説明

画像形成装置、情報処理装置、画像形成装置の制御方法、情報処理装置の制御方法及びプログラム

【課題】 数に限りがある施錠可能な排紙部を、同一のユーザが複数使用している場合に、排紙部を占有しているユーザに通知する。
【解決手段】 特定のユーザが、複数の施錠可能な排紙部を死傷しているかどうか判断し、複数の施錠可能な排紙部を使用している場合に特定されたユーザに対して、鍵付き排紙部に排紙された印刷物を取り出すべく通知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理装置、画像形成装置の制御方法、情報処理装置の制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物の機密性を保つために、施錠可能な鍵付きの排紙部を備えた画像形成装置が知られている。このような画像形成装置の場合、パスワードが入力されたことを条件に印刷データを出力するセキュアプリントと比較して、ユーザは、既に印刷された印刷物を取り出せばよく、素早く印刷物を手に入れることができる。
ただ、このような画像形成装置が備える施錠可能な排紙部の数にも限りがあるため、排紙部に排紙された印刷物を、早くユーザに取りにきてもらう必要がある。そこで、排紙部に所定の時間以上、印刷物が放置されている場合に、放置された印刷物のユーザに対して通知を行うものがある。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2000−155506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、施錠可能な排紙部を複数備える画像形成装置を、複数のユーザで共有して利用する場合、1人のユーザが、施錠可能な複数の排紙部に印刷物を排紙してしまう状態になることも考えられる。
【0005】
上記特許文献1に記載された通知方法では、ユーザが画像形成装置を利用しようとしているかどうかにかかわらず通知されるため、実際に排紙部に放置された印刷物をユーザが取りだすことに至らないケースがあった。また、1人のユーザが複数の排紙部を占有する状況は想定してらず、そのような状況に対処できるものではなかった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、数に限りがある施錠可能な排紙部を、排紙部の使用状況に応じた適切なタイミングでユーザに通知を行える仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は以下に示す構成を備える。
複数の施錠可能な排紙部を備え、受信したジョブに基づいて画像形成した印刷物を前記複数の施錠可能な排紙部のうちいずれかの施錠可能な排紙部に排紙する画像形成装置であって、印刷物が排紙された施錠可能な排紙部の情報と該印刷物を取り出すべきユーザの情報とを対応づけて管理する管理手段と、管理手段に管理された情報に基づき、施錠可能な排紙部に排紙された印刷物を取り出すことを促すべく印刷物を取り出すべきユーザに通知する通知手段と、管理手段に管理された情報に基づき、特定のユーザが複数個の施錠可能な排紙部を使用しているかどうかを判断する判断手段とを有し、判断手段により特定のユーザが該複数個の施錠可能な排紙部を使用していると判断した場合に、通知手段により前記特定のユーザに通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、数に限りがある施錠可能な排紙部を、排紙部の使用状況に
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成システムの一例を示す図である。
【図2】画像形成装置の内部構成を示す断面構成図である。
【図3】排紙トレイ管理部が管理する管理テーブルを示す図である。
【図4】排紙トレイ管理部159が管理する管理テーブルを示す図である。
【図5】コントローラの構成を示すブロック図である。
【図6】画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】画像形成装置の操作部を説明する図である。
【図9】PCのハードウエア構成を説明するブロック図である。
【図10】表示装置に表示されるUIを示す図である。
【図11】情報処理装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す画像形成システムの一例を示す図である。本例は、画像形成装置とパーソナルコンピュータ(以下PCと呼ぶ)がネットワークを介して接続された画像形成システムの例である。なお、本実施形態において、画像形成装置とは、複合機能を備える画像形成装置であるものとするが、プリンタ機能のみを実行する印刷装置であってもよい。また、画像形成装置101、102は、画像形成装置100と同様のハードウエア資源と、ソフトウェア資源を備える。さらに、本実施形態における画像形成装置は、施錠可能な鍵付きの排紙部を複数備える構成となっている。ここで、施錠可能な鍵付きの排紙部とは、図1に示す鍵付き排紙トレイに対応する。なお、鍵付き排紙トレイの数は、排紙部の構成により決定されるが、本実施形態では、5つの施錠可能な鍵付きの排紙トレイを備える場合を示す。
【0011】
図1において、100、101、102は画像形成装置を示し、LAN(Local Area Network)20を介してPC10、11、12が接続されている。PC10、11、12はそれぞれユーザA、B、Cが使用しているものである。なお、図面上は3台のPCを記載しているが、3台に限定されるものではない。
同様に、画像形成装置も図面上では3台の場合を示しているが、3台に限定されるものではない。
【0012】
