説明

画像形成装置、画像形成システム、及び画像形成方法

【課題】
地紋パターンの印刷可能領域の可読画像である印刷データに対する印刷制限を解除することが可能な画像形成装置、画像形成システム、及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】
所定の波長の光を吸収する第1の現像剤を用いて現像剤像を形成する第1の現像部と、所定の波長の光を透過する第2の現像剤を用いて現像剤像を形成する第2の現像部と、第1の現像部による地紋画像の印刷を制御し、第2の現像部による印刷画像の印刷を制御する制御部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等で使用される媒体上に印刷画像を形成する画像形成装置、画像形成システム、及び画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式、インクジェット方式、又は熱転写方式等によるプリンタ、複写機、又は複合機等の画像形成装置において、所定の情報を地紋パターン化し、当該地紋パターンを印刷画像に重ね合わせて印刷することで、重要な文書データの漏洩を防止する方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、上位装置から送信されたデータを解析して再編集した埋め込み情報を基に形成された地紋パターンデータと可読画像である印刷データとを合成し、媒体に画像形成を行う発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−219368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1記載の画像形成装置では、地紋パターンデータで表現される画像と印刷データで表現される画像とが媒体上に重ねて印刷される。したがって、地紋パターンデータの画像と印刷データの画像とが重なった部分では、地紋パターンに付与された情報の判読が困難となるため、地紋パターンの印刷可能領域が印刷データによって限定されてしまうといった問題があった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、地紋パターンの印刷可能領域の可読画像である印刷データに対する印刷制限を解除することが可能な画像形成装置、画像形成システム、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる画像形成装置は、所定の波長の光を吸収する第1の現像剤を用いて現像剤像を形成する第1の現像部と、所定の波長の光を透過する第2の現像剤を用いて現像剤像を形成する第2の現像部と、第1の現像部による地紋画像の印刷を制御し、第2の現像部による印刷画像の印刷を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる画像形成装置は、所定の波長の光を吸収する第1の現像剤を用いて第1の現像剤像を形成する第1の現像部と、所定の波長の光を透過する第2の現像剤を用いて第2の現像剤像を形成する第2の現像部と、第1と第2の現像剤像が転写される媒体を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される媒体に転写される第1と第2の現像剤像の内、第1の現像部による地紋画像の印刷を制御し、第2の現像部による印刷画像の印刷を制御する制御部と、を備え、制御部による制御に基づき現像部で形成された第1と第2の現像剤像が媒体に印刷される際、第2の現像剤像は第1の現像剤像の上層に形成されることを特徴とする。
【0009】
そして、本発明にかかる画像形成システムは、所定の波長の光を吸収する第1の現像剤を用いて現像剤像を形成する第1の現像部と、所定の波長の光を透過する第2の現像剤を用いて現像剤像を形成する第2の現像部と、第1の現像部による地紋画像の印刷を制御し、第2の現像部による印刷画像の印刷を制御する制御部と、を備えた画像形成装置と、所定の波長の光線で地紋画像を読み取る画像読取装置と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる画像形成システムは、所定の波長の光を吸収する第1の現像剤を用いて第1の現像剤像を形成する第1の現像部と、所定の波長の光を透過する第2の現像剤を用いて第2の現像剤像を形成する第2の現像部と、第1と第2の現像剤像が転写される媒体を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される媒体に転写される第1と第2の現像剤像の内、第1の現像部による地紋画像の印刷を制御し、第2の現像部による印刷画像の印刷を制御する制御部と、を備え、制御部による制御に基づき現像部で形成された第1と第2の現像剤像が媒体に印刷される際、第2の現像剤像を第1の現像剤像の上層に形成する画像形成装置と、所定の波長の光線で地紋画像を読み取る画像読取装置と、を備えることを特徴とする。
【0011】
そして、本発明にかかる画像形成方法は、所定の波長の光を吸収する第1の現像剤を用いて第1の現像剤像を形成する工程と、所定の波長の光を透過する第2の現像剤を用いて第2の現像剤像を形成する工程と、第1と第2の現像剤像が転写される媒体を搬送する工程と、搬送工程で搬送される媒体に転写される第1と第2の現像剤像の内、第1の現像部で地紋画像の印刷を行い、第2の現像部で印刷画像の印刷を行う工程と、転写部が現像部で形成された第1と第2の現像剤像が媒体に転写される際、第1の現像剤像の上層に第2の現像剤像が形成される順で媒体に現像剤層を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、地紋パターンの印刷可能領域の可読画像である印刷データに対する印刷制限を解除することが可能な画像形成装置、画像形成システム、及び画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像形成システムの構成例を説明するための制御ブロック図である。
【図2】RGB印刷データを説明するための図である。
【図3】地紋パターン画像を説明するための図である。
【図4】BkYMC印刷データを説明する図である。
【図5】印刷部の構成を説明するための構成図である。
【図6】印刷データ変換部、及び印刷データ解析部による処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】Bk画像データの色変換処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】Bk画像データ変換部が生成したBk画像変換データと、印刷データ解析部により転送されたY画像データ、M画像データ、及びC画像データと、の合成処理を説明するフローチャートである。
【図9】Bk現像剤を用いてBk画像データで表現される画像を印刷した結果と、その読み取り結果を示す図である。
【図10】Bk現像剤を用いてBk画像データで表現される画像を印刷した結果と、その読み取り結果を示す図である。
【図11】画像形成システムの構成例を説明するための制御ブロック図である。
【図12】印刷部の構成を説明するための構成図である。
【図13】Y現像剤、M現像剤、及びC現像剤を用いてBk画像データで表現される画像を印刷し、地紋隠蔽画像データで表現される地紋隠蔽画像をW現像剤を用いて印刷した結果と、読み取り装置で読み取った読み取り結果を示す図である。
【図14】画像形成システムの構成例を説明するための制御ブロック図である。
【図15】印刷部の構成を説明するための構成図である。
