説明

画像形成装置、画像形成ユニット、現像剤カートリッジ、画像形成ユニットの製造方法、及び現像剤カートリッジの製造方法

【課題】スペースの無駄をなくし、より小型化することが可能な画像形成装置、画像形成ユニット、及び現像剤カートリッジと、より小型な画像形成ユニットを製造することが可能な現像剤カートリッジの製造方法と、より小型な現像剤ユニットを製造することが可能な現像剤ユニットの製造方法とを提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、現像装置28と、現像装置28に供給される現像剤が充填され、現像剤を充填するための充填用開口部78が形成されている収容容器70と、少なくとも一部分が、充填用開口部78から収容容器70に入り込んだ状態で収容容器70に連結していて、感光体22の表面からクリーニング装置30によって除去された廃現像剤が回収される回収容器72とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成ユニット、現像剤カートリッジ、画像形成ユニットの製造方法、及び現像剤剤カートリッジの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置、画像形成ユニット、及び現像剤カートリッジに関する技術であって、現像剤が収容されている収容室と、廃現像剤が回収される回収室とを有する技術が知られている(特許文献1)。この技術では、収容室と回収室とが一つの容器内に形成されている。
【0003】
【特許文献1】特開平9−166912
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、スペースの無駄をなくし、より小型化することが可能な画像形成装置、画像形成ユニット、及び現像剤カートリッジと、より小型な画像形成ユニットを製造することが可能な現像剤カートリッジの製造方法と、より小型な現像剤ユニットを製造することが可能な現像剤ユニットの製造方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の特徴とするところは、現像装置と、前記現像装置に供給する現像剤が充填され、現像剤を充填するための開口部が形成されている第1の容器と、少なくとも一部分が前記開口部から前記第1の容器内に入り込んだ状態で前記第1の容器に連結され、廃現像剤が回収される第2の容器とを有する画像形成装置にある。したがって、第1の容器内に第2の容器を入り込ませることで、装置内の空間が無駄なく利用されるようになり画像形成装置を小型化することが可能となる。
【0006】
好適には、前記第1の容器内に収容された現像剤を撹拌する第1の撹拌部材と、前記第2の容器に回収される廃現像剤を撹拌する第2の撹拌部材と、前記第1及び第2の撹拌部材に駆動を伝達する駆動伝達手段とをさらに有する。したがって、撹拌されることによって第1の容器内に現像剤が偏ることなく収容されるようになり、第1の容器内のスペースが無駄なく利用できるようになるため、第1の容器をより小型化することが可能となる。また、撹拌されることによって第2の容器内に廃現像剤が偏ることなく回収されるようになり、第2の容器内のスペースが無駄なく利用できるようになるため、第2の容器をより小型化することが可能となる。
【0007】
また、好適には、前記第1及び第2の容器の外側に設けられた駆動源をさらに有し前記駆動伝達手段は、前記第1又は第2の容器の一方を貫通し、前記第1又は第2の容器の他方の側に駆動を伝達する駆動伝達部材を有する。したがって、第1又は第2の容器を貫通する駆動伝達部材を用いるので、第1及び第2の容器の外側に駆動伝達部材を設ける場合と比較して、画像形成装置をより小型化することが可能となる。
【0008】
また、好適には、前記駆動伝達手段は駆動軸を有し、この駆動軸は、少なくとも前記第2の容器の前記第1の容器に入り込んだ部分に支持されている。したがって、第2の容器とは別に駆動軸を支持する部材を設ける必要がなくなり、画像形成装置を、より小型化することが可能となる。
【0009】
また、好適には、前記駆動伝達手段は駆動軸を有し、この駆動軸は、少なくとも前記第1の容器に設けられた駆動軸支持手段に支持されている。したがって、駆動軸がより良好に支持され、駆動伝達がより良好に行うことが可能となる。
【0010】
また、好適には、前記第1の容器に、前記第1の容器内に収容された現像剤を前記現像装置に供給するための供給口が形成されている。したがって、供給口を介して第1の現像装置内に収容された現像剤が、現像装置に供給される。
【0011】
また、好適には、前記第2の容器に、前記第2の容器内に廃現像剤を回収するための廃現像剤回収口が形成されている。したがって、廃現像剤回収口を介して、第2の容器に廃現像剤が回収される。
【0012】
