説明

画像形成システム

【課題】複数のジョブ全体の実行効率の向上を図り生産性を高める。
【解決手段】複数の画像形成装置が直列に連結され、用紙の両面に画像を形成する両面モードのジョブを実行する場合には、複数の画像形成装置のうちいずれか一つの画像形成装置が用紙の一方の面に画像を形成し、当該一方の面に画像を形成した画像形成装置とは異なる画像形成装置が用紙の他方の面に画像を形成する直列タンデム構成の画像形成システムにおいて、複数のジョブの実行予約を受け付け、当該受け付けた各ジョブを予約ジョブとして管理し、複数の予約ジョブのうち、複数の画像形成装置が並行して稼動する予約ジョブを選択し、当該選択した予約ジョブを優先して実行させる制御部を備える画像形成システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
用紙搬送経路が接続されることにより複数の画像形成装置が直列的に連結されたタンデム構成の画像形成システムにおいて、連続して実行される複数のジョブ全体の実行効率の向上を図り、生産性を高めることが求められている。
【0003】
そこで、2台の画像形成装置と当該2台の画像形成装置の間に設けられた排紙装置とを備えたタンデム構成の画像形成システムにおいて、用紙の片面に画像を形成させる片面モードのジョブの場合には、一方の画像形成装置を用い、用紙の両面に画像を形成させる両面モードのジョブの場合には、一方の画像形成装置で用紙の表面に画像を形成させた後に他方の画像形成装置で用紙の裏面に画像を形成させ、片面モードか両面モードかに応じて、排紙装置の搬送経路を切り替える技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
更に、プリント手段と当該プリント手段に用紙を供給する給紙手段とを有するプリンタを上下方向に多段に配置し、プリンタ間が用紙搬送路を介して接続された構成であって、片面モードか両面モードかに応じて当該用紙搬送路を閉塞/開放する技術が開示されている(特許文献2参照)。
【0005】
また、1台の画像形成装置においては、実行中のジョブと待機中のジョブとの間で、用紙の搬送経路の切り替えの有無を判別し、搬送経路の切り替えがないジョブを優先して実行されるように実行順序を決定し搬送経路の切替頻度を低減することにより、複数のジョブ全体の処理効率の低下を抑える技術が開示されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−22243号公報
【特許文献2】特開平8−319051号公報
【特許文献3】特開2009−139732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2のような画像形成システムでは、複数のジョブを連続して実行する場合には、シーケンシャルにジョブが実行されるため、待機状態の画像形成装置が発生し、全てのジョブの実行が完了するまでに時間がかかる。また、特許文献3の画像形成装置は、1台の画像形成装置によって複数のジョブを実行する場合においてジョブの実行順序を変更することにより搬送経路の切り替えによる処理効率の低下の解消を図る技術であるが、複数台の画像形成装置によって複数のジョブを実行する場合において、画像形成装置の待機状態が発生することによる処理効率の低下を解消するという観点はない。
【0008】
本発明の課題は、上記問題に鑑みて、複数のジョブ全体の実行効率の向上を図り、生産性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、複数の画像形成装置が直列に連結され、用紙の両面に画像を形成する両面モードのジョブを実行する場合には、複数の画像形成装置のうちいずれか一つの画像形成装置が用紙の一方の面に画像を形成し、当該一方の面に画像を形成した画像形成装置とは異なる画像形成装置が用紙の他方の面に画像を形成する直列タンデム構成の画像形成システムにおいて、前記複数の画像形成装置それぞれのジョブの実行を管理し、複数のジョブの実行予約を受け付け、当該受け付けた各ジョブを予約ジョブとして管理し、複数の前記予約ジョブのうち前記複数の画像形成装置が並行して稼動する予約ジョブを選択し、当該選択した予約ジョブを優先して実行させる制御部を備えた画像形成システムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数のジョブ全体の実行効率の向上を図り、生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】画像形成システムの概略構成図である。
【図2】第1画像形成装置の概略構成図である。
【図3】予約ジョブ管理テーブルの例を示す図である。
【図4】実行ジョブ管理データの例を示す図である。
【図5】第2画像形成装置の概略構成図である。
【図6】ジョブ受付処理のフローチャートである。
【図7】ジョブ選択処理のメインフローチャートである。
【図8】実行ジョブ決定処理のフローチャートである
【図9】被飛越ジョブ実行処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像形成システム1の概略構成図を示す。
図1に示すように、画像形成システム1は、用紙の搬送経路の上流側から、給紙装置10、第1画像形成装置20、反転装置30、第2画像形成装置40、後処理装置50等が直列的に連結された直列タンデム構成となっている。
【0013】
本実施の形態における画像形成システムでは、第1画像形成装置20、第2画像形成装置40それぞれが用紙の片面に画像形成を行う。従って、用紙の両面に画像を形成する両面モードのジョブを実行する場合には、第1画像形成装置20が稼動することによって用紙の一方の面(例えば、表面)に画像を形成し、第2画像形成装置40が稼動することによって用紙の他方の面(例えば、裏面)に画像を形成する。
【0014】
給紙装置10は、PFU(Paper Feed Unit)と称されるものであり、複数の給紙トレイや、給紙ローラ、分離ローラ、給紙/分離ゴム、送り出しローラ等からなる給紙手段等を備える。各給紙トレイには、用紙の種類(紙種、坪量、用紙サイズ等)毎に予め識別された用紙が格納されており、用紙の最上部から一枚ずつ給紙手段により第1画像形成装置の用紙搬送部へ搬送される。
