説明

画像形成装置、情報処理装置、情報処理プログラム及び画像処理システム

【課題】くるみ製本のために適切な画像データの印刷処理を行う画像形成装置等を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、複数ページの画像データとくるみ製本の表紙用のページを特定する情報を含む印刷条件データとで構成された印刷データを受信する受信部101と、印刷条件データに基づいて複数ページの画像データからくるみ製本の表紙用の画像データを特定する特定部104および配置を判断する印刷順制御部105と、表紙用の画像データと本文内容の画像データとをくるみ製本するために表紙と本文内容とに関して予め設定された印刷順序に従って印刷する印刷部107とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙媒体に印刷処理を行うための画像形成装置、情報処理装置、情報処理プログラム及び画像処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタなど画像形成措置に接続する製本機が製品化されている。当該製本機は、画像形成装置から出力される複数枚の印刷物を自動的に製本することができる。
【0003】
製品化された製本機には、印刷物本文(中紙)の印刷束を表紙(くるみ表紙)となる大きな用紙で包む様に製本する装置も存在する。当該製本機では、表紙で本文内容を包み込む処理と、包み込んだ後に3辺のカット処理と、を行うことで、表紙と本文内容を同一サイズにして製本する。
【0004】
つまり、画像形成装置がくるみ表紙と中紙というサイズの異なる紙に対して印刷した後、製本機が製本処理を行う。このくるみ表紙は、前表紙と、裏表紙とが一体となっている。このため、画像形成装置は、画像データを最初のページから順に印刷すればよいものではなく、くるみ製本用の印刷処理が必要となる。
【0005】
例えば、特許文献1に記載された技術では、情報処理装置と画像形成装置とが接続されおり、情報処理装置から画像形成装置に、くるみ製本するための画像データを送信するシステムが想定されている。このシステムにおいて、情報処理装置で、表紙と本文内容との画像データを予め定められた印刷順序に設定することで、画像形成装置では、当該印刷順序により、いずれの画像データが表紙か本文内容が認識することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2007−102725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、画像形成装置のくるみ製本の印刷順に従って、情報処理装置側で、くるみ製本の表紙となる画像データのページ番号を設定する必要がある。つまり、画像形成装置と情報処理装置との印刷順序を同期させる必要があり、利用者の操作負担が生じるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、くるみ製本のために適切な画像データの印刷処理を行う画像形成装置、情報処理装置、情報処理プログラム及び画像処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数ページの画像データと、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報を含む製本条件情報と、を入力処理する入力手段と、前記製本条件情報に基づいて、前記複数ページの画像データから、くるみ製本の表紙用の画像データを特定する特定手段と、前記表紙用の画像データと、本文内容の画像データとを、くるみ製本するために表紙と本文内容とに関して予め設定された印刷順序に従って印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、複数のページの画像データにおいて、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報を含んだ製本条件情報を生成する条件情報生成手段と、前記画像データと、前記製本条件情報とを、画像形成装置に対して出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、複数のページの画像データにおいて、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報の入力を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップが受け付けた、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報を含んだ製本条件情報を生成する条件情報生成ステップと、前記画像データと、前記製本条件情報とを、画像形成装置に対して出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0012】
また、本発明は、くるみ製本するための印刷を行う印刷システムであって、複数のページの画像データにおいて、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報を含んだ製本条件情報を生成する条件情報生成手段と、前記画像データと、前記製本条件情報とを出力する出力手段と、複数ページの画像データと、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報を含む製本条件情報と、を入力処理する入力手段と、前記製本条件情報に基づいて、前記複数ページの画像データから、くるみ製本の表紙用の画像データを特定する特定手段と、前記表紙用の画像データと、本文内容の画像データとを、くるみ製本するために表紙と本文内容とに関して予め設定された印刷順序に従って印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置及び画像処理システムによれば、製本条件情報により、くるみ製本のための表紙用の画像データを特定できるので、印刷データの送信元の装置と、画像形成装置との間で、くるみ表紙用の画像データのページが一致するように設定する必要がなくなり、設定負担が軽減するという効果を奏する。
【0014】
