画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成方法
【課題】 シート材に印刷する書式フォームが異なっていても、書式フォームに依存した入力事項の入力効率を向上させ、入力ミスを軽減する。
【解決手段】 給紙部１９ａ、１９ｂには、書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置１７が添付されたシート材Ｂをセットする。受信部９は給紙部１９ａ、１９ｂから給紙されたシート材ＢのＲＦＩＤ装置１７から書式情報を受信する。入力部７は識別情報の入力を受け付ける。印刷部１１は給紙されたシート材Ｂに印刷する。印刷制御部３１は、受信部９で受信された書式情報に係る書式フォームを判別し、その識別情報に係る関連情報であって判別した書式フォームに該当する関連情報を表示して印刷データを作成し、当該印刷データをそのシート材Ｂに画像形成するようその印刷部１１を制御する。
【解決手段】 給紙部１９ａ、１９ｂには、書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置１７が添付されたシート材Ｂをセットする。受信部９は給紙部１９ａ、１９ｂから給紙されたシート材ＢのＲＦＩＤ装置１７から書式情報を受信する。入力部７は識別情報の入力を受け付ける。印刷部１１は給紙されたシート材Ｂに印刷する。印刷制御部３１は、受信部９で受信された書式情報に係る書式フォームを判別し、その識別情報に係る関連情報であって判別した書式フォームに該当する関連情報を表示して印刷データを作成し、当該印刷データをそのシート材Ｂに画像形成するようその印刷部１１を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成方法に係り、例えばプリンタ、複写機、ファクシミリ機、複合機（ＭＦＰ：Multi Function Peripheral）等の画像形成装置、これを用いた画像形成システムおよび画像形成方法の改良に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、ＩＣチップに商品や使用者に係る種々の情報を非接触で読み書き可能に構成したＩＣカードや無線ＩＣタグ、すなわちＲＦＩＤ（radio frequency identification）装置が使用されるようになってきた。
【０００３】
そして、画像形成装置において、そのＲＦＩＤ装置に種々の画像制御情報を格納してシート材に添付すれば、画像形成装置の使い勝手が向上すると考えられている。
【０００４】
例えば、特開２００５−１６９６４５号公報（特許文献１）の印刷制御装置はこの種のものである。
【０００５】
すなわち、この特許文献１は、印刷装置において、印刷用紙に貼付けた用紙タグから用紙タグリーダによって印刷用紙の種類に対応したＩＤ番号を読み出し、このＩＤ番号から特定される印刷フォームのフォーム情報に基づいてその印刷用紙に印刷する印刷情報の入力をユーザにガイダンスし、このガイダンスによってユーザが容易に印刷情報を設定可能に構成し、事前に印刷フォームが決まっている印刷用紙に対し、ガイダンスで設定した印刷情報を所定の印刷フォーム中に印刷できるようにしたものである。
【０００６】
また、特開２０００−２９６６５３号公報（特許文献２）の記録媒体も提案されている。
【０００７】
この特許文献２は、用紙種類や用紙サイズの情報を入力したＩＣチップを記録媒体に設け、印刷前にプリンタに送られる記録媒体の情報とＩＣチップ内の情報を照合させることにより、用紙種類やサイズを判別して種類やサイズの異なる記録媒体のセットミスを防ぐものである。
【０００８】
さらに、特開２００７−３８５４５号公報（特許文献３）の画像形成装置も提案されている。
【０００９】
この特許文献３は、フォーム画像が印刷された用紙に備えられたＩＣタグから、当該フォーム画像の電子データであるフォームデータを読み出して記憶し、指示された印刷ジョブの実行に使用される用紙にフォーム画像が印刷されているか否かを判断し、その判断結果に応じ、印刷ジョブに対応するフォーム画像と印刷ジョブに基づく印刷画像とが用紙材上に形成された印刷物を取得するための制御を行う構成を有し、フォーム画像が印刷された記録材が切れた場合であっても、保存されたフォームデータを利用し、フォーム画像と印刷画像とが記録材上に形成された印刷物を取得できるようにしたものである。
【特許文献１】特開２００５−１６９６４５号公報
【特許文献２】特開２０００−２９６６５３号公報
【特許文献３】特開２００７−３８５４５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
しかしながら、上述した特許文献１では、用紙タグから読み出したＩＤ番号に基づき特定される印刷フォームを自動的に印刷可能であるが、ユーザがガイダンスに従って印刷フォーム中に記載する項目を毎回入力する必要があり、人的入力ミスが発生し易いうえ、毎回の入力作業が繁雑にもなっていた。
【００１１】
また、特許文献２では、ＩＣチップを用いて種類やサイズの異なる記録媒体のセットミスを防ぐものであり、セットした記録媒体に印刷する印刷内容の入力作業を考慮するものではない。
【００１２】
さらに、引用文献３は、フォーム画像が印刷された記録材が切れた場合であっても、保存されたフォームデータを利用して印刷できるようにするものであり、印刷物に表示する表示内容の入力精度の向上や高効率化を図るものではなかった。
【００１３】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、異なる書式フォームへの入力項目の入力効率を向上させるとともに入力ミスを軽減することが可能な画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１４】
そのような課題を解決するために本発明の請求項１に係る画像形成装置は、書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置が添付されたシート材がセットされる給紙部と、この給紙部から給紙されたそのシート材の搬送過程でそのＲＦＩＤ装置から書式情報を受信する受信部と、識別情報の入力を受け付ける入力部と、給紙されたシート材に画像形成する印刷部と、その受信部で受信された書式情報に係る書式フォームを判別し、その識別情報に係る関連情報であって判別した書式フォームに該当する関連情報を表示して印刷データを作成し、当該印刷データをそのシート材に画像形成するようその印刷部を制御する印刷制御部と、を具備している。
【００１５】
本発明の請求項２に係る画像形成装置は、上記印刷制御部が、予め識別情報に係る関連情報を記憶した外部記憶部からネットワークを介して取り込んだその関連情報を表示してその印刷データを作成する構成を有するものである。
【００１６】
本発明の請求項３に係る画像形成装置は、上記印刷制御部が、そのネットワークを介して外部からその入力部を介して受け付けた識別情報に係る関連情報を表示してその印刷データを作成する構成を有するものである。
【００１７】
本発明の請求項４に係る画像形成装置は、上記関連情報がその識別情報に係る履歴情報であり、上記印刷制御部が、判別した書式フォームに該当するその履歴情報を表示してその印刷データを作成する構成を有するものである。
【００１８】