【0015】
第1画像形成装置20は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を用紙に画像形成したり、外部装置等からPDL(Page Description Language)形式やTiff形式等のページ記述言語形式のプリントデータ及びプリント設定データを受信し、受信したプリントデータ及びプリント設定データ等に基づいて画像を用紙上に画像形成したりする。第1画像形成装置20は、画像読取部21、操作表示部22、プリント部23等を備えて構成される。
【0016】
画像読取部21は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部と読取部とを備え、操作表示部22により受け付けられた設定情報に基づいて複数の原稿の画像を読み取る。自動原稿送り部の原稿トレイに載置された原稿は、読取個所であるコンタクトガラスに搬送され、光学系により原稿の片面又は両面の画像が読み取られ、CCD(Charge Coupled Device)211により原稿の画像が読み取られる。ここで、画像とは、図形や写真等の画像データに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
【0017】
操作表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)221、LCD221を覆うように設けられたタッチパネル、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群等から構成される。操作表示部22は、ユーザからの指示を受け付けその操作信号を後述する制御部250に出力し、また、制御部250から入力される表示信号に従って、各種操作指示や設定情報を入力するための各種設定画面や各種処理結果等を表示する。
【0018】
プリント部23は、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、給紙部231、用紙搬送部232、各色の画像形成部233、定着部234等のプリント出力に係る各部を備えて構成される。
なお、本実施の形態のプリント部23では、電子写真方式を適用した例を説明するが、これに限らず、インクジェット方式、熱昇華方式等、他のプリント方式を適用することとしてもよい。
【0019】
給紙部231は、複数の給紙トレイと給紙トレイ毎に設けられた給紙ローラ、分離ローラ、給紙/分離ゴム、送り出しローラ等からなる給紙手段を備える。各給紙トレイには、用紙の種類(紙種、坪量、用紙サイズ等)毎に予め識別された用紙が格納されており、用紙の最上部から一枚ずつ給紙手段により用紙搬送部に向けて搬送される。
【0020】
用紙搬送部232は、給紙装置10又は給紙部231から搬送された用紙を、複数の中間ローラ、レジストローラ等を経る画像形成部233への用紙搬送経路上に用紙を搬送し、画像形成部233の二次転写位置へと搬送する。
【0021】
また、用紙搬送部232は、反転搬送部232aを備える。反転搬送部232aは、定着部234から排出された用紙を、反転ローラ等によりスイッチバックして表裏反転させ反転装置に搬送する。
【0022】
画像形成部233は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、一次転写ローラ、クリーニング装置等を備え、印刷画像データに基づき用紙上に画像が形成された出力物を生成する。第1画像形成装置20がカラー画像を形成するものである場合には、画像形成部233が色毎に設けられる。
【0023】
イエロー(Y)の画像を形成する画像形成部233yでは、帯電装置により帯電された感光体ドラムの表面に、露光装置からイエロー(Y)の印刷画像データに応じた光が照射され静電潜像が書き込まれる。そして、静電潜像が書き込まれた感光体ドラムの表面に、帯電したイエロー(Y)のトナーが現像装置により付着されて静電潜像が現像される。現像装置により感光体ドラム上に付着したトナーは、感光体ドラムが一定速度で回転されることにより、一次転写ローラが配置された一次転写位置で中間転写ベルト233aに転写される。中間転写ベルト233aにトナーが転写された後、クリーニング装置により、感光体ドラムの表面の残留電荷や残留トナー等が除去され、除去されたトナー等はトナー回収箱へ回収される。
【0024】
同様に、各色の画像形成部233m,233c,233kは、感光体ドラムの周囲に配置された帯電装置、露光装置、現像装置、一次転写ローラ、クリーニング装置等を備え、マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像をそれぞれ形成する。
【0025】
中間転写ベルト233aに転写された各色のトナー像は、二次転写ローラが配置された二次転写位置で用紙に一括転写される。
【0026】
定着部234は、定着ヒータ、定着ローラ、定着外部加熱部等から構成され、用紙に転写されたトナー像を熱定着する。
【0027】
定着部234により定着処理された用紙は、排紙ローラ等により反転装置30に搬送される、又は、用紙搬送部232の反転搬送部232aに搬送される。
【0028】
反転装置30は、排紙トレイT1、反転ローラ等を有するスタッカ31等を備えており、第1画像形成装置20と第2画像形成装置40との間に設置されている。
反転装置30は、第1画像形成装置からの指示に従って、第1画像形成装置20により片面に画像形成された用紙を、第2画像形成装置40へと搬送、又は、排紙トレイT1に排出する。第2画像形成装置40へ搬送する用紙が表裏を反転させる必要がある場合には、スタッカ31が有する反転ローラ等により当該用紙をスイッチバックすることにより表裏反転し、第2画像形成装置40へと搬送する。
【0029】
第2画像形成装置40は、プリント部43等を備えて構成され、第1画像形成装置20からの指示に従って、画像を用紙の片面上に画像形成する。
なお、第2画像形成装置40が備えるプリント部43は、第1画像形成装置20が備えるプリント部23と同様の構成であるため、説明は省略する。
【0030】
