画像形成装置、情報処理方法及びプログラム
【課題】適切な通信テストを行うことを目的とする。
【解決手段】管理装置に対して、カウンタ情報及び障害情報を含む稼動情報を送信する画像形成装置であって、稼動情報の送信の失敗の履歴を管理する管理手段と、通信テストの指示を受け付ける入力手段と、入力手段で通信テストの指示を受け付けた場合、管理手段で履歴として管理されている送信が失敗した稼動情報と、送信が失敗した稼動情報と同分類の送信が成功した稼動情報と、を通信テストに伴い管理装置に送信する送信制御手段と、を有することによって課題を解決する。
【解決手段】管理装置に対して、カウンタ情報及び障害情報を含む稼動情報を送信する画像形成装置であって、稼動情報の送信の失敗の履歴を管理する管理手段と、通信テストの指示を受け付ける入力手段と、入力手段で通信テストの指示を受け付けた場合、管理手段で履歴として管理されている送信が失敗した稼動情報と、送信が失敗した稼動情報と同分類の送信が成功した稼動情報と、を通信テストに伴い管理装置に送信する送信制御手段と、を有することによって課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置を管理装置がリモートで監視する監視システムにおいて、設置後に何らかの原因により画像形成装置からの監視データを受信できなくなる場合がある。そのような状況が発生した場合、メンテナンス作業者、又は像形成装置の管理者が画像形成装置から管理装置へのネットワーク通信状態を確認する目的で通信テストを実施する。
しかし、通信テストは、導通確認が目的で実際に監視データの送信は行わない。そのため通信テストは成功するが、肝心の監視データの送信の失敗を復旧できない事例がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−135171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、特定の画像形成装置において一定時間、印刷処理が行われているか否かを基に複数のプロトコルで情報取得(状態確認)を行い、異常であった場合、以上対応処理を行っている。
【0005】
本発明は、通信テストの実行時に、それまでの通信状況を考慮した一部監視データの通信確認も合わせて行うことにより、適切な通信テストを行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は、管理装置に対して、カウンタ情報及び障害情報を含む稼動情報を送信する画像形成装置であって、前記稼動情報の送信の失敗の履歴を管理する管理手段と、通信テストの指示を受け付ける入力手段と、前記入力手段で通信テストの指示を受け付けた場合、前記管理手段で履歴として管理されている送信が失敗した稼動情報と、前記送信が失敗した稼動情報と同分類の送信が成功した稼動情報と、を前記通信テストに伴い前記管理装置に送信する送信制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、適切な通信テストを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像形成装置監視システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置101のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】管理装置102等のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】画像形成装置101のモジュール群400の一例を示す図である。
【図5】管理装置102の処理モジュール群500の一例を示す図である。
【図6A】画像形成装置101の記憶装置204に用意される管理装置102への通信の結果を格納する通信履歴格納テーブルの一例を示す図である。
【図6B】画像形成装置101の記憶装置204に用意される管理装置102への通信種の分類を格納する通信分類格納テーブルの一例を示す図である。
【図7】通信テストに関する情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】通信選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図9A】通信テスト機能画面900の一例を示す図である。
【図9B】通信テスト実行結果画面903の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
<実施形態1>
図1は、画像形成装置監視システムのシステム構成の一例を示す図である。
画像形成装置101は、ローカルエリアネットワーク104、プロキシやファイヤーウォール等のネットワーク機器105を介し、外部のネットワーク106に接続することができる。
管理装置102は、ローカルエリアネットワーク108、プロキシやファイヤーウォール等のネットワーク機器107を介し、外部のネットワーク106に接続することができ、画像形成装置101からの通信を受信することができる。
情報処理装置103は、ローカルエリアネットワーク108を介し、管理装置102に接続し、管理装置の設定機能や情報参照機能を利用することができる。
ネットワーク106は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又は固定電話回線や携帯電話回線等の専用線、インターネット等、通信を行えるものであれば何れでもよい。
【0011】
図2は、画像形成装置101のハードウェア構成の一例を示す図である。
画像形成装置101は、例えばデジタル複合機、ファクシミリ装置、レーザービームプリンタ、インクジェットプリンタ、スキャナ装置等の装置である。
画像形成装置101は、ROM203に格納されているプログラム(後述する図4の各処理を実現するプログラムを含む)を実行するCPU201を備える。CPU201は、内部バス206を介して各画像形成装置を総括的に制御する。
画像形成装置101は、CPU201、RAM202、ROM203、ハードディスク装置や不揮発性メモリといった記憶装置(以降は、記憶装置)204、画像形成を行う印刷部を制御するデバイス制御207、印刷機構を備える印刷部208を備えている。
CPU201は、中央演算処理装置であり画像形成装置の制御を司る。
RAM202は、CPU201のメモリやワークエリアとして機能する。
ROM203や記憶装置204は、外部記憶装置として機能し、CPU201で処理をするプログラムの他、印刷データ、カウンタ情報、システム情報及びステータス情報を保存することができる。
【0012】
更に、画像形成装置101は、ローカルエリアネットワーク104に接続するためのネットワークインターフェース(NW I/F)205、画像形成装置の設定や状態の表示を行うための入出力装置209を備える。これらは、内部バス206を介してCPU201等と接続されている。
入出力装置209は、画像形成装置101を操作するためにタッチパネルやテンキー等で構成されている。ユーザーは、入出力装置209を用いて、画像形成装置101の操作以外にも管理装置102への接続設定や接続チェックを行うことができる。