【図16】媒体上に形成された現像剤層の断面を示す図である。
【図17】印刷部の構成を説明するための構成図である。
【図18】印刷部の構成を説明するための構成図である。
【図19】媒体上に形成された現像剤層の断面を示す図である。
【図20】媒体上に形成された現像剤層の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0015】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態においては、本発明を適用した画像形成装置としてのプリンタ1を備えた画像形成システムについて説明する。
【0016】
図1は、プリンタ1と、信号ケーブル等の電気的接続手段によりプリンタ1と接続され、ユーザから印刷実行指示を受けると、プリンタ1に対して指定されたRGB印刷データを送信するパーソナルコンピュータ(PC)等の上位装置2と、媒体上に印刷された地紋画像データに基づくパターン画像(以下、地紋パターン画像と称する)を読み取る、読み取り装置36と、を備える画像形成システムの構成例の一例を説明する制御ブロック図である。
【0017】
上位装置2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置、キーボードやマウスといった入力装置等を備える図示せぬハードウェアと、ユーザにより入力装置を介して入力された情報に基づきカラー画像イメージと地紋イメージとから構成される出力データを作成するアプリケーション201と、ドライバ202と、を備える。そして、ドライバ202は、アプリケーション201で作成された出力データからRGB印刷データ3を生成するPDL(Page Description Language)データ生成部203、及び当該RGB印刷データ3をプリンタ1に対して送信するデータ送信部204を備える。
【0018】
ここで、RGB印刷データ3とは、図2に示すように、地紋イメージから生成される地紋画像データ3aと、カラー画像イメージから生成されるR(Red)画像データ3b、G(Green)画像データ3c、B(Blue)画像データ3dと、図示せぬ印刷ジョブデータと、を備える。なお、この印刷ジョブデータ内には、RGB印刷データ3が地紋画像データ3aを含むか否かを識別するための図示せぬ識別子が含まれる。なお、本実施形態においては、地紋画像データ3aで表現される地紋パターン画像3Aとは、図3に示すような、50〜100μm程度のサイズのドットにて形成されるパターン画像であり、このようなパターン画像においては、所定の位置に配置されたドットの組み合わせにより、例えば、文字情報等を付与させることができる。
【0019】
次に、プリンタ1の制御ブロックについて説明する。プリンタ1は、通信部4と、制御部5と、画像データ生成部6と、印刷部16と、を備える。
【0020】
通信部4は、例えば、通信ケーブル等の電気的接続手段により、プリンタ1と上位装置2とを接続し、データの送受信を行う。制御部5は、プリンタ1の動作を統括的に制御する。画像データ生成部6は、上位装置2から受信したRGB印刷データ3から、BkYMC印刷データ3’を生成し、印刷部16で画像形成させる画像データに変換する。印刷部16は、画像データ生成部6が生成したBkYMC印刷データ3’を構成する各色の画像データを基に画像を媒体に印刷する。ここで、BkYMC印刷データ3’とは、図4に示すように、地紋画像データ3a、Bk画像データ3’b、Y画像データ3’c、M画像データ3’d、C画像データ3’eの各画像データにより構成されており、BkはBlack、YはYelow、MはMegenta、CはCyanの各色を示す。
【0021】
次に、画像データ生成部6の構成について説明する。画像データ生成部6は、印刷データ変換部7と、印刷データ解析部8と、印刷データ記憶部9と、Bk画像データ変換部10と、YMC画像データ変換部11と、を備える。
【0022】
印刷データ変換部7は、通信部4を介して受信した受信データであるRGB印刷データ3をプリンタ1で処理可能なBkYMC印刷データ3’に変換する。
【0023】
印刷データ解析部8は、印刷データ変換部7が変換したBkYMC印刷データ3’を解析すると共に、各色毎の変換部へ画像データを転送する。
【0024】
印刷データ記憶部9は、各色毎の変換部において処理された画像データを記憶する。
【0025】
Bk画像データ変換部10は、Bk画像の画像データであるBk画像データ3’bを所定の濃度単位毎にユニット化し、各濃度単位に応じてY、M、Cの各色に配分することで変換処理する。
【0026】
YMC画像データ変換部11は、Y画像データ3’c、M画像データ3’d、C画像データ3’eを変換処理する。
【0027】
なお、図1中のBk画像変換データ12は、Bk画像データ変換部10において変換処理された変換データを示し、同様に、Y画像変換データ13、M画像変換データ14、及びC画像変換データ15は、YMC画像データ変換部11において変換処理されたY画像データ3’c、M画像データ3’d、C画像データ3’eの変換データを示す。ここで、Bk画像データ変換部10によるBk画像データ3’bの変換は、例えば、濃度50%のBk画像をYMC画像データで表現させたい場合には、Y:40%、M:40%、C:40%の配分率で各色の画像を画素上の同位置に重ね合せるような画像データに変換することで行う。なお、このようなBk画像データからYMC画像データへの変換に際し、上記の配分率は一例であり、適宜配分率を変更して変換後の画像の色調、及び濃度を調整することが可能である。又、配分率は、各色の現像剤やプリンタの特性に影響されるため、予め装置毎に決定されていることが好ましい。
【0028】
次に、印刷部16について、図1、及び図5を用いて説明する。図5は、プリンタ1の印刷部16の構成を説明する概略図である。印刷部16は、現像器制御部17と、Bk、Y、M、及びCの各色に対応した現像部であるBk現像部18、Y現像部19、M現像部20、及びC現像部21と、を備える。
【0029】
現像器制御部17は、制御部5の制御に基づき、Bk現像部18、Y現像部19、M現像部20、及びC現像部21の各制御部を統括的に制御する。
【0030】
先述の通り、Bk現像部18、Y現像部19、M現像部20、及びC現像部21は、印刷部16の各色毎に備えられた現像部である。なお、各現像部は、形成する画像色の違い以外は構成が同じであるため、Bk現像部18を代表例として構成を説明する。
【0031】
図5に示すように、Bk現像部18は、感光体ドラム23を帯電させるための帯電ローラ22と、帯電ローラ22により帯電させられ、露光手段により静電潜像が形成される感光体ドラム23と、感光体ドラム23に対向して設けられ、印刷画像に応じた光を明滅することで感光体ドラム23表面を露光させる露光手段であるLED(Light Emitting Diode)ヘッド24と、本実施形態では黒色のトナーを用いたBk現像剤25と、現像剤収容器50に収容されたBk現像剤25を搬送する現像剤供給ローラ26と、感光体ドラム23に対向して設けられ、現像剤供給ローラ26から供給されるBk現像剤25を感光体ドラム23へ供給することで、静電潜像を現像剤像として現像する現像ローラ27と、を備える。
【0032】
なお、Y現像部19の現像剤収容器51、M現像部20の現像剤収容器52、及びC現像部21の現像剤収容器53には、それぞれY現像剤33、M現像剤34、C現像剤35を収容するものとする。