後処理装置50は、反転ユニット、ソートユニット、ステイプルユニット、パンチユニット、折ユニット等の各種後処理ユニットと、複数の排紙トレイT2〜T4等を備え、第1画像形成装置20からの指示に従って、第2画像形成装置40から搬送された用紙に対して各種後処理を施し、後処理が施された用紙を排紙トレイT2〜T4のいずれかに排出する。
【0031】
本実施の画像形成システム1では、第1画像形成装置20において片面モードのジョブが実行された場合には、排紙トレイT1に用紙が排出され、また、第2画像形成装置40において片面モードのジョブが実行された場合には、排紙トレイT2に用紙が排出される。更に、両面モードのジョブが実行された場合には、排紙トレイT3に用紙が排出されるものとする。
【0032】
なお、これに限らず、第1画像形成装置20において片面モードのジョブが実行された場合には、反転装置30のスタッカ31に用紙を一時的に格納し、当該スタッカ31を排紙トレイとして用いてもよい。また、第1画像形成装置の搬出口から反転装置30、第2画像形成装置40、後処理装置50を通過する用紙搬送経路を設け、当該用紙搬送経路の出口に排紙トレイT4を設け、当該排紙トレイT4を第1画像形成装置20において片面モードのジョブが実行された場合に用紙が排出される排紙トレイとして用いてもよい。
【0033】
また、本実施の形態では、画像読取部21、操作表示部22、コントローラ24を備えた第1画像形成装置20を画像形成システム1の用紙搬送経路において第2画像形成装置40よりも上流側に設けているが、これに限らず、第1画像形成装置20と第2画像形成装置40との位置が逆の位置関係に設けられていてもよい。
【0034】
図2に、本実施の形態における第1画像形成装置20の概略構成図を示す。
図2に示すように、第1画像形成装置20は、画像読取部21、操作表示部22、プリント部23、コントローラ24、画像制御基板25、通信部26等を備えて構成されている。第1画像形成装置20は、コントローラ24のLANIF(Local Area Network InterFace)244を介してネットワーク3上の外部装置2と相互にデータが送受信可能に接続されている。
【0035】
画像読取部21は、上述した自動原稿送り部及び読取部と、画像読取制御部210とを備える。画像読取制御部210は、制御部250からの指示に基づいて自動原稿送り部及び読取部等を制御して、複数の原稿の画像を読み取るスキャナ機能を実現させる。画像読取部21により読み取られたアナログ画像データは、読取処理部253に出力され、読取処理部253においてA/D変換され各種画像処理が施される。
【0036】
操作表示部22は、上述したLCD221やタッチパネル等と、操作表示制御部220とを備える。操作表示制御部220は、制御部250から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種画面や各種処理結果等をLCDに表示させる。また、操作表示制御部220は、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群又はタッチパネル等から入力される操作信号を制御部250に出力する。
【0037】
プリント部23は、上述した給紙部231、用紙搬送部232、各色の画像形成部233、定着部234等のプリント出力に係る各部と、プリント制御部230とを備える。プリント制御部230は、制御部250からの指示に従って各色の画像形成部233等のプリント部23の各部の動作を制御し、書込処理部258から入力された印刷画像データに基づいて画像形成を行わせる。
【0038】
コントローラ24は、ネットワーク3に接続される外部装置2から画像形成システム1に入力されるデータの管理及び制御を行うものであり、外部装置2からプリント対象のデータ(プリントデータ及びプリント設定データ)を受信し、当該プリントデータを展開して生成した画像データとプリント設定データとを画像制御基板25へ送信する。
コントローラ24は、コントローラ制御部241、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC242、画像メモリ243、LANIF244等から構成される。
【0039】
コントローラ制御部241は、コントローラ24各部の動作を統括的に制御し、LANIF244を介して外部装置2から入力されるプリントデータを展開してビットマップ形式の画像データの生成を行う。
【0040】
DRAM制御IC242は、LANIF244により受信されたプリントデータのコントローラ制御部241への転送や、画像メモリ243に対する画像データ及びプリント設定データの書き込み/読み出しを制御する。また、DRAM制御IC242は、画像制御基板25のDRAM制御IC255とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラ制御部241からの指示に従って、プリント対象の画像データ及びプリント設定データを画像メモリ243から読み出してDRAM制御IC255に出力する。
【0041】
画像メモリ243は、DRAM等の揮発性メモリから構成され、画像データ及びプリント設定データを一時的に記憶する。
【0042】
LANIF244は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLAN等のネットワーク3に接続するための通信インターフェイスであり、外部装置2からプリントデータやプリント設定データを受信する。受信されたプリントデータやプリント設定データは、DRAM制御IC242に出力される。
【0043】
画像制御基板25は、制御部250、不揮発メモリ251、RAM(Random Access Memory)252、読取処理部253、圧縮IC254、DRAM制御IC255、画像メモリ256、伸長IC257、書込処理部258等を備える。
【0044】
制御部250は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、不揮発メモリ251に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM252に展開し、RAM252に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、第1画像形成装置20の各部を集中制御し、また、画像形成システム全体を統括的に管理する。