デバイス制御207は、印刷部208を制御するだけでなく、印刷部に備えているセンサーにより印刷の進捗状況、画像形成装置のステータスやカウンタ情報等を取得することができる。取得した情報は、CPU201により必要に応じてネットワークインターフェース205からローカルエリアネットワーク104を介して管理装置102に通知することができる。
CPU201が、プログラムに基づき処理を実行することによって、画像形成装置101のモジュール構成、及び後述する画像形成装置101が実行するフローチャートの処理が実現される。
【0013】
図3は、管理装置102等のハードウェア構成の一例を示す図である。
管理装置102は、画像形成装置101を監視、管理する装置である。管理装置102には、例えばPC、サーバー等を適用することができる。
管理装置102は、ROM303に格納されているプログラム(後述する図5の各処理を実現するプログラムも含む)を実行する中央演算処理装置(CPU)301を備える。CPU301は、内部バス306を介して各管理装置102を総括的に制御する。CPU301、RAM302、ROM303、ハードディスク装置や不揮発メモリ(204と同様に以後、記憶装置)304、ネットワークインターフェース(NW I/F)305が内部バス306を介して接続される。
ネットワークインターフェース305は、ローカルエリアネットワーク108を介して、外部のネットワーク機器とデータをやりとりする。記憶装置304は、外部記憶装置として機能し、画像形成装置101の登録情報を記憶する他、通知されるカウンタ情報、システム情報及びステータス情報を保存することもできる。
また、管理装置102は、管理装置102の設定や管理を行うための入出力インターフェース(入出力I/F)307、それに接続するディスプレイやキーボード、マウス等の入出力装置308を備える。また、管理装置102は、入出力装置308以外にもローカルエリアネットワーク108を介して別の情報処理装置103等にも同じ入出力機能を提供することもできる。入出力機能とは、例えばHTTP等のプロトコルを用いた外部から設定や管理を行うことができるUI機能のプログラムを指す。
CPU301が、プログラムに基づき処理を実行することによって、管理装置102のモジュール構成等が実現される。
情報処理装置103のハードウェア構成等は管理装置102と同様であるため説明を省略する。
【0014】
次に画像形成装置101、管理装置102のモジュール(処理部)構成を、図4、図5を使って説明する。
図4は、画像形成装置101のモジュール群400の一例を示す図である。また、図5は、管理装置102の処理モジュール群500の一例を示す図である。
図4において画像形成装置101は、ネットワークインターフェース205を介してローカルエリアネットワーク104に接続している。ネットワークインターフェース205は、通信処理部401によって制御され、画像形成装置101を制御するデバイス管理部402の指示に従い、外部の管理装置102と必要な情報をやり取りする処理を行う。
通信処理部401は、管理装置102と通信をするための通信プロトコルを処理する機能を備えている。
通信プロトコルとして例えばSNMP(SIMPLE Network Management Protocol)やSOAP(Simple Object Access Protocol)等がある。
【0015】
次にデバイス管理部402について説明する。デバイス管理部402は、画像形成装置101全体の動作を管理、制御を司る。
デバイス管理部402は、RAM202、ROM203、記憶装置204の記録領域と情報のやり取りを行い、通信処理部401、デバイス制御部403、入出力処理部404、履歴管理部405、通信テスト処理部406と連携する。
また、デバイス管理部402は、デバイス制御207で取得可能な情報だけでなく、通信処理部401で取得可能な情報も通信データとして扱うことができる。画像形成装置101は、これらの情報を管理装置102に送信する際、画像形成装置固有又は設定情報(IPアドレス、MACアドレス、デバイスシリアル番号、製品名、製品タイプ等)も一緒に送信する。このことで管理装置102は、画像形成装置単位で判別、個別の処理を行うことができる。
デバイス制御部403は、デバイス制御207の制御を司るモジュールで、デバイス制御207で前述のステータスやカウンタ情報等を取得し、それら情報をデバイス管理部402に提供することができる。
【0016】
入出力処理部404は、入出力装置209の制御を司るモジュールで、タッチパネルやキーから入力された情報の処理を行い、デバイス管理部402で指示された情報を入出力装置209に表示する処理を司る。後述の導通チェック指示や導通チェックの結果表示等も入出力処理部404にて制御する。
履歴管理部405は、画像形成装置101が管理装置102と通信した結果を管理するモジュールで、一定の期間通信の結果を履歴として管理する。履歴の管理の実例は後述する図6を用いて説明する。
通信テスト処理部406は、画像形成装置101を管理する管理装置102との通信を確認する導通チェックの機能を制御するモジュールである。
通信テスト処理部406は、デバイス管理部402を介し、履歴管理部405から通信が成功、失敗したかの結果を取得することができる。通信テスト処理部406は、取得した履歴を用いて、導通チェック前に必要な処理を決定することができる。処理の決定については後述する図7を用いて説明する。
【0017】
続いて管理装置102の各処理部について図5を用いて説明する。
通信処理部501は、ネットワークインターフェース305を介してローカルエリアネットワーク108と接続し、管理装置102の全体を制御する管理システム処理部502の指示に従い、監視対象とする画像形成装置101と必要な情報をやり取りする。
通信処理部501は、通信プロトコルを処理する機能を備えており、画像形成装置101からの通知を受信し処理するため、例えば図4で説明したSMTPやHTTP等の画像形成装置側で用意されるプロトコルを用意している。
管理装置102は、図4で説明した画像形成装置101より通知される画像形成装置固有又は設定情報(IPアドレス、MACアドレス、デバイスシリアル番号、製品名等)を管理しておくことで画像形成装置単位での判別、個別の処理を行うことができる。
通信処理部501で処理された通信の情報は、管理システム処理部502により記憶領域であるROM303、又は記憶装置304に記録される。記録された情報は、入出力処理部503によりディスプレイ等の入出力装置308に表示することができる。
また表示処理部504にてHTML(HyperText Markup Language)等の表示言語で表示情報を生成し、通信処理部501、ネットワークインターフェース305を介し情報処理装置103等の外部装置に送信することができる。
【0018】
続いて図6、図7、図8、図9を用いて本実施形態の送信制御の処理の詳細を説明する。
図6Aは、画像形成装置101の記憶装置204に用意される管理装置102への通信の結果を格納する通信履歴格納テーブルの一例を示す図である。
通信履歴格納テーブルへの格納処理はRAM202、ROM203、記憶装置204の何れかの記憶領域に記憶され、CPU201にて処理が実行される。
