説明

画像形成装置、およびバーコード印刷方法

【課題】セパレート印刷において、低品質なバーコードの印刷を防ぐことができる画像形
成装置、およびバーコード印刷方法を提供すること。
【解決手段】縦方向印刷および横方向印刷が可能なプリンタ2は、ホストコンピュータ3
から入力された印刷ジョブがバーコードを印刷するジョブである場合、縦方向印刷および
横方向印刷のうち、入力された印刷ジョブのバーコードの向きに適する方向の印刷でバー
コードを印刷する。これにより、バーコードの向きに適しない方向の印刷によって、低品
質なバーコードを印刷しまうことを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードを印刷する画像形成装置、およびバーコード印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バーコードを印刷する場合、用紙や印刷濃度などの条件が、バーコードの品質に
影響を与えることがあるため、バーコード印刷に適切な条件を設定して、高品質なバーコ
ードを印刷できるようにした印刷装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の印刷
装置では、バーコード印刷に適する種類の用紙を給紙機構から探し出して、その用紙にバ
ーコードを印刷することにより、高品質なバーコードを印刷する。特許文献2に記載の印
刷装置では、バーコードのバー幅を、読取率が最も高くなるバー幅に自動的に変更するこ
とにより、高品質なバーコードを印刷する。
【0003】
また、印刷装置に備わる機能の1つとして、用紙を縦向きに印刷して排紙する縦方向印
刷と、用紙を横向きに印刷して排紙する横方向印刷とを交互に切り替え、印刷した用紙を
縦横交互に排紙する縦横交互排紙の印刷によって、印刷した用紙を仕分けるセパレート印
刷機能がある(例えば、特許文献3,4参照)。このセパレート印刷機能は、印刷した用
紙を、ユーザーの手を煩わせることなく、1部ずつまたはジョブ単位で自動的に仕分ける
ことができるため、ユーザーにとって大変便利な機能となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−224350号公報
【特許文献2】特開2006−256106号公報
【特許文献3】特開平8−278723号公報
【特許文献4】特開2003−114598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、縦横交互排紙の印刷によってバーコードを印刷する場合、縦方向印刷で
印刷したバーコードと横方向印刷で印刷したバーコードとではバーコード品質が異なり、
一方のバーコードは、他方のバーコードに比べて、バーコードリーダによる読取率が低く
なってしまうことがあった。すなわち、縦横交互排紙によるバーコード印刷では、バーコ
ードの印刷品質を低めてしまう可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]印刷ジョブの入力を受け付ける入力部と、前記入力された印刷ジョブの印
刷を制御する制御部と、用紙の長辺が搬送方向と一致する縦向きに印刷して排紙する縦方
向印刷、および用紙の長辺が搬送方向と直交する横向きに印刷して排紙する横方向印刷を
実行可能な印刷部とを備え、前記制御部は、前記入力された印刷ジョブがバーコードを印
刷するジョブである場合、前記縦方向印刷および前記横方向印刷のうち前記バーコードの
印刷に適した排紙方向の印刷を前記バーコードの向きに応じて選択して、前記印刷部に実
行させることを特徴とする画像形成装置。
【0008】
この構成によれば、バーコードを印刷するジョブについては、そのバーコードの向きに
適した方向の印刷が行われることになるので、低品質なバーコードを印刷してしまうこと
を防ぎ、高品質なバーコードを得ることができる。
【0009】
[適用例2]上記画像形成装置において、前記制御部は、前記縦方向印刷と前記横方向
印刷とを交互に切り替えるセパレート印刷において、前記バーコードの印刷に適する排紙
方向の印刷を前記バーコードの向きに応じて選択して実行させることを特徴とする画像形
成装置。
【0010】
この構成によれば、セパレート印刷において、低品質なバーコードを印刷してしまうこ
とを防ぎ、高品質なバーコードを得ることができる。
【0011】