また、本発明の第2の特徴とするところは、現像装置に供給する現像剤が充填され、現像剤を充填するための開口部が形成されている第1の容器と、少なくとも一部分が前記開口部から前記第1の容器内に入り込んだ状態で前記第1の容器に連結され、廃現像剤が回収される第2の容器とを有する画像形成ユニットにある。したがって、第1の容器内の空間に第2の容器を入り込ませることで、画像形成ユニット内の空間が無駄なく利用されるようになり画像形成ユニットを小型化することが可能となる。
【0013】
また、本発明の第3の特徴とするところは、現像装置に供給する現像剤が充填され、現像剤を充填するための開口部が形成されている第1の容器と、少なくとも一部分が前記開口部から前記第1の容器内に入り込んだ状態で前記第1の容器に連結され、廃現像剤が回収される第2の容器とを有する現像剤カートリッジにある。したがって、第1の容器内の空間に第2の容器を入り込ませることで、現像剤カートリッジ内の空間が無駄なく利用されるようになり現像剤カートリッジを小型化することが可能となる。
【0014】
また、本発明の第4の特徴とするところは、開口部が形成された第1の容器を、前記開口部が重力方向上方を向くように載置し、前記開口部から前記第1の容器に現像剤を充填し、少なくとも一部分が前記開口部から前記第1の容器に入り込んだ状態となるように、廃現像剤が回収される第2の容器を前記第1の容器に連結させる画像形成ユニットの製造方法にある。したがって、第1の容器内の空間に第2の容器を入り込ませることで、装置内の空間が無駄なく利用されるようになり画像形成ユニットを小型化することが可能となる。
【0015】
また、好適には、前記第1の容器に現像剤を充填してから所定時間経過した後、前記第1の容器に前記第2の容器を連結する。したがって、所定時間が経過する間に、例えば現像剤が沈み込む等の移動をすることによって第1の容器内に形成された空間を、第2の容器が入り込むための空間として用いることが可能となり、画像形成ユニットをより小型化することが可能となる。
【0016】
また、好適には、前記第1の容器に充填された現像剤が重力方向下方に沈むことにより形成された空間に、前記第2の容器の少なくとも一部が入り込んだ状態となるように、前記第1の容器に前記第2の容器を連結させる。したがって、所定時間が経過する間に、現像剤が重力方向下方に沈み込むことによって第1の容器内に形成された空間を、第2の容器が入り込むための空間として用いることが可能となり、画像形成ユニットをより小型化することが可能となる。
【0017】
また、好適には、開口部が形成された第1の容器を、前記開口部が重力方向上方を向くように載置し、前記開口部から前記第1の容器に現像剤を充填し、少なくとも一部分が前記開口部から前記第1の容器に入り込んだ状態となるように、廃現像剤が回収される第2の容器を前記第1の容器に連結させる現像剤カートリッジの製造方法にある。したがって、第1の容器内の空間に第2の容器が入り込むことで、現像剤カートリッジ内の空間が無駄なく利用されるようになり現像剤カートリッジをより小型化することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スペースの無駄をなくし、より小型化することが可能な画像形成装置、画像形成ユニット、及び現像剤カートリッジと、より小型な画像形成ユニットを製造することが可能な現像剤カートリッジの製造方法と、より小型な現像剤ユニットを製造することが可能な現像剤ユニットの製造方法とが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1には本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。この画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12内に画像形成部14と、画像形成部14に転写材として用いられるシートを供給するシート供給装置54と、電源ユニット16とが配設されている。また、画像形成装置本体12の上部に画像形成がなされたシートが排出されるシート排出部15が設けられている。
【0020】
画像形成部14は、カラー画像を形成する電子写真方式のもので、イエローの現像剤を用いてイエロー画像を形成する画像形成部18Yと、マゼンダの現像剤を用いてマゼンダ画像を形成する画像形成部18Mと、シアンの現像剤を用いてシアン画像を形成する画像形成部18Cと、ブラックの現像剤を用いてブラック画像を形成する画像形成部18Bとを有している。これらの画像形成部は、後述する搬送ベルト46に沿って、シート搬送方向上流である重力方向下方から順に、画像形成部18Y、画像形成部18M、画像形成部18C、画像形成部18Bの順に配置されている。
【0021】
