説明

画像形成装置、画像形成システム

【課題】修正したページの抽出や確認を自動的に行い、使用者の作業負担無しに、以前に印刷した同じ内容のページの無駄な再印刷を無くす。
【解決手段】画像形成装置は、通信相手である情報処理装置から印刷用データを受信する通信部と、通信部が受信した印刷用データに基づき、各ページの画像データを生成するページ生成部と、ページ生成部が生成した画像データに基づき印刷を行う画像形成部と、各ページの画像データに基づき、各ページのハッシュ値を求める演算部と、演算部により求められたハッシュ値を記憶して、各ページのハッシュ値を蓄積する記憶部と、を含み、画像形成部は、印刷用データに含まれ、印刷を行おうとするページのうち、蓄積されたハッシュ値のいずれとも相違するページである相違ページを印刷し、蓄積されたハッシュ値のいずれかと合致するページである合致ページの印刷を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置から印刷用データを受信し印刷を行う画像形成装置に関する。又、印刷用データを送信する情報処理装置と、印刷用データを受信し印刷を行う画像形成装置を含む画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、パーソナルコンピューターのような情報処理装置から印刷用データを受信し、印刷用データに基づき印刷を行うものがある(例えば、複合機やプリンター等)。各情報処理装置の使用者は、例えば、ワープロソフトや表計算ソフト等の各種ソフトウェアでファイル(データ)を作成する。そして、ソフトウェアで印刷指示や複合機やプリンター用のドライバプログラムを利用して、画像形成装置に印刷したいデータ(印刷用データ)を送信する。この印刷用データの送信のとき、修正済みの内容の印刷用データを送信する前に必要のない未修正の内容の印刷用データを送信することがある。そこで、必要としない画像データの処理を回避し、無駄を削減しようとする発明が特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、複数の処理を受け付けると待ち行列に処理対象のデータを記憶して、待ち行列における順番を用いて要求された処理を順次行ない、処理対象のデータの受付手段と、待ち行列に処理対象のデータを記憶するための記憶手段と、受け付けた処理対象の第2のデータと、待ち行列に記憶された処理対象の第1のデータとの関係を判定するための判定手段と、判定された結果、第1のデータと第2のデータとが予め定められた条件を満足すると、第1のデータに代えて第2のデータを待ち行列に記憶するための制御手段とを含む、画像形成装置が記載されている。この構成により、先に要求された処理を実行されないようにし、無駄を削減しつつユーザーの要求を満足させようとする(特許文献1:請求項1、段落[0014]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−029741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
使用者には、データの一部を少し修正すると、全ページを印刷して確認する者もいる。しかし、例えば、印刷物に数十ページが含まれているとき、数ページしか修正していないのであれば、多くのページは、既に印刷されたページと同じである。そうすると、同じ内容のページが再印刷されることになり、無駄が生ずる。又、修正作業が複数回繰り返され、全ページの印刷も複数回繰り返されることもあり得る。従って、資源の無駄遣い防止や印刷時間短縮の観点から、以前に印刷した同じ内容のページの無駄な再印刷を無くすべきであるという問題がある。
【0006】
一方、情報処理装置からの印刷用データ送信の際、データ(ファイル)内の特定ページのみ印刷の指定を行える場合がある。しかし、修正箇所が複数に分散されている場合や、データ(ファイル)に含まれるページ数が多い場合などでは、使用者が、画像形成装置のドライバプログラムやソフトウェアで、逐一修正されたページを指定して、印刷を実行することは手間がかかり、煩わしい。従って、従来、修正したページのみを印刷するには、使用者の手間を要し、煩わしい場合があるという問題がある。
【0007】
ここで、特許文献1記載の発明をみると、記憶手段に記憶された待ち行列のうち、第1のデータに代えて第2のデータを待ち行列に記憶する。これにより、修正前の印刷用データの印刷が開始されていない状態では、修正前の印刷用データが修正後の印刷用データに入れ替えられ、修正後の印刷用データにのみ基づいて印刷がなされる。
【0008】
しかし、特許文献1記載の発明は、以前に印刷した同じ内容のページの無駄な再印刷を無くすものではなく、第2のデータが全ページの印刷を指示するものであれば、修正の無いページも印刷される。従って、以前に印刷した同じ内容のページの無駄な再印刷を無くすものではない。
【0009】
又、画像形成装置に複数の印刷ジョブを蓄積し、常時印刷させているという使用者は、一般的には希である。更に、近年、印刷の高速化が進んでいる。そのため、情報処理装置から印刷用データを送信すると、直ちに印刷が開始されることが多く、通常、画像形成装置に印刷ジョブが複数、蓄積されるケースは多くはない。そうすると、特許文献1記載の発明では、第2のデータを待ち行列に記憶する前に第1のデータの印刷の少なくとも一部の印刷は完了してしまう場合がある。従って、特許文献1記載の発明は、実効性に欠け、無駄を省ける機会は少ないといえる。
【0010】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、修正したページの抽出や確認を自動的に行い、使用者の作業負担無しに、以前に印刷した同じ内容のページの無駄な再印刷を無くすことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題解決のため、請求項1に係る画像形成装置は、通信相手である情報処理装置から印刷用データを受信する通信部と、前記通信部が受信した前記印刷用データに基づき、各ページの画像データを生成するページ生成部と、前記ページ生成部が生成した画像データに基づき印刷を行う画像形成部と、各ページの画像データに基づき、各ページのハッシュ値を求める演算部と、前記演算部により求められた前記ハッシュ値を記憶して、各ページの前記ハッシュ値を蓄積する記憶部と、を含み、前記画像形成部は、前記印刷用データに含まれ、印刷を行おうとするページのうち、蓄積された前記ハッシュ値のいずれとも相違するページである相違ページを印刷し、蓄積された前記ハッシュ値のいずれかと合致するページである合致ページの印刷を行わないこととした。
【0012】
この構成によれば、画像形成部は、印刷用データに含まれ、印刷を行おうとするページのうち、蓄積されたハッシュ値のいずれとも相違するページである相違ページを印刷し、蓄積されたハッシュ値のいずれかと合致するページである合致ページの印刷を行わない。これにより、使用者がデータ(ファイル)の一部を更新して印刷用データを画像形成装置に送信した場合、以前に印刷したページと異なる内容のページに対してのみ印刷を行うことができる。従って、印刷の不要なページ(既に印刷されているページ)の再印刷を防ぐことができる。
【0013】
以前に印刷したページと同じであるか否かを確認の一手法として、記憶部に各ページの画像データを記憶させ、記憶部に記憶させた画像データと印刷を行おうとする各ページの画像データを比較することが考えられる。しかし、記憶部は、演算部により求められたハッシュ値を記憶して、受信した印刷用データに含まれる各ページのハッシュ値を随時蓄積する。これにより、印刷したページの画像データを記憶部に記憶させる場合に比べ、以前に印刷されたページと同じであるか否かを確認するためのデータの量を格段に抑えることができる。更に、画像データの各画素を逐一比較せず、ハッシュ値を比較するだけで以前に印刷されたページと同じであるか否かを確認することができ、処理負荷は軽くて済む。