[適用例3]上記画像形成装置において、前記制御部は、前記セパレート印刷による次
の排紙方向が、前記バーコードの向きに適した排紙方向になっているか否かを判断して、
前記バーコードの向きに適した排紙方向になっていない場合、セパレート印刷を中止して
、前記入力された印刷ジョブの印刷を、前記バーコードの向きに適した排紙方向の印刷で
実行させることを特徴とする画像形成装置。
【0012】
この構成によれば、セパレート印刷による次の排紙方向が、バーコードの向きに適した
方向になっていない場合、セパレート印刷を中止して、バーコードの向きに適した方向の
印刷でバーコードが印刷される。これにより、セパレート印刷によって低品質なバーコー
ドを印刷してしまうことを防ぎ、高品質なバーコードを得ることができる。
【0013】
[適用例4]上記画像形成装置において、前記制御部は、前記セパレート印刷による次
の排紙方向が、前記バーコードの向きに適した排紙方向になっているか否かを判断して、
前記バーコードの向きに適した排紙方向になっていない場合、前記セパレート印刷による
次の排紙方向に従って用紙を排紙させた後に、前記入力された印刷ジョブについて前記バ
ーコードの向きに適する排紙方向の印刷を実行させることを特徴とする画像形成装置。
【0014】
この構成によれば、セパレート印刷による次の排紙方向が、バーコードの向きに適した
方向になっていない場合、セパレート印刷による次の排紙方向に従って用紙を排紙した後
に、バーコードの向きに適した方向の印刷でバーコードが印刷されて、バーコードを印刷
した用紙が排紙される。これにより、低品質なバーコードを印刷してしまうことを防ぐと
ともに、バーコードが印刷された用紙を仕分けることができる。
【0015】
[適用例5]用紙の長辺が搬送方向と一致する縦向きに印刷して排紙する縦方向印刷、
および用紙の長辺が搬送方向と直交する横向きに印刷して排紙する横方向印刷のうち、バ
ーコードの印刷に適する排紙方向の印刷をバーコードの向きに応じて選択して、選択され
た前記縦方向印刷または前記横方向印刷を実行することにより、前記バーコードを印刷す
ることを特徴とするバーコード印刷方法。
【0016】
このようにすれば、バーコードの向きに適した方向の印刷によってバーコードが印刷さ
れることになるので、低品質なバーコードを印刷してしまうことを防ぎ、高品質なバーコ
ードを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づいて説明する。
【0018】
(第1の実施例)
図1は、第1の実施例に係る印刷システムの構成を示すブロック図である。図1に示す
ように、印刷システム1は、プリンタ(画像形成装置)2と、ホストコンピュータ3とを
備える。本印刷システム1のプリンタ2は、用紙を排紙する向きを縦横交互に切り替える
ことにより、印刷した用紙をジョブごとに仕分けるセパレート印刷を行うものである。ま
た、以下では、セパレート印刷において、用紙を長辺方向に沿って縦向きに搬送して画像
を形成することにより印刷し、印刷した用紙を縦向きに排紙する一連の動作を「縦方向印
刷」という。用紙を短辺方向に沿って横向きに搬送して画像を形成することにより印刷し
、印刷した用紙を横向きに排紙する一連の動作を「横方向印刷」ということとする。
【0019】
プリンタ2の構成について説明する。図1に示すように、プリンタ2は、コントローラ
(制御部)10と、印刷エンジン(印刷部)20とを備えており、プリンタ2の側面外側
には、排紙した用紙を積載するためのスタッカ25が設けられている。
【0020】
コントローラ10は、印刷エンジン20を含むプリンタ2全体の動作を制御する部分で
あり、入力I/F(入力部)11と、CPU12と、ROM13と、RAM14と、エン
ジンI/F15とを備える。
【0021】
入力I/F11は、ホストコンピュータ3が接続されるインターフェース部である。R
OM13には、プリンタ2を制御するための各種プログラムが予め記憶されている。RA
M14は、受信バッファなどの各種バッファや作業領域などとして用いられる汎用のメモ
リである。CPU12は、主にROM13に記憶されたプログラムを実行することにより
、プリンタ2の各種動作を制御する。エンジンI/F15は、印刷エンジン20に対する
インターフェース部である。
【0022】
印刷エンジン20は、エンジンコントローラ21と、給紙装置22と、印刷機構23と
、用紙搬送機構24とを備える。
