画像形成装置、その制御方法、及びプログラム
【課題】ライセンスサーバを立てることなく、また、プリンタドライバにおける付加描画機能のインストールを制限することなく、印刷時に付加描画機能のライセンスがあれば該機能の効果が得られ、ライセンスが無ければ該機能の効果が得られないようにすること。
【解決手段】プリンタ150は、印刷ジョブに付加描画のPDLコマンドが含まれている場合(S702でYes)、印刷ジョブが付加描画機能のライセンスを有するホストで生成されたものか判断し(S704)、ライセンスを有するホストで生成されていた場合(S704でYes)、印刷ジョブに含まれる印刷対象の文書のPDLコマンドと付加描画のPDLコマンドを合成して画像を出力し(S705)、一方、ライセンスを有しないホストで生成されていた場合(S704でNo)、印刷対象の文書のPDLコマンドと付加描画のPDLコマンドを合成することなく、印刷対象の文書のPDLコマンドから画像を出力する(S703)。
【解決手段】プリンタ150は、印刷ジョブに付加描画のPDLコマンドが含まれている場合(S702でYes)、印刷ジョブが付加描画機能のライセンスを有するホストで生成されたものか判断し(S704)、ライセンスを有するホストで生成されていた場合(S704でYes)、印刷ジョブに含まれる印刷対象の文書のPDLコマンドと付加描画のPDLコマンドを合成して画像を出力し(S705)、一方、ライセンスを有しないホストで生成されていた場合(S704でNo)、印刷対象の文書のPDLコマンドと付加描画のPDLコマンドを合成することなく、印刷対象の文書のPDLコマンドから画像を出力する(S703)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、その制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホストコンピュータ上におけるインストール済みのプリンタドライバに対して機能拡張モジュールを追加インストールすることによって、プリンタドライバに機能を追加することができる。
【0003】
この追加機能の一つとして地紋(例えば、特許文献1参照。)がある。地紋画像は、原本(プリンタで出力した印刷物)において、人間の目には単なる模様や背景画像などに見えるが、複写すると所定の文字やイメージなどが顕像化するものである。そのため、複写物を使用等することを抑止する効果がある。この地紋機能は、PC管理者が強制的に地紋を印刷物に付与することができることから、職場の出力物は全て地紋がついているような使用方法が考えられており、印刷物からの情報漏洩を防止するために重要な機能となっている。そのため、管理者からは、ユーザ全員に地紋機能の利用を強制したいといった要望もある。
【0004】
このようにプリンタドライバの機能を拡張する仕組みは、ユーザに対して付加価値を提供することになる。そこで、機能拡張モジュール及びそれらを追加インストールするプログラムを有償のソフトウェアとして提供することが想定されている。また、このような事後的な機能拡張に対しては、ある条件を付加してプリンタドライバの機能を拡張する仕組みの利用を抑止することで、ソフトウェアの商品価値を保護することが求められている。
【0005】
特許文献2には、プリンタドライバの機能を拡張するために動作するプログラムモジュールが無条件に追加インストールされることの防止する技術が提案されている。特許文献2の技術は、プリンタドライバの機能を拡張するためのプログラムモジュールを動作させるのに必要なデータ又は機能拡張モジュールを追加インストールの対象となるインストールセットに含めるか否かを制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−197297号公報
【特許文献2】特開2006−099747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来の技術では、別途ライセンスサーバを設ける必要があるが、ライセンスサーバを設けると設置費用、運用費用などのコストが定常的にかかってしまう。また、ライセンスサーバを設けることができない環境では、従来技術を用いることはできない。
【0008】
本発明は、上記の問題点の少なくとも一部を解決するためになされたものである。本発明の目的は、ライセンスサーバを設けることなく、或いは、プリンタドライバにおける追加機能のインストールを制限することなく、プリンタドライバにおける追加機能としての付加描画機能のライセンスを管理する仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて画像を出力する画像形成装置であって、受信した印刷ジョブに、印刷対象の文書に対して付加描画を行う付加描画の印刷データが含まれている場合、該印刷ジョブが付加描画機能のライセンスを有する情報処理装置により生成されたものか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断された場合、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷対象の文書の印刷データと前記付加描画の印刷データとを合成して画像を出力するように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ライセンスサーバを設けることなく、また、プリンタドライバにおける追加機能のインストールを制限することなく、プリンタドライバにおける追加機能としての付加描画機能のライセンスを管理することができる。そして、印刷時に付加描画機能のライセンスが無ければ付加描画機能の効果が得られないようにし、印刷時に付加描画機能のライセンスが有れば付加描画機能の効果を得られるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の画像形成装置を適用可能なシステムの構成図である。
【図2】ホストコンピュータとプリンタにおける印刷処理の構成を示す図である。
【図3】実施例1のプリンタドライバによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図4】印刷する文書(印刷対象文書)の一例を示す図である。
【図5】固有情報の一例を示す図である。
【図6】付加描画の一例を示す図である。
【図7】実施例1の印刷ジョブの一例を示す図である。
【図8】実施例1のプリンタ150による印刷処理を示すフローチャートである。
【図9】ライセンスDB155の一例を示す図である。
【図10】付加描画付きの文書の印刷結果の一例を示す図である。
【図11】実施例2のプリンタドライバによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図12】実施例2の印刷ジョブの一例を示す図である。
【図13】実施例2のプリンタによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図14】実施例3のプリンタドライバによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図15】実施例3の印刷ジョブの一例を示す図である。
【図16】実施例3のプリンタによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図17】実施例4のプリンタドライバによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図18】実施例4の付加描画付き警告文の一例を示す図である。
【図19】実施例4の印刷ジョブの一例を示す図である。
【図20】実施例4のプリンタによる印刷処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の画像形成装置を適用可能なシステムの構成を説明するブロック図である。なお、特に断らない限り、本発明の機能が実行されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、本発明を適用できることは言うまでもない。また、特に断らない限り、本発明の機能が実行されるのであれば、LAN,WAN等のネットワークを介して接続が為され処理が行われるシステムであっても本発明を適用できることは言うまでもない。
【0014】
図1において、300はホストコンピュータ(情報処理装置)としてのユーザPCである。ホストコンピュータ300において、1はCPUであり、ROM3のプログラム用ROM或いは外部メモリ11に記憶された文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行する。また、CPU1は、システムバス4に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0015】
ROM3のプログラム用ROM或いは外部メモリ11には、CPU1の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラム(以下OS)等が記憶される。ROM3のフォント用ROM或いは外部メモリ11には、上記文書処理の際に使用するフォントデータ等が記憶される。ROM3のデータ用ROM或いは外部メモリ11には、上記文書処理等を行う際に使用する各種データが記憶される。
【0016】
2はRAMであり、CPU1の主メモリ、ワークエリア等として機能する。5はキーボードI/Fであり、キーボード9や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。6はディスプレイI/Fであり、ディスプレイ10の表示を制御する。
【0017】
7は外部メモリI/Fであり、ハードディスク(HD)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等の外部メモリ11とのアクセスを制御する。外部メモリ11は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、プリンタドライバ等を記憶する。8はネットワークI/Fであり、ネットワーク400を介してプリンタ150(画像形成装置)との通信制御処理を実行する。
【0018】
なお、CPU1は、例えばRAM2上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、ディスプレイ10上でのWYSIWYGを可能としている。また、CPU1は、ディスプレイ10上の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは印刷を実行する際、印刷の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行える。
【0019】
プリンタ150において、12はプリンタCPUである。CPU12は、ROM14のプログラム用ROMや外部メモリ21等に記憶される制御プログラム等に基づいて、システムバス15に接続される印刷部(プリンタエンジン)17に出力情報としての画像信号を出力する。
【0020】
ROM14のプログラム用ROMには、CPU12の制御プログラム等が記憶される。ROM14のフォント用ROMには、上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶される。ROM14のデータ用ROMには、ハードディスク等の外部メモリ21がないプリンタの場合には、ホストコンピュータ上で利用される情報等が記憶される。
【0021】
CPU12は、ネットワークI/F16及びネットワーク400を介してホストコンピュータ300との通信処理が可能となっており、プリンタ内の情報等をホストコンピュータ300に通知可能に構成されている。
【0022】
13はRAMであり、CPU12の主メモリ、ワークエリア等として機能する。RAM13は、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。なお、RAM13は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。
【0023】
18は外部メモリI/Fであり、前述したハードディスク(HD)、ICカード等の外部メモリ21のアクセスを制御する。外部メモリ21は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、外部メモリ21は、1個に限らず、少なくとも1個以上備え、内蔵フォントに加えてオプションフォントカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていてもよい。さらに、外部メモリ21は、図示しないNVRAMを有し、操作部(操作パネル)20からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしてもよい。操作部20は、操作のためのスイッチ、LED表示器、及びLCD表示機等が配されており、ユーザによる操作を受け付ける。
なお、ネットワーク400に、ホストコンピュータ300やプリンタ150が複数台接続されている構成でもよい。また、ホストコンピュータ300とプリンタ150とがUSBケーブル等により直接接続されている構成でもよい。
【0024】
図2は、図1に示したホストコンピュータ300とプリンタ150における印刷処理の構成を示す図である。
ホストコンピュータ300には、アプリケーション201、グラフィックエンジン202、プリンタドライバ203、及びシステムスプーラ204が、外部メモリ11に保存されたファイルとして存在する。これらは、実行される場合にオペレーションシステム(OS)やそのモジュールを利用するモジュールによってRAM2にロードされCPU1により実行されるプログラムモジュールである。なお、これらのプログラムモジュール(特に、アプリケーション201及びプリンタドライバ203)は、外部メモリ11のFDや不図示のCD−ROM、或いはネットワーク400を経由して外部メモリ11のHDに追加することが可能となっている。
【0025】
外部メモリ11に保存されているアプリケーション201は、RAM2にロードされてCPU1により実行される。このアプリケーション201からプリンタ150に対して印刷を行う際には、同様にRAM2にロードされCPU1により実行可能となっているグラフィックエンジン202を利用して出力(描画)を行う。
【0026】
グラフィックエンジン202は、印刷装置(プリンタ)ごとに用意されたプリンタドライバ203を同様に外部メモリ11からRAM2にロードし、アプリケーション201の出力をプリンタドライバ203を用いてプリンタの制御コマンドに変換する。変換されたプリンタ制御コマンドは、印刷ジョブとして、OSによってRAM2にロードされたシステムスプーラ204を経てネットワーク400経由でプリンタ150へ出力される仕組みとなっている。
【0027】
なお、プリンタドライバ203は、本実施例では、印刷制御部301、付加描画作成部302、印刷処理部303等からなる。印刷制御部301は、印刷データの制御を行う。付加描画作成部302は、付加描画を作成する付加描画機能を実現する。印刷処理部303は、印刷データの処理を行う。なお、付加描画作成部302は、プリンタドライバ203の追加機能としてホストコンピュータ300にインストールされたものである。