PC10、11、12は、LAN20を介して画像形成装置100、101、102へデータの送受信を行うことができるので、PC10、11、12で作成されデータの印刷を行うことや、画像形成装置100、101、102の状態を確認することができる。以下では、画像形成装置100を例に説明する。
画像形成装置100は、本体110と排紙部150から構成されている。本体110は、原稿画像の読み取りを行うリーダ120、装置全体の制御を行うコントローラ130、用紙に印刷を行うプリンタ140で大きく構成される。また、さらに、ユーザの認証を行うID認証部160、画像形成装置の操作を指定する操作部170で構成されている。なお、操作部170は、後述するフローチャートの制御に基づいて、複数の鍵付き排紙部に排紙した印刷物を取り出すためのメッセージを表示する表示部としても機能をする。
【0013】
さらに、コントローラ130には、LAN20を介して、PC10〜11やPC101、102と通信するためのネットワークコントローラを備え、所定のプロトコルを用いて相互に通信可能に構成されている。
また、排紙部150は、排紙制御部151を備え、排紙部150全体を制御し、コントローラ130、プリンタ140と通信を行い、印刷された用紙の制御を行う。排紙トレイ156は、排紙された用紙の保管を行い、排紙部150の扉に施錠することが可能な鍵付き排紙トレイ158と、扉と鍵のない排紙トレイ(以下、エスケープトレイと呼ぶ)157がある。排紙制御部151は、不図示のCPU、ROM、RAMなどによって構成され、該ROMに格納されたプログラムによって排紙部150を制御する。
【0014】
排紙先制御部152は、排紙制御部151の指示に従い印刷用紙の排紙先の選択に応じて排紙制御を行う。また、鍵制御部153は鍵付き排紙トレイ158の施錠又は解錠の制御を行う。鍵制御部153は、印刷物が鍵付き排紙部に排紙された状態では、鍵付き排紙部を施錠するように制御する。また、鍵付き排紙部に排紙された印刷物を取り出すために操作部170から入力されたユーザIDやパスワードを認証した場合に、解錠する。
【0015】
扉開閉の検知を行う扉開閉制御部154は、鍵付き排紙トレイ158の扉の開閉を検知し、また扉の開閉を制御することができる。なお、扉の開閉は、マイクロスイッチ等の機械式のものや、マグネットスイッチ等を利用する電気式のもので構成されていてもよい。
用紙検知部155は、排紙部150上の用紙の有無を検知すると共に、印刷された用紙が最大積載枚数を超えていないかをチェックする。排紙トレイ156は、鍵制御部153、扉開閉制御部154、用紙検知部155によって、扉開閉状態、鍵施錠状態の状態監視、用紙有無の制御が実行される。
排紙トレイ管理部159は、各ユーザがどの鍵付き排紙トレイ158に機密文書を出力し、使用しているかを管理する。
【0016】
排紙先制御部152は、PC10、11、12から受信した印刷データの属性情報を見て、機密情報を含むセキュリティレベルの高い印刷要求であった場合には、鍵付き排紙トレイ158に出力するように制御を行う。
図2は、図1に示した画像形成装置100の内部構成を示す断面構成図である。なお、本画像形成装置100は、図2に示すように原稿画像を読み取るリーダ120及びプリンタ140、排紙部150から構成される。
【0017】
図2において、リーダ120には、原稿給送装置121が搭載されている。原稿給送装置121は、原稿トレイ上に上向きにセットされた原稿Pを先頭頁から順に1枚ずつ図中の左方向へ給紙し、湾曲したパスを介してプラテンガラス122上を左から流し読み取り位置を経て右へ搬送する。その後、原稿Pは外部の排紙トレイ123に向けて排出する。この原稿Pがプラテンガラス122上の流し読み取り位置を左から右へ向けて通過するときに、この原稿画像は流し読み取り位置に対応する位置に保持されたスキャナユニット124により読み取られる。
原稿が流し読み取り位置を通過する際に、原稿の読み取り面がスキャナユニット124のランプの光で照射され、その原稿からの反射光がミラーを介してレンズ125に導かれる。このレンズ125を通過した光は、イメージセンサ126の撮像面に結像する。
【0018】
このように流し読み取り位置を左から右へ通過するように原稿を搬送することによって、原稿読み取り走査が行われる。イメージセンサ126で原稿画像全体の読み取りが行われ、光学的に読み取られた画像はイメージセンサ126によって画像データに変換されて出力される。
イメージセンサ126から出力された画像データは、コントローラ130において所定の画像処理が施された後にプリンタ140の露光制御部141にビデオ信号として入力される。ここで、所定の画像処理とは、シェーディング補正処理等が含まれる。
【0019】
なお、原稿給送装置121により原稿をプラテンガラス122上に搬送して所定位置に停止させ、この状態でスキャナユニット124を図中の左から右へ走査させることにより原稿を読み取ることも可能である。
プリンタ140の露光制御部141は、入力されたビデオ信号に基づきレーザ光を変調して出力し、該レーザ光はポリゴンミラーなどにより走査されながら感光ドラム142上に照射される。感光ドラム142には走査されたレーザ光に応じた静電潜像が形成される。
【0020】
この感光ドラム142の静電潜像は、現像器から供給される現像剤によって現像剤像として可視像化される。また、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、各用紙カセット143、144、手差給紙部または両面搬送パス145から用紙が給紙され、この用紙は感光ドラム142に搬送される。感光ドラム142に形成された現像剤像は用紙上に転写される。
