説明

画像形成システム

【課題】連続シートを裁断したときに発生する不要シートの収容率を高めること。
【解決手段】画像形成システム160は、ロール状に巻かれたロール紙を給送するロール紙給送装置120と、ロール紙給送装置によって給送された連続シートに画像を形成する画像形成部118と、画像形成部によって画像を形成されたロール紙Sを裁断して画像形成シートSbと不要シートSaとを形成するカッター111と、カッター111によって裁断された非画像形成シートを巻き取って収容するシート収容部113とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻かれた連続シートに画像形成部によって画像を形成した後、連続シートを裁断手段によって裁断して画像形成シートにする画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カット紙であるシートに1枚ずつ画像を形成する画像形成装置における搬送トラブルの多くは、シートの束を1枚ずつに分離する分離機構や分離されたシートの先端で発生していた。
【0003】
一方、ロール状に巻かれた連続シートに画像を形成した後、その連続シートをカットして所定のサイズにした画像形成シートを成果物として得る画像形成システム(特許文献1)は、上記画像形成装置で必要としているシートの分離機構が不要である。また、この画像形成システムは、画像形成シートの数千枚に1回程度しか、連続シートの先端を搬送することがないため、上記画像形成装置で発生していたシート搬送時のトラブルの発生が少なかった。
【0004】
図7は、特許文献1の画像形成システムの概略図である。
【0005】
画像形成システム500は、連続シート給送装置514、画像形成装置515、連続シート裁断装置517及びシート積載装置518で構成されている。連続シート裁断装置517は、シート収容部520を備えている。連続シート給送装置514は、所定の幅に裁断された連続シート501をロール状に巻いたロール502を収容して、そのロール502を反時計回り方向(矢印A方向)に回転させ、連続シート501を画像形成装置515に給送する。画像形成装置515は、連続シート給送装置514から給送されてきた連続シート501に画像が形成されていることを示すマークを印刷して、感光体ドラム522によってトナー画像を順次形成する。連続シート裁断装置517は、連続シートをカッター516で裁断する。このとき、連続シート裁断装置517は、マークの有無を検知部521によって検知して、連続シートの画像を形成された部分と画像を形成されていない部分とを検知する。トナー画像を形成された部分で裁断された連続シート501は、画像形成シート501aとしてシート積載装置518のスタッカ519に順次積載される。トナー画像を形成されなかった部分で裁断された連続シート501は、不要シート501bとして、方形状の収容箱520aを有するシート収容部520へ排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−53857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来の画像形成システム500において、連続シート501は画像形成後に裁断されるため、印刷ジョブ間で白紙部分が発生する。この白紙部分として発生する不要シート501bの長さは、感光体ドラム522からカッター516までの長さであり、画像形成シートの裁断長さで設定されるシート収容部520の収容箱520aのシート搬送方向長さL(図7の左右方向の長さ)よりも長い。このため、従来の画像形成システム500は、不要シート501bを収容箱内に押し込むようにして収容することがあり、不要シートが丸まることがあった。しかも、不要シート501bは、連続シートのときロール状に巻かれているため、カールしていることが多く、収容箱内で丸まることが多かった。しかし、不要シートが丸まると、後続の不要シートは、先に収容された先行の不要シートの上に重なって収容されることがあり、従来の画像形成システム500は、不要シートの収容率が低かった。
【0008】
本発明は、連続シートの裁断されたシートの収容率を高めた画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成システムは、ロール状に巻かれた連続シートを給送する給送手段と、前記給送手段によって給送された連続シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部によって画像を形成された連続シートを裁断して画像形成シートと非画像形成シートとを形成する裁断手段と、前記裁断手段によって裁断された非画像形成シートを巻き取って収容する収容手段とを備えた、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像形成システムは、ロール状に巻かれた連続シートに画像形成した後、裁断したシートを収容手段に巻き取って収容することができる。この結果、本発明の画像形成システムは、シートの巻取り効率と収容率とを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態における画像形成システムの正面断面図である。