本実施形態においては、第1の現像剤としてのBk現像剤25には黒色の顔料であり、近赤外光を吸収する性質を有するカーボンブラックを用いるものとする。一方、媒体S上の第1の現像剤の現像剤層の上に層形成される第2の現像剤としての、カラー現像剤であるY現像剤33にはイソインドリン、キノフタロン等の顔料、M現像剤34にはキナクリドン、カーミン等の顔料、C現像剤35には銅フタロシアニン、アントラキノン等の近赤外光を透過する性質を有する顔料を用いるものとする。
【0033】
そして、印刷部16は、媒体Sの搬送経路を構成する部材として、図示せぬ媒体供給部から媒体Sを給紙する給紙ローラ対28と、給紙ローラ対28から給紙された媒体Sを搬送し、各現像部の感光体ドラムに対向して設けられた転写ローラ30により各色の現像部で形成された現像剤像を媒体Sに転写させる転写ベルト29と、媒体Sに転写された現像剤像を加熱、加圧することで媒体Sに定着させるための定着器31と、定着器31により現像剤像が定着された媒体Sをプリンタ1外部に排出するための排紙ローラ対32と、を備える。そして、図示せぬ媒体供給部から給紙ローラ28を介して給紙された媒体Sは、転写ベルト29により搬送される過程において、前述した各現像部において形成された現像剤像が順次転写される。なお、本実施形態においては、媒体Sの搬送方向上流側から下流側にかけて、第1の現像部であるBk現像部18で形成された第1の現像剤像としての現像剤像、第2の現像剤像としての第2の現像部であるY現像部19で形成された現像剤像、M現像部20で形成された現像剤像、及びC現像部21で形成された現像剤像が媒体Sに順次転写される。そして、各現像部において形成された現像剤像が媒体Sに転写された後、定着器31は、媒体Sに熱、及び圧力を付与することにより現像剤画像を定着させる。現像剤画像が定着された媒体Sは排紙ローラ対32によりプリンタ1外部に排出される。
【0034】
次に、読み取り装置36について説明する。読み取り装置36は、図示せぬ発光部と、受光部と、を備え、発光部が照射した所定の波長の照射光に対する対象物の反射光を受光部が読み取ることで、対象物の表面の状態、つまり、本実施形態では、媒体S上に印刷された印刷内容を読み取ることができる。なお、読み取り装置36は、所定の波長の光の発光と受光が行えれば良く、形状は様々であり、例えば、ペン型であり、ペン先で発光と受光を行う形状や、フラットベット型のスキャナ等でも構わない。また、ここで言う所定の波長とは、本実施形態では、近赤外光(波長:800nm〜1000nm)を示し、当該近赤外光は、先述の通り、カーボンブラックにより吸収される。
【0035】
次に、本実施形態にかかる画像形成システムの処理動作について説明する。
【0036】
まず、ユーザによる印刷開始指示により、上位装置2内のアプリケーション201は、作成されたカラー画像イメージ、及び地紋イメージに基づきスプールファイルを生成すると共に、生成したスプールファイルをドライバ202へ出力する。ここで、スプールファイルとは、アプリケーション201がドライバ202に対して渡す印刷データの中間データである。
【0037】
アプリケーション201から出力されたスプールファイルが入力されると、ドライバ202のPDLデータ生成部203は、プリンタ1に対して描画を指示するためのプログラム言語で記述されたPDLデータを生成する。具体的には、PDLデータ生成部203は、カラー画像イメージのRGB画像をR画像データ3b、G画像データ3c、B画像データ3dに分割すると共に、地紋イメージから地紋画像データ3aを生成する。そして、PDLデータ生成部203は、地紋画像データ3a、R画像データ3b、G画像データ3c、並びにB画像データ3dの画像データ、及び印刷ジョブデータを含むRGB印刷データ3を生成する。ここで、印刷ジョブデータには、RGB印刷データ3が地紋画像データ3aを有することを識別するための識別子が付与され、さらに、R画像データ3b、G画像データ3c、及びB画像データ3dをY現像剤33、M現像剤34、及びC現像剤35にて、地紋画像データ3aをBk現像剤25で画像形成するための指示も含まれる。
【0038】
そして、データ送信部204は、PDLデータ生成部203が生成したRGB印刷データ3をプリンタ1の通信部4に対して送信する。
【0039】
次に、プリンタ1の画像データ生成部6内における印刷データ変換部7、及び印刷データ解析部8による処理動作について図6のフローチャートを用いて説明する。
【0040】
まず、ステップS101において、上位装置2のデータ送信部204から送信されたRGB印刷データ3を通信部4を介して受信すると、制御部5は、RGB印刷データ3を印刷データ変換部7へ転送させる。
【0041】
そして、印刷データ変換部7は、転送されたRGB印刷データ3のR画像データ3b、G画像データ3c、及びB画像データ3dをBk画像データ3’b、Y画像データ3’c、M画像データ3’d、及びC画像データ3’eに変換し、図4に示すBkYMC印刷データ3’を生成する(ステップS102)。
【0042】
印刷データ変換部7によりBkYMC印刷データ3’が生成されると、制御部5は、当該BkYMC印刷データ3’を印刷データ解析部8へ転送させる。
【0043】
そして、印刷データ解析部8は、転送されたBkYMC印刷データ3’内の各画像データを読み出すと共に(ステップS103)、前述した印刷ジョブデータ内に含まれる識別子に基づいて識別し、当該BkYMC印刷データ3’内に地紋画像データ3aが含まれるか否かを判断する(ステップS104)。
【0044】
ここで、識別した結果、BkYMC印刷データ3’内に地紋画像データ3aが含まれていないと判断した場合(ステップS104 N)、印刷データ解析部8は、BkYMC印刷データ3’を印刷データ記憶部9へ転送する(ステップS105)。
【0045】
一方、識別した結果、BkYMC印刷データ3’内に地紋画像データ3aが含まれると判断した場合(ステップS104 Y)、印刷データ解析部8は、BkYMC印刷データ3’内の地紋画像データ3a、Bk画像データ3’b、Y画像データ3’c、M画像データ3’d、C画像データ3’eに対してそれぞれ転送処理を行う。
【0046】
つまり、読み出した画像データが地紋画像データ3aである場合(ステップS106 Y)、印刷データ解析部8は、当該地紋画像データ3aを印刷データ記憶部9へ転送する(ステップS107)。
【0047】
一方、読み出した画像データが地紋画像データ3aではなく(ステップS106 N)、Bk画像データ3’bである場合(ステップS108 Y)、印刷データ解析部8は、当該Bk画像データ3’bをBk画像データ変換部10へ転送する(ステップS109)。
【0048】
さらに、読み出した画像データがBk画像データ3’bではなく(ステップS108 N)、Y画像データ3’c、M画像データ3’d、又はC画像データ3’eの何れかである場合(ステップS110 Y)、印刷データ解析部8は、当該Y画像データ3’c、M画像データ3’d、又はC画像データ3’eの何れかをYMC画像データ変換部11へ転送する(ステップS111)。
【0049】
そして、印刷データ解析部8による転送処理は、全てのBkYMC印刷データ3’の転送処理が終了した時点で終了する(ステップS112 Y)。
【0050】
次に、Bk画像データ変換部10が実行するBk画像データ3’bの色変換処理について図7のフローチャートを用いて説明する。
【0051】
まず、Bk画像データ変換部10は、図6のステップS109において、印刷データ解析部8から転送されたBk画像データ3’bを、例えば、Bk濃度XX%、Bk濃度YY%、Bk濃度ZZ%といった所定の濃度単位毎にユニット化する(ステップS201)。
【0052】
次に、ステップS202において、Bk画像データ変換部10は、ユニット化したBk濃度単位毎にY色、M色、C色の各色へ配分する。