また、情報処理装置及び情報処理プログラムにおいては、くるみ製本のための表紙用の画像データを特定する製本条件情報を印刷データに含めることで、印刷データの送信元の装置と、画像形成装置との間で、くるみ表紙用の画像データのページが一致するように設定する必要がなくなり、設定負担が軽減するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、情報処理装置、情報処理プログラム及び画像処理システムの最良な実施の形態を詳細に説明する。また、本実施の形態は、情報処理装置として、PC(Personal Computer)を用いた例について説明する。本実施の形態は、情報処理装置をPCに制限するものではなく、例えばオフィス環境で用いられるオフィス機器や携帯電話端末など、あらゆる情報処理装置に対して適用することができる。
【0016】
本発明の一実施の形態として、画像形成装置であってコピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能及び入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリンタあるいはFAX機能により入力された画像)を配信する機能等を複合したいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称される複合機に適用した例を示す。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかるネットワーク180を介して接続された画像形成装置100とPC150の構成を示すブロック図である。本図に示すようにPC150の内部は、文書編集アプリケーション151と、プリンタドライバ152とを備える。
【0018】
文書編集アプリケーション151は、文書データを編集するアプリケーションとする。そして、当該文書編集アプリケーション151で編集された文書データを印刷したい場合に、後述するプリンタドライバ152を呼び出すことができる。例えば、文書編集アプリケーション151において、印刷命令を選択することで、プリンタドライバ152を呼び出せる。
【0019】
プリンタドライバ152は、印刷指示受付部161と、ページ特定受付部162と、印刷条件データ生成部163と、印刷データ生成部164と、送信部165と、を備え、印刷データを画像形成装置100に出力する。
【0020】
印刷指示受付部161は、文書編集アプリケーション151によって、印刷命令を選択された後、印刷の実行や、印刷する際の詳細な設定を受け付ける。そして、印刷対象となる文書データや画像データなどは、後述する印刷データ生成部164により、画像形成装置100が認識可能なページ毎の画像データに変換される。この変換される画像データのフォーマットはいずれの形式でも良いが、例えばPDL(Page Description Language)などが考えられる。
【0021】
例えば、文書編集アプリケーション151において、印刷命令の選択を受け付けた場合に、PC150は、印刷に関する設定を受け付けるウィンドウを表示する。そして、当該ウィンドウで、「画像形成装置100のプロパティ」を表すボタンが押下されることで、図2に示す「画像形成装置100のプロパティ」のウィンドウが表示される。
【0022】
図2に示すウィンドウで、“くるみ製本する”のチェックボックス201をチェックすることで、印刷指示受付部161は、くるみ製本にする旨の指示を受け付けたことになる。そして、“詳細”ボタン202を選択することで、さらに詳細な設定を行うためのウィンドウが表示される。
【0023】
図3は、くるみ製本の詳細設定を行うためのウィンドウの例を示した図である。図3に示すウィンドウに対する設定を受け付けた場合、印刷指示受付部161は、くるみ製本をするための設定を受け付けることになる。
【0024】
図1に戻り、ページ特定受付部162は、画像形成装置100に送信される、複数のページの画像データについて、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報の入力を受け付ける。
【0025】
例えば、ページ特定受付部162は、図3に示すウィンドウのうち、表紙画像データの配置301のチェックの有無、各面の印刷302〜305のチェックの有無を、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報として入力を受け付ける。
【0026】
例えば、ページ特定受付部162が、各面の印刷302〜305をチェック、及び表示画面データの配置301において“前後に分割”の選択を入力として受け付けた場合、これら情報がくるみ製本の表紙用のページを特定する情報となる。当該特定する情報により、画像データの最初から2ページを、前表紙の表、裏面印刷用の画像データ、画像データの最後から2ページを、後表紙の表、裏面印刷用の画像データとして特定できる。
【0027】
他の例としては、ページ特定受付部162が、各面の印刷302〜305のチェック、及び表示画面データの配置301において“後”の選択を入力として受け付けた場合、これら情報がくるみ製本の表紙用のページを特定する情報となる。当該特定する情報により、画像データの最後から4ページを、前表紙の表、裏面印刷用の画像データ、及び後表紙の表、裏面印刷用の画像データと特定できる。
【0028】
他の例としては、ページ特定受付部162が、各面の印刷として裏面303及び305のみチェックし、表示画面データの配置301において“前後に分割”の選択を入力として受け付けた場合、これら情報がくるみ製本の表紙用のページを特定する情報となる。当該特定する情報により、画像データの最初の1ページを、前表紙の裏面印刷用の画像データと、画像データの最後の1ページを、後表紙の裏面印刷用の画像データと特定できる。
【0029】
他にも、ページ特定受付部162は、各面の印刷302〜305のチェックと、表示画面データの配置301とを、組み合わせて入力を受け付けることで、画像データのいずれかのページを表紙の各面として特定できる。
【0030】
また、上述したウィンドウによるページの指定に制限するものではなく、表紙の面毎に画像データのページを指定可能であれば、どのような指定手法でも良い。例えば、ウィンドウに対して、利用者が、表紙の各面として印刷する画像データのページを直接設定し、ページ特定受付部162が、当該設定を受け付けるようにしても良い。
【0031】