その後、現像剤像が転写された用紙は定着部146に搬送され、定着部146は用紙を熱圧することによって現像剤像を用紙上に定着させる。定着部146を通過した用紙はプリンタ140から排紙部150に向けて排出される。
【0021】
ここで、用紙をその画像形成面が下向きになる状態(フェイスダウン)で排出するときには、定着部146を通過した用紙をフラッパの切換動作により一旦反転パス147内に導く。その用紙の後端がフラッパを通過した後に、用紙をスイッチバックさせて排出ローラによりプリンタ140から排出する。以下、この排紙形態を反転排紙と呼ぶ。
この反転排紙は、原稿給送装置121を使用して読み取った画像を形成するときまたはPC10〜12から出力された印刷データに基づく画像データを形成するときのように、先頭頁から順に画像形成するときに行われる。その結果、その排紙後の用紙順序は正しい頁順になる。
【0022】
さらに、用紙の両面に画像形成を行う両面記録が設定されている場合には、フラッパの切換動作により用紙を反転パス147に導いた後に両面搬送パス145へ搬送する。両面搬送パス145へ導かれた用紙を上述したタイミングで感光ドラム142に再度給紙する制御が行われる。このようにして、プリンタ140から排出された用紙は排紙部150に送られる。
この排紙部150では、排紙制御部151の制御に基づいて、排紙先制御部152が排紙先(トレイ)への排紙処理を行う。排紙部150はエスケープトレイ157及び複数の鍵付き排紙トレイ158−1〜158−5まで計6個のトレイに分かれている。鍵付き排紙トレイ158−1〜158−5はそれぞれ扉がつき、施錠可能なトレイである。なお、鍵付排紙トレイ158−1〜158−5を総称する場合には排紙トレイ158と記す。
【0023】
プリンタ140から排紙部150に送られた用紙は、排紙先制御部152において、6つある排紙先(トレイ)の中から決められた排紙先に合わせてフラッパが切り替えられ、搬送パスの経路が選択されて、いずれかの排紙部に送られる。
エスケープトレイ157、鍵付き排紙トレイ158に送られた用紙は、先に送られた用紙が下になるように順次重ねられる。鍵付き排紙トレイ158−1〜158−5に排紙された用紙を取り出す場合には、ID認証部160により扉開閉操作を行うユーザの認証を行ってから、鍵付き排紙トレイ158の鍵制御部153を開錠して、扉を開く必要がある。
鍵付き排紙トレイ158−1〜158−5には、それぞれ排紙された用紙の残量を検知する用紙検知部155が配置されている。さらに、154はセンサで、扉の開閉制御とともに、扉の開閉状態を検知して、扉開閉制御部154にその状態を通知する。
【0024】
排紙トレイ管理部159は、各ユーザがどの鍵付き排紙トレイ158に機密文書を出力し、使用しているかを管理する。排紙トレイ管理部159は、鍵付き排紙トレイ158の状態を管理している。排紙トレイ管理部159は、ユーザが鍵付き排紙トレイ158に機密書類を送信した際に、動的に空いている鍵付き排紙トレイ158の中の鍵付き排紙トレイ158−1〜158−5のいずれかとユーザのIDを紐付けして割り当てる。
本実施形態では、排紙トレイ管理部159が、動的に鍵付き排紙トレイ158を割り当てる例を示しているが、ユーザが明示的に鍵付き排紙トレイ158を指定したり、予めユーザ毎に鍵付き排紙トレイ158が決められていても良い。
【0025】
図3,図4は、図1に示した排紙トレイ管理部159が管理する排紙トレイ情報のための管理テーブルの一例を示す図である。本例は、鍵付き排紙トレイと、エスケープトレイを排紙部とする排紙部情報の例を示すが、鍵付き排紙トレイのみを管理するものであってもよい。ここで、排紙部情報は、施錠可能な鍵付きの排紙部の使用状況を示すユーザを特定するためユーザ名と排紙部名を含む。なお、図3は、いずれの排紙トレイも使用されていない初期状態に対応し、図4は、ジョブ処理が進行した状態であって、各排紙トレイの使用状況を示す。図4では、例えばユーザAが複数の鍵付き排紙トレイ(トレイ1、4)に機密書類を排紙している状態を示す。なお、テーブルの詳細については、図6、図7において説明する。
【0026】
排紙トレイ管理部159が管理する管理テーブルは、図3,図4に示すようなデータ構造を備える。すなわち、管理テーブルは、排紙部情報として、排紙トレイのリスト、排紙トレイの用紙状態、排紙用紙最大積載検知、鍵の開閉、扉の状態、ユーザ名、使用時間などを管理する。なお、管理テーブルは、ジョブ実行状態に適応して排紙トレイ管理部159により逐次更新されて管理される。
【0027】
図5は、図1に示したコントローラ130の構成を示すブロック図である。
図5において、CPU131は、画像形成装置100全体を制御し、CPUコア、画像処理ブロックを内蔵するコントローラICである。RAM133は、CPU131が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM132は、ブートROMであり、システムの起動を行うためのブートプログラムが格納されている。
【0028】
また、CPU131は、通信データ、画像データ等の送受信を高速に行うことのできるシステムバスSBを介して、ネットワークコントローラ135、I/Oコントローラ137、通信I/F136に接続されている。
ネットワークコントローラ135は、LAN20と接続され、データ送受信を行うコントローラである。LAN20に接続されたPC、外部装置との通信、画像データやデバイス情報等の入出力を柔軟に行うことができる。ここで、外部装置には、LAN20に接続された他の画像形成装置が含まれる。
【0029】
I/Oコントローラ137は、各種のI/Oデバイスを制御するものである。CPU131は、I/Oコントローラ137を介してHD139、ID認証部160、操作部170を制御することができる。
