画像形成システム
【課題】画像形成装置の連続印刷速度に応じた後処理を実施する。
【解決手段】画像形成システム1000の画像形成装置制御部100は、実行するジョブの出力部数が複数部であり、かつ、当該ジョブに対応する後処理が可能な後処理装置が搬送ユニット装置6に複数台接続されている場合に、各用紙の後処理を施すべき後処理装置を予め定められた方法に基づいて判断する。搬送ユニット装置6は、受信したこの判断結果に基づいて所定の後処理装置に排紙するように排出部切換板67を切り換える。
【解決手段】画像形成システム1000の画像形成装置制御部100は、実行するジョブの出力部数が複数部であり、かつ、当該ジョブに対応する後処理が可能な後処理装置が搬送ユニット装置6に複数台接続されている場合に、各用紙の後処理を施すべき後処理装置を予め定められた方法に基づいて判断する。搬送ユニット装置6は、受信したこの判断結果に基づいて所定の後処理装置に排紙するように排出部切換板67を切り換える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置の連続印刷速度が高速化している。この高速化に伴い、後処理装置におけるステイプル処理や綴じ処理等の各種後処理も高速化する必要がある。画像形成装置の連続印刷速度に対応する後処理を行うためには、ユーザは、高機能な後処理装置を接続させなければならない。例えば、連続印刷速度が40ppmの画像形成装置を使用していたユーザが、連続印刷速度が120ppmの画像形成装置を新たに購入した場合、この連続印刷速度に応じた後処理速度を有する後処理装置を画像形成装置に接続させなければ、後処理が追いつかないため、生産性の向上を図ることができない。高い生産性を確保するために、一台の画像形成装置に複数台の後処理装置を直列的に連結させる画像形成システムが考案されている。
【0003】
特許文献1には、後処理を実行する機能をモジュール化し、一台の後処理装置に対して各モジュールを並列に着脱可能となるように構成し、ユーザの用途に応じて任意のモジュールへの用紙搬送路を切り換える用紙分配手段を備えた後処理装置が記載されている。
特許文献2には、2台の後処理装置を連結させて交互に後処理を実施させることにより、後処理を効率化する画像形成システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−312934号公報
【特許文献2】特開2004−205772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の後処理装置では、画像形成装置から搬送される用紙に対して、用紙分配手段により選択されているモジュールに基づいた後処理を実行することはできるが、連結されている後処理装置の処理速度が画像形成装置の連続印刷速度に対して低速であった場合には、画像形成装置の連続印刷速度に応じた後処理をすることはできず、生産性の向上を図ることができない。また、サービスコールを伴う重度な障害が後処理装置に発生した場合には、画像形成システム全体を使用することができなくなってしまい、ダウンタイムの増大に繋がる可能性がある。特許文献2に記載の画像形成システムも同様であり、2台の後処理装置に交互に後処理を実施させることはできるが、画像形成装置の連続印刷速度の高速化に応じた高い生産性を確保することはできない。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてされたものであり、その目的とするところは、複数の後処理装置を有効活用した画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置によって画像が形成された用紙に後処理を施して排紙する複数の後処理装置と、前記画像形成装置と前記後処理装置のそれぞれを接続する搬送ユニット装置と、を備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
実行するジョブの出力部数が複数部であり、かつ、当該ジョブに対応する後処理が可能な後処理装置が前記搬送ユニット装置に複数台接続されている場合に、各用紙の後処理を施すべき前記後処理装置を予め定められた方法に基づいて判断し、当該判断結果を前記搬送ユニットに対して送信させる制御部と、
を備え、
前記搬送ユニット装置は、
前記複数の後処理装置の各々を配置可能な複数の配置部と、
前記画像形成装置により画像が形成された用紙を搬送する搬送路と、
前記配置部の各々に設けられ、前記搬送路により搬送される用紙を前記配置部に配置された各後処理装置に対して排紙する複数の排出部と、
前記複数の排出部のうち、前記搬送路により搬送される用紙を排紙すべき排出部を切り換える排出部切換部と、
前記画像形成装置の制御部から受信した判断結果に基づいて用紙を排紙すべき前記排出部を判断し、当該判断した排出部に対して用紙を排紙するように前記搬出部切換部を切り換える制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記画像形成装置の制御部は、前記画像形成装置の連続印刷速度及び実行するジョブの出力部数に基づいて後処理を施すべき前記後処理装置を判断することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記画像形成装置の制御部は、前記搬送ユニット装置に接続されている後処理を施すべき複数台の後処理装置の各々に前記出力部数に対応する印刷物の後処理を均等に割り振ることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記画像形成装置の制御部は、前記画像形成装置の連続印刷速度が、前記搬送ユニット装置に接続されている後処理装置の処理速度を越える場合は、印刷順が前後する用紙間における画像形成を所定時間停止させるウエイト処理を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
前記画像形成装置の制御部は、実行すべきジョブの残り印刷部数が前記搬送ユニット装置に接続されている後処理装置の台数以下である場合には、印刷順が前後する用紙間における画像形成を所定時間停止させるウエイト処理を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記画像形成装置の制御部は、前記判断結果を、画像形成すべき用紙に一意に割り当てた用紙IDに含ませて前記搬送ユニット装置に対して送信し、
前記搬送ユニット装置の制御部は、受信した用紙IDに基づいて搬出すべき前記排出部を用紙毎に判断し、当該判断した排出部に対して用紙を搬出するように前記搬出部切換部を切り換えることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記画像形成装置の制御部は、前記搬送ユニット装置に接続された複数の後処理装置のうち、前記画像形成装置に近い後処理装置から順番に後処理を施すべき前記後処理装置を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の後処理装置を有効活用した画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態における画像形成システムの全体図である。
【図2】本実施形態における画像形成システムを構成する搬送ユニット装置の概略構成を示す正面図である。
【図3】本実施形態における画像形成システムを構成する第1後処理装置を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。
【図4】本実施形態における画像形成システムを構成する第2後処理装置を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。
【図5】本実施形態における後処理装置の搬送ユニット装置への配置例を示す図である。
【図6】本実施形態における後処理装置の搬送ユニット装置への配置例を示す図である。
【図7】本実施形態における画像形成システムのブロック図である。
【図8】本実施形態における画像形成装置による処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態における搬送ユニット装置による処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態における画像形成システムによる用紙排出処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態における画像形成システムによる用紙排出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照して、本発明に係る画像形成システムの構成を説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの全体の構成を示す全体図である。
【0018】
画像形成システム1000は、画像形成装置1と、給紙ユニット5と、搬送ユニット装置6と、第1後処理装置3と、第2後処理装置4と、を備えて構成される。なお、詳細は後述するが、搬送ユニット装置6には任意のタイプの後処理装置が複数台数接続されてよく、図1の例に限られない。
【0019】
画像形成装置1は、用紙に画像を形成する装置であり、図1に示すように、操作部12と、給紙トレイ13aと、画像形成部15と、搬送部18等を備えて構成される。
【0020】
操作部12は、LCD(Liquid Crystal Display)や印刷開始を指示するスタート釦等の各種操作キー、LCDと一体的に形成されたタッチパネル等により構成される。操作部12は、後述する画像形成装置制御部100から入力される制御信号に従って、LCD上に各種操作ボタンや画像形成システム1000を構成する各装置の状態、各機能の動作状況などの表示を行うとともに、ユーザによる操作キーの押下操作やタッチパネルの押圧操作に応じた操作信号を画像形成装置制御部100に出力する。
また、操作部12を介して、ユーザは、各種後処理(穿孔処理、折り処理、ステイプル処理、シフト処理、くるみ製本処理等)や排出する用紙のサイズ(A4、B5等)を設定することができる。
【0021】
給紙トレイ13aは、給紙ユニット5と同様に、画像を転写(形成)するための用紙を用紙のサイズ又は紙種ごとに収納しており、後述の画像形成部15に対して用紙を供給するようになっている。
【0022】
画像形成部15は、静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラムを一様に帯電させる帯電装置と、画像データに応じてON/OFFされるレーザ光を一様に帯電された感光体表面に照射して静電潜像を形成するレーザユニットと、静電潜像をトナー像に顕像化する現像装置と、感光体表面のトナー像を搬送されてきた用紙に転写した後、用紙を感光体表面から分離させる転写分離装置と、転写後の感光体表面に残ったトナーを除去するクリーニング装置と、用紙上のトナー像を加熱加圧して固着する定着装置等により構成される。画像形成部15は、画像形成装置制御部100から入力される制御信号に従って、ジョブ単位で電子写真方式等により用紙に画像を形成する。トナーが定着された用紙は、搬送部18により搬送ユニット装置6へ搬送される。
【0023】
搬送部18は、搬送ローラや搬送ベルト、これらを駆動するモータなどにより構成される。搬送部18は、画像形成装置制御部100から入力される制御信号に従って、給紙トレイ13aや給紙ユニット5に収納されている用紙を、搬送経路に沿って搬送して搬送ユニット装置6に向けて排出する。また、搬送部18には搬送ユニット装置6への排紙完了を検知するためのセンサが備えられており、画像形成装置1から排紙が完了すると対応する信号を送信する。
【0024】
給紙ユニット5は、給紙トレイ13aと同様に、画像を形成するための用紙を用紙のサイズごとに収納する。給紙ユニット5は、画像形成部15に対して用紙を供給する。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムを構成する搬送ユニット装置の概略構成を示す正面図である。
図2に示すように、搬送ユニット装置6は、搬送路64と、用紙検知センサ73と、搬送路切換板71と、複数の排出部切換板67と、上流側搬出部70と、下流側搬出部69と、複数の配置部80等を備えて構成される。
【0026】
搬送路64は、画像形成装置1の搬送部18により排出された用紙を搬入して、下流側搬出部69又は上流側搬出部70へ向けて搬送する。なお、搬送路64の上方には開閉可能な扉(図示省略)を有しており、搬送路64による用紙搬送中に紙詰まり等が発生した場合は当該扉を開放することで容易に復旧作業を行うことが出来るようになっている。
【0027】
用紙検知センサ73は、搬送路64に用紙が搬入されてセンサの配置位置を通過するとON/OFF信号を出力する。用紙検知センサ73から出力された信号が後述する搬送ユニット装置制御部600に出力されるように構成されている。搬送ユニット装置制御部600は、この信号を受信することにより、搬送ユニット装置6に用紙が搬入されたことを検知することができる。
【0028】
搬送路切換板71は、搬送路64にて搬送される用紙が、下流側搬出部69と上流側搬出部70の何れか一方に向けて搬送されるように切換えることが出来る。
【0029】
排出部切換板67は、排出部切換部として機能し、搬送路64にて搬送される用紙が、後述の配置部80の排出部81に搬出されるように切換えることが出来る。また、排出部切換板67は配置部80ごとに備えられており、後述の搬送ユニット装置制御部600からの制御信号により、複数の排出部切換板67の中から任意に切換えを行うことが出来るように構成されている。
【0030】
上流側搬出部70は、搬送ユニット装置6の上流側に設けられ、搬送路64において搬送される用紙の中で、後処理を要しない用紙や後述の配置部80に配置される後処理装置で紙詰まり等が発生した場合の後続の用紙を搬出する。
【0031】
下流側搬出部69は、搬送ユニット装置6の下流側端部に設けられ、画像形成装置1にて画像形成され搬送路64にて搬送される用紙の中で、後述の配置部80に配置される後処理装置による後処理を施すものを搬出する。また、上流側搬出部70や配置部80に配置される後処理装置で紙詰まり等が発生した場合に、後続の用紙を搬出するための上流側搬出部70や後処理装置の排紙皿等の代替の排出口としても機能する。
【0032】
配置部80は、それぞれ搬送ユニット装置6の上流側〜下流側にわたって複数(例えば4つ)設けられ、排出部81と、搬入部82と、着脱部83と、コネクタ84と、接続検知センサ85と、を備えて構成され、搬送ユニット装置6に後処理装置が直接に(即ち、他の後処理装置を介することなく)配置されるように構成されている。なお、配置部80の数は任意であり、これに限られない。例えば、配置部80は、5つであってもよい。
【0033】
排出部81は、配置部80に配置される後処理装置の導入口(例えば、導入口30a,40a)と接続可能に構成されたゲート81aと、搬送ローラ(図示省略)等を備え、搬送路64により搬送される用紙がゲート81a及び搬送ローラを介して後処理装置に導入されるように構成されている。
【0034】
搬入部82は、配置部80に配置される後処理装置の中で、導出口を備える後処理装置の導出口(例えば、第1後処理装置3の導出口30b)と接続可能に構成されたゲート82aと、搬送ローラ(図示省略)等を備え、排出部81により後処理装置に導入され、後処理の施された用紙を再度、ゲート82a及び搬送ローラを介して搬送路64に搬入する。
【0035】
着脱部83は、ピン嵌合穴83aと、ソレノイド83b等から構成される。
【0036】
ピン嵌合穴83aは、配置部80に配置される後処理装置の装着ピン(例えば、後述の装着ピン30f,40f)と嵌合し、後処理装置を着脱自在にする。また、ピン嵌合穴83aには、上方から下方にかけてソレノイド83bのプランジャーを貫通させる貫通口(図示省略)が設けられている。
【0037】
ソレノイド83bは、電流が流れると上下方向に直線駆動するプランジャー(図示省略)を有し、上記装着ピンがピン嵌合穴83aと嵌合した状態で、装着ピンとピン嵌合穴83aの双方の貫通口を上方から下方にわたり貫通し得るように構成されている。
【0038】
コネクタ84は、電源コネクタであり、配置部80に配置される後処理装置の電源コネクタ(例えば、コネクタ30g,コネクタ40g)と接続することにより、後処理装置に電力を供給することが出来る。
【0039】
接続検知センサ85は、例えば、配置部80への後処理装置の取り付け/取り外しを光や磁気等の非接触な検知手段で検知する。
そして、後述する搬送ユニット制御部600は接続検知センサ85からの出力信号により後処理装置の接続状態を確認することができる。
【0040】
図3は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムを構成する、あるタイプの後処理装置(図1及び図2に示す第1後処理装置3、これを「タイプA」の後処理装置とする。)を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。本発明の実施の形態においては、搬送ユニット装置6に接続される後処理装置は、後処理装置が実行可能な後処理の内容毎にタイプが分類されている。例えば、平綴じが可能な後処理装置をタイプA、くるみ製本綴じが可能な後処理装置をタイプB等のように分類される。なお、後処理装置のタイプは、予め定められたルールに基づいて分類されればよく、これに限られない。例えば、後処理の内容が同じであり、処理速度が同じものを同一のタイプとして分類してもよい。後処理装置のメモリ(図示せず)には、タイプを示す情報が記憶され、画像形成装置制御部100や搬送ユニット装置制御部600は、この情報を取得して搬送ユニット装置6に接続された後処理装置のタイプを判断する。