【0023】
エンジンコントローラ21は、印刷エンジン20内部の処理を制御する部分であり、コ
ントローラ10からの指示に従って、給紙装置22、印刷機構23、および用紙搬送機構
24の動作を制御する。
【0024】
給紙装置22は、印刷機構23に用紙を給紙する部分であり、第1給紙装置22aおよ
び第2給紙装置22bを含む。第1給紙装置22aには、給紙方向に用紙の長辺方向が合
わさった縦方向印刷用の用紙を収容する給紙カートリッジが着脱可能に装着されている。
第2給紙装置22bには、給紙方向に用紙の短辺方向が合わさった横方向印刷用の用紙を
収容する給紙カートリッジが着脱可能に装着されている。したがって、給紙装置22とし
ては、縦方向印刷用の用紙の給紙、および横方向印刷用の用紙の給紙が可能に構成されて
いる。
【0025】
印刷機構23は、帯電装置、露光装置、感光体、現像装置、転写装置、定着器、トナー
カートリッジ等の構成を有している。感光体は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成
された感光層を有し、中心軸に対して回転可能なドラムである。感光体は帯電装置により
帯電されて、その後、露光装置が感光体を露光することにより潜像が形成され、現像装置
がトナーを用いて潜像を現像する。現像されたトナー像は、転写装置によって用紙などの
印刷媒体に転写される。定着装置は、ローラ表面がゴムなどの弾性体で覆われた定着ロー
ラ、定着ローラを回転させる駆動モータ、定着ローラを加熱するヒーターなどを備えてお
り、定着ローラが、転写されたトナー像を用紙に熱定着させることによって用紙に画像が
形成される。すなわち、印刷機構23は、電子写真方式の画像形成によって印刷を行う。
【0026】
用紙搬送機構24は、印刷機構23によって印刷された用紙Sを搬送し、排紙口26を
通してスタッカ25に用紙Sを排紙する。そして、排紙された用紙Sはスタッカ25に積
載される。
【0027】
上述したプリンタ2では、給紙装置22が、縦向きの用紙Sと横向きの用紙Sとをジョ
ブごとに交互に給紙し、順次給紙される用紙Sに印刷機構23が画像を順次形成する。そ
して、用紙搬送機構24が、画像形成後の用紙Sをスタッカ25に排紙する。こうして、
縦方向印刷、横方向印刷を交互に行う縦横交互印刷によって、印刷後の用紙Sが、用紙向
きを縦横交互にしてジョブごとに仕分けられた状態でスタッカ25に積載されて、セパレ
ート印刷が行われる。
【0028】
次に、ホストコンピュータ3について説明する。ホストコンピュータ3は、マウスやキ
ーボードなどの入力機器およびディスプレイが接続された汎用のパーソナルコンピュータ
などであり、ホストコンピュータ3は、アプリケーション30と、プリンタドライバ40
とを有する。
【0029】
アプリケーション30は、文書作成ソフトウェアなどであり、マウスやキーボードへの
ユーザー操作により入力された、テキスト、グラフィック、イメージなどのオブジェクト
を記述した印刷データを生成する。また、このアプリケーション30は、通常の文字フォ
ントに加えて、さらにバーコードフォントを指定することができる。バーコードフォント
は、入力された文字列をバーコードに変換して印刷するよう指示するための特殊フォント
である。このバーコードフォントを指定した文字列がユーザー操作により入力されること
によって、バーコードのオブジェクトを含むバーコード印刷用の印刷データが生成される
。そして、アプリケーション30は、生成した印刷データをプリンタドライバ40に受け
渡す。
【0030】
プリンタドライバ40は、プリンタ2による印刷を制御するソフトウェアであり、バー
コード印刷機能について有効または無効に設定する処理などを行う。
【0031】
バーコード印刷機能の設定は、ディスプレイに表示される印刷設定画面から行うことが
できる。図2に例として示すように、印刷設定画面100には、印刷モードなどの設定欄
の他に、バーコードモードを設定するためのチェックボックス101が含まれている。ユ
ーザーは、マウスなどの入力機器を操作して、チェックボックス101からバーコードモ
ードを有効または無効に設定することができる。なお、バーコードモードとは、高品質な
バーコード出力を実現するためのモードであり、バーコードモードを有効とすることによ
り、バーコード印刷機能が有効となって、バーコード印刷に適する印刷濃度や解像度など
の条件が自動的に設定される。
