画像形成ユニット及び画像形成装置
【課題】画像形成ユニットからの現像剤の漏出を防止する。
【解決手段】例えば、プリンタの画像形成ユニット内に設けられるスポンジローラ37は、現像剤35aを現像ローラへ供給するものである。このスポンジローラ37の端部と接触するシールスポンジ40部分に、環状の凸部41aを形成している。そのため、スポンジローラ37の端部とシールスポンジ40との隙間がなくなり、現像剤35aが外部へ漏れるのを防止できる。これにより、画像形成ユニットの機構部に現像剤35aが漏れることによる用紙上の画像むらや、漏れた現像剤35aが用紙上に落ちてしまうという問題を防止できる。
【解決手段】例えば、プリンタの画像形成ユニット内に設けられるスポンジローラ37は、現像剤35aを現像ローラへ供給するものである。このスポンジローラ37の端部と接触するシールスポンジ40部分に、環状の凸部41aを形成している。そのため、スポンジローラ37の端部とシールスポンジ40との隙間がなくなり、現像剤35aが外部へ漏れるのを防止できる。これにより、画像形成ユニットの機構部に現像剤35aが漏れることによる用紙上の画像むらや、漏れた現像剤35aが用紙上に落ちてしまうという問題を防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電子写真技術において、現像剤であるトナーの漏出を防止した画像形成ユニットと、それを用いたプリンタ、複写機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真技術を用いたプリンタ、複写機等の画像形成装置を構成するための画像形成ユニットとしては、例えば、次のような文献に記載されたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】実開平5−17656号公報
【0004】
この特許文献1に記載された画像形成ユニットは、筒の表面に感光体を塗った感光ドラムと、この感光ドラムを帯電する帯電ローラと、感光ドラムを露光する発光ダイオード(以下「LED」という。)ヘッドと、トナーを坦持する供給ローラ及び現像ローラ等とを有している。供給ローラの端部は、トナーの漏出を防止するために、板状の弾性フォーム材よりなるシール部材によってシール(封止)されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の画像形成ユニットにおける供給ローラとシール部材との組み合わせでは、供給ローラの端部とシール材との隙間からトナーが入りこみ、画像形成ユニットの機構部にトナーが漏れ、それによって、印刷紙面上に画像むらができたり、漏れたトナーが紙面上に落ちてしまう等の課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成ユニットは、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部材と、前記像担持体を露光する露光装置とを有する画像形成ユニットにおいて、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の端部と対向して前記現像剤担持体に圧接され、前記現像剤をシールするシール部材とを備え、前記圧接された箇所における前記現像剤担持体の端部の外周縁近傍にて、前記現像剤担持体の端部及び/又は前記シール部材に、環状の押圧部(例えば、環状の凸部又は環状の凹部)が形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の画像形成装置は、前記画像形成ユニットを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シール部材と現像剤坦持体の端部との対向面側に、環状の押圧部を形成したので、現像剤坦持体の端部とシール部材との隙間がなくなり、現像剤が外部へ漏れるのを防ぐことができる。これにより、画像形成ユニットの機構部に現像剤が漏れることによる記録媒体上の画像むらや、漏れた現像剤が記録媒体上に落ちてしまうという問題を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を実施するための最良の形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0010】
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における画像形成装置を示す概略の構成図、及び、図3は、図2中の画像形成ユニットの周辺を示す概略の構成図である。
【0011】
一般に、画像を形成するための現像装置である画像形成ユニットを用いた画像形成装置では、例えば、帯電ローラにより、感光ドラムの表面にマイナスの電荷が蓄えられて帯電され、LEDヘッドにより、印刷パターンに応じた光が露光される。感光ドラム上の電荷は、光が照射された部分のみ電荷が消えて約0ボルトになる。供給ローラ及び現像ローラにより、マイナスの電荷を帯びたトナーが感光ドラムへ供給され、露光した部分のみにトナーが付着して現像される。露光していない部分はマイナスのままであり、トナーのマイナスと反発するためにトナーが付着しない。次に、画像形成ユニットの外に設けられた転写ユニットにより、感光ドラム上のトナーに対して用紙の裏面からプラスの電荷が掛けられ、マイナス電位のトナーが用紙の裏面から引きつけられてその用紙に転写される。その後、画像形成ユニットの外に設けられたヒートローラにより、熱でトナーが溶かされて用紙に定着(印刷)される。
【0012】
以下、本実施例1の画像形成装置について具体的に説明する。
図2に示す画像形成装置は、例えば、電子写真カラープリンタであり、このロワフレーム(下部フレーム)1には、記録媒体(例えば、用紙)搬送用の用紙搬送路10が設けられている。用紙搬送路10は、給紙ローラ11,12、及び排出ローラ13,14を有し、この用紙搬送路10の端部に、用紙20を収納する給紙カセット21とスタッカ22が設けられている。用紙搬送路10には、給紙カセット21から用紙20を繰り出す用紙繰り出し部23、転写ベルトユニット24、及び定着部25が設けられている。転写ベルトユニット24は、転送ベルト24aを回転移動させる転送ローラ24b、及び転写ローラ24c等を有し、用紙繰り出し部23により繰り出された用紙20を静電効果により転写ベルト24aに付着させて定着部25へ搬送するものである。定着部25は、トナーである現像剤35aを熱で溶かし、加圧して用紙20に定着させるものである。
【0013】
転写ベルトユニット24上には、色画像を形成するための現像装置である複数の画像形成ユニット30(例えば、ブラック形成用の画像形成ユニット30K、イエロー形成用の画像形成ユニット30Y、マゼンタ形成用の画像形成ユニット30M、及びシアン形成用の画像形成ユニット30C)が配列されている。
【0014】
図3に示す各画像形成ユニット30は、ベースフレーム31を有し、このベースフレーム31内に、図示しないモータ等の駆動により回転可能な像坦持体(例えば、感光ドラム)32が設けられている。感光ドラム32は、表面に電荷を蓄え、且つ露光によって表面の電荷の除去が可能なものであり、この感光ドラム32の表面に、帯電部材(例えば、帯電ローラ)33が一定の圧力で接触している。帯電ローラ33は、感光ドラム32の表面に所定の電荷を印加可能であり、感光ドラム32と同方向に回転するローラである。感光ドラム32の上方向には、帯電ローラ33によって蓄積された電荷を除去するための露光装置(例えば、LEDヘッド)34が設けられている。
【0015】
ベースフレーム31の上部には、例えば、トナーカートリッジである現像剤供給装置35が設けられている。現像剤供給装置35は、現像剤35aを収納し、この現像剤35aをベースフレーム31の内部へ搬送するための装置である。更に、ベースフレーム31の内部には、現像剤供給装置35から供給された現像剤35aを感光ドラム32に現像するための現像ローラ36と、この現像ローラ36に現像剤35aを供給するための現像剤坦持体(例えば、供給ローラであるスポンジローラ)37と、現像ローラ36上の現像剤35aを一定の厚さに規制するための現像ブレード38とが設けられており、その現像ローラ36が感光ドラム32に対して一定の圧力で接触している。
【0016】
帯電ローラ33の近傍には、クリーニング部39が設けられている。クリーニング部39は、感光ドラム32の表面に残留した現像剤35aをクリーニングブレード39aにより除去する装置である。又、感光ドラム32の下方向には、転写ベルト24a及び転写ローラ24cが配置されている。感光ドラム32の表面に現像された現像剤35aは、転写ベルト24a及び転写ローラ24cにより用紙20上に転写され、この用紙20上に現像剤像20aが形成される構成になっている。
【0017】
図4は、図2及び図3中のスポンジローラ37の周辺部分を示す斜視図、及び、図5は、図4中のスポンジローラ37を示す正面図である。
【0018】
スポンジローラ37は、両端部がベースフレーム31に回転自在に軸着されたシャフト部37aを有し、このシャフト37aの回りに、スポンジ材により形成された円筒状のスポンジ部37bが装着されている。スポンジ部37aのスポンジ材としては、種々のものが使用できるが、例えば、シリコンゴムを発泡成形して作られたシリコンスポンジ(アスカーFP、硬度約45〜55度品)が好ましい。シャフト部37aにおける両端部の外周面37Z、及びスポンジ部37bの両端面37Yには、これらと接触するほぼ板状のシール部材(例えば、シールスポンジ)40が、ベースフレーム31に固定されている。
【0019】
シールスポンジ40は、現像剤35aがスポンジローラ37の端部から外部へ漏出するのを防止するものであり、種々のスポンジ材により形成できる。このシールスポンジ40のスポンジ材としては、スポンジ部37bよりも硬度の大きなスポンジ材、例えば、ポリウレタンを発泡成形して作られたウレタンスポンジ(アスカーFP、硬度約75〜85度品)が好ましい。シールスポンジ40の外側部分には、プレート42が配置され、このプレート42により、シールスポンジ40に掛かる軸方向の押圧力を支える構造になっている。プレート42の材質としては、HI−PSやABSといった樹脂等の種々の材質により形成できる。