【0045】
また、制御部250は、外部装置2からコントローラ24を介して入力された画像データ及びプリント設定データ、又は、画像読取部21から入力された画像データ及び操作表示部22により設定された設定情報、に基づいてジョブデータ及び圧縮画像データを生成する。そして、制御部250は、生成したジョブデータ及び圧縮画像データに基づいて、第2画像形成装置40と協働してジョブを実行する。
【0046】
ジョブとは、画像形成に関する一連の動作であり、例えば、所定ページの原稿からなる複写物を作成する場合には、所定ページの原稿の画像形成に関する一連の動作が1ジョブである。このジョブの動作を実行するためのデータがジョブデータである。
【0047】
また、制御部250は、不揮発メモリ251から本実施の形態に係るジョブ受付処理プログラムと、ジョブ選択処理プログラムと、当該プログラム及び各種データとの協働により、ジョブ受付処理、ジョブ選択処理を実行する。
【0048】
ジョブ受付処理では、ジョブデータ及び圧縮画像データを生成することでジョブの実行予約を受け付けると、当該受け付けたジョブの実行が可能か否かが判別され、実行可能である場合には当該受け付けたジョブが実行され、実行不可能である場合には当該ジョブが予約ジョブとして後述する予約ジョブ管理テーブルに登録、管理される。
【0049】
ジョブ受付処理において、受け付けたジョブが実行可能か否かの判別は、第1,2画像形成装置それぞれの状態(アイドル状態か否か)と、受け付けたジョブに設定されている出力モード情報及び後処理有無情報に基づいて決定される当該ジョブの実行が可能な画像形成装置と、に応じて判別される。
出力モード情報とは、用紙の片面に画像を形成する片面モードか両面モードか否かを示すものである。後処理有無情報とは、画像形成済みの用紙に対する後処理の設定があるか否かを示すものである。
【0050】
ジョブ選択処理では、予約ジョブ管理テーブルに登録されている複数の予約ジョブのうち、第1,2画像形成装置が並行して稼動する予約ジョブが選択され、当該選択された予約ジョブが優先して実行される。
【0051】
ジョブ選択処理において、優先して実行させる予約ジョブは、第1,2画像形成装置それぞれの状態(アイドル状態か否か)と、予約ジョブに設定されている出力モード情報及び後処理有無情報に基づいて決定される当該予約ジョブの実行が可能な画像形成装置と、に応じて、第1,2画像形成装置のうちアイドル状態の画像形成装置と、予約ジョブの実行が可能な画像形成装置とが一致する予約ジョブが選択される。
【0052】
不揮発メモリ251は、画像形成に係る各種処理プログラム及び各種データの他、本実施の形態に係るジョブ受付処理プログラムと、ジョブ選択処理プログラム、各種プログラムで処理されたデータ等を記憶する。
【0053】
RAM252は、制御部250により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
また、RAM252には、コントローラ24から入力された画像データ及びプリント設定データ、又は、画像読取部21から入力された画像データ及び当該画像データが取得される際に操作表示部22により設定された設定情報、に基づいて制御部250により生成されたジョブデータを一時的に記憶する。
【0054】
更に、RAM252は、制御部250によって生成される予約ジョブ管理テーブル及び実行ジョブ管理データを記憶する記憶部として機能する。
【0055】
図3に、予約ジョブ管理テーブルの例、図4に、実行ジョブ管理データの例を示す。
図3に示すように、予約ジョブ管理テーブルには、各予約ジョブに対して、「ジョブID」、「受付日時」、「出力モード」、「後処理」、「状態」、「割り当て装置」、「中断部数」、「中断ページ」等の項目が設けられている。
【0056】
「ジョブID」は、予約ジョブを識別する循環番号である。
「受付日時」は、予約ジョブの実行予約を受け付けた日時情報(年、月、日、時、分、秒等)である。
「出力モード」は、予約ジョブのジョブデータに設定されている出力モード情報を示し、用紙の片面に画像を形成する片面モードか両面モードか否かを示している。
「後処理」は、予約ジョブのジョブデータに設定されている後処理有無情報を示し、画像形成済みの用紙に対する後処理があるか否かを示している。
【0057】
「状態」は、予約ジョブが実行待ち、飛び越し、中断のいずれかの状態かを示す。実行待ちとは、予約ジョブが未実行の状態で待機している状態である。飛び越しとは、受付日時が自身の受付日時よりも後ろの予約ジョブが先行して実行されることにより実行順番が飛び越された状態である。中断とは、実行が一時停止(中断)し、受付日時が自身の受付日時よりも後ろの予約ジョブが先行して実行されることにより実行順序が飛び越された状態である。以下、「状態」が、飛び越し又は中断の予約ジョブを、被飛越ジョブとも称する。
【0058】
「割り当て装置」とは、ジョブの実行が可能、又は、ジョブの実行に必要な画像形成装置を示し、予約ジョブのジョブデータに設定されている出力モード情報及び後処理有無情報に基づいて決定される。
本実施の形態では、片面モードであって後処理が無しの予約ジョブの場合には、第1画像形成装置及び第2画像形成装置が当該予約ジョブの実行が可能な画像形成装置であり、当該「割り当て装置」の「第1画像形成装置」及び「第2画像形成装置」のそれぞれの欄には「可能」と示される。
片面モードであって後処理が有りの予約ジョブの場合には、第2画像形成装置が当該予約ジョブの実行が可能な画像形成装置であり、当該「割り当て装置」の「第2画像形成装置」の欄には「可能」、「第1画像形成装置」の欄には「不可能」が示される。
両面モードの予約ジョブの場合には、第1画像形成装置及び第2画像形成装置が当該予約ジョブの実行が可能であって必要な画像形成装置であり、当該「割り当て装置」の「第1画像形成装置」及び「第2画像形成装置」のそれぞれの欄には「必要」と示される。
【0059】
「中断部数」とは、「状態」が中断の予約ジョブにおいて、中断したときに出力済みの部数を示す。「中断ページ」とは、「状態」が中断の予約ジョブにおいて、中断したときに出力済みのページ番号を示す。