【0014】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記通信部は、前記合致ページを含めて前記印刷用データに含まれる全ページの印刷を行うか、又は、前記相違ページのみ印刷を行うかの印刷確認通知を、前記印刷用データを送信した情報処理装置に送信し、前記画像形成部は、前記印刷確認通知送信後、前記通信部が前記相違ページのみ印刷を行う旨の通知を前記情報処理装置から受信したとき、前記相違ページの画像データに基づき前記相違ページのみ印刷を行い、全ページの印刷を行う旨の通知を前記情報処理装置から受信したとき、前記印刷用データに含まれる全ページの画像データに基づき、全ページの印刷を行うこととした。
【0015】
この構成によれば、画像形成部は、印刷確認通知送信後、通信部が相違ページのみ印刷を行う旨の通知を情報処理装置から受信したとき、相違ページの画像データに基づき相違ページのみ印刷を行い、全ページの印刷を行う旨の通知を情報処理装置から受信したとき、印刷用データに含まれる全ページの画像データに基づき、全ページの印刷を行う。これにより、以前の印刷物を廃棄している場合や、所持していない場合など、全ページ分の印刷を行いたい場合には、使用者は、全ページの印刷を画像形成装置に指示することができる。従って、使用者が意図するとおりに画像形成装置に印刷を行わせることができる。
【0016】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、メッセージを報知し、入力を受け付ける報知入力部を含み、前記報知入力部は、前記印刷用データのうち、前記合致ページを、以前に印刷されたことがあるページとして確認メッセージを報知し、前記画像形成部は、前記報知入力部による前記確認メッセージ報知後、前記報知入力部が、前記相違ページのみ印刷を行う旨の入力を受け付けたとき、前記相違ページの画像データに基づき前記相違ページの印刷を行い、全ページの印刷を行う旨の入力を受け付けたとき、前記印刷用データに含まれる全ページ分の画像データに基づき、全ページの印刷を行うこととした。
【0017】
この構成によれば、画像形成部は、報知入力部による確認メッセージ報知後、報知入力部が、相違ページのみ印刷を行う旨の入力を受け付けたとき、相違ページの画像データに基づき相違ページの印刷を行い、全ページの印刷を行う旨の入力を受け付けたとき、印刷用データに含まれる全ページ分の画像データに基づき、全ページの印刷を行う。これにより、以前の印刷物を廃棄している場合や、所持していない場合など、全ページ分の印刷を行いたい場合には、使用者は、全ページの印刷を画像形成装置に指示することができる。従って、使用者が意図するとおりに画像形成装置に印刷を行わせることができる。
【0018】
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、前記画像形成部は、前記合致ページの印刷を行わないとき、印刷を行うページを示すメッセージと、印刷を行わないページを示すメッセージと、以前に印刷がなされたページの印刷をしていない旨のメッセージの何れか1つ、又は、複数のメッセージを印刷することとした。
【0019】
使用者は、画像形成装置や情報処理装置でのメッセージの確認を見逃してしまう場合もある。そこで、この構成によれば、画像形成部は、合致ページの印刷を行わないとき、印刷を行うページを示すメッセージと、印刷を行わないページを示すメッセージと、以前に印刷がなされたページの印刷をしていない旨のメッセージの何れか1つ、又は、複数のメッセージを印刷する。これにより、使用者へのメッセージを印刷物として出力することにより、使用者に対し、合致ページや相違ページの印刷実行、印刷不実行に関するメッセージを伝達することができる。
【0020】
又、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の発明において、前記記憶部は、前記印刷用データ単位で複数ページをグループとして前記ハッシュ値を記憶し、前記グループ間で前記ハッシュ値が共通するページがあるとき、先に記憶された前記グループの前記ハッシュ値を削除することとした。
【0021】
この構成によれば、記憶部は、印刷用データ単位で複数ページをグループとしてハッシュ値を記憶し、グループ間でハッシュ値が共通するページがあるとき、先に記憶されたグループのハッシュ値を削除する。これにより、複数回にわたって修正された場合など、同じデータ(ファイル)を対象として複数回の印刷がなされたとき(通信部が同じデータに基づく印刷用データを複数回受信したとき)、最新版の印刷用データに含まれる各ページのハッシュ値のみを記憶するように、記憶部が記憶を更新する。従って、ハッシュ値の記憶に要する容量を少なくすることができる。
【0022】
又、請求項6に係る発明は、請求項1乃至4の発明において、前記記憶部は、前記印刷用データ単位で複数ページをグループとして前記ハッシュ値を記憶し、前記通信部が受信した前記印刷用データに含まれるページの前記ハッシュ値が、複数の前記グループに含まれる前記ハッシュ値と合致するとき、前記印刷用データのページのうち、複数の前記グループに含まれる前記ハッシュ値のいずれとも合致しない前記ハッシュ値のページのみ印刷することとした。
【0023】
この構成によれば、記憶部は、印刷用データ単位で複数ページをグループとしてハッシュ値を記憶し、通信部が受信した印刷用データに含まれるページのハッシュ値が、複数のグループに含まれるハッシュ値と合致するとき、印刷用データのページのうち、複数のグループに含まれるハッシュ値のいずれとも合致しないハッシュ値のページのみ印刷する。これにより、複数回にわたって修正された場合など、同じデータ(ファイル)を対象として複数回の印刷がなされたとき(通信部が同じデータに基づく印刷用データを複数回受信したとき)、複数回にわたる印刷のうち、以前に印刷したことのないページのみが印刷される。
【0024】
又、請求項7に係る画像形成システムは、情報処理装置と画像形成装置とを含む画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は、前記情報処理装置と通信を行って印刷用データを受信する通信部と、前記通信部が受信した前記印刷用データに基づき、各ページの画像データを生成するページ生成部と、前記ページ生成部が生成した画像データに基づき印刷を行う画像形成部と、各ページの画像データに基づき、各ページのハッシュ値を求める演算部と、前記演算部により求められた前記ハッシュ値を記憶する記憶部と、を含み、前記画像形成部は、前記印刷用データに含まれ、印刷を行おうとするページのうち、蓄積された前記ハッシュ値のいずれとも相違するページである相違ページを印刷し、蓄積された前記ハッシュ値のいずれかと合致するページである合致ページの印刷を行わないこととした。
【0025】
この構成によれば、画像形成部は、印刷用データに含まれ、印刷を行おうとするページのうち、蓄積されたハッシュ値のいずれとも相違するページである相違ページを印刷し、蓄積されたハッシュ値のいずれかと合致するページである合致ページの印刷を行わない。これにより、使用者がデータ(ファイル)の一部を更新して印刷用データを情報処理装置から画像形成装置に送信した場合、以前に印刷したページと異なる内容のページに対してのみ印刷を行うことができる。従って、印刷の不要なページ(既に印刷されているページ)の再印刷を防ぐことができる画像形成システムを提供することができる。
【0026】
又、請求項8に係る発明は、請求項7の発明において、前記通信部は、前記合致ページを含めて前記印刷用データに含まれる全ページの印刷を行うか、又は、前記相違ページのみ印刷を行うかの印刷確認通知を、前記印刷用データを送信した前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置は、前記印刷確認通知に対し、前記相違ページのみ印刷を指示する操作、又は、全ページの印刷指示する操作を受け付け、受け付けた操作の内容を前記通信部に送信し、前記画像形成部は、前記通信部が前記相違ページのみ印刷を行う旨の通知を前記情報処理装置から受信したとき、前記相違ページの画像データに基づき印刷を行い、全ページの印刷を行う旨の通知を前記情報処理装置から受信したとき、前記印刷用データに含まれる全ページの画像データに基づき、全ページの印刷を行うこととした。