通信履歴格納テーブルには通信を実施した時刻、通信の種類、通信の結果が格納されている。例えば部品の利用状況を表す部品カウンタが2011年6月11日の日本時間5時45分に画像形成装置101から管理装置102に送信され、管理装置102から通信の結果が成功した応答が返却されたとする。このとき、通信履歴格納テーブルには送信時刻「2011 06/11 05:45」、通信種「部品カウンタ」、通信結果「成功」と記録される。
管理装置102より通信失敗の応答が返却された場合、管理装置102との通信が確立できない場合は、通信結果「失敗」が記録される。
また、通信が失敗した際再送処理が設定されている通信においては通信結果に「再送」が記録される。これは、管理装置102への通信が成功していないこと、及び継続的に再送処理を行っていることを表す。
【0019】
図6Bは、画像形成装置101の記憶装置204に用意される管理装置102への通信種の分類を格納する通信分類格納テーブルの一例を示す図である。
通信分類格納テーブルへの格納処理はRAM202、ROM203、記憶装置204の何れかの記憶領域に記憶され、CPU201にて処理が実行される。
通信分類格納テーブルには、通信種毎に定期的に通信を行う通信種であるか、1回の通信で処理が完了する通信種か、同じ通信を複数回実施してはいけない通信種か、が格納されている。
例えば、印刷の利用状況を表す課金カウンタは定期的に管理装置102に通知し、かつ、様々な課金カウンタがありデータ量が多いため分割で送信する。この場合、通信種に「課金カウンタ」、分類に「定期、分割」が格納される。
定期的に送信するがデータ量が少ないプログラムバージョンは分割しないため分類は「定期」のみが格納される。エラーや紙詰まり(ジャム)のような異常時のみ発生する通信種は分類に「イベント(重複通知禁止)」が格納され、同じ内容での通信を複数回実施してはいけないとする。
なお、課金カウンタ、部品カウンタ、機能カウンタ等は、カウンタ情報の一例である。また、エラー等は、障害情報の一例である。また、カウンタ情報、障害情報は、画像形成装置の稼動情報の一例である。
【0020】
通信履歴格納テーブル、通信分類格納テーブルの利用については図7、図8のフローチャートで説明をする。
各フローチャートで実行される処理は前述の図4の画像形成装置101の各処理部によって実行される。より具体的には各処理はプログラムとして画像形成装置101におけるRAM202、ROM203、記憶装置204の何れかの記憶手段に記録され、各処理部はCPU201にて実行される。
生成された情報は、画像形成装置101の電源が切れても消失しないようROM203、記憶装置204にて記録される。
まずステップS701において、ユーザーは、入出力装置209にて管理装置102との導通確認を行うための通信テスト機能を呼び出す。デバイス管理部402は、入出力処理部404を介し通信テスト機能要求を受け、通信テスト処理部406に通信テスト機能を実行するよう指示を出す。
通信テスト処理部406は、デバイス管理部402を介し入出力処理部404に通信テスト画面の表示を指示する。並行して、通信テスト処理部406は、ステップS702に進み、過去に通信テストを実行したか否かをチェックする。通信テストの実行可否はROM203に記録されており、通信テスト処理部406は、記録に従いステップS703又はステップS711に進む。
過去に通信テストを実施していない場合、ステップS711において、通信テスト処理部406は、導通の通信のみを実施し通信テストを終了する。
【0021】
次に過去に通信テストを実施していた場合の処理について説明する。
ステップS703において、通信テスト処理部406は、通信履歴格納テーブルの通信結果から失敗、又は再送となっている通信が存在するかを確認する。失敗、再送の通信が存在しない場合、通信テスト処理部406は、ステップS711に進み、通信テストのみを実行する。1つでも失敗、再送の通信が存在している場合、通信テスト処理部406は、ステップS704に進む。
ステップS704において、通信テスト処理部406は、全通信が失敗しているかの確認を行う。通信履歴格納テーブルには、一定期間、例えば2週間、履歴が格納されている。通信履歴格納テーブルに格納されている全ての通信において通信結果が失敗、再送になっている場合、通信テスト処理部406は、ステップS711に進み、通信テストのみを実行する。1つでも成功している通信が存在する場合、通信テスト処理部406は、ステップS705に進む。
ステップS705において、通信テスト処理部406は、通信履歴格納テーブルの通信結果で失敗、再送となっている通信種において、通信分類格納テーブルより重複通知禁止の通信が含まれているか否かを確認する。含まれている場合、通信テスト処理部406は、ステップS706へ進み、重複通知禁止の通信種の通信が1つでも再送中であるかを確認する。再送中の通信種が存在しない場合は、通信テスト処理部406は、ROM203に再送中の通信種がないことを記録情報として記録する。
また、ステップS706において、重複通知禁止でない通信種が1つでも含まれている場合、通信テスト処理部406は、ステップS707へ進む。
【0022】
ステップS707において、通信テスト処理部406は、通信テストを実施する前に通信を行う通信種の選択処理を行う。ステップS707の処理の詳細については図8を用いて説明する。
ステップS707は、ステップS801からステップS806までで構成される。
ステップS801において、通信テスト処理部406は、前述の記録情報より失敗、再送中となっている通信種に重複通知禁止の通信種が含まれているかを確認する。もし含まれていない場合、通信テスト処理部406は、失敗している通信種が定期的な分類の通信種だけと判断し、ステップS802へ進む。
ステップS802において、通信テスト処理部406は、失敗している通信種と同分類の通信種で成功となっている通信種が存在しているかを確認する。通信テスト処理部406は、成功しているか否かを、前述の通信履歴格納テーブルの通信結果で確認することができる。例えば、部品カウンタの通信が失敗している場合、通信テスト処理部406は、通信分類格納テーブルの分類より、課金カウンタ、機能カウンタが、定期通知、かつ、分割であるため、通知する分類であることを確認できる。この場合、通信テスト処理部406は、同類で、かつ、通信が成功している通信種があると判断し、ステップS803へ進む。
【0023】
ステップS803において、通信テスト処理部406は、通信テスト前に通信を実施する通信種を設定する処理を行う。より具体的に説明すると、通信テスト処理部406は、前述の結果に基づき、通信が成功している通信種をROM203に記録する。もし成功している通信が複数存在する場合は、通信テスト処理部406は、全て記録してもよいし、次のように絞り込んで記録してもよい。例えば、通信テスト処理部406は、通信分類格納テーブルの分類において同じ分類の通信種にそれぞれ優先度付けを行い、成功している通信種が複数存在する場合はその中で一番優先度の高い通信種だけに絞り込んでROM203に記録してもよい。通信テスト処理部406は、優先度の付け方で1つにも絞り込むこともできるし、2つ以上に絞り込むこともできる。
次にステップS804へ進み、通信テスト処理部406は、先に確認をした、失敗している通信種を通信テスト前に実施するよう設定する処理を行う。
通信テスト処理部406は、通信履歴格納テーブルの定期的通信で、かつ、通信結果で失敗している通信種をROM203に記録し、通信種選択の処理を終了する。
【0024】