【0041】
タイプAの後処理装置である第1後処理装置3は、図1及び図2に示すように、排紙皿31と、導入口30aと、導出口30bと、搬送路切換板30cと、ステイプル処理部32と、スタッカ33と、シフト処理部34と、車輪部30dと、紙詰まり検知センサ37と、取っ手30eと、装着ピン30fと、コネクタ30gと、を備えて構成される。第1後処理装置3は、搬送ユニット装置6より搬送される用紙に対する後処理として、ステイプル処理又はシフト処理を行い、平綴じを行うことが出来る。
【0042】
排紙皿31は、ステイプル処理又はシフト処理を施した用紙を排出する。
【0043】
導入口30aは、搬送ユニット装置6の排出部81と接続されており、排出部81より搬出される用紙を導入し、ステイプル処理部32又はシフト処理部34へと搬送する。導入口30aは、この用紙を導入し終わったことを検知するセンサが設けられており、用紙の導入、つまり、搬送ユニット装置6から第1後処理装置3に対する排紙完了を示す旨の信号を発生させる。
【0044】
導出口30bは、搬送ユニット装置6の搬入部82と接続されており、ステイプル処理部32又はシフト処理部34により、ステイプル処理又はシフト処理を施した用紙を搬送ユニット装置6の搬送路64へと搬入する。
【0045】
搬送路切換板30cは、ステイプル処理部32又はシフト処理部34より搬送された用紙が、排紙皿31又は導出口30bの何れか一方に搬送されるように搬送路を切り換える。
【0046】
ステイプル処理部32は、用紙の端部に対して、2箇所に綴じ針(ステイプル)を打針することで用紙にステイプル処理を施している。
スタッカ33は、ステイプル処理部32にてステイプル処理を施す複数枚の用紙を集積させる。
【0047】
シフト処理部34は、所定の枚数毎に用紙の排紙の位置を変えるシフト処理を行う。
【0048】
車輪部30dは、走行方向に準じて車輪を自在に旋回出来るキャスターである。
【0049】
紙詰まり検知センサ37は、用紙の搬送路に沿う複数箇所に配置され、搬送路内で用紙の紙詰まりを検知すると、その出力信号からなる紙詰まり情報を後述のシリアル通信部301を介して搬送ユニット装置制御部600に出力する。
【0050】
取っ手30eは、引き出し用の取っ手であり、第1後処理装置3を搬送ユニット装置6から取り外す際に当該取っ手30eを引き寄せる。取っ手30eは、車輪部30dがこの引き寄せる方向に旋回するため、第1後処理装置3を運搬可能とする。
【0051】
装着ピン30fは、搬送ユニット装置6のピン嵌合穴83aと嵌合し、第1後処理装置3の搬送ユニット装置6との着脱を可能にしている。また、装着ピン30fには、ピン嵌合穴83aと嵌合した状態で、上方から下方にかけてソレノイド83bのプランジャーを貫通させる貫通口(図示省略)が設けられている。
【0052】
コネクタ30gは、電源コネクタであり、搬送ユニット装置6のコネクタ84と接続して、搬送ユニット装置6より電力供給を受ける。第1後処理装置3は、後述する搬送ユニット装置制御部600からの指示によって、コネクタ30gを介して搬送ユニット装置6より電力供給を開始する。第1後処理装置3の各部に電力を供給し、後処理のスタンバイが整った際には、搬送ユニット装置制御部600に対して準備が整った旨を示す信号を送信する。
【0053】
図4は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムを構成する、あるタイプ(タイプBとする)の後処理装置を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。
タイプBの第2後処理装置4は、図1及び図2に示すように、排紙皿42と、導入口40aと、製本部41と、冊子集積部43と、移動台車46と、表紙用紙収納部48aと、紙詰まり検知センサ47と、車輪部40dと、取っ手40eと、装着ピン40fと、コネクタ40g等を備えて構成され、搬送ユニット装置6より搬送された用紙に対する後処理として、くるみ製本処理を行うことが出来る。
【0054】
排紙皿42は、タイプBの第2後処理装置4で後処理された用紙を排出することができる。
【0055】
導入口40aは、搬送ユニット装置6の排出部81と接続されており、排出部81より搬出される用紙を導入する。導入口40aは、この用紙を導入し終わったことを検知するセンサが設けられており、用紙の導入、つまり、搬送ユニット装置6からタイプBの第2後処理装置4に対する排紙完了を示す旨の信号を発生させる。
【0056】
製本部41は、用紙束に糊を塗布して、表紙用紙収納部48aより供給される表紙用紙でその用紙束をくるむことによって、冊子を作成する。
【0057】
冊子集積部43は、筐体43aと、扉49と、を含んで構成され、製本部41で作成された冊子を集積したり、その集積された冊子を移動台車46に移載したりする。
筐体43aは、冊子集積部43の筐体部分である。
扉49は、筐体43aの左面側に開閉自在に設けられている。扉49は、例えば、移動台車46を着脱する際に開かれるようになっている。
【0058】
移動台車46は、冊子集積部43の筐体43aに着脱自在に備えられており、製本されて集積された冊子を移動台車46に移載することによって、その冊子をタイプBの第2後処理装置4から取り出して運搬できるようになっている。
【0059】
表紙用紙収納部48aは、複数のサイズの表紙用紙を収納しており、製本部41にて用紙束を製本する際に所定の表紙用紙を供給している。
【0060】
車輪部40dは、走行方向に準じて車輪を自在に旋回出来るキャスターである。
【0061】
紙詰まり検知センサ47は、用紙の搬送路に沿う複数箇所に配置され、用紙の紙詰まりを検知すると、その出力信号からなる紙詰まり情報を後述のシリアル通信部401を介して搬送ユニット装置制御部600に出力する。
【0062】
取っ手40eは、引き出し用の取っ手であり、タイプBの後処理装置を搬送ユニット装置6から取り外す際に当該取っ手40eを引き寄せることで、車輪部40dが上記引き寄せる方向に旋回するため、容易にタイプBの後処理装置を運搬することができる。
【0063】
装着ピン40fは、搬送ユニット装置6のピン嵌合穴83aと嵌合し、タイプBの後処理装置の搬送ユニット装置6との着脱を可能にしている。また、装着ピン40fには、ピン嵌合穴83aと嵌合した状態で、上方から下方にかけてソレノイド83bのプランジャーを貫通させる貫通口(図示省略)が設けられている。
【0064】
コネクタ40gは、電源コネクタであり、搬送ユニット装置6のコネクタ84と接続して、搬送ユニット装置6より電力供給を受ける。タイプBの後処理装置は、後述する搬送ユニット装置制御部600からの指示(例えば、印刷指示)によって、コネクタ40gを介して搬送ユニット装置6より電力供給を開始する。タイプBの後処理装置の各部に電力を供給し、後処理のスタンバイが整った際には、搬送ユニット装置制御部600に対して準備が整った旨を示す信号を送信する。
【0065】
なお、上記においては、2つのタイプを説明したが、搬送ユニット装置6と接続可能であって後処理の内容毎にタイプが分類されていればよく、搬送ユニット装置6に接続される後処理装置は公知の様々な後処理装置を適用可能である。
【0066】
次に、搬送ユニット装置6への後処理装置の配置例について説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る後処理装置の搬送ユニット装置への配置例を示す正面図である。図5に示す例では、後処理装置のタイプを3種類(タイプAの後処理装置A、タイプBの後処理装置B、及びタイプCの後処理装置C)として説明する。
【0067】
後処理装置は、排出部81と接続可能な導入口と、ピン嵌合穴83aと嵌合可能な装着ピンを有し、コネクタ84から電源が供給され得るような構造でありさえすれば、図5に示すように、配置部80に自在に配置出来る。例えば、図5(a)に示すように、後処理装置Bの配置された配置部80と後処理装置Cの配置された配置部80の間に、後処理装置を配置しない配置部80が存在するように、離散的に後処理装置を配置することもできる。
【0068】
また、図5(b)に示すように、複数の配置部80に同一の後処理装置(例えば、2台の後処理装置C)を設けることもできる。
【0069】
また、図5(c)に示すように、一つのタイプの後処理装置(例えば、タイプC)を2台設けることもできる。
【0070】
また、図6(a)に示すように、後処理装置Bを搬送ユニット装置6の最下流側の配置部80に配置して、後処理装置B4が搬送ユニット装置6からはみ出るように配置することもできる。従って、例えば、くるみ製本処理を施す後処理装置のように、他の後処理装置(例えば、ステイプル処理や穿孔処理を施す後処理装置等)と比較してサイズの大きなものであっても、2つの配置部80に跨らせることで配置できる。
【0071】
また、図6(b)に示すように、一つのタイプの後処理装置を3台配置させることもできる。
【0072】
(画像形成システムの制御構造)
次いで、画像形成システム1000の制御構造について図7を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係る画像形成システム1000のブロック図である。
【0073】
画像形成装置1は、画像形成装置制御部100と、シリアル通信部101と、ネットワーク通信部102と、給紙部103と、記憶部150と、操作部12と、画像形成部15と、搬送部18等から構成される。なお、操作部12と、画像形成部15と、搬送部18については前述した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0074】
画像形成装置制御部100は、主にCPUやRAMを含んで構成され、画像形成装置1全体における画像読取、画像形成、印刷順が前後する用紙間における画像形成を所定時間停止して連続印刷を行わないようにするウエイト処理、用紙搬送等のシステム全体の処理や、画像形成システムの全制御を司る。
また、画像形成装置制御部100は、ユーザが操作部12を介して設定した各種後処理等の出力設定を操作部12より操作信号として受信する。画像形成装置制御部100が受信した操作信号に基づいて、画像形成を行う用紙ごとに、必要となる後処理の種別、当該用紙のサイズ等、から構成される用紙情報(後処理情報)を生成してRAMに記憶する。
【0075】
画像形成装置制御部100は、図示しないパーソナルコンピュータ等から入力されたジョブデータに基づいて印刷を開始する際には、シリアル通信部101を介して搬送ユニット装置制御部600に対して、その旨を示す信号を送信する。印刷出力が完了した際にも同様に、画像形成装置制御部100は、印刷出力完了の旨を示す信号をシリアル通信部101を介して搬送ユニット装置制御部600に対して送信する。
【0076】
また、画像形成装置制御部100は、画像形成の際に使用すべき後処理装置を判断し、判断結果を搬送ユニット装置6に対して送信する。本実施の形態においては、この判断結果を、用紙ごとに付与する用紙IDに含ませる。用紙IDは、画像形成された用紙を識別するものである。用紙IDには、後処理を施すべき後処理装置を識別する情報が含まれる。例えば、用紙IDが「1a」であれば、「1a」の「1」は、一枚目の用紙であることを示し、「1a」の「a」は、使用すべき後処理装置が最も上流の第1後処理装置3であることを示す。用紙IDが「1b」であれば、「1b」の「1」は、一枚目の用紙であることを示し、「1b」の「b」は、使用すべき後処理装置が二番目に上流の第2後処理装置4であることを示す。このように、付与された用紙IDに対応する用紙に画像形成を行うごとに、画像形成装置制御部100は、シリアル通信部101を介して搬送ユニット装置制御部600に対して送信する。搬送ユニット装置制御部600は、受信した用紙IDに基づいて、使用すべき後処理装置を判断し、開くべき/閉じるべきゲートを判断する。なお、用紙IDは、ジョブ中の印刷ページ数とこの用紙に使用する後処理装置を識別する情報が含まれていればよく、上記の例に限られず、他のデータ形式であってよい。例えば、「page1−1,FNS3」(1部目の1ページ目であって、3台目の後処理装置を使用することを示す)等のように、文字列を含む用紙IDであってもよい。
【0077】
シリアル通信部101は、搬送ユニット装置6と制御情報等の情報をシリアル通信で送受信する。シリアル通信部101は、RAMに記憶された用紙情報を画像形成を行う用紙ごとに搬送ユニット装置6に送信する。さらに、シリアル通信部101は、搬送ユニット装置6のシリアル通信部601より送信される第1後処理装置3又は第2後処理装置4の装置情報を取得することができる。
【0078】
ネットワーク通信部102は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を介してパーソナルコンピュータなどの外部機器との間で印刷データや用紙情報、印刷部数を含むジョブデータを送受信する。
【0079】
給紙部103は、前述の給紙トレイ13aや給紙ユニット5等から構成される。給紙部103は、画像形成を行う各種サイズ(例えば、A4、B5等)の用紙を必要に応じて給紙トレイ13a又は給紙ユニット5から給紙する。また、給紙部103は、用紙のサイズを検知するサイズ検知センサ(図示省略)やサイズごとに用紙の有無を検知する有無検知センサ(図示省略)を備える。これらのセンサは、検知した用紙のサイズや有無を出力信号として画像形成装置制御部100に対して出力する。
【0080】
記憶部150は、画像形成装置制御部100により実行される各種制御プログラムの他、受信したジョブデータ、各種設定情報や、プログラムによる処理の実行に必要なパラメータ、処理結果のデータ等を記憶する。
【0081】
搬送ユニット装置6は、搬送ユニット装置制御部600と、シリアル通信部601と、シリアル通信部602と、電力供給部604と、記憶部650と、配置部80と、用紙検知センサ73等から構成される。なお、配置部80と、用紙検知センサ73と、については前述した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0082】
搬送ユニット装置制御部600は、主にCPUやRAMを含んで構成され、搬送ユニット装置6における各種処理等の全制御を司る。
また、RAMは、シリアル通信部602を介して、画像形成装置1から送信される用紙情報や、後処理装置から送信される装置情報を取得して一時的に記憶している。装置情報は、搬送ユニット装置6に接続されている後処理装置を識別するための情報であり、後処理装置のタイプや処理速度等の情報が含まれる。装置情報は、排出部81と接続可能な導入口と、ピン嵌合穴83aと嵌合可能な装着ピンを有し、コネクタ84から電源が供給される後処理装置が各々搬送ユニット装置6と接続された際に、搬送ユニット装置制御部600の指示によって各後処理装置から取得される。装置情報は、図示しない後処理装置のメモリ等に記憶されている。
【0083】
搬送ユニット装置制御部600は、シリアル通信部601を介して、画像形成装置1から用紙の排紙完了を受信する。画像形成装置1においては、搬送部18から排紙されると搬送部18のセンサから搬送ユニット装置制御部600に対して排紙完了を示す旨の信号が送信される。搬送ユニット装置制御部600は、この信号を受信することにより、排紙完了を検知する。
また、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1から受信した用紙情報に基づいて排出部切換板67の切換えを制御する。シリアル通信部602を介して、第1後処理装置3及び第2後処理装置4から排紙完了を示す信号を受信する。
【0084】
シリアル通信部601、602は、それぞれ、画像形成装置1、第1後処理装置3、第2後処理装置4と制御情報や装置情報等の各種情報をシリアル通信で送受信する。
シリアル通信部601を介して、画像形成装置1より送信される用紙ID等の用紙情報を取得し、第1後処理装置3又は第2後処理装置4の装置情報を画像形成装置1に送信する。シリアル通信部602を介して、搬送ユニット装置制御部600は、第1後処理装置3又は第2後処理装置4より装置情報を取得する。
【0085】
電力供給部604は、後述する電力制御プログラム650bの実行時に配置部80に配置される各後処理装置に電力を供給する。
【0086】
記憶部650は、搬送ユニット装置制御部600により実行される各種制御プログラムの他、各種設定情報や、プログラムによる処理の実行に必要なパラメータ、処理結果のデータ等を記憶する。
【0087】
記憶部650に記憶されたプログラムにより、搬送ユニット装置制御部600に記憶された用紙情報に基づいて、搬送路切換板71や排出部切換板67を切換える制御を搬送ユニット装置制御部600に実行させる。
具体的には、搬送ユニット装置制御部600が、このプログラムを実行すると、用紙情報に含まれる用紙IDに基づいて、配置部80に配置される後処理装置の何れに用紙を搬出するかを判断する。この判断された後処理装置に対応する排出部81に用紙が搬出されるように排出部切換板67を切換える。なお、排出部切換板67を切り換える方法は、画像形成装置1から送信される、使用すべき後処理装置を識別する情報に基づいて行われればよく、これに限られない。例えば、使用すべき後処理装置を識別する情報を用紙情報とは別に送信されるようにしてもよい。