【0027】
この構成によれば、画像形成部は、通信部が相違ページのみ印刷を行う旨の通知を情報処理装置から受信したとき、相違ページの画像データに基づき印刷を行い、全ページの印刷を行う旨の通知を情報処理装置から受信したとき、印刷用データに含まれる全ページの画像データに基づき、全ページの印刷を行う。これにより、記憶部に以前に印刷したページの画像データを記憶させる場合に比べ、以前に印刷されたページと同じであるか否かを確認するためのデータの量を格段に抑えた画像形成システムを提供することができる。更に、画像データの各画素を逐一比較せず、ハッシュ値を比較するだけで以前に印刷されたページと同じであるか否かを確認することができ、処理負荷が軽い画像形成システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0028】
上述したように、本発明によれば、修正したページの抽出や確認を自動的に行い、使用者の作業負担が無いようにして、以前に印刷した同じ内容のページの無駄な再印刷を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】画像形成システムの一例の概要を示す説明図である。
【図2】画像形成装置の一例を示す模型的正面断面図である。
【図3】画像形成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図4】記憶部に蓄積されたハッシュ値の一例を示す説明図である。
【図5】ハッシュ値を用いた印刷の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】報知画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置、画像形成システム100を図1〜図8を用いて説明する。尚、画像形成装置として複合機1を例に挙げて説明する。又、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0031】
(画像形成システム100の概要)
まず、図1を用いて、実施形態に係る画像形成システム100の一例を説明する。図1は、画像形成システム100の一例の概要を示す説明図である。
【0032】
本実施形態の画像形成システム100は、複合機1(画像形成装置に相当)とコンピューター2(情報処理装置に相当)を含む。図1のうち、複合機1を上側に示す。複合機1は、スキャナ機能、コピー機能、プリント機能、FAX機能等を備える。
【0033】
そして、図1のうち、複合機1の下側に示すのがコンピューター2(例えば、パーソナルコンピューターやサーバーなど)である。コンピューター2には、複合機1を利用するためのドライバプログラム221がインストールされる。又、コンピューター2には、文書作成ソフトウェア、表計算ソフトウェア、画像や図形を描画、加工するグラフィックソフトウェア等の各種ソフトウェア222をインストールすることができる。使用者は、コンピューター2のディスプレイ24に表示された各種ソフトウェア222の画面を、マウス231、キーボード232等を用いて操作して、ファイル(データ)を作成し、ファイルの内容を修正することができる。
【0034】
又、使用者は、コンピューター2でファイル(データ)の印刷の実行を指示することができる。印刷実行がなされると、コンピューター2は、複合機1に向けて印刷用データを送信する。複合機1は、印刷用データに基づき印刷を行う。
【0035】
尚、便宜上、複合機1に対してコンピューター2が、ネットワーク等により、複数通信可能に接続されても良い。言い換えると、画像形成システム100は、複数のコンピューター2(情報処理装置)を含んでも良い。
【0036】
(画像形成装置の概略)
次に、図2に基づき、実施形態に係る画像形成装置(複合機1)の概略を説明する。図2は画像形成装置の一例を示す模型的正面断面図である。
【0037】
図2に示すように、本実施形態の画像形成装置(複合機1)は、最上部に原稿カバー1aを有する。又、複合機1本体には、操作パネル11(報知入力部に相当)、画像読取部12、給紙部13、搬送路14、画像形成部15、定着部16等が設けられる。
【0038】
まず、図2に破線で示すように、操作パネル11は複合機1の正面上方に設けられる。そして、操作パネル11は、複合機1の状態や各種メッセージを表示する液晶表示部11aを備える。液晶表示部11aは、機能の選択、設定や文字入力等を行うためのキーを1又は複数表示できる。又、液晶表示部11aは、各種のメッセージを表示する。液晶表示部11aには、タッチパネル11b(例えば、抵抗膜方式)が設けられる。タッチパネル11bは、液晶表示部11aで押された部分の位置、座標を検出するためのものである。又、操作パネル11には、コピー等の各種機能の実行開始を指示するためのスタートキー11c等、各種のハードキーも設けられる。
【0039】
原稿カバー1aは、図2の紙面奥行き方向に支点を有し、手前側を振るように上下方向で開閉可能である。原稿カバー1aは、原稿の複写時、載置読取用コンタクトガラス121に載置された原稿を押さえる。
【0040】
画像読取部12は、載置読取用コンタクトガラス121に載置された原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。又、画像読取部12内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。尚、原稿カバー1aに変えて、原稿を1枚ずつ、自動的、連続的に、画像読取部12の読み取り位置(送り読取用コンタクトガラス122)に向けて搬送する原稿搬送装置を設けてもよい。
【0041】
そして、これらの光学系部材を用い、載置読取用コンタクトガラス121に載置される原稿に光を照射し、その原稿の反射光を受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し、画像データが生成される。複合機1は、読み取りにより得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー機能)。又、複合機1は、読み取りにより得られた画像データをコンピューター2等に送信することができる(スキャン機能、送信機能)。
【0042】
給紙部13は、複数の用紙(例えば、コピー用紙、普通紙、再生紙、厚紙、OHPシート等の各種シート)を収容し、1枚ずつ搬送路14に送り込む。給紙部13は、収納用紙が載置されるカセット131を含む(図2で上方のものに131a、下方のものに131bの符号を付す)。又、カセット131から搬送路14に送り出すため回転駆動する給紙ローラー132が設けられる(図2で上方のものに132a、下方のものに132bの符号を付す)。例えば、印刷時には、給紙ローラー132が回転駆動し、印刷に要する用紙が1枚ずつ搬送路14に送り出される。
【0043】
搬送路14は、給紙部13から排出トレイ141まで用紙を搬送する通路である。尚、用紙搬送経路上には画像形成部15、定着部16等が配される。そして、搬送路14には、用紙の案内のためのガイド142や、用紙搬送の際に回転駆動する搬送ローラー対143や、搬送されてくる用紙を画像形成部15の手前で待機させ、トナー像形成のタイミングを合わせて用紙を送り出すレジストローラー対144や、回転駆動して排出トレイ141に用紙を排出する排出ローラー対145等が設けられる。
【0044】
画像形成部15は、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。そのため、画像形成部15は、図2中に示す矢印方向に回転駆動可能に支持された感光体ドラム151、及び、感光体ドラム151の周囲に配設された帯電装置152、露光装置153、現像装置154、転写ローラー155、クリーニング装置156等を備える。