139はハードディスクドライブ(HD)で、システムソフトウェア、画像データ、システム管理データ、ボックス管理データなどを格納している。また、本実施形態では、HD139にユーザ名に対応づけて通知先情報が登録されているものとする。SRAM138は、電池でバックアップされたメモリであり、コントローラ130の各種設定データを保持することができる。
【0030】
ID認証部160はユーザ認証を行うもので、ICカード等のデバイスに蓄積された情報を読み取ることができる。読み取られたデータは、HD139に蓄積されたユーザ情報、実行中のジョブのユーザ情報と比較され、結果に応じて画像形成装置100の使用権限の付与、各種の設定、実行ジョブに応じた処理等が行われる。なお、認証は、不図示のカメラによる顔認証や、その他の生体認証で行うことも可能である。
【0031】
操作部170は、画像形成装置の各種設定を行うユニットである。I/Oコントローラ137と操作部170間は、通信データと表示データがやり取りされている。通信データは操作部170で入力されたキーなどを検知するために使用され、表示データは操作部170のディスプレイに表示するために使用される。
画像処理部134は画像の縮小、拡大、輝度−濃度変換など各種の画像処理を行うブロックである。
【0032】
画像処理部134は、リーダ120からの入力画像データに対する画像処理部分と、プリンタ140への出力画像データに対する画像処理部分から構成されている。リーダ120により読み込まれた画像データは画像処理部134を介してCPU131に入力され、RAM133に一時的に格納される。
CPU131内部には画像の圧縮、伸張、回転処理を行うブロックを備え、RAM133に格納された画像データにアクセスして各の処理を行うことができる。
【0033】
CPU131により圧縮処理された画像データは、I/Oコントローラ137を介してHD139に転送されて格納される。また、HD139に格納された画像はCPU131により読み出され、伸張処理された後、プリンタ140で用紙に画像形成することができる。
また、ネットワークコントローラ135を介してLAN20に接続された外部装置に送信することが可能である。
【0034】
リーダ120、プリンタ140とは画像データは画像処理部134を介して行い、通信処理は通信I/F136を介して行っている。通信I/F136は排紙制御部151とも通信を行い、排紙部の制御を指示する。
PC10〜12等によるLAN20を介した印刷データは、ネットワークコントローラ135、CPU131を介してRAM133に入力される。CPU131内のラスターイメージプロセッサブロック(RIP)が受信した印刷データのPDL(Page Description Language)コードをRAM133上でビットマップイメージに展開する。RAM133上に展開された画像データは、プリンタ140に転送され、用紙カセット143、144から給紙された用紙に画像が形成され、認証処理が必要な画像データについては割り当てられた鍵付き排紙トレイ158等に排紙される。
【0035】
また、ネットワークコントローラ135を介して受信したデータは、印刷するだけでなく、HD139に格納することや、外部装置に送信することもできる。
プリンタ140には、異なる用紙サイズまたは用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセット143、144を備えている。プリンタ140にて画像形成された用紙は排紙部150へ送られ、鍵付き排紙トレイ158、あるいはエスケープトレイ157上に排出される構成となっている。
【0036】
次に、図6及び図7のフローチャートを参照することによって、本発明の実施例に適用される画像形成装置におけるメッセージ通知処理の一連の流れを説明する。
図6は、画像形成装置100が、PC10、11、12のいずれかからプリントジョブの要求を受付け、印刷出力するまでのフローチャートである。ここでは、全ての鍵付き排紙トレイ158−1〜158−5は、鍵制御部158によって未使用な状態で施錠されるように構成されている。なお、S601〜S608は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU131が、RAM133、ROM132、HD139のいずれかの記憶手段に記憶されたプログラムを実行することによって行われる。なお、排紙制御部151は、同一ユーザが別のジョブを機密書類として印刷する場合には、同一の鍵付き排紙トレイ158に出力するように制御する。
それによって、1つの鍵付き排紙トレイ158に排紙された印刷物が、他のユーザに見られてしまうことを防止できる。但し、以下のケースの場合に、同一のユーザが複数個の鍵付き排紙トレイ158を使用する。以下の(1)〜(3)に同一のユーザが複数の鍵付き排紙トレイ158を使用するケースについて例示する。
【0037】
(1)ある印刷物を印刷中に、排紙トレイが最大積載枚数まで到達し、別の排紙トレイに出力するようなケース。(2)ユーザが鍵付き排紙部の位置を明示的に指定するようなケース。(3)印刷物のセキュリティのレベルによって出力する鍵付き排紙部の位置を変更するようなケース。
ここでは、所定の鍵付き排紙トレイ158が最大積載枚数まで到達しまい、そこから先の印刷用紙をまた別の鍵付き排紙トレイ158に出力する例を示している。
【0038】
画像形成装置100は、PC10、11、12からプリントジョブを受信すると、プリントジョブの要求に従って、本処理が開始される。