【図2】不要シート収容部の正面断面図である。(A)は、不要シートを収容していな図である。(B)は、不要シートを収容した状態の図である。
【図3】本発明の画像形成システムの不要シート収容部に関連する制御ブロック図である。
【図4】図1の画像形成システムの動作説明用のフローチャートである。
【図5】シート収容部を2つ備えた画像形成システムの断面正面図である。
【図6】図1の画像形成システムとはロール状のロール紙の送り出し方向が異なる画像形成システムの正面断面図である。
【図7】従来の画像形成システムの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の画像形成システムを図に基づいて説明をする。
【0013】
(画像形成システム)
図1は、本発明が適用された画像形成システムの連続シートの搬送方向に沿った断面図である。
【0014】
画像形成システム160は、電子写真方式の画像形成装置102と、画像形成装置102の上部に設けられた自動原稿送り装置101と、画像形成装置102の上流側に接続されたロール紙給送装置120とを備えている。画像形成システム160は、さらに、画像形成装置102の下流側に接続されたシート裁断装置150と、シート裁断装置150の下流側に接続されたシート積載装置100とを備えている。
【0015】
画像形成システム160は、画像形成装置102の画像形成部118によって画像を形成された連続シートとしてのロール紙Sを裁断手段としてのカッター111によって裁断して画像形成シートSbと不要シートSaとを形成するようになっている。ロール紙は、紙に限定されてない。ロール紙には、紙の代用品である樹脂製の薄いシート状のものもある。
【0016】
なお、画像形成装置102は、電子写真方式によってロール紙Sに画像を形成するようになっているが、熱転写方式、熱昇華方式によって連続シートに画像を形成しても良い。画像形成装置102は、電子写真方式に限定されるものではない。また、ロール紙給送装置120、シート裁断装置150及びシート積載装置100は、分離できるように画像形成装置102に接続されているが、一体化されていてもよい。さらに、原稿は、自動原稿送り装置101によって画像読取装置123に給送して画像読取装置123に読み取らせることなく、画像形成装置102上に直接載置して画像読取装置123に読み取らせてもよい。また、画像形成装置102は、画像読取装置123からの画像読取情報に基づいてロール紙に画像を形成することなく、外部から送信されてきた画像情報に基づいてロール紙Sに画像を形成してもよい。このため、自動原稿送り装置101と、画像読取装置123は、画像形成システム160に必ずしも設ける必要がない。
【0017】
自動原稿送り装置101の原稿台103に載置された原稿束Dは、画像読取装置123の露光部104上に搬送されて露光部104によって露光される。画像読取装置123は、露光部104によって露光された原稿Dの反射光を電気信号に変換する。画像形成装置102の画像形成部118は、画像読取装置123からの画像読取情報に基づいて感光体ドラム105上に潜像を形成し、その潜像を現像器106によって現像をしてトナー画像にする。
【0018】
ロール紙給送装置120の装置本体120A内には、ロール芯121に所定の幅の連続したロール紙(連続シート)Sが巻き付けられて形成された2つのロール122が回転自在に収容されている。ロール芯121は、ロール回転モータ124によって反時計方向(矢印E方向)に回転して、ロール紙Sを給送するようになっている。ロール紙給送装置120は、2つのロール122のロール紙Sの幅が同じであるとき、一方のロール紙Sが無くなったとき、他方のロール紙Sを給送しながら、ロール122を補充することができるので、ロール紙Sを続けて給送することができる。このため、画像形成システム160は、画像形成動作を停止することなく続けて行うことができる。
【0019】
なお、2つのロール122のロール紙Sの幅は、異なっていてもよい。この場合、必要に応じた、幅サイズのロール122を使用することができる。また、ロールは、2つに限定されない。
【0020】
給送されたロール紙Sは、インクジェット方式等による用紙長記録部116を通過するとき、作成しようとしている画像形成シート(成果物)の長さに相当する距離搬送される度に、用紙長記録部116により裁断位置を示すマークがマーキングされる。
【0021】
ロール紙Sは、用紙長記録部116によってマーキングされたマークの位置を基準にして、タイミングを合わせて画像形成部118に搬送される。
【0022】