一方、ステップS801にて失敗、再送中となっている通信種に重複通知禁止の通信種が含まれている場合、通信テスト処理部406は、ステップS805へ進み、重複通知禁止の通信種で再送中であるものをROM203に記録する。そして、通信テスト処理部406は、ステップS804へ進む。
ステップS802で失敗している通信種と同類で、通信が成功している通信種がない場合、通信テスト処理部406は、ステップS806へ進む。
例えば、プログラムバージョンと環境ログとの両方の通信が失敗している場合、通信テスト処理部406は、通信分類格納テーブルより同類の定期的通知だけの通信種が存在しないことが分かる。
ステップS806において、通信テスト処理部406は、分類は異なるものの課金カウンタの通信は重要度が高いとして成功通信の通信種としてROM203に記録を行い、ステップS806へ進む。
ステップS804を終了すると、通信テスト処理部406は、図7のステップS708へ進む。
【0025】
ステップ708において、通信テスト処理部406は、前述のステップS804、S805、S806、S807の各ステップで記録したROM203の記録情報を基に通信テストの前に実施する通信種の通信を行う。ステップS708で実施した通信種毎の通信結果をステップS709において、通信テスト処理部406は、ROM203に記録し、ステップS710へ進む。
ステップS710において、通信テスト処理部406は、管理装置102への導通を確認するための通信を実施する。この際、通信テスト処理部406は、管理装置102に対しどのような通信種を送信し、その結果成功したのか失敗したのか再送したのかの情報を付与して管理装置102に通知を行う。
導通確認の通知の成功、失敗に関わらずステップS712へ進み、通信テスト処理部406は、通信テストの処理結果を表示して通信テスト処理を終了する。
図示はしていないが管理装置102では画像形成装置101からの通信テストよりどのような通信が実施され、各通信の結果を確認することができる。
【0026】
図9では、図7と図8とで説明したフローチャートに基づく通信テストに対し、入出力装置209に表示する画面の例を示している。
ステップS701で通信テスト実行指示を受けた場合の画面の例を図9Aで説明する。
図9Aの通信テスト機能画面900は、ユーザーが画像形成装置101より管理装置102に対し通信テストを行うための画面を示している。通信テスト機能画面900には通信テストを実行する「実行」ボタン901が備えられている。ユーザーが「実行」ボタン901を押下することでステップS701以降の処理が開始される。
通信テストを実施せず終了する場合は通信テスト処理をキャンセルするための「戻る」ボタン902を押下することで通信テスト機能画面を終了することができる。
【0027】
図9Bの通信テスト実行結果画面903は、ユーザーが画像形成装置101より管理装置102に対し通信テストした結果表示の画面を示している。通信テスト実行結果画面903にはステップS709の結果及びS710又はS711での導通確認の結果が表示される。
本図では導通の通信前に課金カウンタと部品カウンタとの通信種の通信を実施し、結果どちらの通信も成功していることをOKで示している。
また、導通の確認自体の結果も成功したとしてOKを表示している。
ユーザーは、「終了」ボタン904を押下することで通信テスト機能画面を終了することができる。
なお、本実施形態では課金カウンタや部品カウンタ等を用いた場合を例に説明を行ったが、これらの通信種に限定されるものではない。
例えば画像形成装置の動作状態を記録したログ情報や、画像診断に利用する画像診断情報等、画像形成装置101で生成可能な情報であれば何でもよい。
また実施形態では手動で通信テストの実行を行っているが、条件に応じて自動的に本実施形態の通信テスト処理を実行してもよいし、管理装置102の指示により通信テスト処理を実行してもよい。
【0028】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0029】
以上、上述した各実施形態によれば、通信テストの実行時にそれまでの通信状況を考慮した一部監視データの通信も行うことで適切な通信テストを実行できるようになる。また、決め打ちの複数プロトコルの通信での確認ではなく、通信の結果履歴より失敗している通信を選択することで適切な再現確認が可能となる。また、通信異常発生時の確認時に異常発生の監視データ送信だけでなく、正常な監視データ通信も併せて実行することで正常・異常の状態を同時に把握することができる。
よって、適切な通信テストを行うことができる。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置を管理装置がリモートで監視する監視システムにおいて、設置後に何らかの原因により画像形成装置からの監視データを受信できなくなる場合がある。そのような状況が発生した場合、メンテナンス作業者、又は像形成装置の管理者が画像形成装置から管理装置へのネットワーク通信状態を確認する目的で通信テストを実施する。
しかし、通信テストは、導通確認が目的で実際に監視データの送信は行わない。そのため通信テストは成功するが、肝心の監視データの送信の失敗を復旧できない事例がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−135171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、特定の画像形成装置において一定時間、印刷処理が行われているか否かを基に複数のプロトコルで情報取得(状態確認)を行い、異常であった場合、以上対応処理を行っている。
【0005】
本発明は、通信テストの実行時に、それまでの通信状況を考慮した一部監視データの通信確認も合わせて行うことにより、適切な通信テストを行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は、管理装置に対して、カウンタ情報及び障害情報を含む稼動情報を送信する画像形成装置であって、前記稼動情報の送信の失敗の履歴を管理する管理手段と、通信テストの指示を受け付ける入力手段と、前記入力手段で通信テストの指示を受け付けた場合、前記管理手段で履歴として管理されている送信が失敗した稼動情報と、前記送信が失敗した稼動情報と同分類の送信が成功した稼動情報と、を前記通信テストに伴い前記管理装置に送信する送信制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、適切な通信テストを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像形成装置監視システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置101のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】管理装置102等のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】画像形成装置101のモジュール群400の一例を示す図である。
【図5】管理装置102の処理モジュール群500の一例を示す図である。
【図6A】画像形成装置101の記憶装置204に用意される管理装置102への通信の結果を格納する通信履歴格納テーブルの一例を示す図である。