【0020】
図6(a1)、(b1)、(c1)、(a2)、(b2)、(c2)は、図4中のシールスポンジ40を示す構成図であり、同図(a1)は比較例である従来の斜視図、同図(b1)は同図(a1)の正面図、同図(c1)は同図(a1)の平面図である上面図、同図(a2)は本実施例1の斜視図、同図(b2)は同図(a2)の正面図、及び、同図(c2)は同図(a2)の平面図である上面図である。
【0021】
シールスポンジ40は、ほぼ逆三角形状の板状をなし、この下部に、スポンジローラ37におけるシャフト部37aの端部を挿入するための挿入孔41が形成されている。図6(a2)〜(c2)で示される本実施例1のシールスポンジ40は、比較例である図6(a1)〜(c1)で示される従来のものに比べ、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Yに対向し、且つこの端面37Yと接触する挿入孔41の周辺に、環状の押圧部(例えば、円形の凸部)41aが形成されている。円形の凸部41aは、スポンジローラ37におけるシャフト部37bの中心と同心上で、且つ、その円形の凸部41aの外径が端面37Yの外径とほぼ同一に形成されている。円形の凸部41aの高さαは、例えば、0.1mm〜3mm程度が好ましく、本実施例1の場合は高さαが1mm程度である。
【0022】
図1(a)、(b)は、本発明の実施例1における図4中のシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す断面図であり、同図(a)は取り付け状態の全体を示す断面図、及び、同図(b)は同図(a)中のX部分の拡大図である。図7(a)、(b)は、図1(a)、(b)に対する比較例である従来のシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態の断面図であり、同図(a)は取り付け状態の全体を示す断面図、及び、同図(b)は同図(a)中のX部分の拡大図である。
【0023】
スポンジローラ37とシールスポンジ40の接触状態において、シールスポンジ40の凸部41aにより、スポンジ部37aの端面37Yが押されて弾性変形し、この弾性変形による圧接で、スポンジローラ37とシールスポンジ40の圧接を確保し、スポンジローラ37の端面37Yから外部への現像剤35aの漏出が防止される構造になっている。シールスポンジ40に掛かる軸方向の押圧力は、プレート42により支えられる。
【0024】
(実施例1の変形例)
図8は、本実施例1の変形例1を示すものであって、図1(b)に対応するシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す拡大断面図である。
【0025】
本実施例1におけるシールスポンジ40の変形例1として、図8のような形状のシールスポンジ40を用いても良い。図8のシールスポンジ40は、図1(b)で示されたものに比べ、円形の凸部41aの外径が、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Yの外径よりも小さくなっている。
【0026】
図9は、本実施例1におけるシールスポンジ40の変形例2を示すものであって、図1(b)に対応するシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す拡大断面図である。
【0027】
本実施例1におけるシールスポンジ40の変形例2として、図9のような形状のシールスポンジ40を用いても良い。図9のシールスポンジ40では、挿入孔41の周辺において、スポンジローラ37におけるシャフト部37aの中心と同心上に、2重の円形の凸部41a1,41a2が形成され、この2重の凸部41a1,41a2間には隙間(例えば、2つの凸部41a1と凸部41a2とが所定間隔離れた離間部)Eが設けられている。
【0028】
(実施例1の動作・作用)
本実施例1における画像形成装置の全体の動作(1)、各画像形成ユニット30の動作(2)、及び、シールスポンジ40とスポンジローラ37の作用を説明する。
【0029】
(1) 画像形成装置の全体の動作
図2において、給紙カセット21から給紙された用紙20は、給紙ローラ11,12及び排出ローラ13,14を介して用紙搬送路10を通過する。その後、転写ベルトユニット24上で、各画像形成ユニット30(=30K,30Y,30M,30C)にて形成された現像剤35aの画像が転写ローラ24cにより用紙20へ転写され、定着部25により定着され、スタッカ22へ排出される。
【0030】
(2) 各画像形成ユニット30(=30K,30Y,30M,30C)の動作
図3において、帯電ローラ33によって、感光ドラム32の表面に一定の電荷が印加され、この感光ドラム32の表面が均一に帯電する。均一に帯電した感光ドラム32の表面は、LEDヘッド34から発生する光により画像部の電荷のみが除去され、静電潜像が形成される。各画像形成ユニット30の内部には、現像剤供給装置35より現像剤35aが供給される。供給された現像剤35aは、スポンジローラ37によって現像ローラ36へ供給される。現像ローラ36へ供給された現像剤35aは、現像ブレード38により一定の厚さに規制され、感光ドラム32の表面に形成された静電潜像に対し、その現像剤35aが現像される。感光ドラム32の表面に現像された現像剤35aは、転写ベルト24a及び転写ローラ24cにより用紙20上に転写され、この用紙20上に現像剤像20aが形成される。
【0031】
(3) シールスポンジ40とスポンジローラ37の作用
比較例を示す従来の図7において、シールスポンジ40とスポンジローラ37は互いに平坦であることから、これらの端部には隙間が生じ易い。この隙間から、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Y、及びシャフト部37aの外周面37Zを通り、現像剤35aが外部へ漏れてしまう。しかし、図1で示される本実施例1では、シールスポンジ40とスポンジ部37bの端面37Yとに隙間があったとしても、シールスポンジ40の凸部41aによって、スポンジローラ37との接触(密接状態)が保たれるため、現像剤35aがその凸部41aに阻まれ、漏れるのを防ぐことができる。
【0032】
本実施例1では、図8の変形例1で示された形状のシールスポンジ40を用いても良い。図8のシールスポンジ40は、図1で示されたものに比べ、円形の凸部41aの外径を、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Yの外径よりも小さくしたものである。円形の凸部41aの外径が小さくなると、シールスポンジ40とスポンジローラ37の庄接する部分の面積が小さくなる。圧接面が小さくなることで、スポンジローラ37がシールスポンジ40の圧接によって受ける摩擦力が小さくなり、スポンジローラ37の駆動負荷が小さくなる。
【0033】
又、図9の変形例2で示された形状のシールスポンジ40を用いても良い。図9では、シールスポンジ40上の円形の凸部41a1,41a2が同心上に2重に形成され、これらの2重の凸部41al,41a2間に離間部Eが設けられている。スポンジローラ37とシールスポンジ40が接触すると、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Yとシールスポンジ40とが接触する部分は、凸部41al,41a2の2箇所になる。しかも、凸部41alと凸部41a2の間に離間部Eが設けられて段差が形成されているので、例えば、各画像形成ユニット30の稼動中に、ユーザの不注意等による衝撃等を不意に受け、万が一、現像剤35aが凸部41alを乗り越えてしまったとしても、その段差によって経路が長くなっているので、乗り越えた現像剤35aが離間部Eに溜まり、凸部41a2の圧接があるため、スポンジローラ37におけるシャフト部37bの外周面37Zを通らず、現像剤35aが外部へ漏れるのを防ぐことができる。
【0034】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、シールスポンジ40におけるスポンジローラ37の端部と接触する部分に、円形の凸部41a、又は、2重の円形の凸部41al,41a2を形成したので、スポンジローラ37の端部とシールスポンジ40との隙間がなくなり、現像剤35aが外部へ漏れるのを防ぐという効果が得られる。これにより、各画像形成ユニット30の図示しない機構部に現像剤35aが漏れることによる用紙20上の画像むらや、漏れた現像剤35aが用紙20上に落ちてしまうという問題を防げる。
【実施例2】
【0035】
(実施例2の構成)
図10(a)、(b)は、本発明の実施例2におけるスポンジローラ37及びシールスポンジ40を示す構成図であり、同図(a)はスポンジローラ37の断面図、及び、同図(b)はシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す部分的な拡大断面図である。この図10(a)、(b)において、実施例1を示す図1(a)、(b)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0036】
本実施例2におけるスポンジローラ37のスポンジ部37bとシールスポンジ40が接する端部には、スポンジローラ37のシャフト部37aからスポンジ部37bの外周縁へ向かって凸部37cが形成されている。スポンジローラ37の凸部37cについて、シャフト部37aでは凸部はないが、スポンジ部37bの外周縁部で最終的にαの大きさとなるような傾斜を有する形状になっている。
【0037】
(実施例2の変形例)