画像形成部118では、転写・分離部107が、感光体ドラム105上のトナー画像をロール紙S上に転写する。トナー画像を転写されたロール紙Sは、搬送部108に搬送されて、定着部109に送り込まれ、1対の定着ローラ109a,109bによって加熱、加圧されて、トナー画像が定着される。
【0023】
なお、用紙長記録部116の代わりに、感光体ドラム105によって、ロール紙Sにロール紙Sの裁断位置を示すマークをマーキングしてもよい。また、用紙長記録部116や感光体ドラム105によってマークをマーキングするとき、画像の有無情報も印す。画像の有無情報は、トナー画像が形成されていることを印す場合と、トナー画像が形成されていないことを印す場合といずれであってもよいが、本実施形態では、トナー画像が形成されていることを印している。なお、その他、必要に応じて、後工程を制御するための情報等も併せて印してもよい。したがって、用紙長記録部116、感光体ドラム105は、シート裁断装置150よりロール紙Sの搬送方向の上流側に設けられて、ロール紙に画像を形成されたか否かの判別をするマークを付けるマーキング手段である。
【0024】
画像が形成されたロール紙Sは、連続したままシート裁断装置150に搬送される。シート裁断装置150の印字情報読取部110は、裁断位置情報であるマークを読み取る。カッター111は、所定のタイミングでカッター駆動モータ125によって駆動されてロール紙Sを所定サイズの長さの画像形成シートSbに裁断する。
【0025】
上記動作は、図3のフローチャートでは、S(STEP)1乃至S4に相当する。印字情報読取部110によって画像を読み取られたとき、ロール紙のその部分は、画像形成シート(成果物)に相当する部分である。また、ロール紙Sは、前述の用紙長記録部116によりマーキングされた裁断位置情報であるマークが印字情報読取部110によって読み取られた後、所定量搬送されて、カッター111によって所定のサイズに裁断される。裁断されたシートは、画像形成シートSbである。ロール紙の上記所定量搬送される距離は、印字情報読取部110からカッター111までの距離に相当し、マークの位置でカットされるようになっている。
【0026】
裁断された画像形成シートSbは、上流端が図1の矢印b方向に回転して待機している案内部材112によってシート積載装置100に案内されて、昇降自在な積載トレイ140に積載される。積載トレイ140は、画像形成シートSbが積載される積載手段であり、シートの積載高さに応じて昇降して、シート裁断装置150から送り出されるシートを受け取りやすい高さ位置に調整できるようになっている。
【0027】
以上のように画像形成システム160は、大量の画像形成用シートを供給することができる。しかも、カットシートを供給して画像形成するのではなく、画像形成後にロール紙Sを所定の長さに裁断するため、紙間をあける必要がなく、紙詰まりが発生しにくい等の利点がある。その一方で、印刷ジョブ間でロール紙の一部分に不要なロール紙が発生する。
【0028】
つまり、ロール紙の裁断は、1つのジョブの最後の画像形成シートの後端に相当する部分がカッター111に到達して裁断されることで終了するが、次のジョブが続いている場合は、最後の画像形成シートの後端に次のジョブの最初の画像形成シートが続く。しかし、次のジョブが続かない場合、ロール紙の裁断は終了する。この場合、カッター111より上流側のロール紙が白紙のままで搬送を停止される。その後、画像形成システム160は、新しいジョブの画像形成を開始するとき、前回のジョブが終了して残っているカッター111と転写・分離部107との間のロール紙の部分に、画像を形成することができず、白紙部分が不要となる。この白紙部分は裁断されて非画像形成シートとしての不要シートSaとなる。
【0029】
このようにして発生した不要シートSaは、上流端が矢印a方向に回転した案内部材112によって、図中下側(矢印B方向)に案内されて、シート収容部113に収容される。なお、案内部材112は、通常、不図示のばねによって、矢印B方向に回転付勢されている。また、案内部材112は、マーク検知手段としての印字情報読取部110の検知動作に基づいて、画像形成シートSbを積載手段としての積載トレイ140に案内し、不要シートSaをシート収容部113に案内する案内手段である。
【0030】
図2において、シート収容部113は、収容箱119と、回転体152と、巻取り軸モータ117等で構成されている。巻取り軸モータ117は排出ローラ115と回転体152を回転させるようになっている。
【0031】
収容箱119は、不要シートを受け入れて収容する内面119aが円筒状の箱である。回転体152は、収容箱内に不要シートSaを受け入れる方向に対して交差するシート幅方向に設けられた巻取り軸114と、一端が巻取り軸114に設けられて他端が収容箱119の内面119aを押圧する弾性部材151とで形成されている。
【0032】