そして、本発明の請求項５に係る画像形成システムは、それら請求項１〜４いずれか１記載の画像形成装置と、この画像形成装置で画像形成する書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有する上記ＲＦＩＤ装置が添付された上記シート材と、を具備している。
【００１９】
また、本発明の請求項６に係る画像形成方法は、識別情報の入力を受け付ける入力工程と、書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置が添付されたシート材がセットされた給紙部から、当該シート材を給紙して搬送する搬送工程と、この搬送工程において上記ＲＦＩＤ装置から前記書式情報を受信部で受信する受信工程と、その受信部で受信された書式情報に係る書式フォームを判別し、予めその識別情報に係る関連情報を記憶した記憶部からその識別情報に係る関連情報であって判別したその書式フォームに該当する関連情報を読み出して該当箇所に表示して印刷データを作成する印刷データ作成工程と、給紙されたシート材に画像形成して印刷する印刷工程と、その印刷データをシート材に画像形成するようその印刷部を制御する印刷制御工程と、を具備している。
【００２０】
本発明の請求項７に係る画像形成方法では、上記印刷制御工程が、判別した書式フォームに該当し、予めその識別情報に係る関連情報として識別情報に係る履歴情報を記憶した記憶部から当該履歴情報を読み出して該当箇所に表示してその印刷データを作成する構成を有している。
【発明の効果】
【００２１】
このような本発明の請求項１に係る画像形成装置では、給紙部から給紙されたシート材の搬送過程でＲＦＩＤ装置から書式情報を受信部で受信し、識別情報の入力を入力部で受け付け、受信された書式情報に係る書式フォームを印刷制御部にて判別し、その識別情報に係り判別した書式フォームに該当する関連情報を表示して印刷データを作成し、当該印刷データをシート材に画像形成するようその印刷部を制御するから、シート材に印刷する書式フォームが異なっていても、識別情報といった必要最小限の情報を入力すれば、その書式フォームへの入力事項の入力効率を向上させ、入力ミスを軽減することが可能である。
【００２２】
本発明の請求項２に係る画像形成装置では、上記印刷制御部が、外部記憶部からネットワークを介して取り込んだ関連情報を表示してその印刷データを作成する構成を有するから、外部の情報処理装置にある記憶部に関連情報を格納して実施可能である。
【００２３】
本発明の請求項３に係る画像形成装置では、上記印刷制御部が、外部から受け付けた識別情報に基づいて関連情報を表示して印刷データを作成する構成を有するから、外部の情報処理装置から識別情報を入力して実施可能である。
【００２４】
本発明の請求項４に係る画像形成装置では、上記関連情報を履歴情報とし、上記印刷制御部がその履歴情報を表示してその印刷データを作成する構成を有するから、識別情報に関する時系列的な情報を表示して印刷可能である。
【００２５】
そして、本発明の請求項５に係る画像形成システムでは、それら請求項１〜４いずれか１記載の画像形成装置と、この画像形成装置で画像形成する書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有する上記ＲＦＩＤ装置が添付された上記シート材とを具備しているから、上述した画像形成装置と同様の効果を得ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２６】
以下、本発明に係る画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成方法の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明に係る画像形成装置および画像形成方法は本発明の画像形成システムを説明する過程で、医療関係帳票類を例にして説明する。
【００２７】
本発明の画像形成システムは、図１に示すように、画像形成装置Ａとこれに用いるシート材Ｂから構成されるが、画像形成装置Ａから説明する。
【００２８】
画像形成装置Ａは、主制御部１を中心にして画像読取部３、記憶部５、操作パネル部７、受信部９、印刷部１１、送受信部１３を有し、例えば複合機（ＭＦＰ）を構成している。なお、画像形成装置Ａは、これ以外の構成を有するが、本発明の要旨ではないので説明および図示を省略する。
【００２９】
画像読取部３は、主制御部１の制御の下、例えば印刷された複数頁の原稿から画像を光学的に読み込み、フィルタ処理等をして電子的印刷データを生成する公知のスキャナ等であり、図２中の本体ケース１５の上部に配置され、頁毎の画像データを記憶部５に記憶するよう制御されている。
【００３０】
図１の記憶部５は、画像読取部３からの読取り印刷データや送受信部１３からの後述する受信印刷データ、後述する書式フォーム、識別情報に係る関連情報、例えば履歴情報を記憶する他、主制御部１の動作プログラムを記憶した読み書き可能な例えばハードディスクである。
【００３１】
書式フォームは、例えば図３Ａに示すように、診察日、名前、処方した薬、次回診察日および料金を簡易的に表示する第１の書式フォーム、同図Ｂに示すように、同図Ａの第１の書式フォームに「診察内容」を加えて詳細表示した第２の書式フォーム、同図Ｃに示すように、過去の診察内容を複数表示した第３の書式フォームである。なお、図３Ａ〜Ｃの書式フォームは、印刷部１１にて印刷された状態で示している。
【００３２】
第１の書式フォームは、例えば症状が軽度の通常患者向けに印刷され、第２の書式フォームは、検診内容が詳細に必要な患者例えば幼児向けに印刷され、第３の書式フォームは、患者の要求によって詳細が必要な場合、過去の診察内容を確認したい場合に印刷される。
【００３３】
履歴情報（関連情報）は、例えば図４に示すように、Ａ列に診察券番号等の「管理番号」が割当られ、この管理番号に対応し、Ｂ列に「名前」、Ｃ列に「住所」、Ｄ列に「性別」、Ｅ列に「年齢」、Ｆ列に「診察日」、Ｇ列に「診察内容」、Ｈ列に「処方した薬」、Ｉ列に「次回診察日」が記載された医療関係情報データベースであり、事例が発生する都度、別途、自動的に入力更新されて予め記憶されている。
【００３４】
図３Ａ〜Ｃの書式フォームにおいて表示された表示項目、すなわち、診察日、名前、処方した薬、次回診察日、診察内容、過去の診察内容が、図４中の履歴情報におけるＢ列〜Ｉ列の「名前」〜「次回診察日」等にリンク該当している。
【００３５】
そして、後述するように、入力された管理情報に該当する図４の履歴情報中におけるＢ列〜Ｉ列の「名前」〜「次回診察日」の内容が、図３Ａ〜Ｃの書式フォーム中の表示項目に表示されて印刷される。
【００３６】
図１の操作パネル部７は、図２の本体ケース１５の上部に配置され、主制御部１の制御の下、種々の動作状態の表示が可能な表示部としての公知の液晶表示パネルと、装置の動作に係る画像が表示された箇所をタッチすることによって操作の受付ける入力部としての機能を有している。
【００３７】
操作パネル部７は、例えば、図５に示すように、印刷（コピー）処理、プリント処理、スキャナ処理、ファクシミリ送受信処理等の種々の操作指示や選択をする選択キー７ａの他、それらの操作に係る設定項目の設定変更やユーザを特定する識別情報（管理番号例えば診察券番号）を入力する公知の例えばテンキー７ｂ、スタートキー７ｃの他、装置の動作状況を表示する表示パネル部７ｄ等を有するタッチ式キーボードを有している。入力情報は主制御部１に出力され、表示パネル部７ｄには後述する書式エラーが表示される。
【００３８】