【0032】
プリンタドライバ40は、アプリケーション30から受け取る印刷データから、バーコ
ードモードなどの設定に従う印刷ジョブデータを生成する処理、印刷ジョブデータをプリ
ンタ2に送信して印刷を要求する処理などを行うことにより、プリンタ2による印刷を制
御する。
【0033】
ここで、プリンタ2がバーコードを印刷する場合、縦方向印刷によって印刷したバーコ
ードと横方向印刷によって印刷したバーコードとではバーコード品質が異なり、バーコー
ドリーダによる読取率に有意差が生じることがある。例えば、図3に示すように、バーコ
ードBCを構成する各バーの長手方向をバーコード高さ方向、バーコード高さ方向に直交
する方向をバーコード幅方向とすると、バーコード高さ方向を排紙方向とする縦方向印刷
によって印刷したバーコードと、バーコード幅方向を排紙方向とする縦方向印刷によって
印刷したバーコードとでは、バーコード品質が異なることがある。このため、バーコード
の印刷について、セパレート印刷機能を用いた場合、縦方向印刷と横方向印刷の一方で印
刷したバーコードは、他方で印刷したバーコードに比べてバーコード品質が低くなってし
まうことがあった。
【0034】
そこで、第1の実施例では、ホストコンピュータ3から入力された印刷ジョブがバーコ
ード印刷を指定したジョブである場合、高品質なバーコードを印刷できるよう、縦方向印
刷と横方向印刷とのうち、そのバーコードの向きに適した方向の印刷を選択して実行する
ことによって、セパレート印刷におけるバーコード品質の低下を防ぐ。
【0035】
なお、印刷エンジン20の特性には個体差があり、バーコードを高品質に印刷できる向
きはエンジンごとに異なっていることが考えられる。本実施例では、例えば、プリンタの
製造時に、高品質なバーコードを印刷できる方向がエンジンごとに検査されており、バー
コードに適する方向を特定する情報がROM13に予め記憶されているものとする。
【0036】
次に、上述したプリンタ2の動作について、図4のフローチャートに従って説明する。
なお、図4に示す処理は、ROM13に記憶されたプログラムをCPU12が実行するこ
とにより、CPU12を中心としてコントローラ10が行う処理である。
【0037】
プリンタ2が、ホストコンピュータ3から印刷ジョブデータを受信することによって、
印刷ジョブが入力されると、図4の処理が開始される。図4の処理を開始すると、コント
ローラ10は、入力されたジョブについてバーコード印刷の指定があるか否かを判断する
(ステップS100)。ジョブに指定されたバーコードモードが有効になっていれば、バ
ーコード印刷の指定ありと判断して(ステップS100:Yes)、前回印刷した印刷ジ
ョブの排紙方向をチェックし、セパレート印刷による次の排紙方向を特定する(ステップ
S110)。
【0038】
次に、入力されたジョブについて、セパレート印刷による次の排紙方向の印刷で、バー
コード品質が低下するか否かを判断する(ステップS120)。この判断は、ROM13
に予め記憶された、バーコード印刷に適した方向を特定する情報を参照して、バーコード
印刷に適した印刷の方向と、ジョブに含まれたバーコードの向きとを考慮して行う。
【0039】
バーコード品質が低下するか否かの判断方法について、図5を用いて説明する。なお、
ここでは、バーコード印刷に適した印刷の排紙方向はバーコード高さ方向であるものとす
る。この場合、図5(a)に示すように、バーコードBCのバーコード高さ方向が縦方向
印刷の排紙方向に一致しているとき、セパレート印刷による次の排紙方向が縦であれば、
バーコードBCに適した方向でセパレート印刷を行うことができ、バーコード品質は低下
しないと判断できる。一方、図5(b)に示すように、バーコードBCのバーコード高さ
方向が、縦方向印刷の排紙方向に一致していないとき、セパレート印刷による次の排紙方
向が縦であれば、バーコードBCに適しない方向でセパレート印刷を行ってしまうので、
バーコード品質は低下すると判断できる。
【0040】
そして、バーコード品質が低下すると判断した場合(ステップS120:Yes)、セ
パレート印刷を中止して、入力されたジョブのバーコードの向きに適した排紙方向を選択
して、印刷エンジン20に印刷を実行させる(ステップS130)。こうして、バーコー
ドの向きに応じて縦方向印刷または横方向印刷のうち適した方の印刷で、バーコードを印