図11(a)、(b)は、実施例2の図10(a)、(b)に対する変形例1を示すスポンジローラ37及びシールスポンジ40の構成図であり、図11(a)はスポンジローラ37の断面図、及び、図11(b)はシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す部分的な拡大断面図である。
【0038】
本実施例2の変形例1として、図11(a)、(b)で示されたようなスポンジローラ37を用いても良い。スポンジローラ37のスポンジ部37bとシールスポンジ40が接する端部には、スポンジローラ37のシャフト部37aの中心と同心の円形の凸部37cが形成され、この高さはαである。
【0039】
図12(a)、(b)は、実施例2の図10(a)、(b)に対する変形例2を示すスポンジローラ37及びシールスポンジ40の構成図であり、図12(a)はスポンジローラ37の断面図、及び、図12(b)はシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す部分的な拡大断面図である。
【0040】
本実施例2の変形例2として、図12(a)、(b)で示されたようなスポンジローラ37を用いても良い。スポンジローラ37のスポンジ部37bとシールスポンジ40が接する端部には、スポンジローラ37のシャフト部37aの中心と同心の2重の円形の凸部37c1,37c2が形成されている。外周縁側の凸部37c1と内周側の凸部37c2との間には、隙間(例えば、空間)Fを有している。凸部37c1と凸部37c2の高さは、両方とも同一のαである。なお、凸部37c1と凸部37c2の高さは、異ならせても良い。
【0041】
(実施例2の作用)
本実施例2におけるシールスポンジ40とスポンジローラ37の作用について、図10(a)、(b)を用いて説明すると、スポンジローラ37には凸部37cが形成されている。そのため、スポンジローラ37とシールスポンジ40の間には、凸部37cによる圧接状態が起こり、現像剤35aは、そこを通過することができず、スポンジローラ37におけるシャフト部37aの外周面37Zの方へ漏れるのを防ぐことができる。
【0042】
本実施例2では、図11(a)、(b)の変形例1で示された形状のスポンジローラ37を用いても良い。図11(a)、(b)では、スポンジローラ37とシールスポンジ40が接触している端部において、凸部37cとシールスポンジ40が接触し、そこで圧接状態が保たれるため、現像剤35aはスポンジローラ37の外周面37Zの方へ漏れるのを防ぐことができる。
【0043】
又、図12(a)、(b)の変形例2で示された形状のスポンジローラ37を用いても良い。図12(a)、(b)では、スポンジローラ37とシールスポンジ40とが接触している端部において、凸部37c1と凸部37c2がシールスポンジ40に接触する。しかも、凸部37clと凸部37c2の間には空間Fがあるため、例えば、各画像形成ユニット30の稼動中に、ユーザの不注意等による衝撃等を不意に受け、万が一現像剤35aが凸部37clを乗り越えてしまったとしても、空間Fに現像剤35aが溜まり、凸部37c2のシールスポンジ40との圧接が保たれているため、スポンジローラ37の外周面37Zを通らず、現像剤35aが漏れるのを防ぐことができる。
【0044】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、スポンジローラ37のスポンジ部37bとシールスポンジ40とが接する端部に、スポンジローラ37の凸部37c、又は、2重の凸部37cl,37c2を形成したので、スポンジローラ37の端部とシールスポンジ40との隙間がなくなり、現像剤35aが外部へ漏れるのを防ぐという効果が得られる。これにより、各画像形成ユニット30の図示しない機構部に現像剤35aが漏れることによる用紙20上の画像むらや,漏れた現像剤35aが用紙20上に落ちてしまうという問題を防げる。更に、本実施例2及びこの変形例1、2では、スポンジローラ37側に凸部37c,37c1,37c2を設けた構造であるため、実施例1及びこの変形例1、2のように、シールスポンジ40側に凸部41a,41a1,41a2を設けた構造に比べて、例えば、スポンジ部37bを発泡成形用の金型を用いて形成する場合、凸部37c,37c1,37c2を比較的簡単に、精度良く形成することができる。
【実施例3】
【0045】
(実施例3の構成)
図13(a)、(b)は、本発明の実施例3におけるスポンジローラ37及びシールスポンジ40を示す構成図であり、同図(a)はスポンジローラ37の断面図、及び、同図(b)はシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す部分的な拡大断面図である。この図13(a)、(b)において、実施例1を示す図1(a)、(b)、図8、図9、及び実施例2を示す図10(a)、(b)〜図12(a)、(b)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0046】
本実施例3に用いるスポンジローラ37は、図10(a)、(b)で用いたものと同一であり、シールスポンジ40は、図8で用いたものと同一である。
【0047】
(実施例3の変形例)
図14(a)、(b)は、実施例3の図13(a)、(b)に対する変形例1を示すスポンジローラ37及びシールスポンジ40の構成図であり、図14(a)はスポンジローラ37の断面図、及び、図14(b)はシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す部分的な拡大断面図である。
【0048】
本実施例3の変形例1として、図12(a)、(b)で用いたスポンジローラ37と同一のものと、図10で用いたシールスポンジ40と同一のものの組み合わせでも良い。
【0049】
図15(a)、(b)は、実施例3の図13(a)、(b)に対する変形例2を示すスポンジローラ37及びシールスポンジ40の構成図であり、図15(a)はスポンジローラ37の断面図、及び、図15(b)はシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す部分的な拡大断面図である。
【0050】
本実施例3の変形例2として、図11(a)、(b)で用いたスポンジローラ37と同一のものと、図9で用いたシールスポンジ40と同一のものの組み合わせでも良い。
【0051】
(実施例3の作用)
本実施例3におけるシールスポンジ40とスポンジローラ37の作用について、図13(a)、(b)を用いて説明する。スポンジローラ37の凸部37cとシールスポンジ40の凸部41aが、スポンジローラ37のシールスポンジ40と接触する端部において、それぞれ圧接されるため、スポンジローラ37の凸部37cとシールスポンジ40の凸部41aとの圧接状態が保たれ、現像剤35aは、その圧接部を通れず、スポンジローラ37の外周面37Zの方へ漏れるのを防ぐことができる。
【0052】
本実施例3では、図14(a)、(b)の変形例1で示された形状のスポンジローラ37とシールスポンジ40を用いても良い。スポンジローラ37の凸部37c1,37c2とシールスポンジ40の凸部41aが、スポンジローラ37のシールスポンジ40と接触する端部において、それぞれ圧接されるため、現像剤35aは、その圧接部を通れず、スポンジローラ37の外周面37Zの方へ漏るのを防ぐことができる。しかも、スポンジローラ37は2つの凸部37c1,37c2を有し、この2つの凸部37c1,37c2間に、シールスポンジ40の凸部41aが位置するように構成されている。このように、スポンジローラ37とシールスポンジ40の凸部同士を交互に配置させることで、スポンジローラ37とシールスポンジ40が圧接している長さが長くなり、より現像剤35aが外周面37Zの方へ漏れ難くなる。
【0053】
又、図15(a)、(b)の変形例2で示された形状のスポンジローラ37とシールスポンジ40を用いても良い。スポンジローラ37の凸部37cとシールスポンジ40の凸部41al,41a2が、スポンジローラ37のシールスポンジ40と接触する端部において、それぞれ圧接されるため、現像剤35aは、その圧接部を通れず、スポンジローラ37の外周面37Zの方へ漏れるのを防ぐことができる。しかも、図14(a)、(b)の場合と同様に、スポンジローラ37とシールスポンジ40の凸部同士を交互に配置させることで、スポンジローラ37とシールスポンジ40が圧接している長さが長くなり、より現像剤35aが外周面37Zの方へ漏れ難くなる。
【0054】
(実施例3の効果)
本実施例3によれば、スポンジローラ37のスポンジ部37bとシールスポンジ40が接する端部に、スポンジローラ37の凸部37c、又は2つの凸部37cl,37c2を形成し、且つ、シールスポンジ40の凸部41a、又は2つの凸部41al,41a2を形成したので、スポンジローラ37の端部とシールスポンジ40との隙間がなくなり、現像剤35aがスポンジローラ37の外周面37Zを通らず、外部へ漏れるのを防ぐことができるという効果が得られる。更に、スポンジローラ37の凸部37c又は2つの凸部37cl,37c2と、シールスポンジ40の凸部41a又は2つの凸部41al,41a2とが交互に配置されることで、スポンジローラ37とシールスポンジ40の圧接長さが長くなり、より現像剤35aが漏れ難くなるという効果も得られる。これにより、各画像形成ユニット30の図示しない機構部に現像剤35aが漏れることによる用紙20上の画像むらや、漏れた現像剤35aが用紙20上に落ちてしまうという問題を防げる。
【実施例4】
【0055】
図16(a1)、(b1)、(a2)、(b2)は、本発明の実施例4におけるシールスポンジ40とスポンジローラ37を示す部分的な構成図であり、同図(a1)はシールスポンジ40及びスポンジローラ37の部分断面図、同図(b1)は同図(a1)におけるシールスポンジ40とスポンジローラ37との圧接状態を示す図、同図(a2)は他の形状のシールスポンジ40及びスポンジローラ37の部分断面図、及び、同図(b2)は同図(a2)におけるシールスポンジ40とスポンジローラ37との圧接状態を示す図である。これらの図16(a1)、(b1)、(a2)、(b2)において、実施例1〜3及びこの変形例1、2を示す図面中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0056】