また、搬送ユニット装置制御部600は、上記用紙情報に用紙の後処理に関する情報が記載されていない場合は、搬送路切換板71を切換えて上流側搬出部70に用紙を排出させるようにしてもよい。
【0088】
また、記憶部650に記憶されたプログラムの制御により、搬送ユニット装置制御部600が、印刷開始の旨を画像形成装置1から受信したと判断すると、画像形成装置1から送信される用紙ID等に基づいてジョブにおいて使用される後処理装置を判別し、搬出先となる後処理装置に電力供給部604を介して電力を供給し、この後処理装置以外の後処理装置には電力を供給しないように制御する。
【0089】
また、記憶部650に記憶されたプログラムの制御により、搬送ユニット装置制御部600は、配置部80に配置される後処理装置の中で電力の供給されている後処理装置の取り外しを制限する制御を搬送ユニット装置制御部600に実行させるプログラムである。
具体的には、搬送ユニット装置制御部600は、電力供給部604を介して電力が供給されている後処理装置に対して、着脱部83のソレノイド83bを駆動させ、この後処理装置が配置部80から取り外せないように制限をする。
【0090】
第1後処理装置3は、第1後処理装置制御部300と、シリアル通信部301と、搬送部303と、ステイプル処理部32と、シフト処理部34と、を備えて構成される。
なお、ステイプル処理部32と、シフト処理部34と、については前述した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0091】
第1後処理装置制御部300は、主にCPUやRAMを含んで構成され、ステイプル処理部32と、シフト処理部34における後処理(ステイプル処理やシフト処理)等の制御を司る。
【0092】
シリアル通信部301は、搬送ユニット装置6と制御情報等の情報をシリアル通信で送受信する。
また、シリアル通信部301は、紙詰まり検知センサ37より出力される紙詰まり情報を搬送ユニット装置6に送信するとともに、搬送ユニット装置6からの送信要求に応じて後処理装置のタイプを識別する情報を含む装置情報を搬送ユニット装置6に送信する。
さらに、シリアル通信部301は、第1後処理装置3が可動状態にあること示す準備完了通知を搬送ユニット装置6に対して送信する。
【0093】
搬送部303は、導入口30aより搬入された用紙の搬送経路を制御する。
具体的には、搬送路切換板30cにより、排紙皿31へ搬送する経路と、導出口30bへ搬送した用紙を搬送ユニット装置6の搬送路64に戻す経路と、の切換え等を制御する。
【0094】
第2後処理装置4は、第2後処理装置制御部400と、シリアル通信部401と、搬送部403と、記憶部450と、製本部41と、冊子集積部43等を備えて構成される。
なお、製本部41と、冊子集積部43と、については前述した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0095】
第2後処理装置制御部400は、主にCPUやRAMを含んで構成され、第2後処理装置におけるくるみ製本処理等の後処理等の制御を司る。
【0096】
シリアル通信部401は、搬送ユニット装置6と制御情報等の情報をシリアル通信でやり取りする機能を果たす。
また、シリアル通信部401は、紙詰まり検知センサ47より出力される紙詰まり情報を搬送ユニット装置6に送信するとともに、搬送ユニット装置6からの送信要求に応じて後処理装置のタイプを識別する情報を含む装置情報を搬送ユニット装置6に送信する。
さらに、シリアル通信部401は、第2後処理装置4が可動状態にあること示す準備完了通知を搬送ユニット装置6に対して送信する。
【0097】
搬送部403は、導入口40aより搬入された用紙の搬送経路(例えば、排紙皿41へ搬送する経路等)を制御している。
【0098】
次に、動作について説明する。
図8に、電源が投入された際に画像形成装置1において実行される処理のフローチャートを示す。図8に示す処理は、画像形成装置制御部100と記憶部150に記憶されたプログラムとの協働により実現する。
【0099】
図8に示すように、まず、画像形成装置制御部100は、搬送ユニット装置6に対して配置部80に配置された各後処理装置に関する装置情報を要求する(ステップS101)。次いで、画像形成装置制御部100は、搬送ユニット装置6からの装置情報通知を受信したか否かを判断する(ステップS102)。
【0100】
受信したと判断しない場合(ステップS102;NO)、処理はステップS102に戻り、画像形成装置制御部100は、搬送ユニット装置6からの装置情報通知を受信したか否かを判断する。
【0101】
受信したと判断した場合(ステップS102;YES)、画像形成装置制御部100は、装置情報に基づいて、搬送ユニット装置6に接続されている各後処理装置の装置接続状態を操作部12のLCDに表示する(ステップS103)。ステップS103における表示画面は、特に図示しないが、搬送ユニット装置6に接続されている後処理装置のタイプ等の情報が含まれる。
【0102】
次いで、画像形成装置制御部100は、操作部12等から印刷指示が入力されたか否かを判断する(ステップS104)。印刷指示は、操作部12のスタート釦が押下されたり、図示しない外部装置からネットワークを介してジョブデータを受信したりすることにより入力される。この印刷指示が入力された場合には、画像形成装置制御部100は、搬送ユニット装置6に対してその旨を示す情報を送信する。
【0103】
入力されたと判断しない場合(ステップS104;NO)、処理はステップS104に戻り、画像形成装置制御部100は、操作部12等から印刷指示が入力されたか否かを判断する。
【0104】
入力されたと判断した場合(ステップS104;YES)、画像形成装置制御部100は、画像形成装置1の連続印刷速度が搬送ユニット装置6に接続されている後処理装置の連続処理速度よりも遅いか否かを判断する(ステップS105)。搬送ユニット6に接続された後処理装置の連続処理速度に関する情報は、ステップS102において受信した装置情報に含まれており、記憶部150等に記憶されている。
【0105】
遅いと判断しない場合(ステップS105;NO)、画像形成装置制御部100は、受信した後処理装置の装置情報に基づいて搬送ユニット装置6に接続されている後処理装置のタイプに同じものが複数台(N台)あるか否かを判断する(ステップS106)。例えば、図5(a)に示した接続例の場合には、搬送ユニット装置6に接続された後処理装置のタイプはA、B、Cがそれぞれ一台ずつであるので、ステップS106においては、画像形成装置制御部100は、同じものが複数台あると判断しない。図5(b)に示した接続例の場合には、搬送ユニット装置6に接続された後処理装置のタイプはAが一台、Cが二台であるので、ステップS106においては、画像形成装置制御部100は、同じものが複数台(つまりタイプCの2台)あると判断する。
【0106】
複数台あると判断した場合(ステップS106;YES)、画像形成装置制御部100は、処理する印刷部数Xの残部数がN以上であるか否かを判断する(ステップS107)。印刷部数Xは、ジョブデータに含まれており、記憶部150に記憶されている。
N以上であると判断した場合(ステップS107;YES)、画像形成装置制御部100は、ページの分配処理を決定する(ステップS108)。具体的には、画像形成装置1から搬送ユニット装置6に対して排紙した用紙を分配すべき後処理装置を、ジョブデータに含まれる印刷部数と後処理内容、画像形成装置の連続印刷速度、受信した装置情報に基づいて決定する。例えば、画像形成装置1の連続印刷速度が120ppm、同一タイプの後処理装置が2台あり、それぞれ処理速度が60ppmであって、5ページの原稿を印刷処理する場合の分配は、印刷部数に応じて以下のようになる。
【0107】
印刷部数が1部であった場合には、画像形成装置1は、一枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。二枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。三枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。四枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。五枚めの用紙の画像形成を行うと、印刷処理を終了する。
この場合には、排出先は、2台ある後処理装置のうちのどちらか一台のみであるとステップS108において決定する。
【0108】
印刷部数が2部であった場合には、画像形成装置1は、1部目の一枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の一枚目の画像形成を行う。1部目の二枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の二枚目の画像形成を行う。1部目の三枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の三枚目の画像形成を行う。1部目の四枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の四枚目の画像形成を行う。1部目の五枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の五枚目の画像形成を行うと、印刷処理を終了する。
この場合には、排出先は、2台ある後処理装置のそれぞれであるとステップS108において決定され、1部目の用紙の排出先と2部目の用紙の排出先を、決定された後処理装置のそれぞれに分配する。
【0109】
印刷部数が3部であった場合には、画像形成装置1は、1部目の一枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の一枚目の画像形成を行う。1部目の二枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の二枚目の画像形成を行う。1部目の三枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の三枚目の画像形成を行う。1部目の四枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の四枚目の画像形成を行う。1部目の五枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の五枚目の画像形成を行う。3部目の一枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。3部目の二枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。3部目の三枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。4部目の四枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。5部目の五枚めの用紙の画像形成を行うと、印刷処理を終了する。
この場合には、排出先は、2台ある後処理装置のそれぞれであるとステップS108において決定され、1部目の用紙の排出先と2部目の用紙の排出先を、決定された後処理装置のそれぞれに分配し、3部目の用紙の排出先を、2台あるうちの何れかの後処理装置とする。
【0110】
印刷部数が4部であった場合には、画像形成装置1は、1部目の一枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の一枚目の画像形成を行う。1部目の二枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の二枚目の画像形成を行う。1部目の三枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の三枚目の画像形成を行う。1部目の四枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の四枚目の画像形成を行う。1部目の五枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の五枚目の画像形成を行う。3部目の一枚目の用紙の画像形成を行った後、4部目の一枚目の画像形成を行う。3部目の二枚目の用紙の画像形成を行った後、4部目の二枚目の画像形成を行う。3部目の三枚目の用紙の画像形成を行った後、4部目の三枚目の画像形成を行う。3部目の四枚目の用紙の画像形成を行った後、4部目の四枚目の画像形成を行う。3部目の五枚目の用紙の画像形成を行った後、4部目の五枚目の画像形成を行うと、印刷処理を終了する。
この場合には、排出先は、2台ある後処理装置のそれぞれであるとステップS108において決定され、1部目の用紙の排出先と2部目の用紙の排出先を、決定された後処理装置のそれぞれに分配する。同様に、3部目の用紙の排出先と4部目の用紙の排出先を、選択された後処理装置のそれぞれに分配する。なお、ステップS108における決定処理は、同一タイプの後処理装置に均等に後処理を予め定められた方法に基づいて振り分けるようにすればよく、上記の例に限られない。例えば、後処理装置の処理速度を考慮に入れて割り振ってもよい。
【0111】
図8に戻り、画像形成装置制御部100は、ステップS108において決定された分配処理シーケンスを実行する(ステップS109)。ステップS109においては、ステップS108において決定された分配処理を搬送ユニット装置制御部600に送信する。
【0112】
画像形成装置制御部100は、RAMに記憶された印刷部数XをN減算する(ステップS110)。次いで、画像形成装置制御部100は、印刷部数Xを参照して印刷出力が完了したか否かを判断する(ステップS114)。印刷部数Xが0以下である場合には、印刷出力が完了したと判断する。
【0113】
完了したと判断しない場合(ステップS114;NO)、処理はステップS105に戻り、画像形成装置制御部100は、画像形成装置1の連続印刷速度が後処理装置の連続処理速度よりも遅いか否かを判断する。
【0114】
一方、遅いと判断した場合(ステップS105;YES)、画像形成装置制御部100は、ウエイト処理及び分配処理をしない通常印刷シーケンスを実行する(ステップS111)。ステップS111においては、具体的には、画像形成装置1は、上述したようなウエイト処理を行わずに連続して画像形成を実行し、用紙情報に含まれる後処理の内容とタイプが一致している単一の後処理装置に対して搬送ユニット装置6を介して排紙する。
【0115】
一方、複数台あると判断しない場合(ステップS106;NO)、N以上であると判断しない場合(ステップS107;NO)、画像形成装置制御部100は、分配処理をしない紙間ウエイト処理印刷シーケンスを実行する(ステップS112)。具体的には、画像形成装置1は、上述したようなウエイト処理を行いつつ用紙の画像形成を実行し、単一の後処理装置に対して搬送ユニット装置6を介して排紙する。後処理装置の処理速度が遅い場合に画像形成装置はウエイト処理を行って紙間を後処理装置の処理速度に応じた間隔を空けることができる。
次いで、画像形成装置制御部100は、印刷部数Xを1減算する(ステップS113)。
【0116】
一方、完了したと判断した場合(ステップS114;YES)、画像形成装置制御部100は、処理を終了する。
【0117】
図9に、電源が投入された際に搬送ユニット装置6において実行される処理のフローチャートを示す。図9に示す処理は、搬送ユニット装置制御部600と記憶部650に記憶されたプログラムとの協働により実現する。
【0118】
図9に示すように、まず、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1から装置情報の要求があるか否かを判断する(ステップS201)。要求があると判断しない場合(ステップS201;NO)、処理はステップS201に戻り、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1から装置情報の要求があるか否かを判断する。
【0119】
要求があると判断した場合(ステップS201;YES)、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1からの印刷指示があるか否かを判断する(ステップS202)。印刷指示があると判断しない場合(ステップS202;NO)、処理はステップS202に戻り、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1からの印刷指示があるか否かを判断する。
【0120】
印刷指示があると判断した場合(ステップS202;YES)、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1から後処理を指定された後処理装置の電源をオンにする(ステップS203)。ステップS203においては、電源オンを指示すると同時に後処理装置に対して装置情報を要求する。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、これらの指定された後処理装置が起動されて準備が整ったか否かを判断する(ステップS204)。
【0121】
準備が整ったと判断しない場合(ステップS204;NO)、処理はステップS204に戻り、搬送ユニット装置制御部600は、これらの指定された後処理装置が起動して準備が整ったか否かを判断する。