【0045】
トナー像形成及び転写プロセスを説明する。まず、感光体ドラム151は、画像形成部15の略中心に設けられ、所定方向に回転駆動する。帯電装置152は、感光体ドラム151を所定電位に帯電させる。露光装置153は、画像データに基づき、レーザ光Lをから出力し、感光体ドラム151表面を走査、露光して画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム151の周面上に形成する。尚、画像データは、画像読取部12で得られた画像データや、ネットワーク等により接続される外部のコンピューター2や相手方FAX装置200(図3参照)から送信された画像データ等が用いられる。
【0046】
そして、現像装置154は、感光体ドラム151に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。転写ローラー155は感光体ドラム151に圧接する。そして、レジストローラー対144は、トナー像にあわせタイミングを図りつつ、用紙を感光体ドラム151と転写ローラー155のニップに進入させる。用紙のニップ進入時、所定の電圧が転写ローラー155に印加される。これにより、用紙に感光体ドラム151上のトナー像が転写される。クリーニング装置156は、転写後に感光体ドラム151に残留するトナーを除去する。
【0047】
定着部16は、用紙に転写されたトナー像を定着させる。本実施形態の定着部16は、発熱体を内蔵する加熱ローラー161と加圧ローラー162を含む。加熱ローラー161と加圧ローラー162は圧接しニップを形成する。そして、用紙が、このニップを通過することで、用紙表面のトナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。トナー定着後の用紙は、排出トレイ141に排出される。このようにして、コピー機能、プリンター機能の使用時、画像形成(印刷)が行われる。
【0048】
(画像形成システム100のハードウェア構成)
次に、図3に基づき、実施形態に係る画像形成システム100のハードウェア構成の一例を説明する。図3は、画像形成システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0049】
まず、画像形成システム100のうち、複合機1と通信可能に接続されるコンピューター2を説明する。コンピューター2は、例えば、処理部21、メモリー部22、入力装置23、ディスプレイ24、データ通信部25を含む。
【0050】
そして、処理部21は、CPU211等を含む。処理部21は、例えば、コンピューター2の制御基板である。
【0051】
メモリー部22は、HDDやRAMやROMやフラッシュROM等の記憶装置を含む。そして、例えば、メモリー部22のHDDには、複合機1を利用するためのドライバプログラム221や、各種のソフトウェア222(例えば、文書作成用や表計算や図形データ作成用等)がインストールされる。
【0052】
又、コンピューター2は、入力装置23を含む。入力装置23は、例えば、マウス231やキーボード232等の人間−マシン間のインターフェイスとしての装置である。例えば、この入力装置23を用いて、各種ソフトウェア222の起動指示や、各種ソフトウェア222を用いたデータ(ファイル)の作成や、データ内容の修正や、ファイルの内容の印刷実行指示などを行うことができる。
【0053】
又、コンピューター2は、表示装置としてのディスプレイ24を含む。例えば、処理部21は、起動された各種ソフトウェア222の入力画面や設定画面などの各種画面をディスプレイ24に表示させる。又、処理部21は、データ(ファイル)の印刷の設定用画面を表示させることもできる。
【0054】
又、コンピューター2は、外部と通信を行うためのインターフェイスであるデータ通信部25を含む。例えば、図3に示すように、ケーブルやネットワーク等により、複合機1の通信部7とコンピューター2のデータ通信部25とを通信可能に接続することができる。従って、コンピューター2と複合機1間で、通信により各種データの送受信を行うことができる。
【0055】
次に、複合機1を説明する。複合機1には、制御部4が設けられる。制御部4は複合機1の動作を制御し、例えば、CPU41を含む。
【0056】
CPU41は、中央演算処理装置であって、記憶部5に格納され、展開されるプログラムやデータに基づき複合機1の各部を制御する。画像処理部6は、印刷を行う画像データや、外部のコンピューター2や相手方のFAX装置200に送信される画像データに対し各種画像処理を施す。
【0057】
又、複合機1には、画像処理部6が設けられる。画像処理部6は、画像データに対して各種の画像処理を施す。例えば、画像処理部6には、画像処理専用の回路としてASIC61が設けられる。ASIC61は、濃度変換や、拡大縮小や、圧縮伸張や、利用目的にあわせた画像データの形式変換等、複合機1が備える機能に応じて多種多様の画像処理を行える。
【0058】
又、画像処理部6には、例えば、ページ生成部62や、ハッシュ値演算部63(演算部に相当)が設けられる。ページ生成部62は、コンピューター2から送信された印刷用データに基づき、ページ単位でラスター形式の画像データを生成する。例えば、コンピューター2は、PDL(ページ記述言語)により記述された印刷用データを複合機1に送信する。そして、ページ生成部62は、PDLで記述された印刷用データの内容に応じて、ビットマップデータ等のラスター形式の画像データを生成する。ハッシュ値演算部63は、画像処理部6が生成した各ページの画像データに基づき、各ページのハッシュ値を演算する。尚、画像処理部6は、制御部4の基板上に設けられても良い。
【0059】
記憶部5は、例えば、ROM51(Read Only Memory、例えば、フラッシュROM)、RAM52(Random Access Memory)、HDD53(Hard Disk Drive)を含む。
このように、記憶部5は、不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。
【0060】
記憶部5には、複合機1の制御用等の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶できる。例えば、画像処理部6の処理前や処理後の画像データは、記憶部5のRAM52やHDD53等に格納され、印刷や送信に画像データが利用される。又、記憶部5のHDD53は、ハッシュ値演算部63が演算したハッシュ値を記憶、蓄積する(詳細は後述)。
【0061】
そして、制御部4は、操作パネル11、画像読取部12等とバスや信号線等で接続され、操作パネル11や画像読取部12の動作を制御する。又、制御部4は、操作パネル11になされた入力内容を認識する。
【0062】
又、制御部4は、エンジン制御部10と通信可能に接続される。エンジン制御部10は印刷を行う印刷エンジン部17の動作を制御する。例えば、印刷エンジン部17は、給紙部13、搬送路14、画像形成部15、定着部16等を含む。エンジン制御部10は、印刷エンジン部17の各部材を回転させるモーターや、トナー像を形成する回路等を制御して、印刷を実際に制御する。制御部4は、エンジン制御部10に対し、印刷を行うべき旨を指示する。エンジン制御部10は、この指示を受けて、印刷エンジン部17の動作を制御し、印刷を行わせる。
【0063】
更に、制御部4は、各種コネクタ、ソケット、通信制御用のチップ等を備えた通信部7と接続される。通信部7は、ネットワークや公衆回線等により、外部のコンピューター2や相手方のFAX装置200と、複合機1を通信可能に接続する。例えば、画像データを含むデータを外部のコンピューター2や相手方FAX装置200(インターネットFAXでもよい)に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、外部のコンピューター2や相手方FAX装置200からの画像データに基づき印刷を行うこともできる(プリンター機能、FAX機能)。このように、複合機1は、コピー機能、プリンター機能、スキャン機能、FAX機能のうちの複数の機能を備える。