図１の受信部９は、主制御部１の制御の下、高周波信号を送信してシート材Ｂに添付されたＲＦＩＤ装置１７に対して書式情報の送信を要求し、ＲＦＩＤ装置１７からの高周波信号を受信して復調解読し、上述した図３Ａ〜Ｃの書式フォームを指示する書式情報を取得し、主制御部１に出力する機能を有している。
【００３９】
ＲＦＩＤ装置１７は、シート材Ｂに配置されたチップ状のものであり、図６に示すように、受信部９から発射されアンテナ部１７ａで受信した高周波信号を通信部１７ｂで復調整流した電源によって動作制御され、その高周波信号を受信したとき、当該ＲＦＩＤ装置１７の添付されたシート材Ｂに印刷すべき書式フォームを指示する書式情報を格納した記憶部１７ｄから当該書式情報を読み出すとともに、制御部１７ｃにてそれら書式情報を所定のフォーマット信号に形成し、このフォーマット信号を通信部１７ｂで高周波信号を変調してアンテナ部１７ａから発射する機能を有している。
【００４０】
なお、シート材Ｂは、Ａ４版とかＢ４版の従来公知の紙の印刷用紙であり、ＲＦＩＤ装置１７がその表裏面に貼り付けられたり、埋設されて添付されている。
【００４１】
印刷部１１は、上述した図２に示すように、本体ケース１５の下部に配置された大きさの異なるシート材Ｂがセットされる複数の給紙部１９ａ、１９ｂと、印刷データから印刷画像イメージデータに展開してトナーカセット（図示せず。）からのトナーでトナー現像してシート材Ｂにトナー像を転写する転写部２１と、転写されたシート材Ｂの転写画像を定着する定着部２３と、定着されたシート材Ｂを排紙する排紙部２５等を有するカラー又はモノクロ印刷エンジンである。
【００４２】
なお、上述した受信部９は、給紙部１９ａ、１９ｂから１次給紙したシート材Ｂの搬送路上であって転写部２１の手前、すなわち図示しないレジストローラ付近において、シート材Ｂに向けて配置されている。
【００４３】
図１に戻って、送受信部１３は、所定のプロトコルに従い、ネットワーク２７を介してコンピュータ等の情報処理装置２９との間で種々の情報、例えば印刷データを送受信するインターフェース部である。
【００４４】
主制御部１は、ＣＰＵやこのＣＰＵの動作プログラムを格納したＲＯＭを有して形成されており、上述した画像読取部３、記憶部５、操作パネル部７、受信部９、印刷部１１および送受信部１３等を制御するとともに、複合機の図示しない要素部を制御している。
【００４５】
主制御部１は、印刷部１１を制御する他、印刷動作が開始されてシート材Ｂが１次給紙され、シート材ＢのＲＦＩＤ装置１７から書式情報を受信部９から取得したとき、書式情報に係る書式フォームを判別して印刷部１１の印刷動作を制御する印刷制御部３１としての機能を有している。
【００４６】
印刷制御部３１は、受信部９で受信された書式情報に係る書式フォームを判別し、該当する書式フォームを記憶部５から読み出す一方、操作パネル部７から入力された識別情報に基づく記憶部５中の履歴情報の中から、判別した書式フォームに該当する項目を検索して表示した印刷データを作成し、当該印刷データを印刷部１１に出力してシート材Ｂに画像形成するよう印刷部１１を制御する機能を有している。
【００４７】
すなわち、上述した図３Ａ〜Ｃの第１〜第３の書式フォームにおいて表示された表示項目、すなわち、診察日、名前、処方した薬、次回診察日、診察内容、過去の診察内容について、記憶部５中に記憶された図３の履歴情報におけるＢ列〜Ｉ列の「名前」〜「次回診察日」等から管理番号に該当する項目を検索し、該当する「名前」〜「次回診察日」の内容を第１〜第３の書式フォーム中の該当表示項目に表示させた印刷データが作成され、印刷部１１に出力される。
【００４８】
次に、本発明の画像形成システムの動作を図７のフローチャートを参照して説明する。
【００４９】
プログラムが開始されると、ステップＳ１で印刷部１１の給紙部１９ａ、１９ｂにセットされたシート材Ｂを検出処理し、ステップＳ２にて操作パネル部７から管理番号の入力を受け付け処理し、ステップＳ３で印刷部１１が印刷処理を開始して給紙部１９ａ、１９ｂからシート材Ｂを１次給紙して搬送処理する。
【００５０】
続く、ステップＳ４にて受信部９がＲＦＩＤ装置１７から書式情報を読み取り処理し、ステップＳ５にて印刷制御部３１が記憶部５のデータベース（履歴情報）にアクセスし、ステップＳ６にて印刷制御部３１が該当する書式フォームがあるか否か判別する。
【００５１】
該当する書式フォームが検出されてステップＳ６がＹＥＳであれば、ステップＳ７にて印刷制御部３１が記憶部５から該当する書式フォームと必要な履歴情報を抽出し、検出された書式フォームの該当箇所に履歴情報を表示して印刷データを作成して印刷部１１に出力し、印刷する。
【００５２】
該当する書式フォームが検出されずにステップＳ６がＮＯであれば、ステップＳ８にて印刷制御部３１が操作パネル部７の表示パネル部７ｄに書式エラーを表示する（図５参照）。
【００５３】
続く、ステップＳ９にて指定された全ての印刷処理が終了したか否か判別され、印刷処理が終了せずにステップＳ９がＮＯであれば、ステップＳ９がＹＥＳになるまでステップＳ２〜Ｓ９を繰り返して終了する。
【００５４】
なお、これらの処理が本発明に係る画像形成方法に該当する。
【００５５】
このように本発明の画像形成装置Ａは、書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置１７が添付されたシート材Ｂがセットされる給紙部１９ａ、１９ｂと、この給紙部１９ａ、１９ｂから給紙されたそのシート材Ｂの搬送過程でそのＲＦＩＤ装置１７から書式情報を受信する受信部９と、識別情報の入力を受け付ける操作パネル部（入力部）７と、予めその識別情報に係る関連情報として履歴情報を記憶した記憶部５と、給紙されたシート材Ｂに画像形成する印刷部１１と、その受信部９で受信された書式情報に係る書式フォームを判別し、その識別情報に係る履歴情報であって判別した書式フォームに該当する履歴情報を表示して印刷データを作成し、当該印刷データをそのシート材に画像形成するようその印刷部１１を制御する印刷制御部３１と、を具備している。
【００５６】
そのため、シート材Ｂに埋め込まれたＲＦＩＤ装置１７から書式情報を読み取り、管理番号、例えば診療券番号といった必要最小限の情報を入力するだけで書式情報に対応する書式フォームに必要な情報を表示して印刷可能となり、シート材Ｂに印刷する書式フォームが異なっていても、該当する書式フォームに依存しかつ必要な履歴情報を表示して印刷することが可能である。
【００５７】
従って、上述した図３Ａ、Ｂに示すように、症状が軽度の通常患者向けに第１の書式フォームを印刷し、検診内容が詳細に必要な患者向けに第２の書式フォームを印刷することが可能で、それら診療履歴情報の入力が不要であるから、その書式フォームへの入力事項の入力効率を向上させるとともに、誤入力や入力漏れといった入力ミスを軽減することが可能である。本発明の画像形成システムにおいても同様である。
【００５８】
しかも、関連情報を履歴情報とし、印刷制御部がその履歴情報を表示して印刷データを作成するから、例えば、図３Ｃに示したように、診療券番号に該当する患者さんの時系列的な診療内容を表示した第３の書式フォームの印刷も可能である。
【００５９】
上述した本発明の画像形成装置Ａでは、内蔵する記憶部５に書式フォームおよび履歴情報を記憶するとともに、搭載した操作パネル部７から識別情報を入力する構成であったが、本発明はこれに限定されず、例えば、図１中の情報処理装置２９を用いて構成可能である。
【００６０】