印刷条件データ生成部163は、印刷する条件が設定された印刷条件データを生成する。この印刷条件データには、くるみ製本で表紙用のページが指定された製本条件データも含むものとする。
【0032】
本実施の形態では、印刷条件データとして、くるみ製本に関する製本条件についてのみ説明する。
【0033】
印刷条件データには、くるみ製本印刷指示の有無、くるみ表紙の表、裏面への印刷の有無、及びくるみ製本印刷に用いる画像データのページを特定する情報、が含まれている。
【0034】
くるみ製本印刷指示の有無は、くるみ製本するか否かの指示するコマンド列として、印刷条件データに埋め込まれる。例えば、くるみ製本する場合、コマンド列“@PJL SET PERFECTBIND = ON”が、印刷条件データに含まれる。一方、くるみ製本しない場合、コマンド列“@PJL SET PERFECTBIND = OFF”が、印刷条件データに含まれる。
【0035】
くるみ表紙の表、裏面への印刷の有無は、くるみ表紙の表、裏面の印刷を指示するコマンド列として、印刷条件データに埋め込まれる。例えば、くるみ製本の前表紙の表面に印刷する場合、コマンド列“@PJL SET PERFECTBINDFRONTSIDEPRINT_FRONT = ON”が、印刷条件データに含まれる。一方、くるみ製本の前表紙の表面へ印刷しない場合、コマンド列“@PJL SET PERFECTBINDFRONTSIDEPRINT_FRONT = OFF”が、印刷条件データに含まれる。
【0036】
さらに、くるみ製本の後表紙の後面に印刷する場合、コマンド列“@PJL SET PERFECTBINDBACKSIDEPRINT_BACK = ON”が、印刷条件データに含まれる。一方、くるみ製本の後表紙の後面に印刷する場合、コマンド列“@PJL SET PERFECTBINDBACKSIDEPRINT_BACK = OFF”が、印刷条件データに含まれる。
【0037】
くるみ製本印刷に用いる画像データのページを特定する情報は、表紙となる画像データの配置を表すコマンド列として、印刷条件データに埋め込まれる。例えば、印刷データの最初からの画像データと、最後からの画像データとに表紙用の画像データが分割されている場合、コマンド列“@PJL SET PERFECTBINDCOVERDATA = BACKANDFORTH”が、印刷条件データに含まれる。また、印刷データの最後からの画像データに表紙用の画像データが纏められている場合、コマンド列“@PJL SET PERFECTBINDCOVERDATA = BACK”が、印刷条件データに含まれる。また、印刷データの最初からの画像データに表紙用の画像データが纏められている場合、コマンド列“@PJL SET PERFECTBINDCOVERDATA = FRONT”が、印刷条件データに含まれる。
【0038】
図4は、印刷条件データの例を示した図である。図4に示した例では、コマンド列401でくるみ製本することが指示され、コマンド列402〜コマンド列405で、くるみ製本の表、裏表紙の表、裏面全て印刷することが指示され、コマンド列406で最初からの画像データと、最後からの画像データと、に表紙用の画像データが分けられていることが指示されている。つまり、画像形成装置100では、印刷データに格納された画像データのうち、最初からの2ページと、最後からの2ページとを用いて表紙用の印刷が行われることになる。
【0039】
図5は、印刷条件データの他の例を示した図である。図5に示した例では、コマンド列501でくるみ製本することが指示され、コマンド列502〜コマンド列505で、くるみ製本の表、裏表紙の裏面のみ印刷することが指示され、コマンド列506で最後からの画像データに、表紙用の画像データが纏められていることが指示されている。つまり、画像形成装置100では、印刷データに格納された画像データのうち、最後からの2ページを用いて表、裏表紙の裏面のみの印刷が行われることになる。
【0040】
印刷データ生成部164は、印刷条件データと、印刷に利用される画像データとを含む印刷データを生成する。
【0041】
また、印刷データ生成部164は、文書編集アプリケーション151等のアプリケーションで生成された画像データや文書データを、画像形成装置100が認識可能なページ毎の画像データに変換する処理を行う。そして、印刷データ生成部164は、変換した画像データと、印刷条件データとを含めた印刷データを生成する。
【0042】
図6は、印刷データの例を示した図である。図6に示すように印刷データのヘッダ領域に印刷条件データ601が格納され、それ以降にページ毎の画像データが格納されている。
【0043】
送信部165は、印刷条件データと画像データとを含む印刷データを、画像形成装置100に対して送信する。
【0044】
本実施の形態にかかるPC150において、印刷データに印刷条件データを含めることで、当該印刷データを受信した画像形成装置100が、表紙用の画像データを特定することができる。
【0045】
図1に戻り、画像形成装置100は、受信部101と、印刷条件解釈部102と、描画データ生成部103と、特定部104と、印刷順制御部105と、記憶部106と、印刷部107と、データ制御部108と、を備えると共に、製本機190と接続されている。これにより、画像形成装置100が印刷した紙原稿に対して、製本機190が、製本処理を行うことができる。
【0046】
製本機190の構成や機構、およびくるみ製本を行うための処理については、従来から用いられている処理を用いることとして、説明を省略する。
【0047】
受信部101は、印刷データを受信する。上述したように印刷データには、複数ページの画像データと、くるみ製本で表紙となるページが特定する情報を有する印刷条件データと、が含まれている。
【0048】
受信した印刷条件データには、印刷データに含まれている複数ページの画像データうち、表紙用の画像データのページを特定する情報が含まれている。この印刷条件データの詳細については上述したとおりなので説明を省略する。そして、後述する印刷条件解釈部102が印刷条件データを抽出することで、特定部104が、最初から所定の数(1又は2)のページを前表紙用のページとして特定し、複数ページの画像データの最後から所定の数(1又は2)のページを後表紙用のページとして特定できる。
【0049】
他の例としては、印刷条件データには、前表紙用又は後表紙用のページとして、1ページのみ特定する情報が含まれている。この場合、くるみ表紙として当該画像データ印刷されたページの裏面には、白紙設定部111により白紙が設定される。