まず、S601で、画像形成装置100のCPU131は、PC10、11、12から受信した印刷データが機密書類であるか否かをプリントジョブの印刷データに含まれる属性から判断を行う。ここで、機密書類であるか否かを示す属性は、ユーザがPC10、11、12上で使用しているアプリケーション上で動作するプリンタドライバによって付加される。ここで、受信データが機密書類でないとCPU131が判断した場合、S602で、CPU131は、排紙制御部151を介して排紙先制御部152にエスケープトレイ157に出力するように指示を行う。その後、印刷物はエスケープトレイ157に出力され、本処理を終了する。
【0039】
一方、S601において、CPU131が機密書類であると判断した場合、CPU131は排紙制御部151を介して用紙検知部155及び排紙トレイ管理部159に問い合わる。そして、S603で、CPU131は問い合わせの結果、鍵付き排紙トレイ158に未使用のトレイがあるかどうかを判断する。ここで、鍵付き排紙トレイ158に空きのトレイがないとCPU131が判断した場合は、機密書類を印刷物として印刷出力することができないため、S604で、機密であるメモリ領域(例えばHD139)に格納して、S603へ戻る。この場合、HD139に格納されたジョブは鍵付き排紙トレイ158に空きが出た段階で、印刷出力を行うことになる。
【0040】
一方、S603で、鍵付き排紙トレイ158に空きのトレイがあるとCPU131が判断した場合、S605で、プリント処理を行い、鍵付き排紙トレイ158に出力を行う。
次に、S606で、出力中の機密書類が鍵付き排紙トレイ158の最大積載枚数を越えていないかを用紙検知部155がチェックを行う。ここで、出力中の機密書類が鍵付き排紙トレイ158の最大積載枚数を越えていることを用紙検知部155が検知している場合、S607へ進む。
【0041】
そして、S607で、CPU131は排紙制御部151を介して再度用紙検知部155及び排紙トレイ管理部159に、他に未使用の鍵付き排紙トレイ158があるか否かを問い合わせる。S607において、未使用の鍵付き排紙トレイ158がないとCPU131が判断した場合は、S604で機密なメモリ領域に格納することになる。
一方、S607で、他に鍵付き排紙トレイ158に空きがあるとCPU131が判断した場合には、S608に処理を進める。S608で、CPU131は排紙制御部151を、その鍵付き排紙トレイ158に最大積載枚数を越えるまでに出力された以降の機密書類を別の鍵付き排紙トレイに出力するように制御して、図7に示す処理に移行する。
【0042】
このように、画像形成装置100は、鍵付き排紙トレイを用いた印刷出力を実行している際に、一つ鍵付き排紙トレイが収容能力を超えると判断した場合に、他の鍵付き排紙トレイを用いて機密文書の印刷処理を行う。これにより、同一のユーザが複数の鍵付き排紙トレイを占有している状態が発生し得る。そして、図3に示すテーブルに複数の鍵付き排紙トレイに印刷物を排紙している、ユーザとして登録されて管理される。
【0043】
図7は、画像形成装置100が、鍵付き排紙トレイ158へ印刷物を出力した後に、機密書類が放置されていることを示すメッセージを通知するまでのフローチャートである。なお、S701〜S711は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU131が、RAM133、ROM132、HD139のいずれかの記憶手段に記憶されたプログラムを実行することによって行われる。
S701で、ユーザAがパスワード入力もしくは生体認証を行い、あらかじめ登録されたユーザ情報との照合が一致してログインを許可するかどうかをCPU131がID認証部160を介して判別する。
S701で、ユーザ認証が成功してログインを許可した場合は、画像形成装置101のCPU131は、図4に示す排紙トレイ管理部の管理テーブルを参照した後、S702へ進む。
【0044】
S702において、ユーザAのログインが許可された場合、ユーザAが占有する鍵付き排紙トレイ158が存在するかどうかを判断する。S702で、ユーザAが占有する鍵付き排紙トレイ158が存在しないと判断した場合、S701に戻る。一方、S702において、ユーザAが使用する鍵付き排紙トレイ158が存在すると判断すると、S703に処理を進める。S703で、CPU131は、操作部170上に、図8に示すユーザインタフェースを用いて、鍵付き排紙トレイ158に保管されている機密書類の取り出しを促すメッセージを表示させる。そして、鍵付き排紙トレイ158を開錠する。
【0045】
図8は、図1に示した画像形成装置101の操作部170の構成を説明する平面図である。
図8(A)は、ユーザが画像形成装置101にログインするための画面である。ユーザAはログインするためのユーザIDと暗証番号をID入力部171と暗証番号入力部172に入力する。その後、暗証キー173を押すとログインのための認証が行われる。
【0046】
図8(B)は、S702において、ユーザAが占有する鍵付き排紙トレイ158が存在すると判断した場合に、当該機密書類の取り出しを促すメッセージが表示されている例である。なお、このメッセージは一例であって、同様の趣旨を意味するものであれば、本メッセージに限定されるものではない。
次に、S704で、CPU131は、ユーザAが鍵付き排紙トレイ158から機密書類を取り出したかどうかを判断する。ここで、ユーザAが鍵付き排紙トレイ158から機密書類を取り出したことをCPU131が確認すると、S705へ進む。
【0047】
そして、S705で、CPU131は、操作部170の使用を許可する。これによって、ユーザAは、操作部170次の印刷ジョブを実行するための操作を実行できるようになる。そして、CPU101は、ユーザAが設定した画像処理を実行して、本処理を終了する。
一方、S701で、ユーザ認証が成功しなかった場合や、あるいはログインの操作が行われなかった場合、S706へ進む。