【0122】
準備が整ったと判断した場合(ステップS204;YES)、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1に対して準備完了の旨を通知する(ステップS205)。ステップS205においては、準備完了の旨と同時に装置情報が画像形成装置1に対して送信されるものとする。
次いで、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1における印刷が開始されたか否かを判断する(ステップS206)。印刷開始の際には、所定の信号が画像形成装置制御部100から搬送ユニット装置600に対して送信されているものとする。
【0123】
印刷が開始されたと判断しない場合(ステップS206;NO)、処理はステップS206に戻り、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1における印刷が開始されたか否かを判断する。
【0124】
印刷が開始されたと判断した場合(ステップS206;YES)、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1から指定された後処理装置に対するゲート81aを開く(ステップS207)。ステップS207において開くべきゲート81aは、ステップS108において画像形成装置1が決定した分配方法に対応する後処理装置のゲートである。
【0125】
次いで、搬送ユニット装置制御部600は、ステップS207においてゲート81aを開いた後処理装置に対して用紙が搬送されるように排出部切換板67を切り換えて搬送処理を実行する(ステップS208)。搬送ユニット装置制御部600は、指定された後処理装置に対する排紙を完了したか否かを判断する(ステップS209)。
【0126】
排紙を完了したと判断しない場合(ステップS209;NO)、処理はステップS209に戻り、搬送ユニット装置制御部600は、指定された後処理装置に対する排紙を完了したか否かを判断する。
【0127】
排紙を完了したと判断した場合(ステップS209;YES)、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1からの印刷指示において指定された後処理装置のゲート81aを閉じる(ステップS210)。
【0128】
搬送ユニット装置制御部600は、印刷出力が完了したか否かを判断する(ステップS211)。印刷出力が完了したと判断しない場合(ステップS211;NO)、処理はステップS207に戻り、搬送ユニット装置制御部600は、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1からの印刷指示において指定された後処理装置に対するゲート81aを開く。
【0129】
印刷出力が完了したと判断した場合(ステップS211;YES)、処理は終了する。
【0130】
次に、図8及び図9に示した処理が実行された際における、画像形成システム1000全体の処理の流れを説明する。図10に、画像形成システム1000における処理の流れを示す。なお、以下に説明する例では、配置部80に配置された後処理装置は同じタイプの後処理装置が2台(それぞれ第1後処理装置3、第2後処理装置4という)であり、実行するジョブの出力部数が2部、出力枚数が2枚であるものとする。第1後処理装置及び第2後処理装置の処理速度は共に60ppmであり、画像形成装置1の連続印刷速度は120ppmとする。この場合には、画像形成装置制御部100は、ステップS108において、1部目の一枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の一枚目の画像形成を行い、1部目の二枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の二枚目の画像形成を行うものと判断し、1部目を第1後処理装置に後処理をさせ、2部目を第2後処理装置に後処理をさせると判断する。また、画像形成装置制御部100は、1部目の1枚目の用紙に用紙ID「1a」を付与し、2部目の1枚目の用紙に用紙ID「1b」を付与する。同様に、画像形成装置制御部100は、2部目の1枚目の用紙に用紙ID「2a」を付与し、2部目の2枚目の用紙に用紙ID「2b」を付与する。
【0131】
まず、図10に示すように、画像形成装置制御部100は、ステップS101のように、搬送ユニット装置6に対して配置部80に配置された各後処理装置に関する装置情報を要求する(ステップS11)。
【0132】
搬送ユニット装置制御部600は、ステップS203のように、配置部80に配置された各後処理装置に対して接続検知センサ85により接続状態を確認し、これらの各後処理装置の電源を電力供給部604によりオンにし、シリアル通信部602を介して各後処理装置に対して装置情報を要求する(ステップS12)。
【0133】
第1後処理装置制御部300及び第2後処理装置制御部400は、シリアル通信部301及びシリアル通信部401を介して装置情報を搬送ユニット装置6に送信する(ステップS13、ステップS14)。
【0134】
搬送ユニット装置制御部600は、ステップS205のように、ステップS13及びステップS14で取得した装置情報を画像形成装置1に送信する(ステップS15)。
【0135】
画像形成装置制御部100は、搬送ユニット装置6に対して印刷開始の旨を示す信号を送信する(ステップS16)。次いで、画像形成装置制御部100は、給紙トレイ13a又は給紙ユニット5から用紙ID「1a」に対応する用紙を給紙させて画像形成を開始し、用紙IDが「1a」の用紙が給紙された旨を示す信号を搬送ユニット装置6に対して送信する(ステップS17)。
【0136】
搬送ユニット装置制御部600は、ステップS207のように、受信した用紙IDに基づいて開くべきゲート81aを判断し、用紙ID「1a」が示す第1後処理装置が配置されたゲート81aを開き、排出部切換板67を切り換える(ステップS18)。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、第1後処理装置3に対して、用紙ID「1a」の情報を送信する(ステップS19)。
【0137】
画像形成装置制御部100は、給紙トレイ13a又は給紙ユニット5から用紙ID「1b」に対応する用紙を給紙させて画像形成を開始し、用紙IDが「1b」の用紙が給紙された旨を示す信号を搬送ユニット装置6に対して送信する(ステップS20)。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、第2後処理装置4に対して、用紙ID「1b」の情報を送信する(ステップS21)。
【0138】
画像形成装置制御部100は、用紙IDが「1a」の用紙が搬送ユニット6に対して排紙された旨の信号を搬送ユニット6に対して送信する(ステップS22)。搬送ユニット装置制御部600は、用紙ID「1a」の用紙の排紙を示す旨の信号を、第1後処理装置3に対して送信する(ステップS23)。
【0139】
第1後処理制御部300は、導入口30aに備えられたセンサにより、用紙IDが「1a」の排紙完了を搬送ユニット6に対して通知する(ステップS24)。搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1に対して用紙IDが「1a」の用紙の排紙完了を通知する(ステップS25)。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、用紙IDが「1a」の用紙の次に排紙される用紙の用紙ID(つまり、用紙IDが「1b」)に基づいて開くべきゲート81aを判断し、第1後処理装置3に対応するゲート81aを閉じ、第2後処理装置4に対応するゲート81aを開き、排出部切換板67を切り換える(ステップS26)。
【0140】
処理は図11に移行し、画像形成装置制御部100は、用紙IDが「1b」の用紙が搬送ユニット6に対して排紙された旨の信号を搬送ユニット6に対して送信する(ステップS27)。搬送ユニット装置制御部600は、用紙ID「1b」の用紙の排紙を示す旨の信号を、第2後処理装置4に対して送信する(ステップS28)。
【0141】
第2後処理制御部400は、用紙IDが「1b」の排紙完了を搬送ユニット6に対して通知する(ステップS29)。搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1に対して用紙IDが「1b」の用紙の排紙完了を通知する(ステップS30)。
【0142】
次いで、画像形成装置制御部100は、給紙トレイ13a又は給紙ユニット5から用紙IDを付与した用紙を給紙させて画像形成を開始し、用紙IDが「2a」の用紙が給紙された旨を示す信号を搬送ユニット装置6に対して送信する(ステップS31)。
【0143】
搬送ユニット装置制御部600は、受信した用紙IDに基づいて開くべきゲート81aを判断し、用紙ID「2a」が示す第1後処理装置3に対応するゲート81aを開き、第2後処理装置4に対応するゲートを閉じ、排出部切換板67を切り換える(ステップS32)。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、第1後処理装置3に対して、用紙ID「2a」の情報を送信する(ステップS33)。
【0144】
画像形成装置制御部100は、給紙トレイ13a又は給紙ユニット5から用紙ID「2b」に対応する用紙を給紙させて画像形成を開始し、用紙IDが「2b」の用紙が給紙された旨を示す信号を搬送ユニット装置6に対して送信する(ステップS34)。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、第2後処理装置4に対して、用紙ID「2b」の情報を送信する(ステップS35)。
【0145】
画像形成装置制御部100は、用紙IDが「2a」の用紙が搬送ユニット6に対して排紙された旨の信号を搬送ユニット6に対して送信する(ステップS36)。搬送ユニット装置制御部600は、用紙ID「2a」の用紙の排紙を示す旨の信号を、第1後処理装置3に対して送信する(ステップS37)。
【0146】
第1後処理制御部300は、用紙IDが「2a」の排紙完了を搬送ユニット6に対して通知する(ステップS38)。搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1に対して用紙IDが「2a」の用紙の排紙完了を通知する(ステップS39)。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、用紙IDが「2a」の用紙の次に排紙される用紙の用紙IDに基づいて開くべきゲート81aを判断し、第1後処理装置3に対応するゲート81aを閉じ、第2後処理装置4に対応するゲート81aを開き、排出部切換板67を切り換える(ステップS40)。
【0147】
画像形成装置制御部100は、用紙IDが「2b」の用紙が搬送ユニット6に対して排紙された旨の信号を搬送ユニット6に対して送信する(ステップS41)。搬送ユニット装置制御部600は、用紙ID「2b」の用紙の排紙を示す旨の信号を、第2後処理装置4に対して送信する(ステップS42)。
【0148】
第2後処理制御部400は、用紙IDが「2b」の排紙完了を搬送ユニット6に対して通知する(ステップS43)。搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1に対して用紙IDが「1b」の用紙の排紙完了を通知する(ステップS44)。
【0149】
以上のように、本実施の形態における画像形成システムによれば、実行するジョブが複数部であり、このジョブに対応する後処理が可能な後処理装置が搬送ユニットに複数台接続されている場合に、各用紙の後処理を施すべき後処理装置を判断する。搬送ユニット装置は、この判断された後処理装置に対して用紙を排紙するよう制御するので、画像形成装置の連続印刷速度が後処理装置の処理速度よりも速い場合であっても、後処理を分担させることができ、連続印刷の生産性を向上させることができる。また、一台の後処理装置が紙詰まり等を起こした場合においても、他の後処理装置において後処理を行うことができるので、ダウンタイムの軽減につながる。
【0150】
また、各用紙の後処理を施すべき後処理装置を出力部数と画像形成装置の連続印刷速度に基づいて判断することにより、出力部数が複数部である場合であっても後処理の振り分けを最適に行うことができる。この割り振りを後処理装置の台数に応じて均等に行うことによって、画像形成装置の連続印刷をストップさせることなく生産性を向上させることができる。
【0151】
また、画像形成装置の連続印刷速度が後処理装置の処理速度を超える場合、所定の条件においてウエイト処理を実行させることによって、状況に応じた後処理を実行することができる。ジョブの残り印刷部数が後処理装置の台数以下である場合も同様にウエイト処理を実行することができる。
【0152】
また、後処理を施すべき後処理装置を識別する情報を用紙IDに含ませることができるので、搬送ユニット装置は、用紙IDに基づいてこの用紙を排紙すべき後処理装置を判断することができる。
【0153】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な画像形成システムの一例であり、これに限定されるものではない。例えば、本実施の形態における記憶部以外のその他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、SD(Secure Digital)カードやUSB(Universal Serial Bus)メモリのようなフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータや音声データ等の各種データを、搬送波(キャリアウェーブ)に重畳させて通信回線を介して提供することも可能である。
【0154】
その他、画像形成システムの細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0155】
1000 画像形成システム
1 画像形成装置
100 画像形成装置制御部
101 シリアル通信部
150 記憶部
3 第1後処理装置
4 第2後処理装置
6 搬送ユニット装置
64 搬送路
67 排出部切換板
80 配置部
81 排出部
82 搬入部
83 着脱部
83b ソレノイド
600 搬送ユニット装置制御部
650 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置の連続印刷速度が高速化している。この高速化に伴い、後処理装置におけるステイプル処理や綴じ処理等の各種後処理も高速化する必要がある。画像形成装置の連続印刷速度に対応する後処理を行うためには、ユーザは、高機能な後処理装置を接続させなければならない。例えば、連続印刷速度が40ppmの画像形成装置を使用していたユーザが、連続印刷速度が120ppmの画像形成装置を新たに購入した場合、この連続印刷速度に応じた後処理速度を有する後処理装置を画像形成装置に接続させなければ、後処理が追いつかないため、生産性の向上を図ることができない。高い生産性を確保するために、一台の画像形成装置に複数台の後処理装置を直列的に連結させる画像形成システムが考案されている。
【0003】
特許文献1には、後処理を実行する機能をモジュール化し、一台の後処理装置に対して各モジュールを並列に着脱可能となるように構成し、ユーザの用途に応じて任意のモジュールへの用紙搬送路を切り換える用紙分配手段を備えた後処理装置が記載されている。
特許文献2には、2台の後処理装置を連結させて交互に後処理を実施させることにより、後処理を効率化する画像形成システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−312934号公報
【特許文献2】特開2004−205772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の後処理装置では、画像形成装置から搬送される用紙に対して、用紙分配手段により選択されているモジュールに基づいた後処理を実行することはできるが、連結されている後処理装置の処理速度が画像形成装置の連続印刷速度に対して低速であった場合には、画像形成装置の連続印刷速度に応じた後処理をすることはできず、生産性の向上を図ることができない。また、サービスコールを伴う重度な障害が後処理装置に発生した場合には、画像形成システム全体を使用することができなくなってしまい、ダウンタイムの増大に繋がる可能性がある。特許文献2に記載の画像形成システムも同様であり、2台の後処理装置に交互に後処理を実施させることはできるが、画像形成装置の連続印刷速度の高速化に応じた高い生産性を確保することはできない。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてされたものであり、その目的とするところは、複数の後処理装置を有効活用した画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置によって画像が形成された用紙に後処理を施して排紙する複数の後処理装置と、前記画像形成装置と前記後処理装置のそれぞれを接続する搬送ユニット装置と、を備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