【0053】
具体的には、ユニット化したBk濃度がXX%の場合(ステップS203 Y)、Bk画像データ変換部10は、Bk濃度がXX%のユニットをY画像成分:△%、M画像成分:△%、C画像成分:△%の配分比率の画像データに変換する(ステップS204)。
【0054】
また、ユニット化したBk濃度がYY%の場合(ステップS205 Y)、Bk画像データ変換部10は、Bk濃度がYY%のユニットをY画像成分:□%、M画像成分:□%、C画像成分:□%の配分比率の画像データに変換する(ステップS206)。
【0055】
さらにまた、ユニット化したBk濃度がZZ%の場合(ステップS207 Y)、Bk画像データ変換部10は、Bk濃度がZZ%のユニットをY画像成分:○%、M画像成分:○%、C画像成分:○%の配分比率の画像データに変換する(ステップS208)。
【0056】
次に、Bk画像データ変換部10は、ステップS204、ステップS206、及びステップS208において変換した画像データを統合することでBk画像変換データ12を生成すると共に(ステップS209)、生成したBk画像変換データ12をYMC画像データ変換部11へ転送する(ステップS210)。
【0057】
そして、Bk画像データ変換部10による変換処理は、印刷データ解析部8から転送されたBk画像データ3’bにおいて、ユニット化した全ての画像データの変換処理が終了した時点で終了する(ステップS211 Y)。
【0058】
次に、図7のステップS209において、Bk画像データ変換部10が生成したBk画像変換データ12と、図6のステップS111において、印刷データ解析部8により転送されたY画像データ3’c、M画像データ3’d、及びC画像データ3’eと、の合成処理について図8のフローチャートを用いて説明する。
【0059】
まず、YMC画像データ変換部11は、図7のステップS210において、Bk画像データ変換部10から転送されたBk画像変換データ12のY画像成分、M画像成分、及びC画像成分を呼び出す(ステップS301)。
【0060】
次に、YMC画像データ変換部11は、呼び出した画像成分がY画像成分である場合(ステップS302 Y)、このY画像成分と、印刷データ解析部8により転送されたY画像データ3’cと、を合成することでY画像変換データ13を生成すると共に(ステップS303)、生成したY画像変換データ13を印刷データ記憶部9へ転送する(ステップS304)。
【0061】
また、YMC画像データ変換部11は、呼び出した画像成分がM画像成分である場合(ステップS305 Y)、このM画像成分と、印刷データ解析部8により転送されたM画像データ3’dと、を合成することでM画像変換データ14を生成すると共に(ステップS306)、生成したM画像変換データ14を印刷データ記憶部9へ転送する(ステップS304)。
【0062】
さらにまた、YMC画像データ変換部11は、呼び出した画像成分がC画像成分である場合(ステップS307 Y)、このC画像成分と、印刷データ解析部8により転送されたC画像データ3’eと、を合成することでC画像変換データ15を生成すると共に(ステップS308)、生成したC画像変換データ15を印刷データ記憶部9へ転送する(ステップS304)。
【0063】
そして、YMC画像データ変換部11による変換処理は、Bk画像データ変換部10から転送された全てのBk画像変換データ12の変換処理が終了した時点で終了する(ステップS309)。
【0064】
このように、Bk画像データ3’b、Y画像データ3’c、M画像データ3’d、及びC画像データ3’eにより4色で表現される印刷画像は、上記の変換・合成処理によってYMCの3色で表現されるように変換される。
【0065】
そして、制御部5は印刷データ記憶部9内に格納された各画像データに応じて現像器制御部17に対して画像形成の指示を与える。指示を受けた現像器制御部17は、地紋画像データ3aに対応する地紋パターン画像3AをBk現像部18にて、Bk画像データ3’bの画像情報が付与されたY画像変換データ13に対応する画像をY現像部19にて、Bk画像データの3’bの画像情報が付与されたM画像変換データ14に対応する画像をM現像部20にて、Bk画像データ3’bの画像情報が付与されたC画像変換データ15に対応する画像をC現像部21にで画像形成するように、Bk現像部18、Y現像部19、M現像部20、及びC現像部21の各現像部を制御する。
【0066】
次に、再び図5を参照して、プリンタ1の画像形成動作について説明する。
【0067】
制御部5からの印刷開始指示を受けると、現像器制御部17は、図示せぬ高圧電源を制御することにより、Bk現像部18内の帯電ローラ22に負の電圧を印加させ、感光体ドラム23の表面を負に帯電させる。そして、現像器制御部17は、LEDヘッド24の明滅を制御することにより、地紋画像データ3aの情報に基づく光を感光体ドラム23の表面に照射させる。感光体ドラム23は回転しながら、LEDヘッド24から照射された光を受光することにより、光を受光した部分、すなわち、地紋パターン画像3Aが形成される部分のみの負の電荷の帯電量が減少し、静電潜像が形成される。
【0068】
一方、Bk現像部18の現像剤収容器50に収容されたBk現像剤25は、現像剤供給ローラ26、及び現像ローラ27により感光体ドラム23へと搬送される過程において、負の電荷を与えられ、感光体ドラム23表面の負の電荷の帯電量が減少している部分にのみ付着する。
【0069】
そして、上記動作と同時に、制御部5は、図示せぬ給紙・搬送制御部、ローラ類駆動制御部等へ印刷開始指示を出力し、媒体Sを印刷部16へと搬送開始させる。
【0070】
給紙ローラ対28により搬送された媒体SがBk現像部18に到達すると、転写ベルト29内部に設けられた転写ローラ30に図示せぬ高圧電源から印加された正の電圧により発生する電界の作用により、Bk現像剤25にて形成された地紋パターン画像3Aが、転写ベルト29により感光体ドラム23表面から媒体S表面に転写される。
【0071】
引き続き、現像器制御部17は、Y画像変換データ13、M画像変換データ14、及びC画像変換データ15の情報に基づき、LEDヘッド24等を制御してY現像部19にてY現像剤33、M現像部20にてM現像剤34、及びC現像部21にてC現像剤35を用いた各現像剤像が感光体ドラム23表面上に形成され、転写ベルト29により搬送される媒体S表面に順次転写される。このとき、先述の通り、Y現像剤33、M現像剤34、及びC現像剤35には所定の波長の光(本実施形態においては、近赤外光)を透過する顔料が用いられている。
【0072】
転写ベルト29により、図5中の矢印方向に搬送された媒体Sは、定着器31により熱、及び圧力が付与されることで現像剤像が定着される。そして、現像剤像が定着された媒体Sは、排紙ローラ対32によりプリンタ1外部へと排出され、画像形成動作は完了する。
【0073】
次に、地紋パターン画像3Aが付与されたカラー画像印刷媒体の情報読み取り動作について説明する。本実施形態において対象とする地紋パターン画像3Aは、先述の通り、図3に示されるような50〜100μm程度のサイズのドットにて形成されるパターン画像であり、肉眼ではパターンの詳細形状を判断しづらいものである。
【0074】
図3中の左図に示す例では、地紋パターン画像3Aは、直線状に配置されたドットとランダムに配置されたドットとが混在した配列のドットパターンとなっており、ランダムに配置されたドットの位置関係を所定のアルゴリズムにより解析することで、予め付与された情報を一意的に読み取ることができる。なお、図3においては、説明のために直線状に配置されたドットを一点鎖線で結んでいるが、実際にはドット以外の画像は媒体Sに印刷されていない。