【図6B】画像形成装置101の記憶装置204に用意される管理装置102への通信種の分類を格納する通信分類格納テーブルの一例を示す図である。
【図7】通信テストに関する情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】通信選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図9A】通信テスト機能画面900の一例を示す図である。
【図9B】通信テスト実行結果画面903の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
<実施形態1>
図1は、画像形成装置監視システムのシステム構成の一例を示す図である。
画像形成装置101は、ローカルエリアネットワーク104、プロキシやファイヤーウォール等のネットワーク機器105を介し、外部のネットワーク106に接続することができる。
管理装置102は、ローカルエリアネットワーク108、プロキシやファイヤーウォール等のネットワーク機器107を介し、外部のネットワーク106に接続することができ、画像形成装置101からの通信を受信することができる。
情報処理装置103は、ローカルエリアネットワーク108を介し、管理装置102に接続し、管理装置の設定機能や情報参照機能を利用することができる。
ネットワーク106は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又は固定電話回線や携帯電話回線等の専用線、インターネット等、通信を行えるものであれば何れでもよい。
【0011】
図2は、画像形成装置101のハードウェア構成の一例を示す図である。
画像形成装置101は、例えばデジタル複合機、ファクシミリ装置、レーザービームプリンタ、インクジェットプリンタ、スキャナ装置等の装置である。
画像形成装置101は、ROM203に格納されているプログラム(後述する図4の各処理を実現するプログラムを含む)を実行するCPU201を備える。CPU201は、内部バス206を介して各画像形成装置を総括的に制御する。
画像形成装置101は、CPU201、RAM202、ROM203、ハードディスク装置や不揮発性メモリといった記憶装置(以降は、記憶装置)204、画像形成を行う印刷部を制御するデバイス制御207、印刷機構を備える印刷部208を備えている。
CPU201は、中央演算処理装置であり画像形成装置の制御を司る。
RAM202は、CPU201のメモリやワークエリアとして機能する。
ROM203や記憶装置204は、外部記憶装置として機能し、CPU201で処理をするプログラムの他、印刷データ、カウンタ情報、システム情報及びステータス情報を保存することができる。
【0012】
更に、画像形成装置101は、ローカルエリアネットワーク104に接続するためのネットワークインターフェース(NW I/F)205、画像形成装置の設定や状態の表示を行うための入出力装置209を備える。これらは、内部バス206を介してCPU201等と接続されている。
入出力装置209は、画像形成装置101を操作するためにタッチパネルやテンキー等で構成されている。ユーザーは、入出力装置209を用いて、画像形成装置101の操作以外にも管理装置102への接続設定や接続チェックを行うことができる。
デバイス制御207は、印刷部208を制御するだけでなく、印刷部に備えているセンサーにより印刷の進捗状況、画像形成装置のステータスやカウンタ情報等を取得することができる。取得した情報は、CPU201により必要に応じてネットワークインターフェース205からローカルエリアネットワーク104を介して管理装置102に通知することができる。
CPU201が、プログラムに基づき処理を実行することによって、画像形成装置101のモジュール構成、及び後述する画像形成装置101が実行するフローチャートの処理が実現される。
【0013】
図3は、管理装置102等のハードウェア構成の一例を示す図である。
管理装置102は、画像形成装置101を監視、管理する装置である。管理装置102には、例えばPC、サーバー等を適用することができる。
管理装置102は、ROM303に格納されているプログラム(後述する図5の各処理を実現するプログラムも含む)を実行する中央演算処理装置(CPU)301を備える。CPU301は、内部バス306を介して各管理装置102を総括的に制御する。CPU301、RAM302、ROM303、ハードディスク装置や不揮発メモリ(204と同様に以後、記憶装置)304、ネットワークインターフェース(NW I/F)305が内部バス306を介して接続される。
ネットワークインターフェース305は、ローカルエリアネットワーク108を介して、外部のネットワーク機器とデータをやりとりする。記憶装置304は、外部記憶装置として機能し、画像形成装置101の登録情報を記憶する他、通知されるカウンタ情報、システム情報及びステータス情報を保存することもできる。
また、管理装置102は、管理装置102の設定や管理を行うための入出力インターフェース(入出力I/F)307、それに接続するディスプレイやキーボード、マウス等の入出力装置308を備える。また、管理装置102は、入出力装置308以外にもローカルエリアネットワーク108を介して別の情報処理装置103等にも同じ入出力機能を提供することもできる。入出力機能とは、例えばHTTP等のプロトコルを用いた外部から設定や管理を行うことができるUI機能のプログラムを指す。
CPU301が、プログラムに基づき処理を実行することによって、管理装置102のモジュール構成等が実現される。
情報処理装置103のハードウェア構成等は管理装置102と同様であるため説明を省略する。
【0014】
次に画像形成装置101、管理装置102のモジュール(処理部)構成を、図4、図5を使って説明する。
図4は、画像形成装置101のモジュール群400の一例を示す図である。また、図5は、管理装置102の処理モジュール群500の一例を示す図である。
図4において画像形成装置101は、ネットワークインターフェース205を介してローカルエリアネットワーク104に接続している。ネットワークインターフェース205は、通信処理部401によって制御され、画像形成装置101を制御するデバイス管理部402の指示に従い、外部の管理装置102と必要な情報をやり取りする処理を行う。
通信処理部401は、管理装置102と通信をするための通信プロトコルを処理する機能を備えている。
通信プロトコルとして例えばSNMP(SIMPLE Network Management Protocol)やSOAP(Simple Object Access Protocol)等がある。
【0015】
次にデバイス管理部402について説明する。デバイス管理部402は、画像形成装置101全体の動作を管理、制御を司る。
デバイス管理部402は、RAM202、ROM203、記憶装置204の記録領域と情報のやり取りを行い、通信処理部401、デバイス制御部403、入出力処理部404、履歴管理部405、通信テスト処理部406と連携する。
また、デバイス管理部402は、デバイス制御207で取得可能な情報だけでなく、通信処理部401で取得可能な情報も通信データとして扱うことができる。画像形成装置101は、これらの情報を管理装置102に送信する際、画像形成装置固有又は設定情報(IPアドレス、MACアドレス、デバイスシリアル番号、製品名、製品タイプ等)も一緒に送信する。このことで管理装置102は、画像形成装置単位で判別、個別の処理を行うことができる。