実行するジョブの出力部数が複数部であり、かつ、当該ジョブに対応する後処理が可能な後処理装置が前記搬送ユニット装置に複数台接続されている場合に、各用紙の後処理を施すべき前記後処理装置を予め定められた方法に基づいて判断し、当該判断結果を前記搬送ユニットに対して送信させる制御部と、
を備え、
前記搬送ユニット装置は、
前記複数の後処理装置の各々を配置可能な複数の配置部と、
前記画像形成装置により画像が形成された用紙を搬送する搬送路と、
前記配置部の各々に設けられ、前記搬送路により搬送される用紙を前記配置部に配置された各後処理装置に対して排紙する複数の排出部と、
前記複数の排出部のうち、前記搬送路により搬送される用紙を排紙すべき排出部を切り換える排出部切換部と、
前記画像形成装置の制御部から受信した判断結果に基づいて用紙を排紙すべき前記排出部を判断し、当該判断した排出部に対して用紙を排紙するように前記搬出部切換部を切り換える制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記画像形成装置の制御部は、前記画像形成装置の連続印刷速度及び実行するジョブの出力部数に基づいて後処理を施すべき前記後処理装置を判断することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記画像形成装置の制御部は、前記搬送ユニット装置に接続されている後処理を施すべき複数台の後処理装置の各々に前記出力部数に対応する印刷物の後処理を均等に割り振ることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記画像形成装置の制御部は、前記画像形成装置の連続印刷速度が、前記搬送ユニット装置に接続されている後処理装置の処理速度を越える場合は、印刷順が前後する用紙間における画像形成を所定時間停止させるウエイト処理を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
前記画像形成装置の制御部は、実行すべきジョブの残り印刷部数が前記搬送ユニット装置に接続されている後処理装置の台数以下である場合には、印刷順が前後する用紙間における画像形成を所定時間停止させるウエイト処理を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記画像形成装置の制御部は、前記判断結果を、画像形成すべき用紙に一意に割り当てた用紙IDに含ませて前記搬送ユニット装置に対して送信し、
前記搬送ユニット装置の制御部は、受信した用紙IDに基づいて搬出すべき前記排出部を用紙毎に判断し、当該判断した排出部に対して用紙を搬出するように前記搬出部切換部を切り換えることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記画像形成装置の制御部は、前記搬送ユニット装置に接続された複数の後処理装置のうち、前記画像形成装置に近い後処理装置から順番に後処理を施すべき前記後処理装置を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の後処理装置を有効活用した画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態における画像形成システムの全体図である。
【図2】本実施形態における画像形成システムを構成する搬送ユニット装置の概略構成を示す正面図である。
【図3】本実施形態における画像形成システムを構成する第1後処理装置を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。
【図4】本実施形態における画像形成システムを構成する第2後処理装置を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。
【図5】本実施形態における後処理装置の搬送ユニット装置への配置例を示す図である。
【図6】本実施形態における後処理装置の搬送ユニット装置への配置例を示す図である。
【図7】本実施形態における画像形成システムのブロック図である。
【図8】本実施形態における画像形成装置による処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態における搬送ユニット装置による処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態における画像形成システムによる用紙排出処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態における画像形成システムによる用紙排出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照して、本発明に係る画像形成システムの構成を説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの全体の構成を示す全体図である。
【0018】
画像形成システム1000は、画像形成装置1と、給紙ユニット5と、搬送ユニット装置6と、第1後処理装置3と、第2後処理装置4と、を備えて構成される。なお、詳細は後述するが、搬送ユニット装置6には任意のタイプの後処理装置が複数台数接続されてよく、図1の例に限られない。
【0019】
画像形成装置1は、用紙に画像を形成する装置であり、図1に示すように、操作部12と、給紙トレイ13aと、画像形成部15と、搬送部18等を備えて構成される。
【0020】
操作部12は、LCD(Liquid Crystal Display)や印刷開始を指示するスタート釦等の各種操作キー、LCDと一体的に形成されたタッチパネル等により構成される。操作部12は、後述する画像形成装置制御部100から入力される制御信号に従って、LCD上に各種操作ボタンや画像形成システム1000を構成する各装置の状態、各機能の動作状況などの表示を行うとともに、ユーザによる操作キーの押下操作やタッチパネルの押圧操作に応じた操作信号を画像形成装置制御部100に出力する。
また、操作部12を介して、ユーザは、各種後処理(穿孔処理、折り処理、ステイプル処理、シフト処理、くるみ製本処理等)や排出する用紙のサイズ(A4、B5等)を設定することができる。
【0021】
給紙トレイ13aは、給紙ユニット5と同様に、画像を転写(形成)するための用紙を用紙のサイズ又は紙種ごとに収納しており、後述の画像形成部15に対して用紙を供給するようになっている。
【0022】
画像形成部15は、静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラムを一様に帯電させる帯電装置と、画像データに応じてON/OFFされるレーザ光を一様に帯電された感光体表面に照射して静電潜像を形成するレーザユニットと、静電潜像をトナー像に顕像化する現像装置と、感光体表面のトナー像を搬送されてきた用紙に転写した後、用紙を感光体表面から分離させる転写分離装置と、転写後の感光体表面に残ったトナーを除去するクリーニング装置と、用紙上のトナー像を加熱加圧して固着する定着装置等により構成される。画像形成部15は、画像形成装置制御部100から入力される制御信号に従って、ジョブ単位で電子写真方式等により用紙に画像を形成する。トナーが定着された用紙は、搬送部18により搬送ユニット装置6へ搬送される。
【0023】
搬送部18は、搬送ローラや搬送ベルト、これらを駆動するモータなどにより構成される。搬送部18は、画像形成装置制御部100から入力される制御信号に従って、給紙トレイ13aや給紙ユニット5に収納されている用紙を、搬送経路に沿って搬送して搬送ユニット装置6に向けて排出する。また、搬送部18には搬送ユニット装置6への排紙完了を検知するためのセンサが備えられており、画像形成装置1から排紙が完了すると対応する信号を送信する。
【0024】
給紙ユニット5は、給紙トレイ13aと同様に、画像を形成するための用紙を用紙のサイズごとに収納する。給紙ユニット5は、画像形成部15に対して用紙を供給する。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムを構成する搬送ユニット装置の概略構成を示す正面図である。
図2に示すように、搬送ユニット装置6は、搬送路64と、用紙検知センサ73と、搬送路切換板71と、複数の排出部切換板67と、上流側搬出部70と、下流側搬出部69と、複数の配置部80等を備えて構成される。
【0026】
搬送路64は、画像形成装置1の搬送部18により排出された用紙を搬入して、下流側搬出部69又は上流側搬出部70へ向けて搬送する。なお、搬送路64の上方には開閉可能な扉(図示省略)を有しており、搬送路64による用紙搬送中に紙詰まり等が発生した場合は当該扉を開放することで容易に復旧作業を行うことが出来るようになっている。
【0027】
用紙検知センサ73は、搬送路64に用紙が搬入されてセンサの配置位置を通過するとON/OFF信号を出力する。用紙検知センサ73から出力された信号が後述する搬送ユニット装置制御部600に出力されるように構成されている。搬送ユニット装置制御部600は、この信号を受信することにより、搬送ユニット装置6に用紙が搬入されたことを検知することができる。
【0028】
搬送路切換板71は、搬送路64にて搬送される用紙が、下流側搬出部69と上流側搬出部70の何れか一方に向けて搬送されるように切換えることが出来る。
【0029】
排出部切換板67は、排出部切換部として機能し、搬送路64にて搬送される用紙が、後述の配置部80の排出部81に搬出されるように切換えることが出来る。また、排出部切換板67は配置部80ごとに備えられており、後述の搬送ユニット装置制御部600からの制御信号により、複数の排出部切換板67の中から任意に切換えを行うことが出来るように構成されている。
【0030】
上流側搬出部70は、搬送ユニット装置6の上流側に設けられ、搬送路64において搬送される用紙の中で、後処理を要しない用紙や後述の配置部80に配置される後処理装置で紙詰まり等が発生した場合の後続の用紙を搬出する。
【0031】
下流側搬出部69は、搬送ユニット装置6の下流側端部に設けられ、画像形成装置1にて画像形成され搬送路64にて搬送される用紙の中で、後述の配置部80に配置される後処理装置による後処理を施すものを搬出する。また、上流側搬出部70や配置部80に配置される後処理装置で紙詰まり等が発生した場合に、後続の用紙を搬出するための上流側搬出部70や後処理装置の排紙皿等の代替の排出口としても機能する。
【0032】
配置部80は、それぞれ搬送ユニット装置6の上流側〜下流側にわたって複数(例えば4つ)設けられ、排出部81と、搬入部82と、着脱部83と、コネクタ84と、接続検知センサ85と、を備えて構成され、搬送ユニット装置6に後処理装置が直接に(即ち、他の後処理装置を介することなく)配置されるように構成されている。なお、配置部80の数は任意であり、これに限られない。例えば、配置部80は、5つであってもよい。
【0033】
排出部81は、配置部80に配置される後処理装置の導入口(例えば、導入口30a,40a)と接続可能に構成されたゲート81aと、搬送ローラ(図示省略)等を備え、搬送路64により搬送される用紙がゲート81a及び搬送ローラを介して後処理装置に導入されるように構成されている。
【0034】
搬入部82は、配置部80に配置される後処理装置の中で、導出口を備える後処理装置の導出口(例えば、第1後処理装置3の導出口30b)と接続可能に構成されたゲート82aと、搬送ローラ(図示省略)等を備え、排出部81により後処理装置に導入され、後処理の施された用紙を再度、ゲート82a及び搬送ローラを介して搬送路64に搬入する。
【0035】
着脱部83は、ピン嵌合穴83aと、ソレノイド83b等から構成される。
【0036】
ピン嵌合穴83aは、配置部80に配置される後処理装置の装着ピン(例えば、後述の装着ピン30f,40f)と嵌合し、後処理装置を着脱自在にする。また、ピン嵌合穴83aには、上方から下方にかけてソレノイド83bのプランジャーを貫通させる貫通口(図示省略)が設けられている。
【0037】
ソレノイド83bは、電流が流れると上下方向に直線駆動するプランジャー(図示省略)を有し、上記装着ピンがピン嵌合穴83aと嵌合した状態で、装着ピンとピン嵌合穴83aの双方の貫通口を上方から下方にわたり貫通し得るように構成されている。
【0038】
コネクタ84は、電源コネクタであり、配置部80に配置される後処理装置の電源コネクタ(例えば、コネクタ30g,コネクタ40g)と接続することにより、後処理装置に電力を供給することが出来る。
【0039】
接続検知センサ85は、例えば、配置部80への後処理装置の取り付け/取り外しを光や磁気等の非接触な検知手段で検知する。
そして、後述する搬送ユニット制御部600は接続検知センサ85からの出力信号により後処理装置の接続状態を確認することができる。
【0040】
図3は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムを構成する、あるタイプの後処理装置(図1及び図2に示す第1後処理装置3、これを「タイプA」の後処理装置とする。)を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。本発明の実施の形態においては、搬送ユニット装置6に接続される後処理装置は、後処理装置が実行可能な後処理の内容毎にタイプが分類されている。例えば、平綴じが可能な後処理装置をタイプA、くるみ製本綴じが可能な後処理装置をタイプB等のように分類される。なお、後処理装置のタイプは、予め定められたルールに基づいて分類されればよく、これに限られない。例えば、後処理の内容が同じであり、処理速度が同じものを同一のタイプとして分類してもよい。後処理装置のメモリ(図示せず)には、タイプを示す情報が記憶され、画像形成装置制御部100や搬送ユニット装置制御部600は、この情報を取得して搬送ユニット装置6に接続された後処理装置のタイプを判断する。
【0041】
タイプAの後処理装置である第1後処理装置3は、図1及び図2に示すように、排紙皿31と、導入口30aと、導出口30bと、搬送路切換板30cと、ステイプル処理部32と、スタッカ33と、シフト処理部34と、車輪部30dと、紙詰まり検知センサ37と、取っ手30eと、装着ピン30fと、コネクタ30gと、を備えて構成される。第1後処理装置3は、搬送ユニット装置6より搬送される用紙に対する後処理として、ステイプル処理又はシフト処理を行い、平綴じを行うことが出来る。
【0042】
排紙皿31は、ステイプル処理又はシフト処理を施した用紙を排出する。
【0043】
導入口30aは、搬送ユニット装置6の排出部81と接続されており、排出部81より搬出される用紙を導入し、ステイプル処理部32又はシフト処理部34へと搬送する。導入口30aは、この用紙を導入し終わったことを検知するセンサが設けられており、用紙の導入、つまり、搬送ユニット装置6から第1後処理装置3に対する排紙完了を示す旨の信号を発生させる。
【0044】
導出口30bは、搬送ユニット装置6の搬入部82と接続されており、ステイプル処理部32又はシフト処理部34により、ステイプル処理又はシフト処理を施した用紙を搬送ユニット装置6の搬送路64へと搬入する。
【0045】
搬送路切換板30cは、ステイプル処理部32又はシフト処理部34より搬送された用紙が、排紙皿31又は導出口30bの何れか一方に搬送されるように搬送路を切り換える。
【0046】
ステイプル処理部32は、用紙の端部に対して、2箇所に綴じ針(ステイプル)を打針することで用紙にステイプル処理を施している。
スタッカ33は、ステイプル処理部32にてステイプル処理を施す複数枚の用紙を集積させる。
【0047】
シフト処理部34は、所定の枚数毎に用紙の排紙の位置を変えるシフト処理を行う。
【0048】
車輪部30dは、走行方向に準じて車輪を自在に旋回出来るキャスターである。
【0049】
紙詰まり検知センサ37は、用紙の搬送路に沿う複数箇所に配置され、搬送路内で用紙の紙詰まりを検知すると、その出力信号からなる紙詰まり情報を後述のシリアル通信部301を介して搬送ユニット装置制御部600に出力する。
【0050】
取っ手30eは、引き出し用の取っ手であり、第1後処理装置3を搬送ユニット装置6から取り外す際に当該取っ手30eを引き寄せる。取っ手30eは、車輪部30dがこの引き寄せる方向に旋回するため、第1後処理装置3を運搬可能とする。
【0051】
装着ピン30fは、搬送ユニット装置6のピン嵌合穴83aと嵌合し、第1後処理装置3の搬送ユニット装置6との着脱を可能にしている。また、装着ピン30fには、ピン嵌合穴83aと嵌合した状態で、上方から下方にかけてソレノイド83bのプランジャーを貫通させる貫通口(図示省略)が設けられている。
【0052】
コネクタ30gは、電源コネクタであり、搬送ユニット装置6のコネクタ84と接続して、搬送ユニット装置6より電力供給を受ける。第1後処理装置3は、後述する搬送ユニット装置制御部600からの指示によって、コネクタ30gを介して搬送ユニット装置6より電力供給を開始する。第1後処理装置3の各部に電力を供給し、後処理のスタンバイが整った際には、搬送ユニット装置制御部600に対して準備が整った旨を示す信号を送信する。
【0053】
図4は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムを構成する、あるタイプ(タイプBとする)の後処理装置を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。