図16(a1)、(b1)では、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Yに、環状(例えば、円形)の凹部37dが形成され、この凹部37dに対向してシールスポンジ40側に環状の押圧部(例えば、円形の凸部)41aが形成されている。凹部37dの断面の深さは凸部41aの断面の高さよりも大きく、凹部37dの断面の幅は凸部41aの断面の幅よりも小さい。そのため、スポンジ部37bの端面37Yとシールスポンジ40とが圧接した状態では、凸部41aが凹部37dを押し広げる形で圧入され、凹部37dの底に空間Gが生じる。
【0057】
そのため、凸部41aと凹部37dとの接触箇所で圧接状態が保たれるため、現像剤35aはスポンジローラ37の外周面37Zの方へ漏れるのを防ぐことができる。しかも、凹部37dの底には空間Gがあるため、万が一現像剤35aがその接触箇所を通過したとしても、空間Gに現像剤35aが溜まり、外部へ現像剤35aが漏れるのを防ぐことができる。
【0058】
図16(a2)、(b2)では、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Yに、環状の押圧部(例えば、円形の凸部37c及び凹部37d)が形成され、この凹部37dに対向してシールスポンジ40側に環状の押圧部(例えば、円形の凸部41a)が形成されている。凹部37dの断面の深さは凸部41aの断面の高さよりも小さく、凹部37dの断面の幅は凸部41aの断面の幅とほぼ同一である。そのため、スポンジ部37bの端面37Yとシールスポンジ40とが圧接した状態では、凸部41aの頂部が凹部37dの底を押圧する状態で圧入され、更に、凸部37cがシールスポンジ40面を押圧する状態で圧入される。
【0059】
そのため、凹部37d及び凸部41aの接触箇所と凸部37c及びシールスポンジ面の接触箇所との2箇所で圧接状態が保たれるため、外部への現像剤35の露出を的確に防止することができる。
【0060】
なお、変形例として、図16(a1)、(b1)において、スポンジ部37b側に凸部41aを形成すると共に、シールスポンジ40側に凹部37dを形成したり、あるいは、図16(a2)、(b2)において、スポンジ部37b側に凸部41aを形成すると共に、シールスポンジ40側に凸部37c及び凹部37dを形成しても、上記とほぼ同様の作用効果が得られる。
【0061】
(実施例1〜4の他の変形例)
本発明は、上記実施例や変形例に限定されず、その他、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(A)〜(D)のようなものがある。
【0062】
(A) 実施例1〜4において、凸部37c,37c1,37c2,41a,41a1,41a2に樹脂を含浸させてもよい。樹脂としては、例えば、ポリアセタール樹脂(POM)が好ましく、その他、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂等でも良い。このような構成を採用することにより、樹脂を含浸させた凸部37c,37c1,37c2,41a,41a1,41a2は、相手のスポンジ部37bから押圧されても圧縮に耐えるので、凸部を高く形成すること、及び凸部の加工精度を高める必要がない。更に、このような構成によれば、樹脂を含浸させた凸部37c,37c1,37c2,41a,41a1,41a2とスポンジとの摩擦になるので、スポンジ同士の摩擦よりも摩擦を低くすることができる。
【0063】
(B) 円形の凸部37c,37c1,37c2,41a,41a1,41a2、及び凹部37dは、スポンジ部37bにおける端面37Yの外径よりも小さな外径を有する楕円形、多角形等の他の環状の押圧部に変更しても良い。
【0064】
(C) 本発明は、スポンジローラ37以外の他の供給ローラを含めた現像剤坦持体についても適用可能である。例えば、感光ドラム32に当接して掻き取られた現像剤35aを現像剤回収室へと搬送するベルトの駆動ギア軸におけるシール部材等にも、本発明を適用できる。
【0065】
(D) 実施例では、画像形成装置をプリンタとして説明したが、本発明は、ファクシミリ装置、複写機、及びそれらを複合的に持つ装置等に搭載されている画像形成ユニット等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施例1における図4中のシールスポンジとスポンジローラの取り付け状態を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例1における画像形成装置を示す概略の構成図である。
【図3】図2中の画像形成ユニットの周辺を示す概略の構成図である。
【図4】図2及び図3中のスポンジローラの周辺部分を示す斜視図である。
【図5】図4中のスポンジローラを示す正面図である。
【図6】図4中のシールスポンジを示す構成図である。
【図7】図1(a)、(b)に対する比較例を示すシールスポンジとスポンジローラの取り付け状態の断面図である。
【図8】実施例1の変形例1を示すものであって、図1(b)に対応するシールスポンジとスポンジローラの取り付け状態を示す拡大断面図である。
【図9】実施例1におけるシールスポンジの変形例2を示すものであって、図1(b)に対応するシールスポンジとスポンジローラの取り付け状態を示す拡大断面図である。
【図10】本発明の実施例2におけるスポンジローラ及びシールスポンジを示す構成図である。
【図11】実施例2の図10(a)、(b)に対する変形例1を示すスポンジローラ及びシールスポンジの構成図である。
【図12】実施例2の図10(a)、(b)に対する変形例2を示すスポンジローラ及びシールスポンジの構成図である。
【図13】本発明の実施例3におけるスポンジローラ及びシールスポンジを示す構成図である。
【図14】実施例3の図13(a)、(b)に対する変形例1を示すスポンジローラ及びシールスポンジの構成図である。
【図15】実施例3の図13(a)、(b)に対する変形例2を示すスポンジローラ及びシールスポンジの構成図である。
【図16】本発明の実施例4におけるシールスポンジとスポンジローラを示す部分的な構成図である。
【符号の説明】
【0067】
10 用紙搬送路
24 転写ベルトユニット
25 定着部
30,30K,30Y,30M,30C 画像形成ユニット
32 感光ドラム
33 帯電ローラ
34 LEDヘッド
35a 現像剤
36 現像ローラ
37 スポンジローラ
37c,37c1,37c2 凸部
37d 凹部
40 シールスポンジ
41a,41a1,41a2 凸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電子写真技術において、現像剤であるトナーの漏出を防止した画像形成ユニットと、それを用いたプリンタ、複写機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真技術を用いたプリンタ、複写機等の画像形成装置を構成するための画像形成ユニットとしては、例えば、次のような文献に記載されたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】実開平5−17656号公報
【0004】
この特許文献1に記載された画像形成ユニットは、筒の表面に感光体を塗った感光ドラムと、この感光ドラムを帯電する帯電ローラと、感光ドラムを露光する発光ダイオード(以下「LED」という。)ヘッドと、トナーを坦持する供給ローラ及び現像ローラ等とを有している。供給ローラの端部は、トナーの漏出を防止するために、板状の弾性フォーム材よりなるシール部材によってシール(封止)されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の画像形成ユニットにおける供給ローラとシール部材との組み合わせでは、供給ローラの端部とシール材との隙間からトナーが入りこみ、画像形成ユニットの機構部にトナーが漏れ、それによって、印刷紙面上に画像むらができたり、漏れたトナーが紙面上に落ちてしまう等の課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成ユニットは、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部材と、前記像担持体を露光する露光装置とを有する画像形成ユニットにおいて、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の端部と対向して前記現像剤担持体に圧接され、前記現像剤をシールするシール部材とを備え、前記圧接された箇所における前記現像剤担持体の端部の外周縁近傍にて、前記現像剤担持体の端部及び/又は前記シール部材に、環状の押圧部(例えば、環状の凸部又は環状の凹部)が形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の画像形成装置は、前記画像形成ユニットを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シール部材と現像剤坦持体の端部との対向面側に、環状の押圧部を形成したので、現像剤坦持体の端部とシール部材との隙間がなくなり、現像剤が外部へ漏れるのを防ぐことができる。これにより、画像形成ユニットの機構部に現像剤が漏れることによる記録媒体上の画像むらや、漏れた現像剤が記録媒体上に落ちてしまうという問題を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を実施するための最良の形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0010】
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における画像形成装置を示す概略の構成図、及び、図3は、図2中の画像形成ユニットの周辺を示す概略の構成図である。