【0075】
ここで、Bk現像剤25は、所定の波長の光を吸収する顔料、本実施形態においては、カーボンブラックを顔料として用いているため、近赤外光を吸収する性質を有する。
【0076】
図9に従来の方法により、Bk現像剤25を用いてBk画像データ3’bで表現される画像を印刷した結果と、その読み取り結果を示す。また、図10には、本実施形態において、Y現像剤33、M現像剤34、及びC現像剤35を用いてBk画像データ3’bで表現される画像を印刷した結果と、その読み取り結果を示す。
【0077】
図9に示す従来の方法で形成された印刷画像においては、地紋画像データ3aに基づく地紋パターン画像3Aと○印部分とがBk現像剤25を用いて形成されている。したがって、光源として800〜1000nmの波長を有する近赤外光を使用した読み取り装置36を用いて当該画像を読み取ると、○印が読み取り画像として読み取られてしまう。これは、読み取り装置36から照射される、800〜1000nmの波長を有する照射光37が地紋パターン画像3Aと○印部分とを形成するBk現像剤25により吸収され、媒体Sからの反射光38が減少するためである。
【0078】
これに対して、図10に示す本実施形態にかかる方法で形成された印刷画像においては、○印やイラスト画像の部分がY現像剤33、M現像剤34、及びC現像剤35で形成されている。したがって、読み取り装置36から照射される、800〜1000nmの波長を有する照射光37は○印やイラスト画像の部分を透過し、○印やイラスト画像の部分が読み取り画像として読み取られることがない。その結果、下層に形成されているBk現像剤25で形成された地紋パターン画像3Aを正確に読み取ることができる。
【0079】
本実施形態の使用の一例として、図9、又は図10に示す印刷において、ラケット画像部分の下層の地紋パターン画像3Aに、インターネット上のテニス場のホームページアドレス情報が付与されている場合を例として説明する。本実施形態に対応したPC等に接続された読み取り装置36を用いて、同じく本実施形態に即して印刷された図10の印刷画像のラケット画像部分を読み取ると、読み取り装置36は、ラケット画像部分の下層の地紋パターン画像3Aとして印刷されているテニス場のアドレス情報を読み取ることができる。そして、読み取られたアドレス情報を元にブラウザ等を介してテニス場のホームページ情報、つまりテニス場の紹介がPCに接続されたモニタ等の表示装置に表示させることができる。そして、例えば、ユーザがテニスに参加する意思表明のために、テニスに参加する意思表明の入力を受付ける印刷画像上の○印部分を読み取り装置36で読み取ると、予約画面や、料金表といった、追加情報が表示されるといった使用方法で利用される。
【0080】
なお、本実施形態においては、黒色の顔料にカーボンブラックを使用したBk現像剤25を用いて地紋パターン画像3Aを形成し、また、光源として800〜1000nmの波長を有する近赤外光を照射する読み取り装置を使用して、地紋パターン画像に付与された情報を取得する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、所定の波長の光を吸収する性質を有する顔料を主成分とした現像剤にて地紋パターン画像3Aを形成し、当該現像剤が吸収する波長の光を光源とする専用のスキャナや、カメラといった読み取り装置で情報を読み取ることができる構成であればよい。つまり、光の波長は、対象とする色によって形成される画像が特定できればよく、近赤外光以外の所定の波長を有する光を用いることも無論可能である。
【0081】
また、本実施形態においては、BkYMCの4色の現像剤を用いて印刷画像を形成するカラープリンタを一例として説明したが、現像剤の色、前述の色素の種類等を限定するものではなく、例えば、レッド、ブルー、グリーンや中間色の現像剤を含めた他の色の使用を制限するものではない。
【0082】
以上のように、第1の実施形態によれば、地紋画像データ以外のカラー画像データ内にBk画像を含む印刷データと地紋画像データとを印刷する際、地紋画像データ以外のBk画像を他の現像剤を使用して形成させる。したがって、可視光において、画像の下層に形成された地紋パターン画像でも読み取ることが可能となり、地紋画像データの印刷可能領域の可読画像である印刷データに対する印刷制限を解除することができる。
【0083】
[第2の実施形態]
第2の実施形態にかかる画像形成システムの構成は、プリンタ1’を除いて第1の実施形態にかかる画像形成システムの構成と略同一である。したがって、第2の実施形態の説明においては、第1の実施形態と同一な箇所については同一の符号を付して説明を省略し、異なる箇所について説明する。
【0084】
図11は、第2の実施形態にかかる画像形成システムの構成例の一例を説明する制御ブロック図である。第2の実施形態にかかる画像形成システムは、第1の実施形態が備えるプリンタ1に代えてプリンタ1’を備える。
【0085】
プリンタ1’は、通信部4と、制御部5と、画像データ生成部6’と、印刷部16’と、を備える。まず、画像データ生成部6’について説明し、次いで、印刷部16’について説明する。
【0086】
画像データ生成部6’は、第1の実施形態にかかる画像データ生成部6の構成に加えて、地紋隠蔽画像データ生成部39を備える。地紋隠蔽画像データ生成部39は、地紋画像データ3aに対して、当該地紋画像データ3aで表現される地紋パターン画像3Aの外形サイズよりもわずかに大きなサイズのベタ印刷画像(以下、地紋隠蔽画像と称する)のデータである地紋隠蔽画像データ40を生成する。そして、地紋隠蔽画像データ40は、地紋画像データ3aに対応する画像データであり、地紋隠蔽画像40Aは、地紋画像データ3aと同位置に異なる現像剤を用いて形成される。
【0087】
次に、印刷部16’について、図11、及び図12を用いて説明する。印刷部16’は、第1の実施形態にかかる印刷部16の構成に加えて、W現像部41を備える。W現像部41は、Bk現像部18において形成され、媒体Sに転写された地紋パターン画像3Aを隠蔽するための地紋隠蔽画像40Aを形成する。
【0088】
W現像部41は、上述したように、印刷画像の背景で一見印刷汚れに見える地紋パターン画像3Aを隠蔽するめの地紋隠蔽画像40AをW現像剤42を用いて形成する現像部である。したがって、W現像部41は、地紋パターン画像3Aと印刷画像とが媒体Sに転写されたときに、地紋パターン画像3Aの現像剤層よりも上層側に形成される第2の現像剤層であり、且つ、印刷画像を形成する、他の第2の現像剤であるY現像剤33、M現像剤34、及びC現像剤35の現像剤層よりも下層側に現像剤層を形成する必要がある。このため、本実施形態にかかるプリンタ1’では、図12に示すように、転写ベルト29による媒体搬送方向において、Bk現像部18に対して下流側の位置に、Y現像部19、M現像部20、及びC現像部21に対して上流側の位置にW現像部41は配置される。
【0089】