【0028】
また、プリンタ150は、印刷ジョブ受信部151、印刷ジョブ制御部152、付加描画制御部153、ライセンス管理部154、ライセンスDB155等からなる。印刷ジョブ受信部151、印刷ジョブ制御部152、付加描画制御部153、ライセンス管理部154は、実行される場合にOSやそのモジュールを利用するモジュールによってROM14からRAM13にロードされCPU12により実行されるプログラムモジュールである。また、ライセンスDB155は、外部メモリ21上に実現される。
【0029】
印刷ジョブ受信部151は、ホストコンピュータ300から印刷ジョブを受け取る。印刷ジョブ制御部152は、印刷ジョブを制御する。付加描画制御部153は、付加描画を制御する。ライセンス管理部154は、ライセンスDB155に登録される付加描画機能のライセンスを管理する。
【0030】
以下、図3のフローチャートを用いて、本実施例におけるプリンタドライバ203による印刷処理を説明する。
図3は、本発明の実施例1におけるプリンタドライバ203による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタドライバ203のプログラムは、コンピュータのHD11に記憶されており、RAM2に読み出されCPU1によって実行される。
【0031】
また、図4は、本実施例にて印刷する文書(印刷対象文書)の一例を示す図である。
なお、上述したように、本実施例のプリンタドライバ203は、追加機能として付加描画機能がインストールされたものであり、印刷物からの情報漏洩を防止するため強制的に付加描画を印刷物に付与する構成として説明する。しかし、プリンタドライバ203の印刷設定画面から付加描画機能の使用の有無及び付加描画の種類を設定できるように構成してもよい。なお、付加描画の一例として本実施形態では、図6の地紋を説明する。さらに、付加描画の別の一例としては、背景やロゴなど定型の描画データとしてのフォーム情報が考えられる。例えば、付加描画のライセンスが有効な場合、1ページごとに、前記のフォーム情報と、印刷データをオーバーレイして印刷するフォームオーバーレイ印刷を行う。付加描画のライセンスが有効でなければ、地紋データの印刷時と同様の処理を行なえばよい。
【0032】
アプリケーション201から図4に示す文書に対する印刷処理が実行されると、グラフィックエンジン202を介してプリンタドライバ203が呼び出され、本フローチャートの処理が開始される。
【0033】
まず、ステップS401において、プリンタドライバ203の印刷制御部301は、グラフィックエンジン202から文書(印刷対象文書)の印刷データと印刷指示を受け取る。
【0034】
次に、ステップS402では、印刷制御部301は、上記S401で受け取った文書の印刷データをPage Description Language(PDL)と呼ばれる印刷命令(プリンタ150が実行可能な印刷データ)に変換して印刷ジョブ(後述する図7)を生成する。なお、印刷制御部301は、属性データとして、通常の印刷指示以外に各々のユーザを特定できる情報を印刷ジョブに含める。本実施例においては、印刷制御部301は、一例として図5に示すように、印刷が実行されたホストコンピュータから取得した“ユーザ名”、“MACアドレス”、“IPアドレス”等の固有情報を印刷ジョブの属性データとして含める。
【0035】
図5は、本実施例における固有情報の一例を示す図である。
なお、図5では、固有情報として、“ユーザ名”、“MACアドレス”、“IPアドレス”等のユーザ及びホストコンピュータを一意に特定可能な情報を例示したが、図5に示した情報に限られるものではない。例えば、“ユーザ名”と“MACアドレス”のみであってもよいし、“ユーザ名”とホストコンピュータを構成する各デバイスの構成情報等であってもよい。また、固有情報は、ホストコンピュータを一意に特定可能な情報であってもよい。例えば、MACアドレスのみであってもよいし、ホストコンピュータを構成する各デバイスの構成情報等であってもよい。
【0036】
次に、ステップS403において、付加描画作成部302は、付加描画のPDLコマンドを作成する。本実施例においては、付加描画の一例として図6に示す地紋に対応するPDLコマンドを作成する。
【0037】
図6は、本実施例における付加描画の一例を示す図である。
次に、ステップS404において、印刷処理部303は、上記S403で作成した付加描画のPDLコマンドを、上記S402で作成した印刷ジョブ(図7)に、属性データとして付加する。
【0038】
図7は、本発明の実施例1において付加描画のPDLコマンドを属性データとして付加した印刷ジョブの一例を示す図である。
図7において、801はHeader領域(ヘッダ領域)である。Header領域801には、上記S401で受け取った文書の印刷指示と、上記S402で付加したホストコンピュータの固有情報(図5)等が格納されている。また、Header領域801には付加描画の属性データ有無フラグも格納されている。
【0039】
付加描画領域802には、上記S403で作成した付加描画のPDLコマンドが付加描画の属性データとして格納されている。文書領域803には、上記S402で作成した印刷対象文書のPDLコマンドが格納されている。
【0040】
以下、図3のフローチャートの説明に戻る。
次に、ステップS405において、印刷処理部303は、図7の印刷ジョブ800をシステムスプーラ204に送信し、本フローチャートの処理を終了する。なお、システムスプーラ204は、プリンタドライバ203の印刷処理部303から受け取った印刷ジョブ800を、プリンタ150に送信する。
【0041】
次に、図8のフローチャートを参照して、本発明の実施例1におけるプリンタ150の印刷処理を説明する。
図8は、本発明の実施例1におけるプリンタ150による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタ150のプログラムは、プリンタ150のHD21に記憶されており、RAM13に読み出されCPU12によって実行される。
【0042】
プリンタ150の印刷ジョブ受信部151が、図3のシステムスプーラ204から送信された印刷ジョブを受信する(S701)。ステップS702では、印刷ジョブ制御部152は、上記S701で受信した印刷ジョブのHeader領域801内の付加描画の属性データ有無フラグから、該印刷ジョブに付加描画の属性データ(付加描画のPDLコマンド)が含まれているか否か判断する。
そして、上記S702において、上記印刷ジョブに付加描画の属性データ(付加描画のPDLコマンド)が含まれていないと判断した場合には、印刷ジョブ制御部152は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS703に処理を進める。
【0043】
ステップS703では、印刷ジョブ制御部152は、印刷処理部156に印刷対象文書のPDLコマンド(印刷データ)を渡し、印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から前記印刷対象文書のPDLコマンド(印刷データ)を受け取り、印刷を行う。これにより、図4に示したような文書の印刷結果が得られる。
【0044】
一方、上記S702において、上記印刷ジョブに付加描画の属性データ(付加描画のPDLコマンド)が含まれていると判断した場合には、印刷ジョブ制御部152は、ステップS704に処理を進める。
ステップS704では、付加描画制御部153が、ライセンス管理部154を介して、上記印刷ジョブがライセンスを有するホストコンピュータで生成された印刷ジョブか否かを判断する。
【0045】
ライセンス管理部154では、上記印刷ジョブに含まれている固有情報(図5)とライセンスDB155(図9)に登録されている情報とを照らし合わせる。
図9は、本実施例におけるライセンスDB155の一例を示す図である。
図9に示すように、ライセンスDB155には、“ユーザ名”、“MACアドレス”、“IPアドレス”からなる固有情報が登録(記憶)されている。また、ライセンスDB155には、残りライセンス数も登録(記憶)されている。なお、ライセンスDB155への固有情報の登録(ライセンスの登録)は、プリンタ150の管理者が、事前にプリンタ150の操作部20から行ってもよいし、ネットワーク400を介して情報処理装置から行ってもよい。また、ライセンスDB155への残りライセンス数の登録は、購入したライセンス数に応じて、操作部20からサービスマンが予め設定しておくものとする。また、工場出荷時に、ライセンスDB155への残りライセンス数の登録を行っておいてもよい。この場合、所定の金額で、顧客に本実施形態にかかるプログラム一式が記憶されたCD−ROMを購入してもらう。また、所定の記号列であるライセンスキーを販売店から購入し、プログラムの初期インストールをするときにそのライセンスキーをインストーラに対して入力すると、自動的に、ライセンスDB155への残りライセンス数の登録を行うこととしてもよい。
【0046】
ライセンス管理部154は、ライセンスDB155に、上記印刷ジョブに含まれる固有情報が登録されているか否かを判断し、該判断結果を付加描画制御部153に返す。ライセンスDB155に上記固有情報が登録されている場合、ライセンス管理部154は、ライセンスが登録されている旨の判断結果を付加描画制御部153に返す。
【0047】
なお、ライセンスDB155に上記固有情報が登録されておらず、且つ、残りライセンス数に空きがある(残りライセンス数が1以上)場合、ライセンス管理部154は、ライセンスDB155に上記固有情報を登録する。また、ライセンス管理部154は、残りライセンス数を「1」デクリメントする。さらに、ライセンス管理部154は、残りライセンス数に空きがある旨の判断結果を付加描画制御部153に返すものとする。
【0048】
一方、ライセンスDB155に上記固有情報が登録されておらず、且つ、残りライセンス数に空きがない(残りライセンス数が1以上)場合、ライセンス管理部154は、ライセンスが登録されていない旨の判断結果を付加描画制御部153に返すものとする。
【0049】
付加描画制御部153は、ライセンス管理部154から返ってきた結果から、ライセンスが登録されている又は残りライセンス数に空きがあるか否かを判断する(図8のS704)。
【0050】
上記S704において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されている又は残りライセンス数に空きがある場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有すると判断する。そして、付加描画制御部153は、ステップS705に処理を進める。
【0051】
ステップS705では、付加描画制御部153は、文書領域803内のPDLコマンド(印刷対象文書のPDLコマンド)と、付加描画領域802内のPDLコマンド(付加描画のPDLコマンド)を合成して合成PDLコマンドを生成する。そして、付加描画制御部153は、上記合成PDLコマンドを印刷ジョブ制御部152に渡す。印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から上記合成PDLコマンドを受け取り、印刷を行う。これにより、図4の印刷対象の文書と、図6の付加描画を合成した、図10のような付加描画付きの文書の印刷結果が得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られる。
【0052】
図10は、本実施例における付加描画付きの文書の印刷結果の一例を示す図である。
一方、上記S704において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されていない、且つ、残りライセンス数に空きがない場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有していないと判断する。そして、付加描画制御部153は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS703に処理を進める。これにより、ステップS703において、図4のような印刷対象文書の印刷結果が得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られない。
【0053】
以上のように、図4に示した文書を図3と図8に従って処理する際、付加描画機能のライセンスを有するホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合、文書のPDLコマンドと付加描画のPDLコマンドが合成され、図10の結果が得られる。一方、付加描画機能のライセンスを有さないホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合は、文書のPDLコマンドと付加描画のPDLコマンドが合成されず、図4の結果が得られる。このように、本実施例のプリンタ150では、追加機能をホストコンピュータにインストールしても、印刷時に追加機能のライセンスがなければ追加機能の効果が得られないが、印刷時に追加機能のライセンスがあれば追加機能の効果を得ることができる。
【実施例2】
【0054】
上記実施例1では、プリンタドライバ203の印刷処理で、付加描画のPDLを平文のままシステムスプーラ204に送信していたが、付加描画自体が価値のあるデータである場合、付加描画データを保護する必要がある。そこで、本実施例では付加描画におけるPDLコマンドの暗号化を考慮した印刷処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0055】
図11は、本発明の実施例2におけるプリンタドライバ203による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタドライバ203のプログラムは、コンピュータのHD11に記憶されており、RAM2に読み出されCPU1によって実行される。
【0056】
なお、図11のS1201〜S1203のステップは、図3のS401〜S403のステップと同様であるので、説明を省略する。
図11のステップS1204において、印刷処理部303は、ステップS1203で作成した付加描画のPDLコマンドを暗号化する。
次に、ステップS1205において、印刷処理部303は、上記S1204で暗号化した付加描画のPDLコマンドを、ステップS1202で作成した印刷ジョブに、属性データとして付加する。
【0057】
図12は、本発明の実施例2において暗号化された付加描画のPDLコマンドを属性データとして付加した印刷ジョブの一例を示す図である。
図12において、1301はHeader領域(ヘッダ領域)である。Header領域1301には、図11のステップS1201で受け取った文書の印刷指示と、ステップS1202で付加したホストコンピュータの固有情報(図5)が格納されている。また、Header領域1301には付加描画の属性データ有無フラグが格納されている。
【0058】