すなわち、図１において、ネットワーク２７を介して画像形成装置Ａの送受信部１３に接続した情報処理装置２９に配置した外部記憶部としての記憶部２９ａに上述した書式フォームおよび履歴情報を記憶し、外部入力部としてのキーボード２９ｂから識別情報を情報処理装置２９に入力可能に構成することが可能である。
【００６１】
そして、キーボード２９ｂから識別情報を入力して情報処理装置２９から送受信部１３を介して画像形成装置Ａに入力するとともに、画像形成装置Ａの印刷制御部３１から送受信部１３を介して書式情報に対応する書式フォームとこれに対応する履歴情報の検索を情報処理装置２９に指示し、情報処理装置２９から書式フォームとこれに表示する履歴情報を送受信部１３から印刷制御部３１に入力するよう、主制御部１、印刷制御部３１、送受信部１３および情報処理装置２９を構成すれば良い。このように、送受信部１３は識別情報の入力部としても機能している。
【００６２】
なお、情報処理装置２９は、この構成以外にも種々の構成を有しているが、本発明の要部ではないので説明を省略する。
【００６３】
このような構成では、外部の情報処理装置２９から識別情報を入力したり、外部記憶部２９ａに関連情報（履歴情報）を格納して実施可能である。
【００６４】
そして、この構成においては、識別情報の入力と、書式フォームおよび関連情報の記憶との双方を情報処理装置２９側で実施する構成に限定されず、何れか一方の実施も可能である。
【００６５】
また、本発明において、上述した構成では、書式フォームおよび識別情報に関連する関連情報として、履歴情報、特に医療関係の診療履歴情報を例にしたが、本発明ではこれに限定されず、識別情報に関係する種々の関連情報で実施可能であるし、入力する識別情報としても診察券番号の他、名前、社員番号その他、使用者やユーザを特定できる符号において実施可能である。
【００６６】
さらに、上述した構成では、シート材Ｂに添付したＲＦＩＤ装置１７には、書式情報を記憶させ、これに該当する書式フォームを記憶部５、２９ａに記憶したが、本発明においては、ＲＦＩＤ装置１７に書式情報として書式フォーム自体を記憶させる構成も可能である。
【００６７】
ところで、本発明に係る画像形成方法に言及すれば、本発明の画像形成方法は、識別情報の入力を受け付ける入力工程と、書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置１７が添付されたシート材Ｂがセットされた給紙部１９ａ、１９ｂから、当該シート材Ｂを給紙して搬送する給紙搬送工程と、この搬送工程において上記ＲＦＩＤ装置１７から書式情報を受信部９で受信する受信工程と、その受信部９で受信された書式情報に係る書式フォームを判別し、予めその識別情報に係る関連情報を記憶した記憶部からその識別情報に係る関連情報であって判別したその書式フォームに該当する関連情報を読み出して該当箇所に表示して印刷データを作成する印刷データ作成工程と、給紙されたシート材Ｂに画像形成して印刷する印刷工程と、その印刷データをシート材Ｂに画像形成するよう印刷部１１を制御する印刷制御工程と、を具備しているから、上述した画像形成装置と同様の効果を得ることが可能である。
【００６８】
しかも、本発明の画像形成方法において、印刷制御工程が、判別した書式フォームに該当し、予めその識別情報に係る関連情報として識別情報に係る履歴情報を記憶した記憶部５、２９ａから当該履歴情報を読み出して該当箇所に表示してその印刷データを作成する構成においても、同様の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００６９】
【図１】本発明に係る画像形成システムの概略を示す概略ブロック図である。
【図２】本発明に係る画像形成装置の内部構成を説明する概略構成図である。
【図３】本発明に係る画像形成システムにおける書式フォーム例を説明する図である。
【図４】本発明に係る画像形成システムにおける関連情報例を説明する図である。
【図５】本発明における操作パネル部を示す図である。
【図６】本発明におけるＲＦＩＤ装置を説明するブロック図である。
【図７】本発明の画像形成システムの動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【００７０】
１ 主制御部
３ 画像読取部
５ 記憶部
７ 操作パネル部（入力部）
７ａ 選択キー
７ｂ テンキー
７ｃ スタートキー
７ｄ 表示パネル部
９ 受信部
１１ 印刷部
１３ 送受信部（入力部）
１５ 本体ケース
１７ ＲＦＩＤ装置
１７ａ アンテナ部
１７ｂ 通信部
１７ｃ 制御部
１７ｄ 記憶部
１９ａ、１９ｂ 給紙部（印刷部）
２１ 転写部（印刷部）
２３ 定着部（印刷部）
２５ 排紙部（印刷部）
２７ ネットワーク
２９ 情報処理装置（コンピュータ）
２９ａ 外部記憶部
２９ｃ キーボード（外部入力部）
３１ 印刷制御部
Ａ 画像形成装置（複合機）
Ｂ シート材
【技術分野】
【０００１】
本発明は画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成方法に係り、例えばプリンタ、複写機、ファクシミリ機、複合機（ＭＦＰ：Multi Function Peripheral）等の画像形成装置、これを用いた画像形成システムおよび画像形成方法の改良に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、ＩＣチップに商品や使用者に係る種々の情報を非接触で読み書き可能に構成したＩＣカードや無線ＩＣタグ、すなわちＲＦＩＤ（radio frequency identification）装置が使用されるようになってきた。
【０００３】
そして、画像形成装置において、そのＲＦＩＤ装置に種々の画像制御情報を格納してシート材に添付すれば、画像形成装置の使い勝手が向上すると考えられている。
【０００４】
例えば、特開２００５−１６９６４５号公報（特許文献１）の印刷制御装置はこの種のものである。
【０００５】
すなわち、この特許文献１は、印刷装置において、印刷用紙に貼付けた用紙タグから用紙タグリーダによって印刷用紙の種類に対応したＩＤ番号を読み出し、このＩＤ番号から特定される印刷フォームのフォーム情報に基づいてその印刷用紙に印刷する印刷情報の入力をユーザにガイダンスし、このガイダンスによってユーザが容易に印刷情報を設定可能に構成し、事前に印刷フォームが決まっている印刷用紙に対し、ガイダンスで設定した印刷情報を所定の印刷フォーム中に印刷できるようにしたものである。
【０００６】
また、特開２０００−２９６６５３号公報（特許文献２）の記録媒体も提案されている。
【０００７】
この特許文献２は、用紙種類や用紙サイズの情報を入力したＩＣチップを記録媒体に設け、印刷前にプリンタに送られる記録媒体の情報とＩＣチップ内の情報を照合させることにより、用紙種類やサイズを判別して種類やサイズの異なる記録媒体のセットミスを防ぐものである。
【０００８】
さらに、特開２００７−３８５４５号公報（特許文献３）の画像形成装置も提案されている。
【０００９】
この特許文献３は、フォーム画像が印刷された用紙に備えられたＩＣタグから、当該フォーム画像の電子データであるフォームデータを読み出して記憶し、指示された印刷ジョブの実行に使用される用紙にフォーム画像が印刷されているか否かを判断し、その判断結果に応じ、印刷ジョブに対応するフォーム画像と印刷ジョブに基づく印刷画像とが用紙材上に形成された印刷物を取得するための制御を行う構成を有し、フォーム画像が印刷された記録材が切れた場合であっても、保存されたフォームデータを利用し、フォーム画像と印刷画像とが記録材上に形成された印刷物を取得できるようにしたものである。