【0064】
(プリンターとしての利用)
次に、図3に基づき、実施形態に係る複合機1のプリンターとしての利用の一例を説明する。
【0065】
本実施形態の画像形成システム100では、コンピューター2から印刷用データを複合機1に送信し、複合機1に印刷を行わせることができる。言い換えると、使用者は、複合機1をプリンターとして用いることができる。
【0066】
まず、使用者は、入力装置23を用いて、起動されたソフトウェア222の内容の印刷を行う旨の入力をコンピューター2に行う。この入力を受けて、例えば、処理部21は、ドライバプログラム221を起動させる。そして、使用者は、ディスプレイ24や入力装置23を用いて印刷に関する設定を行う。例えば、印刷に用いる用紙サイズや部数やデータ(ファイル)のページで印刷する範囲(全ページか一部のページか)等、複合機1をプリンターとして利用する際に、使用者は多様な設定を行える。
【0067】
設定された内容にあわせ、ドライバプログラム221は、処理部21に、印刷用データを生成させる。ドライバプログラム221は、ページ記述言語に基づき、印刷対象となるデータ(ファイル)の印刷用データを生成する。ドライバプログラム221は、ページ記述言語に基づき、処理部21に複合機1に対して出力イメージを指示する記述を含む印刷用データを生成させる。
【0068】
そして、データ通信部25は、複合機1の通信部7に印刷用データを送信する。通信部7で受信された印刷用データは、例えば、複合機1の記憶部5のRAM52やHDD53にひとまず格納される。そして、画像処理部6のページ生成部62(ラスターイメージプロセッサ)は、印刷用データの各ページの記述に基づき、ページ単位でラスターイメージ(画像データ)を生成する。
【0069】
そして、例えば、生成された各ページの画像データは、ひとまず、複合機1の記憶部5のRAM52やHDD53に格納される。そして、印刷での設定にあわせ、画像処理部6は、各ページの画像データに対して画像処理を施す(例えば、拡大、縮小や濃度変換等)。又、画像処理部6は、各ページの画像データを露光装置153で利用できる形式(レーザーの点消灯で表現される形式)に変換する。
【0070】
例えば、変換された各ページの画像データは、記憶部5のRAM52に格納される。この場合、RAM52は、露光装置153に対する画像データの出力におけるバッファとして利用される。尚、記憶部5のRAM52とは別に、印刷用のメモリーを別途設けるようにしてもよい。そして、RAM52から画像形成部15の露光装置153に順次、各ページの画像データが送信される。露光装置153は、受信した画像データに基づき、感光体ドラム151の走査、露光を行う。
【0071】
(ハッシュ値の演算)
次に、図3、図4に基づき、実施形態に係るハッシュ値の演算の一例を説明する。図4は、記憶部5に蓄積されたハッシュ値の一例を示す説明図である。
【0072】
本実施形態の複合機1、画像形成システム100では、以前に印刷したページと同じ内容を含むページの無駄な再印刷を回避する。そして、ハッシュ値を用いて、以前に印刷したページとこれから印刷しようとするページの内容が同じであるか否かの確認がなされる。これにより、各ページの画像データそのものを記憶し、以前に印刷されたページの画像データを蓄積しておき、これから印刷しようとするページの画像データと比較する場合に比べ、複合機1のHDD53の記憶容量は格段に少なくて済む。又、同じ内容か否かは、ハッシュ値を比較するだけで良いので、同じか否かを確認する処理の負荷も軽くて済む。
【0073】
そして、本実施形態の複合機1では、ハッシュ値演算部63が、各ページの画像データに基づき、各ページのハッシュ値を演算する。言い換えると、ハッシュ値演算部63は、各ページの画像データをキーとしてハッシュ値を演算する。ハッシュ値を求めるためのアルゴリズムは、例えば、ハッシュ値演算部63内や記憶部5のROM51に保持される。尚、ハッシュ値を求めるアルゴリズムとしては、MD5やSHA−1などを用いることができるが、他のアルゴリズムを用いてもよい。
【0074】
例えば、ハッシュ値演算部63は、1ページの画像データから128バイト〜256バイト程度のハッシュ値を求める。言い換えると、1ページの画像データのハッシュ値は、128バイト〜256バイト程度である。以前に印刷したか否かを確認するために各ページの画像データを記憶する場合に比べ、遙かに少ない容量で済む(場合により、1ページの画像データのサイズは、100Mバイトを越えることもある)。
【0075】
そして、印刷用データに含まれる各ページからページ生成部62が生成した各ページの画像データに基づき、ハッシュ値演算部63は、各ページについてハッシュ値を求める。尚、画像データに対しては、画像処理部6によって、複数回の画像処理が施されることがある。そこで、統一された基準(ハッシュ値を求める画像データの状態が共通)のもと、ハッシュ値演算部63は、各ページの画像データのハッシュ値を求める。
【0076】
ハッシュ値演算部63がどの段階(どのタイミング)の画像データのハッシュ値を求めるかは、任意に定めることができる。例えば、ハッシュ値演算部63は、露光装置153で利用できる形式にまで変換された画像データについて各ページのハッシュ値を求めても良い。あるいは、ハッシュ値演算部63は、ページ生成部62が生成した直後の画像データについて各ページのハッシュ値を求めても良い。
【0077】
そして、ハッシュ値演算部63が演算により求めた各ページのハッシュ値は、記憶部5のHDD53に格納される。例えば、ハッシュ値を格納する様式は様々であるが、本実施形態では、図4に示すように、1つの印刷用データ(プリンタージョブ)単位でグループ化されて、グループGを一括りとして、グループGに含まれる各ページのハッシュ値が記憶部5に蓄積される。例えば、図4では、グループG1の1ページ目のハッシュ値が「X1」であり、最終のnページ目のハッシュ値は「X3」である旨を示している。又、グループG2では、1ページ目のハッシュ値が「X4」であり、最終のnページ目のハッシュ値は「X5」である旨を示している。又、グループG3では、1ページ目のハッシュ値が「Y1」であり、最終のnページ目のハッシュ値は「Y3」である旨を示している(図4においてXn、Yn、Gnは変数として図示)。
【0078】
尚、ハッシュ値の記憶では、記憶部5のHDD53は、グループGに関し、ハッシュ値以外に他の情報もあわせて記憶しても良い。例えば、印刷用データにプリンタージョブ名や、印刷元のデータ名(ファイル名)が付されていれば、記憶部5のHDD53は、グループGの属性情報として、あわせてプリンタージョブ名や、印刷元のデータ名を記憶しても良い。あるいは、記憶部5のHDD53は、グループGに含まれるページ数を記憶してもよい。
【0079】
又、本実施形態では、ハッシュ値を演算する部分として、ハッシュ値演算部63を設ける例を示している。しかし、ハッシュ値演算部63に代えて、例えば、制御部4のCPU41が、各ページの画像データのハッシュ値を演算するようにしてもよい。
【0080】
(ハッシュ値を用いた印刷の流れ)
次に、図5、図6に基づき、本実施形態の複合機1でのハッシュ値を用いた印刷の流れの一例を説明する。図5は、ハッシュ値を用いた印刷の流れの一例を示すフローチャートである。図6は、報知画面S1の一例を示す説明図である。
【0081】
まず、図5のスタートは、マウス231やキーボード232を用いて、コンピューター2で印刷用データの複合機1への送信の実行指示(印刷の実行指示)がなされた時点である。
【0082】
コンピューター2で印刷用データの複合機1への送信の実行指示がなされると、コンピューター2の処理部21は、ドライバプログラム221に基づき、印刷用データを生成する(ステップ♯1)。そして、コンピューター2の処理部21は、データ通信部25に複合機1の通信部7に向けて印刷用データを送信させる(ステップ♯2)。