画像形成部18Y、18M、18C、18Bは、形成する画像の色が異なるものの同じ構成であるので、以下、画像形成部18として構成を説明する。画像形成部18は、像担持体として用いられる感光体22と、感光体22を一様に帯電する帯電ロールを備え、帯電手段として用いられる帯電装置24と、感光体22に光により潜像を書き込む潜像書き込み手段として用いられる光書き込み装置26と、感光体22に書き込まれた潜像を現像剤で現像し、可視像として用いられる現像剤像を形成する現像装置28と、感光体に形成された現像剤像をシートに転写する転写ロール50と、転写ロールによる転写がなされた後に、感光体22の表面に残留した現像剤像を除去する現像剤除去手段として用いられるクリーニング装置30とを、それぞれが有している。光書き込み装置26はレーザー露光装置からなり、レーザー光を発し各感光体22にそれぞれ静電潜像を書き込むようになっている。
【0022】
画像形成部18が有する部材のうち感光体22、帯電装置24、現像装置28及びクリーニング装置30は、画像形成ユニットとして用いられるプロセスカートリッジ32として一体型され、画像形成装置本体12に着脱可能に装着されている。
【0023】
転写ロール50Y、50M、50C、50Bは、他の部材とともに転写ユニット42として一体化され、画像形成装置本体12から着脱することができるようになっている。転写ユニット42は、転写ロール50Y、50M、50C、50Bと併せて、二つの支持ロール44a、44bと、シートを搬送する搬送ベルト46と、吸着ロール48とを有している。支持ロール44aは、搬送ベルト46を駆動する駆動ロールとして用いられ、例えばモータ等からなる駆動源(不図示)に連結されている。吸着ロール48は、シートを搬送ベルト46に電荷的に吸着させる静電吸着手段として用いられている。
【0024】
搬送ベルト46により搬送中のシートに、感光体22Y、22M、22C、22Bに形成された現像剤像が、ぞれぞれの転写ロール50Y、50M、50C、50Bによって転写され、シートにイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色の現像剤像が重ねられたフルカラーの現像剤像が形成される。
【0025】
また、画像形成装置本体12内の上部には、シートに転写された現像剤像をシートへと定着する定着装置52が設けられている。定着装置52は、加熱ロール52aと加圧ロール52bとからなり、加熱ロール52aと加圧ロール52bとの間を通過するシートを加熱し加圧することで、シートに現像剤像を定着するようになっている。
【0026】
シート供給装置54は、シート収容部として用いられるシート供給カセット56と、このシート供給カセット56からシートを画像形成部14へ向けて供給する供給ロール58と、分離部材として用いられる捌きロール66とを有する。
を有する。
【0027】
シート供給カセット56は、画像形成装置本体12に対して着脱自在に設けられていて、普通紙、OHPシート等のシートが積層されて収容される。捌きロール66は供給ロール58に圧接され、供給ロール58との間にニップ部を形成し、このニップ部でシート供給カセット56から供給されるシートを捌き、分離してシートの重送を防止する。
【0028】
また、画像形成装置本体12内には、シート供給装置54から供給されたシートをシート排出部15まで搬送する搬送路60が設けられていて、この搬送路60に沿って、シート搬送方向上流側から順に、レジストロール対62、転写ユニット42、定着装置52及び排出ロール40が配置されている。排出ロール40は、定着装置52から搬送されたシートをシート排出部15へと排出する。
【0029】
プロセスカートリッジ32の近傍には、画像形成ユニットとして用いられる現像剤カートリッジ34が設けられている。現像剤カートリッジ34は、例えばパイプ等からなる現像剤供給路35を介して現像装置28に現像剤を供給するとともに、例えばパイプ等からなる廃現像剤回収路37を介して、クリーニング装置30で感光体22の表面から除去された廃現像剤を回収する。現像剤カートリッジ34は、プロセスカートリッジ32と独立して画像形成装置本体12内に着脱可能となっている。尚、現像剤カートリッジ34とプロセスカートリッジ32とを一体として構成して、一体として画像形成装置本体12内に着脱可能としても良い。
【0030】
図2乃至図4には、第1の実施形態に係る現像剤カートリッジ34が示されている。現像剤カートリッジ34は、第1の容器として用いられる収容容器70と、第2の容器として用いられる回収容器72とを有し、収容容器70及び回収容器72でカートリッジ本体76を構成している。
【0031】