付加描画領域1302には、上記S1204で暗号化した付加描画のPDLコマンドが格納されている。文書領域1303には、上記S1202で作成した印刷対象文書のPDLコマンドが格納されている。なお、Header領域1301に格納される情報、文書領域1303に格納される印刷対象文書のPDLコマンドは、平文で格納される。
【0059】
以下、図11のフローチャートの説明に戻る。
次に、ステップS1205において、印刷処理部303は、図12の印刷ジョブ1300をシステムスプーラ204に送信し、本フローチャートの処理を終了する。なお、システムスプーラ204は、プリンタドライバ203の印刷処理部303から受け取った印刷ジョブ1300を、プリンタ150に送信する。
【0060】
次に、図13のフローチャートを参照して、本発明の実施例2におけるプリンタ150の印刷処理を説明する。
図13は、本発明の実施例2におけるプリンタ150による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタ150のプログラムは、プリンタ150のHD21に記憶されており、RAM13に読み出されCPU12によって実行される。なお、図13のS1401〜S1404のステップは、図8のS701〜S704のステップと同様であるので、説明を省略する。
【0061】
図13のステップS1404において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されている又は残りライセンス数に空きがある場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有すると判断する。そして、付加描画制御部153は、ステップS1405に処理を進める。
【0062】
次に、ステップS1405では、付加描画制御部153は、上記印刷ジョブの付加描画領域1302に格納された暗号化された付加描画のPDLコマンドを復号する。
そして、ステップS1406において、付加描画制御部153は、上記印刷ジョブの文書領域803内のPDLコマンド(印刷対象文書のPDLコマンド)と、上記S1405で復号した付加描画のPDLコマンドを合成して合成PDLコマンドを生成する。そして、付加描画制御部153は、上記合成PDLコマンドを印刷ジョブ制御部152に渡す。印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から上記合成PDLコマンドを受け取り、印刷を行う。これにより、図4の印刷対象の文書と、図6の付加描画とを合成した、図10のような付加描画付きの文書の印刷結果が得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られる。
【0063】
一方、上記S1404において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されていない、且つ、残りライセンス数に空きがない場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有していないと判断する。そして、付加描画制御部153は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS1403に処理を進める。これにより、ステップS1403において、図4のような印刷対象文書の印刷結果が得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られない。
【0064】
以上のように、図4に示した文書を図11と図13に従って処理する際、付加描画機能のライセンスを有するホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合、文書のPDLコマンドと付加描画のPDLコマンドが合成され、図10の結果が得られる。一方、付加描画機能のライセンスを有さないホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合は、文書のPDLコマンドと付加描画のPDLコマンドが合成されず、図4の結果が得られる。このように、本実施例のプリンタ150では、追加機能をホストコンピュータにインストールしても、印刷時に追加機能のライセンスがなければ追加機能の効果が得られないが、印刷時に追加機能のライセンスがあれば追加機能の効果を得ることができる。
【0065】
また、付加描画自体が価値のあるデータである場合、付加描画データを保護し、不正な用途に用いられることを防ぐことができる。
【実施例3】
【0066】
上記実施例1では、プリンタドライバ203の印刷処理において、付加描画を印刷ジョブに属性データとして付加していた。本実施例では、付加描画を文書データのページとして扱う印刷処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0067】
図14は、本発明の実施例3におけるプリンタドライバ203による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタドライバ203のプログラムは、コンピュータのHD11に記憶されており、RAM2に読み出されCPU1によって実行される。
【0068】
なお、図14のS1501〜S1503のステップは、図3のS401〜S403のステップと同様であるので、説明を省略する。
図14のステップS1504において、印刷処理部303は、ステップS1203で作成した付加描画のPDLコマンドを、ステップS1502で作成した印刷ジョブ1600に文書データのページとして付加する。
【0069】
図15は、本発明の実施例3において付加描画のPDLコマンドを印刷対象文書のPDLコマンドのページとして付加した印刷ジョブの一例を示す図である。
図15において、1601はHeader領域(ヘッダ領域)である。Header領域1601には、図14のステップS1501で受け取った文書の印刷指示と、ステップS1502で付加したホストコンピュータの固有情報(図5)が格納されている。また、Header領域1601には付加描画の文書データ有無フラグが格納されている。
【0070】
文書領域1602には、上記S1502で作成した文書(印刷対象文書)のPDLコマンドの各ページの後に、上記S1503で作成した付加描画のPDLコマンドの各ページが格納されている。なお、上記印刷対象文書のPDLと上記付加描画のPDLは交互に並んでいなくてもよい。
【0071】
以下、図14のフローチャートの説明に戻る。
次に、ステップS1505において、印刷処理部303は、図15の印刷ジョブ1600をシステムスプーラ204に送信し、本フローチャートの処理を終了する。なお、システムスプーラ204は、プリンタドライバ203の印刷処理部303から受け取った印刷ジョブ1600を、プリンタ150に送信する。
【0072】
次に、図16のフローチャートを参照して、本発明の実施例3におけるプリンタ150の印刷処理を説明する。
図16は、本発明の実施例3におけるプリンタ150による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタ150のプログラムは、プリンタ150のHD21に記憶されており、RAM13に読み出されCPU12によって実行される。
【0073】
プリンタ150の印刷ジョブ受信部151が、図3のシステムスプーラ204から送信された印刷ジョブを受信する(S1701)。次に、ステップS1702において、印刷ジョブ制御部152は、上記S1701で受信した印刷ジョブのHeader領域1601内の付加描画の属性データ有無フラグから、前記印刷ジョブに付加描画の文書データ(付加描画のPDL)が含まれているか否かを判断する。
【0074】
そして、上記S1702において、上記印刷ジョブに付加描画の文書データ(付加描画のPDLコマンド)が含まれていないと判断した場合には、印刷ジョブ制御部152は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS1703に処理を進める。
【0075】
ステップS1703では、印刷ジョブ制御部152は、上記S1701で受信した印刷ジョブの文書領域1602内のPDLコマンド(印刷データ)を印刷処理部156に渡す。印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から前記PDLコマンド(印刷データ)を受け取り、印刷を行う。これにより、図4に示したような文書の印刷結果と図6の付加描画の印刷結果が得られる。
【0076】
一方、上記S1702において、上記印刷ジョブに付加描画の文書データ(付加描画のPDL)が含まれていると判断した場合には、印刷ジョブ制御部152は、ステップS1704に処理を進める。
【0077】
ステップS1704では、付加描画制御部153が、ライセンス管理部154を介して、上記印刷ジョブがライセンスを有するホストコンピュータで生成された印刷ジョブか否かを判断する。
【0078】
上記S1704において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されている又は残りライセンス数に空きがある場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有すると判断する。そして、付加描画制御部153は、ステップS1705に処理を進める。
【0079】
ステップS1705では、付加描画制御部153は、上記印刷ジョブの文書領域1602内の印刷対象文書のPDLコマンドと、文書のページとして付加されている付加描画のPDLコマンドとを合成して、合成PDLコマンドを生成する。なお、印刷対象文書のPDLコマンドの各ページの後に、付加描画のPDLコマンドの各ページが格納されている場合、1ページと2ページ、・・・、奇数ページと偶数ページ、・・・のPDLコマンドを合成することにより、合成PDLコマンドを生成する。そして、付加描画制御部153は、上記合成PDLコマンドを印刷ジョブ制御部152に渡す。印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から上記合成PDLコマンドを受け取り、印刷を行う。これにより、図4の印刷対象の文書と、図6の付加描画を合成した、図10のような付加描画付きの文書の印刷結果が得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られる。
【0080】
一方、上記S1704において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されていない、且つ、残りライセンス数に空きがない場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有していないと判断する。そして、付加描画制御部153は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS1703に処理を進める。これにより、ステップS1703において、図4のような印刷対象文書の印刷結果と、図6の付加描画の印刷結果とがそれぞれ得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られない。
【0081】
以上のように、図4に示した文書を図14と図16に従って処理する際、付加描画機能のライセンスを有するホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合は、図10の結果を得られる。一方、付加描画機能のライセンスを有さないホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合は図4の結果と図6の結果を得られる。このように、本実施例のプリンタ150では、追加機能をホストコンピュータにインストールしても、印刷時に追加機能のライセンスがなければ追加機能の効果が得られないが、印刷時に追加機能のライセンスがあれば追加機能の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0082】
上記実施例1では、プリンタドライバ203の印刷処理では、付加描画をジョブに属性データとして付加していた。本実施例では、付加描画付きの警告文を、文書データのページとして扱う印刷処理について、図17のフローチャートを用いて説明する。
【0083】
図17は、本発明の実施例4におけるプリンタドライバ203による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタドライバ203のプログラムは、コンピュータのHD11に記憶されており、RAM2に読み出されCPU1によって実行される。
【0084】
なお、図17のS1801とS1802のステップは、図3のS401とS402のステップと同様であるので、説明を省略する。
図17のステップS1803において、付加描画作成部302は、付加描画付き警告文書のPDLコマンドを作成する。本実施例においては、付加描画付き警告文の一例として図18に示す地紋付き警告文のPDLコマンドを作成する。
【0085】
図18は、本発明の実施例4における付加描画付き警告文の一例を示す図である。
次に、ステップS1804において、印刷処理部303は、ステップS1803で作成した付加描画付き警告文のPDLコマンドを、ステップS1802で作成した印刷ジョブ2100(図19)に、文書データのページとして付加する。
【0086】
図19は、本発明の実施例4において付加描画付き警告部のPDLコマンドを文書データのページとして付加した印刷ジョブの一例を示す図である。
図19において、2101はHeader領域(ヘッダ領域)である。Header領域2101には、ステップS1801で受け取った文書の印刷指示と、ステップS1802で付加したホストコンピュータの固有情報(図5)等が格納されている。また、Header領域2101には付加描画の文書データ有無フラグも格納されている。
【0087】
文書領域2102には、ステップS1802で作成した文書(印刷対象文書)のPDLコマンドの各ページの後に、上記S1803で作成した付加描画付き警告文のPDLコマンドの各ページが格納されている。なお、上記印刷対象文書のPDLと上記付加描画のPDLは交互に並んでいなくてもよい。
【0088】
以下、図17のフローチャートの説明に戻る。
次に、ステップS1805において、印刷処理部303は、図19の印刷ジョブ2100をシステムスプーラ204に送信し、本フローチャートの処理を終了する。なお、システムスプーラ204は、プリンタドライバ203の印刷処理部303から受け取った印刷ジョブ2100を、プリンタ150に送信する。
【0089】
次に、図20のフローチャートを参照して、本発明の実施例4におけるプリンタ150の印刷処理を説明する。
図20は、本発明の実施例4におけるプリンタ150による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタ150のプログラムは、プリンタ150のHD21に記憶されており、RAM13に読み出されCPU12によって実行される。
【0090】
プリンタ150の印刷ジョブ受信部151が、図3のシステムスプーラ204から送信された印刷ジョブを受信する(S2001)。次に、ステップS2002において、印刷ジョブ制御部152は、上記S2001で受信した印刷ジョブのHeader領域2101内の付加描画の文書データ有無フラグから、前記印刷ジョブに付加描画の属性データ(付加描画のPDL)が含まれているか否かを判断する。