【0050】
データ制御部108は、受信した印刷データを、印刷条件データと、複数ページの画像データとに分割する。そして、データ制御部108は、分割した印刷データを、印刷条件解釈部102に出力する一方、分割した複数ページの画像データを、描画データ生成部103に出力する。
【0051】
印刷条件解釈部102は、印刷条件データに含まれているコマンド列を抽出し、当該コマンド列に従って、各構成を制御する。
【0052】
描画データ生成部103は、データ制御部108により入力された複数ページの画像データを変換し、印刷部107が印刷に用いる描画データを生成する。描画データ生成部103は、ページ順に描画データを生成する。
【0053】
特定部104は、白紙設定部111を備え、印刷条件解釈部102が抽出したコマンド列に従って、印刷データに含まれていた複数ページの画像データから、くるみ製本の表紙用の画像データのページを特定する。
【0054】
また、特定部104が前表紙用又は後表紙用のページとして、表面か裏面のいずれか1ページの画像データのページのみ特定し、他方の面で画像データが存在しないと判断した場合、白紙設定部111は、画像データが存在しない面に対して白紙を設定する。さらに、特定部104が、前表紙用又は後表紙用のページとして、両面共に画像データが存在しないと判断した場合、白紙設定部111は、画像データが存在しない両面に対して白紙を設定する。
【0055】
印刷順制御部105は、配置判断部112を備え、特定部104により特定された表紙用の画像データのページに基づいて、描画データ生成部103により生成された描画データの印刷順を設定する。くるみ製本を行う場合、印刷順制御部は、くるみ製本用するために予め設定された印刷順序を設定する。予め設定された印刷順序とは、最初にくるみ製本用の表紙(1〜4ページの描画データ)を先に印刷した後本文内容を印刷する順序、又は本文内容を先に印刷した後にくるみ製本用の表紙1〜4ページの描画データ)を印刷する順序等とする。
【0056】
記憶部106は、表紙の印刷を本文内容の後に印刷する場合に、前表紙用の画像データを一時的に記憶する。記憶部106は、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、メモリカード、RAM(Random Access Memory)などの一般的に利用されているあらゆる記憶手段により構成することができる。
【0057】
配置判断部112は、表紙用画像データが、印刷データに含まれている複数ページのうち、最初からと最後からとに分割されているか否か判断する。そして、配置判断部112が、分割されていると判断した場合に、印刷順制御部105が、表紙用の描画データを記憶部106に一時的に記憶する。そして、本文内容の描画データについて印刷が終了した後に、表紙用の描画データが一括して印刷されることになる。
【0058】
印刷部107は、印刷順制御部105に従って、表紙用の描画データと、本文内容の描画データとを、印刷順制御部105により設定された印刷順序に従って印刷する。
【0059】
例えば、特定部104により、表紙用の描画データが最初からのページと、最後からのページとに分けられていることが特定された場合、印刷部107は、本文内容の描画データを印刷した後、記憶部106に記憶された前表紙用の描画データと、後表紙用の描画データと、を用いてくるみ製本用の表紙印刷を行う。
【0060】
他の例としては、特定部104により、前表紙用の描画データ又は後表紙用の描画データが、表面又は裏面のいずれか1ページのみと特定された場合、白紙設定部111が、描画データがない面に白紙設定を行い、印刷部107は、設定された白紙に従って、描画データが存在する面(印刷するものとして特定されたページ)を、表紙用のページとして印刷し、他方の面(特定されたページの裏のページ)を、白紙として印刷する。
【0061】
図7は、印刷データからくるみ製本を行う概念の第1の例を示した図である。図7に示した例では、くるみ製本するために、表紙と本文内容のページとが製本時のページ並びに従って配置された画像データを含む印刷データを受信した例とする。その際、上述したように特定部104が、印刷データに含まれるページ毎の画像データに対して、表紙(前表紙または後ろ表紙の表面、裏面)か本文内容かを特定する。特定部104により、表紙が最初の2ページと最後の2ページ(n−1、nページ目)であることが特定されたものとする。
【0062】
このため、図7に示すくるみ製本では、印刷部107が、本文内容を印刷した後に、1、2、n―1、nページ目の描画データを含むくるみ表紙701を印刷する。そこで、最初に1ページ及び2ページ目の描画データが、記憶部106に一時的に記憶される。そして、印刷部107は、本文内容の印刷終了後、記憶部106に記憶された1ページ及び2ページ目の描画データとn−1ページ及びnページ目の描画データとを用いて、くるみ表紙を印刷する。つまり、一枚のくるみ表紙701には、1ページ、2ページ、n−1及びnページ目の合計4ページの描画データが印刷される。
【0063】
図8は、印刷データからくるみ製本を行う概念の第2の例を示した図である。図8に示すくるみ製本では、印刷部107が、ページ順に従って本文内容を印刷した後に、n−3、n−2、n−1及びnページ目の描画データを含むくるみ表紙801を印刷する。このため、図7に示したように記憶部106に一時的に記憶する必要はない。
【0064】
つまり、図7に示した例では、利用者により作成されたページ順に画像データを配置して、PC150から画像形成装置100に対して、印刷データを出力している。この場合、画像形成装置100で、くるみ製本を行うためにデータ並びを変更する必要があるため、画像形成装置100に処理負担がかかる。これに対し、図8に示した例では、表紙用の画像データがまとめられているため、画像形成装置100による処理が容易であるが、PC150のプリンタドライバ152側で画像データを並び替える必要があるため、プリンタドライバ152における処理負担がかかる。換言すれば、画像形成装置100とPC150のいずれかに処理負担を負うべきか、利用者は選択できる。また、図7に示したような配置を行うプリンタドライバと、図8に示したようなプリンタドライバと、を別ドライバとしても良い。
【0065】