収容容器70内には現像剤が収容されているとともに、収容容器70には、開口部として用いられ、現像剤を充填するために用いられる充填用開口部78が形成されている。例えば、製造の過程において、充填用開口部78を介して収容容器70内に現像剤が充填される。収容容器70には、充填用開口部78と併せて、供給用開口部80が形成されている。供給用開口部80及び現像剤供給路35(図1参照)を介して、収容容器70内に収容された現像剤が現像装置28(図1参照)に供給される。収容容器70には、収容容器70の長手方向に対して摺動自在に蓋部81が取り付けられていて、蓋部81を摺動することで、供給用開口部80が開閉するようになっている。
【0032】
収容容器70内には、収容容器70内に収容された現像剤を撹拌する第1の撹拌手段として用いられるとともに、収容容器70内の現像剤を供給用開口部80へ搬送する第1の搬送手段として用いられる板状部材82が設けられている。板状部材82は、例えば可撓性を有する樹脂等からなり、駆動伝達部材として用いられる駆動軸84に装着されていて、駆動軸84からの駆動伝達を受けて収容容器70内で回転する。
【0033】
駆動軸84は、一端部が収容容器70に回動可能に支持されている。また、駆動軸84の他端部は、回収容器72の収容容器70に入り込んだ部分に回動可能に支持されている。駆動軸84の一端部は、収容容器70から突出していて、突出した部分にギア86が装着されている。プロセスカートリッジ32が画像形成装置本体12(図1参照)内に装着されると、ギア86は画像形成装置本体12側に設けられ、例えばモータ等からなる駆動源88に連結される。駆動軸84の他端部は、回収容器72内へと突出した状態となっている。
【0034】
回収容器72は、回収容器本体73と蓋部74とからなり、蓋部74が回収容器本体73に嵌め合わされることで、廃現像剤の回収に用いられる回収室が形成されている。蓋部74には、廃現像剤回収用開口部として用いられる回収用開口部92が形成されていて、回収用開口部92と廃現像剤回収路37とを介して、クリーニング装置30で感光体22の表面から除去された廃現像剤が回収容器72に回収される。回収容器72は、図3に示される下方の部分が、充填用開口部78から収容容器70に入り込んだ状態で収容容器70に連結されている。回収容器72は、充填用開口部78を閉じた状態とする蓋部として機能を有し、回収容器72を充填用開口部78に連結することで充填用開口部78が閉じられた状態となる。回収容器72内には、第2の撹拌部材として用いられ、回収容器72内に回収された廃現像剤を撹拌する板状部材90が設けられている。
【0035】
板状部材90は、例えば可撓性を有する樹脂等からなり、駆動伝達部材として用いられる駆動軸94に装着されていて、駆動軸94からの駆動伝達を受けて回収容器72内で回転する。
【0036】
駆動軸94の一端部は、蓋部74に形成された凹部に嵌まり込むようにして蓋部74に対して回動可能に支持されている。駆動軸94の他端部は、例えば駆動軸94に形成された凹部に、回収容器72内に突出した駆動軸84の端部が嵌まり込む等の構成によって、駆動軸84に連結されている。このような構成によって、駆動源88からの回転駆動がギア86及び駆動軸84を介して駆動軸94に伝達され、駆動軸94及び板状部材90が回収容器72内で回動するようになっている。このように、駆動軸84は、収容容器70を貫通し、収容容器70及び回収容器72の外側に設けられた駆動源88の駆動を、収容容器70の他端側に伝達する駆動伝達部材として用いられている。
【0037】
蓋部74の回収用開口部92が形成された部分の外側には、少なくとも回収用開口部92を覆うように、例えばスポンジ等の弾性を有する材料からなるシール部材96が設けられている。シール部材96には、複数の切り込み98が例えば交差するように形成されていて、この切込98と回収用開口部92とによって、回収容器72の内側と外側とがつながった状態となっている。切り込み98には、例えばパイプ部材等からなる廃現像剤回収路37(図1参照)が挿入される。シール部材96を設けることで、廃現像剤回収路37と回収容器72との継ぎ目の部分が良好にシーリングされ、この継ぎ目の部分から廃現像剤が漏れ出しにくくすることができる。
【0038】
図5には、以上で説明をした現像剤カートリッジ34の製造工程が説明されている。現像剤カートリッジ34を製造するには、図5(a)に示されるように、充填用開口部78が重力方向上方を向くように収容容器70を載置する。そして、充填用開口部78を介して、収容容器70に、例えば収容容器70内の略全スペースが満たされるように現像剤Tを充填する。現像剤の充填は、例えば、ポンプ等を用いて収容容器70内に空気流を発生させ、この空気流によって現像剤を搬送することによってなされる。特に空気流を用いて現像剤を収容容器70に現像剤を充填した場合等は、充填された現像剤の各粒子間に空気が混入し、混入した空気で収容容器70に充填された現像剤が膨らんだような状態となっている。