デバイス制御部403は、デバイス制御207の制御を司るモジュールで、デバイス制御207で前述のステータスやカウンタ情報等を取得し、それら情報をデバイス管理部402に提供することができる。
【0016】
入出力処理部404は、入出力装置209の制御を司るモジュールで、タッチパネルやキーから入力された情報の処理を行い、デバイス管理部402で指示された情報を入出力装置209に表示する処理を司る。後述の導通チェック指示や導通チェックの結果表示等も入出力処理部404にて制御する。
履歴管理部405は、画像形成装置101が管理装置102と通信した結果を管理するモジュールで、一定の期間通信の結果を履歴として管理する。履歴の管理の実例は後述する図6を用いて説明する。
通信テスト処理部406は、画像形成装置101を管理する管理装置102との通信を確認する導通チェックの機能を制御するモジュールである。
通信テスト処理部406は、デバイス管理部402を介し、履歴管理部405から通信が成功、失敗したかの結果を取得することができる。通信テスト処理部406は、取得した履歴を用いて、導通チェック前に必要な処理を決定することができる。処理の決定については後述する図7を用いて説明する。
【0017】
続いて管理装置102の各処理部について図5を用いて説明する。
通信処理部501は、ネットワークインターフェース305を介してローカルエリアネットワーク108と接続し、管理装置102の全体を制御する管理システム処理部502の指示に従い、監視対象とする画像形成装置101と必要な情報をやり取りする。
通信処理部501は、通信プロトコルを処理する機能を備えており、画像形成装置101からの通知を受信し処理するため、例えば図4で説明したSMTPやHTTP等の画像形成装置側で用意されるプロトコルを用意している。
管理装置102は、図4で説明した画像形成装置101より通知される画像形成装置固有又は設定情報(IPアドレス、MACアドレス、デバイスシリアル番号、製品名等)を管理しておくことで画像形成装置単位での判別、個別の処理を行うことができる。
通信処理部501で処理された通信の情報は、管理システム処理部502により記憶領域であるROM303、又は記憶装置304に記録される。記録された情報は、入出力処理部503によりディスプレイ等の入出力装置308に表示することができる。
また表示処理部504にてHTML(HyperText Markup Language)等の表示言語で表示情報を生成し、通信処理部501、ネットワークインターフェース305を介し情報処理装置103等の外部装置に送信することができる。
【0018】
続いて図6、図7、図8、図9を用いて本実施形態の送信制御の処理の詳細を説明する。
図6Aは、画像形成装置101の記憶装置204に用意される管理装置102への通信の結果を格納する通信履歴格納テーブルの一例を示す図である。
通信履歴格納テーブルへの格納処理はRAM202、ROM203、記憶装置204の何れかの記憶領域に記憶され、CPU201にて処理が実行される。
通信履歴格納テーブルには通信を実施した時刻、通信の種類、通信の結果が格納されている。例えば部品の利用状況を表す部品カウンタが2011年6月11日の日本時間5時45分に画像形成装置101から管理装置102に送信され、管理装置102から通信の結果が成功した応答が返却されたとする。このとき、通信履歴格納テーブルには送信時刻「2011 06/11 05:45」、通信種「部品カウンタ」、通信結果「成功」と記録される。
管理装置102より通信失敗の応答が返却された場合、管理装置102との通信が確立できない場合は、通信結果「失敗」が記録される。
また、通信が失敗した際再送処理が設定されている通信においては通信結果に「再送」が記録される。これは、管理装置102への通信が成功していないこと、及び継続的に再送処理を行っていることを表す。
【0019】
図6Bは、画像形成装置101の記憶装置204に用意される管理装置102への通信種の分類を格納する通信分類格納テーブルの一例を示す図である。
通信分類格納テーブルへの格納処理はRAM202、ROM203、記憶装置204の何れかの記憶領域に記憶され、CPU201にて処理が実行される。
通信分類格納テーブルには、通信種毎に定期的に通信を行う通信種であるか、1回の通信で処理が完了する通信種か、同じ通信を複数回実施してはいけない通信種か、が格納されている。
例えば、印刷の利用状況を表す課金カウンタは定期的に管理装置102に通知し、かつ、様々な課金カウンタがありデータ量が多いため分割で送信する。この場合、通信種に「課金カウンタ」、分類に「定期、分割」が格納される。
定期的に送信するがデータ量が少ないプログラムバージョンは分割しないため分類は「定期」のみが格納される。エラーや紙詰まり(ジャム)のような異常時のみ発生する通信種は分類に「イベント(重複通知禁止)」が格納され、同じ内容での通信を複数回実施してはいけないとする。
なお、課金カウンタ、部品カウンタ、機能カウンタ等は、カウンタ情報の一例である。また、エラー等は、障害情報の一例である。また、カウンタ情報、障害情報は、画像形成装置の稼動情報の一例である。
【0020】
通信履歴格納テーブル、通信分類格納テーブルの利用については図7、図8のフローチャートで説明をする。
各フローチャートで実行される処理は前述の図4の画像形成装置101の各処理部によって実行される。より具体的には各処理はプログラムとして画像形成装置101におけるRAM202、ROM203、記憶装置204の何れかの記憶手段に記録され、各処理部はCPU201にて実行される。
生成された情報は、画像形成装置101の電源が切れても消失しないようROM203、記憶装置204にて記録される。
まずステップS701において、ユーザーは、入出力装置209にて管理装置102との導通確認を行うための通信テスト機能を呼び出す。デバイス管理部402は、入出力処理部404を介し通信テスト機能要求を受け、通信テスト処理部406に通信テスト機能を実行するよう指示を出す。
通信テスト処理部406は、デバイス管理部402を介し入出力処理部404に通信テスト画面の表示を指示する。並行して、通信テスト処理部406は、ステップS702に進み、過去に通信テストを実行したか否かをチェックする。通信テストの実行可否はROM203に記録されており、通信テスト処理部406は、記録に従いステップS703又はステップS711に進む。
過去に通信テストを実施していない場合、ステップS711において、通信テスト処理部406は、導通の通信のみを実施し通信テストを終了する。
【0021】
次に過去に通信テストを実施していた場合の処理について説明する。
ステップS703において、通信テスト処理部406は、通信履歴格納テーブルの通信結果から失敗、又は再送となっている通信が存在するかを確認する。失敗、再送の通信が存在しない場合、通信テスト処理部406は、ステップS711に進み、通信テストのみを実行する。1つでも失敗、再送の通信が存在している場合、通信テスト処理部406は、ステップS704に進む。