図9は、印刷データからくるみ製本を行う概念の第3の例を示した図である。図9に示す印刷データ901では、前表紙の表面及び後表紙の表面の画像データが含まれていないものとする。この場合、印刷部107による印刷で片面印刷として扱われてしまう。この片面印刷では、基本的には表面のみ印刷するため、裏面が印刷されないことになり、意図したとおりに印刷できないという問題が生じる。そこで、画像データ列902に示すように、白紙設定部111により、前表紙の表面、及び後表紙の表面用に、白紙データが設定される。この場合、印刷部107は、両面印刷として処理する。これにより、前表紙及び後表紙の裏面を適切に印刷することが可能になる。
【0066】
つまり、最初に1ページ目の描画データが、記憶部106に一時的に記憶される。そして、印刷部107は、本文内容の印刷終了後、記憶部106に記憶された2ページの白紙、1ページ目の描画データ及びnページ目の描画データを用いて、くるみ表紙を印刷する。つまり、一枚のくるみ表紙903には、前表紙の表面が白紙、裏面に1ページ目、後ろ表紙の表面が白紙、裏面にnページ目の描画データが印刷される。
【0067】
このように、裏面のみに印刷したい場合、くるみ製本時に限らず、白紙設定部111が、表面に白紙情報を設定することで、両面ともに描画データがある通常の両面印刷による処理が可能となる。
【0068】
また、白紙の設定は、図9に示した場合に限らず、さまざまなバリエーションが存在する。図10及び図11は、白紙設定部111により設定された白紙の例を示した概念図である。つまり、特定部104により複数ページの画像データから、くるみ製本の表紙用の画像データのページを特定した際に、適切に白紙設定部111が白紙を設定することで、印刷部107は、くるみ表紙を、通常の両面印刷で処理できる。これにより、利用者の意図に従ったくるみ表紙の印刷が可能となる。
【0069】
なお、本実施の形態とは異なるが、裏面のみ印刷する場合に、白紙設定部111が白紙を設定するのではなく、画像形成装置100が通常の両面印刷と同じ搬送経路を用いて搬送することで、裏面のみ印刷してもよい。
【0070】
次に、本実施の形態にかかるPC150における印刷コードを送信するまでの処理について説明する。図12は、本実施の形態にかかるPC150における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0071】
まず、PC150のプリンタドライバ152の印刷指示受付部161が、印刷命令の選択を受け付ける(ステップS1201)。その後、PC150では、印刷するためのウィンドウが表示される。
【0072】
そして、表示されたウィンドウにおいて、印刷指示受付部161が、くるみ製本の選択を受け付ける(ステップS1202)。当該ウィンドウの例としては、図2に示すウィンドウなどが考えられる。
【0073】
次に、ページ特定受付部162が、印刷するページ毎の画像データについて、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報の入力を受け付ける(ステップS1203)。この特定する情報としては、図3に示したウィンドウにおける、表紙画像データの配置301のチェックの有無、各面の印刷302〜305のチェックの有無等とする。
【0074】
その後、印刷指示受付部161が、ウィンドウにおける決定ボタンの押下を受け付ける(ステップS1204)。
【0075】
そして、印刷条件データ生成部163が、くるみ製本で表紙用のページを特定する情報を含む印刷条件データを生成する(ステップS1205)。本実施の形態では、印刷条件データ生成部163は、ステップS1203で入力を受けた情報を表すコマンド列を含む印刷条件データを生成する。
【0076】
次に、印刷データ生成部164が、印刷する文書データ又は画像データを画像形成装置100が認識可能な画像データを生成し、当該画像データと印刷条件データとを含む印刷データを生成する(ステップS1206)。
【0077】
その後、送信部165が、生成した印刷データを、画像形成装置100に送信する(ステップS1207)。
【0078】
上述した処理手順では、表紙用の画像データを特定する印刷条件データが含まれているため、送信先の画像形成装置100でどの画像データを表紙用に用いるのか特定することができる。
【0079】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置100における全体的な処理について説明する。図13は、本実施の形態にかかる画像形成装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0080】
まず、受信部101は、PC150から印刷データを受信する(ステップS1301)。
【0081】
次に、データ制御部108が、印刷データを印刷条件データと画像データとに分割する(ステップS1302)。
【0082】
その後、印刷条件解釈部102が、印刷条件データに含まれているコマンド列を抽出する(ステップS1303)。そして、印刷条件解釈部102が抽出したコマンド列に従って、特定部104が、くるみ製本の表紙用の画像データのページを特定する(ステップS1304)。
【0083】
次に、特定部104は、特定された表紙用の画像データのページから、表紙両面分の画像データが存在するか否か判断する(ステップS1305)。両面分の画像データが存在すると判断した場合(ステップS1305:Yes)、特に処理を行わない。
【0084】
一方、特定部104が両面分の画像データが存在しないと判断した場合(ステップS1305:No)、白紙設定部111が、画像データが存在しない面に、白紙を設定する(ステップS1306)。
【0085】
そして、描画データ生成部103が、印刷データに含まれていた画像データから、印刷に用いる描画データを生成する(ステップS1307)。
【0086】
その後、配置判断部112は、特定部104により特定されたページに基づいて、表紙用の画像データが、画像データの最初からと最後からとに分けて格納されていたか判断する(ステップS1308)。分かれていないと判断した場合(ステップS1308:No)、記憶部106を用いた処理は特に行わない。
【0087】
そして、配置判断部112が分けて格納されていたと判断した場合(1308:Yes)、印刷順制御部105が、最初に配置されていた表紙用の描画データを。記憶部106に一時的に記憶する(ステップS1309)。