弾性部材151は、巻取り軸114の回転方向Fと反対側に湾曲して、収容箱119に送り込まれてくる最初の不要シートSaを内面119aと弾性部材151との間に受け入れ易くしている。弾性部材151は、不要シートSaを内面119aに押し付けて引っ張りながら回転するため、ゴムや、ゴムと同等の摩擦係数を有する樹脂等で形成されている。また、弾性部材151は、全体的にしなり易い樹脂で形成されて、内面119aに接触する部分に粗面が形成されているか、或いはゴムや摩擦係数の高い樹脂を設けて形成されていてもよい。
【0033】
したがって、回転体152は、収容箱119内に設けられて、収容箱119内に受け入れられた不要シートSaを収容箱119の内面119aに押圧して回転しながら不要シートSaを収容箱119内に巻き取るようになっている。
【0034】
MPU130は、画像形成システム全体を制御するようになっている。MPU130には、画像形成システムを作動させるために制御する各種の要素が接続されているが、本発明に関連する、図3に示す要素についてのみ説明する。案内部材112を切り換える案内部材ソレノイド126、カッター111を駆動するカッター駆動モータ125、巻取り軸114を回転させる巻取り軸モータ117。ロール芯121を回転させるロール回転モータ124。さらに、ロール紙Sに印してある裁断位置を示すマークを読み取る印字情報読取部110、そして巻取り軸モータ117の回転速度を検知する回転速度検知センサ127。
【0035】
図4のフローチャートを用いて収容箱に不要シートを収容する動作を説明する。印字情報読取部110がマークに、ロール紙Sにトナー画像が形成されていることが印されていることを検知すると、MPU130は、その部分のシートが画像形成シートである(成果物である)と判断して、S1乃至S4の処理動作を行う。つまり、ロール紙Sは、カッター111で裁断されて、画像形成シートSbとなって、真っ直ぐに(矢印A方向に)シート積載装置100に搬送される。なお、マークは、ロール紙Sの画像形成シートの先端に相当する部分にマーキングされているものとする。このため、MPU130は、マークが検知されてから、画像形成シートの長さに相当する分だけ、ロール紙Sが搬送された時点でロール紙を裁断する制御をする。
【0036】
一方、マークに、ロール紙Sにトナー画像が形成されていることが印されていないとき、MPU130は、その部分のシートは不要な部分である(成果物でない)と判断して、S2乃至S4と同様にS5乃至S7のロール紙の裁断処理を行う。裁断されたロール紙は、不要シートSaとなる。
【0037】
S7の裁断をしたとき、その裁断した位置より下流側のロール紙の後端は、画像形成シートに相当するシートの後端(上流端)であり、まだ案内部材112を通過していない。このため、MPU130は、その画像形成シートの後端が案内部材112を通過するのを待って(S8)、案内部材112を駆動させる案内部材ソレノイド126を作動させて(S9)、案内部材112を回転させる。案内部材112は、上流側端の先端部が矢印b方向に回転する。
【0038】
不要シートSaは、案内部材112によってシート収容部113に案内される。MPU130は、巻取り軸モータ117を始動させて排出ローラ115と巻取り軸114とを回転させる(S10)。巻取り軸114は図2において矢印F方向に回転する。MPU130は、不要シートの後端が、案内部材112を通過した後(S11)、案内部材ソレノイド126への作動信号を停止する(S12)。案内部材112は不図示の戻しバネにより矢印b方向に回転して、次のシートをシート積載装置100に案内できる状態で待機する。
【0039】
MPU130は、排出ローラ115が不要シートSaを収容箱119に送り込むのと、巻取り軸114の回転によって回転する弾性部材151の不要シートSaの引き込みとによって、不要シートSaが収容箱119に収容されるのを所定時間待つ(S13)。所定時間経過すると、MPU130は、巻取り軸モータ117を停止させる(S14)。これによって、MPU130は、不要シートSaを収容箱119に収容する動作を終了する。
【0040】
ところで、図2に示すように巻取り軸114には、半径外側方向に延長した弾性部材151が設けられており、弾性部材151と共に回転するようになっている。しかも、弾性部材151は、回転方向の反対側に湾曲している。また、この弾性部材151の摩擦係数は、不要シートに対して大きい。
【0041】
このため、収容箱119に送り込まれた最初の不要シートSaは、収容箱の内面119aと回転している弾性部材151と間に送り込まれて、弾性部材151によって内面119aに押圧されながら引っ張られて、内面119a上を移動して収容箱に収容される。後続の不要シートは、内面119aと先に収容されている先行の不要シートの外周面との間に送り込まれ、先行の不要シートの回転に引っ張られるようにして内面上を移動して収容箱119に収容される。
【0042】