【0091】
そして、上記S2002において、上記印刷ジョブに付加描画の文書データ(付加描画のPDLコマンド)が含まれていないと判断した場合には、印刷ジョブ制御部152は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS2003に処理を進める。
【0092】
ステップS2003では、印刷ジョブ制御部152は、上記S2001で受信した印刷ジョブの文書領域2102内のPDLコマンド(印刷データ)を印刷処理部156に渡す。印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から前記PDLコマンド(印刷データ)を受け取り、印刷を行う。これにより、図4に示したような文書の印刷結果と図6の付加描画の印刷結果が得られる。
【0093】
一方、上記S2002において、上記印刷ジョブに付加描画の文書データ(付加描画のPDL)が含まれていると判断した場合には、印刷ジョブ制御部152は、ステップS2004に処理を進める。
【0094】
ステップS2004では、付加描画制御部153が、ライセンス管理部154を介して、上記印刷ジョブがライセンスを有するホストコンピュータで生成された印刷ジョブか否かを判断する。
【0095】
上記S2004において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されている又は残りライセンス数に空きがある場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有すると判断する。そして、付加描画制御部153は、ステップS2005に処理を進める。
【0096】
ステップS2005では、付加描画制御部153は、上記印刷ジョブの文書領域2102内の付加描画付き警告文のPDLコマンドのページから警告文を削除し、付加描画のPDLコマンドのページを作成する。例えば、印刷対象文書のPDLコマンドの各ページの後に、付加描画付き警告文のPDLコマンドの各ページが格納されている場合、PDLコマンドの偶数ページから警告文を削除して、付加描画のPDLコマンドのページを作成する。
【0097】
次に、ステップS2006において、付加描画制御部153は、上記印刷ジョブの文書領域2102内の印刷対象文書のPDLコマンドと、上記S2005で作成した付加描画のPDLコマンドとを合成して、合成PDLコマンドを生成する。なお、印刷対象文書のPDLコマンドの各ページの後に、付加描画付き警告文のPDLコマンドの各ページが格納されている場合、1ページと2ページ、・・・、奇数ページと偶数ページ、・・・のPDLコマンドを合成することにより、合成PDLコマンドを生成する。そして、付加描画制御部153は、上記合成PDLコマンドを印刷ジョブ制御部152に渡す。印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から上記合成PDLコマンドを受け取り、印刷を行う。これにより、図4の印刷対象の文書と、図18の付加描画付き警告文から警告文を削除した図6のような付加描画を合成した、図10のような付加描画付きの文書の印刷結果が得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られる。
【0098】
一方、上記S2004において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されていない、且つ、残りライセンス数に空きがない場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有していないと判断する。そして、付加描画制御部153は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS2003に処理を進める。これにより、ステップS2003において、図4のような印刷対象文書の印刷結果と、図18の付加描画付き警告文の印刷結果とがそれぞれ得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られない。
【0099】
以上のように、図4に示した文書を図17と図20に従って処理する際、付加描画機能のライセンスを有するホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合は、図10の結果を得られる。一方、付加描画機能のライセンスを有さないホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合は図4の結果と図18の結果を得られる。このように、本実施例のプリンタ150では、追加機能をホストコンピュータにインストールしても、印刷時に追加機能のライセンスがなければ追加機能の効果が得られないが、印刷時に追加機能のライセンスがあれば追加機能の効果を得ることができる。
また、付加描画自体が価値のあるデータである場合でも、警告文付きで印刷されるので、付加描画事態が不正な用途に用いられることを防ぐことができる。
【0100】
〔その他の実施例〕
上記各実施例では、付加描画として地紋の描画を用いる構成を説明したが、付加描画であれば何でも良く、バーコード、二次元コードや電子透かしやLVBC(Low Visibility Barcodes:低可視バーコード)であってもよい。
【0101】
また、上記実施例4では、警告文のPDLコマンドを用いたが、警告文であれば何でも良く、警告文のPDLコマンドでなく、警告文を示す画像データであってもよい。
さらに、上記各実施例では、ライセンスDB155への固有情報の登録(ライセンスの登録)は、プリンタ150の管理者が、事前にプリンタ150の操作部20から行うか、ネットワーク400を介して情報処理装置から行う構成について説明した。なお、ライセンスDB155からの固有情報の削除(ライセンスの削除)も同様に、プリンタ150の管理者が、事前にプリンタ150の操作部20から行うか、ネットワーク400を介して情報処理装置から行うものとする。
【0102】
以下、同一機種のプリンタがネットワーク上に複数存在する場合について考察する。この場合、以下のような形態が考えられる。
形態1:各プリンタが独立にライセンスDB155によりライセンスを管理する。即ち、PCがx台、プリンタがy台あり、全てのPC及び全てのプリンタで付加描画機能を使用したい場合、ユーザはx×y個のライセンスを購入する必要がある。
【0103】
形態2:各プリンタがライセンスDB155の登録データを共有する。例えば、あるプリンタのライセンスDB155の登録データが更新されると、該更新された登録データが他のプリンタに通知され、他のプリンタのライセンスDB155のデータも更新される。即ち、PCがx台、プリンタがy台あり、全てのPC及び全てのプリンタで付加描画機能を使用したい場合、ユーザはx個のライセンスを購入する必要がある。
なお、形態はこれに限られるものではなく、他の形態であってもよい。
【0104】
また、上記各実施例では、付加描画機能のライセンスをプリンタで管理する構成について説明したが、プリンタドライバの追加機能は、付加描画機能に限られものではなく、他の追加機能であってもよい。
【0105】
例えば、プリンタ1500のCPU12は、受信した印刷ジョブに、追加機能を用いるコマンドが含まれている場合、該印刷ジョブが前記追加機能のライセンスを有する情報処理装置により生成されたものか否かを判断する。そして、CPU12は、前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断した場合、該印刷ジョブに含まれる前記追加機能を用いるコマンドを実行して画像を出力するように制御する。一方、CPU12は、前記印刷ジョブが前記ライセンスを有していない情報処理装置により生成されたものであると判断した場合、該印刷ジョブに含まれる前記追加機能を用いるコマンドを実行することなく画像を出力するように制御する。もちろん、追加機能を用いるコマンドを暗号化したりしてもよい。
また、追加機能が複数ある場合には、ライセンスDB155で、追加機能毎に、ライセンスを登録し、ライセンス管理部154が、追加機能毎にライセンスを管理するように構成する。
以上により、ライセンスサーバを立てることなく、また、プリンタドライバにおける付加描画機能のインストールを制限することなく、印刷時に追加機能のライセンスがあれば該機能の効果を得ることができるように制御できる。一方、印刷時に追加機能のライセンスが無ければ該追加機能の効果を得ることができないように制御できる。
【0106】
なお、上記各実施例及びその変形例を有機的に組み合わせた構成も、全て本発明に含まれるものである。
さらに、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0107】
以下、本発明に係る画像形成装置のCPUで読み取り可能な(コンピュータ読取り可能な)各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体(記録媒体)について説明する。
本発明の各工程(上述した各機能)は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパーソナルコンピュータ等の処理装置(CPU,プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0108】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システム或いは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システム或いは装置に読み出すことによって、そのシステム或いは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0109】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
本発明の様々な例と実施例を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
なお、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0110】
300 ホストコンピュータ(PC)
203 プリンタドライバ
302 付加描画作成部
150 プリンタ
152 印刷ジョブ制御部
153 付加描画制御部
154 ライセンス管理部
155 ライセンスDB
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、その制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホストコンピュータ上におけるインストール済みのプリンタドライバに対して機能拡張モジュールを追加インストールすることによって、プリンタドライバに機能を追加することができる。
【0003】
この追加機能の一つとして地紋(例えば、特許文献1参照。)がある。地紋画像は、原本(プリンタで出力した印刷物)において、人間の目には単なる模様や背景画像などに見えるが、複写すると所定の文字やイメージなどが顕像化するものである。そのため、複写物を使用等することを抑止する効果がある。この地紋機能は、PC管理者が強制的に地紋を印刷物に付与することができることから、職場の出力物は全て地紋がついているような使用方法が考えられており、印刷物からの情報漏洩を防止するために重要な機能となっている。そのため、管理者からは、ユーザ全員に地紋機能の利用を強制したいといった要望もある。
【0004】
このようにプリンタドライバの機能を拡張する仕組みは、ユーザに対して付加価値を提供することになる。そこで、機能拡張モジュール及びそれらを追加インストールするプログラムを有償のソフトウェアとして提供することが想定されている。また、このような事後的な機能拡張に対しては、ある条件を付加してプリンタドライバの機能を拡張する仕組みの利用を抑止することで、ソフトウェアの商品価値を保護することが求められている。
【0005】
特許文献2には、プリンタドライバの機能を拡張するために動作するプログラムモジュールが無条件に追加インストールされることの防止する技術が提案されている。特許文献2の技術は、プリンタドライバの機能を拡張するためのプログラムモジュールを動作させるのに必要なデータ又は機能拡張モジュールを追加インストールの対象となるインストールセットに含めるか否かを制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−197297号公報
【特許文献2】特開2006−099747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来の技術では、別途ライセンスサーバを設ける必要があるが、ライセンスサーバを設けると設置費用、運用費用などのコストが定常的にかかってしまう。また、ライセンスサーバを設けることができない環境では、従来技術を用いることはできない。
【0008】
本発明は、上記の問題点の少なくとも一部を解決するためになされたものである。本発明の目的は、ライセンスサーバを設けることなく、或いは、プリンタドライバにおける追加機能のインストールを制限することなく、プリンタドライバにおける追加機能としての付加描画機能のライセンスを管理する仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて画像を出力する画像形成装置であって、受信した印刷ジョブに、印刷対象の文書に対して付加描画を行う付加描画の印刷データが含まれている場合、該印刷ジョブが付加描画機能のライセンスを有する情報処理装置により生成されたものか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断された場合、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷対象の文書の印刷データと前記付加描画の印刷データとを合成して画像を出力するように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ライセンスサーバを設けることなく、また、プリンタドライバにおける追加機能のインストールを制限することなく、プリンタドライバにおける追加機能としての付加描画機能のライセンスを管理することができる。そして、印刷時に付加描画機能のライセンスが無ければ付加描画機能の効果が得られないようにし、印刷時に付加描画機能のライセンスが有れば付加描画機能の効果を得られるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の画像形成装置を適用可能なシステムの構成図である。
【図2】ホストコンピュータとプリンタにおける印刷処理の構成を示す図である。
【図3】実施例1のプリンタドライバによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図4】印刷する文書(印刷対象文書)の一例を示す図である。