【0088】
その後、印刷部107が印刷制御を実行する(ステップS1310)。
【0089】
上述した処理手順により、印刷条件データに含まれている情報に基づいて、表紙用の画像データを特定し、印刷制御を行うことが可能となる。
【0090】
次に、図13のステップS1310で示した、本実施の形態にかかる印刷部107における印刷制御の処理について説明する。図14は、本実施の形態にかかる印刷部107における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0091】
まず、印刷部107は、特定部104により特定された表紙用画像データのページの位置から、表紙を本文内容より先に印刷するか否か判断する(ステップS1401)。
【0092】
そして、表紙を本文内容より先に印刷すると判断した場合(ステップS1401:Yes)、くるみ表紙の印刷を行う(ステップS1402)。
【0093】
次に、本文内容の印刷が終了したか否か判断する(ステップS1403)。終了していないと判断した場合(ステップS1403:No)、描画データ毎に、本文内容用の紙媒体に印刷し、再びステップS1403に進む(ステップS1404)。終了したと判断した場合(ステップS1403:Yes)、ステップS1405に進む。
【0094】
一方、ステップS1401において、表紙を本文内容より先に印刷しないと判断した場合(ステップS1401:No)、本文内容の印刷が終了したか否か判断する(ステップS1406)。終了していないと判断した場合(ステップS1406:No)、描画データ毎に、本文内容用の紙媒体に印刷し、再びS1406に進む(ステップS1407)。
【0095】
一方、印刷部107が、終了したと判断した場合(ステップS1406:Yes)、表紙印刷するか否か判断する(ステップS1408)。表紙印刷しないと判断した場合(ステップS1408:No)、ステップS1405に進む。
【0096】
そして、印刷部107が、表紙印刷すると判断した場合(ステップS1408:Yes)、記憶部106にくるみ表紙用の描画データが格納されているか否か判断する(ステップS1409)。格納されていないと判断した場合(ステップS1409:No)、そのまま、入力された描画データを用いてくるみ表紙の印刷を行う(ステップS1410)。
【0097】
一方、印刷部107が、記憶部106に格納されていると判断した場合(ステップS1409:Yes)、記憶部106に記憶されていた、くるみ表紙用の描画データを読み出す(ステップS1411)。
【0098】
そして、印刷部107が、読み出された描画データと、入力された描画データとを用いて、くるみ表紙を印刷する(ステップS1412)。
【0099】
その後、製本機190が製本処理を行い、くるみ表紙で、本文内容が印刷された紙媒体をくるむ(ステップS1405)。
【0100】
上述した画像形成装置100においては、PC150から送信される印刷データに含まれている印刷条件データから、いずれのページが本文内容で、いずれのページが表紙かを特定することができる。このため、PC150と画像形成装置100との間で、表紙のページを特定できるように設定する必要がなくなり、作業負担を軽減できる。
【0101】
また、印刷条件データで、くるみ製本を行うためのコマンドが含まれているため、画像形成装置100で、くるみ製本を行うための設定が不要となり、操作負担が軽減できる。
【0102】
また、画像形成装置100において、白紙設定部111により、くるみ表紙に対して、描画データが存在しない面に白紙を設定することで、くるみ表紙の各面に対して、利用者の要求に適した印刷を行うことができる。
【0103】
(変形例)
また、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0104】
(変形例1)
上述した第1の実施の形態にかかるPC150において、表紙用の画像データを、最初からか、最後からか、最初から及び最後からか、を選択可能とした。しかしながら、このような選択手法に制限するものではなく、PC150のプリンタドライバ152により表示されたウィンドウにおいて、表紙用の画像データのページ番号を直接設定するなど、他の選択手法を用いても良い。この場合、表紙用の画像データのページ番号が、印刷条件データに格納される。そして、画像形成装置100で、当該印刷条件データにより、表紙用の画像データが格納されているページ番号を特定することができる。
【0105】
例えば、くるみ表紙の前表紙の表面に、画像データの1ページ目を割り当てる場合、コマンド列には、“@PJL SET PERFECTBINDFRONTSIDEPRINT_FRONT = 1”を格納する等が考えられる。さらに、くるみ製本の後表紙の表面に、画像データの最後(p39)のページを割り当てる場合、コマンド列“@PJL SET PERFECTBINDBACKSIDEPRINT_FRONT = 39”を格納しても良いし、コマンド列“@PJL SET PERFECTBINDBACKSIDEPRINT_FRONT = LAST PAGE”を格納しても良い。
【0106】
(変形例2)
上述した第1の実施の形態においては、PC150プリンタドライバ152において印刷データを生成する例について説明した。しかしながら、プリンタドライバ152で印刷データを生成することに制限するものではない。変形例2としては、PC150に、くるみ製本するための印刷データを生成できるアプリケーションを搭載してもよい。この場合、プリンタドライバ152で示した各構成が、アプリケーションに搭載されることになる。
【0107】
(変形例3)
さらに、印刷データの生成は、PC150に制限するものではなく、UNIX(登録商標)が搭載された装置のフィルタを用いても良い。
【0108】
このフィルタを用いる例としては、PRINTCAPを利用する等がある。PRINTCAPを用いることで、各プリンタに特定のフォーマットデータとして、上述した印刷条件を、ヘッダとして付加するフィルタを記述できる。そして、ヘッダを付与するフィルタを記述することでヘッダを付与することができる。さらに、PRINTCAPを用いたフィルタに制限するものではなく、例えばCUPS(Common Unix Printing System)を利用してもよい。
【0109】