【0083】
印刷用データを受信すると、複合機1の制御部4は、印刷用データに基づき、ページ単位でページ生成部62に画像データを生成させる(ステップ♯3)。そして、複合機1の制御部4は、印刷用データの設定に基づき、露光装置153に引き渡すため、各ページの画像データに対して画像処理部6に画像処理を行わせる(ステップ♯4)。
【0084】
更に、複合機1の制御部4は、各ページの画像データのハッシュ値をハッシュ値演算部63に演算させる(ステップ♯5)。そして、複合機1の制御部4は、記憶部5(HDD53)に蓄積された各ページのハッシュ値と求めた各ページのハッシュ値を比較する(ステップ♯6)。
【0085】
次に、複合機1の制御部4は、比較の結果、印刷しようとするページのうち、記憶部5に蓄積された各ページのハッシュ値と一致するページ(合致ページ)が存在するか否かを確認する(ステップ♯7)。
【0086】
もし、合致ページが存在すれば(ステップ♯7のYes)、制御部4は、印刷しようとするページには、以前に印刷したページと同じ内容のページが含まれる旨と一致ページの印刷が必要か否かを確認するための報知処理を通信部7や操作パネル11に行わせる(ステップ♯8)。
【0087】
例えば、制御部4は、以前に印刷したページと同じ内容のページが含まれる旨と一致ページの印刷が必要か否かを確認するための報知画面S1を操作パネル11に表示させる(ステップ♯8)。
【0088】
例えば、図6に示すように、報知画面S1内で、制御部4は、「印刷しようとするページのうち、以下のページは、以前に印刷されています。」というように、印刷しようとするページには、以前に印刷したページと同じ内容のページが含まれる旨のメッセージを操作パネル11(液晶表示部11a)に表示させる。
【0089】
又、報知画面S1内で、制御部4は、印刷用データ内で(印刷しようとするページ内で)、以前に印刷したページと同じ内容のページが示される同一ページ表示欄S11を操作パネル11(液晶表示部11a)に表示させる。上述のように、以前に印刷したページと同じ内容か否かは、ハッシュ値に基づき判断される。そして、制御部4は、印刷しようとするページのうち、合致ページを、確認メッセージとして同一ページ表示欄S11に表示させる(報知させる)。これにより、使用者は、印刷用データを送信して印刷しようとするページのうち、どのページが以前に印刷されているかを容易に認識することができる。
【0090】
又、報知画面S1内に、制御部4は、全ページ印刷キーK1、部分印刷実行キーK2、OKキーK3を操作パネル11(液晶表示部11a)に表示させる。
【0091】
使用者は、合致ページを含めて、印刷用データに含まれる全てのページの印刷を行うとき全ページ印刷キーK1を押した上でOKキーK3を押せばよい。又、使用者は、印刷用データに含まれるページのうち、記憶部5に記憶されたいずれのハッシュ値とも合致しない相違ページのみ印刷を行うとき、部分印刷実行キーK2を押した上でOKキーK3を押せばよい。このように、操作パネル11は、合致ページを含め、全ページの印刷を行うか、相違ページのみ印刷を行うかの設定入力を受け付ける。そして、複合機1の制御部4は、操作パネル11になされた設定入力にあわせ、画像形成部15(印刷エンジン部17)に印刷を行わせる。
【0092】
データ(ファイル)の一部を修正して、差しかえのため、修正のあったページのみ印刷したいとき、使用者は、修正のあったページを逐一指定して印刷の実行指示をコンピューター2で行わなくて済む。言い換えると、使用者は、コンピューター2で印刷コマンドを単に実行すれば、複合機1が自動的に修正のあったページを認識する。そして、画像形成部15(印刷エンジン部17)に修正のあったページのみを印刷させることができる。
【0093】
又、報知処理としては、複合機1の制御部4は、通信部7から印刷用データを送信したコンピューター2のデータ通信部25に向けて、コンピューター2のディスプレイ24に図6に示す報知画面S1と同様の表示を行うための指示、データを、印刷確認通知として送信させてもよい。この場合、複合機1の制御部4は、報知画面S1を表示すべき旨の指示と、印刷用データに含まれるページのうち合致ページを示すデータを印刷確認通知として通信部7に送信させる。
【0094】
コンピューター2のデータ通信部25が受信すると、例えば、ドライバプログラム221は、処理部21に報知画面S1をディスプレイ24に表示させる。これにより、使用者は、自己のデスクで、マウス231やキーボード232を用いて、合致ページを含め、全ページの印刷を行うか、相違ページのみ印刷を行うかの設定入力を行える。コンピューター2の処理部21は、ディスプレイ24に表示された報知画面S1でのOKキーK3が押された(クリックされた)されたときの、全ページ印刷キーK1と部分印刷実行キーK2のうち選択されていたキーを示す情報をデータ通信部25から複合機1の通信部7に送信させる。これにより、複合機1の制御部4は、全ページの印刷を行うか、相違ページのみ印刷を行うかを認識することができる。
【0095】
報知処理の後、複合機1の制御部4は、操作パネル11に対する入力や通信部7へのデータ通信部25からの返信に基づき、印刷用データに含まれるページのうち、合致ページを含めて、全ページの印刷を行うべきか否かを確認する(ステップ♯9)。
【0096】
複合機1の制御部4は、合致ページを含めて印刷する旨の返信を通信部7がデータ通信部25から受信したときや、操作パネル11で全ページ印刷キーK1が選択された上でOKキーK3が押されたとき全ページの印刷を行うべきと認識する(ステップ♯9のYes)。一方、複合機1の制御部4は、相違ページのみ印刷する旨の返信を通信部7がデータ通信部25から受信したときや、操作パネル11で部分印刷実行キーK2が選択された上でOKキーK3が押されたとき、全ページの印刷を行わないと認識する(ステップ♯9のNo)。
【0097】
全ページの印刷を行うとき(ステップ♯9のYes)、及び、ステップ♯7で合致ページが存在しなければ(ステップ♯7のNo)、制御部4は、画像形成部15等を制御して、印刷用データに含まれる全ページの画像データに基づき、全ページの印刷を行わせる(ステップ♯10)。一方、相違ページのみ印刷するのであれば(ステップ♯9のNo)、制御部4は、画像形成部15等を制御して、相違ページの画像データに基づき、印刷用データに含まれるページのうち、蓄積されたハッシュ値と一致しなかった相違ページのみ印刷を行わせる(ステップ♯11)
【0098】
そして、制御部4は、相違ページのみ印刷したことを使用者に確実に認識させるため、印刷を行ったページ(相違ページ)を示すメッセージや、印刷を行わなかったページ(合致ページ)を示すメッセージや、合致ページの印刷をしていない旨のメッセージなどを含むメッセージの印刷を行う(ステップ♯12)。
【0099】
ステップ♯10及びステップ♯11の後、制御部4は、印刷用データを1つの単位として、印刷用データに含まれた各ページのハッシュ値をページごとにグループ化して、記憶部5(HDD53)に記憶させる(ステップ♯13)。
【0100】
このように、各ページの画像データのハッシュ値を印刷用データ単位でグループ化して記憶部5に蓄積してゆく。ここで、同じデータ(ファイル)の一部修正とその印刷が繰り返された場合、同じデータ(ファイル)について、複数のハッシュ値のグループGが記憶部5(HDD53)に蓄積されていくことになる。
【0101】
同じデータ(ファイル)に関しては、最新版といえる同じデータ(ファイル)についてのみハッシュ値を記憶しておけば十分な場合がある。例えば、元に戻すことのない修正をデータ(ファイル)中のあるページに行えば、修正のなされたページの修正前のハッシュ値は、以後、画像データのハッシュ値と一致すること、ほぼない。
【0102】