タイプBの第2後処理装置4は、図1及び図2に示すように、排紙皿42と、導入口40aと、製本部41と、冊子集積部43と、移動台車46と、表紙用紙収納部48aと、紙詰まり検知センサ47と、車輪部40dと、取っ手40eと、装着ピン40fと、コネクタ40g等を備えて構成され、搬送ユニット装置6より搬送された用紙に対する後処理として、くるみ製本処理を行うことが出来る。
【0054】
排紙皿42は、タイプBの第2後処理装置4で後処理された用紙を排出することができる。
【0055】
導入口40aは、搬送ユニット装置6の排出部81と接続されており、排出部81より搬出される用紙を導入する。導入口40aは、この用紙を導入し終わったことを検知するセンサが設けられており、用紙の導入、つまり、搬送ユニット装置6からタイプBの第2後処理装置4に対する排紙完了を示す旨の信号を発生させる。
【0056】
製本部41は、用紙束に糊を塗布して、表紙用紙収納部48aより供給される表紙用紙でその用紙束をくるむことによって、冊子を作成する。
【0057】
冊子集積部43は、筐体43aと、扉49と、を含んで構成され、製本部41で作成された冊子を集積したり、その集積された冊子を移動台車46に移載したりする。
筐体43aは、冊子集積部43の筐体部分である。
扉49は、筐体43aの左面側に開閉自在に設けられている。扉49は、例えば、移動台車46を着脱する際に開かれるようになっている。
【0058】
移動台車46は、冊子集積部43の筐体43aに着脱自在に備えられており、製本されて集積された冊子を移動台車46に移載することによって、その冊子をタイプBの第2後処理装置4から取り出して運搬できるようになっている。
【0059】
表紙用紙収納部48aは、複数のサイズの表紙用紙を収納しており、製本部41にて用紙束を製本する際に所定の表紙用紙を供給している。
【0060】
車輪部40dは、走行方向に準じて車輪を自在に旋回出来るキャスターである。
【0061】
紙詰まり検知センサ47は、用紙の搬送路に沿う複数箇所に配置され、用紙の紙詰まりを検知すると、その出力信号からなる紙詰まり情報を後述のシリアル通信部401を介して搬送ユニット装置制御部600に出力する。
【0062】
取っ手40eは、引き出し用の取っ手であり、タイプBの後処理装置を搬送ユニット装置6から取り外す際に当該取っ手40eを引き寄せることで、車輪部40dが上記引き寄せる方向に旋回するため、容易にタイプBの後処理装置を運搬することができる。
【0063】
装着ピン40fは、搬送ユニット装置6のピン嵌合穴83aと嵌合し、タイプBの後処理装置の搬送ユニット装置6との着脱を可能にしている。また、装着ピン40fには、ピン嵌合穴83aと嵌合した状態で、上方から下方にかけてソレノイド83bのプランジャーを貫通させる貫通口(図示省略)が設けられている。
【0064】
コネクタ40gは、電源コネクタであり、搬送ユニット装置6のコネクタ84と接続して、搬送ユニット装置6より電力供給を受ける。タイプBの後処理装置は、後述する搬送ユニット装置制御部600からの指示(例えば、印刷指示)によって、コネクタ40gを介して搬送ユニット装置6より電力供給を開始する。タイプBの後処理装置の各部に電力を供給し、後処理のスタンバイが整った際には、搬送ユニット装置制御部600に対して準備が整った旨を示す信号を送信する。
【0065】
なお、上記においては、2つのタイプを説明したが、搬送ユニット装置6と接続可能であって後処理の内容毎にタイプが分類されていればよく、搬送ユニット装置6に接続される後処理装置は公知の様々な後処理装置を適用可能である。
【0066】
次に、搬送ユニット装置6への後処理装置の配置例について説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る後処理装置の搬送ユニット装置への配置例を示す正面図である。図5に示す例では、後処理装置のタイプを3種類(タイプAの後処理装置A、タイプBの後処理装置B、及びタイプCの後処理装置C)として説明する。
【0067】
後処理装置は、排出部81と接続可能な導入口と、ピン嵌合穴83aと嵌合可能な装着ピンを有し、コネクタ84から電源が供給され得るような構造でありさえすれば、図5に示すように、配置部80に自在に配置出来る。例えば、図5(a)に示すように、後処理装置Bの配置された配置部80と後処理装置Cの配置された配置部80の間に、後処理装置を配置しない配置部80が存在するように、離散的に後処理装置を配置することもできる。
【0068】
また、図5(b)に示すように、複数の配置部80に同一の後処理装置(例えば、2台の後処理装置C)を設けることもできる。
【0069】
また、図5(c)に示すように、一つのタイプの後処理装置(例えば、タイプC)を2台設けることもできる。
【0070】
また、図6(a)に示すように、後処理装置Bを搬送ユニット装置6の最下流側の配置部80に配置して、後処理装置B4が搬送ユニット装置6からはみ出るように配置することもできる。従って、例えば、くるみ製本処理を施す後処理装置のように、他の後処理装置(例えば、ステイプル処理や穿孔処理を施す後処理装置等)と比較してサイズの大きなものであっても、2つの配置部80に跨らせることで配置できる。
【0071】
また、図6(b)に示すように、一つのタイプの後処理装置を3台配置させることもできる。
【0072】
(画像形成システムの制御構造)
次いで、画像形成システム1000の制御構造について図7を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係る画像形成システム1000のブロック図である。
【0073】
画像形成装置1は、画像形成装置制御部100と、シリアル通信部101と、ネットワーク通信部102と、給紙部103と、記憶部150と、操作部12と、画像形成部15と、搬送部18等から構成される。なお、操作部12と、画像形成部15と、搬送部18については前述した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0074】
画像形成装置制御部100は、主にCPUやRAMを含んで構成され、画像形成装置1全体における画像読取、画像形成、印刷順が前後する用紙間における画像形成を所定時間停止して連続印刷を行わないようにするウエイト処理、用紙搬送等のシステム全体の処理や、画像形成システムの全制御を司る。
また、画像形成装置制御部100は、ユーザが操作部12を介して設定した各種後処理等の出力設定を操作部12より操作信号として受信する。画像形成装置制御部100が受信した操作信号に基づいて、画像形成を行う用紙ごとに、必要となる後処理の種別、当該用紙のサイズ等、から構成される用紙情報(後処理情報)を生成してRAMに記憶する。
【0075】
画像形成装置制御部100は、図示しないパーソナルコンピュータ等から入力されたジョブデータに基づいて印刷を開始する際には、シリアル通信部101を介して搬送ユニット装置制御部600に対して、その旨を示す信号を送信する。印刷出力が完了した際にも同様に、画像形成装置制御部100は、印刷出力完了の旨を示す信号をシリアル通信部101を介して搬送ユニット装置制御部600に対して送信する。
【0076】
また、画像形成装置制御部100は、画像形成の際に使用すべき後処理装置を判断し、判断結果を搬送ユニット装置6に対して送信する。本実施の形態においては、この判断結果を、用紙ごとに付与する用紙IDに含ませる。用紙IDは、画像形成された用紙を識別するものである。用紙IDには、後処理を施すべき後処理装置を識別する情報が含まれる。例えば、用紙IDが「1a」であれば、「1a」の「1」は、一枚目の用紙であることを示し、「1a」の「a」は、使用すべき後処理装置が最も上流の第1後処理装置3であることを示す。用紙IDが「1b」であれば、「1b」の「1」は、一枚目の用紙であることを示し、「1b」の「b」は、使用すべき後処理装置が二番目に上流の第2後処理装置4であることを示す。このように、付与された用紙IDに対応する用紙に画像形成を行うごとに、画像形成装置制御部100は、シリアル通信部101を介して搬送ユニット装置制御部600に対して送信する。搬送ユニット装置制御部600は、受信した用紙IDに基づいて、使用すべき後処理装置を判断し、開くべき/閉じるべきゲートを判断する。なお、用紙IDは、ジョブ中の印刷ページ数とこの用紙に使用する後処理装置を識別する情報が含まれていればよく、上記の例に限られず、他のデータ形式であってよい。例えば、「page1−1,FNS3」(1部目の1ページ目であって、3台目の後処理装置を使用することを示す)等のように、文字列を含む用紙IDであってもよい。
【0077】
シリアル通信部101は、搬送ユニット装置6と制御情報等の情報をシリアル通信で送受信する。シリアル通信部101は、RAMに記憶された用紙情報を画像形成を行う用紙ごとに搬送ユニット装置6に送信する。さらに、シリアル通信部101は、搬送ユニット装置6のシリアル通信部601より送信される第1後処理装置3又は第2後処理装置4の装置情報を取得することができる。
【0078】
ネットワーク通信部102は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を介してパーソナルコンピュータなどの外部機器との間で印刷データや用紙情報、印刷部数を含むジョブデータを送受信する。
【0079】
給紙部103は、前述の給紙トレイ13aや給紙ユニット5等から構成される。給紙部103は、画像形成を行う各種サイズ(例えば、A4、B5等)の用紙を必要に応じて給紙トレイ13a又は給紙ユニット5から給紙する。また、給紙部103は、用紙のサイズを検知するサイズ検知センサ(図示省略)やサイズごとに用紙の有無を検知する有無検知センサ(図示省略)を備える。これらのセンサは、検知した用紙のサイズや有無を出力信号として画像形成装置制御部100に対して出力する。
【0080】
記憶部150は、画像形成装置制御部100により実行される各種制御プログラムの他、受信したジョブデータ、各種設定情報や、プログラムによる処理の実行に必要なパラメータ、処理結果のデータ等を記憶する。
【0081】
搬送ユニット装置6は、搬送ユニット装置制御部600と、シリアル通信部601と、シリアル通信部602と、電力供給部604と、記憶部650と、配置部80と、用紙検知センサ73等から構成される。なお、配置部80と、用紙検知センサ73と、については前述した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0082】
搬送ユニット装置制御部600は、主にCPUやRAMを含んで構成され、搬送ユニット装置6における各種処理等の全制御を司る。
また、RAMは、シリアル通信部602を介して、画像形成装置1から送信される用紙情報や、後処理装置から送信される装置情報を取得して一時的に記憶している。装置情報は、搬送ユニット装置6に接続されている後処理装置を識別するための情報であり、後処理装置のタイプや処理速度等の情報が含まれる。装置情報は、排出部81と接続可能な導入口と、ピン嵌合穴83aと嵌合可能な装着ピンを有し、コネクタ84から電源が供給される後処理装置が各々搬送ユニット装置6と接続された際に、搬送ユニット装置制御部600の指示によって各後処理装置から取得される。装置情報は、図示しない後処理装置のメモリ等に記憶されている。
【0083】
搬送ユニット装置制御部600は、シリアル通信部601を介して、画像形成装置1から用紙の排紙完了を受信する。画像形成装置1においては、搬送部18から排紙されると搬送部18のセンサから搬送ユニット装置制御部600に対して排紙完了を示す旨の信号が送信される。搬送ユニット装置制御部600は、この信号を受信することにより、排紙完了を検知する。
また、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1から受信した用紙情報に基づいて排出部切換板67の切換えを制御する。シリアル通信部602を介して、第1後処理装置3及び第2後処理装置4から排紙完了を示す信号を受信する。
【0084】
シリアル通信部601、602は、それぞれ、画像形成装置1、第1後処理装置3、第2後処理装置4と制御情報や装置情報等の各種情報をシリアル通信で送受信する。
シリアル通信部601を介して、画像形成装置1より送信される用紙ID等の用紙情報を取得し、第1後処理装置3又は第2後処理装置4の装置情報を画像形成装置1に送信する。シリアル通信部602を介して、搬送ユニット装置制御部600は、第1後処理装置3又は第2後処理装置4より装置情報を取得する。
【0085】
電力供給部604は、後述する電力制御プログラム650bの実行時に配置部80に配置される各後処理装置に電力を供給する。
【0086】
記憶部650は、搬送ユニット装置制御部600により実行される各種制御プログラムの他、各種設定情報や、プログラムによる処理の実行に必要なパラメータ、処理結果のデータ等を記憶する。
【0087】
記憶部650に記憶されたプログラムにより、搬送ユニット装置制御部600に記憶された用紙情報に基づいて、搬送路切換板71や排出部切換板67を切換える制御を搬送ユニット装置制御部600に実行させる。
具体的には、搬送ユニット装置制御部600が、このプログラムを実行すると、用紙情報に含まれる用紙IDに基づいて、配置部80に配置される後処理装置の何れに用紙を搬出するかを判断する。この判断された後処理装置に対応する排出部81に用紙が搬出されるように排出部切換板67を切換える。なお、排出部切換板67を切り換える方法は、画像形成装置1から送信される、使用すべき後処理装置を識別する情報に基づいて行われればよく、これに限られない。例えば、使用すべき後処理装置を識別する情報を用紙情報とは別に送信されるようにしてもよい。
また、搬送ユニット装置制御部600は、上記用紙情報に用紙の後処理に関する情報が記載されていない場合は、搬送路切換板71を切換えて上流側搬出部70に用紙を排出させるようにしてもよい。
【0088】
また、記憶部650に記憶されたプログラムの制御により、搬送ユニット装置制御部600が、印刷開始の旨を画像形成装置1から受信したと判断すると、画像形成装置1から送信される用紙ID等に基づいてジョブにおいて使用される後処理装置を判別し、搬出先となる後処理装置に電力供給部604を介して電力を供給し、この後処理装置以外の後処理装置には電力を供給しないように制御する。
【0089】
また、記憶部650に記憶されたプログラムの制御により、搬送ユニット装置制御部600は、配置部80に配置される後処理装置の中で電力の供給されている後処理装置の取り外しを制限する制御を搬送ユニット装置制御部600に実行させるプログラムである。
具体的には、搬送ユニット装置制御部600は、電力供給部604を介して電力が供給されている後処理装置に対して、着脱部83のソレノイド83bを駆動させ、この後処理装置が配置部80から取り外せないように制限をする。
【0090】
第1後処理装置3は、第1後処理装置制御部300と、シリアル通信部301と、搬送部303と、ステイプル処理部32と、シフト処理部34と、を備えて構成される。
なお、ステイプル処理部32と、シフト処理部34と、については前述した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0091】
第1後処理装置制御部300は、主にCPUやRAMを含んで構成され、ステイプル処理部32と、シフト処理部34における後処理(ステイプル処理やシフト処理)等の制御を司る。
【0092】
シリアル通信部301は、搬送ユニット装置6と制御情報等の情報をシリアル通信で送受信する。
また、シリアル通信部301は、紙詰まり検知センサ37より出力される紙詰まり情報を搬送ユニット装置6に送信するとともに、搬送ユニット装置6からの送信要求に応じて後処理装置のタイプを識別する情報を含む装置情報を搬送ユニット装置6に送信する。
さらに、シリアル通信部301は、第1後処理装置3が可動状態にあること示す準備完了通知を搬送ユニット装置6に対して送信する。
【0093】
搬送部303は、導入口30aより搬入された用紙の搬送経路を制御する。
具体的には、搬送路切換板30cにより、排紙皿31へ搬送する経路と、導出口30bへ搬送した用紙を搬送ユニット装置6の搬送路64に戻す経路と、の切換え等を制御する。
【0094】
第2後処理装置4は、第2後処理装置制御部400と、シリアル通信部401と、搬送部403と、記憶部450と、製本部41と、冊子集積部43等を備えて構成される。
なお、製本部41と、冊子集積部43と、については前述した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0095】
第2後処理装置制御部400は、主にCPUやRAMを含んで構成され、第2後処理装置におけるくるみ製本処理等の後処理等の制御を司る。
【0096】
シリアル通信部401は、搬送ユニット装置6と制御情報等の情報をシリアル通信でやり取りする機能を果たす。
また、シリアル通信部401は、紙詰まり検知センサ47より出力される紙詰まり情報を搬送ユニット装置6に送信するとともに、搬送ユニット装置6からの送信要求に応じて後処理装置のタイプを識別する情報を含む装置情報を搬送ユニット装置6に送信する。
さらに、シリアル通信部401は、第2後処理装置4が可動状態にあること示す準備完了通知を搬送ユニット装置6に対して送信する。
【0097】
搬送部403は、導入口40aより搬入された用紙の搬送経路(例えば、排紙皿41へ搬送する経路等)を制御している。
【0098】
次に、動作について説明する。