【0011】
一般に、画像を形成するための現像装置である画像形成ユニットを用いた画像形成装置では、例えば、帯電ローラにより、感光ドラムの表面にマイナスの電荷が蓄えられて帯電され、LEDヘッドにより、印刷パターンに応じた光が露光される。感光ドラム上の電荷は、光が照射された部分のみ電荷が消えて約0ボルトになる。供給ローラ及び現像ローラにより、マイナスの電荷を帯びたトナーが感光ドラムへ供給され、露光した部分のみにトナーが付着して現像される。露光していない部分はマイナスのままであり、トナーのマイナスと反発するためにトナーが付着しない。次に、画像形成ユニットの外に設けられた転写ユニットにより、感光ドラム上のトナーに対して用紙の裏面からプラスの電荷が掛けられ、マイナス電位のトナーが用紙の裏面から引きつけられてその用紙に転写される。その後、画像形成ユニットの外に設けられたヒートローラにより、熱でトナーが溶かされて用紙に定着(印刷)される。
【0012】
以下、本実施例1の画像形成装置について具体的に説明する。
図2に示す画像形成装置は、例えば、電子写真カラープリンタであり、このロワフレーム(下部フレーム)1には、記録媒体(例えば、用紙)搬送用の用紙搬送路10が設けられている。用紙搬送路10は、給紙ローラ11,12、及び排出ローラ13,14を有し、この用紙搬送路10の端部に、用紙20を収納する給紙カセット21とスタッカ22が設けられている。用紙搬送路10には、給紙カセット21から用紙20を繰り出す用紙繰り出し部23、転写ベルトユニット24、及び定着部25が設けられている。転写ベルトユニット24は、転送ベルト24aを回転移動させる転送ローラ24b、及び転写ローラ24c等を有し、用紙繰り出し部23により繰り出された用紙20を静電効果により転写ベルト24aに付着させて定着部25へ搬送するものである。定着部25は、トナーである現像剤35aを熱で溶かし、加圧して用紙20に定着させるものである。
【0013】
転写ベルトユニット24上には、色画像を形成するための現像装置である複数の画像形成ユニット30(例えば、ブラック形成用の画像形成ユニット30K、イエロー形成用の画像形成ユニット30Y、マゼンタ形成用の画像形成ユニット30M、及びシアン形成用の画像形成ユニット30C)が配列されている。
【0014】
図3に示す各画像形成ユニット30は、ベースフレーム31を有し、このベースフレーム31内に、図示しないモータ等の駆動により回転可能な像坦持体(例えば、感光ドラム)32が設けられている。感光ドラム32は、表面に電荷を蓄え、且つ露光によって表面の電荷の除去が可能なものであり、この感光ドラム32の表面に、帯電部材(例えば、帯電ローラ)33が一定の圧力で接触している。帯電ローラ33は、感光ドラム32の表面に所定の電荷を印加可能であり、感光ドラム32と同方向に回転するローラである。感光ドラム32の上方向には、帯電ローラ33によって蓄積された電荷を除去するための露光装置(例えば、LEDヘッド)34が設けられている。
【0015】
ベースフレーム31の上部には、例えば、トナーカートリッジである現像剤供給装置35が設けられている。現像剤供給装置35は、現像剤35aを収納し、この現像剤35aをベースフレーム31の内部へ搬送するための装置である。更に、ベースフレーム31の内部には、現像剤供給装置35から供給された現像剤35aを感光ドラム32に現像するための現像ローラ36と、この現像ローラ36に現像剤35aを供給するための現像剤坦持体(例えば、供給ローラであるスポンジローラ)37と、現像ローラ36上の現像剤35aを一定の厚さに規制するための現像ブレード38とが設けられており、その現像ローラ36が感光ドラム32に対して一定の圧力で接触している。
【0016】
帯電ローラ33の近傍には、クリーニング部39が設けられている。クリーニング部39は、感光ドラム32の表面に残留した現像剤35aをクリーニングブレード39aにより除去する装置である。又、感光ドラム32の下方向には、転写ベルト24a及び転写ローラ24cが配置されている。感光ドラム32の表面に現像された現像剤35aは、転写ベルト24a及び転写ローラ24cにより用紙20上に転写され、この用紙20上に現像剤像20aが形成される構成になっている。
【0017】
図4は、図2及び図3中のスポンジローラ37の周辺部分を示す斜視図、及び、図5は、図4中のスポンジローラ37を示す正面図である。
【0018】
スポンジローラ37は、両端部がベースフレーム31に回転自在に軸着されたシャフト部37aを有し、このシャフト37aの回りに、スポンジ材により形成された円筒状のスポンジ部37bが装着されている。スポンジ部37aのスポンジ材としては、種々のものが使用できるが、例えば、シリコンゴムを発泡成形して作られたシリコンスポンジ(アスカーFP、硬度約45〜55度品)が好ましい。シャフト部37aにおける両端部の外周面37Z、及びスポンジ部37bの両端面37Yには、これらと接触するほぼ板状のシール部材(例えば、シールスポンジ)40が、ベースフレーム31に固定されている。
【0019】
シールスポンジ40は、現像剤35aがスポンジローラ37の端部から外部へ漏出するのを防止するものであり、種々のスポンジ材により形成できる。このシールスポンジ40のスポンジ材としては、スポンジ部37bよりも硬度の大きなスポンジ材、例えば、ポリウレタンを発泡成形して作られたウレタンスポンジ(アスカーFP、硬度約75〜85度品)が好ましい。シールスポンジ40の外側部分には、プレート42が配置され、このプレート42により、シールスポンジ40に掛かる軸方向の押圧力を支える構造になっている。プレート42の材質としては、HI−PSやABSといった樹脂等の種々の材質により形成できる。
【0020】
図6(a1)、(b1)、(c1)、(a2)、(b2)、(c2)は、図4中のシールスポンジ40を示す構成図であり、同図(a1)は比較例である従来の斜視図、同図(b1)は同図(a1)の正面図、同図(c1)は同図(a1)の平面図である上面図、同図(a2)は本実施例1の斜視図、同図(b2)は同図(a2)の正面図、及び、同図(c2)は同図(a2)の平面図である上面図である。
【0021】
シールスポンジ40は、ほぼ逆三角形状の板状をなし、この下部に、スポンジローラ37におけるシャフト部37aの端部を挿入するための挿入孔41が形成されている。図6(a2)〜(c2)で示される本実施例1のシールスポンジ40は、比較例である図6(a1)〜(c1)で示される従来のものに比べ、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Yに対向し、且つこの端面37Yと接触する挿入孔41の周辺に、環状の押圧部(例えば、円形の凸部)41aが形成されている。円形の凸部41aは、スポンジローラ37におけるシャフト部37bの中心と同心上で、且つ、その円形の凸部41aの外径が端面37Yの外径とほぼ同一に形成されている。円形の凸部41aの高さαは、例えば、0.1mm〜3mm程度が好ましく、本実施例1の場合は高さαが1mm程度である。
【0022】
図1(a)、(b)は、本発明の実施例1における図4中のシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す断面図であり、同図(a)は取り付け状態の全体を示す断面図、及び、同図(b)は同図(a)中のX部分の拡大図である。図7(a)、(b)は、図1(a)、(b)に対する比較例である従来のシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態の断面図であり、同図(a)は取り付け状態の全体を示す断面図、及び、同図(b)は同図(a)中のX部分の拡大図である。
【0023】
スポンジローラ37とシールスポンジ40の接触状態において、シールスポンジ40の凸部41aにより、スポンジ部37aの端面37Yが押されて弾性変形し、この弾性変形による圧接で、スポンジローラ37とシールスポンジ40の圧接を確保し、スポンジローラ37の端面37Yから外部への現像剤35aの漏出が防止される構造になっている。シールスポンジ40に掛かる軸方向の押圧力は、プレート42により支えられる。
【0024】
(実施例1の変形例)
図8は、本実施例1の変形例1を示すものであって、図1(b)に対応するシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す拡大断面図である。
【0025】
本実施例1におけるシールスポンジ40の変形例1として、図8のような形状のシールスポンジ40を用いても良い。図8のシールスポンジ40は、図1(b)で示されたものに比べ、円形の凸部41aの外径が、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Yの外径よりも小さくなっている。
【0026】
図9は、本実施例1におけるシールスポンジ40の変形例2を示すものであって、図1(b)に対応するシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す拡大断面図である。
【0027】
本実施例1におけるシールスポンジ40の変形例2として、図9のような形状のシールスポンジ40を用いても良い。図9のシールスポンジ40では、挿入孔41の周辺において、スポンジローラ37におけるシャフト部37aの中心と同心上に、2重の円形の凸部41a1,41a2が形成され、この2重の凸部41a1,41a2間には隙間(例えば、2つの凸部41a1と凸部41a2とが所定間隔離れた離間部)Eが設けられている。
【0028】
(実施例1の動作・作用)
本実施例1における画像形成装置の全体の動作(1)、各画像形成ユニット30の動作(2)、及び、シールスポンジ40とスポンジローラ37の作用を説明する。
【0029】
(1) 画像形成装置の全体の動作