図2(B)に示すように収容箱119に収容される不要シートSaが多くなると、巻取り軸114と不要シートとの距離が短くなり、弾性部材151のたわみ量が大きくなる。すると、弾性部材151による不要シートを収容箱の内面119aに押し付ける力が強くなり、弾性部材151は、不要シートの収容量が多くなっても、収容箱に不要シートを収容することができる。なお、図2(B)は、不要シートSaが内面119aから離れているが、これは、巻取り状態を分かり易くするためであり、不要シートは、実際には、弾性部材151によって内面119aに押圧されている。
【0043】
弾性部材151が内面上を移動する速度は、排出ローラ115の不要シート搬送速度より数%速く設定されている。このため、先行の不要シートは、後続の不要シートの収容の邪魔になることがない。
【0044】
また、収容箱119に収容される不要シートが多くなるに従って、巻取り軸モータ117の負荷が大きくなり、巻取り軸モータ117の回転数が下がる。巻取り軸モータ117は、DCモータであり、巻取り回転軸の回転を検知する回転速度検知センサ127を有している。MPU130は、巻取り軸モータの回転数が所定の回転数より下がると、収容箱119が満杯であると判断して、表示パネル131に不要シートを除去することを促す表示をする。不要シートは、収容箱119を巻取り軸114に沿って引き出すとことによって、収容箱119から取り出すことができる。
【0045】
ところで、ロール紙を巻いて形成されたロール122は、ロール紙給送装置120に装備されるとき、巻き方向を、ロール紙を送り出し易いに向きにして装備されている。このため、図1において、左方向に送り出されたロール紙Sは、上に盛り上がる形状になる癖がある。そこで、ロール紙給送装置120がロール状の連続シートSを回転させる方向(矢印E方向)と、回転体152が不要シートを巻き取る回転方向(矢印F方向)とを同一にして、不要シートSaが、その癖に従って収容箱119内に収容し易くしてある。これによって、不要シートは、回転体152によって収容箱119内に、円滑に引き込まれて、密に巻かれて収容される。
【0046】
以上の構成において、定着部109の一対の定着ローラ109a,109bは、互いに接離可能になっている。このため、不要シートSaは、一対の定着ローラ109a,109bの離間によって、ロール122の巻き方向の巻き癖が抜けることなくシート収容部113に搬送されて、収容箱119に円滑に収容される。
【0047】
図5に示す画像形成システム260は、シート裁断装置250に同一構造の2つのシート収容部213,313を設けてある。シート収容部213,313を2つ設けると、一方のシート収容部に溜まった不要シートを取り出しているとき、他方のシート収容部で不要シートを収容することができて、画像形成システム260を停止させることを少なくすることができる。この結果、画像形成システム260の画像形成効率が高まる。
【0048】
図6に示す画像形成システム360は、ロール紙給送装置320でのロール322,422が時計回り方向(矢印G方向)に回転してロール紙Sを送り出すことができる向きにロール322,422が装備されている。この場合、ロール紙Sの巻き癖を利用して不要シートをシート収容部413に収容し易くするため、巻取り軸414は、時計回り方向(矢印H方向)に回転するようになっている。ロール紙Sが送り出される方向と、巻取り軸414が不要シートを巻き取る方向とが同一であるので、不要シートは、シート収容部413に円滑に収容される。
【0049】
また、印字情報読取部110は、ロール紙の汚れを検知する汚れ検知手段としての汚れ検知センサと兼用させてもよい。この場合、カッター111は、印字情報読取部110の検知動作に基づいて汚れた部分を裁断して汚れシートを形成する。案内部材112は、印字情報読取部110の検知動作に基づいて汚れシートを、不要シートを案内するシート収容部113に案内する。この結果、汚れシートは、不要シートと同様にシート収容部113に収容される。なお、汚れ検知センサを印字情報読取部110とは別にして設けてもよい。この場合には、カッター111よりロール紙の搬送方向の上流側に設ける必要がある。このように、汚れを検知できると汚れたシートを自ずと除去することができて、汚れたシートを効率よく除去することができる。
【0050】
カッターの下流側には、画像形成シートをまとめて綴じる綴じ装置、孔を空ける穿孔装置を設けて、シートを束状にして、積載トレイ140に積載してもよい。
【0051】
以上の各画像形成システムにおけるシート収容部113,213,313,413は、カッター111がロール紙を裁断することによって生じた画像形成ジョブ同士間の不要シートSaを収容する収容手段である。また、ロール紙給送装置120,320は、給送手段である。
【0052】