【特許文献１】特開２００５−１６９６４５号公報
【特許文献２】特開２０００−２９６６５３号公報
【特許文献３】特開２００７−３８５４５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
しかしながら、上述した特許文献１では、用紙タグから読み出したＩＤ番号に基づき特定される印刷フォームを自動的に印刷可能であるが、ユーザがガイダンスに従って印刷フォーム中に記載する項目を毎回入力する必要があり、人的入力ミスが発生し易いうえ、毎回の入力作業が繁雑にもなっていた。
【００１１】
また、特許文献２では、ＩＣチップを用いて種類やサイズの異なる記録媒体のセットミスを防ぐものであり、セットした記録媒体に印刷する印刷内容の入力作業を考慮するものではない。
【００１２】
さらに、引用文献３は、フォーム画像が印刷された記録材が切れた場合であっても、保存されたフォームデータを利用して印刷できるようにするものであり、印刷物に表示する表示内容の入力精度の向上や高効率化を図るものではなかった。
【００１３】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、異なる書式フォームへの入力項目の入力効率を向上させるとともに入力ミスを軽減することが可能な画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１４】
そのような課題を解決するために本発明の請求項１に係る画像形成装置は、書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置が添付されたシート材がセットされる給紙部と、この給紙部から給紙されたそのシート材の搬送過程でそのＲＦＩＤ装置から書式情報を受信する受信部と、識別情報の入力を受け付ける入力部と、給紙されたシート材に画像形成する印刷部と、その受信部で受信された書式情報に係る書式フォームを判別し、その識別情報に係る関連情報であって判別した書式フォームに該当する関連情報を表示して印刷データを作成し、当該印刷データをそのシート材に画像形成するようその印刷部を制御する印刷制御部と、を具備している。
【００１５】
本発明の請求項２に係る画像形成装置は、上記印刷制御部が、予め識別情報に係る関連情報を記憶した外部記憶部からネットワークを介して取り込んだその関連情報を表示してその印刷データを作成する構成を有するものである。
【００１６】
本発明の請求項３に係る画像形成装置は、上記印刷制御部が、そのネットワークを介して外部からその入力部を介して受け付けた識別情報に係る関連情報を表示してその印刷データを作成する構成を有するものである。
【００１７】
本発明の請求項４に係る画像形成装置は、上記関連情報がその識別情報に係る履歴情報であり、上記印刷制御部が、判別した書式フォームに該当するその履歴情報を表示してその印刷データを作成する構成を有するものである。
【００１８】
そして、本発明の請求項５に係る画像形成システムは、それら請求項１〜４いずれか１記載の画像形成装置と、この画像形成装置で画像形成する書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有する上記ＲＦＩＤ装置が添付された上記シート材と、を具備している。
【００１９】
また、本発明の請求項６に係る画像形成方法は、識別情報の入力を受け付ける入力工程と、書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置が添付されたシート材がセットされた給紙部から、当該シート材を給紙して搬送する搬送工程と、この搬送工程において上記ＲＦＩＤ装置から前記書式情報を受信部で受信する受信工程と、その受信部で受信された書式情報に係る書式フォームを判別し、予めその識別情報に係る関連情報を記憶した記憶部からその識別情報に係る関連情報であって判別したその書式フォームに該当する関連情報を読み出して該当箇所に表示して印刷データを作成する印刷データ作成工程と、給紙されたシート材に画像形成して印刷する印刷工程と、その印刷データをシート材に画像形成するようその印刷部を制御する印刷制御工程と、を具備している。
【００２０】
本発明の請求項７に係る画像形成方法では、上記印刷制御工程が、判別した書式フォームに該当し、予めその識別情報に係る関連情報として識別情報に係る履歴情報を記憶した記憶部から当該履歴情報を読み出して該当箇所に表示してその印刷データを作成する構成を有している。
【発明の効果】
【００２１】
このような本発明の請求項１に係る画像形成装置では、給紙部から給紙されたシート材の搬送過程でＲＦＩＤ装置から書式情報を受信部で受信し、識別情報の入力を入力部で受け付け、受信された書式情報に係る書式フォームを印刷制御部にて判別し、その識別情報に係り判別した書式フォームに該当する関連情報を表示して印刷データを作成し、当該印刷データをシート材に画像形成するようその印刷部を制御するから、シート材に印刷する書式フォームが異なっていても、識別情報といった必要最小限の情報を入力すれば、その書式フォームへの入力事項の入力効率を向上させ、入力ミスを軽減することが可能である。
【００２２】
本発明の請求項２に係る画像形成装置では、上記印刷制御部が、外部記憶部からネットワークを介して取り込んだ関連情報を表示してその印刷データを作成する構成を有するから、外部の情報処理装置にある記憶部に関連情報を格納して実施可能である。
【００２３】
本発明の請求項３に係る画像形成装置では、上記印刷制御部が、外部から受け付けた識別情報に基づいて関連情報を表示して印刷データを作成する構成を有するから、外部の情報処理装置から識別情報を入力して実施可能である。
【００２４】
本発明の請求項４に係る画像形成装置では、上記関連情報を履歴情報とし、上記印刷制御部がその履歴情報を表示してその印刷データを作成する構成を有するから、識別情報に関する時系列的な情報を表示して印刷可能である。
【００２５】
そして、本発明の請求項５に係る画像形成システムでは、それら請求項１〜４いずれか１記載の画像形成装置と、この画像形成装置で画像形成する書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有する上記ＲＦＩＤ装置が添付された上記シート材とを具備しているから、上述した画像形成装置と同様の効果を得ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２６】
以下、本発明に係る画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成方法の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明に係る画像形成装置および画像形成方法は本発明の画像形成システムを説明する過程で、医療関係帳票類を例にして説明する。
【００２７】
本発明の画像形成システムは、図１に示すように、画像形成装置Ａとこれに用いるシート材Ｂから構成されるが、画像形成装置Ａから説明する。
【００２８】
画像形成装置Ａは、主制御部１を中心にして画像読取部３、記憶部５、操作パネル部７、受信部９、印刷部１１、送受信部１３を有し、例えば複合機（ＭＦＰ）を構成している。なお、画像形成装置Ａは、これ以外の構成を有するが、本発明の要旨ではないので説明および図示を省略する。