図8に、電源が投入された際に画像形成装置1において実行される処理のフローチャートを示す。図8に示す処理は、画像形成装置制御部100と記憶部150に記憶されたプログラムとの協働により実現する。
【0099】
図8に示すように、まず、画像形成装置制御部100は、搬送ユニット装置6に対して配置部80に配置された各後処理装置に関する装置情報を要求する(ステップS101)。次いで、画像形成装置制御部100は、搬送ユニット装置6からの装置情報通知を受信したか否かを判断する(ステップS102)。
【0100】
受信したと判断しない場合(ステップS102;NO)、処理はステップS102に戻り、画像形成装置制御部100は、搬送ユニット装置6からの装置情報通知を受信したか否かを判断する。
【0101】
受信したと判断した場合(ステップS102;YES)、画像形成装置制御部100は、装置情報に基づいて、搬送ユニット装置6に接続されている各後処理装置の装置接続状態を操作部12のLCDに表示する(ステップS103)。ステップS103における表示画面は、特に図示しないが、搬送ユニット装置6に接続されている後処理装置のタイプ等の情報が含まれる。
【0102】
次いで、画像形成装置制御部100は、操作部12等から印刷指示が入力されたか否かを判断する(ステップS104)。印刷指示は、操作部12のスタート釦が押下されたり、図示しない外部装置からネットワークを介してジョブデータを受信したりすることにより入力される。この印刷指示が入力された場合には、画像形成装置制御部100は、搬送ユニット装置6に対してその旨を示す情報を送信する。
【0103】
入力されたと判断しない場合(ステップS104;NO)、処理はステップS104に戻り、画像形成装置制御部100は、操作部12等から印刷指示が入力されたか否かを判断する。
【0104】
入力されたと判断した場合(ステップS104;YES)、画像形成装置制御部100は、画像形成装置1の連続印刷速度が搬送ユニット装置6に接続されている後処理装置の連続処理速度よりも遅いか否かを判断する(ステップS105)。搬送ユニット6に接続された後処理装置の連続処理速度に関する情報は、ステップS102において受信した装置情報に含まれており、記憶部150等に記憶されている。
【0105】
遅いと判断しない場合(ステップS105;NO)、画像形成装置制御部100は、受信した後処理装置の装置情報に基づいて搬送ユニット装置6に接続されている後処理装置のタイプに同じものが複数台(N台)あるか否かを判断する(ステップS106)。例えば、図5(a)に示した接続例の場合には、搬送ユニット装置6に接続された後処理装置のタイプはA、B、Cがそれぞれ一台ずつであるので、ステップS106においては、画像形成装置制御部100は、同じものが複数台あると判断しない。図5(b)に示した接続例の場合には、搬送ユニット装置6に接続された後処理装置のタイプはAが一台、Cが二台であるので、ステップS106においては、画像形成装置制御部100は、同じものが複数台(つまりタイプCの2台)あると判断する。
【0106】
複数台あると判断した場合(ステップS106;YES)、画像形成装置制御部100は、処理する印刷部数Xの残部数がN以上であるか否かを判断する(ステップS107)。印刷部数Xは、ジョブデータに含まれており、記憶部150に記憶されている。
N以上であると判断した場合(ステップS107;YES)、画像形成装置制御部100は、ページの分配処理を決定する(ステップS108)。具体的には、画像形成装置1から搬送ユニット装置6に対して排紙した用紙を分配すべき後処理装置を、ジョブデータに含まれる印刷部数と後処理内容、画像形成装置の連続印刷速度、受信した装置情報に基づいて決定する。例えば、画像形成装置1の連続印刷速度が120ppm、同一タイプの後処理装置が2台あり、それぞれ処理速度が60ppmであって、5ページの原稿を印刷処理する場合の分配は、印刷部数に応じて以下のようになる。
【0107】
印刷部数が1部であった場合には、画像形成装置1は、一枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。二枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。三枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。四枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。五枚めの用紙の画像形成を行うと、印刷処理を終了する。
この場合には、排出先は、2台ある後処理装置のうちのどちらか一台のみであるとステップS108において決定する。
【0108】
印刷部数が2部であった場合には、画像形成装置1は、1部目の一枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の一枚目の画像形成を行う。1部目の二枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の二枚目の画像形成を行う。1部目の三枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の三枚目の画像形成を行う。1部目の四枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の四枚目の画像形成を行う。1部目の五枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の五枚目の画像形成を行うと、印刷処理を終了する。
この場合には、排出先は、2台ある後処理装置のそれぞれであるとステップS108において決定され、1部目の用紙の排出先と2部目の用紙の排出先を、決定された後処理装置のそれぞれに分配する。
【0109】
印刷部数が3部であった場合には、画像形成装置1は、1部目の一枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の一枚目の画像形成を行う。1部目の二枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の二枚目の画像形成を行う。1部目の三枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の三枚目の画像形成を行う。1部目の四枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の四枚目の画像形成を行う。1部目の五枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の五枚目の画像形成を行う。3部目の一枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。3部目の二枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。3部目の三枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。4部目の四枚目の用紙の画像形成を行った後、一枚分の時間(つまり、0.5秒)のウエイト処理を行う。5部目の五枚めの用紙の画像形成を行うと、印刷処理を終了する。
この場合には、排出先は、2台ある後処理装置のそれぞれであるとステップS108において決定され、1部目の用紙の排出先と2部目の用紙の排出先を、決定された後処理装置のそれぞれに分配し、3部目の用紙の排出先を、2台あるうちの何れかの後処理装置とする。
【0110】
印刷部数が4部であった場合には、画像形成装置1は、1部目の一枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の一枚目の画像形成を行う。1部目の二枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の二枚目の画像形成を行う。1部目の三枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の三枚目の画像形成を行う。1部目の四枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の四枚目の画像形成を行う。1部目の五枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の五枚目の画像形成を行う。3部目の一枚目の用紙の画像形成を行った後、4部目の一枚目の画像形成を行う。3部目の二枚目の用紙の画像形成を行った後、4部目の二枚目の画像形成を行う。3部目の三枚目の用紙の画像形成を行った後、4部目の三枚目の画像形成を行う。3部目の四枚目の用紙の画像形成を行った後、4部目の四枚目の画像形成を行う。3部目の五枚目の用紙の画像形成を行った後、4部目の五枚目の画像形成を行うと、印刷処理を終了する。
この場合には、排出先は、2台ある後処理装置のそれぞれであるとステップS108において決定され、1部目の用紙の排出先と2部目の用紙の排出先を、決定された後処理装置のそれぞれに分配する。同様に、3部目の用紙の排出先と4部目の用紙の排出先を、選択された後処理装置のそれぞれに分配する。なお、ステップS108における決定処理は、同一タイプの後処理装置に均等に後処理を予め定められた方法に基づいて振り分けるようにすればよく、上記の例に限られない。例えば、後処理装置の処理速度を考慮に入れて割り振ってもよい。
【0111】
図8に戻り、画像形成装置制御部100は、ステップS108において決定された分配処理シーケンスを実行する(ステップS109)。ステップS109においては、ステップS108において決定された分配処理を搬送ユニット装置制御部600に送信する。
【0112】
画像形成装置制御部100は、RAMに記憶された印刷部数XをN減算する(ステップS110)。次いで、画像形成装置制御部100は、印刷部数Xを参照して印刷出力が完了したか否かを判断する(ステップS114)。印刷部数Xが0以下である場合には、印刷出力が完了したと判断する。
【0113】
完了したと判断しない場合(ステップS114;NO)、処理はステップS105に戻り、画像形成装置制御部100は、画像形成装置1の連続印刷速度が後処理装置の連続処理速度よりも遅いか否かを判断する。
【0114】
一方、遅いと判断した場合(ステップS105;YES)、画像形成装置制御部100は、ウエイト処理及び分配処理をしない通常印刷シーケンスを実行する(ステップS111)。ステップS111においては、具体的には、画像形成装置1は、上述したようなウエイト処理を行わずに連続して画像形成を実行し、用紙情報に含まれる後処理の内容とタイプが一致している単一の後処理装置に対して搬送ユニット装置6を介して排紙する。
【0115】
一方、複数台あると判断しない場合(ステップS106;NO)、N以上であると判断しない場合(ステップS107;NO)、画像形成装置制御部100は、分配処理をしない紙間ウエイト処理印刷シーケンスを実行する(ステップS112)。具体的には、画像形成装置1は、上述したようなウエイト処理を行いつつ用紙の画像形成を実行し、単一の後処理装置に対して搬送ユニット装置6を介して排紙する。後処理装置の処理速度が遅い場合に画像形成装置はウエイト処理を行って紙間を後処理装置の処理速度に応じた間隔を空けることができる。
次いで、画像形成装置制御部100は、印刷部数Xを1減算する(ステップS113)。
【0116】
一方、完了したと判断した場合(ステップS114;YES)、画像形成装置制御部100は、処理を終了する。
【0117】
図9に、電源が投入された際に搬送ユニット装置6において実行される処理のフローチャートを示す。図9に示す処理は、搬送ユニット装置制御部600と記憶部650に記憶されたプログラムとの協働により実現する。
【0118】
図9に示すように、まず、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1から装置情報の要求があるか否かを判断する(ステップS201)。要求があると判断しない場合(ステップS201;NO)、処理はステップS201に戻り、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1から装置情報の要求があるか否かを判断する。
【0119】
要求があると判断した場合(ステップS201;YES)、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1からの印刷指示があるか否かを判断する(ステップS202)。印刷指示があると判断しない場合(ステップS202;NO)、処理はステップS202に戻り、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1からの印刷指示があるか否かを判断する。
【0120】
印刷指示があると判断した場合(ステップS202;YES)、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1から後処理を指定された後処理装置の電源をオンにする(ステップS203)。ステップS203においては、電源オンを指示すると同時に後処理装置に対して装置情報を要求する。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、これらの指定された後処理装置が起動されて準備が整ったか否かを判断する(ステップS204)。
【0121】
準備が整ったと判断しない場合(ステップS204;NO)、処理はステップS204に戻り、搬送ユニット装置制御部600は、これらの指定された後処理装置が起動して準備が整ったか否かを判断する。
【0122】
準備が整ったと判断した場合(ステップS204;YES)、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1に対して準備完了の旨を通知する(ステップS205)。ステップS205においては、準備完了の旨と同時に装置情報が画像形成装置1に対して送信されるものとする。
次いで、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1における印刷が開始されたか否かを判断する(ステップS206)。印刷開始の際には、所定の信号が画像形成装置制御部100から搬送ユニット装置600に対して送信されているものとする。
【0123】
印刷が開始されたと判断しない場合(ステップS206;NO)、処理はステップS206に戻り、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1における印刷が開始されたか否かを判断する。
【0124】
印刷が開始されたと判断した場合(ステップS206;YES)、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1から指定された後処理装置に対するゲート81aを開く(ステップS207)。ステップS207において開くべきゲート81aは、ステップS108において画像形成装置1が決定した分配方法に対応する後処理装置のゲートである。
【0125】
次いで、搬送ユニット装置制御部600は、ステップS207においてゲート81aを開いた後処理装置に対して用紙が搬送されるように排出部切換板67を切り換えて搬送処理を実行する(ステップS208)。搬送ユニット装置制御部600は、指定された後処理装置に対する排紙を完了したか否かを判断する(ステップS209)。
【0126】
排紙を完了したと判断しない場合(ステップS209;NO)、処理はステップS209に戻り、搬送ユニット装置制御部600は、指定された後処理装置に対する排紙を完了したか否かを判断する。
【0127】
排紙を完了したと判断した場合(ステップS209;YES)、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1からの印刷指示において指定された後処理装置のゲート81aを閉じる(ステップS210)。
【0128】
搬送ユニット装置制御部600は、印刷出力が完了したか否かを判断する(ステップS211)。印刷出力が完了したと判断しない場合(ステップS211;NO)、処理はステップS207に戻り、搬送ユニット装置制御部600は、搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1からの印刷指示において指定された後処理装置に対するゲート81aを開く。
【0129】
印刷出力が完了したと判断した場合(ステップS211;YES)、処理は終了する。
【0130】
次に、図8及び図9に示した処理が実行された際における、画像形成システム1000全体の処理の流れを説明する。図10に、画像形成システム1000における処理の流れを示す。なお、以下に説明する例では、配置部80に配置された後処理装置は同じタイプの後処理装置が2台(それぞれ第1後処理装置3、第2後処理装置4という)であり、実行するジョブの出力部数が2部、出力枚数が2枚であるものとする。第1後処理装置及び第2後処理装置の処理速度は共に60ppmであり、画像形成装置1の連続印刷速度は120ppmとする。この場合には、画像形成装置制御部100は、ステップS108において、1部目の一枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の一枚目の画像形成を行い、1部目の二枚目の用紙の画像形成を行った後、2部目の二枚目の画像形成を行うものと判断し、1部目を第1後処理装置に後処理をさせ、2部目を第2後処理装置に後処理をさせると判断する。また、画像形成装置制御部100は、1部目の1枚目の用紙に用紙ID「1a」を付与し、2部目の1枚目の用紙に用紙ID「1b」を付与する。同様に、画像形成装置制御部100は、2部目の1枚目の用紙に用紙ID「2a」を付与し、2部目の2枚目の用紙に用紙ID「2b」を付与する。