また、W現像部41で形成される現像剤層は、印刷時に下層に転写される地紋パターン画像3Aを隠蔽する目的で形成される。そのためには、現像剤層を定着器31にて加熱、加圧することで、地紋パターン画像3Aが浮き出ることを防止する必要がある。したがって、本実施形態においては、通常の印刷画像で形成される現像剤層の層厚よりも厚くする方法を取る。一方で、必要以上に現像剤層を厚くすると、定着器31での現像剤像定着動作時において、現像剤が十分に熱を受けられず、現像剤が溶解しきれずに定着が不十分となる、所謂オフセットが発生する可能性があるため、現像剤層の厚さは、予め試験等により得られた最適値を適用することが好ましい。具体的には、本実施形態では、通常の印刷画像で形成される現像剤層の厚さが0.01mmであるところを、0.02mmとなるように調整する。なお、現像剤層の厚さは、例えば、現像ローラ27に印加される現像電圧や、現像ローラ28上の現像剤層の層厚を規制する図示せぬ規制部材の形状や、位置を調整することで最適化する。つまり、現像ローラ27から感光体ドラム23へのW現像剤42の供給量を調整することにより、現像剤層の層厚を最適化することができる。ここで、W現像部41に構成は、第1の実施形態で説明した、Bk現像部18、Y現像部19、M現像部20、又はC現像部21等の他の現像部の構成と同一である。ただし、現像剤の供給量を調整するために部材を変更する場合は、該当部材のみが異なる構成とする。
【0090】
次に、本実施形態にかかる画像形成システムの処理動作について説明する。なお、本実施形態においては、プリンタ1’の印刷データ変換部7が、RGB印刷データ3からBkYMC印刷データ3’を生成し、印刷データ解析部8へと転送する処理については、第1の実施形態と同様に行うことができる。
【0091】
本実施形態においては、例えば、印刷データ解析部8がBkYMC印刷データ3’に地紋画像データ3aが含まれていると判断した場合、地紋画像データ3aのコピーデータを地紋隠蔽画像データ生成部39に転送する。
【0092】
そして、印刷データ解析部8から転送された地紋画像データ3aのコピーデータに基づき、地紋隠蔽画像データ生成部39は、当該地紋画像データ3aに対応する地紋隠蔽画像データ40を新たに生成すると共に、生成した地紋隠蔽画像データ40を印刷データ記憶部9に格納する。
【0093】
次に、図12を参照して、プリンタ1’の画像形成動作について説明する。
【0094】
第1の実施形態において説明したように、地紋画像データ3a、Bk画像データ3’bの画像情報が付与されたY画像変換データ13、Bk画像データの3’bの画像情報が付与されたM画像変換データ14、及びBk画像データ3’bの画像情報が付与されたC画像変換データ15のデータ生成が完了すると、まず、現像器制御部17は、Bk現像剤25にて形成された地紋パターン画像3Aを感光体ドラム23表面から媒体Sに転写させる。
【0095】
続けて、現像器制御部17は、W現像部41に対して地紋隠蔽画像データ40が表現する地紋隠蔽画像40AをW現像剤42で形成するよう指示を与える。指示を受けたW現像部41は、既に媒体S表面に転写された地紋パターン画像3Aを覆うように、つまり、地紋画像データ3aの画像情報から地紋パターン画像3Aの印刷領域を判断して地紋パターン画像3A全面にW現像剤42による地紋隠蔽画像40Aを形成する。
【0096】
ここで、本実施形態にかかる地紋隠蔽画像形成用のW現像剤42には、第1の実施形態において説明した所定の波長の光を透過する成分の顔料である既知の赤外線高透過性酸化チタン化合物等の顔料を用いる。したがって、印刷完了後に、光源として800〜1000nmの波長を有する近赤外光を使用した読み取り装置36を用いて、地紋パターン画像3Aの読み取りを行ったとしても、W現像剤42は、近赤外光を透過させる性質を有するため、地紋パターン画像を正常に読み取ることができる。
【0097】
一方で、地紋パターン画像3Aの上層には、W現像剤42で形成された地紋隠蔽画像40Aが形成されているため、地紋パターン画像3Aを目視で認識しづらくなっている。つまり、本実施形態によれば、印刷画像の周りに印刷され、印刷画像に対して汚れのように見えてしまう可能性のある地紋パターン画像3Aを隠蔽することができる。したがって、W現像剤42で形成された地紋隠蔽画像40A上に形成される画像を美観を保って印刷することができる。
【0098】
そして、現像器制御部17は、Y現像部19、M現像部20、及びC現像部21を制御して、各現像部にて形成された各色に対応する現像剤像を順次媒体Sに転写させる。
【0099】
転写ベルト29により、図12中の矢印方向に搬送された媒体Sは、定着器31により、熱、及び圧力が付与されることで現像剤像が定着される。そして、現像剤像が定着された媒体Sは、排紙ローラ対32によりプリンタ1’外部へと排出され、画像形成動作は完了する。
【0100】
図13には、本実施形態において、第1の実施形態と同様に、Y現像剤33、M現像剤34、及びC現像剤35を用いてBk画像データ3’bで表現される画像を印刷し、地紋隠蔽画像データ40で表現される地紋隠蔽画像40AをW現像剤42を用いて印刷した結果と、読み取り装置36で読み取った読み取り結果を示す。
【0101】
図13に示すように、可視光下では、W現像剤42にて形成された地紋隠蔽画像データ40で表現された地紋隠蔽画像40Aにより地紋パターン画像3Aは隠蔽され、Y現像剤33、M現像剤34、及びC現像剤35にて形成された○印は読み取られず、下層のBk現像剤25で形成された地紋パタン画像3Aのみを正確に読み取ることができる。
【0102】
<変形例1>
なお、W現像剤42について、好ましくは、可視光下では不透明な白色、又は淡色であるが、白色以外の淡色の顔料を使用する場合は、カラー画像の美観性を保つため、顔料の配合量を減少させて色調を調整する。また、印刷画像に対して地紋パターン画像3Aの隠蔽性や、カラー画像の美観性の低下を考慮しないのであれば、可視光下で透明な現像剤を前記現像剤の替わりに使用してもよい。例えば、本実施形態においては、W現像剤42として赤外線高透過性酸化チタン化合物を用いているが、地紋隠蔽パターン画像3Aが目立たない程度で、比較的地紋隠蔽を行いやすい色を選択する場合には、Y現像剤で使用するイソインドリン等の顔料を用いるとよい。
【0103】
<変形例2>
本実施形態においては、地紋画像データ3aで表現される地紋パターン画像3Aに対応する領域に地紋隠蔽画像データ40で表現される地紋隠蔽画像40Aを形成する構成としたが、本実施形態の応用として、地紋パターン画像3Aを構成する個々のドットを覆うだけの小さな領域にて地紋隠蔽画像データ40を形成すれば、W現像剤42の使用量を削減することができる。
【0104】
一方、地紋パターン画像3Aよりも広い領域を覆うように地紋隠蔽画像データ40を形成すれば、地紋パターン画像3Aを確実に覆うことができるため、地紋パターン画像3Aに対して地紋隠蔽画像40Aの印刷位置の微小なズレを許容することができるようになる。また、印刷画像に対する地色が安定するため、印刷画像品質が向上する。
【0105】
<変形例3>
媒体Sの表面全体を覆うように地紋隠蔽画像データ40で表現される地紋隠蔽画像40Aを形成する構成とすると、常時媒体Sに対してW現像剤42の現像剤層を形成することになるため、W現像部41の感光体ドラム23全面にW現像剤42を供給し、感光体ドラム23から媒体SへW現像剤42を転写することになる。したがって、地紋パターン画像3Aに対応した画像データ生成の処理とW現像部41のLEDヘッド24による静電潜像形成が不要となる。
【0106】
<変形例4>
例えば、特定の媒体のみを使用する場合、媒体の地色と地紋隠蔽画像データ40で表現される地紋隠蔽画像40Aの印刷色を近づけることで、媒体の地色と地紋隠蔽画像40Aの色の差の発生を妨げる。つまり、地紋隠蔽画像40Aの形成に用いられる現像剤の色を媒体の地色と同じ色に調色することで、地紋隠蔽画像40Aを目立たなくすることができる。また、W現像剤42を白色とした場合に発生し得る、地紋隠蔽画像40A、つまり、印刷画像の下地のW現像剤42の有無による印刷画像の色への影響を軽減することができる。
【0107】
<変形例5>