図15は、第1の実施の形態にかかるPC150のハードウェア構成を示した図である。上述した第1の実施の形態にかかるPC150は、処理を実行するCPU1601と、ROM(Read Only Memory)1602やRAM1603などの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置1604と、ディスプレイ装置などの表示装置1605と、キーボードやマウスなどの入力装置1606と、ネットワークと接続する通信インターフェース1607と、これらを接続するバス1608と、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0110】
本実施の形態にかかるPC150で実行されるプリンタドライバ152プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0111】
また、本実施の形態にかかるPC150で実行されるプリンタドライバ152プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態にかかるPC150で実行されるプリンタドライバ152プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0112】
また、本実施の形態にかかるプリンタドライバ152プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0113】
本実施の形態にかかるPC150で実行されるプリンタドライバ152プログラムは、上述した構成を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU1601が上記記憶媒体(例えば、外部記憶装置1604)からプリンタドライバ152プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードすることで、上述した各構成がRAM1603上に生成される。
【0114】
図16は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この画像形成装置100は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、画像形成装置100全体の制御と描画、通信、操作部20からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0115】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bとをさらに有する。
【0116】
CPU11は、画像形成装置100の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0117】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0118】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0119】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0120】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。
【0121】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0122】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0123】
なお、本実施の形態にかかる画像形成装置100で実行される画像処理プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0124】
本実施の形態にかかる画像形成装置100で実行される画像処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0125】
さらに、本実施の形態にかかる画像形成装置100で実行される画像処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態にかかる画像形成装置100で実行される画像処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0126】
本実施の形態にかかる画像形成装置100で実行される画像処理プログラムは、上述した構成を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU11が上記ROM12aから画像処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各構成がRAM12B上に生成される。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】第1の実施の形態にかかるネットワークを介して接続された画像形成装置とPCの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態にかかるPCで表示される、画像形成装置のプロパティのウィンドウの例を示した図である。
【図3】第1の実施の形態にかかるPCで表示される、くるみ製本の詳細設定を行うためのウィンドウの例を示した図である。
【図4】第1の実施の形態にかかるPCで生成される印刷条件データの例を示した図である。
【図5】第1の実施の形態にかかるPCで生成される印刷条件データの他の例を示した図である。
【図6】第1の実施の形態にかかるPCで生成される印刷データの例を示した図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる印刷データからくるみ製本を行う概念の第1の例を示した図である。
【図8】第1の実施の形態にかかる印刷データからくるみ製本を行う概念の第2の例を示した図である。
【図9】第1の実施の形態にかかる印刷データからくるみ製本を行う概念の第3の例を示した図である。
【図10】第1の実施の形態にかかる白紙設定部により設定された白紙の第1の例を示した概念図である。
【図11】第1の実施の形態にかかる白紙設定部により設定された白紙の第2の例を示した概念図である。