図2において、給紙カセット21から給紙された用紙20は、給紙ローラ11,12及び排出ローラ13,14を介して用紙搬送路10を通過する。その後、転写ベルトユニット24上で、各画像形成ユニット30(=30K,30Y,30M,30C)にて形成された現像剤35aの画像が転写ローラ24cにより用紙20へ転写され、定着部25により定着され、スタッカ22へ排出される。
【0030】
(2) 各画像形成ユニット30(=30K,30Y,30M,30C)の動作
図3において、帯電ローラ33によって、感光ドラム32の表面に一定の電荷が印加され、この感光ドラム32の表面が均一に帯電する。均一に帯電した感光ドラム32の表面は、LEDヘッド34から発生する光により画像部の電荷のみが除去され、静電潜像が形成される。各画像形成ユニット30の内部には、現像剤供給装置35より現像剤35aが供給される。供給された現像剤35aは、スポンジローラ37によって現像ローラ36へ供給される。現像ローラ36へ供給された現像剤35aは、現像ブレード38により一定の厚さに規制され、感光ドラム32の表面に形成された静電潜像に対し、その現像剤35aが現像される。感光ドラム32の表面に現像された現像剤35aは、転写ベルト24a及び転写ローラ24cにより用紙20上に転写され、この用紙20上に現像剤像20aが形成される。
【0031】
(3) シールスポンジ40とスポンジローラ37の作用
比較例を示す従来の図7において、シールスポンジ40とスポンジローラ37は互いに平坦であることから、これらの端部には隙間が生じ易い。この隙間から、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Y、及びシャフト部37aの外周面37Zを通り、現像剤35aが外部へ漏れてしまう。しかし、図1で示される本実施例1では、シールスポンジ40とスポンジ部37bの端面37Yとに隙間があったとしても、シールスポンジ40の凸部41aによって、スポンジローラ37との接触(密接状態)が保たれるため、現像剤35aがその凸部41aに阻まれ、漏れるのを防ぐことができる。
【0032】
本実施例1では、図8の変形例1で示された形状のシールスポンジ40を用いても良い。図8のシールスポンジ40は、図1で示されたものに比べ、円形の凸部41aの外径を、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Yの外径よりも小さくしたものである。円形の凸部41aの外径が小さくなると、シールスポンジ40とスポンジローラ37の庄接する部分の面積が小さくなる。圧接面が小さくなることで、スポンジローラ37がシールスポンジ40の圧接によって受ける摩擦力が小さくなり、スポンジローラ37の駆動負荷が小さくなる。
【0033】
又、図9の変形例2で示された形状のシールスポンジ40を用いても良い。図9では、シールスポンジ40上の円形の凸部41a1,41a2が同心上に2重に形成され、これらの2重の凸部41al,41a2間に離間部Eが設けられている。スポンジローラ37とシールスポンジ40が接触すると、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Yとシールスポンジ40とが接触する部分は、凸部41al,41a2の2箇所になる。しかも、凸部41alと凸部41a2の間に離間部Eが設けられて段差が形成されているので、例えば、各画像形成ユニット30の稼動中に、ユーザの不注意等による衝撃等を不意に受け、万が一、現像剤35aが凸部41alを乗り越えてしまったとしても、その段差によって経路が長くなっているので、乗り越えた現像剤35aが離間部Eに溜まり、凸部41a2の圧接があるため、スポンジローラ37におけるシャフト部37bの外周面37Zを通らず、現像剤35aが外部へ漏れるのを防ぐことができる。
【0034】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、シールスポンジ40におけるスポンジローラ37の端部と接触する部分に、円形の凸部41a、又は、2重の円形の凸部41al,41a2を形成したので、スポンジローラ37の端部とシールスポンジ40との隙間がなくなり、現像剤35aが外部へ漏れるのを防ぐという効果が得られる。これにより、各画像形成ユニット30の図示しない機構部に現像剤35aが漏れることによる用紙20上の画像むらや、漏れた現像剤35aが用紙20上に落ちてしまうという問題を防げる。
【実施例2】
【0035】
(実施例2の構成)
図10(a)、(b)は、本発明の実施例2におけるスポンジローラ37及びシールスポンジ40を示す構成図であり、同図(a)はスポンジローラ37の断面図、及び、同図(b)はシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す部分的な拡大断面図である。この図10(a)、(b)において、実施例1を示す図1(a)、(b)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0036】
本実施例2におけるスポンジローラ37のスポンジ部37bとシールスポンジ40が接する端部には、スポンジローラ37のシャフト部37aからスポンジ部37bの外周縁へ向かって凸部37cが形成されている。スポンジローラ37の凸部37cについて、シャフト部37aでは凸部はないが、スポンジ部37bの外周縁部で最終的にαの大きさとなるような傾斜を有する形状になっている。
【0037】
(実施例2の変形例)
図11(a)、(b)は、実施例2の図10(a)、(b)に対する変形例1を示すスポンジローラ37及びシールスポンジ40の構成図であり、図11(a)はスポンジローラ37の断面図、及び、図11(b)はシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す部分的な拡大断面図である。
【0038】
本実施例2の変形例1として、図11(a)、(b)で示されたようなスポンジローラ37を用いても良い。スポンジローラ37のスポンジ部37bとシールスポンジ40が接する端部には、スポンジローラ37のシャフト部37aの中心と同心の円形の凸部37cが形成され、この高さはαである。
【0039】
図12(a)、(b)は、実施例2の図10(a)、(b)に対する変形例2を示すスポンジローラ37及びシールスポンジ40の構成図であり、図12(a)はスポンジローラ37の断面図、及び、図12(b)はシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す部分的な拡大断面図である。
【0040】
本実施例2の変形例2として、図12(a)、(b)で示されたようなスポンジローラ37を用いても良い。スポンジローラ37のスポンジ部37bとシールスポンジ40が接する端部には、スポンジローラ37のシャフト部37aの中心と同心の2重の円形の凸部37c1,37c2が形成されている。外周縁側の凸部37c1と内周側の凸部37c2との間には、隙間(例えば、空間)Fを有している。凸部37c1と凸部37c2の高さは、両方とも同一のαである。なお、凸部37c1と凸部37c2の高さは、異ならせても良い。
【0041】
(実施例2の作用)
本実施例2におけるシールスポンジ40とスポンジローラ37の作用について、図10(a)、(b)を用いて説明すると、スポンジローラ37には凸部37cが形成されている。そのため、スポンジローラ37とシールスポンジ40の間には、凸部37cによる圧接状態が起こり、現像剤35aは、そこを通過することができず、スポンジローラ37におけるシャフト部37aの外周面37Zの方へ漏れるのを防ぐことができる。
【0042】
本実施例2では、図11(a)、(b)の変形例1で示された形状のスポンジローラ37を用いても良い。図11(a)、(b)では、スポンジローラ37とシールスポンジ40が接触している端部において、凸部37cとシールスポンジ40が接触し、そこで圧接状態が保たれるため、現像剤35aはスポンジローラ37の外周面37Zの方へ漏れるのを防ぐことができる。
【0043】
又、図12(a)、(b)の変形例2で示された形状のスポンジローラ37を用いても良い。図12(a)、(b)では、スポンジローラ37とシールスポンジ40とが接触している端部において、凸部37c1と凸部37c2がシールスポンジ40に接触する。しかも、凸部37clと凸部37c2の間には空間Fがあるため、例えば、各画像形成ユニット30の稼動中に、ユーザの不注意等による衝撃等を不意に受け、万が一現像剤35aが凸部37clを乗り越えてしまったとしても、空間Fに現像剤35aが溜まり、凸部37c2のシールスポンジ40との圧接が保たれているため、スポンジローラ37の外周面37Zを通らず、現像剤35aが漏れるのを防ぐことができる。
【0044】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、スポンジローラ37のスポンジ部37bとシールスポンジ40とが接する端部に、スポンジローラ37の凸部37c、又は、2重の凸部37cl,37c2を形成したので、スポンジローラ37の端部とシールスポンジ40との隙間がなくなり、現像剤35aが外部へ漏れるのを防ぐという効果が得られる。これにより、各画像形成ユニット30の図示しない機構部に現像剤35aが漏れることによる用紙20上の画像むらや,漏れた現像剤35aが用紙20上に落ちてしまうという問題を防げる。更に、本実施例2及びこの変形例1、2では、スポンジローラ37側に凸部37c,37c1,37c2を設けた構造であるため、実施例1及びこの変形例1、2のように、シールスポンジ40側に凸部41a,41a1,41a2を設けた構造に比べて、例えば、スポンジ部37bを発泡成形用の金型を用いて形成する場合、凸部37c,37c1,37c2を比較的簡単に、精度良く形成することができる。
【実施例3】
【0045】
(実施例3の構成)