S706で、CPU131は、図4に示す排紙トレイ管理部159の管理テーブルを参照した後、2つ以上の鍵付きトレイ158を占有しているユーザがいるか、及び/または未使用の鍵付きトレイ158が存在しないかを判断する。S706が肯定的な判断の場合は、S707へ進み、否定的な判断の場合は、S708へ進む。
そして、S707で、CPU131は、一定時間の長さ(基準時間の長さ)を短くなるように設定し、S708へ進む。
【0048】
そして、S708で、CPU101は図4に示す排紙トレイ管理部159の管理テーブルを参照した後、機密書類が特定の鍵付き排紙トレイ158に放置されている時間を認識する。そして、認識した時間が一定時間を超えていると判定した場合、S708において、CPU131は、排紙制御部151からの通知を受けて、当該機密書類を印刷したユーザのメールアドレスを取得する。そして、CPU131は、当該機密書類を鍵付き排紙トレイ158から取り出すことを促す電子メールを取得したメールアドレス宛てに送信する。この際、CPU131は、排紙トレイ管理部159の管理テーブルの当該機密書類が特定の鍵付き排紙トレイ158を使用している時間のカウント値をクリアする。そして、S710に進む。
【0049】
一方、S702において、機密書類を特定の鍵付き排紙トレイ158に放置している時間が一定時間周期を超えていないとCPU131が判断すると、S710に進む。
S710において、CPU131は用紙検知部155により印刷物が取り出されたか否かをチェックする。ここで、機密書類が取り出されていると判断した場合は、本処理を終了する。
【0050】
一方、S704で、印刷物が取り出されていないと判断すると、、S705で、排紙トレイ管理部159は機密書類の放置時間のカウント値をカウントアップする。その後、再びS701に戻り、この一連の処理を繰り返す。
従って、ユーザが機密書類を取りに来ないと、ユーザは一定の周期で機密書類の取り出しを促すメッセージが電子メールとして通知されることになる。
【0051】
ここで、ログインしたユーザの機密書類が鍵付き排紙トレイ158に存在する場合は、操作部170に鍵付きトレイから当該書類を取り出すように促すようにすることができる。これによって、鍵付き排紙トレイに印刷物が放置されることを適切に通知することができる。
また、ユーザAは複数の鍵付き排紙トレイ158を使用している、及び/又はその他の鍵付き排紙トレイ158が全て使用されて空きがない場合に、注意を促すメッセージ通知を行う時間周期がそれまで(初期値として設定された時間周期)より短く設定される。このように、複数の鍵付き排紙トレイを使用しているユーザに対するメッセージの通知方法を変える。言い換えると、通知のレベルを上げる。
【0052】
その結果、ユーザAは注意を促す電子メールをそれまでより頻繁に受けることになり鍵付き排紙トレイ158に機密書類を取りに行く可能性が高くなる。
このように制御することで、鍵付き排紙トレイ158を有効に利用することが可能になる。
【0053】
また、ここでは、電子メールによって、鍵付き排紙トレイに出力された印刷物の取り出しを促す構成について説明したが、これに限らない。プリンタドライバのプログラムを実行するPCとの通信によって、鍵付き排紙トレイに出力された印刷物の取り出しを促してもよい。
以上述べた実施形態によれば、施錠可能な排紙トレイを利用する印刷出力において、機密文書が鍵付き排紙トレイに放置されていることをを適切に通知することができる。
【0054】
次に、ユーザが図1に示したPC10〜12から印刷ジョブを画像形成装置100に送信する場合について説明する。
図9は、図1に示したPC10〜12のハードウエア構成を説明するブロック図である。
図9において、202はCPUで、システムバス201に接続されるデバイスを総括的に制御する。203は読み出し専用メモリであるROMで、システム起動に必要なブートプログラムを記憶している。204はRAMで、CPU202でプログラムを実行する際に必要とされる作業メモリである。
【0055】
205はNetwork I/Fで、Network上の画像形成装置との間で通信を行う。206は表示制御部で、表示装置209に表示するための表示制御を行う。なお、表示装置209には、図10の(A)、(B)に示すプリンタドライバが提供するユーザインタフェースが表示される。
【0056】
207は入力制御部で、入力装置210、211から入力を受け付ける。
208は記憶装置で、OS,アプリケーション等のソフトウエアの情報、画像形成装置と通信を行う印刷データを送信するプリンタドライバを格納する。記憶装置208は、磁気ディスク等で構成される。
【0057】
図10は、図9に示したPC10〜12の表示装置209に表示されるユーザインタフェースを示す。本例は、記憶装置208に格納されたプリンタドライバが提供するユーザインタフェースである。図10の(A)は印刷開始を指示する印刷設定画面に対応する。403で機密印刷を指示する。ここで機密印刷が指示されると、画像形成装置100の鍵付き排紙トレイ158が使用される。また、図10の(B)は、図10の(A)の印刷設定画面が表示されている状態で、鍵付き排紙トレイに当該ユーザが出力した機密書類が保持されたままである旨のメッセージを表示している状態を示す。なお、このメッセージは一例であって、同様の趣旨を意味するものであれば、本メッセージに限定されるものではない。また、本メッセージが表示されているPCのユーザと、通知された鍵付き排紙トレイを使用しているユーザとは同一ユーザである。
【0058】