本実施形態においては、W現像剤42を用いつつ、且つ、フルカラー印刷を行う構成としているため、W現像部41を備える構成とした。しかし、例えば、モノクロ印刷を行うといった、特定の色で印刷する場合、プリンタ1’内に現像部を増設する必要はない。つまり、転写ベルト29の搬送方向において、地紋パターン画像3Aの印刷のためのBk現像部18と、地紋印刷隠蔽画像40Aの印刷のためにBk現像部18の下流側のY現像部19にW現像部41を配置し、黒色の印刷画像を印刷するためにM現像部20にカーボンブラックを用いない、例えば、YMC各色の現像剤を予め混合しておく合成黒色現像剤を用いて現像剤像を形成する合成Bk現像部を配置することで、現在のプリンタ1’に対して現像部を増設することなく本実施の形態を実施することが可能となる。
【0108】
<変形例6>
変形例6の構成は、図14に示す制御ブロック図、及び図15に示すプリンタ1’’の印刷部16’’の構成図に示される。
【0109】
変形例6においては、第2の実施形態における、W現像部41を地紋保護用の保護現像剤55とし、保護現像剤55により保護層を形成する保護層現像部54を用いて地紋パターン画像3A上に保護層を形成する構成とする。地紋保護用の保護現像剤55としては、W現像剤42を流用することができるが、印刷画像品質を問わない場合では、透明な現像剤を用いることもできる。
【0110】
また、図14において、第2の実施形態に対し、地紋隠蔽画像データ生成部39に替えて地紋保護データ生成部56を設け、印刷データ記憶部9へ地紋保護画像データ57を格納させる。なお、地紋保護画像データ57は、先述の地紋隠蔽画像データ40と同様な画像を形成する形態としてよいが、本実施形態では、地紋保護画像データ57は、地紋パターン画像3Aを保護する保護層形成を目的とするため、地紋保護画像データ57で表現される地紋保護画像57Aは、地紋パターン画像3Aよりも若干広範囲をカバーする画像とするのが好ましい。
【0111】
次に、プリンタ1’’の画像形成動作について説明する。
【0112】
まず、現像器制御部17は、搬送されてくる媒体Sに対して、Bk現像部18で現像された地紋パターン画像3Aに対応した地紋保護画像57Aを保護現像剤55を用いて保護層現像部54にて形成させる。そして、現像器制御部17は、Y現像部19、M現像部20、及びC現像部21にて形成された各色の現像剤像を媒体S表面に転写されるように制御する。
【0113】
このようにして、形成された現像剤層の例を図16に示す。図16は、媒体S上に形成された現像剤層の断面を示している。このように、Bk現像剤25にて形成された地紋パターン画像3Aを覆うように保護現像剤55によ地紋保護画像57Aが形成されているため、Y現像部19、M現像部20、及びC現像部21にて各現像剤像が転写されるときに、地紋パターン画像3AのBk現像剤25の一部がY現像部19、M現像部20、又はC現像部21の何れかの現像部に転写してしまう現象、いわゆる逆転写現象が発生しない。したがって、本実施形態によれば、良好な地紋パターン画像を媒体S上に保持することができる。このように、逆転写現象により、ドットで表現される地紋パターン画像3Aが乱されることがないため、読み取り装置36による地紋パターン画像3Aの読み取りを確実に行うことができる。
【0114】
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、地紋パターン画像の上層に地紋隠蔽画像を形成する構成としたため、Bk現像剤で形成された地紋パターン画像が隠蔽されると共に、カラー画像の色調や美観性が損なわれることが無く、また地紋パターン画像がカラー画像の背景となるため、印刷画質を向上させることができる。さらに、地紋パターン画像を媒体に転写後、媒体搬送方向下流に配置されたカラー現像部の感光体ドラム表面に地紋パターン画像を形成する現像剤の一部が逆転写されることによる地紋パターン画像の乱れを防止することができる。
【0115】
[第3の実施形態]
第1の実施形態、及び第2の実施形態では、搬送されてくる媒体Sに対して各現像部で形成された現像剤像を直接転写する直接転写方式を用いたプリンタを例として説明した。しかし、本発明は、図17に示すような、各現像部で形成された現像剤像を、一旦、一次転写ベルト58へ転写し、二次転写ローラ対59で搬送されてくる媒体Sに対して現像剤像を転写する中間転写方式のプリンタにも適用することができる。
【0116】
本実施形態においては、図17に示すように、一次転写ベルト58の駆動方向に対して、各現像部が、Y現像部19、M現像部20、C現像部21、W現像部41、及びBk現像部18の順で配置されている。各現像部で形成された現像剤像は、先述した順で一次転写ベルト58に順次転写され、二次転写ローラ対59により媒体Sへ転写される。これにより、媒体S上に形成される画像は、第2の実施形態の印刷結果と同じ、つまり図13に示す例と同じ結果を得ることができる。
【0117】
<変形例7>
第3の実施形態の中間転写方式のプリンタにおいて、地紋パターン画像3Aが2次転写ローラ対59間に到達する前に、静電気力によって媒体に部分的に転写されてしまう場合がある。ここで、変形例7として、中間転写方式のプリンタの場合の地紋パターン画像3Aの保護について説明する。
【0118】
図18に、変形例7にかかるプリンタの印刷部の構成を示す。なお、本変形例においては、4つの現像部を用いて先述の合成黒色現像剤72を用いてモノクロ印刷を行う場合を一例として示す。
【0119】
変形例7では、図18に示すように、一次転写ベルト58の駆動方向に対して、各現像部が、合成黒色現像部71、W現像部41、Bk現像部18、及び保護層現像部54の順で配置されている。なお、保護層現像部54は、透明な保護現像剤55を用いるものとする。
【0120】
このような構成を有するプリンタにより形成された現像剤層の例を図19に示す。図19は、媒体S上に形成された現像剤層の断面を示している。このように、本変形例によれば、一次転写ベルト58上から媒体S上に現像剤像が転写されるとき、一次転写ベルト58上に積層される現像剤が部分的に二次転写ローラ59対間に到達する前に現像剤像が媒体S側へ吸引される場合においても、最上層に形成されている保護現像剤55が転写される可能性はあるが、地紋パターン画像3A、及び印刷画像が乱れることはない。なお、本変形例では、モノクロ印刷を一例として説明したが、合成黒色現像部71にYMCの各カラー現像部を配置することで、カラー印刷も可能となる。
【0121】
<変形例8>
変形例7においては、地紋パターン画像3Aを保護する保護層を形成する保護層現像部54を備える構成とした。変形例8においては、変形例7の構成における媒体Sの搬送方向に対して、保護層現像部54、例えば、先述の合成黒色現像部等の印刷画像形成のための印刷画像形成現像部、地紋パターン画像3A形成のためのBk現像部18の順に各現像部を配置する。
【0122】
このような構成を有するプリンタにより形成された現像剤層の例を図20に示す。図20は、媒体S上に形成された現像剤層の断面を示している。現像部を上述の順に配置することで、画像全面の保護が可能となる。なお、印刷画像形成現像部とBk現像部18との間にW現像部41を配置することで、印刷画像を保護しつつ、第2の実施形態と同様に地紋パターン画像3Aの隠蔽も可能となる。
【0123】
以上のように、第3の実施形態によれば、第1の実施形態、及び第2の実施形態で説明した本発明を中間転写方式のプリンタに適用することができ、プリンタの転写方式に影響されず、第1の実施形態、及び第2の実施形態で説明した効果と同様な効果を得ることが可能となる。
【0124】