ステップS704において、通信テスト処理部406は、全通信が失敗しているかの確認を行う。通信履歴格納テーブルには、一定期間、例えば2週間、履歴が格納されている。通信履歴格納テーブルに格納されている全ての通信において通信結果が失敗、再送になっている場合、通信テスト処理部406は、ステップS711に進み、通信テストのみを実行する。1つでも成功している通信が存在する場合、通信テスト処理部406は、ステップS705に進む。
ステップS705において、通信テスト処理部406は、通信履歴格納テーブルの通信結果で失敗、再送となっている通信種において、通信分類格納テーブルより重複通知禁止の通信が含まれているか否かを確認する。含まれている場合、通信テスト処理部406は、ステップS706へ進み、重複通知禁止の通信種の通信が1つでも再送中であるかを確認する。再送中の通信種が存在しない場合は、通信テスト処理部406は、ROM203に再送中の通信種がないことを記録情報として記録する。
また、ステップS706において、重複通知禁止でない通信種が1つでも含まれている場合、通信テスト処理部406は、ステップS707へ進む。
【0022】
ステップS707において、通信テスト処理部406は、通信テストを実施する前に通信を行う通信種の選択処理を行う。ステップS707の処理の詳細については図8を用いて説明する。
ステップS707は、ステップS801からステップS806までで構成される。
ステップS801において、通信テスト処理部406は、前述の記録情報より失敗、再送中となっている通信種に重複通知禁止の通信種が含まれているかを確認する。もし含まれていない場合、通信テスト処理部406は、失敗している通信種が定期的な分類の通信種だけと判断し、ステップS802へ進む。
ステップS802において、通信テスト処理部406は、失敗している通信種と同分類の通信種で成功となっている通信種が存在しているかを確認する。通信テスト処理部406は、成功しているか否かを、前述の通信履歴格納テーブルの通信結果で確認することができる。例えば、部品カウンタの通信が失敗している場合、通信テスト処理部406は、通信分類格納テーブルの分類より、課金カウンタ、機能カウンタが、定期通知、かつ、分割であるため、通知する分類であることを確認できる。この場合、通信テスト処理部406は、同類で、かつ、通信が成功している通信種があると判断し、ステップS803へ進む。
【0023】
ステップS803において、通信テスト処理部406は、通信テスト前に通信を実施する通信種を設定する処理を行う。より具体的に説明すると、通信テスト処理部406は、前述の結果に基づき、通信が成功している通信種をROM203に記録する。もし成功している通信が複数存在する場合は、通信テスト処理部406は、全て記録してもよいし、次のように絞り込んで記録してもよい。例えば、通信テスト処理部406は、通信分類格納テーブルの分類において同じ分類の通信種にそれぞれ優先度付けを行い、成功している通信種が複数存在する場合はその中で一番優先度の高い通信種だけに絞り込んでROM203に記録してもよい。通信テスト処理部406は、優先度の付け方で1つにも絞り込むこともできるし、2つ以上に絞り込むこともできる。
次にステップS804へ進み、通信テスト処理部406は、先に確認をした、失敗している通信種を通信テスト前に実施するよう設定する処理を行う。
通信テスト処理部406は、通信履歴格納テーブルの定期的通信で、かつ、通信結果で失敗している通信種をROM203に記録し、通信種選択の処理を終了する。
【0024】
一方、ステップS801にて失敗、再送中となっている通信種に重複通知禁止の通信種が含まれている場合、通信テスト処理部406は、ステップS805へ進み、重複通知禁止の通信種で再送中であるものをROM203に記録する。そして、通信テスト処理部406は、ステップS804へ進む。
ステップS802で失敗している通信種と同類で、通信が成功している通信種がない場合、通信テスト処理部406は、ステップS806へ進む。
例えば、プログラムバージョンと環境ログとの両方の通信が失敗している場合、通信テスト処理部406は、通信分類格納テーブルより同類の定期的通知だけの通信種が存在しないことが分かる。
ステップS806において、通信テスト処理部406は、分類は異なるものの課金カウンタの通信は重要度が高いとして成功通信の通信種としてROM203に記録を行い、ステップS806へ進む。
ステップS804を終了すると、通信テスト処理部406は、図7のステップS708へ進む。
【0025】
ステップ708において、通信テスト処理部406は、前述のステップS804、S805、S806、S807の各ステップで記録したROM203の記録情報を基に通信テストの前に実施する通信種の通信を行う。ステップS708で実施した通信種毎の通信結果をステップS709において、通信テスト処理部406は、ROM203に記録し、ステップS710へ進む。
ステップS710において、通信テスト処理部406は、管理装置102への導通を確認するための通信を実施する。この際、通信テスト処理部406は、管理装置102に対しどのような通信種を送信し、その結果成功したのか失敗したのか再送したのかの情報を付与して管理装置102に通知を行う。
導通確認の通知の成功、失敗に関わらずステップS712へ進み、通信テスト処理部406は、通信テストの処理結果を表示して通信テスト処理を終了する。
図示はしていないが管理装置102では画像形成装置101からの通信テストよりどのような通信が実施され、各通信の結果を確認することができる。
【0026】
図9では、図7と図8とで説明したフローチャートに基づく通信テストに対し、入出力装置209に表示する画面の例を示している。
ステップS701で通信テスト実行指示を受けた場合の画面の例を図9Aで説明する。
図9Aの通信テスト機能画面900は、ユーザーが画像形成装置101より管理装置102に対し通信テストを行うための画面を示している。通信テスト機能画面900には通信テストを実行する「実行」ボタン901が備えられている。ユーザーが「実行」ボタン901を押下することでステップS701以降の処理が開始される。
通信テストを実施せず終了する場合は通信テスト処理をキャンセルするための「戻る」ボタン902を押下することで通信テスト機能画面を終了することができる。
【0027】
図9Bの通信テスト実行結果画面903は、ユーザーが画像形成装置101より管理装置102に対し通信テストした結果表示の画面を示している。通信テスト実行結果画面903にはステップS709の結果及びS710又はS711での導通確認の結果が表示される。
本図では導通の通信前に課金カウンタと部品カウンタとの通信種の通信を実施し、結果どちらの通信も成功していることをOKで示している。
また、導通の確認自体の結果も成功したとしてOKを表示している。
ユーザーは、「終了」ボタン904を押下することで通信テスト機能画面を終了することができる。
なお、本実施形態では課金カウンタや部品カウンタ等を用いた場合を例に説明を行ったが、これらの通信種に限定されるものではない。
例えば画像形成装置の動作状態を記録したログ情報や、画像診断に利用する画像診断情報等、画像形成装置101で生成可能な情報であれば何でもよい。
また実施形態では手動で通信テストの実行を行っているが、条件に応じて自動的に本実施形態の通信テスト処理を実行してもよいし、管理装置102の指示により通信テスト処理を実行してもよい。