ハッシュ値が一致するページが有るグループGのうち、制御部4は、最も新しいグループGのみ記憶し、最も新しいグループGよりも古い方のグループGを記憶部5(HDD53)から削除させる(ステップ♯14)。
【0103】
図4を用いて説明する。図4の場合では、グループG1とグループG2を比較すると、グループGに含まれるページのうち、2ページ目のハッシュ値が一致する。例えば、グループG2の方が新しいとき、記憶部5は、グループG2のハッシュ値を記憶するとき、グループG1を削除する。
【0104】
このようして、本実施形態の画像形成装置(例えば、複合機1)は、通信相手である情報処理装置(コンピューター2)から印刷用データを受信する通信部7と、通信部7が受信した印刷用データに基づき、各ページの画像データを生成するページ生成部62と、ページ生成部62が生成した画像データに基づき印刷を行う画像形成部15(印刷エンジン部17)と、各ページの画像データに基づき、各ページのハッシュ値を求める演算部(ハッシュ値演算部63)と、演算部により求められたハッシュ値を記憶して、各ページのハッシュ値を蓄積する記憶部5と、を含み、画像形成部15は、印刷用データに含まれ、印刷を行おうとするページのうち、蓄積されたハッシュ値のいずれとも相違するページである相違ページを印刷し、蓄積されたハッシュ値のいずれかと合致するページである合致ページの印刷を行わないこととした。
【0105】
これにより、使用者がデータ(ファイル)の一部を更新して印刷用データを画像形成装置(例えば、複合機1)に送信した場合、以前に印刷したページと異なる内容のページに対してのみ印刷を行うことができる。従って、印刷の不要なページ(既に印刷されているページ)の再印刷を防ぐことができる。又、以前に印刷したページと同じであるか否かを確認の一手法として、記憶部5に各ページの画像データを記憶させ、記憶部5に記憶させた画像データと印刷を行おうとする各ページの画像データを比較することが考えられる。しかし、記憶部5は、演算部(ハッシュ値演算部63)により求められたハッシュ値を記憶して、受信した印刷用データに含まれる各ページのハッシュ値を随時蓄積する。これにより、印刷したページの画像データを記憶部5に記憶させる場合に比べ、以前に印刷されたページと同じであるか否かを確認するためのデータの量を格段に抑えることができる。更に、画像データの各画素を逐一比較せず、ハッシュ値を比較するだけで以前に印刷されたページと同じであるか否かを確認することができ、処理負荷は軽くて済む。
【0106】
又、通信部7は、合致ページを含めて印刷用データに含まれる全ページの印刷を行うか、又は、相違ページのみ印刷を行うかの印刷確認通知を、印刷用データを送信した情報処理装置(コンピューター2)に送信し、画像形成部15(印刷エンジン部17)は、印刷確認通知送信後、通信部7が相違ページのみ印刷を行う旨の通知を情報処理装置から受信したとき、相違ページの画像データに基づき相違ページのみ印刷を行い、全ページの印刷を行う旨の通知を情報処理装置から受信したとき、印刷用データに含まれる全ページの画像データに基づき、全ページの印刷を行う。これにより、以前の印刷物を廃棄している場合や、所持していない場合など、全ページ分の印刷を行いたい場合には、使用者は、全ページの印刷を画像形成装置(例えば、複合機1)に指示することができる。従って、使用者が意図するとおりに画像形成装置に印刷を行わせることができる。
【0107】
又、メッセージを報知し、入力を受け付ける報知入力部(操作パネル11)を含み、報知入力部は、印刷用データのうち、合致ページを、以前に印刷されたことがあるページとして確認メッセージを報知し、画像形成部15(印刷エンジン部17)は、報知入力部による確認メッセージ報知後、報知入力部が、相違ページのみ印刷を行う旨の入力を受け付けたとき、相違ページの画像データに基づき相違ページの印刷を行い、全ページの印刷を行う旨の入力を受け付けたとき、印刷用データに含まれる全ページ分の画像データに基づき、全ページの印刷を行う。これにより、以前の印刷物を廃棄している場合や、所持していない場合など、全ページ分の印刷を行いたい場合には、使用者は、全ページの印刷を画像形成装置(例えば、複合機1)に指示することができる。従って、使用者が意図するとおりに画像形成装置に印刷を行わせることができる。
【0108】
又、使用者は、画像形成装置(例えば、複合機1)や情報処理装置(コンピューター2)でのメッセージの確認を見逃してしまう場合もある。そこで、画像形成部15(印刷エンジン部17)は、合致ページの印刷を行わないとき、印刷を行うページを示すメッセージと、印刷を行わないページを示すメッセージと、以前に印刷がなされたページの印刷をしていない旨のメッセージの何れか1つ、又は、複数のメッセージを印刷する。これにより、使用者へのメッセージを印刷物として出力することにより、使用者に対し、合致ページや相違ページの印刷実行、印刷不実行に関するメッセージを伝達することができる。
【0109】
又、記憶部5は、印刷用データ単位で複数ページをグループGとしてハッシュ値を記憶し、グループG間でハッシュ値が共通するページがあるとき、先に記憶されたグループGのハッシュ値を削除する。これにより、複数回にわたって修正された場合など、同じデータ(ファイル)を対象として複数回の印刷がなされたとき(通信部7が同じデータに基づく印刷用データを複数回受信したとき)、最新版の印刷用データに含まれる各ページのハッシュ値のみを記憶するように、記憶部5が記憶を更新する。従って、ハッシュ値の記憶に要する容量を少なくすることができる。
【0110】
又、本発明は、画像形成システム100として捉えることもできる。そして、本実施形態では、情報処理装置(コンピューター2)と画像形成装置(例えば、複合機1)とを含む画像形成システム100において、画像形成装置は、情報処理装置と通信を行って印刷用データを受信する通信部7と、通信部7が受信した印刷用データに基づき、各ページの画像データを生成するページ生成部62と、ページ生成部62が生成した画像データに基づき印刷を行う画像形成部15(印刷エンジン部17)と、各ページの画像データに基づき、各ページのハッシュ値を求める演算部(ハッシュ値演算部63)と、演算部により求められたハッシュ値を記憶する記憶部5と、を含み、画像形成部15は、印刷用データに含まれ、印刷を行おうとするページのうち、蓄積されたハッシュ値のいずれとも相違するページである相違ページを印刷し、蓄積されたハッシュ値のいずれかと合致するページである合致ページの印刷を行わない。
【0111】
これにより、使用者がデータ(ファイル)の一部を更新して印刷用データを情報処理装置(コンピューター2)から画像形成装置(例えば、複合機1)に送信した場合、以前に印刷したページと異なる内容のページに対してのみ印刷を行うことができる。従って、印刷の不要なページ(既に印刷されているページ)の再印刷を防ぐことができる画像形成システム100を提供することができる。
【0112】
又、画像形成システム100では、通信部7は、合致ページを含めて印刷用データに含まれる全ページの印刷を行うか、又は、相違ページのみ印刷を行うかの印刷確認通知を、印刷用データを送信した情報処理装置(コンピューター2)に送信し、情報処理装置は、印刷確認通知に対し、相違ページのみ印刷を指示する操作、又は、全ページの印刷指示する操作を受け付け、受け付けた操作の内容を通信部7に送信し、画像形成部15(印刷エンジン部17)は、通信部7が相違ページのみ印刷を行う旨の通知を情報処理装置から受信したとき、相違ページの画像データに基づき印刷を行い、全ページの印刷を行う旨の通知を情報処理装置から受信したとき、印刷用データに含まれる全ページの画像データに基づき、全ページの印刷を行う。これにより、記憶部5に以前に印刷したページの画像データを記憶させる場合に比べ、以前に印刷されたページと同じであるか否かを確認するためのデータの量を格段に抑えた画像形成システム100を提供することができる。更に、画像データの各画素を逐一比較せず、ハッシュ値を比較するだけで以前に印刷されたページと同じであるか否かを確認することができ、処理負荷が軽い画像形成システム100を提供することができる。