図13(a)、(b)は、本発明の実施例3におけるスポンジローラ37及びシールスポンジ40を示す構成図であり、同図(a)はスポンジローラ37の断面図、及び、同図(b)はシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す部分的な拡大断面図である。この図13(a)、(b)において、実施例1を示す図1(a)、(b)、図8、図9、及び実施例2を示す図10(a)、(b)〜図12(a)、(b)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0046】
本実施例3に用いるスポンジローラ37は、図10(a)、(b)で用いたものと同一であり、シールスポンジ40は、図8で用いたものと同一である。
【0047】
(実施例3の変形例)
図14(a)、(b)は、実施例3の図13(a)、(b)に対する変形例1を示すスポンジローラ37及びシールスポンジ40の構成図であり、図14(a)はスポンジローラ37の断面図、及び、図14(b)はシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す部分的な拡大断面図である。
【0048】
本実施例3の変形例1として、図12(a)、(b)で用いたスポンジローラ37と同一のものと、図10で用いたシールスポンジ40と同一のものの組み合わせでも良い。
【0049】
図15(a)、(b)は、実施例3の図13(a)、(b)に対する変形例2を示すスポンジローラ37及びシールスポンジ40の構成図であり、図15(a)はスポンジローラ37の断面図、及び、図15(b)はシールスポンジ40とスポンジローラ37の取り付け状態を示す部分的な拡大断面図である。
【0050】
本実施例3の変形例2として、図11(a)、(b)で用いたスポンジローラ37と同一のものと、図9で用いたシールスポンジ40と同一のものの組み合わせでも良い。
【0051】
(実施例3の作用)
本実施例3におけるシールスポンジ40とスポンジローラ37の作用について、図13(a)、(b)を用いて説明する。スポンジローラ37の凸部37cとシールスポンジ40の凸部41aが、スポンジローラ37のシールスポンジ40と接触する端部において、それぞれ圧接されるため、スポンジローラ37の凸部37cとシールスポンジ40の凸部41aとの圧接状態が保たれ、現像剤35aは、その圧接部を通れず、スポンジローラ37の外周面37Zの方へ漏れるのを防ぐことができる。
【0052】
本実施例3では、図14(a)、(b)の変形例1で示された形状のスポンジローラ37とシールスポンジ40を用いても良い。スポンジローラ37の凸部37c1,37c2とシールスポンジ40の凸部41aが、スポンジローラ37のシールスポンジ40と接触する端部において、それぞれ圧接されるため、現像剤35aは、その圧接部を通れず、スポンジローラ37の外周面37Zの方へ漏るのを防ぐことができる。しかも、スポンジローラ37は2つの凸部37c1,37c2を有し、この2つの凸部37c1,37c2間に、シールスポンジ40の凸部41aが位置するように構成されている。このように、スポンジローラ37とシールスポンジ40の凸部同士を交互に配置させることで、スポンジローラ37とシールスポンジ40が圧接している長さが長くなり、より現像剤35aが外周面37Zの方へ漏れ難くなる。
【0053】
又、図15(a)、(b)の変形例2で示された形状のスポンジローラ37とシールスポンジ40を用いても良い。スポンジローラ37の凸部37cとシールスポンジ40の凸部41al,41a2が、スポンジローラ37のシールスポンジ40と接触する端部において、それぞれ圧接されるため、現像剤35aは、その圧接部を通れず、スポンジローラ37の外周面37Zの方へ漏れるのを防ぐことができる。しかも、図14(a)、(b)の場合と同様に、スポンジローラ37とシールスポンジ40の凸部同士を交互に配置させることで、スポンジローラ37とシールスポンジ40が圧接している長さが長くなり、より現像剤35aが外周面37Zの方へ漏れ難くなる。
【0054】
(実施例3の効果)
本実施例3によれば、スポンジローラ37のスポンジ部37bとシールスポンジ40が接する端部に、スポンジローラ37の凸部37c、又は2つの凸部37cl,37c2を形成し、且つ、シールスポンジ40の凸部41a、又は2つの凸部41al,41a2を形成したので、スポンジローラ37の端部とシールスポンジ40との隙間がなくなり、現像剤35aがスポンジローラ37の外周面37Zを通らず、外部へ漏れるのを防ぐことができるという効果が得られる。更に、スポンジローラ37の凸部37c又は2つの凸部37cl,37c2と、シールスポンジ40の凸部41a又は2つの凸部41al,41a2とが交互に配置されることで、スポンジローラ37とシールスポンジ40の圧接長さが長くなり、より現像剤35aが漏れ難くなるという効果も得られる。これにより、各画像形成ユニット30の図示しない機構部に現像剤35aが漏れることによる用紙20上の画像むらや、漏れた現像剤35aが用紙20上に落ちてしまうという問題を防げる。
【実施例4】
【0055】
図16(a1)、(b1)、(a2)、(b2)は、本発明の実施例4におけるシールスポンジ40とスポンジローラ37を示す部分的な構成図であり、同図(a1)はシールスポンジ40及びスポンジローラ37の部分断面図、同図(b1)は同図(a1)におけるシールスポンジ40とスポンジローラ37との圧接状態を示す図、同図(a2)は他の形状のシールスポンジ40及びスポンジローラ37の部分断面図、及び、同図(b2)は同図(a2)におけるシールスポンジ40とスポンジローラ37との圧接状態を示す図である。これらの図16(a1)、(b1)、(a2)、(b2)において、実施例1〜3及びこの変形例1、2を示す図面中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0056】
図16(a1)、(b1)では、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Yに、環状(例えば、円形)の凹部37dが形成され、この凹部37dに対向してシールスポンジ40側に環状の押圧部(例えば、円形の凸部)41aが形成されている。凹部37dの断面の深さは凸部41aの断面の高さよりも大きく、凹部37dの断面の幅は凸部41aの断面の幅よりも小さい。そのため、スポンジ部37bの端面37Yとシールスポンジ40とが圧接した状態では、凸部41aが凹部37dを押し広げる形で圧入され、凹部37dの底に空間Gが生じる。
【0057】
そのため、凸部41aと凹部37dとの接触箇所で圧接状態が保たれるため、現像剤35aはスポンジローラ37の外周面37Zの方へ漏れるのを防ぐことができる。しかも、凹部37dの底には空間Gがあるため、万が一現像剤35aがその接触箇所を通過したとしても、空間Gに現像剤35aが溜まり、外部へ現像剤35aが漏れるのを防ぐことができる。
【0058】
図16(a2)、(b2)では、スポンジローラ37におけるスポンジ部37bの端面37Yに、環状の押圧部(例えば、円形の凸部37c及び凹部37d)が形成され、この凹部37dに対向してシールスポンジ40側に環状の押圧部(例えば、円形の凸部41a)が形成されている。凹部37dの断面の深さは凸部41aの断面の高さよりも小さく、凹部37dの断面の幅は凸部41aの断面の幅とほぼ同一である。そのため、スポンジ部37bの端面37Yとシールスポンジ40とが圧接した状態では、凸部41aの頂部が凹部37dの底を押圧する状態で圧入され、更に、凸部37cがシールスポンジ40面を押圧する状態で圧入される。
【0059】
そのため、凹部37d及び凸部41aの接触箇所と凸部37c及びシールスポンジ面の接触箇所との2箇所で圧接状態が保たれるため、外部への現像剤35の露出を的確に防止することができる。
【0060】
なお、変形例として、図16(a1)、(b1)において、スポンジ部37b側に凸部41aを形成すると共に、シールスポンジ40側に凹部37dを形成したり、あるいは、図16(a2)、(b2)において、スポンジ部37b側に凸部41aを形成すると共に、シールスポンジ40側に凸部37c及び凹部37dを形成しても、上記とほぼ同様の作用効果が得られる。
【0061】
(実施例1〜4の他の変形例)
本発明は、上記実施例や変形例に限定されず、その他、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(A)〜(D)のようなものがある。
【0062】
(A) 実施例1〜4において、凸部37c,37c1,37c2,41a,41a1,41a2に樹脂を含浸させてもよい。樹脂としては、例えば、ポリアセタール樹脂(POM)が好ましく、その他、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂等でも良い。このような構成を採用することにより、樹脂を含浸させた凸部37c,37c1,37c2,41a,41a1,41a2は、相手のスポンジ部37bから押圧されても圧縮に耐えるので、凸部を高く形成すること、及び凸部の加工精度を高める必要がない。更に、このような構成によれば、樹脂を含浸させた凸部37c,37c1,37c2,41a,41a1,41a2とスポンジとの摩擦になるので、スポンジ同士の摩擦よりも摩擦を低くすることができる。
【0063】
(B) 円形の凸部37c,37c1,37c2,41a,41a1,41a2、及び凹部37dは、スポンジ部37bにおける端面37Yの外径よりも小さな外径を有する楕円形、多角形等の他の環状の押圧部に変更しても良い。
【0064】
(C) 本発明は、スポンジローラ37以外の他の供給ローラを含めた現像剤坦持体についても適用可能である。例えば、感光ドラム32に当接して掻き取られた現像剤35aを現像剤回収室へと搬送するベルトの駆動ギア軸におけるシール部材等にも、本発明を適用できる。
【0065】
(D) 実施例では、画像形成装置をプリンタとして説明したが、本発明は、ファクシミリ装置、複写機、及びそれらを複合的に持つ装置等に搭載されている画像形成ユニット等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施例1における図4中のシールスポンジとスポンジローラの取り付け状態を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例1における画像形成装置を示す概略の構成図である。