【0039】
収容容器70に現像剤を充填した後、充填用開口部78が重力方向上方を向いた状態を保ったまま所定時間が経過するのを待つ。所定時間が経過すると図5(b)に示されるように、現像剤Tが重力方向下方に沈み込む。現像剤Tが重力方向下方に沈み込むのは、現像剤を充填する工程で現像剤の各粒子間に入り込んだ空気が、時間の経過とともに例えば現像剤粒子の重力によって各現像剤粒子の間から流出するためである。そして、現像剤が重力方向下方に沈み込むことによって、収容容器70内に現像剤Tによって占有されていない新たな空間100が形成される。
【0040】
空間100が形成された後、図5(c)に示されるように、空間100に回収容器72の少なくとも一部分が入り込んだ状態となるように、収容容器70の充填用開口部78に回収容器72を連結させる。このように、この実施形態では、収容容器70に充填された各現像剤粒子の間から空気が流出し、現像剤が沈み込み、現像剤全体が収容容器70で占める体積が小さくなることにより生じる空間100に回収容器72が入り込むようにして、空間100を利用している。このため、空間100を利用しない場合と比較して、現像剤カートリッジ34を小型にすることが可能となる。
【0041】
図6乃至8には、現像剤カートリッジ34の第2の実施形態が示されている。第1の実施形態と比較すると、第1の実施形態では、収容容器70内に板状部材82が設けられていたのに対して、この第2の実施形態では、例えば金属等からなる螺旋形状の螺旋部材110が設けられている。螺旋部材110は、第1の実施形態における板状部材82と同様に、収容容器70内に収容された現像剤を撹拌する撹拌部材として用いられ、収容容器70内の現像剤を搬送する搬送部材として用いられている。螺旋部材110は、駆動軸84に接続されていて、駆動軸84から駆動伝達を受けて回転することで、収容容器70内の現像剤を撹拌し、搬送する。尚、図8においては、螺旋部材110の図示を省略している。
【0042】
第1の実施形態では、駆動軸84は、一端部が収容容器70の壁部に、他端部が回収容器72の壁部に支持されていたのに対して、この第2の実施形態においては、駆動軸84は、収容容器70の壁部及び回収容器72の壁部に加えて、駆動軸支持手段として用いられる支持部材112によって支持されている。支持部材112は、例えば3本の支柱114によって収容容器70の内壁面に取り付けられていて、貫通孔が形成された支持部116で駆動軸84を支持している。支持部材112を設けることで、収容容器70から回収容器72を取り外した状態でも(図5(a)参照)、駆動軸84が収容容器70の壁部及び支持部材112の2箇所で支持されることになり、例えば現像剤を収容容器70に充填する場合等に、駆動軸84の位置ズレが生じにくくなる。尚、第1の実施形態と同一部分については、図6乃至8に同一番号を付して説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上述べたように、本発明は、例えば複写機、ファクシミリ装置、プリンタ等の画像形成装置と、主としてこれらに用いられる画像形成ユニット、現像剤カートリッジ、画像形成ユニットの製造方法、及び現像剤カートリッジの製造方法に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成ユニットの外観を示す第1の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像形成ユニットを示す断面図である。
【図4】図4(a)は本発明の第1の実施形態に用いられる第1の容器を示す斜視図であり、図4(b)は図4(a)に示される第1の容器に第2の容器が連結された状態を示す斜視図であり、図4(c)は図4(b)に示される第2の容器に蓋部が装着された状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る画像形成ユニットの製造工程を説明し、図5(a)は第1の容器に現像剤が充填された時点の状態を示し、図5(b)は現像剤が充填されてから所定時間が経過した時点の第1の容器の状態を示し、図5(c)は第1の容器に第2の容器が連結された状態を示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る画像形成ユニットの外観を示す第1の斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る画像形成ユニットを示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に用いられる第1の容器を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体
28 現像装置
30 クリーニング装置