【図5】固有情報の一例を示す図である。
【図6】付加描画の一例を示す図である。
【図7】実施例1の印刷ジョブの一例を示す図である。
【図8】実施例1のプリンタ150による印刷処理を示すフローチャートである。
【図9】ライセンスDB155の一例を示す図である。
【図10】付加描画付きの文書の印刷結果の一例を示す図である。
【図11】実施例2のプリンタドライバによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図12】実施例2の印刷ジョブの一例を示す図である。
【図13】実施例2のプリンタによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図14】実施例3のプリンタドライバによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図15】実施例3の印刷ジョブの一例を示す図である。
【図16】実施例3のプリンタによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図17】実施例4のプリンタドライバによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図18】実施例4の付加描画付き警告文の一例を示す図である。
【図19】実施例4の印刷ジョブの一例を示す図である。
【図20】実施例4のプリンタによる印刷処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の画像形成装置を適用可能なシステムの構成を説明するブロック図である。なお、特に断らない限り、本発明の機能が実行されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、本発明を適用できることは言うまでもない。また、特に断らない限り、本発明の機能が実行されるのであれば、LAN,WAN等のネットワークを介して接続が為され処理が行われるシステムであっても本発明を適用できることは言うまでもない。
【0014】
図1において、300はホストコンピュータ(情報処理装置)としてのユーザPCである。ホストコンピュータ300において、1はCPUであり、ROM3のプログラム用ROM或いは外部メモリ11に記憶された文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行する。また、CPU1は、システムバス4に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0015】
ROM3のプログラム用ROM或いは外部メモリ11には、CPU1の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラム(以下OS)等が記憶される。ROM3のフォント用ROM或いは外部メモリ11には、上記文書処理の際に使用するフォントデータ等が記憶される。ROM3のデータ用ROM或いは外部メモリ11には、上記文書処理等を行う際に使用する各種データが記憶される。
【0016】
2はRAMであり、CPU1の主メモリ、ワークエリア等として機能する。5はキーボードI/Fであり、キーボード9や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。6はディスプレイI/Fであり、ディスプレイ10の表示を制御する。
【0017】
7は外部メモリI/Fであり、ハードディスク(HD)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等の外部メモリ11とのアクセスを制御する。外部メモリ11は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、プリンタドライバ等を記憶する。8はネットワークI/Fであり、ネットワーク400を介してプリンタ150(画像形成装置)との通信制御処理を実行する。
【0018】
なお、CPU1は、例えばRAM2上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、ディスプレイ10上でのWYSIWYGを可能としている。また、CPU1は、ディスプレイ10上の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは印刷を実行する際、印刷の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行える。
【0019】
プリンタ150において、12はプリンタCPUである。CPU12は、ROM14のプログラム用ROMや外部メモリ21等に記憶される制御プログラム等に基づいて、システムバス15に接続される印刷部(プリンタエンジン)17に出力情報としての画像信号を出力する。
【0020】
ROM14のプログラム用ROMには、CPU12の制御プログラム等が記憶される。ROM14のフォント用ROMには、上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶される。ROM14のデータ用ROMには、ハードディスク等の外部メモリ21がないプリンタの場合には、ホストコンピュータ上で利用される情報等が記憶される。
【0021】
CPU12は、ネットワークI/F16及びネットワーク400を介してホストコンピュータ300との通信処理が可能となっており、プリンタ内の情報等をホストコンピュータ300に通知可能に構成されている。
【0022】
13はRAMであり、CPU12の主メモリ、ワークエリア等として機能する。RAM13は、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。なお、RAM13は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。
【0023】
18は外部メモリI/Fであり、前述したハードディスク(HD)、ICカード等の外部メモリ21のアクセスを制御する。外部メモリ21は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、外部メモリ21は、1個に限らず、少なくとも1個以上備え、内蔵フォントに加えてオプションフォントカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていてもよい。さらに、外部メモリ21は、図示しないNVRAMを有し、操作部(操作パネル)20からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしてもよい。操作部20は、操作のためのスイッチ、LED表示器、及びLCD表示機等が配されており、ユーザによる操作を受け付ける。
なお、ネットワーク400に、ホストコンピュータ300やプリンタ150が複数台接続されている構成でもよい。また、ホストコンピュータ300とプリンタ150とがUSBケーブル等により直接接続されている構成でもよい。
【0024】
図2は、図1に示したホストコンピュータ300とプリンタ150における印刷処理の構成を示す図である。
ホストコンピュータ300には、アプリケーション201、グラフィックエンジン202、プリンタドライバ203、及びシステムスプーラ204が、外部メモリ11に保存されたファイルとして存在する。これらは、実行される場合にオペレーションシステム(OS)やそのモジュールを利用するモジュールによってRAM2にロードされCPU1により実行されるプログラムモジュールである。なお、これらのプログラムモジュール(特に、アプリケーション201及びプリンタドライバ203)は、外部メモリ11のFDや不図示のCD−ROM、或いはネットワーク400を経由して外部メモリ11のHDに追加することが可能となっている。
【0025】
外部メモリ11に保存されているアプリケーション201は、RAM2にロードされてCPU1により実行される。このアプリケーション201からプリンタ150に対して印刷を行う際には、同様にRAM2にロードされCPU1により実行可能となっているグラフィックエンジン202を利用して出力(描画)を行う。
【0026】
グラフィックエンジン202は、印刷装置(プリンタ)ごとに用意されたプリンタドライバ203を同様に外部メモリ11からRAM2にロードし、アプリケーション201の出力をプリンタドライバ203を用いてプリンタの制御コマンドに変換する。変換されたプリンタ制御コマンドは、印刷ジョブとして、OSによってRAM2にロードされたシステムスプーラ204を経てネットワーク400経由でプリンタ150へ出力される仕組みとなっている。
【0027】
なお、プリンタドライバ203は、本実施例では、印刷制御部301、付加描画作成部302、印刷処理部303等からなる。印刷制御部301は、印刷データの制御を行う。付加描画作成部302は、付加描画を作成する付加描画機能を実現する。印刷処理部303は、印刷データの処理を行う。なお、付加描画作成部302は、プリンタドライバ203の追加機能としてホストコンピュータ300にインストールされたものである。
【0028】
また、プリンタ150は、印刷ジョブ受信部151、印刷ジョブ制御部152、付加描画制御部153、ライセンス管理部154、ライセンスDB155等からなる。印刷ジョブ受信部151、印刷ジョブ制御部152、付加描画制御部153、ライセンス管理部154は、実行される場合にOSやそのモジュールを利用するモジュールによってROM14からRAM13にロードされCPU12により実行されるプログラムモジュールである。また、ライセンスDB155は、外部メモリ21上に実現される。
【0029】
印刷ジョブ受信部151は、ホストコンピュータ300から印刷ジョブを受け取る。印刷ジョブ制御部152は、印刷ジョブを制御する。付加描画制御部153は、付加描画を制御する。ライセンス管理部154は、ライセンスDB155に登録される付加描画機能のライセンスを管理する。
【0030】
以下、図3のフローチャートを用いて、本実施例におけるプリンタドライバ203による印刷処理を説明する。
図3は、本発明の実施例1におけるプリンタドライバ203による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタドライバ203のプログラムは、コンピュータのHD11に記憶されており、RAM2に読み出されCPU1によって実行される。
【0031】
また、図4は、本実施例にて印刷する文書(印刷対象文書)の一例を示す図である。
なお、上述したように、本実施例のプリンタドライバ203は、追加機能として付加描画機能がインストールされたものであり、印刷物からの情報漏洩を防止するため強制的に付加描画を印刷物に付与する構成として説明する。しかし、プリンタドライバ203の印刷設定画面から付加描画機能の使用の有無及び付加描画の種類を設定できるように構成してもよい。なお、付加描画の一例として本実施形態では、図6の地紋を説明する。さらに、付加描画の別の一例としては、背景やロゴなど定型の描画データとしてのフォーム情報が考えられる。例えば、付加描画のライセンスが有効な場合、1ページごとに、前記のフォーム情報と、印刷データをオーバーレイして印刷するフォームオーバーレイ印刷を行う。付加描画のライセンスが有効でなければ、地紋データの印刷時と同様の処理を行なえばよい。
【0032】
アプリケーション201から図4に示す文書に対する印刷処理が実行されると、グラフィックエンジン202を介してプリンタドライバ203が呼び出され、本フローチャートの処理が開始される。
【0033】
まず、ステップS401において、プリンタドライバ203の印刷制御部301は、グラフィックエンジン202から文書(印刷対象文書)の印刷データと印刷指示を受け取る。
【0034】
次に、ステップS402では、印刷制御部301は、上記S401で受け取った文書の印刷データをPage Description Language(PDL)と呼ばれる印刷命令(プリンタ150が実行可能な印刷データ)に変換して印刷ジョブ(後述する図7)を生成する。なお、印刷制御部301は、属性データとして、通常の印刷指示以外に各々のユーザを特定できる情報を印刷ジョブに含める。本実施例においては、印刷制御部301は、一例として図5に示すように、印刷が実行されたホストコンピュータから取得した“ユーザ名”、“MACアドレス”、“IPアドレス”等の固有情報を印刷ジョブの属性データとして含める。
【0035】
図5は、本実施例における固有情報の一例を示す図である。
なお、図5では、固有情報として、“ユーザ名”、“MACアドレス”、“IPアドレス”等のユーザ及びホストコンピュータを一意に特定可能な情報を例示したが、図5に示した情報に限られるものではない。例えば、“ユーザ名”と“MACアドレス”のみであってもよいし、“ユーザ名”とホストコンピュータを構成する各デバイスの構成情報等であってもよい。また、固有情報は、ホストコンピュータを一意に特定可能な情報であってもよい。例えば、MACアドレスのみであってもよいし、ホストコンピュータを構成する各デバイスの構成情報等であってもよい。
【0036】
次に、ステップS403において、付加描画作成部302は、付加描画のPDLコマンドを作成する。本実施例においては、付加描画の一例として図6に示す地紋に対応するPDLコマンドを作成する。
【0037】
図6は、本実施例における付加描画の一例を示す図である。
次に、ステップS404において、印刷処理部303は、上記S403で作成した付加描画のPDLコマンドを、上記S402で作成した印刷ジョブ(図7)に、属性データとして付加する。
【0038】
図7は、本発明の実施例1において付加描画のPDLコマンドを属性データとして付加した印刷ジョブの一例を示す図である。
図7において、801はHeader領域(ヘッダ領域)である。Header領域801には、上記S401で受け取った文書の印刷指示と、上記S402で付加したホストコンピュータの固有情報(図5)等が格納されている。また、Header領域801には付加描画の属性データ有無フラグも格納されている。
【0039】
付加描画領域802には、上記S403で作成した付加描画のPDLコマンドが付加描画の属性データとして格納されている。文書領域803には、上記S402で作成した印刷対象文書のPDLコマンドが格納されている。
【0040】
以下、図3のフローチャートの説明に戻る。
次に、ステップS405において、印刷処理部303は、図7の印刷ジョブ800をシステムスプーラ204に送信し、本フローチャートの処理を終了する。なお、システムスプーラ204は、プリンタドライバ203の印刷処理部303から受け取った印刷ジョブ800を、プリンタ150に送信する。
【0041】
次に、図8のフローチャートを参照して、本発明の実施例1におけるプリンタ150の印刷処理を説明する。
図8は、本発明の実施例1におけるプリンタ150による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタ150のプログラムは、プリンタ150のHD21に記憶されており、RAM13に読み出されCPU12によって実行される。
【0042】