【0131】
まず、図10に示すように、画像形成装置制御部100は、ステップS101のように、搬送ユニット装置6に対して配置部80に配置された各後処理装置に関する装置情報を要求する(ステップS11)。
【0132】
搬送ユニット装置制御部600は、ステップS203のように、配置部80に配置された各後処理装置に対して接続検知センサ85により接続状態を確認し、これらの各後処理装置の電源を電力供給部604によりオンにし、シリアル通信部602を介して各後処理装置に対して装置情報を要求する(ステップS12)。
【0133】
第1後処理装置制御部300及び第2後処理装置制御部400は、シリアル通信部301及びシリアル通信部401を介して装置情報を搬送ユニット装置6に送信する(ステップS13、ステップS14)。
【0134】
搬送ユニット装置制御部600は、ステップS205のように、ステップS13及びステップS14で取得した装置情報を画像形成装置1に送信する(ステップS15)。
【0135】
画像形成装置制御部100は、搬送ユニット装置6に対して印刷開始の旨を示す信号を送信する(ステップS16)。次いで、画像形成装置制御部100は、給紙トレイ13a又は給紙ユニット5から用紙ID「1a」に対応する用紙を給紙させて画像形成を開始し、用紙IDが「1a」の用紙が給紙された旨を示す信号を搬送ユニット装置6に対して送信する(ステップS17)。
【0136】
搬送ユニット装置制御部600は、ステップS207のように、受信した用紙IDに基づいて開くべきゲート81aを判断し、用紙ID「1a」が示す第1後処理装置が配置されたゲート81aを開き、排出部切換板67を切り換える(ステップS18)。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、第1後処理装置3に対して、用紙ID「1a」の情報を送信する(ステップS19)。
【0137】
画像形成装置制御部100は、給紙トレイ13a又は給紙ユニット5から用紙ID「1b」に対応する用紙を給紙させて画像形成を開始し、用紙IDが「1b」の用紙が給紙された旨を示す信号を搬送ユニット装置6に対して送信する(ステップS20)。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、第2後処理装置4に対して、用紙ID「1b」の情報を送信する(ステップS21)。
【0138】
画像形成装置制御部100は、用紙IDが「1a」の用紙が搬送ユニット6に対して排紙された旨の信号を搬送ユニット6に対して送信する(ステップS22)。搬送ユニット装置制御部600は、用紙ID「1a」の用紙の排紙を示す旨の信号を、第1後処理装置3に対して送信する(ステップS23)。
【0139】
第1後処理制御部300は、導入口30aに備えられたセンサにより、用紙IDが「1a」の排紙完了を搬送ユニット6に対して通知する(ステップS24)。搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1に対して用紙IDが「1a」の用紙の排紙完了を通知する(ステップS25)。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、用紙IDが「1a」の用紙の次に排紙される用紙の用紙ID(つまり、用紙IDが「1b」)に基づいて開くべきゲート81aを判断し、第1後処理装置3に対応するゲート81aを閉じ、第2後処理装置4に対応するゲート81aを開き、排出部切換板67を切り換える(ステップS26)。
【0140】
処理は図11に移行し、画像形成装置制御部100は、用紙IDが「1b」の用紙が搬送ユニット6に対して排紙された旨の信号を搬送ユニット6に対して送信する(ステップS27)。搬送ユニット装置制御部600は、用紙ID「1b」の用紙の排紙を示す旨の信号を、第2後処理装置4に対して送信する(ステップS28)。
【0141】
第2後処理制御部400は、用紙IDが「1b」の排紙完了を搬送ユニット6に対して通知する(ステップS29)。搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1に対して用紙IDが「1b」の用紙の排紙完了を通知する(ステップS30)。
【0142】
次いで、画像形成装置制御部100は、給紙トレイ13a又は給紙ユニット5から用紙IDを付与した用紙を給紙させて画像形成を開始し、用紙IDが「2a」の用紙が給紙された旨を示す信号を搬送ユニット装置6に対して送信する(ステップS31)。
【0143】
搬送ユニット装置制御部600は、受信した用紙IDに基づいて開くべきゲート81aを判断し、用紙ID「2a」が示す第1後処理装置3に対応するゲート81aを開き、第2後処理装置4に対応するゲートを閉じ、排出部切換板67を切り換える(ステップS32)。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、第1後処理装置3に対して、用紙ID「2a」の情報を送信する(ステップS33)。
【0144】
画像形成装置制御部100は、給紙トレイ13a又は給紙ユニット5から用紙ID「2b」に対応する用紙を給紙させて画像形成を開始し、用紙IDが「2b」の用紙が給紙された旨を示す信号を搬送ユニット装置6に対して送信する(ステップS34)。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、第2後処理装置4に対して、用紙ID「2b」の情報を送信する(ステップS35)。
【0145】
画像形成装置制御部100は、用紙IDが「2a」の用紙が搬送ユニット6に対して排紙された旨の信号を搬送ユニット6に対して送信する(ステップS36)。搬送ユニット装置制御部600は、用紙ID「2a」の用紙の排紙を示す旨の信号を、第1後処理装置3に対して送信する(ステップS37)。
【0146】
第1後処理制御部300は、用紙IDが「2a」の排紙完了を搬送ユニット6に対して通知する(ステップS38)。搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1に対して用紙IDが「2a」の用紙の排紙完了を通知する(ステップS39)。次いで、搬送ユニット装置制御部600は、用紙IDが「2a」の用紙の次に排紙される用紙の用紙IDに基づいて開くべきゲート81aを判断し、第1後処理装置3に対応するゲート81aを閉じ、第2後処理装置4に対応するゲート81aを開き、排出部切換板67を切り換える(ステップS40)。
【0147】
画像形成装置制御部100は、用紙IDが「2b」の用紙が搬送ユニット6に対して排紙された旨の信号を搬送ユニット6に対して送信する(ステップS41)。搬送ユニット装置制御部600は、用紙ID「2b」の用紙の排紙を示す旨の信号を、第2後処理装置4に対して送信する(ステップS42)。
【0148】
第2後処理制御部400は、用紙IDが「2b」の排紙完了を搬送ユニット6に対して通知する(ステップS43)。搬送ユニット装置制御部600は、画像形成装置1に対して用紙IDが「1b」の用紙の排紙完了を通知する(ステップS44)。
【0149】
以上のように、本実施の形態における画像形成システムによれば、実行するジョブが複数部であり、このジョブに対応する後処理が可能な後処理装置が搬送ユニットに複数台接続されている場合に、各用紙の後処理を施すべき後処理装置を判断する。搬送ユニット装置は、この判断された後処理装置に対して用紙を排紙するよう制御するので、画像形成装置の連続印刷速度が後処理装置の処理速度よりも速い場合であっても、後処理を分担させることができ、連続印刷の生産性を向上させることができる。また、一台の後処理装置が紙詰まり等を起こした場合においても、他の後処理装置において後処理を行うことができるので、ダウンタイムの軽減につながる。
【0150】
また、各用紙の後処理を施すべき後処理装置を出力部数と画像形成装置の連続印刷速度に基づいて判断することにより、出力部数が複数部である場合であっても後処理の振り分けを最適に行うことができる。この割り振りを後処理装置の台数に応じて均等に行うことによって、画像形成装置の連続印刷をストップさせることなく生産性を向上させることができる。
【0151】
また、画像形成装置の連続印刷速度が後処理装置の処理速度を超える場合、所定の条件においてウエイト処理を実行させることによって、状況に応じた後処理を実行することができる。ジョブの残り印刷部数が後処理装置の台数以下である場合も同様にウエイト処理を実行することができる。
【0152】
また、後処理を施すべき後処理装置を識別する情報を用紙IDに含ませることができるので、搬送ユニット装置は、用紙IDに基づいてこの用紙を排紙すべき後処理装置を判断することができる。
【0153】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な画像形成システムの一例であり、これに限定されるものではない。例えば、本実施の形態における記憶部以外のその他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、SD(Secure Digital)カードやUSB(Universal Serial Bus)メモリのようなフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータや音声データ等の各種データを、搬送波(キャリアウェーブ)に重畳させて通信回線を介して提供することも可能である。
【0154】
その他、画像形成システムの細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0155】
1000 画像形成システム
1 画像形成装置
100 画像形成装置制御部
101 シリアル通信部
150 記憶部
3 第1後処理装置
4 第2後処理装置
6 搬送ユニット装置
64 搬送路
67 排出部切換板
80 配置部
81 排出部
82 搬入部
83 着脱部
83b ソレノイド
600 搬送ユニット装置制御部
650 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置によって画像が形成された用紙に後処理を施して排紙する複数の後処理装置と、前記画像形成装置と前記後処理装置のそれぞれを接続する搬送ユニット装置と、を備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
実行するジョブの出力部数が複数部であり、かつ、当該ジョブに対応する後処理が可能な後処理装置が前記搬送ユニット装置に複数台接続されている場合に、各用紙の後処理を施すべき前記後処理装置を予め定められた方法に基づいて判断し、当該判断結果を前記搬送ユニットに対して送信させる制御部と、
を備え、
前記搬送ユニット装置は、
前記複数の後処理装置の各々を配置可能な複数の配置部と、
前記画像形成装置により画像が形成された用紙を搬送する搬送路と、
前記配置部の各々に設けられ、前記搬送路により搬送される用紙を前記配置部に配置された各後処理装置に対して排紙する複数の排出部と、
前記複数の排出部のうち、前記搬送路により搬送される用紙を排紙すべき排出部を切り換える排出部切換部と、
前記画像形成装置の制御部から受信した判断結果に基づいて用紙を排紙すべき前記排出部を判断し、当該判断した排出部に対して用紙を排紙するように前記搬出部切換部を切り換える制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成装置の制御部は、前記画像形成装置の連続印刷速度及び実行するジョブの出力部数に基づいて後処理を施すべき前記後処理装置を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記画像形成装置の制御部は、前記搬送ユニット装置に接続されている後処理を施すべき複数台の後処理装置の各々に前記出力部数に対応する印刷物の後処理を均等に割り振ることを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成装置の制御部は、前記画像形成装置の連続印刷速度が、前記搬送ユニット装置に接続されている後処理装置の処理速度を越える場合は、印刷順が前後する用紙間における画像形成を所定時間停止させるウエイト処理を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置の制御部は、実行すべきジョブの残り印刷部数が前記搬送ユニット装置に接続されている後処理装置の台数以下である場合には、印刷順が前後する用紙間における画像形成を所定時間停止させるウエイト処理を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成装置の制御部は、前記判断結果を、画像形成すべき用紙に一意に割り当てた用紙IDに含ませて前記搬送ユニット装置に対して送信し、
前記搬送ユニット装置の制御部は、受信した用紙IDに基づいて搬出すべき前記排出部を用紙毎に判断し、当該判断した排出部に対して用紙を搬出するように前記搬出部切換部を切り換えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記画像形成装置の制御部は、前記搬送ユニット装置に接続された複数の後処理装置のうち、前記画像形成装置に近い後処理装置から順番に後処理を施すべき前記後処理装置を決定することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置によって画像が形成された用紙に後処理を施して排紙する複数の後処理装置と、前記画像形成装置と前記後処理装置のそれぞれを接続する搬送ユニット装置と、を備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
実行するジョブの出力部数が複数部であり、かつ、当該ジョブに対応する後処理が可能な後処理装置が前記搬送ユニット装置に複数台接続されている場合に、各用紙の後処理を施すべき前記後処理装置を予め定められた方法に基づいて判断し、当該判断結果を前記搬送ユニットに対して送信させる制御部と、
を備え、
前記搬送ユニット装置は、
前記複数の後処理装置の各々を配置可能な複数の配置部と、
前記画像形成装置により画像が形成された用紙を搬送する搬送路と、
前記配置部の各々に設けられ、前記搬送路により搬送される用紙を前記配置部に配置された各後処理装置に対して排紙する複数の排出部と、
前記複数の排出部のうち、前記搬送路により搬送される用紙を排紙すべき排出部を切り換える排出部切換部と、
前記画像形成装置の制御部から受信した判断結果に基づいて用紙を排紙すべき前記排出部を判断し、当該判断した排出部に対して用紙を排紙するように前記搬出部切換部を切り換える制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成装置の制御部は、前記画像形成装置の連続印刷速度及び実行するジョブの出力部数に基づいて後処理を施すべき前記後処理装置を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記画像形成装置の制御部は、前記搬送ユニット装置に接続されている後処理を施すべき複数台の後処理装置の各々に前記出力部数に対応する印刷物の後処理を均等に割り振ることを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成装置の制御部は、前記画像形成装置の連続印刷速度が、前記搬送ユニット装置に接続されている後処理装置の処理速度を越える場合は、印刷順が前後する用紙間における画像形成を所定時間停止させるウエイト処理を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置の制御部は、実行すべきジョブの残り印刷部数が前記搬送ユニット装置に接続されている後処理装置の台数以下である場合には、印刷順が前後する用紙間における画像形成を所定時間停止させるウエイト処理を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成装置の制御部は、前記判断結果を、画像形成すべき用紙に一意に割り当てた用紙IDに含ませて前記搬送ユニット装置に対して送信し、
前記搬送ユニット装置の制御部は、受信した用紙IDに基づいて搬出すべき前記排出部を用紙毎に判断し、当該判断した排出部に対して用紙を搬出するように前記搬出部切換部を切り換えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記画像形成装置の制御部は、前記搬送ユニット装置に接続された複数の後処理装置のうち、前記画像形成装置に近い後処理装置から順番に後処理を施すべき前記後処理装置を決定することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−11884(P2011−11884A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158350(P2009−158350)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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