【図12】第1の実施の形態にかかるPCにおける印刷コードを送信するまでの処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】第1の実施の形態にかかる画像形成装置における全体的な処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】第1の実施の形態にかかる画像形成装置の印刷部における印刷制御の処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】第1の実施の形態にかかるPCのハードウェア構成を示した図である。
【図16】第1の実施の形態にかかる複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0128】
10 コントローラ
11 CPU
12 MEM−P
12a ROM
12b RAM
13 NB
14 SB
15 AGPバス
16 ASIC
17 MEM−C
18 HDD
20 操作部
30 FCU
40 USBインターフェース
50 IEEE1394インターフェース
60 エンジン部
100 画像形成装置
101 受信部
102 印刷条件解釈部
103 描画データ生成部
104 特定部
105 印刷順制御部
106 記憶部
107 印刷部
108 データ制御部
111 白紙設定部
112 配置判断部
151 文書編集アプリケーション
152 プリンタドライバ
161 印刷指示受付部
162 ページ特定受付部
163 印刷条件データ生成部
164 印刷データ生成部
165 送信部
180 ネットワーク
190 製本機
1601 CPU
1602 ROM
1603 RAM
1604 外部記憶装置
1605 表示装置
1606 入力装置
1607 通信インターフェース
1608 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ページの画像データと、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報を含む製本条件情報と、を入力処理する入力手段と、
前記製本条件情報に基づいて、前記複数ページの画像データから、くるみ製本の表紙用の画像データを特定する特定手段と、
前記表紙用の画像データと、本文内容の画像データとを、くるみ製本するために表紙と本文内容とに関して予め設定された印刷順序に従って印刷する印刷手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記入力手段は、前記複数ページの画像データの前から所定の数のページを前表紙用のページとして特定し、前記複数ページの画像データの最後から所定の数のページを後表紙用のページとして特定する前記製本条件情報を入力処理することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記前表紙用の画像データを一時的に記憶する記憶手段と、
前記印刷手段は、前記本文内容の画像データを印刷した後、前記記憶手段に記憶された前記前表紙用の画像データと、前記後表紙用の画像データとを印刷すること、
を特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記入力手段は、前記複数の画像データのうち1ページのみ、前表紙用又は後表紙用のページとして特定する前記製本条件情報を入力処理し、
前記特定手段は、前記製本条件情報に基づいて、前表紙用又は後表紙用のページとして、1ページの画像データを特定し、
前記印刷手段は、特定された前記1ページの画像データを、前表紙用又は後表紙用のページとして印刷し、特定された1ページの裏のページを白紙として印刷すること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数のページの画像データにおいて、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報を含んだ製本条件情報を生成する条件情報生成手段と、
前記画像データと、前記製本条件情報とを、画像形成装置に対して出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記受付手段は、複数のページの画像データにおいて、最初からの所定のページ及び最後からの所定のページを表紙用のページを特定する情報の入力を受け付けること、
を特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数のページの画像データにおいて、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報の入力を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップが受け付けた、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報を含んだ製本条件情報を生成する条件情報生成ステップと、
前記画像データと、前記製本条件情報とを、画像形成装置に対して出力する出力ステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項8】
くるみ製本するための印刷を行う印刷システムであって、
複数のページの画像データにおいて、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報を含んだ製本条件情報を生成する条件情報生成手段と、
前記画像データと、前記製本条件情報とを出力する出力手段と、
複数ページの画像データと、くるみ製本の表紙用のページを特定する情報を含む製本条件情報と、を入力処理する入力手段と、
前記製本条件情報に基づいて、前記複数ページの画像データから、くるみ製本の表紙用の画像データを特定する特定手段と、
前記表紙用の画像データと、本文内容の画像データとを、くるみ製本するために表紙と本文内容とに関して予め設定された印刷順序に従って印刷する印刷手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−223405(P2009−223405A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64446(P2008−64446)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】