プリンタ150の印刷ジョブ受信部151が、図3のシステムスプーラ204から送信された印刷ジョブを受信する(S701)。ステップS702では、印刷ジョブ制御部152は、上記S701で受信した印刷ジョブのHeader領域801内の付加描画の属性データ有無フラグから、該印刷ジョブに付加描画の属性データ(付加描画のPDLコマンド)が含まれているか否か判断する。
そして、上記S702において、上記印刷ジョブに付加描画の属性データ(付加描画のPDLコマンド)が含まれていないと判断した場合には、印刷ジョブ制御部152は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS703に処理を進める。
【0043】
ステップS703では、印刷ジョブ制御部152は、印刷処理部156に印刷対象文書のPDLコマンド(印刷データ)を渡し、印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から前記印刷対象文書のPDLコマンド(印刷データ)を受け取り、印刷を行う。これにより、図4に示したような文書の印刷結果が得られる。
【0044】
一方、上記S702において、上記印刷ジョブに付加描画の属性データ(付加描画のPDLコマンド)が含まれていると判断した場合には、印刷ジョブ制御部152は、ステップS704に処理を進める。
ステップS704では、付加描画制御部153が、ライセンス管理部154を介して、上記印刷ジョブがライセンスを有するホストコンピュータで生成された印刷ジョブか否かを判断する。
【0045】
ライセンス管理部154では、上記印刷ジョブに含まれている固有情報(図5)とライセンスDB155(図9)に登録されている情報とを照らし合わせる。
図9は、本実施例におけるライセンスDB155の一例を示す図である。
図9に示すように、ライセンスDB155には、“ユーザ名”、“MACアドレス”、“IPアドレス”からなる固有情報が登録(記憶)されている。また、ライセンスDB155には、残りライセンス数も登録(記憶)されている。なお、ライセンスDB155への固有情報の登録(ライセンスの登録)は、プリンタ150の管理者が、事前にプリンタ150の操作部20から行ってもよいし、ネットワーク400を介して情報処理装置から行ってもよい。また、ライセンスDB155への残りライセンス数の登録は、購入したライセンス数に応じて、操作部20からサービスマンが予め設定しておくものとする。また、工場出荷時に、ライセンスDB155への残りライセンス数の登録を行っておいてもよい。この場合、所定の金額で、顧客に本実施形態にかかるプログラム一式が記憶されたCD−ROMを購入してもらう。また、所定の記号列であるライセンスキーを販売店から購入し、プログラムの初期インストールをするときにそのライセンスキーをインストーラに対して入力すると、自動的に、ライセンスDB155への残りライセンス数の登録を行うこととしてもよい。
【0046】
ライセンス管理部154は、ライセンスDB155に、上記印刷ジョブに含まれる固有情報が登録されているか否かを判断し、該判断結果を付加描画制御部153に返す。ライセンスDB155に上記固有情報が登録されている場合、ライセンス管理部154は、ライセンスが登録されている旨の判断結果を付加描画制御部153に返す。
【0047】
なお、ライセンスDB155に上記固有情報が登録されておらず、且つ、残りライセンス数に空きがある(残りライセンス数が1以上)場合、ライセンス管理部154は、ライセンスDB155に上記固有情報を登録する。また、ライセンス管理部154は、残りライセンス数を「1」デクリメントする。さらに、ライセンス管理部154は、残りライセンス数に空きがある旨の判断結果を付加描画制御部153に返すものとする。
【0048】
一方、ライセンスDB155に上記固有情報が登録されておらず、且つ、残りライセンス数に空きがない(残りライセンス数が1以上)場合、ライセンス管理部154は、ライセンスが登録されていない旨の判断結果を付加描画制御部153に返すものとする。
【0049】
付加描画制御部153は、ライセンス管理部154から返ってきた結果から、ライセンスが登録されている又は残りライセンス数に空きがあるか否かを判断する(図8のS704)。
【0050】
上記S704において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されている又は残りライセンス数に空きがある場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有すると判断する。そして、付加描画制御部153は、ステップS705に処理を進める。
【0051】
ステップS705では、付加描画制御部153は、文書領域803内のPDLコマンド(印刷対象文書のPDLコマンド)と、付加描画領域802内のPDLコマンド(付加描画のPDLコマンド)を合成して合成PDLコマンドを生成する。そして、付加描画制御部153は、上記合成PDLコマンドを印刷ジョブ制御部152に渡す。印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から上記合成PDLコマンドを受け取り、印刷を行う。これにより、図4の印刷対象の文書と、図6の付加描画を合成した、図10のような付加描画付きの文書の印刷結果が得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られる。
【0052】
図10は、本実施例における付加描画付きの文書の印刷結果の一例を示す図である。
一方、上記S704において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されていない、且つ、残りライセンス数に空きがない場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有していないと判断する。そして、付加描画制御部153は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS703に処理を進める。これにより、ステップS703において、図4のような印刷対象文書の印刷結果が得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られない。
【0053】
以上のように、図4に示した文書を図3と図8に従って処理する際、付加描画機能のライセンスを有するホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合、文書のPDLコマンドと付加描画のPDLコマンドが合成され、図10の結果が得られる。一方、付加描画機能のライセンスを有さないホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合は、文書のPDLコマンドと付加描画のPDLコマンドが合成されず、図4の結果が得られる。このように、本実施例のプリンタ150では、追加機能をホストコンピュータにインストールしても、印刷時に追加機能のライセンスがなければ追加機能の効果が得られないが、印刷時に追加機能のライセンスがあれば追加機能の効果を得ることができる。
【実施例2】
【0054】
上記実施例1では、プリンタドライバ203の印刷処理で、付加描画のPDLを平文のままシステムスプーラ204に送信していたが、付加描画自体が価値のあるデータである場合、付加描画データを保護する必要がある。そこで、本実施例では付加描画におけるPDLコマンドの暗号化を考慮した印刷処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0055】
図11は、本発明の実施例2におけるプリンタドライバ203による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタドライバ203のプログラムは、コンピュータのHD11に記憶されており、RAM2に読み出されCPU1によって実行される。
【0056】
なお、図11のS1201〜S1203のステップは、図3のS401〜S403のステップと同様であるので、説明を省略する。
図11のステップS1204において、印刷処理部303は、ステップS1203で作成した付加描画のPDLコマンドを暗号化する。
次に、ステップS1205において、印刷処理部303は、上記S1204で暗号化した付加描画のPDLコマンドを、ステップS1202で作成した印刷ジョブに、属性データとして付加する。
【0057】
図12は、本発明の実施例2において暗号化された付加描画のPDLコマンドを属性データとして付加した印刷ジョブの一例を示す図である。
図12において、1301はHeader領域(ヘッダ領域)である。Header領域1301には、図11のステップS1201で受け取った文書の印刷指示と、ステップS1202で付加したホストコンピュータの固有情報(図5)が格納されている。また、Header領域1301には付加描画の属性データ有無フラグが格納されている。
【0058】
付加描画領域1302には、上記S1204で暗号化した付加描画のPDLコマンドが格納されている。文書領域1303には、上記S1202で作成した印刷対象文書のPDLコマンドが格納されている。なお、Header領域1301に格納される情報、文書領域1303に格納される印刷対象文書のPDLコマンドは、平文で格納される。
【0059】
以下、図11のフローチャートの説明に戻る。
次に、ステップS1205において、印刷処理部303は、図12の印刷ジョブ1300をシステムスプーラ204に送信し、本フローチャートの処理を終了する。なお、システムスプーラ204は、プリンタドライバ203の印刷処理部303から受け取った印刷ジョブ1300を、プリンタ150に送信する。
【0060】
次に、図13のフローチャートを参照して、本発明の実施例2におけるプリンタ150の印刷処理を説明する。
図13は、本発明の実施例2におけるプリンタ150による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタ150のプログラムは、プリンタ150のHD21に記憶されており、RAM13に読み出されCPU12によって実行される。なお、図13のS1401〜S1404のステップは、図8のS701〜S704のステップと同様であるので、説明を省略する。
【0061】
図13のステップS1404において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されている又は残りライセンス数に空きがある場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有すると判断する。そして、付加描画制御部153は、ステップS1405に処理を進める。
【0062】
次に、ステップS1405では、付加描画制御部153は、上記印刷ジョブの付加描画領域1302に格納された暗号化された付加描画のPDLコマンドを復号する。
そして、ステップS1406において、付加描画制御部153は、上記印刷ジョブの文書領域803内のPDLコマンド(印刷対象文書のPDLコマンド)と、上記S1405で復号した付加描画のPDLコマンドを合成して合成PDLコマンドを生成する。そして、付加描画制御部153は、上記合成PDLコマンドを印刷ジョブ制御部152に渡す。印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から上記合成PDLコマンドを受け取り、印刷を行う。これにより、図4の印刷対象の文書と、図6の付加描画とを合成した、図10のような付加描画付きの文書の印刷結果が得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られる。
【0063】
一方、上記S1404において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されていない、且つ、残りライセンス数に空きがない場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有していないと判断する。そして、付加描画制御部153は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS1403に処理を進める。これにより、ステップS1403において、図4のような印刷対象文書の印刷結果が得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られない。
【0064】
以上のように、図4に示した文書を図11と図13に従って処理する際、付加描画機能のライセンスを有するホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合、文書のPDLコマンドと付加描画のPDLコマンドが合成され、図10の結果が得られる。一方、付加描画機能のライセンスを有さないホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合は、文書のPDLコマンドと付加描画のPDLコマンドが合成されず、図4の結果が得られる。このように、本実施例のプリンタ150では、追加機能をホストコンピュータにインストールしても、印刷時に追加機能のライセンスがなければ追加機能の効果が得られないが、印刷時に追加機能のライセンスがあれば追加機能の効果を得ることができる。
【0065】
また、付加描画自体が価値のあるデータである場合、付加描画データを保護し、不正な用途に用いられることを防ぐことができる。
【実施例3】
【0066】
上記実施例1では、プリンタドライバ203の印刷処理において、付加描画を印刷ジョブに属性データとして付加していた。本実施例では、付加描画を文書データのページとして扱う印刷処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0067】
図14は、本発明の実施例3におけるプリンタドライバ203による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタドライバ203のプログラムは、コンピュータのHD11に記憶されており、RAM2に読み出されCPU1によって実行される。
【0068】
なお、図14のS1501〜S1503のステップは、図3のS401〜S403のステップと同様であるので、説明を省略する。
図14のステップS1504において、印刷処理部303は、ステップS1203で作成した付加描画のPDLコマンドを、ステップS1502で作成した印刷ジョブ1600に文書データのページとして付加する。
【0069】
図15は、本発明の実施例3において付加描画のPDLコマンドを印刷対象文書のPDLコマンドのページとして付加した印刷ジョブの一例を示す図である。
図15において、1601はHeader領域(ヘッダ領域)である。Header領域1601には、図14のステップS1501で受け取った文書の印刷指示と、ステップS1502で付加したホストコンピュータの固有情報(図5)が格納されている。また、Header領域1601には付加描画の文書データ有無フラグが格納されている。
【0070】
文書領域1602には、上記S1502で作成した文書(印刷対象文書)のPDLコマンドの各ページの後に、上記S1503で作成した付加描画のPDLコマンドの各ページが格納されている。なお、上記印刷対象文書のPDLと上記付加描画のPDLは交互に並んでいなくてもよい。