【0060】
図4に示すように、実行ジョブ管理データには、第1,2画像形成装置それぞれが実行しているジョブを示しており、実行しているジョブ(実行ジョブ)の「ジョブID」と「受付日時」が登録されている。また、図4に示す実行ジョブ管理データにジョブが登録されている画像形成装置は、登録されているジョブを実行するために稼動状態であることを示しており、ジョブが登録されていない場合には待機状態であることを示している。
【0061】
図4(a)は、第1,2画像形成装置が、それぞれ異なるジョブを実行していることを示している。図4(b)は、第1,2画像形成装置が、同一のジョブ、即ち、両面モードのジョブを実行していることを示している。図4(c)は、第1画像形成装置がジョブIDが3のジョブを実行し、第2画像形成装置が待機状態(IDLE)であることを示している。
【0062】
読取処理部253は、画像読取部21から入力されるアナログ画像データに、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施した後、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC254に出力される。
【0063】
圧縮IC254は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施してDRAM制御IC255に出力する。
【0064】
DRAM制御IC255は、制御部250からの指示に従って、圧縮IC254による画像データの圧縮処理及び伸長IC257による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ256への画像データの入出力制御を行う。
【0065】
例えば、DRAM制御IC255は、画像読取部21により読み取られた画像データの保存指示が制御部250から入力されると、読取処理部253に入力された画像データの圧縮処理を圧縮IC254により実行させて、圧縮画像データを画像メモリ256の圧縮メモリ256aに記憶させる。また、DRAM制御IC255は、コントローラ24のDRAM制御IC242から画像データが入力されると、当該画像データの圧縮処理を圧縮IC254により実行させ、圧縮画像データを画像メモリ256の圧縮メモリ256aに記憶させる。
【0066】
更に、DRAM制御IC255は、圧縮メモリ256aに記憶された圧縮画像データのプリント出力指示が制御部250から入力されると、圧縮メモリ256aから圧縮画像データを読み出し、伸長IC257により伸長処理を施してページメモリ256bに記憶させる。さらに、ページメモリ256bに記憶された画像データのプリント出力指示が入力されると、ページメモリ256bから画像データを読み出して書込処理部258に出力する。
【0067】
画像メモリ256は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリ256aとページメモリ256bとを備える。圧縮メモリ256aは、圧縮画像データを記憶するためのメモリであり、ページメモリ256bは、プリント出力用の画像データを一時的に記憶するためのメモリである。
【0068】
伸長IC257は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
【0069】
書込処理部258は、DRAM制御IC255から入力された画像データに基づいて、画像形成のための印刷画像データを生成し、プリント部23に出力する。
【0070】
通信部26は、画像形成システム1を構成する各装置が接続されたネットワークに接続するための通信インターフェイスであり、各装置と各種データ送受信する。
【0071】
図5に、本実施の形態における第2画像形成装置40の概略構成図を示す。
図5に示すように、第2画像形成装置40は、プリント部43、画像制御基板45、通信部46等を備えて構成されている。
【0072】
プリント部43は、第1画像形成装置20のプリント部23と同様であるため、同一の部分は同一の符号を付し、説明は省略する。
【0073】
画像制御基板45は、制御部450、不揮発メモリ451、RAM452、DRAM制御IC455、画像メモリ456、伸長IC457、書込処理部458等を備える。
【0074】
制御部450は、CPU等から構成され、不揮発メモリ451に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM452に展開し、RAM452に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、第2画像形成装置40の各部を集中制御する。
また、制御部450は、第1画像形成装置から受信したジョブのジョブデータと圧縮画像データに基づいて、ジョブを実行する。
【0075】
不揮発メモリ451は、画像形成に係る各種処理プログラム及び各種データの他、各種プログラムで処理されたデータ等を記憶する。
【0076】
RAM452は、制御部450により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
また、RAM452には、通信部46を介して第1画像形成装置20から入力されたジョブデータを一時的に記憶する。
【0077】
DRAM制御IC455は、制御部450からの指示に従って、伸長IC457による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ456への画像データの入出力制御を行う。
【0078】
例えば、DRAM制御IC455は、通信部46からジョブデータ及び圧縮画像データが入力されると、ジョブデータをRAM452に、圧縮画像データを画像メモリ456の圧縮メモリ456aにそれぞれ記憶させる。
また、DRAM制御IC455は、圧縮メモリ456aに記憶された圧縮画像データのプリント出力指示が制御部450から入力されると、圧縮メモリ456aから圧縮画像データを読み出し、伸長IC457により伸長処理を施してページメモリ456bに記憶させる。さらに、ページメモリ456bに記憶された画像データのプリント出力指示が入力されると、ページメモリ456bから画像データを読み出して書込処理部458に出力する。