【００２９】
画像読取部３は、主制御部１の制御の下、例えば印刷された複数頁の原稿から画像を光学的に読み込み、フィルタ処理等をして電子的印刷データを生成する公知のスキャナ等であり、図２中の本体ケース１５の上部に配置され、頁毎の画像データを記憶部５に記憶するよう制御されている。
【００３０】
図１の記憶部５は、画像読取部３からの読取り印刷データや送受信部１３からの後述する受信印刷データ、後述する書式フォーム、識別情報に係る関連情報、例えば履歴情報を記憶する他、主制御部１の動作プログラムを記憶した読み書き可能な例えばハードディスクである。
【００３１】
書式フォームは、例えば図３Ａに示すように、診察日、名前、処方した薬、次回診察日および料金を簡易的に表示する第１の書式フォーム、同図Ｂに示すように、同図Ａの第１の書式フォームに「診察内容」を加えて詳細表示した第２の書式フォーム、同図Ｃに示すように、過去の診察内容を複数表示した第３の書式フォームである。なお、図３Ａ〜Ｃの書式フォームは、印刷部１１にて印刷された状態で示している。
【００３２】
第１の書式フォームは、例えば症状が軽度の通常患者向けに印刷され、第２の書式フォームは、検診内容が詳細に必要な患者例えば幼児向けに印刷され、第３の書式フォームは、患者の要求によって詳細が必要な場合、過去の診察内容を確認したい場合に印刷される。
【００３３】
履歴情報（関連情報）は、例えば図４に示すように、Ａ列に診察券番号等の「管理番号」が割当られ、この管理番号に対応し、Ｂ列に「名前」、Ｃ列に「住所」、Ｄ列に「性別」、Ｅ列に「年齢」、Ｆ列に「診察日」、Ｇ列に「診察内容」、Ｈ列に「処方した薬」、Ｉ列に「次回診察日」が記載された医療関係情報データベースであり、事例が発生する都度、別途、自動的に入力更新されて予め記憶されている。
【００３４】
図３Ａ〜Ｃの書式フォームにおいて表示された表示項目、すなわち、診察日、名前、処方した薬、次回診察日、診察内容、過去の診察内容が、図４中の履歴情報におけるＢ列〜Ｉ列の「名前」〜「次回診察日」等にリンク該当している。
【００３５】
そして、後述するように、入力された管理情報に該当する図４の履歴情報中におけるＢ列〜Ｉ列の「名前」〜「次回診察日」の内容が、図３Ａ〜Ｃの書式フォーム中の表示項目に表示されて印刷される。
【００３６】
図１の操作パネル部７は、図２の本体ケース１５の上部に配置され、主制御部１の制御の下、種々の動作状態の表示が可能な表示部としての公知の液晶表示パネルと、装置の動作に係る画像が表示された箇所をタッチすることによって操作の受付ける入力部としての機能を有している。
【００３７】
操作パネル部７は、例えば、図５に示すように、印刷（コピー）処理、プリント処理、スキャナ処理、ファクシミリ送受信処理等の種々の操作指示や選択をする選択キー７ａの他、それらの操作に係る設定項目の設定変更やユーザを特定する識別情報（管理番号例えば診察券番号）を入力する公知の例えばテンキー７ｂ、スタートキー７ｃの他、装置の動作状況を表示する表示パネル部７ｄ等を有するタッチ式キーボードを有している。入力情報は主制御部１に出力され、表示パネル部７ｄには後述する書式エラーが表示される。
【００３８】
図１の受信部９は、主制御部１の制御の下、高周波信号を送信してシート材Ｂに添付されたＲＦＩＤ装置１７に対して書式情報の送信を要求し、ＲＦＩＤ装置１７からの高周波信号を受信して復調解読し、上述した図３Ａ〜Ｃの書式フォームを指示する書式情報を取得し、主制御部１に出力する機能を有している。
【００３９】
ＲＦＩＤ装置１７は、シート材Ｂに配置されたチップ状のものであり、図６に示すように、受信部９から発射されアンテナ部１７ａで受信した高周波信号を通信部１７ｂで復調整流した電源によって動作制御され、その高周波信号を受信したとき、当該ＲＦＩＤ装置１７の添付されたシート材Ｂに印刷すべき書式フォームを指示する書式情報を格納した記憶部１７ｄから当該書式情報を読み出すとともに、制御部１７ｃにてそれら書式情報を所定のフォーマット信号に形成し、このフォーマット信号を通信部１７ｂで高周波信号を変調してアンテナ部１７ａから発射する機能を有している。
【００４０】
なお、シート材Ｂは、Ａ４版とかＢ４版の従来公知の紙の印刷用紙であり、ＲＦＩＤ装置１７がその表裏面に貼り付けられたり、埋設されて添付されている。
【００４１】
印刷部１１は、上述した図２に示すように、本体ケース１５の下部に配置された大きさの異なるシート材Ｂがセットされる複数の給紙部１９ａ、１９ｂと、印刷データから印刷画像イメージデータに展開してトナーカセット（図示せず。）からのトナーでトナー現像してシート材Ｂにトナー像を転写する転写部２１と、転写されたシート材Ｂの転写画像を定着する定着部２３と、定着されたシート材Ｂを排紙する排紙部２５等を有するカラー又はモノクロ印刷エンジンである。
【００４２】
なお、上述した受信部９は、給紙部１９ａ、１９ｂから１次給紙したシート材Ｂの搬送路上であって転写部２１の手前、すなわち図示しないレジストローラ付近において、シート材Ｂに向けて配置されている。
【００４３】
図１に戻って、送受信部１３は、所定のプロトコルに従い、ネットワーク２７を介してコンピュータ等の情報処理装置２９との間で種々の情報、例えば印刷データを送受信するインターフェース部である。
【００４４】
主制御部１は、ＣＰＵやこのＣＰＵの動作プログラムを格納したＲＯＭを有して形成されており、上述した画像読取部３、記憶部５、操作パネル部７、受信部９、印刷部１１および送受信部１３等を制御するとともに、複合機の図示しない要素部を制御している。
【００４５】
主制御部１は、印刷部１１を制御する他、印刷動作が開始されてシート材Ｂが１次給紙され、シート材ＢのＲＦＩＤ装置１７から書式情報を受信部９から取得したとき、書式情報に係る書式フォームを判別して印刷部１１の印刷動作を制御する印刷制御部３１としての機能を有している。
【００４６】
印刷制御部３１は、受信部９で受信された書式情報に係る書式フォームを判別し、該当する書式フォームを記憶部５から読み出す一方、操作パネル部７から入力された識別情報に基づく記憶部５中の履歴情報の中から、判別した書式フォームに該当する項目を検索して表示した印刷データを作成し、当該印刷データを印刷部１１に出力してシート材Ｂに画像形成するよう印刷部１１を制御する機能を有している。
【００４７】
すなわち、上述した図３Ａ〜Ｃの第１〜第３の書式フォームにおいて表示された表示項目、すなわち、診察日、名前、処方した薬、次回診察日、診察内容、過去の診察内容について、記憶部５中に記憶された図３の履歴情報におけるＢ列〜Ｉ列の「名前」〜「次回診察日」等から管理番号に該当する項目を検索し、該当する「名前」〜「次回診察日」の内容を第１〜第３の書式フォーム中の該当表示項目に表示させた印刷データが作成され、印刷部１１に出力される。
【００４８】
次に、本発明の画像形成システムの動作を図７のフローチャートを参照して説明する。
【００４９】
プログラムが開始されると、ステップＳ１で印刷部１１の給紙部１９ａ、１９ｂにセットされたシート材Ｂを検出処理し、ステップＳ２にて操作パネル部７から管理番号の入力を受け付け処理し、ステップＳ３で印刷部１１が印刷処理を開始して給紙部１９ａ、１９ｂからシート材Ｂを１次給紙して搬送処理する。
【００５０】
続く、ステップＳ４にて受信部９がＲＦＩＤ装置１７から書式情報を読み取り処理し、ステップＳ５にて印刷制御部３１が記憶部５のデータベース（履歴情報）にアクセスし、ステップＳ６にて印刷制御部３１が該当する書式フォームがあるか否か判別する。
