送受信制御部22の制御により、FTP等のプロトコルでPC30からHDD12のログ情報を読み込めるようにしてもよい。さらに、PC30からそのログ情報を読み込んだ後、HDD12のログ情報を削除するようにしてもよい。
【0083】
また、操作パネル2により、ログ情報の印刷指定があった場合は、メイン制御部33はHDD12からログ格納テーブル40及び顔写真情報を読み出し、そのログ情報及び顔写真情報を画像メモリ16に展開し、展開した画像を印刷制御部19に渡し、ビデオインターフェースを介し、印刷装置20で印刷を行い、排紙装置21に印刷物を排紙するようにしてもよい。
【0084】
なお、上記では、印刷制御部19により「動作種別=4」の設定、ログの作成、画像データとの関連付けを行い、HDD12に登録したが、これに限定されず、メイン制御部33によりこれらの処理を行ってもよい。
【0085】
本実施形態によれば、プリンタでの印刷、コピー印刷、FAX送信、FAX受信の受け取り操作、または各印刷物を取りに来た人の操作を記録すると共に、その人の画像データも記録することができる。すなわち、特殊な操作を行わずに、操作者の必要操作(例えば、コピー開始ボタンや送信ボタン等)の操作の際に、その操作者の顔写真と、その操作種別及び原稿のデータ等を、操作時間とともにログに残すことができる。
【0086】
これにより、後で不正があった場合、管理者がそのログを見ることにより、不正者の特定が可能となる。また、不正の抑止効果となる。
また、時系列にログを書き込むようにし、排紙口にある印刷物を取りにきた人の動作まで記憶しておくことができる。これにより、時系列にログを見ることにより、出力した使用者だけでなく、用紙の回収者まで特定できる。
【0087】
なお、撮像装置の設置場所は、操作パネル、排紙口周辺、PC等に限定されず、MFPに対して出力指示を行った者が撮像できる位置(例えば、MFPの上部前面のいずれかの位置、排紙装置のいずれかの位置 等)にあればよい。また、USB等のインターフェースにより接続された撮像装置を天井に設置して、MFPに対して出力指示を行った者を撮像できるようにしてもよい。また、MFPに対して出力指示を行った者を効率よく撮像できるように、撮像装置に用いられるレンズは、魚眼レンズ、広角レンズ等でもよい。また、撮像装置により撮像される画像は、静止画でもよいし、動画像でもよい。
【0088】
本発明によれば、プリンタ機能、FAX機能、コピー機能のそれぞれ個別の機器、またはそれらの機能が組み合わされたMFP機器において、機器を使用するユーザを撮像して、ログと共にその撮像画像を保存することができる。
【0089】
例えば、プリンタを使用するPCにおいては、印刷指示と同時に、PCに付属する撮像装置で操作者の画像をその機器へ送信する。また、コピー、FAXを使用する場合は、操作パネルの開始操作と同時に、その機器に付属する撮像装置で操作者の画像を撮像する。また、排紙口においては、用紙の抜き差しを検知できるセンサにより、用紙が取り除かれた場合に撮像装置により、取得者の画像を撮像するようにしておく。
【0090】
そして、画像データと共に、動作時刻、種別ごとに必要な操作情報や画像の特定ができる情報等をログとして保存する。このログを後で調査することにより、不正を監視も行うことができる。
【0091】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本実施形態におけるMFP1の外観構成を示す。
【図2】本実施形態におけるMFP1のハードウェア構成の概要を示す。
【図3】本実施形態におけるログ格納テーブル40のデータ構造の一例を示す。
【図4】本実施形態におけるログ情報の書き込みフローの一例を示す。
【図5】本実施形態におけるPC30から送信した印刷データをMFP1のプリンタ機能により印刷する場合のログ書き込みを説明するための図である。
【図6】本実施形態におけるMFP1のコピー機能を使用する場合のログ書き込みを説明するための図である。
【図7】本実施形態におけるMFP1のコピー機能を使用する場合のログ書き込みを説明するための図である。
【図8】本実施形態におけるMFP1のFAX受信機能、プリンタ機能、又はコピー機能により印刷された印刷用紙を取り出す場合のログ書き込みを説明するための図である。
【符号の説明】
【0093】
1 MFP
2 操作パネル
3 表示部
4 LED部
5 キー部
6 給紙カセット
7 排紙トレイ
11 操作パネル制御部
12 HDD
13 スキャナ
14 スキャナ制御部
15 描画部
16 画像メモリ
17 FAXモデム
18 FAX制御部
19 印刷制御部
20 印刷装置
21 排紙装置
22 送受信制御部
23,31 撮像装置
30 PC
32 LAN
33 メイン制御部
34 制御部
36 フラッシュメモリ
37 RAM
38 ログ作成部
61 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の媒体に所定の画像の出力を行う画像形成装置において、
前記出力の指示を発する人を撮像する撮像手段と、
前記出力の指示を発する人からの指示情報を取得する指示情報取得手段と、
前記指示情報に基づいて、前記媒体に出力する対象データを取得する対象データ取得手段と、
前記指示情報取得手段により取得された前記指示情報に基づいて、前記媒体に出力を行う出力手段と、
前記指示情報及び前記出力手段により実行された結果に関する情報とのうち少なくともいずれかを含む履歴情報と、前記撮像手段により撮像された画像データと、を関連付けて格納させる格納制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記対象データ取得手段は、ネットワークを介して接続されたコンピュータであり、
前記撮像手段は、該コンピュータに付与されている電荷結合素子であり、
前記出力手段は、印刷装置である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記対象データ取得手段は、スキャナ装置であり、
前記撮像手段は、電荷結合素子であり、
前記出力装置は、印刷装置またはファックス装置である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成システムは、さらに、
前記出力手段により出力された媒体を所定の順序で排出し、かつ、排出された該媒体が回収されるのを検知する排出検知手段を備え、
前記撮像装置は、前記排出検知手段による検知結果に基づいて撮像する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記出力手段は、前記格納制御手段に格納された前記読み出された前記履歴情報及び前記画像データを出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【公開番号】特開2007−243503(P2007−243503A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−61967(P2006−61967)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】