図11は、本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、鍵付き排紙トレイ158が使用されている状態において、さらに新規のプリントジョブを送信する場合の例である。なお、S800〜S807の各ステップは、CPU202が、ROM203、記憶装置208のいずれかの記憶手段に記憶されたプログラムをRAM204にロードして実行することによって行われる。また、プリントジョブの要求が行われた画像形成装置100が印刷出力するまでのフローは図6と同様である。また、画像形成装置100が、鍵付き排紙トレイ158へ印刷物を出力した後に、機密書類が放置されていることを示すメッセージを通知するまでのフローチャートは、図7と同様である。以下、図11に従って説明する。
まず、S800で、CPU202は、プリンタドライバのプログラムを実行することによって、PC10上のユーザ情報からユーザAがプリントジョブを送信しようとしていることを認識する。ここでは、CPU202は、プリンタドライバが提供する印刷設定画面が開かれているかどうかによって、画像形成装置100へ送信するプリントジョブがあるかどうかを判断する。送信するプリントジョブがあると判断した場合は、S801へ進む。
【0059】
次に、S801で、CPU202は画像形成装置100に図4に示した管理テーブルを取得する要求を行う。次に、S802で、プリンタドライバのプログラムを実行しているCPU202は、画像形成装置100から取得した管理テーブルを確認し、以下の確認をする。即ち、ユーザAが複数の鍵付き排紙トレイ158を使用していないかどうか、及び/又は未使用の鍵つき排紙と例が存在しないかどうかを判断する。ここで、CPU202が否定の判断をした場合、S806へ進む。
【0060】
一方、S802で、CPU202が肯定の判断をした場合、S803において、CPU202は、図10の(B)に示すような、ユーザAに対して、機密書類の取り出しを促すメッセージをポップアップで印刷設定画面の上に表示する。
なお、図10の(B)に示すメッセージ表示のタイミングは、プリンタドライバが立ちあがった直後でも良いし、プリントジョブを送信するためにOKボタン401を押した後でも構わない。
そして、S804に進み、CPU202は、画像形成装置100の管理テーブルを確認し、機密文書が鍵付き排紙トレイ158から機密書類を取り出されているかどうかを確認する。なお、ユーザAは上記メッセージを確認した後、画像形成装置100に移動して、鍵付き排紙トレイ158から既に印刷されて保管されている機密書類(印刷物)を取り出すものとする。
【0061】
ここで、鍵付き排紙トレイ158から機密書類(印刷物)が取り出されていないとCPU202が判断した場合は、PC10からのプリントジョブの送信要求を受付けず、S804を繰り返す。つまり、PC10からのプリントジョブの送信要求の受付けを制限する。なお、機密文書(印刷物)が鍵付き排紙トレイ158からを取り出されたと判断した場合、図10の(B)に示すメッセージの表示が消えて、S805へ進む。
【0062】
そして、S805で、CPU202は、新規のプリントジョブ送信を許可して、画像形成装置100へ印刷データを送信して、本処理を終了する。
一方、S802で、CPU202が否定の判断をした場合、S806に進む。S806では、ユーザAが占有する鍵付き排紙トレイが存在するか判断する。ユーザAが占有する鍵付き排紙トレイが存在すると判断した場合、S807に進む。S807において、S803と同様の表示を行う。ここでは、占有している排紙トレイが一つのみであるため、S804の処理を行わずにS805を実行して、本処理を終了する。
S806で、ユーザAが占有する鍵付き排紙トレイが存在しないと判断した場合、同様にS805を実行して、本処理を終了する。
【0063】
一方、画像形成装置100側では、PC10から印刷データを受信した画像形成装置100は、図6に従ってプリントジョブを実行する。
S801で、CPU202は画像形成装置100に図4に示した管理テーブルを取得する要求を行う例について説明したがこれに限らない。CPU202がプリンタドライバを起動したときに、図7の画像形成装置100がS709で通知するメッセージを受信したかどうか判断し、受信していた場合に、S803の処理を実行するようにしてもよい。
【0064】
上記のように、特に同一ユーザが複数の鍵付き排紙トレイ158を占有していた場合、及び/又は未使用の鍵付き排紙トレイが存在しない場合、新たなプリントジョブの送信を、機密書類を取り出すまで許可しないようにする。それによって、ユーザに機密書類の取り出しを優先させることができる。
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0065】
100 画像形成装置
110 画像形成装置本体
120 リーダ
130 コントローラ
140 プリンタ
150 排紙部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施錠可能な排紙部を備え、受信したジョブに基づいて画像形成した印刷物を前記複数の施錠可能な排紙部のうちいずれかの施錠可能な排紙部に排紙する画像形成装置であって、
印刷物が排紙された前記施錠可能な排紙部の情報と該印刷物を取り出すべきユーザの情報とを対応づけて管理する管理手段と、
前記管理手段に管理された情報に基づき、前記施錠可能な排紙部に排紙された印刷物を取り出すことを促すべく前記印刷物を取り出すべきユーザに通知する通知手段と、
前記管理手段に管理された情報に基づき、特定のユーザが複数個の前記施錠可能な排紙部を使用しているかどうかを判断する判断手段とを有し、
前記判断手段により前記特定のユーザが該複数個の前記施錠可能な排紙部を使用していると判断した場合に、前記通知手段により前記特定のユーザに通知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記管理手段は、前記複数の施錠可能な排紙部の各々が使用されているかどうかを示す情報をさらに管理し、