【0028】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0029】
以上、上述した各実施形態によれば、通信テストの実行時にそれまでの通信状況を考慮した一部監視データの通信も行うことで適切な通信テストを実行できるようになる。また、決め打ちの複数プロトコルの通信での確認ではなく、通信の結果履歴より失敗している通信を選択することで適切な再現確認が可能となる。また、通信異常発生時の確認時に異常発生の監視データ送信だけでなく、正常な監視データ通信も併せて実行することで正常・異常の状態を同時に把握することができる。
よって、適切な通信テストを行うことができる。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置に対して、カウンタ情報及び障害情報を含む稼動情報を送信する画像形成装置であって、
前記稼動情報の送信の失敗の履歴を管理する管理手段と、
通信テストの指示を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で通信テストの指示を受け付けた場合、前記管理手段で履歴として管理されている送信が失敗した稼動情報と、前記送信が失敗した稼動情報と同分類の送信が成功した稼動情報と、を前記通信テストに伴い前記管理装置に送信する送信制御手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記送信制御手段は、前記入力手段で通信テストの指示を受け付けた場合、前記管理手段で履歴として管理されている送信が失敗した稼動情報が障害情報であるときは、前記送信が失敗した稼動情報を送信せず、前記通信テストを行う請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記同分類とは、通信種の分類が同分類である請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記通信種の分類は、定期、定期及び分割、イベント(重複通知禁止)である請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記通信テストの実行結果を表示する表示手段を更に有する請求項1乃至4何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
管理装置に対して、カウンタ情報及び障害情報を含む稼動情報を送信する画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
前記稼動情報の送信の失敗の履歴を管理する管理ステップと、
通信テストの指示を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップで通信テストの指示を受け付けた場合、前記管理ステップで履歴として管理されている送信が失敗した稼動情報と、前記送信が失敗した稼動情報と同分類の送信が成功した稼動情報と、を前記通信テストに伴い前記管理装置に送信する送信制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
管理装置に対して、カウンタ情報及び障害情報を含む稼動情報を送信するコンピュータに、
前記稼動情報の送信の失敗の履歴を管理する管理ステップと、
通信テストの指示を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップで通信テストの指示を受け付けた場合、前記管理ステップで履歴として管理されている送信が失敗した稼動情報と、前記送信が失敗した稼動情報と同分類の送信が成功した稼動情報と、を前記通信テストに伴い前記管理装置に送信する送信制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
管理装置に対して、カウンタ情報及び障害情報を含む稼動情報を送信する画像形成装置であって、
前記稼動情報の送信の失敗の履歴を管理する管理手段と、
通信テストの指示を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で通信テストの指示を受け付けた場合、前記管理手段で履歴として管理されている送信が失敗した稼動情報と、前記送信が失敗した稼動情報と同分類の送信が成功した稼動情報と、を前記通信テストに伴い前記管理装置に送信する送信制御手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記送信制御手段は、前記入力手段で通信テストの指示を受け付けた場合、前記管理手段で履歴として管理されている送信が失敗した稼動情報が障害情報であるときは、前記送信が失敗した稼動情報を送信せず、前記通信テストを行う請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記同分類とは、通信種の分類が同分類である請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記通信種の分類は、定期、定期及び分割、イベント(重複通知禁止)である請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記通信テストの実行結果を表示する表示手段を更に有する請求項1乃至4何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
管理装置に対して、カウンタ情報及び障害情報を含む稼動情報を送信する画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
前記稼動情報の送信の失敗の履歴を管理する管理ステップと、
通信テストの指示を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップで通信テストの指示を受け付けた場合、前記管理ステップで履歴として管理されている送信が失敗した稼動情報と、前記送信が失敗した稼動情報と同分類の送信が成功した稼動情報と、を前記通信テストに伴い前記管理装置に送信する送信制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
管理装置に対して、カウンタ情報及び障害情報を含む稼動情報を送信するコンピュータに、
前記稼動情報の送信の失敗の履歴を管理する管理ステップと、
通信テストの指示を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップで通信テストの指示を受け付けた場合、前記管理ステップで履歴として管理されている送信が失敗した稼動情報と、前記送信が失敗した稼動情報と同分類の送信が成功した稼動情報と、を前記通信テストに伴い前記管理装置に送信する送信制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2013−62599(P2013−62599A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198486(P2011−198486)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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