刷することにより、高品質なバーコードを得ることができる。
【0041】
一方、ステップS120の判断において、バーコード品質が低下しないと判断した場合
(ステップS120:No)、セパレート印刷による次の排紙方向の印刷で、セパレート
印刷を実行する(ステップS140)。この場合は、セパレート印刷による次の印刷の排
紙方向が、バーコードの向きに適した排紙方向になっているので、セパレート印刷を継続
して行うことにより、高品質なバーコードが印刷される。
【0042】
また、ステップS100の判断において、ジョブに指定されたバーコードモードが無効
になっていれば、バーコード印刷の指定なしと判断して(ステップS100:No)、通
常のセパレート印刷を行う(ステップS140)。
【0043】
ステップS130またはS140において、入力された印刷ジョブについて印刷が実行
されると、図4の処理を終了する。
【0044】
以上に述べた第1の実施例によれば、バーコードの印刷ジョブについては、セパレート
印刷の縦横交互排紙に関わらず、バーコードの向きに適した方向の印刷によってバーコー
ドを印刷することができる。したがって、セパレート印刷によるバーコード品質の低下を
防ぎ、高品質なバーコードを印刷できる。
【0045】
(第2の実施例)
次に、第2の実施例について説明する。第1の実施例では、セパレート印刷を中止して
、バーコードの印刷に適する方向の印刷を行うようにしたが、第2の実施例では、セパレ
ート印刷を中止することなく、用紙の排紙のみを行うダミー印刷を利用して、セパレート
印刷の制御の中で、バーコードの向きに適する方向の印刷でバーコードを印刷するよう制
御する。
【0046】
以下、第2の実施例における処理について、図6のフローチャートに従って説明する。
なお、図6のフローチャートにおける、ステップS200〜S220の処理は、第1の実
施例におけるステップS100〜S120の処理と同一であるため、詳細な説明は省略す
る。
【0047】
第2の実施例では、ステップS220の判断において、セパレート印刷による次の排紙
方向では、バーコード品質が低下すると判断した場合(ステップS220:Yes)、セ
パレート印刷による次の排紙方向に従って所定枚数の用紙(例えば、1枚)を排紙するダ
ミー印刷を行う(ステップS230)。このダミー印刷を行うことによって、セパレート
印刷による次の排紙方向は、バーコードの向きに適した方向となる。
【0048】
そして、ダミー印刷後、セパレート印刷による次の排紙方向に従って、入力された印刷
ジョブについてのセパレート印刷を実行する(ステップS240)。これにより、入力さ
れた印刷ジョブのバーコードは、バーコードの向きに適する排紙方向の印刷によって印刷
される。
【0049】
第2の実施例によれば、バーコード品質が低下する場合にはダミー印刷を挟むことによ
って、セパレート印刷の制御の中で、バーコードの向きに適した方向の印刷でバーコード
を印刷することができる。したがって、バーコード品質の低下を防ぎ、高品質なバーコー
ドを印刷できる。また、ダミー印刷の前に印刷したジョブの用紙と、バーコードを印刷し
た用紙とは、ダミー印刷で排紙した用紙によって仕分けられる。すなわち、バーコードの
印刷を含めてセパレート印刷を実現しながら、高品質なバーコードを確実に印刷すること
が可能である。
【0050】
以上、第1の実施例および第2の実施例について説明したが、これに限られることなく
その趣旨に逸脱しない様々な形態としてもよい。以下、変形例について説明する。
【0051】
(変形例1)上記第1の実施例および第2の実施例では、高品質なバーコード出力を実
現するためのバーコードモードが有効になっている場合に、バーコードに適した方向の印
刷を行うようにした。第1の変形例としては、ホストコンピュータ3から受信した印刷ジ
ョブデータに、バーコードフォントが含まれているかを判断し、バーコードフォントが含
まれていた場合に、そのバーコードに適した方向の印刷を行うようにしてもよい。
【0052】
(変形例2)上記第1の実施例および第2の実施例では、印刷した用紙をジョブごとに
仕分けるようにしたが、部数印刷において印刷した用紙を1部ずつ仕分けるセパレート印
刷についても、同様にしてバーコード品質の低下を防ぐことができる。例えば、バーコー
ドを含む部数印刷のジョブについては、部数印刷のセパレートを中止して、バーコードに
適した方向の印刷で全部数を印刷することにより、バーコード品質の低下を防ぐことがで