前記判断手段は、前記管理手段の情報に基づき、未使用の施錠可能な排紙部があるかどうかをさらに判断し、
前記判断手段が未使用の施錠可能な排紙部がないと判断した場合は、前記通知手段により前記複数の施錠可能な排紙部を使用するユーザに通知することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記管理手段は、前記印刷物が前記施錠可能な排紙部に排紙された後、前記印刷物が前記施錠可能な排紙部に存在する時間をカウントするカウント手段をさらに有し、
前記カウント手段が基準時間をカウントした場合に、前記通知手段によって通知することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記判断手段により前記特定のユーザが前記複数個の前記施錠可能な排紙部を使用していると判断した場合に、前記カウント手段は前記基準時間を短く設定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記判断手段が未使用の施錠可能な排紙部がないと判断した場合に、前記カウント手段は前記基準時間を短く設定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
施錠可能な排紙部を複数備える画像形成装置にプリントジョブを送信する情報処理装置であって、
前記画像形成装置で管理される施錠可能な排紙部の使用状況を示す排紙部情報を取得する取得手段と、
前記プリントジョブを前記画像形成装置に送信するための指示を受付ける受付手段と、
前記受付手段により前記プリントジョブを前記画像形成装置に送信する指示を受付けた場合、前記取得手段により取得している排紙部情報に設定されたユーザ情報と、前記プリントジョブの実行を指示するユーザ情報とが一致するかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段が排紙部情報に設定されたユーザ情報と、前記プリントジョブを指示するユーザ情報とが一致すると判断した場合、前記画像形成装置の前記施錠可能な排紙部に排紙された印刷物を取り出すためのメッセージを表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記施錠可能な排紙部に排紙された印刷物を取り出したかどうかを確認する確認手段をさらに有し、
前記確認手段が前記施錠可能な排紙部に排紙された印刷物を取り出していないと判定した場合は、前記プリントジョブの実行を制限することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
複数の施錠可能な排紙部を備え、受信したジョブに基づいて画像形成した印刷物を前記複数の施錠可能な排紙部のうちいずれかの施錠可能な排紙部に排紙する画像形成装置の制御方法であって、
印刷物が排紙された前記施錠可能な排紙部の情報と該印刷物を取り出すべきユーザの情報とを対応づけて管理する管理工程と、
前記管理工程に管理された情報に基づき、前記施錠可能な排紙部に排紙された印刷物を取り出すことを促すべく前記印刷物を取り出すべきユーザに通知する通知工程と、
前記管理工程に管理された情報に基づき、特定のユーザが複数個の前記施錠可能な排紙部を使用しているかどうかを判断する判断工程とを有し、
前記判断工程により前記特定のユーザが該複数個の前記施錠可能な排紙部を使用していると判断した場合に、前記通知工程により前記特定のユーザに通知することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8項に記載の画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
施錠可能な排紙部を複数備える画像形成装置にプリントジョブを送信する情報処理装置の制御方法であって、
前記画像形成装置で管理される施錠可能な排紙部の使用状況を示す排紙部情報を取得する取得工程と、
前記プリントジョブを前記画像形成装置に送信するための指示を受付ける受付工程と、
前記受付工程により前記プリントジョブを前記画像形成装置に送信する指示を受付けた場合、前記取得工程により取得している排紙部情報に設定されたユーザ情報と、前記プリントジョブの実行を指示するユーザ情報とが一致するかどうかを判断する判断工程と、
前記判断工程が排紙部情報に設定されたユーザ情報と、前記プリントジョブを指示するユーザ情報とが一致すると判断した場合、前記画像形成装置の前記施錠可能な排紙部に排紙された印刷物を取り出すためのメッセージを表示する表示工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
前記施錠可能な排紙部に排紙された印刷物を取り出したかどうかを確認する確認工程をさらに有し、
前記確認工程が前記施錠可能な排紙部に排紙された印刷物を取り出していないと判定した場合は、前記プリントジョブの実行を制限することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
請求項10又は11項に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−264601(P2010−264601A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115553(P2009−115553)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】