【0079】
画像メモリ456は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリ456aとページメモリ456bとを備える。圧縮メモリ456aは、圧縮画像データを記憶するためのメモリであり、ページメモリ456bは、プリント出力用の画像データを一時的に記憶するためのメモリである。
【0080】
伸長IC457は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
【0081】
書込処理部458は、DRAM制御IC455から入力された画像データに基づいて、画像形成のための印刷画像データを生成し、プリント部43に出力する。
【0082】
通信部46は、画像形成システム1を構成する各装置が接続されたネットワークに接続するための通信インターフェイスであり、各装置と各種データ送受信する。
【0083】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図6に、第1画像形成装置20おいて実行されるジョブ受付処理のフローチャートを示す。図6に示すジョブ受付処理は、制御部250と各部とが協働して実行される。
【0084】
まず、制御部250は、ジョブデータを生成することでジョブの実行予約を受け付けると(ステップS1)、当該受け付けたジョブ(受付ジョブ)のジョブデータを参照し、受付ジョブが片面モードか両面モードかを判別する(ステップS2)。
【0085】
受付ジョブが片面モードの場合(ステップS2;片面)、制御部250は、受付ジョブに後処理の設定があるか否かを判別する(ステップS3)。受付ジョブに後処理の設定がない場合(ステップS3;NO)、制御部250は、実行ジョブ管理データを参照して第1画像形成装置の状態が待機状態(IDLE)か否かを判別する(ステップS4)。
【0086】
第1画像形成装置の状態が待機状態(IDLE)である場合(ステップS4;YES)、制御部250は、第1画像形成装置に対して当該受付ジョブを実行ジョブとして実行ジョブ管理データに登録する(ステップS5)。
【0087】
受付ジョブに後処理の設定がある場合(ステップS3;YES)、又は、第1画像形成装置の状態が待機状態(IDLE)でない場合(ステップS4;NO)、制御部250は、実行ジョブ管理データを参照して第2画像形成装置の状態が待機状態(IDLE)か否かを判別する(ステップS6)。
【0088】
第2画像形成装置の状態が待機状態(IDLE)の場合(ステップS6;YES)、制御部250は、第2画像形成装置に対して当該受付ジョブを実行ジョブとして実行ジョブ管理データに登録する(ステップS7)。
【0089】
受付ジョブが両面モードの場合(ステップS2;両面)、制御部250は、実行ジョブ管理データを参照して第1画像形成装置及び第2画像形成装置の状態がそれぞれ待機状態(IDLE)か否かを判別する(ステップS8)。
【0090】
第1画像形成装置及び第2画像形成装置の状態がそれぞれ待機状態(IDLE)である場合(ステップS8;YES)、制御部250は、第1画像形成装置及び第2画像形成装置に対して当該受付ジョブを実行ジョブとして実行ジョブ管理データに登録する(ステップS9)。
【0091】
ステップS5、ステップS7又はステップS9後、制御部250は、実行ジョブ管理データに登録した実行ジョブの実行処理を開始させ(ステップS10)、ジョブ受付処理を終了する。
【0092】
第2画像形成装置の状態が待機状態(IDLE)でない場合(ステップS6;NO)、又は、第1画像形成装置及び第2画像形成装置の状態がそれぞれ待機状態(IDLE)でない場合(ステップS8;NO)、制御部250は、当該受付ジョブを予約ジョブ管理データに登録し(ステップS11)、ジョブ受付処理を終了する。
【0093】
図7に、第1画像形成装置20おいて実行されるジョブ選択処理のメインフローチャートを示す。図7に示すジョブ選択処理は、制御部250と各部とが協働して実行される。
【0094】
制御部250は、実行ジョブの処理が終了すると(ステップS21)、予約ジョブ管理テーブルに予約ジョブがあるか否かを判別する(ステップS22)。予約ジョブがない場合(ステップS22;NO)、制御部250は、ジョブ選択処理を終了する。
【0095】
予約ジョブがある場合(ステップS22;YES)、制御部250は、予約ジョブ管理テーブルの「状態」が飛び越し又は中断の予約ジョブ(被飛越ジョブ)を優先して実行させる設定がなされているか否かを判別する(ステップS23)。
ステップS23における被飛越ジョブの優先実行の設定は、当該画像形成システムの出荷時に予め設定、又は、ユーザによって操作表示部22が操作されることにより予め設定されている。
【0096】
被飛越ジョブを優先して実行させる設定がされていない場合(ステップS23;NO)、制御部250は、実行ジョブ決定処理を実行し(ステップS24)、ジョブ選択処理を終了する。被飛越ジョブを優先して実行させる設定がされている場合(ステップS23;YES)、制御部250は、被飛越ジョブ実行処理を実行し(ステップS25)、ジョブ選択処理を終了する。
【0097】
図8に、ステップS24において実行される実行ジョブ決定処理のフローチャートを示す。図8に示す実行ジョブ決定処理は、制御部250と各部とが協働して実行される。
【0098】
制御部250は、予約ジョブ管理テーブルを参照し、登録されている予約ジョブのうち、未参照の予約ジョブであって受付日時が最も現在日時に近い最上位の予約ジョブを選出し、当該選出した予約ジョブを参照ジョブとして設定する(ステップS31)。そして制御部250は、参照ジョブの「出力モード」を参照し、参照ジョブが片面モードか両面モードかを判別する(ステップS32)。
【0099】
参照ジョブが片面モードの場合(ステップS32;片面)、制御部250は、参照ジョブの「後処理」を参照し、後処理の設定があるか否かを判別する(ステップS33)。参照ジョブに後処理の設定がない場合(ステップS33;NO)、制御部250は、実行ジョブ管理データを参照して第1画像形成装置の状態が待機状態(IDLE)か否かを判別する(ステップS34)。
【0100】