【００５１】
該当する書式フォームが検出されてステップＳ６がＹＥＳであれば、ステップＳ７にて印刷制御部３１が記憶部５から該当する書式フォームと必要な履歴情報を抽出し、検出された書式フォームの該当箇所に履歴情報を表示して印刷データを作成して印刷部１１に出力し、印刷する。
【００５２】
該当する書式フォームが検出されずにステップＳ６がＮＯであれば、ステップＳ８にて印刷制御部３１が操作パネル部７の表示パネル部７ｄに書式エラーを表示する（図５参照）。
【００５３】
続く、ステップＳ９にて指定された全ての印刷処理が終了したか否か判別され、印刷処理が終了せずにステップＳ９がＮＯであれば、ステップＳ９がＹＥＳになるまでステップＳ２〜Ｓ９を繰り返して終了する。
【００５４】
なお、これらの処理が本発明に係る画像形成方法に該当する。
【００５５】
このように本発明の画像形成装置Ａは、書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置１７が添付されたシート材Ｂがセットされる給紙部１９ａ、１９ｂと、この給紙部１９ａ、１９ｂから給紙されたそのシート材Ｂの搬送過程でそのＲＦＩＤ装置１７から書式情報を受信する受信部９と、識別情報の入力を受け付ける操作パネル部（入力部）７と、予めその識別情報に係る関連情報として履歴情報を記憶した記憶部５と、給紙されたシート材Ｂに画像形成する印刷部１１と、その受信部９で受信された書式情報に係る書式フォームを判別し、その識別情報に係る履歴情報であって判別した書式フォームに該当する履歴情報を表示して印刷データを作成し、当該印刷データをそのシート材に画像形成するようその印刷部１１を制御する印刷制御部３１と、を具備している。
【００５６】
そのため、シート材Ｂに埋め込まれたＲＦＩＤ装置１７から書式情報を読み取り、管理番号、例えば診療券番号といった必要最小限の情報を入力するだけで書式情報に対応する書式フォームに必要な情報を表示して印刷可能となり、シート材Ｂに印刷する書式フォームが異なっていても、該当する書式フォームに依存しかつ必要な履歴情報を表示して印刷することが可能である。
【００５７】
従って、上述した図３Ａ、Ｂに示すように、症状が軽度の通常患者向けに第１の書式フォームを印刷し、検診内容が詳細に必要な患者向けに第２の書式フォームを印刷することが可能で、それら診療履歴情報の入力が不要であるから、その書式フォームへの入力事項の入力効率を向上させるとともに、誤入力や入力漏れといった入力ミスを軽減することが可能である。本発明の画像形成システムにおいても同様である。
【００５８】
しかも、関連情報を履歴情報とし、印刷制御部がその履歴情報を表示して印刷データを作成するから、例えば、図３Ｃに示したように、診療券番号に該当する患者さんの時系列的な診療内容を表示した第３の書式フォームの印刷も可能である。
【００５９】
上述した本発明の画像形成装置Ａでは、内蔵する記憶部５に書式フォームおよび履歴情報を記憶するとともに、搭載した操作パネル部７から識別情報を入力する構成であったが、本発明はこれに限定されず、例えば、図１中の情報処理装置２９を用いて構成可能である。
【００６０】
すなわち、図１において、ネットワーク２７を介して画像形成装置Ａの送受信部１３に接続した情報処理装置２９に配置した外部記憶部としての記憶部２９ａに上述した書式フォームおよび履歴情報を記憶し、外部入力部としてのキーボード２９ｂから識別情報を情報処理装置２９に入力可能に構成することが可能である。
【００６１】
そして、キーボード２９ｂから識別情報を入力して情報処理装置２９から送受信部１３を介して画像形成装置Ａに入力するとともに、画像形成装置Ａの印刷制御部３１から送受信部１３を介して書式情報に対応する書式フォームとこれに対応する履歴情報の検索を情報処理装置２９に指示し、情報処理装置２９から書式フォームとこれに表示する履歴情報を送受信部１３から印刷制御部３１に入力するよう、主制御部１、印刷制御部３１、送受信部１３および情報処理装置２９を構成すれば良い。このように、送受信部１３は識別情報の入力部としても機能している。
【００６２】
なお、情報処理装置２９は、この構成以外にも種々の構成を有しているが、本発明の要部ではないので説明を省略する。
【００６３】
このような構成では、外部の情報処理装置２９から識別情報を入力したり、外部記憶部２９ａに関連情報（履歴情報）を格納して実施可能である。
【００６４】
そして、この構成においては、識別情報の入力と、書式フォームおよび関連情報の記憶との双方を情報処理装置２９側で実施する構成に限定されず、何れか一方の実施も可能である。
【００６５】
また、本発明において、上述した構成では、書式フォームおよび識別情報に関連する関連情報として、履歴情報、特に医療関係の診療履歴情報を例にしたが、本発明ではこれに限定されず、識別情報に関係する種々の関連情報で実施可能であるし、入力する識別情報としても診察券番号の他、名前、社員番号その他、使用者やユーザを特定できる符号において実施可能である。
【００６６】
さらに、上述した構成では、シート材Ｂに添付したＲＦＩＤ装置１７には、書式情報を記憶させ、これに該当する書式フォームを記憶部５、２９ａに記憶したが、本発明においては、ＲＦＩＤ装置１７に書式情報として書式フォーム自体を記憶させる構成も可能である。
【００６７】
ところで、本発明に係る画像形成方法に言及すれば、本発明の画像形成方法は、識別情報の入力を受け付ける入力工程と、書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置１７が添付されたシート材Ｂがセットされた給紙部１９ａ、１９ｂから、当該シート材Ｂを給紙して搬送する給紙搬送工程と、この搬送工程において上記ＲＦＩＤ装置１７から書式情報を受信部９で受信する受信工程と、その受信部９で受信された書式情報に係る書式フォームを判別し、予めその識別情報に係る関連情報を記憶した記憶部からその識別情報に係る関連情報であって判別したその書式フォームに該当する関連情報を読み出して該当箇所に表示して印刷データを作成する印刷データ作成工程と、給紙されたシート材Ｂに画像形成して印刷する印刷工程と、その印刷データをシート材Ｂに画像形成するよう印刷部１１を制御する印刷制御工程と、を具備しているから、上述した画像形成装置と同様の効果を得ることが可能である。
【００６８】
しかも、本発明の画像形成方法において、印刷制御工程が、判別した書式フォームに該当し、予めその識別情報に係る関連情報として識別情報に係る履歴情報を記憶した記憶部５、２９ａから当該履歴情報を読み出して該当箇所に表示してその印刷データを作成する構成においても、同様の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００６９】
【図１】本発明に係る画像形成システムの概略を示す概略ブロック図である。
【図２】本発明に係る画像形成装置の内部構成を説明する概略構成図である。
【図３】本発明に係る画像形成システムにおける書式フォーム例を説明する図である。
【図４】本発明に係る画像形成システムにおける関連情報例を説明する図である。
【図５】本発明における操作パネル部を示す図である。
【図６】本発明におけるＲＦＩＤ装置を説明するブロック図である。
【図７】本発明の画像形成システムの動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【００７０】
１ 主制御部