以上のように、画像形成システムは、ロール紙給送装置120がロール状のロール紙を回転させる方向と、シート収容部が不要シートを巻き取る回転方向とが同一方向であるので、不要シートをシート収容部に円滑に効率良く収容することができる。しかも、不要シートが長くても効率よく回収することができて、回収作業の時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0053】
E ロールの回転方向
F 回転体の回転方向
S ロール紙(連続シート)
Sa 不要シート(非画像形成シート)
Sb 画像形成シート
100 シート積載装置
101 自動原稿送り装置
102 画像形成装置
105 感光体ドラム(マーキング手段)
109 定着部
109a,109b 定着ローラ
110 印字情報読取部(マーク検知手段、汚れ検知手段)
111 カッター(裁断手段)
112 案内部材(案内手段)
113,213,313,413 シート収容部(収容手段)
114,414 巻取り軸
115 排出ローラ
116 用紙長記録部(マーキング手段)
118 画像形成部
119 収容箱
119a 収容箱の内面
120,320 ロール紙給送装置(給送手段)
121 ロール芯
122,322,422 ロール
123 画像読取装置
130 MPU
140 積載トレイ(積載手段)
150,250,350 シート裁断装置
151 弾性部材
152 回転体
160,260,360 画像形成システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に巻かれた連続シートを給送する給送手段と、
前記給送手段によって給送された連続シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって画像を形成された連続シートを裁断して画像形成シートと非画像形成シートとを形成する裁断手段と、
前記裁断手段によって裁断された非画像形成シートを巻き取って収容する収容手段とを備えた、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記収容手段は、
非画像形成シートを受け入れて収容する内面が円筒状の収容箱と、
前記収容箱の内に設けられて、前記収容箱に受け入れられた非画像形成シートを回転しながら非画像形成シートを前記収容箱の内に巻き取る回転体と、を備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記回転体は、
前記収容箱内に非画像形成シートを受け入れる方向に対して交差するシート幅方向に延びる巻取り軸と、
一端が前記巻取り軸に設けられて他端が前記収容箱の内面を押圧する弾性部材と、を備え、
前記弾性部材により前記収容箱に受け入れられた非画像形成シートを前記収容箱の内面に押圧して回転しながら非画像形成シートを前記収容箱の内に巻き取る、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記巻取り軸の回転方向と反対側に湾曲している、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記裁断手段より連続シートの搬送方向の上流側に設けられて、連続シートに画像を形成されたか否かの判別をするマークを連続シートに付けるマーキング手段と、
前記マークを検知するマーク検知手段と、
画像形成シートが積載される積載手段と、
前記マーク検知手段の検知動作に基づいて、画像形成シートを前記積載手段に案内し、非画像形成シートを前記収容手段に案内する案内手段と、を備えた、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記裁断手段より連続シートの搬送方向の上流側に設けられて、連続シートの汚れを検知する汚れ検知手段を備え、
前記裁断手段は、前記汚れ検知手段の検知動作に基づいて汚れた部分を裁断して汚れシートを形成し、
前記案内手段は、前記汚れ検知手段の検知動作に基づいて汚れシートを、非画像形成シートを案内する前記収容手段と前記積載手段とのいずれかに案内する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記画像形成部によって形成された前記トナー画像を連続シートに定着する一対の定着ローラを備え、
前記一対の定着ローラは、互いに接離可能になっている、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
非画像形成シートは、前記裁断手段が連続シートを裁断することによって生じた画像形成ジョブ同士間の不要シートである、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−188586(P2010−188586A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34419(P2009−34419)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】