【0071】
以下、図14のフローチャートの説明に戻る。
次に、ステップS1505において、印刷処理部303は、図15の印刷ジョブ1600をシステムスプーラ204に送信し、本フローチャートの処理を終了する。なお、システムスプーラ204は、プリンタドライバ203の印刷処理部303から受け取った印刷ジョブ1600を、プリンタ150に送信する。
【0072】
次に、図16のフローチャートを参照して、本発明の実施例3におけるプリンタ150の印刷処理を説明する。
図16は、本発明の実施例3におけるプリンタ150による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタ150のプログラムは、プリンタ150のHD21に記憶されており、RAM13に読み出されCPU12によって実行される。
【0073】
プリンタ150の印刷ジョブ受信部151が、図3のシステムスプーラ204から送信された印刷ジョブを受信する(S1701)。次に、ステップS1702において、印刷ジョブ制御部152は、上記S1701で受信した印刷ジョブのHeader領域1601内の付加描画の属性データ有無フラグから、前記印刷ジョブに付加描画の文書データ(付加描画のPDL)が含まれているか否かを判断する。
【0074】
そして、上記S1702において、上記印刷ジョブに付加描画の文書データ(付加描画のPDLコマンド)が含まれていないと判断した場合には、印刷ジョブ制御部152は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS1703に処理を進める。
【0075】
ステップS1703では、印刷ジョブ制御部152は、上記S1701で受信した印刷ジョブの文書領域1602内のPDLコマンド(印刷データ)を印刷処理部156に渡す。印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から前記PDLコマンド(印刷データ)を受け取り、印刷を行う。これにより、図4に示したような文書の印刷結果と図6の付加描画の印刷結果が得られる。
【0076】
一方、上記S1702において、上記印刷ジョブに付加描画の文書データ(付加描画のPDL)が含まれていると判断した場合には、印刷ジョブ制御部152は、ステップS1704に処理を進める。
【0077】
ステップS1704では、付加描画制御部153が、ライセンス管理部154を介して、上記印刷ジョブがライセンスを有するホストコンピュータで生成された印刷ジョブか否かを判断する。
【0078】
上記S1704において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されている又は残りライセンス数に空きがある場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有すると判断する。そして、付加描画制御部153は、ステップS1705に処理を進める。
【0079】
ステップS1705では、付加描画制御部153は、上記印刷ジョブの文書領域1602内の印刷対象文書のPDLコマンドと、文書のページとして付加されている付加描画のPDLコマンドとを合成して、合成PDLコマンドを生成する。なお、印刷対象文書のPDLコマンドの各ページの後に、付加描画のPDLコマンドの各ページが格納されている場合、1ページと2ページ、・・・、奇数ページと偶数ページ、・・・のPDLコマンドを合成することにより、合成PDLコマンドを生成する。そして、付加描画制御部153は、上記合成PDLコマンドを印刷ジョブ制御部152に渡す。印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から上記合成PDLコマンドを受け取り、印刷を行う。これにより、図4の印刷対象の文書と、図6の付加描画を合成した、図10のような付加描画付きの文書の印刷結果が得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られる。
【0080】
一方、上記S1704において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されていない、且つ、残りライセンス数に空きがない場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有していないと判断する。そして、付加描画制御部153は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS1703に処理を進める。これにより、ステップS1703において、図4のような印刷対象文書の印刷結果と、図6の付加描画の印刷結果とがそれぞれ得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られない。
【0081】
以上のように、図4に示した文書を図14と図16に従って処理する際、付加描画機能のライセンスを有するホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合は、図10の結果を得られる。一方、付加描画機能のライセンスを有さないホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合は図4の結果と図6の結果を得られる。このように、本実施例のプリンタ150では、追加機能をホストコンピュータにインストールしても、印刷時に追加機能のライセンスがなければ追加機能の効果が得られないが、印刷時に追加機能のライセンスがあれば追加機能の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0082】
上記実施例1では、プリンタドライバ203の印刷処理では、付加描画をジョブに属性データとして付加していた。本実施例では、付加描画付きの警告文を、文書データのページとして扱う印刷処理について、図17のフローチャートを用いて説明する。
【0083】
図17は、本発明の実施例4におけるプリンタドライバ203による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタドライバ203のプログラムは、コンピュータのHD11に記憶されており、RAM2に読み出されCPU1によって実行される。
【0084】
なお、図17のS1801とS1802のステップは、図3のS401とS402のステップと同様であるので、説明を省略する。
図17のステップS1803において、付加描画作成部302は、付加描画付き警告文書のPDLコマンドを作成する。本実施例においては、付加描画付き警告文の一例として図18に示す地紋付き警告文のPDLコマンドを作成する。
【0085】
図18は、本発明の実施例4における付加描画付き警告文の一例を示す図である。
次に、ステップS1804において、印刷処理部303は、ステップS1803で作成した付加描画付き警告文のPDLコマンドを、ステップS1802で作成した印刷ジョブ2100(図19)に、文書データのページとして付加する。
【0086】
図19は、本発明の実施例4において付加描画付き警告部のPDLコマンドを文書データのページとして付加した印刷ジョブの一例を示す図である。
図19において、2101はHeader領域(ヘッダ領域)である。Header領域2101には、ステップS1801で受け取った文書の印刷指示と、ステップS1802で付加したホストコンピュータの固有情報(図5)等が格納されている。また、Header領域2101には付加描画の文書データ有無フラグも格納されている。
【0087】
文書領域2102には、ステップS1802で作成した文書(印刷対象文書)のPDLコマンドの各ページの後に、上記S1803で作成した付加描画付き警告文のPDLコマンドの各ページが格納されている。なお、上記印刷対象文書のPDLと上記付加描画のPDLは交互に並んでいなくてもよい。
【0088】
以下、図17のフローチャートの説明に戻る。
次に、ステップS1805において、印刷処理部303は、図19の印刷ジョブ2100をシステムスプーラ204に送信し、本フローチャートの処理を終了する。なお、システムスプーラ204は、プリンタドライバ203の印刷処理部303から受け取った印刷ジョブ2100を、プリンタ150に送信する。
【0089】
次に、図20のフローチャートを参照して、本発明の実施例4におけるプリンタ150の印刷処理を説明する。
図20は、本発明の実施例4におけるプリンタ150による印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートに係るプリンタ150のプログラムは、プリンタ150のHD21に記憶されており、RAM13に読み出されCPU12によって実行される。
【0090】
プリンタ150の印刷ジョブ受信部151が、図3のシステムスプーラ204から送信された印刷ジョブを受信する(S2001)。次に、ステップS2002において、印刷ジョブ制御部152は、上記S2001で受信した印刷ジョブのHeader領域2101内の付加描画の文書データ有無フラグから、前記印刷ジョブに付加描画の属性データ(付加描画のPDL)が含まれているか否かを判断する。
【0091】
そして、上記S2002において、上記印刷ジョブに付加描画の文書データ(付加描画のPDLコマンド)が含まれていないと判断した場合には、印刷ジョブ制御部152は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS2003に処理を進める。
【0092】
ステップS2003では、印刷ジョブ制御部152は、上記S2001で受信した印刷ジョブの文書領域2102内のPDLコマンド(印刷データ)を印刷処理部156に渡す。印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から前記PDLコマンド(印刷データ)を受け取り、印刷を行う。これにより、図4に示したような文書の印刷結果と図6の付加描画の印刷結果が得られる。
【0093】
一方、上記S2002において、上記印刷ジョブに付加描画の文書データ(付加描画のPDL)が含まれていると判断した場合には、印刷ジョブ制御部152は、ステップS2004に処理を進める。
【0094】
ステップS2004では、付加描画制御部153が、ライセンス管理部154を介して、上記印刷ジョブがライセンスを有するホストコンピュータで生成された印刷ジョブか否かを判断する。
【0095】
上記S2004において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されている又は残りライセンス数に空きがある場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有すると判断する。そして、付加描画制御部153は、ステップS2005に処理を進める。
【0096】
ステップS2005では、付加描画制御部153は、上記印刷ジョブの文書領域2102内の付加描画付き警告文のPDLコマンドのページから警告文を削除し、付加描画のPDLコマンドのページを作成する。例えば、印刷対象文書のPDLコマンドの各ページの後に、付加描画付き警告文のPDLコマンドの各ページが格納されている場合、PDLコマンドの偶数ページから警告文を削除して、付加描画のPDLコマンドのページを作成する。
【0097】
次に、ステップS2006において、付加描画制御部153は、上記印刷ジョブの文書領域2102内の印刷対象文書のPDLコマンドと、上記S2005で作成した付加描画のPDLコマンドとを合成して、合成PDLコマンドを生成する。なお、印刷対象文書のPDLコマンドの各ページの後に、付加描画付き警告文のPDLコマンドの各ページが格納されている場合、1ページと2ページ、・・・、奇数ページと偶数ページ、・・・のPDLコマンドを合成することにより、合成PDLコマンドを生成する。そして、付加描画制御部153は、上記合成PDLコマンドを印刷ジョブ制御部152に渡す。印刷処理部156は、印刷ジョブ制御部152から上記合成PDLコマンドを受け取り、印刷を行う。これにより、図4の印刷対象の文書と、図18の付加描画付き警告文から警告文を削除した図6のような付加描画を合成した、図10のような付加描画付きの文書の印刷結果が得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られる。
【0098】
一方、上記S2004において、付加描画制御部153は、ライセンスが登録されていない、且つ、残りライセンス数に空きがない場合、上記印刷ジョブを生成したホストコンピュータが付加描画機能のライセンスを有していないと判断する。そして、付加描画制御部153は、付加描画制御処理を行わずに、ステップS2003に処理を進める。これにより、ステップS2003において、図4のような印刷対象文書の印刷結果と、図18の付加描画付き警告文の印刷結果とがそれぞれ得られる。即ち、この場合、付加描画機能の効果が得られない。
【0099】
以上のように、図4に示した文書を図17と図20に従って処理する際、付加描画機能のライセンスを有するホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合は、図10の結果を得られる。一方、付加描画機能のライセンスを有さないホストコンピュータで印刷ジョブが生成された場合は図4の結果と図18の結果を得られる。このように、本実施例のプリンタ150では、追加機能をホストコンピュータにインストールしても、印刷時に追加機能のライセンスがなければ追加機能の効果が得られないが、印刷時に追加機能のライセンスがあれば追加機能の効果を得ることができる。
また、付加描画自体が価値のあるデータである場合でも、警告文付きで印刷されるので、付加描画事態が不正な用途に用いられることを防ぐことができる。
【0100】
〔その他の実施例〕
上記各実施例では、付加描画として地紋の描画を用いる構成を説明したが、付加描画であれば何でも良く、バーコード、二次元コードや電子透かしやLVBC(Low Visibility Barcodes:低可視バーコード)であってもよい。
【0101】
また、上記実施例4では、警告文のPDLコマンドを用いたが、警告文であれば何でも良く、警告文のPDLコマンドでなく、警告文を示す画像データであってもよい。
さらに、上記各実施例では、ライセンスDB155への固有情報の登録(ライセンスの登録)は、プリンタ150の管理者が、事前にプリンタ150の操作部20から行うか、ネットワーク400を介して情報処理装置から行う構成について説明した。なお、ライセンスDB155からの固有情報の削除(ライセンスの削除)も同様に、プリンタ150の管理者が、事前にプリンタ150の操作部20から行うか、ネットワーク400を介して情報処理装置から行うものとする。
【0102】
以下、同一機種のプリンタがネットワーク上に複数存在する場合について考察する。この場合、以下のような形態が考えられる。
形態1:各プリンタが独立にライセンスDB155によりライセンスを管理する。即ち、PCがx台、プリンタがy台あり、全てのPC及び全てのプリンタで付加描画機能を使用したい場合、ユーザはx×y個のライセンスを購入する必要がある。
【0103】