34 現像剤カートリッジ
35 現像剤供給路
37 廃現像剤回収路
70 収容容器
72 回収容器
74 蓋部
78 充填用開口部
82 板状部材
84 駆動軸
86 ギア
88 駆動源
90 板状部材
92 回収用開口部
94 駆動軸
100 空間
110 螺旋部材
112 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像装置と、
前記現像装置に供給する現像剤が充填され、現像剤を充填するための開口部が形成されている第1の容器と、
少なくとも一部分が前記開口部から前記第1の容器内に入り込んだ状態で前記第1の容器に連結され、廃現像剤が回収される第2の容器と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の容器内に収容された現像剤を撹拌する第1の撹拌部材と、
前記第2の容器に回収される廃現像剤を撹拌する第2の撹拌部材と、
前記第1及び第2の撹拌部材に駆動を伝達する駆動伝達手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の容器の外側に設けられた駆動源をさらに有し
前記駆動伝達手段は、前記第1又は第2の容器の一方を貫通し、前記第1又は第2の容器の一方の側から他方の側に駆動を伝達する駆動伝達部材を有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記駆動伝達手段は駆動軸を有し、
この駆動軸は、少なくとも前記第2の容器の前記第1の容器に入り込んだ部分に支持されていることを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記駆動伝達手段は駆動軸を有し、
この駆動軸は、少なくとも前記第1の容器に設けられた駆動軸支持手段に支持されていることを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の容器に、前記第1の容器内に収容された現像剤を前記現像装置に供給するための供給口が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2の容器に、前記第2の容器内に廃現像剤を回収するための廃現像剤回収口が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の画像形成装置。
【請求項8】
現像装置に供給する現像剤が充填され、現像剤を充填するための開口部が形成されている第1の容器と、
少なくとも一部分が前記開口部から前記第1の容器内に入り込んだ状態で前記第1の容器に連結され、廃現像剤が回収される第2の容器と、
を有することを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項9】
現像装置に供給する現像剤が充填され、現像剤を充填するための開口部が形成されている第1の容器と、
少なくとも一部分が前記開口部から前記第1の容器内に入り込んだ状態で前記第1の容器に連結され、廃現像剤が回収される第2の容器と、
を有することを特徴とする現像剤カートリッジ。
【請求項10】
開口部が形成された第1の容器を、前記開口部が重力方向上方を向くように載置し、
前記開口部から前記第1の容器に現像剤を充填し、
少なくとも一部分が前記開口部から前記第1の容器に入り込んだ状態となるように、廃現像剤が回収される第2の容器を前記第1の容器に連結させることを特徴とする画像形成ユニットの製造方法。
【請求項11】
前記第1の容器に現像剤を充填してから所定時間経過した後、前記第1の容器に前記第2の容器を連結させることを特徴とする請求項10記載の画像形成ユニットの製造方法。
【請求項12】
前記第1の容器に充填された現像剤が重力方向下方に沈むことにより形成された空間に、前記第2の容器の少なくとも一部が入り込んだ状態となるように、前記第1の容器に前記第2の容器を連結させることを特徴とする請求項11記載の画像形成ユニットの製造方法。
【請求項13】
開口部が形成された第1の容器を、前記開口部が重力方向上方を向くように載置し、
前記開口部から前記第1の容器に現像剤を充填し、
少なくとも一部分が前記開口部から前記第1の容器に入り込んだ状態となるように、廃現像剤が回収される第2の容器を前記第1の容器に連結させることを特徴とする現像剤カートリッジの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−90207(P2008−90207A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−273669(P2006−273669)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】