第1画像形成装置の状態が待機状態(IDLE)である場合(ステップS34;YES)、制御部250は、第1画像形成装置に対して当該参照ジョブを実行ジョブとして実行ジョブ管理データに登録し、また、予約ジョブ管理テーブルから当該参照ジョブのデータを削除する(ステップS35)。
【0101】
参照ジョブに後処理の設定がある場合(ステップS33;YES)、又は、第1画像形成装置の状態が待機状態(IDLE)でない場合(ステップS34;NO)、制御部250は、実行ジョブ管理データを参照して第2画像形成装置の状態が待機状態(IDLE)か否かを判別する(ステップS36)。
【0102】
第2画像形成装置の状態が待機状態(IDLE)の場合(ステップS36;YES)、制御部250は、第2画像形成装置に対して当該参照ジョブを実行ジョブとして実行ジョブ管理データに登録し、また、予約ジョブ管理テーブルから当該参照ジョブのデータを削除する(ステップS37)。
【0103】
参照ジョブが両面モードの場合(ステップS32;両面)、制御部250は、実行ジョブ管理データを参照して第1画像形成装置及び第2画像形成装置の状態がそれぞれ待機状態(IDLE)か否かを判別する(ステップS38)。
【0104】
第1画像形成装置及び第2画像形成装置の状態がそれぞれ待機状態(IDLE)である場合(ステップS38;YES)、制御部250は、第1画像形成装置及び第2画像形成装置に対して当該参照ジョブを実行ジョブとして実行ジョブ管理データに登録し、また、予約ジョブ管理テーブルから当該参照ジョブのデータを削除する(ステップS39)。
【0105】
ステップS35、ステップS37又はステップS39後、制御部250は、実行ジョブ管理データに実行ジョブとして登録した参照ジョブの実行処理を開始させ(ステップS40)、実行ジョブ決定処理を終了する。
【0106】
第2画像形成装置の状態が待機状態(IDLE)でない場合(ステップS36;NO)、又は、第1画像形成装置及び第2画像形成装置の状態がそれぞれ待機状態(IDLE)でない場合(ステップS38;NO)、制御部250は、予約ジョブ管理テーブルにおいて、当該参照ジョブの「状態」を飛び越しに設定し(ステップS41)、ステップS31の処理に戻る。
【0107】
図9に、ステップS25において実行される被飛越ジョブ実行処理のフローチャートを示す。図9に示す被飛越ジョブ実行処理は、制御部250と各部とが協働して実行される。
【0108】
制御部250は、予約ジョブ管理テーブルにおいて、受付日時が現在日時に近い順番に予約ジョブを順次参照し、「状態」が飛び越し又は中断の被飛越ジョブがあるか否かを判別し(ステップS51)、被飛越ジョブがない場合(ステップS51;NO)、実行ジョブ決定処理を実行し(ステップS52)、被飛越ジョブ実行処理を終了する。
【0109】
被飛越ジョブがある場合(ステップS51;YES)、制御部250は、当該被飛越ジョブが実行可能か否かを判別する(ステップS53)。
ステップS52では、制御部250は、被飛越ジョブの「割り当て装置」を参照して可能又は必要に設定されている画像形成装置と、実行ジョブ管理データが示す待機状態(IDLE)となっている画像形成装置と、が一致しているか否かを判別し、一致している場合には実行可能と判別する。
【0110】
被飛越ジョブが実行可能である場合(ステップS53;YES)、制御部250は、当該被飛越ジョブを実行ジョブとして実行ジョブ管理データに登録すると共に予約ジョブ管理データから削除し、実行ジョブとして登録した被飛越ジョブの実行を開始させ(ステップS54)、被飛越ジョブ実行処理を終了する。
なお、ステップS54では、実行ジョブとして登録した被飛越ジョブの「状態」が中断である場合には、「中断部数」及び「中断ページ」が示す部数及びページからジョブの実行が再開される。
【0111】
被飛越ジョブの実行が不可能な場合(ステップS53;NO)、制御部250は、当該被飛越ジョブの「出力モード」を参照し、被飛越ジョブが両面モードか否かを判別する(ステップS55)。
【0112】
被飛越ジョブが両面モードの場合(ステップS55;YES)、制御部250は、被飛越ジョブの受付日時が、当該被飛越ジョブの実行に必要な画像形成装置(ここでは、第1,2画像形成装置)に登録されている実行ジョブの受付日時よりも早い日時か否かを実行ジョブ管理データを参照して判別する(ステップS56)。
【0113】
被飛越ジョブの受付日時が実行ジョブの受付日時よりも早い場合(ステップS56;YES)、制御部250は、実行ジョブを停止させ、当該実行ジョブを実行ジョブ管理データから削除し(ステップS57)、当該停止させた実行ジョブ(停止ジョブ)を予約ジョブ管理テーブルに登録し(ステップS58)、ステップS54の処理に進む。
ステップS58では、停止ジョブは、「状態」が中断、「中断部数」が停止時の部数、「中断ページ」が停止時のページ、が設定された予約ジョブとして登録される。
【0114】
本実施の形態では、ステップS53において被飛越ジョブ実行不可能と判別されたことから、ステップS21において実行が終了したジョブは、第1画像形成装置又は第2画像形成装置いずれか一方の装置において実行されていたジョブ、即ち、片面モードのジョブである。従って、ステップS53〜S58により、制御部250は、片面モードのジョブの実行が終了した場合には、他方の画像形成装置で実行中の片面モードのジョブを停止させ、両面モードの被飛越ジョブを優先させて実行させることとなる。
【0115】
被飛越ジョブが両面モードではない場合(ステップS55;NO)、又は、被飛越ジョブの受付日時が実行ジョブの受付日時よりも遅い場合(ステップS56;NO)、制御部250は、ステップS52の処理(実行ジョブ決定処理)に進み、被飛越ジョブ実行処理を終了する。
【0116】
以上のように本実施の形態によれば、複数の画像形成装置(第1,2画像形成装置)が並行して稼動する予約ジョブを優先して実行させることができるため、複数のジョブ全体の実行効率の向上を図り、生産性を高めることができる。
【0117】