【0113】
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態では、ハッシュ値が一致するページが有るグループGについて、制御部4は、最も新しいグループGのみ記憶し、最も新しいグループGよりも古いグループGを記憶部5(HDD53)から削除させる例を説明した。しかし、使用者は、一旦修正した内容を元に戻す修正をデータ(ファイル)に行うこともある。そこで、グループG間でハッシュ値が一致するページが有っても、一方のグループGを記憶部5(HDD53)から削除しないようにしてもよい。
【0114】
このようにして、本実施形態の画像形成装置(例えば、複合機1)では、記憶部5は、印刷用データ単位で複数ページをグループGとしてハッシュ値を記憶し、通信部7が受信した印刷用データに含まれるページのハッシュ値が、複数のグループGに含まれるハッシュ値と合致するとき、印刷用データのページのうち、複数のグループGに含まれるハッシュ値のいずれとも合致しないハッシュ値のページのみ印刷する。これにより、複数回にわたって修正された場合など、同じデータ(ファイル)を対象として複数回の印刷がなされたとき(通信部7が同じデータに基づく印刷用データを複数回受信したとき)、複数回にわたる印刷のうち、以前に印刷したことのないページのみが印刷される。
【0115】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、画像形成装置(例えば、複合機やプリンター)に利用可能である。又、画像形成装置やコンピューターを含む画像形成システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0117】
100 画像形成システム 1 複合機(画像形成装置)
15 画像形成部 5 記憶部
62 ページ生成部 63 ハッシュ値演算部(演算部)
7 通信部 11 操作パネル(報知入力部)
2 コンピューター(情報処理装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信相手である情報処理装置から印刷用データを受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記印刷用データに基づき、各ページの画像データを生成するページ生成部と、
前記ページ生成部が生成した画像データに基づき印刷を行う画像形成部と、
各ページの画像データに基づき、各ページのハッシュ値を求める演算部と、
前記演算部により求められた前記ハッシュ値を記憶して、各ページの前記ハッシュ値を蓄積する記憶部と、を含み、
前記画像形成部は、前記印刷用データに含まれ、印刷を行おうとするページのうち、蓄積された前記ハッシュ値のいずれとも相違するページである相違ページを印刷し、蓄積された前記ハッシュ値のいずれかと合致するページである合致ページの印刷を行わないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記合致ページを含めて前記印刷用データに含まれる全ページの印刷を行うか、又は、前記相違ページのみ印刷を行うかの印刷確認通知を、前記印刷用データを送信した情報処理装置に送信し、
前記画像形成部は、前記印刷確認通知送信後、前記通信部が前記相違ページのみ印刷を行う旨の通知を前記情報処理装置から受信したとき、前記相違ページの画像データに基づき前記相違ページのみ印刷を行い、全ページの印刷を行う旨の通知を前記情報処理装置から受信したとき、前記印刷用データに含まれる全ページの画像データに基づき、全ページの印刷を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
メッセージを報知し、入力を受け付ける報知入力部を含み、
前記報知入力部は、前記印刷用データのうち、前記合致ページを、以前に印刷されたことがあるページとして確認メッセージを報知し、
前記画像形成部は、前記報知入力部による前記確認メッセージ報知後、前記報知入力部が、前記相違ページのみ印刷を行う旨の入力を受け付けたとき、前記相違ページの画像データに基づき前記相違ページの印刷を行い、全ページの印刷を行う旨の入力を受け付けたとき、前記印刷用データに含まれる全ページ分の画像データに基づき、全ページの印刷を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成部は、前記合致ページの印刷を行わないとき、印刷を行うページを示すメッセージと、印刷を行わないページを示すメッセージと、以前に印刷がなされたページの印刷をしていない旨のメッセージの何れか1つ、又は、複数のメッセージを印刷することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記印刷用データ単位で複数ページをグループとして前記ハッシュ値を記憶し、前記グループ間で前記ハッシュ値が共通するページがあるとき、先に記憶された前記グループの前記ハッシュ値を削除することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記印刷用データ単位で複数ページをグループとして前記ハッシュ値を記憶し、前記通信部が受信した前記印刷用データに含まれるページの前記ハッシュ値が、複数の前記グループに含まれる前記ハッシュ値と合致するとき、前記印刷用データのページのうち、複数の前記グループに含まれる前記ハッシュ値のいずれとも合致しない前記ハッシュ値のページのみ印刷することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
情報処理装置と画像形成装置とを含む画像形成システムにおいて、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置と通信を行って印刷用データを受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記印刷用データに基づき、各ページの画像データを生成するページ生成部と、
前記ページ生成部が生成した画像データに基づき印刷を行う画像形成部と、
各ページの画像データに基づき、各ページのハッシュ値を求める演算部と、
前記演算部により求められた前記ハッシュ値を記憶する記憶部と、を含み、
前記画像形成部は、前記印刷用データに含まれ、印刷を行おうとするページのうち、蓄積された前記ハッシュ値のいずれとも相違するページである相違ページを印刷し、蓄積された前記ハッシュ値のいずれかと合致するページである合致ページの印刷を行わないことを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
前記通信部は、前記合致ページを含めて前記印刷用データに含まれる全ページの印刷を行うか、又は、前記相違ページのみ印刷を行うかの印刷確認通知を、前記印刷用データを送信した前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、前記印刷確認通知に対し、前記相違ページのみ印刷を指示する操作、又は、全ページの印刷指示する操作を受け付け、受け付けた操作の内容を前記通信部に送信し、
前記画像形成部は、前記通信部が前記相違ページのみ印刷を行う旨の通知を前記情報処理装置から受信したとき、前記相違ページの画像データに基づき印刷を行い、全ページの印刷を行う旨の通知を前記情報処理装置から受信したとき、前記印刷用データに含まれる全ページの画像データに基づき、全ページの印刷を行うことを特徴とする請求項7記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−28098(P2013−28098A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166330(P2011−166330)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】