本発明は、特に、昨今のアノト印刷(アノト社)、グリッドマーク印刷(グリッドマーク社)の例のように、可視光外領域の波長の光を照射し、地紋パターン画像を形成する現像剤の吸収によって埋め込まれた情報を読み取る場合には、本発明は極めて有効である。
【0125】
本実施形態の説明においては、本発明を電子写真方式のプリンタに適用した形態について説明したが、本発明は上記記載に限定されず、例えば、同様な電子写真方式、インクジェット方式、又は熱転写方式のプリンタ、複写機、又はファクシミリ等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0126】
1、1’、1’’ プリンタ
2 上位装置
3 RGB印刷データ
3’ BkYMC印刷データ
3a 地紋画像データ
3A 地紋パターン画像
3b R画像データ
3c G画像データ
3d B画像データ
3’b Bk画像データ
3’c Y画像データ
3’d M画像データ
3’e C画像データ
4 通信部
5 制御部
6、6’ 画像データ生成部
7 印刷データ変換部
8 印刷データ解析部
9 印刷データ記憶部
10 Bk画像データ変換部
11 YMC画像データ変換部
12 Bk画像変換データ
13 Y画像変換データ
14 M画像変換データ
15 C画像変換データ
16、16’ 印刷部
17 現像器制御部
18 Bk現像部
19 Y現像部
20 M現像部
21 C現像部
22 帯電ローラ
23 感光体ドラム
24 LEDヘッド
25 Bk現像剤
26 現像剤供給ローラ
27 現像ローラ
28 給紙ローラ対
29 転写ベルト
30 転写ローラ
31 定着器
32 排紙ローラ対
33 Y現像剤
34 M現像剤
35 C現像剤
36 読み取り装置
33 Y現像剤
34 M現像剤
35 C現像剤
39 地紋隠蔽画像データ生成部
40 地紋隠蔽データ
40A 地紋隠蔽画像
41 W現像部
42 W現像剤
50、51、52、53 現像剤収容器
54 保護層現像部
55 保護現像剤
56 地紋保護データ生成部
57 地紋保護データ
57A 地紋保護画像
58 一次転写ベルト
59 二次転写ローラ対
71 合成黒色現像部
72 合成黒色現像剤
201 アプリケーション
202 ドライバ
203 PDLデータ生成部
204 データ送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の波長の光を吸収する第1の現像剤を用いて現像剤像を形成する第1の現像部と、
前記所定の波長の光を透過する第2の現像剤を用いて現像剤像を形成する第2の現像部と、
前記第1の現像部による地紋画像の印刷を制御し、前記第2の現像部による印刷画像の印刷を制御する制御部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の現像部は、
前記印刷画像と対応する画像を形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記所定の波長の光は、
赤外光であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の現像剤は、
カーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2の現像剤は、
イソインドリン、キノフタロン、キナクリドン、銅フタロシアニン、又はアントラキノンの何れかを含むことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項6】
所定の波長の光を吸収する第1の現像剤を用いて第1の現像剤像を形成する第1の現像部と、
前記所定の波長の光を透過する第2の現像剤を用いて第2の現像剤像を形成する第2の現像部と、
前記第1と第2の現像剤像が転写される媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される前記媒体に転写される前記第1と第2の現像剤像の内、前記第1の現像部による地紋画像の印刷を制御し、前記第2の現像部による印刷画像の印刷を制御する制御部と、を備え、
前記制御部による制御に基づき前記現像部で形成された前記第1と第2の現像剤像が前記媒体に印刷される際、前記第2の現像剤像は前記第1の現像剤像の上層に形成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記第2の現像部は、
前記印刷画像と対応する画像を形成することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1の現像剤像を覆う前記第2の現像剤像を印刷することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記所定の波長の光は、
赤外光であることを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1の現像剤は、
カーボンブラックを含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第2の現像剤は、
赤外線高透過性酸化チタン化合物、イソインドリン、キノフタロン、キナクリドン、カーミン、銅フタロシアニン、又はアントラキノンの何れかを含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第2の現像部は、
前記第1の現像部により形成された前記地紋画像を隠蔽する隠蔽画像を形成する隠蔽画像現像部を、更に備えることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第2の現像部は、
前記第1の現像部により形成された前記地紋画像を保護する保護画像を形成する保護画像現像部を、更に備えることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記現像剤画像の前記媒体への印刷は直接転写方式であることを特徴とる請求項1乃至13の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記現像剤画像の前記媒体への印刷は中間転写方式であることを特徴とる請求項1乃至13の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れかに記載の画像形成装置と、
前記所定の波長の光線で前記地紋画像を読み取る画像読取装置と、を備えることを特徴とすする画像形成システム。
【請求項17】
所定の波長の光を吸収する第1の現像剤を用いて第1の現像剤像を形成する工程と、
前記所定の波長の光を透過する第2の現像剤を用いて第2の現像剤像を形成する工程と、
前記第1と第2の現像剤像が転写される媒体を搬送する工程と、
前記搬送工程で搬送される前記媒体に転写される前記第1と第2の現像剤像の内、前記第1の現像部で地紋画像の印刷を行い、前記第2の現像部で印刷画像の印刷を行う工程と、
前記転写部が前記現像部で形成された前記第1と第2の現像剤像が前記媒体に転写される際、前記第1の現像剤像の上層に前記第2の現像剤像が形成される順で前記媒体に現像剤層を形成する工程と、を備えることを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−224144(P2010−224144A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70221(P2009−70221)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】