３ 画像読取部
５ 記憶部
７ 操作パネル部（入力部）
７ａ 選択キー
７ｂ テンキー
７ｃ スタートキー
７ｄ 表示パネル部
９ 受信部
１１ 印刷部
１３ 送受信部（入力部）
１５ 本体ケース
１７ ＲＦＩＤ装置
１７ａ アンテナ部
１７ｂ 通信部
１７ｃ 制御部
１７ｄ 記憶部
１９ａ、１９ｂ 給紙部（印刷部）
２１ 転写部（印刷部）
２３ 定着部（印刷部）
２５ 排紙部（印刷部）
２７ ネットワーク
２９ 情報処理装置（コンピュータ）
２９ａ 外部記憶部
２９ｃ キーボード（外部入力部）
３１ 印刷制御部
Ａ 画像形成装置（複合機）
Ｂ シート材
【特許請求の範囲】
【請求項１】
書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置が添付されたシート材がセットされる給紙部と、
この給紙部から給紙された前記シート材の搬送過程で前記ＲＦＩＤ装置から前記書式情報を受信する受信部と、
識別情報の入力を受け付ける入力部と、
給紙された前記シート材に画像形成する印刷部と、
前記受信部で受信された前記書式情報に係る書式フォームを判別し、前記識別情報に係る関連情報であって判別した前記書式フォームに該当する前記関連情報を表示して印刷データを作成し、当該印刷データを前記シート材に画像形成するよう前記印刷部を制御する印刷制御部と、
を具備する画像形成装置。
【請求項２】
前記印刷制御部は、予め前記識別情報に係る関連情報を記憶した外部記憶部からネットワークを介して取り込んだ前記関連情報を表示して前記印刷データを作成する請求項１記載の画像形成装置。
【請求項３】
前記印刷制御部は、前記ネットワークを介して外部から前記入力部を介して受け付けた前記識別情報に係る前記関連情報を表示して前記印刷データを作成する請求項１又は２記載の画像形成装置。
【請求項４】
前記関連情報は前記識別情報に係る履歴情報であり、前記印刷制御部は、判別した前記書式フォームに該当する前記履歴情報を表示して前記印刷データを作成する請求項１記載の画像形成装置。
【請求項５】
前記請求項１〜４いずれか１記載の画像形成装置と、この画像形成装置で画像形成する前記書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有する前記ＲＦＩＤ装置が添付された前記シート材と、を具備することを特徴とする画像形成システム。
【請求項６】
識別情報の入力を受け付ける入力工程と、
書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置が添付されたシート材がセットされた給紙部から、当該シート材を給紙して搬送する搬送工程と、
この搬送工程において前記ＲＦＩＤ装置から前記書式情報を受信部で受信する受信工程と、
前記受信部で受信された前記書式情報に係る書式フォームを判別し、予め前記識別情報に係る関連情報を記憶した記憶部から前記識別情報に係る前記関連情報であって判別した前記書式フォームに該当する前記関連情報を読み出して該当箇所に表示して印刷データを作成する印刷データ作成工程と、
給紙された前記シート材に画像形成して印刷する印刷工程と、
前記印刷データを前記シート材に画像形成するよう前記印刷部を制御する印刷制御工程と、
を具備することを特徴とする画像形成方法。
【請求項７】
前記印刷制御工程は、判別した前記書式フォームに該当し、予め前記識別情報に係る関連情報として前記識別情報に係る履歴情報を記憶した記憶部から当該履歴情報を読み出して該当箇所に表示して前記印刷データを作成する請求項６記載の画像形成方法。
【請求項１】
書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置が添付されたシート材がセットされる給紙部と、
この給紙部から給紙された前記シート材の搬送過程で前記ＲＦＩＤ装置から前記書式情報を受信する受信部と、
識別情報の入力を受け付ける入力部と、
給紙された前記シート材に画像形成する印刷部と、
前記受信部で受信された前記書式情報に係る書式フォームを判別し、前記識別情報に係る関連情報であって判別した前記書式フォームに該当する前記関連情報を表示して印刷データを作成し、当該印刷データを前記シート材に画像形成するよう前記印刷部を制御する印刷制御部と、
を具備する画像形成装置。
【請求項２】
前記印刷制御部は、予め前記識別情報に係る関連情報を記憶した外部記憶部からネットワークを介して取り込んだ前記関連情報を表示して前記印刷データを作成する請求項１記載の画像形成装置。
【請求項３】
前記印刷制御部は、前記ネットワークを介して外部から前記入力部を介して受け付けた前記識別情報に係る前記関連情報を表示して前記印刷データを作成する請求項１又は２記載の画像形成装置。
【請求項４】
前記関連情報は前記識別情報に係る履歴情報であり、前記印刷制御部は、判別した前記書式フォームに該当する前記履歴情報を表示して前記印刷データを作成する請求項１記載の画像形成装置。
【請求項５】
前記請求項１〜４いずれか１記載の画像形成装置と、この画像形成装置で画像形成する前記書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有する前記ＲＦＩＤ装置が添付された前記シート材と、を具備することを特徴とする画像形成システム。
【請求項６】
識別情報の入力を受け付ける入力工程と、
書式情報が格納されるとともに当該書式情報を発信する機能を有するＲＦＩＤ装置が添付されたシート材がセットされた給紙部から、当該シート材を給紙して搬送する搬送工程と、
この搬送工程において前記ＲＦＩＤ装置から前記書式情報を受信部で受信する受信工程と、
前記受信部で受信された前記書式情報に係る書式フォームを判別し、予め前記識別情報に係る関連情報を記憶した記憶部から前記識別情報に係る前記関連情報であって判別した前記書式フォームに該当する前記関連情報を読み出して該当箇所に表示して印刷データを作成する印刷データ作成工程と、
給紙された前記シート材に画像形成して印刷する印刷工程と、
前記印刷データを前記シート材に画像形成するよう前記印刷部を制御する印刷制御工程と、
を具備することを特徴とする画像形成方法。
【請求項７】
前記印刷制御工程は、判別した前記書式フォームに該当し、予め前記識別情報に係る関連情報として前記識別情報に係る履歴情報を記憶した記憶部から当該履歴情報を読み出して該当箇所に表示して前記印刷データを作成する請求項６記載の画像形成方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１０−６９８２２（Ｐ２０１０−６９８２２Ａ）
【公開日】平成２２年４月２日（２０１０．４．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２４２３６５（Ｐ２００８−２４２３６５）
【出願日】平成２０年９月２２日（２００８．９．２２）
【出願人】（０００００６１５０）京セラミタ株式会社 (13,173)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年４月２日（２０１０．４．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年９月２２日（２００８．９．２２）
【出願人】（０００００６１５０）京セラミタ株式会社 (13,173)
【Ｆターム（参考）】
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