【図3】図2中の画像形成ユニットの周辺を示す概略の構成図である。
【図4】図2及び図3中のスポンジローラの周辺部分を示す斜視図である。
【図5】図4中のスポンジローラを示す正面図である。
【図6】図4中のシールスポンジを示す構成図である。
【図7】図1(a)、(b)に対する比較例を示すシールスポンジとスポンジローラの取り付け状態の断面図である。
【図8】実施例1の変形例1を示すものであって、図1(b)に対応するシールスポンジとスポンジローラの取り付け状態を示す拡大断面図である。
【図9】実施例1におけるシールスポンジの変形例2を示すものであって、図1(b)に対応するシールスポンジとスポンジローラの取り付け状態を示す拡大断面図である。
【図10】本発明の実施例2におけるスポンジローラ及びシールスポンジを示す構成図である。
【図11】実施例2の図10(a)、(b)に対する変形例1を示すスポンジローラ及びシールスポンジの構成図である。
【図12】実施例2の図10(a)、(b)に対する変形例2を示すスポンジローラ及びシールスポンジの構成図である。
【図13】本発明の実施例3におけるスポンジローラ及びシールスポンジを示す構成図である。
【図14】実施例3の図13(a)、(b)に対する変形例1を示すスポンジローラ及びシールスポンジの構成図である。
【図15】実施例3の図13(a)、(b)に対する変形例2を示すスポンジローラ及びシールスポンジの構成図である。
【図16】本発明の実施例4におけるシールスポンジとスポンジローラを示す部分的な構成図である。
【符号の説明】
【0067】
10 用紙搬送路
24 転写ベルトユニット
25 定着部
30,30K,30Y,30M,30C 画像形成ユニット
32 感光ドラム
33 帯電ローラ
34 LEDヘッド
35a 現像剤
36 現像ローラ
37 スポンジローラ
37c,37c1,37c2 凸部
37d 凹部
40 シールスポンジ
41a,41a1,41a2 凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部材と、前記像担持体を露光する露光装置とを有する画像形成ユニットにおいて、
現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の端部と対向して前記現像剤担持体に圧接され、前記現像剤をシールするシール部材とを備え、
前記圧接された箇所における前記現像剤担持体の端部の外周縁近傍にて、前記現像剤担持体の端部及び/又は前記シール部材に、環状の押圧部が形成されていることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記現像剤担持体の端部及び/又は前記シール部材に形成された前記環状の押圧部は、前記現像剤担持体に対して同心に形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記環状の押圧部は、環状の凸部であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記環状の押圧部は、環状の凹部であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
前記環状の凸部は、
前記現像剤担持体に対して同心に複数形成され、
前記複数の環状の凸部と凸部の間には離間部が設けられていることを特徴とする請求項3記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記環状の凸部は、
前記現像剤担持体に対して同心に複数形成され、
前記シール部材と前記現像剤担持体とが組み合わされた場合に、前記複数の環状の凸部と凸部の間には隙間が形成されることを特徴とする請求項3記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
前記環状の凹部には、
前記現像剤担持体の端部及び/又は前記シール部材に形成された前記環状の凸部が圧入されていることを特徴とする請求項4記載の画像形成ユニット。
【請求項8】
前記複数の環状の凸部と凸部の間の離間部には、
前記現像剤担持体の端部及び/又は前記シール部材に形成された前記環状の凸部が圧入されていることを特徴とする請求項5記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
前記環状は、
円形であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項10】
前記環状は、
楕円形又は多角形であり、この外径の最大寸法が前記現像剤担持体の端部における外径寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項11】
前記現像剤担持体及び前記シール部材は、
スポンジ材を用いて形成されていることを特徴とする請求項3〜10のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項12】
前記現像剤担持体を形成する前記スポンジ材は、シリコンスポンジであり、
前記シール部材を形成する前記スポンジ材は、前記シリコンスポンジよりも硬度の大きなウレタンスポンジであることを特徴とする請求項11記載の画像形成ユニット。
【請求項13】
前記環状の凸部には、
樹脂が含浸されていることを特徴とする請求項11又は12記載の画像形成ユニット。
【請求項14】
前記現像剤担持体は、
前記現像剤を担持する供給ローラであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像形成ユニットを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部材と、前記像担持体を露光する露光装置とを有する画像形成ユニットにおいて、
現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の端部と対向して前記現像剤担持体に圧接され、前記現像剤をシールするシール部材とを備え、
前記圧接された箇所における前記現像剤担持体の端部の外周縁近傍にて、前記現像剤担持体の端部及び/又は前記シール部材に、環状の押圧部が形成されていることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記現像剤担持体の端部及び/又は前記シール部材に形成された前記環状の押圧部は、前記現像剤担持体に対して同心に形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記環状の押圧部は、環状の凸部であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記環状の押圧部は、環状の凹部であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
前記環状の凸部は、
前記現像剤担持体に対して同心に複数形成され、
前記複数の環状の凸部と凸部の間には離間部が設けられていることを特徴とする請求項3記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記環状の凸部は、
前記現像剤担持体に対して同心に複数形成され、
前記シール部材と前記現像剤担持体とが組み合わされた場合に、前記複数の環状の凸部と凸部の間には隙間が形成されることを特徴とする請求項3記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
前記環状の凹部には、
前記現像剤担持体の端部及び/又は前記シール部材に形成された前記環状の凸部が圧入されていることを特徴とする請求項4記載の画像形成ユニット。
【請求項8】
前記複数の環状の凸部と凸部の間の離間部には、
前記現像剤担持体の端部及び/又は前記シール部材に形成された前記環状の凸部が圧入されていることを特徴とする請求項5記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
前記環状は、
円形であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項10】
前記環状は、
楕円形又は多角形であり、この外径の最大寸法が前記現像剤担持体の端部における外径寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項11】
前記現像剤担持体及び前記シール部材は、
スポンジ材を用いて形成されていることを特徴とする請求項3〜10のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項12】
前記現像剤担持体を形成する前記スポンジ材は、シリコンスポンジであり、
前記シール部材を形成する前記スポンジ材は、前記シリコンスポンジよりも硬度の大きなウレタンスポンジであることを特徴とする請求項11記載の画像形成ユニット。
【請求項13】
前記環状の凸部には、
樹脂が含浸されていることを特徴とする請求項11又は12記載の画像形成ユニット。
【請求項14】
前記現像剤担持体は、
前記現像剤を担持する供給ローラであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像形成ユニットを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−32957(P2010−32957A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197491(P2008−197491)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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