形態2:各プリンタがライセンスDB155の登録データを共有する。例えば、あるプリンタのライセンスDB155の登録データが更新されると、該更新された登録データが他のプリンタに通知され、他のプリンタのライセンスDB155のデータも更新される。即ち、PCがx台、プリンタがy台あり、全てのPC及び全てのプリンタで付加描画機能を使用したい場合、ユーザはx個のライセンスを購入する必要がある。
なお、形態はこれに限られるものではなく、他の形態であってもよい。
【0104】
また、上記各実施例では、付加描画機能のライセンスをプリンタで管理する構成について説明したが、プリンタドライバの追加機能は、付加描画機能に限られものではなく、他の追加機能であってもよい。
【0105】
例えば、プリンタ1500のCPU12は、受信した印刷ジョブに、追加機能を用いるコマンドが含まれている場合、該印刷ジョブが前記追加機能のライセンスを有する情報処理装置により生成されたものか否かを判断する。そして、CPU12は、前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断した場合、該印刷ジョブに含まれる前記追加機能を用いるコマンドを実行して画像を出力するように制御する。一方、CPU12は、前記印刷ジョブが前記ライセンスを有していない情報処理装置により生成されたものであると判断した場合、該印刷ジョブに含まれる前記追加機能を用いるコマンドを実行することなく画像を出力するように制御する。もちろん、追加機能を用いるコマンドを暗号化したりしてもよい。
また、追加機能が複数ある場合には、ライセンスDB155で、追加機能毎に、ライセンスを登録し、ライセンス管理部154が、追加機能毎にライセンスを管理するように構成する。
以上により、ライセンスサーバを立てることなく、また、プリンタドライバにおける付加描画機能のインストールを制限することなく、印刷時に追加機能のライセンスがあれば該機能の効果を得ることができるように制御できる。一方、印刷時に追加機能のライセンスが無ければ該追加機能の効果を得ることができないように制御できる。
【0106】
なお、上記各実施例及びその変形例を有機的に組み合わせた構成も、全て本発明に含まれるものである。
さらに、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0107】
以下、本発明に係る画像形成装置のCPUで読み取り可能な(コンピュータ読取り可能な)各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体(記録媒体)について説明する。
本発明の各工程(上述した各機能)は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパーソナルコンピュータ等の処理装置(CPU,プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0108】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システム或いは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システム或いは装置に読み出すことによって、そのシステム或いは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0109】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
本発明の様々な例と実施例を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
なお、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0110】
300 ホストコンピュータ(PC)
203 プリンタドライバ
302 付加描画作成部
150 プリンタ
152 印刷ジョブ制御部
153 付加描画制御部
154 ライセンス管理部
155 ライセンスDB
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて画像を出力する画像形成装置であって、
受信した印刷ジョブに、印刷対象の文書に対して付加描画を行う付加描画の印刷データが含まれている場合、該印刷ジョブが付加描画機能のライセンスを有する情報処理装置により生成されたものか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断された場合、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷対象の文書の印刷データと前記付加描画の印刷データとを合成して画像を出力するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記判断手段により前記印刷ジョブが前記ライセンスを有していない情報処理装置により生成されたものであると判断された場合、前記印刷対象の文書の印刷データと前記付加描画の印刷データを合成することなく、前記印刷対象の文書の印刷データから画像を出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記付加描画の印刷データは、暗号化されたものであり、
前記判断手段により前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断された場合、前記付加描画の印刷データを復号する復号手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記付加描画の印刷データは、属性データとして前記印刷ジョブに付加されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記付加描画の印刷データは、文書の印刷データの中のページの印刷データとして前記印刷ジョブに付加されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記付加描画の印刷データは、警告文の印刷データを含むものであり、
前記判断手段により前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断された場合、前記付加描画の印刷データから前記警告文の印刷データを削除する削除手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記付加描画の印刷データは、前記印刷対象の文書に付加描画する地紋、バーコード、電子透かし、又は、低可視バーコードの印刷データであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記付加描画の印刷データが含まれている印刷ジョブは、前記付加描画機能がプリンタドライバの追加機能としてインストールされた情報処理装置により生成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記印刷ジョブは、該印刷ジョブを生成した情報処理装置の固有情報を含むものであり、
前記ライセンスを有する情報処理装置の固有情報を記憶する記憶手段を有し、
前記判断手段は、前記印刷ジョブに含まれる前記固有情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、該印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記判断手段は、前記印刷ジョブに含まれる前記固有情報が前記記憶手段に記憶されていない場合、前記記憶手段に記憶された固有情報が予め設定されたライセンス数に達しているか判断し、未だ前記ライセンス数に達していない場合、前記印刷ジョブに含まれる固有情報を前記記憶手段に記憶させ、前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断し、一方、既に前記ライセンス数に達している場合、前記印刷ジョブが前記ライセンスを有していない情報処理装置により生成されたものであると判断することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記固有情報は、情報処理装置を一意に特定する情報、又は、情報処理装置及び該情報処理装置を使用しているユーザを一意に特定する情報であることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて画像を出力する画像形成装置の制御方法であって、
判断手段が、受信した印刷ジョブに、印刷対象の文書に対して付加描画を行う付加描画の印刷データが含まれている場合、該印刷ジョブが付加描画機能のライセンスを有する情報処理装置により生成されたものか否かを判断する判断ステップと、
制御手段が、前記判断ステップで前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断された場合、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷対象の文書の印刷データと前記付加描画の印刷データとを合成して画像を出力するように制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
画像形成装置を、請求項1乃至11のいずれか1項に記載された各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて画像を出力する画像形成装置であって、
受信した印刷ジョブに、印刷対象の文書に対して付加描画を行う付加描画の印刷データが含まれている場合、該印刷ジョブが付加描画機能のライセンスを有する情報処理装置により生成されたものか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断された場合、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷対象の文書の印刷データと前記付加描画の印刷データとを合成して画像を出力するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記判断手段により前記印刷ジョブが前記ライセンスを有していない情報処理装置により生成されたものであると判断された場合、前記印刷対象の文書の印刷データと前記付加描画の印刷データを合成することなく、前記印刷対象の文書の印刷データから画像を出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記付加描画の印刷データは、暗号化されたものであり、
前記判断手段により前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断された場合、前記付加描画の印刷データを復号する復号手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記付加描画の印刷データは、属性データとして前記印刷ジョブに付加されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記付加描画の印刷データは、文書の印刷データの中のページの印刷データとして前記印刷ジョブに付加されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記付加描画の印刷データは、警告文の印刷データを含むものであり、
前記判断手段により前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断された場合、前記付加描画の印刷データから前記警告文の印刷データを削除する削除手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記付加描画の印刷データは、前記印刷対象の文書に付加描画する地紋、バーコード、電子透かし、又は、低可視バーコードの印刷データであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記付加描画の印刷データが含まれている印刷ジョブは、前記付加描画機能がプリンタドライバの追加機能としてインストールされた情報処理装置により生成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記印刷ジョブは、該印刷ジョブを生成した情報処理装置の固有情報を含むものであり、
前記ライセンスを有する情報処理装置の固有情報を記憶する記憶手段を有し、
前記判断手段は、前記印刷ジョブに含まれる前記固有情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、該印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記判断手段は、前記印刷ジョブに含まれる前記固有情報が前記記憶手段に記憶されていない場合、前記記憶手段に記憶された固有情報が予め設定されたライセンス数に達しているか判断し、未だ前記ライセンス数に達していない場合、前記印刷ジョブに含まれる固有情報を前記記憶手段に記憶させ、前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断し、一方、既に前記ライセンス数に達している場合、前記印刷ジョブが前記ライセンスを有していない情報処理装置により生成されたものであると判断することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記固有情報は、情報処理装置を一意に特定する情報、又は、情報処理装置及び該情報処理装置を使用しているユーザを一意に特定する情報であることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
情報処理装置から受信した印刷ジョブに基づいて画像を出力する画像形成装置の制御方法であって、
判断手段が、受信した印刷ジョブに、印刷対象の文書に対して付加描画を行う付加描画の印刷データが含まれている場合、該印刷ジョブが付加描画機能のライセンスを有する情報処理装置により生成されたものか否かを判断する判断ステップと、
制御手段が、前記判断ステップで前記印刷ジョブが前記ライセンスを有する情報処理装置により生成されたものであると判断された場合、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷対象の文書の印刷データと前記付加描画の印刷データとを合成して画像を出力するように制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
画像形成装置を、請求項1乃至11のいずれか1項に記載された各手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−188660(P2010−188660A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36908(P2009−36908)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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