きる。
【0053】
(変形例3)上記実施例では電子写真方式のプリンタを例にして説明したが、印刷方式
としてはこれに限られない。バーコードを印刷した場合に、印刷する方向に応じてバーコ
ード品質が変化する特性を有していれば、インクジェット方式や熱転写方式などの他の印
刷方式の装置であってもよい。また、プリンタに限られることなく、複写機、複合機、ま
たはファクシミリなどの装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】第1の実施例に係る印刷システムの構成を示すブロック図。
【図2】印刷設定画面の一例を示す図。
【図3】バーコードの向きを説明する図。
【図4】印刷処理の流れを示すフローチャート。
【図5】バーコードに適する方向の判定方法を説明する図。
【図6】第2の実施例に係る印刷処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0055】
1…印刷システム、2…画像形成装置としてのプリンタ、3…ホストコンピュータ、1
0…制御部としてのコントローラ、11…入力部としての入力I/F、12…CPU、1
3…ROM、14…RAM、15…エンジンI/F、20…印刷部としての印刷エンジン
、21…エンジンコントローラ、22…給紙装置、23…印刷機構、24…用紙搬送機構
、25…スタッカ、26…排紙口、30…アプリケーション、40…プリンタドライバ、
100…印刷設定画面、BC…バーコード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブの入力を受け付ける入力部と、
前記入力された印刷ジョブの印刷を制御する制御部と、
用紙の長辺が搬送方向と一致する縦向きに印刷して排紙する縦方向印刷、および用紙の
長辺が搬送方向と直交する横向きに印刷して排紙する横方向印刷を実行可能な印刷部とを
備え、
前記制御部は、
前記入力された印刷ジョブがバーコードを印刷するジョブである場合、前記縦方向印刷
および前記横方向印刷のうち前記バーコードの印刷に適した排紙方向の印刷を前記バーコ
ードの向きに応じて選択して、前記印刷部に実行させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、
前記縦方向印刷と前記横方向印刷とを交互に切り替えるセパレート印刷において、前記
バーコードの印刷に適する排紙方向の印刷を前記バーコードの向きに応じて選択して実行
させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、
前記セパレート印刷による次の排紙方向が、前記バーコードの向きに適した排紙方向に
なっているか否かを判断して、前記バーコードの向きに適した排紙方向になっていない場
合、セパレート印刷を中止して、前記入力された印刷ジョブの印刷を、前記バーコードの
向きに適した排紙方向の印刷で実行させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、
前記セパレート印刷による次の排紙方向が、前記バーコードの向きに適した排紙方向に
なっているか否かを判断して、前記バーコードの向きに適した排紙方向になっていない場
合、前記セパレート印刷による次の排紙方向に従って用紙を排紙させた後に、前記入力さ
れた印刷ジョブについて前記バーコードの向きに適する排紙方向の印刷を実行させること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
用紙の長辺が搬送方向と一致する縦向きに印刷して排紙する縦方向印刷、および用紙の
長辺が搬送方向と直交する横向きに印刷して排紙する横方向印刷のうち、バーコードの印
刷に適する排紙方向の印刷をバーコードの向きに応じて選択して、選択された前記縦方向
印刷または前記横方向印刷を実行することにより、前記バーコードを印刷することを特徴
とするバーコード印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−89444(P2010−89444A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263577(P2008−263577)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】