特に、実行ジョブ管理データにて管理される第1,2画像形成装置それぞれの状態(待機状態か否か)と、予約ジョブ管理テーブルにて管理される「出力モード」及び「後処理」に基づいて決定される当該予約ジョブの実行が可能又は必要な画像形成装置を示す「割り当て装置」と、に応じて、待機状態の画像形成装置と予約ジョブの「割り当て装置」が可能又は必要となっている画像形成装置と、が一致する予約ジョブを優先して実行させる予約ジョブとして選択することができる。そのため、待機状態である画像形成装置にて実行可能なジョブを優先して実行させることができ、待機状態の画像形成装置が発生することによる処理効率の低下を解消することができる。
【0118】
また、受付日時が自身の受付日時よりも後ろの予約ジョブが先行して実行されることにより実行順番が飛び越された両面モードの被飛越ジョブがある場合には、片面モードのジョブの実行が終了した画像形成装置が発生した際に、他の画像形成装置にて実行中のジョブを中断させ、当該被飛越ジョブを優先して実行させることができる。
【0119】
また、ジョブ受付処理及びジョブ選択処理を実行する制御部、及び、予約ジョブ管理テーブル及び実行ジョブ管理データを記憶するRAMを第1,2画像形成装置のうちいずれか一つの画像形成装置が有することにより、第1,2画像形成装置のうちいずれか一つの画像形成装置が、優先して実行させる予約ジョブの選択制御(ジョブ受付処理及びジョブ選択処理)を行うことができる。
【0120】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として不揮発メモリ251を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0121】
なお、本実施の形態の画像形成システム1は、給紙装置、第1画像形成装置、第2画像形成装置、後処理装置、が一体となって構成された画像形成装置であってもよい。
【0122】
また、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 画像形成システム
2 外部装置
3 ネットワーク
10 給紙装置
20 第1画像形成装置
21 画像読取部
22 操作表示部
23 プリント部
24 コントローラ
25 画像制御基板
26 通信部
30 反転装置
31 スタッカ
40 第2画像形成装置
43 プリント部
45 画像制御基板
46 通信部
50 後処理装置
210 画像読取制御部
211 CCD
220 操作表示制御部
221 LCD
230 プリント制御部
231 給紙部
232 用紙搬送部
232a 反転搬送部
233 画像形成部
233a 中間転写ベルト
234 定着部
241 コントローラ制御部
242 DRAM制御IC
243 画像メモリ
244 LANIF
250 制御部
251 不揮発メモリ
252 RAM
253 読取処理部
254 圧縮IC
255 DRAM制御IC
256 画像メモリ
256a 圧縮メモリ
256b ページメモリ
257 伸長IC
258 書込処理部
450 制御部
451 不揮発メモリ
452 RAM
455 DRAM制御IC
456 画像メモリ
456a 圧縮メモリ
456b ページメモリ
457 伸長IC
458 書込処理部
T1 排紙トレイ
T2 排紙トレイ
T3 排紙トレイ
T4 排紙トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置が直列に連結され、用紙の両面に画像を形成する両面モードのジョブを実行する場合には、複数の画像形成装置のうちいずれか一つの画像形成装置が用紙の一方の面に画像を形成し、当該一方の面に画像を形成した画像形成装置とは異なる画像形成装置が用紙の他方の面に画像を形成する直列タンデム構成の画像形成システムにおいて、
前記複数の画像形成装置それぞれのジョブの実行を管理し、
複数のジョブの実行予約を受け付け、当該受け付けた各ジョブを予約ジョブとして管理し、複数の前記予約ジョブのうち前記複数の画像形成装置が並行して稼動する予約ジョブを選択し、当該選択した予約ジョブを優先して実行させる制御部を備えること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記複数の画像形成装置のうち待機状態の画像形成装置と、
前記予約ジョブに設定されている、用紙の片面に画像を形成する片面モードか両面モードか否かを示す出力モード情報、及び、画像形成済みの用紙に対する後処理があるか否かを示す後処理有無情報、に基づいて決定される当該予約ジョブの実行が可能な画像形成装置と、
が一致する予約ジョブを、前記優先して実行させる予約ジョブとして選択すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記予約ジョブ毎に実行予約を受け付けた日時情報を付加して当該予約ジョブを管理し、
前記複数の予約ジョブのうち、前記日時情報が後ろの予約ジョブが先行して実行されることにより実行順番が飛び越された被飛越ジョブがあり、当該被飛越ジョブが両面モードのジョブである場合には、実行中のジョブを中断させて当該被飛越ジョブを前記優先して実行させる予約ジョブとして選択すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記複数の画像形成装置のうち、片面モードのジョブの実行が終了した画像形成装置がある場合、前記被飛越ジョブを前記優先して実行させる予約ジョブとして選択すること、
を特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記予約ジョブそれぞれに係る情報を管理する予約ジョブ管理テーブルと、
前記画像形成装置それぞれにおいて実行されているジョブを管理する実行ジョブ管理データと、
を記憶する記憶部を備えること、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記制御部及び前記記憶部は、
前記複数の画像形成装置のうちいずれか一つの画像形成装置が有すること、
を特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−83580(P2012−83580A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230182(P2010−230182)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】